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今週のアルバム10選
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今週のアルバム10選

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701. てかぷりお (2021-11-21 17:38:50)

一年を振り返るにはまだ少し早いけど、2021年はほんとクソだった。人生どんな試練があるか分からんね。てかこのままじゃ来年も試練が続くのは必至で絶望。。。健康じゃなきゃ人間何もできんばい。
そんな口ではとても語れない辛く惨めな今年でしたが音楽には非常に支えられたね。以下はよく聴いた今年の新譜。

SIGNIFICANT POINT - "Into The Storm"
NIGHTWINGS/B.B.Q split - "怪獣混沌宇宙/Monster Chaos Universe"
KILLER QUEEN - "サンダース・ミー"
HUMAN GAS - "Super Violence"
REVENGER/BIRTH RITUAL/SAMSARA 3 way split - "Sapporo Vangurad Trinity"
EVIL - "Possessed By Evil"
GASTUNK - "Vintage Spirit, The Fact"


ACCEPT、IRON MAIDEN、HELLOWEEN、KK'S PRIESTの新譜ももちろん買って聴いた。どれもカッコよかったけどそんなに聴きまくったってほどじゃなかったなー。SAXONのカヴァーアルバムも何曲かはお気に入りだけどあまり通しては聴かないかな。ビフと息子のバンドHEAVY WATERはそんな好みのサウンドじゃなかった笑

抑圧された環境下でヘイトが溜まっていたのか、ジャパコアの旧譜もかなり聴いた一年でした。新譜よりもこっちの方が聴いてたかもしれない。PILEDRIVER(横浜)、KiM、白(KURO)、G.I.S.M、DEATH SIDE、G.A.T.E.S、LIP CREAMなんかはアホみたいにリピートしてた。メタルだけじゃなくてハードコアパンクもいいなあというのが今年の数少ない収穫の一つ。
来年はSAXONの新譜が発表されてて新曲がグレートだったので楽しみだけど、果たして私はどうなることやら。シクシク。




702. 失恋船長 (2021-11-22 17:44:30)

『俺のNWOBHMその④』



①Battleaxe 『Burn This Town』
英国はサンダーランド出身のバンド。デビューもMusic for Nationsと他のNWOBHM勢とは違い期待値の高いデビューだったと思う。埃たつ暴走ロックはパワーもあり勢いだけで押し切るだけではない芸もあった。このバンドを有名にしたのはヘタレジャケットにあるのだが、1994年に我が国オンリーで再発された時は驚いた、しかもあのジャケを採用ですからね。最後に再発されたのはドイツのSteamhammerからデジパック仕様のジャケはオリジナルを尊重した改訂ヴァージョン、個人的には、このいなたさのあるハードロックサウンドに似合うのはオリジナルジャケの方である。これと言った決め技はないのだが、合わせ技で一本と言いたい、いかにも英国なハードブギーを下地としたサウンドは親しみやすさもあり、今聴いても視聴感は悪くない。


②TRUST 『Répression』
NWOBHMムーブメントはお隣の国にも飛び火、フランスでもロックシーンが沸き立つのですが、このバンドはそんなムーブメントを支えたフランスを代表するHM/HRバンドの一つである。のちにアンスラックスが彼らの曲をカヴァーしたりしてプチ話題も振りまきましたが、フランス語の響きも微妙な風合いを醸しだし個性がある、何よりストレートに弾けるパンキッシュなロックサウンドの中に優美な軽やかさを振りかけ、おフランス感を強めているのが個性的であろう。英詩ヴァージョンもあるが、個人的にはオリジナルヴァージョンをすすめたい。


③Aragorn 『Noonday - The Aragorn Anthology』
Sanctuary Recordsから2003年にリリースされたコンピ作。シングル盤を一枚残し消えたバンドなのだが、彼らには幻のアルバム用の音源があり、今作ではそれが見事に復活している。それだけでもマニアには鼻血ものなのだが、デモ音源などもパッケージされたフルボリュームな内容に胃液があふれ出します。NWOBHMてんこ盛り大会、完全に消化不良を起こしますが、湿度の高いビシャンビシャンの憂い型沸騰ロックに唸りますね。わざとらしい歌い回しのNWOBHMということか、NEATレーベルが抱えた幻のグループによる復刻版、NWOBHMマニアには是非ともトライしてもらいたい一枚です。



④Saracen 『Heroes, Saints & Fools』
ドラマティックですよねぇ、神々しいまでに英国ロックの系譜に連なるサウンドを展開、JP仕込みのダークテイストと叙情味あふれるサウンドを武器に彼らはシーンに切り込んできました。走るだけがNWOBHMではないと高らかに宣言するように、その魔境となる深遠なる世界を構築したムーブメントは、瞬間風速ばかり話題になるが、今なお綿々と連なるモノであり、一過性のムーブメントなどと勘違いしてはいけない。全てが雑誌の影響のなのだろうが、やはり専門誌一択が招いた悲劇だろう。日本はそういう意味でめちゃくちゃメタル後進国である。NWOBHMムーブメントの中でも異彩を放った音楽性、スペイシーとも言えるキーボードがキャスティングボートを握りスリルと叙情性を強化、その一筋縄ではいかないアレンジと緻密な楽曲構成に唸ります。




⑤Tysondog 『Beware Of The Dog』
英国らしい情緒とスピード感溢れる展開、ギターも印象的なフレーズを奏で聴きやすさを演出と日本人好みのワビサビを感じさせるメロディと曲調に叙情派NWOBHMを代表するバンドの一つと耳に届くでしょう。所謂メタルな展開はお約束感満載、聞き慣れた手法ではあるがベタ故にカッコよさがあり、音質の悪さを吹っ飛ばすくらい重厚なメタルサウンドを奏でている。名盤は色あせませんが、1984年リリースというタイミングを悪さはあれど、この手の音楽を愛するマニアならば名盤として崇めたくなる一枚である。




703. 失恋船長 (2021-11-22 18:50:40)

『ヘヴィメタルが聴きたい③後半』


①ANTHEM - Black Empire
坂本英三と作り上げた作品で一番はこれ、メロディアスだがハードでヘヴィ、それでありながらもフックがあり奇跡的な作り込みとなっている。ギリギリの歌唱スタイルで迫る坂本英三の悲壮感漂う魂を込め命を削った渾身のパフォーマンスに戯れ言は不要。
彼のキャリアを考えると、今の状況にはさみしいモノを感じる。何とかならんかね。柴田直人さんと言いたくなります。このまま坂本英三がシーンに埋もれるのは勿体ないが、彼の歌声を生かせるバンドがないのも事実である。
強固なリズムプレイと繊細かつダイナミックなギターワーク、アンセムはニューオーダーを開いたと思わせるアルバムでした。①②の流れは完璧である。



②LOUDNESS - LOUDNESS
山田雅樹と沢田泰司を迎え入れスーパーロックグループと化した新制ラウドネスが叩きつけた渾身のアルバム。90年代を見据えヘヴィなサウンドはグルーブ感もあるが、日本人らしい繊細さも十分に感じさせ90年代型和洋折衷メタルをやり切っている。先輩達に食らいつく沢田泰司のベースも新鮮、樋口とのコンビネーションは新しい切り口だった。英語もバッチリな山田雅樹、一旦、日本に戻り体制を整え渡米計画を立てるも上手くいかなかった。尻すぼみするシーンの中で、ラウドネスはクラブツアーを敢行、X-JAPANファンの黄色い声援を覚えているが、あまりにも本格派のヘヴィメタルを前に、彼女たちが尻込みする姿を鮮明に覚えている。たしかにサイレントジェラシーはやらんもなぁ。今となっては無かった事になりつつあるヘヴィロックラウドネス。この時代のサウンドも強烈ですよ。なにより短命に終わったが、沢田泰司の加入はブッタになり汚くなった高崎の穴を埋める華やかさがあった。




③DIO - The Last In Line
スーパーギタリスト、ヴィヴィアン・キャンベルが相棒を務めていた時代はどれもが素晴らしく甲乙つけがたいのだが、名曲WE ROCK収録の今作を選択。艶のあるディオのパワフルな歌声もガッツリとハマり、メタリックでシャープなサウンドへと変貌、ここにはRAINBOWのマジカルさやサバスのダークテイストも上手く飲み込みアメリカンメタル使用に仕上げている。後続に与えた影響は計り知れない歴史に残る名盤、今の若い人にはクラシックメタルとして知っても貰いたい一枚。DIOが存命でないので、残念ながら忘れられつつある、この現状に憂いを感じますが、これも時代の流れなのだろう。





④LAAZ ROCKIT - Know Your Enemy
期待感を煽るインストナンバーから一転、パワー漲るヘヴィメタルサウンドが展開、その独特の緊張感溢れる演奏と密度の濃い楽曲構成はスラッシュメタルかくありきなスリルとパワーを内包しており、ヘヴィメタルのなんたるかを体感出来る。ヘヴィメタルという位だからこれくらい金属的な音であって欲しいと思うマニアにはビンビンに響くでしょう。劇的なドラマを司る二本のギター、歌い込めるシンガーの存在と、我が国ではイマイチ跳ねないバンドなのだが、彼らの音楽性はシーンに中核に切れ込んでくる強い攻撃力を有する必殺剣のような殺傷力を持つサウンドだった。




⑤GILLAN - MR.Universe
勃興するNWOBHMを感じ取るようにイアン・ギランは旧型のハードロックサウンドを加速化させてきた。時代は1979年、一人気を吐くギランの存在感、このサウンドをあの時代に先行してやっていたギランは素晴らしい。ロッカー、ギランに魅力を味わいたいマニアなら是非ともトライして欲しい一枚。勿論、若い人にも温故知新を訪ねて欲しい。スピードナンバーに噛みつく姿もかっこいいが、ピアノをバックに歌うギランもかっこいいですよ。




704. 失恋船長 (2021-12-06 14:06:34)

『ヘヴィメタルが聴きたい④』


①Oliver Magnum - Oliver Magnum
アルバム一枚で消えたアメリカンパワー/スピードメタルバンド。雑誌の評価も酷く我が国では死亡確定となったバンドだが、マイク・ヴェセーラ似のメタリックなハイトーンを武器に、ダークでシャープなサウンドはクールに鳴り響きメタル魂を鼓舞するでしょうね。愛想は良くないが確実に日本でも需要のあるスタイルだけに、古典的なメタルサウンドに興味のあるマニアには是非とも手に取って欲しい一枚である。ある意味、ヘヴィメタルと呼ぶに相応しい音楽性を貫いていますからね。




②Warlord - Deliver Us
アメリカのバンドながら流れるは欧州テイストのダークなメロディアス路線、その豊かなドラマ性を演出するメロディに釘付け、上手い下手や音質云々では語れないアメリカという土壌が生み出す独特の風合いがなんとも言えない個性を底上げ、ありがちなオカルトホラーテイスト強めのダークサウンドをより一層、深みのある暗黒魔境へと誘い聴き手を捕縛、永遠に抜け出せない魔の世界へと落としていくでしょう。綺麗なのに汚れている、まさに堕天使サウンドと言えるアメリカ産暗黒様式美スタイルに唸ります。
テクニカルさよりもメロディ、そこに拘ったサウンドは日本人の感性に適していると言えますよ。走るだけがメタルではない。そういう事です。


③Nuclear Assault - Survive
ひねくれた展開が癖になります。その一筋縄ではいかないアレンジと先を読ませないスリル。これぞスラッシュな魅力が満載と興奮度は高いですね。ミックスのバランスが少々気に掛かるが、ハイピッチで捲し立てる歌声は社会をぶった切り問題提起、そのハイテンションな演奏を相まって独自性を高めている。腕っぷしだけが自慢のアホそうな奴が国立大卒みたいな武装力の高さも肝。このバンドに隙はないと言うことだろう。





④Loudness - The Birthday Eve
個人的には人生で最も聴いたアルバムと言える一枚。とにかくジャパニーズメタルヒーローであるラウドネスのデビュー作は日本人びいき云々では括れない魅力があった。高崎のギターも既に天才的、樋口、山下の二人も阿吽の呼吸から強烈なグルーブをたたき出している。このライブ感溢れる演奏にも釘付け、若さ溢れる駆け引き無しのテクニカルプレイの応酬に唸ります。
渡米後の洗練されたスタイルも悪くないが、個人的には、このブリティッシュテイストを貫いた彼らを見たかった。




⑤Loudness - Terror ~剥離~
ブラックサバスを意識して作ったというだけあってヘヴィでダークな世界観で統一、初期のスタイルに近いと思わせるのも良かったが、このアルバムはラウドネスファンの間では相当評判が悪い。オリジナルラインナップによる中途半端路線のアルバムよりも最も支持できるスタイルなのだが、シンプルに分かりやすいスピードナンバーがないのがアカンらしい。
日本ではやたらとオジー時代のサバスを神格化したり、持ち上げる風潮があるのだが、ドゥーム系の人気は高くない、そして今作も同様である。不思議な現象だが、やはり権威主義が横行しているのだろう。音楽性云々よりも名前が重要、そのブランド力にひれふすわけだ。一時期流行ったワインブームを思い出す、味ではなく銘柄、そんな事で善し悪しは決まらない。サクソンアメリカンナイズドじゃあるまいしね。
偏見を持たない人にこそトライして欲しい、ラウドネスが初期の型を取り戻そうとした意欲作、ヘヴィメタルという言葉が似合いダークサウンドに世界を相手に戦ってきた男達の風格が漂います。




705. 失恋船長 (2021-12-07 13:22:48)

『ヘヴィメタルが聴きたい④後半』



①Guardian's Nail - Believe
90年代に活動した関東メタルシーンの雄、時代の中で埋もれた感はあるが勇壮なメロディと叙情性、日本人による日本人好みのサウンドは頼もしい存在だったが2000年を前に力尽きた。またフルアルバムにこぎ着けられなかったのも悔やまれるのだが、海外のマニアにも受けそうな王道を押さえたアレンジと独自性を併せ持っていただけに再考されるべき存在だと思う。



②ARIA - Hero of Asphalt
いまなお影響力を持ち続けるロシアの皇帝アーリア。初期の傑作としてマニアから愛される一枚。メイデン、JPといったバンドからの薫陶を受けたサウンドをアップデート。アクセプトのロシアヴァージョンのような音楽性へと変換、その勇ましい音楽性は、ロシア独特の土着的なメロディを組み合わせる事でオリジナリティに磨きを掛けてきた。底上げされた音楽性は力強さを漲らせ、ロシアの全土を手中に納めるべき臨戦態勢は整ったと確信させる一枚となりました。


③Warlock - You Hurt My Soul (on 'n' on...)
3曲入りのシングル。どれもがアルバム未収録なのだが、クオリティが下がっている事は無い。後にTrue as Steelリリース前の6曲入りEP『Fight for Rock』に丸々収録されるが、どちらかと言えば隠れた名曲の部類に入ってしまった。
表題曲などスローバラードと思いきやラストは一転勇ましく走る出す展開にグッとくる。シンプルでキャッチーだが厳つく走るカップリングの2曲も魅力的、トレーニングしながら聴いたりするのに丁度良い親しみやすさがある。WARLOCK自体が少々マイナーな存在になっているの為、この3曲などさらに認知度は低いがメタルな分かりやすさを内包した、芸人さんのショートネタのような顔見せ感があり、インパクトはけして弱くない。




④Metallica - Kill 'Em All
今となってはオシャレ番長だった時代は何だったのか?と語られる機会もなくはない元祖スラッシュメタル番長のメタリカのデビュー作。今の若い人は、これを知らずブラックアルバムの方がメタリカらしいと感じるらしい。これも時代の流れだからどうにもならないが、ここで聴けるはち切れんばかりのパワーとメタル愛、なにより音楽に対しての純粋な気持ちは神々しいくらいに光り輝いている。世界がメタルを商業的な商品へと変換した。その苦境の中で辛酸を舐め尽くした男達は自らの手で道を切り開き自分たちの居場所を力尽くで築いた功績は永久に色あせません。確かに雑誌のインタビューでラーズが、『最近のお気に入りはオアシス』と発言して大炎上したのも、お金持ちになりすぎたからです。




⑤Meshuggah- Paralyzing Ignorance
メタリカがまき散らしたウイルスは世界中に蔓延、その感染力の凄さはあらゆる場面で感じるのだが、スウェーデンが甘口なロックばかりで無いということを知らしめたのが彼ら、先を読ませないプログレッシブな展開、その鍵を握るのが、ごん太ドラムのクレイジーリズムというのが面白い。咆哮する歌声は威圧感を与え、暴れ狂うギターは切れ味鋭く深層心理にまで深く突き刺さってくる。こういうクロスオーバーなサウンドに触れ90年代の幕開けを肌で感じたモノです。




706. 失恋船長 (2021-12-13 17:24:01)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑤』



①Anthem - No Smoke Without Fire
福田洋也ラスト参加となるアルバム。他にも名盤があるのだが最近、陰が薄くなっている今作を思い押している。飛行機嫌いの柴田直人がロンドンに赴いて作品を仕上げた力作である事に変わりない。特に福田洋也は今までないくらいザクザクとしたメタルギターを披露、確かに柴田が弾いたフレーズを使用している場面も多々あるのだろうが、非凡な才能を持ち合わせたギタリストだったことを証明している。脱退前という事で世間の評価は低いのだが、福田ギターは辞める男のいい加減なプレイではない。むしろ辞めたことを後悔させてやるというプライドすら感じる。キーボードでドン・エイリー参加も話題だが、やはり海外レコーディングというのが一番作風に影響を及ぼしているだろう。それまでのアルバムよりも英国情緒が増しているように感じる。でも福田じゃなければもっと泣いていたのは間違いない。難しい問題だ。新機軸を打ち出したメロウな③に代表されるように、今作は冒険している。①だってザクザクとしたギターには驚いた、不仲説の二人によるギターとベースバトルがスリリングな④、哀愁のハードナンバー⑤、キャッチーでパワフルなスピードナンバー⑥、ドンのキーボードを生かしたシングル向けの⑦、シャッフルが心地よい⑨と変革するシーンに対してアンセムも改革を断行したと思う。それだけにイマイチ陰が薄いのは残念です。福田洋也脱退というネガティブなイメージに流されない若い人にこそ聴いて欲しい国産メタルシーンを代表するバンドの意欲作。森川之雄が何故、アンセムの看板シンガーと呼ばれるのか今作を聴けば理解できるでしょう。森川無くして今作は成立しませんよ。



②Kreator - Extreme Aggression
アメリカでレコーディングを敢行、その影響もあるのかスッキリと聴きやすくなった印象が強い。とは言いつつも基本線にブレはなく、噛みつくようなシャウトとスリリングな展開はキープ。ギターのフレーズもテクニカルだが耳を捉えるモノを多いしリフ一つとっても印象的だ。屋台骨を支えるリズム隊もキリリとタイトに締め上げ乱打戦を披露。過激なサウンドの根幹を支えています。これぞヘヴィメタルというのなソリッドな質感がたまらん。


③Stormwitch - Walpurgis Night
NWOBHMから薫陶を受けたジャーマンメタルバンドのデビュー作。絶妙なポンコツ感はあるのだが、そこが一番愛すべき部分。メタルを愛しメタルに捧げた音楽性は多くのマニアに共感ポイントを与えるでしょう。ツインギターが奏でるキメのフレーズも嬉しくなりますよ。未消化な部分はあれど、欧州由来の叙情的なメロディとパワフルさ、そこにメタルなドラマ性を放り込みメタル一大叙情詩を展開、大げさとも言えるデフォルメ感もたまりません。こういう音は嫌いになれませんね。




④Crystal Ball - In the Beginning
北欧産クリスタルヘヴィメタルバンドの1st。日本人好みの叙情性と甘美なメロディ、フックのある展開は耳を捉えて離さないでしょう。キーボードの使い方も上手く良い感じでドラマ性を増幅、イマイチ乗り切れない歌声を皆がフォローしつつバンドサウンドを展開している全員野球感が大好きだ。突出したプレイヤーがいなくとも成立する北欧マインド全開のスタイル。忘れ去れつつある音楽性だけに、若い人にも聴いて欲しい一枚である。ちなみにシンガーのマーク・スウィーニーはウルフパックでマイケル・ヴォスの相棒を務めています。



⑤Pokolgép - Pokoli színjáték
ハンガリアンメタルの雄、ポコルゲップが1987年にリリースした2nd。音質も酷かったポンコツ感漂うデビュー作から一転してマッチョなタフガイへと成長を遂げた2枚目。とにかく1stの脆弱な印象を一変させたのですが、相変わらず線の細い癖が強い歌声が絡めば、あの独特の世界観を強めている。東欧的陰りのあるメロディと王道を行くど真ん中のヘヴィメタルスタイルとの相性は抜群の相乗効果を生み出し唯一無二の個性を光らせている。このバンドを知りたければ1stと今作は必聴となります。




707. 失恋船長 (2021-12-29 18:37:15)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑤後編』



①Saxon - Innocence Is No Excuse
スウィートサクソンなどと陰口を筋金入りのマニアから陰口も叩かれたアルバム。その発言は大いに支持できるもでメロディアスな作風に舵を切っているが、これが実に味わい深い玄人好みのメロディアス路線を展開、ド派手に走る曲や分かりやすいヒット曲はないかも知れませんが、何を聴かせたいかを明確に示唆しており、硬軟のバランス感覚に秀でた一枚となっています。英国情緒のあるメロディは爽快なコーラスワークともがっちりとハマり、新生サクソンとしての及第点をたたき出している。
このギリギリの線で踏ん張る事により、ハードなサウンドに疲弊している心身へ適度な癒やしと温もりを運んでくるでしょうね。


②Motorhead - Iron Fist
駄作知らずの暴走ロックンロールバンド、どれから聴けばと聴かれても困る位なのだが名盤『ACE OF SAPED』も凄いけど、こっちも負けてないんですよね。小細工無用、圧倒的なエネルギーが漲っています。

③Saber Tiger - Invasion
日本最強のツインギターコンビが遂に正式な音源を残しました。共にリーダーとして気質を兼ね備えた御大木下とマシーンさんの二人による火花散る高速ギタープレイの数々に息を呑みますが、二人の実力はこんなもんじゃないのが凄いのです。天才メロディメイカー久保田陽子さんの歌メロと歌声が素晴らしい。このアルバムはとにかくよく聴いた身体に刻まれる一枚である。いまから30年前のアルバムだからクラシックメタルという事なのだろうけど、名盤は色あせんよ。古さなど微塵を感じさせないメロディアスHM/HRの金字塔的一枚。




④Salem - Witchtower
ビクトル・マヌエル・デ・ラ・チカ・カニャスによるロックプロジェクトとも言えるスペイン産の古典メタルバンド。NWOBHMの隠れた一品と言われたら信じるような古くさい作風と音質、狙いしました作風にニヤリとしますね。
とにかく熱いです、そしてNWOBHM的な陰りというのか根暗なパワーが充満、鼻腔をくすぐる地下室臭にグッと心を掴まれますが、2016年の作風なのでテクノロジーの恩恵は受けていますよね。その古くて新しい感覚がマニア心を満たしてくれます。
日本で紹介されたNWOBHM四天王みたいなものをNWOBHMと捉える人にはススメられませんが(そもそも四天王など区分けできるバンドがいない)仲間内でだけ楽しむような音楽性でもない。若い人にこそ聴いて欲しい古典メタルの旨味、モノクロ映画を見る感覚で良いのでトライして欲しい一枚。


⑤Snowblind - Snowblind
真冬になると思い出す極寒系メロディアスサウンドを聴かせてくれる英国のバンド。その冷ややかなメロディは独特の風合いがあり、大衆性もあるのだが、それ以上に英国情緒のあるフレージングと泣かせ具合に耳を持って行かれます。あのMausoleumからのリリースということなのだが、レーベルの中でも異彩を放つメロディアス系だが、硬派さも忘れてはいない。やはり遅れてきたNWOBHMということで、こういうスタイルに落ち着いたのかもしれない。メロディのない音楽は好きだが甘すぎるのはチョットと思う方にはベストだろう。北欧系とは違う冷ややかさとキャッチネスさがポイントです。




708. 火薬バカ一代 (2022-01-05 22:19:10)

2021年の10枚

1 ART OF ILLUSION『ART OF ILLUSION』
2 PARADOX『HERASY Ⅱ-END OF A LEGEND』
3 CHEZ KANE『CHEZ KANE』
4 MIDNIGHT CITY『ICH YOU CAN’T SCRATCH』
5 SEVENTH CRYSTAL『SEVENTH CRYSTAL』
6 TOBY HITCHCOCK『CHANGES』
7 EXODUS『PERSONA NON GRATA』
8 ACCEPT『MEAN TO DIE』
9 HUSTON『Ⅳ』
10 JORDAN JORDANOV featuring GORAN EDMAN『ANGEL’S TOUCH』

あけましておめでとうございます。




709. 失恋船長 (2022-01-08 17:46:56)

『2021年ベスト』

※ベストを語るほど2021年に特化したアルバムを聴いていませんが便乗させて頂きます。

順不同

①MICHAEL SCHENKER GROUP - Immortal
豪華ゲストを迎え久しぶりにMSG名義に戻りリリースされたフルアルバム。これが強烈。ゲストの多さにやや散漫な印象を与えたりもするのだが、適材適所にはめ込み古くて新しい王道サウンドを確立。MSG名義の看板を汚すことの無い一枚へと仕上げています。


②THE DEAD DAISIES - Holy Ground
以前ほど艶は無くなったが、まだまだ神の声は健在、グレン・ヒューズのシンガーとしての凄みの圧倒されます。現代を生きる古典ロックの旨味、腕に覚えのあるメンバーが揃い不滅のハードロックサウンドで酔わせてくれます。ダグのギターもホワイトスネイクより生き生きしている。


③SMITH/KOTZEN - Smith/Kotzen
エイドリアン・スミスとリッチー・コッツェンの二人によるプロジェクトチーム。どういう経緯で二人がコラボしたのかは分からないが味わい深いエモーショナルなギターサウンドと歌声に酔いしれます。まるで第三期ディープパープルが現代に復活したような錯覚を覚える古典ロックの登場に興奮しましたね。

④HOUSTON - IV
遂にフロンティアと契約、愛すべきメロディアスロックサウンドを難の疑いも無く貫いてきたプロジェクトチームが、また一つ上のステージへと上り詰めましたね。今作は国内盤も出たと言うことで視聴機会も増えたのでしょうか?哀メロハードポップマニアならマストなバンドです。唄モノロックを愛する方ならば尚更でしょう。ベタに敵う物なし、彼らは見事に体現させてくれます。

