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H・Wさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 301-356
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H・Wさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 301-356
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ULI JON ROTH - Prologue to the Symphonic Legends ★★ (2002-10-04 01:21:00)

プロローグ

・・・・・
・・・・・
・・・・・
って、本編はまだかい!!!(笑)
このアルバムは「ほんのさわり」という中途半端な内容のものだが、その時点ですでに、向かうところ敵なしの美旋律HR作品に仕上がっている。
マイケル・フレクシグの歌唱が一部相当苦しいのと、バックの演奏があまりにも機械じみていることが玉に瑕だが、そのあたりを改良し、さらに楽曲をずべてそろえた「完全版」が発表されたとしたら、ぼくはいくら払っても惜しくは無い。


ULI JON ROTH - Prologue to the Symphonic Legends - Starlight ★★ (2002-10-04 02:40:29)

本当は星三つ、余裕で獲得できるほどの、圧倒的に美しい曲なのだが、マイケル・フレクシグのヴォーカルが苦しくって仕方ない。
いいシンガーなのだが、ちょっと無理させすぎたようで、ギリギリ搾り出す高音がコミカルなほどに辛そうである。
適任シンガーでリメイクしてほしいなあ。


ULI JON ROTH - Prologue to the Symphonic Legends - Winds of War ★★★ (2002-10-04 01:40:57)

ドラマティック。
この曲のためにその言葉は存在する。
壮大な宇宙空間にひとすじ突き抜けていく白いレーザービームのように、ウリのギターが飛翔する。
こういうヒロイックなカッコよさは、人前で大音量で聴くのはさすがに恥ずかしいが、背筋から湧き上がる興奮の波を、どうしても抑える事が出来ない。
緩む口元、握るこぶし、粟立つ肌、熱き目頭。
そういう曲である。


ULI JON ROTH - Transcendental Skyguitar ★★ (2002-10-04 02:20:00)

これほどいい加減に音源を寄せ集めただけの作品が、ちゃんと高レベルの評価対象になってしまうというのは凄い。まさに孤高の存在である。
ラフスケッチやデッサンが高値で取引される画家のような、そういうレベルの存在だということだ。
しかしこのような中途半端な作品を立て続けに発表していて、大丈夫なのか?
ファンとしては、彼の音ならどんな形でも聴ければ嬉しいが、断片的にちょろちょろと音源を切り売りしていくようなやり方は、決して本人の望む所ではないだろう。
商売と創作活動のあいだで板ばさみになって、イライラしているウリの姿が想像できてしまう。
「レコード会社との約束もあるし、仕方ないから、そのへんの音源を集めてみるか。」とかいうことで、手間のかかる編集作業に労力を費やしていたとしたら、時間がもったいないので、それはいいから腰をすえてメロディックHR作品の完全版を作ってください、と言いたくなる。


ULI JON ROTH - Transcendental Skyguitar - Sky Overture ★★★ (2002-08-01 15:05:11)

バックの演奏が機械でなければ、以降誰も越えられない不滅のインストが生まれていたかもしれない。
エレキギターの表現力の限界に迫る、魂に直結した演奏と、選び抜かれた一音の重みが、怒涛の波状攻撃で僕の眉間に襲い掛かる。
生半可にクラシックをかじっただけでは、こういう展開の妙は絶対思いつかない。
彼の努力とセンスに敬礼。
ありがとうございました。


ULI JON ROTH - Transcendental Skyguitar - Villanova Gem (2002-08-01 14:52:48)

ウリはこの曲(気楽なジャムセッションだが)について、「カリフォルニアのハイウェイを走る感じで」と言うようなコメントを残しているが、
その車に乗っているのは間違いなく東洋人だ(笑)
「ここがルート42アルか?」という感じである。


ULI JON ROTH - Under a Dark Sky ★★ (2008-09-28 16:58:00)

僕がこのサイトの「PROLOGUE~」のところに「本編はまだかい!」と苦情を書き込んだのが6年前。
そのときすでに6年待たされていたから、都合12年越しで、ついに出た本編・・・。
と、いうことになっているが、「PROLOGUE~」とはずいぶん空気感の違うアルバムである。
あのアルバムは、壮大な宇宙空間を貫く真っ白なレーザービームような感じだったが、今回はなんというか、地球的、というか、土臭い。
(あえろすみすさんも同じような指摘をなさっていますね)
民謡っぽく、親しみやすいメロディが多く登場するところなんかは、ブラックモアズ・ナイトを思い出したりした。
そういう意味で、やはり12年の歳月は長く、ウリの趣味も「枯れた味わい」に近づきつつあるのかな、という気がした。
ギターの表現力は相変わらず、というか深まるばかりで、こればかりは凡人が追走できる範疇を超えているが、速いパッセージに、ビリビリと鬼気迫るようなエッジが薄れたのも、「枯れた」印象を強くしている原因だと思う。
まあ、僕自身が30代も半ばに差し掛かっているわけですから、ねえ。


VAN HALEN ★★ (2002-08-16 21:23:00)

