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今週のアルバム10選
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今週のアルバム10選
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690. 失恋船長 (2020-01-14 21:21:11)

『思い出の北欧メタル100選その⑤』


①Thomas Vikstrom『if i could fly』
海に浮かぶ石の塊に上半身裸の男がギターを片手に腰を下ろしている、インスタ映えしないジャケが大損しているな。
1993年リリースのどんなジャンルを歌いこなす稀代の名シンガーなのにイマイチ認知されない
トーマス・ヴィクストロームのソロアルバム。歌がメインのサウンドだが、その嫌味のない洗練された哀メロの数々に
胸がキュンキュンと締め付けられるでしょう。時代が時代なら一発ヒット曲も出そうなクオリティだった。

②Da Vinci『Back In Business』
国内盤はZEROコーポレーションよりリリース。その時は既に実態はないバンドだったんですけどね。
弾けるポップセンスと甘く切ないメロディが嫌味なく飛び込んできます。
一時期は本当にお世話になったレーベルであり、ジャンルだったなぁ。



③Tone Norum『THIS TIME...』
ジョン・ノーラムの妹という後光がデビューの後押しとなったのは間違いないだろうが、彼女も威光に頼らずに頑張っている。
オープニングナンバーでは我らがインギーも客演と前作以上に気合が入っています。
デュエットナンバーにカヴァーもあり楽曲もバラエティに富んでおり、北欧ハードポップマニアなら十分い楽しめますよ。
今での年2,3回は通して聴いていますね。


④Tindrum『Drums Of War』
元TNTのドラマーだったディーゼル・ダウルが結成したバンドの1st。綺麗な女性シンガーも超音波ヴォイスが少々ウザ目だが、存在感が際立っているので許せる。爽快感たっぷりの微炭酸サウンドにピッタリのビジュアルかもしれない。
浮かれたメンバーショットなど見ると時代を感じるが、このサウンドは大好物だ。
アルバム自体は本国で成功を収めるも、女性シンガーが結婚を機に引退とかぬかした為に、バンドは元TNTのD.Dダイナマイトに協力を仰ぐも、あまりの悪声にこちらはビックリした。いろんな意味で1stがピークだよ。でも2枚目のアルバムのええぞ。


⑤Yngwie J. Malmsteen『Alchemy』
今となっては、この辺りがアルバムを通して楽しめる作風だろう。マーク・ボールズの良さを生かしていない、俺様感もマニアには逆に頼もしく映るが、個人的には頼むぜインギーと言いたくなる。それでも首根っこを掴んで文句を言わせない力が漲っているのは確かだった。そういう意味で思い入れがある。

⑥King Diamond『Abigail』
日本ではフォロワーを多く生み出したとは言い難いが、欧州においてキング・ダイアモンドの名を不動にしたアルバム。
彼の奇怪なファルセットヴォイスと、暗黒面をフィーチャーした様式美サウンドは唯一無二の個性をむき出しにド迫力で飲み込んでくる。怖いのに美しい、その理性を蹂躙する背徳感に弄ばれるようです。今聞いてもBGMになりえない毒気を放っている。


⑦Europe『EUROPE』
北欧メタルを日本に広く知らしめたバンド。ある意味、イメージを植え付けすぎたと個人的には思っている。
数曲、飛びぬけた曲がある為にインパクト大だが、割と雑な作りの曲も多かったりと若さに溢れている。
その青臭さは、ジョーイ・テンペストの歌声に代表されるのだが、それでも後のヒットがフロッグだとは思わない実力を感じる
2枚目のアルバムが一番好きだが、初めて聴いたインパクトではこちらに譲る。スラッシュ小僧も楽しめましたんでね。

⑧Torben Schmidt『A BIT ON THE SIDE』
SKAGARACKのシンガー、トーベン・シュミットのソロアルバム。アメリカンな要素もあるのだが、メロディセンスは北欧ならではのフックに富んだものばかり、彼の曲作りの上手さも手伝い絶妙な匙加減を加えている。
北欧ものは、ヒンヤリと冷たく甘口だと敬遠している方でも楽しめる、泥臭さもあったりしてエエ塩梅でしょうね。
今年は久しぶりのソロを出すトーベンさん。期待していますよ。

⑨TAROT『TO LIVE FOREVER』
専任キーボードを加入させ、音楽性を広げてきた彼らの出世作。3枚目は勝負のアルバムと個人的に思っているが、彼らは勝負に勝った。サバスティカルな暗黒面を北欧風様式美でまとめ上げたメロディックメタルの屈強な響き。
そのヘヴィな音圧をヒンヤリとした空間美で仕上げたのは秀逸なアイデアだったといえよう。個性が高まってきたのも見逃せませんね。


⑩FATE『A MATTER OF ATTITUDE』
キング・ダイアモンドと袖を分けたハンク・シャーマン。彼が目指したのはメジャーシーンのど真ん中を駆け抜けるようなハードポップサウンドだった。最初聴いたときは、こんなんありかよぉと思いましたが、このメジャーな感覚は凄い。
北欧らしい煌びやかさ、嫌味なく弾けるポップセンス、ツボを押さえた演奏力、全てが一級品です。




691. 失恋船長 (2020-01-27 21:13:37)

『思い出の北欧メタル100選その⑥』


①Yngwie J. Malmsteen『Rising Force』
彗星の如くシーンに現れた稀代のギタリスト。ソロとしての始動第一弾。
とにかく自らのスタイルを濃密に打ち出している。
バンドとしてバランス感覚はどうなのかと思う面はあるのだが、
そんな事はお構いなしの俺様ぶりに飲み込まれる。
一つのジャンルを生み出したオリジネーターの覚醒を見届けられたのは大きな出来事だった。

②Bad Habit『After Hours』
キラキラとしたキーボード。躍動するハードなリズム。エッジの効かせたギター。
いろんな意味でTHE北欧ハードポップサウンドの極みでした。
甘く切ないメロディと哀愁、そしてメジャー感全開の大衆性が嫌味なく共存している。


③ABSTRAKT ALGEBRA『ABSTRAKT ALGEBRA 』
キャンドルマス解散後にレイフ・エドリングが立ち上げたバンド。
暗黒面をフィーチャーしつつも。ヒンヤリとしたメロディが耳を惹く更生。
そしてガッツィーな歌声と、面白い組み合わせが功を奏してオリジナルティの高いサウンドが仕上がった。
しかし短命に終わったために認知度が上がらなかったのが残念。
キャンドルマスよりもテンポアップした印象も強かっただけに、ドゥーム系以外のファンにも受け入れられたはずである。

