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今週のアルバム10選
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今週のアルバム10選
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682. 失恋船長 (2019-11-04 17:21:40)

『思い出の国産メタル100選その⑨』


①TERRA ROSA『PRIMAL』
貴重なデモ音源をCD化。希少価値の高いデモの製品化に興奮が止まりません。名曲①が復活したことに涙ですよ。
名曲『火の中に影』の元ネタも収録されていたりと興味が尽きない。また名手、島のギタープレイも聴けるし、各歴代ギタリストとの聴き比べも楽しめる。ドラマーも田野だしね。
メンバーチェンジの多いバンドだけに楽しみ方は楽曲以外にもありますよ。



②UNITED『HUMAN ZOO』
国内最強のスラッシュアルバムと言えるほど破壊力を持っている。タイプの異なる二人のギタリストが切磋琢磨している姿もエゲツナイほど興奮させる。
とにかく良く聴いた一枚だ。拡散傾向にあったスラッシュシーンの中にあって素早く対応してきたの印象が強いが、的外れにならないセンスが凄い。
古井の唄が弱いと言われがちだが、個人的には愛して止まないシンガーだ。



③5X『HUMAN TARGET』
ジョージ吾妻やカルメン・マキらが在籍した元祖スーパーグループ。80年代初頭のハードシーンを牽引していたのは間違いない。


④AROUGE『AROUGE暴虐の貴公子』
橘高文彦の名前を世に知らしめたバンドのデビュー作。
10代の若者にマント姿のコスプレは悪いアイデアではないのだが、戦隊ヒーロー感が出過ぎてしまった。
音は本格的なスタイルを披露している。それだけにちょっと残念だが、一枚のアルバムで解散したのはもっと残念だった。
後年幻の2枚目を含んだ再発盤が出た時は本当に嬉しかったし、しみじみ良かったなぁとメンバーの親族ばりに思った。



⑤BLIZARD『暗黒の聖書-BLIZARD OF WIZARD-』
英国寄りのサウンドとジャーニーのメンバーからの楽曲提供もあったりと、デビュー当時から拡散傾向の音楽性だった。でもジャーニーからの提供って凄い期待値だよね。
絵になるメンバーが揃う美系の本格派のグループ。そのせいで最後まで方向性が定まらずに試行錯誤していたように感じる。下村の無理目のハイトーンも懐かしい。
構築美溢れる叙情派ギタリストの松川敏也の存在感の強さにワクワクさせられる。

⑥STEFFANIE『HIDEWAY』
日系人女性シンガー、ステファニー・レイコ・ボジャースのソロアルバム。名のあるバックメンバーを従えガチンコのHM/HRサンドを披露。その伸びやかな歌声はハードサウンドに一歩も譲らない逞しいものだった。
モデル上がりなんて色眼鏡など木端微塵に吹き飛ばす圧巻のパフォーマンス。ハズキルーペもぶっ壊れるな。後年、寺田恵子の後任としてSHOW-YAに参加。代表曲を英詩に変更して唄っていたな。


⑦人間椅子『頽廃芸術展』
ヘヴィメタル冬の時代にリリースされたフルアルバム。それだけに思い入れは強い。彼らの持つシニカルな世界観が破綻することなく機能。
バラエティに富んだ楽曲も曲順良く収録され視聴感の高さは随一だ。この作品以降、しばらくは和嶋の捻くれたポップソングなどが収録されたアルバムが出るため、統一感に欠けたものが増える。それだけに、今作は、そんなフラストレーションとは無縁の人間椅子サウンドを楽しめる。もう少しヘヴィで深みのあるミックスであれば、なお良かったのだが、彼らのファンベースを考えるといたしかたないのだが、ロックなんでね、歯応えが欲しいわなぁ。それでも、このバラエティ豊かな楽曲は、全てが個の魅力を存分に発散している。


⑧聖飢魔II『LIVING LEGEND』
解散を公表した後にリリースした最後のオリジナルアルバム。それだけに話題性は大きい。その前にリリースされたベスト盤との繋がりもある正統性の強い音楽性は、彼らの集大成と呼ぶべき傑作へと仕上がっている。これ一枚で終わるのが惜しいと思わせる内容だったが、これが最後だから、出し惜しみのないアイデアの結晶とも取れるのだろう。もし彼らが0点という批評を喰らっていなければ、どういうミュージシャン人生を歩んでいたのか、ふと頭ももたげたのが印象的だった。
初期の楽曲をセルフリメイクした傑作のベスト盤『1999 BLACK LIST』と併せて聴いてもらいたいね。


⑨DANCER『Dancer Memorial』
藤本泰司率いる叙情派バンドの音源を一まとめにして2枚組としてリリースされたアルバム。限定生産の為に中々手に入らないが、藤本が沢田泰司のD.T.Rに参加した際には、便乗商法丸出しのBest of Taiji Fujimotoのタイトルで12曲入りと曲数を減らし再発された事がある。
アメリカンな陽性サウンドからバラードにハードなナンバーまでとバラエティに富んだ楽曲を収録。アンセムで鍛えたトニーのハイトーンと藤本のギターワーク、そしてタイトなスケジュールながらも、パワフルなプレイを披露したリズム隊。ポテンシャルを秘めたグループだった。インディーズでも人気を博していたが突如解散。知名度を上げきれなかったのが、今の現状を示しているだろう。


⑩ANTHEM『BURNING OATH』
レーベルも移籍、新体制の中で気合漲る一枚をシーンに叩きつけてきた不動のヘヴィメタルバンド。ドラマーの本間の離脱のニュースもあったが、ピンチを見事とに乗り切っている。
哀愁美溢れる硬派メタルサウンドを継承するアンセム。今作も揺るぎない安定のブランドだが、個人的には、アルバム一発目の視聴中に、森川之雄の声で聴きたいなぁと、シンプルに思ったのが印象的だった。それゆえに、坂本英三の脱退劇に、驚きはあったが、遂に実現したかという気持ちの方が強かった。適切な表現ではないが、個人的には正夢でしたね。
ここで聴ける坂本英三の哀愁たっぷりの唄い回し、ギリギリのところで踏ん張る熱唱に胸打たれます。かれは間違いなくアンセムを支えた灼熱のヴォーカリストとして後世に名を残したことも揺るぎない事実である。この功績は認められるべきだ。




683. 失恋船長 (2019-11-11 20:51:33)

『思い出の国産メタル100選その⑩』


①ANTHEM『Engraved』
森川復帰後2枚目のアルバム。完全復活を印象付けた森川之雄のストロングヴォイス。その獣性を帯びつつも艶やかな歌声は唯一無二の個性を放っていた。
自らが築き上げたアンセム節。類型的な面も感じるが、今作は清水の曲を多く取り入れることでマンネリ打破を遂げてる。類似性と言っても高次元での再構築。付け焼刃やアイデア不足からくる、確信犯的なやり口とは無縁だ。
ここいらで外部からの血を取り入れるのもありだろう。



②DUEL『DEATH WISH』
男の哀愁を纏ったパワフルサウンドが信条のバンド。そのハードボイルド路線のサウンドはTANKに通ずるものがあるでしょう。チャールズ・ブロンソンに捧げると言うサブタイトルに胸が焦がれますが、それに負けない充実ぶりに目を見張りますね。男ならこの世界観に共感出来るでしょう。


③NEGAROBO『EMERGENCY』
北の大地から現れた殺戮スラッシュマシーン軍団。殺傷力抜群のリフと全てを飲み込むパワーリズム。その豪胆極まりないアグレッションと、切れ味鋭いスラッシュサウンドは、カリスマ性すら漂わせていた。フルアルバムが今作のみで終わった為に、認知度も低く再発もないだけに知る人ぞ知る存在になってしまったが、ドラマーの鈴木はラウドネスに参加したので、今ならもっと評価されるバンドとなるであろう。1997年というリリース時期に泣かされたとも言える。



④MOONSTRUCK『MOONSTRUCK』
ジャパニーズ様式美メタルの権化たるテラローザからの影響も著しい大阪のバンド。似て非なるものを作り出す才に日本人は秀でていると個人的には思うのだが、このバンドなど、その最たる例であろう。活動時期が90年代の為に、辛酸なめ尽くす形となったが、この手のバンドを応援するマニアは全国にいるはずなので、今なら、もっと評価される部分は多いはずだ。
YOU TUBEの影響は計り知れない。日本がダメでも世界がある。EPと手売り感のあるデモCD-Rだけで終わるバンドではないと思っているのでね。



⑤MEPHISTOPHELES『METAL ON METAL』
メジャーデビューに最も近いバンドと言われつつも解散の道を選んだ彼らが突如復活。梅原のもう一つのプロジェクト、ERASERHEADの曲と抱き合わせでのリリースとなっているが、なんら違和感や遜色のない同系列のサウンドを披露。これぞメフィストフェレスと言いたくなるような勢いに満ちた、ヘヴィメタルサウンドを轟かせてくれた。ゲストで清水昭男やガーゴイルのメンバーが参加、話題性もありました。


