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今週のアルバム10選
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今週のアルバム10選
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701. てかぷりお (2021-11-21 17:38:50)

一年を振り返るにはまだ少し早いけど、2021年はほんとクソだった。人生どんな試練があるか分からんね。てかこのままじゃ来年も試練が続くのは必至で絶望。。。健康じゃなきゃ人間何もできんばい。
そんな口ではとても語れない辛く惨めな今年でしたが音楽には非常に支えられたね。以下はよく聴いた今年の新譜。

SIGNIFICANT POINT - "Into The Storm"
NIGHTWINGS/B.B.Q split - "怪獣混沌宇宙/Monster Chaos Universe"
KILLER QUEEN - "サンダース・ミー"
HUMAN GAS - "Super Violence"
REVENGER/BIRTH RITUAL/SAMSARA 3 way split - "Sapporo Vangurad Trinity"
EVIL - "Possessed By Evil"
GASTUNK - "Vintage Spirit, The Fact"


ACCEPT、IRON MAIDEN、HELLOWEEN、KK'S PRIESTの新譜ももちろん買って聴いた。どれもカッコよかったけどそんなに聴きまくったってほどじゃなかったなー。SAXONのカヴァーアルバムも何曲かはお気に入りだけどあまり通しては聴かないかな。ビフと息子のバンドHEAVY WATERはそんな好みのサウンドじゃなかった笑

抑圧された環境下でヘイトが溜まっていたのか、ジャパコアの旧譜もかなり聴いた一年でした。新譜よりもこっちの方が聴いてたかもしれない。PILEDRIVER(横浜)、KiM、白(KURO)、G.I.S.M、DEATH SIDE、G.A.T.E.S、LIP CREAMなんかはアホみたいにリピートしてた。メタルだけじゃなくてハードコアパンクもいいなあというのが今年の数少ない収穫の一つ。
来年はSAXONの新譜が発表されてて新曲がグレートだったので楽しみだけど、果たして私はどうなることやら。シクシク。




702. 失恋船長 (2021-11-22 17:44:30)

『俺のNWOBHMその④』



①Battleaxe 『Burn This Town』
英国はサンダーランド出身のバンド。デビューもMusic for Nationsと他のNWOBHM勢とは違い期待値の高いデビューだったと思う。埃たつ暴走ロックはパワーもあり勢いだけで押し切るだけではない芸もあった。このバンドを有名にしたのはヘタレジャケットにあるのだが、1994年に我が国オンリーで再発された時は驚いた、しかもあのジャケを採用ですからね。最後に再発されたのはドイツのSteamhammerからデジパック仕様のジャケはオリジナルを尊重した改訂ヴァージョン、個人的には、このいなたさのあるハードロックサウンドに似合うのはオリジナルジャケの方である。これと言った決め技はないのだが、合わせ技で一本と言いたい、いかにも英国なハードブギーを下地としたサウンドは親しみやすさもあり、今聴いても視聴感は悪くない。


②TRUST 『Répression』
NWOBHMムーブメントはお隣の国にも飛び火、フランスでもロックシーンが沸き立つのですが、このバンドはそんなムーブメントを支えたフランスを代表するHM/HRバンドの一つである。のちにアンスラックスが彼らの曲をカヴァーしたりしてプチ話題も振りまきましたが、フランス語の響きも微妙な風合いを醸しだし個性がある、何よりストレートに弾けるパンキッシュなロックサウンドの中に優美な軽やかさを振りかけ、おフランス感を強めているのが個性的であろう。英詩ヴァージョンもあるが、個人的にはオリジナルヴァージョンをすすめたい。


③Aragorn 『Noonday - The Aragorn Anthology』
Sanctuary Recordsから2003年にリリースされたコンピ作。シングル盤を一枚残し消えたバンドなのだが、彼らには幻のアルバム用の音源があり、今作ではそれが見事に復活している。それだけでもマニアには鼻血ものなのだが、デモ音源などもパッケージされたフルボリュームな内容に胃液があふれ出します。NWOBHMてんこ盛り大会、完全に消化不良を起こしますが、湿度の高いビシャンビシャンの憂い型沸騰ロックに唸りますね。わざとらしい歌い回しのNWOBHMということか、NEATレーベルが抱えた幻のグループによる復刻版、NWOBHMマニアには是非ともトライしてもらいたい一枚です。



④Saracen 『Heroes, Saints & Fools』
ドラマティックですよねぇ、神々しいまでに英国ロックの系譜に連なるサウンドを展開、JP仕込みのダークテイストと叙情味あふれるサウンドを武器に彼らはシーンに切り込んできました。走るだけがNWOBHMではないと高らかに宣言するように、その魔境となる深遠なる世界を構築したムーブメントは、瞬間風速ばかり話題になるが、今なお綿々と連なるモノであり、一過性のムーブメントなどと勘違いしてはいけない。全てが雑誌の影響のなのだろうが、やはり専門誌一択が招いた悲劇だろう。日本はそういう意味でめちゃくちゃメタル後進国である。NWOBHMムーブメントの中でも異彩を放った音楽性、スペイシーとも言えるキーボードがキャスティングボートを握りスリルと叙情性を強化、その一筋縄ではいかないアレンジと緻密な楽曲構成に唸ります。




⑤Tysondog 『Beware Of The Dog』
英国らしい情緒とスピード感溢れる展開、ギターも印象的なフレーズを奏で聴きやすさを演出と日本人好みのワビサビを感じさせるメロディと曲調に叙情派NWOBHMを代表するバンドの一つと耳に届くでしょう。所謂メタルな展開はお約束感満載、聞き慣れた手法ではあるがベタ故にカッコよさがあり、音質の悪さを吹っ飛ばすくらい重厚なメタルサウンドを奏でている。名盤は色あせませんが、1984年リリースというタイミングを悪さはあれど、この手の音楽を愛するマニアならば名盤として崇めたくなる一枚である。




703. 失恋船長 (2021-11-22 18:50:40)

『ヘヴィメタルが聴きたい③後半』


①ANTHEM - Black Empire
坂本英三と作り上げた作品で一番はこれ、メロディアスだがハードでヘヴィ、それでありながらもフックがあり奇跡的な作り込みとなっている。ギリギリの歌唱スタイルで迫る坂本英三の悲壮感漂う魂を込め命を削った渾身のパフォーマンスに戯れ言は不要。
彼のキャリアを考えると、今の状況にはさみしいモノを感じる。何とかならんかね。柴田直人さんと言いたくなります。このまま坂本英三がシーンに埋もれるのは勿体ないが、彼の歌声を生かせるバンドがないのも事実である。
強固なリズムプレイと繊細かつダイナミックなギターワーク、アンセムはニューオーダーを開いたと思わせるアルバムでした。①②の流れは完璧である。



②LOUDNESS - LOUDNESS
山田雅樹と沢田泰司を迎え入れスーパーロックグループと化した新制ラウドネスが叩きつけた渾身のアルバム。90年代を見据えヘヴィなサウンドはグルーブ感もあるが、日本人らしい繊細さも十分に感じさせ90年代型和洋折衷メタルをやり切っている。先輩達に食らいつく沢田泰司のベースも新鮮、樋口とのコンビネーションは新しい切り口だった。英語もバッチリな山田雅樹、一旦、日本に戻り体制を整え渡米計画を立てるも上手くいかなかった。尻すぼみするシーンの中で、ラウドネスはクラブツアーを敢行、X-JAPANファンの黄色い声援を覚えているが、あまりにも本格派のヘヴィメタルを前に、彼女たちが尻込みする姿を鮮明に覚えている。たしかにサイレントジェラシーはやらんもなぁ。今となっては無かった事になりつつあるヘヴィロックラウドネス。この時代のサウンドも強烈ですよ。なにより短命に終わったが、沢田泰司の加入はブッタになり汚くなった高崎の穴を埋める華やかさがあった。




