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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1201-1300

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1201-1300
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BLOODY SWORD - 東方歌謡メタル - さめきった街にわかれを告げ… (2010-02-25 19:04:31)

メタラー的にタイトル詐欺な曲(笑)
こんなタイトルだと、ミカエル咲夜氏が頑張ってハイトーン出すのかと期待してしまうじゃないですか…なまじ歌詞を引用してるだけにねぇ…。普通に「"不思議の国のアリス"のメタルアレンジ」としては悪く無いんですが、期待外れ感が強いので★は1個で。


BLOODY SWORD - 東方歌謡メタル - 妖精乱舞 ★★ (2010-02-25 19:06:12)

どうも原作だと地味目な印象のあるルーネイトエルフですが、主旋律を泣きのギターに代えるとこんなにもかっこよく聴こえるんですね…実は凄くメタル向きのメロディなのかも。KISSING THE MIRRORが超絶クサ曲「おてんば恋娘」との抱き合わせでアレンジも演ってますので、そちらも是非。


BLUT AUS NORD - Memoria Vetusta II: Dialogue With the Stars ★★★ (2011-06-07 18:38:43)

2009年発表の7th。

前々作「MoRT」ではブラックメタルを融解させ、誰も辿り付いた事のない新境地へ到達、前作「Odinist」ではそのスタイルを、伝統的なブラックとある程度融合させた…という変遷をえてきた彼らですが、今作は初期作の続編という位置づけだからなのか、割と普遍的なメロブラのスタイルに近い作風になってますね。メロウなリフでの疾走も多いし、哀感の篭ったアルペジオやリードギターは前々作と同じバンドとは思えません(笑)。

ただ、完全に普遍的なメロディック・ブラックになってしまったわけではなくて、やはり彼ららしい捻くれた感覚は残って(しまって)いるのが、面白いんですよね。リズムは人力でインダストリアルを演奏したような、このバンド特有の感触があるし、基本的にはメロウなリフも所々不協的な音色になったりして、それがフックになってると思う。でもこのバンドが10分超えの大作やって変態的な方向に行かないと、「よく我慢したなぁ…」とか思ってしまいます。

メロディック・ブラックに、このバンドが2000年以降に発揮し始めたアヴァンギャルド性を隠し味的に盛り込んだ感じの作品。「MoRT」も完成された作品だし、あれも大好きなアルバムですが、こういう、あからさまではないけど確かな前衛性が垣間見えるブラックも面白いですよね。


BLUT AUS NORD - MoRT ★★★ (2006-10-19 08:30:00)

2006年発表の5th。
いきなりですが、これは凄まじい作品だと思います。

このバンドの作品は、今までに3rdと05年発表のミニを聴いてましたが、化けましたね…。路線としては前作ミニの暗黒アンビエントみたいな音楽とブラックメタルの折衷というか、前作ミニの2曲目でも聴かれた、怨霊の呻き声チックなギターの音をフィーチャーした基本スロー~ミディアムで進行していくブラックメタルという感じです。…最も、これをブラックの範疇に入れていいのかちょっと疑問の残る音楽性ではありますが。

今作で素晴らしいのは前述したようにギターの音。
音響的にかなり加工された音で、ちょっとサックスのような管楽器みたいな音色に聴こえる事もあったり。よくクラシックとかで「死」を表現するのにブラスを使ってダークなイメージを喚起させたりしますが、個人的にはそれに近い表現方法だと思いました。前作の2曲目よりもその音色がふんだんに使われていて、曲中ひっきりなしに鳴り響いていてかなり鬱な雰囲気。低音のディストーションもちゃんと効いてますが、そっちも普通のバンドと比べると不気味な音。

ヴォーカルも入ってますが、音の奥でうめいている感じであまり前には出てきません。やはり音全体で鬱だったり恐怖感だったりを表現する作風だと思います。個人的には、鬱度だったらBURZUMやXASTHURをも凌ぐ作品だと思います。CDをセットして流れてきた音に軽く感動してしまいましたもん(笑)

こんな作品に出会えたことが嬉しくて、スピーカーからは疫病のような不幸をそのまま形にしたかのような音が流れているのに、ちょっと嬉しい気分になってました(笑)。ともかく鬱ブラックで実験的な作風が好きならばこれは絶対に買った方がいいです。お勧め!


BLUT AUS NORD - Odinist ★★★ (2007-10-27 11:06:00)

2007年発表の6th。

前作「MoRT」がリズムは半ば崩壊してるし、ギターは不気味な音響を表現するのに徹してるし、ブラックメタルを融解させて出来た粘液をそのままCDに封じ込めたような、前衛ブラックの傑作だったので今作も期待してたんですが、やっぱり彼等は期待を裏切りませんね。

路線で言うと「Thematic~」以前の作風に近いでしょうか。疾走はほぼありませんが、前作と比べるとリフがトレモロを弾いていたり、ちゃんとフレーズになっていて曲の展開もあってしっかり「ブラックメタル」になっている感じです。

ただ、前作の粘液質なムードはしっかりと継承されており、不気味な音作りの巧みさは以前よりも上がっているのではないでしょうか。前作に続いて鬱ブラックの傑作だと思います。鬱で病んでて抽象的なムードがある…みたいな、こういうブラック特有の雰囲気が好きな方である程度は「ブラックらしさ」があった方が良いと思う人にはこの作品をお勧め。

反対に、スタイルを崩壊させてまでムードを追求するような音楽に興味がある方は前作の「MoRT」をお勧め。…っていうか、どっちも素晴らしい作品なので両方買いましょう(笑)。しかし、このバンドってドラマーがいるんですね…。あんなインダストリアルっぽいフレーズを人が叩いてるとは…。


BLUT AUS NORD - Thematic Emanation of Archetypal Multiplicity ★★ (2005-12-25 02:36:00)

2005年発表の5曲入りミニアルバム。

よくULVERとも比較される通り、このCDではブラックを経由しながらもテクノや音響自体の方面へ足を踏み入れた音楽をやっております。私はULVERの信者なので、作りこみ具合はULVERの方が上かなぁ…とか思ってしまうんですが、このCDの魅力はやはり底知れぬダークさだと思います。曲によってはAttilaの「呪文風ヴォーカル」どころか、本当のお経を取り入れている曲までありますし…こんなCDばかり聴いていたらきっといつか精神がまずいことになりそう(褒め言葉です・笑)。

ブラックメタルの暴虐さが包丁を持った殺人鬼だとしたら、これは動けない病人の耳元で「お前の病気はもう手遅れだ…もうお前に希望なんて無いんだよ…後は死ぬだけ」と囁きながら笑いを浮かべるような底知れぬ悪意に満ちた異常者といった感じ。でもこういった音楽って衝動では作れないものだと思うし、もしかしたら天才なのかも。


BLUT AUS NORD - Thematic Emanation of Archetypal Multiplicity - Exit (towards the Asylum) (2005-12-25 02:40:36)

これは曲と言うよりも、この世のどこかにある魔界へと繋がる穴を見つけ、そこにレコーダーを当てて録音してきたんじゃないのかと(笑)


BLUT AUS NORD - Thematic Emanation of Archetypal Multiplicity - Level – 1 (nothing Is) ★★★ (2005-12-25 02:37:58)

著しく気力を削いでいくようなギターの音色がやばい曲。
ほら耳を澄ませば怨霊の呻き声が音の中に…特にラスト付近は魂を持っていかれそうになります。


BLUT AUS NORD - Thematic Emanation of Archetypal Multiplicity - Level – 2 (nothing is Not) ★★★ (2005-12-25 02:38:56)

リズムこそテクノっぽいですが、音の響きはやはりダーク。
これを心地良いと感じるようになったら、もう戻れないかも(笑)


BLUT AUS NORD - Thematic Emanation of Archetypal Multiplicity - Level – 3 (nothing Becomes) ★★★ (2005-12-25 02:39:47)

機械で作った音なのか、人の声をサンプリングしたのか良く分からない音がとても気味が悪い曲…と思ってたら、ほんまもんの読経まで入ってきた…フランスにもお経ってあるのかな?想像しにくいんですが…


BLUT AUS NORD - Thematic Emanation of Archetypal Multiplicity - Level - 1 (nothing Is) ★★★ (2005-12-25 02:37:58)

著しく気力を削いでいくようなギターの音色がやばい曲。
ほら耳を澄ませば怨霊の呻き声が音の中に…特にラスト付近は魂を持っていかれそうになります。


BLUT AUS NORD - Thematic Emanation of Archetypal Multiplicity - Level - 2 (nothing is Not) ★★★ (2005-12-25 02:38:56)

リズムこそテクノっぽいですが、音の響きはやはりダーク。
これを心地良いと感じるようになったら、もう戻れないかも(笑)


BLUT AUS NORD - Thematic Emanation of Archetypal Multiplicity - Level - 3 (nothing Becomes) ★★★ (2005-12-25 02:39:47)

機械で作った音なのか、人の声をサンプリングしたのか良く分からない音がとても気味が悪い曲…と思ってたら、ほんまもんの読経まで入ってきた…フランスにもお経ってあるのかな?想像しにくいんですが…


BLUTKLINGE ★★ (2013-09-24 19:05:07)

ドイツ産ブラック。
バンド名はドイツ語で「血の刃」らしいです。


BLUTKLINGE - Call of the Blackened Woods ★★ (2013-09-24 19:06:32)

2007年発表の4曲入りEP。
…と言っても、現在流通しているEwiges Eis盤はボーナストラックが1曲入っていて、演奏時間は40分以上で、ボリュームはフル並。

作風としては、物悲しいメロディのトレモロやアルペジオ、非人間的なまでに歪み切った絶叫と嘆きを乗せた呻きを使い分けるヴォーカルを、一部ブラストを交えつつ基本スローなリズムに乗せて展開していく、鬱ブラックの典型と言えるような感じですが…。まず肝であるメロディが非常に秀逸。鬱や絶望よりも、涙腺を刺激するような悲哀の感情に満ちたようなメロディが、全編に渡って横行。

個人的には、実はストイックで地味なメロディよりも、こうした分かりやすく琴線に響くメロディの方が好みなんですよね。それを弾くギターの音色も、金属質なノイジーさを強調しながらも、耳に痛かったり変に人工的だったりという事のない、奥行きを感じさせるような歪みの掛かったもので、上手くメロディの物悲しさを強調しているように思います。例えば、NARGAROTHの「Geliebte des Regens」アルバムは、ミニマリズム・悲哀・ノイジーさの全てで振り切っていましたが、それらをもう少しマイルドに仕上げた感じ…というと近いかもしれません。