⑥MAZERAN『MAZERAN』
関西出身の彼らが、知らないうちに日米英の混合バンドになっていた。プロデュースに白田一秀を迎え、日本的な解釈を交えた本格派のハードサウンドを披露。粗さもあるが、ガチッとハマった時に感じさせるスケールの大きさが好きだった。シンガーはジェフ・スコット・ソートがいたパンサーで唄っていたのも、個人的にはテンションアップ材料だった。


⑦FASTKILL『INFERNAL THRASHING HOLOCAUST』
2004年にリリースされた1st。無駄を省いたコンパクトな楽曲は、とにかく勢いに満ち溢れている。スラッシュ由来の攻撃性とスピード感、ハイピッチなヴォーカルと全てのテンションが高い。その清いまでの裏切りのない謹製スラッシュサウンドを奏でる新人が日本から出てきた事が何よりも嬉しい出来事だった。日本には根強く残る海外志向。何をやっても海の向こうのバンドは凄いいうバイアスが掛った輩は無視して、世界に向けて精力的に発信して欲しい。このポテンシャルを埋もらせるは惜しい。

⑧HARD GEAR『INFINITIVAL ABILITY』
元サーベルタイガーの田中康治と渡辺徹らが中心となりバンド結成。サーベルとの類似性も高い、キメまくり高度な演奏とフックに富んだメロディ。田中のソングライティング力の高さを思いっきり堪能できる。スケールの大きいバンドサウンドを引っ提げ精力的に活動していたらしいが、竹内聡と青柳慎一郎、礒田良雄は下山と合流。なんだかついていないバンドだった印象が強い。ドラムは水野泰宏を発掘したのは、このバンドですよ。本当にサーベルタイガーファミリー感が強いバンドです。


⑨Jill's Project 『Last Contract』
岡垣正志の様式美プロジェクトなのだが、元はパチンコ関連の楽曲制作がスタートだと言うのだから驚きだ。知らないうちにパチンコライターに転職していたアニカツこと関勝美がキーパーソンなのだが、参加メンバーがエグイ。スナイパー、テラローザ、ウルフ、ハリースキュアリーなどの歴戦の兵が顔を揃える形となった。この豪華ラインナップが繰り広げる様式美ワールドの充実ぶりに驚きましたね。パチンコ関連という色眼鏡で見ていた自分が恥ずかしい。スキのない完璧なアルバムだった。このアルバム以降はゲーム関連のメタルアレンジで金を稼いでいるようですね。これが国内のメタルシーンの現状かと思うと胸が痛くなります。


⑩KRUBERABLINKA『KAIZU』
テラローザの赤尾和重が本腰を入れて動かしたバンドの2枚目。相棒はテラローザの鈴木広美。両者が表現してくれたのはテラローザに通ずる古典HM/HRサウンドを披露。メロディアスかつテクニカルな鈴木のギター、そして老獪なテクニックを駆使して唄い上げる艶やかな唄、これぞ様式美メタルの醍醐味と言える味わいがある。なんと言っても若々しい感性と勢いを完全に取り戻してる現役感たっぷりの音色に驚いた。古さに埋没しないフレッシュ感を導入させているのも凄い。これぞ現代まで脈々と連なる様式美メタルの血脈なんだろう。




684. 失恋船長 (2019-11-25 22:34:42)

『思い出の北欧メタル100選その①』


①MADISON『Best in Show』
青臭さの残るデビュー作から比較すると洗練度も増してきた。ただその分、まとまり過ぎたとの印象を与えるのだが、聴き手の趣味嗜好にもよるのでしょう。
個人的には、まだまだ粗さの残る北欧クリスタルサウンドが放つ眩い輝き、寒々しい夜空には満点の星空が広がっているように感じる。
マディソンならではの魅力が満載だ。是非とも再結成して欲しいバンドである。アルバム2枚で終わったなんて悲しすぎるよ。

②SILVER MOUNTAIN『Roses & Champagne』
オープニングからあまーいと叫ばずにはいられません。北欧ならではの甘美でメロウ、そしてロマンティック、その花園サウンドにクラクラします。
初期のアグレッシブなパープルスタイルも素晴らしいが、この路線も大いに支持したい。

③HAEVY LOAD『Stronger Than Evil 』
地図を見ればスウェーデンが英国からのムーブメントの影響を受けないわけがないでしょうね。NWOBHMを通した北欧スタイル。攻撃的だが、北欧ならではのクリアーなサウンド。
この空気感がこのバンドの魅力。日本ではイモ臭いバンドの代表格扱いで終わっている感があるが、ムサ苦しいジャーマン勢とはチョイと違う、ある意味、リアルヴァイキングメタルというのはこういうのを言うんじゃないかと思わせる、気骨で荒々しいメタルサウンドを堪能できる。でも北欧なので透明度が高いと言うのが面白い。




④ALIEN『ALIEN/US MIX』
このアルバムのオリジナルはジム・ジヘッドが唄うヴァージョンが存在するのだが、最初に聴いたのがワールドワイド盤のピート・サンドベリが唄う方だったので思い入れが強い。両者とも唄の巧さに問題はないが、ジムの方が北欧色の強い楽曲が多く、正直、ワールドワイド盤からカットされた曲など強烈だった。北欧メタルと言えば、という世界観を具現化した一枚。まずはこれから聴いて欲しいね。



⑤UNIVERSE『UNIVERSE』
オープニングナンバーのカッコ良さに悶絶です。メタリックなリフがカッコいい疾走ナンバーへと繋がる展開に早くも昇天と、マイナー臭さはあれど、北欧ブランドと言えばこれでしょうと断言したくなるような魅力が満載。これ一枚で解散した為に幻のバンドと言われ、認知度も上がることはなかったが、こういう日蔭のバンドに光を照らし再考される機会を与えて欲しいね。何度聴いても①にメタルのカタルシスを感じますよね。


⑥BLACKSMITH『Gipsy Queen』
華麗に舞う北欧クラシカル風味満点のオープニングナンバー、先人たちの影響を飲み込み研磨したクリスタルサウンドの眩い光。唄はヘタだし強引さも目立つが、これから大成する可能性を秘めたバンドだったが、これ一枚で80年代の歴史に幕を閉じてしまう短命なバンドだった。近年ボートラ入りで復活した時は家族のような気分で喜んだね。
世界中のマニアにとっては待望の一枚だったはずだ。



⑦220VOLT『POWER GAMES 』
まだまだ洗練されてはいないが、北欧らしい凍てついたダイアモンドダストサウンドを披露。ホットなメタルサウンドなのにクールというのは実に面白い。同じ火傷でも凍傷なんだろうねぇ。この野暮ったさもハマれば癖になりますよ。名盤EYE TO EYEはメタルという観点から批評すれば、贅肉を削ぎ落しオシャレになりすぎた。このバンドの入門編はあちらだろうが、ガチンコ北欧サウンドを愛する方なら、こちらも大いに楽しめますよ。


⑧Pretty Maids『Future World』
パワーメタル色の強かったデビュー作から早くも脱却。洗練度の増した北欧スタイルを踏襲。この音楽性を推し進めるような形でバンドは動き出すのだが、ワールドワイドな成功を掴むための路線変更というところだろう。プロデュースにエディ・クレイマーを招聘。グラハム・ボネットがコーラスで参加と話題性もあった。


⑨Midnight sun『Metal Machine』
シンガーをピート・サンドベリからヤコブ・サミュエルに交代してリリースされたラストアルバム。北欧らしい甘美なメロディとサイバーチックな世界観を活かしたキレのあるシャープなメタルサウンドとの融合。流石はヨナス・レインゴールドといった歌心を生かしたメロディックメタルサウンドに悶絶です。個人的には大好物な一枚だ。甘いのにメタルしている。やりたくでも出来るものではない、北欧の血がそうさせるのだろう。コンパクトな楽曲のでもマグナス・カールソンのギターは光っている。
この音は世に出るのが少し早かったのかも知れない。


⑩Europe『Wings of tomorrow』
北欧メタルと言われ真っ先に思い出されるのが、このアルバム。甘美でスウィートなのにメタリックさも加味させた今作は、彼らの代表作と言えるだろう。青臭いデビュー作から一気にメジャー感を増してきた。そんな中でもハードなスクリームオブアンガーなどは一際異彩を放っている。ジョン・ノーラムのギターもクレイジーぶりが顔を覗かせているのも印象的。硬軟交えたバランス感覚に秀でた一枚。彼らのカタログの中でも一番好きなアルバム。




685. 失恋船長 (2019-12-02 17:35:17)

『思い出の北欧メタル100選その②』


①TAROT『The Spell of Iron』
フィンランドのメタルシーンを語る上では外すここの出来ないバンドのデビュー作。まだまだ青臭さは残っているものの、先人たちの影響を包み隠さずに再構築して熱演する様にヘヴィメタルに対する猛烈な愛を感じますね。暗黒様式を身にまとった叙情派メロディアスサウンド。トニー・マーティン時代のサバスの暗黒面を濃くしたようなサウンドが魅力だ。



