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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2301-2400
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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2301-2400
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EMPEROR - Prometheus: The Discipline of Fire & Demise - In the Wordless Chamber ★★★ (2003-11-13 22:32:21)

この曲はめちゃめちゃかっこいいですね…
冷厳さを醸し出すキーボードに勇壮なホーンと搾り出すようなデスヴォイスが絡んで、何ともいえない極寒の空気を醸し出してます。この曲の詞、アルバムコンセプトの神話的ストーリーに沿ってますが、人間そのものを風刺しているようにも見えますね。


EMPEROR - Prometheus: The Discipline of Fire & Demise - The Eruption ★★★ (2004-01-05 22:40:48)

あまり軽々しく言うのも躊躇われますが、この曲ほど聴いて「感動」してしまった曲って殆ど無いですね…イントロのチェンバロ&ストリングス~バンドサウンドの流れがドラマティック過ぎる…
リフはどうやらイントロのチェンバロのメロディの一部を使っているみたいですが、ディストーションギターの音質の性で火の粉を散らしながら疾走しているような、イントロ部とは全く違った効果を出していて凄いです。サビの普通声も、まるで廃墟を前にした全てを失った男が嗚咽しているような哀感が感じられて本当に素晴らしい。これ以上無い程の名曲だと思います。


EMPEROR - Prometheus: The Discipline of Fire & Demise - The Prophet ★★★ (2004-01-12 22:41:33)

この曲のサビ(クリーンヴォーカルパートが入る部分)、物凄く気高い雰囲気ですね。アルバムタイトル通りのギリシャ神話の世界を音で体現してます。Ihsahnは見た目も高貴だけど、作る曲もヴォーカルも高貴です(笑)


EMPEROR - Prometheus: The Discipline of Fire & Demise - The Tongue of Fire ★★★ (2003-11-19 03:53:19)

イーサーンのデス声と普通声の使い分けが冴え渡る一曲。
なかなか凝った展開を持つ曲で、最初聴いた時は何がなんだか判りませんでしたが、じっくり聴くとやっぱりカッコイイです。特にギターなんてまるで「ギターのオーケストラ」状態なのでは…パートによっては、本当に焔の舌が世界を嘗め尽くしているみたい…
それにしても、この曲のIhsahnはカッコイイ!!デス声も1stや2ndの収録曲では音圧に押されてる感が有ったけれど、随分パワーアップしてます。「And it screams」の超ハイトーンもとその部分の地響きのようなギターも素晴らしいです。


EMPEROR - Prometheus: The Discipline of Fire & Demise - Thorns on My Grave ★★★ (2004-01-12 22:41:45)

最後に相応しい激烈さを持った曲。
この曲はTrymのブラストも凄いんですが、スネア(多分)をリズミカルに打つ所もかっこいいです。
特に最後の方でVoと「アイ!(バシン!!)アスク!(バシン!!)ナン!(バシン!!)」ってとこめっちゃツボなんですが(笑)


EMPEROR - Scattered Ashes: A Decade of Emperial Wrath ★★★ (2004-01-05 22:41:00)

EMPERORが解散後に出したベストアルバム。
このCDはベストサイドとレアサイドに分かれているため、オリジナルアルバムを全て持っている人でも購入する価値があると思います。
ベストサイドはオリジナル収録曲ばかりですが、スプリット盤の「WRATH OF THE TYRANT」が収録されていたり、「YE ENTRANCEMPERIUM」「WITH STRENGTH I BURN」「IN THE WORDLESS CHAMBER」といった名曲たちも収録されているため、新規ファンにも元からファンだった人にもアピールできるアルバムです。
対してレアサイドは中盤は実験的な曲ばかりですが、5曲目までのカバー曲連打がかなりいい感じです。
特にBATHORYの「A FINE DAY TO DIE」、MAYHEM「FUNERAL FOG」のカバーがかっこいいです。
この中ではMAYHEMのみ原曲の音源を聴いてますが、なんだかバンドに対する愛情を感じるようなカバーでとても良かったです。Atilaが普通声でコーラス入れるならこうするだろうなぁ…というのが伝わってくる感じです。


EMPEROR - Scattered Ashes: A Decade of Emperial Wrath - A Fine Day to Die ★★ (2003-12-22 20:45:55)

BATHORYカバー。
原曲は未聴ですが、哀愁漂うアコギから一転、へヴィに展開する曲構成はほんとドラマティックでかっこいいです。
へヴィパートのドラムのリズムがなんとなく癖になるような感じで好きです。


EMPEROR - Scattered Ashes: A Decade of Emperial Wrath - Funeral Fog ★★★ (2003-12-08 21:54:51)

MAYHEMのカバー曲。
オリジナルにあった疾走感と不気味さはそのままに、更にイーサーンの悪魔崇拝に相応しいノーマルボイスが追加されててかなり気味が悪い(褒め言葉)曲になっています。実はオリジナルより好きかも…
よく聴くとFREEZING MOONのイントロが少しだけ入ってます。この芸の細かさも良いですね。


EMPEROR - Scattered Ashes: A Decade of Emperial Wrath - Gypsy ★★ (2004-04-10 04:42:09)

KING DIAMONDのカバー曲。
IHSAHNの「にゃにゃにゃにゃー(ホントは何て言ってるんだろ)」が可愛らしい…とか言ったらファンに怒られちゃうかな(笑)


EMPEROR - Scattered Ashes: A Decade of Emperial Wrath - Lord of the Storms (2003-12-22 20:45:38)

元はデモ音源「WRATH OF THE TYRANT」収録の曲。
なので、音質的にはテープの歪みとしか思えないような音が入っていたり、ちょっと聴けたもんじゃないです(笑)
ですが他のどのアルバム収録曲よりもボーカルが目立っていて、しかも初期衝動を感じさせる迫力と危なさを感じさせるため、それを聴きたいがために聴いてしまいます。


EMPEROR - Scattered Ashes: A Decade of Emperial Wrath - Moon Over Kara-Shehr (2004-05-19 21:31:39)

MAYHEMの故Euronymousに捧げられたらしい曲。
なんとこの曲ではあのHellhammerが担当らしいです(MAYHEMのオフィに書いてありました)。でも音質がかなり悪く、ドラムの音にキレが感じられないのがちょっと残念です。途中シンフォニックで恐怖を感じさせる部分もあります。


EMPEROR - Scattered Ashes: A Decade of Emperial Wrath - Sworn (remix) (2003-12-24 09:24:06)

皇帝様のお戯れ!?
あの名曲が高速テクノになっちゃいました。かなり高速なのでテクノの中では聴きやすい方だと思います。


EMPEROR - Scattered Ashes: A Decade of Emperial Wrath - The Ancient Queen ★★★ (2004-05-19 21:31:21)

この曲、「WRATH OF THE TYRANT」のテイクでは全然良さが分からなかったのですが(ちなみにそこではタイトルに「THE」がついてない)、このリテイク版を聴いて見直しました。
イントロからシンフォニックで邪な空間を演出したキーが入ってくるし、ギターのメロディも耳に付くし「こんな良い曲だったのか…」って感じです。1stやデモ(の最初4曲)の路線が好きな方であれば気に入って頂けると思います。


EMPEROR - Scattered Ashes: A Decade of Emperial Wrath - Ærie Descent ★★ (2004-05-19 21:31:02)

THORNSのカヴァー曲。
スローテンポで邪悪な威風を漂わせる曲で、途中で2回ほど出てくるブラックらしい細やかなギターリフのメロディが凄く良いです。それにしてもこの曲のエンディングは意外。キーボードオンリーで民族音楽みたいな音出してます。


EMPEROR - Thorns vs. Emperor - Thus March the Nightspirit ★★★ (2007-05-03 20:22:28)

タイトル通り、「Thus Spake the Nightspirit」の別アレンジ。
メタル要素を抜き、クラシカルな曲に組み替えたもので「Opus Satana」やTHOU SHALT SUFFERでの「Somnium」などと同様の作風。デス声はありませんが、ラストの「Nightspirit~」の朗唱パートは残っており、大きな聴き所となっています。


EMPTINESS ★★ (2013-10-02 23:10:43)

ベルギー産デス/ブラックメタルバンド。
人脈的にENTHRONEDと深い繋がりのあるバンドです。


EMPTINESS - Error ★★★ (2013-10-02 23:11:52)

2012年発表の3rd。

関連バンドのENTHRONEDは真性ブラックな邪悪さと、エクストリームメタルらしい暴虐性を上手く合わせたハイクオリティなブラックを演っていましたが、こちらは更にデスメタルに接近した音ですね。メロディよりもうねり、澱みを重視するかのようなリフ捌き、重低音の地を這うかのようなグロウルなど、ブラック要素よりもデス要素の方が優勢な感じのする作風。

ただ、デスに接近するブラックメタルバンドは数多くいますけど、このバンドの音はその中でも抜きん出て緊張感があって、そして陰湿だと思う。ダークなトーンを奏でたり、神経を焼くようなメロディを奏でるリード、ブラック由来の爛れた邪悪さを表現するトレモロなど、フレーズがいちいち高い暗黒センスを感じさせるんですよね。リフとリズムのどこか粘着質な絡みもあり、時折息をするもの憚られるような重苦しさすら感じます。その雰囲気を保ったまま暴虐ブラストパートに移行したり、本気で殺しに来てる感じの音。

海外のレビューサイトとかを見てると、つまらないメタルを表現するのに「watered down(手ぬるい)」とか「mediocre(凡庸)」といった単語がよく使われますが、そういった言葉とは光年の彼方にあるような邪悪なエナジーに満ちた作品。デス化したブラックの中でも相当に高品質な一品です。ENTHRONEDも相当良かったんですけど、こちらも素晴らしい。歌詞カードが見づらいことだけがネックです(笑)。


EMPTY - Etica Profana Negativa ★★ (2015-04-21 22:21:03)

2014年発表の4th。
タイトルは冒涜的で否定的な道徳律、の意味でしょうか。

何気に結成してから20年ほど存続しているバンドらしいですが、ベテランらしいクオリティの高さだけでなく、衝動性や狂気という部分も兼ね備えた、ストレートなブラックメタル。個人的には、まだプリミティブな質感を残していた頃のWATAINを思い起こしました。

フレーズを損なわない程度のRawさを湛えたプロダクションや、ざらついた音質によるトレモロリフの寒々しさの強調など、ブラックメタルのツボを理解して演出して聴かせるような、曲作りの巧みさがありますが、全体的にヒリヒリした緊張感が感じられたり、ヴォーカルが悲痛な叫び声を上げていたり、メジャーなバンドと比較すると人を寄せ付けないようなムードが濃いような印象があります。ミサンスロピックな雰囲気の音楽を愛好する人にとっては、当然プラスな要素でしょう。

