この曲を聴け!
Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1801-1900

MyPage

Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1801-1900
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86
モバイル向きページ 


DARK MIRROR OV TRAGEDY - The Pregnant of Despair - Feed the Fire in a Blind Alley ★★★ (2010-01-03 09:57:49)

今まで耽美なメロディを紡ぎあげていたヴァイオリンが、ここに来て華麗かつ攻撃的なフレーズで攻めてきます。やっぱりこういう弦の使い方良いですよね。そのパート以外も、ムードたっぷりで素晴らしい。


DARK MIRROR OV TRAGEDY - The Pregnant of Despair - Prelude for the Sphere ★★★ (2010-01-03 09:56:59)

ラス曲のイントロダクション的なピアノソロ。
本当に、このバンドのキーボーディストはセンスいいですよね。古城を歩いているようなロマンティックなムードの深さと、印象に残るフレーズのクサさがしっかり同居してます。こういう路線で一枚インストもの出してくれたら買うかも。


DARK RING ★★ (2014-06-05 23:19:23)

中国のシンフォニック・ブラック。
2012年結成と若いバンドですが、かなり質の高い音を聴かせてくれます。


DARK RING - Reborn from the Inferno ★★★ (2014-06-05 23:20:06)

2013年発表の1st。

中国産、しかもかなり若手のシンフォニック・ブラックメタルという事で、ぶっちゃけ物珍しさから購入してしまったんですが、これがメジャー志向のかなりクオリティの高い音で驚きました。オリエンタルさや辺境っぽさはなく、ストレートに煌びやかなシンフォブラック。オーケストレーションを用いた音像やクラシカルでクサいメロディセンスのみならず、暴虐なバンドサウンドの面でも全てにおいて「派手」な感じのする音、そんな印象を受ける作品。

メロデスにも通じる、メタリックでメロディアスなギターワークを交えて展開するバンドサウンドは取っ付き易くもありますが、爆走パートでのカチ込みっぷりが凄まじい。暴走感を演出するオカズを入れつつブラストで攻め立てるドラムがかなりかっこよく暴虐。若干バスドラの音が好みじゃないんですが、音の抜けは悪くなく、プロダクションはバンド全体で見ても割とクリア。

オーケストレーションを始めたメロディの使い方も当然の如く派手で、美メロ大仰メロの大判振る舞いという感じ。中国のバンドながら(だからこそ?)、ヨーロッパ風のロマンティシズムを感じます。特に「Glory of the Warrior」のクリーンヴォイスで歌われるパートには、思わず「騎士道精神」という単語が頭に浮かんでしまいました(笑)。ちょっと惜しかったのは、ヴォーカルワークに妙に印象に残る部分があったのに、ブックレットに歌詞の記載が無い事でしょうか。「Unchain」とか、ホント「妙に」印象深いんですよね…。

シンフォニックブラックって、テンプレートがほぼ出来上がってるようなジャンルで、録音技術も進歩してるせいか、1枚目の時点でクオリティの高い音を出すバンドが少なくないですが、それに加えて「味」もある音だと思います。それも如何にも中国とかアジアのバンド的なオリエンタリズムじゃない「味」なのが面白い。聴き手を置き去りにしない愛想の良さもあってお勧めですよ。


DARK TRANQUILLITY - The Gallery ★★ (2007-05-08 17:37:00)

彼らの作品はまだこれしか聴いてないんですが、凄いですね、これ。
とにかくメロディアスさが群を抜いてます。「メタルにしてはメロディアス」っていう
レベルじゃなく、まして「デスにしてはメロディアス」っていう次元でもなく、ここまで
メロディが語る音楽って他ジャンルでもなかなか無いのではないでしょうか。
特に私は単音メロディ大好きなので、終始にやけっぱなしもいいところです(笑)
また、今まで聴いてきたメロデスってARCH ENEMYとかは別としても、いまいちヴォーカルの
声が好きになれずハマれないことが多かったんですが、彼らはヴォーカルもかっこいいです。
ミカエル繋がりのOPETHと並んで、デスヴォイスでの感情表現に長けていると思います。


DARK TRANQUILLITY - The Gallery - Punish My Heaven ★★★ (2006-07-27 18:32:14)

凄い…これはDTの代表曲と言うより、メロデスの代表曲なのでは…
曲の頭から終わりまでまるでクラシックの名曲の最も盛り上がる部分と同じくらいのテンションのメロディを奏で続けるギター、主導権を握った時にはギター以上にメロウになるベース、ギターソロパートでは音色を変え、華麗さを演出するドラムと全ての楽器に見せ場があって最高です。メタルの本質の一つに「過剰さ」があるとすれば、この曲はメタルの中のメタルと言えるのではないかと思います。


DARKCELL - BONE WITH HATRED ★★★ (2009-11-23 11:28:00)

2009年発表の1st。

CDショップやネットなどでは、よくアンビエントブラックとして紹介されてますが…アンビエントブラックって、情景描写に主眼を置きつつも、あくまでバンドサウンドがメインのタイプと、アンビエントやノイズ、ドローンの要素がバンドの音を飲み込んでいるタイプとがありますが、この作品は前者ですね。ジギジギに歪んだバンドサウンドをアトモスフェリックなキーが包む作風で、疾走パートもありアンビエント以前に、ブラックのアングラなかっこよさがたっぷり詰まった音だと思う。

しかし、このバンドも異常なまでに情景描写能力が高いですよね…基本RAWな音作りながら、ベースを効かせ、ノイズ質を操作することで作った有機的な闇の中で、鬼火のようにキーボードが揺らめく情景には、魔性や神秘性といったなにか超越的な物を感じます。哀愁や鬱よりも、「不吉さ」という微妙な情感を表現できる、キーやアルペジオによるメロディのセンスも半端じゃなく良い。マジでこの音、世界中の厄や災いを集め、呪術を使って音にした…みたいな感じがするんですが(笑)

このバンドを独りで演っているLemmy氏は、THE EXCUTEというバンドで日本のハードコア黎明期から活動し、シーンに大きな影響を与えたと言う事ですが…確かに、シーンに影響を与えるほどの才能に恵まれた人が作った暗黒音楽という感じがしますよね。アンビエント的音質・ノイズ質操作という今風の要素を取り入れながらも、リフが割とオールドスクールなのは彼の音楽遍歴が関係してるのかも。

…LUNAR AURORAやLEVIATHANなどの、バンドサウンドを用いて、非日常的な「超越性」を描き出すバンドが好きなら、この作品を強くお勧めします。


DARKCELL - BONE WITH HATRED - BONE WITH HATRED ★★★ (2009-11-23 11:29:42)

他のアンビエント要素の強いバンドと比べても、景色を黒く塗りつぶす力は圧倒的といえるかもしれません。展開時にギターの歪みの質を変える演出は、ただ闇を表現しているだけじゃなくて、それが生きているかのような感覚を覚えさせてくれます。


DARKCELL - BONE WITH HATRED - HATRED IS INFINITY ★★★ (2009-11-23 11:31:21)

「Infinite(永遠の)」ではなく、「Infinity(永遠性)」なのがポイント。
最初のキーボードを纏って疾走するパートなんかは、どこか初期EMPERORを彷彿とさせますね。冷気を纏うEMPERORに対し、こっちは不吉さを纏っている感じですが。中盤の、感覚を遮断され、意識の中に光の明滅を見ているようなキーボードとベースの絡みも素晴らしいです。


DARKENED NOCTURN SLAUGHTERCULT - Saldorian Spell ★★★ (2012-05-04 21:39:47)

2009年発表の4th。

ブラストによる爆走パート中心に、ブラック特有の平坦系のリフと邪悪トレモロを組み合わせ、緩急つけて聴かせてくれる凶悪なブラックですが、これがかなり素晴らしい。適度にRAWで適度に湿り気を含んだプロダクションは、生々しい邪悪さを伝えつつも耳に心地良いし、時折悲鳴のような声を上げて絶叫する、女性によるデス声も、女性らしいハイピッチでしなやかな感触が獰猛さ、悲壮感といったものを感じさせてくれて良い感じ。

しかし何より素晴らしいのは、曲作りのセンスだと思う。邪悪さとメロウさを高いレベルで両立させ、強烈に耳を引くトレモロリフの魅力も然ることながら、要所で使われる平坦系のリフがそれ以上に良いんですよね。上級悪魔が弾くメロディという感じで、どこか高貴さすら感じる、悪のオーラだだ漏れなリフ。作風としてはダーティさや野蛮さも感じるんですが、同時にどこか上品(行儀が良いという訳ではない)なムードもあるような気がします。あくまで個人的には、ですが。

確かに地下臭さはあるんですが、その地下臭さを普段ブラック中心で聴いていないメタラーにも、魅力として伝える事が出来るくらい、良いアルバムだと思う。バンドの評判が高かったので買ってみましたが、予想以上に良い作品で大満足です。


DARKENHOLD - A Passage to the Towers... ★★★ (2012-04-11 22:12:12)

2010年発表の1st。

一部のメロディ派のブラッカーに大ウケしたAORLHAC等ともスプリットを出した経験のある、フランス産のメロディックブラックという事で、目を付けていたんですがやはり良いですね。タイプとしては、トレモロだけでなくギターソロやリードギターによる叙情的なメロディを軸に劇的に展開するメロブラで、「The Somberlain」期のDISSECTIONにも通じる音を出してますね。キーボードも取り入れたスタイルですが、派手になりすぎない曲の幽玄さや広がりを増すような音色のチョイスも良い感じです。

ただ、メロデス要素もかなり強かったDISSECTIONと比べると、このバンドはリフの作りだったりプロダクションだったりが、もう少しブラック然としている感じがしますね。反面メロディの邪悪さは比較的薄めで、代わりに中世ファンタジー的な、仄暗く幻想的で、時々勇壮さも感じさせるエピックな感触が強い感じ。メロディの性質は少し違いますが、日常離れした、どこか高貴さを感じさせるのはDISSECTIONと共通するポイントかもしれません。

プロダクションこそ多少RAW(と言っても、ブラックとしては標準的)ですが、十把一絡げに出来ない、確かなクオリティを持ったメロディックブラック。DISSECTIONやTHULCANDRA辺りを気に入って、もう一歩踏み込んでみたくなった方なんかにはうってつけなんじゃないでしょうか。


DARKESTRAH - Epos ★★★ (2011-12-21 23:19:14)

2007年発表の3rd。
33分の大作1曲のみを収録した作品。

…まずオープニングの、波音が2分半続くだけのオープニングにちょっとうんざりしてきましたが(笑)、本編が始まったらその勿体の付け方がどうでも良くなるくらい心を動かされましたね…。最初の、寄せて返す波のようにじわじわと浸食するような、メロウ極まりないギターメロからして素晴らしく、涙腺の弱い人だったらこのメロディだけで目頭が熱くなりそう。