タイプとしては鬱系に属する音ですが、カテゴリの中でも泣き要素の強い一枚。メロブラ好きもスローである程度ミニマルな作風が大丈夫であれば行けるかも。


BLUTMOND ★★ (2013-07-22 20:45:47)

スイス産アヴァンブラック。
ブラック的邪悪さからはかけ離れた、都会的な音を出してるバンド。


BLUTMOND - The Revolution is Dead! ★★ (2013-07-22 20:46:36)

2013年発表の3rd。

音的には、サックスを用いたジャジーな雰囲気や、インダストリアル要素を含むパートを取り入れた、アヴァンギャルドなブラックメタルで、一部シューゲイザー的な清らかさを感じさせるトレモロがあったり、ワインを傾けながら歌っているかのようなお洒落クリーンがあったり、様々な要素を取り入れて変化に富んだ展開を聴かせる作風。ヘヴィなリフやツーバスにサックスを絡めてくる辺りは、如何にもジャンルを跨いでいるバンドの音という感じで個人的にツボだったり。

その出音からはブラック的な薄暗さや邪悪さは殆ど感じられず、代わりに都会的なアンニュイさ、お洒落さがあって、どこか人を食ったような雰囲気があるのが特徴ですね。ミッドテンポ中心かつヘヴィなリフを用いた音作りは、ブラックというよりヘヴィロックやゴシックを聴いているような感触があり、アーバニズムをテーマにしたブラックの中でもはっきりした輪郭を持った音になっている印象。トリッキーだけど実体的。

ギターワークはメロディアスだし、変に賢しらぶった自己満足な音になっている訳ではなく、ある意味キャッチネスに富んだ仕上がりなので、聴きやすいといえば聴きやすいんですが…何か主義主張を喚き散らすかのような、やたら熱の入ったエモーショナルな絶叫や、ゲスト女性ヴォーカリストのやたらめったら力強いダミ声叫びヴォーカル等もあって、音の灰汁はかなり強い感じがします。

感性の面でブラックを離れているので、割と聴き手を選ぶ音かもしれません。SIGHやTHE MEADS OF ASPHODEL、ANSUR辺りの逸脱系ブラックが好きな方にお勧め。


BLUTRACHE - TODESSEHNSUCHT ★★★ (2012-04-12 23:35:33)

2008年発表の2nd。

1曲目を聴いた感じでは、粗めの音質による荒っぽい疾走に、やたらに殺気立ったヴォーカルを乗せたスタイルで、「ああ、バンド名通りのWAR系なスタイルか…」と思ったんですが、聴き進めていくとかなりメロディアスな部分も見せてくれ、意表を突かれました。メロウではあるんですが、派手にメロディを押し出すパートも多く、叙情的というよりは煽情的と言った方がしっくり来るような、聴いていてテンションの上がるものが多い感じ。メリハリが付いてて実に心地良い曲作りだと思う。

しかし、このヴォーカルは一体何なんでしょう…
「ギャアアアアアアアアアアアアウ!!!」
「ギャアアアアアアアアアアアアウ!!!」
何かに取り付かれたようなテンションで絶叫しまくりで、完全に常軌を逸してます。鬱ブラック的な泣き叫びも聴かせますが…多くの鬱系バンドのヴォーカルが狂気や感情表現が行き過ぎてて、デス声としての「かっこよさ」が犠牲になってるのに対し、この人のパフォーマンスは切れもあり、「かっこよさ」も十分。元ENDSTILLEのIblis氏がイカレてしまったかのような歌い方。

ちなみに、CDトレイの下には「True Norwegian Black Metal」ロゴのパロディと思しき「True German Black Metal」ロゴが書かれてますが…TNBMロゴを使ってる代表的なバンドとしてTAAKEがいますが、メロディのセンスに秀でながらブチ切れた部分もあるスタイルは、確かにTAAKEと共通するポイントかもしれません。正直このヴォーカルに55分付き合うのは疲れますが(笑)、荒々しさとドラマティックさを併せ持つ良い作品ですので是非。


BOGDAN RACZYNSKI ★★ (2010-05-21 19:02:00)

親日家としても有名なミュージシャン。
1stアルバムのタイトルに「Boku mo Wakaran」と付けるほどで、
ライブでは流暢に日本語を話すとか。
メタラーの間では、ULVERの曲をトンデモ・リミックスしたことで知られてますね。


BOGDAN RACZYNSKI - Alright! ★★ (2010-05-21 19:00:00)

何枚目かは分かりませんが、07年発表のフルアルバム。
以下エレクトロニカをほとんど知らない、単なるULVER好きの感想です(笑)。
裏ジャケのゴキゲンなコメント通りの、めっちゃハイテンションでダンサブルな
エレクトロニカ作品で、ULVERのRemixでそのぶっ飛んだポップ(?)感に惹かれた人でも、
一発で気に入りそうな感じ。もし私が恋愛系のシミュレーションゲーム(ギャルゲー)を
制作するんだったら、デートのプランを入力する画面ではこんな感じのリズムの曲を
使いたいですね(笑)。聴いてると妙にワクワクと浮き足立った気分になるというか、
良い事がある気がしてくると言うか。
もちろん、リズムだけでなく、その上に乗るサンプリングやキーボードなどもかなり賑々しい
雰囲気がありますね。比較対象として、アイドル系のポップスを持ち出したくなる程に、
カラフルな音。ただ、一般的なポップスと比べると大分色彩感覚がイカれている感じがしますが(笑)。
普通にキャッチーなメロやムードのある音も使ってますが、1曲目から「欽ちゃんの仮装大賞」
の得点風の音でメロディを奏でてたり、やっぱりぶっ飛んでる。
こう言っては失礼かもしれませんが…これだけカラフルな音でありながら、ヒットチャートを
聴いて過ごしているような非音楽ファンには全く無用な音であることはある意味凄いと思う(笑)。
一見ハッピーですが、摂り過ぎると体に悪い系ですよ、これ。眠れない時に、こういう
打ち込みのリズムでトリップしたら寝れるかも…と思って聴いてたら、妙にテンションが
上がってしまい夜明け間近まで眠れなくなってしまいました…。
比較対象としてAPHEX TWINなどが挙げられてる通り、普通のメタラーには敬遠されそうな
音ではありますが…ULVERやMANES、THE 3RD & THE MORTALの脱メタル作、WHENや
BOGUS BLIMPSなどのJester関連のアーティストなどを聴いている、調教済みの
ブラックファンなら、何の違和感もなく聴けると思う。特にWHENの壊れ気味なポップ感が
好きな方にお勧め。個人的にはこういう音、結構好きだったりします。


BOGUS BLIMP ★★ (2008-03-30 21:22:00)

ULVERのGarmの主催するJESTER RECORDS所属のアーティスト。
最近のULVERが好きな人にお勧め。


BOGUS BLIMP - Rdtr ★★ (2008-03-30 21:15:00)

2004年発表の3rdアルバム。
このバンドもエレクトロニカやアンビエントなどにサンプリングを加えた、前衛的・実験的な
作風で、WHENや脱メタルしてからのMANESやULVERなどと同様に、聴いていて抽象的な
イメージを喚起させる音楽性ですね。特に「PERDITION CITY」の頃のULVERに似てますが、
こっちの方が見えてくる景色がより不条理で、妖しくて実体をつかめない感じ。
朝起きたらタイムトリップしてて、周りが全部人間の倫理の及ばない機械文明になったような
恐怖感だったり、意識だけ異次元に飛ばされて彷徨っているような浮遊感を味わえます。
こういう音楽をやっているだけあって、やっぱり音響やリズムでの心地良さの演出が上手い。
加えて、意外にもピアノやキーボード、一部トロンボーンなどによるメロディもあるので、
実験性やマニアックさの割に聴きやすいんじゃないかと思います。まあ、変な音響処理が
施されてる所とかもあって、全体的には妖しいんですが(笑)。こういうセンスもULVERと
共通してますね。この人たちがJESTER所属バンドなのは凄く自然だと思います。
前述したバンドの音楽性や、ブラック経由のアンビエントが好きならば聴いて損は無いかと。
この不条理性や頽廃性、アウトプットこそ違ってもブラックと共通する物が感じられるんですよね。
ちなみに、収録曲が10曲なのにプレイヤーに入れると12曲表示されるのは、6、7トラックの
「Police Chasing Police」と10、11トラックの「The Solitude of Space」が二部構成だからです。


BOGUS BLIMP - Rdtr - Automated Bathroom (2008-03-30 21:19:35)

キーボードの音色がどこかコミカルさを感じさせる曲。
個人的にはタコ型のアナクロな火星人を連想しました(笑)。


BOGUS BLIMP - Rdtr - Ministry of Police Affairs (2008-03-30 21:20:34)

妖しげな音の中、意図不明な質問が繰り返される曲。
…絶対話が通じないであろうマッドサイエンティストに実験される五秒前な気分。


BOGUS BLIMP - Rdtr - POLICE CHASING POLICE ★★★ (2008-03-30 21:17:52)

トラック6と7で二部構成になっている曲。
Part1
左の耳から入ってリスナーの脳を撫でつつ、右に抜けていくような奇妙な音響処理の施されたストリングスが印象に残る曲。タイトルはこの変な音響と関連付けてのものでしょうか。なかなか洒落が効いてると思います。
Part2
今度は神経を逆撫でする…のではなく、優しく撫でるかのようなストリングスが心地良い。テクノビートの気持ち良さとも相まって、軽くトリップ出来そうな感じです。Part1でもストリングスが重要なモチーフとして使われていたことを考えると、ストリングスは警官の象徴なんでしょうか。意味不明(笑)。


BOGUS BLIMP - Rdtr - Sci-Fi City ★★★ (2008-03-30 21:18:47)

この曲に関して言えば、「美しい」と形容しても間違いないんじゃないかと思います。低音で妖しげな音響を構築する事に貢献したり、お洒落かつ頽廃的に曲を彩ったりするピアノが美味。まあ、十分妖しいムードの曲ですけどね(笑)。


BON JOVI - Slippery When Wet - Livin' on a Prayer ★★ (2005-07-10 10:44:41)

何故か私の周りの洋楽ファンの人たちは、ほとんどがこの曲をカラオケのレパートリーに入れています。それぐらい有名な曲。
声質が良く歌も上手いので、ハイトーンやってもヘロヘロにならないヴォーカルが力強くて良いです。