③DIO - The Last In Line
スーパーギタリスト、ヴィヴィアン・キャンベルが相棒を務めていた時代はどれもが素晴らしく甲乙つけがたいのだが、名曲WE ROCK収録の今作を選択。艶のあるディオのパワフルな歌声もガッツリとハマり、メタリックでシャープなサウンドへと変貌、ここにはRAINBOWのマジカルさやサバスのダークテイストも上手く飲み込みアメリカンメタル使用に仕上げている。後続に与えた影響は計り知れない歴史に残る名盤、今の若い人にはクラシックメタルとして知っても貰いたい一枚。DIOが存命でないので、残念ながら忘れられつつある、この現状に憂いを感じますが、これも時代の流れなのだろう。





④LAAZ ROCKIT - Know Your Enemy
期待感を煽るインストナンバーから一転、パワー漲るヘヴィメタルサウンドが展開、その独特の緊張感溢れる演奏と密度の濃い楽曲構成はスラッシュメタルかくありきなスリルとパワーを内包しており、ヘヴィメタルのなんたるかを体感出来る。ヘヴィメタルという位だからこれくらい金属的な音であって欲しいと思うマニアにはビンビンに響くでしょう。劇的なドラマを司る二本のギター、歌い込めるシンガーの存在と、我が国ではイマイチ跳ねないバンドなのだが、彼らの音楽性はシーンに中核に切れ込んでくる強い攻撃力を有する必殺剣のような殺傷力を持つサウンドだった。




⑤GILLAN - MR.Universe
勃興するNWOBHMを感じ取るようにイアン・ギランは旧型のハードロックサウンドを加速化させてきた。時代は1979年、一人気を吐くギランの存在感、このサウンドをあの時代に先行してやっていたギランは素晴らしい。ロッカー、ギランに魅力を味わいたいマニアなら是非ともトライして欲しい一枚。勿論、若い人にも温故知新を訪ねて欲しい。スピードナンバーに噛みつく姿もかっこいいが、ピアノをバックに歌うギランもかっこいいですよ。




704. 失恋船長 (2021-12-06 14:06:34)

『ヘヴィメタルが聴きたい④』


①Oliver Magnum - Oliver Magnum
アルバム一枚で消えたアメリカンパワー/スピードメタルバンド。雑誌の評価も酷く我が国では死亡確定となったバンドだが、マイク・ヴェセーラ似のメタリックなハイトーンを武器に、ダークでシャープなサウンドはクールに鳴り響きメタル魂を鼓舞するでしょうね。愛想は良くないが確実に日本でも需要のあるスタイルだけに、古典的なメタルサウンドに興味のあるマニアには是非とも手に取って欲しい一枚である。ある意味、ヘヴィメタルと呼ぶに相応しい音楽性を貫いていますからね。




②Warlord - Deliver Us
アメリカのバンドながら流れるは欧州テイストのダークなメロディアス路線、その豊かなドラマ性を演出するメロディに釘付け、上手い下手や音質云々では語れないアメリカという土壌が生み出す独特の風合いがなんとも言えない個性を底上げ、ありがちなオカルトホラーテイスト強めのダークサウンドをより一層、深みのある暗黒魔境へと誘い聴き手を捕縛、永遠に抜け出せない魔の世界へと落としていくでしょう。綺麗なのに汚れている、まさに堕天使サウンドと言えるアメリカ産暗黒様式美スタイルに唸ります。
テクニカルさよりもメロディ、そこに拘ったサウンドは日本人の感性に適していると言えますよ。走るだけがメタルではない。そういう事です。


③Nuclear Assault - Survive
ひねくれた展開が癖になります。その一筋縄ではいかないアレンジと先を読ませないスリル。これぞスラッシュな魅力が満載と興奮度は高いですね。ミックスのバランスが少々気に掛かるが、ハイピッチで捲し立てる歌声は社会をぶった切り問題提起、そのハイテンションな演奏を相まって独自性を高めている。腕っぷしだけが自慢のアホそうな奴が国立大卒みたいな武装力の高さも肝。このバンドに隙はないと言うことだろう。





④Loudness - The Birthday Eve
個人的には人生で最も聴いたアルバムと言える一枚。とにかくジャパニーズメタルヒーローであるラウドネスのデビュー作は日本人びいき云々では括れない魅力があった。高崎のギターも既に天才的、樋口、山下の二人も阿吽の呼吸から強烈なグルーブをたたき出している。このライブ感溢れる演奏にも釘付け、若さ溢れる駆け引き無しのテクニカルプレイの応酬に唸ります。
渡米後の洗練されたスタイルも悪くないが、個人的には、このブリティッシュテイストを貫いた彼らを見たかった。




⑤Loudness - Terror ~剥離~
ブラックサバスを意識して作ったというだけあってヘヴィでダークな世界観で統一、初期のスタイルに近いと思わせるのも良かったが、このアルバムはラウドネスファンの間では相当評判が悪い。オリジナルラインナップによる中途半端路線のアルバムよりも最も支持できるスタイルなのだが、シンプルに分かりやすいスピードナンバーがないのがアカンらしい。
日本ではやたらとオジー時代のサバスを神格化したり、持ち上げる風潮があるのだが、ドゥーム系の人気は高くない、そして今作も同様である。不思議な現象だが、やはり権威主義が横行しているのだろう。音楽性云々よりも名前が重要、そのブランド力にひれふすわけだ。一時期流行ったワインブームを思い出す、味ではなく銘柄、そんな事で善し悪しは決まらない。サクソンアメリカンナイズドじゃあるまいしね。
偏見を持たない人にこそトライして欲しい、ラウドネスが初期の型を取り戻そうとした意欲作、ヘヴィメタルという言葉が似合いダークサウンドに世界を相手に戦ってきた男達の風格が漂います。




705. 失恋船長 (2021-12-07 13:22:48)

『ヘヴィメタルが聴きたい④後半』



①Guardian's Nail - Believe
90年代に活動した関東メタルシーンの雄、時代の中で埋もれた感はあるが勇壮なメロディと叙情性、日本人による日本人好みのサウンドは頼もしい存在だったが2000年を前に力尽きた。またフルアルバムにこぎ着けられなかったのも悔やまれるのだが、海外のマニアにも受けそうな王道を押さえたアレンジと独自性を併せ持っていただけに再考されるべき存在だと思う。



②ARIA - Hero of Asphalt
いまなお影響力を持ち続けるロシアの皇帝アーリア。初期の傑作としてマニアから愛される一枚。メイデン、JPといったバンドからの薫陶を受けたサウンドをアップデート。アクセプトのロシアヴァージョンのような音楽性へと変換、その勇ましい音楽性は、ロシア独特の土着的なメロディを組み合わせる事でオリジナリティに磨きを掛けてきた。底上げされた音楽性は力強さを漲らせ、ロシアの全土を手中に納めるべき臨戦態勢は整ったと確信させる一枚となりました。


③Warlock - You Hurt My Soul (on 'n' on...)
3曲入りのシングル。どれもがアルバム未収録なのだが、クオリティが下がっている事は無い。後にTrue as Steelリリース前の6曲入りEP『Fight for Rock』に丸々収録されるが、どちらかと言えば隠れた名曲の部類に入ってしまった。
表題曲などスローバラードと思いきやラストは一転勇ましく走る出す展開にグッとくる。シンプルでキャッチーだが厳つく走るカップリングの2曲も魅力的、トレーニングしながら聴いたりするのに丁度良い親しみやすさがある。WARLOCK自体が少々マイナーな存在になっているの為、この3曲などさらに認知度は低いがメタルな分かりやすさを内包した、芸人さんのショートネタのような顔見せ感があり、インパクトはけして弱くない。