⑤U.D.O. - Game Over
枯れることの無いメタルスピリット。本家との時代よりもソロの時代の方がキャリアも実績も積み上げてきたウド・ダークシュナイダー。自らが築き上げたものを擦り倒すだけではない、鋼鉄サウンドの守護神たるオーラをまとい見事に正統派スタイルを貫いている。似て非なるモノを作るのは難しい、セルフパロディにならないウド軍団の仕事っぷりに目を細めますね。大好物ですが、ゴリゴリ走る曲がもっとあればなお良かった。

⑥DAMIAN HAMADA'S CREATURES - 魔界美術館
昔のアイデアを引っ張り出してきたが、これはこれで大ありだ。徹底的にやり切る姿に好感が持てる。相変わらず幼さの残る声だが不自然さが減ってきた。あとはミックスの問題。メジャーシーンで活動するバンドの苦悩だろうが、物足りなさはある。

⑦Show-Ya - Showdown
遂に世界進出となったベテランガールズメタルバンドの最新作。代表曲『私は嵐』の英詩ヴァージョンも作りお膳立ては揃った。前作で魅せた新機軸、今回は更なる深みに飛び込み先人を切ったバンド達の後方支援に回るだけでは無く、満を持して後詰めと言わんばかりに貫禄のある姿を見せつけてくれた。ドロ・ペッシュと寺田の姐さん対決が実現したのも話題。頑張って欲しい。

⑧人間椅子-苦楽
快進撃を続ける元祖和風メタルバンド。今まで以上に勢いに溢れた楽曲が増えており新たなるファン層開拓に余念が無い。とにかく強烈な古典ロックを轟かせシーンに一石を投じ続けている。内輪受けやマニア向けの曲を減らし焦点を縛ったのも良かった。海外のファンを喜ばすのに十分なインパクトを誇っている。

⑨Marta Gabriel - Metal Queens
選曲が渋い、そしてどれもが名曲であった。クリスタルヴァイパーのマルタ嬢のソロアルバムは、往年の女性シンガーが唄ったクラシックメタルソング。オープニングのアシッドで幕が開けたのも個人的にはツボ、完全に持って行かれました。マルテーゼの曲をチョイスした彼女のセンスに惚れ惚れします。本物のメタルアーティストですね。

⑩CRYSTAL VIPER - THE CULT
ポーランドが誇るベテラン正統派メタルバンド。コンスタントに作品をリリースしていますが、どれもがメタル愛に溢れた名盤ばかり。とくにバンドの顔たるマルタ嬢が全く逃げずにメタルを唄う、その真摯に向きあう姿と闘志溢れるパフォーマンスに魅了されます。

Lady Beastも良かった、サーベルタイガーも良かったがお馴染みの企画モノなので割愛。クロウリーとラウドネスは年末過ぎて間に合わん。ACCEPTはレビューまでしたのにあんまり聴いていない。これもサブスク生活の弊害というのか忘れるんですよね。最近は空白の期間を埋めるかのようにメジャー流通の古いモノがメインとなっています。




710. 失恋船長 (2022-01-11 23:10:44)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑥』

①LOUDNESS - On The Prowl
マイク・ヴェセーラが加入後にリリースされたリメイクベスト。初期の名曲がマイクの歌声で復活しました。今でもNeve AgainとFind A Wayとして生まれ変わった2曲はこちらの方が好きです。マイクが歌いIn The Mirrorも良いねぇ。新曲3曲も新しい魅力を感じて喜んでいましたが、後にこれらの曲は二井原実先輩時代にあったと知って驚きましたね。そういう意味も込めて最近聞き直す機会も増えた一枚です。


②Catalano - Nightfighter
ワイルドかつハードなサウンドはあくまでもキャッチー、80年代的な手法を下敷きとした若手バンドですが、彼らはなんら疑問も持つこと無くあの時代のスタイルを踏襲している。グラマラスなハードサウンドは毒気に犯されてはおらず、どこか健康的に感じる。そういう意味でも老若男女問わず愛されるスタイルだろう。


③Weapon UK - Ghosts Of War
古くさいアイデアを持ち込み、往年のバンド群のアイデアを引用しながら昔の仲間で作り上げた一枚。往年のNWOBHMファン以外にも訴えかけるような古典スタイルは伝統美に溢れ自らのアイデンティティを誇示しています。代表曲のリメイクもあり。




④Victory - Don't Get Mad...Get Even
世間的には厳しい評価をもらった2枚目のアルバム。個人的には大好きなアルバムで、オープニングからノリノリで楽しめます。チャーリー・ハーンの歪んだ歌声も大好きだしツインギターコンビも的確なギターワークでハードサウンドを牽引、一発で耳に残るメロディと手堅いハードさが絶妙な加減で融合、この硬軟交えたHM/HRサウンドは浮かれまくる80年代中期としては良心となる一枚だったと思いますよ。今でも聴きたくなるご機嫌な奴です。


⑤KING KOBRA - THE LOST YEARS
幻となってしまった3枚目のアルバムを中心に未発表曲を盛り込んだファンを歓喜させる一枚。参加メンバーのレアさも含め興奮させられる一枚。マーク・フリー以外にも、これだけのシンガーが関わっていたのかを知ることが出来るのも美味しい一枚です。




711. 失恋船長 (2022-01-13 02:04:46)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑥』

①Church of Misery - The Second Coming
秩序型のシリアルキラーとして世の知らしめる残酷な殺人鬼、テッド・バンディを表紙の使うとはね。オープニングもテッドが主役です。シリアルキラーを題材として取り上げる素敵なセンスが最高のクールな血塗られた暗黒伝説をスラッジドゥームが下品にかき鳴らす。海外でもカルト的人気を誇るバンド。日本よりも海外の方が有名でしょうね。


②Rage - Secrets in a Weird World
マンニ・シュミットの癖のあるギターも耳を惹きますね。メロディアスかつ緊張感のあるパワーメタルサウンドは独特の風合いがある。親しみやすいメロディも顔を出すのだが、テンションの高い演奏はトリオとは思えないほど密度が濃い。その味の濃さに唸る。


③SLY - DREAMS OF DUST
高崎晃がブッタの世界にのめり込み、流石について行けなくなった樋口が次に動き出したバンド。元は石原慎一郎のソロが母体と言われているらしいが、諸説あって面白い。金の掛かったデビュー作の流れを引き継ぐ2枚目。この時代の二井原実先輩の唄い回しが好きでは無い。妙にドスを聴かせヘヴィに唄っている。彼の持つソウルフルな味わいが薄れているのはマイナスだ。しかし、前作では散漫な印象というか弱い楽曲もあったが、統一感をお持たせ練り込んだだけに、先輩の無理目の歌声は今もって残念である。
日本人らしいキメの細やかさ、そして90年代前半を意識したヘヴィネスサウンドは和を以て洋を制すると言った趣向だろう。
忘れ去られた一枚だけに機会があれば耳を傾けて欲しい。あとラウドネス人気もあるのでサブスクで聴けるようにした方が良い。



④人間椅子 - 人間椅子
ブリティッシュロックに傾倒した3枚目、個人的には大好物だが、このバンドのファン層を考えると敷居が高かったのでしょうかね?軌道修正とも言うべきキャッチーで分かりやすい曲も増えました。それが視聴感の良さにも繋がっていますが、今の彼らにも通ずる親しみやすさはウケも良いかもデス。


⑤NO MORE PAIN - Progress
国産スラッシャーとしては外せない本格派のサウンドを轟かせるバンド。インディーズ止まり&札幌が拠点のために知名度は低いのだが、そのクオリティは折り紙付き。リリース時が2000年以降なので懐古主義のマンネリスラッシュメタルとは一線を画すスタイルを披露。日本人離れしたパワー、それでありながらもパワー一辺倒では無いテンションの高い演奏に唸る。ブラックサバスの曲をちょっと持ち込んだりしたアイデアも最高にクールだ。




712. 失恋船長 (2022-01-21 17:08:55)

『歌モノロックに酔いしれたい』

①Gregg Rolie - Gringo
歌も上手い、曲も良い、アレンジも的確と単なるヒットチャートを賑やかす産業ロックとは分けが違います。玄人好みのいぶし銀の唄モノロックが手堅いスタジオワーク、その作り込みの鋭さに息を呑みますね。上手いことは素晴らしい。背伸びせずに等身大の魅力を余すことなく伝えています。グレッグの人脈の豊かさを表す豪華ゲストの客演も華を添えています。


②Agent - Agent
しゃれとるでぇ、洒落が効きすぎています。ちょっと恥ずかしくなるのですが、ロマンティックな唄モノロックが好きな人ならグッと掴まれるでしょうね。ラジオオリエンテッドなんて悪口も聞えてきそうですが、洗練された味わいは何物にも代えがたい魅力があります。売れ線も突き詰めれば最大の魅力になりますよね。


③JEFF COSCO AND TIMES SQUARE - JEFF COSCO AND TIMES SQUARE
知る人ぞ知るアメリカ人シンガーのジェフ・コスコ。1989年にレコーディングしたものも日の目を見ることなく埋もれていましたが、今では配信版で購入も可能、唄モノマニアならば手に取って損はしないでしょう。ちなみにジェフさんは、幻の叙情派アメリカンロックバンド『Cheater』のシンガーです。そっち方面のマニアにもウケるような素直な唄モノサウンドを披露していますよ。なんでもお蔵入りしたんだろう?と言うか知名度が恐ろしく低いのが残念で仕方がない。質はめちゃくちゃ高い。Cheaterも知って欲しいなぁ。



④Tim Feehan - Tim Feehan
邦題『処刑ライダー』の主題歌として知られるWhere's The Fireがオープニングを飾るティムの出世作。ダンサウンブルな打ち込みビートとオシャレなサウンドメイク、しかし浮ついた要素はなく地に足のついたパフォーマンスで魅了。ポッとでの新人ではない確かなパフォーマンス力で魅了。フックのあるメロディを嫌みのない素直な歌声が優しく抱きしめています。


⑤David Roberts ‎– All Dressed Up
爽快な風が吹いていますねぇ。青空が似合うメロディアスサウンドに心を洗われます。AORファンならマストな一枚と言えるでしょう。
主役のロバートさんのハートウォーミングな歌声に胸がときめきますね。




713. 失恋船長 (2022-02-08 15:54:12)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑦』

①SABER TIGER - OBSCURE DIVERSITY
前作の流れを押しすすめた最新作。紆余曲折を経てたどり着いた境地。洗練に洗練を重ねた現在の姿は、ヨーロッパのバンドのような優美さがある。小手先のテクニックで仕上げたのではない、堅牢なメタルスピリット。
久保田陽子時代から流れるメロディックHM/HRバンドの系譜。それを見事に現代風へアップデートしていますよ。


②L.A. GUNS - CHECKERED PAST
フロンティアの力添えもあるのとにかく創作意欲に陰りは無い。ドタバタ劇も裏ではあるようだが、いずれにしろトレイシー・ガンズがいてのL.A GUNSであろう。ダークでメランコリック、ヘヴィなミドルナンバーもクール。バラエティ豊かな楽曲を用意するも散漫な印象を与えないのが良かった。今が全盛期だろう。


③Vicious Rumors - Digital Dictator
ヘヴィでアスね、パワフルですね。適度に隙間のある音は聴いていて実に気持ちが良い。タイトで重厚なヘヴィネスサウンドに負けない唄というのも素晴らしい。ストレートに打ち鳴らされるヘヴィメタルサウンドは今聴いても十分に通用するでしょう。なんか最近のモノは妙にサイバーしたり、ドロドロとしたり、と○○風味をすぐに持ち込むが、ここにはそういう斬新と言うなのありきたりが無い。むしろ迷うこと無く王道をかき鳴らすからカッコいいのである。こういうスタイルで勝負をかけられるポテンシャルの高さに唸ります。
カール・アルバートの歌声は圧巻の一言です。


④Vanize - Bootlicker
アウトレイジのカヴァー、Call of the Hunterも取り上げているのが日本人としては嬉しいです。プロデューサーはステファン・カウフマン、シンガーはウドの実弟ピーター・ダークシュナイダー。
そして出している音はジャーマンメタルの王道スタイル。熱き弾丸の如きリフとリズムが弾け出す極上のメタルを楽しめます。


⑤Outrage - Black Clouds
日本最強のスラッシュメタルバンド。紆余曲折を経て原点回帰した彼らの姿も素晴らしいのだが、デビュー作の時点で完成された音楽性に驚かされる。何度も聴いた思い入れの強い一枚。
叙情的な泣かせのギターも素晴らしい、ハイトーン系のシンガーが多いジャパメタ系とは一線を画す橋本の存在感も凄かった。




714. 失恋船長 (2022-03-07 19:52:59)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑦』

⑥パーフェクトセレクション - ドラキュラ・バトル
柴田直人がゲームミュージックをヘヴィメタル風にアレンジ、悪魔城ドラキュラ関連を手掛けていますが、見事に格式高いバロック調のメタルサウンドへと生まれ変わっています。その本格的な出来映えはメタルファンが聴いても満足できるクオリティ。全曲インストですが歌心溢れるギターと耳を惹くメロディ、そしてテンションの高い演奏の数々に魅了されっぱなしです。


⑦PARAGON - Forgotten Prophecies
ヘヴィメタルの中のヘヴィメタルをやりまくるバンド我らがパラゴン。イマイチ唄が下手なために受けないが
日本でも確実に需要のある剛毅なパワフルサウンドに魅了されるマニアは多いでしょう。
でも濃厚すぎてスープを最後まで飲み干す事は出来ません。そのあたりが評価を分けるのでしょう。
たまには呆れるほど実直なドメタルを聴き自らの鋼鉄スピリットを鍛えたいです。



⑧LOUDNESS-ONCE AND FOR ALL
山田雅樹と沢田泰司というスターが揃っていた時代のライブアルバム。
今となっては再結成不可のラインナップに興味を惹かれるマニアもいるでしょうね。
この時代のラウドネスも無視して欲しくないねぇ。
演奏は呆れるほど上手い。そして徹頭徹尾ヘヴィである。



⑨VAIN - No Respect
退廃的で毒気のあるサウンドは唯一無二の個性を発揮、危険な香りを倍増させる歌声も相まって独自性を高めていますねぇ。
オープニングナンバーが醸し出す中毒性、リリース時は日本でもプチ話題となりましたが、2作目が突如発売中止になったりと
順調な活動をしていなかった印象が個人的には強い。
売れ損ねたアーティストと言えよう。ある意味、一発屋である。



⑩MASTERMIND - To The Wolrd Beyond
イェンス・ヨハンソンのゲスト参加など話題もありましたが売れ行きはイマイチだったとか、なんかこう迷いみたいなものを感じるアルバムでしたが、ライブでは最前列で首を振っておりました。ライブの最後に手渡しでギターのピックを頂けた事は永遠に忘れません。
メリカリやヤフオクに出品すること無く大切にしますよ。
臭みの強いパワフルなメタルサウンドとネオクラ風味の融合、歪みまくったハイトーンヴォイスも高速ツインギターも最高にカッコいいですよ。




715. 失恋船長 (2022-03-15 21:41:21)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑧』

①魔女卵 - 魔女卵
多くのマニアがCD化を待ち望んでいる魔女卵のEP。表題曲の持つシャープな切れ味と、どこか胡散臭いアングラロック。何度聴いてもグッと掴まれますね。一瞬で魔女卵の世界に引き込みます。バラードあり、キャッチーなナンバーありと4曲では物足りない国産メタルの歴史に燦然と輝く一枚ですね。


②BABYLON - FAREWELL…
清水保光の歌心溢れるメロディアスなギタープレイを堪能できる一枚。シンガーの大河内が余りにも癖が強い唄入れを行ったために、マニア向けで終わっているのだが、清水保光を中心としたバックメンバーのプレイは息を呑むほどスリリング。オープニングを飾るインストナンバーなど、清水の卓越したメロセンスに耳が奪われます。流麗なギターも素晴らしいが、音質はあれだけど、バックのメンバーも素晴らしいアンサンブルで魅了してくれます。


③POWERMAD - Absolute Power
アルバムジャケットが損しているなぁと感じるUS産パワーメタルの隠れた名品。無愛想なUSパワーメタルだけに、情緒たっぷりのメロディアスサウンドが好みの方には少々、とっつきにくい面はあるかも知れませんが、それらを凌駕する迫力があります。
QUEENSRYCHEのフォロワー的な側面もありますが、シリアスで密度の濃いサウンドは一聴の価値ありです。


④AT WAR - ORDERED TO KILL
マニア向けのウンコ垂れレーベル、我らがニュールネッサンスレコードからリリースされた一枚。レーベルの中では上位にランクインする作品ですが、音質は良くないです。しかし、そんなアウェーなど吹き飛ばすバイオレントな香りが漂うスピードメタルサウンドは、間違いなく需要はあるでしょう。


⑤鉄かぶと - KATANA
沖縄メタルの重鎮となる鉄カブトのフルアルバム。マサ一撃さんの思いは死なず、現代的なマッシブさも取り込んだ意欲作。ヘヴィでキャッチーなサウンドは、年齢を問わず受け入れられる要素がありますね。




716. うにぶ (2022-03-19 21:39:11)

今更ながら、2021年発売のお気に入りアルバム10選。

1.CYNIC『ASCENSION CODES』
メンバーの相次ぐ死を乗り超えて完成したアルバム。あまりに美しいサウンド。メタルじゃないかもしれないけど真のプログレ。

2.GALNERYUS『UNION GIVES STRENGTH』
日本語の曲の歌メロの魅力が年々、増してきている気がします。それでいて演奏も妥協なく無茶苦茶な音数と魅力的メロディを詰め込んでいて、大満足。

3.THE THREE TREMORS『GUARDIANS OF THE VOID』
相変わらず暑苦しすぎる超絶トリプル・ヴォーカル・パワーメタル。どんな平凡な曲も過剰コーラスがネタ曲化させています。ハモりより叫び。

4.CRYPTA『ECHOES OF THE SOUL』
'21年ではなく'91年発売と言われても全く疑わないであろうオールドスクール・デス。愛おしいデス。'21年は、なんか昔のデスメタルにはまり直してたので。

5.KK'S PRIEST『SERMONS OF THE SINNER』
K.K.ダウニングとリッパーが組んだっていうだけで円盤マストバイなわけですが、打算以上にK.K.のやりたいことをとことんやっちゃったヤリスギ感が微笑ましい。

6.METALITE『A VIRTUAL WORLD』
なんかちょっと懐かしい未来というか、モダン/先進的なEDMメタルのはずが、'80年代のフューチャー・ワールドっぽさが色濃くて好きです。曲もいい。

7.LEPROUS『APHELION』
もはや完全に唯一無二の世界を築き上げています。前作ほど浮世離れはしていないけれども、どこまでも耽美的で工夫に満ちた暗黒プログレ。

8.WARRIOR PATH『THE MAD KING』
ダニエル・ハイメンが雄々しくエピック・メタルを歌っているのを聴けるだけで幸せです。相変わらず素晴らしい歌声。

9.Kristoffer Gildenlöw『Let Me Be A Ghost』
前3作と同様、多少ヘヴィさも見せつつ、基本は静謐なメランコリック・プログレ。哀メロ好きにはたまりません。もうPOSに戻ってもダニエルと互角にやれるんじゃないかな。

10.HELLOWEEN『HELLOWEEN』
メンバー同士がお互いを尊重しながら、HMという音楽、HELLOWEENというバンドを大切に思っていることが伝わってきます。これは生涯の宝物。

J-POPを含めれば、RADWIMPS『2+0+2+1+3+1+1= 10 years 10 songs』が、あまりに重くて別格。YUKI『Terminal』は名盤。ビッケブランカ『FATE』、ネクライトーキー『FREAK』、KIRINJI『crepuscular』、NakamuraEmi『Momi』も好き。なんかE.P.(ミニ・アルバム)が豊作で、坂本真綾『Duets』、坂本美雨『birds fly』、ヨルシカ『創作』(前年の『盗作』とセット)、B'z『FRIENDS III』も良盤。尾崎裕哉『BEHIND EVERY SMILE』もよかった。

保管スペースの都合で去年、HM/HRのCDを千枚くらい始末したため、選別にあたって昔買ったCDの聴き直しの多い1年でした。
'21年の新譜はやっと今頃聴いています。




717. 失恋船長 (2022-03-21 15:12:24)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑧』

⑥Crowley - Whisper of the Evil
伸びやかなハイトーンと地面を這いつくばる妖しげなメロディの対比がなんとも淫靡な背徳感を演出している。悪魔的なサウンドメイクは禍々しいサバトな一夜を想起させるようだ。名古屋が生んだ伝説のサタニックメタルバンド。海外でも高い評価を受けた事でも知られる今作。再発盤も出ましたが、そろそろ落ち着いたと思うのでサブスク解禁となって欲しいなぁ。


⑦人間椅子 - 踊る一寸法師
人間椅子のアルバムの中で一番聴いたのがこれです。インディーズにドロップアウトしたのだが、逆に制約がなくなりバラエティ豊かな作風ながら一本筋の通った、いかにも人間椅子らしい古典ロックに仕上がった。彼らと言えばオマージュの落とし込み方の上手さが光るのだが、最近、海外でも人気が高まり過去作の大胆な再構築に対する非難もあるようだが、個人的にはやり過ぎでも、津軽風味に転換されるサウンドと古典ロックの親和性に驚くほどである。私は人間椅子のやり過ぎも大好きである。不思議なモノだが、何故かしっくりくる。このアルバムは大胆不敵である。そして実に足が付いた一枚だ。俺の人生羽根モノだ~♪


⑧Lizzy Borden - Love You to Pieces
所謂ショックロックバンドなのだが、デビュー作において既に完成していると言えるほど音楽性に隙が無い。印象的なフレーズを奏でるキレの味鋭いツインリードもクール。主役たるリジーさんのハイトーンもビシバシと決まり、バンドサウンドを見事に牽引している。現在はどうも忘れ去られた存在となっているリジー・ボーデン。メジャー流通しているアメリカ産の正統派メタルとしては最高峰に位置するバンドだと思う。欧州のような湿り気はないが光沢なまめかしい鈍色に輝くメロディアスメタルは、多くのフォロワーを生み出すような魅力に溢れていた。


⑨Destruction - Infernal Overkill
少々ドタバタ感は強いのですがスピードに特化したスタイルは彼らの専売特許と言えるだろう。この粗挽きもハマれば逆に魅力的に聞えるから不思議だ。昨今のテクノロジーの恩恵を受けまくったメタルコアもよりも、ワタクシは人間力溢れる地下メタルサウンドが耳を刺激する。


⑤Aldious - Evoke
唄が格段に上手い女性シンガーにチェンジしてリリースされたリメイクベストアルバム。このラインナップでデジタル配信したシングルも出ましたが、なんとなく短命に終わる予感がしていました。予想通りでしたが残念でしたね。唄が弱いバンドだっただけに見事に蘇りましたよね。残念だなぁ。毛色違いなのですがラストナンバーが泣けるのよねぇ。素直なメロディがスッと耳に馴染んできます。歌の上手さも染みるんですよねぇ。




718. 失恋船長 (2022-03-29 18:53:57)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑨』

①SABBRABELLS - Request Live
コンプリートBOXに収録された未発表ライブ音源。いかにメジャーデビュー前の初期音源が人気であり支持されているかが分かりますよね。ライブバンドとして知られるサブラベルズの魅力をギュッと詰め込んだ一枚です。生々しい音像がより臨場感を高めています。こういうのを聴きたかった。熱気が充満しているねぇ。まさにライブアルバムです。



②OUTRAGE - OUTRAGE
日本が世界に誇れる大和スラッシュメタルバンド。シンガーの座に橋本直樹が復活。全盛期のそのスタイルをさらに研磨したサウンドは唯一無二の個性を尖らせている。とにかく熱い、漢の熱情渦巻くクールなホットなガチンコメタルを展開、これぞ日本のヘヴィメタルであろう。


③ZOETROPE - A Life Of Crime
クールでアグレッシブなUS産スピードメタル。直情的なビートはあくまでも冷徹なる響きを奏で路地裏感を誘発、今となっては貴重なスタイルのバンドだけに、スピード狂ならば一度は向き合って欲しいバンド。ハードコア/パンクからの影響もにじみ出たスピードロックは常にスカッとさせてくれますよ。


④VANDENBERG - Heading For a Storm
ホワイトスネイクでの中途半端な成功と名声を得たことで知らない内にブルースオジサンにされてしまったエイドリアン。ここで聴ける独創的なプレイと叙情的なメロディ、そのギターワークには天賦の才を感じさせるモノであり、彼がブルースおじさんな訳がない。アコギも使いエレキとの対比も美しいプレイを導入したりと、今聴いても新鮮である。ギタリストを目指すモノならば、今作は格別な思いを抱かせるだろう。再結成したが次はどうなるのか?


