元HELLOWEEN(今更この形容は酷か…?)のマイケル・キスクの1stソロ作。 彼がHELLOWEEN在籍時の最後のアルバム『CHAMELEON』を聴いていれば多少は共通する部分も見つけられるかも知れない、というような作風です。当たり前のことですが、彼が"歌いたい曲"が大部分を占めています。声域もハイトーンばかりでなく、ロートーンもしっかり多用し、ヴォーカリストとしての実力を発揮しています。 全体的にはロック的なアグレッシヴさはあまりなく、落ち着いた雰囲気の曲が多い。そしてそれらの出来は……5150さんの仰るとおり出来の差はなかなかどうして結構あります。(苦笑) まぁ、バラード・タイプの曲で元HELLOWEENのドラマー、故インゴ・シュヴィヒテンバーグに捧げた⑦ALWAYSやこれまたバラード・タイプながら10分と長い⑪DO I REMEMBER A LIFE?は素晴らしい曲で、ソングライターであるマイケル・キスク、そしてシンガーであるマイケル・キスクの魅力が堪能できます。(『DO I REMEMBER A LIFE?』の中の「I reached for the sky full of love」という歌詞の箇所での彼の歌唱が、暖かく、優しく、そしてどこか哀しみを感じさせるような、ちょっと矛盾した感想ですが、とにかく素晴らしい歌唱を聴かせてくれます)涙を誘う名曲達です。 ①BE TURE TO YOURSELF(自分へのメッセージ?このタイトルからもアルバムが"自分に正直な音楽"であると想像出来る)③SOMEBODY SOMEWHEREの2曲も先述の通り落ち付いた雰囲気で彼の魅力を堪能できる佳曲。 そして②THE CALLINGはパワーメタル的な疾走感はないけど、それでも正統的メタルの心地よい疾走感を具えた名曲で、彼のハイトーン・ヴォーカルもしっかり堪能できる。加えて⑤NEW HORIZONSは陽の空気を放つ『THE CALLING』に対してこちらは陰の空気を放つ(と言ってもそんなに暗い曲ではないけど…)"その手"の曲で、これら2曲に多くの"ファン"は喜ばずにはいられないでしょう!どちらもアルバムから浮くことのない程度にメタルしてます。 こういうメタルな曲はキスクはやりたがらないんじゃ…、などと思いつつも、やっぱりファンとしては嬉しい。「過去を振り払いたいんだったら自身のアルバムでこういう曲をやらなければ良いのに」と思う人もいるかも知れないけど、俺はそんな"意地悪"なことは言わない。素直に「カッコいい!」と言わせてもらいたい。 まぁ、各曲で出来にバラつきが多少あるけど、なかなかの充実度ではある。(B!誌のクロス・レビューで皆さんかなりの高評価でちょっと驚きましたけど) どうしても"HELLOWEENのマイケル・キスク"に拘る人は聴く必要はないと思うけど、マイケル・キスクというシンガー、またはソングライターが好きな人なら聴く価値は充分にあるでしょう。例えどんな人であっても疾走系2曲や先述のバラード・タイプ2曲は聴いてもらいたい名曲ですんで、是非。特にバラードの方は本当に素晴らしいですよ。 蛇足だし、有名な話ですが(秘密でもなんでもないし)、カイ・ハンセンやエイドリアン・スミスのゲスト参加も嬉しいと言うか"頼もしい"と言うか、とにかくメタル者には魅力的なゲストです。
超豪華なゲスト陣を迎えてのアルバム、その一発目。 AT THE GATESタイプのデスラッシュ的な音に元AT THE GATESのトーマス・リンドヴェルグが咆哮し、THE HAUNTEDのペル・モラー・ヤンセンの激烈ビートを叩き出す! 残念ながらガス・Gには大きな出番はなし。 しっかし、ペル・モラー・ヤンセン、THE HAUNTEDのライヴ盤を聴いて「上手いなぁ、凄いなぁ」なんて思ってたけど、そこでは聴けなかった激烈ブラスト・ビートがここでは聴ける。その速さたるやもう……。やっぱ凄いドラマーだ! 曲としては平均的な出来かも知れない。これでガス・Gのメロディアスなギターソロが入ってればもっと良くなったと思うんだけどなぁ。 でも、やっぱり格好良いことは格好良い!
もっと聴きましょう!!聴き逃されるのはもったいないですよ!! サビのメロディは前作の「HOLD ON TO THE FLAME」に多少似てる部分もあるから、もしかしたらこの曲は前作のファンでも意外とすんなりと聴けるかも…?と思ったけど、音や雰囲気やヴォーカルの声の違いが大きいからやっぱダメなのかな?良い曲なんだけどなぁ。