④Glory Bells『Century Rendezvous』
NWOBHMの影響もにじみ出ているしJP仕込みの鋼鉄スタイルを研磨している。
親父声もなんのその、火花散る熱を帯びたメタルサウンドと迸る疾走ビートにグイグイと引っ張られるでしょう。
イモ臭いは最大の誉め言葉ですよ。


⑤JONAH QUIZZ 『ANTHOLOGY 1980-1982 』
NWOBHMの影響を受けまくった北欧産スピードメタルバンド
正式な音源を残すことなく消えてしまったのだが
湿り気ったぷりの叙情派サウンドと攻撃性が見事に合致
歌詞がスウェーデン語の為にマニアック度は強い目
そこがまたグッとくるポイントですけどね
泣かせの叙情派ナンバーがビシャンビシャンに濡れまくっています



⑥Snake Charmer『Backyard Boogaloo』
1998年リリースの2枚目
時代に抗うかのような叙情味溢れる北欧サウンドが満載
甘さとメジャー感も満載のポップフィーリングに悶絶
古さを排除したモダンなアプローチも成功しています
パー・スタディンの曲作りの上手さがポイント
ヨラン・エドマンの歌も堂に入ったもの
ドラムとキーボードはヨハンソン兄弟が参加
ギターは実力派のベニー・ヤンソン

⑦STREET TALK『Collaboration』
北欧のジャーニーと呼ばれたバンド
国内盤はAVEXのベアナックルからです
瑞々しいメロディと躍動感
ハードでポップなサウンドは本格的な様相
その筋のマニアなら大満足の一枚でしょうね
ヨラン・エドマンも気持ちよさそうに歌っています


⑧USER『User of a common name』
男女混合の4人組によるハードポップバンド
とにかく元気で明るくなれるポジティブが空気が満載
そこにフック満載の哀愁系のメロディが
チョコチョコと琴線に触れるのだからたまりませんよ


⑨RANGER『KNIGHTS OF DARKNESS 』
フィンランドの若き正統派ヘヴィメタル野郎ども。
昨今のメタルバンドとは一線を画すオールドスクールに根差した本気のサウンドを披露
売れる売れないの商業主義とは違うピュアな精神性が音に宿っている
とにかくスピード狂のメタルマニアなら手に取るべきであろう
フルアルバムもいいが、初めて聴いたEPのインパクトは忘れがたいものである


⑩Solitaire 『Rising to the Challenge』
フィンランドのスピードメタルバンドの1st。90年代から活動していたが
ようやく2002年にアルバムをリリースできた。
この時代には珍しいスピード重視のメタルサウンドに驚嘆、
しかも北欧的なニュアンスを感じさせない無機質な音色から弾き出される無頼漢に
これまた驚かされた。




692. 失恋船長 (2020-02-03 13:15:56)

『思い出の北欧メタル100選その⑦』前半


①F.K.U. 『Metal Moshing Mad』
スウェーデン産のスラッシュメタル。オリジナルは1999年リリースだが
2007年に再発されたアルバムのジャケットが面白い。
ホラー映画の主要キャラクターが勢揃いに笑えた。
そのコンセプトを生かした曲を作っているらしいが、血生臭いサウンドではない
北欧というよりはベイエリアと言えるクランチーさが気持ちよい。
こういう音を2000年を目前にして出していたバンドがあったことが嬉しいよね。


②Blind Orphans『Blind Leading The Blind』
北欧産のプログレ叙情派ハードサウンドを奏でる幻のバンド
泣かせのメロディとロマン溢れる場面展開
胸を締め付ける美旋律と甘口ばかりじゃないでハードさも完備しているのが凄い
良く歌うギターとクラシカルなアレンジも絶妙に絡み合い
至高のメロディックサウンドを奏でている

③SPEEDTRAP『Powerdose』
フィンランド産の暴走スピードHM/HRバンドの1st
基本は前掛かり気味のスピードメタルなのだが
リフ・ソロ・リズムと工夫を凝らしており
視聴感の満足度は相当に高い

④RIFF RAFF 『ROBOT STUD』
NWOBHMの影響も大なフィンランドのバンド
どこかいなたいラフなロックサウンドと哀愁美が程よくマッチ
荒さの中にある儚さに惹かれますね
塩っ辛いおっさん声も懐かしいわ


⑤SIX FEET UNDER『SIX FEET UNDER』
スウェーデンのディープパープルなどと呼ばれたバンド
あそこまで本格的ともいえないが
バラエティの豊かな楽曲の多さはいい意味での守備範囲の広さを感じさせ
単なるマイナーバンドでは終わらない可能性を秘めていたと思います
このバンドに出会ったことで北欧のアングラシーンを探求しようと思いました
そういう意味ではもっとも罪深いバンドです




693. 失恋船長 (2020-02-03 18:14:53)

『思い出の北欧メタル100選その⑦』後半


⑥AXEWITCH 『The Lord Of Flies』
NWOBHM仕込みの強直サウンドが売りのスウェーデンのバンド
とにかく懐かしい空気が満載だ。
売れる音ではないが、この不愛想な空気がたまらなく好きですね


⑦Baltimoore『There's No Danger On The Roof』
名曲My Blue Moonが収録されている北欧ハードポップバンドの1st。
フックに富んだロマン溢れる哀愁のメロディの数々、メロディ派ならマストな一枚と言えるでしょう
ギターも自己主張を怠っていないのがハードサウンドファンにとってはありがたい


⑧Spellbound『Rockin Reckless』
ラフでワイルドさも加味させた北欧スタイルは実に垢抜けていた。
耳なじみの良さと適度なハードエッジ、メジャー感も程々に小慣れてた印象が強い。
絶妙なところを突いたサウンドだった。

⑨GEISHA 『Phantasmagoria』
1987年にリリースされた、おそらく1st。
出オチ感満載のバンド名にジャケットを前に購買意欲を削がれるのだが、
意外としっかりとしたハードサウンドを披露している。
適度にハードでアメリカンなマイルドさ、もっとクサレを期待していただけに
期待を裏切られた感はあるのだが(笑)
裏ジャケに映るメンバーを見て、表ジャケの絵に描かれている真ん中の奴が
実写でいたことに笑ってしまった。
それを確認するためだけでも手に取って欲しい。


