元ALICE COOPER BANDのキップ・ウィンガー(Vo,B)、ポール・テイラー(Key)、名手レブ・ビーチ(G)、元DIXIE DREGSのロッド・モーゲンステイン(Ds)の4人のテクニシャンにより結成されたバンドの'88年発表のデビュー・アルバム。 RATTで有名なボー・ヒルによるプロデュースで、アルバムは全米21を記録するヒットとなった。 確かなテクニックに裏打ちされた演奏とポップで近未来的なサウンドが魅力で、ゾクゾクさせるイントロが掴みOKなオープニング・ナンバー「MADALAINE」、哀愁に満ちたメロディが秀逸な「HUNGRY」、ポップながらもレブのテクニカルなギターが光る「SEVENTEEN」、'80年代を代表する感動的な名バラード「WITHOUT THE NIGHT」、ジミ・ヘンの超有名曲を大胆にカヴァーした「PURPLE HAZE」、スペーシーなサウンドが印象的な「STATE OF EMERGENCY」、ダイナミックかつメロディアスな「TIME TO SURRENDER」、軽快な疾走ナンバー「POISON ANGEL」、イントロのギターと独特のテンポが魅力的な「HANGIN ON」、キップの熱い歌唱が素晴らしい「HEADED FOR A HEARTBREAK」、バックに流れるギターがかっこいい日本版ボーナス・トラックの「HIGHER AND HIGHER」と、ヒットも納得の1枚だ。
後にJUDAS PRIESTに加入することとなるティム・オーウェンズが在籍していた正統派HMバンドによる'93年発表のデビュー・アルバム(日本発売は94年)。 楽曲の水準はまだまだ未熟であるものの、ハイ・トーンを駆使したティムの歌唱が素晴らしいということもあり、将来が楽しみなバンドであった。 タイトル曲「HEART OF A KILLER」をはじめとして好曲もあり、曲調やヴァースにおけるリフ展開等にはICED EARTHを想起させる部分もある。 マスト・バイなアルバムではないものの、JUDAS PRIEST加入前のティム・オーウェンズの力量を計り知ることのできる作品ではあるので、興味深い方は是非。
ギタリスト・イングヴェイよりもコンポーザー・イングヴェイにより魅力を感じる私にとって、前作「FIRE AND ICE」は捨て曲の多い物足りない作品であった。 しかし、'94年発表の本作は楽曲の充実度が素晴らしい! オープニングを飾るガッツあるハード・ロック・チューン「NEVER DIE」からしてとてもかっこよく、以後も、ジミヘンのようなファンキー・ナンバー「I DON'T KNOW」、リフがサビと同じメロディをなぞる「MEANT TO BE」、メロウで哀愁を含んだインギー得意のバラード「FOREVER ONE」、ザクザクと刻まれるヘヴィなリフがかっこいい「HAIRTRIGGER」、亡き兄に捧げた激情のインスト「BROTHERS」、鬼のようなギター・プレイで構築されたリフがあまりにも素晴らしいタイトル曲「SEVENTH SIGN」、ブルージーかつメロディアスな「BAD BLOOD」、「G線上のアリア」をモチーフにしたバラード「PRISONER OF YOUR LOVE」、中近東風のリフがヘヴィな「PYRAMID OF CHEOPS」、メロディアスなギター・リフがあまりにもかっこいい名曲「CRASH AND BURN」、格式高いアコースティック・サウンドを聴かせる「SORROW」と、バラエティに富んだ好曲が収録されており、聴く者を決して飽きさせない出来となっている(インギー自身が歌う「ANGEL IN HEAT」は余計な気はするが)。 意外な人選だったマイク・ヴェセーラも、ともすれば画一的になりがちだったイングヴェイの楽曲に新しい風を吹き込むことに成功している。 個人的には本作こそが'94年度のベスト・アルバムだ。