②John Norum『Total Control』
ヨラン・エドマンがゲストで3曲リードを担当。ジョンのソロなのだから問題はないが、
ジョンには是非ともヨランと本気で、この当時の音楽性を突き詰めたアルバムを一枚出して欲しい。
熱いエナジーが迸るギタークレイジーぶりも微笑ましいです。
フックのあるメロディとハードなギター、ロックの持つ豪胆さと北欧ならではの繊細さ、両面から楽しめる傑作だ。



③Glory『Danger In This Game』
叙情的なメロディとキラキラとしたオーロラサウンドを奏でるTHE北欧スタイルのバンドのデビュー作。
歌い手がイマイチ唄いきれていない面はあれど、ギター巧者のヤン・グランウィックのプレイは鮮烈なるインパクトを残しています。
キーボードの使い方も上手くマニアのツボをつきましたね。
個人的には北欧と言えば真っ先に思い出されるバンドの一つだ。
リリース当時も良く聴いたが、今の方がグッとくるんだよなぁ。

④Yngwie J. Malmsteen『Trilogy』
アメリカ市場を狙った為に楽曲はコンパクト。音質もマイルドなものになったが、
メロディの質感はネオクラ一直線の高品質。まさに水晶の如きと比喩されたクリスタルメロディを堪能できる。
マーク・ボールズのハイトーンも今作を名盤の域に押し上げる事に成功。
世界中のネオクラ様式美の素晴らしさを広める形となった。
インギーも事故前の超絶プレイを轟かせている。そしてインギーは楽曲中心でも素晴らしい曲を書けると証明した。


⑤Stormwind『Rising Symphony』
今作で唄うは超が付くほどの実力派シンガーとして知られるトーマス・ヴィクスとローム。
冴えわたるネオクラサウンドにはピッタリの逸材だ。
今作がラストになるのは残念だが、最終作にて最高傑作を世に送り出した。
緊張感溢れるネオクラサウンドには上手い唄が必要だ。
主役たる空手家のギタリストは今なにをやっているんだろう?

⑥kirka『THE SPELL』
フィンランドを代表する国民的シンガーのHM/HRよりの音楽をやっていた時代のソロ。
後期RAINBOWあたりに通ずる大衆性と普遍的なメロディ、そこに流れるロックなエナジー。
硬軟のバランスが整う優れた歌モノアルバム。


⑦Erika『Cold Winter Night』
インギーの奥さんとして知られる女性シンガーのソロアルバム。
大げさな展開の曲を聴くと大映ドラマを見せられている気分になるが、
北欧らしいクリアーなサウンドとメロディを思いっきり堪能できるハードポップの名盤。
彼女の歌声も透明感があり、また弾けるようなポップスをしっりと唄上げている。

⑧FORTUNE『MAKING GOLD』
2ndアルバムで大コケしたが、デビュー作である1stはメロディ派にとっては名盤中の名盤となっている。
青臭いベニー・スドペリの唄もイマイチだったりすのだが
叙情的なメロディがキュンキュンと泣かせまくるのがポイント


⑨Snake Charmer『Smoke And Mirrors』
シルバーマウンテンのベースだった、パー・スタディンが新たに立ち上げたバンドの1st。
唄うはミスターAORと呼ばれるピート・サンドベリ。彼の切ないハスキー系のハイトーンが映える甘美な哀メロナンバーが目白押し。
派手さはないが堅実な作りがビンビンと耳に響きます。甘いだけじゃないハードさもあったりと、北欧の美点が詰まっていますね。




⑩King Diamond『FATAL PORTRAIT』
Mercyful Fateが分裂。あの恐ろしい世界観はキングが引き継いだ。漆黒の闇から堕天使が降臨。
禍々しくも美しい闇の世界へ誘う暗黒様式美サウンドの誕生。その濃密な世界観はキングのファルセットヴォイスのおかげで不気味さもアップ。
唯一無二の音楽性を作り出している。




686. 失恋船長 (2019-12-09 18:20:51)

『思い出の北欧メタル100選その③』


①Masquerade『Masquerade』
大衆性を纏った北欧サウンドが売りのバンド。聴き進めると少々似通った曲が多くダレるという評判も多かったが、先人たちからの影響を隠さない
王道スタイルは、いい意味で前向きに捉える事が出来るだろう。
クリアーなハイトーン、派手に弾くリードギター、キラキラ系のキーボードと、ワイルドなリズムプレイとツボをしっかりと押さえている。
ZEROコーポレーションだったなぁ。

②E.F. Band『Last Laugh Is on You』
1981年にリリースされたデビュー作。この時はトリオ編成だった。荒々しいサウンドはNWOBHMからの影響も大。
でもメロディの質など、粗めの音像の中でも北欧的だなぁと感じるのがポイント。そして紫色の血が流れているのが北欧なんだろう。
後に専任シンガーにオランダ人や英国人を迎え、早くからワールドワイドな展開を狙うバンドだった


③Mercyful Fate『Melissa』
キング・ダイアモンド氏の奇怪なファルセットに最初は面喰いましたね。でもそれ以上に引き寄せられたのは
背徳感マックスのダークファンタジーサウンドの凄味。無駄のない演出力に舌を巻くのだが
安直な発想で怖がらせようとかではない知的好奇心を満たしてくれる音。それでありながらもメタルという部分をないがしろにしない
押し引きの巧さに唸らされる。ヘヴィメタルというジャンルを代表する名盤中の名盤。


④Yngwie J. Malmsteen『Facing The Animal』
多国籍群なんで北欧括りは微妙なのだが、主役たるインギーが久しぶりに楽曲重視の作風に取り込んだ名盤。
マッツのハスキーでパワフルな歌声もネオクラサウンドにマッチ。その唄いっぷりはライブでも遜色ないものだった。
特筆すべきは、ソロはあれだが、ギターソロ前後の構成が素晴らしい。ブアーッと弾いて終わりではいのが最高に良かった。
プロデュースにクリス・タンガリーディスがドラムに巨匠コージー・パウエルの参加も話題。

⑤Tone Norum『ONE OF A KIND』
日本一権威ある雑誌から兄の七光アルバムと評された、ジョン・ノーラムの妹のソロアルバム。
北欧テイスト満載のハードポップサウンドは、ダンサンブルなビートに乗り瑞々しく弾けている。
バックのメンバーやプロデュースにヨーロッパのメンバーが全面参加と力の入れように、少々やり過ぎでニヤけてしまいますが、
健康的なポップロックの持つ陽性な部分と、主役たる彼女の健気に頑張る姿が上手くリンクしているので、
色眼鏡なく楽しめるかと思いますよ。


⑥TALISMAN『TALISMAN』
まさに北欧クリスタルサウンドが炸裂する貴重な一枚。実力派シンガーのジェフ・スコット・ソートのザラついたハスキーヴォイスもマッチ。
デモではヨラン・エドマンが唄っていたりと、インギー人脈が多いのもポイント。それもそのはずでベースのマルセル・ヤコブが実権を握るバンドですからね。
クリアーかつメロディックな北欧印満載のサウンド。そこに黒っぽいフィーリングを持ち込んだのは大正解だ。



⑦TNT『Tell No Tales』
彼らのカタログの中ではもっともハードなスタイルをとっているアルバム。トニー・ハーネルの存在は唄声のみならず音楽性にも多大なる影響を及ぼしているだろう。
北欧的でありながらワールドワイドな成功を勝ち取れる柔軟さが最大の聴きどころ。美しいメロディですなぁ。


⑧Silver Mountain『Shakin' Brains』
音質も良くないし演奏もヘロヘロな面も気になるが、猛烈なマイナー臭から発散される叙情性に、これぞ北欧サウンドだと言いたくなる。
今の若い人の進めるのは勇気もいるのだが、このいなたさがたまらん。そして様式美万歳と言えるヨナス・ハンソンのギターに咽び泣きます


⑨Da Vinci『Da Vinci』
最近、奇跡の復活を果たした北欧ハードポップバンドのデビュー作。甘酸っぱいひと夏の恋を想起させる胸キュン哀メロナンバーに悶絶。
爽やかな微炭酸ロックも北欧印満載と、多種多様なタイプでおもてなし。しかしZEROコーポレーションが紹介した時は既に実態がなかったのは痛かった。

⑩OZ『Fire In The Brain』
インディ系でありながらもアメリカのCombat Recordsからリリースされただけに我が国のマイナーマニアを狂喜乱舞された一枚。
そのパワフルに駆け抜けるメロディアスサウンドの持つ熱量は当時としてはハンパなかった。
勢いや粗さでけじゃない部分に目を向けているのもポイント。3分前後の曲が大半を占める構成も正解だった。




687. 失恋船長 (2019-12-17 13:40:44)

『思い出の北欧メタル100選その④』

①CANDLEMASS『NIGHTFALL』
ブラックサバスとレインボーの融合を騒がれた
叙情派暗黒系バンドの2枚目
メサイア・マコーリンの加入によりドラマ性がアップされたのも話題になった。
漆黒の美学を追求する男、リーフ・エドリングの名を世に知ら知れまたアルバムとしても知られていますね。

