前作が「神~帰ってきたフライングアロウ」というウルトラマンもびっくりの邦題に対して、今回はシンプルに「神話」。うーん「フライングアロウA」とか「フライングアロウタロウ」とかじゃなくて良かった。白基調のジャケがカッコイイ。 大体にして1stアルバムが「The Michael Schenker Group」2ndが「MSG」モッコリ時代でまた「MSG」って、「あんた、自分が作ったアルバムのタイトルすら覚えてないんかい!!」と神に対して突っ込んでみたりする。 さてこのアルバムの内容的には前作で見せたジェフ・ベックをROCK寄りにしたようなフュージョン風味から、コージー・パウエルの2バスドコドコで迫力を増して、歌を聴かせる部分を多くしてより普通のHRに路線を戻したという点。歌モノ中心ということでゲイリーも懸命にがんばっている。曲の粒は飛躍的に上昇。On and OnやLooking for Loveなど数々の名曲が生まれた。誰もが考え付くようなシンプルなリフの上に悶絶泣きのオブリが入ってくると儚くも美しい命の灯がともされる。至る所で泣いてますねー。 このアルバムからの代表曲は長らく「Ready to Rock」と「Atack of the Mad Axeman」と信じられていたが、最近は当時は地味な評価だった曲の方が人気があるくらいで、これは長期間聴き継がれた名盤の証。 しかしこのアルバム。メロスピみたいな贅沢な音像に慣れた若いメタルファンの耳にはどう感じるのだろうか?正直な感想を聞いてみたいですね。
UFOという素のブリティッシュROCKバンドの哀愁要素をぶっこ抜きして作ったというのが前提。それじゃ泣き過ぎちゃってクドくなるところを器楽的にというかフュージョンっぽいというかそういうテクニカルなカラーを全体にまぶしてやや異色な音楽性に昇華させた素晴らしいHRアルバム。曲自体については色んな方が語ってくれてるし、そりゃもう20年以上何百回と完走聴きしてるんでさすがに飽きたかも。 このアルバムでとにかく耳につくのがサイモン・フィリップスのドラムス。ジャジーで70年代的な生っぽいテクニックが熱い。In to the Arenaを聴く限り武道館ライブにおけるコージーの解釈はイマイチだったりする。