ゲイリー・シェローンは「まじめに頑張る地味な奴」だった。
EXTREME時代からそうだったはずだ。
だから、パフォーマンスだけをみたとき、当代随一のエンターテイナーであるダイヤモンド・デイヴや、アメリカを代表する豪快なロッカー、サミー・ヘイガーと比べて分が悪い事など、判りきっていた事なのである。
ゲイリー加入をプラス方向に転じさせるなら、その唯一のキーワードは、「バンドの若返り」ではなかったか。
燃え盛るようなエネルギーを取り戻し、もう一度「ヴァン・ヘイレンのドライヴィング・ロック」を聴かせてくれれば良かったのに。チャンスだったのだ、ある意味。
だから、「Ⅲ」がなぜあれほど地味な仕上がりだったのか、未だに判らない。
前作の延長線上にありながら、さらにアダルト・オリエンテッドだった「Ⅲ」の作風は、ゲイリーに「サミーの代役」となることを強いているようにも思える。こうなると、いくらゲイリーが踏ん張った所で、ネガばかりが目立っても仕方あるまい。
だから彼がバンドを去ることになっても、驚く事ではなかった。
「世界最高の奇術師と、最高のエンターテイナーによる、素晴らしいパーティーバンド」から、「熟練したミュージシャン達による、最高の楽曲指向バンド」へと華麗なる転身を遂げた前回のようなマジックは、残念ながら起こらなかったのである。
しかし、「Ⅲ」におけるゲイリーの仕事振りは、「立派に代役をこなした」ということは出来なくもない。歌唱力なら、少なくともサミー並みに歌えることは証明していた。
気の利いた小技をいくつも連携させて生み出されるエディー独特のグルーヴは、凄まじく深みを増しており、地味ながら味わい深いアルバムであるといえよう。
特に「ONCE」は名曲だった。
さて、
これからの彼らの動きに注目だ。彼らがなにを選択するのか、興味は尽きない。


VAN HALEN - For Unlawful Carnal Knowledge - Pleasure Dome ★★ (2003-05-05 00:17:53)

ありとあらゆる技を駆使して、だだひたすら「グルーヴ」を発生させることに集中した、という趣の曲。
エディは、ギターが放つ、ノイズも含めたあらゆる「音」を操り、聴き手のアドレナリンをじわじわ引き出す。
何も弾いていないときの「空間」までもが何かを訴えかける、それはまさに驚異の演奏。
同じように弾けるギタリストなどこの世にいない。
凄いです。


VAN HALEN - Van Halen III - Once ★★ (2002-08-16 21:33:07)

美しいピアノの調べ、ミステリアスな歌メロ。
ゆっくり坂を登っていくように、じわじわテンションを上げていく演奏。
そして、大空に飛び立っていくような、もの凄い開放感が待っている。
あちこちで決まる、エディーによる効き目抜群のオブリも秀逸。
名曲だ。


VANDENBERG ★★ (2003-08-08 00:13:00)

上半身裸の上に白いベストを羽織って黒い大きな蝶ネクタイをするという、前代未聞の恥ずかしい衣装で、レスポールを高い位置に構えて弾いた人、エイドリアン・ヴァンデンバーグ。
後にも先にも、あんなカッコのミュージシャンは見たことがないわけだが、彼があの時期に生み出した音楽は、そのカッコ悪さを差し引いて尚、孤高の領域にある。
おねがいします。ヴァンデンバーグどの。
あの頃のステージ衣装をもう一度着ろとは申しません。
音楽性だけでも、戻ってきていただけないでしょうか?


VANDENBERG - Heading for a Storm - Waiting for the Night ★★ (2002-07-28 15:21:49)

メロディーと疾走感が結婚すると、こういう出来のいい子供が生まれる。
曲の途中で口が半笑いの形になってしまうほどカッコいい。
エイドリアンは自身のもつこの超絶メロディーセンスに磨きをかけるほうに進んでほしかった。


VANDENBERG'S MOONKINGS - MoonKings ★★ (2014-04-21 02:40:26)

「彼」が動き出したと友人から聞き、懐かしさもあって久しぶりにCD屋に足を運んだ。
いやもうこれが本当に久しぶりで、最近は音楽と向かい合うことも減って、心もすっかりガビガビになっていたかもしれないが、そんな僕をふと我に返らせる力があるねえ、あの頃のミュージシャンの名前には・・・。
ふとクレジットを見ると「Sailing Ships」の曲名があり、ああ、やっぱりあの曲は彼にとって思い入れの深い曲であったのだなあと妙に納得しながら家路についた。

さて、内容だが、
彼が再始動するとして、いきなり初期VANDENBERGの方向性は無いだろうと覚悟はしていたが、やっぱりサプライズは無かったようだ。かといってMANIC EDENほど土臭い感じかというとそうでもなく、うーん何というか、安直な表現で申し訳ないが、WHITESNAKEとLED ZEPPELINの名前は誰が聴いても挙がるだろうと、まあそういうアルバムだ。(聴く人が聴いたらTHE BLACK CROWSの名前も出るかもしれない。)
だが、特筆したいのは④とか⑦で魅せるストリングス絡みのメロディックでスローな曲で、ここでの表現力ばかりは、単純に前出のバンドとごちゃ混ぜで語るのもはばかられる。

エイドリアンのギターについては、90年代以降の彼らしく、深くて速いヴィブラート以外特に強い個性を感じさせない、非常に楽曲オリエンテッドなプレイであり、何も知らずに聴いた人は、まさかこのバンドにギタリストの個人名が冠されているとは思わないかもしれない。
替わって存在感を示しているのはヴォーカル。
歌メロはそのまんま、デヴィッド・カヴァーデイルだと思えるところが無視できないほどたくさんあるのだが、声質の魅力がある。ちょっとハスキーで、例えるなら、クラウス・マイネ味のふりかけを薄ーくかけたような感じで、個人的には大変好き。
こういう感じはいつか昔に味わったことがあるぞ、と思ったら、ディオに対するトニー・マーティンの時だった。