②Skagarack『Hungry For A Game』
北欧のジャーニーと呼ばれたトーベン・シュミット率いるバンドの2枚目。
洗練度も上がりワールドワイドな作風に打って出ているが
北欧的なエッセンスが嫌味なく溶け込み独自性をアピールしている。トーベンの歌も癖がなく万人向けだ。
でもそこが一番の欠点となる個性不足に繋がるのが難点なんですけどね。


③Renegade『Time To Choose』
美しいボーカルハーモニーを武器に繰り広げられるメロディアスサウンド。
CD時代の悪い癖で詰め込み過ぎた為に、中だるみもあるのですが、それでも聴かせてくれるのが今作の肝。
これぞとハマった時の破壊力のインパクトは相当なもんだった。なんだかんだで世話になったなぁ。
北欧系のハードサウンドは瑞々しく潤っているんだよねぇ。そこがたまらなく好きです。

④Yngwie J. Malmsteen『Eclipse』
北欧人脈で固めた渾身の一枚。
ジョー・リン・ターナーがいなくても出来るんだという
インギーのやる気と野心が漲っている。
ヨランの無理目のハイトーンも北欧感を倍増させているぞ。
もっと自由にうたわせてやれよと思わせるのもインギー印だ。


⑤Nightwish『Wishmaster』
新しいタイプのシンガーを据えた事により大きなムーブメントを作り上げた。こういうアイデアもあったのかと驚きましたね。狂おしいまでに劇的なドラマ性を生み出したキーボードと、ロックの可能性を広げた歌唱スタイル。
独自性を強く感じさせる事に成功しました。


⑥Reingold『Universe』
北欧のロックシーンを代表する稀代のメロディメイカー、ヨナス・レインゴールドのソロプロジェクト。
ここで唄うはミスター北欧ヴォイスのヨラン・エドマン。彼のソウルフルな唄い回しもバッチリとハマりシンガーとしても魅力は開眼させている。鍵盤楽器を前面に出しているが、装飾過多にならないのが凄い。重厚なアンサンブルを武器に、明確に聴かせたいものを聴かせているのが最大の聴きどころだ。襟を正して聴きたくなる一枚ですね。

⑦JACKAL『RISE』
リリース時の裏情報などもあり、バンドとしては望まない形のアルバムらしいのだが、イイ意味での粗さが何ともいえない味わいを残し、これはこれで大アリだ。
とにかくハマった時のスケールの大きさは、このバンドのポテンシャルの高さを雄弁に物語っているぞ。


⑧Mikael Erlandson『THE 1』
ゼロコーポレーションからリリースされた歌モノアルバムの名盤。チョイハスキーなミカエルの歌声が泣かせまくりますね。扇情的なメロディにキュンキュンですよ。自分自身の音楽性を幅を広げてくれた一枚でしたね。


⑨Talk Of The Town『Talk Of The Town』
唄うはトーマス・ヴィクストローム。嫌みのない歌声を披露していますが、青さも漂いますかね。
キーボードを前に出しつつもハードエッジさも残したアレンジに北欧の風を感じます。
哀切のある透明感溢れるメロディ、エエっすねぇ。

⑩CLOCKWISE『NOSTALGIA』
フォーチュンで彗星の如くメロディックメタルシーンに登場したベニー・ストベリ。彼が中心となり立ち上げた新たなる北欧メロディックメタルバンドのデビュー作。とにかく扇情的なメロディの数々に胸が締め付けられます。
これぞ北欧サウンド、これぞメロディックメタルのオンパレードに泣かされましたね。
次のアルバムもリリースされるのですが、フォーチン同様やらかした感が強く、消えてしまったのが残念でした。
歴史は繰り返すってトホホだよ。ベニーは良いメロディメイカーでしたよ。




688. 火薬バカ一代 (2019-12-30 02:33:18)

2019年の10枚

1.LUCIFER’S FRIEND『BLACK MOON』
2.OVERKILL『THE WINGS OF WAR』
3.TONY MILES『BEYOND THE LAW』
4.MYRATH『SHEHILI』
5.GRAND MAGUS『WOLF GOD』
6.XENTRIX『BURY THE PAIN』
7.BLACK SWEET『THE LIGHTS』
8.ROB MORATTI『RENAISSANCE』
9.FORTUNE『Ⅱ』
10.HIDDEN『ENBALM』

上位2枚以外は順位なんてあってないようなものです。
そもそも、買ったはいいけどまともに聴けていないアルバムが山ほどあるのに10枚選ぶことになんの意味があるのか…とか思わなくもないのですが。
よいお年を。




689. 失恋船長 (2019-12-30 19:12:50)

『2019年間ベスト』

※順不同

そもそも選べるほど、新譜を聴いていないと言うか定額制サービスの功罪は、購入していないのでリリース時の記憶が全くない。こぼれているものもあるだろうが、パッと思いついたもので選出です。



①THE MAN『Ultimate Formation』
ANTHEMのメンバーを中心とした企画モノバンド。往年の名曲を奇をてらうことなくど真ん中で受け止めたカヴァー集。
とにかく柴田直人のルーツたるメタルバンドを中心とした選曲に燃えるものがある。
是非このメンツで第二弾、第三弾へと向かって欲しい。まだまだやって欲しい曲は山ほどあるぞ。


②人間椅子『新青年』
満を持してのアルバムタイトルからも読み取れるように、脂の乗り切ったバンドによる最新作。You Tubeの影響もあり海外でもチョイとした話題になりつつある。その影響もあるのか、やたらと人間椅子を昔から知っているぜ、俺はずっとファンだったと言う、ラグビーW杯よりもタチの悪い、インチキ臭い奴が増えたのが印象的だ。
それだけ話題性を集めた証拠なんだろうが、チョイと笑える。
今の彼らの充実度、揺ぎ無きバンドコンセプト。それらを完全に体感出来る仕様になっている。

③TANITH『In Another Time』
ラス・ティッピンズを担ぎ出し本格的なサウンドで勝負を掛けている。古くて新しい正統派スタイル。
アメリカ産なのに英国しているのは、このバンドが目指している方向性なんだろう。
実に面白い仕上がりですね。


④RIOT CITY『Burn the Night』
若き野郎どもによる古典メタルの再構築。勢いに満ち溢れた楽曲はどれもが懐かしい空気に溢れている。
これを土台に次なるステージへと駆け抜けて欲しい。パワー、スピード、メロディの三拍子が揃ったサウンドは基本ですよ。


⑤DIAMOND HEAD『The Coffin Train』
伝説のNWOBHMバンド。単なる懐古主義ではない現在の魅力をリアルに伝える事が出来た力作。
枯れる事のない味わい深いセンスと、古き良き時代を想起させる素直な音は新旧にファンに訴求するだけの説得力がある。


⑥JESUS『Le Dernier Slow』
厳密には最新作ではないのだが、幻のデモ音源をデジタルリマスターにより復活。そして新録も含め貴重な音源が世に出たのが何よりも嬉しかった。ようやく日本でも、この手の作品に光を照らされた事が本当に嬉しい。
足立祐二のギタープレイは鮮烈だった。


⑦Fand Me『Angels in Blue』
ダニエル・フローレスとロバート・ラブランクらが中心となり結成されたグループの3枚目。期待を裏切らない売れ線路線全開のメロディアスロックの爽快感たるやね。メロディの大洪水、少々エッジ不足のため、個人的に物足りなさもあったりするのだが、お約束感満載のサウンドはマニアならずとも満足させるだけの、フックのある展開がテンコ盛りだ。


⑧ALICE IN HELL『Thousand People Sword Kill』
バンドメンバーが自らのルーツと向き合った古典ダイハードサウンドが満載。
懐かしさと斬新さを融合させた再構築サウンドの醍醐味を味わえる力作だ。これが日本人の専売特許なのかもしれないね。


⑨DUel『Raging Soldier』
関西の荒くれ暴走ロック集団は死なず。過去のリメイクを含めた内容だけに新譜とは言い難いのだが、NWOBHMに通ずる硬質感とTANK譲りの哀愁路線、とにかく男臭さと哀愁美が目にしみるほど充満している。これぞへヴィメタルの醍醐味だと言えるサウンドが、俺たちはこれしかやりたくないという一途なるメタル愛に胸が焦がれます。


⑩FORTUNE『Ⅱ』
ノスタルジーも満載ですが、それ以上に現役感をアピールしてきた。今後もコンスタントに作品をリリースして欲しい。
想い出の復活劇では、物足りなさすぎるぞ。この手のバンドはそれが多いだけに、期待したいねぇ。




690. 失恋船長 (2020-01-14 21:21:11)

『思い出の北欧メタル100選その⑤』


①Thomas Vikstrom『if i could fly』
海に浮かぶ石の塊に上半身裸の男がギターを片手に腰を下ろしている、インスタ映えしないジャケが大損しているな。
1993年リリースのどんなジャンルを歌いこなす稀代の名シンガーなのにイマイチ認知されない
トーマス・ヴィクストロームのソロアルバム。歌がメインのサウンドだが、その嫌味のない洗練された哀メロの数々に
胸がキュンキュンと締め付けられるでしょう。時代が時代なら一発ヒット曲も出そうなクオリティだった。

