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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 3301-3400

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 3301-3400
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KEEP OF KALESSIN ★★ (2006-04-13 21:01:00)

やばい…
新作のARMADA、凄すぎるんですけど…。
余りにもかっこよくて、爆音で聴きまくって耳が痛い(笑)
この作品を聴いて、MAYHEMやDEATHSPELL OMEGA辺りと並び称されても
おかしくない、凄いバンドだと思いました。
しかし、1stや2nd売ってるの見たことないんですが…


KEEP OF KALESSIN ★★ (2006-07-16 21:02:00)

ようやく1stと2ndをゲット。
やっぱりこのバンドは昔からかっこいいですね。もっと出回っても良いと思うんですが…。
それこそ3rdなんて日本盤を出して欲しいぐらいクオリティが高いと思うし、1stや2ndも
曲自体は他の日本盤出てるような大御所ブラックと比べても劣らないと思うんですけどね…。


KEEP OF KALESSIN ★★ (2006-10-29 19:57:00)

今月号のMetal Maniac誌にObsidian Cのインタビューが載ってます!!
素晴らしいリフを書くよりも素晴らしい曲を作る方が何倍も難しくて、それが
出来ているバンドはシーンでも少ないとか、Obsidian CはBAL-SAGOTHの
大ファンだとか、2ndのプロダクションは多くの人にとってはエクストリームに
過ぎると思うとか、新ヴォーカリストThebonの事とか色々話しているので、
KOKに魅せられた方は是非読んでみる事をお勧めします。


KEEP OF KALESSIN - Agnen: A Journey Through the Dark ★★★ (2006-07-08 09:20:00)

99年発表の2nd。
3rdの「ARMADA」には冗談抜きで感動し、これも探してたんですがようやく聞けました…。

やはり流動的なバンドであるらしく、リーダーのObsidian CとドラムのVyl以外は2人とも現在と違うメンバー。でもヴォーカルはかなり擦れた感じで、声を伸ばした時の邪悪さはかなりのものですし、ベースの音もクリアに聴き取れるので問題無し。

ただ、メジャーなブラックメタルバンドを脅かすほどのクオリティの高さを誇った「RECLAIM」「ARMADA」と比べると、まだまだアングラ臭が強く残っている感じ。特にノイジーな音質にそれは顕著で、ギターの歪みノイズの音圧が凄くて、最初はリフの良さがあまり分からず、「あれ、KOKなのに微妙…?」とか思ってしまったほど。

音質に慣れ、曲の輪郭が分かってくると途端に魅力的になってきましたが、普段ブラックを聴かない人にとってはちょっとした騒音拷問レベルかも(笑)。ただ、音質がクリアだったら、やはりギターがドラマティックですし、結構キャッチーなアルバムかもしれません。

この頃からKOKらしい完成度の高さは健在なので、ノイジーな音質が大丈夫な人は是非!!ちなみに後の盤で直される可能性もありますが、現在出ているものは後ろのトラックリストや歌詞カードに載っている曲順が間違っています。なんか歌詞全然違うと思ったら…

オフィにはPain Humanisedが1曲目と書いてありましたが、再生ボタンを押して歌われるのは「Dryland」の歌詞…どうやらオフィも間違ってる模様。その歌詞に「in the dryland」というフレーズがあることからして、歌詞とタイトルはちゃんと対応してるっぽいです。
歌詞から判断した、正しいと思われる曲順は以下の通り。

1. Dryland
2. As Mist Lay Silent Beneath
3. I Deny
4. Dragonlord
5. Orb of Man
6. Pain Humanised
7. Towards I Roam
8. Agnen


KEEP OF KALESSIN - Agnen: A Journey Through the Dark - Agnen ★★ (2006-07-08 09:24:29)

約11分の大作。
前半はノリが良く、スリリングでかっこいいブラックメタルですが、後半は…地獄のブラックメタル耐久レース(笑)。そのパートが後半に入ると更にスピードアップし、ドラムの持久力の凄さを明らかにしてます。でもちょっと長すぎな気も。


KEEP OF KALESSIN - Agnen: A Journey Through the Dark - As Mist Lay Silent Beneath ★★★ (2006-07-12 10:12:55)

イントロで溜めてからの疾走が実に気持ちの良い曲ですね。
ベースもしっかり自己主張してますし、ドラムもブラスト、ツーバス共に早いです。ORB OF MAN辺りだとそんなに気にならないんですが、この曲はドラムの音がもう少し良い方が良かったかも。それでも名曲である事に変わりはないんですが。


KEEP OF KALESSIN - Agnen: A Journey Through the Dark - Dryland ★★ (2006-07-12 10:16:12)

なんか歌詞カードも後ろの曲リストも「DRAGONLORD」「PAIN HUMANISED」「DRYLAND」の曲順がめちゃめちゃなんですが…「♪I have opened the door~」で始まるこの曲がDRYLANDで良いんですよね?
冷たさよりもタイトル通りの渇いた感じのするメロディ、最初は音質との相乗効果で淡白に聴こえたんですが、慣れてくるとそうでもないかも。


KEEP OF KALESSIN - Agnen: A Journey Through the Dark - Orb of Man ★★★ (2006-07-12 10:06:34)

アングラな雰囲気の中にも儚いメロディを入れてくるギターが素晴らしい曲。
これぐらいドラマティックならギターが物凄い勢いでシャーシャーいってようがドラムの音が少々篭もってようが関係なく、問答無用で聞かせきってしまいますね。ギターとベース、そして不気味なコーラスがユニゾンするパートが特にツボ。


KEEP OF KALESSIN - Agnen: A Journey Through the Dark - Towards I Roam ★★★ (2006-07-12 10:09:24)

Obsidian C.のギターのかっこよさは言わずもがななんですが、この曲は蠢くように纏わりつくベースのメロディが特に良いです。こういう曲聴くとObsidian C.って曲をトータルで見れる、優れたコンポーザーである事が良く分かります。


KEEP OF KALESSIN - Armada ★★★ (2006-04-13 20:53:00)

今年発表された3rdアルバム。
前作でその存在感を見せていたFrost、Attilaが二人とも脱退してしまいさてどうなることかと思ったら…なんでしょうこの神盤は(笑)間違いなくミニを超えてます。Obsidian CはSATYRICONのライブギタリストという事ですが、本家をも超えてしまったのでは。

とにかく圧倒されるのは彼のギターパートの素晴らしさ。
スラッシーな刻みリフやメロウなトレモロリフ、叙情的なリードフレーズやアコギを組み合わせて曲を組み立てていくのはやはりブラックといった感じなんですが、そのセンスが尋常じゃないです。私はトレモロリフフェチなんですが、ここまでかっこよく刻みリフを聴かせる曲作りをされるともううっとり聴き入ってしまいますね。

もちろんトレモロのメロディも抜群に良いです。好きなギタリストで彼の名前が挙げられているのをあまり見たことがないんですが、私的にはギターフレーズの切れ味で言ったらあの伝説のEuronymousをも凌駕するセンスの持ち主だと確信してます。ほんと、今まで聴いたメタルの中でも最もギターのかっこいいアルバムの一つです。

しかも、Frost脱退したからちょっとはスピード下がるのかと思ったら…
相変わらず飛ばしてますね(笑)。それがギターのフレーズと合わさり、非常にドラマティックな曲展開を見せてくれます。ヴォーカルは…最初唾が飛んできそうな汚いがなり声だったので「普通かな…」と思ったんですが、曲が進むとTriumphatorを思わせる自分の中の憎しみを自己確認するかのような低くドスの効いたがなりや空気中の毒素を肺に溜めて一気に吐き出すかのような邪悪絶叫も使い出し、優れたヴォーカリストである事をアピールしてます。
さすがObsidian Cという天才ギタリストの元に集まるメンバーは違いますね…

ちなみに音質は固く纏まっていた「Reclaim」と比べるとほんの少し薄めになってます。といっても充分すぎる程迫力があるし、このほうがトレモロが映えるのでこっちの方が好き。しかし、この間出たIhsahnのソロアルバムと言い、最近のノルウェーはクオリティ高すぎです。う~ん、今年のベストアルバムの選出は本当に苦労しそう…(笑)


KEEP OF KALESSIN - Armada - Armada ★★★ (2006-04-12 23:29:19)

ラストを飾る、メロディアスな曲なんですが、そのメロディがヤバ過ぎです…特にサビのあまりにも悲しい、魂の慟哭とでも表現できそうなメロディが、本当に素晴らしいです。メロデスやゴシックでもこんなに悲しいメロディって滅多に聴けません。
曲が終わった後、5分ぐらい心が痛いような気分になってしまいました。ラストへ向かってテンションが上がっていく展開もドラマティックですし、泣きメロ好きなら絶対聴くべき名曲です!!


