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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 401-500

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 401-500
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ALI PROJECT - 幻想庭園 - 紅い唾蓮の午後 ★★★ (2006-02-17 22:51:15)

どこかメルヘンチックな印象を受けるアレンジ。
決してダークメルヘンではないんですが、引き込まれて戻ってこれないような怖さも感じられる曲。もっとも、こんな世界に沈んでいったら二度と戻りたくなくなる事必至ですが。


ALI PROJECT - 幻想庭園 - 桜の花は狂い咲き ★★★ (2006-01-18 22:10:39)

ALI PROJECTには珍しい、わらべ唄を思わせる和なメロディが狂気的なアレンジで表現されるだけでもツボ過ぎるくらいにツボなのに、この展開のドラマ性はどうでしょう…中盤のバイオリンパートからの展開はやばいです。
これがデビューアルバムの曲だなんて、なんて才覚…


ALI PROJECT - 幻想庭園 - 少女忌恋歌 ★★ (2006-02-01 05:12:44)

シンセでの雰囲気の表現が特に凄いと思う曲。
メタラーにしか分からない表現で例えると、最近の煌びやかな曲がシンフォニックなCRADLE OF FILTHだとしたら、これはアトモスフェリックな初期EMPERORって感じ。


ALI PROJECT - 幻想庭園 - 硝子天井のうちゅう ★★★ (2006-10-29 19:44:10)

歌詞、メロディ、アレンジからちょっとした効果音に至るまで、全ての要素が間隙なく噛み合って一つの世界観を形成してしまってますね…でもこれ、歌詞なんて曲の為に書いたとは思えないくらい良いんですけど…。普通に有名な詩人の詩集とかに載っててもおかしくない。
メロディも良いので、「Lento」収録のインストバージョンもお勧め。この親しみやすさと幻想性のバランスはヤバい…。


ALI PROJECT - 幻想庭園 - 青蛾月 SEIGAGETSU ★★★ (2006-01-23 16:18:31)

この曲の冒頭のSE~破滅的なピアノの流れ、なんか砂場で遊んでいた子供たちの元に夢魔が現れて連れ去りにきたみたい。本編も美しく、そして壊れた世界観です。耐性ある人にはこういう曲辺りから勧めてみてもいいかも。


ALI PROJECT - 神々の黄昏 ★★ (2005-12-18 10:14:00)

2005年発表のストリングス・アルバム。
収録曲と発売時期を考えると、ALI PROJECTからリスナーへのクリスマスプレゼントかも(笑)
私は彼らのストリングス・アルバムって買うのはこれが初めてですが、なかなか良いですね。
最初はDilettante収録の、同じくピアノとストリングスをバックに歌い上げる「鎮魂頌」と
比べると音の圧力が控えめなアレンジを取っているせいで、「う~ん、いまいちかも…」と
思ってしまいましたが、聴けば聴くほどに味が出てきますね、この作品。
ストリングスとピアノだけがオケに使われているアルバムというと、全編静かで緩やかに
時間が流れていく…的なものを連想しますが、そのうちの何曲かは切羽詰ったような
緊張感があって、流れが一本調子になっていないので展開的に聴きやすいです。
特に「アンジェノワールの祭戯」辺りはかなりの名曲なので必聴です。
でも「病める薔薇」は悪くないけど、やっぱり電子音が入ってこそだと思いましたが…
アリカさんの歌も、いつもよりも呼気を多めに含むヴォーカルを使う場面が多く、
繊細な感情の描写はオリジナルアルバム以上かもしれません。
ただ、他のアルバムと比べて少しヴォーカルのヴォリュームが小さいのがちょっと…
アートワークも凝ってますね。
歌詞カードの裏もフランス人形で可愛い系かと思わせといて、棘の箱に入ってるし。
一つ疑問に思ったのは、「神々の黄昏」、つまりラグナロクって北欧神話の概念で、
結構アンチキリストのバンドとかが題材にしてるのに、普通にクリスマスソングが
入ってるんですが…(笑)。もしかしたら彼等流の皮肉なのかも?


ALI PROJECT - 神々の黄昏 - JE TE VEUX ★★★ (2005-12-07 18:53:44)

原曲はサティ。かなり有名な曲なので、聴けば「ああ、この曲か!」って気付くと思います。歌詞はフランス語ですが…アリカさんってフランス語喋れるんでしょうか?発音、特にあの日本人なら絶対苦労するrの音が綺麗でびっくりしました。失礼かもしれませんが、noirっていう単語好きなのは分かるけど使いすぎだから喋れないと思ってた(笑)


ALI PROJECT - 神々の黄昏 - Visconti Chic(instrumental) ★★★ (2005-12-24 00:19:47)

やはりALI PROJECTのインストはどれも良いです。
特にこの曲は途中のストリングスが大仰で、それでいて親しみやすく心に来るメロディを奏でている部分がとても素晴らしい。曲は約4分とアルバムのイントロダクションとしては長めですが、そういう機能を持った曲と言うよりもひとつの世界観を確立している曲かと。


ALI PROJECT - 神々の黄昏 - アンジェノワールの祭戯 ★★★ (2005-12-22 22:06:46)

最初はストリングスとピアノオンリーでこういう世界観を表現できるなんて、やっぱりALI PROJECTって凄いなぁ…とくらいに思っていましたが、サビの余りにも綺麗なメロディを聴いた時の衝撃はそんなものではなかった!!とにかくメロディを聴けば分かります。歌詞の世界観もアリカさんらしくて好きですし、今作ではもっともお勧めの曲です。
原曲も後から聴きましたが、「♪今宵は~」の前の妖しいシンセパートがこちらではどう解釈されているかとか、歌メロの微妙な違いだとか聴き比べてみても面白いです。


ALI PROJECT - 神々の黄昏 - マリーゴールドガーデン ★★★ (2005-12-11 17:20:36)

どこかで聴いたメロディと思ったら、これもクラシック(アルベニスの「タンゴ」)を原曲とした曲。日向ぼっこしてて、うたた寝しながら見る夢の中ではこんな曲が流れていそう。なんか緑の芝生の上に白い椅子とテーブルが置かれた庭園で、貴婦人がお茶を入れてくれそうな雰囲気の曲です。


ALI PROJECT - 神々の黄昏 - 神の雪 ★★ (2005-12-17 22:16:00)

ストリングスとヴォーカルだけなのに、何故こうも切迫感のある曲を作れるのだろうか…特に一語一語に魂を込めて歌い上げるサビは鬼気迫るものさえ感じます。しかし、これカラオケに入っても歌えなさそうだなぁ…ブレスに対してメロディのタームが長すぎ。やっぱアリカさんは凄い。


ALI PROJECT - 神々の黄昏 - 彼と彼女の聖夜 ★★ (2005-12-23 20:47:37)

「聖夜」と書いて「イブ」と読みます。
「神々の黄昏」の発売時期から考えて、ファンには良いクリスマスプレゼントになったのではないでしょうか。この暖かなメロディがあれば例え独りのクリスマスでもちょっと幸せな気持ちになれるかも。


ALI PROJECT - 神々の黄昏 - 百合と夜鶯 ★★★ (2005-12-23 20:44:35)

ストリングスアルバムは割と癒し系なのかと思ってましたが、この曲は歌詞のドラマ性とメロディによってそういう気分じゃなくても曲の世界観に取り込まれてしまいそうな感じです。エンディングもダークだし、癒しとは程遠い曲かも(笑)


ALI PROJECT - 神々の黄昏 - 蜜薔薇庭園 ★★ (2005-12-22 22:10:01)

「♪ローォォゼンガルデ~ン」の「ォォ」のところの音程の移動のしかたというか、声の揺らし方が最高に良い…って、ちょっとマニアックな意見でしょうか(笑)なんか癒されるメロディラインです。