⑩Keen Hue『Ogre King』
エボニー傘下Criminal Response Recordsからリリースされた1st
北欧産の色気のないマイナーバンド。
しかし、その力強さと北欧らしい冷気を帯びたメロディ大好きですねぇ。
このイモ臭さに鼻腔も擽られますなぁ。
クラウス・マイネを意識した歌声、時折ハモるツインリード、ギラリと光る瞬間にグッときますよ。
今作のリリースは1985年。二枚目を1993年にリリース、国内盤も出た実績あり、音楽性も洗練されたものに変更。
適切な成長と呼べる代物なんだが、個人的には、このマイナー臭とあやしい演奏の今作が好きだ。
そして2019年にAOR HEAVENから復活作をリリースするとは夢にも思わなんだ。




694. 失恋船長 (2020-02-25 15:47:43)

『思い出の北欧メタル100選その⑧』前半

①CRASHDIET『The Unattractive Revolution 』
蘇れ80年代型のグラムロックという音楽性を引っ提げ話題を呼んだ。
個性は薄めなれど、安物の拝借バンドではないのでノスタルジー以外に目を向けて楽しめる。
今のテクノロジーで蘇った王道スタイル。良いものは廃れることなく残ることを証明した。


②LYNX 『Caught in the Trap』
紫色の血が騒ぎだす北欧メタルサウンドにグッと惹き寄せられます。イモ臭さも最大の誉め言葉。
NWOBHMからの影響も取り込み攻撃性を失っていないのも魅力。甘さに逃げないメロディも印象的。
どっしりと構えたミドルナンバーなどDIO風味もあるぞ。

③M.ill.ion 『No 1.』
甘く切ない北欧サウンドを堪能できるデビュー作。その胸を締め付ける刹那なメロディにマニアなら悶絶でしょう。
リリース時が1992年ですからね、多少は時代背景も盛り込んではいるが、基本となる路線は北欧ハードポップマニアが喜ぶ奴ですよ。フック満載の哀メロナンバーの数々に心が洗われますよ。


④Mindless Sinner 『Turn On the Power』
NWOBHMの洗礼も受けたスウェーデンのスピードメタル系バンドのデビュー作。2020年に新作を出していて驚いた。
どこか涼やかなメロディに北欧風味を感じるが、力強いヘヴィサウンドが全てをねじ伏せます。完成度云々やレコーディング環境の厳しさなど、ものともしない若さ溢れるプレイに惹き寄せられます。上手い下手でジャッジしてはいけないインパクトがある。でも最大のインパクトは、ガスマスク姿の女性が映り込むジャケだろう。どんなコンセプトで、あの構図になったのが興味が尽きない。


⑤Glory『2 Forgive is 2 Forget』
前作からメジャー感を推し進めブルージー要素も加味。それでも本質的な北欧メロデックスタイルに変わりはなく、ギタリストもテクニカルかつトリッキーなフレーズで魅了。よりワールドワイド志向に進んだ。
こうなると歌い手のパフォーマンスに不満も出るのだが、そこは指向の問題でしょうかね。全編名曲とは言わないが、表題曲のバランス感覚の良さや、ポップフィーリング満載のLove Never Lastsなど北欧ならではの旨味を感じずにはいられない。なんだかんだ言いながら、今でも年に数回手を出す癒しのハードサウンドです。




695. 失恋船長 (2020-03-02 13:11:52)

『思い出の北欧メタル100選その⑧』後半


⑥Silver Mountain『Universe』
哀愁を帯びたクラシカルメロディ、これぞ北欧スタイルと呼びたくなる局地的な音楽性に悶絶。
まさにフーガロックとはこういうバンドを指すのだろう。ヨナスのギターが華麗に舞い踊り蜂のように刺す。彼の存在なくして語れない。1stも良いが音質も含め完成度はこちらに軍配。頭2曲が放つインパクトに今だに衝撃を受けますよ。


⑦Treat 『Dreamhunter』
ワールドワイドな成功を獲得するべく試行錯誤した力作。アメリカンな要素も増えているが、これぞ北欧な凍てつくメロディも健在。ポジティブな空気に包まれた甘く切ない叙情派ハードポップサウンドの完成度は勝負の3枚目だけにスキはない。


③Wizz 『Crazy Games』
空間を切り裂くギターとキーボードのバトルも好戦的な高揚感を演出。攻撃的なナンバーもあるが、押し引きを得たバランス感覚も北欧ならではの味わいか、アルバム一枚で消えた為に知名度は低いのだが、個性薄めのシンガーがいようとも、紫色の虹が架かるパワフルサウンドにグッと惹き寄せられます。島国感情を擽る日本人好みの音を出していますよ。


④Torch 『Torch』
北欧の裏街道を走るNWOBHMの影響も大なパワフルサウンドを披露。しかしこの冷ややかな感触は北欧と言えるだろう。
まだ北欧ブランドが確立する前のスタイル故にムンムンとした男臭さが漂っている。攻撃的な楽曲とデッキンソンを意識した歌いまわしも、調子ぱずれになりがちだが、ガチっとハマった瞬間のパワーは本物。今なお愛すべき初期北欧メタルシーンの礎を支えていると言えよう。96年にKINGレコードから国内盤が出たときは驚きましたね。


⑤MOTHERLODE 『The Sanctuary』
伸びやかなハイトーンと北欧らしいクリアーなメロディが印象的。ノリの良いロックナンバーやバラードも盛り込みバラエティに富んでいる。それらを糖度も高めな北欧風味でまとめ上げたのがマニアの心を擽ります。




696. 失恋船長 (2020-03-10 14:28:29)

『思い出の北欧メタル100選その⑨』前半

①BEWARP『In Your Face』
ディック・ビワープ率いる北欧産グラムロックバンドの2枚目。今作で歌うのはMr.北欧ヴォイスでお馴染みのピート・サンドべり。軽快でど派手なノリノリのゴージャスロックは瑞々しく光り輝いています。これぞ北欧なメロディとVIVAアメリカンロックなハイブリットサウンドに懐かしさしかありませんが、今の若い人には逆に新鮮に聴こえるかもしれません。リリース時は1994年頃だったと思うので時代遅れ感は半端ないが、国内盤もリリースされていたので、この手の音楽を聴きたいマニアにはありがたいサウンドでしたね。それにしてもギターが派手派手に弾きまくっているなぁ。