そしてその物悲しいメロディに更に陰りが差したところで、ヴォーカルも入り疾走!この展開が非常にドラマティック。ヴォーカルは鬱系のように裏返ったりはしないものの、ヒステリックなハイピッチ絶叫スタイルで感情むき出しな感じが情感豊かなメロディとマッチしてると思う。途中からチェロによるメロディも入ってきますが…これがペイガンというより、映画の廃墟や人死にのシーンで流れるような、陰鬱かつどこか上品なものでまた素晴らしいんですよね。

そしてSEを挟んで後半は、「ミョーン、ミョーン」という謎のSEとハンドクラップによるちょっとアヴァンギャルドなパートを挟んだ後、シンセも入りより雰囲気が濃密に。曲が終わるまで、このメロブラでも最上級なメロウさ・物悲しさを保ったままで、大作ながらラストまでしっかり緊張感を持って聴ける感じ。ただラストの波音SE4分間耐久は余韻に浸るにしても長過ぎですが(笑)。

中盤の必要性が疑問視されるアヴァンギャルドパートや、波音のSEが長過ぎる事を除けば、非常にメロディックで情感に満ちた、ドラマティックな作品であると思う。ベクトルは違えど、メロウ方向に専念したときのNARGAROTHくらいメロウ。メロディアスなブラックメタル好きにとっては名盤と言えるクオリティだと思います。ちなみにこの作品はNo Coloursから出てて、現在はOsmoseに移籍したようですが…これを聴くと、引っ張りだこになる理由も良く分かります。


DARKEVER OF THE LIGHT - DEMO TRACKS 2011 ★★★ (2011-11-19 01:08:25)

11年発表の5曲入りデモCD-R。
ケースに入りきらないポストカードと歌詞カードがなんともチープな感じはしますが、中身はかなり良いですね。

ヘヴィな音像と、グルーヴィなリフとリズムの絡みの上に、女性ヴォーカルによるキャッチーなメロディが乗る作風で、個人的には6ft downからゴス要素を減退させ、古典的なハードロック色を強めたような音に感じました。シンフォニックにではなく、曲の骨太さを強調するように入るキーボードも良い仕事してます。ヴォーカルが女性ならではの妖艶さやキュートさと、力強さを兼ね備えた華のある声質なのも良いですね。

また、何より単純に曲が良いと思う。跳ねたグルーヴをヴォーカルが乗りこなし、聴き手をグイグイ引き込む「Ding-Dong」、重厚な世界観を見せ付けるような「MEGALOPOLIS」、ワウギターを用いたリフが印象的な「Communicated」など、どの曲も向いてる方向がしっかり定まってる感じで、金太郎飴になってないのが素晴らしい。特に1曲目の「Ding-Dong」は、試聴した瞬間買うのを決めるほどキャッチーな名曲で、個人的にはストライクです。

音質がヘヴィさに頼っていて多少大味(音が小さいよりは全然良いけど)だったり、英詩の文法ミスがあったり発音に日本語訛りがあったり、まだまだ荒削りな感じはありますが現時点でもかなり魅力的な音源であることに間違いはないと思います。ハードロック要素強めですが、ところどころダークなフレーズがあったり、歌メロが結構メロウだったり、古典的になりすぎないところが個人的には良かったりします。


DARKMOON WARRIOR - Crown of Snakes ★★★ (2013-02-03 09:35:00)

2009年発表の1st。

どうもこのバンドの経歴を調べてみると、96年からデモを出し続け、2009年になって漸くフルアルバムの発売に漕ぎ付けた…という事で、意外に活動暦はかなり長いバンドみたいですが…そのキャリアを裏付けるかのような、地に足の付いたブラックを演ってますね。やや金属質なノイジーさはあるものの、緩急やメロディの濃淡をしっかり付けた緊張感のある展開といい、厚みを持たせた音作りといい、非常に重厚で威風のある音を出してます。

このブラックメタルの本質を衝きつつもハイクオリティな作風は、同レーベルに所属するASCENSIONやORDER OF ORIASを髣髴とさせるものがありますが…このバンドはブラックメタルの邪悪さだったり悲哀なムードだったりを際立たせるメロディが、時々あざとい程に鮮烈。例えば12分近い大作のラスト曲なんかは、イントロから泣きのギターメロで攻め、トレモロを交えた疾走パートなんかはDARK FUNERALやNAGLFARを愛聴する人ならガッツポーズもの。濃厚な邪悪さとメロディアスな作りを両立させているのが素晴らしい。

良質なブラックを次々にリリースするレーベル、WTCですが、この作品もまた素晴らしいですね。衝動性やインパクトばかりでない、濃密なブラックメタルをがっつり聴きたい方にお勧めの一枚です。


DARKSPACE ★★ (2007-08-15 22:33:00)

スイスのスペース・アンビエント・ブラック。
まだ2ndしか聴いてないんですが、このバンドマジで素晴らしいです!
JAZKAMERの「Heavy Metal Machine」がノイズの手法でメタルを演っているとしたら、
このバンドの音楽性はその逆で、ブラックメタルの手法を用いながらもノイズに接近した
音楽を演っているという感じでしょうか。
05年に500枚限定でリリースしたアルバムが、翌年すぐに再発された事からも彼らの音楽性の
高さ、評価の高さが良く分かりますね。っていうか、あんな素晴らしいアルバムを
たったの500枚限定にするなんて罪ですよ(笑)。それも万死に値する罪です(笑)
最近ではSUNN O)))やKTLが来日したり、XASTHURが日本盤を出している状況を
考えると、このバンドも十分日本のメタラーに受け入れられるのではないでしょうか。
こういうのがいるから、ブラックは止められませんね。かなりお勧めのバンドです。


DARKSPACE - Dark Space Ⅱ ★★★ (2007-08-15 22:32:00)

2005年発表の2ndアルバム。3曲入り54分。原盤は500枚限定で手書きナンバー入りでしたが、06年に再発されました。

このアーティストもアーティスト名の示す通り、ブラックメタルを通じて宇宙を表現する音楽を演っていると言えると思いますが、LIMBONIC ARTやARCTURUSの描く宇宙が星空や星雲だとするなら、DARKSPACEはブラックホールだと思います。他のシンフォブラックを引き合いに出すなら、LUNAR AURORAの最新作が感性的には近いかと。あっちよりメタル色は薄く、ノイズ色濃厚ですが。盤面も同じく黒ですし(笑)

音楽性はアンビエント・ブラックと言うカテゴライズからも分かるように、ブラックメタルとノイズ/アヴァンギャルドの中間という感じで、ブラックホールの持つ膨大な質量を表しているかのような非常にノイジーで暗いギターの音が特徴。パートによってはブラックの棚より、ノイズやアンビエントの棚に置くのが適切と思える音。もちろんブラストビートや絶叫など、ブラックの要素もちゃんと入ってますが、それらは全てギターのノイズに飲み込まれて、まるで一つの景色と化しているかのような印象。

また、キーボードもかなり使用されていますが、これがギターノイズと相まって、非常に奥行きのある、暗い美しさを秘めたサウンドスケープを描き出してます。ノイズの奥からとは言え、トレモロリフやキーボードによる神秘的なメロディも出てくるので、ブラック好きにはそれ程敷居は高くない音になっていると思います。

展開もミニマルだし、メタル要素を音像が飲み込んでいるような作風なので、メタル視点ではもしかするとあまり楽しめないかもしれません。2曲目なんて最早メタルじゃないし。しかし音響作品としての素晴らしさは一級品だと思います。私なんかMYSPACEで試聴後、次の日すぐに買いに走りましたもん(笑)。

この作品も、ALCESTやBLUT AUS NORDの近作と並んでブラックメタルの可能性が無限大である事を示した一枚といえるかもしれません。ブラックが好きで、ノイズにも抵抗が無ければ是非聴いてみてください。SEっぽい部分はちょっと長めですが、ブラックホールに接近するまでの宇宙遊泳だと思えば楽しめるのではないかと。


DARKSPACE - Dark Space Ⅲ ★★★ (2008-07-24 18:24:00)

2008年発表の3rd。
青黒い盤面が実にお洒落で、見ていてなんか癒されます(笑)

質量感・奥行きのある音響的ギターノイズに神秘的なキーボードを絡め疾走する事で独自の宇宙観を演出し、ブラック好きの間でも高い評価を得たDARKSPACEですが、今作もその路線自体に大きな変更はなく、前作よりもいい意味で聴きやすく、洗練された作風になっていると思います。

まず耳につく変化はギターリフに、存在感のある刻みを取り入れていること。前作は聴いていて宇宙に吸い込まれるような感覚を覚えたんですが、今作はこうした変化のお陰で宇宙自体が意志を持ってこちらを食い殺しに来ているかのような恐さも同時に感じられますね。普通刻み入れたらグルーヴィになりそうですが、こうした要素をあくまで音響面に貢献させているセンスは流石。

また、一曲一曲が短くなった(と言っても平均10分以上ですが)こと、キーボードによるメロディの存在感がより大きくなった事で、前作よりも取っ付きやすくなったんじゃないかと思います。まあ、トータルの演奏時間は約80分とCDの記録面ギリギリまで入ってるし、やっぱりカルトはカルトである事に変わりはないんですが。

ぶっちゃけ、作風に大きな変化はないだろうし、2nd持ってるから今作は買わなくても良いかな…とも思ったんですが、この内容なら買って良かったです。前作は気分じゃない時に聴くと少し辛い部分もあったんですが、今作はそういう時に聴いてさえ取り込まれてしまうくらいのレベルの高さ。

DARKSPACEを聴くなら、まずはこの作品がお勧めです。


DARKTHRONE ★★ (2004-11-18 22:06:00)

このバンドってライブを殆ど行わない上に、二人しかメンバーいないんですね。
つい最近までFenrizはヴォーカルだと思ってました。ドラムだったとは…意外。


DARKTHRONE ★★ (2004-12-05 20:14:00)

>GODさん
情報ありがとうございます!!
ということは…名盤3部作以降がいまいち評価されないのは、もしかしたらメンバー脱退の痛手があったからかもしれないですね。(まだ10thしか聴いていないので何とも言えませんが)
でもこのバンドの曲、ライブでどうやって乗ればいいんだろう…(笑)


DARKTHRONE ★★ (2006-04-22 00:24:00)

新しいDARKTHRONEの路線、なかなかにかっこいいですね。
あるレビューではダークスローンがパンクスローンになってしまった…
みたいにありましたが、上手い事言ってると思います(笑)
その意見では否定的な文脈で使われていましたが、私的には良かったです。


DARKTHRONE - F.O.A.D. ★★ (2008-12-04 22:14:00)