ALI PROJECT - 星月夜 - Only Love Song ★★ (2006-03-18 13:44:16)

キーボードはなかなかに綺麗ですが、ALI PROJECTの曲の中ではスタンダードなラブソングといった趣の曲。ポップで良い曲なんですが、これを「星月夜」の後に聴くと、どうしても悲しい曲に聴こえてしまいます…


ALI PROJECT - 星月夜 - 星月夜 ★★★ (2006-03-18 13:47:18)

「ナルシス・ノワール」や「遊月恋歌」に匹敵するかそれ以上の素晴らしいメロディを持ったバラード。このメロディを書いた片倉さんも、その世界観を表現するアリカさんも良い仕事をしてます。掛け値無しの超名曲。


ALI PROJECT - 聖少女領域 - S嬢の秘めやかな悔恨 ★★ (2005-10-30 09:47:38)

この小説的なタイトルセンス、素晴らしいですね。
弦楽カルテットを従えて優雅に、ゆったりと展開する曲で、タイトル曲が即効性の毒だとしたらこちらは遅効性の毒。一気に世界に引き込んでいくというより、何回か聴くうちに世界に取り込まれてしまう感じの曲です。


ALI PROJECT - 聖少女領域 - 聖少女領域 ★★★ (2005-10-27 17:33:14)

シンフォブラでもありえないような、もはや過剰といっても過言ではないほどの華美なキーボードの奔流の中を、早口で耽美なメロディを紡いでいくヴォーカルが駆け抜け、聴き手の心を歌詞の主人公(聖少女?)の心象風景のなかへと一陣の風の如く攫っていくかのような曲。
でもタイアップが深夜番組っていうのが惜しいです。このかっこよさは宵っ張りだけのものにしておくのは本当に勿体無い。ゴールデンで流して、もっと多くの人に聴かれて欲しいですが、やっぱりアングラ志向なのかな…?


ALI PROJECT - 亡國覚醒カタルシス - 水月鏡花 ★★★ (2006-05-23 22:20:58)

タイトル曲のキャッチーさとマニアックさの両立した作風とは対照的に、こちらはタイトル通りの幽玄で美しいバラード曲。全ての音が融け合って、聴き手を夢ごこちにしてしまう名曲です。


ALI PROJECT - 亡國覚醒カタルシス - 亡國覚醒カタルシス ★★★ (2006-05-23 22:17:20)

テクノ風でアップテンポなリズム、シンフォニックで華美なトラックとここ最近のALI PROJECTのシングルのフォーマットを乗っ取った曲調ですが、中でもマニアックなアレンジだと思います(笑)これがアニメタイアップとは…。しかしそのフォーマットを守りながら、どの曲も全く印象が違うし、良い曲っていうのが凄いですね。
特にこの曲はヴォーカルが凄いです。しゃくりあげを利用した早口を決めたかと思いきや、次の瞬間にはダークな低音で歌い上げたりしてて圧倒的な表現力です。どんなに歴史に残るヴォーカリストでもこんな風に歌える人っていないんじゃないでしょうか。正に唯一無二ですね。


ALI PROJECT - 勇侠青春謳 - 鎮魂頌 ★★★ (2006-10-29 19:48:01)

これ、ストリングスのアレンジが良くなってるのは勿論ですが、ヴォーカルがありえないくらい凄いんですけど。まるで切腹前の武士のような決死の覚悟が伝わってくるような歌声です。しかも曲が進むほどに感情が込められていくのが更に凄い。聴いていると、ヴォーカルに意識が同調し過ぎてヤバい事になりそう…
思わず曲タイプ「ヘヴィ」にチェックしてしまいました(笑)


ALI PROJECT - 勇侠青春謳 - 勇侠青春謳 ★★★ (2006-10-29 19:52:06)

最近のシングルの中ではオケの煌びやかさはやや控え目な感じを受けますが、その分リズムを強調し、歌詞の通りの勇ましい雰囲気が出てますね。
最初の印象ではメロディが難し目かと思ってましたが、「父よ~」辺りは嫌でも印象に残らざるを得ない鮮烈さがありますね。


ALI PROJECT - 薔薇架刑 ★★ (2007-04-03 19:40:00)

レーベル「Mellow Head」への提供曲に新曲1曲を加えたベスト盤。2007年発表。
初回限定盤は豪華な装丁で、「聖少女領域」のPV入りのDVD付き。
…個人的には、ドラマCDへの提供曲は1曲に2000円強を払うのはかなり躊躇われて、
結局見送ってしまっていたので、こうしたコンピレーションを出してくれるのは嬉しい(笑)。
今までにもALI PROJECTは幾つかのベスト盤を発表していますが、昔の音源に照準を絞った
作品である「Deja vu」、後半のキラーチューン連発が圧巻とはいえ前半はポップに過ぎる
曲が多いという印象の「Collection Simple Plus」と両方ともやや癖のある内容だったため、
今回のこのアルバムで遂に新規ファンにも強くアピール出来るベストが出たように思います。
まず、収録されているシングル表題曲4曲(「禁じられた遊び」「聖少女領域」「阿修羅姫」
「薔薇獄乙女」)は、どれもALI PROJECTの特性である、過剰なまでのシンフォニックさと
右に出る者はいない程のロマンティックでキャッチーなメロディを備えたキラーチューン。
聴いていて、最初に「聖少女領域」でこのユニットを知り衝撃を受け、CDを買ってきて一日に
30回くらいリピートしてた記憶がありありと蘇ってきます(笑)。この時点でALI PROJECTの
入門としては最適かと。更に「君がため、惜しからざりし命さへ」や「春蚕」などの、この
アーティスト独特の美意識がねっとりと絡み付いてくる曲や、「S嬢の秘めやかな悔恨」や
「あたしがアリスだった頃」のようなバラードナンバーも網羅。
加えて、ストリングスのみによるアレンジの新曲である「薔薇架刑」も収録。
これ一枚でALI PROJECTの魅力がたっぷりと味わえる、優れたベストアルバムだと思います。
ちなみに、初回盤は見開きのアートワークといい歴代シングルの衣装といい、超豪華。
アートワークは結構賛否あるようですが、私的には完全に「賛」の立場ですね。
「禁じられた遊び」とか綺麗過ぎだし、「阿修羅姫」はかっこいいし…何より、偉そうな事を
言いますが、世間からイタイとか言われる事を恐れるあまり、萎縮して自分の表現したい物を
抑制してしまうようなヘタレを「アーティスト」と呼ぶのは物凄い抵抗があるんですよね。
これらのアートワークは、ALI PROJECTがそういったB級以下の有象無象とは全く違う、真の
アーティストである事を証明するものではないでしょうか。
とにかく、ALI PROJECTの魅力がぎゅっと詰まった優良ベストなので、知らない方も是非。
このアルバムで初めて触れた方は、きっと今まで知らなかった事を後悔すると思います。


ALI PROJECT - 薔薇架刑 - 春蚕 ★★★ (2007-04-04 00:09:46)

この耽美と頽廃の織り成す、緩やかな渦に少しずつ巻き込まれて抜け出せなくなるような感覚…もはや神秘体験に近いものがあるといっても過言ではないように思います。歌メロも難解さが逆にフックになってますね。
しかし、これでタイアップ曲だというのが本当に驚き。…アニメ業界の寛容さに(笑)。マニアックさは「薔薇獄乙女」の比ではないのでは…。


ALI PROJECT - 薔薇架刑 - 眠れる城 ★★ (2007-04-04 00:23:41)

サビ後の天女のようなスキャットが印象的なバラード。
オケがストリングス&ピアノで、どこか「鎮魂頌」にも通じる曲調。「♪優しくて哀しい~」の部分のメロが、「♪真白き鳩が~」のメロと似ている気も。抜き身の刀の如き緊張感の「鎮魂頌」と比べると、こっちはややマイルドな感じです。