⑤FIGHT - WAR OF WORDS
パンテラスタイルを取り込んだ新生ロブ・ハルフォードを見せつけた一枚。リリース時は、ロブよお前もかと、求心力を失ったメタルゴッド、しかし今の感性で聴けば今作は、年寄りの冷や水と切り捨てるほど無理をした作風なんだろうか?
多角的な見方で楽しめば新しい発見もあるでしょう。ある意味、PAINKILLERの次は、こういうスタイルなんだと言われると、今ならば違和感はない。不思議なモノである。耐性がつきましたねぇ。




719. 失恋船長 (2022-04-04 14:17:17)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑨』

⑥44MAGNUM - PRISONER
彼らのカタログの中でも屈指のハードサウンドを詰め込んだ一枚。初期のマインドを結集しただけの事はあるだろう。
広瀬のギターも凄いが、宮脇のドラムも大暴れ、病と闘うポールの姿にも胸が打たれます。ここに来て大人げない作風に舵を切ってきた。クールでワイルドな44マグナムサウンドにグッと引き寄せられます。



⑦CRIMSON GLORY - TRANSCENDENCE
インパクト大な1stとメジャー化した3rdの合間にある為なのか、認知度が低いと言われているアルバム。
癖のあるハイトーンを駆使したドラマティックなサウンドは今聴いても鮮度も高いでしょう。QUEENSRYCHEのフォロワー的なバンドかも知れないが、テクニカルでドラマティックな楽曲は十分にインパクト勝負なだけではない魅力が詰まっていますね。



⑧BLUE CHEER - VINCEBUS ERUPTUM
元祖ガレージロックバンド、アメリカンヘヴィメタルの始祖として崇められる伝説のグループによる1st。暴れ倒すリズムプレイと汚らしいギター、サマータイムブルースをこれほど凶暴で禍々しいものに生まれ変わるとは驚きですよ。
個人的にはブルーチアーと言えば、このアルバムであり、サマータイムブルースなのですが、1968年生まれのリアルロックを是非とも多くの人に聴いて貰いたい。日本ではメディアが適切に伝えなかったために認知度が低いのだが、エグいバンドである。


⑨YNGWIE MALMSTEEN - ECLIPSE
北欧系ミュージシャンで統一した渾身の一枚。ジョーがいなくともメロディアスかつ大衆性のあるアルバムを作れるぞとやる気満々なのが嬉しい。事故の後遺症が無かったとは言えないが、それでも目の覚めるようなクラシカルギターで魅了。マイク・ヴェセーラと作ったアメリカンナイズドされたアルバムよりは統一感があり好感が持てる。またギタープレイも丁寧である。晩年はアルバムと通して聴くのが辛くなる時代が訪れるだけに、この時代のテイストは超貴重であろう。


⑩ANNIHILATOR - Carnival Diablos
ジョー・コミューをシンガーに迎え入れ作り上げた渾身の力作。テクニカルなフレーズと難なくこなすメカニカルなプレイと、この無慈悲なるアグレッシブな楽曲との相性は抜群の相乗効果を発揮、ハイテンションなサウンドを牽引するギターと楽曲構成、そしてメリハリの効いたリズムは好戦的に聴き手を煽り興奮の坩堝へと誘います。その中でもジョー・コミューの歌声が、絶妙な絡みを魅せ有機的なソロを奏でるギターとの対比となり、切れ味鋭いアナイアレイターサウンドの魅力を倍増させている。
リリース当時、この手のバンドとは距離を取っていた、メタリカの変貌、特に雑誌のインタビューで『最近はオアシスがお気に入りいりだ』と発言したのは衝撃的でした。メガデスのメジャー化、速さを求めないスレイヤー、等々、唄モノロックへの旅路に向かっていましたからねぇ。
そんな中で再結成ラウドネスがダブルヘッドライナーでツアーを行う。しかも相手がカナダの雄、アナイアレイターである。この時点では初期のナンバーは知っているが、最新作も知らず参加メンバーも知らない、ましてや90年代のモダン化されたと言われる彼らも知らないが、参戦することに迷いはなかった。
最終的に、アナイアレイターはラウドネスに負けないどころか、ダブルヘッドライナーに相応しいバンドであった。そして知らないシンガーがめちゃくちゃ良かった。そのおかげで、アナイアレイターのライブは凄まじいモノだったのだが、会場は冷たいモノでラウドネスって日本のロックバンドであり、アナイアレイターをシラン奴も多いのだろうと悲しい気分になったことを覚えている。
ライブ終了後、物販売り場を見たらラウドネスのグッズしかなく、アナイアレイターをゲットしたいのにと探したら、離れた端っこでヒッソリとロングTしか売られていなかった。ワシは喜んで買ったよ~、誰も買いに来ないで寂しそうな顔をしていた担当女性、やっときたお客様に対する、心からの笑顔を忘れる事は出来ない。あれは安堵であり、孤独からの解放でもあろう。あるいは、関係者から売れ行きが良くないとプレッシャーをかけられていたのかも知れない。すこぶる可愛い女の子がポツンと一人だけいたのだからね。

今作には色んな思い出がある。ライブでの衝撃体験もさることながら、やはり外タレの凄さをマジマジと感じた。ライブならではの熱気とプロフェッショナルな再現性、初期の曲以外しらんのだが新曲がめちゃくちゃ良かった。後にCDを購入してつくづく思いますよね。そしてワタクシは再び、この手の音楽に対して振り返らせてくれた事でも重要な作品でした。生涯忘れられない一枚でしょう。




720. 失恋船長 (2022-05-08 18:08:25)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑩』

①Phantom Lord - Evil Never Sleeps
歴史に名を残すヘタレジャケットでお馴染みのファントムロードが1986年にリリースした2枚目。これを見て買おうと思う奴はいないぞ。中学生が世紀末的な暴力的世界を描いたようなダサダサジャケにも負けないマイナーアメリカンパワーメタルが醸し出す胡散臭さがたまりません。ギターは我らがマイナーギターヒーロー、ジャック・スター。新日でも全日でもない国際プロレスを愛する猛者ならば、このガチンコメタルにむせびますよ。うねるぜ!!



②Saber Tiger - Paragraph 3
魂の唄い人、下山武徳をシンガーに迎え入れリメイクしたベストアルバム。初期の名曲が鮮明でソリッドに成り復活、そこに牙を剥いた獰猛な肉食獣の如く下山が咆哮、時にはしなやかな動きで獲物の喉笛に噛みつくような俊敏さ、そして食物連鎖の頂点に立つような力強さもみせつけ、それまで抱えていた国産バンドの欠点たるシンガーの弱さを見事に覆した。
久保田陽子さんも素晴らしかったが、ライブ会場などでは、一部のファンが女性シンガーに対する心ない対応を取っていたりと、厳しい時代を知っているだけに、下山という無名のシンガーの加入によりサーベルはより攻撃的なスタイルを研磨することとなる。個人的には久保田さんが大好きなのだが、下山時代が最もライブ会場に足を運ぶ形となった。エンジェルさん時代も、叫さん時代も鈴木勝人時代も言ったが、この頃のラインナップが一番熱かったと思う。
サーベルサウンドを司るエモーション、御大木下のギターには、それにも負けない凄腕のマシーンさんのギターも必要だが、やはり歌い手も必要だったろう。


③Vanadium - Born To Fight
初期イタリアのシーンを支えた正統派HM/HRバンドの4枚目。ソリッドでシャープな質感とメジャーな感性を混ぜ合わせたサウンドは、それまでのマイナーメタルヒーローからの脱皮。華麗なキーボードのフレージングも効果的に機能、スリリングなインストバトルにも息を呑みます。聴きやすさも手伝い、飛躍した印象を与える一枚。臭過ぎず泣かせすぎない、イタリアンメタルの王道スタイルを極めた一枚。もっと認知されるべきバンドである。


④Brainfever - Face To Face
ドイツ産スピードメタルバンドが1986年にリリースした2枚目。再発もなく完全に忘れ去られている一枚だが、一応、2006年にCult Metal Classics Recordsから再発盤が出ている。この無駄に力の入ったパワーとスピード、四の五の言わずに楽しんで貰いたいです。豪快にドライブするスピードナンバーは、バイカーズロックをさらに加速させたようなスリルがあり、のっけから酔い止め必死にスピード勝負なサウンドに魅了されます。ミックスが酷い、レコーディングもイマイチで演奏が下手だ、そんな事はお構いなしの乾坤一擲メタルにわしゃ激しく共感を覚えます。走るだけじゃない芸の細やかさも効いているのよねぇ。


⑤ACID - Engine Beast
ベルギー産の元祖スピードメタルバンド、我らがアシッドの3枚目。勝負を掛けた一枚だが、妙にスッキリとした印象を与え、それまでの魔女っ子ケイト嬢感が薄まったのがイケなかったのか、今作を最後にバンドは散ってしまった。
個人的には大好きなバンドだけに、ある意味、無かった事になりつつある今作も押しておきたい。このバンドらしい魔女の宴、サバト感もあるし、妖艶なるケイト嬢が歌い上げる甘い歌唱スタイルとかみ合った時の背徳感に魅了されますよ。勿論、スピード勝負な曲も用意されているので初期のファンも安心ですが、少々毒気をそぎ落としたミックスは一般的な感性には聴きやすいだろうが、このバンドのファンに取っては不満に感じたろう、カルトヒーローの立ち位置とは難しい問題だ。




721. 失恋船長 (2022-05-30 12:41:44)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑩』

⑥ALCATRAZZ - V
グラハム・ボネットのいないアルカトラズなど認めないというコアなファンもいるだろうが、せっかくグラハム・ボネットバンドからアルカトラズ名義に変更して、豪華ゲストを呼んだのに中途半端な作風になった前作とは打って変わって、今回は多くのファンが待ち望むネオクラ様式美スタイルへと舵を切った。そのおかげで音楽性の統一感が増し皆の期待に応えました、妙なポップナンバーもないしね。

インギー丸出しのジョー・スタンプのギターには、アメリカ人としての感性が落とし込まれ泣きよりも荒々しいタッチのアグレッションが良い感じで個性を醸し出している。これぞアルカトラスな一枚になった。音楽を顔や名前で判断すると、この音は届かないだろうが、歌メロ一つとってもグラハムが唄えば、あのバンドになるという曲も多い。ドゥギー・ホワイトが、どの段階で参加したかも気になるが、ワタクシは前作よりは断然こちらを支持します。前作って、幻の町中華店が復活、しかし、商品はパンケーキにタピオカドリンク、待望のラーメンも、パクチートッピングという、風変わりなものとなり多くのファンを失望させました。これじゃないである。
今回は顔となるメンツがいなくなったが、あのレシピは復活。肉汁溢れる餃子に、毎日食べても飽きないワンコインラーメン、これだよね。我々が求めるのは現在進行形のネオクラスタイル。だれがダニー・ジョンソン時代を求めているのかね。ましてやモダンなサウンドなど考えられませんよ。ドゥギー・ホワイトの野暮ったさ対する批評はあれど、これでアルカトラズじゃないと言われたら、それは音楽性の話ではなく、単にグラハム・ボネットがいるいないの別次元の話である。ワシには永遠についていけない発想である。



⑦Mercyful Fate - Don't Break the Oath
キング・ダイアモンドの独特の唄い回しのおかげで音楽性により一層の個性が加味されている。毒気のある暗黒様式美スタイル。
そのオカルティックなサウンドは中毒性も高く欧州での人気は絶大だ。日本では大きな知名度と獲得しているとは言い難いバンドだが、その質の高さと個性は唯一無二の魅力を発揮している。ギターチームも巧者だ。




⑧Tytan - Rough Justice
日本では人気のあったLIONのヴォーカル、カル・スワンが在籍していたNWOBHMバンドのフルアルバム。幻の一枚がオフィシャルな形でリリースされた時には話題になりましたね。憂いのある沸騰型ヴォイスとカルとメロディ強めのNWOBHMサウンドとの相性に疑いはありません。マニアならずとも楽しめる時代の過渡期となる80年代初頭のサウンドを追体験出来ます。


⑨Saint Vitus - Born Too Late
このアルバムがりりーすされたのは1986年、当時、日本でも初期ブラックサバスは古い音楽と言われ、ドゥームロックなんて完全に過去の遺物でした。90年代に入り突然持ち上げられ猫も杓子もオジー・オズボーンとなったのを見たときは、とても滑稽でしたね。
このバンドは、メタルバブル湧き上がる1986年にヒッソリとリリースされています。ブラック・フラッグのカヴァーまでやっています。SSTレコードが残した財産は、とてつもなく大きい。皆が浮かれている時代に、シーンに一石を投じたバンド。初期型アメリカンドゥーム路線を知りたい方は是非ともトライして欲しい一枚。モヤモヤ、ドンヨリのトリップミュージックですよ。


⑩Stone Edge - Gypsy of the Night
ジャーマンメタルにも通ずる勇壮さ、それでありながらも展開に工夫を凝らし難解ではないが、一癖あるサウンドは中毒性を誘発していた。女性シンガーのパフォーマンスがイマイチキレていないのだが、パワフルな歌唱スタイルで応戦、この硬派なサウンドに負けていない。少なくとも今流行の国産ガールズメタル系シンガーよりは、ほぼほぼ上である。
今でもたまに引っ張り出して聴くことのある一枚。飽きないのです。むしろ新しい発見があり全然、鮮度が落ちない。インディーズ系のアルバムのために入手困難だろうが、メンバーの方にはバンドキャンプとかあるので、配信版でも良いから復活させて欲しい一枚だ。ありきたりじゃない個性、ドラムもギターも素晴らしい感性の持ち主である。




722. 失恋船長 (2022-06-03 17:30:47)

『週末は映画を楽しみたい』

①真夜中の招待状
野村芳太郎がメガホンを取った一作。主演は小林麻美、原作は遠藤周作という話題性のある映画。原作を読んだ事が無いので比較は出来ないが、良く出来たミステリーである。夢診断に催眠療法、おまけの降霊術とオカルトテイストがあり、ぶっ飛んだ話になるのかなぁと不安もありましたが、上手くまとめ上げていた。昭和の心霊番組さながらの胡散臭さが上手く映像に盛り込まれ、オカルト神父主義ではない、しっかりと現実的な話として成立させている。この物語、登場人物を覚えられないという欠点がある、それはラストの伏線でもあるのだが、登場人物の名前と顔が一致しないという展開がやや不満。思わずメモに走り書きの相関図が必要となるでしょう。失踪、日付もなぁ。




②スパイラル ソウ オールリセット
ビンタ喰らい男として有名になったクリス・ロックの主演作。相次ぐ警察官の不祥事、一方的な発砲事件を根底に、SAWシリーズお得意の猟奇的なゲームが展開されている。映画館で見たときは勢いに圧倒され楽しんだが、家でゆっくりとした環境でみると、そうでもないなぁと思ったりするのだが、SAWファンなら楽しめる内容である。完全に続編ありきの終わり方なので、続きがないと困るのだが、コロナ渦の影響もあるし、どうなるのだろうか?なんだかんだ言って好きなコンテンツである。





③悲しい気分でジョーク
ビートたけし主演によるハートフル映画。当時のたけし人気をしらない若い人は驚くだろうが、たけし軍団をバックダンサーのように従えアイドルさながらの大声援を受けている時代があった。ベタだが個人的にはけっこう泣ける映画である。たけしさんに影響を受けているからとも言えるが、一年に一回は見たくなる


④墓地裏の家
イタリアンホラーの巨匠ルチオ・フルチ監督の一品。今では制作不可能なゴアホラー。過激な描写に命を掛ける監督の映像美に飲み込まれますよ。過度の規制は必要ないと思っている。これを見て犯罪に繋がるのかね?もう少し振り切って欲しかったが、今作は少し遠慮しているように感じる。



⑤レインマン
最後はメジャーな奴を一本。トム・クルーズとダスティ・ホフマンが兄弟役で共演。自閉症の兄をダスティ・ホフマンが熱演。今のご時世これも地上波では放送しづらいのかも知れないが、人生で一度は見ても損はしない話であろう。




723. 失恋船長 (2022-06-06 14:09:05)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑪』

①W.A.S.P. - The Crimson Idol
メッセージの強い歌詞とドラマティックな展開はハードサウンドを愛する多くのリスナーを魅了。その高い音楽性と親しみやすいサウンドと攻撃性、今聴いても古さを感じさせないサウンドメイクに唸ります。後年、セルフリメイク作も作り上げましたが、ブラッキー・ローレンスのミュージシャン人生において、エポックメイキングな一枚となるでしょう。個人的にはメタルシーンに取って重要なピースだと思っている。レコード会社やマネージャーに弁護士と、多くのミュージシャンが食い物とされ、価値が無くなれば廃られた多くのミュージシャン、その純粋な思いを踏みにじる関係者に対するブラッキーの怒り、それらが原動力になっている。Chainsaw Charlie (Murders in the New Morgue) の世界観など顕著だろう。埋もれるには勿体ない一枚だ。



②ACCEPT - Metal Heart
ベタ中のベタなアルバムだと思うのだが、最近の若い人は今作はおろかアクセプトを知らんと言われショックを受けました。ワタクシにとってはクラシック中のクラシックアルバム。今作から受けた影響を計り知れません。屈強なリフワーク、華麗に舞う鮮烈なるツインリード、そして涙を誘う叙情的なフレージングの数々ウルフ・ホフマンの偉大さに今なお心を奪われます。男臭い男性コーラスと勇壮なリズムプレイの相乗効果、このバンドはお手本となる楽曲とプレイが多く詰まっている。


③Concerto Moon - Rain Forest
ネオクラ様式美スタイルから脱却を図る島紀史。その構築美溢れるテクニカルかつ繊細なプレイとパワーが一体となる新たなる可能性を示唆した。尾崎では限界を感じる面は多々あるのだが、尾崎のメロセンスはけして否定されるモノではなく、このバンドの個性と成りギリギリの歌唱スタイルも非難されるものではない。この後、どんどんパワフルさに拍車を掛け、どこか情緒の欠けたバンドサウンドへと進んだ島さん、過渡期となるスタイルのアルバムだが、個人的には好きと嫌いが入り交じった大好きな一枚であった。



④TESTAMENT - The New Order
期待を裏切ることなくデビュー作の路線を推し進めてきた彼らの出世作。テンションの高い演奏は過激でクール、タイプの異なるギターチームも個性をぶつけ合い互いを高めています。その破壊力は凄まじいモノがあり、スラッシュメタル第2世代の先頭を走り勢力図を塗り替える勢いがあった。チャック・ビリーの歌声もパワフル。スラッシュメタルを唄うに適した実力者だったというのも大きい。


⑤SAXON - Dogs Of War
時代にアジャストしながらも、らしさを失うことなど無かった大ベテランバンドが90年代中期にリリースした一枚。アメリカでの活動を総括するようなバラエティに富んだ意欲溢れる一枚。今でも聴く機会も多いです。ポップでキャッチーな哀メロソング『Hold On』なんて今作以外では聴けないでしょう。色んな意味で飲み込まされてきた男達、それでもファンを裏切らなかった生き様に涙します。ヘヴィでクールなタイトルトラックの切れ味も素晴らしい。鬱積されたダークさのあるアルバムだが、このバンドのキャラがそういうスタンスも飲み込み見事にサクソンサウンドとして昇華しています。ワタクシは音楽を聴いています。活字の影響を受けて、聞こえてくる音が変わるのなら、耳ちぎり捨てますよ。




724. 失恋船長 (2022-06-07 13:32:37)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑪』

⑥Razor - Malicious Intent
カナダが生んだレジェンドスピードメタル番長の3枚目。きったねぇ音色の暴走スタイルはスピード同様メタル度も加速、アルバムジャケットが示すようなグラインダー感がもの凄く出ております。四の五の言わずにツッコむ暴走スタイルは、後続のバンドにも多大なる影響を及ぼしたでしょう。





⑦Abattoir - The Only Safe Place
前作よりも正統性の強いドラマティックな展開が増えました。シンガーもロブ・ハルフォード風味が強まり正統派マニアにとっては、たまらんスタイルになっています。これぞメタルな力感とスピード、分かりやすいストレートな曲調も増えメタルなカタルシスを実感出来る瞬間も盛りだくさんです。メンバーもAGENT STEEL、HERETICなどに参加しているので、そのあたりのバンドにピンと来る方ならばマストな一枚ですね。


⑧Avenger - Blood Sports
NWOBHMマニアからは溺愛される英国産スピードメタルバンドの1st。英国情緒溢れる湿り気のあるダークな音色は、どんなに加速度を増しても拭い去れることは出来ず、キレのある演奏にまとわりつく邪悪な瘴気のように毒気を撒き散らします。スッキリしているようで、そうじゃない英国スタイルの旨味、ワタクシはこの煮え切らないメロディが大好物です。SATAN関連でもあるので、マニアならずとも押さえて欲しいバンドです。えっNWOBHMと言えば、デフレパードにガールに、ワイルドホーシズでしょうと認識している方は強制退去願います。


⑨Maverick - Unfolds the Way
Spiritual Beastから苦労の末、ようやくメジャーデビューを果たすもイマイチ跳ねなかった北のメタルウォーリアー、北海道よりも都内の方が人気が高かったと、名古屋のバンドがステージで暴露していたのは面白かった。彼らの熱いステージは永久凍土も溶かすほどのハイボルテージ、ここに収録されている3曲は、冷ややかでメタリックな叙情味溢れるサウンドを展開しており、広大な北の大地を想起させる魅力がある。メジャー盤にもアレンジを加え収録された3曲。2000年前後の厳しい時代を走馬灯のように想起します。こういう真っ当なメタルバンドが古くさいと笑われた時代ですからね。



⑩Judas Priest - Nostradamus
JPが2枚組のコンセプト作をリリース。明らかに賛否の否が大勢を決してアルバム。一般的には駄作扱いです。個人的には出がらしが出まくった、やっつけ仕事にも似た、可もなく不可もなしのFIREPOWERよりは500倍価値があると思っています。ロブもまだまだハイトーンに余力があり、ギリギリのところで威厳を保っている。老いて益々盛んなるべしを体感させてくれた守りに入らないベテランバンドの意欲作。スピードだけが欲しいのならJPを聴かなくてもね。ワタクシは支持しますよ。




725. 失恋船長 (2022-06-13 16:40:01)

『メロディアスメタルが聴きたい①』

①White Wolf - Standing Alone
商業誌においてジャケットの怪物がコウモリかオオカミか分からんと言う謎の批評を喰らい低評価となったカナダ産メロディアスHM/HRバンドの1st。キーボードも適度に導入、ドン・ウィルクの男臭い歌声を軸に、装飾過多にならない本格派のスタイルを築いている。熱量の高いメロディアスロックとしては、高品質の作品としてメロディ派の愛好家から愛される一枚。個人的には今でも良く聴くアルバムなのだが、世間的には忘れ去られた一枚となっている。メジャーになりすぎない絶妙なローカルヒーロー感がカッコイイ。


②Bob Catley - The Tower
マグナムのシンガーとして知られるボブ・カトレイのソロ。プロデュースとソングライティングをTENのゲイリー・ヒューズが担当。ヴォイスオブブリティッシュと呼ばれるボブの深みのある歌声が、メロディアスなサウンドの上で躍動する。やはり彼にはこの手のサウンドがよく似合う。マグナムファンにとっても待望の英国産メロディアスロックを引っ提げての復活に歓喜の声が上がった。



③Bad Habit - Atmosphere
復活を果たした北欧産のメロディアスロックバンド。マニアの間では名盤と誉れ高い評価を受けたがリリース時期も良くなかったのか?売れ行きも低調、その為に国内盤のプレス枚数が少なく、ボートラが一曲追加されている効果も手伝い、海外のマニアからも高値で取引の希望があると言われる一枚。中古品でも普通の状態なら正規の値段の倍近くで取引されているのだとか、そういう情報だけでも今品質を約束されているでしょう。躍動するロックなリズムと爽快感マックスのメロディ、疑いようがありません。



④Valentine - Valentine
こちらのヴァレンタインはオランダじゃないヒューゴがリードシンガーを務めるアメリカのバンドです。適度なハードエッジを前に出しつつもヒューゴの唄をメインに据えた本格派のL.Aメタルサウンドが売りです。計算された音楽性は質が高く無理無駄のない構成で魅了、それでありながらもロックバンドとしてのスリリングな見せ場を設け飽きさせません。盛りだくさんの一枚ですよ。
少々乙女チックなメルヘン風のバンド名が軟弱な印象を与えたかな?