クオリティの高さと、それだけではない狂気を孕んだ一枚。ドスの効いた邪悪さがありますが、個人的にはもう一押し何らかのセールスポイントが欲しかったところです。


EMPYRIUM - The Turn of the Tides ★★★ (2016-05-24 00:52:00)

2014年発表の5th。

ネオフォーク寄りのペイガンメタルといえばまず名前が挙がるバンドですが、聴いたのはこのアルバムが初。実際に聴いてみた感じとしては、ネオフォーク「寄り」というよりは、楽曲を構成する要素の8割くらいがそっち系で、メタル要素はかなり薄め。品性を感じさせる、中音域でのマイルドな歌唱、メロディアスなアコギやピアノ、キーボードなどによる仄暗いメロディで聴かせる路線で、打ち込みのリズムなど、情景をより深く描くためならエレクトロ要素を取り入れることも厭わない音。

メロディ自体は明瞭で魅力に溢れたものですが、アルバムを通じて内省的な暗さが貫かれているのも特徴ですね。ドゥーミーに悲哀を演出するリフ、ブラックメタルに通じるような絶叫も一部とはいえ聴かれることも相俟って、初期ULVERなどの仄暗い森林系フォークブラック、ARCTIC PLATEAU辺りの内省的ポストブラックなどを好んで聴く層にも受け入れられそう。内省的ではあっても、世界観を伝える力が非常に高いので、取っ付きづらく求心力に欠ける音ではないのが素晴らしいです。

フォーク系のブラックのみならず、ゴシックドゥームやディプレッシブブラックなど、暗く美しいメロディにゆっくり耽溺出来るような音楽が好きであればお勧めです。


END ★★ (2013-03-01 23:12:10)

ENSHADOWEDのメンバーの絡む、ギリシャ産ブラック。
名前がシンプル過ぎて検索に引っかかりにくそう(笑)。


END - END Ⅲ ★★ (2013-03-01 23:12:42)

2009年発表の3rd。

タイプとしては、死霊の森から聞こえてくるような、呪わしい邪悪さを演出するトレモロ、荒涼感・殺伐感を醸し出す擦り込みリフを軸としつつ、ある程度緩急を付けて聴かせるブラックで、GORGOROTH辺りの真性系と、DARKTHRONE辺りのプリミティブ系の中間といった感じの音。引き裂くような高音絶叫と、威圧するような低~中音域のグロウルを使い分けるヴォーカルも悪くないです。

ブラックとしては良く言えばストイック、悪く言えばありがちなスタイルではありますが、プリミティブ系の響きのあるRAWなギターノイズと、タイトに響くドラムや低音が効いた音質を組み合わせた音作りは割と独特。この音質のせいで、メタリックな刻みリフを使ったパートがやたら邪悪にかっこよく、曲中において良いアクセントになってるんですよね。地獄の溶岩が煮え滾ってるようなイメージ。

何気に良質なバンドの多い印象のギリシャですが、この作品もややマニア向けながら良盤だと思います。


ENDEZZMA - Erotik Nekrosis ★★★ (2013-06-16 11:39:17)

2012年発表の1st。

2012年に残念ながらお亡くなりになったURGEHALのTrondr Nefas氏らが参加するブラックメタルバンド…との事ですが、これがURGEHALやCARPATHIAN FOREST、GORGOROTH辺りのオールドスクールなブラックメタルバンドに、オカルティックなキーボードややや前衛的な展開を加味したような路線で、独特の病んだムードがあって非常にかっこいい仕上がりなんですよね。

まず面子が面子だけに、ブラックメタル部分は安定のかっこよさ。オールドスクールなリフを中心に、メロウであったり不気味であったり、アングラな熱気を感じさせたり様々なフレーズを入れて展開するギターワークからして、一流のノルウェジアン・ブラックって感じだし、キーボードの音色選びのセンスも、バンドの熱気やノリを殺さずにホラーでプログレッシブな雰囲気を与えているあたりかなりセンス良いです。呻きとがなりの中間のようなヴォーカルは、正直好みじゃないんですけど、不気味エモーショナルで曲には合ってると思います。

オールドスクールな熱気・邪気と、前衛じみた奇怪な雰囲気が見事に合わさった、かなりの良盤。しっかりブラックの芯を残しつつ、普通のバンドにはない独特の雰囲気を出してる作品で、これを聴くと本当にTrondr Nefas氏というミュージシャンの死が惜しまれますね…。ご冥福をお祈りします。


ENDLESS DISMAL MOAN - Ruin ★★★ (2008-07-23 18:17:00)

2007年発表の3rd。

打ち込みのファストなリズムに暗黒トレモロを主体としたリフを乗せたプリミティブスタイルのブラックを軸に、キーボードインストやダークアンビエント寄りの音も絡めた作風の音ですが、これ、プリミティブ・ブラックとして滅茶苦茶質が高いんじゃないでしょうか…。

3部作期のDARKTHRONE並か、それ以上のリフセンス、GORGOROTH並の堂々とした邪悪さに日本特有の霊気漂うメロディセンスを加えた感じでしょうか。とにかく音のどす黒さに掛けては右に出る者がいないといっても過言ではないほどで、黎明期から活動してる北欧のカルトバンドの新作、といっても普通に信じられそうなくらい確信に満ちた邪悪さ。っていうか、個人的には北欧勢よりも邪悪さでは勝っているような気すらします。

また、プリブラスタイルの曲以外のダークさも特筆もの。
「Atomosfear」なんかは主旋律はメロウなものの、伴奏のキーが不気味すぎでホラー映画に使おうとしても、気味が悪すぎてエンターテイメント性を消してしまうので断られそうな程の邪悪さだし、ラストのダークアンビエント「I」はNORTTにも匹敵する程の絶望感。

最近質の高さで注目を受けている日本のブラックシーンでも、邪悪さや暗黒を表現するセンスではトップに位置するのは間違いないでしょう。でも、これ程の作品を作る才能を持っていながら、このバンドを独りで演っていたChoas9氏は亡くなってしまったようですね…

このまま行けば、間違いなく日本が世界のアンダーグラウンドシーンに誇れるバンドになったと思うし、本当に惜しいです…。ご冥福をお祈りします。


ENDLESS DISMAL MOAN - Ruin - Cage of Chaos ★★★ (2008-07-23 18:21:57)

これだけファストに疾走しているし、ドラムには炸裂感もありますが全く爽快感などとは無縁の音ですね…。音によって生み出されたどす黒い何かが絡み付いてくる感じ。ほとんどヴォーカルとしての役目を果たしてないような、殺気の篭もった絶叫Voも凄まじいです。


ENDLESS DISMAL MOAN - Ruin - Calamitous Day ★★★ (2008-07-23 18:21:15)

闇の中に響く「Calamitous Days」の連呼が印象的な曲。
キーの使い方も実に効果的に恐怖を煽ってくれます。遭難した夜の山の中、遂に明かりを発見するもそれは邪教の儀式で、逃げようとするも突然の生贄に色めき立つ信者の手に落ちてしまい、結局は食人神に捧げられてしまった…みたいな体験を部屋にいながらにして味わえます(笑)。


ENDLESS DISMAL MOAN - Ruin - JYUSO ★★★ (2008-07-23 18:20:05)

贔屓目かもしれませんが、この血飛沫が上がるようなリフのノイジーさ、本職のノイズに匹敵するくらい心地良いです。リフ自体も妖気…というか、人魂の飛ぶ軌跡を思わせるような霊気の感じられるメロディで本当に素晴らしい。でもタイトルは普通に感じの方が、外人にとってはより恐かったのでは…?


ENDLESS DISMAL MOAN - Ruin - Ruin ★★★ (2008-07-23 18:19:24)

打ち込みドラムでファストに疾走してますが、威風をも感じさせるリフ捌きもあって大きく構えているような印象もありますね。ミニマルな曲調なのに、スケールの大きい暗黒の渦に飲み込まれていくような感覚を味わえる名曲。


ENDSTILLE - Endstilles Reich ★★ (2008-09-24 21:13:00)

2007年発表の5th。

アートワークに戦争のモチーフを多用している事などからも分かるように、Legion在籍時(4th~8th)辺りのMARDUKを思わせる、キーボードレスの爆走ウォー/ブルータルブラックを演ってます。ヴォーカルも(3rdまでの)MARDUKのJoakimを思わせるような高音絶叫タイプですが、こっちの方がキレっぷりでは上かもしれません。

MARDUKやDARK FUNERALと比べると、敢えて起伏を抑えた展開を多用していたり、アンキャッチーな平坦気味のリフも多かったり、音も曲もクオリティがかなり高いにも関わらず、語弊を恐れずに言えばプリミティブ勢に通じる陶酔感も感じられるのが特徴になっていると思います。前述のバンドと比べて、ギターやドラムがラウドすぎない、繊細なミックスもその陶酔感を強めてますね。

ただ、前述のバンドにない魅力はあるし、ブラストの蹂躙っぷりも爽快極まりないんですが、スローパートは正直MARDUKとかと比べると今一つな印象も。メロウな2曲目なんかはブルータルブラック好きなら間違い無くキラーチューンになりそうですが…。この手の曲がもっと多いと個人的にはより良かったです。


ENDSTILLE - Endstilles Reich - Endstilles Reich ★★★ (2008-09-24 21:15:05)

日本のギターがトレモロリフを絡めあいながらメロウさを演出するスタイルはDARK FUNERAL的とも言えそうですが、叙情性はそれ以上かもしれません。メロウさに拘った時のNARGAROTHくらい魅力的なメロディ。こういう曲がもっと欲しかった…。


ENDSTILLE - Endstilles Reich - Scars ★★★ (2008-09-24 21:16:14)

「the hate against God / stirred up」からの、スローテンポからロールを経て疾走に雪崩れ込む展開がめっちゃかっこいいです。余りのかっこよさに息が詰まりそうになります(笑)。


ENDSTILLE - Verfuhrer ★★ (2010-02-12 21:28:00)

2009年発表の6th。

同じファストブラックであっても、例えばMARDUKや1349はアルバム毎に多少なりともカラーの違いがあるものですが、このバンドは見事なまでに前作同様の路線ですね。「俺達はこれが演りたいんだ!!メジャー化やリスナーの嗜好など知った事か!!」とでも言わんばかりの我の貫きっ振りが素晴らしい。この分だと、ヴォーカルの狂性や音質全般、リフの切れ味などクオリティの底上げはあっても、デビュー時からずっと変わらなそうです。まあ、このアルバムと前作しか聴いた事ないので、あくまで印象ですが。

