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FROM THE MOON TO THE SUN (2008年)
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FROM THE MOON TO THE SUN
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解説 - FROM THE MOON TO THE SUN
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1. 火薬バカ一代 ★★★ (2018-03-12 23:38:46)

WINGERは初期作しか知らず、熱心なファンとは言い難い身ゆえ、その中心メンバーたるキップ・ウィンガー(Vo)の2枚目のソロ・アルバム(’08年発表)と言われても「ふーん…」と然程ありがたみを感じなかったのが実際のところ。しかし本作を聴いてクオリティの高さにビックリさせられるや否や、速攻で「キップ、ありがとう!」と手のひらをくるり。
とは言え、合唱を誘われるキャッチネスやライブ映えするノリの良さといった、華やかな80年代ポップ・メタル要素を期待すると、肩透かしを食いかねないサウンドなので注意は必要かと。スケールの大きなドラマティックな楽曲から、BEATLES風、エスニック風、中には映画音楽風インスト曲まであったりと本編は非常にバラエティに富む反面、ここで披露されているのはG以上にシンセやピアノ、オーケストレーションといった要素が印象的な、モダンでムーディでシリアスなポップ・ロック。収録曲はいずれもHR/HMとは距離を感じさせつつも、重層的なコーラスの重ね方から残響音の一つに至るまで、微に入り細を穿つキップのアーティスティックな拘りに貫かれた本編はそれでも聴き応え十分。
マカロニ・ウェスタン風のテーマ・メロディを持つ①、メランコリーなピアノが効果的な④、美しく重厚なハーモニーに聴き惚れる⑥、プログレ・エッセンスも感じられる劇的な⑩、静謐にアルバムを締め括る⑬等々…。アートワークの世界がそのまま音へと転化されたような、深遠に響き渡る抒情メロディと、何よりそれを歌い上げるキップのVoが非常にエモーショナルで感動的。この人こんなに歌が上手かったんだ?と、失礼な感想を抱いてしまうぐらいでしたよ。
キップの他のソロ作や、再結成以降のWINGERのアルバムもチェックしたくなる1枚。



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