KEEP OF KALESSIN - Armada - Crown of the Kings ★★★ (2006-04-12 21:45:13)

イントロのバルカン砲のようなツーバス連打からメロウなリードフレーズを経てトレモロ疾走パートへなだれ込んでいく展開、もはや圧倒的という他ないです。その後も全体的にドラマティックで、導入の曲にしては7分と長めなんですが、全く長さを感じません。っていうか普通に最初は4~5分の曲だと思ってました。
でも、イントロから一気に惹き付ける力があるし、一曲目のSEはあまりいらなかった気も。


KEEP OF KALESSIN - Armada - Into the Fire ★★ (2006-04-12 23:32:28)

個人的にこの曲のイメージってフレイザード(笑)
ダイの大冒険に出てくるあいつです(笑)。リフやソロにはメタル的熱さがあるのに、サビ部分の身も凍る絶叫や演説(?)パートのメロウなメロディは冷たさがあるんですよね。こういう曲って稀有だと思います。


KEEP OF KALESSIN - Armada - Many Are We ★★★ (2006-04-12 21:48:20)

スラッシーで爽やか(???)なブラックメタル。
個人的にはトレモロリフフェチなんですが、こうまでダイナミックに刻みリフを使われると素直に「かっこいい…」と呆けたようになってしまいますね…。サビのツーバス連打も熱く、聴いていると自然に体が動きそうになる曲です。


KEEP OF KALESSIN - Armada - The Black Uncharted ★★★ (2006-04-13 20:59:21)

中間のヴァイキングパートが印象的な曲。
このヴァイキングパートを遮るようにいきなり爆音になる部分は、まるで真っ黒で絶望的な戦力差を感じさせる戦艦がそのヴァイキングたちの前に現れたかのよう。しかしそれでも果敢に戦い、勝利を奪うヴァイキングと言う図が浮かんでくる曲です。


KEEP OF KALESSIN - Armada - The Wealth of Darkness ★★★ (2006-04-12 23:35:23)

この曲はサビのヴォーカルが特に好き。
メロウなリフに乗せてだみ声でメロディを歌ってるんですが、単なるだみ声じゃなくて聴き手を呪い殺そうとするような殺気も篭もっていて、とてもかっこいいです。Attilaが抜けてどうなる事かと思ったけど、このThebonという人もかなりの実力者です。


KEEP OF KALESSIN - Armada - Vengeance Rising ★★★ (2006-04-12 21:41:02)

短いイントロの後に繰り出される楽器隊の絡み、何度聴いても「驚愕」以外の何者でもないんですけど…きっとやりすぎてて楽器から煙が発生しているに違いありません(笑)。弾幕みたいな音ですね…


KEEP OF KALESSIN - Armada - Winged Watcher ★★ (2006-04-13 20:56:26)

低音で吠えるヴォーカルがかっこよく、これだけでもう満足。
個人的な聴き所はアウトロです。雄大で、哀しみに満ちたメロディがとてもぐっと来ます。


KEEP OF KALESSIN - Epistemology ★★ (2015-02-11 21:56:01)

2015年発表の6th。

…相変わらず、エクストリームメタルとして鬼クオリティの作品をリリースしてくれますね…。スラッシュメタルをベースとした、キレの良さと細やかさを兼ね備えた切れ味鋭いリフを縦横無尽に奔らせつつ、Vyl氏の鬼神の如きハイパー過ぎなドラミングと絡み合い展開する楽曲は、憧憬の眼差しを禁じえないほどにかっこいい。ヴォーカルはThebon氏が抜けてしまい、Obsidian C氏が兼任する事になったようですが、前任者のスタイルを踏襲したキレ良く歌詞を吐き捨てるダミ声デスで、痛手をあまり感じさせません。

前作から脱ブラックがかなり顕著ですが、今作では更にそれが押し進められてますね。大仰なメロディを歌い上げるクリーンヴォーカルの比率が非常に高くなったことと、ギターソロパートの大幅増量によって、更にブラック度は減少、メタル度が増加した感じ。特に10分近くある大作のタイトル曲なんて、ほとんどObsidian C氏のギターソロが主役のような楽曲と言っても過言ではないと思う。…ぶっちゃけ、これはやりすぎな気がするんですが…。

KOKはクオリティの高い音を聴かせつつ、ブラックらしい土着的なトレモロも鮮やかに聴かせてくれる曲作りが魅力だと思っていましたが…今作はヴォーカルラインとリードギターにメロディの役割が振られてるため、なくなっている訳ではないものの、使いどころの「鮮やかさ」は確実に減退してしまった印象があります…。正直、これでヴォーカルがマイルドな声じゃなくて、パワーメタル系の暑苦しい頭声だったら売り払ってたかもしれません。

まあ、なんだかんだ言って風呂で思わず「♪Essence of the Mind~」とか無意識で口ずさんでいたりするので、実はそれなりに気に入ってたりはするんですが…。「コレジャナイ感」が全く無いといえば嘘になりますね…。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus ★★★ (2008-06-11 18:54:00)

2008年発表の4th。

このバンド、AttilaとFrostを起用した復活ミニを出してからは、ブラック的なカルトなアトモスフェアよりもメタリックなかっこよさ、質の高さを重視したブラックメタルをやってますが、今回もその流れを汲む作風。

前作もバラエティに富んだブラックを聞かせてくれましたが、ブラック由来のエクストリームな曲、キーボードとアコギの絡むドラマティックなエピックチューン、ミッドテンポ中心の重厚なゴシックまで曲のバリエーションは更に増えているという印象。ブラックの禍々しく不健全な雰囲気は希薄で、ブラック好きからの賛否があるのも頷けますが、このストレートにかっこよさの伝わるスタイルはメロデス好きを始め、ブラックのファン以外のメタラーにも広く支持を受けられるのではないでしょうか。

しかし、相も変わらずObsidian氏はぶっ飛ばしてますね…(笑)。ブラックらしい繊細なトレモロリフ、メロデスにも通ずるグルーヴとメロディを同時に練り込んだリフ、ヘドバンを誘発するリフに泣きのギターソロ、叙情味溢れるアコギフレーズに至るまで、何をやっても際立ってしまってる感じ。この人って本当に何でも出来るんだなぁ…。

それでいて自慰的なテクのひけらかしが感じられないのもまた凄い。インタビューで「一つの良いリフを書くのは簡単だが、一つの良い曲を作るのは難しい(大意)」的な事を言っていたし、プレイヤーとしてだけではなく、曲全体を見渡せるコンポーザーとしても素晴らしいギタリストと言えるでしょう。

前作のレビューでは「Euronymousを超える逸材かも」的な事を言ったんですが、この人の資質ってそうしたカルトな支持を集めるタイプの物ではなく、むしろCOBのAlexiやARCH ENEMYのAmott兄弟などのいわゆる「ギターヒーロー」と呼ばれている人たちと同様に、メタルとしてのかっこよさを体現するものであるのかもしれないと思いました。

そのうちYOUNG GUITARとかに載ってもおかしくないくらいメジャー志向で、しかもセンスある人だと思います…それだけに、日本盤の発売すらされていない、国内でのマイナーな立ち位置が惜しすぎる…。まあ、このサイトでも現時点で前作のレビューが15件あるし、注目度は上がってるのかもしれませんが。

また、HellhammerやFrostと並んで語り草になりそうなVylのドラムや、ヴァイキング的な野蛮さ、勇壮さを湛えたThebonのヴォーカルなど、ギター以外のパートも素晴らしいですね。
特にヴォーカル、普通声で歌ってもリフの邪魔にならず、むしろリフの叙情性を際立てている辺りにセンスの良さを感じます。こないだ聴いたIN FLAMESは、一流のメタルながらそれが今一つ出来てなかったと思うので…。
このバンド、Obsidian.CとVylという二人の人外がいるせいで影が薄くなりがちですが、彼も実はかなり良いヴォーカリストなのでは。

ただ、プロダクションは作風の割に少し薄味かも。
繊細でギターのフレーズを味わいやすいとは思うんですが、この作風ならIN FLAMES辺りのバンド並にモダンな音質にしちゃっても良かったんじゃないかと。

でもこのアルバム、なかなか気軽に聞けないんですよね…余りにもかっこいいので、聴いていると自分のテンションがトップギアに入ってしまうので、必然的に結構疲れてしまいます(笑)。まだ買ったばかりですが、疲れてるときは他のアーティストのもう少し緩めの作品を選んで聴いてしまいたくなる感じ。

…と、ここまでほぼべた褒めですが、点数をつけるなら88点くらいですね…。いや、アルバム単品なら90点代後半付けたいくらいですが、付属のDVDが国内機やPS2で見れないのは10点くらいマイナス。値段が多少高くなってるのは仕方ないですが、ジャケにPAL方式とかの表記がないのがむかつく。ドキュメンタリーとかインタビューとか、動いてる彼らが見れると思って、物凄く期待してたのに…。

悪態を付いてますが、DVDが国内機でも見れる日本盤が発売されたら多分買ってしまうと思う…それくらい好きなアルバムです。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - A New Empire's Birth ★★★ (2008-06-13 18:13:28)

今回は立ち上がりからして攻撃的なだけでない、雄大なリフを交えた曲調で、もはや王者の風格すら漂ってます。しかしギタープレイ、実に華麗ですね…。ギターソロは、後ろのリフが妖艶な時はその妖艶さを、雄大な時はその雄大さを際立たせるものを弾いていてほんと素晴らしいです。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - Against the Gods ★★★ (2008-06-13 18:16:29)

この膾に切り刻まれるような「グルーヴ」と、泣きの入った「メロディ」を両立させるリフのセンス、一流のメロデスバンドでも敵うのかどうか…。しかも、この人たちはそれを超高速のブラストビートに連動させてますからね…。エンディングはちょっと冗長な感がありますが、それでも余裕で★三つです。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - Ascendant ★★★ (2008-06-13 22:01:17)

神秘的なキーや広がりのあるリフはラストに相応しい劇的さを演出してますが、ブラストにしろ高速スラッシュビートにしろ終始飛ばしっぱなしのドラムが凄すぎる。このバンド、基本的にはObsidian C氏が曲を作ってるようですが、こんな息する暇も無さそうな曲を作るなんて鬼でしょう…ドラマーを殺す気ですか(笑)。それを「もっとキチィのくれや」とばかりに叩きこなすVylはもっと鬼。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - Escape the Union ★★★ (2008-06-13 18:24:44)

