当時はそりゃもう狂喜乱舞の出来でした。誰もが認める輸入盤Bクラスのバンドがが160%ぐらいの力で作った奇跡の名アルバムです。まず冒頭のMetal Heartからして大胆なクラシカルの導入。これがあまりにもDeep PurpleやRainbow的な方法論なのだが、しっくりまとまっていて非常にカッコいい。 80年代メタル風味のソリッドなリズム。これを指してAccept周辺のバンドはドイツの重戦車と表現されるが、このアルバムの時期はやや足取りを軽くした感じでBf190に代表される戦闘機のイメージに重なります。こいつは連合軍の戦闘機に打ち落とされまくるんだよなー。そもそも地続きの土地で少しずつ領土を広げる為に使われた程度の能力なもんで、遠くへ飛べない。Midnight Moverだと良い感じのハード面との合わせ攻撃だけど、Screaming For A Love-Biteまで行くとタイトルはあれがそれで、曲調が強烈にポップでウドの麗しき歌声が乗ります。むむむむ。Living for ToniteのリフはScorpoinsっぽいですね。このようにやや他人の借り物の多さに苦笑する。 ははは、俺も大人になっちゃたなー。 ウドがクビになった時は「ウドの声こそがAcceptなのにー」と怒りに震えたのにねー。
このアルバムについてはだいぶ語り尽くされた感がありますけど・・・最初に動くイングヴェイを見たのはIsland in the SunのPV。シングルコイルを無理矢理付けたアリアのXXフライングVだったけど。TVKの番組でランディ木崎が興奮して紹介してました。当時の私は貸しレコードを借りてダビングする金にすら困っていてFMでエアチェックした2曲欠けていたニセアルバムを何度も何度も聴いたよー。 まさに水晶の如き煌きを感じさせる透明感のある粒の揃った音色(当時はディマジオFS-1使用)がまったくもって素晴らしかった。ここまでのスピードで弾く人はHR畑には確かにいませんでしたね。リッチー・ブラックモアがやるようなコキンコキンとした器用なオルタネイトピッキングを平然と2倍近いスピードで弾きこなすテクニックと、レガートなプレイでの何とも言えない色気の発散。ビブラートは音が震えてるんでなくきっちり音階を奏でているのにも。Jet to Jetの速弾きのキメ後から、トーンが太くなってキュィーンという入りでのメロディアスなフレーズの先の流麗なスィープなんか「もう勘弁して下さい」ってぐらいいい。まだ彼のプレイをどう表現していいか誰も分からずただ「速すぎるー」とか「クラシカル」としか言えなかったぐらいですから。それこそマイケル・シェンカーだってリッチー・ブラックモアだってクラシカル系と言われていてとても特別な存在だった時代なのです。 全体的にはイングヴェイの創作したアルバムの中でもとりわけPOPで聴きやすいタイプの音楽をやっています。RainbowだってMSGだってPOPなアルバムで市場を取りに行ってましたから必然です。このバンドの本来のリーダーはグラハムなわけでRainbowでは売れ線を狙った楽曲でひときわ実力を発揮した履歴があるということもあり、素養を良く考えられて選曲されております。あの力強い声は美しいメロディにこそ映えてしまうのね。イングヴェイはこのバンドのドラマーと仲が良かったと言っていたけど、この人、プレイは堅実だけど平凡な8ビートな人ですよね。シモンズ風の音色もちっとなー。 ま、世界的にはあんましパっとしなかったかも知れなかったけど、昭和30年代後半~40年代前半生まれの日本のHRファンに取っては大事な大事な心のアルバムでしょう。
トレードマークのアンドレ・マトスの声が聴けないのは残念だったけど、 「Nova Era」「Unholy Wars」のような曲はむしろファンサービスであると感じてしまうほどに「Millennium Sun」や「Heroes of the Sand」「Bleeding Heart」といった アルバム全体を多彩にする楽曲が素晴らしい。こいつらは音楽性が深いから・・・
誰も文句の言えない最盛期の「名盤」でしょう。 最近になって意識したことだけど、当時の最新のレコーディング技術を駆使しただけあってステレオ感が強く良い音で各楽器のディテールが繊細に聞こえる。ほんとに目の前で演奏しているような錯覚に陥る。リッチーのギターはサウンド的には他のアルバムに負けているような気がするけど、演奏自体はベストテイクをきっちり収録って感じ。Smoke on the Waterって良くギター入門曲みたいに言われてるけど、オルタネイトの速いとことか意外と難しい。キッチリ歌ってるフレーズだからゴマかしがきかないんですよ。ストラトに慣れたせいか効果的にアーミングを使うなど面白い演奏が随所に聴ける。またイアン・ペイスのスネアの音色はタマらんです。ロールの一箇所一箇所に聴き所満載なのでドラム小僧は必聴です。 イアン・ギランも昔はこんなに良い声をしてたのねん。