BONJOUR TRISTESSE - Par Un Sourire ★★ (2015-09-15 21:15:19)

2011年発表の1st。
まずバンド名が良いですよね(笑)。「悲しみよこんにちは」って、「タッチ」かよ!と思い、思わず購入してしまいました。まあ中古でしたし…。本当はフランソワーズ・サガンの小説が元ネタでしょうけど(そもそも「タッチ」主題歌の方も)。

そんな経緯で買ってしまいましたが、実はHERETOIR、THÄNENKINDのメンバーである、Nathanael氏による独りブラックなんですね。これらバンドがシューゲイザー/ポストブラック的な儚さを感じさせるのに対し、こちらは王道過ぎるくらい王道な鬱ブラック。正直、何も衒いが無さ過ぎてレビューに困るくらい(笑)。

完全に絶望一色ではなく、時折エモーショナルなメロディも登場するのもこの手の常套といえば常套ですね。ヴォーカルは世の中の苦痛から背を向けて駄々を捏ねるかのように、嫌気の篭もった感情を吐き出す絶叫タイプですが、この手にありがちな情けない泣き声になったりせず、かつてのBURZUMにも若干通じるものがある、あくまで歪み切ったかっこいい声なのが良いですね。

正直、クオリティの高い鬱ブラック…それ以上でも以下でもない気がします(笑)。この手が好きで堪らない人ならば買いですし、苦手ならまず縁の無い音源かと。


BOOK OF BLACK EARTH - The Cold Testament ★★ (2012-04-04 22:00:23)

2011年発表の3rd。
個人的には、評価の難しいアルバムですね…。

BEHEMOTHやMARDUKを思わせる、重厚感のある猛烈な爆裂ブラストで突進しつつも、トレモロリフで聴かせるパートではしっかりブラック由来の寒々しいメロディを仕込んでくる、デス・ブラックの良いとこ取りをしたようなハイブリッドで、かつ非常にクオリティの高いエクストリームメタル。

爆撃ドラム、ゴリゴリベース、重厚なギターと各楽器の音が相当の迫力を持って聴こえる、モダンで硬質なプロダクションもひっくるめてかなり高品質な仕上がり。デスメタルスタイルの野太く野蛮な咆哮ながら、どこかキャッチネスもあるヴォーカルラインも良い感じですね。

ただ、個人的にはなにか物足りなさも残るんですよね…。ジャンルのトップと比肩しうるブルータリティも、それを支えるテクニカルな演奏も、緩急の付いたドラマティックな展開も、ブラック由来の血腥さや寒々しさも…全部そつなくこなせて「しまっている」という感じが。もう殆ど言いがかりに近いんですけど、出来過ぎてて逆に無機質に感じてしまうというか…

一枚大体2000円くらいだとして、エクストリームメタルを好んで聴くメタラーなら、確実にお値段以上は楽しめると思う。私も楽しめたと思いますし…ただ、ちょっと個人的な特別の思い入れは持ちづらい…そんな感じの印象の作品でした。


BOOK OF SAND - Destruction, not Reformation ★★ (2013-07-29 12:54:03)

2010年発表の2nd。

2009年結成のかなり新しいバンドらしいですが、新進気鋭のバンドらしい実験性に満ちたブラックを演っていますね。ザラついたギターリフがメタルのヘヴィネスではなく、アンビエントなアトモスフェリックさを演出し、そこに胡弓らしきストリングスの大陸的で雄大な音色が乗る、瞑想的な雰囲気を醸し出すポストブラック。宗教性よりも思惟性を強く感じさせるような知的な音。

サタニックな邪悪さはほぼ皆無に等しい音なんですが、何故か聴いていて恐怖を覚える音なんですよね。特にギターノイズに溶け込むようにして、リズムを刻む音が精神を少しずつ冒していくような感触があってかなり怖い。メロディアスなストリングスとの対比のせいもあり、いびつで壊れた世界観が表現されているような印象がありますね。

このバンドは聴く人によって評価が極端に分かれがちらしいですが、それも納得の独特さ。逸脱系ブラック好きにはお勧め。ただ、この紙ケースはもう少しなんとかならなかったんでしょうか…。傷つきそうで怖いんですが。


BORGNE - Entraves de l'Âme ★★★ (2012-04-12 23:38:25)

2010年発表の5th。

ザラついた質感の、RAWなバンドサウンドをキーボードが包み込み、寒々しく幻想的な情景を描き出すアトモスフェリック・ブラックで、タイプとしてはVINTERRIKETやCOLDWORLD、AURVANDIL辺りに近い世界観を持っているバンドですね。これらのバンドと比べると、この作品はより禍々しく邪悪なムードが強く、個人的には少しサイケデリックな感覚も覚えたり。

うっすらとノイジーなリフとアトモスフェリックなキーボードが交じり合い、黒く重く垂れ込めるようなサウンドスケープに、毒素と悪意をばら撒くようにトレモロが響き渡る音は聴いているだけで体の芯から冷えていきそう。時に体の震えと同期するようなおぞましさ、時に日常から乖離した神秘性を感じさせるトレモロリフの使い方は、近年のLUNAR AURORAにも通じるセンスの良さを感じられます。

これはアトモスフェリック系のブラックの中でも大推薦の一枚。上記したバンドと比べても、聴き手を世界観に没入させる力では全く引けを取りません。上記バンドが気に入ってる方や、Cold Dimensions系のリリースが好みの方ならかなりハマれる作品だと思います。


BORIS - Flood ★★★ (2008-01-20 23:21:00)

2000年発表の多分3rd。
小文字borisとしては一枚目になるんでしょうか。borisはまだSUNN O)))とのコラボ作品とこれしか聴いてないんですが、これはかなりの名作じゃないでしょうか…基本ドローンなのに、凄くドラマ性を感じる作品だと思います。

帯には一曲70分と書かれてますが、実際にはトラックが4つに分かれているし、曲間がシームレスに繋がってるとは言え、一つのフレーズが幽体離脱するように乖離しながら繰り返され、途中から現れたドローンに飲み込まれ行く狂気の展開を見せるトラック1、メロウな雰囲気に浸れるトラック2、静寂と轟音の圧倒的な対比が素晴らしい、ヴォーカルも入ったトラック3、その余韻を引き摺りつつ鈍足で終焉に向かうトラック4…と、トラックの繋ぎ目ではっきりと場面が変わるので、組曲的な作品と言えると思います。

この作品って、情景の描写が凄く繊細ですよね…
トラック2なんてもし死ぬ時はこういう音に身を委ねながら、ゆっくりと意識を蕩けさせて死んでいきたいなー…とか考えてしまうほどだし(笑)、トラック1のドローンに飲み込まれる感触も実に心地良い。トラック3の鈍足の展開でしか表現し得ないであろうダイナミズムやドラマティックさも素晴らしいですし、名盤と言っても良いんじゃないでしょうか。

まだ彼等の作品をこれしか聴いてないのに言うのもなんですが、このアルバムが日本から出たことを誇りに思いたいですね。やっぱり日本のメタルは素晴らしい。


BORIS - New Album (2011-05-25 23:21:00)

成田忍氏をプロデューサーに迎え、エイベックスより放つ新作はエクストリーム・ポップな仕上がり…みたいなコメントで、興味を持って買ってみたんですけど…微妙ですね、正直。「Borisはメジャーに魂売ってポップになっちまった!最悪だ!」って言われる方がまだマシなのかもしれませんけど、敢えて「微妙」と言いたいです。

個人的に嫌だったのは、これが「想像を裏切らない音楽」だった事なんですよね。
一番ポップと言われる「フレア」でさえ、一流のポストロックバンドや、実験音楽ユニットがポップ方向に本気出したらこれくらいの曲は作れるだろう…という想像の範疇に収まってしまってる感じ。とてもじゃないけど、「メジャーの圧力でポップにさせられた」という物語を想像できるほどの、ポップ性は感じられないです。

例えば、今回多用されているWataさんの歌にしても、正直言って歌唱力はカラオケを趣味にしてる一般人以下にしか思えないんですけど、これは彼らが「俺達は歌謡曲ユニットでなく、音楽で勝負するバンドだ」っていう壁を作ってるからに思えてならないんですよね…。歌をポップ音楽の文脈で使うなら、そんな壁はぶち壊して、ボイトレでも何でも行って「良い歌」を聴かせて欲しかった。どうもこの辺り、「ポストロック」「実験音楽」というジャンルをエクスキューズにしているように感じられてしまいます。「ポップスの歌じゃないからいい」「これも表現のうち」みたいな。

個人的に名盤だった「Flood」を作り、SUNN O)))を始め様々なバンドとコラボをしてきた、素晴らしいミュージシャン集団であることは間違いのないBorisだからこそ、ヴォーカロイドや同人音楽、V系といったジャーナリズムに黙殺されがちな音楽にも興味を向けられる、音楽的視野の広いBorisだからこそ、彼らが本気でポップスに取り組んだら、織田哲郎やつんくが土下座して逃げ出すほどポップなものを作ってくると思ったんですが。期待し過ぎてたみたいです。

実験性と同居させるなら、これくらいのポップ性が程よいのかもしれませんが、私的には「彼らの才能なら、実験性をキープしたまま、まだまだポップに出来るのでは?」と思ってしまいます。まあ、今作は自称音楽通にありがちな、「ポップ性アレルギー」な人でも聴けるポップアルバムにはなってると思いますが。もし次にポップに真正面から取り組むなら、もうポップすぎて聴いた瞬間大爆笑するようなもの、それでいて「らしさ」があるものを聴きたいですね。

総括:エクスペリメンタルなロックバンドが表現出来得る範囲のポップ性に留まった「エクストリーム・ポップ・アルバム」って感じに聴こえる。ポップ性において、ポピュラー音楽に携わるミュージシャンでさえ踏み入った事のない領域に、彼らの実験性を持って踏み込んで欲しかった。辛口で面倒くさいリスナーですみません。


BORKNAGAR - Origin ★★★ (2007-01-31 23:29:00)

2006年発表の7thアルバム。
全編アコースティックな楽器で製作された作品です。

北欧のアーティストでこういう作品というと、OPETHの「Damnation」やGREEN CARNATIONの「The Acoustic Verses」等が思い浮かびますが、雨の日の日曜の憂鬱的モノクロな雰囲気の前者、秋の色づく葉を思わせる切なさを感じさせる後者と比べると、この作品はフルートやストリングスの音色、メロディ・アレンジのドラマティックさによって、浮かんでくる風景の色彩が鮮やかなアルバムだと思います。特に神話的な情景が浮かぶほどのオーケストラアレンジが聴ける「WHITE」が素晴らしい。音質も非常に綺麗で、楽器の音のバランスも良好。

私はVintersorgの参加した作品は初めて聴いたんですが、彼のヴォーカル良いですね。こういう作風にぴったりとはまるような、まろやかでありながら朗々とした歌い方でかなりの高音でも繊細さ・声量ともに落ちないしかなり上手いです。高音でも暑苦しくなく、どこか上品さを感じさせる所はIhsahnを思わせるかも。

しかしGarmといいSimenといい、このバンドのヴォーカルって超一流ばっかですね…。以前のような(と言ってもまだ3rdと4thしか聴いてないんですが)音質面でのアングラさもなく高品質な作品だと思います。このバンドもそろそろ日本盤出てもおかしくないのでは?