⑤M.S.G - Save Yourself
ロビン・マッコリーを迎え満を持してリリースしたTIMEは不発に終わり一気に求心力を失ったマイケル。完全に新生MSGは失敗したのだが、久しぶりに覇気を取り戻し気合いの入ったギターソロを噛ましている。特にタイトルトラックの新機軸ぶりは多くのファンをノックアウトした。それだけにTIMEは痛かった。後年TIMEはメロディアスロックとしては名盤と再評価され、その後わざとらしいくらい、俺も当時から素晴らしいと思っていたという嘘つきが多く現れました。
なら最初から言えである。そして売れなかったぞ。ロビンとやった作風はどれもが中途半端な印象を受ける。このアルバムも半分が欧州風味満点のメロディアス路線だが、半分はアメリカン市場向けのラジオオリエンテッドな作風になっている。その中でも折衷半であるDestinyは名曲であろう。AnytimeやTake Me backなどのTIME路線の名曲もある。




726. 失恋船長 (2022-06-26 16:33:03)

『メロディアスメタルが聴きたい①後編』

⑥Arc Angel - Arc Angel
オープニングナンバーのイントロだけで名盤の予感が漂います。優美なシンセのフレーズに導かれる叙情派ハードポップサウンドの旨味。主役であるジェフ・カンナタさんは、マルチプレイヤーとして大活躍、やりたいことを思いっきりやり切っています。特別テクニカルな要素はないので、面白味は薄いかも知れないがAOR系のハードポップサウンドが好みの方ならば大いに楽しんで貰えるように思います。でも、このバンドもカンナタさんも知名度が低く、親戚縁者ではないのだが、みんな聴いてくれとお節介を焼きたくなるほど、魅力的な楽曲が詰まっている。


⑦Fortune - Fortune
同じバンド名が多いフォーチュンだが、こちらはボストンのフォーチュンです。キーボードや爽快なコーラスワークも飛び出すが根っこにあるハードな素養を隠しきれないが面白い。個人的にはラストナンバーのようなメタルな感性を剥き出した曲も好きだが、今作の方向性はもう少しメロウでキャッチーな方向性を支持している。玉石混交、バラエティに富んだ楽曲を収録しています。



⑧Glory - Danger In This Game
やや唐突に始まるオープニングナンバーだが、いかにも北欧サウンドと言えるクリアーで糖度の高いメロディが耳を惹きます、そのキラキラとした輝きは夜空に輝くオーロラでしょうね。攻撃的なギターはありきたりなフレーズでは満足せずにトリッキーだが耳馴染みも良く、かなりの腕前である事を予感させる。甘いスローナンバーの③でリラックスしていたら必殺の④でこちらの感性に攻め込んできます。北欧メタルが好きな人も、そうじゃない人も一気に持っていかれる破壊力がある。。



⑨WRABIT - Wrough and Wready
このバンドを知ったのは藤木さんが、メロディアスロックの名盤と取り上げていたのがきっかけだったと記憶しています。既に廃盤であり、CD化もなくレア盤として知られていましたね。実際は地下の世界でもメロディ愛好家が血眼になって探した一枚、その中で日本が世界に先駆けCD化を果たした時はチョットした事件でしたが、プレス枚数も多くなかったようで、レア度は高かったです。今年かな?再発盤が久しぶりに出ましたね。これを機にメロディ派のマニアで、まだ聴いたことのない方は是非ともトライして欲しい。
レア盤となった話が与太ではないことを確認出来ると思います。甘いだけじゃないロックバンドとしての歯ごたえがあります。美しいコーラスハーモニー、そして締まった演奏と酔わせてくれますよ。


⑩Stan Meissner - Dangerous Games
最後はシャレもんを一枚。カナダ人ミュージシャンであるスタン・マイスナーのソロアルバム。ソングライターとしての方が有名かも知れませんが、カナダのロックは落ち着いています。変に浮つくことなく地に足をつけて極上のAORサウンドを展開、その質の高さと期待を裏切らない堅実さに唸ります。楽曲の良さがそのまま音楽性に反映されている、誰も邪魔をしないが、主役不在感のあるのがポイント。
このサウンドには品を感じます。素直に良いと思える洗練されたメロディが聴けます。大衆性に踏み込んだスタイルだが、浮ついていない、そこが最大の魅力。売れると言うことと軽すぎないというテイストが実に心地よい。




727. 失恋船長 (2022-08-15 15:38:51)

『メロディアスメタルが聴きたい②』

①BEWARP - IN YOUR FACE 
甘く切ないメロディをハスキーヴォイスが歌い上げます
甘口な北欧スタイルだけではないハードテイスト
歯ごたえのあるギターも耳を惹きますね
ワイルドだがメロディアスなサウンド
ある意味ピート・サンドベリに求められる形の一つだろう
AOR調ばかりは飽きますから

②SEVEN - Shattered
英国産のメロディアスロック
幻のバンドによる奇跡のフルアルバムと話題もあったが
そういうレア感に頼らなくとも十分勝負が出来る一枚
アメリカでも北欧でもない英国テイスト
硬派で真面目なメロディアスロックの旨味


③The Big Deal - First Bite
適度にハードで適度にライトなフロンティアレーベル謹製サウンド
女性によるツインボーカルと言うのも新鮮
ギターも巧者だしキーボードも兼務するネヴァナ・ブランコヴィッチも上手い
売れそうな雰囲気満載ですよね
百花繚乱のメロディックメタルの旨味は極上です


④Le Mans - Le Mans
1986年に入り一気に音楽性をメインストリーム寄りに変貌
それがいい味を出しています
フック満載哀愁のメロディと耳馴染みの良いハードテイスト
もっと売れても良かったんじゃないの?
メロディ派のマニアならずともグッとくる展開もありますのでね


⑤TEN - Babylon
英国産叙情派メロディックバンド
ゲイリー・ヒューズのソロバンドみたいなもんなのだが
硬軟交えたシリアスな作風はコンセプト色も強く
日本以外の国もターゲットに展開しているように感じる
余りにもDPのBURNに似ているとのことで
日本では見送られた『Dawn Star』が入ってあるものを聴いて欲しい
何を今更パクりを気にしているのかと言えるほどオマージュの多いバンドだけにね




728. 失恋船長 (2022-08-16 15:37:25)

『メロディアスメタルが聴きたい②』

⑥Joshua - Surrender 
新シンガーにジェフ・フェンホルトを迎えリリースした2枚目
音楽性も叙情派路線に重きを置き唄えるシンガーを据えた事で安定感が増した
ヤードバーズのカバーもハマるのはやはり唄が上手いから
全てにおいてパワーアップした出世作
主役たるジョシュアさんがイマイチだという悪口もあるが
ワタクシは大好きな一枚です


⑦Rondinelli - War Dance
ロンディネリ兄弟による叙情派ハードロックバンドのデモ+ライブ音源
ここで唄うのはレイ・ギランというレア感が興味をそそります
リリースは1990年の中頃ですがマテリアルは80年代なので安心して聴けます
厚みを持たせたコーラスハーモニー
こういう曲もレイは歌っていたんだと知って欲しいですね


⑧Earthshaker - Yesterday & Tomorrow
ことあることにベストアルバムやリメイク作をリリースしている印象が強いバンド
確かにイイ曲が多いので聴いて貰いたい気持ちは分かるが乱発しすぎである
MOREって何ヴァージョンあるんだよである
永川在籍で過去の曲をリメイク
ライブでお馴染みのアレンジもあるのだろうがイメージを変えた曲もあり
企画倒れやコレクターアイテムでは留まらない魅力がある
現在では入手困難な一枚だけにメロディ派のマニアならば手に取って欲しい



⑨Niagara - Now or Never
ナイアガラというバンド名ですがスペイン産のメロディックメタルバンドです
ややこしいことすな!と叱責したくなりますが
サウンドの方が情熱のメロディが青白い炎を燃やし上げる叙情派です
味付けが濃そうなイメージを持ちそうですがキーボードも適度に使い
硬軟交えたアレンジが軟弱な要素を一掃
耳馴染みの良さとガッツ溢れるロッキンポさが絶妙に弾け飛び
思わずガッツポーズも飛び出しますよ



⑩Bad Loser - Utter Indifference
全てが俺にひざまずくぜ! 
ダサい帯たたきの文言を前に本当にひざまずくのですが
サウンドはそこまで力業でねじ伏せるようなパンチはなく
南の歌声を大切にした叙情派路線を展開
少々軽めのサウンドプロダクションが曲の良さを出し切れていないのが残念
個人的には愛してやまない一枚なのだが
半分くらい聴くと飽きる人が続出すると言われたのは否定できない
いい曲だけではアルバムって成立しないんだよなぁ…難しいねぇ




729. 失恋船長 (2022-08-22 15:58:33)

『メロディアスメタルが聴きたい③』


①John O'Banion - Satomi Hakken Den
映画『里見八犬伝』のサントラと混同しそうですが
こちらは日本でリリースされたジョン・オバニオンのソロアルバム
映画で使用された楽曲もありますが
1stソロよりも日本人好みの哀愁とメロディ
そしてハツラツとしたポップフィーリングも盛り込み
聴きやすくまとめ上げています
アナログ盤しか知りませんが正規の形で復刻して欲しいねぇ
デジタル配信で良いのでお願いしますよ



②Crea - Another Door
解散したのかな?
CYNTIAを聴いていたらこれもどうですかと教わった女性グループ
何人編成なのか?バンドメインバーの名前も知りませんが
90年代風味漂うチョイハードなJロックバンド
日本のロックらしいベースが目立つ構成もJロックです
カラオケ自慢の女性シンガーとJロックなのですが
そっち方面にも明るい方ならば大いに楽しめるでしょうね
無駄がない等身大の魅力を反映している
シンコーミュージック激押しのあっちはデジタル加工がエグく誰が何をやっているのか分かりませんが
こちらはハッキリと分かります
それだけで十分ロックバンドです
テクノロジー恩恵しかないグループは大嫌いです
オジー・オズボーンじゃあるまいし金貰っても好意的にはならんぞ
そういう連中よりもロックな女性です
哀愁のある元気はつらつな弾けぐわいも好感が持てるね



③Damian Hamada's Creatures - 魔界美術館
あどけなさの残る歌声ではありますが楽曲に負けない歌声を披露しています
その成長というのかマッチングの向上によりバンドサウンドは強化
ダミアン浜田殿下にとってはお馴染みの曲を復活させましたね
やっぱ『嵐が丘』とかこっちの方が良いもんね
ギターソロも妖艶かつテクニカル
ドラムの音使いは好きになれず
あの仕上がりは人造人間でしたっけ?な雰囲気を出しているならば理解できる
それにしても殿下は叙情派メタルを作らせたら右に出る者がいないねぇ



④Nozomu Wakai's Destinia - Requiem for a Scream
最近若井望は何をやっているのかな?
胸毛ボーボーなイメージを抱かせるロニー・ロメロとアルバムを作ったが
個人的にはどんだけ高価でも甘すぎるハチミツは喉が焼けるくらい甘く
どうやって調理するんだ?という疑問を抱くのですが(スプーン一杯で一月分の当分補強)
ロメロとは合わなかった気がする
森川、小野、ロブ・ロックという実力派が揃った今作の方が情緒があって好きである
日本人感性に訴える情緒のあるメロディアスロック
絶妙な甘さとハードテイストは胸焼けを起こしません
曲作りも上手いしギタープレイも超一流
ソロもエモーショナルで唄や楽曲に負けていません




⑤Shogun - Shogun
Tokyo Bladeで唄っていたアラン・マーシュが唄います
他にもChinatownの‎ダニー・グウィリム‎やTokyo Bladeアンディ・ライトン‎等が参加
NWOBHMの残党組による英国産メタルは1986年という時代を意識した
メロディアスロックを展開
メジャーシーンでも爪跡を残せるよう譲るところは譲った硬派な味わいを残している
この先も脚光を浴びる事はないでしょうけどメロディ派のマニアには知って欲しい




730. 失恋船長 (2022-08-27 17:04:17)

『メロディアスメタルが聴きたい③後編』


⑥Rhett Forrester - Even The Score
私生活の問題から射殺というショッキングな死を迎えたロックシンガー
多くの作品を残したとは言いがたいが彼の歌声はどこか悲哀がにじみ出ており
生き急いだロックシンガーの声に影を落としている
RIOT関連の商品としてではなくもっと認知されるべき哀愁のメロディックメタルであろう



⑦Praying Mantis - Forever in Time
マンティスと言えば再結成第2弾のアルバムが人気であり最高傑作だろうが
トニー・オホーラを迎えた今作も忘れて欲しくない
ロマンティシズム溢れる哀愁のマンティス節炸裂
その中でハードな楽曲を盛り込みメリハリをつけています
味わい深い一枚ですね




⑧AXE - Living on the Edge
メロディ派ならば押さえておかないとイケないバンドの一つ
コンパクトな楽曲に込められたドラマ
その一大叙情詩の濃密な世界観に唸ります
捨て曲が見当たらない名盤中の名盤
メロディ派ならば名曲Fantasy of Loveに酔いしれて欲しい



⑨Sheriff - Sheriff
解散後のバラードが大ヒット
そのおかげでそっち方面に傾くが
元気はつらつなハードサウンドも顔を出し
実に硬軟のバランスが取れた技術的にも申し分ない本格派であった






⑩Rick Altzi - All Eyes On Me
AT VANCEなどで唄っていたリックが22年にリリースしたソロアルバム
彼のザラついた男臭い歌声を軸に北欧風味満点のハードサウンドを展開
メロディックメタルのど真ん中を歩くベタな曲も癖強な歌声がぶった切りますね




731. 失恋船長 (2022-09-08 18:35:51)

『ライブ映像』


①44MAGNUM - BOMBARD ATTACK- 44MAGNUM ON TOUR '86
非常に貴重な映像ですね
個人的には路線変更前にこういう曲をやるのかと意外な選曲もあり楽しめましたね
そしてこのライブを見る限りマグナムがああいうスタイルになびくとも思いませんでした
どうしてもポールやジミーに人気が集まるのですが
彼らのライブを見たことある人は
このバンドを支えているのはジョーとバンのリズム隊にあると確認出来るでしょう
まさに屋台骨を支えるとはこの事です
それにしても映像というのは懐かしい時代に連れて行ってくれますね
追体験に何故かホロリとさせられました



②SLY - LIVE DREAMS OF DUST
1stアルバムの失敗を受け改良された2nd
内容はけして悪くないのだがセールスに結びつかなかった
厳密に言えばお金を掛けた割にはである
やはり映像まで作り気合いを入れたのにファンとしてはおもてたんと違うだった
特に二井原実先輩の気張りまくった唄い回しは彼の魅力を完全にそぎ落とす形となった
その反省を踏まえリリースされた2枚目
FOUNDATION FORUM'95に参加するも時代的には厳しい音楽性だったろう
もし1stがこの作風だったらなぁと思わずにはいられませんね
ヘヴィでストロングなダイハードサウンド
日本選抜メタルチームとして威厳と風格は備わっていた
テクニック的にも申し分ない
それを確認出来る映像だけに悔しい気分を味わう
1stのライブを合わせて復刻して欲しいねぇ






③二井原実 - KICK ASS AGAIN LIVE
中間英明にマグナムの宮脇そして茶々丸ことヴィエナの藤村という凄腕が揃うラインナップ
二井原実がラウドネスをクビにと言うショッキングな事件はあれど
スーパースターの凱旋ライブに大期待となるが1stの再現ライブという形になる
個人的にはそれはそれで大ありなのだが
大半のファンは二井原実先輩の声のラウドネスが聴きたかった
藤村と中間というタイプの違うツインギターコンビ
ハマれば強力になりそうなのだが生かし切れていないのが残念
でも画になる二人がいたのは凄かった
このライブを叩き台にデットチャップリンが出来上がるも
最後までファンの求めるラウドネスに幻影に悩まされる二井原実先輩だった気がする
でもデットチャップリンは凄いバカテクバンドだった公式の映像無いのかね?
そうる透も菅沼もタイプは違うが凄いドラマーだった





④ANTHEM - 20th Anniversary Tour Concert
歴代メンバーが集まる奇跡のライブ映像
中間の登場のサプライズ感もあるのだが喧嘩別れをした福田と柴田さんが同じステージ
感動しましたね
ブランクのある福田の演奏はお世辞にも良かったとは言えないが
あのメンバーには確実にマジックが存在していました
その瞬間に立ち会えたのがなんとも言えない感動を運んできましたね
森川も飛ばしすぎてスタミナ切れだが獣性を帯びたパワフルヴォイスで魅了
森川ここにありである
大内も久しぶりのヘヴィメタルドラムだっただろうねぇ
当時の衣装でステージにたった坂本英三も現役アンセムの看板を背負っていましたよ
コロナと年齢のせいでライブに足を運ばなくなりましたがライブはええわ
でも25周年の映像がないのが残念





⑤TURBO - The History 1980-2005
ヴォイチェフ・ホフマンとグジェゴルツ・クプチクというポーランドのロックシーンを語る上では外せない重鎮
やはりこの二人がガチンコのメタルをやる姿が見たかった
断末魔シャウトもそこそこに熟成された歌声と味わい深きギタープレイ
新旧のメンバーが揃い往年の楽曲をプレイしています
お祭りのようなライブに相応しいメンツと楽曲でしょう
でも個人的には激レアな昔の映像ですよね
ネタバレしたくないので言いませんがドエライもんです
色んな意味で凄いです




732. 失恋船長 (2022-09-11 20:11:41)

『ライブ映像①後編』


①Metal Hammer Roadshow
コンバットレコードからリリースされたライブアルバム。
Overkill・Anthrax ・Agent Steelの3バンドが揃う興味深い組み合わせに時代を感じますね
1986年と言うことで時代がメタルバブルに浮かれる最中
そういう方向性とは別のベクトルを放つヴァイオレントでスピーディーなサウンドが楽しめます
ジョーイ・ベラドンナの勇姿が見られるだけでもマニア泣かせですよね
熱気に包まれるテンションの高いステージに興奮します


②浜田麻里 Live 1986
TOMATOという関東ローカルのTV番組で放送されたライブ
合間に番組ホストとメンバーのインタビューなども挟む内容なのだが
初期のライブ映像は浜田麻里メインのショットばかりで全然面白くない
あれじゃバックバンドが可哀想だ
アイドルのコンサートさながらの映像にゲンナリさせられます
ロック後進国と言われる日本らしいカメラワークでしたね
そういう不満が多い初期のライブ映像としては比較的メンバーの演奏シーンも捉えている
そういう意味ではTVプログラムではあるが見応えがある
野心に漲るタック松本さんはインタビューでは率先して喋っていましたね
佐藤克也と松本さんの二人が立つステージなんて豪華絢爛でしょう
上手いメンバーに支えられてこその歌姫です
どちらも揃うから見応えがあるのです
アイドルのコンサートじゃあるまいしテープ流しているんじゃないからね





③Tank - War Machine Live 2012
分裂したTANKは双方がバンド名を引き継ぐというややこしい時代が勃発
ミック・タッカーとクリス・エバンスは新たにドゥギー・ホワイトを迎え新生TANKを始動
このライブ映像を見ればドゥギー・ホワイトのいるTANKも大ありであろう
しかし会場は微妙だった
やはりアルジーのしゃがれ哀愁ヴォイスこそタンク
あのヤサグレパンクメタルから正統性が強まったライブに対する拒否反応でしょうね
個性の強いキャラの後任は大変だろうが
このラインナップにもマジックはあったと言いたい



④Running Wild - Death or Glory Tour
メチャクチャ盛り上がっていますね
完全なるホームでライブを展開する海賊メタル
脂の乗りきった渾身のライブ
我らがロルフ船長が掲げる旗の下に集合ですよ
狭い会場だから余計に熱気がムンムンですよ





⑤W.A.S.P. - First Blood Last Visions
45分程度のコンパクトな映像
それだけに代表曲に絞った選曲が嬉しい
ブラッキーがいればバンドは成立する
入れ替わりの多いバンドですが
熱量の高い演奏で魅了してくれます
意味不明な懐かしいPVも胸キュンポイントですよね




733. 失恋船長 (2022-09-20 01:41:24)

『メロディアスメタルが聴きたい④』


①Bad Sister - Heartbreaker
女性シンガーペトラ・デゲロー擁するドイツ産グラム系メロディアスHM/HRバンドの1st
グラム系といってもドイツ産ですからね生真面目です
欧州由来の湿り気があるメロディとメジャー感
絶妙な硬軟のバランスが聴き手を魅了
唄モノは甘すぎるという危惧する不安を払拭してくれるでしょう
少々型にハマった歌い方なんですけどね




②Minstrelix - Memoirs
歌い手を外国人女性シンガーに交代
そのおかげで英詩もなめらかなモノになる
ファンタジックかつクラシカルなメロディの華麗なる響き
そのたおやかで優美なメロディが華麗に舞い踊る築城サウンドに
ネオクラマニアの心も鷲づかみとなるのですが
中音域を駆使して歌い上げるローラ嬢の歌唱スタイルが評価を分けるでしょう
もっと突き抜けて欲しいと思うのですが
その手前で止めてしまうのがチョイと消化不良気味
でもこのクオリティの演奏と楽曲があるからの不満であり素晴らしいバンドである




③Fans of the Dark - Suburbia
安定のFRONTIERSレーベルからのリリースという時点で一定の安心感を覚えます
その期待を裏切らないメロセンスとメタルな質感
古さに埋没しない現役のサウンドを引っ提げているのが心強い
どうして日本からこの手のバンドが現れないのだろう?




④Tokyo Motor Fist - Lions
甘いなぁそしてチョイハードでビターなテイストもありますよね
もっと厳ついハードサウンドで勝負を掛けているのかと思いましたが
ビックコーラスも絡ませゴージャスな作りを仕掛けてきます
王道すぎるきらいはありますがベタさを堅実と変換出来るかで評価も分かれるでしょう
安定のブランド力のあるスタイルではある




⑤Riot - Thundersteel
どこがメロディックメタルなんだよ
厳ついスピードメタルじゃないかぁなんですが
甘いのを続けて聴くとどうしてもヘヴィな奴が欲しくなりますよね
そういう時に頭に浮かぶのが今作だったりします
個人的にはトニー・ムーアの線の細いハイトーンが苦手で
RIOTはこういうバンドじゃない感はMAXだったりする
レーベルの意向や時代の流れで音楽性を統一出来なかったバンド
日本人ならWARRIORという事で今作はその流れを受け止め高速化したスタイルだから受けた
そして代表作にもなったのだがトニー・ムーアじゃなきゃもっと凄くなった
良いメロディと攻撃性を生かせない高音域一辺倒の唄い回しじゃね
前戯が長いだけじゃ女性に嫌われますよ
そんな不満はあれど捨て曲無しと名盤だと言いたい
個人的には十分メロディックメタルだと思いますよ
Thundersteelの次に来るFight Or Fallがカッコイイ
だからSign Of The Crimson Stormが俄然生きてくる




736. 失恋船長 (2022-09-28 15:03:07)

『メロディアスメタルが聴きたい④後編』


①Glory - 2 forgive is 2 forget
EUROPE直系のメロディックメタルから間口を広げてきました
煌めきは減退したかも知れないが根幹にある音楽性に揺るぎなし
お国柄が随所に溢れています
個性とテクニックを兼ね備えたギターは耳を惹きますね





②Survivor - Vital Signs
産業ロックなる言葉でバッサリと切り捨てられたアルバム
嫌みの無いメロディと爽快感は万人受けすること間違いなし
ジャンル不問で場所を選ばない作風は何を批判される事があるのでしょう
でも一番怖いのはそれに乗っかるだけのメディア論者
いった何バンド殺せば気が済むのだろう
サクソンアメリカンナイズドと同じですね
メロディ派の心に寄り添う普遍メジャーロックです






③Zeno - Zeno
オープニングナンバーは歴史に残る名曲ですよね
その類い希なメロセンスを武器にシーンに躍り出るも活動は順調を生きませんでしたね
後にフェア・ウォーニングが成功することで再考された彼ら
リリース当時の背景もあったろう
猫も杓子もアメリカンナイズド時代に正統派のメロディックメタルは厳しいわなぁ
特別ルックスで押せる分けでもないしね
何度聴いても感動させるEastern Sun
出オチで終わらない確かな実力に唸りますね





④Heartland - Heartland
プレス枚数の少なさから一時は高額商品としてマニア泣かせの一枚となりました
クリス・ウーズィーのブルージーな歌唱スタイルと普遍的なスタイルの相性も抜群
香しき英国唄モノロックサウンドの最高峰へと昇華しています
ベタですがベタには敵いません




⑤O'Ryan - Initiate
ケルトネームO'Ryanことマービン・スペンス
Wishbone AshやTrapezeなどでも活動した唄が歌えるベーシストです
抜群の歌唱力を生かしたソウルフルな歌声は確かな腕前を誇ります
Phenomenaプロジェクトの楽曲をリメイク
どういう経緯で権利を勝ち取ったのか分かりませんが
斬新なアレンジで新たなる息吹が吹き込まれています
ロック色は控えめになりましたが
上手い歌が聴きたい人にはもってこいの一枚でしょう
原曲が持つメロディの良さに酔いしれます




737. 失恋船長 (2022-10-12 16:27:18)

『メロディアスメタルが聴きたい⑤』


①FIRE HOUSE - Hold Your Fire
グランジ勢に対抗するように本格派のメロディアスロックを披露したバンドの2枚目
時代が時代ならばもっと売れたような気がする
アメリカンでゴージャスながらロックな歯応えがある
後年スネアの音がドリームシアターのアルバムと同じだろうと
プロデューサーがツッコまれる事態になる





②FISC - HANDLE WITH CARE
フランス産のメロディアスロックバンドのフルアルバム
シンガーであるジミー・マーティンのスタンスに重きを置き音楽性もシフトチェンジ
80年代中期らしいトレンドも取り込み豪快なロックサウンドを轟かしている







③Mama's Boys - Growing Up The Hard Way
シンガーがキース・マレルに交代とそこまでは珍しい事でも無いのだが
ここまで音楽性が変ったら詐欺で訴えられるぞ
AOR調のソフトロックになるとは驚きだ
このドラムの音も好きになれん
牙も鋭い爪も抜け落ちたバンドサウンドを前に何を聴けばと途方にくれるファンもいたでしょうが
メロディ派にとっては質の高さは折り紙付きである






④Climb - Take A Chance
読売巨人軍最強の助っ人と呼んでも差し支えのないウォーレン・クロマティがマジでドラムを叩いています
まだ巨人在籍中のオフにリリースしたんですよね
当時を思い出すと今もプロ野球界って変っていないなぁ
興味のある方は豪華参加メンバーも込みでググッて欲しい
爽快なイーストコーストサウンドに心も晴れやかです
本来メロディックメタルと言えばフロンティアレーベルで事足りるのだが
こういうのも押しておきたい




⑤EARTHSHAKER - Treachery
シーケンスも大胆に取り込みデジタルサウンドを展開
これがあのシェイカーなのかと驚くが表題曲など成功した例もある
中途半端なロックをやるくらいならば完全に開き直るべきだろう
TMネットワークの成功は大きくフェンスオブディフェンスも登場した
そんな流れもあった中でも新機軸
ビーイング系の始祖的なスタイルでもある




738. 失恋船長 (2022-10-17 14:14:50)

『メロディアスメタルが聴きたい⑤後半』


①Cornerstone - Human Stain
どこかロイヤルハント風味のあった1stから一転して個性を魅せたのが2枚目のこちら
やはり1stは手元にある曲を使ったという事だろう
よりバンドらしいアレンジとドゥギー・ホワイトが唄うメロの良さは完全に1stよりも上
スティーン・モーゲセンのアーティストしての手腕が遺憾なく発揮されている
本領発揮したバンドでしたがAOR調の1st信者からはつまらないと言われた一枚でもある
英国式様式美サウンドの威厳を放つ名盤でしょうね
でも今の若い人には地味だろうなぁ


②Orion the Hunter - Orion the Hunter
ボストンのギタリストだったバリー・クドローのバンド
洗練された優美なメロディとストレートな感性でロックさせている
美しいハーモニーも耳を惹く
また澄み切ったハイトーンも印象的だった
嫌みの無い売れ線志向
絶妙ですね



③Roadhouse - Roadhouse
デフ・レパードのギタリストとして知られるピート・ウィリスが立ち上げたバンド
本家はアルバム毎にポップ化が進みどんなバンドか忘れてしまうのですが
今作は良い意味でデフ・レパードらしいロック色を受け継いでいる
すったもんだを繰り返す本家に愛想を尽かしたファンならば今作を聴き慰めるべきだろう
素直なアレンジとメロディに癒やされますよ






④Lionheart - Hot Tonight
NWOBHMファイターと知られコンピ作に提供した楽曲はハードな疾走感とコーラスワークを生かしたスタイルだったが
今作は時流に合わせキーボードをフィーチャーしたハードポップ路線へ変貌
元々その下地はあったので驚かないがアメリカンナイズドされた姿は異様に見えた
メジャーシーンで飯を喰うには仕方の無い路線変更だろうが雑誌のレビューも厳しいモノでありリリース当時は×
別の編集者が絶賛することで評価も720度くらい変るのには驚くのだが
メロディ派のマニアならば文句の出ない内容だろう
日本のみで企画されたデモ音源集を聴いて欲しいねぇ
このバンドの変遷とルーツを知ることが出来ます
でも軟弱なミックスはオシャレなアメリカンナイズド路線なので理解は必要だ