ALI PROJECT - 薔薇架刑 - 名なしの森 (2007-04-04 00:05:04)

いつもはシンフォ要素やメロディが前面に出ている彼らですが、この曲はいつになく打ち込みリズムが前面に出ていて、ALI PROJECTの中にあっては異質な感じ。それでもサビではメロディが主張せずにはいられない辺り、流石というかなんというか…。


ALI PROJECT - 薔薇架刑 - 薔薇架刑 ★★★ (2007-04-04 00:18:58)

オケはストリングスのみなんですが…この嗜虐的で緊張感に満ちた雰囲気は何なんでしょう…。世界観の濃さで言ったらDEVIL DOLLとか世界レベルの「濃い」バンドと比較しても全く劣りません。ALI PROJECTは最近オリコン上位の常連と化して来た感がありますが、知名度の上昇に伴って大衆側に擦り寄る事無く、自らの世界観を更に追い求めているのが凄い。ほんと尊敬すべきユニットです。


ALI PROJECT - 薔薇獄乙女 - 極楽荊姫 ★★★ (2006-12-07 04:44:03)

こちらもタイトル曲に負けじとドギツい世界観(褒めてます)。
インダストリアルっぽい音色も取り入れた、ドロドロとしたある意味へヴィな音世界でねっとりと絡め取られます。本当にイバラって感じだ…。でも極楽どころか極悪な曲ですよ、これ(笑)。…なんか最近のALI PROJECTはかつてない程に濃さを増している気が…もちろん大歓迎ですけど。


ALI PROJECT - 薔薇獄乙女 - 薔薇獄乙女 ★★★ (2006-12-07 04:34:09)

シングル曲ですが、いつもと違いアップテンポではなく、ミディアムに妖しく攻めていくタイプの曲。タイトルも画数の多い漢字と少ない漢字の対比がなんだか綺麗。
最初聴いてまず感じたのは、ここまで耽美な曲を作った彼らへの畏敬の念。ほんと美の沼に沈んでいくみたい…並のゴシックメタルバンドでは束になっても敵わない美しさ・妖しさです。
…しかし、こんなズブズブに耽美な曲でよくタイアップ取れたなぁ…と、変に感心してしまいました(笑)。


ALI PROJECT - 跪いて足をお嘗め - 最愛なる魔王さま ★★ (2007-06-12 12:01:10)

表題曲に魔性を感じさせるアップテンポな曲、カップリングで叙情分を保管するような美麗バラードという構成は定番になりつつありますね(「月蝕グランギニョル」「薔薇獄乙女」あたりは例外ですが)。優美な雰囲気に反して、歌われている愛情は激しい。…でも、そろそろ違った構成のシングルが聴きたい気も。


ALI PROJECT - 跪いて足をお嘗め - 跪いて足をお嘗め ★★★ (2007-06-12 11:56:55)

シングル曲ですが…順調にカルト化してますね(笑)
最早この人たちのシングルについては、買ってきてその魔的な雰囲気に半ば苦笑しながら中てられるのが楽しみになりつつあります。しゃくりやコブシを多用した、ドスの利いたヴォーカルはナイチンゲールに準えるには余りに邪悪。どっちかというとカーリーとかプロセルピナとかそっち系では…(笑)


ALLFADER ★★ (2013-06-28 20:38:54)

ノルウェー産デス/ブラックメタルバンド。
VREDEHAMMERのメンバーが関与しています。


ALLFADER - Black Blood Flux ★★ (2013-06-28 20:41:07)

2011年発表の2nd。

やたら安い値段での中古が発見できたのと、ノルウェー産ブラック、リリースレーベルふがOSMOSEとの記述に惹かれ、何となく買ってしまったんですが、これ、凄まじくかっこいいですね。タイプとしてはブラックメタルの邪悪さにデス由来のカッチリしたヘヴィネスを融合させた感じで、ZYKLONやTHE WRETCHED END辺りに近い感じでしょうか。

但しZYKLONでいうサイバー要素のような、捻ったところがない分、無骨とも言える作風に仕上がっている印象。無骨ではあるんですけど、哀愁の篭もったトレモロリフや泣きメロを奏でるギターソロ等、フレーズのそこかしこにノルウェジアン・ブラックらしい土着的な感触が感じられて、ヘヴィで攻撃的なだけではない音に仕上がっているのが良いんですよね。

OSMOSEらしいハイクオリティなエクストリームメタルを聴かせつつ、ノルウェー産ブラックらしさも垣間見せてくれるなかなかの良盤です。楽曲を少しシェイプアップして、フックを強くしたらかなり人気出そうな感じがします。


ALRAUNE - The Process of Self-Immolation ★★ (2015-06-04 18:32:48)

2014年発表の1st。
「アルラウネ」って、RPGとかではよく見かける、ゲーマーにはお馴染みの単語ですよね(笑)。しかも発売元がProfound Loreとあっては、何となく買ってしまう心情も理解していただける事かと思います(笑)。

路線的には、深く歪んだ音像、スパンの長い展開、トレモロによる叙情メロなど、いわゆるカスカディアン的な特徴を多く備えたブラック。ただしこの手のバンドが共通して持つ、自然崇拝的な感触は薄く、トレモロによって紡がれるメロディには魔術的というか、オカルトっぽさが強いように思えます。ショップではASH BORERとの類似が指摘されてましたが、私も近いバンドを挙げるならASH BORERですね。

この作品、何気に疾走パートがダイナミックでかっこいいんですよね。適宜疾走感を増すようなオカズを伴いつつ、ハードコア的な炸裂感を感じさせながらの爆走が耳に気持ち良い。元々ポストハードコア等とは親和性の高いジャンルですし、こういうサウンドも頷けます。この手の一つの展開を長めに取るバンドって、如何にダレを感じさせず聴き手を世界観に引き込むか…というのがありますが、このバンドはその辺りかなり上手くやっていると思います。

アトモスフェリックで、かつブラックとしての邪悪さやオカルト性も強いバンドが好きであれば、買って損はない作品かと。


ALTAR OF PLAGUES - White Tomb ★★★ (2011-05-10 05:50:57)

2009年発表の1st。

よく比較されている通り、轟音で鳴らされるギターリフの中に繊細なメロディを施し、カタルシスを感じさせるような作風は、WOLVES IN THE THRONE ROOMやFARSOTなどのシューゲイザー/ネイチャー系のブラックと似た路線ですね。但し、WOLVES~が自然崇拝、ALCESTがノスタルジー、LIFELOVERがアーバニズムなど、シューゲイザー/ポストブラックが一般的なブラックとは一線を画す情景を描こうとするのに対し、このバンドの描く世界観はしっかりと暗黒メタルしてます。

ドラムがダイナミックに攻撃性を演出したり、ギターが重々しい轟音で耳を聾したりといったパートもあり、他のシューゲイザー系よりも大分攻撃性も強い印象。儚いメロディと、病的で鬱屈した、ディプレッシブなフレーズを交互に繰り出し、聴き手を翻弄しつつ深みに誘うようなパートは、他のバンドには見られず、このバンドの感性の本領発揮という感じでしょうか。

ただ、一部パートで他のバンドの音楽性を咀嚼せず、そのまま取り入れたような所があるんですよね。3曲目の被拷問絶叫と緊張の糸が張り詰めたようなスラッジリフで聴かせるパートはモロにKHANATEっぽいし、所々で聴ける高音トレモロはKRALLICEっぽい。しかし、これはマイナスな訳ではなく、3曲目後半(KHANATE風)でドロドロに引きずり、4曲目の激情的な展開(一部KRALLICE風)を聴かせる構成は、アルバムの進行をドラマティックにしていると思う。