という訳で、相も変わらずスウェディッシュ勢のファストブラックを更に凶悪化させたような、撃滅WARブラックを演ってますね。ヴォーカルの喉が引き千切れる寸前のような自棄くそ絶叫、憎悪の炎を宿したような音色のヂリヂリギター、機銃掃射系ブラストビートと音の全てで「戦争」を体現しているような感じ。
一応、毎作恒例のバンド名を冠した曲を初め、ミディアムを含むパートもありますが…やっぱり「蹂躙された跡」みたいな印象しかなく、どこまでも戦争は続きます(笑)。前作よりも若干叙情味が減退した感はありますが、その分更に荒涼感が強調された作風になった気がします。

例えば同じWARブラックでも、INFERNAL WARなんかは、エクストリームメタル好き全般に勧められそうですが、こっちはファスト系・WAR系ブラック好きの為のWARブラックという感じ。ただし、その質の高さと徹底した作風から、嗜好にハマれば凄まじい名盤になるかもしれません。


ENDSTILLE - Verfuhrer - Depressive/abstract/banished/despised ★★★ (2010-02-12 21:32:15)

オールドスクールなテンポに恨みの篭もったヴォーカルが乗る曲で、アルバムの中では異色といえる曲。でも、ヴォーカルもAttilaのような儀式的な感じよりも、「憎み殺す」ような印象が強いし、やはり浮かんでくるのは血と憎悪に塗れた戦場。


ENOCHIAN CRESCENT - Nef.vi.lim ★★ (2011-11-25 00:51:18)

2010年発表の6曲入りEP。
EPですが30分以上ありボリュームはそこそこ。

まずジャケや、ブックレットの表紙などのアートワークが素敵ですよね。私はこのジャケを見て、「これは形而上学的な部分にまで踏み込んだ邪悪さを表現する、芯の芯まで真性なブラックに違いないッ」と意気込んで購入したわけなんですが…見事に騙されました(笑)。変態系のブラックであることは間違いないんですが…ポストブラックというより闇鍋ブラックという感じ。

正統派メタルの如くツインギターでハモるギターリフが出てきたり、高速のブラストとマイペ~スに刻むギターリフを組み合わせてみたり、妙に渋いブルージーなメロディを変な残響の付いたギターで弾いてみせたり、様々なアイデアが敢えて生煮えのままぶち込まれているような感じの、奇妙に歪んだ世界観を演出するブラック。5曲目で「ゴー!ゴー!ゴルゴダ!」の煽りと突然のエレクトロ路線が出て来た時には流石に呆れて笑っちゃいました(笑)。

当然、そこに乗るヴォーカルも普通からはかけ離れてますね…ウィスパーと、痰を吐くときの声の中間のような歪み声と、裏返り気味のダメ人間っぽさ全開のがなり、意外に渋いクリーンを使い分けてますが…クリーンもこの作風でこの人がやると妙に胡散臭く聞こえる(笑)。ただ、変な作風ではあるものの、所々正統派やメロデスに通じるところもあり、一般的なポストブラックよりメタルから逸脱しすぎてないのは好印象。邪悪キャッチーなトレモロ+ブラストとか、真っ当なことを演ってるパートはちゃんとかっこいいですし。

という訳で、楽しめはしたんですが、ジャケの印象とは全く異なる音でした…。これはこれで全然アリな作風だとは思うんですが、ジャケ買いは非推奨です(笑)。変態系って分かってる方にだけお勧め。


ENSHADOWED - MESSENGERS OF THE DARKEST DAWN ★★★ (2011-09-14 00:27:45)

2002年発表の1st。

これはかなり好みの音。
もうギターのクレジットが「frozen guitars」になっている時点で察せられますが、暴風雨のようなノイジーなディストーションに、氷の礫のような冷たいトレモロが絡むリフは、DISSECTIONやNAGLFAR辺りにも通じる寒々しさがありますね。ただし、メロデスっぽさも強い上記のバンドと比べると、こちらはトレモロの頻度の高さや邪悪で黒々しい音作りなど、よりブラックメタル然とした音。上記バンドとWATAINやFUNERAL MISTの中間くらいの音だと思う。

もう作風からして思いっきり好みなんですが、このバンドは迫力ある音作りも素晴らしいですよね。特にドラム、リバーブ掛かった響きのある音なんですが、これが特にファストパートにおいて棍棒で殴られるような迫力を出していると思う。ノイジーながら厚みのある、黒く太いリフと合わさると圧迫感すら感じますもん。ヴォーカルの狂犬のようにがなり立てながらも、どこか頼もしさを感じさせるパフォーマンスも素晴らしい。

全体的にクオリティの高い曲作りが成されていますが、ラストの曲の後半のみ狂気を生のままぶつけるような、壊れたムードの楽曲が入っていて、こちらの路線で一枚作っても良い物が出来たのでは、と思うほどかっこいい。本当に良いバンドだと思う。


ENSLAVED ★★ (2005-01-17 23:32:00)

ノルウェーのヴァイキングメタルバンド、ENSLAVED。
このバンドが今まで登録されていなかったのはちょっと意外…
ブラックやヴァイキングを取り扱っているサイトをみると、知名度は結構高いらしいですね。BURRN!の冬特集みたいなものでも彼らのアルバムが取り上げられてましたし。
因みに、EMPEROR、ZYKLONのTrymが在籍していたバンドでもあります。


ENSLAVED - Eld ★★ (2005-01-17 23:34:00)

97年発表の4th(多分…間違ってたらごめんなさい)。私にとってはヴァイキング・メタルはこのアルバムが初体験です。

ヴァイキングというと私的な(勝手な)イメージではEMPERORの「WITH STRENGTH I BURN」を朗唱パートに特化したような音楽性を思い浮かべていたんですが、意外とブラックと共通する音楽的特性が多いように感じました。

まず、このバンドに以前在籍していて後にEMPERORやZYKLONで活躍する豪腕ドラマーであるTrymこそこのアルバムには参加していないものの、ブラックにつきものの豪速ブラストはかなり入ってます。絶叫系のデス声も勿論入ってますし、ブラック好きならばすんなりこの音楽性を受け入れる事が出来るように思います。民族音楽的なメロディが時々顔を出すのも特徴の一つですが、NOKTURNAL MORTUMほど独特な訳ではないので(上手く言えないけど、路線が違う感じ)、結構聴き入れやすいのではないでしょうか。

また、このヴォーカル、流石にヴァイキングの格好をしているだけあって、太くて威厳がある、それでいて海の男の哀愁を感じさせる朗唱もちゃんとやってくれるのでかなり気に入りました。ただ、EMPERORのIHSAHNの朗唱と比べちゃうと流石に大仰さが足りないように感じましたが、それでもカッコイイヴォーカルであることに変わらないです。

アルバムの構成ですが、大体平均して八分前後のやや大作的な曲が多いですが、何故か一曲目が16分という超大作で非常にバランスが悪いです(笑)。確かに①のイントロは大海原に漕ぎ出していくような勇壮さがあるのですが…①が終わると一航海を終えたような気分になってしまう(苦笑)

余談その一…このアルバム、裏ジャケのメンバーのヴァイキングのコスプレ(?)が非常に凛々しくカッコイイです。あのヴォーカルが付けてる剣と兜と法衣、微妙に欲しいかも(笑)。でもこれ、たとえコスプレに偏見を持っている人でも絶対カッコイイって言うと思うんですけど、どうでしょうか(笑)?

余談その二…この作品は7曲入りのアルバムなんですが、裏ジャケには左にノルウェー語の曲タイトル、右にその英訳が書いてあります。最初見た時は「えっ14曲入り、超お得じゃん!!」と思ってしまった…大体「793」ってタイトルの曲が2つある時点で変だと思うべきですが、みなさんも購入の際には気を付けましょう(笑)


ENSLAVED - Eld - 793 (Slaget om Lindisfarne) ★★★ (2005-01-17 23:35:25)

アルバムのオープニングを飾る、16分を超える大作。
まさに大海原を行く海賊船を思わせるような勇壮な楽曲です。特にヴォーカルは歌い方だけでなく、風貌も含めてなんだか船長みたい(笑)。途中のブラストの大嵐にも負けず、船は進んでゆきます。


ENSLAVED - Isa ★★★ (2007-02-06 12:10:00)

以前の作品は今の所「ELD」しか聴いていないんですが、ほんと洗練されてる感じですね。
確かに音質や曲作りの面でのカルト性や、勇壮なコーラス、民族的なメロディなどの表面上のヴァイキング的要素は希薄な上に、「ELD」にはあった狂的な疾走パートもなりを潜めてます。

こう書くとどうも地味な音源というようなイメージを受けがちですが、実際に音源を聴いてみると全く逆の印象。力強いリズムや展開の上手さから生ずるダイナミズムやドラマティックさが堪らないです。表面上の要素を取り去る事で音楽の質を上げる作風は、ある意味最近のSATYRICONと通じる物があるかもしれません。

こういうプログレメタルにも通じるドラマ性たっぷりの展開や、狂的でガラガラ感のある高音絶叫デスヴォイスとまろやかな普通声の対比、呪術性を保ちながらも雄大さやメロウさを含んだリフなんかはOPETH等のファンにも受けそうな感じがしますが、今の所OPETHのファンが好んでこのバンドの音源を漁っているという話もあまり聞かないですし、ブラックのファンはカルト性を重視する傾向が強いので、このバンドって茨の道を歩んでる印象があります。

私的にはかなり気に入りました。非カルトでも大丈夫なブラックメタルファンはもとより、普通のメタルファンでもデス声大丈夫なら意外に気に入るのではないかと思います。お勧め!!