②MIDNIGHT SUN 『Another World』
ピート・サンドべりがリードヴォーカルを務める北欧HM/HRバンドの1st。2枚目以降はネオクラスタイルに方向性を絞るが、今作はピートがメタリックな歌唱スタイルで挑む疾走ナンバーもあれば、お得意の甘いトーンを生かしたメロウな楽曲にシリアスなミドルナンバーなど、ピートの多彩な歌声を堪能できるバラエティに富んだ内容になっている。若干方向性に取っ散らかっている感も無きにしも非ずだが、CDに同封のノリで送ったTシャツプレゼンのハガキが見事、当選したので思い出が深い。ああいうの本当に当たるんだと実感した。なんせそういうの初めて送って当選したのでね。


③Lullacry 『BE MY GOD』
ゴシック調の甘美なメロディとヒリリとさせる焦燥感、このバンドならではのハード&ロマンティックなサウンドに魅了されました。女性シンガーのありかたも正解。幅広い層に受け入れられそうなハードテイストに唸ります。潤いを含みつつもザラついた感触にロックを感じますね。

④SINERGY 『Beware the Heavens』
アレキシ・ライホのサイドプロジェクト。シンガーを務めるのがアレキシの彼女である、キンバリー・ゴス。彼女のソフトな歌声を生かしたメロディアスハードサウンドは絶妙な硬質感で迫っており、メロディアスだがメタリックというバランス感覚に唸らされる。そしてアレキシの女性選びのセンスに唸らされた。おい嘘だろと、彼女を二度見三度見したマニアは多数いただろう。個人的にはメロデスのアレキシよりも、こちらを支持したいね。


⑤TAROT『Suffer Our Pleasures』
2003年リリースのアルバム。時代にアジャストしつつも北欧暗黒様式美サウンドは健在。個性を磨き自らのサウンドを誇示する雄々しい姿に、このバンドの生き様を見せられました。マルコ・ヒタエラには、こちらの活動にも力を入れて欲しいね。




697. 失恋船長 (2020-04-24 15:30:51)

『思い出の北欧メタル100選その⑨』前半

①Sarcofagus ‎『Cycle Of Life』
フィンランドのメタルシーンを語る上では外せないバンドのデビュー作。垢抜けないマイナーサウンドはNWOBHMからの影響も強め。EOROPEが北欧メタルの元祖などど、嘘をつく輩が多いので、こういうバンドが初期の頃にいたんだという事を若い人にこそ知ってもらいたい。
どこか北欧トラッドからの影響も持ち込み、独自性を高めているのも面白い。型にはまっていない分、独自性も高い。
甘口なメロディもクラシカルテイストも感じないリアル北欧HM/HRの歴史を知る上では重要なバンドです。

②Tyranex 『Death Roll』
吠えまくる女性シンガーのアジテーションヴォイス。でも女であることを隠せない可愛らしさも魅力。見た目は怖いけど。
緩急を司るリズムプレイも大胆にて緻密、そのダイナミックなプレイは耳を惹きますね。
何気にリードギターもバカみたいなスピード狂に陥ることなくメロディアスなフレーズも突っ込んでくるのが素晴らしい。スピード命の音楽性なのにスピード一辺倒に陥らないアイデアの勝ちでしょう。

③CRY OF DAWN 『CRY OF DAWN』
Mr.北欧ヴォイスでお馴染みのヨラン・エドマンのソロプロジェクトチーム。何を聴かせたいかも明確にしたサウンドは強い。
ヨランのエモーショナルな歌声に力点を置き多様な楽曲を用意することでターゲットを絞り込んでいる。甘いメロディもシリアスな楽曲も難なく歌いこなすヨランの歌声は、聴き込むほどに深みを感じさせる。北欧メロディアスロック、AOR風味満載の楽曲とヨランとの相性に疑いなどない。

④John Norum 『Face The Truth』
シンガーにグレン・ヒューズを迎えリリースされた2枚目のソロ。ゲスト、あのジョーイ・テンペストも参加して話題になりました。ジョーイが歌う広がりのあるポップソングはらしさ全開で良かった。ジョンの自分のルーツたるギターを弾き倒し魅力を遺憾なっく発揮。それはグレンとの共演によるところが大きい。完全復活を予感させたグレンのパフォーマンスも上々。特にタイトルトラックで聴ける火を噴くような熱きハードサウンドを歌うグレンは鮮烈な印象を残した。この二人の可能性を感じさせるも、まだまだパーソナルな問題を克服できないグレンのせいで、この組み合わせは早くも瓦解したのが残念。
是非とも、また共演して頂きたい組み合わせですね。ジョンも時代の波に飲まれイマイチ、ソロで成功できなかった。
今作を聴くと色んな当時の事を思い出しますね。そういう意味では忘れられない一枚です。


⑤Crystal Knight 『Crystal Knight 』
アルバム一枚で消えた為に認知度は恐ろしく低いが、憂いのある哀愁のメロディと、NWOBHMの影響も大な攻撃的サウンドを楽しめるレアアイテム。マイナーメタルマニア以外にも聴いてもらいたい味わい深い一枚です。




698. 失恋船長 (2020-04-24 16:17:32)

『麗しの女性メタルその①』

①早川めぐみ『SECRET POLICE 秘密警察』
女性メタルと言って真っ先に思い出すのは彼女。麗しのアメリカンポリスジャケに釘付けでした。ようこんなもんデビューさせたなという理性と、彼女のルックスに対する思いに心をかき乱されました。色んなポンコツメタルを聴き抗体が出来上がりまくった今では、余裕で聴けるが初めて聴いた時は、殺意すら覚えましたね。こんな歌を収録するからメタルは馬鹿にされるんだとね。くだらない偏見と、余計な予備知識を捨て去り楽しむのが一番。バックの演奏もそつがないし、楽曲も充実しまくっている。横須賀17エレジーはそらで歌えるぞ(笑)

②Bitch『A Rose By Any Other Name』
国内盤もリリースされた新曲を含む6曲入りのベスト盤EP。彼女のお披露目的な意味合いもあったんだろう。
合致溢れるヘヴィメタルと、彼女のパワフルな歌声の相性も抜群。無理目の厳つい衣装&ルックスに苦笑いもでるが、このバンドには結構世話になりましたね。思春期の思い出深い一枚。皆に隠れこっそりと聴いていたことを思い出す。
これを入り口にフルアルバムを聴いたが、少々画一的な歌い回しに辟易する場面もあったりと、実はこのサイズが丁度よかったりする。