こういうギターリフとドラミングが戦争状態のような凄まじさの曲(そういう曲ばっかりだけど…)には、Thebonの海軍を率いる果敢な戦士のようなヴォーカルが実に映えますね。「We shine」の歌い方なんて突撃命令を出しているみたい。彼のヴォーカルも今のKOKサウンドになくてはならないものになってると思います。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - Kolossus ★★★ (2008-06-13 21:52:40)

Obsidian Cってバンド名にゲド戦記に由来するものをつけていたり、BAL-SAGOTHを誉めていた事からも分かるように、ドラマ性のある音楽が好きなんでしょうね。キーボードとパーカッションの絡む語りパートの映像的な感覚は、彼のそんな趣味が強く出ているのではないでしょうか。他のパートも開いた口が塞がらなくなる凄まじさで、聴いていると時間を忘れてしまいます…。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - The Mark of Power ★★ (2008-06-13 18:29:43)

1stのアトモスフェリック・ブラックとしてのものとはまた別な、ゴシックっぽい退廃的な妖気が漂う曲。進行は基本ミディアムですが、サビでツーバス連打、ラストブラスト全開になるあたりやっぱりブラックっぽい。この曲でもThebonの表現力が光ってますね。前作では聴けなかった、どこか色気のある歌声。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - The Rising Sign ★★★ (2008-06-13 18:21:32)

アコギとキーの絡む、長いインストパートを挟んだ構成の光る曲。月並みな感想ですが、ノルウェーの自然の神秘性が伝わってくるようです。Obsidian氏はプレイヤーとしてもコンポーザーとしても超一流だわ…。
また、インストパート以外も壮絶。発狂ヴォーカルでもノイジーな音質でも、ましてや危険思想でもなく、アンサンブルのテクニカルさ、壮絶さが狂気を伝えるというのはなかなか無いのでは。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - Warmonger ★★★ (2008-06-13 21:56:22)

前作の「Many Are We」の流れを汲むブラックンドスラッシュ。
ヴォーカルとバンドが一体となってグルーヴを演出したり、缶を叩くような超豪速ブラストに挑発的なGメロを乗せたり、展開も劇的でテンションが天井知らずで上がっていくような曲。…このバンド、基本メロディアスなのに刻みリフの使い方が犯罪的に上手いんですが…。


KEEP OF KALESSIN - Originators of the Northern Darkness-tribute to Mayhem - Buried by Time and Dust ★★ (2005-03-22 18:12:25)

MAYHEMのカヴァーです。
私は基本的にデスヴォイスにエフェクト掛けるのは好きではないんですが、この曲の場合はそれが不気味さを助長する結果になっているのでOKです。最後に轟音でノイズが入りますが、これは単品で聴くと正直いらないと思うんですが、このトリビュートアルバムの流れで聴くと次のLife eternal(GORGOROTH)の暴虐性がより際立って聴こえます。


KEEP OF KALESSIN - Reclaim ★★★ (2005-03-22 18:06:00)

2003年発表の、5曲(うち一曲はインスト)入りミニアルバム。
ミニアルバムって収録曲数の割に値段が高く、この作品もその例に漏れず、やっぱり割高感があるんですが、そんな事は些細に感じられる素晴らしい内容です。

というのも、参加メンバーが凄く豪華で、MAYHEMやABORYMで邪悪な呪詛でリスナーを恐れさせたヴォーカリストであるAttila、SATYRICONや1349に所属し、ブラック界でもトップクラスの腕前を持つといわれるFrostが参加しています。
…このメンバーを見て、その作品に期待するなという方が無理ですね(笑)。

内容ですが、これはミニとしてはMAHEMのWolf's Lair Abyssにも匹敵する超名盤だと思います。まずリーダーであるObsidian.Cのギターですが、②のソロや③のリフ、曲展開などを聴いてみると、彼がこの濃ゆいメンバーの埋もれるどころか、リーダーとしての威厳を見せつけることのできる素晴らしいギタリストであることが分かります。

Attilaのヴォーカルですが、この作品を聴いて私は彼を過小評価していたかもしれない…と思わされました。彼がヴォーカリストとして取り上げられる時、話題になるのは主に呪詛のような呻き声のスタイルだったりしがちなんですが、今作ではそれに加えて異様に凄みのある、ドスの効いたがなりまで聴かせてくれます。
Attilaは私の思っているより、遥かに引き出しの多いヴォーカリストなのかもしれません。

Frostのドラミングは、流石に北欧でも腕利きと言われるだけあって、速さ、曲を彩るフレーズなどどこを取っても極上です。HellhammerやTrymと並び称されるドラマーだと思います。
…と、この3人の個性がぶつかり合ってさらなる高みに達している曲が4つも入っているのだから、これは多少高くても買う価値は大有りです。

ミニだからと言って敬遠するにはあまりにも勿体無い作品です。


KEEP OF KALESSIN - Reclaim - Ⅸ ★★★ (2005-03-22 18:07:50)

インスト~二人の男の会話を経て、このミニアルバム本編に突入。
この曲を聴くと、Frostがただの豪速ブラストを売りにするドラマーでは無い事がとても良く分かります。曲の冒頭からツーバスを踏みながらのリズミカルなドラミングで聴き手を一気に引き込んでいきます。ギターソロがかっこいいのもポイントです。


KEEP OF KALESSIN - Reclaim - Come Damnation ★★★ (2005-03-22 18:08:52)

イントロから最高のテンションで畳み掛ける曲。
異常なほどに暴虐なギターリフと、キャッチーなフレーズのサビを持ったブラックメタル…だと思っていたら、中盤でシンセがメインになり冷ややかな幻想の世界を演出、そのメロディをギターに引き継がせて疾駆していきます。この展開がめちゃめちゃドラマティックで、ブラック好きな人なら絶対にグッと来る事間違い無しの超名曲です!!


KEEP OF KALESSIN - Reclaim - Obliterator ★★★ (2005-03-22 18:09:48)

97年発売のアルバム「Through times of war」収録曲のリメイク。
豪速ドラムと呪詛ヴォーカルの炸裂するストレートなブラックと言う事で、このバンドが以前カヴァーした事もあるMAYHEMの名曲「Buried by time and dust」を思わせます。勿論あの頃よりもヴォーカルはパワーアップしていて、特に血を吐きそうながなり声は必聴です。


KEEP OF KALESSIN - Reclaim - Reclaim ★★★ (2005-03-22 18:10:47)

アルバムのタイトルトラック。
演奏時間は8分弱とこのアルバムの中でも最も長く、展開も一番複雑なものとなっています。途中少しだけ普通声もありますが、読経を思わせるような低く、それでいて厳かに吐き出されるこの声は流石Attilaといった所でしょうか…


KEEP OF KALESSIN - Reptilian ★★★ (2010-05-26 19:28:00)

2010年発表の5th。
国内に入荷される前に、海外のレビューを見てみると、どうも芳しくない評価もあったので「まさかKOKが問題作を!?」と身構えましたが…順当に最近の作風の流れを汲んだ新作ですね。

前作までと比較して、リフが更にデスラッシュ寄りになったこと、シネマティックなキーボードや、ノーマルヴォイスでの歌い上げがごく自然に取り入れられている事などから、より脱アングラ・メジャー志向の図式が明確になった作品だと思います。
バンドロゴも、映画のタイトルに使われるようなフォントになってますし(笑)。

ただ、やはり作風がメジャーになっても、Obsidian C氏のギターワークと、Vyl氏の鬼神ドラムによる、エクストリーム・メタル界の至宝とも言うべきアンサンブルには些かの翳りもないですね。マジに達人同士の斬り合いって感じです。ここまで聴きやすさと、アンサンブルの凄絶さを両立させたアルバムは他にないのでは。

ただ、音質はBEHEMOTH等に携わった人がミックスをしている割には、少し重さが足りない気も。豪快なだけでなく、繊細さもあるアンサンブルを引き立てるためかもしれませんが、もう少し重くていいと思う。

おそらく、海外レビューでの批判の多さはブラックのアングライズムが、いよいよもって本格的に薄れてきたからではないかと思います。でもこの作品、曲がもうブラックの邪悪さやアングライズムを必要としていないように感じるんですよね。DIMMUやCRADLEが作風がメジャー過ぎて苦手な人には、この作品も合わない可能性も。

ただ、エクストリームメタルのかっこよさを体現した作品だと思うので、激しいのが全くダメな人以外には、全メタラーに推薦。特に最近のメタルコアなどを好んで聴いている、若いメタラーには是非聴いて欲しいです。


KEEP OF KALESSIN - Through Times of War ★★★ (2006-07-16 20:54:00)

97年発表の1st。
やはりKEEP OF KALESSINは一枚目から凄かった…。

アンダーグラウンド臭を打ち消さずに高品質なブラックメタルを聴かせるという点においては今大人気の1349なんかと共通した音楽性ですが、1349がスピードとブルータリティに重きを置いているとしたら、こっちはドラマ性とメロウさに主眼が置かれている感じ。

音質は2ndよりはマシ(慣れただけかも)とはいえ、やはりノイジーなんですが、織り込まれるトレモロリフや時折挿入されるアトモスフェリックなキーボードの邪悪な甘美さは聴き手を酔わせ、「ノイジーなものを聴いている」という認識さえ奪ってしまいそう。

Obsidian CはSATYRICONのライブギタリストと言う事ですが、あの歴史的名盤である「NEMESIS DIVINA」と比較しても劣らないくらいに、どの曲も素晴らしいです。初心者にはお勧めできない…と言いたい所ですが、EMPERORの2ndを大音量で聴くのが気持ち良く感じるぐらいにブラックに嵌まっている人にならば余裕でお勧め。
ほんと素晴らしい作品です。