⑤WARRIORS - WARRIORS
ユーゴスラビアで活躍していたミュージシャンとカナダのミュージシャンが融合
そして東欧圏で活動するのですが
カナダのレーベルと契約を交わして1984年にリリースされたのが今作
1983年にもアルバムをリリースしているらしいが聴いたことがない
今作と被っている曲があるので聞き比べてみたいものである
メロウな前半に対してアナログのB面に当たるGod Save the Childrenではジェノサイドと物騒な歌詞も飛び出し
メタリックなナンバーも放り込んでくる
どうもこちらが本質な気もしてきたがメロディ派ならば大半を占める甘いメロディに耳が持っていかれるでしょう
癖の強い歌声も好きだった




739. 失恋船長 (2022-11-08 11:53:06)

『スピードメタル戒厳令①』


①Sortilège - Métamorphose
水木しげる先生が書いた牛鬼みたいなジャケもインパクトありますね
NWOBHMからの影響も一直線
軽やかなメロディとフランス語の語感相性も良く
剛毅なスピードサウンドの中で柔和な口当たりを与えてくれる
ちなみに英詩ヴァージョンもあるのだが個人的には断然フランス語ヴァージョンです





②Raven- Wiped Out
世界に名を轟かすスピードメタル番長RAVEN
ここで聴けるアクロバティックな高速パワフルサウンドに熱盛り連発
テクニックなんて糞食らえライブさながらのフィーリングを大切にした
レコーディングも功を奏している
彼らの代表作に推すマニアがいるのも頷けますね






③CASBAH - Russian Roulette
海外でも根強いファンを持つダイハードなジャパニーズハードコアスラッシュバンド
表題曲を彼らの代名詞にするファンも多いでしょう
ドスを効かせ歌い込める羽鳥の存在は日本の誇りであろう
もっと評価されるべきバンドだしアーティストである
この尖りまくったサウンドは今なお色あせる事はありません




④Razor - Shotgun Justice
大鉈を振り回し大暴れ
まさにマチェーテなメタルサウンドで暴れ倒しております
レアな作品のためにイマイチ認知度が低いのは
このバンドがもっていないということなんだろが
バイオレントかつスピーディーなメタルが大好物な方ならばマストだろう





⑤LOUDNESS - Risky Woman
ディスコミュージックに挑戦したシングル盤を推すとは何事だと
熱心なメタルファンにぶん殴られそうですが
今作のB面に当たる『THE NIGHT BEAST』は正にラウドネスらしいスピード感溢れる一曲
リフワーク一つとってもラウドネスですね
アルバム未収録だけに見逃されガチですが
キャッチーな歌メロも込みでラウドネスです
表題曲も音の抜けがメチャクチャ良く
渡米後のラウドネスとしてはけして規格外ではない良作だ




740. 失恋船長 (2022-11-15 12:38:55)

『スピードメタル戒厳令①後編』


①Vixen - Made In Hawaii
マーティー・フリードマンの歴史を語る上では外せないバンド
どこかで聴いたことのあるフレーズがアイデアも散見できるが
その先人達の影響力を隠さない清さもポイント
個性を磨きつつあるマーティのギターも面白い
荒削りだが他者のと違いを出そうと苦心しているが未消化だ
その青臭さも込みで今作は楽しんで欲しい
ハワイ在住のミュージシャンとは思えない哀愁のメロディとダークさ
初期スコーピオンズに近い音楽性だろう
女性シンガーというのも当時としては新鮮だった
No Remorse Recordsからの再発盤はボートラがタップリ収録されていますので楽しさも倍増です
朝日の当たる家スピードメタルヴァージョンも良いね






②United - Destroy Metal
まだゴリゴリのスラッシュをやる前の初期作
攻撃的なリズムと哀愁のツインリード
クールに疾走する様は関東メタルらしい
名曲SNIPERは個人的にはこのヴァージョンなんですよね
これを聴きすぎた
ヤサグレパンクメタルな匂いがするのも大好きです






③X Japan – I'll Kill You
たぶんこれがX初体験だったはずである
発禁確定の生首惨殺死体ジャケのおぞましさがエグい
後年あんなスターになるとは夢にもおもわなんだ
ガンズと同じで売れすぎたね
この時代の荒削りでお世辞にも上手いとは言えない彼らだが
メタルに対する忠誠心と野心は間違いなく光り輝いていた
大昔に大ファンという奴に飯おごりで譲ったのだが
今もっていたら相当な価値になるんだろうなぁ






④G.I.S.M. - Meaning Corrupted Trilogy
G.I.S.Mってパンクなんでしょうと先入観をもっていたら哀愁のギターサウンドに驚きました
ランディ内田の紡ぐメロセンスは日本人の琴線に触れまくるモノ
そのクラシカルテイスト溢れるギターはリッチーというよりもランディー・ローズだろう
上手い下手では語れないそのセンスにグッと掴まれます
吐き捨てるダーディーヴォイス
今なお海外のマニアから神格化され崇拝される日本のバンド
裏番長ではありますが今の若い人にも通用するでしょうね
妖しげでダークなメロディにパンクメロデイックデスメタルと形容したくなるでしょうね
なんと言っても1987年の時点で誰にも属さない個性を確立していた
もっと評価を受けるべきバンドであり音楽性だ







⑤Grave Digger - The Reaper
紆余曲折を経て復活を果たしたドイツの老舗パワーメタルバンド
そのパワーは健在にメロディアスさとスピードに磨きを掛け復活の狼煙を掲げた
今聴いても熱くなるオープニングナンバー
彼らよりもハードでテクノロジーの恩恵を受けまくったバンドを沢山しっているが
今作が放つメタルに対する忠誠心と純粋無垢な音楽性をワタクシは知りません
バカバカしいばかりに力の入ったサウンド
ヘヴィメタルという言葉が最も似つかわしいサウンドであろう




741. 失恋船長 (2022-11-21 11:46:21)

『スピードメタル戒厳令②』


①ACID - ACID
スピードメタルと言って真っ先に思いつくのはベルギー産のACID
蓮っ葉で舌っ足らずのシャム猫シャウティングがたまりません
魔女っ子コスチュームのケイト嬢の姿も80年代ですよね
我らがラウドネスの前座をやったんだよなぁ




②Exorcist - Nightmare Theatre
ヴァージンスティールのメンバーが母体のバンド
どうして名前を変えてのリリースになったのか
噂話は沢山ありますが
そういう情報をこれ見よがしに語るのはバカ丸出しなので止めておきます
バンド名からも感じるホラーテイストと破天荒なスピード感
上手く共存させています
汚らしい爆音を垂れ流すバイオレントゴアスピードサウンドもカッコイイ




③MP - Bursting Out (The Beast Became Human)
愚直なまでに突き進むジャーマンメタル道
パワー漲るドヘヴィメタルはJPからの影響も大
ハルフォードお漏らし寸前な歌声にもニヤニヤ




④DAMZELL - Ready to Attack
福岡が生んだガチンコヘヴィメタルバンド
そのNWOBHM譲りの回転するリフワークとパワフルなリズム
インディース故の音質には問題があるも
このバンドが持つメタル愛は本物であろう
もっと評価をされるべき硬派な男達である






⑤TANKARD - PAVLOV'S DAWGS
ジャーマンメタルシーンを語る上では外すことの出来ないバンド
どの作品も素晴らしいのだが
欧州由来のメロディとキレそしてシリアルなヘヴィネスさもねじ込んだ今作は
新たなる魅力を提示しているようだ
もう少しお気楽な方がらしいかも知れないが
揺るぎない精神性に裏打ちされたサウンドは時代を超越した魅力がある




742. 失恋船長 (2022-11-22 13:31:22)

『スピードメタル戒厳令②後半』


①Mindwars - The Fourth Turning
アメリカとイタリアの混合チームによるスラッシュメタルバンド
ホーリーテラーの血を引き継ぐというキーワードに反応するマニアにはたまらんでしょう
現代的なマッシブさも手なずけ古くて新しいクラシックなサウンドを轟かせている




②Assassin Interstellar Experience
速射砲の如き弾き出されるリズムとリフワーク
少々分離の悪い音質ではあるが熱き弾丸をぶっ放す
ドイツのバンドだがドライな感性も持ち込みワールドワイドな音を目指しているように感じる
ラストにBAKAという曲がありメタル界隈ではチョイとした話題になった
それにしても切迫感のあるキレッキレのスピードサウンドに軋轢死しそうになりました
やはりあのジャケットが損しているよ


③Dum Dum Bullet - Dum Dum Bullet
知る人ぞ知るフランスのヘヴィメタルバンド
大味なロックアンセムもあるが
彼らの代名詞となるのはやはり血湧き肉躍るスピードメタルだろう
スピード狂ならば




④KILLER - SHOCK WAVES
スピードメタル番長と言えばベルギーの彼らを置いてほかにいないでしょう
野暮ったさもなんのその
切れ味鋭い暴走ビートは全てを蹴散らし駆け抜けます
塩っ辛いメタルに喉の渇きも止まりません
洗練された今風のメタルを聴いている人にはとてもじゃないがすすめられん
オジサンこんなの聴いているのと馬鹿にされる
でもそれがワタクシには最高の褒め言葉なのです
我が生涯に一片の悔い無しとラオウ風に拳を挙げますよ






⑤English Dogs - Forward into Battle
パンクでメタルなクロスオーバースタイルが人気だった
初期の頃はもっとパンクだったが今作ではメタル度を高めている
汚らしいダーティーさはどこか手作り感が漂い親近感も沸く
そういう庶民目線がロックには必要だ
虐げられたモノ達の叫び
そのルサンチマンの爆発による怨嗟の叫びが根底にあり
パワーとなり聴き手を鼓舞しつづける




743. 失恋船長 (2022-11-29 12:15:20)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑫』

①CASBAH - Reach Out
日本が誇るダイハードなヘヴィロックが話題となった本格的な一枚。今やサブスクの普及によってボーダレスな環境が整っています。
彼らのようなバンドこそ見直されるべきだし、突破口を見出せる気がする。
疾風迅雷、日本にもこういうバンドがいるんだと世界中の人に伝えたい本気の音がある。


②Savatage - Edge Of Thorns
90年代という厳しい時代に彼らはメロディアスかつドラマティックなサウンドで勝負を掛けた。
最近はすっかり名前を聴かなくなったがインテリジェンスのあるサウンドは今での十分通用する魅力がある。
コアなファンからは、もっとジョン・オリヴァが欲しいと言われた一枚でしたね。


③Ace Frehley - Frehley's Comet
エースにとっては2枚目のソロアルバムになるのだろう。87年リリースという事もありバブル吹き荒れるハードシーンの中でどういうスタイルで勝負を掛けるのか注目はされた。どこか全体的に緩く仕上がっているというのか緊張感に欠ける大味な作風だったが、個人的にはそれがアメリカンロックじゃないのと言うことで、さほど気になりません。
このオードリーの春日みたいに時間をとって歩いてくるような、もったいつけるロックはファンにとっては許容範囲でしょう。
今となっては中々お目にかかれないアメリカンロックですよ。



④Tarot - StigmataT
暗黒様式美メタルの帝王。様式美サバス時代を順当に継承する希有な存在でした。
今作は90年代リリースという事もあり陰りも見え始めた時代にリリースされている。オープニングナンバーのAngels of Painなど、彼らの代名詞となるような楽曲も収録、けして侮れない一枚である。


⑤VALKYRIE - VALKYRIE RISING
80年代の短い間ですが関西のスラッシュメタルシーンを駆け抜けたガールズメタルバンド。幻のバンドはまさか復活を果たすとは驚きでした。かつての姿を彷彿とさせるやんちゃなスラッシュはクラシックなスタイルで聴き手を魅了。時空を超えタイムスリップした古典スラッシュの前に戯れ言は無用。こういうのを待っていたと思うファンは世界中にいますよ。




744. 失恋船長 (2022-11-30 15:30:25)

『スピードメタル戒厳令③』


①ELIZA - Born To Be Wild, To Be Free
途中からアメリカンなポップ志向を打ち出したが
初期の彼らはヨーロピアンテイスト溢れる正統派のバンドだった
ド派手なルックスとは裏腹な叙情派スピードメタル路線
表題曲もそうだがNever Say Dieなどスピードメタルと言っても差し支えないだろう
むせび泣く哀愁のツインリード
ド派手なドラムと地を這い唸りを上げるベース
素晴らしいバンドだった




②Dr. Mastermind - Dr. Mastermind
スピードメタルと言って真っ先にイメージするバンドの一つ
ギターは正式な音源を数えるほどしか残していないカート・ジェイムス
その腕前は相当な力量なのだが知名度の低さは絶望的だ
インギー直系カートのギターを前面に出した破壊力満点のさうんどは
スピード狂にはたまらん魅力がある





③FRONT GUERRILLA - FIGHT BACK
女性シンガーNAOMIをフロントに据えるハードコアパンクスメタルバンドが1986年にリリースしたEP
復刻してくれないかぁ
メチャクチャストレートに弾け飛ぶスピーディーなサウンドは音質の酷さなど吹き飛ばす勢いがある
日本よりも海外でウケそうなスピード狂にはたまらんスタイルですよね
日本人なんでワビサビがあるのよ
歌謡チックな歌メロも個性的なんですよね





④Trauma - Scratch and Scream
クリフ・バートンがかつて在籍していたバンドとして知られる
ここではド派手なギターも活躍するパワフルなスピードメタルを披露
シュラプネルからリリースされただけにロス・アレクサンダーは派手にキメまくる
もう少し話題なってもよいギタリストだったが次が無かったのが問題なんだろう
オープニングから鼻息の荒くなるようなスピードサウンドに興奮しますね





⑤KAT - Metal and Hell
ポーランドを代表するスピードメタル番長
日本ではメディアの酷評を受けウンコ駄作扱いでも有名
その筋のマニアを激怒させているのですが
四の五の言わずにツッコんでくる直情型スピードサウンドは理屈抜きに刺激的だ
血なまぐさいブラッケンドさも演出として効いている




745. 失恋船長 (2022-12-11 18:00:16)

『スピードメタル戒厳令③後半』


①HALLOWEEN - Don't Metal With Evil
アメリカ産スピード/パワーメタルバンドの1st
インディーズ盤故に線の細いサウンドメイクは迫力不足だが
そんなことを気にさせないパワーとテンションの高さ
US産バブルロックとは一線を画す硬派なスタイルと根暗なメロディ
そういう情緒溢れるアメリカン様式美スタイルを見方につけ
ダークでホラーなコンセプトを見事にやり切っている
日本では紹介される機会が無かった為に認知度は絶望的だが
スペル違いのドイツの有名バンドと間違って買って欲しいくらい魅力的だ
だれか国内盤を売り出してくれ!





②Hallows Eve - Death & Insanity
前作よりもパワーが倍増
見事に鍛え上げましたね
筋骨隆々なダイハードサウンドは胸板も厚く肩幅も広い
ドン・ムラコ見たいになってんぞ
ボブ・バックランドと激しく取っ組み合う姿も見えますが
好戦的なメタルサウンドはクール




③Anvil - Pound For Pound
多くのスラッシュメタル勢にも影響を与えた元祖スピードメタル番長
アンヴィルと言えばな厳つさと憎めないファニーキャラ
今作は猛り狂う怒濤のヘヴィネスサウンドに中に
親しみやすさを込め個性を磨き上げている
彼らにとっては定番となる音である楽曲が多い
初期のアルバムも素晴らしいが
今作も彼らの代表作であろう
メタルに対する忠誠心
その剥き出しのピュアさが音に乗っていますね






④BULLDOZER - IX
情け容赦ない
ブラッケンドなスラッシュサウンドはバンド名に恥じない破壊力がある
全てをなぎ倒すド迫力
紆余曲折を経て辿り着いたスタイルにブレはない
前作のマイナス面を見事に払拭して立ち上がった





⑤Poison Arts - Kick Rock
ダイハードなパンクメタルは国籍を問わず魅了している
勢いに特化したサウンドは
けして無軌道なものではなく
メロディもしっかりとあり聴きやすさも十分である
ド派手に打ち鳴らされるリズム
既成の概念をぶち壊そうとする姿勢もパンク
型にハマらない様式こそ彼らの魅力だろう




746. 失恋船長 (2022-12-14 17:44:46)

『連休は映画を見て過ごしたい』


①復活の日
日本が世界に向けて制作された本格的なパニックヒューマンムービー。
小松左京の原作を角川が映像化、今見ても全然通用する内容とストーリー。
CIAが極秘に作った最近兵器を盗んだ一味が乗った飛行機が墜落、それから一年経たずで世界は破滅の道へと向かう。
そして大地震によるアメリカの核国防装置は作動、ソ連へ向かい爆破、その後、ソ連からの反撃システムより世界は2度目の破滅へと向かう。なんとも壮大なストーリーであり、印象的なシーンが沢山ある。私が好きなのは渡瀬恒彦扮する南極越冬隊に隊員が、アメリカの少年からの無線を傍受するシーン。あの切なさを鬼気迫る演技に胸が締め付けられる。
印象的なシーンや台詞も多く何度見ても引き寄せあれる。これが公開当初、不評を買い商業的に失敗したと言われるのだから衝撃である。今の方が絶対価値が高いだろう。近年のコロナウイルス流行における、科学的なエビデンスを持たずに、感情論を垂れ流すメディアの姿に、この映画の前半におけるパニックシーンを重ねた人も多いでしょうね。
主題歌ジャニス・イアン「You are love」の美しさ、物語と重なります。そして木村大作のカメラが映し出す自然の美しさに息の呑みます。2時間30分越の大作ですので、途中で休みを入れて視聴することをオススメしますね。
ハリウッドリメイクをお願いしたい。
この映画には思い入れがある。主要キャストが外国人のため、字幕スーパーが7割以上。そういう性質から邦画という概念から外れる、あまた所謂ハリウッド賛歌、邦画、洋画と区別するように、洋画ファンはハナから相手にしないという現状がある。
日本の音楽シーンと同じですね。令和四年の今でも洋楽、邦楽と区別します。そして批評家のレビュー。こういう偏見セットが現存する日本という特殊な環境が招いた悲劇が根底にある。ライフ・イズ・ワンダフル=人生はいいものだ。劇中の台詞が胸に染みます。


②狼やくざ~弔いは俺が出す
タイトルからしてぶっ飛んでいますがストーリーも負けていません。内容に言及するつもり無し。
藤竜也、千葉真一、渡瀬恒彦、成田三樹夫、堀田真三、深江章喜などの顔ぶれにグッとくるマニアならば内容などお構いなしです。
この昭和感満載のタイトルだけで十分でしょう。


③晴天の霹靂
劇団ひとり監督の映画。偏見の強い人には勧めないが、出演者の無駄使いのない実に素晴らしいヒューマンコメディ。
大泉洋という俳優の良さを存分に引き出している点も評価したい。そして二人の掛け合いも絶妙な感覚でコントにならずに成立させている。上手い二人、ベタだからこそ素直に感動できるお伽噺。ワタクシはこういうファンタジーを甘受したい。
早い段階で、お母さんの真意と真の姿を見せたのも良かった。


④ニードフル・シングス
スティーブ・キング原作の映画。その人物が欲しがるレアなお宝を格安で譲り受けるからりに、チョットしたイタズラを仕掛けるように提案。
奇妙な提案だが、喉から手が出るほど欲しかった一品を前に村人は、その要望を受け入れるのだが、その小さな悪意が雪だるま式に膨らみ
街全体を包み込むことになる。
エド・ハリス扮する保安官がカッコいいのだが、マックス・フォン・シドー扮する人の良さそうな骨董屋が秀逸。
あんな善人が悪魔とはね。風刺も効いていますなぁ。


⑤ザ・ロック
ベタだがいい映画だった。エド・ハリスの仲間の栄誉と身分を回復するための大それた犯罪。しかしそこには理がある。
だからこの映画は単なる善と悪の構図にはならない。まだB級スターに陥らない時代のニコラス・ケイジも大活躍。
でも彼が科学に強い聡明な人物には見えない。その変わり謎めいた元スパイのショーン・コネリーは当たり役だ。
オチも良かったなぁ。
それに金もめちゃくちゃ掛かっている。

⑥裸の銃を持つ男
バカバカしいコメディを一つ。
随所に効いているジョークもアメリカンな奴だと笑えないのだが、この映画は問題なし。
盛大に馬鹿笑い出来ます。フリが効いている笑いなのもベタで優しい。
レスリー・ニールセンの憎めないキャラもイイですよね。
あのOJシンプソンも出ています。


⑦太陽を盗んだ男
この映画もオープニングからぶっ飛んでいますね。バスジャック事件はほんの序章です。
当時の日本も責めていますよ。今ならスポンサーなんてつかないよ、この内容では。やはりジュリーが出演するというのも大きいだろう。菅原文太もいるしね。



⑧さがす
佐藤二郎が主演を務めたヒューマンミステリー映画。いつもの早口で皮肉をいうようなコメディキャラを封印
明るいダメ親父という役は彼にピッタリである、この物語は有名な殺人事件をモチーフにしている。
ところどころちょっとそれはないなぁという場面もあるのだが
ラストの卓球シーン、あの親子にしかわからない癖のある仕草、いい終わり方だったなぁ。
娘役がとても良かった。


⑨両刃の斧
WOWOWドラマですがとてもよかった。オンデマンドだと先行で全話みられるのも良い。
WOWOWドラマは割と最終回がいまいちなモノが多いが今回は良かった。
良い感じで騙してくれた。柴田恭兵の熱演に胸打たれたという事なのだが、
ミステリーモノのキャラクターは皆、コマ割りとして描かれる。
それが機能していれば問題ない。多少強引でもそうあってね。があれば許されるのである。
最終回泣きました。


⑩少年の君
香港映画です。主演の女子学生を演じたの女優さんはノーメイク風なので幼く見えたが実年齢には驚いた
一流大学にさえ入学できれば将来は安泰というアジア特有の価値観
実際はそうでもないのだが、まぁ過去の栄光にしがみ生きてくしか能の無い可哀想な人がいるのは間違いない。
そういう誤った社会が招いた悲劇でもある。日本でもあったイジメを苦にした自殺を根底に、引き起こされるもう一つの悲劇。
正直者が馬鹿を見る世界では困るのだが、世の中は何を守ろうとしているのだろうか?
そういう厳しい現実を突きつけてくる。貧困、母子家庭、大学受験競争を軸に過酷な社会問題を浮き彫りした青春グラフティ。
ヒロインが受けた残酷な現実、その痛みと悲しいみに胸が張り裂けそうです。
こういう思春期モノは通常は手を出さないのだが、これは良かったなぁ。




747. 火薬バカ一代 (2023-01-03 00:42:07)

2022年 よく聴いたアルバム10選

1.ジョージ紫&マリナー/マリナーⅠ&Ⅱ
反則っぽいですが、長年CD化を待ち望んでいた作品だけに感激もひとしおでした。

2.GENERATION RADIO/GENERATION RADIO
22年に聴いたFRONTIERS RECORDS仕切りプロジェクトの中では頭抜けた完成度。

3.CHEZ KANE/POWERHOUSE
1作目に勝るとも劣らぬ充実作。

4.RAZOR/CYCLE OF CONTEMPT
MEGADETHやKREATORの新作よりも聴き直す頻度が多いことに我ながら吃驚です。

5.H.E.A.T./FORCE MAJEURE
ライブ映えと哀メロの魅力を両立させていて、改めて良いバンドだなぁと。

6.ROSEROSE/UNSEEN TERROR
SHELLSHOCKの『NOTHING SOLVES NOTHING』も甲乙つけ難い出来栄えでした

7.TREAT/ENDGAME
先週買ったばかりでまだ1、2回ぐらいしか聴けてないのですが。

8.GIANT/SIFTING TIME
名曲“I WALK ALONE”のインパクトに尽きます。

9.JOURNEY/FREEDOM
もうちょい収録曲を絞り込んで欲しかった。

10.HYDRA/POINT BREAK
22年のジャケ買い大賞




748. 失恋船長 (2023-01-03 14:10:29)

『2022年ベスト』

※そもそもCDを買っていないのでリリース時期がよく分からない。
やはり手にしていないと認知出来ないんですよね。毎年ですが2022年に特化したアルバムを聴いていませんが便乗させて頂きます。

順不同

①Tony Martin - Thorns
最近、名前を聞かなくなったトニー・マーティンですが、久しぶりのソロをリリース。
老獪なテクニックを駆使して衰えを隠し古くて新しいサウンドと対峙しています。
マーティン完全復活ですね。

②LOUDNESS- 我武者羅
昨年末にリリースされた2枚組のフルアルバム。なんで今年に編入ですよ。
サブスクの解禁をしないという掟破りな作品ですが、タイトルや歌詞からも分かる通りジャパニーズメタルしています。
ある意味、古いアイデアを持ち出しているので賛否もあるでしょうが、前作の海外志向過ぎた反動とも言える。
良い意味で今作にあるダサさ、それが猛烈な個性を発揮している。昭和の匂いにむせ返りそうだ。


③The Big Deal - First Bite
カヴァーソングを3曲も先行公開。その出来の良さも話題に、そして期待を裏切らない作風。
二人の女性シンガーが互いを高め合い歌い上げる様も最高にキュートでカッコイイ。
ギターも巧者。なによりアレンジが決まっています。
今年はTNTのカヴァーを披露した。次のアルバムも楽しみだなぁ。

④CROWLEY - 悪魔がにくい
昨年末にリリースされたミニアルバム。表題曲のカヴァーも激ハマり。テレ東歌謡祭さながらの選曲。
おかげで原曲もタップリ聞かせて貰いました。
ダークヒーロー感が上手く出たミニアルバム。このバンドらしいスタイルを見事にビルドアップさせた。

⑤SAXON - Carpe Diem
近年のヘヴィロック路線と手を切り見事に帰還した我らがサクソン。アメリカンナイズなどと叩かれまくった時代の音楽性に回帰。バイカーズ風味も取り戻し多くのファンが待ち望んだ音楽性を取り戻しました。
傑作だったのはセーソク先生のレビューでしょう。あんな言い訳を商業誌に掲載して良いのかね?
誰も20年以上前の意見を気にしていないよ。逆に見苦しいです。意見であり参考です。統一教会の信者じゃあるまいし。気にしていませんよ。

あとは2022年という括りの該当する作品が思い出せない。これもサブスク生活の弊害ですね。
ブート盤を愛聴していた幻のBIBLE BLACKのデモ音源集が遂に正規版が出たり、あとはCHINAやWrabitの復刻盤も凄かったですね。
昔の復刻盤を掘り下げる日々でした。




749. 失恋船長 (2023-01-05 03:50:24)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑫後半』

①ACCEPT - RUSSIAN ROULETTE
最近の若い子とメタルの話をしたのだが今作を知らんと言われた
個人的にはアクセプトはメタルの教科書と言える典型的なスタイルを構築している
JP譲りのド硬派メタルに柔軟さを取り込みメジャーシーンに殴り込みをかけた名盤
スピーディーなTV WARからのキャッチーで哀愁のあるMONSTER MANに流れる展開に心を掴まれ
張り詰めたシリアスな空気にわくわくさせられるRUSSIAN ROULETTEへの流れは完璧だろう
AIMING HIGHもカッコいいんだよなぁ
本家がライブでこの手の曲をやってないのかな?