ENSLAVED - Isa - Ascension ★★★ (2007-02-06 11:47:10)

この曲はリフのメロディがたまらないです。
メロウで邪悪で大仰で、それでいて口ずさめそうな分かりやすさ。
ほんとセンス良いですよね、このバンド。


ENSLAVED - Isa - Isa ★★★ (2007-02-06 11:44:51)

ミディアムテンポで芯の通った力強さのある曲ですが、同時にメロウな雰囲気や凶悪なヴォーカルによる恐ろしさなどをしっかりと共起させているのが素晴らしい。サビのデスヴォイスと普通声の対比も分かりやすく、キャッチーと言ってもいい、タイトルトラックに相応しい名曲です。


ENSLAVED - Isa - Lunar Force ★★★ (2007-02-06 11:41:40)

まず曲に入ると同時に繰り出される哀愁たっぷりのトレモロリフにうっとり。そこからメタル然としたかっこいいリフを聞かせるパートへの展開には心の中で喝采を送ってしまいました。確かにメロディはあまりヴァイキングという感じはしませんが、このダイナミックさがヴァイキングなのかもしれませんね。


ENSLAVED - Isa - Neogenesis ★★★ (2007-02-06 11:55:40)

アルバムの実質上ラストを飾る、約12分の大作。
哀愁たっぷりで、しかも長めのギターソロが2回も挿入されたりしますが、基本的に使われている音楽的なパーツは他の曲と変わらず実験要素がある訳でもないのに、これだけドラマティックに聴かせられるというのがこのバンドの作曲能力の高さを物語ってますね。
「死せる世界の炎による導き/新たな創世の岸辺へと向けて」という詞が特に象徴的ですが、ENSLAVEDは精神的な意味でもヴァイキングを追求していると言えるのかもしれません。


ENSLAVED - Isa - Violet Dawning ★★★ (2007-02-06 11:50:27)

タメと疾走を執拗に繰り返すリズムが特徴の曲。
最初聴いた時は何だか攻めきらないような印象を受けたんですが、何度か聴くうちにこのリズムの生み出すダイナミズムの虜に。


ENSLAVED - Vertebrae ★★★ (2008-10-09 00:01:00)

2008年発表の10th。
遂にこのバンドも二桁の大台に乗りましたね…。

民族的なメロディや楽器を取り入れるのではなく、ロック乗りリズムを上手く利用したダイナミズムで野蛮さを、プログレッシブな感性で神話的な世界を表現していく、独自のヴァイキングメタル観を追及しているのは近作と同様なんですが、ここに来てプログレ要素が大幅に増量…というか顕在化してますね。

まろやかで色気のある普通声や幻惑的なスローパートが増え、リフ捌きや展開もより複雑になり、メロトロン風の音色のキーボードも導入するなどした結果、フォーク的なアプローチを試みるヴァイキング系のバンドよりも、OPETH辺りのプログレデスの方がよっぽど近いような音に。

ただ、「Clouds」のイントロのリズムがヴァイキングの儀式、キーボードがその儀式による陶酔の中で見る景色を思わせたり、「New Dawn」の勇壮さは戦地のヴァイキングの姿を思い起こさせたり、音から見えてくる景色はやはりヴァイキングらしさを感じさせてくれます。他のバンドや昔のENSLAVEDが大海原を往くヴァイキングを描いているとしたら、今のENSLAVEDは霧の立ち込める海を往く姿を描いているように思います。

このアルバムを聴いていて思ったのは、パートによってダイナミズムだったり神秘性だったり違うんですが、展開の一つ一つ、フレーズの一つ一つに並々ならぬ創造的なエネルギーが篭められているように感じられること。物凄く作りこまれたシンフォブラックでも、似た音像が続くと最後の方は飽きてしまう事も結構あるんですが、このアルバムを最後まで集中を途切れさせる事なく聴けたのは、そうした魅力のお陰かもしれません。

…ここまでだと、凄い名盤になりそうなんですが…何故かヴォーカルは苦しそうで、「Isa」の時よりパワーダウンしてしまってますね…。最後の方持ち直してる感じはしますが、歌詞カード読みながら(=ヴォーカルに集中して)聴くと、かっこいいリフが来てもいまいちテンションが上がりきらない感が…。ヴォーカルが弱くなったのは仕方ないかもしれませんが、ミックスとかでフォロー出来なかったんでしょうか。今回、ミックスはTOOL等を手掛けた有名な人がやってるみたいですが、それ位はして欲しかったですね。

しかしこれ、ヴォーカルを入れても十分素晴らしい作品だと思うんですが、何で日本盤出ないんでしょうね。独創的だし、海外での評価も高いし、分かりにくくないし。そろそろ日本のメディアに評価されても良い頃だと思います。


ENSLAVED - Vertebrae - Center ★★★ (2008-10-09 18:11:39)

メロディ自体も素晴らしいんですが、それを奏でるリフの音色もほんとムードたっぷりですね…彼らはヴァイキングの秘術を用いて作曲を行っている、と言っても信じてしまいそうなくらい、呪術的な雰囲気のある曲。それでいて後半は氷の彫刻を見ているような美しさ。孤高の領域に達してます。


ENSLAVED - Vertebrae - New Dawn ★★★ (2008-10-09 18:08:12)

リズムが戦いの太鼓を鳴らしているように聴こえ、ヴァイキングが戦うシーンが目に浮かぶような曲。それも常に死が隣り合わせにあるかのような緊張感がある戦闘の様子。メロトロンの入るパートは、死せる戦士達の魂を戦乙女がヴァルハラへ導く光景が幻視できそうだわ…。


ENSLAVED - Vertebrae - The Watcher ★★★ (2008-10-09 18:04:50)

トレモロリフとキーボードが幻惑的な情景を描き出す、アルバムのラストを飾る曲。…この曲はヴァイキングの船団が海を往く風景よりも、小舟で此岸と彼岸の間の川を渡っているような雰囲気があると思います。最後だけに、なんか切なくなってしまいますね。


ENTHRAL ★★ (2011-09-23 00:44:52)

ノルウェー産ブラックメタル。
SJODOGGのKjetil氏らが創設したバンド。


ENTHRAL - Obtenebrate ★★★ (2013-02-05 22:31:20)

2012年発表の4th。

SJODOGGのメンバーも在籍する、ベテランノルウェー産ブラックメタルバンドの、フルアルバムとしては9年ぶりの新作ということで、一部で話題になった1枚。私は1stとこの作品しか聴いていないんですが、1stと比べると大分ストレートに邪悪さを追求している印象。ブラックとしては凝った展開が多めですが、作風自体は非常に純度の高い暗黒ブラックメタルという感じの仕上がり。

トレモロを多用して弾かれるメロディは、北欧らしい寒々しさやメロウさよりも毒々しく陰鬱な雰囲気が強めで、それがクリアながらモダンな重さではない、ブラックの鋭さを感じさせる音質と相俟って、まるで蛇と髑髏で出来たモザイク模様の壁が迫ってくるような不気味なムードが演出されてますね。暗黒趣味の強い妖艶な作風ですが、ブラストパートの爆発力もなかなか。

個人的には、MAYHEMの「Grand Declaration~」アルバムや、SATYRICONの「Rebel Extravaganza」アルバムに近い、陰惨で無慈悲な雰囲気を持っていると思う。ただ、前述の作品が持っているような実験性はこのアルバムには希薄で、100%ブラックメタルで構成されているという感じ。メロディの方向性や展開の凝り方などから、キャッチーとは言えないものの聴き手を引き込む力の強い作品。

…ただ、ひとつマジで許せないのは、このアルバムデジパック仕様なんですけど、何故か外側が糊付けされていて、ブックレットは内側からでないと取り出せなくなってるんですよね。で、ブックレット入れる場所が狭すぎて、デフォルトで折り目ついてるし、しかも取り出す時にデジパックが少し破れたし…。正直点数下げてやろうかと思った。まあ内容がいいので★3つですけど、もう少し工夫出来なかったんでしょうか…。


ENTHRAL - Prophecies of the Dying ★★ (2011-09-23 00:48:03)

97年発表の1st。
2010年にFrostscald Recordsよりボートラ入りで再発。

寒々しさを演出したり、毒々しさを撒き散らしたり、少しフォーキーな感触もあったり、展開によってメロディの表情を変えるトレモロリフを乗せた疾走をメインに展開していく、かなりメロディックなブラック。時折入る、ちょっとアヴァンギャルドな感触もあるスローパートの気色悪い雰囲気は、SJODOGGの作風に繋がるものがあるかもしれませんね。

また、音の作り方も結構独特。
決して厚みのある音ではないですが、トレモロリフがかなり前に出され、ガラガラに歪んだベースや、妙に抜けの良いドラムが良く聞こえる音は、聴いててなんだか不可思議な感触を覚えます。この音質が、メロディックながらどこかカルトなムードを出すのに一役買ってますね。

ただ、この時点では荒削りな部分があるのは否めないかも。
10分を超える曲も多い、大作主義な作風ですが、曲をここまで長くする必然性が感じられない…とは言わないまでも、もう少し纏めた方がアルバム全体としては緊張感のあるものになったのでは、と思ってしまいます。まぁカルトな雰囲気は匂いつつも、割と聴きやすい路線ですので、ノルウェー産ブラックを掘り下げて聴きたい方にはお勧めです。


ENTHRONED ★★ (2010-04-16 19:11:00)

ベルギーの古参ブラックメタルバンド。
既にスタジオフルアルバムを8作リリースしているベテラン。
つい先日、新作がリリースされたみたいですね。


ENTHRONED - Pentagrammaton ★★★ (2010-12-28 21:34:47)

2010年発表の8th。

前作はメタル的整合性と、ブラックメタルのスピリチュアルで漆黒なムードを両立させた素晴らしい作品でありながら、少し掴みが弱いという印象を受けたんですが…今作は前作の路線を踏襲してはいるんですが、そういう掴みの弱さが完全に払拭され、カリスマ的な雰囲気すら感じさせるようになったと思います。

前作でもキレの良かったドラムですが、今作でも実に素晴らしいですね。普通のファスト系が「疾走感」だとすると、彼らのオカズを絡めて焦燥感を煽るスタイルは、「巻き込まれ感」という感じがします。刺し殺した相手を「死んでんじゃねぇぞ、コラ!」と罵声を浴びせながらナマスにするような無慈悲さと暴虐性。緩急絡めた展開で、ファスト系とは言えませんが、ファストパートの凄まじさは一般的なファスト系以上。

そこに乗るリフも、メロ過ぎず辛口過ぎず、しっかりブラックの「魔」を感じさせてくれるもので、やはり超高品質。ただ、惜しいのがヴォーカルのパフォーマンスに当たり外れがあることですね。通常の中域のがなりは、粘着質で素晴らしいんですが、鬱系を参考にしたと思しき悲鳴絶叫は蛇足かも…。

NAGLFARやMARDUKなど、いわゆるジャンルの「代表バンド」から一歩踏み込むには、うってつけの作品だと思う。当然既に踏み込んでる方には自信を持って大推薦です。


ENTHRONED - Tetra Karcist ★★ (2010-04-16 19:08:00)

2007年発表の7th。

タイプとしては、DISSECTIONやNAGLFAR辺りにも近い、メロディックなブラックで、普通にギターソロも入れてくるタイプですが…それらのバンドと比べると、メロディはやや薄い代わりに、ブラストを重視した展開でブルータリティに優れ、第六感に働きかけてくるような、スピリチュアルなカルト性・暗黒性も兼ね備えている作風ですね。ブックレットのジャケットは蠍が描かれてますが、ほんと聴いてると毒が回ってきそうになります(笑)。