2007年発表の12th。
巷でも言われている通り、トレモロやRAWなギターの音色などにブラックの要素を残しつつ
ハードコアに近付いたスタイルで、アングラ感溢れる「あやしい」音ではあっても、
妖気や面妖さの「妖しい」ではなく、いかがわしさや野蛮さのある「怪しい」音。
最早以前の地下に悪魔崇拝の祭壇を作ってそうな作風からはかなりの開きがある音で、
船からバイクに乗り換えたヴァイキングの末裔のバイカー達が、バーに集まって
一旗挙げると息巻きながら聴いてそうな感じの雰囲気。
ただ、こういう音楽性自体は嫌いじゃないんですが、ヴォーカルが直接的な攻撃性や
冷酷さに向かわず、酒に酔ったようながなりを多用していかがわしさを出す方向に
行ってる曲が多いのはちょっと好みに合わないかも…。ブラック的ながなり声の方は
ふてぶてしいまでの声の太さもあって相変わらずかっこいいんですけどね…。
しかしこのアルバム、本人達はめっちゃ楽しんで作ってるんじゃないでしょうか。
曲解説といいお勧めアルバム紹介といい、かなり面白がって書いてそう。REC後も
曲の出来栄えを自分達で聴いて爆笑してそうな感じ(笑)。現に次のアルバムもほとんど
間を置かずにリリースしてますし、人間嫌いっぽいイメージの強い彼らですが、実は
ノルヴェジアンブラックの大御所の中では一番楽しみながら音楽演ってそうな気がします。


DARKTHRONE - F.O.A.D. - Canadian Metal ★★ (2009-02-11 20:49:06)

このアルバムを象徴するような作風の、ノリノリな曲。
…個人的にはDARKTHRONEは折角だからこの路線を極めて欲しいと思う。3部作路線はフィンランド勢とかCRAFTとかCLANDESTINE BLAZEとか良質なフォロワーが沢山いるし、3部作でプリブラの形を作った時点でDARKTHRONEは十分偉大だと思うし。尚且つこういう新しい視点を模索・提示してるのは本当に凄いと思う。…でもハイトーンは正直勘弁して欲しいなぁ…(苦笑)


DARKTHRONE - F.O.A.D. - Pervertor of the 7 Gates ★★★ (2009-02-11 20:55:23)

パーカッシブでどこか楽しげなリズムが印象的な曲。
ISENGARDが酒の力を借りて12年ぶりに復活したら、こんな感じになるのかも…?っていうかこのアルバム、何気に曲のヴァリエーションに富んでると思う。単にハードコアと交わっただけではない感じ。


DARKTHRONE - F.O.A.D. - Raised on Rock ★★ (2009-02-11 20:51:38)

「ヴーッ!!アイワズ、レイズドオン、ロック!!」
実にふてぶてしい歌(?)声ですね(笑)。
付いて来れる奴だけ付いてこいや、って感じ。


DARKTHRONE - F.O.A.D. - Wisdom of the Dead ★★★ (2009-02-11 20:43:49)

Nocturno Culto氏の野太いがなり声と、トレモロリフの使い方が印象に残る曲。音楽性は変わってしまっても、こういうブラック好きにとって取っ付きやすいパーツを鏤めることで、今まで彼らの作品を追ってきた人にも敷居をそれほど上げずに新しいヴィジョンを提示しているのが良いですね。


DARKTHRONE - Moonfog 2000-a Different Perspective - God of Disturbance and Friction (2005-06-13 18:12:37)

DARKTHRONEが初めてコンピ提供のために作った曲。
そのためなのか、いつもより1、7倍くらいネクロ度が上がってます(笑)。あとはもう少しリフに面白味があればなぁ。


DARKTHRONE - Panzerfaust ★★ (2005-07-12 21:39:00)

三部作と並んでファンの支持が高い、5thアルバム。
今作からMoonfogに移籍、更にZephyrousが脱退したせいか結構前作と変わってますね。
相変わらず確信的に音質を落としているブラックですが、大きく変わったと思うのは以下の二点。
まず、ヴォーカルの歌い方が変化したと思います。
前作では感情を排して、冷酷さを感じさせる鋭いがなり声ですが、今作ではまるで絶望に
取り憑かれたまま何かを訴えかけているような感じで、声の鋭さはそのままに更に
感情が篭もって来たように思います。
もう一つは、これが賛否の原因になっているようですが、テンポやリフに多様性が出て、
曲のタイプが増えた事。特にトレモロリフだけでなく、刻むタイプのリフも使い出して
厚みが出てきたように思います。ただ、刻みを使用している曲では、ややチープさが
減ってしまったのは少し残念かもしれません。あのチープさ、凄く良かったので…
ともかく、3部作と比べると好みが分かれるみたいですが、私は好きです。
スローな曲は重い雰囲気を醸し出すリフと鋭利ながなり声を聴いているとぽ~っとなって
(ある意味)幸せな気分に浸れますし、「EN VIND AV SORG」「HANS SISTE VINTER」といった
トレモロ&疾走といった王道チューンはヴォーカルがパワーアップしたせいで、より
かっこよくなっているので、3部作でないという理由で敬遠するには余りにも勿体無い作品です。


DARKTHRONE - Panzerfaust - En vind av sorg ★★★ (2005-07-08 17:45:53)

タイトルの意味は「悲しみの風」。
これは凄いです。前作の名曲「Transilvanian Hunger」並の荘厳な泣きリフを備えた超名曲ですが、ヴォーカルがパワーアップしてる分こっちの方が上かも…途中で出てくるダークなリフもかっこいいし、心からお勧めの一曲。


DARKTHRONE - Panzerfaust - Hans siste vinter ★★★ (2005-07-08 17:45:38)

曲全体を荘厳トレモロリフで覆った、初期DARKTHRONEの王道的な展開を見せる曲。スローな曲も今作では増えましたが、こういう曲の切れ味は更に鋭くなっている様に思います。


DARKTHRONE - Panzerfaust - Quintessence (2005-07-10 10:45:40)

曲の方はスローで重々しいブラックですが、BURZUMのカウントが歌詞を提供しているというので見てみると…「孤独な夜を過ごす五万人の女達…おぉ、私は彼女達全てを存分に満たしてやった」…あの、カウントさん!?まぁカウントさんは男前ですからねー(笑)


DARKTHRONE - Panzerfaust - Snø og granskog (Utferd) (2005-07-10 10:46:10)

Fenrizのソロ「NEPTUNE TOWERS」を髣髴とさせるダークなインストに乗せて、何かを喋っているエンディング曲。他の曲の様に肉体的な激しさが全く無い分、かなり不気味になっています。人によっては再生を中止したくなるくらいかも(笑)


DARKTHRONE - Panzerfaust - The Hordes of Nebulah ★★ (2005-07-10 10:46:47)

呪術的な、妖しいリフを伴い進行する、スローで重々しい曲。
曲の途中ではいるギターソロがなかなか良く、個人的には結構好き。


DARKTHRONE - Panzerfaust - Triumphant Gleam ★★ (2005-07-10 10:45:57)

前作には無かったタイプの刻み系リフを持つ、疾走パートとスローパートを両方備えた緩急のついた楽曲。リフには今までのような叙情性はあまり感じられませんが、こういうのもノリが良くて好きです。


DARKTHRONE - Sardonic Wrath ★★ (2004-11-18 22:05:00)

はぁ…もう10枚目なんですね、このバンド…(笑)
MAYHEMなんてまだフルレンスは3枚しか出していないというのに…
私はこのアーティストのアルバムは今の所「Transilnanian Hunger」しか持っていないので
それと比べる事しか出来ませんが、以下感想です。
まず音質なんですが、良い意味で変わっていませんね(笑)
ギターの音がちょっと厚くなって、紙ヤスリから普通のヤスリになったかなぁ…位の違いはありますが、
ノイズをたっぷり含んだ、でも聴いていると妙に心地良くなるという基本的な部分は何も変わっていませんでした。
そしてヴォーカルなんですが…より感情が込められていて、MAYHEMのあの故Deadを
思い起こさせるテンションの高いがなりを聴かせてくれます。ちなみに、このバンドで
Voを務めるNocturno CultはManiac(MAYHEM)の敬愛するヴォーカリストという事で、この狂性も納得です。
リフは…インタヴューの「ブラックのリフとロックのヘヴィーなリフを融合させた」という
コメントの通り、ややノリが良くなった印象を受けました。
ただ「Transilvanian hunger」のような荘厳リフが余り聴かれなくなったのは残念ですが…
そしてドラムなんですが…Fenrizに何が!?と思った程テンションが高めです。
「Transilvanian…」ではリズムが淡々としていた感じを受けたのですが、
今作ではもう曲によっては躍動感すら感じます。
私的には、このアルバムは落ち込んでいる時なんかに最適だと思います。
心地良い暗闇に包まれるような音楽を聴きながら微睡むなんて、
気分が沈んだ時の無為な時間の過ごし方としては最高だと思うんですが…私だけかも(笑)


DARKTHRONE - Sardonic Wrath - Hate Is the Law ★★★ (2005-05-02 21:50:40)

「オブザァブ!!」とアジるようなヴォーカルと、淡々とした黒色のリフからいきなりうねりのあるリフへ変貌するサビ部分がテンション高すぎでかっこよすぎな曲。アジテーション部分以外のヴォーカルも凄く、聴いていて、「一体何をどうすればここまで掠れきった、悲痛かつ邪悪な声が出せるんだ?」という疑問が頭を擡げてきます。


DARKTHRONE - Sardonic Wrath - Information Wants to Be Syndicated ★★★ (2004-11-18 22:06:13)

インスト明けの一曲目を飾る曲。
途中からミドルになるとは言え、このテンションの高さには驚かされました。この曲は特にVoがDeadっぽいと思うんですが…どうでしょう?


DARKTHRONE - Sardonic Wrath - Sjakk matt Jesu Krist ★★ (2005-05-02 21:50:10)

重々しいイントロから、疾走…とまではいかない、早歩き的なテンポで進行していく曲。淡々と仕事をこなしているようにも、妙にノリが良いようにも聴こえるリズムが癖になります。


DARKTHRONE - Too Old, Too Cold ★★ (2006-04-20 22:07:00)

2006年発表の11th「The Cult Is Alive」に先行する4曲入りEP。
本人達の弁によると、シングルではないそうです…こだわり(笑)?
前作「Sardonic Wrath」と比べてもかなり路線変更してますね。
もはや「Transilvanian Hunger」等のトレモロリフで凍りつかせる音楽性は面影もなく、
キャッチーでライブ映えしそうなリフをメインに軽快なブラックメタルを演ってます。
確か人間嫌いだからライブはあまりやりたくないって言っていたのに…(笑)
前作よりドラムとヴォーカルが前に出たミックスもこの音楽性にフィットしてますね。
正直、もしこれでヴォーカルまで熱い感じになってしまったら拒絶反応が起こりそうですが
そこはDARKTHRONE。もちろん冷徹非情ながなり声を聴かせてくれます。
前作よりも更にパワーアップしているような…レトリックな表現じゃなくて、
こんな歌い方したら本当に喉から出血するんじゃないでしょうか…。
特にアルバム未収録の「High On Cold War」はENSLAVEDのメンバーも参加し、より壮絶に。
このヴォーカルがキャッチーな曲調と化学反応を起こし、物凄くかっこいい音楽になっていると思います。
DARKTHRONEには3部作路線以外期待しない、という方以外は是非聴いてみてください。
本当にかっこいいです!!