再結成DPの円熟味って美味だと思うのですよ。スタジオ版ではその渋さが支配的だったわけだが、このライブ版は割と派手派手。リッチーがライブ時の耳をつんざくようなトーンでかなり遊んでくれてます。Highway Starのフィードバックの所とかキてますね。Strange Kind of Womanのカケ合いも上手く決まってる。Jesus Christ Super Star~Everydayの歌詞あやふやーんとか、新曲のHard Lovin' WomanをやってるとUnder the Gunになって威風堂々とか。キメをモロに失敗してギラン爆笑!とかのおいしいネタが盛りだくさん。ジョンのソロがハイライトですね。美しいクラシカルフレーズからリトル・リチャード風のロックンロールピアノに展開する様がカッコ良すぎ。数々の名演はこんなのが弾ける能力ゆえだってことが分かった。 自分も彼らがこの頃の来日時こういうのを聴いたような気がするけど実は良く覚えてない。ジョンはケンシロウみたいにシャツをはだけるアクションを何度もしていて、リッチーの足がやたら細かった。ペイスは本気で上手かった。あとはアンコールのSpace Truckin'でデカイ風船が飛んできたんで、秘孔を突いて割ってやったこととか・・・ 実際のDPのライブって会場にいると鼓膜が破れそうなくらい音量でやられちゃって、実はこんなことばっか覚えているんだよね。3日は耳鳴りしてましたよー。ということでこういうレコードで落ち着いて各人のプレイを聴けるのは非常にありがたかったのを覚えている。
JudasのDefenders of the Faithと共に当時ヘビーローテーションで聴いていたアルバム。80年代のキラびやかな産業的サウンドとはだいぶ違うのだが、他のメンバーもWhitesnakeを通過したりして円熟した演奏をしているのがとてもカッコいいですね。LAを中心としたHMブームのさなかベテランがしっかり力を見せ付けたというアルバム。ま、モノホンはやっぱり違うねー。みんなの大好きなRainbowを解散させてしまったわけだからこれぐらいは作ってくれなきゃ困るっつーことでメロディラインもギランの当時の能力に合っているので耳馴染みは良いでしょう。再結成パープルだけが持つ独特の間みたいなモノがとても素敵です。 Knocking at Your Back Doorはリッチーが第一期DPの頃からモノにしていた奇抜なブルーズギターを堪能出来るし。Burn辺りに通ずるジャズ+クラシカルの強烈なキメの聴けるA Gypsy's Kiss。リッチーの天才的メロディ能力の本質に迫るWasted Sunsetsの色気たっぷりのソロフレーズは一聴の価値はあるでしょう。1分45秒付近のコードチェンジ部分、曲調は違うけどバビロンの城門のソロのグッと来る展開を思い出させてくれました。Perfect Strangersのプロモのギランとリッチーの握手拒否シーンは笑えます。
私のようなBent out~がタイムリーであった世代にとって、無茶苦茶待望されたジョーとリッチーのコラボレート。「これを買え」とかそういう話では無く、興味欲から買わずにはいられなかったのが正しいところ。 Deep Purpleにジョーが加入したというより、Rainbowの続きをイメージしながらジョンやペイスのDeep Purple印の楽器演奏をバックに従えたBlackmore&Turnerの作品。 「Slave&Masters」とはなんとも自覚的でシニカルなアルバムタイトルである。 少なくとも期待を裏切る出来ではなかったし、Rainbow時代よりプロダクションが良くなっている。King of Dreamsはジョーならではのセンチメンタリズムを大いに引き出せているし、Cut Runs Deepはイントロの美しさが極上でリズムパターンもソリッドだ。Fire in the BasementはコンパクトなLazyみたいでいかにもDPな演奏を堪能出来る。 ただしリッチーのギターソロはオクターバーかましただけとか地味目なのが多いのと、やはり冒頭3曲以外が佳曲のみ並ぶ印象がマイナス点。バラードナンバーはせっかくのジョーなのだからアレンジ段階でもっと劇的に処理しても良かったのでは??私はこのメンバーでの演奏バランスが好きなので、楽曲を練りこんだ上での次・次々作を是非発表して欲しかった。ある程度用意されていたのだが未発表という話も聞く。 最近のジョーの声質の悪化に納得がいかない私はこれがBent out~、イングヴェイのアルバムに続く「ジョーが良い声で歌っている」最後の作品と思ってます。