最後に、やっぱり気になる「Sailing Ships」。
長い長いインターバルを経て、ようやく作曲者の意図通りの形で録音されたこの曲、
僕らが待ちわびた「正しい姿」であるはずで、確かに文句のつけようのない佳曲ではある。あるのだが、正直、こうやって聴いてみると、いや、ヴァイのアレンジも捨てがたいじゃないか、と思えてしまった。
こうなると、Slip Of The Tongueの他の曲も俄然興味がわいてきた。
あのアルバムはエイドリアンにとって、心残りな記憶なのだと思うので、ここはもういっちょ、Wings Of The Stormもお願いしたいところである。

・・久しぶりのことで意気込みすぎて長文になってしまったが、最後まで読んでくれた人がいたら、ありがとうございました。イロイロ理屈捏ねてますけど、良いアルバムだと思うので、買ってみてくださいw


VICIOUS RUMORS - Welcome to the Ball ★★ (2002-08-05 03:07:00)

このアルバムは名盤である。間違いなく。
歌が異常に上手い、バカテクツインリードが聴ける、リズム隊が弾き出すアグレッションが気持ちいい、心臓にぐさっと突き刺さるメロディーがある、等々、日本のHMファンが喜ぶファクターに満ち溢れている。
①~②の名曲ニ連発でぐっとハートを掴んでおいて、その流れのままラストまで一気に聴かせてしまう作戦も見事。
HMムーブメント末期に吹いた、最大瞬間風速だったかもしれない。


VICIOUS RUMORS - Welcome to the Ball - You Only Live Twice ★★ (2003-05-06 23:32:09)

パワーメタルのなかで一曲挙げろと言われれば、おそらくこれか。
展開の仕方もカッコいいし、歌メロも素晴らしい。
そして、全ての演奏が信じられないほどハイレベルで成り立っている。
何気ないバッキングのギターパート一つとっても、よく練られていて心地よい。
思わずニヤけるガッツポーズものの一曲だ。


VIPER - Theatre of Fate ★★ (2010-01-27 00:04:00)

ANGRAがデビューするとき、何に期待したかって、このアルバムの再現だったんですよね。
で、アンドレ・マトスはその期待に見事に応えたわけです。
(しかも演奏は100倍レベルアップ)
でもね、僕は思ったわけですよ。
演奏はシンプルでも、こっちのアルバムの方が魅力的だ、と。


VITALIJ KUPRIJ ★★ (2003-11-30 08:40:00)

ヴィタリジェー・クプリジェーだと思っていた。(笑)


WHITE LION ★★ (2002-06-08 01:58:00)

ヴィト・ブラッタは、音の質感で迫るタイプのギタリストではないが、音を並べるセンスは当代随一である。
構築されたギターソロを楽しみたいなら、ホワイトライオンを聴くべきだ。


WHITE LION - Big Game - Little Fighter ★★ (2002-12-15 00:59:52)

曲自体はオーソドックスなキャッチーソングなのだが、ギターソロがたまらない。
ヴィト・ブラッタはこういう組上げられたソロを弾かせると天下一品だ。
彼は今どこにいるのだろう。誰か彼を呼び戻してきてください。
当時彼を正当に評価できなかった事を、みんなで謝ろうじゃないか。


WHITESNAKE ★★ (2002-08-28 22:17:00)

さてお立会い。
ここに並んだ色とりどりのヘビたち、じつはぜーんぶ白蛇だってんだ。どうだい、驚いただろう?
・・・てなわけで(笑)
時代によって様々に変化してきたWHITESNAKEであるが、個人的には、どの時代にもそれぞれ聴き所があって、好きである。
デヴィッド・カヴァーデイルが非常に魅力的なシンガーであることに異論はなかろう。その個性的な味を、様々なスタイルで堪能できた事は、リスナーとして幸せであるとおもうのだ。
絶品のバナナがあれば、パフェにも入れてみたいし、バナナケーキも作ってみたい。
たとえ、「俺はやっぱりバナナパフェに限る」という人間が現れたとしても、「ケーキでもイケルかも知れない」と試みた実験そのものを否定する事は出来ないだろう。
スティーヴ・ヴァイ在籍時が一番ボロクソ言われるし、デヴィッド本人も「あれはやりすぎたかも」と思っているようだが、虚心になってもう一度あのアルバムを聴いてみようじゃないか。
あれはいわば「焼いたバナナ」みたいなものだが、意外においしいって。絶対。


WHITESNAKE - Forevermore ★★ (2011-03-16 02:30:39)

まずは、70年代から活躍し、あの「BURN」とかを歌ったシンガーが、未だにこういうバシバシなアルバムを作ってくれることに感謝しよう、と、最近そう思う。

それはさておき、内容のほうだが、彩り豊かなホワイトスネイクの歴史の中では、どうしても埋もれがちに思えてしまう、少し平坦な印象のあるアルバムだ。
演奏は派手だし、パワーに溢れているが、曲を印象付けるフックが少し足りない。結果、「派手だが地味」という、言ってる本人もなんだかよくわからないところに落ち着いてしまうのである。

たぶんこれは、個人的に以前から「大きい当たりのファールを連発するタイプ」だと思っているダグ・アルドリッチの作曲センスによるところが大きいのではないかという気がする。
ダグのギター弾きとしての才能に疑いの余地は無い。
このアルバムでも、安定感抜群、情感に溢れるすばらしいプレイを聴かせてくれているが、作曲家としては、歴代、デヴィッドと組んできたコンポーザーたちの足元にも及ばないと、きついようだが断言する。