全体としては、個人的にシューゲイザー系の中では最も聴きやすかった作品なんですよね。他バンドからの影響も作風の流れの一部としてしっかり機能させているし、私としては暗黒趣味がこのくらい濃い方が浸りやすい。ALCESTがメロウ過ぎて駄目な人でも聴ける地下臭さがある作品だと思います。


ALTAR THE SKY - Plight of the Vomit Eagle ★★ (2012-10-06 11:07:05)

2004年発表の1st。

カオティックでダークなメロディを紡ぎ上げるトレモロ、テクニカルデスのバンドがやりそうな、引っ掛かりのあるリフ、デスメタル的なうねりを伴う刻みなどを適宜交えながら展開していくブラックで、独りブラック故にか音質がカルト方面にもメジャー方面にも行ききれてないせいで多少チープな印象を受けるのは否めないんですが、リフやメロディのセンスなどは悪くなく、低い知名度の割にはかなり歯ごたえのある音を出していると思います。特に動きの多いリフがかっこいい。

しかし、何と言っても一番のウリはヴォーカルの、鋭く噛み千切るような絶叫でしょう。個人的にこの人の声、かなりツボなんですよね。喉が引き千切れんばかりに歪んだ、潰れまくった高音絶叫で、かのManiac氏を髣髴とさせます。MAYHEMでいうと、Grand Declaration~期とChimera期の中間くらいのパフォーマンスだと思う。ただ、絶叫がこんなにかっこいいんだし、微妙なクリーンは正直なくてもよかったような…。

但し、現在バンドが存続しているのかも分からない上に、レーベルが閉鎖しているので新品での入手は難しくなってるかもしれません。デス寄りブラックが好みならば聴いておいて損はないと思いますので、見かけたら是非。


ALTERNATIVE - Reconquista ★★ (2009-09-27 12:15:00)

2009年発表の東方/上海アリス幻樂団シンフォメタルカヴァー。
最初聴き始めたときは、メタルとしてはギターの音が今一つな上、リフのフレーズも
それほどグッと来るわけでもなく、「これは外したかな…」と思ってしまってたんですが、
曲が進むうちにその考えは改められていきました。バンドサウンドはあくまで裏方で、
シンフォニックで壮大、幽遠なキーボードが前面に出されたアンサンブル…リズムこそ
ブルータルなものではないですが、これってLIMBONIC ART(1st)辺りの、
アトモスフェリックなシンフォブラックに近いのではないでしょうか。
正統派やメロスピ、メロデス、モダンへヴィネスなどバンドアンサンブルのかっこよさを
前面に押し出したアレンジの多いこのシーンで、こういうキーボードメインのアンサンブルは
一際異彩を放っていると思います。赤色巨星を想起させるようなスケールの大きさ。
ただ、所々でギターが前に出る箇所もあって、情景描写に「徹して」はいないのが個人的には
少し残念。どうせならVINTERRIKETくらいアンビエント寄りにするか、SIGHの「Hangman's
Hymn」くらいメタルとしての激しさと壮大さを両立してくれれば良かったのに。
あと、キーのバッキングとオブリはもっと派手な方が私的には好み。
天然なのか分からないですが、結果的にマイナーメタルっぽい音作りになってて、
このジャンルを追っていてメジャーメタルアレンジに飽き始めている人にはかなりお勧め。
選曲もクサメロを持った物が多い(特に頭3曲が素晴らしい)し、逆に本格的にメタルに
染まってない人が聴いても面白いアルバムだと思います。


ALTORIU SESELIAI (ALTAR SHADOWS) ★★ (2012-04-19 22:29:04)

リトアニアの独りフォーク/ペイガン/アンビエントブラック。
この系統でも徹底した世界観を持った作風でしたが、一枚のアルバムを残して活動を停止してしまった模様。


ALTORIU SESELIAI (ALTAR SHADOWS) - Margi Sakalai (speckledy Falcons) ★★ (2012-04-19 22:29:46)

2007年発表の1st。

民族楽器やアコギ、フルートなどによるフォーキッシュで叙情性に溢れたメロディをフィーチャーしたペイガンブラックですが、バンドサウンド部分はかなり音が薄く、攻撃性の低い音作りが成されており、その音作りによってフォーク要素と溶け合い、一つの情景を演出する事に成功したような感じですね。

小川のせせらぎや虫の声など、自然音のSEも多用するタイプで、自然と情景が浮かんでくる感じですが、3曲目の鶏の鳴き声がひっきりなしに鳴り響くパートはちょっと面白いです(笑)。多少音が刺々しくなる部分もありますが、基本的にスロー~ミドルでゆったり展開し、この手のペイガン系の作品でも牧歌的な作風だと思う。女性ヴォーカルを取り入れた6曲目なんか殆ど民謡です。

カメラを遠景でわざとゆっくり動かす事で、自然の壮大さを演出したりする映像がありますが、聴いているとそういう情景が浮かんでくる作品。世界観が徹底しているからか、割と人気はあるようで、今は亡き秋葉原の某CDショップのブラックコーナーで地味にプッシュされてたり、DISK UNIONのブラックメタル本でも取り上げられてたり、意外に話題になったみたいですね。


AMESOEURS ★★ (2008-06-06 22:57:00)

彼女が嫉妬するから解散って本当なんでしょうか…
本当なら、余りにもがっかりな解散理由なんですけど…。
(追記)
と思ってEncyclopaedia Metallumを見たら、上の表記がなくなって活動中に
なってました。デマだったか、解散は取りやめるかしたのかな…。
なんにせよそんな下らない理由で解散じゃなくて良かったです。


AMESOEURS - Ruines Humaines ★★ (2007-05-29 22:34:00)

2006年発表の3曲入りEP。

曲のタイトルはそれぞれ「断たれた幸福」「人間性の荒廃(人間の廃墟、かも)」「感覚の衰弱」でしょうか。仏語苦手なので間違ってても笑わないで下さい(笑)。

内容ですが、なんとも形容のし難い雰囲気を持つブラックメタルですね。音的には寒々しいと言える感じなんですが、そのメロディから個人的に連想した情景が雨上がりの虹と湿ったアスファルトの匂いだったり、雪の夜の暖炉の暖かさだったり「暖かな」哀愁を感じるもので他のブラックではありえない感じです。また、曲中に挿入されているクリーントーンのギターが夢見心地とも言える雰囲気を
感じさせ、その独特の哀感を更に際立たせています。

ヴォーカルも凄いですね、これ。端的に言えばBURZUM、SILENCERの系統と言って間違いはないであろ悲鳴系の高音絶叫ですが、ヴォーカリストの喉が心配になってくる度では前述の2アーティストよりも圧倒的に上。死暗さんも仰っているように硝子を引っ掻くような裏返り方をしている箇所があるんですが、声帯がキシミを上げる音がそのままCDに入っているかのような凄絶さ。初期FLEURETYの超音波絶叫を思わせますが…FLEURETYの人はあの声を出したせいで喉を痛め、ヴォーカルを辞めなくてはならなくなった訳ですが、彼は大丈夫なんでしょうか。

写真見ると凄い穏やかで優しそうな人なんですけど、あんな声出すとは思えません(笑)。3曲しか入っていないため、演奏時間こそ短いですが内容が濃いので満足。この音源は死暗さんのレビューを見て買おうと思ったんですが、正解でしたね。よき出会いをありがとうございます。


AMILIYAH ★★ (2015-12-30 11:11:39)

先日2ndアルバム「Slight the light」を発表した国産ゴシックメタルバンド。
囚われの姫と5体のモンスターで編成された…というコンセプトなど、シアトリカルな世界観を持ったバンドです。


AMILIYAH - Slight the Light ★★ (2015-12-30 11:21:45)