BORKNAGAR - Origin - Oceans Rise ★★★ (2007-01-31 23:07:43)

「The Archaic Course」収録曲のリメイク。
あのアルバムの中では最もデスヴォイスの頻度の高いこの曲を、どうアコースティックに料理するのかと思ったら、デス声パートは語りにしたり普通にメロディ付けたりしてますね。浮かんでくる情景は原曲よりも壮大かも。


BORKNAGAR - Origin - The Human Nature ★★ (2007-01-31 23:12:52)

時折現れるフルートのメロディが印象的な曲。
このフルートが曲をドラマティックにしてますね。こういう作風なのに、地味にならずこういうドラマ性があるのが凄いです。


BORKNAGAR - Origin - The Spirit of Nature ★★★ (2007-01-31 23:15:17)

アルバムのラストを飾るインスト。
でもこの曲、ただのエンディングのインストってレベルじゃないですね。ストリングスの繊細な音色とメロディが琴線に触れまくります。あっという間の三分間。


BORKNAGAR - Origin - White ★★★ (2007-01-31 23:10:47)

このアルバムはどの曲も質が高いですが、これは頭一つ抜けて好き。
このオーケストレーションの上品を通り越して「高貴」の領域まで踏み込んでいる作風、アコースティックながらEMPERORの4th辺りと似た神話的な感覚が味わえます。これは本当に素晴らしい!!


BORKNAGAR - Quintessence - Colossus ★★★ (2006-09-28 17:24:43)

前作よりもSimenの普通声が少なくなってしまったアルバムですが、この曲はほぼ普通声で歌い上げてます。曲自体ギターも哀愁メロで威風がありますし、やっぱり彼の普通声は気品があって好きです。
でも、聴いているとどこか破滅が迫っているかのような不安感もありますが。


BORKNAGAR - Quintessence - Genesis Torn ★★ (2006-11-08 20:55:17)

全編デスヴォイスでSimenのコブシ声が聴けないのは残念ですが、それでもこの曲のヴォーカリゼーションは好き。サビの掛け合いが案外キャッチーで、段々とドスの効き方が強くなっていく部分がかっこいい。


BORKNAGAR - Quintessence - Inner Landscape ★★ (2006-11-08 20:53:01)

シンセサイザーによる心象風景描写。
一応ドラムやベースも入ってますが、音の7割はシンセって感じ。
COLOSSUSからこの曲の流れはアルバム中特に哀愁の強いパートです。


BORKNAGAR - Quintessence - Ruins of the Future ★★ (2006-11-08 20:46:52)

海の男というよりも、風を切って飛翔するような高揚感の強い曲。
アルバム全体を通してちょっと丸めの音質ですが、この棘の少ない音質から繰り出される美メロのトレモロリフも、妙に味のある哀愁を感じさせてていいですね。


BORKNAGAR - Quintessence - The Presence Is Ominous ★★★ (2006-11-08 20:50:25)

Simenのヴォーカルの音域の広さを上手く生かした曲。
勇壮と哀愁を備えた曲に乗せての、彼の味のある高音と威厳のある中音でのハーモニーがたまりません。更にその影から憎しみを吐き出すようなデスヴォイスが…名曲です!


BORKNAGAR - The Archaic Course ★★★ (2006-11-05 23:00:00)

98年発表の3rd。

このバンドはヴァイキング、もしくはフォークメタルとカテゴライズされる事が多いですが、このアルバムを聴いてみた限りでは後期EMPERORの作風にも通ずる、プログレッシブでブラックの要素を含むドラマティックなメタルだと思います。

後期EMPERORと比べると激烈度は抑え目で、殆ど普通声とミディアムテンポで進行し、ブルータリティよりも展開やメロディ等をじっくりと聴かせる作風ですね。「AD NOCTUM」のような疾走感のある曲もかっこいいです。

…でも、このアルバムの目玉はSimenのヴォーカル。
私的には彼の貢献のお蔭で、このアルバムを名盤といってはばかりません。IhsahnやGarm同様、デス声と普通声を使うタイプですが普通声のほうが特に素晴らしい。地声が高いのか、かなり高いキーを出しても無理を感じさせず、なおかつ声量も減りません。

しかも声質が独特というか、ちょっとコブシ入ってる感じで一度はまると病みつきに(笑)。ARCTURUSの4thも同じくらいの頻度で彼の普通声が聴けますが、曲全体では同じくらい好きなんですけど、歌メロだけでいったら明らかにこっちの方が優れているように思います。っていうか、彼のコブシヴォーカルをより生かしたメロディなんですよね。これでもう少しヴォーカルが前に出てたら生涯のアルバム10選に入ったかも…。

デスヴォイスの方も最近のIhsahnに似た高貴さと野蛮さを兼ね備えた絶叫でかなり良いです。時折下から掬い上げるような迫力を醸し出していてかっこいい。しかし、これを聴くとDIMMU BORGIRって罪深いバンドだと思いますね…こんな素晴らしいVoにベースをやらせるなんて…。

ちなみに次作「Quintessense」も若干アグレッシブになってるとはいえ同路線ですが、普通声が減ってるため、どっちか片方を買うんだったらこっちがお勧めです。


BORKNAGAR - The Archaic Course - Ad Noctum ★★★ (2006-09-28 17:14:46)

タイトルはラテン語で「夜に」の意。
アルバムの中でも展開にメリハリの利いた曲なのではないかと思います。歌メロ自体もなかなかですが、「AD NOCTUM~」からの瘴気を纏いながら飛翔するような、妙な音色のギターリフを引き連れて絶叫するパートの切り込み方がドラマティックでお気に入りです。


BORKNAGAR - The Archaic Course - Nocturnal Vision ★★ (2006-11-05 23:16:52)

この曲は作曲がBrun、作詞はSimenですが…歌メロはどっちが付けてるんだろう。やっぱリリシストのSimenなのかな?ともかく最初の歌メロ部分の、声のちょっとした歪みやトーンすらも完璧に操っているようなヴォーカルラインは印象深いですね。正直後半は掴み所がないとも思いましたが、全体で見て名曲だと思います。


BORKNAGAR - The Archaic Course - Oceans Rise ★★ (2006-11-05 23:12:48)

この曲は結構ヴァイキングっぽい要素がありますね。
勇壮なメロディで聞かせる所があったり、アコギで叙情性を醸し出すパートがあったり。アルバムの中では普通声は少なめの曲ですが、Simenはデスヴォイスも十分かっこよく、満足。


BORKNAGAR - The Archaic Course - The Black Token ★★★ (2006-09-28 17:21:06)

ICS VortexことSimenの歌の上手さが良く分かる曲。
声量はあるし、かなり複雑でしかも高音のメロをなんなく、独特の節回しを付けたヴォーカルで歌い上げていて素晴らしい。凍えるような寒さを感じさせるファルセットによるハイトーンも聴き所。


BORKNAGAR - The Archaic Course - The Witching Hour ★★★ (2006-11-05 23:20:25)

タイトル通り妖しげな雰囲気ですが、私はSimenの歌に酔い痴れてます(笑)
サビメロはシンセの音色とも相まってキャッチーな雰囲気ですが、パートによってはSimenの中性的な声色を生かした妖しさのあるメロも出てきて、どっちも聴き応えあるのがいいですね。


BORKNAGAR - The Archaic Course - Universal ★★★ (2006-09-28 17:17:40)

起伏のある歌メロを作らせたら日本人の右に出る者はいないんじゃないかと思ってましたが、こういう曲を聴くと北欧の人も凄いと思いますね。特にサビ部分、「complete wisdom」の所の急な音程移動を要するメロディが聴いていて耳に心地良いです。


BORNHOLM ★★ (2012-06-24 01:53:35)

INVICTUSのメンバーが関わるハンガリー産ブラックメタルバンド。
KEEP OF KALESSIN辺りに通じるかなりクオリティの高い音出してます。


BORNHOLM - March for Glory and Revenge ★★ (2012-06-24 01:54:37)

2009年発表の2nd。

これ、相当クオリティ高くないですか…?
タイプとしては刻みリフとトレモロリフを巧みに織り交ぜ、疾走パートに重きを置きつつドラマティックに、時にテクニカルに聴かせるスタイルで、疾走パート重視だった頃のDISSECTIONや再結成後のKEEP OF KALESSINに通じる音。勇壮なブラス系、幽玄で雄々しいクワイア系のキーボードの導入など、ペイガン的な味付けもあり。

上記のバンドに比べると、ギターソロには殆どリソースを割かず、リフの暴虐性で責め立てる展開、メロディの叙情性よりも刻みの圧力を強く感じるリフのスタイル、ペイガン要素が触発する戦争ムード等の要素により、かなり好戦的に聴こえるのも特徴ですね。演奏もテクニカルで音圧高めなので、エクストリームメタルとしてストレートなかっこよさがあると思う。

ただ、暴虐に刻むリフの影でかなりメロウなメロディも取り入れていたり、丁寧かつセンスも悪くない曲作りが成されているとは思うんですが、上記バンドと比較すると初聴でのインパクトが少し薄い気も。その辺り見直して、初見の客をがっつり引き込むキャッチネスを身に付けてくれれば大化けするんじゃないでしょうか。現時点でも、マイナー物件としてはかなりお勧めのバンドです。


BOSSE-DE-NAGE - Ⅱ ★★ (2012-04-22 22:28:06)