②Da Vinci『Back In Business』
国内盤はZEROコーポレーションよりリリース。その時は既に実態はないバンドだったんですけどね。
弾けるポップセンスと甘く切ないメロディが嫌味なく飛び込んできます。
一時期は本当にお世話になったレーベルであり、ジャンルだったなぁ。



③Tone Norum『THIS TIME...』
ジョン・ノーラムの妹という後光がデビューの後押しとなったのは間違いないだろうが、彼女も威光に頼らずに頑張っている。
オープニングナンバーでは我らがインギーも客演と前作以上に気合が入っています。
デュエットナンバーにカヴァーもあり楽曲もバラエティに富んでおり、北欧ハードポップマニアなら十分い楽しめますよ。
今での年2,3回は通して聴いていますね。


④Tindrum『Drums Of War』
元TNTのドラマーだったディーゼル・ダウルが結成したバンドの1st。綺麗な女性シンガーも超音波ヴォイスが少々ウザ目だが、存在感が際立っているので許せる。爽快感たっぷりの微炭酸サウンドにピッタリのビジュアルかもしれない。
浮かれたメンバーショットなど見ると時代を感じるが、このサウンドは大好物だ。
アルバム自体は本国で成功を収めるも、女性シンガーが結婚を機に引退とかぬかした為に、バンドは元TNTのD.Dダイナマイトに協力を仰ぐも、あまりの悪声にこちらはビックリした。いろんな意味で1stがピークだよ。でも2枚目のアルバムのええぞ。


⑤Yngwie J. Malmsteen『Alchemy』
今となっては、この辺りがアルバムを通して楽しめる作風だろう。マーク・ボールズの良さを生かしていない、俺様感もマニアには逆に頼もしく映るが、個人的には頼むぜインギーと言いたくなる。それでも首根っこを掴んで文句を言わせない力が漲っているのは確かだった。そういう意味で思い入れがある。

⑥King Diamond『Abigail』
日本ではフォロワーを多く生み出したとは言い難いが、欧州においてキング・ダイアモンドの名を不動にしたアルバム。
彼の奇怪なファルセットヴォイスと、暗黒面をフィーチャーした様式美サウンドは唯一無二の個性をむき出しにド迫力で飲み込んでくる。怖いのに美しい、その理性を蹂躙する背徳感に弄ばれるようです。今聞いてもBGMになりえない毒気を放っている。


⑦Europe『EUROPE』
北欧メタルを日本に広く知らしめたバンド。ある意味、イメージを植え付けすぎたと個人的には思っている。
数曲、飛びぬけた曲がある為にインパクト大だが、割と雑な作りの曲も多かったりと若さに溢れている。
その青臭さは、ジョーイ・テンペストの歌声に代表されるのだが、それでも後のヒットがフロッグだとは思わない実力を感じる
2枚目のアルバムが一番好きだが、初めて聴いたインパクトではこちらに譲る。スラッシュ小僧も楽しめましたんでね。

⑧Torben Schmidt『A BIT ON THE SIDE』
SKAGARACKのシンガー、トーベン・シュミットのソロアルバム。アメリカンな要素もあるのだが、メロディセンスは北欧ならではのフックに富んだものばかり、彼の曲作りの上手さも手伝い絶妙な匙加減を加えている。
北欧ものは、ヒンヤリと冷たく甘口だと敬遠している方でも楽しめる、泥臭さもあったりしてエエ塩梅でしょうね。
今年は久しぶりのソロを出すトーベンさん。期待していますよ。

⑨TAROT『TO LIVE FOREVER』
専任キーボードを加入させ、音楽性を広げてきた彼らの出世作。3枚目は勝負のアルバムと個人的に思っているが、彼らは勝負に勝った。サバスティカルな暗黒面を北欧風様式美でまとめ上げたメロディックメタルの屈強な響き。
そのヘヴィな音圧をヒンヤリとした空間美で仕上げたのは秀逸なアイデアだったといえよう。個性が高まってきたのも見逃せませんね。


⑩FATE『A MATTER OF ATTITUDE』
キング・ダイアモンドと袖を分けたハンク・シャーマン。彼が目指したのはメジャーシーンのど真ん中を駆け抜けるようなハードポップサウンドだった。最初聴いたときは、こんなんありかよぉと思いましたが、このメジャーな感覚は凄い。
北欧らしい煌びやかさ、嫌味なく弾けるポップセンス、ツボを押さえた演奏力、全てが一級品です。




691. 失恋船長 (2020-01-27 21:13:37)

『思い出の北欧メタル100選その⑥』


①Yngwie J. Malmsteen『Rising Force』
彗星の如くシーンに現れた稀代のギタリスト。ソロとしての始動第一弾。
とにかく自らのスタイルを濃密に打ち出している。
バンドとしてバランス感覚はどうなのかと思う面はあるのだが、
そんな事はお構いなしの俺様ぶりに飲み込まれる。
一つのジャンルを生み出したオリジネーターの覚醒を見届けられたのは大きな出来事だった。

②Bad Habit『After Hours』
キラキラとしたキーボード。躍動するハードなリズム。エッジの効かせたギター。
いろんな意味でTHE北欧ハードポップサウンドの極みでした。
甘く切ないメロディと哀愁、そしてメジャー感全開の大衆性が嫌味なく共存している。


③ABSTRAKT ALGEBRA『ABSTRAKT ALGEBRA 』
キャンドルマス解散後にレイフ・エドリングが立ち上げたバンド。
暗黒面をフィーチャーしつつも。ヒンヤリとしたメロディが耳を惹く更生。
そしてガッツィーな歌声と、面白い組み合わせが功を奏してオリジナルティの高いサウンドが仕上がった。
しかし短命に終わったために認知度が上がらなかったのが残念。
キャンドルマスよりもテンポアップした印象も強かっただけに、ドゥーム系以外のファンにも受け入れられたはずである。

④Glory Bells『Century Rendezvous』
NWOBHMの影響もにじみ出ているしJP仕込みの鋼鉄スタイルを研磨している。
親父声もなんのその、火花散る熱を帯びたメタルサウンドと迸る疾走ビートにグイグイと引っ張られるでしょう。
イモ臭いは最大の誉め言葉ですよ。


⑤JONAH QUIZZ 『ANTHOLOGY 1980-1982 』
NWOBHMの影響を受けまくった北欧産スピードメタルバンド
正式な音源を残すことなく消えてしまったのだが
湿り気ったぷりの叙情派サウンドと攻撃性が見事に合致
歌詞がスウェーデン語の為にマニアック度は強い目
そこがまたグッとくるポイントですけどね
泣かせの叙情派ナンバーがビシャンビシャンに濡れまくっています



⑥Snake Charmer『Backyard Boogaloo』
1998年リリースの2枚目
時代に抗うかのような叙情味溢れる北欧サウンドが満載
甘さとメジャー感も満載のポップフィーリングに悶絶
古さを排除したモダンなアプローチも成功しています
パー・スタディンの曲作りの上手さがポイント
ヨラン・エドマンの歌も堂に入ったもの
ドラムとキーボードはヨハンソン兄弟が参加
ギターは実力派のベニー・ヤンソン

⑦STREET TALK『Collaboration』
北欧のジャーニーと呼ばれたバンド
国内盤はAVEXのベアナックルからです
瑞々しいメロディと躍動感
ハードでポップなサウンドは本格的な様相
その筋のマニアなら大満足の一枚でしょうね
ヨラン・エドマンも気持ちよさそうに歌っています


⑧USER『User of a common name』
男女混合の4人組によるハードポップバンド
とにかく元気で明るくなれるポジティブが空気が満載
そこにフック満載の哀愁系のメロディが
チョコチョコと琴線に触れるのだからたまりませんよ


⑨RANGER『KNIGHTS OF DARKNESS 』
フィンランドの若き正統派ヘヴィメタル野郎ども。
昨今のメタルバンドとは一線を画すオールドスクールに根差した本気のサウンドを披露
売れる売れないの商業主義とは違うピュアな精神性が音に宿っている
とにかくスピード狂のメタルマニアなら手に取るべきであろう
フルアルバムもいいが、初めて聴いたEPのインパクトは忘れがたいものである


⑩Solitaire 『Rising to the Challenge』
フィンランドのスピードメタルバンドの1st。90年代から活動していたが
ようやく2002年にアルバムをリリースできた。
この時代には珍しいスピード重視のメタルサウンドに驚嘆、
しかも北欧的なニュアンスを感じさせない無機質な音色から弾き出される無頼漢に
これまた驚かされた。




692. 失恋船長 (2020-02-03 13:15:56)

『思い出の北欧メタル100選その⑦』前半


①F.K.U. 『Metal Moshing Mad』
スウェーデン産のスラッシュメタル。オリジナルは1999年リリースだが
2007年に再発されたアルバムのジャケットが面白い。
ホラー映画の主要キャラクターが勢揃いに笑えた。
そのコンセプトを生かした曲を作っているらしいが、血生臭いサウンドではない
北欧というよりはベイエリアと言えるクランチーさが気持ちよい。
こういう音を2000年を目前にして出していたバンドがあったことが嬉しいよね。