まあしかし、もうこういう、コテコテのHRを作る人材自体が貴重ではある。
すぐに代わりは見つからないだろうし、デヴィッドは歳も歳だし、うーむ。


WHITESNAKE - Good to Be Bad ★★ (2008-09-28 17:14:00)

「いまさらこんなアルバム、誰が喜んで聴くんだ」と独り言しながら、
大変喜んで聴かせていただきました。
相変わらず、デヴィッドは歌メロが良い。
このアルバムは、それに尽きると思う。
笑ってしまうほどジョン・サイクスを意識したダグのギターも、場合によっては批判の対象とすらなってしまうレベルだが、これほど潔く「あの時代よもう一度」と演られてしまうと、もはやお祭り状態であり、つい「いいぞやれやれ!」と応援してしまう。
ところで、その昔、ザック・ワイルドやポール・ギルバートと同列扱いだったレブ・ビーチは、なんでこんなにも無視されているのだろうか。
今回も結構良いギターを弾いていると思うのだが。


WHITESNAKE - Lovehunter ★★ (2002-12-06 00:21:00)

「古きよき時代の」ホワイトスネイクが、ジョン・ロードを迎えて作成した充実期の傑作。
イアン・ペイスがまだいないのでドラムは地味だが、タメ気味の演奏がブルージーで、なんだかほんわか。いい感じだ。
しかし何がイイって単純に曲がイイ。アグレッションはないが、どれをシングルカットしてもいいぐらい、聴いて安心、素晴らしい歌メロのブルーズロックが並ぶ。
ジョンのオルガンは効果抜群。時折サクっと切り込んでくるオブリが秀逸。この人はやはり天才だ。
ミッキー・ムーディ、バーニー・マースデンの二人も素晴らしくカッコイイソロを弾く。HRギタリストは、彼ら以上に上手く弾く必要はないのではないか、とか思ってしまうほどだ。
若干ポップ味のある渋いブリティッシュHR、これは最高に好きだな。


WHITESNAKE - Lovehunter - Mean Business (2002-12-06 00:27:46)

B面一曲目。アップテンポな御気楽HRナンバー。
ポップな味で、楽しく安心して聴ける。
ジョンのオルガンソロが秀逸。即興でひとしきり遊んだ後、
転調してちょっとクラシカルなキメを入れて、ピシッと締めている。
イイ。


WHITESNAKE - Lovehunter - Outlaw (2002-12-06 00:34:52)

この曲、なんと、バーニー・マースデンが歌っている。
「ホワイトスネイクのリードヴォーカル」を任せてしまうとは・・。
この頃のWSがいかにバンドとして結束していたか、
そしてデヴィッドの心にいかにゆとりがあったかを物語っている。
肝心の曲だが、これがまたいい。特に芸はないが、歌メロがいい。
次の曲が始まった瞬間、「やっぱりデヴィッドは上手いなあ」とか
思ってしまうにしても。(あ・・・。ひょっとしてそれって作戦?)


WHITESNAKE - Lovehunter - We Wish You Well ★★ (2002-12-06 00:43:55)

究極の瞬間芸。
この感動的なメロディを、さらに発展させて長い一曲にしようとせず、
おいしいこの部分だけを小作品にまとめたのは本当に見識。
名盤のトリを務めるにふさわしい、後味爽やかな「食後のデザート」だ。


WHITESNAKE - Restless Heart ★★ (2010-02-26 03:25:00)

「Slip Of The Tongue」の曲が、実はほとんどエイドリアン・ヴァンデンバーグのペンによるものなのだということを、僕はたまに忘れる。
奇人変人ヴァイの存在感が強烈だから、あのアルバムはそのイメージしか無いが、よく聴いてみると、あのアルバム、元ネタの時点で結構ハードでヘヴィだと判る。
別に、「Gambler」のような渋い曲を、ヴァイが無理やりド派手に作り変えたというわけでもあるまい。
何が言いたいかというと、いかにエイドリアンが「ブルース回帰」を標榜したところで、あの時点では、どう転んでも初期の作風を彷彿とさせる程の渋さに戻ることは無かったのだ。
そう考えると、このアルバムで見せる恐ろしいほどの地味路線について、一体何がそうさせたのか、と首を傾げたくもなる。
ぶっちゃけ、それなりに御歳を重ねたお二人が、アコースティックアルバムを経由して、すっかり「そっち方向」に流れていったというのが真相なのかもしれない。
そういえば、このアルバムをして、「初期のような作風」というのも、ちょっと違う気もする。初期のホワスネは確かに曲は渋いが、中に宿している魂はとても若くて熱い。対して、このアルバムは曲は渋いし、魂も渋い。疲れている、というのではないが、ちょっと萎びた感じさえする。
あんまり、ステージに立って大観衆の前で歌うことを想定していないような感じ、とでも言おうか。
それこそ、「スターカーズ・イン・トーキョー」のようなシチュエーションで披露するのが真っ当な楽しみ方のような感じを受ける。
それを思うと、「商業的な成功から少し距離があって、少人数によるアコースティックライブなんかも踏まえつつ・・」という当時の環境が思いっきり創作活動に影響を与えた、という線も考えられなくは無い。
このアルバムを聴いていると、当時のWSをめぐる環境が、過去、彼らが置かれたどの時代よりも、萎びた境遇であったということなのかもしれないなあ、などと思い返されたりもするのだった。


WHITESNAKE - Slide It In - Gambler ★★ (2002-08-09 02:38:12)

ごくごくシンプルな楽曲なのだが、異常なカッコよさを誇る。
コージー・パウエルの「タメ」の名演、デヴィッドの悩殺ディープ・ボイス、ジョン・ロードのピリリと効いてるオルガン。
大人のロック、ここに極まれり、と言っておこう。


WHITESNAKE - Slide It In - Guilty of Love (2003-11-15 23:46:46)

昔ポンキッキでやっていた「パタパタママ」に似ている。(わかる?)


