NEVER LET ME DOWN~TIN MACHINEと大迷走を続けていたボウイが放った93年の復活作。 サウンドはいかにも当時はやったダンスミュージックです。 弾けるような1stシングルJUMP THEY SAYや復活を告げる鐘の音が響くTHE WEDDING、不思議な魅力のMIRACLE GOOD NIGHTなどは名曲だと思います。 ただ、アルバムとしてはまだまだ完全復活とは言えない感じ。インスト曲、カヴァー曲がやたら多いですね。 ただ、MORISSEYのカヴァー曲(!)I KNOW IT'S GONNA HAPPEN SOMEDAYはボウイの熱唱が聴けて中々素晴らしいです。
ボウイの代表的バラード。 英雄として宇宙に旅立っていったトム少佐が、宇宙の雄大さとその虚無っぷりに感銘(絶望?)し、宇宙に身投げするお話。 何とロックなストーリーか(笑)!! メロディはこれでもかってくらい感動的です。 Tell My Wife I Love Her Very Much She Knows...という一節が切なくてたまりません。名曲。
ボウイの数多い作品郡の中では結構浮いてる印象の1974年作。 全体的な雰囲気はダークでドラマティック。佳曲が非常に多い。 メドレー形式の③④⑤Sweet Things、パンキッシュな代表曲⑥Rebel, Rebel、ダークで耽美なバラード⑦Rock'n' Roll with Me⑧We are the Dead、ドラマティックな歌謡曲(笑)⑨1984などなど。 正直完成度は微妙と言えます。特に個々の曲がイマイチ弱い。グラム期からソウル期の間という中途半端な時期に出されたためとも考えられますが。 ただ、全体を通して聴くと不思議な魅力がある作品です。駄作では決してありませんので。あ、あとOutsideと同じように、生理的にちょっと気持ち悪いと思う人も居るかもしれませんので注意。ジャケからして不気味ですしね。 全英1位/全米5位というヒット作でもあります。
99年発表。前作Earthlingとは打って変わって、ポップで和やかなムード漂う保守的な作品。90年代以降では最もポップで聴きやすい一枚。 全体を通しての完成度は正直微妙な感じもするが、個々の曲は佳曲揃い。 自らの人生を回顧するような和やかなバラード①Thursday's Child、悲しく切ないミドルテンポの大作②Something in the Air、アコースティック弾き語りのシンプルな⑤Sevenなどのメロディの美しさには溜息が出る。他にも⑦The Pretty Things Are Going to Hell、⑧New Angels of Promiseなどのヘビーロックナンバーもカッコいい! しかし何と言っても自分の中で本作品最高傑作は③Surviveだ。淡々としながらほのぼのとボウイが失恋、人生を歌う。澄んだギターの音色も美しい。楽曲に愛を感じる。この曲を聴くとどんなに辛くても頑張ろうと思える。そんな一曲である。
ベルリン三部作のラスト。1979年発表。 陰鬱で虚無感漂う前二作とは違い、ポップさ全快の快作です。 ただ、個々の曲は佳曲が多いものの、全体的になんだか不完全な感じ。 異国情緒漂う②AFRICAN NIGHT FLIGHT④YASSASSIN⑤RED SAILSや、シングル曲⑥D.J.⑦LOOK BACK IN ANGER⑧BOYS KEEP SWINGINGなどがポップで楽しく、一押しです。 何はともあれ、過渡期的な作品であり、後のLET'S DANCEなんかに通ずるところがあるようにも思えます。 この時期からボウイはプロモのほうにも力を入れ始めており、⑧のPVでは彼の女装が拝めます(笑)。
1976年発表。 前作YOUNG AMERICANSでべったべたのソウルを展開したボウイだが、今作ではソウル的手法を用いて、ボウイ流プログレッシブ・ソウル・ロック(?)とも言える唯一無二の世界を構築している。 初っ端10分を越える①STATION TO STATIONは転調が鮮やかで、大迫力。最高のダンスナンバー(ちょっとラリってる?)②GOLDEN YEARSも滅茶苦茶カッコいい。個人的には本作で一番好きな⑤STAYはバンドアンサンブルが強烈で、最高にクール。はかない曲調の映画のカヴァー曲⑥WILD IS THE WINDではボウイの衝撃のヴォーカルが聴ける(彼のヴォーカル最高傑作)!! 全6曲だが、全く物足りなさなど感じたことがない。圧倒的な傑作と言えるだろう。 この作品こそまさに「DAVID BOWIEの傑作」と言うことが出来るのではないか。
初期の大傑作です。1970年発表。 全体的にとてつもなく陰鬱で、狂気的な雰囲気が漂っています。 精神病院に入院した兄のテリー氏のことが相当衝撃的だったのでしょう。 どの曲も狂気をテーマにしたようなものが多く、ハードロック的な手法を使っている点でも、異色作と言えます。 ライブの定番曲で8分を超えるハードロックナンバー①WIDTH OF A CIRCLE、ポップなメロディに狂気的なサウンドが乗り、最後に轟音ギターが炸裂する②ALL THE MADMAN、倦怠感丸出しでドラッギーな④AFTER ALL、NIRVANAもカヴァーした表題曲⑧、壮大な⑨THE SUPERMENなどなど、名曲満載。 このギリギリの精神状態が反映されたような凶悪な音は、いかなる爆音アルバムよりもヘヴィです。メタルファンにもオススメします。
ベルリン三部作の二作目。1977年発表。 ボウイの作品の中では、THE MAN WHO SOLD THE WORLDと並んで最も鬱々としたアルバム。その上どことなく凶暴。 ロバートフリップのぶっ壊れギターとか、ヒステリックなボウイのヴォーカルは、このアルバムを彼の作品の中でも独特なものとしている。 ①BEAUTY AND THE BEAST, ②JOE THE LION, ⑤BLACKOUTのぶっ壊れっぷりは必聴。滅茶苦茶異様ですが、カッコいいです。 だけど、③HEROESとか⑩SECRET LIFE OF ARABIAみたいなポップな曲も入ってます。 B面のインスト集はLOWに劣る内容でちょっと残念(琴の音が美しい⑧のMOSS GARDENは名曲です)。 しかしながら、彼の偉大なる代表作の一つであることは間違いないでしょう。