しかし、この作品、かなり探しましたがdisc hellでようやくゲット…。
廃盤にはなっていないようですが、Amazonでも(今のところ)品切れ中になっていたし、disc unionで見かけたこともないです。なんでこんな凄いアルバムがこんな目にあってるんでしょう。バンド名がEMPERORやMAYHEMのようにキャッチーじゃないからにしか思えないんですが(笑)


KEEP OF KALESSIN - Through Times of War - As a Shadow Cast ★★ (2006-07-21 20:05:16)

スローパートで溜めた後疾走する展開が印象的な曲。
後半のシンフォニックになり過ぎず、不気味さを保ちながらも幽玄さを加味するキーボードの使い方も良い感じです。このキーボードもObsidian Cの担当のようですが…流石ですね。


KEEP OF KALESSIN - Through Times of War - Den siste krig ★★★ (2006-07-16 20:58:22)

この曲のメロディの一部、ちょっと「ゴッドファーザー愛のテーマ」を思わせるんですが、それは流石に私だけかな(笑)。でもこういう大仰とも言えるメロウなメロディは、特にこの曲のような展開にメリハリのあるブラックには良くあってます。ギターがメロディアスじゃないパートでも意外とベースがメロディアスだったりして聴き応えのある曲。


KEEP OF KALESSIN - Through Times of War - I Choose to Suffer ★★★ (2006-07-21 20:11:49)

このバンドの売りの一つに楽曲のドラマ性があると思いますが、中でもこれは…。
キーボードが入っても容赦なくトレモロリフで責め立てるし、ギターソロはメタリックでかっこいいし。中でも中間の呪術的なスローパートは初期EMPEROR並の雰囲気の濃さを醸し出してます。もうObsidian Cを崇めたくなりますね(笑)


KEEP OF KALESSIN - Through Times of War - Itch ★★ (2006-08-12 12:32:29)

本編が終わった後に収録されているボーナス的な曲。
暗黒アルペジオを導くのは、何故かノリノリなリズム。そしてそこに乗るのはSILENCERなんかを思わせるキチ系の絶叫。明らかに他の曲とは何か違う感じ。面白い曲だけど、ラスト音がデカくなるのは個人的には完全に蛇足。わざと聴きにくくしているのかもしれませんが、変な所にこだわらないで欲しい。★マイナス一個。


KEEP OF KALESSIN - Through Times of War - Nectarous Red ★★★ (2006-08-12 12:31:26)

ジャケには「Nectarious Red」とありますが、オフィによるとこっちが正しい曲名のようです。
結構ミディアムテンポの続く曲ですが、「甘美なる赤」のタイトルに相応しい、邪悪好きには甘やかに響くであろうメロディのおかげでダレることはありません。特にラストのツーバスに乗せてのトレモロリフはアルバム本編の締めを飾るに相応しい美しさです。


KEEP OF KALESSIN - Through Times of War - Obliterator ★★★ (2006-07-21 20:14:22)

後の「Reclaim」でのAttilaやFrostと録音したヴァージョンも良いですが、こっちのヴァージョンも負けないくらいに良いと思います。やはりこの手の邪悪&メロウなトレモロリフってノイジーなプロダクションに良く合うんですよね。


KEEP OF KALESSIN - Through Times of War - Skygger av sorg ★★★ (2006-08-12 00:24:22)

まるで溜まり水から生じた紫色の毒霧が立ち込めるようなキーボード、その沼に向かって語りかける長老の声、そして沼地に住む怪物が暴れているかのようなリズム…全てが邪悪に染められている曲。ブラックとして申し分無しの空気感ですね。


KEEP OF KALESSIN - Through Times of War - Through Times of War ★★★ (2006-07-16 20:56:46)

いきなりのドスの聴いた音質とトレモロリフによるオープニングで掴みはばっちり。
邪悪なメロディを奏でるリフを伴いながら繰り返されるタメ→疾走のリズムが心地良いです。こんな名曲が一枚目の1曲目だなんて…この頃から大御所に勝るとも劣らない才覚を発揮してたんですね。


KENJI SIRATORI ★★ (2011-03-28 19:34:07)

先日ブラック/アンビエント/ノイズのアルバムを発表した日本人サイバーパンク作家。
「KENJI SHIRATORI」ではないので注意。


KENJI SIRATORI - Dark Nature ★★ (2011-03-28 19:34:41)

Ihsahnの妻Ihrielとの共演でも知られる、日本人サイバーパンク作家の1st。
某ショップではブラックメタルとして紹介されていましたが…

バンドサウンドやメロディは一切無く、ノイズや持続音を使って世界観を練り上げる音は、ブラックというよりは「ブラックの世界観を持つノイズ/ダークアンビエント」と言った方が正しいかも。持続音で真っ黒で抑圧された空気を感じさせつつ、そこにノイズで情景を描いていく作風は、アンビエント系ブラックのみならず、CMI系列のダークアンビエントを愛聴する人にも薦められそう。

聴いていると、荒廃し切った廃墟だったり、数多の金属片がドス黒い重力場に引き寄せられ、押し潰される様子だったり、様々なイメージが浮かぶ、想像力を刺激する音は作家ならではといった所でしょうか。また、時折エフェクトじみた、如何にも機械がかったノイズを挟んでくるんですが…使いすぎると作り物めいた音像になりそうなこの音を、上手く使って有機的な音に仕上げているのが素晴らしい。

ただ、私はIhrielと共演経験のある、日本人作家のブラックという予備知識だけで買ったので、全く日本産の匂いがしない、かつバンドの音の全く入らない作風には「あれ?」という感じかも(笑)。その辺を踏まえているなら、買って損はないのではないでしょうか。


KERBENOK ★★ (2009-11-03 09:46:00)

ドイツ産ペイガンブラック。
1stを聴く限り、かなりの有望株かも。
1stのタイトルですが、ケース横には「OOOOOOOO」、ケース側面には
「OOOOOOOOO」とありますが、CDに付いてきたレーベルのカタログを見ると
「O」が正しい模様。ぶっちゃけ、ケース横のインパクトで手に取りました(笑)。


KERBENOK - O ★★★ (2009-11-03 09:36:00)

2008年発表の1st。
1000枚限定のA5デジパック版も出てるようです(見た事ないけど…)。

ペイガン/フォークメタルって、個人的には「民族メロディの華麗さで、メタルとしてのインパクトを更に上げる」タイプ(ELVEITIE、TURISAS辺り)と、「メタルの暗黒性とペイガニズムの土着性を掛け合わせ、独自の世界観を追求する」タイプ(GRAVELAND、LUCUFIGUM辺り)に大別されると思うんですが、このバンドはどちらかというと後者寄りですね。

このバンドの場合、素晴らしいと思うのは、ペイガニズムの表現方法への貪欲さ。
他のペイガン/フォークメタル同様、民族楽器による叙情メロ、詠唱系男性Vo&祈祷師系女性Vo、トライバルでパーカッシブなリズムなど「お約束」な部分はしっかり押さえてるんですが、このバンドはそこに留まりません。いかにもペイガン思想の地下プリブラがやりそうな凍てついたトレモロと2ビート疾走、後期THE 3RD AND THE MORTALに通じる幽玄でコンテンポラリーな雰囲気のキーなども取り入れてるほか、部分的ですが、民族メロの素朴さが、シューゲイザー寄りブラックに通じる温かみをもたらしている所もあったり。

個人的には、「Memoirs」期のTHE 3RD AND THE MORTALに通じる音色を取り入れていながら、THE 3RD~が現代的な都市の風景を描いているのに対し、このバンドは土着的な世界観を表現しているのが面白いと思いましたね。相当このシーンを研究し、咀嚼して自分のものにしているんじゃないでしょうか。

音質はクリアながらギターがアナログ感ある歪み方で良いし、様々な要素を破綻無く、ドラマティックに纏め上げる作曲能力、印象にしっかり残るリフなどの個々のパーツの魅力など、どこを取っても上質で、個性的なだけではなくレベルの高い音だと思う。

個性を求めてペイガンメタルに手を出した人や、NEGRA BUNGET、HELLVETO辺りのファンにお勧めです。


KERBENOK - O - Heimstatt in Trümmern ★★★ (2009-11-03 09:41:04)

全体として非常にレベルの高いペイガンメタルの大作だと思いますが、個人的には終盤が衝撃でしたね…こんな現代的な音を取り入れることで、逆に土着性を表現するとは…。バンドの才能の切れ味が良く分かるパートではないでしょうか。


KERBENOK - O - Lys ★★ (2009-11-03 09:44:13)

ごく短い曲だけど、これはかなりツボ。
リズム面ではこっちは民族的なパーカッシブなもの、向こうはエレクトロニカがベースという違いはありますが、このクスリが脳に解け広がるような陶酔は間違いなく後期THE 3RD AND THE MORTALと通じる音だと思う。


KERLI - Love Is Dead ★★ (2009-05-06 20:12:00)