③本城未沙子『魔女伝説 MESSIAH'S BLESSING 』
高崎晃プロデュース&ラウドネスのメンバーが完全バックアップの一枚。主役たる彼女の歌声はイマサンだが、名曲をラウドネスのメンバーがカヴァーする姿に大興奮。当時の彼らは頭二つは抜きんでていた。国内レベルでは語れない孤高の存在ですよ。
その雄姿をたっぷり楽しめる。


④FAST DRAW『Damia』
北海道を代表するメタルバンドのデモ。ここで歌いは稀代のメロディメイカー。久保田陽子さん。彼女の瑞々しい歌声と、スラッシーな攻撃的メタルソングとの相性も抜群。このあとプロビデンスからSABER TIGERへと流れるのだが、ここで聴ける久保田さんも大好きだ。この音源、キチンとした形で世に出して欲しい。国内メタルシーンを語る上では非常に意義のある、そして個性とクオリティを兼ね備えた名盤だからです。音質は良くないがバックを固める演者のプレイが熱い燃え滾っている。純度の濃さにヘヴィメタル魂がメラメラと火が付きますよ。

⑤ダンプ松本『極悪』
第二期女子プロブームを牽引した稀代の悪役レスラー、ダンプ松本のソロアルバム。彼女の壊滅的な歌声に、チョークスリーパーを喰らった気分だ。坂本龍一先生の寄稿したバラード、タケカワユキヒデのポップロック、44マグナムのメンバーが演奏&アレンジしたロックナンバーなどバラエティに富んでいるが、本気で聴くことを許さない反則技満載の迷盤中の名盤と断言したい。素顔は優しい女性だったと言われる彼女の人生。諸行無常ですなぁ。
メタルファンならDump the Heel で拳を突き上げろです。




699. 失恋船長 (2020-04-27 20:13:42)

『麗しの女性メタルその②』

①喜屋武マリーwith MEDUSA 『BURNING BLOOD』
沖縄を代表するロックシンガー喜屋武マリー、確かSHOW-YAのメンバーと一緒に北朝鮮でライブも行ったことがるハズである。米兵相手のクラブで鍛え抜かれた彼女の歌声は衰え知らず、バックのメンバーも彼女を盛り立てるように堅実なプレイで魅了。メジャー流通の為に、どうしてもバラードタイプの曲が多く収録されたり、低音に迫力のないミックス&高音を切る音作りには残念感を味わうが、ないものねだりのI WANT YOUでは仕方がないので、これはこれで大いに楽しみます。手枷足枷をはめてもダイナミックな演奏が伝わりますよ。ジャニス・ジョプリンのカヴァーもハマっています。

②Hysterica『Metalwar』
スウェーデン産の女戦士によるガチンコメタル。少々やり過ぎ感に苦笑いも出るが、男女平等が根ずく北欧ならではの硬派スタイルとも言えるかも知れません。パワフルでメロディアス、大衆性のある音楽性は清々しいほとメタル愛に溢れている。キャラのたった彼女たちに、悪役レスラー全員集合な空気も漂うが、それは彼女たちのアンセムともいうべきGirls Made of Heavy Metalからも溢れているぞ。女を売らないバンドってのはカッコいい。


③DORO『Forever Warriors, Forever United』
ヘヴィメタル界の女帝と呼んでも差し支えのない我らがドロ姐さん。2018年リリースの今作も剛直なメタル路線を貫いている。
愚直なまでに繰り広げられるメタル一代絵巻、多様性のあるサウンドも、彼女の不器用だがこれしかできない円熟味のハスキーヴォイスにグッと惹き寄せられます。特にオープニングのAll for Metalも聴き胸が熱くなりましたね。新たなるアンセムを引っ提げシーンを駆け抜ける、彼女の雄姿に敬礼あるのみ。


④Volfeed『Majesty』
関西様式美サウンドを継承するバンドの4曲入りEP。地に足の着いた山本朋子のパワフルな歌声は女性らしい優美さもあり、バンドサウンドを牽引。この声がなければ、ここまで滑らかで情緒のあるサウンドにならなかっただろう。リーダー古井善次の存在も大きい。95年という正統派メタル氷河期の時代に健闘していたバンドだった。


⑤Lady Beast『Lady Beast II』
US産のトラディショナルサウンドを継承するガチンコメタルバンドの1st。とにかく非の打ち所がない真っ当なスタイルを披露。これが2015年産なのかと、驚くのだが現代のテクノロジーとあるべき姿を両立させた古典メタルに嘘偽りはございません。
先人たちの影響も包み隠さずに展開する姿も逆に好感が持てますね。




700. 失恋船長 (2020-05-05 16:23:33)

『麗しの女性メタルその③』

①杉本誘里 - 『DYNAMYTE』
一色ゆかりという名でアイドル活動をしていた彼女が、本格派のロックシンガーへと転向。名前も変えリスタートしたのがコチラ。歌がなまじ上手かったために、ここでのパフォーマンスは上々なのだが、無理目に声を潰して歌わされているものもあり、もう少し慎重にと言いたくなる部分がある。しかし80年代当時を考えると、女性ロッカーをプロデュースする術がなかったと言えるだろう。ある意味、アイドル的な側面というのはあるし、どこか出オチ感のある色物的な要素もあった。
メタルに対する偏見も少なからず影響している。それだけに、本格的な楽曲の彼女の努力が報われていないのが残念だが、今聞いても十分に通用する音楽性を保持している。今やJ-ROCK界の大御所、松本孝弘の野心に満ち溢れたフラッシーなギターが堪能できる貴重なアルバムでもある。

②CURVED AIR 『live』
トラッド・フォーク路線の英国産プログレバンドのライブアルバム。ライブならではの荒々しい臨場感と代表曲が網羅されたベスト的な意味合いもあるライブ盤。その中でもソーニャ・クリスティーナのぶっ飛んだ歌い回しに驚く。スタジオとは違う、とにかく威嚇するような激しいパフォーマンスで魅了。これぞライブだよなぁと言いたい。歌いなおしたら、あのテイク使わんでしょ。70年代のバンドは名実ともに力が備わっているね。バックを固めるメンバーもえげつないぞ。

