1947年1月8日生まれ、2016年1月10日没
本名:David Robert Jones、出身:イングランド、ロンドン、ブリクストン
イギリスのマルチ・ミュージシャンであり、俳優としても長いキャリアを持つ。
幼少の頃からThe Platters、Little Richard、Elvis Presleyなどを聴き、15歳の時に友人との喧嘩が原因で左目の視力をほぼ失い、左眼の瞳孔が開いた状態となる。Jack Kerouacの小説「On the Road」を読んだことで本格的に音楽活動を始める。
CDデビューからしばらくヒットに恵まれなかったが、5thアルバム『The Man Who Sold the World』をリリースする頃から哲学・美学を取り入れた歌詞を書き、カウンターカルチャーの旗手になりつつあった。そして、『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』を引っさげ、Ziggy Stardustというコンセプトを打ち立てたツアーを敢行。ツアー中に制作された6th『Aladdin Sane』はZiggy Stardustそのものであった。ツアーが一息ついた頃にはカバーアルバム『Pin Ups』をリリース、バックバンド『the Spiders from Mars』も解散。
以後は様々なコンセプトや実験精神に基づいて作品をコンスタントにリリースし続け、気がつけば雑誌『New Musical Express』がミュージシャンを対象に行ったアンケートでは、「20世紀で最も影響力のあるアーティスト」に選ばれた。
大抵、名声を得たミュージシャンは、その時点までに確立した己のスタイルを貫こうとし、ファンもまたそれを望んでいるものだが、David Bowieの場合はスタイルを変化させることによってファンを失う危険をものともせず、様々なジャンルにわたる大胆な音楽性の変化を繰り返し、それぞれのジャンルにおいてエポックメイキングな作品をリリースしている。そのためか、1970年代・1980年代以降のミュージック・シーンは、なにかしらボウイの音楽的影響を受けているミュージシャンも多い。海外ではJapanやDavid Byrne、Culture Club、Visage、Spandau Ballet、Duran Duran、Trent Reznor、Billy Corganなど、多方面に亘る。
また、その行動から「メジャーなカルトヒーロー」と言われ、時代時代の音楽に対する明敏さを生かし、それまでとは打って変わった音楽性という実験を繰り返しながら、様々な意味での自己刷新を計ることが多いため、安定した商業面での成功をおさめるには不利といえるが、セールス的には成功している部類に入り、アーティステックな面と商業面をうまく両立させている、数少ないミュージシャンのうちの一人である。
晩年は心臓病を患い、David GilmourやAlicia Keysのライブゲスト出演を最後に活動が収束した…かとおもいきや、2013年にアルバム『The Next Day』をリリース。ベスト盤『Nothing Has Changed』もリリースしたことで、順調に活動を再開するかと思われた矢先、アルバム『★(Blackstar)』リリースの2日後、肝臓癌により逝去。
2016年までの世界総売り上げはアルバムだけで1億4,000万枚と推定されている。