2015年発表の2nd。

バンドコンセプトの面白さや、ダークメルヘン的な世界観に興味を引かれて購入しましたが、概ねイメージ通りの音ですね。存在感のある可憐な女性ヴォーカルを軸に、仄暗く繊細なメロディと、メタリックでタイトな演奏で聴かせる音。インダストリアル要素やキーボードも用いたアレンジも特徴で、リズミックなピアノでワルツ調になるパートなどは「如何にも」な感じで嬉しくなってしまいます(笑)。

シアトリカルな世界観を身上とするバンドですが、演奏は意外にもハード。ギターの音圧もまずまずですし、メタルコアなどに通じる高揚感を煽るリフ等も聴かせてくれ、しっかりメタルしてる音です。女性ヴォーカルには可憐さや妖艶さは感じますが、そこまで極端だったり自己満足的だったりな表現をする訳ではなくて聴きやすいタイプ。メロディも歌謡曲的になりすぎず、洋物のゴシックに通じる聴き心地がありますね。

ただ、個人的には国産バンドならCROSS VEINくらいベッタベタな歌謡メロが好きなので、完全にツボという訳ではないかも。とはいえ、全体を通じて仄暗くメロウな童話的世界観が貫かれているのは見事だし、惹かれるものがあります。


AMPULHETA - NEBLINA ★★ (2012-07-11 20:45:03)

2011年発表の6曲入りデモ。

ZERO DIMENSIONAL RECORDSより国産ブラックのデビュー作がリリースという事で話題になった作品で、各種レビューサイト/ブログでも割と好意的な反応を得てましたね。路線的にはモロにプリミティブなブラックで、邪悪なメロディは紡ぎつつも、ギターノイズによるヒリヒリした殺伐感を重視した音。血液をペースト状にして吐きつけるかのような壮絶なヴォーカルも聴き所ですね。

基本はノイズの荒れ狂う、RAW極まりないブラックなんですが、曲によって音作りが微妙に違うのも特徴。2曲目や4曲目は刃物のようなノイズの奥から破滅に誘うようなメロディが聞こえてくる感じですが、3曲目は高音域を重点的に責めるような金属的な感触が強く、6曲目はカルトバンドの一発録り音源のような荒々しい音。共通して金物以外のドラムがギターノイズに埋もれかけてる感じで、それが地獄の釜が煮えるようなイメージを持って聞こえてくるのが面白い。

SSORCやCATAPLEXY、MANIERISME辺りと比べるとちょっと外部へのアピール力という点で一歩譲る気はしますが、国産ブラックに注目してる方なら手を出して損なしかと。


AMYSTERY - EXTERMINATION, FOLLOWED BY CRYPTIC SILENCE (2012-03-07 00:47:16)

2007年発表の1st。

LUNAR AURORAやTHORNGOTHの元メンバーが絡んでるという予備知識のみで買った一枚。ジャンルとしてはザラザラした粗い音質に、メロウなトレモロが映えるプリブラで両バンドとは異なる路線ですが、ザラついた音質が音の抽象性を引き出し、そこにトレモロが乗る音像はLUNAR AURORAの神秘性に通じるものがあるし、大仰でない、そこはかとないメロウさはTHORNGOTHに通じるように思う。正直、現時点ではスケールの違いは感じるものの、フィードバックがある事は感じられますね。

また、このアルバムでドラムを叩いているのは、LUNAR AURORAに在籍した経験を持つMalphas氏ですが…何気に彼のドラムが良い味出してると思う。1曲目や6曲目では、荒涼としたリフに、体を動かしたくなるような妙な味のあるミディアムを合わせて来てるし、3曲目の「ポコッ、ポコッ」みたいな変なフレーズもやたら耳に残る。ただ、これをもってバンドの一番のウリとするには、ちょっと弱いんですよね…音質といい展開といい、聴き心地は決して悪くないんですが、もう一押しなにかウリが欲しい所。


AN AUTUMN FOR CRIPPLED CHILDREN - Everything ★★★ (2012-01-07 21:29:17)

2011年発表の2nd。

最初聴いたときはその壮絶さと、埋もれ気味のミックスのせいでほとんどノイズにしか聴こえなかったヴォーカル、トレモロを交えたノイジーなギターリフなど、ブラックメタルの様式を踏襲しつつも、キーボードやクリーントーンのギターが儚さ、浮遊感を演出する、今流行の(?)シューゲイザー/ポストブラック。メロウなフレーズを随所で聴かせるベース、ジャズっぽい柔らかく叩かれるドラムも、ノスタルジックな情景の描写に一役買ってますね。

この作品、他の同系統のバンドと比べると、儚さやノスタルジーの表現が力技っぽく感じるんですよね。キーボードが入ればそれが辺りをベタ塗りする勢いで哀愁篭ったメロや音色を奏でてるし、アルペジオもよく聴こえる、しっかり太い音で録音されている感じ。激情を表すようなノイジーなリフもまるで土石流のよう。…個人的にはこの手の音でメロディや音色が繊細過ぎると、余程曲作り・音作りの上手いバンドでないと、ちょっと退屈に感じてしまうときもあるので、彼らの作風は心地良く聴ける絶妙なラインだったりします。

シューゲイザー的な感性を持ったバンドの中でも、分かりやすくその魅力を伝えてくれる作品だと思います。個人的にはヴォーカルがブラックから離れてないのも嬉しいポイントだったり。この手の激情と儚さ、ノスタルジーが同居するポストブラックに興味を持ってる方は是非。


ANAAL NATHRAKH - Eschaton ★★★ (2006-11-13 22:18:00)

2006年発表の3rd。

Anaal初体験ですが、すっさまじいバンドもいたもんですね…。MARDUK辺りと並んでブルータルブラックの代名詞的存在になれるレベルだと思います。

まず曲そのもののテンションの高さに加えて、マシンドラムとノイジーなギターリフによる音圧は押し流されるような快感を覚えます。ドラムは打ち込みらしいですが、少し溜めてから雪崩れ込んだり、フレーズが人間が叩いてるっぽい感じで言われなければ分からないほどだし、リフの方も意外とメロウなフレーズが多く、音質もウォークマンで雑踏で聴いててもなんだか分からなくなるほどノイジーという訳ではないので、聴いてて辛くないですね。

ヴォーカルは鬼です。っていうか鬼が精神異常をきたしてる感じです(笑)。基本は高音で喚きまくってますが、その喚きのテンションの高さが半端ない。その凄まじさはネチっこさこそそう無いものの、Wolf's Lair AbyssでのManiacの歌声を思わせるほど。これだけでも異常と言えますが、それに加えてAttila風の呻き声とかドスの効いたデスヴォイスもこなしていて素晴らしい。更によくEMPERORのIhsahnにも例えられる威風を備えた朗唱までやっちゃいます。でもEMPERORなんかは朗唱が入るパートではテンポを落としたり音圧を少し下げたり展開を設け、叙情的に聴かそうとしてますがこのバンドはお構いなしで音圧が全く下がらないのが凄い。ほんとやりたい放題な感じ。

このバンドはかなり評価が高いので聴いてみましたが、確かに素晴らしい作品です。私が某雑誌の編集者だったら間違い無く90点台は付けますね。ブラックにブルータルさを求めている人は素通り厳禁なアルバムです。


ANAAL NATHRAKH - Eschaton - Bellum omnium contra omnes ★★★ (2006-11-16 21:26:22)

タイトルはラテン語で「万人の万人に対する闘争」。法や社会の無い自然状態での人間の様子を表した言葉らしいです。CDのプレイボタンを押すと、凄まじい音の塊がせり上がるように襲い掛かってくるオープニングでもうインパクトはばっちり。「BELLUM!! OMNIUM!! CONTRA!! OMNES!!」のタイトル絶叫する箇所は、声の種類の多さと凄まじさが多角的に攻めてきてヤバいことになってます。