③橋本ミユキ 『one night angel』
44マグナムのバックアップを受けデビューを果たす。浜田麻里や本城未沙子、早川めぐみ等々の女性メタルアイドル的な売り出し方が乱発している中でのデビューだけに少々、食傷気味でした。
ポップでキャッチーなハードサウンドはカラフルな色彩美を放ち、多様性を網羅。その反面、コアなファンからは、敬遠されるアイドル歌謡路線。中途半端な印象は拭えないが、今となっては、こんなんもありましたとマニアにコッソリと教えたい一品。ポールの歌声が似合いそうなポップロックも多くあり、アレンジもハードな方に舵を切れば、44マグナムとして通用する佳曲もあり。のちに橋本ミユキ嬢は広瀬とTOPAZを結成、ビーイングよろしくなハードなギターとデジタルビートサウンドで再デビューを果たします。

④JURASSIC JADE - 『Gore』
今だ現役の古参スラッシャーによる1stフルアルバム。とにかく刺激的な歌詞が心にグサリと突き刺さる。そのささくれたった音楽性と唯一無二の個性は放つHIZUMIの存在感により、独自性をアピールすることに成功。今作を機に、このバンドの孤高性は高まった。国産スラッシュシーンを支えたマスターピースである。

⑤DeTENTE - 『Recognize No Authority』
女性ヴォーカルを擁するUS産スピードメタルバンドの1st。ヒステリックなシャウトに導かれるは、光沢のある艶めかしいコンクリートスタイルのスピードメタル。欧州的な湿り気のあるエッセンスも加わることで独自性をアピール。ドーン・クロスビーも喚きたてるだけではない唄があり、そこに妙な色気も漂っていたりと個性を表しづらいスタイルの中で異彩を放っている。NUメタル界では有名なプロデューサーとして成功するロス・ロビンソンがギターで参加。




701. 失恋船長 (2020-05-18 13:39:44)

『麗しの女性メタルその④』

①ACID KING - 『III』
US産のスラッジ/ストーナーロックバンドの文字通り3枚目。ユラユラと揺らめく靄のかかった音像。その奥底で奏でられる、ぼんやりとしたリフ。深層心理に切れ込んでくるノイズは、時に驚くほどの爆発力を秘めている。紅一点、ロりS嬢の浮遊感のある歌も、このバンドの特異な神秘性に拍車を掛けていた。2005年リリースですが、当時の厳しい状況をものともしない一貫した姿勢に頭が下がりますね。間違いなくUS産ドゥームを支えたバンドのですから。

②Aldious 『Evoke 2010-2020』
ヴォーカルが変われば、ここまで印象も変わるという事で全てが好転しているバンドの代表例でしょう。いまだ現地の人が撮ったNUMMショーの映像を見るのですが、本当に唄がよくなったなぁ。余談だが、サポートのギタリストの女性も画になるし良かった。バンドのコンセプトにある女性でしたね。今後のメンバーによる結婚&出産なども考えると、このままトリプルギターで行けばなんて思いましたよ。
今後彼女たちが戦うのは、女性に対する時代錯誤も甚だしい偏見。残念ながら、こういう人は少なからず存在します。個人的には99%プレイヤーではない人達ですから、どうにもならないのですが、一番困るのは実はリスナーでもありません。音で判断するのではなく性別で良し悪しが決まっているのです、女は生む機械か、恐ろしいです。頑張れ女性メタルバンド。日本にいるオジサンを相手にするよりも世界に目を向けるべきでしょう。偏見ないっすよ。

③Sentinel Beast 『Depths Of Death』
ヒリついたやさぐれ感が何とも言えない魅力を発散するデビー・ガンの歌声、イマイチ楽曲に乗っているとは思えないのだが、スピード狂のメタルマニアならばニヤニヤさせられっぱなしでしょうね。とにかく、ここスケ番チョリースヴォイスがたまらんのだ。そこに切れ込んでくる二本のギターの鋭い切れ味。ゴチャゴチャのミックスのせいで伝わりずらいリズムプレイも、ド迫力と、このバンドの高いミュージシャンとしてのアビリティに興味も湧きます。メイデンの名曲Phantom of the operaをやり切れるバンドですからね。でもこの風呂場で録音したような音はいただけんよ。

④CARRIE 『Secrets』
元MAD MAXのメンバーなどが中心となり結成されたジャーマンHM/HRバンドの1st。ここで唄うは紅一点のアンレン・ミドルドルフ。ジャーマン成分固めも正統派サウンドに真っ向から挑む彼女のパフォーマンスは、やや堅苦しい面はあれど重責を全う。
期待に答えていますよ。単にバンド自体がおもろないから売れなかっただけなのかもしれないが、アルバム一枚で消えた為に詳細は不明。音だけ聴けば欧州的なメロディに気を配した実に真っ当なメタル。確実に需要のあるやつです。プロデュースにラルフ・ヒューベルトの名前も発見。今作のリリースが1986年だから、若いころからサポートしてたんですね。

⑤Valkyrie - 『Valkyrie Rising』
我が国日本から登場した全員女性によるスラッシャーアマゾネス。子育ても落ち着き、再度動き出したのかなぁ?なんて勝手な邪推を膨らませているが、ここで叩きつけるは100%ピュアスラッシュ。懐かしきあの音である。今の時代に、それだけで十分です。たまらん奴でした。生粋の日本人であるアタクシでも、奥さん、アンダルシアな血が湧き出すぜ!!




702. 失恋船長 (2020-06-03 16:14:23)

『麗しの女性メタルその⑤』

①STARLESS - 『SILVER WINGS』
国産プログレバンドの1st。少々アイドルチックな女性シンガーに難を示したくなりますが、ゴシック系に多く見られる裏声全開のロック度ゼロの歌い回しよりはしっくりきますね。
清らかで凛とした女性シンガーを前に立て、適度な密度を誇るアンサンブル。ストレートなハードテイストと複雑なプログレ感を巧みに交ぜ独自性をアピール。ハードな質感が強めなのが特に良いですね。
ノヴェラの平山がプロデュース。キーボードによる空間演出も素晴らしい。


②LAOS 『WE WONT IT』
女性シンガー、ドラガン・ラオス嬢率いるバンドの1st。ドイツらしい生真面目で硬質感のあるハードサウンドにメジャー感を吹き込み硬軟のバランスと整えた一品。
硬派な設えだが大衆性を見事に補完。そのおかげで聴きやすさが倍増と絶妙なタッチでL.A勢を迎え撃っている。大映ドラマの主題歌としてカヴァーされそうな曲もあったりと粒ぞろい。短命に終わった為に、その存在は忘れ去られているが歌モノマニアなら手を出して損はなしないだろう。