④Metallica - Kill 'Em All
今となってはオシャレ番長だった時代は何だったのか?と語られる機会もなくはない元祖スラッシュメタル番長のメタリカのデビュー作。今の若い人は、これを知らずブラックアルバムの方がメタリカらしいと感じるらしい。これも時代の流れだからどうにもならないが、ここで聴けるはち切れんばかりのパワーとメタル愛、なにより音楽に対しての純粋な気持ちは神々しいくらいに光り輝いている。世界がメタルを商業的な商品へと変換した。その苦境の中で辛酸を舐め尽くした男達は自らの手で道を切り開き自分たちの居場所を力尽くで築いた功績は永久に色あせません。確かに雑誌のインタビューでラーズが、『最近のお気に入りはオアシス』と発言して大炎上したのも、お金持ちになりすぎたからです。




⑤Meshuggah- Paralyzing Ignorance
メタリカがまき散らしたウイルスは世界中に蔓延、その感染力の凄さはあらゆる場面で感じるのだが、スウェーデンが甘口なロックばかりで無いということを知らしめたのが彼ら、先を読ませないプログレッシブな展開、その鍵を握るのが、ごん太ドラムのクレイジーリズムというのが面白い。咆哮する歌声は威圧感を与え、暴れ狂うギターは切れ味鋭く深層心理にまで深く突き刺さってくる。こういうクロスオーバーなサウンドに触れ90年代の幕開けを肌で感じたモノです。




706. 失恋船長 (2021-12-13 17:24:01)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑤』



①Anthem - No Smoke Without Fire
福田洋也ラスト参加となるアルバム。他にも名盤があるのだが最近、陰が薄くなっている今作を思い押している。飛行機嫌いの柴田直人がロンドンに赴いて作品を仕上げた力作である事に変わりない。特に福田洋也は今までないくらいザクザクとしたメタルギターを披露、確かに柴田が弾いたフレーズを使用している場面も多々あるのだろうが、非凡な才能を持ち合わせたギタリストだったことを証明している。脱退前という事で世間の評価は低いのだが、福田ギターは辞める男のいい加減なプレイではない。むしろ辞めたことを後悔させてやるというプライドすら感じる。キーボードでドン・エイリー参加も話題だが、やはり海外レコーディングというのが一番作風に影響を及ぼしているだろう。それまでのアルバムよりも英国情緒が増しているように感じる。でも福田じゃなければもっと泣いていたのは間違いない。難しい問題だ。新機軸を打ち出したメロウな③に代表されるように、今作は冒険している。①だってザクザクとしたギターには驚いた、不仲説の二人によるギターとベースバトルがスリリングな④、哀愁のハードナンバー⑤、キャッチーでパワフルなスピードナンバー⑥、ドンのキーボードを生かしたシングル向けの⑦、シャッフルが心地よい⑨と変革するシーンに対してアンセムも改革を断行したと思う。それだけにイマイチ陰が薄いのは残念です。福田洋也脱退というネガティブなイメージに流されない若い人にこそ聴いて欲しい国産メタルシーンを代表するバンドの意欲作。森川之雄が何故、アンセムの看板シンガーと呼ばれるのか今作を聴けば理解できるでしょう。森川無くして今作は成立しませんよ。



②Kreator - Extreme Aggression
アメリカでレコーディングを敢行、その影響もあるのかスッキリと聴きやすくなった印象が強い。とは言いつつも基本線にブレはなく、噛みつくようなシャウトとスリリングな展開はキープ。ギターのフレーズもテクニカルだが耳を捉えるモノを多いしリフ一つとっても印象的だ。屋台骨を支えるリズム隊もキリリとタイトに締め上げ乱打戦を披露。過激なサウンドの根幹を支えています。これぞヘヴィメタルというのなソリッドな質感がたまらん。


③Stormwitch - Walpurgis Night
NWOBHMから薫陶を受けたジャーマンメタルバンドのデビュー作。絶妙なポンコツ感はあるのだが、そこが一番愛すべき部分。メタルを愛しメタルに捧げた音楽性は多くのマニアに共感ポイントを与えるでしょう。ツインギターが奏でるキメのフレーズも嬉しくなりますよ。未消化な部分はあれど、欧州由来の叙情的なメロディとパワフルさ、そこにメタルなドラマ性を放り込みメタル一大叙情詩を展開、大げさとも言えるデフォルメ感もたまりません。こういう音は嫌いになれませんね。




④Crystal Ball - In the Beginning
北欧産クリスタルヘヴィメタルバンドの1st。日本人好みの叙情性と甘美なメロディ、フックのある展開は耳を捉えて離さないでしょう。キーボードの使い方も上手く良い感じでドラマ性を増幅、イマイチ乗り切れない歌声を皆がフォローしつつバンドサウンドを展開している全員野球感が大好きだ。突出したプレイヤーがいなくとも成立する北欧マインド全開のスタイル。忘れ去れつつある音楽性だけに、若い人にも聴いて欲しい一枚である。ちなみにシンガーのマーク・スウィーニーはウルフパックでマイケル・ヴォスの相棒を務めています。



⑤Pokolgép - Pokoli színjáték
ハンガリアンメタルの雄、ポコルゲップが1987年にリリースした2nd。音質も酷かったポンコツ感漂うデビュー作から一転してマッチョなタフガイへと成長を遂げた2枚目。とにかく1stの脆弱な印象を一変させたのですが、相変わらず線の細い癖が強い歌声が絡めば、あの独特の世界観を強めている。東欧的陰りのあるメロディと王道を行くど真ん中のヘヴィメタルスタイルとの相性は抜群の相乗効果を生み出し唯一無二の個性を光らせている。このバンドを知りたければ1stと今作は必聴となります。




707. 失恋船長 (2021-12-29 18:37:15)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑤後編』



①Saxon - Innocence Is No Excuse
スウィートサクソンなどと陰口を筋金入りのマニアから陰口も叩かれたアルバム。その発言は大いに支持できるもでメロディアスな作風に舵を切っているが、これが実に味わい深い玄人好みのメロディアス路線を展開、ド派手に走る曲や分かりやすいヒット曲はないかも知れませんが、何を聴かせたいかを明確に示唆しており、硬軟のバランス感覚に秀でた一枚となっています。英国情緒のあるメロディは爽快なコーラスワークともがっちりとハマり、新生サクソンとしての及第点をたたき出している。
このギリギリの線で踏ん張る事により、ハードなサウンドに疲弊している心身へ適度な癒やしと温もりを運んでくるでしょうね。


②Motorhead - Iron Fist
駄作知らずの暴走ロックンロールバンド、どれから聴けばと聴かれても困る位なのだが名盤『ACE OF SAPED』も凄いけど、こっちも負けてないんですよね。小細工無用、圧倒的なエネルギーが漲っています。

③Saber Tiger - Invasion
日本最強のツインギターコンビが遂に正式な音源を残しました。共にリーダーとして気質を兼ね備えた御大木下とマシーンさんの二人による火花散る高速ギタープレイの数々に息を呑みますが、二人の実力はこんなもんじゃないのが凄いのです。天才メロディメイカー久保田陽子さんの歌メロと歌声が素晴らしい。このアルバムはとにかくよく聴いた身体に刻まれる一枚である。いまから30年前のアルバムだからクラシックメタルという事なのだろうけど、名盤は色あせんよ。古さなど微塵を感じさせないメロディアスHM/HRの金字塔的一枚。