やはりこのバンド、ベテランだけあって展開が上手いですよね。特にブラストの使い方・聴かせ方が素晴らしい。音質はクリアながら、メジャーなバンドと比べて少しメロディが引っ込み気味な代わりに、ドラムの抜け、特に金物の響きが良い…という感じなんですが、この音でのブラストはめっちゃ気持ち良く聴こえます。
ヴォーカルも鋭さ十分のがなり声で時に声の伸ばし方に病的さが垣間見え、時にパーカッシブなキレの良さを聴かせてくれ、かなり魅力のある声だと思う。

ただ、このアルバムを最初に聴いた時は、あまりインパクトが無い印象だったんですよね…。特に特別な事・エポックメイキングな事をしていないからかもしれません。暫く間を置いて聴いたら、クオリティの高さと、そこに潜むカルト性に驚きましたが…。メジャークラスの質の高さと、アングラなカルト性の二兎を追う方に、特にお勧めのアルバム。


ENTHRONED - Tetra Karcist - Nox ★★★ (2010-04-16 19:10:25)

メジャーなメタルではなかなか味わえない、第六感に働きかけてくるようなスピリチュアルな感覚が、アルバムでも最も強く感じられる曲。同時にブラストを交えた、直截的な攻撃力もかなり高めです(笑)。欲を言えば、妖気を纏うクワイアは、イントロだけに使うのは少し勿体無かったと思う。


ENTHRONED - Tetra Karcist - The Burning Dawn ★★ (2010-04-16 19:11:21)

不吉なアコギからトレモロリフで聴かせるインスト「Deviant Nerve Angelus」から、シームレスに繋がる5曲目。このブラストパートの気持ち良さは、何気にヴォーカルの貢献も大きいと思う。特に「Open, cynic and cut~」の辺りが切れ味良くてかっこいい。


EOSPHORUS - Winds of Apep ★★★ (2016-05-28 19:58:49)

2014年発表の2nd。
今年に入って日本盤が出たので、チェックしたら良かったので購入。どうも日本盤の発売にはタワレコ関連のディストリビューターが絡んでいるようですね。

ブラックメタル本来のRawさを残し、モダンになりすぎないプロダクション、トレモロ含有度高めながらメロウさに頼りすぎず、殺傷性や殺伐さにも富んだリフ捌き、全体を通じて感じられる、マッシブな暗黒性…DISSECTION辺りの流れを汲む、如何にもスウェディッシュなメロディック・ブラックですが…。こんなことを言うのもなんですが、「Sworn to the Dark」「Lawless Darkness」期のWATAINにめっちゃソックリな音(笑)。マジで一瞬聞き違いそうになるレベルで似てます。

ただ、こういう路線のバンドは多いですが、このバンドは楽曲や音のクオリティでWATAINと勝負できるクオリティのある、数少ないバンドのうちの一つなんですよね。「これ聴くならWATAIN聴くよ」とは言い切らせない魅力のある稀有な作品。敢えて比べるとするなら、当時のWATAINの方が暗黒性や重厚さに富んでいて、メロウさやある意味での軽快さはこちらに軍配が上がるかな…という印象。暗黒趣味強めながら、メロデス好きも素通りできないくらいメロディが強めで、かつキャッチネスも備えている感じ。

日本盤が出てるくらい(しかも天下のタワレコ絡み)だし、クオリティ高いと予想はしてましたが、まさかここまでとは…。ただ、アルバム紹介でMAYHEM、DARK FUNERAL、COF、DIMMU BORGIRのファンにお勧めというのはどうかと思っちゃいます。前者2バンドは分かりますが、シンフォ系よりはDISSECTION、WATAIN、MGLA辺りのメロウだけど暗黒性高いメロブラ聴いてる人にアピール出来る音ですし。


EPHEL DUATH ★★ (2007-09-14 01:31:00)

凄いバンドを発見しました…
イタリアのエクスペリメンタル・ブラック。
某エクストリームメタルのガイド本でも紹介されてたし、知名度は結構あるのかな?
このバンドの4th、もしかするとATROX辺りよりも変態的かもしれません…
是非、まずはMY SPACE辺りで試聴してみる事をお勧めします。凄まじいです。


EPHEL DUATH - Pain Necessary to Know ★★★ (2007-09-14 01:27:00)

2005年発表の4th。
このバンドは今までノーマークで、この作品で初めて聴きましたが…これ、もしかしたら物凄い大名盤なのかもしれません…。

基本的には、アンサンブルにジャズの要素を取り入れたブラックメタルという感じなんですが、アダルトだったりお洒落だったりする雰囲気も取り込んでる上に、エレクトロニカ方面の素養もあるらしく、打ち込みやサンプリングも取り入れ、更なる混沌を生んでます。

それだけならばアヴァンギャルド/エクスペリメンタルなブラックで済みそうですが…このアルバムの凄い所は、その展開の激しさ。「10秒間音に変化が無かったら死ぬ」という妄想に取り付かれたミュージシャンが五人集まって音楽を作ったらこんな感じかもしれません。一口食べると次が来るわんこ蕎麦の如く(笑)、めまぐるしく展開するさまが凄すぎます。

こう書くと、展開が多くて聞いていて疲れるアルバムを想像されるかもしれませんが…そんな事はないと思います。第一、展開が多すぎて、予測する事が不可能なので身構えて聞くのが馬鹿らしくなってしまうレベルの作風なので、音に流されるしかありません。流されつづけてると疲れるどころか、段々心地良くなってしまいます(笑)。

誰が聴いてもインパクトを感じられる展開の激しさは、ある意味キャッチーと言えるかと。ただヴォーカルはメロデスっぽい絶叫になってるので前の方が良かったです。前のままだと音に付いていけないからこういうキレのいい声にしたのかもしれませんが。

このバンドも最早ブラック的・メタル的な魅力から離れ、異次元の領域に達しちゃってますね…後から2ndも聞きましたが、そっちでは前衛的とは言っても一応SOLEFALDやAKERCOCKEレベルでのメタル的魅力はまだ残っていたのに…とにかく変態好きならば素通りは許されない名盤だと思います。知性的に統御された狂気を味わってみたい方は是非。


EPHEL DUATH - Pain Remixes the Known ★★ (2007-10-14 11:15:00)

フルアルバム「Pain Necessary to Know」のダブ・リミックス。2007年発表。

明らかに聴いた事の無いヴォーカルパートが入っていると思ったら、どうやらヴォーカルとギターは一部新録されている模様。原作の無機質を複雑に組み合わせて有機質のレベルに到達しているような、あの独特な雰囲気もある程度残したまま他のジャンルにリミックスされた面白い作品。強調されたリズムが実に気持ち良いです。

ただ、デスヴォイスは出来れば抜いて欲しかったなぁ…こういうリズムの気持ち良さを楽しむ作風にはちょっと合ってない気がします。新録のヴォーカルは妖しい低音の普通声でなかなか。もはやメタルからは離れまくってますが、「Pain Necessary to Know」が気に入った人でその楽曲が他ジャンルにリミックスされるのに興味があれば買って損はないかと思います。


EPHEL DUATH - RePhormula ★★★ (2007-09-14 01:30:00)

2002年発表の2nd。
…ですが、実際は基本的に1stにボーナス音源を付けたものみたいです。曲のタイトルを見比べると微妙に違ってる曲もあるみたいですが…。全然違うのも有るし。リメイクとか曲変更とかされてるのかな?1stは未聴ですが…。

このバンドは4thが凄く良かったのでこちらも聴いてみましたが、異なる路線ながらこの作品もかなり良いですね。シンフォブラやメロデス好きをノックアウト出来るくらいメロディアスでありながら、プログレ好きも納得できるであろう奇怪で複雑な展開を持ったプログレッシブなシンフォニックブラック。

複雑な展開の中にはフルートやアコギによるトラッドにも通じる叙情メロや、テクノっぽいリズムにトレモロリフが乗るジャンルを超越したパートなどがあったり、キーボードもシンフォなだけではない不条理な音色を出していたりする辺り、かなり前衛的な音ですね。

ですが展開は複雑とは言っても、4th程ではなくまだ「ドラマティック」と言える範囲に何とか留まっている為、割と聴きやすい音だと感じました。ARCTURUSの1stの不条理性をより強めた感じでしょうか。音質はいかにもメタリックな硬質さはそれほど感じられない、ちょっと丸めな物で、この不条理性を楽しむのにうってつけだと思います。
ちなみにヴォーカル、EMPERORの2nd以降のIhsahnの声にそっくりの高音絶叫。音楽性のスタイルは変えても、ヴォーカルはこのままのスタイルでいて欲しかった…。

4thも素晴らしいですが、これもかなりの良盤ですよ。むしろ普通のブラック好き、メタル好きにはこっちの方がお勧め。変態的かもしれませんが、メロディアス度は高いです。


EQUILIBRIUM - Turis Fratyr ★★ (2008-09-27 05:11:00)

2005年発表の1st。
既にクサメタラー間でも相当高い評価を得てるみたいですが、噂に違わぬ素晴らしさですね…。
とにかく壮大な世界観が凄いです。例えばハーディガーディやフィドルなど民族的な音色の
楽器を入れたりとか、キーボードを洪水の様に入れたりとか等、このバンドよりも壮大な音を
出しているバンドって他にも結構いると思うんですが…このバンドが凄いのは、音像ではなく
「メロディそのもの」に、他のバンドを大きく圧倒するような壮大さが篭められている事。
しかも壮大なだけでなく、最強クラスのクサさや親しみやすさも兼ね備えているのだから
始末に終えません。クサメロを奏でていないパート(少ないけど)が少しつまらなく感じる事も
ありましたが、瞬間最大風速ではこのバンドに勝てるバンドって少ないとすら思います。
ヴォーカルの迫力、プロダクション等基本的な質も高いですし、クサメタラーなら一家に一枚必携の名盤!