この曲は凄いです。なにせあのイモと呼ばれた1stアルバムの中の楽曲なのだ。美しく荘厳なピアノを改めて聴くと数年後のThe Final Countdownという名リフを書くことになったジョーイの作曲能力の根本を見ることが出来る。 かなり音程の怪しいクワイアとか迫力もクソもないドラムの音やらやり直したいことはたっぷりあるだろうが、モロにマイケル・シェンカー風でまとめきったハモリのギターソロも含め超名曲であろう。
皆様のご意見はもっともです。新加入キー・マルセロのギターは非常に上手いし、ジョーイのボーカルも確実に技術を増しているし、音質も素晴らしい。完成度は高い。 ただ自分が心より愛せるかというとやっぱり違う。RainbowしかりMSGしかりベテランのHRバンドが大人の事情でPOP化していった様とか、逆にツボに刺さるのですが、彼らの場合長年染み付いた独特のエッジも忘れていないわけで、そんな理由で別にPOP化するのはいいし、むしろ好きなんだけど。私は客としてEuropeにその余地を与えることは出来ませんでしたね。デビュー当時の輸入版に始まる非常に同時性の強いアーチストでしたから、単なるマイケル・シェンカーっぽい音楽性がThe Final Countdownにまでなった時にどれだけ感動したことか。んで、今作はやっぱ良いところがほとんど失われていた気がしました。やりすぎ感が強すぎてやたら嘘っぽく洗練しすぎ。少なくとも当時はまだチープなLAメタルの連中も生き残ってわけで、耳はまだハードサウンドに特化されてる中でこれ出されたらねー。 古いOpen Your Heartは息吹を与えられたけど、本質を捉えているはずのReady or Notは死んでる。これじゃカッコ良くねーよ。On the LooseとReady or Notを聴き比べてみれば分かる。豪華なアレンジメントの元になる曲の質はFinal Countdownよりだいぶ落ちていると思う。ジョーイの才能の開花がピークとなる時期がちょっとずれたのかな。じゃなきゃEuropeは失速しなかったと思うけど。 と、リンゴほっぺのジョンに変わって辛口意見しておきました。
例えば哀メロ付きイントロのある曲Out of the Run、Burning Heartと言った曲の雰囲気が好きならこれもその一つに入るであろう。いやむしろそのトップに食い込む楽曲だと思う。ソロもなかなか意外性があるラインで耳に残る。Zenoで歌ってるボーカルが苦手な人にはトミーの絶唱を聴いて下さい。
前作、前々作が非常に愛聴盤だったため、発表当時は「あれれ?」という感じでした。Run for Coverにしても、Out in the Fieldsにしてもハードロックのフォームの中では未完成でチープな表現なような気がして。当時はガキでしたからフィルもグレンもムーディすぎたのね。今聴くと当時注目しなかった楽曲を中心に味わい深い作品だったりする。
長年慣れ親しんだアナログ版の曲順の方が確かに良かった。2曲目にTeenage Idolってのはなー・・・全体的にはHold on to Loveが入ってるせいか前作よりもPOPな印象がある。Journeyを感じさせるようなキーボードの音が良い曲なので自分などはサウンドシステムを新しく導入する時の視聴に使いますね。カバー曲Shapes of ThingsでのテンションたっぷりのソロやMurder in the Skiesのリフのメタリック加減など、彼の履歴を考えると異常な程にハードな方向性も併せ持ったいた時期であったと考えられる。名曲Empty Roomsはこのアルバムのオリジナルバージョンがギター三昧で一番好き。ま、イアン・ペイスはゲイリー側からの制限もあったんだろうけど明らかにやっつけ仕事。逆にこの時期のゲイリーの片腕となったニール・カーターというキーボード奏者はハーモニーも取れる名プレイヤーである。後に出るエメラルドアイルズというビデオ作品でのコーラスのリハーサルが印象深い。