2012年発表の2nd。
特にタイトルは書いてありませんが、検索したら「Ⅱ」で通ってるみたいです。

KRALLICE辺りが引き合いに出される、ポストブラックとして紹介されていたり、ジャケがブラックメタルっぽくないお洒落さだったり、ボサノバでもやってそうな字面のバンド名といい(笑)、お洒落さとか高尚さとかが強いブラック離れした音だろうな…と想像してたんですが、がっつりブラックしてる音でした。

鬱ブラックにも通じる、抑圧された感情の迸りをそのまま練り込んだようなリフのメロディを伴い、悲痛に何かを訴えかけるように叫ぶボーカルを乗せ、疾走メインで展開するブラックで、お洒落とか高尚とかいうよりは、むしろ下世話なくらい感情剥き出しな感じ。2曲目なんか平易な英語で書かれてるので分かりやすいですが、歌詞も結構ヒドいです(笑)。ザラついた音像やミニマルな展開なんかは、確かにポスト/シューゲイザーブラックの要素も感じられますが、感性としては完全にこっち(ブラック)の側にいる感じですね。

鬱ブラックの感情が漏れてくるようなメロディと、シューゲイザーブラックのカタルシスを伴うノイジー・ミニマルな疾走を足して、ドラマティックに仕上げたブラックメタル。メロディ等に満ちた感情から、激情ハードコアなどを好んで聴く方にも愛聴されているようですね。


BOTANIST - IV: Mandragora (2014-08-22 21:34:47)

2013年発表の4th。

ショップの紹介で、シューゲイザー/カスカディアン系のブラック好きにお勧めされていたのと、セールで安かったこと、「植物学者」というブラックとしては意外性のあるバンド名に惹かれ購入したんですが…なんか、バンド名以上に音楽性が奇妙で、人を選びまくる感じですね…ぶっちゃけて言うと、私は若干付いていけてないです(苦笑)。

最大の特徴はギターの代わりにダルシマーを使用したというリフの音作りで、これがシューゲイザー系の轟音やスラッジ系の引き摺りとも異なる、悠遠で迂遠な音色を奏でてます。それが妙にパーカッシブなチャカポコ言うドラムと絡み、まるでアジアの密教の儀式に立ち会っているかのような、宗教的なムードを醸し出してますね。…密教的な割に、暗黒っぽさや邪悪さがあまり重視されていないような雰囲気で、ひたすらに不条理さだけが膨れ上がっていくような感じ。

前衛的な音で、宗教的な音であっても、直接的な邪悪さを指向してない辺り、好みが分かれると思うんですよね。私は正直イマイチ好きになれないんですけど、ハマる人はそれこそこの音の中に深遠なものを見出すくらいにハマりそうです。


BRANIKALD ★★ (2012-04-13 19:24:11)

ロシア産重鎮ペイガンブラック。
現在は活動していない模様ですが、90年代前半より活動し、十枚以上のアルバムをリリースしています。


BRANIKALD - Stormheit ★★ (2012-04-13 19:23:39)

94年発表の5曲入りデモ。何度かCDで再発されてる模様。
バンドとしては一番最初に公に出た音源らしいです。
デモですが、演奏時間は40分以上ありボリュームは結構ありますね。

黎明期ブラックメタルの作品、それもペイガン思想を持つロシアのバンドのデモということで、初期GRAVELAND以上にカルトなものを想像してましたが、案外聴きやすいですね。粗いプロダクションの中に響く、リフに込められた土着的なメロディがじわじわと染み込んでくるようなブラックメタルで、音に埋もれがちですが一部では勇壮なクリーンヴォーカルもあり。音質とメロディがマッチし、枯れた夜の森を歩いているような、不気味な雰囲気が演出されています。

ただ、聴きやすいといっても「思ったよりは」であって、埋もれがちなメロディやプリミティブな音質など、十分にカルト性のある音でこの手の愛好家じゃないと辛い部分はあるかも。まあ、この手のバンドに辿り着くくらい興味を持ってブラックメタルをリサーチしてる方なら、おそらく楽しめるのではないでしょうか。


BREIZH OCCULT - Anaon ★★ (2016-02-07 14:24:44)

2013年発表の1st。
本編の後にライブ盤「Pagan Inquisition」が収録されているという、かなりのボリュームのある作品。

一言で言えば、ブラックメタルの「野蛮さ」に特化したようなオールドスクールな音で、フレンチブラックながら南米産のブラック辺りにイメージが近い作風。人智を超えたスピードや病んだメロウさなどに傾倒することなく、あくまで野卑に蹂躙していくRawな音が心地良いです。ただヴォーカル…声がひしゃげきってる所は良い感じですが、裏声を混ぜた叫び声は微妙過ぎる…。なんか情けない感じがしてしまって、個人的にはこの音ならもっと野太い方が好みですね。

ちなみにライブ盤の方も、スタジオ音源でも感じられた野卑さを楽しめる程度のラフな音で悪くないです。曲間の繋ぎに一瞬空白が入るのがちょっと気になるくらいで、この手にありがちな何を演っているか分からないようなものではないのでご安心を。


BRISEN - MADRE TENEBRA (2012-10-01 22:34:56)

2009年発表の5曲入りEP。
なんかバンド名がセンブリ茶っぽい(笑)

奇数曲がホラー系のインスト、偶数曲がブラックメタル曲の構成。
何気にキャリアの長いバンドで、96年にフルアルバムをリリースして以来の作品となるらしいですが…オールドスクールな感触とバンドの標榜するオカルトなムードを上手く両立させた、良い作品だと思います。

2曲目は針の筵を転げまわるような、スラッシーなパートが印象的な曲、4曲目はロック的なミッドテンポに妖しい語りが乗る儀式めいた曲。どちらも薄暗いメロディ、喉を絞めたようなキイキイ系ヴォーカルが入り、なかなか独特な雰囲気を持ってますね。1曲目、3曲目のインストも妖しいムード満点で、悪くないと思う。

ただ、ブラック曲はどちらも4分に満たない曲で、ラストのインストがあまり変化のない4分を超える楽曲という構成はちょっと不満かも。いくらEPとはいえ、少しブラック部分が短過ぎるような。


BROCKEN MOON - 10 Jahre Brocken Moon ★★ (2010-02-27 08:55:00)

2008年発表の2枚組企画盤。

ディスク1は、05年の1st「Mondfinsternis」の全曲をそのまま収録。基本は陰鬱なメロディに発狂ヴォーカルと、いわゆる「鬱ブラック」にカテゴライズされる音ではあるんですが、メロディが救いの無い漆黒ではなく、どこか「哀愁」も感じられるモノクロの情景が浮かぶ感じであったり、そのメロの哀感を活かしたメロウな疾走プリブラも演っていたり、FORGOTTEN WOODS風のロック的リズムを取り入れた曲、ダークアンビエントなどもあり、表現の方法はなかなかに多彩。

ヴォーカルは一流の鬱ブラなら標準装備している発狂系絶叫・嗚咽悲鳴を使いこなしているのは当然ながら、怨嗟の篭もった感情を糊上に塗りつけるような、邪悪な中音域が特に素晴らしい。この手には珍しいマイルドで漢らしい普通声も、「もしかしてドイツの葬式ってこんな感じだったりして…」と思わせるような、雰囲気の演出に一役買ってます。

スローテンポでひたすら精神を冒していくだけではない、多彩な作風は鬱ブラック好き以外のブラックファンでも楽しめるであろう間口の広さがあるにも関わらず、「カルト性」が芯の芯まで染み渡っているような暗黒感が素晴らしい。特にヴォーカルの引き千切れそうな中音域がヤバイです。ただ、途中から明らかに音量が変わる音質は個人的にはマイナス。わざとだとしても、こういう聞き辛くしてカルト性アピールみたいなのはちょっと受け入れがたいものがある…。

ディスク2は、99年のデモ「Pain」と02年のデモ「Scattenlicht Des Mondes」に、未発表音源である「Die Leere」を加えた内容。「Die Leere」も1stと同路線の鬱ブラックで良い曲なんですが、それ以上に驚いたのはデモ音源。キーボードや効果音が、時折バンドサウンドを飲み込んでしまう音像で、1stの曲以上に魔的・神秘的な印象があります。

この音像、意図的なものかどうかは分かりませんが…ともかくアンビエント系ブラック・抽象ブラック好きなら垂涎な出来になっているかと。ただ、性質上こっちは1stよりも聴き手を選ぶ感じはします。

…「Mondinsternis」が元々はデモ3つを集めたアルバム、という性格の作品のため、これ一枚で05年までの彼らの音源をコンプ出来るかな…とも思ってたんですが「Vollmond」デモにはMAYHEMの「De Mysteriis Dom Sathanas」のカヴァーも入ってたんですね…めっちゃ聴きたいんですけど、25枚リリースとか聴かせてくれる気は全く無さそうです(笑)。


BROWN JENKINS ★★ (2010-05-02 08:53:00)

アメリカ産ブラック/ドゥーム。
06年に発足し、既に活動を停止している、短命のバンド。
しかし今までに出した2枚のアルバムはカルトな支持を得ている模様。


BROWN JENKINS - Death Obsession ★★★ (2010-05-02 08:52:00)

2010年発表の2nd。
LEVIATHANやSARGEISTなど、カルトなリリースで注目を集めるMoribund Recordsより発売。

これ、タイプとしてはディプレッシブ/アヴァンギャルド・ブラックになるんでしょうか。独自のヴィジョンを追求するバンドの多いこのジャンルの中でも、頭一つ抜けた奇妙な音楽性だと思います。まず羽虫の羽音など、人間が作り出した音階ではない音を模しているとしか思えないような、気味の悪いメロディを、ノイズを引き摺りながら奏でていくリフだけでも、「グロ注意」のタグを付けたくなるレベルですが…

そこに絡んでいくのが、ロック調の妙に躍動感のあるドラムと、ノリの良さすら感じられる、よく動くベースというのがまたグロいんですよね。普通に鬱ブラック的なスローパートもあり、そういうパートでは「メロディが毒々しくて、ベースラインが催眠的なディプレッシブ・ブラック」として受け入れられなくもないですが…

これらの躍動感あるリズムが絡むパートは、もう「催眠的」「幻惑的」というレベルを軽く通り越して、「殺人/自殺念慮誘発的」という域まで達してます…というのは、言いすぎでしょうか。まあ、間違いなくある程度ブラックを聴きこんでいる人でも、聴いた事の無いような不条理でグロテスクな世界が待ち受けている、とは、最低でも言えると思う。

