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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1101-1200

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1101-1200
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BEKHIRA - Demo 1996 ★★★ (2010-06-26 14:38:00)

96年発表のデモをDarker than Blackが09年にCD化したもの。04年に発表したスプリット音源より1曲を追加して収録。

まず驚いたのが音質の良さ。
確かに粗めで、まだ「プリミティブ」と言える音なんですが…1stがドラム、ギター共に高音域を強調した、耳を劈くようなお世辞にも聴きやすいとは言えない音だったのに対し、こっちは粗いながらもノイズの壁が耳に痛くなく、ドラムも適度なRAWさでブラックを愛好する人には心地良い音。音量も丁度良く、メタルを愛好している人であればプリブラに耐性がなくても聴ける音だと思う。というか、ブラックとしては良い方の音かと。

作風の方は…やはりザラザラしたリフに、時に怖気をふるうような、時に凍てつく美しさを感じさせるメロディを練りこんだ、かなりメロディックなブラックで、既にこの時点で1stの路線の雛型は出来上がってる感じですね。しかし、聴けば聴くほど、厭人的なアティチュードとは逆にブラックとしては「真面目」な音だと思います。

明らかにアングラな音でありながら、アングライズムに安易に頼りきらず、リフによりドラマを展開していく作風で、正統派メタルが好きな人が聴いても何か感じるであろう音に仕上がっているあたり、凄く「真面目」な感じがする。プロダクションの(デモ音源なりの)良さも、まず人に聴いてもらうことを大前提として作っていることの表れなのではないでしょうか。

収録曲こそ5曲と少ないものの、メロブラ好きなら勝って損はない作品。1stの音質がキツいと思った人は、逆にこっちの方が聴きやすいと感じるかもしれません。


BEKHIRA - L'élu du mal ★★★ (2007-07-07 08:30:00)

2005年発表の1st。
音楽性は、もちろんプリミティブブラック。

ゾンビがガナっているような生気の無い病んだヴォーカル、フランス産ブラックらしいメロウでどこかロマンティックな感じすらするメロディ、ジャリジャリした質感のディストーションと時々ハウリングを起こすギターをフィーチャーした、アングラど真ん中のブラックメタルです。メロウさといい音の荒さといい、ULVER3rdをもっと聴きやすくしたら近いでしょうか。頻度こそ少ないものの、うっすらと被さり情感を出したり頭どころか指揮棒を振りたくなる位メロく曲を彩ったり、要所要所で活躍するキーボードも特徴の一つですね。

ちなみに、プレスミスか何かでラストの曲「L'ere noire」はCD盤には収録されてません。でも、埋め合わせなのか何なのか嬉しいおまけも付いてます。1曲目を巻き戻すと…。それにしても、「No contact」「No interview」「No thanks」といかにも人間嫌いなコメントが載ってるかと思えば、読みにくいだろうと配慮してか、歌詞カードにはトゲトゲしい書き文字だけでなく普通のフォントでもタイトルが載ってます。親切なのかそうでないのか…(笑)


BEKHIRA - L'élu du mal - From the Most Devasted Lands ★★★ (2007-07-07 08:35:45)

最後だからか、メロウさを放出しまくりの名曲。
これはほんとリフもキーもメロディが良すぎです。プリブラなのにクサメタラーも倒せそう(笑)。欲を言えば、やっぱり「L'ere Noire」も聴きたかったなぁ。


BEKHIRA - L'élu du mal - Prowler ★★★ (2007-07-07 08:38:14)

1曲目を戻すと聴ける、IRON MAIDENのカヴァー。
正統派とアンダーグラウンドなプリブラの共通点は、リフのメロウさでしょうか。ブラストも取り入れてるし音質はシャリシャリですが、然程浮いてるわけでもなく上手くアレンジしてると思います。
…もしかして、マイナストラックに曲入れるなんていうアングラブラックらしからぬ凝った事やったから、プレスミスでラス曲がカットされたんでしょうか(笑)だとしても、かっこいいから許します。


BEKHIRA - L'élu du mal - The Devil And The Sorcerer ★★★ (2007-07-07 08:32:22)

仏蘭西産・頽廃芸術ブラック。
…プリブラにこんなにも情感たっぷりのキーボード入れちゃって良いんでしょうか。戦争の後の廃墟に雨が降り注いでいるみたいな、ダークな情感を湛えた曲。


BELKETRE ★★ (2011-04-20 21:09:11)

MUTIILATIONやVLAD TEPES、TORGEISTなどと共に、フランスのブラックメタルサークル「Les Legions Noires」を結成していたバンドの1つ。音楽性は当然プリミティブブラックですが…プリミティブにも程があるって感じです(笑)。


BELKETRE - Ambre Zuetki Vuordrevartre (2011-04-20 21:07:41)

93-96年の音源を纏めた音源集。おそらくブート盤。
これ聴くと、如何にVLAD TEPESやMUTIILATIONがまともな音楽を演っていたかが分かりますね(笑)。

1-9は「demo 1993」「demo1994」「demo Dark Promise」の音源。
まず曲名を見ると、「The Dark Promise」が4パターン、「Despair」が3パターンで4種類しか曲がないことに吹き出しそうになります(笑)。「The Dark Promise」は、プリブラには珍しい「ズンチ、ズンズンチ」なダンサブルなリズムに、妙にアングラでクリアなベース、邪悪なトレモロ、郷愁を誘う(かもしれない)メロディが絡む曲で、悪くないです。喉を潰しそうな無理矢理絶叫、疾走する展開もグッド。「Despair」は不気味なメロのギターインスト。「Twilight~」はジワリ歪んだギターに疾走もするプリブラらしい曲で、「Hatred」は不吉なアルペジオに絶叫が絡む閉塞感の強い曲。

10曲目以降は「demo Ambre Zuetki Vuordrevartre 1996」の音源。
録音時期が後なのに、音質が更に酷くなっているのはプリミティブ・ブラックではよくあることですね(笑)。もうノイズすらも消えてなくなりそうなしょぼい音質で、(まともな音質なら)寒々しい(と思われる)リフを奏で、稀にサイケな感覚のメロディを乗せていく作風はかなりカルト。ちなみにこっちは曲のタイトルすら付けられてません(笑)。
前半はともかく、後半はMUTIILATIONが大丈夫な人でも相当きついと思われます。敢えてお勧めはしませんが、LLN関連を追いかけてTORGEIST辺りのバンドの音源まで所有している方なら手を出す価値はありそうです。


BENIGHTED IN SODOM ★★ (2011-06-22 22:15:34)

アメリカ・フロリダ産鬱ブラック。
2010年だけで5枚ものアルバムを出すほどの多作振り。
ほぼ隔月刊BENIGHTED IN SODOMって感じですね(笑)。


BENIGHTED IN SODOM - Hybrid Parasite Evangelistica ★★★ (2011-06-22 22:16:38)

2010年発表の7th。

陰鬱なメロディを奏でるトレモロリフ/それを助長するようなアコギ/陰鬱さを強調するようなスロー~ミドル中心のテンポ設定と、ある程度は鬱ブラックのテンプレートどおりの音で、中期までのXASTHURを髣髴とさせる音ですが…XASTHURが鬱な心象風景を投影した作風だとするなら、こっちは肉体が腐り落ちて崩れていく幻覚に苛まれるような、よりグロテスクなイメージが強い音ですね。

特にトレモロリフの不協的なメロディにそれが顕著で、聴いているとまず筋肉が麻痺・弛緩し、次いで筋までドロけて腐っていくかのような感覚を覚えます。アコギも少なくない頻度で入りますが…叙情的というより、やはり印象としては不気味。アコギとキーの絡む4曲目は美しい感じがしますが、アパシー状態に陥った精神病患者が日の出など美しい情景を見ているような、どこか病的な印象を受けます。

また、この手にしてはヴォーカルがハードコアでも通用しそうな、太く強靭な怒声ガナリなのも特徴で、それが肉体が蝕まれる幻覚の中で壊れた精神だけが憎しみを吐き出そうとしているかのような、より病的な感覚を強めているように思えるんですよね…。

鬱ブラック好きなら買って決して損はしないであろう、ジャケどおりの赤黒い病的な陰鬱さに包まれた作品。しかし、このバンドは凄まじい勢いで音源を出してますが…一体どれだけの人が、フルアルバムに限ったとしても追いきれてるんでしょうね。正直、私は全部追おうとまでは思えないかもです。


BENIGHTED LEAMS ★★ (2012-10-06 20:50:42)

アメリカ産独りブラック。
唯一のメンバーであるAlex Kurtagic氏は、LUNAR AURORAやTHE MEADS OF ASPHODELを始め多くのブラック関係のリリースで知られるレーベル、Supernal Musicのオーナーであり、DIMMU BORGIRやTORMENTORのカヴァーアートを担当した経験を持ち、更には作家や編集者としての顔を持つ才人。


BENIGHTED LEAMS - Ferly Cestesms (2012-10-06 20:52:05)

2004年発表の3rd。

メンバーであるAlex氏の経歴は非常に輝かしいものですが…その輝かしさからは想像も付かないほどのマニアックな路線のブラック。メロディやスピードなどにあかせた分かりやすい展開は極力排し、ジリジリとしたギターとそれに同期するようなドラムが圧迫感・絶望感を醸し出すような音。アンビエントブラックにも通じる暗い耳触り、思想を懇々と説くような語りも楽曲のカルト性を助長。

鬱ブラックのような感情の迸り、アトモスフェリックブラックのような情景の広がりすらなく、ひたすらに陰鬱な音像が続く感じで、「真にマイナスの音楽」というものがあるなら、こういう音なんじゃないかな…とすら思わせる暗さ。正直、無愛想にも程があると思う音なので、ブラック初心者には無用の長物だと思う。はっきり言って私もここまでマニアックだと付いていけないかも(笑)。

ここまで来ると、あとはAlex氏の感性と共鳴するものがあるかどうか、という感じがしてしまいますね。かなり聴き手を選ぶ作風なので、ジャンルの熱心なファンにのみ推薦。


BERGRAVEN - Dödsvisioner ★★ (2010-05-15 10:51:00)

2007年発表の2nd。

ミディアム~スローの重苦しいテンポの展開を中心に、黒く煮え滾るような厚みのあるリフと、アルバムタイトル通りの「死のヴィジョン」が見えてくるような深いダークさを湛えたメロディが絡む作風で、アンビエント的な要素もありかなり実験性高めですが、暫定的に鬱ブラックにカテゴライズしても良さそうな音。メロ部分がトレモロではなく、アルペジオ中心だったり、メロ自体もあからさまな悲痛なものではなく、深くじわじわと侵食するようなものだったり、鬱系では割とイレギュラーな部類の作風だと思います。

このバンド、次のアルバムがデイメアから日本盤もリリースされるほど、その筋からの注目も厚いみたいですが…単にブラックの中でも個性的でレベルが高いだけでなく、鬱感情よりも「怒り」の方が強そうなヴォーカルや、スラッジ並に重々しく引き摺るギターリフと、ミディアムパートでは時にノリの良さも感じさせるリズムの作り出すグルーヴなど、ハードコアに通じる野蛮さもあるのが、レーベルオーナーの好みに合ったのかもしれませんね。この辺りの要素が、バンドの音楽性の特異さになってるとも思いますし。

実験性・凶悪さ・陰鬱さに優れた、芸術性のあるブラックメタル。個性派ブラック好きならお勧めですが、時々静と動のバランスが極端すぎるところもあって、特に導入部のアンビエントパートの静寂から轟音になるところは、漫然と聴いてると未だに体が「ビクッ」となってしまいます(笑)。


BERKOWITZ - Sent to Dominate ★★ (2014-02-17 22:18:54)

2012年発表の2nd。

…やはりドイツのファストブラックって、独特の素晴らしさがありますよね。某所で新品が安かったので例の如くサルベージしてきましたが、これがかなりの逸品。路線的には、豪速ブラストを主軸に据えたファストな展開、鬼気迫るような絶叫を聴かせるヴォーカル、劫火に焼かれるようなノイジーなリフ、バンドの攻撃性を損なわないRAWさを保ちつつクリアさも申し分ない音質など、同郷のENDSTIILE辺りに近い作風だと思う。

