今では売れっ子プロデューサーとして腕を振るうサシャ・ピート(G)が在籍し、90年代には、HELLOWEEN、GAMMA RAY、BLIND GUARDIANらと共に、ここ日本でジャーマン・メタル人気を牽引したHEAVENS GATEの記念すべきデビュー作(’89年)。 JUDAS PRIEST型正統派HMに、ジャーマン・メタルならではのメロディとパワーがトッピングされた名盤『LIVIN’ IN HYSTERIA』(’91年)の出来栄えに衝撃を受けた当時、慌てて遡って本作も買いに走ったのですが、勿体ぶったインスト序曲①による導入を経て、うじうじと蠢くGリフが印象的なアルバム表題曲“IN CONTROL”のカッコ良さだけで速攻ノックアウトされてしまいましたよ。流石、来日公演のトリを飾っただけあって、“GATE OF HEAVEN”や“LIVIN’ IN HYSTERIA”にも負けない名曲ぶり。 他にもキャッチーな疾走チューン“TYRANTS”あり、トリロジー第一作目となる重厚なエピック・メタル調の“PATH OF GLORY”あり…といった具合に、メタル者が拳を振り上げるに足る逸品の数々を収録し、国内盤は'90年発表の6曲入りEP『OPEN THE GATE AND WATCH!』とのカップリング仕様、全15曲、1時間オーバーの超過ボリュームにも拘わらず、ダレを殆ど感じることなく全編を聴き通させてしまうのですから、「こいつらは本物だ!」と、バンドの才能を確信するには十分です。 クセの強いVoにベタッとしてキレに欠けるドラミングとか、全体的にまだまだ垢抜けない雰囲気を漂わせつつも、デビュー作でこのクオリティは立派。『LIVIN’~』が気に入った方ならこっちも押さえておいて損はありません。格安価格でお買い求め頂けますしね。