④Salem - Witchtower
ビクトル・マヌエル・デ・ラ・チカ・カニャスによるロックプロジェクトとも言えるスペイン産の古典メタルバンド。NWOBHMの隠れた一品と言われたら信じるような古くさい作風と音質、狙いしました作風にニヤリとしますね。
とにかく熱いです、そしてNWOBHM的な陰りというのか根暗なパワーが充満、鼻腔をくすぐる地下室臭にグッと心を掴まれますが、2016年の作風なのでテクノロジーの恩恵は受けていますよね。その古くて新しい感覚がマニア心を満たしてくれます。
日本で紹介されたNWOBHM四天王みたいなものをNWOBHMと捉える人にはススメられませんが(そもそも四天王など区分けできるバンドがいない)仲間内でだけ楽しむような音楽性でもない。若い人にこそ聴いて欲しい古典メタルの旨味、モノクロ映画を見る感覚で良いのでトライして欲しい一枚。


⑤Snowblind - Snowblind
真冬になると思い出す極寒系メロディアスサウンドを聴かせてくれる英国のバンド。その冷ややかなメロディは独特の風合いがあり、大衆性もあるのだが、それ以上に英国情緒のあるフレージングと泣かせ具合に耳を持って行かれます。あのMausoleumからのリリースということなのだが、レーベルの中でも異彩を放つメロディアス系だが、硬派さも忘れてはいない。やはり遅れてきたNWOBHMということで、こういうスタイルに落ち着いたのかもしれない。メロディのない音楽は好きだが甘すぎるのはチョットと思う方にはベストだろう。北欧系とは違う冷ややかさとキャッチネスさがポイントです。




708. 火薬バカ一代 (2022-01-05 22:19:10)

2021年の10枚

1 ART OF ILLUSION『ART OF ILLUSION』
2 PARADOX『HERASY Ⅱ-END OF A LEGEND』
3 CHEZ KANE『CHEZ KANE』
4 MIDNIGHT CITY『ICH YOU CAN’T SCRATCH』
5 SEVENTH CRYSTAL『SEVENTH CRYSTAL』
6 TOBY HITCHCOCK『CHANGES』
7 EXODUS『PERSONA NON GRATA』
8 ACCEPT『MEAN TO DIE』
9 HUSTON『Ⅳ』
10 JORDAN JORDANOV featuring GORAN EDMAN『ANGEL’S TOUCH』

あけましておめでとうございます。




709. 失恋船長 (2022-01-08 17:46:56)

『2021年ベスト』

※ベストを語るほど2021年に特化したアルバムを聴いていませんが便乗させて頂きます。

順不同

①MICHAEL SCHENKER GROUP - Immortal
豪華ゲストを迎え久しぶりにMSG名義に戻りリリースされたフルアルバム。これが強烈。ゲストの多さにやや散漫な印象を与えたりもするのだが、適材適所にはめ込み古くて新しい王道サウンドを確立。MSG名義の看板を汚すことの無い一枚へと仕上げています。


②THE DEAD DAISIES - Holy Ground
以前ほど艶は無くなったが、まだまだ神の声は健在、グレン・ヒューズのシンガーとしての凄みの圧倒されます。現代を生きる古典ロックの旨味、腕に覚えのあるメンバーが揃い不滅のハードロックサウンドで酔わせてくれます。ダグのギターもホワイトスネイクより生き生きしている。


③SMITH/KOTZEN - Smith/Kotzen
エイドリアン・スミスとリッチー・コッツェンの二人によるプロジェクトチーム。どういう経緯で二人がコラボしたのかは分からないが味わい深いエモーショナルなギターサウンドと歌声に酔いしれます。まるで第三期ディープパープルが現代に復活したような錯覚を覚える古典ロックの登場に興奮しましたね。

④HOUSTON - IV
遂にフロンティアと契約、愛すべきメロディアスロックサウンドを難の疑いも無く貫いてきたプロジェクトチームが、また一つ上のステージへと上り詰めましたね。今作は国内盤も出たと言うことで視聴機会も増えたのでしょうか?哀メロハードポップマニアならマストなバンドです。唄モノロックを愛する方ならば尚更でしょう。ベタに敵う物なし、彼らは見事に体現させてくれます。

⑤U.D.O. - Game Over
枯れることの無いメタルスピリット。本家との時代よりもソロの時代の方がキャリアも実績も積み上げてきたウド・ダークシュナイダー。自らが築き上げたものを擦り倒すだけではない、鋼鉄サウンドの守護神たるオーラをまとい見事に正統派スタイルを貫いている。似て非なるモノを作るのは難しい、セルフパロディにならないウド軍団の仕事っぷりに目を細めますね。大好物ですが、ゴリゴリ走る曲がもっとあればなお良かった。

⑥DAMIAN HAMADA'S CREATURES - 魔界美術館
昔のアイデアを引っ張り出してきたが、これはこれで大ありだ。徹底的にやり切る姿に好感が持てる。相変わらず幼さの残る声だが不自然さが減ってきた。あとはミックスの問題。メジャーシーンで活動するバンドの苦悩だろうが、物足りなさはある。

⑦Show-Ya - Showdown
遂に世界進出となったベテランガールズメタルバンドの最新作。代表曲『私は嵐』の英詩ヴァージョンも作りお膳立ては揃った。前作で魅せた新機軸、今回は更なる深みに飛び込み先人を切ったバンド達の後方支援に回るだけでは無く、満を持して後詰めと言わんばかりに貫禄のある姿を見せつけてくれた。ドロ・ペッシュと寺田の姐さん対決が実現したのも話題。頑張って欲しい。

⑧人間椅子-苦楽
快進撃を続ける元祖和風メタルバンド。今まで以上に勢いに溢れた楽曲が増えており新たなるファン層開拓に余念が無い。とにかく強烈な古典ロックを轟かせシーンに一石を投じ続けている。内輪受けやマニア向けの曲を減らし焦点を縛ったのも良かった。海外のファンを喜ばすのに十分なインパクトを誇っている。

⑨Marta Gabriel - Metal Queens
選曲が渋い、そしてどれもが名曲であった。クリスタルヴァイパーのマルタ嬢のソロアルバムは、往年の女性シンガーが唄ったクラシックメタルソング。オープニングのアシッドで幕が開けたのも個人的にはツボ、完全に持って行かれました。マルテーゼの曲をチョイスした彼女のセンスに惚れ惚れします。本物のメタルアーティストですね。

⑩CRYSTAL VIPER - THE CULT
ポーランドが誇るベテラン正統派メタルバンド。コンスタントに作品をリリースしていますが、どれもがメタル愛に溢れた名盤ばかり。とくにバンドの顔たるマルタ嬢が全く逃げずにメタルを唄う、その真摯に向きあう姿と闘志溢れるパフォーマンスに魅了されます。

Lady Beastも良かった、サーベルタイガーも良かったがお馴染みの企画モノなので割愛。クロウリーとラウドネスは年末過ぎて間に合わん。ACCEPTはレビューまでしたのにあんまり聴いていない。これもサブスク生活の弊害というのか忘れるんですよね。最近は空白の期間を埋めるかのようにメジャー流通の古いモノがメインとなっています。




710. 失恋船長 (2022-01-11 23:10:44)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑥』

①LOUDNESS - On The Prowl
マイク・ヴェセーラが加入後にリリースされたリメイクベスト。初期の名曲がマイクの歌声で復活しました。今でもNeve AgainとFind A Wayとして生まれ変わった2曲はこちらの方が好きです。マイクが歌いIn The Mirrorも良いねぇ。新曲3曲も新しい魅力を感じて喜んでいましたが、後にこれらの曲は二井原実先輩時代にあったと知って驚きましたね。そういう意味も込めて最近聞き直す機会も増えた一枚です。


②Catalano - Nightfighter
ワイルドかつハードなサウンドはあくまでもキャッチー、80年代的な手法を下敷きとした若手バンドですが、彼らはなんら疑問も持つこと無くあの時代のスタイルを踏襲している。グラマラスなハードサウンドは毒気に犯されてはおらず、どこか健康的に感じる。そういう意味でも老若男女問わず愛されるスタイルだろう。