但し刻みリフやスラッシュビートを用い、ノリの良いパートも時折顔を出すメリハリのある展開や、冷たいメロディを前面に出したトレモロ多めの曲構成など、ENDSTILLEよりもかなり聴きやすく仕上がってるのが特徴。ENDSTILLEをメロデスに少しだけ近付けた感じと言うと近いかもしれません。ノルウェー産の土着的な感じとはまた違う、ドイツ産らしい氷の礫をぶつけるような、直接的に寒々しさを感じさせるメロディが多く、これはこれでかなり好きですね。

個性的な事をやってる訳ではありませんが、暴虐性やメロディの良さ、楽曲の展開などなかなかレベルの高い一枚だと思います。ENDSTILLEやNEGATOR、GRAUPEL辺り好きな方にお勧めですが、おそらく知名度で勝るこれらのバンドより聴きやすいです。


BERRYZ工房 - ⑦ Berryz タイムス ★★★ (2012-02-07 20:08:28)

2011年発表の…7枚目という扱いで良いんでしょうか。

メンバーを入れ替えながら存続しているモーニング娘は別としても、アイドルグループが(最初期に一人抜けてるとはいえ)固定メンバーで7枚ものフルアルバムを出すって珍しいのではないでしょうか。そんな彼女らの、貫禄が出てきた作品なのではないかと思います。

まずはどの曲もキャラが立ってる、アルバムとしての充実度が素晴らしいですね。
モーニング娘の「12,スマート」「10 MY ME」辺りと並んで、つんく氏の作品の中でも1、2を争う出来だと思う。ただモーニング娘のアルバムがバランス重視だったのに対して、こちらは「一丁目ロック!」「ヒロインになろうか!」などパワーで押す曲、「女子会 The Night」「マジカルフューチャー!」などの哀愁系クサメロが堪能できる曲が多く、メタラー的にはより美味しいアルバム。「BOMB BOMB JUMP」「ガールズタイムズ」などアイドルらしい可愛らしい曲もあり、バラエティも豊か。

そしてつんく氏にパワーや哀愁が必要とされる曲を振られても、それをしっかり表現できるメンバーの歌声も素晴らしいと思う。前作よりも声の艶も、迫力もかなり上がっている印象で、全体的により厚みが加わった感じがします。元々ファンクやR&B風のアレンジの多いつんくワークスですが、今作はドゥーワップやモータウンを意識した曲調もあり、彼の作品の中でも黒人音楽のテイストが強い印象。それが可愛らしいだけでなく、貫禄ある、ソウルフルと言っても過言ではない力強さを備えた歌声が見事にフィットしてる感じ。おそらく彼女らはつんく氏の描いた青写真を完璧に表現しきったのではないでしょうか。

ちゃんと聴くまではBerryz工房ってちっちゃい子供がやってるイメージだったんですが、実際聴いてみるとむしろ貫禄十分のベテランって感じですね。曲タイトルに「!」付け過ぎなのが彼女らの溢れるパワーを物語ってます(笑)。個人的には今流行のAKBも決して嫌いという訳ではないけれど、彼女たちの方が断然好きですね。歌声だけでキャラが立ってるのが素晴らしい。もうすぐリリースされる新アルバムも楽しみです。


BERRYZ工房 - ⑦ Berryz タイムス - BOMB BOMB JUMP ★★ (2011-09-28 20:41:27)

黒人音楽のグルーヴを部分的に取り入れた楽曲は結構多い印象なんですが、この曲はシャネルズとか、昔のR&B歌謡のテイストを踏襲した曲で、このグループが演ると意外に斬新に聴こえます。昔から親にシャネルズやRATS&STAR、鈴木雅之さんなどを聞かされて育ってきたので、こういう曲はすんなり好きになれます。


BERRYZ工房 - ⑦ Berryz タイムス - ガールズタイムス ★★★ (2012-02-07 20:05:54)

シャッフルビートの心地良い、モータウン風の楽曲で、飾らない自然な可愛さがありますね。クリスマスに子供達がみんなで合唱しているような、ピースフルな雰囲気。普段ブラックメタルばっか聴いてますけど、たまにはこういう平和な曲もいいですね(笑)。まあ全然クリスマス関係ないですけど。つんく氏は昔のロックやポップスを上手く消化していて、ルーツがしっかりしているからこういう名曲が書けるのでは。
しかし、なんで「タイムズ」じゃなくて「タイムス」なのか…言いづらいと思うんですが…


BERRYZ工房 - ⑦ Berryz タイムス - シャイニング パワー ★★★ (2011-09-28 20:42:19)

一体何なんだ…これは…。
曲的には、クールなリズムに黒人音楽っぽいコーラスや豪奢なブラスが乗るトラックに、力強く太いヴォーカルが絡む、非常にキャッチーでかっこいい曲なんですが…。歌詞が弁当って(笑)。しかも二段重ねのボリュームでおかずが唐揚げだけって、逆に悪意を感じるんだけど(笑)。これもシングルですよね、売る気あるのか…(笑)。でも「♪唐揚げだけの~」って口ずさんでみると意外と音のハマりは良いという不思議。


BERRYZ工房 - ⑦ Berryz タイムス - ヒロインになろうか! ★★★ (2012-02-07 20:04:19)

1曲目とは打って変わって、打ち込みを重視した、哀愁と煌びやかさが混在する曲なんですが…なんなんでしょう、このドスの効いたロックな感じは(笑)。サビのど迫力の高音ロングトーンとか他のアイドルでは歌いこなせないと思う。まさにこの感じが、私が彼女達を支持する理由だったりします。


BERRYZ工房 - ⑦ Berryz タイムス - マジカルフューチャー! ★★★ (2011-09-28 20:39:26)

曲調は全っ然関係ないですけど、zilchでいうところの「Easy Jesus」にあたる曲なのかな、と思います。割と短めの演奏時間の中で、そのグループの持ち味を凝縮して伝えるようなところが似てると思う。クールさ、元気のよさ、可愛らしさなどのバランスが良く、アルバムラストに相応しい曲だと思います。


BERRYZ工房 - ⑦ Berryz タイムス - 一丁目ロック! ★★★ (2012-02-07 20:03:39)

アルバムのオープニングを飾る、漢コーラスも入ったパンキッシュな曲。アイドルの曲らしい盛り上がり方がいいですね、カラオケでもAメロで煽ると盛り上がってくれるので超楽しいです(笑)。つんく氏はバンド出身だけあって、骨太でしっかりしたバンドサウンドを作ってくれますね。メディア露出多かった頃(「命みぢかし~」「最後のアイドル」辺り)の犬神サーカス団っぽいノリ。
ロック好きな人が最近の邦楽ポップスが軟弱になったと嘆くのは良く耳にしますが、こんな曲をアイドルが歌ってそれをファンが受け入れてるんだから、邦楽シーンはまだまだ大丈夫だと思う。


BERRYZ工房 - ⑦ Berryz タイムス - 女のプライド ★★ (2012-02-07 20:06:39)

黒人シンガー風のコーラスや、ハンドクラップを取り入れたリズム等が、聴いていて実に心地良い佳曲。跳ねたリズムの曲ですが、それを聴き手に変に意識させず、穏やかに聴かせる辺り上手いですよね。何気に一番キャリアの長さ、ゆえの説得力がある曲じゃないかと。安心して聴けるけど、歌唱力を求める余り定型的な歌い回しになったりせず、ちゃんとアイドルらしさ、女の子らしさを残してくれてるあたりホント巧い。


BERRYZ工房 - ⑦ Berryz タイムス - 女子会 The Night ★★★ (2011-09-28 20:40:39)

タイトルからはかまびすしくてカラフルなイメージの楽曲を予想してましたが、意外にも薄暗いクサメロが全編に渡って聴けるクール系の曲。こぶしを効かせたりウィスパー気味に歌ったりしながら、サビではやはりこのグループ独特の切迫した声で決める、歌い回しのドラマティックさがメロディの良さを更に引き立てる曲。


BERRYZ工房 - ⑦ Berryz タイムス - 真っ白いあの雲 ★★ (2012-02-07 20:04:52)

最初聴いたときは割と地味めな曲だと思いましたが、聴きこむと味が出てくる曲ですね。ゆったりしたストリングスがタイトル通りの、白い雲が青空を流れていくのを、寝そべって眺めているような穏やかな気持ちになれます。パワーで押すだけでなく、こういう温かみのある歌も歌えるのが素晴らしい。


BERRYZ工房 - ⑦ Berryz タイムス - 本気ボンバー!! ★★ (2011-09-28 20:40:07)

流石にこのタイトルは…と思いましたが、イナズマイレブンのタイアップソングと聞いてまあ納得。曲的には、夏の抜けるような青空が浮かぶような、爽やかなメロディで疾走する、勢いのある曲調ですが…Aメロのやさぐれっぷりが半端ないですね(笑)。かっこいいし、個人的にはたまらない歌声です(笑)。


BERRYZ工房 - シングル/カップリング/その他 - Cha Cha Sing ★★★ (2012-07-26 21:14:55)

タイのアーティストBird Thongchaiのカバー(原題は「ROW MAH SING)。
これは聴いた瞬間、耳を疑ってしまったんですけど…だって余りにも、私が「このグループにはこういう楽曲を歌って欲しい」って思う曲調そのままだったんですもん(笑)。最早カバーとは思えないほどこのグループの色に染まっている感じで、サビの「♪ちゃ~ちゃらっちゃちゃちゃらら、ちゃ~ちゃらっちゃちゃ~」を聴いてると、何もかもどうでも良くなってきます(笑)。最近ももクロとかBABYMETALとか、初聴で絶大なインパクトを残すグループが脚光を浴びてますが、この曲はインパクトではそれらグループの上を行くと思う。わざとらしいくらいにエキゾチックさを強調したアレンジ、大袈裟にコブシを回しまくったコミカルな歌唱も実に楽しい。世の中に名曲は数あれど、ここまで聴き手を楽しい気分にさせてくれる曲はなかなかないですよ。超お勧め。


BERRYZ工房 - シングル/カップリング/その他 - 告白の噴水広場 ★★★ (2011-09-28 20:37:23)

これは初めて聴いたとき耳を疑いました。
歌謡曲っぽい曲は数あれど、この曲はまるっきり歌謡曲。町会の旅行とかで、年配の方が集まる宴会の、会場に設置されてるカラオケで歌っても違和感なさそうですもん(笑)。アイドルグループなのにこういう曲でシングル切っちゃうのが素敵。


BERRYZ工房 - シングル/カップリング/その他 - 大人にはなりたくない 早く大人になりたい ★★★ (2012-02-07 20:07:32)

温存してシングル表題曲として出して欲しかったくらいの名曲。
ギターが結構印象的なフレーズを弾いてて、特にサビの歌メロに対して合いの手的に入るパートがかなりかっこいい。クラシックなロック観の強いBuono!と比べると、こっちはもっとモダンで、加えてつんく氏のダサいと紙一重でかっこいい独特な感性がある感じ。Aメロからどキャッチーでインパクトのある曲。


BERRYZ工房 - 愛のアルバム⑧ ★★ (2012-06-16 21:43:16)

2012年発表の8th。

まず、ジャケの衣装が可愛らしくていいですね(笑)
それに加えて、前作、前々作がかなりの好内容で、相当期待しながらアルバムを聴いたんですが…これの少し前に出た℃-uteの新作と全く同じ理由で、初聴の印象は微妙なものでした。収録曲数の少なさ、既発曲の多さ、そして(既発曲以外での)分かりやすい王道キラーチューンの不在、ですね。特に締めの曲が℃-uteの新アルバムのラス曲のヴァージョン違いで、しかも全く好きになれなかった曲なのが辛い…。

しかし、冷静に見ると「Shy boy」「恋愛模様」「新しい日々」はつんく氏らしい哀愁歌謡メロディ、メンバーの個々のスキル、アレンジャーの丁寧な仕事振りが発揮された、どれも名曲と言えるものだし、「Mythology」「世の中薔薇色」も、個人的なツボとは違うものの質は低くない(特に「Mythology」はアイドル曲を毛嫌いしてる人に突きつけたいレベル)ですし、既発シングル「愛の弾丸」「ああ、夜が明ける」は彼女たちのディスコグラフィでも確実に上位に入る楽曲だと思う。