②Blind Orphans『Blind Leading The Blind』
北欧産のプログレ叙情派ハードサウンドを奏でる幻のバンド
泣かせのメロディとロマン溢れる場面展開
胸を締め付ける美旋律と甘口ばかりじゃないでハードさも完備しているのが凄い
良く歌うギターとクラシカルなアレンジも絶妙に絡み合い
至高のメロディックサウンドを奏でている

③SPEEDTRAP『Powerdose』
フィンランド産の暴走スピードHM/HRバンドの1st
基本は前掛かり気味のスピードメタルなのだが
リフ・ソロ・リズムと工夫を凝らしており
視聴感の満足度は相当に高い

④RIFF RAFF 『ROBOT STUD』
NWOBHMの影響も大なフィンランドのバンド
どこかいなたいラフなロックサウンドと哀愁美が程よくマッチ
荒さの中にある儚さに惹かれますね
塩っ辛いおっさん声も懐かしいわ


⑤SIX FEET UNDER『SIX FEET UNDER』
スウェーデンのディープパープルなどと呼ばれたバンド
あそこまで本格的ともいえないが
バラエティの豊かな楽曲の多さはいい意味での守備範囲の広さを感じさせ
単なるマイナーバンドでは終わらない可能性を秘めていたと思います
このバンドに出会ったことで北欧のアングラシーンを探求しようと思いました
そういう意味ではもっとも罪深いバンドです




693. 失恋船長 (2020-02-03 18:14:53)

『思い出の北欧メタル100選その⑦』後半


⑥AXEWITCH 『The Lord Of Flies』
NWOBHM仕込みの強直サウンドが売りのスウェーデンのバンド
とにかく懐かしい空気が満載だ。
売れる音ではないが、この不愛想な空気がたまらなく好きですね


⑦Baltimoore『There's No Danger On The Roof』
名曲My Blue Moonが収録されている北欧ハードポップバンドの1st。
フックに富んだロマン溢れる哀愁のメロディの数々、メロディ派ならマストな一枚と言えるでしょう
ギターも自己主張を怠っていないのがハードサウンドファンにとってはありがたい


⑧Spellbound『Rockin Reckless』
ラフでワイルドさも加味させた北欧スタイルは実に垢抜けていた。
耳なじみの良さと適度なハードエッジ、メジャー感も程々に小慣れてた印象が強い。
絶妙なところを突いたサウンドだった。

⑨GEISHA 『Phantasmagoria』
1987年にリリースされた、おそらく1st。
出オチ感満載のバンド名にジャケットを前に購買意欲を削がれるのだが、
意外としっかりとしたハードサウンドを披露している。
適度にハードでアメリカンなマイルドさ、もっとクサレを期待していただけに
期待を裏切られた感はあるのだが(笑)
裏ジャケに映るメンバーを見て、表ジャケの絵に描かれている真ん中の奴が
実写でいたことに笑ってしまった。
それを確認するためだけでも手に取って欲しい。


⑩Keen Hue『Ogre King』
エボニー傘下Criminal Response Recordsからリリースされた1st
北欧産の色気のないマイナーバンド。
しかし、その力強さと北欧らしい冷気を帯びたメロディ大好きですねぇ。
このイモ臭さに鼻腔も擽られますなぁ。
クラウス・マイネを意識した歌声、時折ハモるツインリード、ギラリと光る瞬間にグッときますよ。
今作のリリースは1985年。二枚目を1993年にリリース、国内盤も出た実績あり、音楽性も洗練されたものに変更。
適切な成長と呼べる代物なんだが、個人的には、このマイナー臭とあやしい演奏の今作が好きだ。
そして2019年にAOR HEAVENから復活作をリリースするとは夢にも思わなんだ。




694. 失恋船長 (2020-02-25 15:47:43)

『思い出の北欧メタル100選その⑧』前半

①CRASHDIET『The Unattractive Revolution 』
蘇れ80年代型のグラムロックという音楽性を引っ提げ話題を呼んだ。
個性は薄めなれど、安物の拝借バンドではないのでノスタルジー以外に目を向けて楽しめる。
今のテクノロジーで蘇った王道スタイル。良いものは廃れることなく残ることを証明した。


②LYNX 『Caught in the Trap』
紫色の血が騒ぎだす北欧メタルサウンドにグッと惹き寄せられます。イモ臭さも最大の誉め言葉。
NWOBHMからの影響も取り込み攻撃性を失っていないのも魅力。甘さに逃げないメロディも印象的。
どっしりと構えたミドルナンバーなどDIO風味もあるぞ。

③M.ill.ion 『No 1.』
甘く切ない北欧サウンドを堪能できるデビュー作。その胸を締め付ける刹那なメロディにマニアなら悶絶でしょう。
リリース時が1992年ですからね、多少は時代背景も盛り込んではいるが、基本となる路線は北欧ハードポップマニアが喜ぶ奴ですよ。フック満載の哀メロナンバーの数々に心が洗われますよ。


④Mindless Sinner 『Turn On the Power』
NWOBHMの洗礼も受けたスウェーデンのスピードメタル系バンドのデビュー作。2020年に新作を出していて驚いた。
どこか涼やかなメロディに北欧風味を感じるが、力強いヘヴィサウンドが全てをねじ伏せます。完成度云々やレコーディング環境の厳しさなど、ものともしない若さ溢れるプレイに惹き寄せられます。上手い下手でジャッジしてはいけないインパクトがある。でも最大のインパクトは、ガスマスク姿の女性が映り込むジャケだろう。どんなコンセプトで、あの構図になったのが興味が尽きない。


⑤Glory『2 Forgive is 2 Forget』
前作からメジャー感を推し進めブルージー要素も加味。それでも本質的な北欧メロデックスタイルに変わりはなく、ギタリストもテクニカルかつトリッキーなフレーズで魅了。よりワールドワイド志向に進んだ。
こうなると歌い手のパフォーマンスに不満も出るのだが、そこは指向の問題でしょうかね。全編名曲とは言わないが、表題曲のバランス感覚の良さや、ポップフィーリング満載のLove Never Lastsなど北欧ならではの旨味を感じずにはいられない。なんだかんだ言いながら、今でも年に数回手を出す癒しのハードサウンドです。




695. 失恋船長 (2020-03-02 13:11:52)

『思い出の北欧メタル100選その⑧』後半


⑥Silver Mountain『Universe』
哀愁を帯びたクラシカルメロディ、これぞ北欧スタイルと呼びたくなる局地的な音楽性に悶絶。
まさにフーガロックとはこういうバンドを指すのだろう。ヨナスのギターが華麗に舞い踊り蜂のように刺す。彼の存在なくして語れない。1stも良いが音質も含め完成度はこちらに軍配。頭2曲が放つインパクトに今だに衝撃を受けますよ。


⑦Treat 『Dreamhunter』
ワールドワイドな成功を獲得するべく試行錯誤した力作。アメリカンな要素も増えているが、これぞ北欧な凍てつくメロディも健在。ポジティブな空気に包まれた甘く切ない叙情派ハードポップサウンドの完成度は勝負の3枚目だけにスキはない。


③Wizz 『Crazy Games』
空間を切り裂くギターとキーボードのバトルも好戦的な高揚感を演出。攻撃的なナンバーもあるが、押し引きを得たバランス感覚も北欧ならではの味わいか、アルバム一枚で消えた為に知名度は低いのだが、個性薄めのシンガーがいようとも、紫色の虹が架かるパワフルサウンドにグッと惹き寄せられます。島国感情を擽る日本人好みの音を出していますよ。


④Torch 『Torch』
北欧の裏街道を走るNWOBHMの影響も大なパワフルサウンドを披露。しかしこの冷ややかな感触は北欧と言えるだろう。
まだ北欧ブランドが確立する前のスタイル故にムンムンとした男臭さが漂っている。攻撃的な楽曲とデッキンソンを意識した歌いまわしも、調子ぱずれになりがちだが、ガチっとハマった瞬間のパワーは本物。今なお愛すべき初期北欧メタルシーンの礎を支えていると言えよう。96年にKINGレコードから国内盤が出たときは驚きましたね。


⑤MOTHERLODE 『The Sanctuary』
伸びやかなハイトーンと北欧らしいクリアーなメロディが印象的。ノリの良いロックナンバーやバラードも盛り込みバラエティに富んでいる。それらを糖度も高めな北欧風味でまとめ上げたのがマニアの心を擽ります。




696. 失恋船長 (2020-03-10 14:28:29)

『思い出の北欧メタル100選その⑨』前半

①BEWARP『In Your Face』
ディック・ビワープ率いる北欧産グラムロックバンドの2枚目。今作で歌うのはMr.北欧ヴォイスでお馴染みのピート・サンドべり。軽快でど派手なノリノリのゴージャスロックは瑞々しく光り輝いています。これぞ北欧なメロディとVIVAアメリカンロックなハイブリットサウンドに懐かしさしかありませんが、今の若い人には逆に新鮮に聴こえるかもしれません。リリース時は1994年頃だったと思うので時代遅れ感は半端ないが、国内盤もリリースされていたので、この手の音楽を聴きたいマニアにはありがたいサウンドでしたね。それにしてもギターが派手派手に弾きまくっているなぁ。