DARKTHRONE - Too Old, Too Cold - High on Cold War ★★★ (2006-04-20 21:50:30)

アルバム未収録の曲。
イントロから熱いソロまで入って、真夜中の高速道路のカーチェイスのようなスリリングな雰囲気の曲。この曲ではENSLAVEDのGrutleがヴォーカルでゲスト参加してますが、その効果でVoパートは凄い事に。まるで二匹の獅子が全力で一匹のウサギを嬲り殺しにするかのような残虐さです。個人的にこのEPでは一番好きな曲で、アルバム持ってる人でもこれの為にEPを買う価値があると思います。


DARKTHRONE - Too Old, Too Cold - Love in a Void ★★ (2006-04-20 21:54:15)

SIOUXIE AND THE BANSHEESのカヴァー曲。
メインヴォーカルはFenrizが担当しているようですが、世間を嘲笑いながら怒ってるようでなかなかです。サビはISENGARDでもやっていた、海賊系朗唱でかなり渋かっこいい。これ系の普通声大好きです。


DARKTHRONE - Too Old, Too Cold - Too Old, Too Cold ★★ (2006-04-20 21:46:09)

HATE IS THE LAWのサビなど今までキャッチーなリフも書いてきたDARKTHRONEですが、この曲は全編がキャッチー。今までの路線とは違っても、炸裂感があってかっこいいと思える仕上がり。


DARKTHRONE - Transilvanian Hunger ★★ (2004-04-09 21:54:00)

DARKTHRONE(っていうかプリミティブ・ブラック)は音質が悪いと言われていたので、
今まで敬遠していたんですが思い切って手を出してみて本当に良かったアルバムでした。
自分が買ったのはリマスター再発盤のようなのでもしかしたら皆さんが聴いているものとは
多少音質に差があるのかもしれないですが、全然聴けるレベル、というよりむしろこの音質が
かっこいい、と思わされてしまいました。
紙ヤスリみたいなザラザラで薄い感じのギターノイズから聴こえてくる細やかなメロディが
凄く綺麗で、邪悪でかっこいいです。


DARKTHRONE - Transilvanian Hunger - En ås i dype skogen ★★★ (2005-05-02 21:49:48)

時々Fenrizって実は天才的なメロディセンスを持っているんじゃ?って思う時あります。アンビエントやトラッドのプロジェクトも持ってますし。最近はこういうメロディをフィーチャーした曲はあまりやっていないようなので、ちょっと勿体無いかも。


DARKTHRONE - Transilvanian Hunger - Graven tåkeheimens saler ★★★ (2004-04-10 16:14:50)

この曲はメロディアスさやキャッチーさではタイトル曲や3曲目に一歩譲る感じですが、リフの細やかなメロディがすっごくツボに入りました。
ちなみにBURZUMのVargが歌詞を提供したらしいですがノルウェー語なので全然分かりません(笑)


DARKTHRONE - Transilvanian Hunger - Over fjell og gjennom torner ★★ (2004-04-10 16:09:34)

アルバム内で最も短いと思われる曲。
この曲が一番非メロディックかも!?最後もうひと展開すると思ったらいきなり途切れるように終わります。謎。


DARKTHRONE - Transilvanian Hunger - Skald av Satans sol ★★★ (2004-04-10 16:11:31)

この曲もタイトル曲に負けず劣らずメロディが立ってます。
やっぱり世間的に支持されてるバンドだけあってちゃんと聴き所が用意されているのがいいですね。


DARKTHRONE - Transilvanian Hunger - Transilvanian Hunger ★★★ (2004-04-10 16:07:17)

アルバム一曲目にしてアルバム内で一番キャッチーな曲。
歌詞も英語だし、割と聴きやすくてかっこいいです。
Voが感情を殆ど込めないような冷酷無比な感じのデス声で凄く良いですね。


DARZAMAT ★★ (2011-04-23 10:02:27)

ポーランド産シンフォニック・ブラック/ゴシック。
最新作「Solfernus’ Path」は日本盤も発売されています。


DARZAMAT - Solfernus' Path ★★★ (2011-04-23 10:01:40)

2009年発表の5th。

以前はゴシック色が強かったということで、線の細めで耽美な音を予想していましたが…音、めっちゃマッシブですね(笑)。ぶっといと言っても良いくらい。特に、雷の落ちたようなギターの音色には厚みがあって、エクストリームメタルとしての迫力はDIMMU BORGIRの「Puritanical~」「Death~」辺りと比較しても遜色ないくらい。ヴォーカルが声量あるグロウル中心なのも、その迫力を更に引きたてます。

しかし、デス的な迫力だけでなく、ゴシックとしての耽美さも忘れていないのが良いですよね。派手ながら、どこか仄めくような、後ろ暗い感じのメロディを弾くキーボード、ソプラノではなく、敢えて力強く中音域で歌い上げる女性Voなどによりゴシックな美しさが演出され、まるで力強い彫刻のような美があると思う。特に中近東っぽさも感じる女性Voはなかなか個性的。

あと、やはり曲自体が良いですね。
結構この手のバンドって、1曲目が最高の出来で、それを聴けばアルバム全体も把握出来ちゃう…みたいな作品も多いですが、このバンドはアルバムが進むにつれて曲も良くなってる気がします。1曲目を聴いた段階で「もう少しギターに動きが欲しい」と思ってたんですが、聴き終わる頃にはその不満は解消されてました。

DIMMUやCRADLEなど、メジャーでドラマティックなシンフォブラック好きな人なら一聴の価値ありです。


DAWN OF ASHES ★★ (2011-04-03 22:24:33)

以前はインダストリアルだったというアメリカ産シンフォニック・ブラック。
シンフォブラックに舵を切った3rdは、日本盤も発売されています。


DAWN OF ASHES - Genocide Chapters ★★ (2011-04-03 22:26:09)

2010年発表の3rd。

今でこそ完全にシンフォニック・ブラックのスタイルですが、このバンド、以前はインダストリアル/EBMを演っていたらしいですね。その感性のせいなのか、最近のバンドに多い、ド派手なキーボードと共に爆走するシンフォブラックとはやや異なる路線で、妖しげなキーボードを巧みに使って重々しく破滅的な情景を描いていくような音ですね。

メロディのセンスはかなり良く、特に中近東っぽいメロディが印象に残る「Transformation within Fictional Mutation」などは出色の出来。ジワリと破滅が忍び寄るようなムードは、煌びやか、とは言い難いですが、「Midian」「Bitter~」期のCRADLEのようなホラーっぽい雰囲気があると思います。

ただし、雰囲気重視のせいか、バンドサウンドとキーボードの関係に、ちょっと物足りなさを覚える感じもしますね。バンドの上にキーが乗ってる感じで、今ひとつ「絡み」の濃厚さが足りない感じ。バンドの音自体(特に刻みリフ)も少し作り物っぽさがあるのが気になる。まあ、印象的なフレーズが多いので帳消しにはなってますが。

あと、1曲目がラスト近くまでキーが脇役なので、少し取っ付きづらく感じるかも。アルバムの構成上は、この1曲目がなにか悪魔的なものを呼び出す儀式のようでもあり、悪くはないんですが。シンフォ系期待した聴き手に真っ先に届く音としてはインパクトが少ないかも。

雰囲気物であることと、メタルであることのバランスが良く、ホラー的な情景をシンフォブラックで味わいたい人にはお勧めの作品。ただ、個人的にはそのバランスが良すぎて、却って小粒に聴こえてしまうかも。もう少し壊れた部分があっても良かったとも思います。


DAZZLE VISION - Crystal Children ★★ (2009-07-20 19:46:00)

2008年発表の3rd。
「記憶とゆう無限の光を放つ美少女」
…これは帯コピーからの引用ですが、さてどこから突っ込んだものやら(笑)。
確かにヴォーカルの人は美形ではあるけど…それを自分で言うとちょっと滑稽かも。
…最近、メタル/ヘヴィロック的な音像にポップスや歌謡曲の影響を受けた歌メロを入れた
バンドが増えている気はしますが、他のバンドと比べるとこのDAZZLE VISIONは「ポップ性」の
強さが段違い。曲によってはバラエティ番組のエンディングテーマになったり、音楽番組の
特集でプロモが流されたりしても何の違和感もなさそう。確かに悲壮感の強い曲もありますが、
ゴシック的な絶望感ではなくて…失恋ソングの悲しさをデスヴォイスで強めたという感じで、
(デスヴォイスに耐性があれば)かなり受け入れやすいと思う。
ヴォーカルの歌い方もメタルシンガーというより、浜崎あゆみさんや倖田来未さん辺りの
ポップス系シンガーに近い感じですし、普通にカラオケに配信されたりといった人気ぶりも頷けます。
でもポップ性の高い音楽性だからこそ、ヘヴィな演奏やデスヴォイスといった要素も
より際立って聞こえるんでしょうね。デスヴォイスもまあまあ迫力があって、悪くないと思います。
ちなみに、このバンドはゴシックの文脈で語られることも多いようですが…これ聴く限りでは
ポップスの世界観をヘヴィロックの手法で表現してる感じで、全然ゴスな感じはしません。
…バンドのキャッチコピーに「美少女」という単語を使ってしまうような、ナルシスティックさが
「ゴシック的」なんだったりして…。


DE ARMA - Lost, Alien & Forlorn ★★★ (2014-05-11 14:48:29)

2013年発表の1st。

BERGRAVENやFEN、WHIRLINGなどポスト要素の強いブラックを演っているメンバーによって構成されたバンドですが、これらのバンドと比べてもブラック要素は薄い作風ですね。ブラックの刺々しさではなく、陰りと浮遊感を演出するギターワーク、ミッドテンポ中心のロック寄りのリズム、殆どのパートをマイルドなクリーンで歌うヴォーカルなど、ブラックと言うよりむしろディプレッシブなロックという感じの音。

クリーンヴォーカルの声質(これが鬱々としながらも色気のある声で、かなり素晴らしい)がOPETHのMikael似である事や、全体を通じて頽廃的で現生に倦んだようなな雰囲気が漂っている事などから、OPETHの「Damnation」アルバムに通じるものを感じるんですが、こちらはもっとドープで、精神的に追い詰められたものを感じますね。LIFELOVERの持っていたアーバンで病的なムードを加えた感じ、というと近いかもしれません。

意外にキャッチーな歌メロがある2曲目や3曲目など、病んだ雰囲気を醸し出しながらもある程度「取っ掛かりやすさ」のようなものがある作品。この鬱々とした空気感、聴いているとどんどん駄目になっていきそうで実に心地良い(笑)。ブラックを離れ、語弊を恐れずに言えばお洒落な音になっても、全力でマイナスの方向を向いている感性がほんと素晴らしい。


DE INFERNALI ★★ (2011-09-02 00:36:31)

DISSECTIONのJon Nodtveidtらによるアンビエント。
ダークアンビエントに興味を持ち、特定の目的を持たずに曲を作っていたJonに、ルームメイトのMidvinterが声を掛けた事で結成し、作品をリリースする事になったとか。