ただ、やっぱり物足りなさが残るのは事実なんですよね…「Shy boy」「恋愛模様」「新しい日々」はどれも哀愁方向に傾き過ぎていて王道とは言えないし、「Because Happiness」も仕掛けとしては面白いけど、曲としては正直そこまで良いとは思わない感じ。収録曲数をあと2曲くらい増やして、前作の「女子会The Night」「マジカルフューチャー!」系のかっこいい曲、「付き合ってても片思い」系の王道アイドルソングをそれぞれ1曲ずつ入れてくれれば、アルバムの印象もガラリと変わったはずなんですが。

ちなみにDVD付きには「Be 元気(成せば成るっ!)」のライブ映像(アングル違い8パターン)とジャケのメイキングが入ってますが…このライブテイクが凄まじいです。菅谷さんのターンが来るたびに笑っちゃうんですけど…なんか、余りにも凄すぎて(笑)。このドスの効いていながら可憐さも残した声はBerryz工房が、いや日本のアイドル界が誇る至宝だと思う。100年後とかに日本のアイドル史を編纂したらこの人の名前は最重要項目として残ると思う。ウォークマンに録音して外でもよく聴いてますが、映像抜きでも奮い立つようなパワーを感じますもん。


BERRYZ工房 - 愛のアルバム⑧ - Because happiness (2012-06-16 21:39:16)

℃-uteの「幸せの途中」と同時再生すると1曲になるという仕掛けがされたことで有名な曲ですが…「♪ね~え(タンタンタンタンタンタン…)」…なんだこの間は(笑)。明らかに間延びしているように感じられるんですけど…正直種明かしされてからも、今ひとつ好きになれない曲なんですよね…感心はするけど、好んで聴こうとは思わないというか。


BERRYZ工房 - 愛のアルバム⑧ - Mythology〜愛のアルバム〜 ★★ (2012-06-16 21:42:35)

ワウギターやパーカッション、前面に出たベースがリズムを強調し、そこに多幸感を感じさせるブラスが絡むトラックがとっても華やか。ファンク要素の取り入れ方が上品で、洋物ポップスのヒットソングっぽい雰囲気。「FOREVER LOVE」のアイドルの枠を超えるような、やたらソウルフルな歌い回しもメンバーのスキルの高さを見せ付けてくれるし、全体的にレベルは滅茶苦茶高い曲だと思う。ただそれは客観的に見ての話で、個人的なツボとはちょっとズレてるんですよね…なんか穏やか過ぎるというか、彼女達にはもっとガチャガチャした曲を演って欲しいっていうか。ただアイドル曲を舐めてる人が聴いたら驚くようなクオリティはあるので、広義の音楽ファンには自信を持ってお勧め。


BERRYZ工房 - 愛のアルバム⑧ - Shy boy ★★★ (2012-06-16 21:40:21)

これはいいですね。打ち込みを活用した、エキゾチックで妖艶なトラックに、哀愁のある歌メロが乗る曲で、ムーディな空気の中、貫くように響くサビのフレーズ「愛だよ」はかなりのインパクト。アレンジャーのAKIRA氏自ら手掛けるコーラスワークも、曲の情緒溢れるムードを更に引き出してますね。もしBerryz工房のリミックス集とか出る事があるなら、この曲は是非やってほしい。


BERRYZ工房 - 愛のアルバム⑧ - ああ、夜が明ける ★★★ (2011-09-28 20:42:49)

雑誌のレビューで、キーボードの音色の多彩さについて褒められてましたが、確かにこの曲のキーのアレンジはちょっとしたシンフォメタル並だと思う。サビの歌メロに合いの手的に入る音とか、アレンジャーは絶対プログレ好きだと思うし。しかしここまでやりながら、キーが出しゃばり過ぎることなく、大人しめのポップスになっているところが凄いと思う。歌の面でも、サビの「♪愛は~」のロングトーンとか、どこか切迫したシリアスさが感じられて、垂れ流しのポップスとは一線を画す曲になってますね。


BERRYZ工房 - 愛のアルバム⑧ - 愛の弾丸 ★★★ (2011-09-28 20:38:03)

何気にメンバーの声質や、歌い回しのスキルを最大限に活用してかっこよく仕上げた曲なんじゃないでしょうか。サビの裏返り気味のしゃくりが、疾走感のある哀愁メロとも相俟って、刺さるような胸に来る感じを出してると思う。Aメロ~Bメロ~サビの流れもよく、どこを切ってもクサくてほんと素晴らしい。シングルらしいシングルだと思います。


BERRYZ工房 - 愛のアルバム⑧ - 新しい日々 ★★★ (2012-06-16 21:37:35)

この曲、アルバム中で一番好きかもしれないです。
清水さん、嗣永さん、夏焼さんの3人がヴォーカルを務めてますが、彼女達の歌声が本当に良い。キャットボイスっぽい個性的な声質で、シリアスなバラード系も可愛い系もロック系もこなす嗣永さん、歌唱力で言ったらおそらくグループでもトップと思われる夏焼さんの声も相変わらず素晴らしいですが、この曲では清水さんの歌声が物凄く光ってると思う。クールで哀愁漂う中に芯の強さが感じられるような声で、メロディのメロウさや歌詞の雰囲気と完璧に合ってると思う。流石超絶に個性的なメンバーを率いてるだけはあります(笑)


BERRYZ工房 - 愛のアルバム⑧ - 世の中薔薇色 ★★ (2012-06-16 21:41:16)

前作の「一丁目ロック!」の路線を引き継ぐような、可愛らしさを振りまきつつ盛り上げる、アッパーな曲。ただこの曲も、分かりやすい曲ではあるけどあまり個人的にはツボに嵌まらず…。コミカルさと可愛らしさの折衷点が、丁度私のツボではない箇所に着地してしまった感じ(笑)。


BERRYZ工房 - 愛のアルバム⑧ - 青春劇場 (Berryz工房Ver.) (2012-06-16 21:36:39)

いくら彼女たちのヴォーカルが好きと言っても、正直この曲は蛇足だと思うなぁ…アルバムラストなのに何処の馬の骨とも知れない男性ヴォーカルが、リードヴォーカルで入ってくるとげんなりする…。せめてつんく氏が歌ってくれればもう少しリピートするんですけど。アイドルっぽさも薄いしあんまり好きじゃないです。


BERRYZ工房 - 愛のアルバム⑧ - 恋愛模様 ★★★ (2012-06-16 21:38:22)

持続音のような、視界を塗り潰すベース音が主人公の寂寞とした内面とシンクロするかのようなバラード曲ですが…ヒーカップっぽい装飾や震えるような、細かいビブラートを操り異様に切迫した感情を演出する菅谷さんの表現力が凄まじいですね…ここ2枚くらいで異常なくらい歌唱力が伸びたんじゃないでしょうか。Berryz工房の他にこの曲を歌えるグループはアイドル界にはまずいないでしょう。


BESATT - Hail Lucifer ★★★ (2017-01-03 11:26:55)

2000年発表の2nd。

ポーランドのブラックではかなり評価が高い(一部は日本盤も発売されている)ようですが、それも頷けるくらい「ツボを突いた」作品だと思います。作風自体は邪悪なトレモロや苛烈なブラストを織り交ぜつつ、緩急付けて聴かせる、ブラックメタルの王道という感じですが、音作りが凄く「分かってらっしゃる」という感じがします。

ノイズ質を多く含むギターリフは冒涜的な感覚を、丸めのドラムの音色はモダンさではなく生々しさを、音圧の中で鳴るガリガリしたベース音は獣性を感じさせて、それが一体になるとブラックでしかなしえない邪悪なムードが演出されてるように思います。ノルウェー勢だとTAAKE辺りと近い感覚でしょうか。また初期EMPERORを髣髴とさせる、喉に過剰な負担が掛かりそうな破れかぶれなヴォーカルも素晴らしいです。


…まだ現役バリバリで活動してるバンドのようですし、出来たら最近の作品も聴いてみたいところ。この邪悪さや生々しさをキープしていて欲しい…!


BESTIA ARCANA ★★ (2012-08-18 17:56:04)

NIGHTBRINGERのメンバーによるアメリカ産ブラック。
去年出た1stが凄まじく邪悪。邪悪さで言ったらNIGHTBRINGER以上かもしれません。


BESTIA ARCANA - To Anabainon ek tes Abyssu ★★★ (2012-08-18 17:56:46)

2011年発表の1st。
路線的にはいわゆるアンビエントブラックなんですが、これはDARKSPACEやVINTERRIKETなど、このサブジャンルの有名どころに匹敵する逸材かもしれません…。

NIGHTBRINGERのメンバー3人によるブラックとの事ですが、高音で弾かれる禍々しく不穏で不吉なトレモロをNIGHTBRINGERから引き継ぎつつ、アンビエント要素とプリミティブ要素をもっと濃くし、邪悪さに特化したような作風…と言った感じでしょうか。バンドサウンドで聴かせるパートでもアンビエント要素を絡めてくるのが特徴で、負の想念や腐った膿漿の渦巻くノイジーな闇の中から、トレモロリフによる邪悪極まりない旋律が聴こえてくるような音作りが成されていますね。

メタルのカタルシス等は無視してひたすらにジクジクと腐敗した毒素を垂れ流すかのような音で、NIGHTBRINGERよりも取っ付きやすさでは劣るものの、邪悪さでは更に上を行く音だと思う。この、世界が疫病に徐々に覆われ、緩やかに破滅していく様を実況中継しているような、終末観の漂う雰囲気はただごとではありません。1曲目後半など、メロディを敢えて消すことで、不吉トレモロとは少し違うアプローチをするパートも見受けられますが…そんなパートではDARKSPACEを思わせる暗黒空間も感じさせ、やはり邪悪さや病的さ、不吉さの演出へのセンスの高さを見せ付けてくれます。

アンビエント要素の強い音作りは多少マニアックかもしれませんが、これは非常にお勧めの逸品。不吉なトレモロの運ぶ凶つ風に吹かれながら、世界の終焉に思いを馳せる…そんなムードを味わいたい方は是非。素晴らしいです。


BESTIAL MOCKERY - Christcrushing Hammerchainsaw ★★ (2011-12-05 20:47:15)

2002年発表の1st。
再発盤はCDトレイが赤くてなんとも禍々しい(笑)。

音的にはスラッシュやハードコアの要素が強い、オールドスクールなブラックメタルですね。ジャギジャギした感触のリフと、ブンブンいうベース、時折入るイカレ系のギターソロなど、出音がことごとくテンション高い感じで聴いていて爽快。演奏時間はフルアルバムとしては26分とかなり短めではありますが、スカッと聴ける感じがいいと思う。

スラッシュ/ハードコア寄りのブラックの中では、ダーティな雰囲気だけでなく冒涜的なムードもまた強いのが特徴。出音的に最近のDARKTHRONEを思わせる炸裂感や、AURA NOIRに通じる熱さも持ち合わせてはいるんですが、そこに初期BEHERIT的なやぶれかぶれな冒涜性も加わっている感じ。ヴォーカルがプリミティブ系っぽい形振り構わないがなりで、スラッシュ/ハードコアよりも純粋なブラックのスタイルなのも個人的には好み。

しかし、これだけサタニックで冒涜的で、破壊衝動の詰まったような作品を出しておきながら、レイシズムに対して反対の立場を取っているのが意外な感じではありますよね。アンチNSのコンピレーションにも参加した経験があるくらいだとか。


BETHLEHEM - A Sacrificial Offering to the Kingdom of Heaven in a Cracked Dog's Ear ★★ (2009-09-22 09:12:00)

98年発表の3rd「Sardonischer Untergang im Zeichen Irreligioser Darbietung」をヴォーカルにSHININGのKvarforthを迎え、再レコーディングした作品。2009年発表。ただのセルフカヴァーではなく、曲順やアレンジにもかなり手が加えられており、結構印象が違いますね。