2008年発表の1st。
頽廃的かつ少女趣味でありながら、変に男性に媚びてないアートワークに惹かれてジャケ買い。
聴いてみると、ストリングスがゴス的な夜の雰囲気を演出する暗いムードの曲を、コケティッシュな
ヴォーカルが引き立てる頽廃と幼気さが混在するゴシックで、ジャケから想起されるイメージに
ピッタリな音でした。…一曲目は。しかし聴きすすめるとプログレ的キーボードを配した曲や
インダストリアル要素を音響面に生かした曲、果てはチア・リーディングのようなヴォーカル
パートがある曲まであり、様々なタイプの曲を演っていて、曲によって「ゴス的頽廃性」の
濃度が特濃からウス味までかなり差がある感じ。
…と言っても、軽薄に聞こえるほど明るい曲やパートはないし、どの曲も歌メロ…というか
ヴォーカルパートが、リズミックだったりチャイルディッシュだったりでかなりフックが強く、
結果この手のゴス系バンドにありがちな「世界観にこだわるあまり、どの曲も同じような
感じになる」という所からは遠く離れた、魅力的なアルバムに仕上がっていると思います。
ヴォーカルも悪意なく命に関わる悪戯をしかけてきそうな、イノセントな邪悪さを秘めている
感じで悪くないです。癖を付けて歌わないと、天野月子さんの声質に少し似てるかもしれません。
…アウトプットは全然違うし、こっちの方が大分マニアックな感じはしますが、歪んだ
ポップ性はどこかhideやMARILYN MANSONにも通じるところがあると思います。
フィメールゴシックだけでなく、その辺りが好きな人も聴いてみるといいかもしれません。


KERLI - Love Is Dead - Creepshow ★★★ (2009-05-06 20:15:32)

アルバムレビューの方でもhideやマンソンとの類似性に言及しましたが、この曲はzilch(hideさんがやってたバンド)とかなり通じるものがあると思う。「歪んだポップ性」が洗脳的な中毒性を持つまでのレベルに達しているところが共通しているかと。メロディも雰囲気も独特すぎて、それが強烈なフックになってます。


KERLI - Love Is Dead - I Want Nothing ★★★ (2009-05-06 20:14:36)

チアリーディング風ヴォーカルパートが嫌でも印象に残る曲。
買った時は、こんな曲が入ってるなんて思いもしなかったなぁ…でも凄い好きです、この曲。そういえばMikko Aspa(DEATHSPELL OMEGA等)はCREAMFACEというバンドで、アンチゴスな曲とチアリーダーフェチな曲を両方作ってましたが、この曲を彼が聴いたらどう思うんでしょうね(笑)。


KERLI - Love Is Dead - Walking on Air ★★★ (2009-05-06 20:16:24)

代表曲らしいですが、確かにこれは素晴らしい。
深い音像に薄暗いキーボードを絡めた音はゴス的頽廃性に満ちてるんですが、そこにハンドクラップやパーカッシブなヴォーカル、チャイルディッシュなコーラスを絡めて独特のムードを演出してます。コーラスなんてゴス世界の、夜道の草陰から聞こえてきた子供の幽霊の歌声みたいだし、途中破滅的なインダストリアル系の音が出てきたときは思わずゾクっと来た。キャッチーですが、ゴス濃度は特濃です。


KETZER - Starless ★★ (2016-12-26 07:31:23)

2016年発表の3rd。

Metal Bladeからの発売、Terrorizer誌にもレビューが掲載されるなど、結構プッシュされてる印象。販促シールではBEHEMOTHが引き合いに出されてたりするので、ブルータル路線のバンド化と思いきや、意外にもロック寄りのミッドテンポ中心のグルーヴィなリズム、情感の籠ったリードギターで聴かせる音で、冒頭からハンドクラップ入れたくなるようなキャッチネスがありますね。

販促シールではTRIBULATIONも引き合いに出されてましたが、どちらかと言うとこっちの路線に近い音ですね。ただし、ただキャッチーなだけではない、どこかひねくれた知性を感じさせる展開も見せ、同郷のEISREGENなんかも連想します。ヴォーカルがメロディを歌う時ですらかなり歪ませた声なので、ブラックらしい殺伐感はしっかり残ってるのも嬉しいところ。

ブラックの王道とは言えない、ややマニアックな路線ですが、金太郎飴にならず一曲一曲をしっかり練り込んで聴かせるかなりハイクオリティな作品。衝動性よりも構築性を重視する方に。


KHANATE - Things Viral ★★ (2007-06-03 21:52:00)

2003年発表の2nd。
SOMAの参加するバンドはSUNN O)))とKTLも聴いてきましたが、このKHANATEが
一番メタラーに受けるのではないでしょうか。日本盤も一番先に出ましたし。
やはり前述のバンド同様、音作りは本当に素晴らしい、その一言。
ドラムの残響音とヘヴィ・ドローン・リフが交錯し、地獄的な風景を描いたり、低音が空気を
震わせるように揺れたりする所なんて、好きな人が聴いたら脳から汁が出っ放しになりそう。
SUNN O)))同様、「最大の音量は最大の効果を生む」の表記がありますが、私はたいてい
近所迷惑にならない程度の音量で聴いてます(笑)。しかしそんな大して大きくない音量で
聴いてですら、「重さ」と言うよりも「質量」を感じられる、存在感のある音が凄い…!!
基本的に聴いていて気持ち良いんですけど、曲の間中ずっと病的な雷恐怖症の人(私だよ、
それ・笑)が朝のニュースで雷注意報の発令を聞いたかのような不安感が伴ってます(笑)
その不安感の原因は、音そのものは勿論、ヴォーカルの貢献が大きいのかもしれません。
最初試聴で聴いた時は低音を強調したサウンドとブラック系の高音で感情剥き出しのデス声が
合わないように感じて、それで避けていたんですけど、いざCDを買って、部屋で独りで聴くと
第一印象が嘘の様に感情に訴えかけてくる…。特に2曲目なんか聴いてて辛いものがあります。
しかし、やっぱりSOMAは凄いですね。こういうサウンドを難解にせず聞かせるセンスが。
もしもお葬式に行って、お坊さんが読経の最中に叩く鐘が空気を震わせる音を聞いて
気持ち良いと思ったら試してみても良いかも(?)。そういう人はこっち系行ける才能あります(笑)。


KHANATE - Things Viral - Fields ★★★ (2007-06-03 21:54:10)

この曲は音そのものの素晴らしさは言うに及ばず、絶望・拷問系ヴォーカルが凄いですね。聴いてて、「お願いだから、どうかもう苦しまないで」とか言ってあげたくなるような悲痛さ。音の重圧以上に心が苦しくなる曲。「哀愁」の項目はヴォーカルに。哀愁というより絶望ですけど…。


KHANATE - Things Viral - Reh / Improv 1103 (2007-06-03 21:57:10)

日本盤ボーナストラック。リハ/即興演奏。
弓に「鳴弦」といって弦を打ち鳴らして魔を払うものがありますが、これはその逆。ギターを鳴らすたびに激重な音が出、それによって悪意や絶望が集まってくる感じ。


KHANATE - Things Viral - Too Close Enough to Touch ★★★ (2007-06-03 21:55:05)

曲の絶望感に打ちひしがれる前に、音響の面白さに感動してしまいました(笑)力を込めて何かを引き絞るようなノイズ音でタメを作って、その溜めたものを一気に放出するようにへヴィ・ドローン・リフが襲い掛かってくる…。


KHLYST - Chaos Is My Name ★★ (2008-05-14 19:17:00)

2006年発表の1st。
メンバー3人のうち2人がKHANATEに在籍、もう一人もSUNN O)))に参加した
経歴を持っていることから期待される通りのドローン/ダークアンビエント。
ドローンパートは引き摺るというよりも引き絞るという方が正しいような独特の歪みの
ギターにより、ぶっ壊れた機械がランダムで音階を発しているような奇妙なメロディを
奏でた上に、Runhildの発狂ヴォーカルが乗るスタイル。KHANATEの日本盤ボーナス
ディスクに付いていたインプロヴィゼーションを更に発展させたような作風と言えるかも。
Runnhildのヴォーカルは、ブラック的な高音絶叫ですが声をひっくり返したり喘いだり
狂気の表現はかなり巧み。女性である事を上手く活かした表現力があると思います。
っていうか、この声…御伽噺に出てくる鬼婆とか夜叉とかそのもののイメージなんですが(笑)
LEVIATHANの2ndのジャケの怪物が歌ってそう。人肉とか好きそう。
ダークアンビエントパートは、真夜中に廃寺の境内で瞑想をしているかのような、物陰に
明らかに何かが潜んでいそうな気配があって、普通の人なら一発で引きそうなくらい
不気味な雰囲気が濃いです。やっぱりKHANATEのメンバーが絡んでいるだけあって、
音の広がりは気持ち良い。この気持ち悪い雰囲気が心地良く感じられるんですよね。
ただ、内容自体は良いんですが、演奏時間36分は短すぎると思う…1曲目なんか
始まったと思ったらすぐ終わっちゃうし。もう少し長くても良かったと思います。
ドローンにしろダークアンビエントにしろ、どこか妖怪的な雰囲気が感じられる作品。
ドローンパートは妖怪が実際に妖怪が出てきた感じ、アンビエントパートは物陰に
潜んでいる感じである意味「妖怪へヴィメタル」です(笑)。
という訳で、陰陽座好きにもお勧め…とか書いたら、誰か真に受けて買ってくれるかな(笑)
ぶっちゃけ、ジャンルは違えど最近の陰陽座よりもよっぽど異形で妖怪的だと思う…


KHOLD - Hundre år gammal ★★ (2009-11-11 17:23:00)

2008年発表の5th。
00年結成だから、HR/HMバンドとしては割と速いペースで作品を出してますね。

リズムにロックのダイナミズムを導入する事で、アングラメタルのふてぶてしさ、ブラックメタルの暗黒エナジーを表現する、(「Now, Diabolical」「The Age of Nero」期の)SATYRICONにも通じる路線ですね。SATYRICONが鬱系メロの練り込まれたリフと威厳のあるデス声を用いていたのに対し、こっちはオールドスクールで太い響きのリフと、スラッシュがベースにありそうな野太いダミ声を使っているのが大きな違い。