DE INFERNALI - Symphonia De Infernali ★★ (2011-09-02 00:37:40)

97年発表の1st。

私は2010年に再発されるまで、このプロジェクトの存在を知らなかったので、聴いたときは結構衝撃がありましたね。北欧のブラックメタルに関与するミュージシャンは、ダークアンビエントに傾倒する人が多いですが、Jon Nodtveidtもこういうプロジェクトを持っていたとは知りませんでした。

路線は、BURZUMの獄中作やSATYRICONのSatyrのWONGRAVENなどに近い、メロディアスなシンセ・アンビエントと、4つ打ちのリズムにサウンドトラック的な分かりやすいメロディを乗せた、インダストリアル曲の2つが中心。ラストの曲だけはノイズ系のカオスな音ですが、全体的に割と聴きやすい感じ。ヴォーカルも入っており、特に「Sign of the Dark」では、マイルドに、威厳を持って歌い上げる、Jonのクリーンヴォーカルというレアなものまで聴けてしまいます。

しかし、やはりメロディック・ブラックの1スタイルの雛形を作り上げた、真祖とでもいう人のプロジェクトだけあって、メロディが非常に分かりやすいですよね。シンセアンビエントとしては、持続音や反復に過剰に意味を持たせる(聴き手が意味を積極的に探る/感じとる必要がある)スタイルではなく、あくまでメロディで情景を描いてくれる分、取っ付きやすいのではないかと思う。

正直、リズムの単調さとか音作りのチープさとかで、サイドプロジェクトっぽさ(本業のアンビエント職人っぽくない感じ)はあると思うんですが、個人的には入りやすい作品で好きですね。変にマニアックな方向に行かず、ブラックメタルに通じるダークな世界観を分かりやすく演出してくれる、良い作品だと思います。DISSECTIONのJonの違う一面を見たい方なら買って損はないかと。


DE MAGIA VETERUM ★★ (2010-09-09 23:21:00)

オランダ産アヴァンギャルドブラック。
GNAW THEIR TONGUESのMories氏による独りプロジェクト。
A FOREST OF STAR等のリリースで知られるTranscendental Creationsに所属。


DE MAGIA VETERUM - Migdal Bavel ★★ (2010-09-08 06:43:00)

2009年発表の2nd。

GNAW THEIR TONGUESのメンバーによる独りブラック、SORT VOKTER(Ildarn氏の別バンド)やA FOREST OF STARなどとレーベルメイトという時点で、常軌を逸した音楽である事は容易に想像が付きますが…その想像の通りの、巨大なヤスリの壁に擦り殺されるような、ノイズ一歩手前の轟音リフが横行する、非常にノイジーなブラックメタル。ヴォーカルも半狂乱の絶叫スタイルで、音の塊の中でもがいているようで、イカレ度はかなり高い。神経に障る通り越して、神経を綯い合せて引きずり出すようなカオティックなリフも凶悪。

タイプとしては、ILDJARNやWOLDが近いでしょうか。
上記のバンドを始めとした、ノイズ系ブラックのバンドはよくシンプルな曲展開で音像そのものを聴かせる手法を取る事が多いのに対し、このバンドは展開もパーツの種類も多めなのが特徴ですね。洞窟系ダークアンビエントなパートあり、リズムとリフの轟音が工事現場以上のド爆音パートあり、シンフォニックなキーとメロウなベースによるメロいパートあり、メロブラとして意外とまともなギターフレーズあり…と、表現の手法はかなり多彩で、綺麗な音質で演ったとしてもカルトな支持は得られたであろう質の高さ。それが全部強烈にノイジーで猛悪な音像にブチ込まれ、凄まじいカオスと化してます。

ノイズ系ブラックだけでなく、DSO等のカオティックな作風のブラックが好きな方にも推薦。GNAW THEIR TONGUESと比べると今一つ話題に上りませんが、こっちも良いですよ。


DE MAGIA VETERUM - Migdal Bavel - Migdal Bavel ★★★ (2010-09-09 23:20:36)

中盤の、ギターリフの圧殺力とリズムの強烈さが一丸となって、まるで落盤に巻き込まれたかのような凄まじさを演出するパートがとにかくインパクトの強い曲。ギターのフレーズも良い感じに狂ってますね。普通の音楽ファンには拷問、エクストリームなものが好きな人にだけご褒美、みたいな(笑)。


DE MAGIA VETERUM - Migdal Bavel - Rapture ★★★ (2010-09-09 23:21:21)

こういう、メロブラとして普通に優れたリフを書ける辺り、Mories氏は一般的なブラックも演ろうと思えば出来ると思う。その才能を極端な方向に向けてるのが素晴らしいわけですけど。バックのゲーム音楽みたいなキーが、ヤク中患者の脳内のお花畑のようで素敵です。


DEAD OR ALIVE 4 (2011-01-04 21:48:10)

個人的に格ゲーで一番鬼門なシリーズ。
このソフトも、買ってしばらく遊んだけど未だにシステムが理解できない…
打撃・投げ・ホールドの3すくみが売りらしいですが、悲しいかな私の
反射神経では反応するのはまず無理。ガチャプレでも勝てることは勝てるんですが、
何回やってもこのゲームの「本当の面白さ」にたどり着けない、そんな印象。
ストイックな人はもう技とか覚えてるんだろうけど…ヌルゲーマーには辛いです。


DEAD RAVEN CHOIR - Cask Strength Black Metal ★★ (2007-12-01 00:15:00)

2005年発表の2枚組音源集。999枚限定。
…よく参考にしているブログで紹介されてて、「フォーク系なのにノイズ・プリミティブって一体どんなのだろう」と興味を持ったんですが、これは面白いですね。本当にフォークとノイズの要素を両立させているブラックメタルです。

基本的にはILDJARNやSORTSIND、AKITSA等同様、「音質の悪いバンドサウンド」を超越して、ノイズミュージックの域に達したようなブラックですが、ILDJARNなんかはまだバンドサウンドである事がちゃんと分かるような音楽性ですが、こっちは多くの曲がドラムが入ってるのかも不明、リフも判別が難しいほどに歪んだ真性のノイズに近いサウンド。ドラムが聴こえにくい分、ILDJARNよりも少し取っ付きづらいかもしれません。ほとんど音飛びのような曲間のつなぎといい、かなり徹底してます。

クレジットを見ると、フィドルやチェロ、バンジョーやマンドリンなんかが使われているようですが、それらの楽器がノイズ地獄の中から微かにフォーク的メロディを奏でてます。曲によってはマンドリンが琴に聴こえるし、メロディもどこか和っぽく聴こえるしで日本人にも案外受けるかもしれません。日本のノイズって海外での評価も高いようですし。そう思い始めると、ジャケもどこか和風ホラー的な雰囲気がある気も…?

ですが、ノイズ的手法とフォークを両立させている事よりも、本当に凄いのはチェロの使い方かもしれません。チェロのうねりのある、有機的な音色がノイズのザラついた無機質なサウンドと絡むとなんとも言えない、独特のフィーリングがあるんですよね…。この感覚、狙って出してるんでしょうか。だとしたら凄いと思います。

そういう訳で、JAZZKAMMERやMERZBOWが大丈夫なブラックメタラーにはかなりお勧め。余談ですが、このアルバムは2枚組で、ディスクの番号の表記が無いです。しかも開封したら、なぜかDISK2の方が上に入ってました…。そんな所まで過激にならなくてもいいのに(笑)


DEAD TO THIS WORLD ★★ (2012-07-05 12:55:41)

IMMORTALを始め、NECROPHAGIAやGRIMFISTなど多くのバンドに参加し、ブラックメタルシーンに貢献してきたIscariahの在籍するバンド。IMMORTALよりもスラッシーな感触の強いブラックメタル。


DEAD TO THIS WORLD - Sacrifice ★★★ (2012-07-05 13:00:08)

2011年発表の5曲入りEP。

最近のIMMORTALやIMMORTAL絡みのバンド(DEMONAZ辺り)って、ブラックの邪悪さやエクストリームネスがあるのは勿論なんですが、それ以上にヘヴィメタルとしてしっかり芯の通った作品をリリースしているという印象があるんですが…このバンドも例に漏れず、メタルとして非常に骨の太い、ストレートなかっこよさを感じさせるブラックを演ってる感じですね。

ただこちらはIMMORTALよりもスラッシュの影響がより強く出た曲作りで、展開はもっとコンパクトでキャッチー。取っ付きやすい音ではあるんですが、シーンの牽引者の矜持を見せ付けるかのような、明度も温度も同時に下げるような、邪悪なトレモロや妖艶なリードメロディも使い、それがキャッチーな曲作りの中で非常に映えてるんですよね。ただ叫ぶだけでなく、搾り出すような表現力を発揮するヴォーカルもなかなかで、分かりやすい邪悪さとかっこよさのある作品。

個人的には、IMMORTALやDEMONAZの直近のアルバムよりも気に入ってしまった作品。スラッシーな熱気とメタリックなかっこよさ、ブラックの邪悪さ寒々しさが互いをスポイルし合うことなく、見事に組み合わさった良質な音源。ちょっと演奏時間は短いですが、お勧めです。


DEADLY CARNAGE - Manthe ★★ (2014-12-17 21:56:23)

2014年発表の3rd。

このバンド名だけ見たら、とてもポストブラックとは思えませんよね(笑)。しかし実際の出音は、儚さや幻想的なムードを多分に含むメロディ、パーカッシブなフレーズも多用するドラミング、どこか土着性を感じさせる、泥臭い厚みのあるリフの音色などが合わさり、夢見るような雰囲気を醸し出す、ポスト/シューゲイザー路線のブラックメタル。

ただし、メロディには温かみだけでなく、時折メロディックブラック勢がやるような、マジェスティックな感触も含まれていたり、感情を込めながらも、線の細さを感じさせない野太いがなり声のヴォーカルは、鬱ブラック的なネガティビティを感じさせたり、ブラックメタル由来の過激な部分も色濃く残しているのも特色ですね。

…なんでこの音楽性でこのバンド名なのかという疑問は残りますが(笑)、独特の世界観を描いているポストブラックである事は間違いないです。繊細なだけではない、カルトなムードがあるのでブラックから離れ過ぎた音楽性はちょっと…という方にもお勧め出来そう。


DEADLY FROST - Voices from Hell ★★ (2014-09-19 22:07:56)

2012年発表の1st。
これまでにデモやスプリットは数多く出しているようですが、フルアルバムとしては初。

個人的に、このバンドの音を聴いて思い起こしたのはアメリカのABSUですね。スラッシュの影響を色濃く残した、刻みリフを多用しテンションの高い、ダーティな熱気を孕んだ感触はあのバンドと通じるものがあると思う。ABSUが時々演るような、痴漢にあった女の子の悲鳴を思わせる、ブラックにそぐわない素っ頓狂なハイトーンが聴けるのが、あのバンドを想起した大きな要因かもしれません(笑)。