まずKvarforthのヴォーカルですが、SHININGの時同様の怨念に満ち満ちたパフォーマンスで聴かせてくれます。Attila(MAYHEM)そっくりの呻き声から、がなりの途中で無気力化して弱々しい声を出したり、舌を巻いてるんだが喉を鳴らしてるんだか判別の付かない咆え声を出したり、感情表現の幅は相変わらず非常に広い。勿論鬱ブラ的な狂気的な絶叫もありますが、この人の声って「憤怒」「狂気」よりも「苦悶」「苦痛」を強く感じられるんですよね。

曲の方は元々が98年という事もあってか、トレモロリフを多用していたりプリミティブ調の疾走パートがあったり、最近のSHININGよりもオーソドックスなブラックに近い感じ。ただ、ホラー的な雰囲気を醸し出す展開を設けたりなど、どの曲も典型から少し外れててアバンギャルドな感覚も。Kvarforthのパフォーマンスとの相乗効果で、かなり恐ろしげな空気を醸し出してます。音質は原作よりも良くなってる(妙に元気なドラムの音が改善されたのは大きい)んですが、クリアながらどこかB級ブラックっぽい感じもあって、それが妙に味があって個人的には好み。

ただし、Kvarforthのパフォーマンスは感情表現を上手くコントロールしている感じだし、アングラ度や狂性も原作より低くなってるので、そこは好みが分かれるかもしれません。レビューサイトを見ると賛否が分かれる(否の方が多め)みたいですが、完全に狂気的というよりはシアトリカルな感じがするのが、その理由かもしれません。

狂気や不気味さを求めるなら原作、巧みな狂気の演出を味わいたいならこっちがお勧めです。


BETHLEHEM - A Sacrificial Offering to the Kingdom of Heaven in a Cracked Dog's Ear - Devilcrazy God Thirteen ★★ (2009-09-22 09:13:48)

今回のリメイクで4曲目から1曲目に昇格。
いきなりKvarforthのパフォーマンスがキレキレでいいですね。ドイツ語のカウントから囁き声でのスキャットで聴き手の心を掴みます。この人、狂気だけじゃなくてそれを演出する能力やアイデアがあるからこそ支持されるんだろうなぁ…。


BETHLEHEM - Sardonischer Untergang Im Zeichen Irreligiöser Darbietung - Du sollst dich töten ★★★ (2009-09-22 09:15:17)

これは原曲の方が好き。
Count(BURZUM)が早口で喚きまくっているようなヴォーカルパフォーマンスは、SILENCER以上の狂性と迫力を感じられます。Kvarforthの狂気の演出には巧みさが感じられるんですが、Marcoの歌い方はマジで頭のネジが吹っ飛んでそうな感じ。


BETHLEHEM - Sardonischer Untergang Im Zeichen Irreligiöser Darbietung - Nexus ★★★ (2009-09-22 09:16:05)

これも原曲の方が好きだなぁ…
空間を利用したドラムの音がとにかく聴き手を不安にさせます。このアルバムのドラムの音って妙に元気で好きじゃないんですが、この曲でのドラムアレンジは素晴らしいの一言。音作りの上手さから、暗黒プログレ好きにも受けそう。


BEWITCHED - At the Gates of Hell (2012-06-03 05:36:11)

99年発表の3rd。

スラッシュ色の強いブラックというと、AURA NOIRやCADAVER辺りと並んでよく名前が挙がるBEWITCHEDですが…思ってた以上にブラック色は薄めですね。スラッシーなリフには古き良きメタルという感じのメロディアスさがあるし、むしろ正統派寄りのデスラッシュに近い感触。ヴォーカルも時折邪悪極まりない咆哮を聴かせるものの、基本的にはダミ声の吐き捨てでスラッシュに近いスタイル。

確かに、オールドスクールでダーティな感触は強いんですが…それが宗教的であったり、冒涜的であったりといった方向には繋がらず、ワイルドでストレートなかっこよさが演出されている感じですね。VENOM辺りのブラックのルーツになったバンドが好みの方にとっては非常に熱いアルバムだと思うんですが、個人的なツボとはちょっとズレてるかも。なので☆は1つですが、好みが合う方ならもっと評価が高くなるかと。


BEYOND DAWN ★★ (2011-01-14 19:50:00)

VED BUENS ENDE、VIRUS、LAMENTED SOULSのEinarが参加するバンド。
初期音源を聴いた限り、やはりアヴァンギャルドなブラックを演ってます。
最近では「トラウマティック・エレクトロ・ロック」を自称した音楽性にシフトしたとか。


BEYOND DAWN - Bygone ★★ (2011-01-14 19:51:06)

91-94年のバンド最初期の音源を集め、2009年に再発された作品集。

メンバーがVBE、VIRUS絡みという事で、それに近い作風を求めてしまいますが…確かに、掴みどころのない、アバンギャルドで、底知れないダークさのある、非定型のブラックという点では共通してますね。何かの鳴き声なのか、警告音なのか良く分からない音色で始まり、それを引き継ぎつつRAWに疾走、妙にスケールの大きいメロディを聴かせる導入部で掴みはオッケー。

明らかに内向きの変態性のある曲展開、精神異常者のうわ言のような呟きと、ハードコアっぽいがなりを使い分けるヴォーカル、死と疫病を運ぶようなトロンボーンの使い方などから醸造される世界観は、やはりVBEのそれと似てはいるんですが…悪夢的で、底なしの沼に引き込むかのようなVBEに対し、こっちは潜在意識下で宇宙や幻の中を彷徨っているような、奇妙な陶酔感があるのが違いでしょうか。

しかし、これもブラック黎明期の作品なんですよね…前半の94年の音源なんかは、最近の拡散した音楽性の中から生まれた、新しい形のブラックと言われても納得できそう。やっぱりブラック(特に黎明期)って、他にないものを生み出そうとする気概のあるジャンルだと思う。


BEYOND HELVETE - Self-Therapy ★★ (2011-10-08 00:08:19)

2011年発表の1st。

CDショップの紹介で、「病的にダメな感じのヴォーカル」みたいに書かれていて、つい買ってしまったんですが…「確かに!」って膝を打ちたくなるくらい、アッチに逝っちゃってるヴォーカルですね(笑)。最早苦悶を吐き出すとかそういうレベルではなく、自分の不注意で掃除機を壊した男が、顔を真っ赤にして口から泡飛ばしながら抗議してるような、ある意味エモーショナルなガナり声。こじれたらすぐにでも裁判所とかに訴えそうな勢いです(笑)。

しかし、普段の狂気の独り芝居ヴォーカルではなく、「Fears」のような割とまともなヴォーカルラインがある曲は意外にもかっこいいパフォーマンスを聴かせるし、「Confession」の語りは普通に渋くて素敵だし、実はスキルのあるヴォーカルなのかもしれません。何気にホイッスルボイスまで使ってますし。独り芝居ヴォーカルも、最初は滑稽に思えてもずっと聴いてると、ふと「この人マジにマジなのかも…」と、背筋が寒くなる瞬間がありますし。

曲の方は、低音も効いた、どこかドゥーミーな質感のあるブラックメタル。リフは視界を塗り潰すような、オールドスクールで太みのあるものが中心で、あまりメロディアスな音とは言えませんが…このヴォーカルにメロウな音合わせられても困りますね(笑)。また、悪夢に誘うようなアルペジオが聴ける「Fears」の後半や、ジャジーなドラムと気色悪いキーが絡む「A Nameless Desire」など、所々サイケ路線への傾倒が見えるのも特徴。

…とにかくヴォーカルのインパクトが凄い作品。
(SHININGの)Kvarforthのがなり声に苦悶を込めるスタイルが行き過ぎたらどうなるのか、そのサンプルとしても興味深いヴォーカルだと思います(笑)。ある意味脱力しそうにはなるんですが、その中に時折垣間見える狂気にハッとなる作品。


BEYOND LIGHT - Eclipsed Sun Path ★★ (2011-08-05 22:40:17)

2010年発表の1st。
TRISTやHAPPY DAYSにも関わったRH-がアートワークを担当。

まずオープニングがピアノとSEによる、かなり本格的に鬱世界に入っていくようなものだったので、本編入った瞬間ずっこけそうになりましたね(笑)。プリミティブ並に軽い、今にも消え入りそうな音。作風としては陰鬱なメロディを配した、鬱系に属するタイプですが…この手としては珍しくトレモロの頻度はそう高くなく、代わりにアルペジオや空間系のキーボードを多用してますね。音質とも相俟ってかなり儚い音になってます。

また、2曲目などでは最近のSATYRICONを平らに平らに、平べったく薄く延ばしたような鬱メロの平坦リフも用いられていますが…これが鬱ブラックが「バンドサウンドによるアンビエント音楽」「トレモロリフ中心のフューネラルドゥーム」というスタイルに落ち着く前の、初期FORGOTTEN WOODS辺りの鬱ブラック黎明期を思わせる感触があって、この手が好きな人には実に美味しい出来。デモのような音質がまたその周辺のバンドを思わせるんですよね。

正直、この軽い音が駄目という方も多いかと思われますが、逆にハマればかなり陶酔出来るであろう一枚。ひたすらに暗くて儚い世界観を繰り広げています。


BEYOND THE DREAMS - In the Heart of Nothing ★★ (2012-06-30 20:29:21)

2011年発表の3rd。

これ、1曲目がNACHTBLUTの「Antik」を初めて聴いたときに匹敵する衝撃ですよね…シンフォブラックにこんな甘酸っぱいメロディ乗せるか、っていう(笑)。1曲目以外にこんな変り種な曲はないですが、モダンでスタイリッシュな質感のリフに印象に残るメロディのキーボードを乗せた、メロデス的なストレートなかっこよさの強いシンフォブラックで、決してインパクトだけに終わらないクオリティのある作品ですね。

ただ、このバンドはモダンなゴシックメタルの血も入っているせいなのか、時折ダミ声でリズミカルなヴォーカルがちょっとラップっぽく聞こえたり、リズムにダンサブルさを感じたりするんですよね…。その辺りにかっこよさを覚える人や、そもそもブラックの邪悪さに然程こだわらない人なら、逆に取っ付きやすく感じると思いますが、個人的にはシンフォブラックとしてはちょっと軽く感じてしまうかも。

とは言っても、メロディの煽情度、音作りのクオリティの高さなど、エクストリームメタルとしてはかなり高いレベルにある作品だとは思う。モダンでポップなゴシックやメロデスも聴いてる人で、それらとシンフォブラックの折衷に興味がある方は聴いてみてもいいと思う。


BEYOND YE GRAVE - Ester Panim ★★★ (2014-07-27 09:57:08)

2012年発表の3rd。

実は国内のレーベルからのリリースという事もあって、購入してみましたがこれがかなりハイレベルなメロディック・ブラック。ロシア産ながらNAGLFARやDARK FUNERALなど北欧勢に通じる、寒々しいトレモロ疾走を軸に据えつつ、刻みリフを用いたノリの良いパートも挿入するドラマティックな路線ですが、プロダクションがクリアかつ重さもしっかりあるので後者のようなパートも心地良く聴かせてくれますね。エクストリーム・メタルとして純粋に質の高い音と言えると思います。

また、このバンドの特徴としては、所々で正統派メタル的というか、ハードロックに通じる哀愁を感じさせるパートが出てくる事でしょうか。疾走パートでの暴虐さ、邪悪さ、寒々しさの撒き散らし振りからすると意外な感じではあるんですが、こういうパートがあるお陰で更にドラマティックさを増し、より聴き応えのある作品に仕上がっているように思います。ブラックらしい疾走がガチだからこそ、こういう要素を入れても半端にならないというか。

ロシアや東欧のバンドによくあるマニアックさ、辺境っぽさはなくかなり取っ付きやすいメロディック・ブラック。聴きやすい音ながら、ブラックの醍醐味である邪悪で寒々しいメロディを湛えた疾走を味わえる辺り素晴らしいです。


BHAOBHAN SIDHE - Gas Chamber Music (2014-10-19 10:57:31)