カイ・ハンセンという男が盛り込むようなJudas PriestやQueenの要素をそれほど隔世遺伝させられずに、Helloween、Gamma Ray、Angraのオリジナルな部分を直接的に取り込んだ新世代のフォロワーバンドなのだろう。とてつもなくビクター音産臭がする純度の高いメロディックスピードメタルである。とりわけThe World Will Be Betterが素晴らしく、久々にこの手の音楽に感動してしまった。間違いなく彼らの代表曲となるだろう。 ボーカルはマイケル・キスクのフェィク部分やアンドレ・マトスの高音部の繊細さなどの歌い回しの上手なモノマネと言えてしまう。昔のバンドは○○のフォロワーと言われても、実際にはかなり距離感があって逆にがっかりすることも多かったたものだが、安心してください。その点では確実に期待を裏切りません。 今の段階ではこういう表現が相応しい段階にいるバンドでしょう。 劇的な要素は十分強いので、Helloweenが時たま織り交ぜたキャッチーな方向の楽曲をガンガン排出出来ればもっとファンが付くはずです。俺も応援するぞー。
やや実験的な作風で物議をかもしだした作品。マイケル・キスク在任のラストアルバム。シングルになったWhen the Sinner,I Don't Cry No More,Step Out of Hell等は目を見張るクォリティを持っている。だがHMとの乖離感以前につまんねー曲が多いことも事実。無理な話だが、これと前作のNumber OneとかKids of the Centuryなどの良曲を合わせて密度の濃い1枚で出せば、世紀の名作になってた思う。
その昔、伊藤政則のラジオで聴いたStarlightによりゴミバンドと断じて無茶苦茶先見の明が無かった私ではありますが、以後の飛躍もろもろでこのバンドへの思い入れはある。マイケル・キスクの超人的な歌唱テクニックも凄かったし、アンディ・デリスの叙情的なハスキーボイスやソングライターとしての溢れる才能も素晴らしいと思う。 しかし、ごめんなー。今作もまたネガティブ意見だ。 Keeperだのコンセプトだのはどうでも良い。ただただ、メランコリックなブリッジからサビでメジャーキーになるメロディーの流れを聴くに付け、規定路線に当てはめてとりあえず作曲して、装飾アレンジメントでまずまずの曲に仕立て上げている感じがとても鼻に付く。ここ最近のアルバムでそこら辺は十分やってるし・・・少なくともDisc1は2曲目The Invisible Manがそこそこ好印象だけど全編通してそういう平凡な空気の連続だった。3曲目Born on Judgment DayのAメロとサビなんて、出来の悪いフォロワーを自分達で演じてるみたいでもう嫌で嫌でたまらない。 そもそもケミストリーがバシバシ闘うような生きているバンドじゃないのはもう覚悟してるし、最近の自分はThe RasmusやらSentencedなんかにハマっているってことで、自分の趣向も変わって来たのだと思う。 ちなみにHeloweenの中で私が一番好きなアルバムは、Judas Prisetの名盤Defender of the Faithに近い雰囲気を持つThe Time of the Oath。Powerに次ぐPowerって感じで、力をもらえたよなー。Chamereonだって「そりゃないよー」と思う部分はあるけどとても面白いアルバムだったと思う。When the Sinnerなんかいまだに大好きだけどね。 これからDisc2をワクテカしながら聴きますよー。
ということで、Disc2聴き終わりました。気持ち良く流れた、Immigrant SongっぽいDo You Know What You Are Fighting Forのドラミングのパワフルさに惚れた。他にも何故にキャンディスとデュエット??なんて感じで、気持ち良く楽しめて聴けたよー。 断然Disc2の方がパワーもユニークさもバンドの生命力も強く感じる。7曲目My Life for One More Dayの空気はかなり良い感じだ。 うん。分かった。彼らきっとDisc2枚のコンセプトを明確に分けたんだね。要するに6曲で終わっているDisc1に7つ目の鍵は見つからず、Disc2にしっかりあると。 って壮大な釣りをするほどこのバンドに余裕があるのだろうか?と、思ってしまった。
Sole Surviverのっけから贅沢なイントロがキまくりです。その昔、イアン・ペイスのBurnでのAメロ、フィル入れっぱなしってのを「掟破り。そんなのありかー???」と思ってたのだが、こいつのイントロもかなりすっげーです。 こんなんで掴んでしまえば、ゲームボーイだろうとなんだろうと、アルバム1枚強引に引っ張れるです。Why?とかSecret Alibiなんかもアンディの声にハマリまくっていて良く聴きました。基本的に次作と合わせて新生(?)Helloweenの一番美味しい時期でしょう。