WHITESNAKE - Slip of the Tongue ★★ (2002-06-26 20:15:00)

120点を求めるファンの心理が、90点のアルバムを「マイナス30点」と評価してしまったようなものか。
たしかに、古い暖簾を掲げるラーメン屋の味が変わったら、古くからの客は減るだろうが、この「新作ラーメン」が、実はめちゃくちゃ美味かったことは、食べた人間のみが知る過去の思い出である。


WHITESNAKE - Slip of the Tongue - Sailing Ships (2003-11-16 00:04:51)

「この曲はこの曲」として聴けば、すごくイイ曲だ。
これの「ヴァンデンバーグ版」は「スターカーズ・イントーキョー」でアコースティックバージョンとして聴けるが、
そっちのほうが圧倒的にイイとも思わない。
ヴァイはヴァイなりにいい仕事をしているし、彼のバージョンの方は、なんだか目の前に大海原が広がるような、そんな雰囲気があるじゃないか。


WHITESNAKE - Slip of the Tongue - Wings of the Storm ★★★ (2002-11-22 00:59:19)

VANDENBERGの曲をデヴィッド・カヴァーデイルが歌っている。と、まあ単純に言えばそういう曲で、それはすなわち最高のHRソングであるという事を意味する。
サビのメロディなど、デヴィッドが歌うなんて考えられないような北欧系の清涼感あふれるもので、スバラシイ。これははっきり言って超名曲だ。
間奏の構築感も非常に素晴らしく、このコード進行なら誰がソロをとってもカッコよく仕上がるだろう。スティーヴ・ヴァイも彼特有のヴォイシングで最高の素材を料理している。
上の方でもおっしゃっているが、これのエイドリアン・バージョンは是非聴いてみたい。


WHITESNAKE - The Purple Album ★★ (2015-06-28 19:10:48)


人間は年をとる生き物なので、こういう楽しみもある。

昔のF1ドライバーが、昔のマシンでサーキットを一周したら、
昔と同じタイムが出なかったとしても、それだけでなんだか嬉しい。

音楽の話になると、もっと話は深くなる。単にタイムを競う競技ではないからだ。
なので、僕はこういう企画をもっともっと、いろんなミュージシャンにやってもらいたいと思っている。

・・・だからこそ、あえて言いたい(笑)

・・・ジョン・ロードとリッチー・ブラックモアがダメなのは仕方なかったとしても、
せめてペイシーだけでも参加をお願いできなかったのか、と、アルバム通じて何回思ったかわからないぞコレ。
かの有名な「BURN」を例にとっても、RIOTのバージョンと比べたらよく分かる。
同じようにハイパワー、モダン化したバージョンではあるが、あっちはボビー・ジャーなんとかっていう人(ごめん忘れた)がとんでもない手数でイアン・ペイスのプレイをフルコピーしていて、それはそれは素晴らしい仕上がり。それにくらべて本アルバム収録のバージョンは、有り体に言うならノリが悪い。

他の曲にもだいたい同じ事が言える。

これはDPの再結成では無く、あくまでWSのアルバムであるからして、こういう発想自体がフェアじゃないのかもしれないが、個人的にはリッチー不在もジョン不在も、それほど気にはならなかった。
でもイアン・ペイスはそこに居て欲しかった、と・・・。
もしくは、同じような感じでスイングするドラマーに叩いて欲しかったと思う。

名手トミー・アルドリッジを向こうに回してなんちゅう罰当たりなことを言うのか、と我ながら思うわけだが、こればっかりはしゃあない。正直な感想である。

と、いうわけでベテランの皆さん、もっとこういう事をやって、どんどん僕に貶すネタを下さい!
もう寂しい話は聞きたくないんですわ・・・。


WHITESNAKE - Trouble ★★ (2010-12-15 00:32:39)

ニール・マーレイが凄い仕事をしています。


WHITESNAKE - Whitesnake ★★ (2002-08-15 00:37:00)

このアルバムに対して、どのような批判的文言を並べても、それはもはや「屁理屈」でしかない。
もし、デヴィッド・カヴァーデイルが、その生涯でこのアルバム一枚きりしか発表しなかったとしても、その名はHR史上に燦然と輝く「ゴールド・プレート」となるだろう。


WIDOWMAKER - Blood and Bullets - Blue for You ★★ (2004-01-03 23:52:26)

アル・ピトレリのギターがとんでもなく熱い。
隠れた名演とはまさにこのことで、ゲイリー・ムーアやデイヴ・メニケッティばかりが号泣ソロの達人ではないと思える素晴らしさだ。


YNGWIE MALMSTEEN ★★ (2002-07-17 02:44:00)

