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1. 火薬バカ一代 ★★ (2010-01-26 19:36:00)

オランダのプログレッシブ・ロック・バンド、KAYAKのドラマーだったピム・コープマンと、同郷出身のシンガー、
オッキー・ハウズデンスの立ち上げたAORプロジェクトが'83年に発表した1stアルバムで、ジャンル・ファンには
「ロブスターのジャケット」でお馴染みの逸品。(邦題は『ホット・ブラッド・サマー』)
曲によってはちゃんとGが自己主張をしていたりと、AOR系作品群の中では比較的ロック色の強い1枚とされているが、
それでもそのサウンドは、リズム面の淡白なアレンジを筆頭に、HMはおろかHRとすらかなりの距離を感じさせるものだし、
元KAYAKという出自から期待されるようなプログレ色も殆どない。(インスト曲にちょこっと匂う程度?)
但し、「キャッチーとはこういう事だ!」と言わんばかりの、強力なフックを有するメロディのクオリティは
文句なしで素晴しい。リリース当時話題を呼んだという①はそれほど大した曲だとは思わないが、ハーモニカ(?)が
奏でる泣きのフレーズが良いアクセントとなっている②以降は、洗練されたAOR系バラードのお手本のような③、
ドン・ヘンリー風のホロ苦Voに絡む華やかなコーラスが印象に残る④、心地良く弾む⑤、産業ロック調の憂いを帯びた
⑥・・・と、腕利きソングライターによる丁寧な磨き上げがなされた、ポップで小粋な楽曲が目白押し。
激音好きにはとても薦められた代物ではないが、メロディ重視のHR/HMファンなら生涯の愛聴盤になる可能性大の1枚。
(※追記:アルバム・タイトル表記にミス有り。正しくは『BY APPOINTMENT OF』です)



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