昔、勤めていたお店にパイオニアのレーザージュークが入っていて、そこでデモ演奏で掛かるメタル曲がKids of the CenturyとGamma RayのHeaven Can Waitでした。いい曲だなーとは思っていましたが、誰の曲かも忘れてました。 数年後アルバムを買ってからはこの他にNumber OneとかSomeone's Cryingとかもお気に入りです。
俺はこのアルバムが大好きです。良い曲だらけでないの。 Promise of Loveではポール・ロジャース+ブライアン・アダムスみたいな豪華な曲じゃん?普遍的なキャッチーさを上手く表現出来ている。 All or Nothing at Allは彼の曲の中で1,2を争うぐらいの名曲だと思う。さらりと流して聴けちゃうから気付かれないけど凄い曲ですよ。 Nothings Changedのようなアコースティックな曲ではBon Joviがやるような土着的なアメリカンROCKの雰囲気を出している。なるほどこの手でも上手いわけか。 うーん、借り物ばっかか(笑)しゃーねんやん。やっぱりHRの人なんだもん。 でもロニーもグラハムもこれは絶対出来ない。だからジョーは強い。 色々歌ってくれるからファンとしてはいつも期待して聴けるんですね。 さすがにRescue Youの時は大した曲もないのに産業ROCKの線を無理やり狙ったみたいな勇み足だったと思うけど、時代の流れとともにジョー自身が成長しもっと得意な部分を見つけることが出来た快作だと思います。 全然売れなかったけど諦めるな。 梶山とのコラも面白かったけど、徐々にこの路線に戻さないと行き詰るぞ。
これは美しい。絶品です。 Scorpionsの原曲においては全米でスマッシュヒットしたアルバム「Love at First Sting」に収められていました。あれはあれで珍しくリードを弾くルドルフのギターのメロディが良かったんだけど。ここで聞けるラナの歌唱はとても素晴らしく裏声スレスレの部分がなんとも悲しげに響きとても感動的である。ちなみにルドルフの弾いたメロディ部分はチェロで奏でられており、文字通りシンフォニックなバラードに仕上がっている。 Scorpionsも聴き直したら、クラウスの歌に久しぶりに感動しちゃったよ。ま、曲自体が100点満点なんだろね。
Thunder in the Eastの話題を挙げるのって恥ずかしいなー。白状すると、当時かなり夢中になりました。デビューから着実にステップアップを重ねついに究極のヨーロピアン風ジャパメタを極めた撃剣霊化にはまっていた私です。ついに全米進出を果たしたこいつもなかなかの完成度を誇ってます。二井原もデビュー当時に比べれば声質が太くなってきてたしね。 ただハイファイの極みっつーか、ドンシャリすぎるだろー。90年代以降のデジタル録音に比べるといかにもなEQフィルターが胡散臭いのなんのって。さらに得意のプログレ風味はRun for Your Lifeぐらいで基本的に作曲禁止みたいなー。そりゃそうだよなー。Cum on Feel the Noiseをメタルで演奏したらほんとにピカピカ黒キャデラックに乗れるようになっちゃう国ですから。着飾ってでも売れなきゃしゃーねーと。どう考えても彼らの能力だったらCrazy Nightsなんて寝転っびながらでも書ける曲でしょ。ま、Deep Purpleのヒット曲だってそんなのばっかだし、そういうのを狙って作る方が逆に難しかったりもするんだけど。 アップテンポの優秀曲Like HellやGet Away辺りに顕著ですが、ESPの緩巻低電圧の名PU「LH-200」の拾うトーンが美しい構築美たっぷりのギターソロに強烈な聴き所があります。特に後者のピッキングの軽快さなどはイングヴェイに刺激された時期とは言え名手高崎晃の本領発揮です。ラストのNever Change Your MindはM.S,Gのこれまた名曲Never Trust Strangerみたいな感動的なメロディラインで個人的にはちょっぴり恥ずかしさを感じさせられてしまうアレスより数段好きだなー。ま、とにかく良く出来てるHMアルバムですよ。
1stシングルのHot Girls in Loveはイマイチメロディ感に欠けていて好きになれなかったが、この曲のドライブ感とキーボードのパート別の使い分けは文句なしにカッコいい。こういう軽めのドライブ感は日本のアーチストも結構取り入れてたなー。 ただしLoverboyってアルバムアーチストとしては落第点。楽曲の捨てレベルが高く退屈なバンドでしたね。