②MIDNIGHT SUN 『Another World』
ピート・サンドべりがリードヴォーカルを務める北欧HM/HRバンドの1st。2枚目以降はネオクラスタイルに方向性を絞るが、今作はピートがメタリックな歌唱スタイルで挑む疾走ナンバーもあれば、お得意の甘いトーンを生かしたメロウな楽曲にシリアスなミドルナンバーなど、ピートの多彩な歌声を堪能できるバラエティに富んだ内容になっている。若干方向性に取っ散らかっている感も無きにしも非ずだが、CDに同封のノリで送ったTシャツプレゼンのハガキが見事、当選したので思い出が深い。ああいうの本当に当たるんだと実感した。なんせそういうの初めて送って当選したのでね。


③Lullacry 『BE MY GOD』
ゴシック調の甘美なメロディとヒリリとさせる焦燥感、このバンドならではのハード&ロマンティックなサウンドに魅了されました。女性シンガーのありかたも正解。幅広い層に受け入れられそうなハードテイストに唸ります。潤いを含みつつもザラついた感触にロックを感じますね。

④SINERGY 『Beware the Heavens』
アレキシ・ライホのサイドプロジェクト。シンガーを務めるのがアレキシの彼女である、キンバリー・ゴス。彼女のソフトな歌声を生かしたメロディアスハードサウンドは絶妙な硬質感で迫っており、メロディアスだがメタリックというバランス感覚に唸らされる。そしてアレキシの女性選びのセンスに唸らされた。おい嘘だろと、彼女を二度見三度見したマニアは多数いただろう。個人的にはメロデスのアレキシよりも、こちらを支持したいね。


⑤TAROT『Suffer Our Pleasures』
2003年リリースのアルバム。時代にアジャストしつつも北欧暗黒様式美サウンドは健在。個性を磨き自らのサウンドを誇示する雄々しい姿に、このバンドの生き様を見せられました。マルコ・ヒタエラには、こちらの活動にも力を入れて欲しいね。




697. 失恋船長 (2020-04-24 15:30:51)

『思い出の北欧メタル100選その⑨』前半

①Sarcofagus ‎『Cycle Of Life』
フィンランドのメタルシーンを語る上では外せないバンドのデビュー作。垢抜けないマイナーサウンドはNWOBHMからの影響も強め。EOROPEが北欧メタルの元祖などど、嘘をつく輩が多いので、こういうバンドが初期の頃にいたんだという事を若い人にこそ知ってもらいたい。
どこか北欧トラッドからの影響も持ち込み、独自性を高めているのも面白い。型にはまっていない分、独自性も高い。
甘口なメロディもクラシカルテイストも感じないリアル北欧HM/HRの歴史を知る上では重要なバンドです。

②Tyranex 『Death Roll』
吠えまくる女性シンガーのアジテーションヴォイス。でも女であることを隠せない可愛らしさも魅力。見た目は怖いけど。
緩急を司るリズムプレイも大胆にて緻密、そのダイナミックなプレイは耳を惹きますね。
何気にリードギターもバカみたいなスピード狂に陥ることなくメロディアスなフレーズも突っ込んでくるのが素晴らしい。スピード命の音楽性なのにスピード一辺倒に陥らないアイデアの勝ちでしょう。

③CRY OF DAWN 『CRY OF DAWN』
Mr.北欧ヴォイスでお馴染みのヨラン・エドマンのソロプロジェクトチーム。何を聴かせたいかも明確にしたサウンドは強い。
ヨランのエモーショナルな歌声に力点を置き多様な楽曲を用意することでターゲットを絞り込んでいる。甘いメロディもシリアスな楽曲も難なく歌いこなすヨランの歌声は、聴き込むほどに深みを感じさせる。北欧メロディアスロック、AOR風味満載の楽曲とヨランとの相性に疑いなどない。

④John Norum 『Face The Truth』
シンガーにグレン・ヒューズを迎えリリースされた2枚目のソロ。ゲスト、あのジョーイ・テンペストも参加して話題になりました。ジョーイが歌う広がりのあるポップソングはらしさ全開で良かった。ジョンの自分のルーツたるギターを弾き倒し魅力を遺憾なっく発揮。それはグレンとの共演によるところが大きい。完全復活を予感させたグレンのパフォーマンスも上々。特にタイトルトラックで聴ける火を噴くような熱きハードサウンドを歌うグレンは鮮烈な印象を残した。この二人の可能性を感じさせるも、まだまだパーソナルな問題を克服できないグレンのせいで、この組み合わせは早くも瓦解したのが残念。
是非とも、また共演して頂きたい組み合わせですね。ジョンも時代の波に飲まれイマイチ、ソロで成功できなかった。
今作を聴くと色んな当時の事を思い出しますね。そういう意味では忘れられない一枚です。


⑤Crystal Knight 『Crystal Knight 』
アルバム一枚で消えた為に認知度は恐ろしく低いが、憂いのある哀愁のメロディと、NWOBHMの影響も大な攻撃的サウンドを楽しめるレアアイテム。マイナーメタルマニア以外にも聴いてもらいたい味わい深い一枚です。




698. 失恋船長 (2020-04-24 16:17:32)

『麗しの女性メタルその①』

①早川めぐみ『SECRET POLICE 秘密警察』
女性メタルと言って真っ先に思い出すのは彼女。麗しのアメリカンポリスジャケに釘付けでした。ようこんなもんデビューさせたなという理性と、彼女のルックスに対する思いに心をかき乱されました。色んなポンコツメタルを聴き抗体が出来上がりまくった今では、余裕で聴けるが初めて聴いた時は、殺意すら覚えましたね。こんな歌を収録するからメタルは馬鹿にされるんだとね。くだらない偏見と、余計な予備知識を捨て去り楽しむのが一番。バックの演奏もそつがないし、楽曲も充実しまくっている。横須賀17エレジーはそらで歌えるぞ(笑)

②Bitch『A Rose By Any Other Name』
国内盤もリリースされた新曲を含む6曲入りのベスト盤EP。彼女のお披露目的な意味合いもあったんだろう。
合致溢れるヘヴィメタルと、彼女のパワフルな歌声の相性も抜群。無理目の厳つい衣装&ルックスに苦笑いもでるが、このバンドには結構世話になりましたね。思春期の思い出深い一枚。皆に隠れこっそりと聴いていたことを思い出す。
これを入り口にフルアルバムを聴いたが、少々画一的な歌い回しに辟易する場面もあったりと、実はこのサイズが丁度よかったりする。


③本城未沙子『魔女伝説 MESSIAH'S BLESSING 』
高崎晃プロデュース&ラウドネスのメンバーが完全バックアップの一枚。主役たる彼女の歌声はイマサンだが、名曲をラウドネスのメンバーがカヴァーする姿に大興奮。当時の彼らは頭二つは抜きんでていた。国内レベルでは語れない孤高の存在ですよ。
その雄姿をたっぷり楽しめる。


④FAST DRAW『Damia』
北海道を代表するメタルバンドのデモ。ここで歌いは稀代のメロディメイカー。久保田陽子さん。彼女の瑞々しい歌声と、スラッシーな攻撃的メタルソングとの相性も抜群。このあとプロビデンスからSABER TIGERへと流れるのだが、ここで聴ける久保田さんも大好きだ。この音源、キチンとした形で世に出して欲しい。国内メタルシーンを語る上では非常に意義のある、そして個性とクオリティを兼ね備えた名盤だからです。音質は良くないがバックを固める演者のプレイが熱い燃え滾っている。純度の濃さにヘヴィメタル魂がメラメラと火が付きますよ。

⑤ダンプ松本『極悪』
第二期女子プロブームを牽引した稀代の悪役レスラー、ダンプ松本のソロアルバム。彼女の壊滅的な歌声に、チョークスリーパーを喰らった気分だ。坂本龍一先生の寄稿したバラード、タケカワユキヒデのポップロック、44マグナムのメンバーが演奏&アレンジしたロックナンバーなどバラエティに富んでいるが、本気で聴くことを許さない反則技満載の迷盤中の名盤と断言したい。素顔は優しい女性だったと言われる彼女の人生。諸行無常ですなぁ。
メタルファンならDump the Heel で拳を突き上げろです。




699. 失恋船長 (2020-04-27 20:13:42)

『麗しの女性メタルその②』

①喜屋武マリーwith MEDUSA 『BURNING BLOOD』
沖縄を代表するロックシンガー喜屋武マリー、確かSHOW-YAのメンバーと一緒に北朝鮮でライブも行ったことがるハズである。米兵相手のクラブで鍛え抜かれた彼女の歌声は衰え知らず、バックのメンバーも彼女を盛り立てるように堅実なプレイで魅了。メジャー流通の為に、どうしてもバラードタイプの曲が多く収録されたり、低音に迫力のないミックス&高音を切る音作りには残念感を味わうが、ないものねだりのI WANT YOUでは仕方がないので、これはこれで大いに楽しみます。手枷足枷をはめてもダイナミックな演奏が伝わりますよ。ジャニス・ジョプリンのカヴァーもハマっています。