もうすでに言い古された言葉かもしれないが、最近のイングヴェイのソロには構築美が無い。
ウリ・ロートも真っ青の、完璧に計算されたソロイングは、悪夢の交通事故を機に変質してしまったように思える。
以前のように弾けない苛立ちが、「ギター上手く弾くこと」に対する執着を倍増させてしまったのではなかろうか、と、ひそかに僕は思っている。
結果、事故前よりもスキルはアップしながらも、肩の力を抜く事を忘れてしまっているのではないか。
憧れのウリ・ロートに「彼は非常に優れたインプロヴァイザーだ」とか言われて嬉しがっている場合ではない。
イングヴェイの才能はHR界の宝。
その存在はHR界の奇跡である。
100パーセントのギタープレイはもうよくわかった。
もう一度、100パーセントのメロディーを聴かせてほしい。


YNGWIE MALMSTEEN - Angels of Love ★★★ (2010-11-20 10:26:23)

既発のバラード系曲(歌モノ含む)を、エレアコ主体のインストにアレンジして新たに録音した企画盤。

基本的な構成は、バッキングをエレアコのアルペジオで奏でて、その上にエレキまたはエレアコで主旋律をかぶせるというもの。
マイケル・シェンカーの「Thank You」のような感じ。

音色が単調なので、正直退屈に感じられる部分も無いではない(オルゴールのアルバムをずっと聴いていると飽きてくる、あの感じ)が、流石に彼の生み出すメロディには、説得力がある。彼はこういうアルバムを作ることを許される才能の持ち主だと実感する。

手癖で思うままに弾きまくる速弾きソロイングから解放されて、ひたすらメロディに身を任せられるという意味で、貴重な一枚かもしれない。
アレンジに関しては言いたいこともあるし、正直100点ではないが、彼の稀有なメロディセンスを堪能できたし、ゾクっとするほど素晴らしい瞬間もあったと言っておく。


YNGWIE MALMSTEEN - Attack!! ★★ (2002-09-15 00:11:00)

新譜感想のところで早々に意見を述べてしまったので、ずっと、改めてここに書き込むべきかどうか、すなわち「買い!」と言えるかどうか、迷っていた。
結論。やっぱり「買い」と言えそうである。
「ご馳走様」と、残らず完食した後、満足げに爪楊枝で歯をつつきながら、
「もうちょっとスープの味が濃いと最高だったのになあ」
とか苦情を訴える、そういう作品で、要するに、誰が聴いても若干の不満がつきまとってしまうのだが、けっして誰も「まずい」とは言えない説得力があるのだ。
「つまった当たりのホームラン」と言い換えてもいい。
イングヴェイは今、ガッツポーズでダイヤモンドを周回中だ。
ひとまず、笑顔でホームランを喜ぼうではないか。


YNGWIE MALMSTEEN - Concerto Suite Live With The New Japanphilharmonic ★★ (2004-04-01 01:09:00)

スタジオ録音の「新世紀」を聴いて、「これ、本当に演奏会で演奏できるのか?」と思っていたら、やってしまった。流石である。彼以外にこの芸当は考えられない。
しかし。
このCDの聴き所は、その「新世紀」よりも、彼のロックソングのオーケストラバージョンにある。
とくに「BROTHERS」は凄い。スタジオバージョンより何倍も良い。
オケのアレンジがすばらしいから、イングヴェイの奏でるとろけそうなメロディが一層際立つ。
ただし、これをして「純粋なクラシックファンでも楽しめる」と評するのは言い過ぎだ。
指揮者が焦るほどリズム感がアバウトなイングヴェイのギターは、純然たるクラシックミュージック愛好家の耳には少々キビシイだろう。
オケとのタイミングが合わず、ちぐはぐになってしまう場面もしばしばだし、ミストーンも結構多い。それを良しと思えるロック好きにこそ楽しめる企画だと思う。
え?僕ですか?
このアルバムは最高だと思います。


YNGWIE MALMSTEEN - Eclipse - Save Our Love ★★ (2002-08-02 03:27:06)

ここのところ、イングヴェイのギターソロは、とてもそらで口ずさめる状態ではなくなってきているが、この曲のは思い出してすぐに歌える。
「ちゃーちゃらららちゃーらーらー・・・・」え?もういい?
とにかく、絶妙に構築されたソロといい、冷たく透明な空気を感じさせるヨラン・エドマンの歌といい、北欧メロディアス系バラードとして、屈指のできばえである。


YNGWIE MALMSTEEN - Facing the Animal ★★ (2003-05-04 23:36:00)

イングヴェイとコージーが組むなんて、とびきりの黄金タッグだ。
なんと王様イングヴェイが、「全て好きにやってもらった」というコージーの凄まじいドラミング、冴えてます。
イングヴェイの楽曲との相性も抜群に良く、これはホント、シアワセな取り合わせだ。
二強激突の爆風でカラダが吹っ飛ばされそうな、そんな一枚。


YNGWIE MALMSTEEN - Fire and Ice ★★ (2003-05-07 00:37:00)

ライキチさんに賛成。
次のセブンス・サイン以降は猛烈ヘヴィ・メタル路線まっしぐらなので、
すっきりと清涼感のある、軽めの味わいのメロディ・オリエンテッド作品として、これと、エクリプスには価値がある。
確かによく言われるとおり、15曲という「押し売り状態」のアソートパッケージには辟易とする。ライキチさんの言われるように、せめて11曲ぐらいにすれば、もっとピシッとまとまったはず。
だけど、それはどちらかというと贅沢な悩みだ。
一枚で4曲も5曲も聴き所があるアルバムなんて、他の誰に期待できる?
雑誌の評価等を信用して聴かず嫌いのヒトがいたら、ぜひ聴いてみてください。
凡百のフォロワーのいかなる「傑作アルバム」よりも、感動に近道です。


