マッツ・レヴィン程度だったら、ヴェセーラでもいいじゃないの?とも思えるが、このアルバムはお気に入りです。音楽性の拡散がいい感じに拡がって飽きの来ない作りになってますし、プロダクション良好。当たり前だがタンガリィデスに任せればこれぐらいのクォリティには出来るよなー。 このアルバムがどれだけ楽しめるかと言うと、いきなりゲイリー・ムーアのアイリッシュ路線の曲で始まってくれます。ってパクリかい(笑)。んでDドロップチューンのヘヴィ曲の連発。うーん楽曲が苦しい。けどマッツもムキになって熱唱してるし、コージーのシンバルも派手に鳴ってるし、なんか心地よい。音が良いって素晴らしいことだ。 美しいのがキました。Like an Angel - For Aprilあまりにも美しい泣きメロ。しかしついこないだまでAmberdawnにPrisoner of Loveでステージに呼んでチューまでしてた非常識デブが言う所の短パン歌手マイクに妻を寝取られた、いやほんとはローディと出来てたうんぬんの件が・・・萎えさせるんだけど、やっぱり音楽で感動してしまう自分がなんとも情けなくてなー。先へ進め。My Resurrectionのドラムはコージーらしいプレイだよね。メロディもいいし、ここからAnother TimeやEnd of My Ropeみたいなヒット性を持った曲に畳み掛ける辺りがこのアルバムのハイライト。この後も聴きやすい曲が続く。 イングヴェイの直接的過ぎるところを周りで抑えに掛かってバランスを取ったHRとして出来の良いアルバムらしいです。
実はこのアルバムの頃がイングヴェイの日本におけるセールスの全盛期です。オリコン一位なんてとんでもない状態。あれだけ人気のあったLAメタル勢が滅亡して、ほんとにヘヴィでPOP性のカケラも無い骨太メタルが売れ出して、Angraを始めとする出来の良いスピードメタルがまだ出てきていない時期でRainbowやMSG等古くからのHRファンを満足させるバンドの活動が滞って来た時期です。そんなこんなで他に代替品が薄かっただけなような。正直言うと私も少しメタルから離れてました。頭のDragon Flyがまた酷い。このタイプの曲が多く、かなり冗長に流れます。TeaserだってVan Halenを安っぽくしたみたいで彼が作ったいくつかのPOP曲の中ではランクは落ちるでしょう。ま、ギターソロが出てくるとやっぱり熱いんだけどね。さすがに俺もファンなんでこんなもんでコロっと騙されちゃう。 秀曲Forever Is a Long Timeは次作以降の音楽性に繋がったかも。このタイプの曲を作ってみるとヨランじゃ頼りなく感じてマイク・ヴェセーラぐらいの太い声が欲しくなったんだろうね。 ちっとも「このアルバムを聴け」のレビューになってないんだけど・・・いいでしょ??イングヴェイなんか知った時点でどうせ一生追いかけてしまうんだから(笑)
Carry on My WayやIn the Dead of Nightはなかなかカッコ良いけど、ほとんど原曲と変わんないんだよね。んで、原型を留めていないDPやRainbowは概ねイマイチです。Child in Timeはああいう風に終わらせてはいけません。第一いくら好きだからと言って一体何曲リッチーやるのよ。そういうとこがGoing イングWayで笑える。ラフに演奏されるPictures of Homeのジョーはなかなか。ギランの曲はジョー本人の聴きこみ具合も手伝ってさすがに上手。一番面白いのはThe Sails of Charonかな。このダークなムードを聴いて熱くなった人はウリ時代のScorpionsを買いに走ったでしょ?
一般的にはSeventh Signの線を単純に狙っただけの駄盤とされてるみたいです。 俺もそう思う。ヤケにインストの小曲が多いし・・・っつったら終わっちゃうか。 だがしかし。VengeanceとFire in the Skyはこのコンビならではのキラーチューン。マイク・ヴェセーラの起用はこういうのを上手くやるための人選なわけなのだから当然。バックの演奏も堅実だ。 Vengence 例のプログレっぽい展開かましてからクラシカルなソロに入るとことかキますねー。しかもリズムON状態でのクラシカルアンコールを初めて聴いた時にはビックリした。エンディングはFar Beyond the Sun以来の劇的なもの。とにかく全体のアレンジ構成がカッコ良すぎで涙出ちゃう。Never Dieより全然いいじゃん。 Fire in the Sky イントロで既に涙。ボーカルのラインがとにかく素晴らしい。 Aメロからして美しいし、ブリッジのギターとの絡み、サビの音の飛び方の意外性、どれをとっても良い。ギターソロ後半はインプロヴァイズの割に劇的に収束している。 イングヴェイが良く豪語する「5分で書ける」というような曲では全く無いことは確かだ。
MTV公募でめっけたジェフ・スコット・ソートを前作とは違い全編に渡ってフィーチャーしたアルバム。ま、こやつ。ルックスも含めかなり暑苦しい奴なんだけど、ハイトーンの伸びや上限の高さのテクニックは抜群なんで許そう。ボーカルアルバムなのでクラシカルな部分を若干抑えて、当時流行っていたチープだけどギターの音がハードなLAメタルやDio等のベテラン勢に対抗してヘヴィに攻めてみましたという感じ。 シングルになったI am a Vikingは大した曲じゃないような気もするけど、Disciples of HellやAnguish and Fear等のリフは熱い。 音質うんぬんに関しては、もしかしたらレコード時代はこんなに酷くなかったかも知れない。CD化時にどっかミスったんじゃないかな?このアルバムを楽しむにはメディアプレイヤーのDFXプラグインなどハイ上がりなイコライザーセッティングが必須なんだけど、イングヴェイのバッキングのマーシャルサウンドは風圧を感じさせる図太い音でビックリします。音を決めたらOn the Run Againの頭とか聴いてみてよ。