その分、SATYRICONよりもメジャー感の薄い、アングラっぽい作風になってますね。SATYRICONとDARKTHRONE(共に最近)の真ん中くらいの作風というと近いと思います。そう考えると、何気に今のノルウェーのシーンを象徴する作品なのかもしれません。
ヴォーカルが独特で、トレモロリフの頻度も高くはないため好みは分かれますが、オールドスクールさとモダンさを両立した音を求めている方にお勧め。


KHOLD - Hundre år gammal - Bonn ★★★ (2009-11-11 17:28:06)

DISSECTIONを緩やかにしたような、毒々しい暗黒美の息づいた曲。
アルバムを通じて、美しさよりもダーティな雰囲気を重視していた感じがするんですが、敢えてこういう曲で締めた事で、全体の構成にも凄みが加わった印象があります。


KHOLD - Hundre år gammal - Der kulden rår ★★ (2009-11-11 17:24:55)

普通のブラックメタルよりも、ベースの音が効いているサウンドなのが良いですね。オールドスクールな、黒いふてぶてしさが更に強調されているような印象を受けます。


KHOLD - Hundre år gammal - Hundre år gammal ★★★ (2009-11-11 17:25:41)

クラスト方面に行く直前のDARKTHRONEみたいな雰囲気が素敵。
ふてぶてしさはありつつも、ブラックの陶酔的・催眠的な部分が強く出ている感じ。


KHOLD - Hundre år gammal - Rekviem ★★ (2009-11-11 17:26:27)

本能の警告を呼び覚ますような、不協的なアルペジオの醸し出す邪悪さは、近年のDSOに通じるものがあるかも。このバンドも暗黒を表現するのにかなり試行錯誤してそう。


KHOLD - Hundre år gammal - Straff ★★ (2009-11-11 17:27:09)

ギターの残響音にも気を使った音作りは、現代のブラックの感覚がありますね。このバンドは最近の手法も取り入れて、黎明期の邪悪さを表現しているのが面白いと思う。…ヴォーカルのスタイルがもう少し私好みだったら、凄くお気に入りのバンドになったかもしれないなぁ…。


KHONSU ★★ (2012-10-06 06:29:49)

ノルウェー産ブラックメタルバンド。
中心人物のS. Gronbech氏はKEEP OF KALESSINのメンバーであり、1stアルバムでもギターを弾いているObsidian C氏の兄弟。またKOKのThebon氏も正式メンバーと、メンバーの多くがKEEP OF KALESSIN絡みで構成されるバンド。先日Season of Mistより1枚目のアルバムをリリースしました。


KHONSU - ANOMALIA ★★★ (2012-10-06 06:30:51)

2012年発表の1st。

メンバーやスタッフがKEEP OF KALESSIN絡みのバンドですが…特に「Armada」以降のKOKの影響が顕著ながらも、しっかり差別化されている作風ですね。スラッシュ由来の、刻みを多用したダイナミックで動きの多いリフ捌きを用いた、メタルとして非常に質の高い演奏はKOKに通じるものがありますが、こちらはKOKのように完全にリフ主導の曲作りではなく、3rd以降のARCTURUSを思わせるシアトリカルな展開も多いのが特徴。

サイバーなキーボードや透き通った音色のピアノ、クリーンも用いたヴォーカルワークなどを駆使した、宇宙的な世界観の演出はKOKに通じる動的でかっこいいリフ捌きにより、更にドラマティックなものに。Thebon氏のヴォーカルも、KOKで聴かせたような熱いダミ声がなりだけでなく、不気味さを演出する呪詛系なども用いていて、表現の幅を広げている感じ。ただ中途半端にイケメンなクリーンヴォーカルは正直個人的には微妙。ARCTURUSの3rd、4thと比べると変態度低いのが物足りない…かも。

そういう訳でKEEP OF KALESSINとは明らかに異なる路線を行く音ではあるんですが、そこかしこにKOKの影が感じられるのも興味深いんですよね。「Inhuman States」のファストに絶頂に上り詰めるような、スラッシーなリフ捌きはKOK好きなら確実にグッと来るだろうし、全体的なバンドサウンドの音作り自体がかなり似てると思う。この歪みに頼り過ぎない、フレーズをしっかり聴かす事を念頭に置いたようなギターの音作り、KOK共々かなり好きですね。

かなりKOKを引き合いに出す箇所の多い文章を書いてしまいましたが、純粋にメタルとしてクオリティの高い音で、宇宙的な世界観も独特のものですのでKOK知らない方にも普通にお勧め。KOKもそうなんですが、ブラックのメタルの価値観を度外視したようなカルト主義が肌に合わないメタラーにもお勧めできるバンドです。


KHORS - Мудрiсть Столiть (Wisdom of Centuries) ★★★ (2013-07-07 10:23:41)

2012年発表の5th。

これ、店頭でやたら熱いコメントで勧められてたので、乗せられる形で買ってしまったのですが、想像以上に良い作品でした。作風的にはミディアムテンポを中心に、身を切るようなペイガン風味のメロディをリフに練り込み、アトモスフェリックかつ叙情的に展開していくブラックなんですが…凄く巧みな形で、ダイナミックさとドラマティックさ、アトモスフェリックさを両立させている作品だと思います。

低音の効いた、ずっしりとしたプロダクションは民族がかった哀愁メロディや厳然としたミッドテンポとの相性が非常に良く、冷厳なムードを醸し出してますね。普通のアトモス系バンドが吹雪や雪山だとするなら、このバンドは視界を埋め尽くすほど巨大な氷塊が、眼前に聳え立っているかのようで、威厳に満ちた音だと思う。トレモロリフを纏った寒々しい疾走も取り入れた構成とも相俟ってかなりダイナミックな仕上がり。民族的パーカッションの導入も良い味付けになってると思います。

酔いどれ系フォークメタルのような華やかさはほぼ皆無に等しいですが、深遠な哀愁がひしひしと伝わってくるかのような良質な作品。流石にCandlelightが目を付けるだけあって、一流の音だと思います。


KILL DIABO - A ★★ (2009-08-12 22:51:00)

2008年発表の3曲入りシングル。
以前、メタル専門店で貰ったイベントのチラシで存在を知り、アートワークやロゴなどに
凄く繊細なセンスを感じて目を付けてたんですが、ようやく流通がライブ会場のみから
店舗販売もされるようになり、手に入れることが出来ました。
なんと言ってもヴォーカルが素晴らしいですね。
女性的な儚さも中性的な凛とした雰囲気も表現できる、繊細なエモーショナルさを湛えた歌唱。
…結構エモーショナルさを売りにしてるシンガーって、感情を込める余り声の伸びが犠牲に
されてるケースが多い気がするんですが、この人の歌唱はウィスパー気味に歌ったり、
しゃくり上げたりしても声の伸びが失われず、心地良く聴けるのが素晴らしい。
声質的に、なにか天性のものを持ってるのではないでしょうか。
路線は、ヘヴィなバンドサウンドの主眼がスピードやスキル、テクニックではなく、
曲に込められた感情を出力する事に置かれているように思える辺り、ヘヴィロック寄りと
言える音だと思います。GUARDIAN HACKER、ToRN、HEAD PHONES PRESIDENTなどに近い
音楽性ですが、個人的にはこの手のバンドの中では一番好みかも。
2007年結成という若手のバンドながら、ラジオでベテランバンドの曲と交じって流れたと
しても聴き劣りしないであろう質の高さもあると思うし、Noir誌の発刊に注目しているような
国産ゴシック・ヘヴィロックファンには是非聴いて欲しいです。


KILLGASM - A Stab in the Heart of Christ ★★★ (2015-04-08 23:14:29)

2014年発表の2nd。
ブラックメタルにグラインドコアの要素を加えた…とその音楽性を紹介されていた彼らですが、実際に聴いてみるとこれが非常にかっこいい!

ファストパート中心に、ハイテンションかつ冒涜性の高い音を聴かせる作風ですが、ファストな部分がただ速いだけでなく、目の前の物全てを蹴散らしていくような、野蛮なパワーに満ちているのが特徴で、この辺りはグラインドコアの影響が良い形で出ているように思います。そこに乗るリフ捌きは意外にもメロディアスなものが多いですが、ブラックらしい湿り気、邪悪さ、狂気などを孕んだメロディで、激烈なリズムとも見事に合致している印象ですね。

あと、何気にヴォーカルも凄まじくかっこいいです。
ブラックらしい高音絶叫と、低音のグロウルを使い分け、時にグラインドコア由来のガテラルも交えてくるスタイルですが、そのどれもが壮絶。特に高音絶叫は、余りにも声を潰し過ぎて、半ば発音が崩れてしまってるほどなんですが、それが楽曲の狂的で冒涜的なムードとマッチしててかっこよすぎます。低音グロウルの地の底から響くようなおぞましさ、ガテラルの耳を侵すような響きも素晴らしいし、ほんとこのヴォーカルツボです。

ブラックの冒涜的メロディアスさと、グラインドコアの野蛮な炸裂感を上手く合わせつつ、クオリティの高い音を聴かせてくれる、かなりの良盤。かっこよさの点では頭抜けた作品だと思いますし、お勧めです。


KING (AUSTRALIA) ★★ (2017-08-08 12:34:06)

オーストラリア産メロディックブラック/デスメタルバンド。
しかし検索で見つけてもらう気皆無なバンド名ですね…(笑)


KING (AUSTRALIA) - Reclaim the Darkness ★★★ (2017-08-08 12:34:52)

