スウェーデン出身の4人組による'94年発表のデビュー・アルバム。 HANOI ROCKS直系のパンキッシュなハード・ロックを演じており、そのプレイや楽曲からは「GUNS N'ROSESやRAMONESから多大な影響を受けた」という主張がありありと出ている。 デビュー作にしては楽曲もなかなかの完成度を誇っていて、東洋風インスト「SMELL THE MAGIC」から埃っぽい「BAD TO THE BONE」の流れ、アクセル・ローズのような歌唱とスラッシュのようなギターの音色のHANOI風ナンバー「STRANGE KIND OF ATTITUDE」、ブラス・サウンドがイカした「LOVE」、エネルギッシュな「WILD DOG」、パンク・テイスト溢れるシングル曲「ELECTRIC SUZY」、キャッチーな歌メロの「KICKIN' UP DUST」、RAMONES的と言うよりそのままの「FILL UP THIS BAD MACHINE」等、デビュー作にしてなかなかの好曲揃いである。
名手ジョニー・ウリーン率いるスウェーデン出身のバンドによる'94年発表のデビュー・アルバム。 はっきり言って「インギーのパクリ?」と呼びたくなるような曲もいくつかあるが、北欧バンドに連想される叙情性と哀愁に満ちた好曲が並ぶ。 HELLWEENのようなポップなメロディの「DESTINY」,クラシック曲をモチーフにしたようなギター・ソロが圧巻の「EVERYTHING」、歌メロがキャッチーな本国でのリーダー・トラック「HANG HIM HIGH」、ドラマティックで叙情性に満ちた「WAY OF LOVE」、明るくメロディアスなサビのハード・ドライヴィング・ナンバー「DANCE FOREVER」が特にお気に入り。 ギター・ソロは全編聴き所アリ。
バンドの20周年記念として'04に発売された未発表曲収録のCD4枚(日本版は更にこれまでに発表されたボーナス・トラック等を収録した1枚が追加)とインタヴュー映像等を収録したDVD1枚からなる豪華なボックス・セット。 これまでのアルバムに収録されなかったのが不思議なほどの好曲や、今となっては決して作られないであろう曲調の曲等、ファンならば大金をはたいて購入しても損はしないであろう充実した内容となっている。 まずCD1であるが、ノリのよいロックン・ロール・チューン「WHY AREN'T YOU DEAD?」、名曲「BLOOD ON BLOOD」を彷彿させる、これまでアルバムに収録されずに埋もれていたのが不思議なほどの秀作「THE RADIO SAVED MY LIFE TONIGHT」、「TOKYO ROAD」の焼き直しのようなハード・ナンバー「TAKE IT BACK」、オリジナルよりもメロディアスな「SOMEDAY I'LL BE SATURDAY NIGHT(DEMO)」、リッチーとのコーラス・ワークが美しい「MISS FOURTH OF JULY」、哀愁あるサビがとてもキャッチーな好曲「OPEN ALL NIGHT」、ジョンの優しげな歌が印象的な「THESE ARMS ARE OPEN ALL NIGHT」、「CRUSH」以降のアルバムに収録されていても違和感のない「I GET A RUSH」、ほのぼのとした曲調の「SOMEDAY JUST MIGHT BE TONIGHT」、まるでSTINGのような「THIEF OF HEARTS」、「HAVE A NICE DAY」収録のハード・ロック・ヴァージョンとは趣を異にしたアダルトな雰囲気漂う感動的なバラード「LAST MAN STANDING」、デビッドのキーボードがいい味を出している「I JUST WANT TO BE YOUR MAN」の12曲を収録。 個人的には「THE RADIO SAVED MY LIFE TONIGHT」、「OPEN ALL NIGHT」、「LAST MAN STANDING」の3曲が気に入った。
テッド・ニュージェント(G・Vo)、元STYXのトミー・ショウ(G・Vo)、元NIGHT RANGERのジャック・ブレイズ(B・Vo)を中心に結成されたバンドの90年発表の1st。 このメンバーが競演するというだけで質の高い作品を期待してしまうが、その期待を裏切られることはない。 明るくキャッチーな「COMING OF AGE」、コーラスが美しい「RUNAWAY」、伸びやかなコーラスが鳥肌モノの名バラード「HIGH ENOUGH」、哀愁に満ちたドラマティックな「COME AGAIN」、NIGHT RANGERを彷彿させるハード・ロック「ROCK CITY」、メロディアスかつポップな「TELL ME HOW YOU WANT IT」、テッド・ニュージェントならではの暴走ナンバー「PILEDRIVER」等、「アメリカン・ロックとは何ぞや?」との問いかけに答えるかのよう内容である。 80年代のアメリカン・ロック全盛の時代に発表されていれば、もっと大ブレイクしたのではないだろうか?