ANAAL NATHRAKH - Eschaton - Between Shit and Piss We Are Born ★★★ (2006-11-16 21:37:32)

タイトルから受ける印象に反して、美しいメロディの朗唱とメロディアスなギターが交錯するパートをフィーチャーした曲。しかしそのパートであっても、打ち込みドラムとリフの音圧は減りません。っていうか音数が増したぶんむしろ音圧が上がってる気さえします。
こういうクリーンパートがあると、その他の部分のヴォーカルの醜悪さが際立ちますね。


ANAAL NATHRAKH - Eschaton - Regression to the Mean ★★ (2006-11-28 20:08:51)

ラストを飾るのは、今までと少し雰囲気の異なるインダストリアル色の強い曲。
ゲスト参加のAttilaのドスの効いた声といい、サンプリングのノイジーさといい、とことん健康に悪そう(笑)。最後に地獄を見せてくれます。


ANAAL NATHRAKH - Eschaton - Timewave Zero ★★ (2006-11-16 21:33:34)

どことなくメロディが機械的な雰囲気を感じさせる曲。
メカニカルな印象を覚えるようなきめ細かいトレモロリフの振動と音圧から受ける圧迫感が混ざり合って出来た邪悪な波動が、リスナーの鼓膜を通じて脳を冒していく…みたいな感じ。


ANAAL NATHRAKH - Eschaton - When the Lion Devours Both Dragon and Child ★★★ (2006-11-16 21:30:44)

この曲もクリーンヴォイスのパートが印象深く用いられてますが、ハモりといい声質といい神々しさすら感じるほど。更にその後のメロディアスなパートは、ギターがメロディなので語義的には違ってるんですが、シンフォニックと表現したくなるような美しさがあります。
憎しみを曝け出すようなパートと上記のような綺麗なパートでは結構ギャップがあってドラマティックですが、どっちもリズムは圧迫感を感じるほどなのが素晴らしいですね。


ANAAL NATHRAKH - Total Fucking Necro ★★★ (2008-07-18 18:43:00)

1st発表以前のデモなどを収録した音源集。2002年発表。

今では削岩機並の強烈な打ち込みドラムに空間を埋め尽くすほどの発狂ヴォーカルを合わせたブルータル極まりない音像で好評を得ている彼等ですが、この時点では随分路線が違いますね。

意外にもMAYHEMフォロワーといえそうな作風、それもMAYHEMの中でも最もブルータルなWolf's Lair Abyssの音楽性をトレースした感じに仕上がってます。こっちの方が曲数も多く、メロウな曲もありバラエティに富んでいるし、狂ったような速弾きリードギターやくっきりと聴こえるトレモロリフをフィーチャーしているといった違いはあるんですが、ノイジーなだけでなく厚みもある黒い音質、ねちっこい絶叫ヴォーカル、リフやリズムの質感などかなり似ている箇所が多いです。特に1曲目や5曲目の一部は、MAYHEMの「I am thy Labyrinth」のオマージュっぽく感じる所も。

また実際にMAYHEMのカヴァーも入れてますが、「Carnage」はDead在籍時のものよりもManiac在籍時のライブ盤のテイクに似てますね。「De Mysteriis Dom Sathanas」はちょっと演技過剰っぽいですが、あの不気味なリフがくっきり聞こえるようになっているので満足。

…IrrumatorってかなりのMAYHEMフリークなんじゃないでしょうか。現在の彼等よりも、この頃の彼等にこそ魅力を感じるという人も多いようですが、それも頷ける出来。特にWLAの頃のMAYHEMが好きならば必聴かと。曲のレベルといい凄みといい、単なるフォロワーからはほど遠いレベルの高さがあると思います。


ANACHRONAEON - The Oracle and the Keyholder ★★ (2016-08-08 09:00:21)

2015年発表の5th。

メンバーの内2人が参加する関連バンド、EYECULTも相当にメロディックな音でしたが、こちらもかなりメロディの立ったエクストリームメタルを演ってますね。ただしこちらはもっと真っ当なメタルの価値観で作られている感じで、メロデス8割・メロブラ2割…という感じの音。ブラックメタル的な地下臭い雰囲気や邪悪さを重視するとEYECULTに、メタリックな整合性や攻撃性を重視するとこのバンドの音になるのかもしれませんね。

ただしメロデスとしてはかなり攻撃性の高い音で、ブラストを主軸にしたリズムと同期して猛然と刻み込むリフを聴かせる殺傷力のあるパートがあったり、ヴォーカルがいかめしい低音グロウルで吼えていたりして相当に獰猛な音。とは言え、メロブラ的なトレモロリフによるメロディにもかなり重きが置かれており、マニアックになり過ぎない間口の広さがある感じ。エクストリームメタルを普段から聴いてる人ならすぐにでも受け入れられるかと。

ただ、前述したようにほぼメロデスですので、EYECULTのようなブラックメタルらしい地下臭さを求めるには向かないかもしれません。メロデスもある程度行けるブラック好きにはお勧めです。


ANAL BLASPHEMY - Profane Fornication Ejaculation (2013-05-12 23:58:00)

2010年発表の2nd。

このバンドも、ショップではデス要素を取り入れたブラックという風に紹介されていましたが…BEHEMOTHやBELPHEGOR辺りの様に、デスのダイレクトな攻撃性を取り入れたバンドとは違い、オールドスクール・デスのダーティな部分を取り込み、泥臭くダーティで冒涜的な雰囲気を取り込んだ作風ですね。ヴォーカルのスタイルもブラックよりデスに近い、唸るようなグロウル。

音の篭もらせ方が絶妙で、結果としてウォーブラックに近い、ヴォルヴォルしたアングラの熱気を感じさせる音に仕上がった感じ。トレモロによるメロディアスさや、モダンな音質によるブルータリティなど、分かりやすいかっこよさではないですが、泥臭い音作りからは不敬で野卑なムードを強烈に発しています。

ブラックの中でも「アングラな熱気」の感じられる音が好みの人にお勧め、ですが、プリブラ系のシャーシャーした高音域強調系よりも、低音を強調したヴォルヴォル系の音作りがツボな人は特に気に入りそう。


ANATA ★★ (2009-07-18 21:54:00)

スウェーデン産プログレデス。
バンド名はエジプトの女神が由来で、日本語の「貴方」ではないそうです。
…なんか、残念ですね(笑)。
他の方のレビューを読む限り、以前は普通のデスだったんでしょうか?
4thが安かったので購入したら、かなり個性的で驚いたんですが…。


ANATA - The Conductor's Departure ★★ (2009-07-18 21:51:00)

2006年発表の4th。
ジャンルとしてはプログレデス、もしくはテクニカルデスになると思いますが…OPETHや
PERSEFONE、SAROS辺りの叙情性、構築美を重視したバンドとは全く異なるアプローチで、
デス本来の不気味さや禍々しさを、プログレ要素を持ち込んだり演奏をテクニカルにしたり
することで、更に助長する路線を選んでますね。
このバンドの音楽性の最大の特徴は、やはり左右のチャンネルで絡み合う不気味な
ギターでしょう。時にリフに合わせて刻んだり、時にベースに瘴気の演出を振ったり
しながらも、ほぼ全編に渡って禍々しく不条理なメロディを奏で続けていて、知的ながら
壊れている印象。もしも「魔界の音階」なるものがあったとしたら、こういうメロディに
なるのかもしれません。
このギターがインパクト大で、決してキャッチーな作風とは言えないまでも、メタラーの
ようなギターに重きを置いて音楽を聴くリスナーには確実に衝撃を与えることの出来る作品に
仕上がっていると思います。テクニカルでパートによってはかなりブルータルなリズム、
典型的なデスメタルの咆哮スタイルで猟奇性充分のヴォーカルなど、デス本来の暴虐的な
部分もしっかり残っているのも嬉しい所ですね。
3曲目など超名曲レベルだと思う曲もあるし、クオリティも充分すぎるくらい高いので、
プログレデス・テクニカルデス好きは買いでしょう。バンド名も取っ付きやすいですし(笑)。