カナダ辺りの個性派ブラックを漁っている人にはかなりお勧めのアルバム。カルトな支持を受けるのも理解できる、非常に個性的な作品に仕上がってると思います。


BRYMIR - Breathe Fire to the Sun ★★★ (2011-08-07 21:36:35)

2011年発表の1st。

某CDショップでは「大型新人」としてプッシュされ、メタルを取り扱う各レビューサイトやブログでもENSIFERUMやEQUILIBRIUM、TURISASなどトラッド/フォーク要素の強い、シンフォニックなクサメタルを愛好する人からは既に高い評価を得ている作品ということで、つい手が伸びてしまいました。まあミーハー代表なんで(笑)。

内容は前述のバンドの路線に近い、シンフォブラックの大仰さ+トラッドの土着的なメロディ+メロデス的なメタリックなギターワーク、という感じなんですが、アルバムオープニングのイントロからまあクサいこと(笑)。メロディを聴いているだけで、最近の映像志向のFFとか、SFX技術を駆使したハリウッド映画だとか、豪奢なエンターテイメント映像作品のようなムービーが脳内で流れてきました(笑)。

何人もの騎士たちが旗を掲げて出陣するような、勇壮ながらも中世的な、トラッド風味の強いメロディセンス自体もかなり良いんですが、それ以上にキーボードの音色の選び方も派手で素晴らしいですね。風を切るようなストリングスに咆哮するブラス、何故かメタルの音と合わさるとやけにクサく聴こえるフルートなど、その時その時に最も映える派手に聴こえる音を選んでいる感じ。

しかし、単に派手なだけじゃなくて、メロディの面でも展開の面でもしっかりメリハリが付いている辺り、新人とは思えない完成度の高さですよね。特に時折挿入される、素朴な泣きメロは派手なメロディ以上に聴き入ってしまいますし、ヴァイキングメタル風のクリーンやクワイアも曲中のフックになってます。

そういう訳で、エクストリームメタルが行けるクサメタラーなら必聴の作品。もうこれだけ話題になってしまうと青田買いも何もないですけど、確かに大型新人と言われるだけのクオリティやインパクトがある音だと思います。普段日本盤以外買わない方にも聴いて頂きたいですね。


BUNKUR ★★ (2011-07-27 20:23:57)

オランダ産ドローン/ドゥームメタルバンド。
初期EARTHやSUNN O)))以上にカルトな音出してるバンドです。


BUNKUR - Nullify ★★ (2011-07-27 20:27:13)

2009年発表の2nd。

最初は聴き手の足元を浸すくらいだったのが、徐々に水位を上げ、聞き手を窒息させんとするような重低音、遅すぎて最早リズムの体を成していないようなリズム、デス声やシャウトというより、助けを呼ぶ哀訴のようなヴォーカル、聴き手の神経に障るノイズ・サンプリングが重なり合って出来る、差し込む光を全て吸収して無に還すようなドローン・サウンド。FF5のラスボスが使っていた「無の力」を音にしたら、こんな感じかもしれませんね。

一応、潮の満ち干きのような重低音の波があったり、ドラムを何かが緩やかに崩壊するように打ち鳴らしてみせたり、全てのものが海の底の藻屑と消えるような景色を思わせるエンディングがあったり、一応展開はあるといえばある…という感じですが、全体的に見たら三部構成だったEARTHの「Earth 2」よりも更にどす黒くて平らな音だと思う。これに比べるとSUNN O)))辺りはまだ聴き手に歩み寄る精神があると言えるのかも。

他のどのバンドよりも、聴き手によってハッキリ1か0かで分かれてしまうような作品。この手に理解が無ければ買うだけお金の無駄かもしれないし、この手が好きなら実に心地よく浸れるどす黒さになっているかと思います。


BUONO! - Buono! 2 ★★★ (2012-03-14 23:11:50)

2009年発表の2nd。
Buono!は例えば「Café Buono!」とか「MY BOY」とか、他のアルバムにも確かにキラーチューンは多いんですが…トータルの完成度で言えばこのアルバムが断然素晴らしいと思います。

Buono!ってガールズロック風の作風をコンセプトにしてるせいか、全体的にはつんく系の作品と比べるとメロディにクドさがなくて、清涼感のあるものが多く、それがクサメタラーには少々物足りなかったりするんですが…このアルバムはその清涼感をしっかり保った上で、つんく系のトップクラスの完成度のアルバム(モーニング娘「12,スマート」、Berryz工房「6th 雄叫びアルバム」辺り)と比べても遜色ないくらい、印象深くキャッチーなメロディが多いと思う。

しかも曲のバラエティに富んでいるだけでなく、例えば「Early Bird」ならモータウン風、「消失点」ならバラード、「co・no・mi・chi」なら歌謡ロック、「I NEED YOU」ならパンクなど、どの曲もガールズポップの中のその路線で言えば最高クラスの仕上がりなんですよね。加えてクラシックなロックのエッセンスを演奏の随所に感じさせながらも、打ち込みを上手く使ったポップさの演出や、少女マンガ的な世界観の、キラキラした可愛らしさ等も両立させているのがホント素晴らしい。

その優れた楽曲を歌う三人の歌も、艶のある声質でかっこいい曲も大人びた曲も自分のゾーンに引き込む夏焼さん、高い歌唱力とどこか哀愁のある声でどんな曲も歌いこなせる鈴木さん、そしてはっちゃけたキャラとは裏腹に、力強くよく通る、ロック向けの声質でユニットのコンセプトを表現しきる嗣永さんと、三者三様かつ「この三人でなければ駄目」と言い切れるくらい、バランスが取れているのが素晴らしい。こういうユニットでここまで均整の良い組み合わせは他にないのでは。

余談ですが…人形とか彫刻を思わせる整った美形と、モデルっぽい美人系の美形、アイドルらしい親しみやすさのある美形と、ヴィジュアル的にもバランスが取れてるユニットだと思う。ホント絵になる三人ですよね。トーク的にも、仕切りも引っ掻き回しも出来るオールマイティなタイプ、クールな突っ込み系に見えて時々天然以上に大ボケもかますタイプ、ふにゃふにゃしたゆるキャラ的な癒し系タイプと、三者三様でやっぱり奇跡的なバランスだと思うし。

まあそれはそれとして、キャッチーかつハイクオリティな曲が並ぶ、このジャンルでは名盤といえる作品ですので、ガールズポップ好きな方は是非。アイドル的可愛らしさと、ポストロック的美しさが奇跡的に融合した「ゴール」や、普通のガールズバンドでは出来ないであろう、計算されたキャッチネスを持つ「ロッタラ ロッタラ」とか本当に名曲ですよ。


BUONO! - Buono! 2 - Early Bird ★★★ (2012-03-01 22:45:56)

前作のオープニング曲「Café Buono」の路線を踏襲したような、モータウン風の楽曲ですが、更にキラキラしたポップ感が強調されている印象。Buono!って少女マンガのタイアップから始まったせいなのか、世界観に日常ラブコメ系の少女マンガのような、邪気のない、可愛らしい優しさがあると思うんですが、この曲はその一面がぎゅっと詰まった曲だと思う。疲れて帰って来た時に、こういう曲を聴くとホント涙が出そうになりますね…なんだかホッとしてしまって…。


BUONO! - Buono! 2 - I NEED YOU ★★★ (2011-09-14 00:12:57)

これは驚きました。ガールズロック風とは聞いていたものの、ここまでやってくれるとは思わなかった。昭和っぽい、どこかレイドバックした軽快さの中に哀愁を含ませた曲調から、サビで一気にスラッシュビートで爆走する展開がガツンと来る一曲。このパンキッシュと哀愁を両立させた感じは、個人的にはメリーを連想したり。歌割は嗣永さん中心ですが、特にAメロの軽快な中に深い哀愁がある…みたいなムードは、彼女の声じゃないとここまで嵌まらないと思う。3人の歌の上手さだけでなく、声の性質を理解し、それにあった曲を振るコンポーザー・アレンジャーの充実振りも、Buono!の強みなのではないでしょうか。


BUONO! - Buono! 2 - Kiss! Kiss! Kiss! ★★★ (2012-03-01 22:46:33)

この曲はMarty Friedmanの連載でも取り上げられてましたね。間奏のハーモニカソロなんかバタくさいくらいだけど、その何でもありな感じがいい…みたいな感じで。でも確かにBuono!のロック感ってどこかクラシックな感じだと思う。そのグルーヴ感を受け継ぎつつ、アイドル曲らしいキャッチーなユニゾンのメロディが非常に美味しい曲作りが出来てるのが素晴らしい。個人的にはメタルバンドにユニゾン部分をデス声にしてカヴァーしてもらいたいです(笑)。


BUONO! - Buono! 2 - OVER THE RAINBOW ★★ (2012-03-01 22:51:23)

この曲、最初聴いたときはちょっと地味に聞こえたんですけど…聞き返してみると大らかなストリングスと広がりのある歌メロで、視界が開けるようなサビが印象的で、悪くなかったりするんですよね。どうしてもミディアムが3曲続く、その真ん中という構成のせいで損をしている印象が。


BUONO! - Buono! 2 - You're My Friend ★★ (2012-03-01 22:50:48)

…これは、ぶっちゃけB’zですよね(笑)
歌の入りの直前のギターメロとか、A~BメロまではB’zのパロディっぽいアレンジになってる気がする。「ELEVEN」アルバムや「GREEN」アルバムに入ってそう。サビの穏やかながら饒舌なメロディはJanne Da Arcのバラードに通じるものがあるかも。メジャー系Jロック聴く人は結構気に入るんじゃないでしょうか。


BUONO! - Buono! 2 - co・no・mi・chi ★★★ (2012-03-01 22:48:36)

Buono!では珍しいつんく氏のペンによる楽曲。
頭サビからつんく流儀の哀愁メロが炸裂、そのままトレモロリフも交えてテンションをブチ上げつつ、疾走していく展開の時点でクサメタラー的には名曲確定。清涼感のあるメロディが多いこのアルバムの中に於いては、このストレートなクサメロは異色。曲をグイグイ引っ張っていくベースラインもかっこいいし、非常にカロリー高くて聴き応えのある楽曲です。


BUONO! - Buono! 2 - みんなだいすき ★★★ (2012-03-01 22:49:11)