2012年発表の音源集。

93年のEP「New Order」、96年の1stフル「Corpse Crater」、同年のデモ「Jinx」を収録したコンピレーション盤。バンドは「Jinx」デモ発表後は活動していなかったようですが、New Era Productionsもよくもまあこんなマニアックな音源を見つけてきましたね…。作品中でブラックメタルを演ってるのは「New Order」部分のみですが…93年といえば、MYSTICUMが結成された年。そんな時期のオランダで、MYSTICUMを更にマニアックにしたようなインダストリアル・ブラックを演っていたというのが驚き。

冷徹さを感じさせるマシンドラムに、蚊の泣くような、薄い音ながら確実に聴き手に耳障りさを感じさせるノイジーなギター、ギターの代わりにメロディを担うような、強調されたベースライン…これらが合わさると、非常に閉塞感の強い、不気味なムードが展開されてるんですよね。ヴォーカルもウィスパーと痰を吐くような声を混ぜたようなスタイルで、しょぼいギターの音色と(ある意味)見事に合致。面白いしカルトではあるけど…これに付いていける人は少ないのでは…(笑)。

ちなみに作品の大半を占める、残りの音源はやたら殺伐としたアンビエント/エレクトロニカ路線。ブラックから離れても、カルトでマニアックな雰囲気は変わりません。厚みのあるシンセが前に出る部分も多く、ある程度メロディアスではありますが…こちらもブラックパート以上に聴き手を選びそう。まあBEHERITが一時期演ってたエレクトロニカよりは大分分かりやすいですけど(笑)。

これ、音楽自体を底から楽しめるかは別として、この時期にこの場所で、こんな面白いことを演っていたブラックメタルバンドがいた、という資料的な興味深さはありますよね。正直マニアック過ぎて私も付いていけない感じですけど…(苦笑)。


BITTER PEACE - Opus Ⅱ ★★★ (2014-05-17 10:12:51)

2013年発表の2nd。
マスタリングはあのNecromorbus Studioだとか。

楽曲的には、プリミティブな質感の強い作風ながら、メロディや緩急のメリハリのしっかり付いた良質なブラックで、SEやアンビエントインストを挿入し邪悪な雰囲気を煽る展開も。Necromorbus Studioでのマスタリングの効果なのか、プロダクションはRawながら味があって良いですね。ショップでは初期デスに通じると言われていた通り、低音が効いていて陰湿さが醸し出されてますが、トレモロやアルペジオなどメロディ要素のあるギターワークの音色は鋭め。

加えて、ツーバス連打やブラスト、ファストな2ビートでの疾走のどれも心地良く聴かせるドラムの音も相俟って、音作りはアンダーグラウンドなブラック特有の粗さは残しつつ、締まりのあるものになっているように思います。また、ヴォーカルも結構特徴的で、基本的に呻き気味のがなりですが、「De Mysteriis~」期のMAYHEMを思わせる呪詛声になったり、イカレた絶叫や儀式的なクリーンなども使い、表現力はまずまず。

フレンチブラックにも通じる毒々しいメロディセンスもかなり良いですし、楽曲自体も非常に良質で、Moribund Recordsリリースらしいアングラな音源としてしっかり筋を通している、良盤だと思います。地下臭いけど、それだけではない質のあるブラック。


BLACK CILICE - Mysteries ★★★ (2016-06-19 10:35:04)

2015年発表の3rd。
活動当初よりかなりの数のデモをリリースしているようですが、フルとしては3枚目。2016年に日本のレーベル、Hidden Marlyが再発しているので、そこで聴いた人も多いのでは。

ディプレッシブ系の鬱要素と、プリミティブ系の粗さを組み合わせて独特の陰湿さを表現するブラックメタル。疾走の頻度も高いミニマルなリズム、腐食を促すようなネガティブ極まりないメロディ、ザンザンに降り付ける酸性の雨を思わせるような粗いプロダクション…と、音を構成する要素がお互いにカルト臭を高めあい、ある意味でカリスマ性すら感じさせる雰囲気があるように思います。

特に特徴的なのは余りにもRawな音。ギターの歪みの出力が不安定で、ノイズが妙な波形を描いているのだと思いましたが…このノイズに聞こえるやつ実はヴォーカルだったんでしょうか(笑)。ただ、このプロダクションが有機的な生臭さの漂う、真っ暗な室に閉じ込められたかのような雰囲気を醸し出していて、独自の魅力を放っているように思います。ギターのRawさの割にドラムもはっきり聴こえますが、酩酊感を助長するようなオカズ等を入れてきてより催眠効果の高い音に。

鬱系・プリミティブ系って結構様式が決まってしまっていて、同じ感じのバンドが多いですけど、これは結構個性的な魅力があると思います。ジャンルを好きな人が楽しめないような変な個性じゃなく、ちゃんと全力でネガティビティを表現してくれているのが素晴らしい。


BLACK CRUCIFIXION - Hope of Retaliation ★★ (2011-12-01 21:48:02)

2011年発表の2nd。
バンド結成20周年を記念した作品だとか。
1~4曲目が新曲、5曲目以降がライブ音源という構成。

速さに任せたブラストで畳み掛けるというよりは、時にロック的なグルーヴ感も感じさせる、心地良い速さのテンポ設定のパートを中心に、丁寧に曲を展開させる作風で、割とオールドスクールな風味が強い感じですね。あまり極端な方向に向かわず、メタルとしてのかっこよさを重視してる感じ。ヴォーカルも発狂系ではなく、地声成分のかなり強いドスの効いた吐き捨てで、妙に貫禄があったりします。個人的にはこのヴォーカル、悪のヒーローが技名叫んでる時の声みたいでちょっと面白く感じたり(笑)。

ただ、基本的にオールドスクールなメタルの感触強めなんですが、ギターのジギジギした感触のディストーションや、トレモロリフの北欧らしい寒々しさ、ブラックらしい邪悪さ・荘厳さなど、黎明期過ぎてからのブラックの価値観もガッツリ継承してるところが素晴らしいんですよね。これがベースのゴリゴリ言う骨太な音像と相俟って、作品を聴き応えのあるものにしてると思う。

不満を挙げるとすれば、アルバムの構成でしょうか…1曲目終わってテンションが高まって来た所でクールダウンするインストを挟むのもちょっと微妙だし、そもそも新曲が4曲しかないし…ライブ音源は、新曲のスタジオ音源とほぼ変わらない質の音で録られてるし、熱気のあるライブが行われてるのは間違いないんですが、新曲よりメロディ成分少なめで私の好みからは少し外れるかも。ライブ音源2曲くらいでいいから、その分新曲多くして欲しかった。


BLACK FLAME ★★ (2012-07-19 21:09:32)

イタリア産ブルータルブラック。
DEAD TO THIS WORLDやJANVSにも籍を置き、SLAVIA、DISIPLIN、GLORIOR BELLI、MORTUARY DRAPEなど数多くのバンドに関わってきたM:A Fogらによるバンド。


BLACK FLAME - Septem ★★ (2012-07-19 21:12:01)

2011年発表の5th。

タイプとしては、デスメタルのダイレクトな暴虐性を取り入れてビルドアップした感じの、ファストパートに重きを置きつつヘヴィネスも重視したブラックメタルで、BEHEMOTHやHATE、RAVEN WOODS辺りを思わせる路線の音ですね。ヴォーカルもブラック的なハイピッチ絶叫でなく、低音のグロウル主体でかなりデスに近い作風。ハーモニクスを交えたギターワークも、緊張感を生み出していてかっこいい。

デスメタル的な刻みを多用した、荒々しいリフ捌きにブラック由来のメロいトレモロを仕込んでくるのはこの手のデス寄りブラックでは常套と言えますが、他の似た路線のバンドやメロブラ系のバンドと比較しても、メロディの陰鬱度が高いのが特徴。短く陰鬱で、印象的なフレーズをリフに込めて執拗に繰り返す様は何か鬼気迫るものを感じます。ヴォーカルの吼え方も、BEHEMOTH辺りと比べると勢いで譲るものの、何か恨みがましさのようなものが感じられる気がします。

数々のそれなりに知名度の高いバンドに関与してきた人物が主導権を握るバンドだけあって、基本的なクオリティは非常に高く、エクストリームメタルが好きであればすんなり入り込める作品。後は似た路線のバンドから一歩抜きん出るような、強烈な何かが欲しい所ですね。


BLACK FUCKING CANCER - Black Fucking Cancer ★★★ (2017-04-05 13:22:25)

2016年発表の1st。

ショップでもネットでもKATHARSISの名盤3rdを髣髴とさせると評判だった作品。確かに、カオスと血腥さを演出するリフ捌き、整合性と荒々しさを備えた赤黒い音質など、例の作品に対する崇拝すら伝わってくるブラックですね。ただしこちらはヴォーカルが(パフォーマンスは狂気じみてるものの)よりリズムに寄り添っていたり、若干整った音で、カオティックなソロを入れるなどサタニックなデスメタルに通じる雰囲気も感じられます。

この作品の一番の売りは、やはりリフとリズムのアンサンブルでしょうか。前述したようにKATHARSISの「VVorldVVithoutEnd」的な、精神抉るような禍々しいカオスを演出するリフですが、そこにドラムががっつり絡んでくるのが特徴。その結果、何か邪悪な蠢いているような、脈動感ある音作りになっているように思います。…ちなみに、ルーン文字っぽいもので書かれた歌詞カードの表記も必見。凝っているのは分かるけど訳分からないです(笑)。

これはかなり素晴らしい作品だと思います。Osmoseらしいエクストリームメタルとしての質の高さと、KATHARSIS大好きなカルト嗜好が合わさって凄まじい事になってます。かなりお勧め。


BLACK FUNERAL ★★ (2011-04-22 20:50:33)

グリム・メディエヴァル・ヴァンピリック・ブラックを標榜するアメリカのバンド。一時期はアンビエントに傾倒していたらしいです。


BLACK FUNERAL - Empire of Blood (2011-04-22 20:51:10)

97年発表の2nd。

このバンドはアンビエントも演っているらしいですが、この作品は女性の語りを交えたオープニングや、パイプオルガンを使った、教会の墓場にいるようなインストを挟み、「ヴァンピリック」な世界観を表現しようとしている以外は、ほぼオーソドックスなプリミティブ・ブラックのスタイルですね。

音質は当然ながら劣悪で、特にカラオケの個室でエコーマックスで叫んだかのようなヴォーカルが酷い(笑)。最早病的なのか何なのか分からないです。しかし中世の後ろ暗い部分のみを抜き出したような、メロウだけどグロテスクなトレモロ、テンションだけならMARDUK並な爆走など、根幹自体はかなりしっかりしていて、プリミティブ好きから支持を受けるのも頷けます。

吸血鬼を題材にしたコンセプトからして、全くアメリカ的な音は期待してませんでしたが、期待通り(?)な北欧アングラ・プリミティブブラックの音。その手が好きな方限定でお勧めです。


BLACK HATE ★★ (2013-07-06 00:01:30)

メキシコ産ブラックメタルバンド。
ANDRAMELECHなどに在籍するB.G.Ikannuna氏による独りブラックとしてスタートし、一旦活動を停止した後、バンド編成で再スタートしたという経緯があるみたいです。


BLACK HATE - Los Tres Mundes ★★★ (2013-07-06 00:07:42)

2012年発表の2nd。
おそらくバンド編成になってから初のアルバム。
…スリーブが小さくてキツくて開封しづらい…。

中心人物であるB.G.Ikannuna氏の経歴を見てみると、NOSTALGIEにDEEP-PRESSION、LUPUS NOCTURNUSなど錚々たる鬱ブラックが名を連ねていますが、こっちのバンドではごく真っ当なかっこよさのあるエクストリームメタルを展開していて驚きました。基本は鬱要素もあるブラックですが、熱く刻み込むリフ捌きがあったり、ノリのいいグルーヴ感のあるリズムを取り入れていたり、バンドサウンドを謳歌しているような作風。

ハイクオリティなエクストリームメタルと鬱要素を同居させている辺りはMANETHRENだったりIMPERIAL DEKADENZだったりといったバンドを思わせますが、こっちはプロダクションがクリアなだけでなく、ちょっと軽めなので、特に疾走パートにおいてどこか軽快さを感じるような作りになっているんですよね。