ANATA - The Conductor's Departure - Better Grieved Than Fooled ★★★ (2009-07-18 21:52:42)

この曲のギターパートにはかなり感銘を受けましたね…「メタルのギターで、こういう聞かせ方も出来るんだ…」と思ったくらい衝撃的で、物凄く強く惹きつけられました。ブラックでいうと、プログレ/カオティック化してからのDEATHSPELL OMEGAクラスか、それ以上の衝撃度を誇る曲だと思います。


ANCIENT ★★ (2010-07-03 08:35:00)

ノルウェー産ブラックメタルバンド。
Kimberly Gossが在籍していた事でも知られ、知名度は割と高いバンドです。


ANCIENT - Night Visit ★★ (2010-07-03 08:29:00)

2004年発表の6th。日本盤も発売されてます。

作風としては、ブラック特有の摩擦感の強いリフを根幹に、メロデス/メロブラ的なメロディアスなリードギター、ゴシック的な雰囲気を醸し出すキーボード、パンキッシュでキャッチーなリズムなど、様々な要素を取り入れて展開するメロディック・ブラック。

様々な要素を取り込みながらメロブラとして完成度の高い作風に仕上げている音は、個人的にはAGATHODAIMON辺りを連想します。音質は少し高音域のシャーシャー感強めですが、割と聴きやすく仕上がってる音だと思う。

ゴシックやブラックのカルトホラー的な暗黒美と、パンキッシュでキャッチーなリズムが同居する作風は、私的には邪悪さよりもシアトリカルでダーティな暗黒性を感じるんですよね。ある意味、ブラックンド・スラッシュが度々表現する、B級ホラー的世界観に近いのかとも思う。ヴォーカルがやたら潰れた、味のある声なのも、シアトリカルな感覚をより強めてますね。このヴォーカル、なんか怪人が歌ってそうな感じで好きです(笑)。

1曲1曲に個性のある、メリハリの効いた構成で聴かせてくれるアルバム。キャッチーな部分も多く、ホラー的な雰囲気が好みに合えばブラック初心者にもお勧め。


ANCIENT - Night Visit - Envision the Beast ★★ (2010-07-03 08:31:28)

途中まで聴いた時は、まあまあな曲という印象でしたが…リードギターによるメロディや、アトモスフェリックなキーボードが出てくると曲がピリッと締まりますね。メリハリの付いた展開で聴かせる1曲目。


ANCIENT - Night Visit - Fuel the Flames ★★ (2010-07-03 08:34:44)

ブラックとしてはかなりメタリックな音ながら、メロディにはしっかりアングラメタル特有の毒々しさが根付いているのが嬉しいですね。ロックというか、ロックン「ロール」にまで足を突っ込みかけてるリズムも、心地良く聴けます。


ANCIENT - Night Visit - Horroble ★★★ (2010-07-03 08:32:55)

取り敢えずヴォーカルラインが素敵過ぎる曲。
特にHorroble×7の、段々ヴォルテージが上がるような歌唱がたまらないです。サビもリズミカルかつキャッチーに言葉を乗せていて、デスヴォイスオンリーの曲とは思えないくらいヴォーカルラインが頭に残る。SATYRICONの名曲「Fuel for Hatred」に近いですが、それを超える名曲…かも。「Horroble」「roborn」という造語も素敵。


ANCIENT - Night Visit - Lycanthropy ★★★ (2010-07-03 08:33:52)

パンキッシュでキャッチーなリズムにしろ、トレモロリフによる暗黒美の表現にしろ、非常に分かりやすいものを提示してくれていて、ごく取っ付きやすい曲に仕上がってますね。個人的には、このアルバムのトップ2曲を選ぶなら両方ともJesus Christ氏の曲(この曲と「Horroble」)です。


ANCIENT HORNS - PROFANO ★★ (2011-08-06 19:04:34)

2009年発表の1st。

まず、フィリピンのバンドがDISSECTION(の1st・2nd)に思いっきり影響を受けたようなメロブラを演っているという時点で、なんだか心惹かれるものがありますね。但し、ドラムの音が軽めかつ手数の多い音で、バタバタした慌しく破れかぶれな印象を受けます。ギターよりもドラムの方が前に出気味な音作りも、そういう印象を強めてる感じ。

作風それ自体も、トレモロリフのメロディセンスや、ブラストの勢いに任せたような、DISSECTION辺りよりも衝動性の高い感じで、特にスラッシュの影響の強い、速弾きを交えた狂気的なソロが出てくるのは影響元にはなかった要素ですね。DISSECTIONの作風に、マイナーバンドならではの(?)無闇やたらに力の入った感じを加えたような音、というと近いでしょうか。

ちなみに、何故か2つCDを入れる場所があるDVDケースに入ってたんですけど…入ってるのはCD1枚だったんですが、もしかしてボーナスDVDを入れ忘れたとかないですよね(笑)。


ANCIENT MYTH - ANTIBES ★★ (2009-06-28 18:41:00)

2005年発表の1stミニ。
キラキラしたゴシックなキーボードをフィーチャーした、シンフォ/様式美メタルと言えそうな
作風ですが、ヴォーカルの歌声がかなり独特かつ幅広いのが特徴ですね。黒装の貴婦人が
手招きしているような妖艶な中音域からシンフォゴス系には欠かせないソプラノヴォイス、
デスヴォイス一歩手前の音程をつけたがなり声など多種多様な表現で曲を彩ってくれます。
ただし、ところどころヴォーカリストが自己イメージを完璧に表現できていないように思える
部分や、歌メロがバックに負けてると思う部分があるのも確か。特に3曲目は、恐いとか
狂気じみてるというよりは、鼻息荒く歌っているように聞こえてしまう…。
ヴォーカルの声質やスタイル自体は良いので、その辺りを変えずに更に表現力を付けたら
素晴らしいバンドになるんじゃないでしょうか。
…って書いてたら、ヴォーカリスト交替してたんですね…。後任はcodename ; Winglessの
Michal嬢ということで、やっぱり個性的なスタイルを持ってる人と縁があるバンドなんですね…。


ANCIENT MYTH - ANTIBES - AS LIGHT ★★ (2009-06-28 18:42:45)

やっぱり掴みはこうでなくっちゃ、っていう曲ですね(笑)。
間奏パートとか、この手が好きなら嫌とはいえないかっこよさ。
このタイトル、やっぱりアズライト(藍銅鉱)と掛けてるんでしょうか。


ANCIENT MYTH - ANTIBES - CRYSTAL SKY (2009-06-28 18:43:28)

歌メロもキーボードと同じくらい華やかにして欲しいとか、歌い方も5曲目くらいキレてて欲しいとかいろいろ注文を付けたくなってしまう曲。悪くはないけど、もう一つという感じ。


ANCIENT MYTH - ANTIBES - LEVEL X ★★ (2009-06-28 18:45:08)

ヴォーカルのがなり散らす声がとにかく印象的な曲。
でもギターメロは様式美的な華やかさがあるというギャップが良いですね。ヴォーカル、これだけがなっててもツッパリ的な匂いが全くしない所が、個人的には高評価。もっとも、この歌い方でアルバム通されたらちょっときついですが。


ANCIENT MYTH - ANTIBES - WORLD OF THE TRUTH ★★★ (2009-06-28 18:44:22)

実はこの曲が一番好き。
様式こそ様式美/ゴシック/シンフォニックメタルですが、V系的な文学的な(というか、繊細で多少屈折した少年少女たちが憧れ、思い描くところの「文学」的な)メランコリア/ロマンティシズムも混じっているように思うんですよね。特にキーボードのフレーズは本当にセンスがいいと思う。これ聴いてるだけで幸せかも。