③Weapon UK - Ghosts Of War
古くさいアイデアを持ち込み、往年のバンド群のアイデアを引用しながら昔の仲間で作り上げた一枚。往年のNWOBHMファン以外にも訴えかけるような古典スタイルは伝統美に溢れ自らのアイデンティティを誇示しています。代表曲のリメイクもあり。




④Victory - Don't Get Mad...Get Even
世間的には厳しい評価をもらった2枚目のアルバム。個人的には大好きなアルバムで、オープニングからノリノリで楽しめます。チャーリー・ハーンの歪んだ歌声も大好きだしツインギターコンビも的確なギターワークでハードサウンドを牽引、一発で耳に残るメロディと手堅いハードさが絶妙な加減で融合、この硬軟交えたHM/HRサウンドは浮かれまくる80年代中期としては良心となる一枚だったと思いますよ。今でも聴きたくなるご機嫌な奴です。


⑤KING KOBRA - THE LOST YEARS
幻となってしまった3枚目のアルバムを中心に未発表曲を盛り込んだファンを歓喜させる一枚。参加メンバーのレアさも含め興奮させられる一枚。マーク・フリー以外にも、これだけのシンガーが関わっていたのかを知ることが出来るのも美味しい一枚です。




711. 失恋船長 (2022-01-13 02:04:46)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑥』

①Church of Misery - The Second Coming
秩序型のシリアルキラーとして世の知らしめる残酷な殺人鬼、テッド・バンディを表紙の使うとはね。オープニングもテッドが主役です。シリアルキラーを題材として取り上げる素敵なセンスが最高のクールな血塗られた暗黒伝説をスラッジドゥームが下品にかき鳴らす。海外でもカルト的人気を誇るバンド。日本よりも海外の方が有名でしょうね。


②Rage - Secrets in a Weird World
マンニ・シュミットの癖のあるギターも耳を惹きますね。メロディアスかつ緊張感のあるパワーメタルサウンドは独特の風合いがある。親しみやすいメロディも顔を出すのだが、テンションの高い演奏はトリオとは思えないほど密度が濃い。その味の濃さに唸る。


③SLY - DREAMS OF DUST
高崎晃がブッタの世界にのめり込み、流石について行けなくなった樋口が次に動き出したバンド。元は石原慎一郎のソロが母体と言われているらしいが、諸説あって面白い。金の掛かったデビュー作の流れを引き継ぐ2枚目。この時代の二井原実先輩の唄い回しが好きでは無い。妙にドスを聴かせヘヴィに唄っている。彼の持つソウルフルな味わいが薄れているのはマイナスだ。しかし、前作では散漫な印象というか弱い楽曲もあったが、統一感をお持たせ練り込んだだけに、先輩の無理目の歌声は今もって残念である。
日本人らしいキメの細やかさ、そして90年代前半を意識したヘヴィネスサウンドは和を以て洋を制すると言った趣向だろう。
忘れ去られた一枚だけに機会があれば耳を傾けて欲しい。あとラウドネス人気もあるのでサブスクで聴けるようにした方が良い。



④人間椅子 - 人間椅子
ブリティッシュロックに傾倒した3枚目、個人的には大好物だが、このバンドのファン層を考えると敷居が高かったのでしょうかね?軌道修正とも言うべきキャッチーで分かりやすい曲も増えました。それが視聴感の良さにも繋がっていますが、今の彼らにも通ずる親しみやすさはウケも良いかもデス。


⑤NO MORE PAIN - Progress
国産スラッシャーとしては外せない本格派のサウンドを轟かせるバンド。インディーズ止まり&札幌が拠点のために知名度は低いのだが、そのクオリティは折り紙付き。リリース時が2000年以降なので懐古主義のマンネリスラッシュメタルとは一線を画すスタイルを披露。日本人離れしたパワー、それでありながらもパワー一辺倒では無いテンションの高い演奏に唸る。ブラックサバスの曲をちょっと持ち込んだりしたアイデアも最高にクールだ。




712. 失恋船長 (2022-01-21 17:08:55)

『歌モノロックに酔いしれたい』

①Gregg Rolie - Gringo
歌も上手い、曲も良い、アレンジも的確と単なるヒットチャートを賑やかす産業ロックとは分けが違います。玄人好みのいぶし銀の唄モノロックが手堅いスタジオワーク、その作り込みの鋭さに息を呑みますね。上手いことは素晴らしい。背伸びせずに等身大の魅力を余すことなく伝えています。グレッグの人脈の豊かさを表す豪華ゲストの客演も華を添えています。


②Agent - Agent
しゃれとるでぇ、洒落が効きすぎています。ちょっと恥ずかしくなるのですが、ロマンティックな唄モノロックが好きな人ならグッと掴まれるでしょうね。ラジオオリエンテッドなんて悪口も聞えてきそうですが、洗練された味わいは何物にも代えがたい魅力があります。売れ線も突き詰めれば最大の魅力になりますよね。


③JEFF COSCO AND TIMES SQUARE - JEFF COSCO AND TIMES SQUARE
知る人ぞ知るアメリカ人シンガーのジェフ・コスコ。1989年にレコーディングしたものも日の目を見ることなく埋もれていましたが、今では配信版で購入も可能、唄モノマニアならば手に取って損はしないでしょう。ちなみにジェフさんは、幻の叙情派アメリカンロックバンド『Cheater』のシンガーです。そっち方面のマニアにもウケるような素直な唄モノサウンドを披露していますよ。なんでもお蔵入りしたんだろう?と言うか知名度が恐ろしく低いのが残念で仕方がない。質はめちゃくちゃ高い。Cheaterも知って欲しいなぁ。



④Tim Feehan - Tim Feehan
邦題『処刑ライダー』の主題歌として知られるWhere's The Fireがオープニングを飾るティムの出世作。ダンサウンブルな打ち込みビートとオシャレなサウンドメイク、しかし浮ついた要素はなく地に足のついたパフォーマンスで魅了。ポッとでの新人ではない確かなパフォーマンス力で魅了。フックのあるメロディを嫌みのない素直な歌声が優しく抱きしめています。


⑤David Roberts ‎– All Dressed Up
爽快な風が吹いていますねぇ。青空が似合うメロディアスサウンドに心を洗われます。AORファンならマストな一枚と言えるでしょう。
主役のロバートさんのハートウォーミングな歌声に胸がときめきますね。




713. 失恋船長 (2022-02-08 15:54:12)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑦』

①SABER TIGER - OBSCURE DIVERSITY
前作の流れを押しすすめた最新作。紆余曲折を経てたどり着いた境地。洗練に洗練を重ねた現在の姿は、ヨーロッパのバンドのような優美さがある。小手先のテクニックで仕上げたのではない、堅牢なメタルスピリット。
久保田陽子時代から流れるメロディックHM/HRバンドの系譜。それを見事に現代風へアップデートしていますよ。


②L.A. GUNS - CHECKERED PAST
フロンティアの力添えもあるのとにかく創作意欲に陰りは無い。ドタバタ劇も裏ではあるようだが、いずれにしろトレイシー・ガンズがいてのL.A GUNSであろう。ダークでメランコリック、ヘヴィなミドルナンバーもクール。バラエティ豊かな楽曲を用意するも散漫な印象を与えないのが良かった。今が全盛期だろう。