2016年発表の1st。
結構新しいアルバムなのに、未開封の新品が半額くらいで売ってたのでサルベージしましたが、これがなかなかの力作で素晴らしいです。

カテゴリとしてはメロディック・ブラックになるんでしょうが…ブラックにありがちなマニアックさ・アングラさは殆どなく、まるで正統派メタルのドラマティックさをそのままに、音の分厚さや攻撃性など、エクストリームメタルの激烈さでビルドアップしたかのような作風で、メロデスにも通じる音ですね。一作目にしていつ国内盤がリリースされてもおかしくない、地に足の着いたハイクオリティさ。

ただしハイクオリティだからといって無難な訳ではなく、ヴォーカルにはブラックメタル由来の獰猛さが強く感じられるし、なにより聴かせるべきところではしっかりと聴かせてくれる、叙情的なメロディがかなり良いんですよね。ちょっとヴァイキング風味入っている所がまたたまらないです。このメロディのお陰で、かなり音圧のある音ながらメリハリをもって聴かせることに成功している印象ですね。

しかし、かなり質の高い作品なのになぜ投げ売られていたのか…質の高さゆえに仕入れ過ぎたとかでしょうか(笑)。確かに、ただ質が高くてもなにか話題になるような要素がないと爆発的には売れなそうではありますからね…。


KIRCHE ★★ (2006-04-23 10:15:00)

読み方は「キルシェ」。ドイツ語で「教会」の意味です。
正式な発音は「キルヒェ」みたいですけど、敢えてこう読むみたいです。
ポップス/トラッド/プログレなどを上手く組み合わせ、ユニークで
幻想的な音楽をクリエイトしているユニットです。
あるプログレのガイドブックの名盤20選に「PLEIADES」が選ばれたり、
その方面からの評価も高いようですね。
ハードロックでは「GÅTE」など好きな人にお勧め。


KIRCHE - Pleiades ★★ (2006-04-23 10:07:00)

99年発表の2nd。
個人的にはスルメ盤です。
いかにも民謡なキャッチーなメロは案外少なく、曲が長めで、他の一般的J-POPの様にサビで
いきなり開ける…みたいな決まりきった展開だけではないので、初聴き時の印象が
掴みにくく最初は結構戸惑ったんですが、聴くたびに好きになっていったアルバムです。
頭の中に映像が浮かんでくるようなアレンジや、下手をするとサビの歌メロよりも饒舌な
間奏などのヴァイオリン、キーボード、アコーディオンなどが素晴らしく、これが
プログレファンに受けているというのも良く分かります。じっくり聴くべき作品。
ヴォーカルもかなり個性的ですね。
少し幼い感じで高めの声ですが頻繁に交えてくるコブシとビブラートを同時に掛けたかのような
声の震わせ方がアクセントになっていて、それが民族色の強い曲に良くマッチしてます。
ゆっくりと曲からのイメージに浸りながら聴きたい人にお勧めのアルバムです。


KIRCHE - Pleiades - Mirage of Sands ★★★ (2006-04-23 09:45:55)

砂漠の夜を思わせる、ロマン溢れるメロディが印象的な曲。
悠久の時をこの8分間に凝縮したような重厚さがあって、特にサビの透き通ったヴォーカルは特筆ものです。こういう透明な叙情を表現できるヴォーカリストってほんと尊敬します…アルバムで一番好き。


KIRCHE - Pleiades - Swim -水夢- ★★★ (2007-03-23 17:32:24)

前曲に引き続きプログレ色の強い楽曲。
っていうかプログレ以外の何?って言うくらいその色が濃く、これや「Mirage of Sands」はプログレとポップスを見事に共存させた名曲だと思います。夢見るようなピアノの調べに悶絶。


KIRCHE - Pleiades - セイリオス ★★ (2006-05-03 23:46:46)

曲の展開こそ結構ポップですが、ゆったりとした壮大さがありますね。
優しさの中に力強さだとか、厳しさだとかを感じさせる曲調はどこか河の流れを思わせます。ただ最初聴いた時は3曲目でいきなり大作だったので少し戸惑ったかも。


KIRCHE - Pleiades - ティル・ナ・ノグ ★★★ (2006-04-23 09:53:54)

森の中の妖精が輪になって踊っているような、楽しげな曲。
アルバムの中でも抜けてキャッチーな曲で、これは一発で気に入りました。長い間奏も妖精たちの宴もたけなわといった感じで好き。取りあえず民謡好きならば必聴の名曲です。


KIRCHE - Pleiades - 五月はベリルの風をつれて ★★★ (2006-04-23 10:12:00)

タイトル通りの初夏の爽やかさを感じる曲。
特にヴァイオリンや「♪I can feel the breath(voice) of May」のコーラスは、青空の下のシロツメクサの草原のイメージがぱっと浮かぶようなメロディで本当に素晴らしい。こういう曲って、爽やかなのに何故か涙腺が緩んでしまうんですよね…


KIRCHE - Pleiades - 千の夜の睛~CELESTINE ★★ (2006-04-23 09:49:36)

良くプラネタリウムなどで満天の星空の映像を見たり、銀河系の映像を見たりすると自分が吸い込まれてしまうような怖さを味わう事がありますが、この曲でもそんな感覚を堪能出来ます。
特にBメロで入ってくるキーボードの幽玄なフレーズには畏怖を覚えます。


KIRCHE - Schwartz Nacht - Departure ★★ (2006-04-23 09:42:01)

この曲のイントロ等のヴァイオリンとアコーディオン、個人的には思春期のガラスの心っていうイメージなんですが…あくまで私のイメージなので当てにしないで下さい(笑)
しかし、珍しく井上さんとの掛け合いヴォーカルですが、正直微妙だなぁ…みとせさんのヴォーカルがそれに触発されて迫力あるパフォーマンスになっているのはありありと分かりますが、あまり特徴の無い声で好きになれない…いっそヴァイキング風朗唱でもやってくれればいいのに。


KIRCHE - Schwartz Nacht - Schwartz Nacht ★★★ (2006-05-03 23:50:04)

タイトルはドイツ語で「黒き夜」の意味。
シングルの表題曲だけあってキャッチーなトラッドメロが堪能出来ますが、一回目のサビの後にリズムが音色まで変化してしまったりといった細やかなアレンジはプログレ魂を感じます(笑)この音は癖になる…


KIRCHE - 唄は語り継がれる - ニンフェア~天空に咲く花~ ★★★ (2006-05-09 21:31:05)

もしKIRCHEの曲をまだ聴いた事のない人が聴いたとしても一発で良さが分かりそうなくらいの取っ付きやすさがありつつも、この繊細さ、幻想性は流石です。特にオルゴールらしき音とアコーディオンが絡むところなんか本当に天上の音楽って感じ。


KIRCHE - 唄は語り継がれる - 唄は語り継がれる ★★★ (2006-05-09 21:39:00)

タイトル通り、古くよりの伝承歌を思わせるメロディの曲。
でも、こんなに高音を綺麗に出さなくちゃいけないなら、語り継げる人は限られてしまうのでは(笑)一子相伝、みたいな。ラストは「Pleiades」のメロディを用いたスキャットが入ってますが、この後に「千の~」からアルバムを繋げると、アルバムの内容が語り手の紡ぐ物語に思えてとてもいい感じに。私もMDに編集する時はそうしてます。


KIRCHE - 唄は語り継がれる - 凍る階音 ★★★ (2006-05-09 21:34:38)

帯にもある通り、KIRCHEの音楽の特性って「風景が見える」ことだと思いますが、そのなかでもこの曲は特にそういう側面が良く表れていますね。
絵画で見ただけで静寂、無音の状態が伝わってくるものってたまにありますが、この曲は音でそれを表している感じ。語義的には矛盾してますが、聴けば分かると思います。


KISSING THE MIRROR - Blade Of Ancient Temple - Insanity of Crimson Eyes ★★ (2008-10-20 18:56:29)

メロデスに和風メロを足してパワーアップさせたかのような曲調で、特にキーボードによる、兎が月に向かって飛び跳ねてるような情景を想起させるメロディが凄まじいクサさを放ってます。こういう曲調ならデスヴォイスが欲しくなってくるなぁ…。


KISSING THE MIRROR - Blade Of Ancient Temple - Night at Enigmatic Garden ★★ (2008-10-20 18:55:43)

泣きのギターを武器とするIRON ATTACK!に対して、こっちはテクニカルなキーボードが持ち味になってますね。この二者でスプリットを組んだ事で、アルバムの構成にもメリハリが生まれてると思います。


KISSING THE MIRROR - Blade Of Ancient Temple - The Guardian of Evil Palace ★★ (2008-10-20 18:54:25)

CHILDREN OF BODOMをパロったバンドロゴ通りのオーケストラヒットの多用に、思わず笑みが零れてしまいますね…(笑)。早回ししたような忙しなく乱舞するクサメロは本家よりいいかも。ただ、パートによってはちょっとリフと主旋律が上手く噛み合ってない感も…。


KISSING THE MIRROR - Dreaming River (wooming × 魂音泉) - Bad Omen (2009-05-09 22:13:31)

イントロのギタメロ、ちょっとARCH ENEMYの某曲に似ているような…同じ試みはUI-70が先にやってましたが(笑)。それよりも、開始一分半くらいのメロディの泣き具合が、このジャンル(東方メタル)でも最強レベルで半端ないです。…でも、なぜピアノソロ…。なぜ、なぜこのメロディで疾走してくれない!!!?…半分はこのメロでの疾走を期待してアルバム買ったようなものなので、個人的な恨みを込めて星一つ(笑)。まあ、タイトルの時点でイントロダクション的な楽曲かも、という予想も、あるにはあったんですけどね…。