②EARTHSHAKER - MIDNIGHT FLIGHT
拡散する音楽性この後はドンドンとポップ化をはかりハードさが薄まる
中途半端な印象を与えある意味失速するのだが
今作は叙情派メタルバンドとしての魅力をキープしている
日本人がT-O-K-Y-Oと発音するのはダサいのだがシェイカーらしい緊張感漂うこの曲や
ざわめく時へと
そして失われた7224の流れは素晴らしいと思う
こういう路線の初期型スタイルをもう一度やって欲しい
あとバラードただ悲しくもやり過ぎだが泣かせの名バラードである



③KAMELOT - THE FOURTH LEGACY
初めて聴いた時は衝撃的でしたね。時代的にメロディアスなヘヴィメタルは完全に下火になっていました
今作のリリースが日本では1年遅れにも衝撃を覚える我々が好物としていたジャンルですよね
なんなら世界に先駆けてリリースされた案件でしたよ
この時期からメディア情報を遮断して独自の道を歩みます
そういう意味でも思い入れは強い
硬派な叙情派メタルバンドの最高峰に君臨していたバンドの出世作ですよ



④YNGWIE J. MALMSTEEN'S RISING FORCE - War to End All Wars
デモテープ以下の音質と酷評されるサウンドプロダクション
このセンスのないミックスにゲンナリです
たまに擁護する人に出会うが無理にも程があるぞ
好き嫌いじゃないダメなモノはダメなのである
マーク・ボールズを迎え作風的には彼のパフォーマンスとネオクラ風味満点の曲は相性も抜群
出来は悪くない
テンションも高くインギーも楽しそうにギターを弾いている
我慢して耳を傾ける価値は大ありである
今作が不人気と言われるのは残念で仕方がない




⑤Shellshock - Self Defence
暴れていますね。迫力のある初期型スラッシュメタルな魅力が詰まっています
高い音楽性とアイデア
一筋縄ではいかないアレンジと構築美
日本が世界に誇れる名バンドです




750. 失恋船長 (2023-01-08 17:16:53)

『2022年ベスト番外編』


順不同

①藤原正紀 - AGAIN
元は十二単名義でリリースされるハズだったアルバムがシンガーの藤原名義のソロ形式に変更。メディアの取材などもないので真偽は分からないが、そのあたりの事情を知りたいですね。
メジャーデビューに際して軽めに仕上げた印象も強いのだが、それでもパンチの効いたMAX藤原の歌声はカッコイイ。
少々、昭和歌謡風の歌詞が耳に残るので好き嫌いもあるだろう。オリジナルのリリースが80年代ですからね、やむなしです。
それにしてもよくぞ復刻してくれましたね。ありがとうディスクユニオン!

②DAMZELL- WAR SONGS
まさかのダムゼルが復刻。これには驚きましたね。なんと言っても需要が狭い。細いシンジケート頼みであろう。海外のマニアもしらんだろうし、そもそも国内でも微妙だ。福岡が生んだNWOBHM直系のハードサウンド、回転するリフワークのカッコ良さ、タイトに刻まれるリズムプレイもクール、ドが付くメタルをやり切っている。
ありがとうディスクユニオン!!
オリジナルジャケは権利の関係で使えないのかな?


③DAMZELL - READY TO ATTACK
こちらもボートラ入で復活です。思いもしない再発、どこに需要があるのかと心配になるのですが、世界中のマニアに届いて欲しい九州産NWOBHMの魅力を知って欲しい。サブスク解禁は正解。このバンドCD欲しい人は拳銃つきつけられても買うでしょう。そういうもんですよ。浅くても広く知って貰うにはサブスクに頼るべきです。この戦略が成功するといいなぁ。
そして再発してくれたディスクユニオン!!!ありがとうございます。


④十二単 - LOVING WOMAN
ディスクユニオンから激レア商品が再発されましたね。DAMZELLにも驚いたし、藤原正紀もありがたい。その激レア盤の中でも今作が一番のレアモノでしょう。既存作品ではないデモ集ですからね。十二単というバンドの魅力を詰め込んだマニア泣かせの一枚。
年の瀬に散財ですが、これは止められないよね。デモも貴重だけどライブが熱いよね。
このバンドの真の姿に触れる事が出来ました。ありがとうディスクユニオン!!!!


⑤MOONSTRUCK - Nocturne ~ Anthology Of MOONSTRUCK
これも驚きましたね。歴史に埋もれたバンドの隠れた名品。どんな形であれ復活したことは感謝しかありません。
海外では頻繁に目にする幻のリイシュー盤。日本にも優れたマイナー作品は沢山あるので、復刻には尽力してもらいたい。
経済的な不況の波が押し寄せる昨今、自国から世界へ発信できるアイデアが欲しいものである。
RAINBOWを愛する欧州をターゲットに情報を発信して欲しいねぇ。このバンドの需要はそこにあると思いますよ。




751. 失恋船長 (2023-01-09 13:37:10)

『メロディアスメタルが聴きたい⑥』


①EARTHSHAKER - THE STORY GOES ON
デビュー35周年を祝うメモリアルな一枚
キーボードで永川敏郎が全面参加しているのも見逃せませんね
彼の参加はバンドサウンドに飛躍的な効果を見せていた
躍動感に溢れるメロディアスハードサウンド
そしてドラマを演出するキーボード
マーシー節も健在を昔のアイデアに埋没しない鮮度を保持しているのが素晴らしい
個人的にはそこまで好みの作風ではなかったのだが
起死回生の一撃となるインパクトは十分に感じ取れる


②BKIZARD - DANGER LIFE
ヴォーカルが水野松也にチェンジそしてプロデューサーに樋口宗孝を迎え制作されたラストアルバム
どこか軟弱なイメージがつきまとう彼ら
ルックスの揃ったバンドだっただけに売り込みたいマネージメントと方向性が合わなかったのでしょうね
今作はそういう迷いと手を切りギターもドラムもガシガシと前に出ています
どこかドライで大陸的なリズムを持ち込みカナディアンな雰囲気になったのは樋口のアドバイスだったんだろうか?
ようやく男前になったんだからこの路線を突き詰めて欲しかったねぇ



③TREAT - Tunguska
新旧の魅力を携えた渾身の一枚です
これぞトリート流のメインストリームロック
バラエティに富んだ前半の作りは素晴らしい
そのテンションを下げずに後半に進むのだからたまりませんよね
恐れ入りました



④91 SUITE - Starting All Over
BON JOVI風味満点のオープニングナンバーも全く嫌み聞こえない
スペイン産のメロディックメタルですが
情熱を内に秘めた叙情派サウンドはメロディ派にはたまらんでしょう



⑤RESTLESS SPIRITS - Second to None
説得力のある音ですよね
ケント・ヒッリは唄が上手いと感心するオープニングナンバー
そしてシェイ・ケインが華を添えてくれました
上手い唄に相応しい力強い楽曲群
素晴らしいプロジェクトですね
トニー・ヘルナンドもう一つの顔ですよ




752. 失恋船長 (2023-01-14 08:46:10)

『スピードメタル戒厳令④』


①Battleaxe - Burn This Town
直情型NWOBHMとして知られる古典ロックバンドの1st
マニアの間では有名なへなちょこジャケットでもお馴染みですが
やはり小細工なしの英国スタイルがたまりません
古典中の古典です


②Griffin - Flight Of The Griffin
我らがシュラプネルからデビューを果たしたUS産のパワー/スピードメタル
メイデンよろしくな楽曲構成
そこに絡むスリリングなギター
分離の悪いミックスのせいでイマイチ魅力が伝わらないのだが
迫力は十分伝わる
初期メタルチャーチのメンバーがいた事もマニア心をくすぐるでしょう


③Risk - The Daily Horror News
ジャーマンスラッシャーの1st
次のアルバムでは時流に合わせたような典型的スラッシュメタルバンドへと鞍替え
ここで聴ける哀愁のツインリードとクサ目の歌メロ
そして音質の酷さなどモノともしないパワフルな演奏
ACCEPTをもっとメロディアスにしたようなサウンドは耳を楽しませてくれますよ
スピード狂ならばここで体感出来るスリルは見逃せないでしょう




④Pariah - The Kindred
バンド名を改名しながらも活動を継続したスティーブ・ラムゼイとラス・ティピンズ
ダミ声系のシンガーの存在感がB級感を強めているが逆にそこがポイントでもある
回転するリフワークと突破力のあるリズム
NWOBHMの流れを汲むパワフルなスピードメタルの数々に魅了されますね
スラッシュムーブメント到来の流れを意識しているのも見逃せません



⑤Ария - Герой асфальта
アルバムタイトルの英訳が『Hero of Asphalt』
サンタ・ルチアの出だしから一点スピードメタルへと流れる展開はACCEPTの真似だろう
その流れはアルバム全体にも影響を与え
このバンドの名前を一段上へと担ぎ上げている
昔はロシアの音源を手に入れるのに苦労したが
今では簡単に試聴できる環境がある
本当に羨ましい
ロシアンメタルの皇帝として君臨する我らがアーリア
正統派メタルファンにも強く勧めたい強力な一枚である




753. 失恋船長 (2023-01-18 13:18:56)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑬』

①Rock Goddess - Hell Hath No Fury
我らがクリス・タンガリーディスがプロデュースを担当。その効果はてきめん。
メリハリの効いたサウンドはメジャーシーンを見据えたモノ。
ガールスクールに負けないパワーと豊かな音楽性を味方につけたサウンドはド迫力
分かりやすい駆け抜けて軽トラックな前作を支持するNWOBHMファイターから評判は悪いのだが
音質の良さや練り込まれた演奏を全てがパワーアップしている今作も捨てたモノでは無い
英国式のハードサウンドとしてのマナーも守られているしね


②Savatage - Edge Of Thorns
90年代という厳しい時代に彼らはメロディアスかつドラマティックなサウンドで勝負を掛けた。
最近はすっかり名前を聴かなくなったがインテリジェンスのあるサウンドは今での十分通用する魅力がある。
コアなファンからは、もっとジョン・オリヴァが欲しいと言われた一枚でしたね。


③Ace Frehley - Frehley's Comet
エースにとっては2枚目のソロアルバムになるのだろう。87年リリースという事もありバブル吹き荒れるハードシーンの中でどういうスタイルで勝負を掛けるのか注目はされた。どこか全体的に緩く仕上がっているというのか緊張感に欠ける大味な作風だったが、個人的にはそれがアメリカンロックじゃないのと言うことで、さほど気になりません。
このオードリーの春日みたいに時間をとって歩いてくるような、もったいつけるロックはファンにとっては許容範囲でしょう。
今となっては中々お目にかかれないアメリカンロックですよ。



④Tarot - StigmataT
暗黒様式美メタルの帝王。様式美サバス時代を順当に継承する希有な存在でした。
今作は90年代リリースという事もあり陰りも見え始めた時代にリリースされている。
オープニングナンバーのAngels of Painなど、彼らの代名詞となるような楽曲も収録、けして侮れない一枚である。


⑤Savage - Hyperactive
生粋のNWOBHMファイターだったが音楽性を彼らなりにメインストリーム寄りに変貌。その為に躓いた。
しかし、売れないと飯が食えなし、斜陽産業である英国のハードシーン。皆がデフ・レパードの成功をうらやんだ。
それだけに仕方がない事なのですが、当時は厳しい評価を受けてします。
今となっては、従来の魅力をスケールアップした古典メタルとして楽しめるのですが、NWOBHMマニアならば押さえて欲しい。




754. うにぶ (2023-01-22 11:56:14)

2022年のベスト10枚です。

1. TREAT『THE ENDGAME』
コンパクトでポップなメロディアス・ロックの宝箱です。突き抜けた楽曲はなくとも、驚異的な完成度。

2. PERSEFONE『METANOIA』
陰鬱で妖艶で激烈で緻密なプログ・メタル。先鋭的な部分と美しさのバランスが抜群です。浸っちゃう。

3. LIV MOON『OUR STORIES』
ヴァイオリンがギターやキーボード以上に大活躍。暴れまわり、泣きまくります。このサウンドは鮮烈。

4. NEEDLESS『THE COSMIC CAULDRON』
伝統芸能を受け継ぐ懐かしのSFプログレ・デス。好きモノにはたまりません。でもちゃんと新味もあり。

5. MACHINE HEAD『ØF KINGDØM AND CRØWN』
『進撃の巨人』云々はさておき、メロディアスでメランコリックでヘヴィな傑作。こりゃ凄まじい出来。

6. TOXIK『DIS MORTA』
インパクト絶大なテクニカル・スラッシュ。久々の復活作ですが昨年聴いたスラッシュで最もキレキレ。

7. STRATOVARIUS『SURVIVE』
もうメロスピとかメロパワとかじゃなくて、メロディック・メタルって感じですが、とにかく曲が充実。

8. LAMB OF GOD『OMENS』
胃もたれ必至の容赦ないヘヴィネス。これだけ徹底してくれると快感です。もうなんか、心が洗われる。

9. DISTURBED『DIVISIVE』
どこを切っても気持ちいい、ノリノリキャッチーな痛快作。何度リピートしても飽きない生活のBGM。

10.ZEAL & ARDOR『ZEAL & ARDOR』
ブラック・メタルとアメリカ南部の土着的黒人音楽のミックス。1曲毎に実験を繰り広げていて刺激的。

'22年は意識的に新譜を多く聴きました。他にも良いアルバムがいっぱい。
メロディアス系が充実していて、TERRA NOVA、RONNIE ATKINS、NORDIC UNION、GENERATION RADIO、SCORPIONS、JOURNEY、BRYAN ADAMSなんかが胸熱。
スラッシュも良作多数で、KREATOR、DESTRUCTION、MEGADETHが出色。CRISIX、HATRIOTも楽しめました。
あとメロデスもヤバかった。THOUSAND EYES、AMORPHIS、ARCH ENEMY、SOILWORK、THE HALO EFFECTと、いずれも高品質。
MICHAEL SCHENKER GROUP、OZZY OSBOURNE、DEF LEPPARD、SKID ROW、BLIND GUARDIAN、STEVE VAI、TALASなんてベテランも皆元気で、手堅い作品を出していました。
その他、NICKELBACK、KORN、SLIPKNOT、SOULFLY、RIVERWOOD、IBARAKI(茨鬼)、MESHUGGAH、ORIGIN、WIZARD MASTERが印象的でした。
振り返ると、いま'80年代かよ!?ってくらい、昔ながらの有名どころのHM/HR新作ラッシュが目立った年でした。




755. 失恋船長 (2023-01-24 12:43:58)

『スピードメタル戒厳令④後編』


①Warfare - Metal Anarchy
スピード狂ならば知らない人などいないでしょう
暴走メタルの代表格と言えるバンドですね
VENOMやMOTORHEADと言った荒くれ暴走スタイルを引き継ぐ
パンクメタルは今聴いても刺激的です


②Mayhem - Burned Alive
今ではFATT MATTでお馴染みでありDR.MASTERMIND博士で知られるマシュー・マコート
お得意のスピードメタルやっているのだが
現在Spotifyで聴けるのはデモ
そして曲名が6曲目から間違えている
教えてあげたいなぁ直して欲しいよ
Dominationここでもやったんすね


③Grave Digger - Heavy Metal Breakdown
スピード狂ならば愛さずにはいられないグレイブ・ディガーの1st
聴いているだけで肩が凝りそうになるほど身体に力が入ります
パワー漲る無頼なスピードサウンドの持つ破壊力
わしゃ大好物やで


④IRON ANGEL - WINDS OF WAR
雑誌の低評価を受け駄作と言いふらす信者が後を絶ちませんが
スピード狂の耳にそんな戯れ言は通用しません
ユルゲン・ブラックモアの参加もアクセントになっていますよ

⑤VOLCANO - VOLCANO
セピア色の哀愁と形容された屍忌蛇率いるVOLCANOの1st
メロデス一歩手前のアグレッシブなサウンド
ワビサビを効かせた泣かせの疾走ナンバーに胸熱です
このサウンドを成立させたのはNOVさんである
あの歌声あってのVOLCANOだろう
そろそろ新作が聴きたい




756. 失恋船長 (2023-02-12 19:55:59)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑬後半』

①Loudness - Sunburst我武者羅
二枚組のよる新作アルバムしかも日本語で歌っている
そういう影響もあるのか枠に囚われない自由なマインドを感じた意欲作
回り回ってこういう形に落ち着いたと言える作風
当初の感想は古くさい雰囲気が強いなぁと思うが
今では必然性すら感じる作風に感じている
ラウドネス過ぎる臭さもあるがそこが一番の魅力なんだろうと思います



②DAMZELL - WAR SONGS
1stアルバムの欠点を修正してきた意欲作
ギターもツイン編成に変わりましたがインディーズ故に音の厚みが増したと言い切れないのが残念
でもこのバンドの持つ攻撃性やドラマがストーリー性を持たせ展開している
今作と1stは今なお愛すべき一枚として定期的に手にしています
サブスク解禁で最近は頻度も増えました


③Impellitteri - Screaming Symphony
グランジブームが吹き荒れる中、イマイチ日本人には馴染めなかったグランジブーム
そんな中でインペリテリは90年代の国産メタルシーンに潤いを与えたはずです
結局レコード会社の意向を受け似たような作品を連発したために求心力を失ったが
高速ギターには光るモノがありハイライトとなるような曲が多い
今作もインペリテリとしても魅力がある
オジーみたいに歌声を重ねるロブのスタイルもここでは違和感がない
ライブだと弱いんだよなぁ



④Uriah Heep - Chaos & Colour
攻めの姿勢を崩さないベテランバンドによる力作
ここまでフレッシュな感性を持ち込むとは思いませんでした
勿論クラシックロックである事に変わりはありませんが
古くさいアイデアを擦るだけでない
メイデンの新作よりもズッとらしさを保ちつつ果敢に現代のシーンに挑んでいます
苦しい時代でもケン・ヘンズレーを呼び戻したりしないでやり続けたかいがあったね
なにより現役のライブバンドとしての強みだね


⑤Saxon - Innocence Is No Excuse
アメリカンナイズドと一部の酒井&セーソク信者から叩かれまくった一枚
サクソンに限らずアメリカで活動するバンドが全部アメリカンナイズドされていましたと断言します
そうじゃないとメジャーレーベルと契約出来ません
あの時代にドゥームなんてやっていたらステージに立てませんよ
今作を聴き今の彼らに通ずるモノを感じるでしょう
特に最新作など陸続きの同じ景色です
そしてこれが80年代だったということ
だからメタルバブルが弾けたんです




757. 失恋船長 (2023-02-27 21:36:41)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑭』

①松川敏也 - BURNING
ブリザードのギタリストとして
そのルックスの良さからして和製ランディ・ローズと呼ばれた天才ギタリスト
RUNの相性で親しまれる松川敏也のソロアルバム
東京X-RAYなどRIOさんの曲も採用と楽曲演奏と充実しています
謎の覆面シンガーと話題をさらったクレイジー・タイガー
今となっては完全になくなった過去なのですが
全然恥じることのない若気の至りですよ
プロデューサーからの無茶ぶりもあったんだろうし
今後も再発の見込みがない幻の一枚
松川の繊細なギターは最高にクールでカッコいいです
ジャパニーズメタルシーンに燦然と輝く名盤なんですけどね



②Battleaxe - Burn This Town
最新盤はジャケットが刷新されましたが最初のへなちょこヴァージョンの方がお似合いです
問答無用のNWOBHMスタイルに悶絶です
ヘヴィメタルを愛するマニアにはたまらんでしょうね
小細工無用のハードサウンドに唸ります


③SABER TIGER - Invasion
メンバーチェンジの多いバンドですが初の女性シンガーが久保田陽子さん
彼女の歌メロはとてもフックがあり強烈なインパクトを残しています
A Shot in the Darkのような曲は久保田節のおかげで今まで以上にメリハリがありドラマが生まれていました
でもサーベルに女は似合わないと非難されていた事に驚きましたね
彼女と3枚のアルバムを作っていますが今作のインパクトは凄かった
死に絶える90年代のメタルシーンにおいてサーベルは私の心のよりどころでしたよ



④SABER TIGER - Project One
実質は木下さんのソロですよね
ドラムに本間さんとベースに柴田さんという道産子チーム
硬質でバキバキとしたメタルサウンドはある意味新鮮でした
そこに歌入れしたのはロン・キールという以外な人選
絶対にギャラが安かったとしか思えない人選が逆に新鮮だった
借り歌は下山でリメイクもあるのだが
ロンの方が思い入れが強い
木下さんのギターソロに泣いた
I'll Still Be Loving Youのソロは何度聴いても泣ける


⑤Kreator - Endless Pain
スピードで押しまくる暴走スラッシュサウンド
当時のメタルにおいて過激さとメタルのマナーを遵守する姿がなんとも言えない魅力を発散
上手い下手では語れない魅力があります
今なお熱心なマニアから支持されるデビュー作
荒削りがカッコイイ




758. 失恋船長 (2023-03-20 23:16:40)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑭後半』

①浜田麻里 - LUNATIC DOLL
メタルシンガー浜田麻里の誕生を記念する1st
見た目だけで選ばれたわけではない実力派の登場は奇跡でしょう
今以て彼女以上のインパクトを残した女性シンガーはいませんね
世界で見ても間違いなくトップクラスの実力者でした
しかし日本のハードシーンは彼女に冷たく色物扱い
なんといっても洋楽と邦楽で区別する国だから仕方が無いのですが
一番の問題は雑誌に影響を受けすぎる究極にニワカファンによることが大きい
キャリアの長いだけで生涯雑誌の影響下で音楽の良し悪しをキメるヤツっていますでしょう
そんなクソダサい思想に振り回された感はあるのだが
今作には樋口宗孝プロジェクトチームによりピュアな志向の元ガチンコのメタルをやり切っている
RUNAWAY FROM YESTERDAYを自分のモノにしていますねぇ
メタルクィーンの誕生でしたが後続が良くなかった
ヴィジュアル重視のアイドル路線だったもんなぁ





②AT WAR - Retaliatory Strike
汚らしい暴走サウンドがミリタリー感のある空気を纏い大行進
ライフル銃を抱え戦地を駆け巡る戦士のようである
どこかクールに感じるのはUS産ならではの味わい
コンクリートサウンドを形容されたアメリカンパワー/スラッシュメタルサウンド
テクニック云々じゃないやり切る姿勢に飲み込まれましたね



③成田☆一家 - 強制執行~被疑者確保~
バンド名やアルバムタイトルにVシネ風の衣装と色物感が漂い過ぎるが
出している音は大真面目な古くて新しいハードサウンドだった
成田の歌声は山田雅樹のようなタフでアグレッシブ
その実力はライブでも実証済みなだけに世に埋もれるのは惜しい
歴戦の強者が揃いし国産メタルバンド
何でもいいから売れて欲しいねぇ




④Eliza - Something Like Hot
ヨーロピアン志向のメロディックメタルをやっていたが
1stアルバムではアメリカンな風合いも加味させ味わいを変えてきた
今作以降はド派手なルックスに負けないキャッチーかつワイルドなスタイルに磨きを掛けるが
今作ぐらいが丁度良かったろう



⑤M.A.R.S. - Project: Driver
どっちがバンド名でアルバムタイトルなのかややこしいバンド
オマケにロブ・ロックがドライバー名義でかつて活動していた事も拍車を掛けている
シュラプネル系としては楽曲の完成度が高くアルバム単位で楽しめる
トニー・マカパインの登場は衝撃だった
インギーを脅かすギタリストがアメリカにはゴロゴロいるんだと思い知りましたね




759. 失恋船長 (2023-04-04 14:00:16)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑮』

①Genocide - Black Sanctuary
ジェノサイドニッポンの名で世界中のマニアから支持されるジャパニーズメタルバンド
正式なフルアルバムは海外リリースされた今作しかないのだが
そのキング・ダイアモンド風の歌い回しとダークなメタルサウンドはドラマティック
アコギも上手く使い実に扇情的なサウンドも奏でている
サバスやプリーストといった英国勢の影響も滲ませた国産シアトリカルメタル
残念ながら雑誌の低評価の影響もありイマイチ認知度は低いのだが
筋金入のマニアならば知らない人はいないでしょう
なぜ彼らが海外のレーベルの目に止まったのか?
早すぎたアメリカでのデビュー話題性は抜群だったハズである
再結成もしているのだしコンピ盤以外に気合いの入った新作を聴きたいモノである
西洋の魔じゃなく日本の怪なのが個性的なんですよね




②Ex.Danger - Tyrant Into The West
正式にCD化はされていないが海外のレーベルが勝手にリリースもしている国産メロディックメタルバンドの6曲入EP
こういうのを売り出すセンスは捨てたモノではない
正式な形で復刻してほしいものだ
その時はコンピ作に提供したSilence of the nightも入れて欲しい
クラウス・マイネ風の歌い回しも印象的だが本家のように突き抜けていない
その垢抜けないマイナー臭は聴き手を分けるだろうが
日本人らしいワビサビのあるメロディックメタルは必ずや需要があるはず
メロディを大切にしたアレンジと丁寧に紡ぐ楽曲構成
もうちょい歌えるシンガーがいれば評価も変るのだろうが
色んな意味で日本のメタルだった
このメロセンスは共感出来ますよ


③Accept - Eat The Heat
完全になかった事になっているウド不在のアクセプト
マイケル・ホワイトにロブ・アーミテージと渡りデイヴィッド・リースがシンガーの座に着いた
地響きコーラスも少なめだし洗練され丸みを帯びてはいるが
アメリカン仕様アクセプトとしては全く問題は無い
こういうのもありでしょうよ
コンパクトにまとめデコレーションはしているが盛りすぎではない
実に丁度良いところを攻めてきた
これぞ80年代のサウンドである