シャッフルのリズムに、キーボードや電子音が絡むオケはそれだけで多幸感を感じるものですが、そこに三人のキラキラした歌声が乗るとめっちゃ乙女チックな世界観に(笑)。歌声もいつもの強めな感じより、ポップな可愛らしさを意識してる感じで、特にAメロの嗣永さんのパートは、こんな歌い回しもできるんだ…と驚きました。しかしこんな乙女チックな曲でもサックスソロ入れたり、ちょっとロックテイストにしてるのが良いですよね。こういう情報量多い、加えてそれがピッタリはまってる曲っていうのは聴いててホント楽しい。


BUONO! - Buono! 2 - ガチンコでいこう! ★★ (2012-03-01 22:49:50)

タイトル通りの、ストレートかつパンキッシュに疾走していく楽曲…なんですが、4つ打ちやパーカッシブな打ち込みを利用したパートから、バンドサウンドに雪崩れ込むダイナミックな展開もあったり、やはりアレンジは結構凝ってる。アンビエンス重視な間奏は勢いを削いる気もして、ちょっと微妙ですが。欲を言えば、サビの後半は歌にもっとパワーがあると良かったかも。他の曲を聴く限り、この3人はもっとロックっぽく歌えるはずだし。


BUONO! - Buono! 2 - キラキラ ★★★ (2012-03-01 22:47:13)

この曲もメロディがどキャッチーですよね。栄養ドリンクとか、受験セミナーとかのCMタイアップが付いたら凄く似合いそうな、元気が出る系のメロディで。何気に長いサビがオールユニゾンなのも、メロディの清涼感を際立てていて、それが応援歌っぽさに繋がってると思う。


BUONO! - Buono! 2 - ゴール ★★★ (2012-03-01 22:52:01)

四つ打ちにノイジーでアブストラクトなギターリフが重なる音像は、ちょっとシューゲイザーっぽくてこういうアレンジが来るのは意外。でも未知な未来に一歩を踏み出していくような歌詞と、楽曲の抽象的なイメージがマッチしてて、名作アルバムのエンディングとして申し分のない曲になってると思う。サビでの溶け合うようなユニゾンといい、音像自体が非常に美しいです。


BUONO! - Buono! 2 - ロッタラ ロッタラ ★★★ (2012-03-01 22:47:51)

ロッタラって「Lotta Love」の略だったんですね…私はてっきりかったるい時に発する擬音だと思ってました(笑)。おぼっちゃまくんでいう「ヒーコラヒーコラ、バヒンバヒン」的な。
それはそうと、曲の方はただ圧巻。「Lotta Love Lotta Love」のコーラスに同期するギターリフや、間奏のフレーズなんかは単純にかっこいいし、所々インダストリアルっぽいリズムや印象的なキーボードメロを仕込んでくる、緻密ながら勢いを殺さないアレンジも素晴らしい。普通のロックバンドじゃここまでの曲は作れないんじゃないかなぁ…。疾走感を伴う、キャッチーなサビも聴いていて実に爽快。


BUONO! - Buono! 2 - 消失点-Vanishing Point- ★★★ (2011-09-14 00:14:12)

これ、ほんと神懸かってる。
ハードロックバンドって、時折普通のポップスには出せないような、物凄い濃い哀愁の立ち込めるバラードを書いたりしますが、そういう曲に通じる雰囲気のあるバラード。歌の割り振りは夏焼さん中心ですが、彼女の細くてキラキラした、弦楽器を思わせる声がメロディの哀愁を更に引き出してる。ラスト、サビの綺麗なユニゾンから、最後の一行のみをソロで歌い上げるパートは本当に胸を締め付けられます。
アレンジも素晴らしく、ヴォーカルを含めた全ての音が、アンビエント音楽の如き必然性を持ってそこにあるような嵌まり振り。夏焼さんが最後の一行を歌いきり、ピアノのグリッサンドと共にギターソロに突入する展開は、まるで主人公の想いが堰を切って溢れ出して来たかのようで、聴いているこちらまで涙腺が緩くなってしまう…。最近良いポップスと巡り合えていない方は是非。


BUONO! - Partenza - 1/3の純情な感情 ★★ (2011-09-14 00:11:51)

メタラーにも知名度のある有名曲のカヴァー。
このメロディで、このヴォーカルならまあ悪いものが出来るわけはないですが…う~ん、悪くはないものの、化学反応が起きたりどハマリになっているようなカヴァーではないですね。普通に良質の女性Voポップススタイルでのカヴァーって感じです。


BUONO! - Partenza - Juicy He@rt ★★ (2011-09-14 00:11:04)

これも前曲同様、ポップスとロックを上手く混ぜている曲調で、ほんとにガールズバンドが演奏してそうな雰囲気が良いですね。バンドサウンドのキメや、間奏のテクノっぽいリズムで溜めてからのギターソロ等、ロック的なかっこよさを感じるアレンジですが…ちょっとキーボード入れ過ぎな気が。それよりも、個人的にはギターでオブリ入れて欲しかったなぁ…どんなにかっこよくなった事か。


BUONO! - Partenza - My Alright Sky ★★★ (2011-09-14 00:08:36)

かなりの良曲だった「フランキンセンスΨ」に続いてこの曲が来た事で、「もしかしていいアルバムなのでは?」と思いました。シンプルなリズムとピアノのフレーズのループに、可憐な歌声が乗るR&Bっぽい曲調ですが、この歌声がほんと素晴らしい。普通裏声と表声が丁度切り替わる音域って難しいはずなんですが、裏表の切り替えや混ぜをごく自然に、心地よく聴こえる歌い方でやっているのが凄い。高歌唱力ですが嫌味のない声で、伸び伸びと歌えてる感じが個人的には好き。黒人かぶれの歌い方でがなる自称ソウルフルとか大嫌いですけど、これはその対極だと思う。初期の倉木麻衣さんとか、こういうポップなR&Bって何気に好きだったり。


BUONO! - Partenza - Partenza~レッツゴー!!!~ (2011-09-14 00:06:21)

これは正直何回聴いてもやっぱ微妙…。
トーキングスタイルに近いラップとか、わざとらしいくらい電気的に処理されたコーラスとか、今までと違うことをやろうとしてるのは伝わるけど…いまいち気分が上がらない感じ。ただ、「♪それでも涙の夜は~」の箇所が凄い美声で、そこは聞き惚れます。


BUONO! - Partenza - キアオラ・グラシャス・ありがと ★★★ (2011-09-14 00:10:18)

アルバムの中では一番シングルっぽいキャッチーな曲。
ロックと、アイドル歌謡の一番心地よい折衷点という感じの曲調で、特に炭酸飲料のCMに使えそうな感じの、爽快感溢れるサビが聴いていて気持ちいい。可愛らしい感じも残しつつ、迫力もあるヴォーカルも曲にあってますね。キーの入れ方等を聴く限りアレンジャーはクラシックなロックが好きそうな感じしますけど、今風の感性もしっかり取り入れられてて聴きやすいです。タイトルで刃牙の「キャオラ!」を思い出したのは私だけではないはず(笑)。


BUONO! - Partenza - フランキンセンスΨ ★★★ (2011-09-14 00:07:42)

初聴きでは頭2曲が微妙だったんですけど、3曲目のこの曲で「来た!」と思いました。アルバム中で一番ロックから離れてる曲なのに(笑)。意味が通りそうで通らない不思議な歌詞と、近未来的な音作りで、サイバーな世界に惹き込まれる曲。金属的な響きのよさがありながら、情熱的な感じもするヴォーカルが曲と凄く合ってると思う。歌のおかげで無機質になりすぎず、ポップな感じが出ているのでは。


BUONO! - Partenza - 夏ダカラ! ★★ (2011-09-14 00:09:22)

最初の印象では「ダン・ダン・ダダダン」のリズムが野暮ったくていまいち…という印象ですが、聴き込んで変わりましたね。アナログで、シンプルな質感を出しつつも、実は様々な音が詰め込まれた緻密なアレンジ、何気に凄い気がする。冒頭なんてトレモロリフまで使ってるし(笑)。レイドバックするところはして、アクセント付けるところはしっかり付ける歌も良い感じ。
…でも、中盤の台詞は一体…テキトーっていうか投げ遣りに言ってるように聴こえて、毎回聴くたび笑いそうになっちゃうんですけど(笑)。


BUONO! - Partenza - 雑草のうた (2011-09-14 00:06:57)

なんか、このアナクロでステレオタイプなロック感、聴いててこそばゆいんですけど(笑)。演奏のダイナミックさは確かにかっこいいんですが、シングル曲なのにサビのメロディがこんなに平坦なのはちょっとどうかと思う。Buono!はあくまで歌い手3人が主役だと思うので…。


BUONO! - We are Buono! ★★★ (2012-05-28 01:20:19)

2010年発表の3rd。
最初は2ndが名盤だと思ってたんですけど、聴き込む内にこっちも負けず劣らずの素晴らしい内容なんじゃないかと思うようになってきました。

まず2ndから変化したと思うのは、全体的な音作りですね。前作ではロックテイスト強めながら、キラキラしたポップな感触も強かったんですが、今作はよりバンドサウンドが前に出て、より骨の太い音作りになった印象ですね。ロック寄りの曲ではアイドルポップスとしては珍しいくらい、歪みの強い尖った音を出してると思う。音は骨太になっても、基本3人の歌が中心で、それを引き立たせるスタンスは変わらないのも良いですね。

また、今作はアルバム前半にガールズロック的な清涼感、爽やかさの強い楽曲、後半に映像的な、サウンドスケープの美しい曲を中心に配置し、要所で「MY BOY」「Take It Easy!」などつんく氏のペンによる、アクの強い楽曲がアクセントを与える…と、通して聴くと流れが自然で、聴きやすい構成に仕上がっているように思います。

厚みの増した音作りとも相俟って、最初はアッパーな曲に耳が行きがちですが、「うらはら」の切なさに胸が満たされるようなムード、美しい情景が浮かぶ、どこか幻想的な雰囲気の「紅茶の美味しい店」など、スロー~ミドルな曲も非常に味わい深く素晴らしい。欲を言えば、後半にもう1曲くらいキャッチネス重視の曲があれば、より初見でのインパクトが強くなった気はしますが、十分このジャンルの名盤足りえる作品だと思う。

唯一不満があるとすれば、メンバーのポテンシャルをパッケージし切れてない点でしょうか。この間ライブ動画を見たんですけど、音源では綺麗に歌いがちな夏焼さんや鈴木さんも会場を圧倒せんとするような迫力のある歌を聴かせてくれてたし、嗣永さんはマイクがボフる寸前くらいの息の強い、気迫の篭もった歌い方で恐ろしくかっこよかった。まあ歌い続ける内に洗練されてくのは当然だし、音源だけでみたら特に不満でも何でもないんですが。