但し、鬱ブラック由来の引き攣った絶叫を交えたヴォーカルパフォーマンス、悲壮感のあるメロディを交えたトレモロや繊細なアルペジオ、どことなく妖しげな雰囲気を醸し出すスペイン語詞の響き、時折挿入される呪文を唱えるようなクリーンなど、この手に期待されるようなネガティビティの表現にもしっかり力が入っている感じもします。パートによっては鬱ブラックの音そのものだったり。

鬱ブラックのテイストを残しつつ、エクストリームメタルとしても非常にかっこいい音。不気味さや鬱さは好物だけど、アルバム通してミニマルな作りなのはどうも…という方にもお勧め。固すぎるスリーブで☆一個減らそうと思ったけど、内容が良かったので☆3つ(笑)。しかし、日本人の耳で聴くと「Ika-nu-na」と唱えている箇所は「いかんなぁ…」と嘆いているみたいでちょっと面白いです(笑)。


BLACK MESSIAH - Oath of a Warrior ★★ (2010-12-26 17:32:24)

2005年発表の2nd。
ディスクユニオンのブラックメタルガイド本にも載ってましたね。

ガイド本や、各種レビューサイトでもメロディの「クサさ」が賞賛を浴びていますが、実際聴いてみると…確かにこれは凄い。メタル的な整合性こそEQUILIBRIUMやELUVEITIEに一歩譲るものの、その分メロディそのもののクサさに特化している感じですね。最早ヴァイキングというか…ヒーローもののテーマソングとか、ファンタジー音楽とか、そのレベル。「ヒロイック」「ファンタジック」という次元は既に超越してしまってます(笑)。

ただ、メロディは甘口ながら、作風そのものは意外にも辛口。噛み千切り系のがなりはなかなかに凄絶だし、ノーマル声もパワーメタル系ではなく、ヴァイキング系の朴訥さがあって個人的には好感触。音質もブラックメタル的な荒さが残ってるし、即効性はあれど決して聴きやすい音とはいえないかも。作風的には、音は荒くない方が私としては良かったですね。プリミティブ系と違って、必然性の無い荒さの気がする。

と言うわけで、エクストリームメタルも行けるクサメタラーならば必聴。メロディのセンスだけで言ったら、並みいる有名バンドを牛蒡抜きにしているかと。


BLACKLODGE ★★ (2011-04-25 21:46:27)

フランス産インダストリアル・ブラック。
MERRIMACKのメンバーが在籍してます。


BLACKLODGE - >SolarKult< ★★★ (2011-04-25 21:45:24)

2006年発表の2nd。

これ聴いて思ったんですが、実はBLACKLODGEは「インダストリアルブラックの顔」足りえるバンドなのではないでしょうか…作風的にも、クオリティ的にも。無機質なマシンビートに機械音のサンプリングを取り入れた音楽性はインダストリアル・ブラックの王道ともいえる作風ですが、それらの要素がバンドサウンドと不可分一体になっていて、「取り入れただけ」「逆にバンドサウンドが飲み込まれてる」とはならないセンスの良さが素晴らしい。

特にマシンビートと、ブラック特有のノイジーなリフを組み合わせての、無機質な世界観の演出する力は、今まで聴いたインダストリアル・ブラックでも最も優れているように思います。ところどころバンドサウンド自体をコラージュしたり、リフをノイズミュージックすれすれまで歪めたりしてはいますが、実験的であっても抽象的になりすぎず、機械的な世界観を描くことにブレがないのが凄いと思う。

有機的な気味悪さの強かったMERRIMACKとは打って変わって、無機質で無慈悲な音を聴かせる作品。私の中では「最もインダストリアルブラックらしいインダストリアルブラック」という印象なんですよね。本当に「これぞ」という音を出しているので、気になる方は是非。


BLACKWINDS ★★ (2010-07-15 23:34:00)

スウェーデン産ブラック。
SetherialのInfaustus氏が主要メンバーとして在籍してます。


BLACKWINDS - Origin ★★ (2010-07-15 23:32:00)

2008年発表の1st。

この作品、発表自体は08年ですが、実際には結成して間もなくの99年に制作された音源らしいですね。だからか、SETHERIALよりも大分プリミティブ寄りの音を出してます。

ファストブラックの代表格足り得るくらい、猛然とした攻撃性を見せていたSETHERIALと比べると、こっちはプリブラらしい陶酔感を重視した作風。…しかしこの作品も、本当に「RAWさが心地良い」音ですよね。ギターは本来かなりノイジーな筈なんですが、篭もった音質のせいでうるさく感じないし、同様のことがドラムにも言えますね。反面、デモ音源的なグルグルと渦巻くような低音が残っていたり、僅かに聴こえるメロディがじわりと沁みるようなリフがあったり、肺の空気を全て吐き出すような切れ味鋭い高音絶叫ヴォーカルがしっかり聴こえたり、プリブラ的な陶酔感を各要素が強める音になってると思う。

SETHERIALとはまた違う魅力のある作品。SETHERIALがファスト系としてトップクラスの魅力を放っているのと同様、このアルバムにもプリブラとしての高い魅力があるように思います。


BLANKFIELD - Fast Forward to End of East ★★ (2010-02-27 08:45:00)

09年発表の東方インスト・メタルコアアレンジ。
帯タタキによると「爆走エモーショナルメタルコア」とのことですが…正直ここまで
「爆走」に拘ったアルバムを作ってくれるとは思いませんでした。パートによっては、
その「爆走」がグラインドレベルになってるんですが…(笑)。必然的に、ギターワーク
(特にリフ)もリズムに合わせてファストになってるんですが、その中で疾走感・焦燥感を
更にアップさせたり、邪悪さを重視したり変化に富んだパフォーマンスをしてくれていて
実に素晴らしい。
しかも、一つの展開で引っ張る事を良しとせず、矢継ぎ早に展開を繰り出していく所が
「凄み」を感じるんですよね…ここまで整合性を保ったまま、「カオティックさ」を
表現できるバンドもそうないのでは。更に突然4つ打ちを取り入れたり、様々な要素も
取り入れてますが…元々音がカオスなので、全く違和感なく聴けてしまうのが面白いですよね。
ただし、明らかに「(エクストリームな)メタルである事」が、「ゲーム音楽のアレンジで
ある事」よりも優先されているような作風で、メロディも曲のスピードに合わせて早回し
されているため、「亡き王女の為のセプテット」「緑眼のジェラシー」などは、元のメロの
繊細さが失われているようにも思えたり。「広有射怪鳥事」に至っては、何が何だか分からないし(笑)。
でも、そうすることでしか表現できないかっこよさも確かにあるし、逆に「ラストリモート」や
「人形裁判」のように、このスピードがメロディの新たな魅力を引き出している曲もあると思う。
単純に出音だけで言ったら、数ある上海アリス幻樂団のメタルカヴァーの中でも、最も凄みや
インパクトのある音ではないでしょうか。それこそIRON ATTACK!やCROW'SCLAWをも
喰いそうな勢いですが、ここまで徹底すると逆に真性のメタラー以外にはキツいかもしれません。


BLANKFIELD - Fast Forward to End of East - Guilty People, Innocent Doll ★★★ (2010-02-27 08:47:53)

グラインド並のスピード感が、何故こうもハマってるのか不思議(笑)。
もう「本気を出したアリス・マーガトロイドのテーマ(非公式)」に認定してもいいんじゃないんでしょうか(笑)。全力で殺しに来てるような速射ドラムと、それにしっかりついていくギターワークがかっこよすぎる。


BLANKFIELD - Fast Forward to End of East - Half Ghost ★★ (2010-02-27 08:50:32)

原曲のメロディは、居合の達人の間合いに入ったような緊張感のあるものだと思いましたが…こっちのバージョンは、問答無用でズタズタにされている感じですね。


BLANKFIELD - Fast Forward to End of East - Last Remote ★★★ (2010-02-27 08:46:59)

原曲自体、どこか哀愁の裏に「焦燥感」が漂っているようなメロディでしたが…その「焦燥感」を何倍にもブーストするとこんな感じになるんでしょう。途中の4つ打ちのパートも、「何かに駆り立てられる感じ」を更にアップさせてると思います。


BLANKFIELD - Fast Forward to End of East - The Princess is Dead ★★ (2010-02-27 08:49:27)

これは…メロディを早回ししすぎて、上品さがちょっと失われているような…この曲だったら、「悪魔城ドラキュラ」のボスの方が相応しそうな感じしますもん(笑)。でも、ギターワークは素晴らしいし、原曲やゲーム音楽を抜きにしたら名曲。


BLASPHEMOUS LEGION - J.b.m (blasphemous Legion / Thy Nadir) ★★ (2009-10-10 22:34:00)

2009年発表のスプリット。BxLxはDEATHSCYTHEから改名して初の音源みたいですね。曲目の表記がないですが、myspaceなどを見ると、

1.Revival of Ancient Spirits / BLASPHEMOUS LEGION
2.Blasphemic Legion March / BLASPHEMOUS LEGION
3.Black Funeral for Fools Who Stands on Past Glory / BLASPHEMOUS LEGION
4.Enter into Deep Forest / THY NADIR
5.Trees Address to Thee / THY NADIR
となっているようです。

「BLASPHEMOUS LEGION」

「桜」や「大正浪漫」といった言葉が思い浮かぶような、日本情緒に溢れるリフのメロディや、強烈な絶叫ヴォーカルなど、改名してもDEATHSCYTHEの美点はしっかり受け継いでいるのが嬉しいですね。特にヴォーカル、前任者のパフォーマンスが素晴らしかっただけに不安があったんですが、WOLF'S LAIR期のManiac(MAYHEM等)やNoktu(CELESTIA等)を少し細めかつ高めにしたような、粘度の高い絶叫ヴォーカルで、こちらも前任者に負けない魅力を放ってます。鬱系にも通じる裏返り気味の高音絶叫も演ってますが、ちょっとエフェクトが強いのが惜しいですね…この声はもっと生々しく聴かせた方が、魅力がもっと伝わると個人的には思います。

音質は…金属質で薄めだったDEATHSCYTHEの1stと比べると、ノイズ質が少し立体感を増してドラムの抜けが良くなった印象で、私はこっちの方が好み。DEATHSCYTHE時代の音楽性が好きだった人、プリミティブ系が大丈夫で和メロ好きなら是非聴いておいて欲しい作品です。

「THY NADIR」

このバンドもDEATHSCYTHE絡みだし、かなり期待してたんですが…予想以上ですね。まず「Enter~」が北欧っぽいメロのリフとプリミティブな疾走、バンドサウンドと相まって奥行きのある音像を演出するキー、ピアノで聴かせるパートも挟んだ構成と、魔性に憑かれたような雰囲気で聴かせる曲だったので、「こういうバンドなのか…」と思ったら、続く「Trees~」では町内会のお祭りのBGMにも通じるような、強烈な和メロが!!