③FAMME FATALE 『FAMME FATALE』
チョイハスキーのパワフルヴォイスがなんともセクシーだった、ロレーヌ・ルイス嬢擁するバンドの1st。PVも作りプロモーションするもビルボードチャートの100以内にも入れずバンドは、次の一手もなく解散。リリース時は1988年だからメタルバブル全盛だっただけに残念である。音楽の質も高くワイルドなアメリカンロックが好きな方にはたまらんでしょう。洗練され過ぎていないのが良い。それにしても大衆性も抜群だし売れる要素満載なんだけどなぁ。

④BLACKLACE『Get It While It's Hot』
NWOBHM譲りの攻撃性とアメリカンなノリが融合。いい意味で大衆性を纏い軽快に弾けまくっているがハードな質感を残し噛みついてくる。紅一点のマリアン嬢もストレートな歌唱スタイルで魅了。彼女のパンチの効いた歌声はフロントマンとしては十分である。派手目のギターも懐かしい80年代な音が詰まっている。

⑤LEATHER 『SHOCK WAVES』
チャステインのシンガーとして知られるレザー・レオーネのソロアルバム。メンバーはギター以外チャステインということで微妙な空気が漂うが、ギタリストのマイケル・ハリスの派手目のプレイをフィーチャーしつつ、重量感たっぷりの王道サウンドを披露。正直、チャステインとの違いはあまりないのだが、剛毅に打ち鳴らされる無頼なUS産パワーメタルが大好きなマニアならマストな一枚であろう。ドスを効かせたパワフルヴォイスと、光沢のあるコンクリートサウンドとの相性は抜群だ。衰えはあったが2018年に2枚目のソロをリリースと、健在ぶりを見せてくれたレザーさん。今でもそうなのだろうが、女性は格下扱いされていた80年代よりは真っ当な評価を受けれるだろう。頑張れレザー姐さんである。




703. 失恋船長 (2020-06-16 12:40:58)

『麗しの女性メタルその⑥』

①ACID - 『ACID』
ベルギー産のスピードHM/HRバンドのデビュー作。シンガーは紅一点のケイト嬢。スケ番野良猫シャウトをかます彼女の、絶妙な舌足らず感がバンドの色をキメている。何とも言えない嘘くささ、そのアングラ臭を倍増させる直情的なビートに導かれる魔術的な響きと淫靡なイーブル臭を撒き散らしながら走ってくる。こういう音は女性シンガーでしただせない。上手い下手では語れない彼女のパフォーマンスに魅了されます。幻のライブ音源も捨てがたいが、初体験の衝撃を尊重して、こちらに軍配を上げます。


②Plasmatics 『Coup D'Etat』
ロックビッチクイーンの名を欲しいままにした、我らがウェンディOウィリアムス嬢率いるバンドの2枚目。ステージではパンイチ、乳首を隠すだけの姿で刺激的なパフォーマンスを繰り広げていた。そんな破天荒さは戦車が大々的に映るジャケからもプンプンと香っているが、けして色物的なエッセンスの強いバンドではない。パンクな精神性が充満したハードサウンドはクロスオーバースタイルの先駆者と言っても大げさではない、バイオレントかつメタリックなサウンドを轟かせていた。ウェンディのドスを効かせた歌声も迫力満点、狂気を滲ませるハイテンションなパフォーマンスに圧倒されます。

③SARAYA 『SARAYA』
紅一点のシンガー、サンディ・サラヤの存在を前面に出したアメリカのバンド。時代は1989年、こういうラインナップにありがちな、妙な色気を音に乗せない本格派のハードサウンドは説得力十分。ヒット狙いの能天気なナンバーも見当たらず、地に足が付いた方向性だなぁと感心、アメリカングルーブ主体と思いきや、⑦では紫色の血が騒ぐ虹色ロックを披露したりと、多様性も十分に感じさせる。DANGER DANGERのトニー・ブルーノが絡んでいるのも安心材料ですね。

④Touchdown 『DON'T LOOK DOWN』
カナダのキーボード込みの正統派HM/HRバンドの1st。ペラペラの音質の為に、ダイナミズムが全く伝わらない枯れ線具合にニヤニヤさせられるが、その分、味わい深いものがある。けしてレトロの音を追求したわけではない、環境が生み出したシケ具合がたまらん。紅一点の女性シンガーの凛とした力強いパフォーマンスに魅了。このバンドのカラーを決めている。

⑤FLYING VISION 『All Night Metal Party '84 to '85』
元祖ガールズメタルと言っても差し支えのない全員女性による日本のHM/HRバンド。ライブビデオに挿入された素の顔を忘れない。『今年は言葉使いを直します』だものねぇ(笑)
ジャパニーズ演歌にも通ずる情念、それをハードなバッキングに乗せて歌う、初期ラウドネスにも似たスタイルだが、あそこまで複雑ではない。ポップな曲からバラードまでバリエーションも多く期待を寄せれる、伸びしろの多いバンドだった。とにかく全員女性というのは珍しいことだし、それ自体が魅力だったりもするのだが、時代は80年代ど真ん中。
ロックの世界は女人禁制的なノリ、日本に限らず、そういう風潮はあった中での活動だけに、厳しいもののあったろう。

特に日本におけるメタルの世界は異様だ。令和の今でも、俺は日本のバンドは聴かないとのたうち回る輩に出会う。作品のクオリティ云々ではない、はなから聴かないは理解不能である。ワタクシは良いものに出会いたいと思って生きている。そこに国籍は全くない。なんならジャンルも気にならない、ましてや日本語も微妙なワタクシにとって、何人だからとか考えられない。こういうのは日本独特の感覚なんだろう。まして、そこに女の子ときたらね、そりゃ大変だよ。

今の若い人には、流石に少なくなった感覚だろうが、30代なら普通にいるでしょうね。日本人だから聴きもしない輩が。
そんな男尊女卑をぶら下げて性差別を繰り返す、前時代的な原始人とは一線を画す、好奇心旺盛な耳をもっている、若い人にこそ知って欲しい。この下手さもリアルな姿だ。彼女たちの活動は、フジ系のノンフィクションなどでやれるレベルだよ。