③Vicious Rumors - Digital Dictator
ヘヴィでアスね、パワフルですね。適度に隙間のある音は聴いていて実に気持ちが良い。タイトで重厚なヘヴィネスサウンドに負けない唄というのも素晴らしい。ストレートに打ち鳴らされるヘヴィメタルサウンドは今聴いても十分に通用するでしょう。なんか最近のモノは妙にサイバーしたり、ドロドロとしたり、と○○風味をすぐに持ち込むが、ここにはそういう斬新と言うなのありきたりが無い。むしろ迷うこと無く王道をかき鳴らすからカッコいいのである。こういうスタイルで勝負をかけられるポテンシャルの高さに唸ります。
カール・アルバートの歌声は圧巻の一言です。


④Vanize - Bootlicker
アウトレイジのカヴァー、Call of the Hunterも取り上げているのが日本人としては嬉しいです。プロデューサーはステファン・カウフマン、シンガーはウドの実弟ピーター・ダークシュナイダー。
そして出している音はジャーマンメタルの王道スタイル。熱き弾丸の如きリフとリズムが弾け出す極上のメタルを楽しめます。


⑤Outrage - Black Clouds
日本最強のスラッシュメタルバンド。紆余曲折を経て原点回帰した彼らの姿も素晴らしいのだが、デビュー作の時点で完成された音楽性に驚かされる。何度も聴いた思い入れの強い一枚。
叙情的な泣かせのギターも素晴らしい、ハイトーン系のシンガーが多いジャパメタ系とは一線を画す橋本の存在感も凄かった。




714. 失恋船長 (2022-03-07 19:52:59)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑦』

⑥パーフェクトセレクション - ドラキュラ・バトル
柴田直人がゲームミュージックをヘヴィメタル風にアレンジ、悪魔城ドラキュラ関連を手掛けていますが、見事に格式高いバロック調のメタルサウンドへと生まれ変わっています。その本格的な出来映えはメタルファンが聴いても満足できるクオリティ。全曲インストですが歌心溢れるギターと耳を惹くメロディ、そしてテンションの高い演奏の数々に魅了されっぱなしです。


⑦PARAGON - Forgotten Prophecies
ヘヴィメタルの中のヘヴィメタルをやりまくるバンド我らがパラゴン。イマイチ唄が下手なために受けないが
日本でも確実に需要のある剛毅なパワフルサウンドに魅了されるマニアは多いでしょう。
でも濃厚すぎてスープを最後まで飲み干す事は出来ません。そのあたりが評価を分けるのでしょう。
たまには呆れるほど実直なドメタルを聴き自らの鋼鉄スピリットを鍛えたいです。



⑧LOUDNESS-ONCE AND FOR ALL
山田雅樹と沢田泰司というスターが揃っていた時代のライブアルバム。
今となっては再結成不可のラインナップに興味を惹かれるマニアもいるでしょうね。
この時代のラウドネスも無視して欲しくないねぇ。
演奏は呆れるほど上手い。そして徹頭徹尾ヘヴィである。



⑨VAIN - No Respect
退廃的で毒気のあるサウンドは唯一無二の個性を発揮、危険な香りを倍増させる歌声も相まって独自性を高めていますねぇ。
オープニングナンバーが醸し出す中毒性、リリース時は日本でもプチ話題となりましたが、2作目が突如発売中止になったりと
順調な活動をしていなかった印象が個人的には強い。
売れ損ねたアーティストと言えよう。ある意味、一発屋である。



⑩MASTERMIND - To The Wolrd Beyond
イェンス・ヨハンソンのゲスト参加など話題もありましたが売れ行きはイマイチだったとか、なんかこう迷いみたいなものを感じるアルバムでしたが、ライブでは最前列で首を振っておりました。ライブの最後に手渡しでギターのピックを頂けた事は永遠に忘れません。
メリカリやヤフオクに出品すること無く大切にしますよ。
臭みの強いパワフルなメタルサウンドとネオクラ風味の融合、歪みまくったハイトーンヴォイスも高速ツインギターも最高にカッコいいですよ。




715. 失恋船長 (2022-03-15 21:41:21)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑧』

①魔女卵 - 魔女卵
多くのマニアがCD化を待ち望んでいる魔女卵のEP。表題曲の持つシャープな切れ味と、どこか胡散臭いアングラロック。何度聴いてもグッと掴まれますね。一瞬で魔女卵の世界に引き込みます。バラードあり、キャッチーなナンバーありと4曲では物足りない国産メタルの歴史に燦然と輝く一枚ですね。


②BABYLON - FAREWELL…
清水保光の歌心溢れるメロディアスなギタープレイを堪能できる一枚。シンガーの大河内が余りにも癖が強い唄入れを行ったために、マニア向けで終わっているのだが、清水保光を中心としたバックメンバーのプレイは息を呑むほどスリリング。オープニングを飾るインストナンバーなど、清水の卓越したメロセンスに耳が奪われます。流麗なギターも素晴らしいが、音質はあれだけど、バックのメンバーも素晴らしいアンサンブルで魅了してくれます。


③POWERMAD - Absolute Power
アルバムジャケットが損しているなぁと感じるUS産パワーメタルの隠れた名品。無愛想なUSパワーメタルだけに、情緒たっぷりのメロディアスサウンドが好みの方には少々、とっつきにくい面はあるかも知れませんが、それらを凌駕する迫力があります。
QUEENSRYCHEのフォロワー的な側面もありますが、シリアスで密度の濃いサウンドは一聴の価値ありです。


④AT WAR - ORDERED TO KILL
マニア向けのウンコ垂れレーベル、我らがニュールネッサンスレコードからリリースされた一枚。レーベルの中では上位にランクインする作品ですが、音質は良くないです。しかし、そんなアウェーなど吹き飛ばすバイオレントな香りが漂うスピードメタルサウンドは、間違いなく需要はあるでしょう。


⑤鉄かぶと - KATANA
沖縄メタルの重鎮となる鉄カブトのフルアルバム。マサ一撃さんの思いは死なず、現代的なマッシブさも取り込んだ意欲作。ヘヴィでキャッチーなサウンドは、年齢を問わず受け入れられる要素がありますね。




716. うにぶ (2022-03-19 21:39:11)

今更ながら、2021年発売のお気に入りアルバム10選。

1.CYNIC『ASCENSION CODES』
メンバーの相次ぐ死を乗り超えて完成したアルバム。あまりに美しいサウンド。メタルじゃないかもしれないけど真のプログレ。

2.GALNERYUS『UNION GIVES STRENGTH』
日本語の曲の歌メロの魅力が年々、増してきている気がします。それでいて演奏も妥協なく無茶苦茶な音数と魅力的メロディを詰め込んでいて、大満足。

3.THE THREE TREMORS『GUARDIANS OF THE VOID』
相変わらず暑苦しすぎる超絶トリプル・ヴォーカル・パワーメタル。どんな平凡な曲も過剰コーラスがネタ曲化させています。ハモりより叫び。

4.CRYPTA『ECHOES OF THE SOUL』
'21年ではなく'91年発売と言われても全く疑わないであろうオールドスクール・デス。愛おしいデス。'21年は、なんか昔のデスメタルにはまり直してたので。

5.KK'S PRIEST『SERMONS OF THE SINNER』
K.K.ダウニングとリッパーが組んだっていうだけで円盤マストバイなわけですが、打算以上にK.K.のやりたいことをとことんやっちゃったヤリスギ感が微笑ましい。

6.METALITE『A VIRTUAL WORLD』
なんかちょっと懐かしい未来というか、モダン/先進的なEDMメタルのはずが、'80年代のフューチャー・ワールドっぽさが色濃くて好きです。曲もいい。

7.LEPROUS『APHELION』
もはや完全に唯一無二の世界を築き上げています。前作ほど浮世離れはしていないけれども、どこまでも耽美的で工夫に満ちた暗黒プログレ。

8.WARRIOR PATH『THE MAD KING』
ダニエル・ハイメンが雄々しくエピック・メタルを歌っているのを聴けるだけで幸せです。相変わらず素晴らしい歌声。