…正直、この2曲を聴いただけではどういうバンドが判別しかねるんですが…どっちの曲も強烈な個性があって、尚且つレベルも非常に高く、これからも期待したいと思わせるものがありましたね…。取りあえず、フルアルバムを聴いてみたいです。

収録時間は2バンド合わせても30分に満たない作品ですが、どっちも個性的かつレベル高くて満足。特にTHY NADIRはフルアルバムの発売が楽しみ。出来ればCDで出して欲しいです。


BLASPHEMOUS LEGION - J.b.m (blasphemous Legion / Thy Nadir) - Black Funeral for Fools Who Stands on Past Glory ★★★ (2009-10-12 04:17:17)

これ、myspaceとかEncyclopaedia Metalumで調べた限りではこういうタイトルみたいなんですけど、本当にこれでいいのか不安。Fools Who Stands…?あとで修正されるのかも。まあそれはそれとして、この曲はヴォーカルが1・2曲目にも増してキレキレですね。もはや人間の言葉を忘れているんじゃないかと思わせるような狂い振り。これでエフェクト解除して、耳元で叫ぶようなミックスにしてくれれば言う事なしなんですが。


BLASPHEMOUS LEGION - J.b.m (blasphemous Legion / Thy Nadir) - Revival of Ancient Spirits ★★★ (2009-10-12 04:15:51)

この街宣車から聴こえてくるようなメロディ、感性的にはNSに通じるものがあるのかも。
そうでなくてもキャッチーで魅力的なメロディですね。


BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA ★★★ (2014-06-01 00:46:38)

アークシステムワークスの展開する格闘ゲームシリーズ「BLAZBLUE」シリーズの現時点での最新作で、アーケードで稼動したのは2012年。翌年にPS3、翌々年にPS VITAにも移植されており、私はVITA版をプレイ。BGMにHR/HM調のものが多く、アレンジをかのGALNERYUSが担当した楽曲があるなど、一部のメタラーの間でも有名。ストーリーのキーワードで「アークエネミー」とか連呼されると、なんかニヤニヤしてしまいます(笑)。

GUILTY GEARシリーズのスタッフによる作品らしく、コンボが重要になってくるゲーム性なんですが、詳しいチュートリアルを設けたり、オートガード・オートコンボ機能のついた初心者向けモード(スタイリッシュ)を用意したりなど、格ゲーマーではないけど興味はあるようなプレイヤーにもしっかり配慮した作りになっているのが良いですよね。スタイリッシュは相手との距離によって自動でコンボ選んでくれたりするので、結構便利かも。勝手にゲージ使用技に繋ぐのは微妙ですが…。

CPU戦の難易度も初心者への配慮がされている感じで、最低レベルならC攻撃を振ってるだけで結構勝ててしまったりしますし、デフォルトでも基本コンボが出せるくらいならクリア可能だと思う。初心者がコイン投入して2試合勝ち抜ければ御の字だった、昔のSNK格闘ゲームよりは、CPU戦に限って言えば全然易しくなってると思う。コマンド表を開くと技の性質も同時に見れる点も、地味だけど凄く親切な作りだと思います。

ただ、仕方ないことではありますが、初見でもすぐにキャラを動かせたスト2時代と比べると、出来る事が増えた分、キャラを動かすのに覚える事も増えた感じ。ある程度動かさないとキャラごとの立ち回り方が分からないような仕様は、キャラ毎の個性は立たせてはいるんですけど、初めてシリーズに触れた人は煩雑に感じるかもしれません。この「ある程度」がスト2時代より遥かに長くなっているというか。

あと、個人的に最大の不満点は効果音ですね。特に攻撃がヒットした時の音がなんかモッサリしてるというか、爽快感が全くないというか…。龍虎の拳でビルドアッパーが決まった時の音や、サムスピで大斬りが決まった時の音…あれから20年くらい経ってるのに、なんで今更こんなしょぼい音なのか。ぶっちゃけヒット音の爽快感はスト2と比べても天と地。同社のアルカナハートもそうですが、もう少しなんとかならないんですかね…。コンボゲーだから一発の音が重すぎると鬱陶しくなるのは分かりますけど。

他には…どうもこのゲームのストーリーって、思わせぶりで煙に巻かれてる印象だったんですが、今回は具体的に色々動いてるので満足。特にレリウスが理解できる目的を持って動いてたのが分かって良かったです。あと、携帯機やパッドで4つボタン同時押しを咄嗟にやるのは無理だろ…とか、色々ありますが概ねこんなところでしょうか。私もそこまでやりこんでいる訳ではないですが、丁寧でやり応えがあって良いゲームだと思います。


BLAZE OF PERDITION - Towards the Blaze of Perdition ★★★ (2013-01-31 20:55:12)

2010年発表の1st。

某サイトではWATAINと同系統のブラックメタルとして、OFERMODやONDSKAPTを差し置いて名前が挙げられていて、「これは買わねば」と思い至り購入したわけですが…これは見事に期待に応えてくれる作品でした。WATAIN同様、メタルとしての重厚感がブラックの邪悪さと結びつき、サタニックな威風へと結びついていくどす黒いブラックメタル。ローファイ音質にも華美なキーボードにも頼らないストロングスタイルのブラックという感じ。

しかしこのバンド、この手のバンドの中でも各要素のレベルが高いんじゃないでしょうか。メロディアスながら甘さではなく、ブラック特有の妖気と邪気を発散するリフといい、威厳のあるドスの効いた中音域がなりと信者を先導するようなアジり系がなりを使い分けるヴォーカルといい、ブラック好きなら即効で引き込まれる魅力がある。楽曲構成も巧みで、特に何かに追い詰められる様な焦燥感を煽る疾走パートや、メロディアスながらサタニックな雰囲気を助長するソロの組み込み方が上手い。

流石に近年のWATAINと比べるとまだ地下臭さは残っていますが、「これがブラックメタルだ!」とでも言いたくなるような音を出してますので、マニアならずともお勧めの逸品。


BLODHEMN ★★ (2013-04-18 18:00:45)

マルチプレイヤーInvisus氏によるノルウェーのブラック。
去年Indie Recordingsより初のフルアルバムをリリース。


BLODHEMN - Holmengraa ★★★ (2013-04-18 18:02:32)

2012年発表の1st。

ノルウェー産らしい邪悪なだけではない、土着性を帯びたメロウさも感じられるトレモロを武器としつつ、所々にオールドスクールな熱気のあるパートを挟みドラマ性を演出する、いかにも「True Norwegian Black Metal」といった感じの作風で、TAAKEやGORGOROTH辺りを直接的に連想させるような音。モダン過ぎずRAW過ぎずな、湿り気を帯びたプロダクションも土着的なメロウさ、オールドスクールな熱気としっかり合っていて良い感じ。

ただ、このバンドはDISSECTIONをカヴァーしている事からも分かる通り、上記のバンドと比べると、スウェディッシュ的なダイレクトな叙情性を感じさせるようなメロディが多いような気がするんですよね。そのお陰で適度なメロディアスさが保たれていて、聴きやすく仕上がっている感じ。「いかにも」な音なので、際立った個性がある訳ではありませんが…上記バンドに通じるような、凡百のバンドに無い風格のある空気感が、1stにして醸し出せている気がするんですよね。…まあ、スタイルが好みなのでかなり贔屓目も入ってると思いますが。

あとこのバンド、かなり堂に入ったバンドサウンドを出しているので意外だったんですが、実は独りブラックらしいですね。レビューを書くに当たって調べていてちょっと驚きました。KEEP OF KALESSINやENSLAVEDのリリースで知られるIndie Recordingsが目を付けるだけの事はある良質な物件ですので、ストレートなノルウェー産ブラックが好きな方は是非。


BLODULV - Ⅲ - Burial ★★★ (2012-08-31 19:30:42)

2005年発表の3rd。

ファーストインプレッションは「ILDJARNのメロブラ版」?
やたら音のでかい、音圧で押し潰すようなノイジーなリフと、これまたノイジーなエフェクトを掛け、十分な声量と殺気を伴いつつ全力でがなり散らすヴォーカルを、打ち込みと思しきミニマルで、妙に抜けのいいドラムに乗せて展開する、RAWで極悪なブラック。「血の狼」のバンド名に恥じないクソ迫力ノイジー音質といい、ドラムのスチスチ感といいかつてのILDJARNを想起させる音。

但しILDJARNと異なるのは、こちらはメロブラ的なトレモロリフの含有率がかなり高く、極悪でありながらメロディアスな仕上がりになっていること。ほんの少しトラッド色も感じられる、勇壮さ漂うメロディ使いも見受けられ、単調なドラムスとも相俟ってパンキッシュなかっこよさに聴こえたりも。メロディの濃淡や緩急の付け方である程度ドラマ性のある仕上がりにしてあるため、ILDJARNよりは展開のある音。ミニマリズムに徹していないとも言えるんですが、その分聴きやすい。この手に慣れてるリスナーなら、極悪音質も2~3曲聴くうちに心地良さへと変わるはず。

ノイズとメロディ、そしてど迫力の絶叫を浴びるように聴ける、いいアルバムだとは思うんですが…バンドは既に解散していて、フルアルバムとしてはこれが最後の音源になってしまった模様。シンプルなRAWブラックの魅力を見せ付けてくれる作品ですので、プリミティブ系好きな方は是非。


BLOOD OF KINGU - Sun in the House of the Scorpion ★★★ (2010-06-01 17:58:00)

2010年発表の、なんとCandlelightに移籍しての2nd。1stは未聴なんですが、これ聴いて、「Candlelightは伊達じゃなかった」と思いました…。

特にリズム面で民族テイストを取り入れたファストブラックなんですが、音の分厚さ、迫力が一流のブルデス並に凄い。リフがデス的なうねりより、ブラック的なトレモロでのペイガン風メロを重視したものだったり、音質が分厚さはありつつも分離されすぎない、クリア過ぎないものであることから、ブルータルブラックの迫力のある、プリミティブ/ペイガンブラックと言い換えても良さそう。

タブラなどの民族楽器やSEなどを用いた、瞑想的なパートを所々に入れてくるんですが、これが雰囲気作りにおいて非常に奏功しているという印象。魔神が異界から喚び出され、一通り破壊を尽くした後帰っていく…みたいな演出に感じられる。また、民族的なパーカッションがSE的にだけでなく、時折バンドサウンドと絡むのも個人的には大いにプラス。ドラムの音作りからして、少し高めなバスドラや、独特のスネアの抜けなど、民族的なパーカッションを意識しているような感じがします。

そして何気に素晴らしいのがRoman氏のヴォーカル。
HATE FORESTでは、低音デスヴォイスがプリブラには合わないというかどで批判される事が多かったですが、今作ではその批判を捩じ伏せる迫力が備わっていると思う。BEHEMOTHのNergalや、KRIEGのImperialを思わせる、聴いててこっちの腹筋が攣りそうになるレベルの轟音絶叫。アルバム録音時、怒れる神が降りてきたとしか思えない、凄まじいパフォーマンスです。

個人的には彼らが今まで関わってきたバンド(DRUDKH、HATE FOREST等)の延長線上にある音を予想していたので、この迫力で押す作風には驚きました。…驚くと同時に、一発で気に入ってしまったんですけど(笑)。Candlelightに移籍した事で流通もある程度良くなることが見込まれますし、この機会にどうでしょうか。


BLOOD OF KINGU - Sun in the House of the Scorpion - Gate of Nanna ★★ (2010-06-01 18:00:43)

BEHERITカヴァー。
アルバムの曲準拠の、ド迫力過ぎる音作りは、得体の知れない恐怖感を具体化しすぎていて、ちょっと原曲の雰囲気を壊している部分もあるように思いますが…まぁ原曲が名曲ですし。でもコーラス部分が迫力ありすぎて違和感あるのも確かかも(笑)。


BLOOD OF KINGU - Sun in the House of the Scorpion - Guardians of Gateways to Outer Void ★★★ (2010-06-01 17:59:40)

グオォォォォオオオオオ!!!!
グオォォォォオオオオオ!!!!
グオォォォォオオオオオ!!!!
グオォォォォオオオオオ!!!!
…前半の絶叫部分は、もうKRIEGの「Patrick Bateman」を引き合いに出して語らざるを得ない程のド迫力がありますね。曲展開などはしっかりしてますが…BEHERITをカヴァーしてるくらいだし、ブラックの「迫力で殺す」魅力を、分かっているバンドなのではないかと思います。


BLOOD RED FOG - Death Cult ★★ (2014-08-10 13:29:34)

2012年発表の編集盤。
同年に発売されたEP「Death Cult Ⅰ」「Death Cult Ⅱ」を纏めたもの。

一言で表すなら、ミッドテンポ中心のRawブラックをベースに、VED BUENS ENDE的なグロテスクなオーガニックさを一滴垂らしてより異形性を強めたような、独特のムードのあるブラックメタル。どこか頭のネジが飛んでるような、ダウナーな狂気を孕んだ声でがなるヴォーカルや、ファジーな音色のディストーションはかなり強烈なカルト性を感じさせますが、漏れ聴こえてくるギターのフレーズは意外にもメロディアス。

この作品の場合、そのメロディアスさが、全然聴きやすさとかマイルドな方向に作用していないのが良いんですよね。音の狂気をより濃くするような、ギラついた感触の強いメロディ。ギターリフの音色とも相俟って、どす黒い靄の中に大量のカミソリが隠れているかのような、悪意的なムードが演出されているように思います。ブラックとしてもかなり毒気の強い音。