②Hysterica『Metalwar』
スウェーデン産の女戦士によるガチンコメタル。少々やり過ぎ感に苦笑いも出るが、男女平等が根ずく北欧ならではの硬派スタイルとも言えるかも知れません。パワフルでメロディアス、大衆性のある音楽性は清々しいほとメタル愛に溢れている。キャラのたった彼女たちに、悪役レスラー全員集合な空気も漂うが、それは彼女たちのアンセムともいうべきGirls Made of Heavy Metalからも溢れているぞ。女を売らないバンドってのはカッコいい。


③DORO『Forever Warriors, Forever United』
ヘヴィメタル界の女帝と呼んでも差し支えのない我らがドロ姐さん。2018年リリースの今作も剛直なメタル路線を貫いている。
愚直なまでに繰り広げられるメタル一代絵巻、多様性のあるサウンドも、彼女の不器用だがこれしかできない円熟味のハスキーヴォイスにグッと惹き寄せられます。特にオープニングのAll for Metalも聴き胸が熱くなりましたね。新たなるアンセムを引っ提げシーンを駆け抜ける、彼女の雄姿に敬礼あるのみ。


④Volfeed『Majesty』
関西様式美サウンドを継承するバンドの4曲入りEP。地に足の着いた山本朋子のパワフルな歌声は女性らしい優美さもあり、バンドサウンドを牽引。この声がなければ、ここまで滑らかで情緒のあるサウンドにならなかっただろう。リーダー古井善次の存在も大きい。95年という正統派メタル氷河期の時代に健闘していたバンドだった。


⑤Lady Beast『Lady Beast II』
US産のトラディショナルサウンドを継承するガチンコメタルバンドの1st。とにかく非の打ち所がない真っ当なスタイルを披露。これが2015年産なのかと、驚くのだが現代のテクノロジーとあるべき姿を両立させた古典メタルに嘘偽りはございません。
先人たちの影響も包み隠さずに展開する姿も逆に好感が持てますね。




700. 失恋船長 (2020-05-05 16:23:33)

『麗しの女性メタルその③』

①杉本誘里 - 『DYNAMYTE』
一色ゆかりという名でアイドル活動をしていた彼女が、本格派のロックシンガーへと転向。名前も変えリスタートしたのがコチラ。歌がなまじ上手かったために、ここでのパフォーマンスは上々なのだが、無理目に声を潰して歌わされているものもあり、もう少し慎重にと言いたくなる部分がある。しかし80年代当時を考えると、女性ロッカーをプロデュースする術がなかったと言えるだろう。ある意味、アイドル的な側面というのはあるし、どこか出オチ感のある色物的な要素もあった。
メタルに対する偏見も少なからず影響している。それだけに、本格的な楽曲の彼女の努力が報われていないのが残念だが、今聞いても十分に通用する音楽性を保持している。今やJ-ROCK界の大御所、松本孝弘の野心に満ち溢れたフラッシーなギターが堪能できる貴重なアルバムでもある。

②CURVED AIR 『live』
トラッド・フォーク路線の英国産プログレバンドのライブアルバム。ライブならではの荒々しい臨場感と代表曲が網羅されたベスト的な意味合いもあるライブ盤。その中でもソーニャ・クリスティーナのぶっ飛んだ歌い回しに驚く。スタジオとは違う、とにかく威嚇するような激しいパフォーマンスで魅了。これぞライブだよなぁと言いたい。歌いなおしたら、あのテイク使わんでしょ。70年代のバンドは名実ともに力が備わっているね。バックを固めるメンバーもえげつないぞ。

③橋本ミユキ 『one night angel』
44マグナムのバックアップを受けデビューを果たす。浜田麻里や本城未沙子、早川めぐみ等々の女性メタルアイドル的な売り出し方が乱発している中でのデビューだけに少々、食傷気味でした。
ポップでキャッチーなハードサウンドはカラフルな色彩美を放ち、多様性を網羅。その反面、コアなファンからは、敬遠されるアイドル歌謡路線。中途半端な印象は拭えないが、今となっては、こんなんもありましたとマニアにコッソリと教えたい一品。ポールの歌声が似合いそうなポップロックも多くあり、アレンジもハードな方に舵を切れば、44マグナムとして通用する佳曲もあり。のちに橋本ミユキ嬢は広瀬とTOPAZを結成、ビーイングよろしくなハードなギターとデジタルビートサウンドで再デビューを果たします。

④JURASSIC JADE - 『Gore』
今だ現役の古参スラッシャーによる1stフルアルバム。とにかく刺激的な歌詞が心にグサリと突き刺さる。そのささくれたった音楽性と唯一無二の個性は放つHIZUMIの存在感により、独自性をアピールすることに成功。今作を機に、このバンドの孤高性は高まった。国産スラッシュシーンを支えたマスターピースである。

⑤DeTENTE - 『Recognize No Authority』
女性ヴォーカルを擁するUS産スピードメタルバンドの1st。ヒステリックなシャウトに導かれるは、光沢のある艶めかしいコンクリートスタイルのスピードメタル。欧州的な湿り気のあるエッセンスも加わることで独自性をアピール。ドーン・クロスビーも喚きたてるだけではない唄があり、そこに妙な色気も漂っていたりと個性を表しづらいスタイルの中で異彩を放っている。NUメタル界では有名なプロデューサーとして成功するロス・ロビンソンがギターで参加。




701. 失恋船長 (2020-05-18 13:39:44)

『麗しの女性メタルその④』

①ACID KING - 『III』
US産のスラッジ/ストーナーロックバンドの文字通り3枚目。ユラユラと揺らめく靄のかかった音像。その奥底で奏でられる、ぼんやりとしたリフ。深層心理に切れ込んでくるノイズは、時に驚くほどの爆発力を秘めている。紅一点、ロりS嬢の浮遊感のある歌も、このバンドの特異な神秘性に拍車を掛けていた。2005年リリースですが、当時の厳しい状況をものともしない一貫した姿勢に頭が下がりますね。間違いなくUS産ドゥームを支えたバンドのですから。

②Aldious 『Evoke 2010-2020』
ヴォーカルが変われば、ここまで印象も変わるという事で全てが好転しているバンドの代表例でしょう。いまだ現地の人が撮ったNUMMショーの映像を見るのですが、本当に唄がよくなったなぁ。余談だが、サポートのギタリストの女性も画になるし良かった。バンドのコンセプトにある女性でしたね。今後のメンバーによる結婚&出産なども考えると、このままトリプルギターで行けばなんて思いましたよ。
今後彼女たちが戦うのは、女性に対する時代錯誤も甚だしい偏見。残念ながら、こういう人は少なからず存在します。個人的には99%プレイヤーではない人達ですから、どうにもならないのですが、一番困るのは実はリスナーでもありません。音で判断するのではなく性別で良し悪しが決まっているのです、女は生む機械か、恐ろしいです。頑張れ女性メタルバンド。日本にいるオジサンを相手にするよりも世界に目を向けるべきでしょう。偏見ないっすよ。

③Sentinel Beast 『Depths Of Death』
ヒリついたやさぐれ感が何とも言えない魅力を発散するデビー・ガンの歌声、イマイチ楽曲に乗っているとは思えないのだが、スピード狂のメタルマニアならばニヤニヤさせられっぱなしでしょうね。とにかく、ここスケ番チョリースヴォイスがたまらんのだ。そこに切れ込んでくる二本のギターの鋭い切れ味。ゴチャゴチャのミックスのせいで伝わりずらいリズムプレイも、ド迫力と、このバンドの高いミュージシャンとしてのアビリティに興味も湧きます。メイデンの名曲Phantom of the operaをやり切れるバンドですからね。でもこの風呂場で録音したような音はいただけんよ。

④CARRIE 『Secrets』
元MAD MAXのメンバーなどが中心となり結成されたジャーマンHM/HRバンドの1st。ここで唄うは紅一点のアンレン・ミドルドルフ。ジャーマン成分固めも正統派サウンドに真っ向から挑む彼女のパフォーマンスは、やや堅苦しい面はあれど重責を全う。
期待に答えていますよ。単にバンド自体がおもろないから売れなかっただけなのかもしれないが、アルバム一枚で消えた為に詳細は不明。音だけ聴けば欧州的なメロディに気を配した実に真っ当なメタル。確実に需要のあるやつです。プロデュースにラルフ・ヒューベルトの名前も発見。今作のリリースが1986年だから、若いころからサポートしてたんですね。

⑤Valkyrie - 『Valkyrie Rising』
我が国日本から登場した全員女性によるスラッシャーアマゾネス。子育ても落ち着き、再度動き出したのかなぁ?なんて勝手な邪推を膨らませているが、ここで叩きつけるは100%ピュアスラッシュ。懐かしきあの音である。今の時代に、それだけで十分です。たまらん奴でした。生粋の日本人であるアタクシでも、奥さん、アンダルシアな血が湧き出すぜ!!



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