YNGWIE MALMSTEEN - Magnum Opus - Fire in the Sky ★★ (2002-08-20 22:06:40)

「疾走」と「爆走」は、違う。
いかにもヘヴィー・メタル然とした後期の彼の「爆走」作品の中では、この曲が最も「古典HR疾走曲」の雰囲気がある。
曲のテンポをあんまり上げすぎると、「怒気」が全てを覆い隠してしまって、珠玉のメロディーメイカーとしての彼の持ち味が削がれて行ってしまうような気がする。疾走曲といえども、この曲ぐらいのテンポが、僕は好きだ。


YNGWIE MALMSTEEN - Marching Out ★★ (2003-05-07 00:50:00)

25回ぐらいテープにダビングしたのかと思うほどの、奇跡的な音の悪さは特筆。
ノイズもひどい。ドルビーBだ。(意味不明)
肝心の内容の方が、あまりに素晴らしいから始末が悪い。
保存状態の悪い国宝級文化財のようなもので、これは専門のプロジェクトチームを組織してちゃんと復元作業した方が良い。必要なら小遣い叩いて寄付する。


YNGWIE MALMSTEEN - Odyssey ★★ (2004-04-01 01:31:00)

このアルバムがあんまり褒め称えられるのは、イングヴェイにとっては不本意かもしれない。
ピッキングのスムーズさを失ったイングヴェイのフラストレーションが思いっきり伝わってくる、歯がゆいギタープレイである。
しかし、彼にとって歯がゆいぐらいのプレイは、普通のリスナーにとっては喧し過ぎず、丁度良い塩梅だったりする。
なんとか体裁を繕おうと頭脳的な決めフレーズを多用したことも、良い方向に作用している。
結果、ジョー・リン魅惑の歌メロも相俟って、このアルバムは大成功した。
普通、テクニック重視のギタリストが怪我して冴えないプレイを披露したら、その時点で評価を下げるだろう。
イングヴェイはやはり、只者ではない。


YNGWIE MALMSTEEN - Perpetual Flame ★★ (2008-11-25 00:03:00)

何だかんだ言っても、未だに新作が出るたび買ってしまうのは、別に彼に個人的な恩義を感じているからとかいう訳では無く(当たり前か)、やっぱり音楽的な「何か」を期待しての事であるが、結局、今回もガッツポーズとはいかないのであった。ちゃんちゃん。
かといって、「金輪際彼の新作は買わないぞ」と決意させるほどの駄作かというと、決してそうではないから始末が悪いというか何と言うか。
もう、アルカトラスや「初期三部作」の、あの頃の輝きを取り戻して欲しいなどと、そんな贅沢は望むべくも無い事ぐらい重々承知はあるのだけれども、彼の天才にもう一度賭けて見たくなるこの心境、判ってくれるかよオイ(泣)。
リッパーの件に関しては、特に感想らしい感想も無いというのが正直なところ。
彼は元々器用だし、歌メロもほとんどイングヴェイ製なわけで、たぶんマイク・ヴェセーラあたりが歌うのと、さして印象に差は無いのではないか。
こうなったら、「不器用だが個性的」なシンガーと組んだほうが、化学変化を期待できたりして、とか勝手なことを思ってしまう今日この頃であった。


YNGWIE MALMSTEEN - Relentless ★★ (2010-11-26 02:32:36)

「北欧から来たバイキング(食べ放題)」の彼が放つ、
いつもどおりのアレ、という感じのアルバム。

その「いつもどおり」が好きで好きでたまらん、という僕ではないし、
もはや彼に「別のもの」を期待するのは無駄だという事ぐらい百も承知なのだが、
ひょっとしたら、Eclipceあたりまで垣間見られた、あの構築美のあるソロイングが復活していないだろうかと儚い夢を描きつつ、またまた新作を買ってしまうのである。

結果、あーあ...orz...という事になってしまうのだが、それでも、ちゃんと最後まで興味を持って聴かせてくれるところが、彼の非凡さだ。
少なくとも、他の誰かに作れるような作品ではない、というレベルはちゃんと維持しているから凄い。
動画投稿サイトなんかを見てると、単純に弾く技術に関しては、素人でさえ、目玉が飛び出るような人材もゴマンと居るが、創作能力を含めた総合力では、もはや追従不可能だと思う。

しかし、そうは言っても、War To End All Warsぐらいからこっちの彼の作風は、流石にそろそろ御腹いっぱいと言わざるを得ない。
特に今回はインストが多いということだが、そうなると特に、初期三部作で見られる、絶妙に練られたコード進行と一音の重みを感じさせるメロディの作品に比べて、
伴奏付きのリズムマシンをバックに、思いつくまま適当に弾きまくっただけのようなここ数作の悪い印象が、余計付きまとう結果になる。

ここ数作の悪い印象といえば、相変わらず音質もザンネンなままで、中低域のもっさりした、隣の部屋で鳴っているようなサウンドプロデュースであり、この程度のものにSHM-CDなど、もったいないとしか言いようが無い。

結局、素晴らしいHM作品だと評価できる内容でありながら、こうやって毎回文句ばかりが口をついてしまうのは申し訳無いなあ、とは思うのだが、しゃあないだろう。何せ彼は本当に天才だから、彼に傑作を期待せずして、誰に期待するというのか。

まだまだこんなもんじゃないはずなんだから。


YNGWIE MALMSTEEN - Rising Force ★★ (2002-11-09 02:34:00)