ただし、ABSUはキレの良いリフ捌きと、テクニカルな演奏、持ち前の暴虐性で特に近年エクストリームメタルとしてはかなりメジャーな作風になってきていると思いますが、このバンドはRawで地下臭いムードや、カルトでインモラルな空気感を重視していて、プリミティブ志向が強めなのが大きな違いですね。メタルとしての完成度であれば圧倒的にABSUの近作ですけど、アングラ度という事であればこの作品の方が上でしょう。こちらの方が大分マニア度高め。

ちなみにポーランドの暗黒ブラックとして高い評価を得る、MGLAやKRIEGSMASCHINEのメンバーも関与しているようですが、こちらは邪悪さがサタニックで宗教的な雰囲気からよりも、アングラな熱気から来ている感じなため、大分聴き心地が違うのも興味深いですね。ダーティなブラックが好きな人にお勧め。


DEADMAN - SPIRITO DI PIETRA ★★★ (2011-12-01 21:52:21)

2011年発表の1st。

まずオープニングの、アルペジオが浮遊感を演出し、そこにサブリミナル効果がありそうなキーや、脳内を無数のミクロの虫か這い回るようなノイズ、打ち込みのリズムが絡み奇妙な世界観を演出する、凝ったインストからしてかなり期待感は高まりますが…本編の方もちょっとアヴァンギャルド入った、個性派なブラックを展開してますね。

基本は多少ミニマルな部分もありつつ、パーツ自体は典型的なブラックメタルなんですが…出音にしろ展開にしろ、少しずつ変わってるのが特徴。まずドラムの音が結構個性的で、ILDJARNの一部の作品で聴けるようなスチスチドラムに近い、奇妙に抜けの良い音。この音がインダストリアルっぽい雰囲気を加味していて、ギターリフの閉塞感のある歪みとミスマッチな様でいて意外に合ってるんですよね。

ブラックらしくトレモロリフの含有率も割と高めなんですが、他のバンドのように寒々しさや邪悪さ、儚さなどにはあまり向かわず、メロディに洗脳的な雰囲気があるのが独特。ヴォーカルの歯の隙間から憎しみが漏れ出してるような叫びと、語りかけるようなガナリを使い分けるサイコ入ったパフォーマンスも相俟って、更に洗脳めいたムードが高まってます。

また、時折殺伐とした平坦リフの下でベースを生温かく蠢かせたり、人の悲鳴をサンプリングしたような、奇妙な音色のキーを入れたシンフォパートを導入してみせたり、ブラックとしては非定型的なアプローチも随処で見られますが…ポストブラック要素を入れ過ぎてブラック本来の攻撃性を失わないのが良いですね。特にラストの曲、曲の途中でなにか霊的な存在と交信するようなパートが出てくるのが面白い。そのパートのムードが濃いせいで、ポストブラックにありがちな「薄れた」感は全くないですし。

欲を言うなら、イントロであれだけ濃厚に打ち込みを用いて妖しい雰囲気を演出できてるのだから、それを本編にも取り込んで欲しかったところ。ラスト曲の濃さを思えば、このバンドならブラックの攻撃性やカルトさを薄めることなく、それが出来るように思うんですよね。


DEADWOOD - Ramblack ★★ (2008-11-04 22:07:00)

2008年発表の2nd。
ex-MAYHEM、SKITLIVのManiacが歌詞・ヴォーカル・ギターでゲスト参加。…といっても彼の声は全編にフィーチャーされており、実質的に全面参加なので彼のファンとしてはもうそれだけでも買いです(笑)。

この作品の音楽性は一言で言えば「ノイズ系ブラック」にカテゴライズされるものですが…心霊スポットでラップ現象や怨霊の囁きをレコーディングし、そのまま加工したかのような曲、DARKSPACEからノイズ要素を抽出・純化した轟音で責める曲、「邪悪な波動」という言葉をそのまま音楽に具現化したような曲など、曲のタイプは色々ありますが、バンドのアンサンブルが全く入ってないのが特徴ですね。ノイズ音楽の手法でブラックメタルの情景を描いたような作風で、同じくノイズの手法でエクストリームメタルを体現したJAZZKAMMERの「Metal Music Machine」に近いアルバムだと思います。

ちなみにManiacの声はノイズ塗れに加工されていたり、呻きや語りを交えたシアトリカルなパフォーマンスを聞かせたりしてWLAの頃のような生々しさこそ余りありませんが、彼の声が情景や音像にしっかり組み込まれていてファンとしてはまあまあ満足。ただ、私はノイズ系ブラックも割と好きなので問題無いですが、「Bloodcult」辺りは硝子を引っ掻く音に近い音も出てるし、この系統駄目な人が彼のネームヴァリューだけで聴くのは少し辛い物があるかもしれません。

真夜中にスピーカーで聴くのは余りお勧めできない作品。近所で「あの家には幽霊が住んでる」との悪評が立っても責任は取れません(笑)。


DEAFHEAVEN ★★ (2011-09-07 18:22:59)

アメリカ・サンフランシスコのポストブラック。
去年結成したばかりですが、早くも一部で熱狂的な支持を得ている模様。


DEAFHEAVEN - Roads to Judah ★★★ (2011-09-07 18:23:38)

2011年発表の1st。
4曲約38分という、大作主義な構成の作品。

まず、最初のSEとバンドサウンドの繋ぎの上手さからして、なにか神懸かり的なものを感じますよね…。日常の喧騒が、ドローンの被膜越しに聞こえるSEは、それだけで日常から切り離されていく感覚を覚えますが、それとうっすらギターノイズが覆い、浮遊感のあるアルペジオとトレモロが響くバンドサウンドが、情景を途切れさせる事無く繋がっているのが凄い。個人的には、この部分の情景描写の上手さにはALCESTの1stを聴いた時の様な感動を覚えたり。

その後、ブラックメタルの本編に入って行く訳ですが…個人的にはこうしたポストブラック的なアプローチもありつつ、路線自体は絶叫ヴォーカルと疾走、トレモロリフで聴かせるという、スタイルそれ自体はブラックメタルをがっつり踏襲してくれるのが嬉しい。ギターノイズに常に包まれ、そこに儚いトレモロが乗るというスタイルは、WOLVES IN THE THRONEROOMやFARSOT辺りのバンドを思わせます。

3曲目の、魂を「あっち側」に喚ぶ鈴の音色のようなギターの音色であったり、4曲目のアルバムクライマックスにおける、精神が血を流すのが目に見えそうなほどの激情的なトレモロリフであったり、聴き手の心に訴えるような情景を音で表現する事に関しては、新人バンドながら、既にベテラン勢を食えるような域にいると思う。去年結成したバンドだと聞いたときは耳を疑いましたもん。

ALCESTを始め、WOLVES IN THE THRONEROOM、LITURGYなど、何気にポストブラックやシューゲイザーブラックって、日本盤のリリースが多いんですよね。この作品はこの手を愛好するリスナーの間では既にかなり評判になってますし、この流れで行けば日本盤リリースも近い…のかも。


DEATHCODE SOCIETY - Eschatonizer ★★★ (2016-08-26 10:40:28)

2015年発表の1st。

…なんというか、このカヴァー曲の並びはずるくないですかね(笑)。JUDAS PRIESTで正統派メタルファンにもアピールしておきつつ、ラスト限定盤のみにEMPERORのカヴァー入れるとか…そりゃブラック好きなら興味惹かれない訳ないじゃないですか…!!

そして内容の方もEMPERORをカヴァーするのに恥じないほど、オーソドックスでハイクオリティなシンフォニック・ブラック。キーボードこそ大仰ではありますが、ギターリフが結構不穏なものを弾いていたりするので、ピリッとしたインテンスさが効いている印象。ヴォーカルの絶叫が(特に中期の)EMPERORに近いことも相俟って、EMPERORの2ndと3rdのミッシングリンクを繋ぐような作品にも思えます。

Osmose産らしく、メタルとしても非常にクオリティが高くJUDAS PRIESTのカヴァーで何となく手を取った人も唸りそうな感じですが、肝心のEMPERORカヴァーは…。このアルバム本編準拠の音作りになっており、原曲の緊張感溢れるリフ捌き、魔術的なキーボードのフレーズをより鮮明に楽しめますが…特にクリーンヴォーカルなどのカリスマ性が足りないように感じてしまうのは、Ihsahn信者だからでしょうか? なにか朗々さが足りない…。まあクリーンは本編でも微妙でしたが。

ともあれ最近のシンフォニック・ブラックとしてはかなりの好物件。変に聴き易過ぎたりせず、禍々しさや終末感などをがっつり感じさせた上での華美で高品質なシンフォブラックなのが嬉しいところ。


DEATHCULT ★★ (2011-10-12 01:07:45)

TAAKEのライブメンバー、Thurzur・Skagg兄弟が中心となって活動するノルウェーのブラックメタルバンド。TAAKEの作品もリリースするDark Essenceより1枚のアルバムをリリースしてます。


DEATHCULT - Cult of the Dragon ★★ (2011-10-12 01:16:26)

2007年発表の1st。

裏ジャケに燦然と輝く「True Norwegian Black Metal」のロゴや、TAAKEのHoestが参加してることからも予想が付く通り、大分TAAKEに近い音ですね。割と辛口でRAWな音作りをしながら、プリミティブ系とは一線を画す、ギターソロも入る展開のある曲作りが似てると思う。痰を吐くかのような喚き散らすヴォーカルも、Hoestのスタイルに大分影響を受けていそうな感じがします。

ただこちらはTAAKEよりも曲や音の作りが粗く、丁度初期DARKTHRONEのムードを足したような感触があるんですよね。粗さだけでなく、あの頃のDARKTHRONEが持っていて、多くのフォロワーが出せていない、独特の刺々しい雰囲気まで受け継いでいるのが素晴らしいと思う。「True Norwegian Black Metal」のロゴを掲げるのに相応しい音を出してると思います。

TAAKEよりも少しマニア向けの音ではありますが、TAAKEが好きならこちらも押さえておいて損はないかと。


DEATHLIKE DISSONANCE ★★ (2010-06-19 21:00:00)

日本在住のアメリカ人によるブラックメタルバンド。
…これは「国産ブラック」にカテゴライズしていいんでしょうか(笑)。


DEATHLIKE DISSONANCE - THE FIRST TO DIE (2010-06-19 20:50:00)

2009年発表の自主制作1st(7曲30分弱)。
メンバーがアメリカ国籍、日本在住という経歴に何となく惹かれて購入。

ブラック特有の摩擦係数の高いリフや、寒々しいリフを疾走に乗せたり、アトモスフェリックなキーボードにより妖しい雰囲気を演出したり、メロデスにも通じる泣きの強いギターメロを入れたりなど、メロブラに典型的な要素も多く盛り込んでますが、時折ブラックには珍しいレイドバックした(ように聞こえる)リフとリズムの絡みがあったり、割と癖の強い作風。