EQUILIBRIUM - Turis Fratyr - Met ★★★ (2008-09-27 05:16:14)

ごく短い曲ですけど、何気に好きです、これ。
み゛み゛み゛み゛み゛み゛が凄いインパクト(笑)。


EQUINOXIO ★★ (2013-09-22 09:34:15)

パナマ産ブラック。
ライブメンバーにCHAOS INVOCATIONと繋がりのあるバンド。


EQUINOXIO - By the Serpent and Will (for Those Who Chose Not to Serve But to Rule and Conquer) ★★ (2013-09-22 09:38:54)

2011年発表の2nd。

まるで機銃掃射のような、手数の多くブラストを多用するドラミングと、寒々しさよりもどこか妖艶さを感じさせるトレモロリフによるメロディで聴かせる、非常にブルータルなブラックメタルを展開。中南米産という言葉から連想されるようなダーティなアングラ感は余り無く、エクストリームメタルとして真っ当にハイクオリティな音で、音質もクリアで割と聴きやすい音。

メロディの妖しさとブルータリティで圧倒していく様にはちょっとNILEを思い出したりしましたが、こちらはヘヴィさよりも炸裂感を強調したような音作りになっている辺りがブラックらしいポイントでしょうか。また、時折裏返ったような悲鳴を上げるヴォーカルのやけくそ振りも特徴ですが…個人的には、少し素っ頓狂な感じがしてしまいこのパフォーマンスは今ひとつだと思う。グロウル気味の発声から持ち上げるように叫ぶところなんかは、素直にかっこいいと思えるんですが。

圧倒するようなハイテンションの中での、手数の多いブラストを絡めた弾幕的ドラミングと、妖しげなメロディをフィーチャーしたトレモロの応酬が非常に心地良い作品。分かりやすい魅力・質の高さがあって決して間口の狭い音ではないと思います。


EREB ALTOR ★★ (2011-07-02 19:02:12)

スウェーデン産ペイガン/ドゥーム。
なんと結成は90年だとか。1stデモのリリースは2003年みたいですが…。


EREB ALTOR - The End ★★★ (2011-07-02 19:03:13)

2010年発表の2nd。

幽玄さを重視したペイガンメタル・ヴァイキングメタルというと、NEGURA BUNGET等を始め、プログレメタルに近い感性のバンドは結構多い印象があるんですが、このバンドのようにゴシック・ドゥームに近い出音のバンドって意外とレアなのではないでしょうか。重く引き摺るギターの音と、異教的な響きが神秘性を感じさせるペイガンメロの対比が美しく、DRACONIANやAVA INFERIなどに通じるような、スローテンポならではの、濃厚で重厚なドラマ性の感じられる音。

ヴォーカルはノーマル声を多用していますが、ヴァイキングメタルにあるような勇壮な歌声ではなく、ゴシックドゥームの男性ヴォーカルに多いタイプのマイルドに歌い上げるスタイルで、しっかりヴォーカルハーモニーも重ねてくれてるのが良いですね。アルバム後半を占める三部作「The End」のクライマックスなんて、ギターの重々しい響きとヴォーカルハーモニーが合わさり…天使の梯子っていうんでしょうか?雲間から陽光が梯子状に差し込む現象、あれを海辺で眺めてるような、非常に厳粛なムードがあって魂持ってかれそうになります。

まだまだマイナー物件かもしれませんが、曲の練りこみは甘くないですよ。ペイガン・ヴァイキングのお祭り的・もしくは勇壮な面ではなく、異教的なメロディが醸しだす独特の幽玄なムードに焦点を当てたエピックな作品で、ゴシック好きにも是非聴いて欲しいアルバムです。


ERGOT - Victims of Our Same Dreams ★★ (2015-11-26 01:49:10)

2015年発表の1st。

本編はオールドスクールな要素もあるブラックなんですが、アコギやブラス(っぽい音色のキー)などを使用し、やたらと低音の効いたアンビエントパートが、特にメインという訳でもないのに凄く印象に残る作品。湿った、土着的な叙情性を大きなスケールで描いているというか、思わず畏怖を覚えてしまうような、濃厚な雰囲気があります。

ショップでは初期SATYRICONや初期GORGOROTHが引き合いに出されていましたが、黎明期のバンドと比べると(意図的に粗くしているとはいえ)整った音にも関わらず、それらが引き合いに出されるのは、その「湿った土着的な叙情性」が本編にも色濃く受け継がれているからだと思います。決して派手だったり衒ったりした音ではないですが、染み入るようなダークな雰囲気が通じる気がしますね。また、個人的には2曲目「Red Shining Moon」の後半のギターソロが特筆もの。調子が外れたようなトレモロが狂気的、だけどメロウで嫌でも記憶に残る感じ。

中古で安かったのでレーベル買いしましたが、なかなか悪くない作品です。時折ヴォーカルのパフォーマンスが物足りなかったりなどはありますが、確かにブラック黎明期のダークさに通じる雰囲気のある音だと思います。


ERHABENHEIT - Missgediehen ★★ (2012-03-15 23:58:30)

2007年発表の2nd。

このバンドロゴに、ジャケの黒さに、有刺鉄線をあしらったアートワークに…もう音を聴かずとも、その手のリスナーにはプリミティブブラックであることは予想できる出で立ちですが…実際聴いてみるとやっぱりコテコテのプリブラですね(笑)。篭もったノイジーさが耳に痛くないギターリフに黒く塗り潰された視界に、影だけを残して現世から消失した人々の断末魔が木霊するような絶叫、悲壮感を伴うトレモロが響く音像は、この手が好きな方であれば、間違いなくどっぷり浸れるものになっていますね。

個人的に特筆なのはインスト明けの2曲目の後半。やたらメロディアスなベースラインに、中近東っぽいような、不可思議で得体の知れないギターメロが絡むパートが凄まじいインパクト、かつ深遠な邪悪さを放ってます。ただ、こういう演出が出来るのに、あまりやらないのが勿体無いんですよね…5曲目ではメロディ派なら悶絶できるベースラインとトレモロの絡みがあるし、7曲目でも場違いなくらいメロいベースが聴けるなど、聴き所自体は多いんですが…どれも2曲目の後半ほどの強烈さはない感じ。

個人的には、王道のプリブラも悪くはないんですが…2曲目の後半みたいな作風に特化して欲しかったな…という感じ。そうしたら他から頭一つ抜き出る個性を手に出来ると思いますもん。


ERIMHA ★★ (2013-10-09 09:50:02)

カナダ産メロディックブラック/デス。
バンド名はシュメール語で「軍隊」の意味だとか。


ERIMHA - Reign Through Immortality ★★★ (2013-10-09 09:52:53)

2013年発表の2nd。

ジャケに貼付されたシールには、BEHEMOTHやDIMMU BORGIR、CRADLE OF FILTHなどの有名バンドが引き合いに出されてますが…確かに、これらメジャーバンドを比較対象にしてもおかしくないくらい、メジャー志向かつハイクオリティなサウンドですね。クリアかつ音圧の高い、重低音を効かせた畳み掛けはBEHEMOTHに、シンフォ要素を導入したスケールの大きい音作りはDIMMU BORGIRに、時折垣間見せるゴシック的な美意識の高さはCOFにそれぞれ通じるものがあり、これらバンドの良いとこ取りをした音楽性と言えるかも。

ただし、メジャー志向でクオリティの高いサウンドではあるんですが、例えばブラストで畳み掛けるパートに管楽器の音色を合わせ、よりスケールの大きな蹂躙感を演出してみせたり、音圧の高いバンドサウンドに閃くようなストリングスのフレーズを乗せ、邪悪さと耽美さを両立させてみせたり、全体を通じてダークな美しさがしっかり強調された音になっている辺り、感性はブラックメタルのそれだと思います。デス・ブラック・ゴシックの良いとこ取りな作風は、上記バンドほど個性があるとは正直言いがたくはありますが、それらバンドのファンを満足させうるだけの質の高さはあると思う。

個人的には、BEHEMOTHやDIMMU BORGIR、COF辺りも確かに似た傾向はあるんですが、ポーランドのVESANIAを更にメジャー志向にした作風という印象もあるんですよね。知的かつダークでブルータル。まあエクストリームメタルを好んで聴いている方なら何かしら琴線に触れる部分のある音だと思います。


ESCHATON - Unshaken ★★★ (2013-12-23 10:53:28)

2012年発表の2nd。

ACHERONTASやACRIMONIOUS、NOCTERNITYなど、ギリシャのブラックってオカルトめいた神秘性を感じさせるバンドが多い印象があるんですが、このバンドはそうでもないですね。土着性を感じさせる、陰りのあるメロディを伴うメロウ邪悪なトレモロ、ブラスト一辺倒でないオールドスクールなパートも含む展開など、90年代北欧ブラックの雰囲気を強く感じさせる作風。

また、楽曲の端々でメロブラやメロデスを通り越して正統派的ですらある、メロディアスなリフが出てくるのも特徴ですね。根本にメタルの筋を通しつつ邪悪さを振りまく作風は、初期~中期GORGOROTHにも通じるものがあるかもしれません。真っ当なかっこよさはありますけど、衝動性満点のガラガラなヴォーカルといい、メジャーな感性に阿っていないのもポイント高いです。

90年代北欧ブラックの様式を踏襲したようなスタイルで、特に目新しさはないですが楽曲も音作りも非常に良質。同郷のバンドならTHOU ART LORD辺りが好みの方にお勧め。


ESEQUIEM - Contempt ★★ (2014-10-25 09:51:06)

2013年発表の1st。

「Masterpiece Distribution」ロゴがやけに印象的なレーベル、Behemoth Productionsからのリリース。このレーベルって、何気に良作が多い印象なんですが、本作もオーソドックスながら「外さない」ブラックを演ってますね。やや荒めの音作りに、ブラストビート中心の楽曲構成、叙情的なトレモロリフで聴かせる、ブラックとしては王道な音という感じがします。

特徴を挙げるとするならば、トレモロリフに含蓄されたメロディの叙情性がかなり高い事でしょうか。リフの摺り込む様なノイジーさとも相俟って、悲壮な雰囲気が立ちこめてます。個人的にはプリブラに近いスタイルながら、メロディの傾向からゴシック的な美しさを若干感じ取ったり。ヴォーカルもただがなるだけでなく、ダウナーな感情を込めるタイプで、全体的にこの手のオーソドックスなブラックとしてはエモーショナルな感触が強い印象ですね。

物凄く際立った個性があるタイプではないですが、メロディやムード作りの巧さなど、質の良いブラックを聴かせてくれる一枚。メロウなブラックが好きな方にお勧め。


ESGHARIOTH ★★ (2011-06-28 21:38:21)

ロシア産シンフォニック・ブラック。
まだアルバムを一作出しただけですが、かなり将来有望そうですよ。


ESGHARIOTH - Asylum Of The Wretched ★★★ (2011-06-28 21:39:00)

2009年発表の1st。
またもシンフォブラック界に素晴らしいバンドが現れましたね。
間違いなく掘り出し物だと思います。

まず、キー中心のメロディセンスが素晴らしいです。
初期EMPERORの魔性な雰囲気から、サタニックで宗教じみた部分を除いて、代わりにゴシック的耽美さとトラッドの幽玄さを注入したような、凄まじく濃いムードのあるメロディ。基本的に厳粛なムードが保たれており、浮ついた感は一切無いにも関わらず、時々「クサメロ」カテゴリに入れたくなるほど求心力の強いメロディが出てくるのがほんと素晴らしい。3曲目なんか吸血鬼が城のオルガンで弾いてそうですもん。