9.Kristoffer Gildenlöw『Let Me Be A Ghost』
前3作と同様、多少ヘヴィさも見せつつ、基本は静謐なメランコリック・プログレ。哀メロ好きにはたまりません。もうPOSに戻ってもダニエルと互角にやれるんじゃないかな。

10.HELLOWEEN『HELLOWEEN』
メンバー同士がお互いを尊重しながら、HMという音楽、HELLOWEENというバンドを大切に思っていることが伝わってきます。これは生涯の宝物。

J-POPを含めれば、RADWIMPS『2+0+2+1+3+1+1= 10 years 10 songs』が、あまりに重くて別格。YUKI『Terminal』は名盤。ビッケブランカ『FATE』、ネクライトーキー『FREAK』、KIRINJI『crepuscular』、NakamuraEmi『Momi』も好き。なんかE.P.(ミニ・アルバム)が豊作で、坂本真綾『Duets』、坂本美雨『birds fly』、ヨルシカ『創作』(前年の『盗作』とセット)、B'z『FRIENDS III』も良盤。尾崎裕哉『BEHIND EVERY SMILE』もよかった。

保管スペースの都合で去年、HM/HRのCDを千枚くらい始末したため、選別にあたって昔買ったCDの聴き直しの多い1年でした。
'21年の新譜はやっと今頃聴いています。




717. 失恋船長 (2022-03-21 15:12:24)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑧』

⑥Crowley - Whisper of the Evil
伸びやかなハイトーンと地面を這いつくばる妖しげなメロディの対比がなんとも淫靡な背徳感を演出している。悪魔的なサウンドメイクは禍々しいサバトな一夜を想起させるようだ。名古屋が生んだ伝説のサタニックメタルバンド。海外でも高い評価を受けた事でも知られる今作。再発盤も出ましたが、そろそろ落ち着いたと思うのでサブスク解禁となって欲しいなぁ。


⑦人間椅子 - 踊る一寸法師
人間椅子のアルバムの中で一番聴いたのがこれです。インディーズにドロップアウトしたのだが、逆に制約がなくなりバラエティ豊かな作風ながら一本筋の通った、いかにも人間椅子らしい古典ロックに仕上がった。彼らと言えばオマージュの落とし込み方の上手さが光るのだが、最近、海外でも人気が高まり過去作の大胆な再構築に対する非難もあるようだが、個人的にはやり過ぎでも、津軽風味に転換されるサウンドと古典ロックの親和性に驚くほどである。私は人間椅子のやり過ぎも大好きである。不思議なモノだが、何故かしっくりくる。このアルバムは大胆不敵である。そして実に足が付いた一枚だ。俺の人生羽根モノだ~♪


⑧Lizzy Borden - Love You to Pieces
所謂ショックロックバンドなのだが、デビュー作において既に完成していると言えるほど音楽性に隙が無い。印象的なフレーズを奏でるキレの味鋭いツインリードもクール。主役たるリジーさんのハイトーンもビシバシと決まり、バンドサウンドを見事に牽引している。現在はどうも忘れ去られた存在となっているリジー・ボーデン。メジャー流通しているアメリカ産の正統派メタルとしては最高峰に位置するバンドだと思う。欧州のような湿り気はないが光沢なまめかしい鈍色に輝くメロディアスメタルは、多くのフォロワーを生み出すような魅力に溢れていた。


⑨Destruction - Infernal Overkill
少々ドタバタ感は強いのですがスピードに特化したスタイルは彼らの専売特許と言えるだろう。この粗挽きもハマれば逆に魅力的に聞えるから不思議だ。昨今のテクノロジーの恩恵を受けまくったメタルコアもよりも、ワタクシは人間力溢れる地下メタルサウンドが耳を刺激する。


⑤Aldious - Evoke
唄が格段に上手い女性シンガーにチェンジしてリリースされたリメイクベストアルバム。このラインナップでデジタル配信したシングルも出ましたが、なんとなく短命に終わる予感がしていました。予想通りでしたが残念でしたね。唄が弱いバンドだっただけに見事に蘇りましたよね。残念だなぁ。毛色違いなのですがラストナンバーが泣けるのよねぇ。素直なメロディがスッと耳に馴染んできます。歌の上手さも染みるんですよねぇ。




718. 失恋船長 (2022-03-29 18:53:57)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑨』

①SABBRABELLS - Request Live
コンプリートBOXに収録された未発表ライブ音源。いかにメジャーデビュー前の初期音源が人気であり支持されているかが分かりますよね。ライブバンドとして知られるサブラベルズの魅力をギュッと詰め込んだ一枚です。生々しい音像がより臨場感を高めています。こういうのを聴きたかった。熱気が充満しているねぇ。まさにライブアルバムです。



②OUTRAGE - OUTRAGE
日本が世界に誇れる大和スラッシュメタルバンド。シンガーの座に橋本直樹が復活。全盛期のそのスタイルをさらに研磨したサウンドは唯一無二の個性を尖らせている。とにかく熱い、漢の熱情渦巻くクールなホットなガチンコメタルを展開、これぞ日本のヘヴィメタルであろう。


③ZOETROPE - A Life Of Crime
クールでアグレッシブなUS産スピードメタル。直情的なビートはあくまでも冷徹なる響きを奏で路地裏感を誘発、今となっては貴重なスタイルのバンドだけに、スピード狂ならば一度は向き合って欲しいバンド。ハードコア/パンクからの影響もにじみ出たスピードロックは常にスカッとさせてくれますよ。


④VANDENBERG - Heading For a Storm
ホワイトスネイクでの中途半端な成功と名声を得たことで知らない内にブルースオジサンにされてしまったエイドリアン。ここで聴ける独創的なプレイと叙情的なメロディ、そのギターワークには天賦の才を感じさせるモノであり、彼がブルースおじさんな訳がない。アコギも使いエレキとの対比も美しいプレイを導入したりと、今聴いても新鮮である。ギタリストを目指すモノならば、今作は格別な思いを抱かせるだろう。再結成したが次はどうなるのか?


⑤FIGHT - WAR OF WORDS
パンテラスタイルを取り込んだ新生ロブ・ハルフォードを見せつけた一枚。リリース時は、ロブよお前もかと、求心力を失ったメタルゴッド、しかし今の感性で聴けば今作は、年寄りの冷や水と切り捨てるほど無理をした作風なんだろうか?
多角的な見方で楽しめば新しい発見もあるでしょう。ある意味、PAINKILLERの次は、こういうスタイルなんだと言われると、今ならば違和感はない。不思議なモノである。耐性がつきましたねぇ。




719. 失恋船長 (2022-04-04 14:17:17)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑨』

⑥44MAGNUM - PRISONER
彼らのカタログの中でも屈指のハードサウンドを詰め込んだ一枚。初期のマインドを結集しただけの事はあるだろう。
広瀬のギターも凄いが、宮脇のドラムも大暴れ、病と闘うポールの姿にも胸が打たれます。ここに来て大人げない作風に舵を切ってきた。クールでワイルドな44マグナムサウンドにグッと引き寄せられます。



⑦CRIMSON GLORY - TRANSCENDENCE
インパクト大な1stとメジャー化した3rdの合間にある為なのか、認知度が低いと言われているアルバム。
癖のあるハイトーンを駆使したドラマティックなサウンドは今聴いても鮮度も高いでしょう。QUEENSRYCHEのフォロワー的なバンドかも知れないが、テクニカルでドラマティックな楽曲は十分にインパクト勝負なだけではない魅力が詰まっていますね。