④Ritchie Blackmore's Rainbow - Stranger In Us All
1995年に突如復活したリッチー・ブラックモア率いるレインボー
無名のアーティストを従えカムバックである
淡泊だがどこか憂いのあるドゥギー・ホワイト
上手くレインボーのシンガーとして重圧をはねのけている
話題性はあったがアメリカでは全く売れず失意のリッチーはルネッサンスの世界へ
時代も悪かったけど個人的に当時は興奮しましたね
RAINBOWのカタログとしては地味な扱いを受けていますが
オープニングナンバーからリッチー節炸裂していますからねぇ
名曲Black Masqueradeもあるしねぇ
ルネッサンスの世界に誘われる前にもう一枚ハードロックアルバムを作って欲しかった



⑤Black Sabbath - Tyr
今の若い人はトニー・マーティン期をほとんど知らないと聞いて愕然としてしまった
グランジ以降のオジー祭り立てブームの影響もあるのだろうが
コージー・パウエルのいた様式美サバスも彼の歴史として重要であろうよ
しょうも無いPVだったFeels Good to Me も曲は名曲よ
組曲形式の The Battle of Tyr ~Odin's Court ~Valhalla も鼻血出るくらいカッコイイ
神々しいまでに美しく荘厳な様式美サバスの結晶
少々アメリカンなブライト感はあるが
威厳に満ちあふれている
コージー・パウエルのドラムもクールだ
ライブではイマイチと言われるトニー・マーティンもスタジオでは完璧
もう一回アルバムを作ってくれ




760. 失恋船長 (2023-04-10 12:24:35)

『ヘヴィメタル虎の穴Mausoleum Records10選』

①Lions Pride - Breaking Out
回転するリフワークNWOBHM直系のベルギー産メタル
塩っ辛い親父声がたまりません
聴き手を選ぶサウンドでしょうが
これがこのレーベルの魅力なんです
ライトリスナーには到底勧められませんが
NWOBHM仕込みの哀愁剛直サウンドはマニア心をくすぐりますよ



②Crossfire- See You In Hell
パンチの効いたスピードメタルで幕開け
そのまま一気呵成にツッコむと思いきや
意外と芸の細かい事をやってくる
キレのあるリフとシンプルなビート
AC/DCやクロークスなどが好きなマニアならば共感出来るでしょうね
ある意味レーベルの顔でもあるサウンドだ




③KILLER - SHOCK WAVES
ガタビシ列車が大暴走
ブレーキも壊れレールの上を火花散らして爆走中
そんな無軌道さが最大の魅力
オッサン声の断末魔シャウトもたまらん
ある意味究極のダサさが最大の魅力であり
態勢のないライトリスナーには耐えられん欠点でもあろう
英国でもアメリカでもジャーマンでもないベルギーメタル
わしゃこういうの大好物である






④Snowblind – Snowblind
劇画タッチのジャケットが損している気がする
レーベルとしては毛色の違う音楽性のように感じるが
メロディ派のマニアには知って欲しいバンドである
憂いのある爽やかなメロディ
泣きすぎない軽やかなメロセンスが実に耳を惹く
もう少し歌い手に突き抜ける魅力があれば良いのだが
絶妙なバランス感覚で魅了するバンドサウンドでした
Chasing the Dragonなんてメロディ派なら掴まれるでしょうねぇ
次のバラードも良いのよ


⑤Stormbringer - Stormbringer
ラス・バラードの曲から始まる後期RAINBOWタイプのメロディックメタルバンド
アルバム一枚で消えたので詳細は分からないが
あからさま流用も含め日本人好みのメロディックサウンドを奏でている
マニアだけが知るバンドではないな
メロディ派には広く知って貰いたいバンドである




761. 失恋船長 (2023-04-14 10:34:01)

『Spotify今日のオススメ10枚』

あまりにもドンピシャな選曲をしてきたので思わず書き込みたくなりました

①VOWWOW - CYCLONE
個人的に彼らのカタログの中では一番印象の薄いアルバム
USAがいらんなぁといつも思うのだが英国でも評価をされ渡英の足がかりを掴んだアルバム
人見の歌声は何度聴いても惚れ惚れする
山本と厚美のバトルもテンションが上がりますねぇ
もっと聞きこんでいこう




②LOUDNESS - ON THE PROWL
30周年エディションヴァージョンをすすめられました
ミックスが違うと言うことですが聞き比べないとわかりません
そんなに優れた耳をワタクシはもっておりません
新曲と言われた楽曲も実は昔からあったと知って驚きましたね
マイク・ヴェセーラが歌う事で印象も変りましたが
一番は高崎のギターの変化
こういうところに新時代の幕開けを感じる
古くさい曲をリメイクしたが確実に良くなったモノ数曲ある



③グラハム・ボネット・バンド - MY KINGDOM COM
先行シングルです
グラハムがメロディックメタルをやりに戻ってきた印象が強かった
勿論現代的なフィルターを通しての帰還
アルバム毎におもろなくなるのでアレでしたが
先行シングル&一発目のアルバムは良かった


④MADISON - BEST IN SHOW
ここでマディソンをすすめられるとグッとくるよね
甘美な北欧メロディとシャープなメタリックサウンド
絶妙なバランス感覚で魅了してくれる
このラインナップでは長続きしなかったが
今一番再結成して欲しいバンドだ
あと幻の3枚目のアルバムも聴きたい





⑤REBEL - STARGAZER
熱心にミュージシャン稼業に精を出したとは言いがたいジョン・ロートン
その為に日本での知名度は低いのだが
クリアーでパワフルな高音域を駆使する歌声は唯一無二の個性を発揮
ジャンル不問であらゆるタイプの楽曲を歌いこなします
マイナーなドイツのバンドにシンガーとして参加
若々しいジョンの歌声にグッと掴まれますね
それにバンド自体が魅力的ですよね
パワフルなドラムとイケイケのギターにキーボード
テンションの高い演奏に興奮します



⑥ANTHEM - HEAVY METAL ANTHEM
グラハム・ボネットを迎え往年の楽曲をセルフリメイク
その後本格的に再始動するのですが
今作最大の功績はグラハムにガチンコのメタルを歌わせたこと
中途半端なポップソングもグランジ・オルタナ系も無し
世界中のグラハムファンが聴くべきアルバムであろう
またこの時代の作風が聴きたいなぁ


⑦SINNER - SANTA MUERTE
知らんうちに女性シンガーをフロントマンに迎えるとは
哀愁のシナー節満載のパワフルかつメロディックなサウンドにファンならずとも心を掴まれるでしょうね
パヤパヤとフワフワファルセットで歌うゴシック系女性シンガーが大の苦手なので
こういうロックした女性シンガーの歌を聴けるのは嬉しいですね


⑧The Alex Parche Project
ヴィクトリーにヴェンジェンスそしてウド・ダークシュナイダーにテッド・ブレット等がゲスト参加
主役であるアレックスさんはドイツのメタルシーンの黎明期を支えた人物
バンドとしてはBRESLAUで活躍したのですがこちらもマイナーですよね
名前は売れていなくとも実力は確か
そのソングライティング力はゲストヴォーカルを迎えられるだけのクオリティを誇示
メロディックメタルが好きな人ならばグッと来るでしょうね
ドイツらしいパンチの効いた直線的なパワフルさも肝


⑨M.R.A.S - PROJECT DRIVER
シュラプネルの秘密兵器トニー・マカパインの鮮烈なるデビューといった印象も強いですね
参加メンバーの頭文字をとったバンド名だが
アルバムタイトルもややこしく
どっちがバンド名でアルバムなのか混同したマニアも多かったでしょう
今聴いてもスーパーロックグループと呼べる堂々としたサウンドをハイクオリティな演奏に魅了される
チョイくどめなのがシュラプネルである


⑩HEAVY METAL ARMY - HEAVY METAL ARMY
今聴いてもオープニングナンバーのカッコ良さに痺れる
もはや日本のバンドとは思えない本格的なロックである
中島優貴は早すぎたのかなぁ
あの才能を生かせるロックシーンがなかったことが残念である
世界レベルの無国籍サウンド
沖縄出身のミュージシャンが脇を固めるだけに余計にワールドワイドなセンスを感じる
若い頃よりも今聴いた方が興奮する
それもこのバンドの魅力


AIの賢さにどこか恐怖を覚えます
アレックス・パーチを選んだセンス
完全に忘れていた
なにより10枚の並びも素晴らしい
これから聴けば
またオススメがくる
一生抜け出せなくなるよね
合間に新譜の試聴だもん
ワシの音楽人生はSpotifyに支配されつつある




762. 失恋船長 (2023-04-28 21:24:59)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑮後編』

①ANTHEM - CRIMSON & JET BLACK
アンセム待望の最新作
リリース後一応は
一日一回は再生しているのだが印象は変らない
やはりマンネリ感は拭えず古参ファンに取っては無難だった
ツッコんだ言い方をすれば失敗作である
ラウドネスの最新作は良くも悪くもニッポンのメタルであり
ダサさをカッコ良さに変換していた
聴き手を分けるがニッポンメタルと海外に胸を張れる作風でもある
アンセムはいつものアンセムだった
THEアンセムだった
もう少し裏切って欲しかったなぁ





②Saber Tiger - Paragraph 2
サーベルタイガーのデモ音源を集めたコンピ作
渡辺徹時代の音源を聴けるのは貴重だが
名曲Dead Rollも聞き逃せない一曲だ
メロディアスかつ攻撃的なメタルソングの数々
これぞサーベルな魅力とこのバンドの音楽的変遷を楽しめる貴重なコンピ作である
それにしてもメンバーチェンジの多いバンドだぁ笑




③Titan - Titan
NWOBHM直系のフランス産メタル
清いまでのスピード勝負はマニア筋にはたまらないだろう
日本では高い評価を得られなかったが
スピード狂を自負するマニアにはすすめたい一枚だ
またNWOBHMファンならば押さえて欲しい一枚である
NWOBHMは事象であり音楽性ではないとアホなことを抜かす方は出入り禁止です
サクソンアメリカンナイズドも出入り禁止でお願いします




④Mythic - Anthology
90年代の頭に短期間だけ活動したうら若き乙女3人組による
デスメタルバンドのコンピ作
デスメタルらしく咆哮していますがカワイイです
演奏だってお世辞にも上手いとは言えませんが
熱狂的なデスメタルマニアに取っては避けては通れないバンドだと言ってましたが
それはお前個人の感想だろうと教えてくれた知人にごり押しに笑ってしまいました
こんなもん聴かせるなと思うのだが
GWを前にワタクシも一かぶきしたくなりました




⑤Sanctuary - Refuge Denied
密度の濃いシリアスなサウンド
ハイトーンヴォーカルもこの手のサウンドにピッタリ
今では聴かれなくなったクイーンズライチタイプのプログレメタルです
ガチガチのプログレスラッシュなんで苦手な人もいるでしょうが
意外と聞きやすさもあったりと適度な隙間が心地よい
JEFFERSON AIRPLANEのカバーという変わり種もそういう方向性だったんだろう




763. アイザップ (2023-05-03 13:04:07)

①NIGHT RANGER「Dawn Patrol」②VIXEN「VIXEN」③TNT「Knights Of The
New Thunder」④WHITE LION「Pride」⑤GIUFFRIA「Silk&Steel」⑥BAD ENGLISH「BAD ENGLISH」⑦DAMN YANKEES「DAMN YANKEES」⑧ALDO NOVA「ALDO NOVA」⑨MERCYFUL FATE「Melissa」⑩OZZY OSBOURNE「The Ultimate Sin」 これら10枚のアルバムは、何とLPレコードで実際に聴いてきたモノが半数を占めますが勿論の如きCDを扱うレンタルビデオ屋で借りてきたモノも多いです!!その中でも①と②は同じ店でまったく同じ日に同時進行として一緒に借りてきた思い出があるワケで。



764. アイザップ (2023-05-03 14:14:28)

今の時代でも通用するアルバム····それは80年代後半のモノでも結構あるハズだと自分では思っていまして。それがこの10枚になるかと。                    ①VIXEN「VIXEN」 ②HEART「Bad Animals」 ③DEF LEPPARD「Hysteria」 ④FAIR WARNING「Rainmaker」 ⑤EXTREME「EXTREME」                   ⑥TOTO「TOTO Ⅳ」          ⑦ORIANTHI「Believe」 ⑧ENUFF ZNUFF「Peach Fuzz」 ⑨DIZZY MIZZ LIZZY「DIZZY MIZZ LIZZY」 ⑩BOSTON「BOSTON」 まず①ですが女性だけのいわば「ガールズバンド」というモノはある意味でオンナの強さを感じさせるワケでございます。③なんかだとサウンドからしても分かるように「いかにも未来!!」的なトコロがある意味カッケー!!でしょうし④みたいなモノになると希望に溢れた汚れなきポジティブなメッセージがそのまま歌になったトコロがまさに絶品!!⑤⑥あたりになるとテクニック志向····つまりテクニカル派という事でコリャもお「ものスンゲェなカッコ良さ」に溢れた有様!!ちなみに⑧⑨だとかは何と言おうビートルズのようなポップソングじゃないですか?ビートルズみたいなモンが好きならばメタルファンでなくても是非聴くべしですよ!! という事でワレたちゃが語る10枚はコチラとなります♪♪



765. 失恋船長 (2023-05-15 11:42:13)

『バブルメタルでGO!』

①Killer dwarfs - Big Deal
カナダのメロディックメタルバンドによる1988年リリースのアルバム
時代的にメタルバブルど真ん中であろう
カナダのバンドは真面目である
軽やかでメジャーな質感は確実にあるのだが
ロックな歯応えを芯に残している
やり過ぎずイキ過ぎないバブルロックの旨味を味わえるでしょう
狙いすぎのヘアメタルはチョットと思う人に聴いて欲しい




②BB STEAL - On The Edge
一頃流行ったデフレパートタイプの先頭を走るようなサウンド
1991年にアルバム一枚を残して消えたので知名度は低いだろうが
本家にも劣らないクオリティはご本人様登場のモノマネタレントを驚愕させるレベルだろう
やり過ぎだが1991年という時代が逆に良かったのだが
グランジ全盛にウケるわけはない
デフレパートみたいなロックが聴きたいと思うマニアには是非ともトライして欲しい



③Icon - Right Between the Eyes
アルバム毎に方向性が変るバンド
1stはシャープなメタルサウンドで2枚目は唄モノメロディックメタル
ともに質は高かったが今作はその合間を縫うようなスタイルになっている
豪快だがどこか哀愁のあるメロディが湿り気と光沢を与えている
狙いすぎのヘアメタル勢とはチョイと違う本格派志向
そこにグッとくるマニアも多いでしょうね
今こそ知って欲しい80年代スタイルを正攻法で踏襲するサウンドです
売れたいだけじゃないのが良いのよね




④Julliet – Julliet
狙いすぎのバンド名に美男子を揃えた典型的なヘアメタルスタイル
エニグマからの売れたいんじゃが凄すぎるのだが
以外と芯のあるハードスタイルをやっている
典型的なヘアメタルスタイルにねじ込んだロックな歯応え
外部ソングライターを機能させ枠組みをしっかりさせている
とは言え鼻につくバンド名とメンバーショット
食傷気味だよおっかさん
というのと1990年デビューはチョイとタイミングが悪かったかね
まぁPOISON系だけどねぇ
仄かな哀愁がチョイと切ないよねぇ



⑤The Works - From Out of Nowhere
芯のあるハードなロックサウンドをオシャレにまとめていますが
Y&T並の熱いエモーショナルが迸ります
洗練度を上げているのは1989年の作品だからだろう
隠せない熱量とセクシーなロックヴォイス
硬軟のバランス感覚が絶妙だ
何よりメジャー感がハンパ無い




766. 失恋船長 (2023-05-16 13:55:00)

『バブルメタルでGO!後編』

①Faster Pusstcat - Faster Pusstcat
ガンズの登場により大量発生したバットボーイズロック
日本でもその影響は大きく色々と出ましたよねぇ
そのムーブメントを思い出すと真っ先に浮かび出すのがこのバンド
L.Aメタルとは違うオーセンティックな香り
シンプルでスリージーなロックとテイミー・ダウンの個性的な歌声と
なんとも言えない胡散臭さが癖になります







②MANOWAR - Fighting the World
バブルな風はこのバンドにも吹いていたんですね
今もってもオープニングから続く頭3曲の流れに驚きますが
個人的には似合わないけど頑張っている姿に好感を持ちました
むしろ大好きなくらいです
男ドアホウ馬鹿メタルならではの生き様に感嘆あるのみ
中盤から持ち直すのでトータルでマイナスには働きません




③Loudness - Thunder in the East
我らがラウドネスが本格的に渡米して作り上げたフルアルバム
まさかここまで洗練されたアメリカンスタイルに変貌するとは
ブリティッシュなラウドネスが大好きだったので衝撃は計り知れない
しかしこのスタイルも素晴らしくカッコ良かった
日本のラウドネスから世界のラウドネスへと進んだ
今作の完成度の高さに異論を挟む物などいないだろう
歌い方の変った二井原実先輩も素晴らしい


④Craaft - Second Honeymoon
ドイツのメロディックメタルバンド
バブルメタルですよねぇ
この嫌味の無いポップセンスと欧州的なメロセンス
フロンティア系の唄モノが好きな人ならば是非とも知って欲しい
1988年作のアルバムですが今でも十分に通用します




⑤Airrace – Shaft Of Light
バブルメタルと呼ぶには1984年リリースの今作を上げるのには躊躇するのだが
理由はたった一つプロデューサーあのボー・ヒルの名前があること
このラジオフレンドリーな作風を聴けば納得でしょう
そして品質の高さに舌を巻きます
キース・マレルの嫌味の無いハイトーンはメロディックメタルと相性抜群
先を見据えたバンドでしたね
メタルバブル勃興前の作品だからバランス感覚に秀でている




767. 失恋船長 (2023-05-22 19:11:08)

『あま~いヤツで』

①SLIVER MOUNTAIN - ROSE&CHAMPAGNE
厳つさのあった前2作から一転してロマンティックなムードが支配する
メロディアスな北欧スタイルへと展開
専任シンガーの甘い歌声も音楽性にハマり欠点を解消
しかし次のアルバムには繋がらなかった
幻のライブアルバムもステージ慣れしていない為に不評を買う事となる



②ACTION - 動
歌謡テイスト満載である
紆余曲折を経て辿り着いた一つの形
このバンドの欠点はヨシロウの唄の弱さ
彼の甘い声ではハードなものに適さない
しかしそれがアクションである
日本のKISSみたいな立ち位置だろう
個人的にはKISSからの影響は強くないので激ハマりとはいかない



③Da Vinci - Da Vinci
あまいねぇ北欧系はメロディの糖度が高いのよ
もう少しカカオ増量でといいたくなるのが最大の賛辞でもあります
解散してから日本でも紹介されましたね



④44マグナム - EMOTIONAL COLOR
こんなに音楽性変る?やはりロンドン公演の傷は癒えなかったんだろうなぁ?
あの観客が一切盛り上がらないライブ映像はお蔵入するべきだったろう
オシャレでダンサンブルなオープニングナンバーは衝撃である
2曲目以降少し盛り返すが最後まで戸惑いは拭えなかった
今聴いても軽すぎで完走出来ないが
前半後半で箸休めサウンドとして楽しんで欲しい
ポールの歌声がイキイキしていたのが印象的だった
こういうの似合うよね
B'zの原型となるスタイルでもある



⑤SKAGARACK – HUNGRY FOR A GAME
あま~いサウンドは北欧系に限りますねぇ
メタルバブル吹き荒れる80年代後半
希代のメロディメイカーとして知られるトーベン・シュミットもセンスを開花
完全にメロディアスなメタルサウンドに舵を切り見事にやり切っている
糖度も高めの哀愁系北欧スタイルが好きな人で知らんのならば
すぐにでも聴いて欲しい
オープニングナンバーの出来映えにウットリするでしょう
そこで掴まれたならば最後まで存分の味わえるでしょうね




768. 失恋船長 (2023-05-25 21:04:13)

『あま~いヤツで後編』10選 



①Paul Laine - Can't Get Enuff
ロマンティックなムードに包まれていますよね
軟弱な要素を抱かせないセクシーな歌声
イケメンなルックスと相まって女子からの支持も高いシンガー
実力派であるところが素晴らしい


②Agent - Agent
あまいねぇオシャレなヤツですよね
そんでもってアーティスティックな面があるのよ
これが日本にはない要素なのよ
産業ロックと揶揄されるヤツですが
作りたくても作れないクオリティなんですよね




③Mark Spiro - In Stereo
なかなかヒットに恵まれない実力派のシンガーソングライター(死語)
甘く切ない多種多様な曲を持ち込みおもてなしです
アルバムタイトルにもそういう意味合いがあるのかな?
全方向にウケそうなクオリティを保持しています



④Rio - Borderland
洒落てますねぇラジオフレンドリーってこういうのいうだよねぇ
分厚いコーラスは高揚感があり爽やかな風を吹かせます
ベタだが良質なメロディはハードポップマニアに寄り添ってくれるでしょうね
大味に聴かせない繊細なサウンドメイクも試聴感をUP



⑤David Roberts ‎– All Dressed Up
AOR系のソフトロックを愛する者のマスターピースと呼ばれ愛される一枚
日頃ハードなモノを主食とするダイハードな猛者にはとてもじゃないが勧められんが
メロディ愛好家にはマストと言えるクオリティです
甘いねぇメロドラマ級の甘さです
その必殺の哀メロ美メロに潤されてください
キュンじゃなくてジュンだねぇ




769. 失恋船長 (2023-05-30 11:13:16)

『スラッシュメタル最前線』

①RAGING FURY - GROTESQUE MASKED KRUSHER
ザクザクと刻まれるギターリフ
スラッシュメタルはNWOBHMから影響を受け高速化したのがルーツだよなぁ
なんてことを想起しますよねぇ
今回はメロディアスさも増量
タフなダイハードサウンドは益々磨きが掛かっていた
メタリカは最高だという人に出会うが
そういう音楽を点で聴いている人が大半です
本当に好きならばそのルーツを辿るべき
じゃないと良さなんてホンの触りしか理解できないよ


②RDX - Thrash Metal Ⅲ
現在はラウドネスのドラマーとして知られる鈴木政行さんが音頭をとるプロジェクトチーム
ニガロボでも強靱なドラムを叩いていたが
彼の突破力の高いリズムプレイを生かしたサウンドは攻撃的
パワーメタル寄りのアプローチかも知れないが
タイトルに偽りなしのアグレッションを有している
もっと広く認知されて欲しい一枚だ
音楽は知名度で良し悪しが決まるモノではない




③BLOOD TSUNAMI - Thrash Metal
先人達が築いたスタイルを巧みに情報収集
アイデアをしっかりとまとめ上げ自分達のスタイルとして落とし込んでいる
この雑食感もスラッシュメタルと言いたい
こういう活きのいい若手にベテラン勢も喰われ気味だ
名前で音楽を聴いているとこういう音には一生触れる機会はないだろう



④OUTRAGE - RAGING OUT
荒涼としたメロディ
この殺伐としたクールなサウンドにハードボイルドな魅力を感じる
どこかワルっぽさを感じさせるのがポイントだ
だが聴くモノに熱い滾りを感じさせる求心力もある
ベテランだが攻めの姿勢を崩さずに看板を守る
大物だから最高だと寝言をいう輩に往復ビンタを食らわせてくれるだろう



⑤SARCOFAGO ‎– INRI
神経を逆撫でするノイジーなサウンド
背徳感マックスの危険極まりない汚らしい音像は
ブラックメタル勢に多大なる影響を与えた
また所謂コープスペイントなるものをこのバンドが最初の部類に入るだろう
南米はグラインドコアやブラッケンドなヤツが多いですよねぇ
吐き出される呪詛
金持ちバンドじゃこういう音は作れません




770. 失恋船長 (2023-06-19 10:13:00)

『スラッシュメタル最前線』後編


①Hades - Resisting Success
スラッシュメタルの魅力とは一寸先の展開を読ませないスリルにある
メタリカが出たときもそうだったが彼らは技術的に高くはなかった
このバンドの演奏のテンションも高く技巧に優れている
その辣腕ぶりが聴き手を魅了する
ハイトーン系のシンガーも多様性を感じさせる楽曲をコントロール
名前で良し悪しを決めるバカどもの耳をちぎるほど強烈だ

②Dyoxen - First Among Equals
1989年リリースの1st
このバンドの特徴はリズミカルなプレイとメタリカよろしくなスラッシュサウンドの融合
実験的な要素もあるが噛み合った時の爽快感は例えようがない
スラッシュメタルを点ではなく線で聴いているならば必ず出会うハズのバンドだ
シンガーも履き捨て系ではないのがポイント
やはりスリルに満ちたサウンドである
メタリカ最高メガデス最高は言われなくても皆分かっている

③RAZOR - Violent Restitution
このバンドの最高傑作に推すマニアも多いカナディアンスラッシャーの雄
アルバムタイトルが示すようなバイオレントな作風
首の疼きも止まらないスリリングかつスピーディな演奏とテンションはずっと高い
なぜか日本では売れないがダイハードな猛者達からは常に羨望の眼差しを向けられるバンドだ
ビックネームに満足できる永遠のライトリスナーの鼓膜を粉砕してほしい

④Heathen - The Evolution of Chaos
高い演奏技術で多くのマニアを魅了したパワーメタルよりのスラッシャー
再結成となるのだがテンションが高くブランクを感じさせないクオリティ
本当に再始動なのかと思わせる統一感とスリルのあるプレイに打ちのめされる
多くのフォロワーを持つだけに往年のスタイルに迫る帰還は大声援を受けるだろう
古典的なメタルと阿吽の呼吸から繰り出される密度の濃い演奏
これぞスラッシュだしスラッシャー以外からも評価を受けられる一枚でもある
昨今の大御所の最新作よりもずっと求心力の高い音だ

⑤RIVERGE - RAID FOR RIVERGING
耳をつんざくダーティなノイジーサウンド
咆哮する歌声とド迫力のバンドサウンドの濃厚さにノックアウト
日本人というだけで敬遠される閉鎖的な国内のメタルシーン
崇めるのは名の通った海外のビックフェイマスばかり
耳がついていない体制主義者にようはありません
鋭い刃を立てたソリッドな音像はいつでも喉元を掻き切る勢いだ