そしてバンドの音もキーに負けてない…というか、物凄く上手く噛み合ってますよね。ギターリフは刻みを多用するタイプで、メロデスっぽくもありますが…ミディアムも多用するドラミングとの絡みもあって、メタリックさよりも粛々とした重々しいムードを醸しだす結果になってると思う。これがキーのダークなメロディと、凄く相性がいいんですよね。雨のSEを多用してますが、確かに鬱蒼と茂った森と聳え立つ古城、低く垂れ込める雲と降り頻る雨…みたいな絵が浮かんできますもん。

ギターパートもかなり練りこまれている印象で、上記の刻みリフとリズム、キーの絡みの上手さ以外にも、例えばトレモロリフを1つ取っても、曲のムードを誇張するような使い方をされていたり、幽玄なリードギターが曲の神秘的な雰囲気を更に引き立てていたり、本当に曲に合わせてフレーズの一つ一つが構築されている感じ。この構築性こそが、シンフォニックブラックの醍醐味かもしれませんね。

これくらいメロディアスなシンフォブラックだと、例えばキーが前に出過ぎて刻みリフがリズムにしか貢献できてなかったり、正統派やメロデスに近づき過ぎたりしてしまいがちですが、このバンドは構築性の高さ、メタルとしてのかっこよさをしっかり出しつつ、アトモスフェリックでダークなムードを醸しだしてるのが素晴らしい。音質も悪くないですし、シンフォブラックをある程度齧ってる方は是非。


ETERNA PENUMBRA ★★ (2014-04-26 23:23:57)

スペイン産ブラック。
AVERSIO HUMANITATISのメンバーが関与するバンド。
結成は2007年なのでこっちの方が先ですね。


ETERNA PENUMBRA - Odio Antihumano ★★ (2014-04-26 23:25:46)

2009年に300枚限定でテープでリリースされたEPを、Self Mutilation Servicesが500枚限定でCD化し、再発したもの。こちらのCD盤では未発表曲やデモ音源、スプリットなどの楽曲のリハーサル版も収録されており、EPながら40分とフルアルバム並のボリューム。

路線としては、RAWに響くブラストビートも多めに取り入れた、鬱ブラックとしてはかなり攻撃性も高い音ですが…リフに込められたメロディは、情熱の国スペインのイメージを真っ向から否定するような、陰鬱で陰惨な雰囲気。僅かに金属質な響きを帯びつつ、トレモロを伴いノイジーに包み込む音色とも相俟って、大気が徐々に腐食していくかのような鬱なムードを醸し出してます。

ヴォーカルは地声の混じった喚き声ですが…鬱系の多くが高音で泣き叫ぶような絶叫を多用するのに対し、このヴォーカルは中音域が中心。これが歪みの強い歌声の所では精神が異常をきたしたかのような凄絶さが、歪みの少ない、地声強めの部分では苦悩し、嘆いているかのような感情が感じられ、かなり印象深く聞こえるんですよね。鬱系にありがちな悲痛絶叫以上に聴き手をやるせなくしてくれます。

ちなみに、アルバム後半のリハーサル音源では楽曲の路線自体は変わらないながら、更にRAWさを増したドラミングと、金属質さが薄れ、より生々しい形で腐食系トレモロを聴かせてくれ、本編と違った魅力を感じられるのでちょっと得した気分。…しかしこの痛ましいヴォーカル聴いてると、自分より不幸な人を見て安心するような、妙な気分になってきますね(笑)。そんな鬱音源を聴きたい方は是非。


ETERNAL MAJESTY - Wounds of Hatred and Slavery ★★★ (2013-04-26 22:47:38)

2006年発表の2nd。

同郷のカルトバンドであるANTAEUSとメンバーが関連していたり、スプリットを出したり深い繋がりを持つバンドという事で、ちょっと身構えてしまいましたが…意外にもアンダーグラウンド成分は少なめな、メタルとして至極真っ当な作風のメロディックブラック。やや粗めの音色のリフに、寒々しいメロディのトレモロを仕込んで来る作風は、フランスのバンドながらスウェディッシュ勢に近いスタイルだと思います。

このバンド、何気に楽曲の作りがかなり丁寧ですよね。リズムにしてもブラスト一辺倒でなく、緩急を上手く付けて展開するし、メロウなベースラインを前に出したりアトモスフェリックなキーで寒々しさを強調したり、結構展開のパターンも豊富。対してヴォーカルは、裏返る寸前のような歪み切った野獣的絶叫で、「ギエエエエエ!!」系のロングトーンが特に素晴らしい(笑)。質の高い音ながら、衝動性の高さもしっかり残している辺りが良い感じ。この手の音にしては雰囲気がメロデスっぽくなってないのも、個人的には好ましいポイント。

某ガイドブックでも紹介されていたり、フレンチメロブラを語る際によく話題に上がるバンドのようですが、確かにそれを裏付けるクオリティがあると思います。DISSECTIONやNAGLFARなど、メロブラの有名どころを一通り聴いた次に手を出す物件としてもかなりお勧め。


ETERNITY (GERMANY) - Funeral Mass ★★ (2011-11-08 00:00:33)

2007年発表の2nd。

まず余りにもノイジーな音質に圧倒されますね(笑)。
プリミティブブラックの薄っぺらいノイジーさでも、ノイズブラックのメタル離れした音像でもなく、しっかりメタリックな太さを保ちつつ「ドザァァァアア!」感のあるノイジーさで圧迫感が凄まじいです。バンドがノイズの滝を浴びながら演奏してるようなイメージの音。

曲の方は、特に衒いのないブルータル寄りのブラックで、正直WATAINを平坦にした感じに聴こえてしまうんですが…ノイズの中に地獄から聞こえるようなSEを入れて恐ろしげなムードを演出したり、太い音色のギターが邪悪極まりないメロディを弾いたり、エグい音像を利用した演出がしっかり出来ているのはいいですね。中音域でがなるヴォーカルの本気度も良い感じ。

正直必聴盤とまでは言えないんですが、この手の太さと邪悪さが直結するブラックが好きな方にお勧め。結構有名なレーベル(Anangarde)から出ているだけあって、クオリティは低くないですよ。


ETHER ★★ (2008-05-01 01:58:00)

日本のシンフォ/ゴシック/ポップスユニット。
ASRIELやALI PROJECTと基本的には同質のサウンドとも言えますが、先日リリースされたEP
「Heart」では普通にヘヴィなリフやスラッシュビートを使っていて驚きました。
最近のポップスって結構メタル寄りのものが多いですよね。


ETHER ★★ (2008-09-07 22:40:00)

カナダ産のETHERも登録しました(笑)
よろしければ、是非書き込みしてってください。


ETHER (CANADA) ★★ (2008-09-07 22:35:00)

フランス語の歌詞があったので確かめてみたら、案の定ケベック出身みたいですね。
カナダのブラックってケベックに集中してる気がする。
しかし、こういうのが好きな人のために、関連キーワードに「叙情・哀愁」とは別に
「鬱・絶望」があればいいのになぁ…(笑)。流石にマニアック過ぎでしょうか。


ETHER (CANADA) - Depraved, Repressed, Feelings ★★★ (2008-09-07 22:30:00)

2007年発表の1st。
日本の同名のユニット(ブラックとは何の関連も無い、シンフォ/ゴス系のアーティスト)が好きで、なんとなく親近感を覚えて好奇心で買ってみたんですが、これはいいですね。バンド名には英古語で天空という意味があったり、「Love」「Hope」というタイトルの曲があったりしますが、そうしたイメージとは全く無縁なディプレッシブ・ブラックを演ってます。

まず、音像からして結構独特な感じですね。
RAWに歪ませたギターの音色はカルト臭たっぷりですが、歪みが金属的なだけでなく、どこか有機的な感触で、聴いてると日の差さない岩戸に閉じ込められたような感覚が。こういう音像で疾走してても、どこまで走っても光が見えない感じで逆に閉塞感が強まっているような気がします。ヴォーカルも井戸に落ちた男が血塗れで助けを呼んでるような悲痛系高音絶叫で、爽快感とは無縁の、ほんと鬱ブラックの鑑のような音出してます。

また、陰鬱なメロディで責めるのみならず、トレモロリフに奇妙な音響処理を施して不気味な音色を出したり、アコギに半泣きの語りを入れたり、ベースラインでメロウさやうねりを表現したり、曲間にアンビエントパートを挿入したりetc…陰鬱な雰囲気を出すための手法がバリエーションに富んでるのが特徴で、しかもその使い方がいちいち上手いため全体的にかなり病的な雰囲気が醸し出されてますね。

哲学的な思索に耽る余り世間と折り合いが付けられなくなって、逆恨みして100円ショップの刃物コーナーを物色してる人の心象風景を音にしたらこんな感じかも(笑)。いや、本当はもっとちゃんとしたコンセプトがあるんだと思いますが…とにかく鬱であると同時に病んだ雰囲気の漂うアルバム。

同郷のGRISと同様、鬱なだけではない、哲学的な病的さが感じられる作品。特に音質面などで少しカルト過ぎる感もあるんですが、SHININGやSILENCERでは飽き足りない、STRIBORGやNORTTも余裕で受け入れられるというリスナーにはかなりお勧めのアルバムです。


ETHER (CANADA) - Depraved, Repressed, Feelings - Disgust ★★★ (2008-09-07 22:33:23)

途中のトレモロの音色、素晴らしすぎるんですが…。
「どれだけギターで気味の悪い音を出せるか選手権」みたいな大会があったとしたら、BLUT AUS NORDの「MoRT」と並んでグランプリを狙える音だと思う。最初聴いた時ビビりましたもん。良すぎて(笑)。


ETHER - COPPELIA - CAGE AUX POUPEES ★★★ (2008-05-02 18:08:51)

タイトルは仏語で「人形の檻」。
1曲目同様、待ってましたのシンフォニックに疾走するゴシックチューン。サビよりもBメロの扇情度がヤバい!!こういうゴシック疾走って、創作における狂気表現とは良く合いますよね。SOUND HORIZONのArkとかも然り。


ETHER - COPPELIA - 涙雨の惑い ★★ (2008-05-02 17:56:03)

こういうバラード曲でもしっかり聴かせられるだけのメロディ・ヴォーカルの声質の魅力があるのは流石。なんですけど、音のバランスが悪く、他の曲が気持ち良く聴ける音量だとヴォーカルが大きすぎて耳が痛いのがマイナス。いくらエモーショナルで声質が良くても、少し辛いものがあるかも。


ETHER - COPPELIA - 歪む影 ★★★ (2008-05-01 02:29:34)