高音絶叫、エフェクト掛けた咆哮、語りを使い分けるヴォーカルはなかなかかっこよく、特に高音絶叫は聴いていて小気味良さを感じるくらい、伸びのある歪み方で素晴らしい。ただ、音質ははっきり言って悪いです。音が小さい上に、音を上げても各楽器の音に迫力は感じられない…粗いでも汚いでもなく、純粋にしょぼい音という感じ。この音質のせいで、ツーバス連打が頬を撫でる程度の迫力に、レイドバックしたアンサンブルが退屈に聴こえてしまってると思う。プリミティブ性や、RAWさを変な風に解釈してしまってるのでは…

意図が解りやすい分、ILDJARNやDARKTHRONEの方がよっぽど「良い音」であると思う。少し「タメ」を重視しすぎな曲展開とも相まって、劇的さが殺がれてしまってるような気がします。現時点では、Voに魅力を感じつつも、ちょっとマニア向けかな…と思う。クリアにするにしろ、逆に汚くするにしろ取り敢えず音質を変えて欲しいです。


DEATHLIKE DISSONANCE - THE FIRST TO DIE - BREEDING THE DYING ★★ (2010-06-19 20:58:55)

疾走パートは、ドラムの音もRAWで悪くないし、リフも印象に残るメロディでかっこいいんですが…そのパートを余り続けてくれないのが残念。パーツは悪くないのに、引っ張るべきパートを引っ張らないで、そうでないパートを引っ張りすぎている印象。


DEATHLIKE DISSONANCE - THE FIRST TO DIE - CARNIVAL OF SOULS (2010-06-19 20:59:52)

3分前後の曲が多いアルバムで、イントロのSEに3分以上割くとか…やっぱりこのバンド、今の時点では「引き」が上手くないと言わざるを得ないと思う。儀式的なムード作りは、決して悪くはないんですが…。


DEATHLIKE DISSONANCE - THE FIRST TO DIE - ETERNAL EPIDEMIC (2010-06-19 20:58:00)

まるで草原の風のごとく、爽やかに頬を撫でるようなツーバス連打(褒めてません)。そこに乗るトレモロリフの叙情的なメロディといい、プロダクションをしっかりする(あるいは粗くてもいいからぶっとい音にする)と普通にかっこいい曲になりそう。


DEATHLIKE DISSONANCE - THE FIRST TO DIE - WHEN THE BATTLE IS OVER (2010-06-19 20:54:10)

開幕からなかなかかっこいい咆哮を聴かせてくれる1曲目。
でも曲のメインがアトモスフェリックで儀式的なパート、レイドバックしたアンサンブルのパートと、どちらも「引き」で使いそうなパートなのが惜しいですね…なにか少し変えれば劇的に変化しそうなんですが。


DEATHMOOR - Opus Morte Ⅲ ★★ (2013-03-21 21:12:59)

2012年発表の3rd。

メンバーが関与するLASHBLOODほどあからさまに表に出ている訳ではないものの、こちらもアヴァンギャルドというか、不条理なムードが漂うブラックメタルを演ってますね。邪教の祈祷師の祈りのような、不気味なクリーンヴォーカルを取り入れた、ややRAWなブラックで、特にスロー~ミドルのパートではねっとりとしたベースも相俟って、バンド名の通り死の沼に引き込まれていきそうな雰囲気。

ミドルパートのムードの濃さとは裏腹に、疾走パートの極悪ぶりにも目を瞠るものがありますね。ヴォーカルといい演奏といい、殺す気全開で襲い掛かってきてます。ただ金属質なRAWさの目立つ音質は、疾走パートでは荒々しさを際立てていてフィットしているものの、オーガニックな不気味さの強いスローパートではちょっとそぐわないかな…と感じる部分も。スロー~ミドルパート中心な作風だけに、個人的にはもう少し腰の強い粘液質な音だと良かったと思わなくもないかも。

この界隈では有名なレーベルであるDAEMON WORSHIPから出てるだけあって、ブラックメタルの邪悪さや不気味さ、隠匿性といったものはビシビシと伝わってくる作品。このレーベルに目をつけてるくらい熱心なリスナーなら聴いて損はないと思います。


DEATHRONIC - Duality Chaos ★★ (2014-10-29 11:50:53)

2013年発表の7曲入りEP。

フランス産の独りブラックのデビュー作という事ですが、これがかなり高品質なメロデス寄りシンフォニック・ブラックで驚きました。メロウなリードギター、刻みを多用したメタリックなリフなどバンド部分はかなりメロデスに近い感じですが、耽美なメロディ使いやソプラノの導入による耽美さの演出や、時折エスニックやインダストリアルな味付けが入る構成など、様々な要素を取り入れてドラマティックでシネマティックな音楽を構成しているという感じ。

独りブラックとしては音はなかなかに骨太で、ヴォーカルのグロウルもそれなりに迫力があって悪くないですね。個人的にかなり耳を惹いたのが、リードギターによるメロディ。特にオープニングが終わっての2曲目、まるでRPGのラスボス戦のような、哀愁が漂いつつもヒロイックなメロディを奏でていて、思わずグッと来てしまいました。このリードギターのメロディの傾向で、よりメロデスっぽく聞こえるように思うんですよね。

デビュー作ながら、メジャー志向かつかなりのクオリティのものを聴かせてくれる作品。邪悪さやアングラ感こそ希薄なものの、シンフォ系好きであればチェックしておいて損はないでしょう。


DEATHROW (ITALY) - Desolating Cosmic Intuition ★★ (2014-08-05 20:35:05)

2011年発表の3rd。

この「死刑囚の列」を意味する単語を冠したバンドといえば、80~90年代に活躍したジャーマンスラッシュのバンドの方が知名度が高いようですが、こちらは現在も活動するイタリアの鬱ブラック。葬式ドゥームのような極端に遅いテンポではなく、ミッドテンポを中心で展開する作風で、様々なバンドを渡り歩いてきた経歴を持つThornsことGionata Potenti氏による独りバンドだけあって、ジャンルの王道ながら外さない音。

実は鬱感情を華々しく込めるようなトレモロリフはメインではなく、平坦に刷り込むようなリフが中心の作風で、ぶっちゃけて言うと少々地味めな作風…ではあるんですが、リフは取り立ててフックがあるという訳ではないものの、誰が聴いても鬱れるような分かりやすい陰湿さが込められているのが良いんですよね。地味目だからといって、聴き手に鬱感情を共有させる力まで弱い訳ではない(むしろジャンル内でも強めだと思う)辺りが、流石歴戦のブラックメタラーという感じでしょうか。

根の深いネガティビティが実に分かりやすく詰め込まれた作品。好き者ならば心地良い鬱感情に浸れるアルバムです。真っ暗な海をいつまでも独りで眺めているような感じ。


DEATHSCYTHE - ANOTHERSIDE SQUEAL WITHIN ★★★ (2008-03-22 20:23:00)

2006年発表の1st。
このバンドも、プリミティブな感触を強く打ち出したブラックメタルを追求しているのはARKHA SVAやSSORC、MANIERISME辺りと共通してると思いますが、このバンドが一番メロディに日本らしさを感じられますね。スタイル的にはノルウェイジャンっぽいですが、時々現れるメロだけ聴いたら桜と特攻隊員だとか昭和の街並みだとかいった風景が浮かんできそうな、レトロな日本的情緒を湛えたメロディが素晴らしく、個性になっていると思います。音質も上記のバンドと比べるとギターに少し金属的な響きがあって、独特な感じがしますね。

また、ヴォーカルもかなり素晴らしいです。
物陰から獲物を狙う猛獣のような狡猾さと、獲物を捕らえる蛇のようなしなやかさを備えた、声帯の軋む音がそのまま聴こえてきそうな生々しい絶叫。スタイル的にSIGHの川嶋さんのデスヴォイスとも似てる気がしますが、最初期(Wrath of the Tyrant期)のEMPERORのIhsahnにも通じる自棄くそな殺気も感じられて最高。全編渡って血管切れそうなくらいのテンション。

ちなみに、メディアはCD-R(しかも手書きっぽい?)でしたが、収録時間は64分と長めで、しかも値段は1000円でした。前述の様にメロディもヴォーカルも一級品だし、リフ捌きもトレモロ一辺倒でなく起伏のある展開で聴かせてくれるし、破格の値段だと思います。ジャパニーズブラックの名盤の一枚ではないでしょうか。これは買いですよ。


DEATHSCYTHE - ANOTHERSIDE SQUEAL WITHIN - BLACK STAR ★★★ (2008-03-28 22:39:25)

個人的には、このメロディからは寒々しさとか典型的なブラック観よりも、昭和の見世物小屋で本物の怪人がいて子供を攫ったりしているような、アングラで病んでて、なのにどこか風情のある風景を想起されます。ブラックの様式を踏襲しつつ、こんな感覚を味あわせてくれる曲なんてなかなか無いです。


DEATHSCYTHE - ANOTHERSIDE SQUEAL WITHIN - CANDLELIGHT OF YOUR LIFE ★★★ (2008-03-28 22:35:50)

メロの良さそれ自体も然る事ながら、聞かせ方も巧みだと思います。
爆音の中でメロディに込められた叙情が、美しい軌跡を描いていくような視覚的効果がある感じ。


DEATHSCYTHE - ANOTHERSIDE SQUEAL WITHIN - CRUELTY PROMISE AND BLOODY RITUAL ★★ (2008-03-28 22:37:14)

刃物を連想させるようなリフの音色が実にかっこいいです。
ベッド上の処刑台に四肢を拘束されて、そこにいくつもの回転ノコギリが唸りを上げて突っ込んでくる感じ。もう血みどろです(笑)。


DEATHSCYTHE - ANOTHERSIDE SQUEAL WITHIN - DWELL WITHIN ★★★ (2008-03-28 22:40:38)

日本人ってやっぱりメロディセンスが優れてると思いますが、この曲のそれは日本の一流のポップスと比べても何ら劣らないくらい素晴らしいと思います。そのメロディセンスと、北欧の一流のプリブラのエグさが融合して神曲が出来ないわけがありません。特に間奏のアコギ、夜桜の花びらの舞う下で踊るゲイシャの姿がはっきりと幻視出来る…(笑)。ラストBURZUMクラスの絶叫で締めるのも痺れる。


DEATHSCYTHE - ANOTHERSIDE SQUEAL WITHIN - ETERNAL SORROW ★★★ (2008-03-28 22:34:33)

冒頭の軍国主義という言葉を連想させるような勇ましいリズムとメロディいい、ワビサビの感じられる儚く美しい和メロのアコギといい、日本人特有の美学とブラックの凶悪さが融合した超名曲。一発目からブラック好きの心を掴んで離しません。常に極悪ながら、強弱をしっかりと付けたヴォーカルのパフォーマンスも見事。特に強く叫んでる所なんて、獣じみた…とでも形容したいところですが、獣はこんな邪悪な声出せません(笑)。


DEATHSCYTHE - ANOTHERSIDE SQUEAL WITHIN - HE'S IN MY EYES ★★ (2008-03-28 22:38:27)

メロディは和風にも聴こえるし、ヴァイキングにも聴こえるかも。
どっちにしろ叙情的で素晴らしい事には変わりありませんが。爆走パートのド迫力も圧倒的で気持ち良いですね。結構展開を設けてますが、欲を言えばそれぞれの爆走パートがもっと長かったら良かったなぁ。


DEATHSPELL OMEGA ★★ (2005-12-18 17:58:00)

現ヴォーカリストのMikko Aが良く「社長」と呼ばれているのを耳にしたので、
何でか調べたら彼は「Northern Heritage(確かILDJARNの再発とか、SATANIC
WARMASTERの作品とか出してるとこですね)」のオーナーなんですね。
ドスの利いた声で叫んでいながら社長って、なんかかっこいいです(笑)


DEATHSPELL OMEGA ★★ (2006-08-14 22:33:00)

現在3rdの続編(3部作の中編?)にあたる4thの製作中だそうです。
KENOSEといいVA提供曲といい、最近のこのバンドの完成度は凄いですよね。
今から4thが待ち遠しい…!!