771. 失恋船長 (2023-07-03 13:24:46)

『ヘヴィメタル虎の穴Mausoleum Records10選』後編

①Underdog - Rabies in Town
前作から確実にレベルアップさせた2枚目
レーベルのお抱えアーティストとしてはトップランクのクオリティだ
これぞメタルなパワーが漲っているが小技も効かしている




②Wildfire - Brute Force and Ignorance
初期アイアンメイデンのシンガーとしても知られるポール・マリオ・デイ
彼の活動って分裂したAndy Scott's Sweetが最後だったような気がする
これほどの実力があったのに残念ですねぇ
叙情派NWOBHMの代表格のようなバンド
参加メンバーも腕利きのメンツが揃っていただけに安定感は抜群



③Warhead - The Day After
一部のスピード狂からは熱烈に支持されたバンド
如何せん脆弱なサウンドプロダクション故に迫力が伝わってこない
シャリシャリ感の強いギターの音もイマイチなんだが
それがレーベルの味でもある





④TOX - Prince of Darkness
どこか病的な配色のジャケが印象的でどんなダークサウンドが飛び込んでくるのかと思ったら
爽やかでメロディックなサウンドが飛び出す
陽気な面も感じられジャケの印象とは大幅に違うが音楽性の質は高い
ドイツ産だが英国風味も強いのが面白い



⑤OSTROGOTH - Too Hot
このレーベルは愛する方ならばドンピシャの剛直パワフルスピードサウンドにグッとくるでしょう
マイナーな存在ではあるが愛すべきメタル馬鹿サウンドである
スピード狂は勿論だが
ドがつくようなメタルが好きな人には聴いて欲しい一枚だ




772. 失恋船長 (2023-07-10 15:05:41)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑯』

①Air Pavilion - Cutting Air Act I
ヤングギターなどでお馴染みのギタリスト米持孝秋率いるロックプロジェクト
ダグ・アルドリッチとリー・ハードがゲスト参加
ギターテクは凄いのだが米持氏の歌が弱い
良いところは沢山あるのだが
正統派なのに歌が弱い
それでも無性に聴きたくなるのはスリルのギター


②Hazzard - Hazzard
ハーマン・フランク率いるジャーマンメタルバンドの1st
これっきりで解散したのですがパワフルかつメロディックなサウンドは
実にドイツらしい剛毅で生真面目なスタイル
その筋のマニアにはたまらんものがあるでしょう
シンガーのマルコム・マクナルティはSWEETで活躍する



③Sacred Rite - The Ritual
ハワイはホノルルの正統派メタルバンド
マーティー・フリードマン(マーティーンじゃないよ)同様
全然ハワイアンの匂いがしません
ランニングするベースがバンドサウンドを牽引
オープニングナンバーのTeaserもWings of Pegasusに負けいないくらいインパクトがある





④DIO - Lock Up the Wolves
90年代を迎えるに当たりイメージもメンバーもチェンジしたディオ
成功したとは言い難いが若い人には違和感ないだろう
故きを温ねて新しきを知る
ディオの素晴らしい歌声に酔いしれて欲しい






⑤Dyoxen - First Among Equals
アルバム一枚で消えましたが
彼らが残したインパクトは小さくない
メタリカよろしくなサウンドと独自のヘヴィグルーブが一気呵成に襲いかかる
本家よりもテクニカルと言いたくなる要素も評価大
古典スラッシュが好きな人ならばマストな一枚




773. 失恋船長 (2023-07-24 13:26:29)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑯』後編

①野獣 - From The Black WorldI
野獣とかいてのけものと読む
このダサさが70年代なんですよね
しかし出している音はクール
ジャパニーズ英国ハードロックと言える味わい
クラシックロックとして今聴いても十分楽しめる
アルバム一枚で消えたのが残念でならない


②Blood Money - Battlescarred
スピードメタルファンからは愛されるバンド
ゴット伊藤のレビューの影響を受け日本では完全に死にました
真に受ける万年ニワカリスナーって本当にタチが悪い
日本の認知度は最低でも世界中のコアなファンからは愛される
スピードメタルバンド
バカバカしい速さではなくしっかりと枠組みがあるのがいい
音質のせいで損している
エボニー関連は本当にこういうのが多い



③Fast Kutz - Burnin'
NWOBHMの後期にリリースされた一枚
瀕死の英国ハードシーン
勢いのあるハードサウンドとメロディアス具合
少々強引な展開もあるが上手く立ち回っている
これもエボニーからリリース
アルバム一枚で消えたのが残念なバンド


④LOUDNESS - Samsara Flight
初期の名曲をセルフリメイクした企画モノ
ファンが選んだベストとDVDがついたのが完全版
やはり初期の曲はイイですねぇ
関西式英国メタル
渡米後を省いて徹底したのがいい
泥臭いいんだよねぇ


⑤5X - UR 5X RU
素晴らしいフィーリングですねぇ
クラシックなハードサウンドですが
それが逆に新鮮です
ジョージ吾妻は健在だった




774. 失恋船長 (2023-08-21 10:25:53)

『しどけなくエモーション』


①Heartland - Heartland
1991年にリリースされた一枚
リリースされた当時は一般的に話題になることは無く
90年代の中頃になりメロディ派のマニアが血眼になって探したと言われる一品
爽快なメロディとエモーショナルな歌声
洗練されたサウンドと本格的な志向は実に熟練されたモノだった


②Vixen - Rev it UP
時代の流れもあっただろうヒットを要求される社会
また女性だけで運営されるバンドと男社会との軋轢
音楽以外のビジネスで苦しんだ印象が強いバンドだったが
アルバム全体の試聴感の素晴らしさは今なお色あせません
ヒットポテンシャルの高い曲がズラリと並んだ力作
こういう時期にピッタリの弾けるハードサウンドです


③Drive, She Said - Drive, She Said
今なおメロディ派の心を濡らすロックデュオ
マーク・マンゴールドとアル・フリッチュの二人によるプロジェクトは
豪華ゲストの参加も彩りを添え瑞々しいサウンドを構築している
暑さを吹き飛ばす洗練度と爽快なメロディ
嫌味にならない洒落たセンスは時代を超越した定番な魅力が満載


④Fastway - On Target
もはやデビュー当時のイメージなどイチミリも残らない英国産AOR系のハードサウンドに変貌
リー・ハートがイニシアチブを握った結果なのだが
擦り倒す楽曲が多い
頼むぜリー・ハートよ
それでも無性に聴きたくなる100%70点のアルバムである
わしゃこういうのが大好物じゃ



⑤Aviator - Aviator
一部のメロディ愛好家にしか知られていないメロディックメタルバンド
プロデューサーはニール・カーノンということで
奥行きのあるサウンドは安っぽさなど皆無
メロディとハードさ
そしてダイナミックなロックテイストを巧みに演出している
日本人好みのバンドだと思う




775. 失恋船長 (2023-08-22 14:38:56)

『しどけなくエモーション』後半


①Journey - Frontiers
歴史に名を残す名盤中の名盤
硬軟のバランスが取れた素晴らしいアルバムである
ヒットポテンシャル満載の曲の中でも異彩を放つのが
ハードで硬派なEdge of the Blade
こういう曲が収録されても無理を感じないのが凄い
最近の若い人はしらんという

WBCの影響で一般層にも知られるSeparate Ways入っているし
その流れで必殺のSend Her My Loveと来るから万全なんだけどね
この曲かっこええですよ


②Uriah Heep - Conquest
アルバム一枚で消えたジョン・スローマン
前任のジョン・ロートンが凄かったので分も悪かったわね
線は細いがスローマンは気持ちよさそうにエモーショナルな歌声を披露
その頼りなさが絶妙ですよ
ラストのバラードで歌うのは勿論ジョン・スローマン
彼の真骨頂でしたがバカは気がつきません


③Paul Shortino & JK Northrup - Back on Track
何を歌おうとも自分のカラーに変えてします男ポール・ショーティーノ
ここでは比較的灰汁の強さを抑え気味に感じるので聴きやすいでしょう
歌の上手い男だよ



④Houston - Re-Launch III
お得意のカヴァー集
有名無名に関わらず自らが愛して影響を受けたアーティスト曲を取り上げる姿勢
そこに共感しますよね
これを聴いて原曲を知るというお楽しみも二度美味しい




⑤Seirèn - Under the Blue Wav
国産メロディックメタルバンドのEP
思い出作りの一枚のような手作り感が満載で詰めの甘さが如何ともしがたい
やりたい事は分かるのだが未消化な部分が多いが
わしゃ嫌いになれないのでなる
愛すべき叙情派様式美系メタル




776. 失恋船長 (2023-08-31 09:53:32)

猛暑を吹き飛ばせ『スラッシュメタル最前線②』

①Blood Feast - kill for pleasure
ウンコたれレーベルNew Renaissance Recordsからアルバムをリリース
レーベルの中では上位に君臨するダイハードなスラッシュメタルバンドだった
吐き捨てるように歌うヴォーカルも説得力があり
この野蛮で粗暴なサウンドのフロントマンとして重責を全う
単に騒々しいだけでは無い説得力をもたらしている
スピード狂には是非とも知って欲しいバンド


②NERVOSA Downfall of Mankind
全員女性によるブラジリアンスラッシャー
イエテボリ系からの影響も取り込み
南米らしいダーティーなサウンドをかき鳴らしている
単に下品なだけではない整合感のあるサウンドも聴き所




③Sacrifice - Total Steel
ダーティーでアグレッシブ
NWOBHM仕込みの疾走感とメロディアスなパートの対比
過激な中にねじ込まれた情念と叙情味溢れるフレーズに引き込まれる
実に説得力のあるバンドだった


 
④NASTY SAVAGE - Penetration Point
よく分からないジャケットが損しているよなぁ
ハイテンションな演奏はテクニカル
先を読ませない複雑な展開を持ち込むも聴き手を置いてきぼりにすることも無く
ひたすら急勾配を繰り返し一寸先を読ましてはくれない
歌もしっかりと歌い込み楽器隊と60分一本勝負をいう様相
タフで頼もしい奴らだ




⑤Living Death - Worlds Neuroses
歌い方を変えたトト・バーグマン
拡散する音楽性に苦悩を感じますね
彼らの歴史を考えると異質なアルバムだが
実は聴きやすくまとめている
失敗作と言われるが今聴けば評価も変りそうだ
チャレンジして欲しいねぇ




777. 失恋船長 (2023-09-10 17:34:31)

猛暑を吹き飛ばせ『スラッシュメタル最前線②』後編

①TYRANT OF MARY - TYRANT OF MARY
関東のヤングスラッシャー
古典と現代的マッシブさを取り込み昇華したスタイルは
全くあざとさがなく素直に耳へと届く
身体が勝手に動き出す強靱なリズムから放たれるビート
求心力の高いサウンドは実に魅力的


②Lost Society - FAST LOUD DEATH
北欧のヤングスラッシャー
切れ味鋭いリフワークからのテクニカルなソロ
清々しいくらいに気持ちが良いですね
奇をてらわないアレンジと先人達への敬意の払い方の素晴らしさ
期待が持てますねぇ
スカッと行きたいマニアには丁度良いかと思います



③Sodom - Partisan
ソドムらしいダーティーでブラッケンドなサウンド
不穏なる空気を纏いめまぐるしく展開する様は圧巻の一言
貫禄のある姿に余裕も感じますが
風格だけで押し切らない求心力のあるサウンドも魅力

 
④CROW - 血涙
日本語詞で歌っているがアメリカ盤もリリースされている
それほど質の高い音楽性であり世界を相手に出来る実力と個性がある
日本人的泣きの情緒とハードコアパンクスな衝動的破壊力
その二つが絡み合い独特の風合いを出している
ジャニーズ問題にウクライナ紛争と
このバンドが吐き出す歌詞はグサリと刺さるはずだ
この刺激的なサウンドにジャンルを問うなど愚問





⑤Violent Force- Malevolent Assault Of Tomorrow
アルバム一枚で消えた為に知名度はイマイチだが質の高い音楽性で魅了した
ムステインタイプの歌声を聴くとあれを想像するが
ドイツのバンドなので欧州タイプの押せ押せスラッシュメタルである
問答無用のスピード勝負
オープニングナンバーから②への流れは空気がガラリと変るので反則である




778. 失恋船長 (2023-09-11 13:28:55)

秋の夜長に『ガールズメタル特捜部』

①Vanishing Point - Twilight Zone
国産様式美系メタル
女性シンガーらしい繊細なメロディを歌い上げていますが
全般的に未消化な部分もあり
自主制作盤とは言え輪郭の甘い音質もゆるさに拍車を掛けているが
マニアにはたまらんものがある
もっとお金を掛けアイデアを具現化出来れば感触は違ったハズである


②Rough - First Cut
アニー・ウィチャート嬢をフロントに置くジャーマンメタル
剛毅に打ち鳴らされるパワフルなサウンドと
80年代らしいサウンドミックスがツボ
ツインギター編成だしWARLOCKを対抗馬に上げたい
怪しげなリプロ盤しか出ていないのが残念
正式な再発があれば再考されるだろうになぁ



③Zzyzx – Runnin
ウィンディワーグナー嬢をフロントに置く
アメリカのAOR系HM/HRバンド
正式なアルバムをリリースしていないので無名だが
バランスの悪いミックスがハードさを損なっているが
メロディ派のマニアにはグッとくる場面も多い

 
④Stitch - Beyond the Devil's Deal
女性シンガーのスージー・アックスに変ってから音楽性も大幅にチェンジ
その両面を知ることが出来る2枚組
北欧メタルも探検すると奥深さに驚かされる
知られざる魔境が広がっていますねぇ






⑤Violent Force- Malevolent Assault Of Tomorrow
サンドラ・シューマッハのスケバン黒猫シャウトも懐かしい
行ってこいのスピードメタルですがちょっと軽めですよね
クラシカル調のリードギターも予定調和を壊していますね
歌の弱さをカバーするかのようなバックの演奏も頼もしい




779. 失恋船長 (2023-09-19 11:14:30)

秋の夜長に『ガールズメタル特捜部』後編

①Malteze - Count Your Blessings
パワフルな歌声を披露するのはバンドの主人公たるバーバラ・マルテーゼ
彼女のメタリックで艶やかなストロングヴォイスを中心に
ダークな正調アメリカンパワーメタルをやり切っている
売れはしかなかったがクオリティは高い
2022年にSkol Recordsから再発された時は幻のEPが追加された
マニアにとっては家宝となるお宝であろう
ギタリストの一人が日本人?なのか日系人なのか分からないが
日本名の人物がいるのでそこが音楽性に反映されているのだろうか?
気になる要素が多い



②Starless - 銀の翼
シンフォニックなキーボード
そしてハードに躍動するリズム
本格的なプログレハードサウンドは
後生に影響を及ぼしている
女性シンガー宮本桂子も堂々とした歌いっぷり
けして負けていない紅一点とはこういう事だろう




③Crystal Pride – Silverhawk
北欧の一発屋バンドのように思っていた
日本盤が出たときもShocking BlueのVenusやったりと
北欧風としてはイモ臭いなぁであったが
このEPを聴いて評価が一変
元々は北欧風ドゥームロックやっていたんだもんね
EUROPEの成功で狂った北欧シーン
そのブームに乗って変節するもなりきれなかったんだなぁ

 
④Blacksmith - Blacksmith
アタッキーなリズムとギターはあくまでも攻撃的
そこに絡む女性シンガーの歪んだハイトーンヴォイスと
懐かしいスタイルのヘヴィメタルです
後のギター以外全員変えてアルバムをリリースしますが
Strike While the Iron's Hotでは
その2作をひとまとめにしてコンピ作としてリリースもされました
裏街道を走るアングラパワーメタル系こそアメリカンメタルですよね



⑤Carrie - Secrets
Mad Maxのメンバーがいたりプロデューサーにラルフ・ヒューベルトの名前を発見出来たりと
意外性の高いバンド
全然有名ではないので詳細は不明だが気になる点が多い
地味目の曲で幕が開けるもアルバムは徐々に盛り上がる
キーボードと生かしたサウンドだが硬派なスタイルを貫いている
少々息切れしている場面もあるが女性シンガーのアンネレン・ミッデンドルフは色を添えている




780. 失恋船長 (2023-10-10 15:33:16)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑰』

①LOUDNESS - THE SUN WILL RISE AGAIN
クラシカルなスタイルへの足がかりを掴んだアルバ
露骨な面もあるが多くのファンは受け入れるだろう
バックの重厚なサウンドは勿論だが
二井原実先輩の堂に入った歌いっぷりに驚く
明らかに今の方が昔より表現力が増している
個性的で強力な喉を持つシンガー
これもラウドネスの魅力
しかし上手いバンドだ



②SODOM - Demonized
初期のデモ音源集
まだまだ荒削りだがブラッケンドなサウンドを演奏している
このチープなサウンドでも彼らの気迫は伝わる
血なまぐさいアングラなサウンドだ




③Satanic Rites - Which Way The Wind Blows
今作では叙情派NWOBHMとして知られる
女性シンガーのデボラ・ウェブスター擁するバンドの1st
これが実に味わい深い
伝統的な英国式様式美を堅守するスタイルは普遍的な魅力がある
評論家の目に留まり正式に紹介されたら火もついただろう
プレイング・マンティスだけじゃないぞと言いたい



④Tank- Power Of The Hunter
タンクらしい男臭い哀愁のメロディ
力任せにツッコむだけじゃない構成力
後の片鱗が顔を覗かせる意欲作
分裂しないで仲直りして欲しいねぇ


⑤High Power - High Power
フランスのハイテンションバンド
NWOBHMからの影響をモロに受けているが
とにかく勢いよく迫ってくる
未消火な部分も含めて評価したい
スピード狂から愛されていますね
こういうバンドは確実にスラッシュメタルに影響を与えていますね
途中8分にも及ぶ大作ナンバーを設けているのも印象的




781. 失恋船長 (2023-10-24 10:14:37)


『ヘヴィメタルが聴きたい⑰』後半

①Lions Breed - Damn The Night
哀愁のツインリードが炸裂するジャーマンメタル
Scannerの前身バンドとしても知られているが
とにかく熱い演奏が頼もしい
歌は下手だがメタルのマナーを遵守する
これぞメタルなヤツであろう
メイデンとかJPとか好きなんだろうなぁ



②人間椅子 - 色即是空
CD買わないので忘れるんですよね
リリースされていることも聴いていることも
本当にサイクルが早く後でチェックなんてやっていたら
完全に追い抜かれます
最近ようやく2度目の視聴をしましたよ
前作で魅せた勢いのあるサウンドを推し進めるも
彼らのもつアングラハードサウンドも復権
いい塩梅で新旧のファンを取り込んでいる
和島のギターワーク
下品な鈴木のベース
バンドサウンドに馴染んだナカジマのドラム
海外でも認知度を高めた彼らに迷いはない
さらば世界である




③Girlschool - Nightmare At Maple Cross
いい意味で時代にアジャストしたガールスクール流メジャーロック
クリス・ボナッチはいいギタリストだね
多くの大人が手を差し伸べ再びシーンの最前線に送り出そうとした意欲作
大音量で楽しんで欲しい




④大映テレビ主題歌コレクション~フジテレビ編
全然知らないJ-POPもありますが
谷山浩子のDESERT MOONからスタート(腹筋に力を入れろよ)
懐かしい曲が満載
ドラマとリンクしてニヤニヤします
葛城ユキ姐さんがハートブレイカーを歌います


⑤十二単 - LOVING WOMAN
デビュー時にはMAX藤原のソロに変更を余儀なくされたバンド
どういう経緯は興味は尽きないが
こういうレアモノを復刻させたディスクユニオンには感謝しかない
あとダムゼルもね
今月のリスナーは4人だった
企画を立てた人物は失敗と攻められたのだろうか?
これは快挙であり偉業である
数字で判断するモノではないのだが商業的な面は否めないだろうなぁ
古き良くジャパニーズメタルを愛するマニアならば是非とも聴いて欲しい一枚
SpotifyにGOだ




782. 失恋船長 (2023-10-30 10:27:47)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑱』

①Orions Sword - Crusade of Heavy Metal
正式にデビューを果たせなかった幻のスウェーデン産NWOBHM
モッサリとした垢抜けないサウンドに吹き込まれる冷ややかなメロディ
シケシケスカスカのサウンドに懐かしい気分を味わえる
マニアにはたまらんものがあるでしょう
ドラマもあるのよね




②Black Rose - Black Rose
リードヴォーカルをシェールが担当する幻のロックグループ
彼女のバイオからも消却されている悲しい堅実もあるのだが
ロックシンガーとして新境地を開いた今作は
ゲフィン時代の成功を考えるとけして失敗ではないハズだ



③Cobra - Blood On Your Money
クロークスのギタリストだったマンディ・メイヤー
もっと大きな成功を求めアメリカで活動の基盤を作り
ジミ・ジェイミソンという逸材と共にバンドを結成
作品のクオリティは高く海外のメディアからは高評価を受けるも
ASIAにマンディが加わることでバンドは終わりを迎える
このバンドもし継続した活動をしていたらどうなっていただろうか?
メタルの勢力図を変える魅力があったと確信しているのですがね
メロディアスでホットなハードサウンドは硬派で実にカッコいいです
ジミも男臭い歌声で見事に大役を務めていますよ
はやり天才は最初から凄いんだな



④Onslaught - The Force
個人的には彼らのカタログの中では一番好きなアルバム
音圧のスゴイ
ド迫力の演奏
メンバーチェンジにコンバートと改革は大成功
ツインギターもキレキレ
サイ・キーラーのハイトーンも凄みを増している



⑤MANILLA ROAD - The Courts Of Chaos
時代に合わせプチモデルチェンジも出来る器用さ
世界中のエピックメタルマニアから愛されるレジェントバンド
今作の90年代を見据えたスタイルだが
マーク・シェルトンがいれば
マニラ・ロードなのだという事を高らかに宣言している
首謀者であるマークが死去した今バンドは終わっているが
彼らが残したDNAは世界中のフォロワーが受け継いでいる
何故か日本では知名度が全くないのだが
批評家の目に留まらなかったのは残念でならない




783. 失恋船長 (2023-11-15 13:54:44)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑱後半』

①EZO - FIRE FIRE
とうとう日本の地を踏むことなく解散した伝説のバンド
北海道からアメリカへと進出したスターバンドだが
全身のフラットバッカーでもう少し活動してからでも良かった気がする
しかし時期的には80年代後半へと差し掛かるのでタイミング的にはドンピシャでの渡米だった
ガンズとのツアーを経験するも向こうは大成功
こちらは解散の道を歩み
1stの方が人気は高いが個人的には音楽性が練り上げられアメリカに染まりつつも
個性も磨き上げた今作の方が好きだ



②Flatbacker - Esa
衝撃的なインパクトを残した1st
独自性の高い歌詞と音楽性
パンクでもスラッシュでもないハイブリッドサウンドは
いまだに前衛的であり好奇心を擽る
今作はその流れでリリースされるもろくにプロモーションもせずに
渡米する運びとなった
今最も再結成して欲しいバンド
昌洋の個性的なギターはバンドの顔
強烈なリズムプレイもバンドの推進力となりゴリゴリと押し込んでくる
そして雅樹は日本人離れしたワールドクラスの歌い手だった
コッコッ子供がまっている!



③W.A.S.P. - The Headless Children
ブラッキーの創作意欲が開花したターニングポイントとなる一枚
ショックロック的な刺激的ステージも話題だったが
ここでは一転して正攻法で迫る音楽性を披露
英国式様式美系にも通ずる構成力のあるアルバムを作り上げた
何を聴けば良いのかという批判も受けたが
今となってはそのとき歴史を動いたと言える一枚だろう





④Over Kill -The Years Of Decay
テリー・デイトをプロデューサーとして迎えただけに音楽性に変革がもたらされている
恐ろしくソリッドな音像を加えることで今まで以上にファスト&ヘヴィな質感を手に入れた
馴染みやすい疾走感だけじゃないスタンスは先を見据えた展開としては正解だ




⑤Anthem - Gypsy Ways
最新作はイマイチだったが
昔のアルバムはアイデアも豊富で何より意欲に溢れていた
リリース時はメタルからハードロックになったと一部では非難されたという話を聞いて度肝抜かれた
んなアホな
楽曲重視の姿勢からアンサンブルを重視した楽曲構成は
まさに森川之雄の歌声を手に入れから進められた音楽性と進化
アンセムは何も変っていない
ラストに収録されたヘヴィなミドルナンバーのナイトストーカーは大のお気に入りです
福田洋也がアンセムの曲をカバーしてもいいんじゃないの?




784. 失恋船長 (2023-11-20 03:46:36)

『live at Keep It True』

①Vicious Rumors - live at Keep It True2023
日本じゃこんな大々的なライブなんで行わないよなぁ
ロニー・マンローの堂々としたパフォーマンスに引き込まれますね
過小評価されているシンガーではあります
熱気のあるステージは緻密でダイナミックなサウンドを再現していますね
これぞライブです


②Cirith Ungol - live at Keep It True 2023
ドラマーのロバート・ガーヴェンは齢67歳
すごないですか?
動く彼らをみられるだけで十分です
本来の彼らを知らない人はシケたメタルバンドと
いまだにおもっているのでアレなんですけどね
ん~そんなに何十年前の雑誌情報アップデート出来ない
サクソンアメリカンナイズドじゃあるまいしね
このダイナミックなステージを前に戯れ言は無用
伝説のロックグループの凄みを体感せよ



③Sodom - live at Keep It True 2023
少々雑ですよね
このダーティーで粗暴なサウンドが彼らの真骨頂
スタジオ作とはこれまた違う荒法師ぶりに度肝を抜かれる
フルステージをタダでみられる環境って最高ですね





④Ostrogoth - live at Keep It True Rising Festival 2021
メンバーの死去などもありドラマー以外は若手なのだが
ベルギーが産んだ伝説の正統派メタルバンドによる生のステージを拝めるのは本当にありがたい
イマイチ盛り上がっていないのだが
往年の楽曲を披露する姿に胸が熱くなる




⑤Kate's Acid - live at Keep It True Rising Festival 2021
ケイト・デ・ロンバートが遂に動き出した
本家との区別を付けるためなのか詳細は分からないが
Kate's Acidと名乗ってステージに上がっています
少々演奏はあれだが
彼女の貫禄を増したスケ番野良猫シャウトが興奮必至




785. qeNtfPNC (2023-11-24 23:38:32)



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