KISSING THE MIRROR - Dreaming River (wooming × 魂音泉) - The Blood of Insanity ★★ (2009-05-09 22:18:34)

このジャンルを知らない人にも一発でアピール出来るくらい、メロディの活かし方は上手いですが…このメロのアレンジを幾つも聴いてきてるリスナーとしては、もう一つセールスポイントとなる何かがあればもっと良かったと思う。でも、IRON ATTACK!もCROW'ZCLAWも黒夜葬も捻ったアレンジだし、UNLUCKY MORPHEUSはVo入れてるしで、意外とこういうストレートにメロを活かすインストメタルって貴重かもしれません。


KISSING THE MIRROR - Dreaming River (wooming × 魂音泉) - The Night of Eternity ★★★ (2009-05-09 22:21:41)

キーボードだけでなく、ティンパニと思しき音も入れた音作りが、映画的な壮大さを演出する曲。このキーボードだけに頼らないで構築するシンフォメタル観が私的に好み。


KISSING THE MIRROR - Fatal Scythe's Awakening - Power O' Nine ★★★ (2009-09-22 09:06:11)

これはイントロを聴いて衝撃を受けましたね。あのメロディを、こんなにもかっこよく、こんなにもメタリックに使う事が出来るのか…って感じで。メタルのスタンダード曲でも演奏するかのようにしれっと演ってるのが面白い。今回、メロの使い方の上手さが光る曲が多いと思う。


KISSING THE MIRROR - Fatal Scythe's Awakening - Unlimited Rage ★★★ (2009-09-22 09:07:29)

以前の「Bad Omen」ではオープニングのピアノのみという生殺しで萎えさせてくれた、伝説的クサメロが今回満を持して疾走!!もちろんメロをなぞるのはキーボードではなくリードギター。これだけでも名曲確定ですが、イントロなどのメロのアレンジも熱くて素晴らしいです。
このイントロ等で使われてるメロ、幼稚園くらいのときによくやってたファミコンソフト「おぼっちゃまくん」のアジアステージのメロに似てて、個人的に親しみ深いんですよね(笑)。


KJELD - Skym ★★★ (2016-04-19 00:20:54)

2015年発表の1st。

一言で言うなら、アトモスフェリックブラックの空気感と、ブルータルブラックの攻撃性を上手く折衷したようなブラック…という感じでしょうか。ノイジーで重くのしかかるようなリフの音色は、時に空間的なキーボードの助けを得つつ、どす黒くて救いのないムードを演出。この音作りはアトモス系にも通じますが、楽曲そのものはLUGUBREのメンバーが関与している事からも察せる通り、かなりブルータルなパートも含む劇的なもの。

醸し出されるムードが重々しく質量感のあるものだけに、展開によっては若干聴き疲れして間延びを感じさせる部分もなきにしもあらずですが…その分楽曲のクライマックスでの求心力は異常なほど。このどす黒さを保ちつつ、魔的なトレモロリフのメロディと共に畳み掛けるパートなんて、LUNAR AURORAの「Andacht」アルバムを思い出してしまったくらい。なにか超常的なまでのパワーを感じるというか…。

ぶっちゃけ間延びしたパートが全くないバンドなんて殆どいない訳ですし、そこは大きなマイナスではないかと。それよりもどす黒いムードと、曲自体のクオリティを両立させたポテンシャルの高さに注目したいところ。マイナーかもしれませんが、カルト音源としての質の高さがある作品だと思います。


KLADOTUS - VAIENNEET TEMPPELIT ★★★ (2012-05-25 21:41:39)

2011年発表の2nd。
これが出た年は、何気に結成10周年だったらしいです。意外にベテラン。

まあフィンランド産でSATANIC WARMASTERのメンバーが運営しているレーベル(Werewolf Records)からの発売という時点で、良質のプリミティブブラックを期待するに十分な情報ですが…想像してた音そのまんまでした(笑)。北欧産らしいメロウなトレモロを織り交ぜつつ、オールドスクールなノリも混ぜ冒涜感を演出する、如何にもプリミティブブラックという音。

プリブラとしてのセンスもかなり高く、トレモロには分かりやすい叙情性や邪悪さが込められているし、一部で使われるキーの音色選びも上手い。何より、8トラックを使用したというRAWな音質ながら、高音域だけを強調しすぎることのない、ある意味で聴きやすさを感じさせる音作りが素晴らしい。変に聴きづらくないのに、衝動性や荒々しさ、カルト性はしっかり伝える辺りが巧いです。

ただ、良質なプリブラであることは間違いないんですが、ちょっとヴォーカルに癖があるのがネックでしょうか。絶叫している箇所は文句なしにかっこいいんですけど、時折歪みの少ない声で喚くのが微妙…。たまに無気力な感じもするし。曲をスポイルするほど悪いわけじゃないですが、正直普通に絶叫してくれた方が個人的には良かったですね。

それでもプリブラ好きを満足させるだけのクオリティはあると思う作品。上記のレーベルや、Northern Heritage辺りのリリースを追ってる方なら手を出して損はないでしょう。


KLADOVEST ★★ (2011-10-17 21:46:02)

ウクライナ産鬱ブラック。
DRUDKHやOLD SILVER KEYなどの活動で知られるRomanがヴォーカルを務めてます。作曲や演奏はDmitriy Kという人物が担当しているみたいです。


KLADOVEST - Escape in Melancholy ★★ (2011-10-17 21:46:57)

2009年発表の2nd。

…スタイルは俗に言う鬱ブラックですが、多くのバンドがBURZUMの3rd(の1曲目)に影響を受けた作風に向かうのに対し、このバンドはBURZUMの4th「Filosofem」アルバムの作風を踏襲したような作風で、意外にレアなタイプかもしれません。

特に特徴的なのはギターリフの、インダストリアルノイズすれすれの摺り込むような金属的な歪ませ方で、一聴して「Filosefem」アルバムを思い起こさせます。ヴォーカルが鬱系にありがちな裏返り絶叫でなく、がなりであったり、トレモロリフだけでなく、平坦な摩擦リフも多用する所なども似てますね。ただ、BURZUMの当該作品のような、深淵に向かって一歩ずつ進んでいくような絶望感は薄め。その代わり、メロディにはBURZUMよりも分かりやすい泣きがあるため、取っ付きやすさは悪くないと思う。

BURZUMの「Filosofem」や、NARGAROTHの「Rasluka」シリーズ等、金属質にノイジーな音質かつメロウさもある鬱ブラックが好みの方には大推薦…なんですが、正直言うと4分間ヂリヂリ平坦ギターリフのみで引っ張る導入部だけは辛いです…。


KLAGE - Die Weihe des Eises ★★ (2014-10-07 10:31:08)

2008年発表の1st。
CD盤は約25分の大作1曲のみを収録ですが、アナログ盤は更に3曲多い仕様だとか。CD買ってから知りましたが、正直この仕様はどうなんでしょう…。私はアナログで聴く習慣がないので、結構不満が残るんですが…。

…仕様には文句タラタラですけど、肝心の内容自体はなかなか。ジャンル内のカテゴリーとしては、鬱ブラック寄りのアトモスフェリックブラックという感じでしょうか。音像をうっすらと覆うノイズ質が、正体をぼかすような幽玄さを醸し出す、ムードたっぷりのブラックメタル。このノイズ質の中から漏れ聞こえてくるようなトレモロのメロディには、鬱や儚さ、メロウさだけでなくどこか気品のようなものが感じられて、それが凄まじく胸を打つんですよね。壮麗なオーケストレーションで、突然スケールを増す大団円も意外かつ面白い。

まあ、後半のアルペジオパートがちょっと引っ張り過ぎだったり、音量が小さいプロダクションには若干不満を覚えたりはしますけど、ありきたりではない魅力のある作品である事は間違いないと思います。ちなみにバンド名には「クラゲ」の意味はなく(当たり前だけど・笑)、ドイツ語で「嘆き」を意味する単語だとか。


KLAUS SCHULZE - Irrlicht ★★ (2006-11-30 21:33:00)

確か72年の作品だったかな?
評価が高いらしいので聴いてみましたが…
最初に、音を楽しむつもりで流して聴いてみた時は「ふーん。こんな感じか~」くらいの
感想だったんですが、意識を集中してもう一度聴いてみたら全く別の印象でした。
とにかく1曲目のオルガンのインパクトが絶大。良く聴くと単なるミニマリズムじゃなくて、
まるでオルガンが未知の有機生命体の様に形を変えながら浸食してくるような感覚を
覚えるような感じで、かなりグロテスクな印象を受けます。確かに自己破壊的ではあるんですが
内部から破壊されていく感じ。オルガンがこんなにグロい印象を与えるなんて…(笑)
3曲目はライナーでも指摘されていますが、時折入る「コツッ」という音が緊張感を
醸し出してますね。かなり変化に欠けるパートですが、1曲目で自己破壊が完了して、
荒涼とした風景が広がってる…みたいな雰囲気でしょうか。
ただ、やっぱり3曲目は長すぎると思うし、聴き所はやっぱり1曲目だと思います。
私には普通の鬼火どころかもっと恐ろしい物でした(笑)
何気にエクストリーム・メタルが好きな人にもお勧め出来る作品だと思います。
特にBURZUMの「TOMHET」辺りで鬱るのが好きな人とか、SUNN O)))の轟音に身を委ねるのが
好きな人なんかには良く合うんじゃないかと。そういえば、DARKTHRONEのFenrizが
「NEPTUNE TOWERS」というプロジェクトをやってましたが、作風殆ど一緒ですね。
結構感性的には共通する物があるのではないでしょうか。