インストで曲数を稼ぐのは駄作、凡作の証。当然の如くサウンド的に「なんじゃこれ?」という感想を持った。彼のライブ時の音のデカさに通ずる各楽器のバランスの悪さ、スネアの中途半端なイコライジングもカッコ悪い。しいて言えばソロの噛み付くような音が生々しくて迫力があるといったところか。何はともあれマーク・ボールズって上手なんだけど、なーんか飽きちゃう。ちょうど彼が一緒にやったトニー・マカパインのギターと同じで魂を感じないんだ。この点では同じくモーホーで有名なロブやフレディにはとても敵わないよね。 Masqueradeはインペリテリがやるようなストレートな疾走曲なんだけど、なかなかPOPな味付けしてあって良い曲です。Miracle of Lifeも近年稀に見る美しい曲。こういうのだとイングヴェイのギターもマークの絶唱も素晴らしいんだからもっとこの手のをやればよかったっつの。
完膚なきまでにZENOのサウンド。大昔に聴いた、幻の名作のあの東洋的なエッセンスをまぶした美しいメロディと、すこぶる色気のあるギターソロが聴ける名作アルバム。 ワウ・ペダルなんて古臭い器具を使ってここまで美しく官能的なサウンドを表現出来るのが凄いです。ギター自体はフロイドローズ+ハンバッカーだったと思うけど、素のストラト至上主義の人を唸らすこと間違いないでしょう。 Meet Me at the Rainbowのギターはとにかく凄い。Wチョーキングでディストーション成分が強くなる辺りでは、心を掻き毟られるどころか玉の裏筋をねこじゃらしでなでられるような快感すらある。それにしても素晴らしいギターだ。
なんせこの人。自分が中学生の時にデビューしたはずなのですが、いまだに3枚しかアルバムが出ていない(笑)しかもこのZenologyは正式アルバムとちょっと違うみたいで、レコーディング時期もバラバラだし、ボーカルも3人起用。御馴染みのマイケル・フレクシグがメインだけど、トミー・ハートやヘルゲ・エンゲルケまで歌っている。 Heat of Emotionは一応これがオリジナルなのだろうか。このアルバムはZenoのギターならではってのが薄くて、前半はFair Warningっぽい分かりやすいメロディアス佳曲が続く。Is It LoveやTogetherなんかも泣けますね。Zenoっぽい曲と言えばLet There Be HeavenやIn Love With an Angel。やはりマイケルの歌がしっくりきますね。 ただしZeno自身の官能的なソロワークに浸りたいなら次作を推します。あれはマジで凄いから覚悟してね。
T.O氏とは若干意見が異となりますが、POPサイド中心の視点で書かせて下さい。 初期のメタルクィーン路線はやはり強引であった。いくら彼女がパット・ベネターが好きだったからといってそれはメタルとは違う。あの時代に他の女性シンガーと差別化しつつ手っ取り早くデビューさせるのには都合が良かったとは思うが、樋口宗孝自体が自分達のバンドの世界的成功をイメージ出来ていなかった頃、そのゴタゴタした渦中に放り込まれたようでなんとも痛々しい。バラードは一歩間違えたらフォークか演歌だし、ハードな曲はヒステリックすぎて彼女の能力を引き出せているとは思わない。なにはともあれ、男性視点における虚構的な女性人称で書かれた歌詞を歌うことに違和感を感じていたようだ。樋口の手を離れた後も、松澤浩明、松本孝之らとタッグを組み着実に足場を固めていった。 運命なんか分からないもので、メジャーに成り切れぬ苦い経験が彼女の意思を強靭にしていった。 「もっと自分らしい曲を歌いたい」 インタビューを受ける度にそう漏らしていたのが印象深い。 自分が思う転機は化粧品のCMに採用されたReturn to Myself。 一流海外ミュージシャンの起用など売れ行きに対するコストの高さとかもあったろうが、我慢に我慢を重ねたマネージメント側の勝利だ。この曲やHeaven Knowsなどはチャーリー・セックストンやリチャード・マークスが演っていた様なビートの効いたハードポップ。氷室京介のAngelって曲とかのあの感じ。この時期の歌詞に頻繁に登場する「自分らしく」といった表現はこういった過去からの決別といった意味があるのだ。その後の活躍はちと前の(と言っても・・・もう10年前なのね)J-POP界でのスマッシュヒット連発でご存知の通り。少なくともそれ以降しばらくの間ヒットのコツを掴んだ彼女の音はメロディアスなHR好きにはかなり聴き応えがあるであろう。哀愁味なんて表現できる日本人女性シンガーって他にいないし、Pardadox、Nostalgia、Cry for the Moonの愁いを帯びつつPOPなムードや、Antiqueの壮絶な上手さは感動的である。この雰囲気が出せるまで沢山の恋をしたのであろう。ま、下世話か。 元メタル姉ちゃんってことでアンテナに引っ掛かった方も聴いて欲しい。 感じるものがあるはずだ。