これも前作の1曲目に負けないくらい素晴らしい名曲。
ゴシックな世界観のストーリーが、このメロディと疾走に乗せて一気に動き出していくのが感じられる…ほんとにこのユニット、キラーチューンでの爆発力にかけては右に出るものがいないんじゃないかと思いますね。でもそれだけに、2ndも3rdも1曲目ばっかりリピートしてしまう…。他の曲も悪くないんですけど、これのインパクトが余りにも強いので…。


ETHER - ETERNAL BLUE ★★ (2008-05-01 01:57:00)

2007年発表の2nd。
このユニットも、最近メジャーデビューしたASRIEL等と同様、ゴシック寄りの世界観を
演出しながらも歌を重視した作風をやってますね。ASRIELやALI PROJECT等のメジャー
クラスと比べると音質やアレンジに少し物足りなさがありますが、1曲目のサビのクサメロ&
疾走のもたらす高揚感など、ここぞという時の爆発力では勝るとも劣りません。
ヴォーカルの、ちょっと泣きの入った感じの、清楚に伸びる声質も大きな魅力だと思います。
…この人の声って、どこか歌う事への真摯さみたいなものが感じられて好きなんですよね。
また、アルバム一枚で一つのストーリーを構成する、コンセプチュアルな世界観も魅力的。
超大雑把に言えば、分断された世界に住む二人の主人公が出逢うまでの物語…みたいな感じで、
世界観の設定などはかなり凝ってて、壮大。
なのに6曲しかないので、オープニング、主人公1の境遇、主人公2の境遇、主人公1の物語、
主人公2の物語、邂逅と結末…みたいな感じでストーリーの進行が恐ろしく早いです(笑)
小説を読んでいるというよりも、物語の名場面をスクラップしたものを読んでいるような気分。
それだけに、捨て曲や不要な場面みたいなものが無く、個人的には3rdよりも入り込めました。
あっちは、どうも「STAGE」が浮いているような気がするんですよね…。
全体的にメロディの質が高く、つまらない曲とかはないですが私的には一曲目に尽きます。
本当に良いメロディは、どんなにキャッチーであっても何度聴いても飽きないという好例。
クサメタラーやマリス辺りのV系ファンならば聴く価値ありですよ。


ETHER - ETERNAL BLUE - CHAIN ★★★ (2008-05-03 00:28:59)

やっぱりETHERの曲ってV系の影響が強い気がする。とりわけこの曲は「heavenly」の頃のラルクの疾走曲の趣があるように思います。「CURELESS」辺りの曲をETHER流儀のシンフォ/ゴシック/コンセプチュアルな世界観でビルドアップした感じ。


ETHER - ETERNAL BLUE - DOLL ★★ (2008-05-03 00:36:47)

特殊な力を持つが故の軋轢や苦悩…小さい頃からFFやドラクエのRPGで育ってきた世代としては感情移入しやすいテーマですね(笑)。メロ自体もRPGに使われそうな幻想的な感じで歌詞の雰囲気と合ってると思います。


ETHER - ETERNAL BLUE - HARLOT ★★★ (2008-05-03 00:32:32)

このギターの音色…狙ってやってるんでしょうか。音自体はチープな感じが否めないんですが、映像に入るノイズのような視覚的効果も伴っていて、ダークな曲調に彩りを与えてるんですよね。
また、ヴォーカルはアルバム中でも渾身のパフォーマンスを聞かせてくれてると思います。「哀愁」を通り越して、「希求」のような感情が伝わってくる歌声。


ETHER - ETERNAL BLUE - 邂逅する世界~SANCTUS~ ★★★ (2008-05-01 02:20:22)

最高級のゴシック/V系寄りのクサメロを纏って、クラシカルに疾走するドラマティックな曲…と言うのは簡単ですが、このメロディが疾走に乗ったのを聴いた時の高揚感はとても言葉なんかでは…!!今すぐにクサメロを愛する全ての人の頭にこの曲を響かせ、そして悶絶させたい…其の位メロディが素晴らしい。


ETHER - HANDS - HANDS ★★ (2008-05-02 17:52:51)

世間で言う所の「桜系」にも通じる雰囲気の、ポップで、押し売りにならない程度のポジティブさが感じられる曲。…でも曲自体は良いんですけど、サビのハモりがRevoさん(SOUND HORIZON)そっくりの微妙な男ヴォーカルなのがちょっと…。まあ暑苦しいハイトーンよりは良いですけど…。


ETHER - HAPPY - HANDS(REMIX VER.) ★★ (2008-05-19 21:53:51)

以前のシングル曲のピアノバラードアレンジ。
音数が少なくなり、ヴォーカルの声の良さを堪能出来るアレンジに。…ビブラートって、普通は音を豊かに響かせる為に用いるんですけど、この人の場合それだけでなく歌を更に感情的なものにしているように思います。上手いだけでは決してないって感じ。ちなみに、こっちのアレンジでもRevoさん風ハモりは入ってます(笑)


ETHER - HAPPY - HAPPY (2008-05-19 21:49:32)

おそらくETHER史上最もポップな曲。
ガールズバンドが高校の文化祭ライブのラストの締めにカヴァーしても合いそうな感じ。打ちこみっぽいですが、ドラムを始めとして各パートに見せ場もあるし。


ETHER - HEART - HEART ★★ (2008-05-01 02:10:14)

「雪の檻」ではなくこっちがタイトル曲なのが象徴的ですね…
ヤケクソなスラッシュビート+病み病みな語り+不穏なアルペジオ+ツーバス→メロディアスなサビな曲。このユニットがこんなにメタル志向だとは思わなかった…。構成的にはRaphaelの「人間不信」を思わせる曲。ただサビが浮いてる気がするのと、私は語りよりもクサメロが好きなので★は二つで。


ETHER - HEART - 雪の檻 ★★★ (2008-05-02 18:00:01)

なんか、前作(Coppelia)と比べると音作りが随分と垢抜けた感じがするんですけど…でもメロディの煽情度の高さや、V系/ゴシック掛かったダークさもちょっと感じられる世界観などの長所は変わってないのが嬉しいですね。これ聴いて、次のアルバムが凄く楽しみになりました。


ETHER - HEART - 邂逅する世界~SANCTUS~(PIANO ARRANGE) ★★ (2008-05-01 02:14:31)

2ndの神曲「邂逅する世界~Sanctus~」をピアノバラードにアレンジ。こっちのアレンジだと、哀愁が漂いすぎててどうも悲劇的な結末しか浮かんで来ないんですが…邂逅できなかった世界っていう感じがします(笑)。


ETHEREAL (UK) - Opus Aethereum ★★ (2016-04-16 17:13:06)

2015年発表の1st。

実は結成が2002年らしいシンフォニック・ブラックメタルバンドで、今回Candlelightより初のフルアルバムをリリース…という時点で、クオリティが高そうな匂いがプンプンしてますが…予想通り、エクストリームメタルとして超クオリティなシンフォニック・ブラック。近年のDIMMU BORGIRを始め、初期ABIGAIL WILLIAMSやSHADE EMPIRE、CARACH ANGRENなどにも近い音。

ただし、この手のバンドの模倣で終わっているかというとそうでもなく、ギターの音色が非常に重々しく、派手さよりも緊迫感や畏怖を感じさせるキーボードのメロディとの兼ね合いもあり、アポカリプティックな光景が浮かんでくるのが特徴でしょうか。プロダクションがヘヴィなこともあり、畳み掛けるパートはBEHEMOTHなどを思わせるほどのアグレッション。聴いてると愚民共に天罰を下す神にでもなったような万能感・高揚感を覚えられます(笑)。

ただ、前述したバンドや、WINTERHORDE、WINTERBURST、SATURNIAN、APOSTASY、ERIMHA、SOTHISなど、この手のバンドって強力なライバルが犇めき合っていて、数え上げれば枚挙にいとまがないほど。今挙げたような個性が、これらライバルを差し置いてこの作品を選ぶ強烈な魅力になっているかというと少し疑問も。元からこういう音が好きであれば満足すると思いますが…。


ETHEREAL SIN ★★ (2009-03-26 22:43:00)

先日1stをリリースした、国産シンフォブラックの10年選手。
…日本産ブラック、層厚すぎです。最近どんどん良い作品が出てる。
でも、1stが限定品っていうのが惜しいなぁ…。
せっかく国産ブラックのレベルの高さ、シンフォブラックの魅力を伝えるのに
最適な作品なのに、後追いだと手に入りにくくなる可能性があるのがもったいない。


ETHEREAL SIN - ...THE ABYSS WILL ALSO GAZE INTO THEE ★★★ (2009-03-26 22:33:00)

2009年発表の1st。666枚限定。タイトルはニーチェの引用ですね。何気に10年以上活動しての初のフルアルバムだったりします。

バンドサウンドを包み込むアトモスフェリックなキーボードの作り出すシンフォな音像の中で、メロディックなリフが舞う、シンフォブラックとメロブラ、メロデスを組み合わせたようなスタイルの作品。キーがなくても極上のメロブラとして聴けるであろうリフに、豪奢なキーを加えたスタイルはABIGAIL WILLIAMSやSOTHISを思わせますが、こっちはアトモスフェリックメタルやメロデス的な感性も感じられて、「メロディックさの度合い」では上かもしれません。

というか、吸い込まれるような音像を作り出すキーは、音像を作るだけでなくメロディそれ自体にも強烈なフックがあるし、一部ピアノや女性ヴォーカルによるメロディも入れてるしで、「メロディックさの度合い」はシンフォ系でもトップクラスだと思う。特に2曲目は、「シンフォニック・ブラックはどこまでメロディアスになりうるか」という命題に、一つの回答を示してしまってるのでは…という考えが頭をよぎるくらいメロいです。

似たような曲が続きがちなこの系統の中で、曲にしっかりバリエーションをつけている作曲の上手さや、肉に喰らいつき、回転しながら噛みちぎるサメを思わせるヴォーカルの強烈な高音がなりなど、構成要素の一つ一つもかなりハイレベルですが、割とメジャー志向の作風の割には音質は少し薄め。でも、私は今のDIMMU BORGIRのように硬質な音になるよりも、昔のDIMMUに通じるアトモスフェリックなムードを重視した、この音の方が良いと思う。

…なんかここ2、3年くらい、ジャパニーズブラックの優れたバンドが次々に名盤といえるクオリティの1stをリリースしてますよね…波が来てるんでしょうか。プリミティブ、鬱、メロディック、シンフォニックととのジャンルでも素晴らしい作品が出てる。このアルバムもその中の一枚といえると思います。メロデス、メロブラ、シンフォブラ、ジャパメタ好きは是非。