このアルバムには騙されましたよ。レコード会社の陰謀か。邦題は「MSGライブ~神々の饗宴」 MSGのライブといったらハマースミスのライブ盤以来。あれがなかなかヘヴィローテーションであった自分は、そりゃもう期待感に溢れ股間がモッコリーしてあえて曲順も見ずにライブ体験しようと持ち帰ったものです。 ロビンが「Cry for the Nations」とか「On and On」とか歌っちゃうのかなー。やっぱり「Captain Nemo」もやってるんだろうな。みたいな感じで。 「って、これだったのかーーーー」と、それそれはがっかりしました。
EVEがいいですね。Aメロから絶品のBメロさらにCメロまであってサビもポップでなかなかおいしいメロディ盛り沢山。でもこのAメロみたいなダーティな歌い方をロビンがすると、ヴィンス・ニールみたいでモッコリしちゃう(意味不明) When I'm Gone、What Happens to Me、Never Ending Nightmareなどのバラード曲も以前のTimeやAnytimeに続く名作となっている。ちょっとバラードが多すぎるけど、こういうのやるとロビンはさすがに上手いですね。
発表当時は大いに聴きこんだ前作Built to Destroyよりさらにアメリカ進行を意識した空気が強くて違和感があったが、今現在聴くとメロディの強いブリティッシュロックで持ちこたえていたのが分かる。所詮(というかうれしいことに)マイケル・シェンカーの音楽の範囲を超えていないのだ。ドラムの音とかが80年代的ですけどね。つまるところボーカリストも含めメンバー交代で違うバンドにはなったが、マイケルの泣きは健在でHere Today, Gone Tomorrowのリードのラインなんてたまらないですね。このラインナップを象徴するようなスローナンバーTimeの出来も素晴らしい。 んー、でもBuilt to Destroyの方がどうしても好き。ゲイリー・バーデン愛でしょか。
POPなこのアルバムの中でもとりわけPOPでキャッチー、かつ見事なアレンジメントを持つナンバー。アンディ・ナイも大活躍。 Dancer同様マイケルのPOP表現が見事。しかしボーカルレンジが合っているAメロ終了と同時にゲイリー・バーデンの弱点がモロに出てしまっててこいつは不味すぎます。リミックスでリードボーカルの差し替えを行うならStill Love That Little Devilよりか、こっちの方を優先すべきだったかと。すげーいい曲なんだけど・・・ いずれにしろこの曲を生かせない等、詰めの甘いリミックスは無駄骨だったと思う。
前作が「神~帰ってきたフライングアロウ」というウルトラマンもびっくりの邦題に対して、今回はシンプルに「神話」。うーん「フライングアロウA」とか「フライングアロウタロウ」とかじゃなくて良かった。白基調のジャケがカッコイイ。 大体にして1stアルバムが「The Michael Schenker Group」2ndが「MSG」モッコリ時代でまた「MSG」って、「あんた、自分が作ったアルバムのタイトルすら覚えてないんかい!!」と神に対して突っ込んでみたりする。 さてこのアルバムの内容的には前作で見せたジェフ・ベックをROCK寄りにしたようなフュージョン風味から、コージー・パウエルの2バスドコドコで迫力を増して、歌を聴かせる部分を多くしてより普通のHRに路線を戻したという点。歌モノ中心ということでゲイリーも懸命にがんばっている。曲の粒は飛躍的に上昇。On and OnやLooking for Loveなど数々の名曲が生まれた。誰もが考え付くようなシンプルなリフの上に悶絶泣きのオブリが入ってくると儚くも美しい命の灯がともされる。至る所で泣いてますねー。 このアルバムからの代表曲は長らく「Ready to Rock」と「Atack of the Mad Axeman」と信じられていたが、最近は当時は地味な評価だった曲の方が人気があるくらいで、これは長期間聴き継がれた名盤の証。 しかしこのアルバム。メロスピみたいな贅沢な音像に慣れた若いメタルファンの耳にはどう感じるのだろうか?正直な感想を聞いてみたいですね。
例の裏声でGive Me A Chance どうってことがないリフに美しいオブリが載せられている曲なのだが、こういった素朴な題材のHRに感涙のメロディで息づかせるのはマイケルの最も得意とする所。 コージーの一見不必要に思えるツーバスのパターンなど、 不思議な聴き所がある。このアルバムはそういうエッセンスが所々散りばめられていて彼らの作る独特なHRの魅力に覆われている。