ごく分かりやすい凶悪さがある訳ではないので、取っ付きやすいとはお世辞にも言いがたい路線ですが、徐々に凶器が伝染していくような閉塞的な恐怖感を感じさせる雰囲気作りはかなり良い感じだと思います。カルト志向のバンドが好みな方に。


BLOOD RED THRONE - Altered Genesis ★★ (2007-08-31 14:11:00)

2005年発表の3rd。
EMPERORやCARPATHAIN FORESTなど、主にブラック方面での活動で知られる
Tchortの在籍するバンドと言う事ですが、音楽性はほぼ完全にデスメタルですね。
彼とベーシストのDodが主なソングライターみたいです。
ブラック者らしいトレモロリフがところどころで顔を出すものの、カミソリのような切れ味を
音に与えていたり、グロテスクな雰囲気だったりブラックの寒々しさとはまた違った使われ方を
しているように思います。音質もベースがゴリゴリと聞こえる硬質なもので、音圧もかなりあり
ストレートなブルータリティを伝えてきますね。結構キャッチーなパートもあり取っ付きやすく、
聴いているとなんか攻撃的な気分になってきます(笑)
ヴォーカルもデスメタルらしい低音咆哮ですが、言葉の吐き捨てにキレがあって、低さの割には
意外と歌詞も聴き取りやすく(?)、それでいて威厳もしっかりと見せつける実にかっこいい声。
このキレの良さがパーカッシブな役割をしっかりこなし、曲を更にかっこいいものにしています。
GREEN CARNATIONとは全く違う路線ながら、才人Tchortの凄さが伝わる作品。
ちなみにアートワークも必見です。メンバーの血塗れの写真が載ってるわ、各メンバーに
死亡診断書が付いていて、全員死因が「自殺」になってるわで、音にピッタリ(笑)


BLOOD RED THRONE - Altered Genesis - Altered Genesis(creation and Sudden Demise) ★★★ (2007-08-31 14:17:42)

パートによっては案外メロディックだったりしますが、有無を言わせないような混沌とした狂気が渦巻いているような曲ですね。前曲との繋がりも良い感じ。


BLOOD RED THRONE - Altered Genesis - Deliberate Carnage ★★★ (2007-08-31 14:19:07)

曲が始まると同時に、魔界的なメロディのリフと共に畳み掛け。
猟奇的ですが鮮烈なメロディで、キャッチーさもありかっこいいです。


BLOOD RED THRONE - Altered Genesis - Eye-Licker ★★ (2007-08-31 14:14:21)

タイトル通りグロい歌詞と音ながら、G・スタインのパロディとも思えるフレーズを入れてくるあたり面白い。暴虐ながら、意外と知的なのかも。もっともこの曲調でそれをやるのは逆に不気味ですが。


BLOOD RED THRONE - Altered Genesis - Flesh to Destroy ★★★ (2007-08-31 14:16:58)

「Flesh to destroy~」の箇所の不気味なメロディが印象に残る。
かなり猟奇的な雰囲気が醸し出されてます。


BLOOD RED THRONE - Altered Genesis - Incarnadine Mangler ★★★ (2007-08-31 14:15:38)

実質的な1曲目。入りのリフがブラック好きにもツボなかっこよさ。
「Death on display~But never leave」のヴォーカルも素晴らしい。
リズミックに言葉を吐き出してますが、血も一緒に吐きそうな凄い迫力。


BLOOD RED THRONE - Altered Genesis - Tortured Soul Appearance ★★ (2007-08-31 14:16:14)

ヴォーカルとリフの掛け合い的な絡みがノリが良くて好き。
聴いていて訳もなく体を動かしたくなるような曲。


BLOODLINE ★★ (2011-04-26 01:29:13)

スウェーデン産インダストリアル・ブラック。
SETHERIALやNAGLFAR、ONDSKAPT、SHINING等のメンバー・元メンバーが絡んでます。Nattefrost氏や(ABORYM、DISSECTION、WATAIN等の)Seth氏も在籍していたとか。


BLOODLINE - HATE PROCESSION ★★ (2011-04-26 01:32:14)

2009年発表の2nd。
ENSLAVEDのDirge Rep氏が歌詞でゲスト参加。

路線としては、無機的なマシンビートにブラックの摺り込むようなリフが乗る、インダストリアル要素の強いブラックですが、インダストリアルブラックの王道からは少し外れた感じの音ですね。冷徹なリズムに乗って、ノイジーなリフが垂れ流すように弾かれる様は、どこか黙示録的・終末的で、厳かなムードが漂っていると思います。

また、キーボードやピアノによる、鬱屈したメロディを入れたり、SEを効果的に挿入するなど、シアトリカルな面も持ち合わせていて、それが更に世界観をダークなものに。感性的に鬱ブラックと共通した部分もあり、特に3曲目の後半のアトモスフェリックなメロディは、BURZUMに肉薄する凄みが…というより、「もろBURZUMじゃん!」という感じに聴こえたり。

インダストリアル・ブラックを追っている方だけでなく、鬱ブラック好きにも勧めたい作品。聴いていると、機械的な世界観というよりは、終末的なヴィジョンが見えそうな音なんですよね。


BLOODTHORN - Onwards Into Battle ★★ (2012-01-03 09:17:25)

99年発表の2nd。

ベルセルクやバスタードのような、ファンタジー系漫画の1シーンを切り取ったようなジャケットが、なにかエピックなものを予感させますが…その期待を裏切らない、ダイナミックでシンフォニックなブラックメタル。ブラックらしいノイジーさだけでなく、太さや迫力もあるリフで音に厚みを出しつつ、そこにチャーチオルガンやピアノ等多彩な音色のキー、女性ヴォーカル等を乗せドラマ性たっぷりに展開する作風。

ただ、良質なシンフォニックブラックであることは間違いないんですが、どうもリフが今一つ耳に残らないのがネックなんですよね…。トレモロリフや泣きメロを弾いてる時は良いんですが、キーボードが前に出されてるときに裏方に回りすぎな感じ。敢えて薄い音でアンビエント感出すとかならまだしも、これだけ音圧出してるんだし、もっとカラミに聴き応えがあれば良かったと思う。

とは言っても、聴いているとファンタジックでダークな世界観が浮かぶような、豊饒なメロディセンスの発揮された良盤だとは思います。ちなみにこの時点でギターの音色がかなり音圧のあるものであることからも予想されるとおり、バンドはこの後デスメタル色を強くしていった模様。


BLOODY LAIR - TOTAL MAYHEM ★★ (2012-04-28 22:15:00)

2010年発表の2nd。500枚限定でのリリース。

アルバムタイトルがこれだし、メンバーにMAYHEMのTシャツを着ているメンバーがいることからも想像されるとおり、MAYHEMに強烈に影響を受けたブラックメタルを演ってますね。特に怨念が篭もっていそうなトレモロリフのメロディは、1st時代のMAYHEMを明らかに意識している感じ。曲によってはMAYHEM1枚目のタイトルトラックのリフそのままなフレーズがあったりも(笑)。

ただ、プロダクションや曲展開など、MAYHEMの1stと比較するとこちらは大分ストレートなエクストリームメタルの攻撃性が強い感じ。メロディの質は陰湿なものが多いものの、聴かせ方はかなり明瞭でメロブラとしても聴けますね。クリアな音質も地下臭さより直接の暴虐性を伝える事に重きを置いている感じで、邪悪さで譲る代わりより好戦的になったMAYHEMという印象。

ちなみにヴォーカルは呪詛系ではなく、がなり散らすタイプですが…声を荒げて叫んでいる時のAttila Csiharにどこか似ている声なんですよね。かなり邪悪な声が出せてはいるんですが…1曲目で左右のチャンネルから耳に息を吹きかけるような部分があるのは、気色悪いからやめて欲しいです(笑)。…流石にMAYHEMのような、ジャンルの礎となるようなアルバムではありませんが、邪悪で陰湿なメロディを分かりやすく聴かせてくれる、かなりの好盤だと思います。


BLOODY SWORD - 東方歌劇曲 ★★ (2010-02-25 18:58:00)

09年発表の東方V系風HR/HMヴォーカルアレンジ。
…正確には、「青春時代にメタルを聴いていた人が結成したV系バンド」風アレンジ(笑)。
一応「ヴィジュアル系ロック」を謳ってはいますが、リフの作りや間奏のソロパートなど
根幹にあるのは明らかにHR/HM。ただし、ヴォーカルが明瞭な主旋律を担っている代わりに、
プロダクションや演奏自体は多少甘めな印象なので、V系風という肩書きやゲーム文化発祥と
いう点も考慮すると、「メタラーなら必聴」とまでは言えないかも。
逆にV系からメタルに入った人、もしくはメタルと平行してV系にも注目している人は
間違いなく楽しめるでしょう。取り敢えずストーカーネタのサイコな歌詞、間奏での
煽りパートは基本ですよね(笑)。ただ、ヴォーカルがナルシーな低音+ファルセット多用と
いうスタイル自体は良いんですが、声量不足+篭もったミックスのせいで説得力があまり
無いのはマイナスかも。もっとビブラート掛けて、声量も出すなどして、ナルシーさに
説得力が備われば素晴らしいものになったと思うだけに惜しいです。
私的には、これからブレイクしてメジャーに行くV系バンドのデモ作品、もしくは
インディーズ初期の作品を聴いているような印象。「憎しみの妄想病」なんかは、
メジャー進出後そのメロディが再評価され、シングルのカップリングとかで再録される曲…
みたいな感じしますもん(笑)。


BLOODY SWORD - 東方歌劇曲 - BLOODY KNIGHTS ★★ (2010-02-25 19:00:04)

途中のブラスト→デス声での煽りパートがモロにV系的ですよね(笑)
ライブだと、この煽りパートを10分くらい演ってんだろうな…って感じ。何かの機会に、ボーナストラックとしてこの曲の擬似ライブバージョンとか演ってくれたら面白そうかも。


BLOODY SWORD - 東方歌劇曲 - 喪われた人格に捧げるファラウェル ★★★ (2010-02-25 19:00:54)

Farewellというごく普通の単語を、わざと変った読み方してハッタリかますのもV系的ですよね(笑)。こういうセンスって意外と重要。この曲はサビで原曲のメロディをいじってますが、それによって元々ゴスっぽかったメロディが、更にV系らしくなってます。


BLOODY SWORD - 東方歌謡メタル ★★ (2010-02-25 19:03:00)

09年発表の2nd。前作から約2ヶ月での発表。
…といっても、自作のアレンジは4曲で、他にVELFORESTのIzna氏やex-GALNERYUSのTsui氏、
KISSING THE MIRROR、KINGHTS OF ROUNDのYazin氏もアレンジ等に参加しているので、半分は
オムニバス的な性格を持ったアルバムと言えるのかも。
でもこのアルバム、はっきり言ってタイトル詐欺なんですけど(笑)。
前作でヴォーカルを務めたミカエル咲夜氏が何故かキーボードに専念、よってヴォーカル曲は
VELFORESTのIzna氏の歌う「摂氏-⑨℃」、KISSING THE MIRRORの提供した
「Enter the Bizarre Sanctuary」の2曲のみに。しかも後者はキラキラメロデススタイルで
ヴォーカルはデス声のため、実質「歌謡メタル」なのは前者のみ。1曲目のタイトル(明らかに
Xのパロディ)を見て、どれだけ期待したことか…。
ただし、前述の「摂氏-⑨℃」は掛け値無しの名曲。
原曲の「おてんば恋娘」からして、キャッチーな美メロを持つ名曲として原作ファンや
クサメタラーの間で人気の高い曲なんですが、このアレンジではサビパートにて、
そのメロディの「先」を書いているのが素晴らしいんです。ここまで原曲メロに合わせ、
しかもクサさ、V系らしさを保ったメロディは普通じゃ聴けません。鼻にかかり気味で
少し演歌入った歌い回し、固有名詞を出してるのに雰囲気が壊れてない歌詞なども悪くないし、
これだけで元は取れたと思います。
ただ、やっぱり歌モノがこれだけっていうのはねぇ…。
結果的にタイトル買いして名曲に出会えたから良かったものの、もう少し考えて欲しいです。