704. 失恋船長 (2020-07-13 12:53:01)

『麗しの女性メタルその⑦』

①5X - 『Human Target』
日本の女性ロッカーの草分け的存在のカルメン・マキを前面に出した国産ハードロックバンドのデビュー作。
心地よいハードグルーブを叩き出す堅実なリズムプレイ、ジョージ吾妻のワイルドなギター、そして唯一無二の個性を発揮する彼女の存在感。
加速するシーンの中で確固たる信念と的確なプレイで魅了した実力派バンドだった。
次のライブ盤も強烈やったなぁ

②HELLION 『Screams In The Night』
個人的には悲運の女性シンガーだと思う実力派ヴォーカリスト、アン・ボレインがメインを張るバンドの1987年リリースのフルアルバム。
女ロニー・ジェイムス・ディオなどと形容された、そのパワフルなハスキーヴォイスはメタルサウンドと真っ向から対峙。
性別から生まれるハンデなどものともしない力強い歌声で存在感を発揮していた。
80年代のメタルシーンにおいて、女性がバンドにいるということは少なからず色物的な目で見られた時代。
これほどの実力をもってしても、その偏見を突き破ることが出来なかったというのが虚しい。
ギターのチャット・トンプソンもここぞという場面で派手なソロもぶち込み、存在感を発揮。上手い歌の横に眩い光を放つギターがいるという図式も時代を捉えていたと思う。
真摯に取り組んだ音楽活動。ここに浮ついた売れ線志向など入る余地はない。
暗黒系様式美サウンド、ディオ系の英国風味のあるHM/HRスタイルが好きな方ならハマるでしょう。



③SARAYA 『SARAYA』
紅一点のシンガー、サンディ・サラヤの存在を前面に出したアメリカのバンド。時代は1989年、こういうラインナップにありがちな、妙な色気を音に乗せない本格派のハードサウンドは説得力十分。ヒット狙いの能天気なナンバーも見当たらず、地に足が付いた方向性だなぁと感心、アメリカングルーブ主体と思いきや、⑦では紫色の血が騒ぐ虹色ロックを披露したりと、多様性も十分に感じさせる。DANGER DANGERのトニー・ブルーノが絡んでいるのも安心材料ですね。

④CHASTAIN『In an Outrage』
リバイアサンレコードの総帥デヴィッドTチャステインが2004年にリリースしたフルアルバム。シンガーのケイト・フレンチのパワフルヴォイスも板につき、レザー・レオーネの後任という重責を見事に果たしている。往年の光沢なまめかしい重金属サウンドとは感触は違えど、原点回帰と思えるパワフルサウンドとメロディの復権にファンは大きく安堵した。
女性シンガーをフロントに置き、ゴリゴリのメタルをやった先駆者とも言える、我らがチャステイン総帥。コンピ作じゃなくて、オリジナルアルバムを作って欲しいねぇ。

⑤TERRA ROSA 『火の中に影』
バンド初のシングル。アルバム未発表曲を2曲も追加と美味しい仕様。新ギタリスト今井をフィーチャーしたインストナンバーも収録して新体制をアピールしている。今作リリース後、バンドはほどなくして解散。メンバーチェンジの多いバンドとしてのイメージが強く、最後まで万全の体制で活動していなかったイメージが強かった。90年代を迎え、シーンの移り変わり、日本経済の停滞など、レコード会社も方向転換を迫られて時代だけに、様式美系では、先はなかったろう。個人的には耳を惹くリフ、そして赤尾和重のメロセンスに脱帽した表題曲『火の中に影』は名曲中の名曲として愛して止みません。




706. めたる慶昭 (2020-07-31 06:32:14)

Burrn!アルバムレビュー切り抜きから
伊藤政則レビューベスト10(合評は除く)
Elodia by Lacrimosa
Dead wing by Porcupine Tree
Live in Armenia by Uriah Heep
Welcome to the real world by Pretty Maids
Cosmic egg by Wolfmother
Reap the storm by Wucan
Soft dogs by D.A.D
The eldritch dark by Blood Ceremony
Heritage by Opeth
The last dance by Ken Hensley
以下広瀬和生、前田岳彦、幅由美子編も予定。




707. めたる慶昭 (2020-07-31 22:14:37)

同広瀬和生編
Curse of the hidden mirror by Blue Oyster Cult
Undress your madness by Pretty Maids
Determinus by Leverage
The wizards diary vol.1 by Ken Hensley
Under cover by Ozzy Osbourne
Lost and found by The Byron Band
Fear of a blank planet by Porcupine Tree
Grand hotel by Roadstar
異端審問 by Uriah Heep
Salt by Wuthering Heights




708. めたる慶昭 (2020-08-07 11:45:30)

一気に前田岳彦&幅由美子編
前田
Plague house puppet show by Twilightning
How to measure a planet by The Gathering
Secrets of life by Platitude
Hollywood forever by LA Guns
The quantum enigma by Epica
Abyss by Lionsheart
The day I went mad by Graham Bonnet
北欧コルピひとり旅 by Korpiklaani
Futures echoes of the past by Uriah Heep
Real world by Dirty Deeds

Glass mountain by Roadstar
Soma holiday by Greenwheel
Dark matter by John Sloman
The missing peace by LA Guns
Theatre of redemption by Harmony
Easter is cancelled by The Darkness
Magic mountain by Black Stone Cherry
The shadow cabinet by Wuthering Heights
Nine by Platitude
Djin by Queenadreena




709. 失恋船長 (2020-08-10 21:11:14)

『さよならマーティン・バーチ』

①BLACK SABBATH - 『HEAVEN AND HELL』

②RAINBOW 『RISING』

③IRON MAIDEN 『THE NUMBER OF THE BEAST』

④WHITESNAKE『SLID IT IN』

⑤MSG 『ASSAULT ATTAK』

⑥WISHBONE ASH - 『ARGUS』

⑦RAINBOW 『ON STAGE』

⑧IRON MAIDEN 『KILLERS』

⑨IRON MAIDEN 『SEVENTH SON OF A SEVENTH SON』

⑩DEEP PURPLE 『BURN』

また一人、メタル界の巨匠があの世に旅立った。個人的にマーティン・バーチと言えばアイアンメイデンの作品に関わったプロデューサーとしてのイメージが強い。92年のメイデン作を最後に表舞台から退いたエンジニア上がりの名プロデューサー、彼の偉業を讃えますよ。



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