…という訳で、いつかライブ盤を発表して欲しいですね。出来れば生バンドでのベストテイク集とかで。アイドルってパフォーマンスありきだと思うんですが、彼女らの場合、音だけ聴いててもCD音源よりかっこいいんですよね。別にライブDVDとか買っても良いんですけど、それだとウォークマンに落とせないので…。個人的に、外ではエクストリームメタルよりポップスを聴きたいんですよね。


BUONO! - We are Buono! - Blue-Sky-Blue ★★★ (2012-05-28 21:51:15)

ギターのフレーズをシンセが引き取ったり、ヴォーカルの残響音のようなコーラスが重ねられていたり、音像の美しさにこだわったアレンジの曲。特に軽くノイジーなギターが、伸びのある歌声のユニゾンを際立てるサビが非常に美しいです。反面メロディに派手さはありませんが、ラスサビは一旦音を引かせ、歌唱もソロパートを回して「静」を演出してから、例のユニゾンとギターの美しい絡みを聴かせてみせたり、作りは非常にドラマティック。


BUONO! - We are Buono! - Bravo☆Bravo (2012-05-28 21:53:31)

人気曲だし、シングル曲でつんく氏のペンによる曲でもありますが、未だにピンとこないです、この曲。「P・A・T・I」の所とか、ライブでは盛り上がるんだろうな…って感じですが、如何せんメロディが薄くて…もうちょっと歌謡的な泣きorアイドルらしい溌溂さがあれば良かったんですけど。


BUONO! - We are Buono! - Independent Girl〜独立女子であるために ★★★ (2012-05-28 22:00:15)

アイドルポップスでここまでノイジーで尖った音作りの曲も珍しいですよね。曲的には、A~Bメロまでの流れは最高だけど、サビが弱い印象だったんですが、ライブ動画見て印象変わりました。媚びるのではなく、惹き付ける強さを持った歌い回し、それがライブ版では更に強まってて、特にサビのユニゾンでは、オーディエンスを奮い立たせるような、力強いオーラ出まくりで素晴らしかった。歌割的にも、Aメロを表現力の高い鈴木さん・夏焼さんに振って切迫感を出し、Bメロを声を張って歌う嗣永さんが瞬発力を与え、サビのユニゾンで爆発…とよく考えられている感じですが、ライブ版だと各自の役割が更に明確な感じで、より曲が鮮烈に聴こえ、恐ろしいくらいかっこよくなってました。

っていうか一言言わせてください。
ライブ版の「ないアイヤ」がかっこよすぎなんですが!!なんだあの声の張り方、超かっけえ(笑)。正直、本気でライブDVDの購入を考えてるんですけど…。ライブCDが出てないなら買っちゃおうかなぁ…。


BUONO! - We are Buono! - MY BOY ★★★ (2012-05-28 21:57:33)

ニワカなので(笑)、そこまでアイドル系の曲を沢山聴いたわけじゃないんですが…それでも間違いなく、この曲はジャンルの中でもトップクラスの名曲だと言い切れます。暴力的なまでに聴き手のテンションを上げる打ち込みリズム、閃光のようなトランシーなシンセ、音像をより過激にするギター、そしてサビで炸裂するつんく流儀のウルトラキャッチーな歌メロ…とにかくど派手でかっこいい曲。ここまで緻密に作られてて、かつハイテンションでキャッチーな曲はメタルの世界ですらなかなかないと思う。ポップスでは最高クラスの体感速度のリズムを乗りこなす、勢いのある歌い方も素晴らしい。ちなみにライブだとバンドスタイルで演奏することもある模様。…やっぱこのグループ、切実にライブアルバム出して欲しいわ…。


BUONO! - We are Buono! - One Way = My Way ★★★ (2012-05-28 22:03:08)

クサメロ大好きな私からすると、初聴ではいまひとつピンと来なかった曲なんですが、何回か聴いたらオープニングに相応しい名曲に聴こえてきました。Aメロ~Bメロとボルテージを上げ、サビで開ける展開が非常に爽やか。ラストのギターメロも、未来への希望や期待が表現されてる感じで、それがそのままアルバムのこの先の収録曲への期待感へと繋がっていくような印象を残す曲。つかみはオッケー。


BUONO! - We are Buono! - Our Songs ★★★ (2012-05-28 22:01:35)

先行シングルとは思えないくらい、アルバムの流れに沿った曲だと思う。っていうかつんく氏、普遍的で清涼感のあるポップス苦手だと思ってたんですけど、これは凄く良く出来た曲だと思う。1曲目の「One Way=My Way」の爽やかで前向きなムードを引き継ぎつつ、つんく氏らしい意図的な引っ掛かり(「くち-びる-には-うた」のメロディ使いとか)を設けた展開が光る良曲です。


BUONO! - We are Buono! - Take It Easy! ★★★ (2012-05-28 21:54:59)

このグループがカントリーっぽい曲を演るのはなんか意外。
青空が浮かんでくるような、爽やかで大らかなノリの曲で、リラックスして聴けますね。こういうレイドバックした曲調でも、ちゃんとメロディのフックやアイドルらしいキラキラ感があるのは流石。あとこの曲は鈴木さんの歌声が凄く光っている印象。伸びのある声が曲調とも相俟って、聴き手の心を解きほぐしてくれる感じです。
しかし、前曲「うらはら」との繋がりは音響的には凄く良いんだけど、心情的には微妙ですね…。前曲の胸が疼くような感じをどうしても引き摺ってしまいます(笑)。


BUONO! - We are Buono! - We are Buono!〜Buono!のテーマ♡ ★★★ (2012-05-28 21:46:48)

これ、曲知ってる人とカラオケ行って歌ったらめっちゃ楽しかった(笑)。友人が歌って、私ともう一人が掛け声に回ったときも超楽しかった。…それだけで、歌ってる側もオーディエンスも楽しめる、優れたエンターテイメント楽曲ということが分かりますね。何気に「ドラムズンタカタッタ刻め」のところとか、リズムにぴったり合うと歌ってて凄く気持ち良い。昔はダークな曲ばっかり好んでましたが、年取るとこういう単純に盛り上がれる曲の魅力も分かってきますね。


BUONO! - We are Buono! - うらはら ★★★ (2012-05-28 21:55:51)

派手な曲に耳が行く性分なので、最初は微妙に感じたんですが…これ、アレンジのセンスが尋常じゃなく良いと思う。ポストロックっぽい儚くて抽象的な音色のキーと、ノスタルジックな爽やかさを演出するアコギの絡むオケはプログレっぽい香りもしますが、その音像が甘酸っぱい心情を歌った歌詞の世界観と絶妙にマッチしてて、しっかりポップスの感性で作られているのが素晴らしいと思う。歌詞の主人公の心情と自然とシンクロしてしまうアレンジは見事の一言ですが、ロック調のギターが入るサビもシングル曲並にキャッチーで、アレンジのみならず曲自体も凄く良いです。


BUONO! - We are Buono! - カタオモイ。 (2012-05-28 21:52:51)

前曲に続いて、正直この曲も微妙かも…歌もアレンジも高水準ですが、メロディがちょっと盛り上がりに欠ける気が。歌い出しの嗣永さんの少しのエッジと細かいビブ掛かった低音は色気があって良かったですけど、曲自体は普通のガールズロックって感じですね。ベストにこれを入れるならEarly Birdかco・no・mi・chiを入れて欲しかったかも…。


BUONO! - We are Buono! - タビダチの歌 ★★★ (2012-05-28 21:48:28)

ロックユニットなのに、音像/音響重視の曲を2曲続けた後に、(ギターアレンジがロック寄りとは言え)こういうバラードを入れるのはどうかと思いますが(笑)、これも名曲ですね。アレンジにストリングスを取り入れてますが、ヴァイオリンだけでなくヴィオラ・チェロが効いていて、壮大なスケールが演出できていると思う。


BUONO! - We are Buono! - 紅茶の美味しい店 ★★★ (2012-05-28 21:50:30)

タイトルからは可愛らしいものを想像していましたが、意外にも幻想的な曲調。淡い音像の中、重ねられたヴォーカルのハーモニーが非常に美しい。特に夏焼さんの「ha-」の高音綺麗過ぎて聞き惚れます。こっちが「はぁ…」ってなりますね(笑)。歌詞も音像も抽象的なムードが漂ってますが、映像美を意識したような音で聴いていると色々なイメージが頭の中に浮かんできます。


BURIAL HORDES - WAR, REVENGE AND TOTAL ANNIHILATION ★★ (2013-04-19 14:26:46)

2005年発表の1st。

ややRAWなギターノイズや割れ気味にがなるヴォーカルが真性ブラックの凄みを醸し出しつつも、甘くならない程度にメロウで毒も効いたトレモロを入れてくる、王道とも言えるタイプのブラックで、タイプとしてはWATAINや、同郷で人脈的にも繋がりのあるENSHADOWEDを思わせる音ですね。厚みはありつつも、多少ノイジーな音作りのせいか、有名どころのバンドと比べるとアングラ度は少々高い印象も。

ただ、音作りに荒々しさを残しているせいか、ブラスト激走時の爆発力や迫力はかなりのものだし、テンポを落とす部分でも殺伐としたムードが漂ってるし、決して同系統のバンドに埋没しない凄みを持っているように思います。トレモロリフのヒリヒリした質感や、この手としては短めに纏まった楽曲構成も、爆発力や殺伐ムードを助長しているのではないかと。

衝動性だけでは片付けられない、メタルとしての確固たるクオリティと、ブラックメタルの荒々しさを上手く両立させている、なかなかの良盤だと思います。ジャンルの基本バンドをある程度聴いた方にお勧め。


BURZUM ★★ (2003-12-22 23:23:00)

話には訊いていたんですが、まさかアンビエントとブラックメタルがこんなにも相性のいい音楽だとは…
これは例えばNINなど内面探求系の音楽を愛聴するような、ブラックメタラー以外にもアピールするような内容の音楽だと思います。
やっぱり「あの事件」の印象が強いかと思われますが、やっている音楽は「過激さ」よりも「内に入り込む音」を中心とした感じなので、興味がある方は是非聴いてみて下さい。(初期の「ASKE」などは未聴ですがオーソドックスなブラックメタルらしいです)