DEATHSPELL OMEGA ★★ (2007-06-15 22:29:00)

>snilorさん
確か、ラテン語はVをワ行で読んだり、正確に記した時に上に棒を表記する母音を
伸ばしたり、Sは濁らなかったりなどのルールがあったと思いますが、
基本的にはローマ字の音価の通りに読むみたいですよ。
多分「ファース - イテー、マレディクティー、イン・イグネム・アエテルヌム」
みたいな感じじゃないかと…もちろん私は知ったか半分なので(苦笑)、
鵜呑みにしないでちゃんと勉強している人の意見を聞いた方がいいかも…(笑)
それはともかく、新譜楽しみですね。
毎年ブラックは素晴らしい作品が出てますが、今年も良い年になりそう…。


DEATHSPELL OMEGA - Clandestine Blaze / Deathspell Omega – Split ★★ (2006-12-16 23:51:00)

DEATHSPELL OMEGAの方が有名そうだし、こっちに登録して大丈夫かな?
フィンランドのプリミティブブラックバンド、CLANDESTINE BLAZEとのスプリット。
「CLANDESTINE BLAZE」
個人的にプリミティブの中でも大好きなバンド。
作風は、いつもとそう変わらず、ノイジーだけど紙のような薄い音質のギターと、
Mikko Aspaのロウ&ディープなデスヴォイスで聴かせるプリミティブスタイル。
4トラックアナログレコーダーで録音されたらしく、音は当然悪いですが、案外低音も
効いてて聴きやすいです。ファストに疾走する曲、ミディアムでオールドスクールな曲、
スローで陰鬱な曲で攻めてくる辺りもオリジナルアルバムと変わりません。
ただ、オリジナルアルバムでの作風と比べると、ミディアムの2曲目を除いて全体的に
メロウな雰囲気が感じられます。なのでそういう面ではオリジナルよりも取っ付きやすいかもしれません。
DSOの2ndが好きで、3rdのMikkoのヴォーカルがかっこいいと思ったなら間違い無く気に入るはず。
「DEATHSPELL OMEGA」
基本的には2nd同様のプリミティブスタイル。ヴォーカルも喚き系です。
音質は、プリミティブにしては芯が強い、厚みのあるもの。荒くて汚くはあるけど、一概に
悪い音とは言えないかも。もう少し低音が効いてたら3rdと似たプロダクションになりそう。
しかし何と言っても素晴らしいのはそのメロディセンスでしょう。3曲収録されてますが、
どの曲もメロディ方向に本気を出したときのDARKTHRONE並にメロディアス。
しかもそれだけではなく、独特の毒々しさのようなものが感じられる部分もありかなり邪悪です。
このバンド、ほんと何をやっても素晴らしいものを作ってきますね…。
特に「THE SUICIDE CURSE」の、高音域が余りにも切ないメロディは必聴。
この辺りは大傑作の3rdにも繋がっていく感じがします。
ともかく両バンドとも素晴らしい曲を持ち寄ってる名盤です。
プリブラ好きはここからDSOに触れても良いと思うくらい。
難点は、両バンドで音圧が違う為、CBを気持ち良く聴ける音量で聴いていると
DSOの方に移った時大きすぎてしまう事ぐらいですね。
しかしそんな事は些細な事に思えるほどの作品かと。


DEATHSPELL OMEGA - Clandestine Blaze / Deathspell Omega – Split - Seal of Perversion ★★★ (2006-12-12 22:14:13)

疾走→ミディアム→疾走→ミディアムと展開していく曲。
疾走パートでは荒涼感のある、ミディアムパートでは毒々しいメロディを聴かせてくれますが、特に後者は最高。聴いてると血とか紫色に変色してきそうな禍々しさです(笑)。


DEATHSPELL OMEGA - Clandestine Blaze / Deathspell Omega – Split - The Suicide Curse ★★★ (2006-12-12 22:11:31)

作風的にはいかにもなプリミティブなんですが、このメロディ…3rdの「SOLA FIDE」とか「JUBILATE DEO」辺りと比べても何ら遜色の無い、マジで聴いてて切なくなってくる素晴らしいメロディです。最早メロを担うギターの音質すらも美しく感じる…。疾走一辺倒でなく、ミディアムも交えて展開しますが、どのパートでもメロウさがあってほんとグッと来る名曲です。


DEATHSPELL OMEGA - Diabolus Absconditus - Diabolus Absconditus ★★★ (2006-02-25 19:52:43)

オムニバスに提供した、20分を超える大作曲。
タイトルの意味は「隠れたる悪魔」で、おそらくイザヤ書の「隠れたる神(Deus Absconditus)」に対応してる表現だと思います。曲的には腐肉と膿漿混じりのカオティックなリフ、アコースティックパートを含む複雑な曲展開とミニアルバム「KENOSE」の路線を踏襲しつつも、生きるのが嫌になるくらいの厭世メロディを注入したブラック…といった感じなんですが、ここまでの曲って滅多に聴けないのでは…特に最初のスローパートの、単なる繰り返しではなく形を変えながら蠢くようなリフの反復が神々しい気持ち悪さで、最高。
例えるなら、普通のブラックが神に牙を剥く曲だとしたら、この曲は神の観念自体を聴き手の中から消失させて、やがて訪れる自我の消滅という事実を突きつけ心底震え上がらせる…とかそういうレベルです。
多分オムニバスで5000円以上もするし、Deathspell Omegaはこの一曲しか入っていないので敬遠されている方も多いと思われますが、「KENOSE」が気に入った人ならこれだけで充分元は取れたと思うこと間違いなしです。他のバンドもかなり良かったし、このオムニバスは購入の価値大有りです!!社長も喜びますよ(笑)


DEATHSPELL OMEGA - Fas - Ite, Maledicti, in Ignem Aeternum ★★ (2007-07-29 22:53:00)

2007年発表の、遂に発表された4thアルバム。
私を含め、心待ちにしていたブラックメタラーも多いはず!

作風的には、大量の膿が渦巻いて襲い掛かって来るようなグロテスクな、ブラックの中でもレベルが高いと思われるリフ捌き、トップスピードがちょっと有り得ない事になってるドラム、Mikko社長の威厳、野蛮さ、悪意を兼ね備えたがなり声、大作主義でカオティック、かつプログレッシブな曲構成と、基本的にはKENOSEやVA提供曲の路線を押し進めた感じですね。

今回はドラミングが更に凄くなり、疾走パートなんてブルデスやグラインド並みの、速さが記号化する寸前の凄まじさで音質もダイナミックになっているし、不協的なピアノやメロディアスなリードフレーズが恐い箇所もあったりしてしっかりレベルアップしてる印象。曲の展開も割と極端で、ほとんどが全力でブルータルに爆走するパートか、聴き手の不安を煽るような不穏な空気を含んだパートで、その中間の、普通に疾走…みたいなかっこよさがあるパートは余りないです。BURZUMのCountやDSO自身も詞に引用した事のあるイギリスの詩人William Blakeも「対立が力を生む」という発言をしていますが、それを音楽で実践している感じで、お互いがお互いを引き立てあい、更にサウンドの神秘性を増していると思います。

ただ、爆走パートが強化されたのは個人的には一概に喜べなかったり…KENOSE以降で特に顕著な、このバンドの不穏なリフ捌きが凄く好きなんですけど、今作はちょっとドラムの音が強すぎる印象も。とは言え、歌詞の一語一語、フレーズの一音一音に深い意味が込められていそうな、深遠で謎めいた雰囲気を感じさせる音は今作でも健在。

ブラック好きなら買いだし、爆走パートの凄まじさからデス好きも楽しめるのではないかと思います。


DEATHSPELL OMEGA - Fas - Ite, Maledicti, in Ignem Aeternum - The Shrine of Mad Laughter ★★★ (2007-08-02 21:56:26)

この展開の落差の大きさ、最早「静と動」では済まされませんね。
仰る通り「静と激」って感じです。…もしくは、「死と殺」でもいいかも(笑)。しかしドラムが恐ろしい事になってますね…。


DEATHSPELL OMEGA - Inquisitors of Satan ★★ (2006-03-01 21:09:00)

2002年発表の2nd。
3rd、ミニアルバム「KENOSE」、VA提供曲「DIABOLUS ABSCONDITUS」などハイクオリティな
ブラックメタルで最近評価が高いバンドですが、この頃はプリミティブスタイルです。
音質は紙を破くようなディストーションが掛かっている所はやっぱりプリミティブだな、と
思いますが、同系統の他バンドと比べるとこの作品は低音も気持ち良く効いているように
感じました。またドラムもしっかりとオカズを入れてくるし、展開もそれなりに設けているので
結構聴きやすいかも。リフのメロディの陰鬱さもかなりのものですし。特にラスト2曲が好きです。
ちなみにヴォーカルはまだMikko Aではなく、普通のがなり声って感じのスタイルです。
時々語尾をうめくようにする所などは結構かっこいいですね。
しかし、この作品を作ったバンドが、何故同じプリミティブブラックを演奏していたバンドの
Clandestine Blazeのヴォーカルを迎えて、あんなクオリティの高い作風になったんだろう。不思議です(笑)。


DEATHSPELL OMEGA - Inquisitors of Satan - Decadence ★★★ (2006-03-01 21:15:15)

ドラムのカウントが頭にあったので、そのまま疾走に行くのかと思いきやまさに「デカダンス」って感じの重々しく、禍々しい曲調に。ちゃんとメロウな疾走パートもあるし、ヴォーカル感情入れすぎでひっくり返ってる所あるし…最後にして最高です。


DEATHSPELL OMEGA - Inquisitors of Satan - Inquisitors of Satan ★★★ (2006-03-01 21:12:28)

アルバムの中では最もリフのメロディラインが明確な曲…なんですが、そのメロディが気持ち悪いくらいに陰鬱と言うか、邪悪と言うか…聴いているとグッと来つつも、生気が吸い取られそうな感覚を覚えます。