元オジー・オズボーン・バンドのフィル・スーザン(B)在籍するバンドによる90年発表のアルバム。 マネージメントはかのQプライム、プロデューサーはスティーヴ・トンプソン&マイケル・バービエロ、作曲クレジットにはデスモンド・チャイルドも名を連ねるなど、発売前から成功を約束されたかのような完璧な布陣で発売されたものの、結果的には話題にのぼることすらなかった。 アラビア風なイントロのメロディアスな「NO MORE BROKEN DREAMS」、爽やかでドライブ感に満ちた「BILLY KNOWS BETTER」、渋いバラードの「YOUR LOVE IS VAIN」に「KILL ME」、メロディに哀愁感漂う「ISN'T IT EASY」、コーラスの美しい「BEGGARS & THIEVES」等、曲も悪くは無いが、いかんせん普通のハード・ロックであり、このバンドならではの個性は感じられない。
今後のSAVATAGEの路線を決定付けた'90年発表のドラマティックな名盤。 このアルバムの売りはなんと言っても美しくドラマティックな超名曲「GUTTER BALLET」だろう。 個人的はこの1曲だけでアルバムを買っても損はしないが、風変わりなベース・リフの「OF RAGE AND WAR」、ジョンの慟哭のような歌唱が胸を締め付ける「WHEN THE CROWDS ARE GONE」、美しいギター・インストの小作品「SILK AND STEEL」、アグレッシヴな疾走曲「SHE'S IN LOVE」、壮大でドラマティックに展開する「HOUNDS」、劇的なオープニングの正統派ナンバー「THE UNHOLY」、心の琴線に触れるような感動的なバラード「SUMMER'S RAIN」等も捨て難く、いわゆる捨て曲というものは見当たらない。 クリス・オリヴァの官能的なギター・プレイも堪能して欲しい。
'89年発表のデビュー・アルバム。 まだ良質のアメリカン・ハード・ロック・バンドの1つといった感じであるが、ファンキーなサウンド、ヌーノ・ベッテンコートの超絶技巧ギター・プレイといった個性はこの時点で既に確立されつつある。 ノリのいいキャッチーな「WIND ME UP」、コーラス・ワークがこのバンドならではの「KID EGO」、美しくドラマティックなバラード「WATCHING,WAITING」、ヌーノの華麗なギター・ソロで幕を開けるVAN HALENのようなサウンドの「MUTHA(DON'T WANNA GO TO SCHOOL TODAY)」、ファンキーに疾走する最もEXTREMEらしい「TEACHER'S PET」、ヘヴィなリフの「FLESH & BLOOD」、トルコ行進曲で始まる完成度の高いハード・ロック「PLAY WITH ME」がお気に入り。
デビュー・アルバムの成功に引き続き、満を持して発表された'90年発表の2nd。 プロデューサーには再びボー・ヒルを起用。 1stほど評価が高くないのは「CAN'T GET ENUFF」や「EASY COME EASY GO」といったヒットを意識したようなポップでダンサンブルなナンバーが収録されているせいであろうか。 しかし、個人的にはこれらの曲も結構好きだったりして、発売当時はかなり聞き込んだとの記憶がある。 他にも、美しくポップなメロディのヒット・バラード「MILES AWAY」、バンドの底力を発揮したアーティスティックな「RAINBOW IN THE ROSE」、ドラマティックかつメロディアスな「IN THE DAY WE'LL NEVER SEE」、イントロのレブのタッピング・プレイが心地よい「BAPTIZED BY FIRE」、明るくキャッチーな「YOU ARE THE SAINT, I AM THE SINNER」、壮大なドラマティックさを誇る「IN THE HEART OF THE YOUNG」等は今聴いても新鮮だ。 個人的には1STに勝るとも劣らぬ傑作だと思いますよ。
ドイツのバンドによる'90年発表のデビュー・アルバム。 ヴォーカルは現HELLOWEENのアンディ・デリス。 ドイツのバンドと言って想像されるような臭みのあるメロディではなく、愁いを含んだメロディが身上のハード・ロックをやっており、より洗練されて完成度の高くなった2ndには劣るものの、この1stもなかなかの出来栄えである。 アンディ・デリスの歌唱は未熟な点も目立つものの、独特の哀愁感ある歌唱は既に健在だし、バックの演奏陣のテクニックも十分素晴らしい。 サビでアンディの哀愁節が炸裂するメタリックな「TAKE THOSE TEARS」、疾走感みなぎるハード・ロック・ソング「ROLLING DOWN A THUNDER」、アンディの哀愁ある歌唱が美しい「ONE STEP INTO PARADISE」、物悲しくメロディアスな「CLOSE YOUR EYES」、アルバムのハイライトといっていい名曲「I ONLY WANNA BE FOR YOU」等、良曲揃いなので、アンディ時代のHELLOWEENファンは必聴!