天才イングヴェイ・マルムスティーンの記念すべきファースト・ソロ・アルバムは、彼が幼い頃からずーっと暖めていた構想を一気に具現化した一枚であり、そういう意味では協奏曲「新世紀」に匹敵する、エポックな作品である。しかも構想の実現レベルはこの時点ですでに完成形。決して「意あって力足りず」で終わっていないから凄い。(新世紀のほうは若干詰めが甘い気がする)
だから、その後の彼のHR作品にこのレベルの仕事を求めるのは酷だ。
何せ作品に費やした実質の時間が違いすぎる。
一年1枚のハイペースでは、二度と「ブラック・スター」は作れないと思うのだが・・・。


YNGWIE MALMSTEEN - Spellbound (2016-03-09 16:14:13)

このアルバムが出てからしばらく時間が経っている。もう3年?
それまでは、一年一枚程度のハイペースで量産していた彼の事を思うと、
今はちょっと休憩している感じかもしれない。

...正直、そうしたほうがいい。

このアルバム、パーツに分解すると良い部分もたくさんあるのだが、作品としてのバランスが悪すぎる。
ここ数年(十数年)、彼の作品には歯がゆい思いをしてきたが、それでも天才を信じて応援してきた。
しかしここまでくると、さすがにリスナーをバカにしているのかと問い詰めたくなる。

別に選任のヴォーカルが要るとか、ドラムを叩くなとかいうつもりはない。
歌はヴァイぐらいには歌えてるし、少なくともウリよりは上手い。
ドラムも別に、打ち込み含めてごまかせばちゃんと人前に出せるレベルの作品には仕上がるだろう。

問題は、彼がすでにアイディアに煮詰まって、全部同じ地点にしか着地できない状態になっているにも関わらず、その事実から彼自身が目をそむけてしまっていることだ。
全部自分で完結させたのも、ひょっとしたら内向きになった彼の感情を表しているのかもしれない。

これでは良い作品が生まれない。 
時間が解決することを祈る。


YNGWIE MALMSTEEN - Trilogy ★★ (2002-04-12 08:42:00)

SEVENTH SIGNは確かにHMとしての迫力に満ちていて、曲も良いが、
彼のギターソロがフラッシーな即興中心になってしまった事が残念。
イングヴェイ・ギターの真骨頂が聞けるのは明らかにこちらのアルバム。
それほど音圧の高くない音質も、聴き易くていい。
歌モノとしての完成度が高いのも、計算し尽くされた巧妙なアレンジと、
宝石のようなギターソロ、そしてマーク・ボールズの絶唱のおかげ。
「メタル」の迫力にこだわらなければ、最高傑作は、絶対これ。


YNGWIE MALMSTEEN - Trilogy - Fire ★★★ (2002-04-11 15:37:48)

イングヴェイの歌モノのなかではベスト・ギターソロ。
転調した瞬間、全身に鳥肌が立った。


YNGWIE MALMSTEEN - Trilogy - Liar ★★ (2002-08-19 10:55:15)

マーク・ボールズ脅威の絶唱が聴ける。TRILOGYは全体的にテンポが抑え気味だが、それが却ってメロディー、コード進行の妙を際立たせている。
ヤンス・ヨハンソンのソロも秀逸である。


ZENO ★★ (2003-08-07 23:45:00)

ジーノ・ロートのギターは素晴らしい。
ヘルゲ・エンゲルケのプレイなんか、ジーノのまんまコピーに聴こえてしまうほどだ。
天才的な兄の影に隠れてはいるが、コンテンポラリーなテクニックを吸収した、総合的技術力ではひけを取らない。たまにやる「クリケット奏法」(わかる?)もステキだし。
そろそろもう一枚、でないかなあ。


ZENO - Listen to the Light ★★ (2002-07-19 01:41:00)

タイトルトラックが一番人気の名曲扱いだと言うのに、アルバムは買うほどでもないと言うのか(笑)
メロディーを大切にした味わい深い曲作りは全般通じて発揮されているし、ジーノのギターは兄の神業をモチーフにしながら、若干コンテンポラリーな要素も含めた気持ちのいいもので、コンパクトながら味が濃い。
ただ、マイケル・フレクシグのヴォーカルが「水晶のような」と形容されているのは不思議だ。
声帯の裏と表を行ったり来たりするような声の出し方が気に入らないし、超高音域ヴォーカリストの指標である高いほうのG(ソ)に届くような音も出るには出ているが、その声質は美しいと言うよりは、苦しい。
そこだけは疑問なのだが、曲は文句なくいい。買いである。


ZENO - Zeno ★★ (2002-11-25 02:29:00)

僕はLISTEN TO THE LIGHTを聴いてからこちらを聴いた。
それで、LISTEN TO~のところでマイケル・フレクシグを酷評しているのだが、驚いた。
水晶のような、と形容されたのは、このアルバムでの歌唱のことだったのかと納得。確かにこれなら、水晶のようだと言える。圧倒的な透明感だ。このあたり、やはり歳には勝てないか。
それと、ジーノのギターがすばらしい。
LISTEN TO~もプレイは確かにいいが、ミキサーにギターをじかに差し込んだかのような白々しい音質が気にはなっていた。ところがこのアルバムの音はいかにもアンプが咆哮しているような生々しさがあり、魅力的だ。
ところで、ここ日本で大爆発したフェア・ウォーニングは、このZENOの直系子孫であるという事実がもう少しひろく知れ渡れば、確実にこのアルバムはもっと売れるだろうし、それを納得させるだけの内容を十分に持っていると思う。