SONATA ARCTICAファン待望のライヴDVD。しかも来日公演の模様ということで待ちに待った感の強い人は更に多いはず。 まず、バンドのパフォーマンス的には全く問題ないです。パワフルで安定感のある演奏はさすがに多くのライヴをこなしてきたってのがわかります。特に、ヤニ・リマタイネンのパフォーマンスは思っていた以上にアグレッシヴで、まさかこんなにヘドバンする人だとは…。ヘンカも曲によってショルダー・キーボードを使ったりして結構前に出て積極的に盛り上げようとしてます。マルコも、あまり"熱さ"は感じさせないものの、意外に動き回るんですね。トニーもなかなか調子は良さそう。 選曲に関しては、B!誌のライヴ・レポートでも触れられていた通り疾走曲で"畳み掛け"る部分がほぼないことがちょっと問題かな。折角勢いの良い曲で盛り上がっても次はバラードだったりなんかそういうのだったり…。オープニングからして『MISPLACED』~『BLINDED NO MORE』という疾走曲~ミドル(スロー?)な繋がり。いや、でも『BLINDED NO MORE』ある意味ノリのある曲なのでこういうオープニングもアリだとは思うんだけど、せめて『MISPLACED』後のMCはすべきじゃなかったんじゃない?そう、全体的にMCが多いのも"畳み掛け"感不足の原因な気も。 しかしまぁ、ライヴ恒例の『MY LAND』~『BLACK SHEEP』の流れはまさに"畳み掛け"だし、ものすんご~くカッコいい!! 今更だけど、個人的に言うとこのDVD、手放しで楽しめたってわけじゃない。それはバンドのせいではなく、映像作品として正直つまらない。映像が悪い。画質の話じゃない。カメラだ。ほぼ全てのカメラが手持ちで微妙に手ブレしており、それが「悪い」「気になって集中できない」というわけではないんですが、手ブレによる一種の"手造り感"が会場の規模に合ってない印象なんですよ。もっと小さなクラブ規模のライヴだったらそういった感じもアリだと思うんですけど…。クレーンとか使えなかったんかい? それにカメラの動きもただメンバーの動きを追うだけで"カッコいい撮り方"がない。加えてそれを編集でカヴァーする気もない。これならROCK CITYで使われたBULLET FOR MY VALENTINEのLIVE In JAPAN映像の方がよっぽどカッコ良かったよ。やはり疾走曲ではその動きのなさが非常に勿体無く思えてしょうがなかったです。最後の最後、『THE CAGE』の時にようやく動きが出てきて「おっ、結構良いかも」って思っても、時既に遅し。 あと、個人的には"引き"の映像でステージ全体を見渡せる映像が好きなので、特にバラードやMC中なんかでもうちょいそういうのがあれば良かったかな。ま、これは完全に個人的趣向なんですけど。 でもまぁ、ファンなら楽しめない内容じゃないでしょう!というより、そんな映像のことなぞ気にしないでしょうね!好きなバンドの好きな曲が映像共に聴ける、それが重要! 最後に、バッキング・ヴォーカルと観客の声のヴォリュームはもうちょい上げて下さい!
バラード・タイプの曲が続いてきたけど、ここでようやくメタル度が高まってくる。 と言っても、この曲は行進曲風でメタル度全開になるのは次の『HAND OF DOOM』から。 この曲はその行進曲風のリズムと勇壮で劇的な展開で、我々に「闘いに備えよ!」と呼びかけてくる。そして、ここで準備をした我々は"ド"ヘヴィな『HAND OF DOOM』から始まる怒涛の疾走3連曲に対峙するわけである!! さぁ、いざ行こうぞぉぉぉぉぉ!!
これまた優しい光に包み込まれるようなクラシカル・インスト。聖歌隊のコーラスの辺りが大好きですね! で、そのパートに続くは、MANOWARらしい力強く勇壮で、何か決意を胸に旅路に出る勇者を思わせる曲調へ変化。そしてこの曲に続く曲名が『WARRIORS OF THE WORLD UNITED』だってんだから、熱くなるなっていうのが無理!!
ANGRAのコピー・バンド……じゃなくてANGRAと同じようにクラシカル・ミュージックとラテン音楽からの影響をメタルに取り入れたブラジリアン・バンドのデビュー作。 音作りもANGRAのツアーに同行しているキーボディスト、ファビオ・ラグナがプロデュースしているせいか、ANGRAの『REBIRTH』辺りを想起させる。 メロスピ度はそんなに高くはないけど、それでも充分それに分類されるようなサウンドですね。解り易い疾走曲『EAGLE OF THE SUN』や『JUST A MIRACLE』はその手のファンには堪らないでしょう! でも、個人的にはアルバム中盤を占めるミドル~アップ・テンポの曲のメロディの充実度に目を付けたい。新人ながら、ここまでテンポに頼らずとも良い曲が書けるというのは大した強みだと思います。バラードも文句なし! 本家のキコ・ルーレイロが『FUTURE』に参加していますが、このバンドのギタリスト達もかなりの腕前で、しかもキコから影響受けまくってるのが解り易過ぎるソロを弾くので有り難味はそんなに…。(笑)CATHEDRALにトミー・アイオミがゲスト参加、みたいな…。(笑) ヴォーカルも基本はしっかり歌えています。…が、個人的にはちょっとハイトーンが苦しそうというか野暮ったいというか、もうちょっと綺麗に歌えていれば、飛翔感のある曲ではそれがさらに増していたのに、という感じ。でも、ここまで歌えてれば大きな問題ではありません。 さてさて、このアルバムで俺が一番お気に入りの曲、それはアルバム冒頭のインスト『ESSENCE』!!まぁこれもANGRAからの影響丸出しっちゃそうなんですが(笑)、自然を思い起こさせるSEから徐々に緊張感を増す流れにはゾクゾクさせられます。個人的には、このインストを聴くと最も「こいつら新人!?」感が強いです。 "ポストANGRA"はいう位置は、"ポストSTRATOVARIUS"や"ポストSONATA ARCTICA"等に比べるとかなり少ないので、「パクリじゃん!」と文句を言う気には全然なりません!!(笑) 微妙に"あと一歩感"がある箇所もありますし、中間にも"山場"が欲しかったっていうのもあります。(勿論、その中間にも、というかアルバム全体良い曲ばかりです。でも"山場"とはちょっと違う…)それでも、新人ということを排してもこのクオリティは立派なものだと思います!