③BLUE CHEER - VINCEBUS ERUPTUM
元祖ガレージロックバンド、アメリカンヘヴィメタルの始祖として崇められる伝説のグループによる1st。暴れ倒すリズムプレイと汚らしいギター、サマータイムブルースをこれほど凶暴で禍々しいものに生まれ変わるとは驚きですよ。
個人的にはブルーチアーと言えば、このアルバムであり、サマータイムブルースなのですが、1968年生まれのリアルロックを是非とも多くの人に聴いて貰いたい。日本ではメディアが適切に伝えなかったために認知度が低いのだが、エグいバンドである。


④YNGWIE MALMSTEEN - ECLIPSE
北欧系ミュージシャンで統一した渾身の一枚。ジョーがいなくともメロディアスかつ大衆性のあるアルバムを作れるぞとやる気満々なのが嬉しい。事故の後遺症が無かったとは言えないが、それでも目の覚めるようなクラシカルギターで魅了。マイク・ヴェセーラと作ったアメリカンナイズドされたアルバムよりは統一感があり好感が持てる。またギタープレイも丁寧である。晩年はアルバムと通して聴くのが辛くなる時代が訪れるだけに、この時代のテイストは超貴重であろう。


⑤ANNIHILATOR - Carnival Diablos
ジョー・コミューをシンガーに迎え入れ作り上げた渾身の力作。テクニカルなフレーズと難なくこなすメカニカルなプレイと、この無慈悲なるアグレッシブな楽曲との相性は抜群の相乗効果を発揮、ハイテンションなサウンドを牽引するギターと楽曲構成、そしてメリハリの効いたリズムは好戦的に聴き手を煽り興奮の坩堝へと誘います。その中でもジョー・コミューの歌声が、絶妙な絡みを魅せ有機的なソロを奏でるギターとの対比となり、切れ味鋭いアナイアレイターサウンドの魅力を倍増させている。
リリース当時、この手のバンドとは距離を取っていた、メタリカの変貌、特に雑誌のインタビューで『最近はオアシスがお気に入りいりだ』と発言したのは衝撃的でした。メガデスのメジャー化、速さを求めないスレイヤー、等々、唄モノロックへの旅路に向かっていましたからねぇ。
そんな中で再結成ラウドネスがダブルヘッドライナーでツアーを行う。しかも相手がカナダの雄、アナイアレイターである。この時点では初期のナンバーは知っているが、最新作も知らず参加メンバーも知らない、ましてや90年代のモダン化されたと言われる彼らも知らないが、参戦することに迷いはなかった。
最終的に、アナイアレイターはラウドネスに負けないどころか、ダブルヘッドライナーに相応しいバンドであった。そして知らないシンガーがめちゃくちゃ良かった。そのおかげで、アナイアレイターのライブは凄まじいモノだったのだが、会場は冷たいモノでラウドネスって日本のロックバンドであり、アナイアレイターをシラン奴も多いのだろうと悲しい気分になったことを覚えている。
ライブ終了後、物販売り場を見たらラウドネスのグッズしかなく、アナイアレイターをゲットしたいのにと探したら、離れた端っこでヒッソリとロングTしか売られていなかった。ワシは喜んで買ったよ~、誰も買いに来ないで寂しそうな顔をしていた担当女性、やっときたお客様に対する、心からの笑顔を忘れる事は出来ない。あれは安堵であり、孤独からの解放でもあろう。あるいは、関係者から売れ行きが良くないとプレッシャーをかけられていたのかも知れない。すこぶる可愛い女の子がポツンと一人だけいたのだからね。

今作には色んな思い出がある。ライブでの衝撃体験もさることながら、やはり外タレの凄さをマジマジと感じた。ライブならではの熱気とプロフェッショナルな再現性、初期の曲以外しらんのだが新曲がめちゃくちゃ良かった。後にCDを購入してつくづく思いますよね。そしてワタクシは再び、この手の音楽に対して振り返らせてくれた事でも重要な作品でした。生涯忘れられない一枚でしょう。




720. 失恋船長 (2022-05-08 18:08:25)

『ヘヴィメタルが聴きたい⑩』

①Phantom Lord - Evil Never Sleeps
歴史に名を残すヘタレジャケットでお馴染みのファントムロードが1986年にリリースした2枚目。これを見て買おうと思う奴はいないぞ。中学生が世紀末的な暴力的世界を描いたようなダサダサジャケにも負けないマイナーアメリカンパワーメタルが醸し出す胡散臭さがたまりません。ギターは我らがマイナーギターヒーロー、ジャック・スター。新日でも全日でもない国際プロレスを愛する猛者ならば、このガチンコメタルにむせびますよ。うねるぜ!!



②Saber Tiger - Paragraph 3
魂の唄い人、下山武徳をシンガーに迎え入れリメイクしたベストアルバム。初期の名曲が鮮明でソリッドに成り復活、そこに牙を剥いた獰猛な肉食獣の如く下山が咆哮、時にはしなやかな動きで獲物の喉笛に噛みつくような俊敏さ、そして食物連鎖の頂点に立つような力強さもみせつけ、それまで抱えていた国産バンドの欠点たるシンガーの弱さを見事に覆した。
久保田陽子さんも素晴らしかったが、ライブ会場などでは、一部のファンが女性シンガーに対する心ない対応を取っていたりと、厳しい時代を知っているだけに、下山という無名のシンガーの加入によりサーベルはより攻撃的なスタイルを研磨することとなる。個人的には久保田さんが大好きなのだが、下山時代が最もライブ会場に足を運ぶ形となった。エンジェルさん時代も、叫さん時代も鈴木勝人時代も言ったが、この頃のラインナップが一番熱かったと思う。
サーベルサウンドを司るエモーション、御大木下のギターには、それにも負けない凄腕のマシーンさんのギターも必要だが、やはり歌い手も必要だったろう。


③Vanadium - Born To Fight
初期イタリアのシーンを支えた正統派HM/HRバンドの4枚目。ソリッドでシャープな質感とメジャーな感性を混ぜ合わせたサウンドは、それまでのマイナーメタルヒーローからの脱皮。華麗なキーボードのフレージングも効果的に機能、スリリングなインストバトルにも息を呑みます。聴きやすさも手伝い、飛躍した印象を与える一枚。臭過ぎず泣かせすぎない、イタリアンメタルの王道スタイルを極めた一枚。もっと認知されるべきバンドである。


④Brainfever - Face To Face
ドイツ産スピードメタルバンドが1986年にリリースした2枚目。再発もなく完全に忘れ去られている一枚だが、一応、2006年にCult Metal Classics Recordsから再発盤が出ている。この無駄に力の入ったパワーとスピード、四の五の言わずに楽しんで貰いたいです。豪快にドライブするスピードナンバーは、バイカーズロックをさらに加速させたようなスリルがあり、のっけから酔い止め必死にスピード勝負なサウンドに魅了されます。ミックスが酷い、レコーディングもイマイチで演奏が下手だ、そんな事はお構いなしの乾坤一擲メタルにわしゃ激しく共感を覚えます。走るだけじゃない芸の細やかさも効いているのよねぇ。


⑤ACID - Engine Beast
ベルギー産の元祖スピードメタルバンド、我らがアシッドの3枚目。勝負を掛けた一枚だが、妙にスッキリとした印象を与え、それまでの魔女っ子ケイト嬢感が薄まったのがイケなかったのか、今作を最後にバンドは散ってしまった。
個人的には大好きなバンドだけに、ある意味、無かった事になりつつある今作も押しておきたい。このバンドらしい魔女の宴、サバト感もあるし、妖艶なるケイト嬢が歌い上げる甘い歌唱スタイルとかみ合った時の背徳感に魅了されますよ。勿論、スピード勝負な曲も用意されているので初期のファンも安心ですが、少々毒気をそぎ落としたミックスは一般的な感性には聴きやすいだろうが、このバンドのファンに取っては不満に感じたろう、カルトヒーローの立ち位置とは難しい問題だ。



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