ANCIENT WISDOM ★★ (2013-12-28 00:38:17)

スウェーデン産シンフォニック/アトモスフェリック・ブラック。
96年以降はNAGLFARのVarghar氏による独りブラックに。
ちなみにANCIENT VVISDOM(アメリカのロックバンド)とは全くの別バンドなので注意。
私はVVの方を買いそうになりました…(笑)。


ANCIENT WISDOM - ...and the Physical Shape of Light Bled ★★ (2013-12-28 00:42:17)

2000年発表の3rd。

メンバーがNAGLFAR絡みという事もあってか、シンフォブラックの中ではそれなりの知名度を持つバンドのようですが、出音は王道を少し外したような感じですね。COFやDIMMUと比べると、ミディアムを中心とした展開でメタルとしてのダイナミズムは抑え目な代わりに、ゴシック趣味の強いキーボードを重層的に重ね、アトモスフェリックで美しい空間を打ち出している作風。

ただし、他のアンビエント系のアトモスフェリック・ブラックとは異なり、ギターは意外にメタリック。泣きのメロディを奏でる箇所も多いし、「The Serpent’s Blessing」ではハードロック風のリフまで飛び出してちょっと驚きました。キーボードも空間系のみならず、フレーズ、メロディ重視のため、ヘヴィネスやスピードに重きを置かない音ながらかなりドラマティックな仕上がり。…だけどそれだけに、独りブラック故なのか、バンドサウンドに迫力が足りないのが惜しい…。特にドラムの音はもう少し頑張って欲しかった。

ごく一部(例えば、「Postludium」辺り)では和風ホラーに近いニュアンスのメロディも聴けますし、メロディアス好きな日本人ブラックファンは結構気に入りそうな一枚な気がします。作風自体はかなり好き、もう少し詰めればカリスマ性が出てきそうなところですが…。


ANCIENTBLOOD (VINTERTHRON) ★★ (2014-06-15 13:40:47)

ブラジル産ブラック。
現在はVINTERTHRONと改名。


ANCIENTBLOOD (VINTERTHRON) - The Profane Hymns of the Sovereign Darkness ★★ (2014-06-15 13:42:48)

2002年発表のデモを、2007年にCD化して再発したもの。

なんか作品タイトルがかなり大仰ですが、音楽性の方はむしろシンプルな、オールドスクールでRawなブラックメタル。スラッシュからの影響が強く、しっかりと起伏を持って聴かせるリフはGORGOROTHやCARPATHIAN FOREST、TAAKE辺りの北欧バンドの影響が強そう。ただし北欧的な叙情性やメロウさはかなり控えめで、代わりに南米産らしいダーティな熱さが強い感じですね。意外にもヴォーカルは鬱系によくあるタイプの裏返りながらの絶叫ですが、こういう楽曲だと悲観的な感情よりもヤケクソさの方が強く伝わってきますね。

南米のアングラな熱気を上手くCD盤に封じ込めたような、衝動性の高い作品。演奏時間は約17分と短めですが、その分熱気は伝わってきます。そしてバンド名はこっちの方が分かりやすくて良かった気が…。


AND HARMONY DIES - Flames Everywhere ★★ (2015-09-11 22:50:46)

2007年発表の2nd。

一言で言うならば、オペラティックであることを最重視した、個性派シンフォニックブラック…という感じでしょうか。ただ美しく煌びやかなだけではない、奇術的なメロディ、シンフォニックであるのみならず、インダストリアル要素も取り入れた作風で、まるでダークな戯曲を見せるように劇的に展開する、変り種かつ丁寧に練りこまれた展開で聴かせる音。十把一絡げに出来ないような個性を持った音で、楽曲のレベルもかなり高いのではないでしょうか。

ただ、メジャーなバンドと比較すると若干プロダクションの面で弱さを感じてしまうのと、ヴォーカルの独特な奇矯さが個人的には辛いものがありますね…。ただがなるだけではなく、ホーミーの真似事のような声を出したり、オペラの登場人物になり切ったように演技したりしながら歌いますが…なんか調子外れというか滑稽というか、どうも肯定的な感情を向けられないような声なんですよね…。挑戦的なのは良い事ですが、正直自己満足感を感じてしまいます。

という訳で、面白さはあるものの大っぴらにはお勧めできない作品。もう少しヴォーカルの表現力がやりたい事に追いついていれば…。


ANDRAMELECH - DESTROYERS OF COSMIC ORDER ★★★ (2010-07-07 00:23:00)

2008年発表の4曲入りEP。CD盤は1000枚限定。発売元が日本のレーベルで、カタカナでアルバム名・バンド名の書かれた帯付きです。

メキシコ産のプリミティブブラックという事で、敢えてポンコツさ・もしくはRAWさによってリスナーの想像力を刺激し、破壊の対象を宇宙の秩序までに広げたスケールを表現する…という作風を予想してたんですが、これは一概にそうとは言えませんね…。ベースの聴いたどす黒い音塊の中に、ギターリフのノイズ質の粗い粒子が宇宙塵のようにうっすらと掛かり、そこに神秘的なトレモロリフのメロディやアトモスフェリックなキーボードが絡んでいく音像は、(RAWながら)ガチでスケールの大きい音と言えると思う。特にトレモロリフは、メロディの神秘性と音響的な聞かせ方の上手さが相まって、何か人知の及ばないミステリアスな魅力があるといっても過言ではないのではないでしょうか。

ヴォーカルの高音絶叫もブラックに典型的なスタイルながら非常にキレがあるし、ほんとに4曲というボリュームが物足りなく感じます。プリブラ…というか殆どのメタル音楽の魅力って、非日常的な光景に耽溺させてくれる…というのが少なからずあると思いますが、このバンドの音楽はそういう魅力がプリブラの中でもトップクラスに高いと思う。ノイズ質がうっすらと音を覆うような耳にキツくないもので、メロディも良く聞こえる上に非常に良質なので、プリブラ初心者でも受け入れやすいと思う。

日本のレーベルから出てますし、機会があれば是非。


ANGANTYR ★★ (2013-07-18 13:49:26)

MAKE A CHANGE…KILL YOURSELFのメンバーによるブラック。
何気にTHRやNorthern Silenceなど有名レーベルからのリリースの多いバンド。


ANGANTYR - Kampen Fortsætter ★★★ (2013-07-18 13:50:11)

2001年発表の1st。

このバンドはシンセ・アンビエントとして発足し、すぐにブラックメタルへと音楽性を変えた…という経緯があるみたいですが、イントロ部分やアルバム中盤の9分超えのアンビエントなインストにその名残が残ってますが、基本的には北欧産のプリミティブ・ブラックを踏襲した音ですね。

ミディアムテンポを中心に、メロウさやオールドスクールさを醸し出しながら進行する展開は、目新しさこそないもののなかなか魅力的。特にメロウさのギアを上げる感じの展開がグッと来るし、肺腑から血を吹くような絶叫ヴォーカルの凶悪さもかなりのもの。ヤスリを思わせる、ギラついた金属質なリフの音色も良い感じですね。ULVERの3rdやBURZUMの4th、NARGAROTHのRaslukaシリーズ辺りに近いけど、より平坦で耳に痛くない音。個人的には聴きやすくて好き。

ブラック好きからの評価も高いバンドらしいですが、確かにメロウさのセンスといい音作りの気持ちよさといい、納得できる仕上がりです。ただ、アンビエントパートが個人的にはちょっと長く感じたりも。


ANGELIQUE ★★ (2008-05-05 22:25:00)

乙女ゲームのタイトルみたいなバンド名ですが、犬神サーカス団の変名プロジェクト。
こないだデビューシングル出しましたが、凶子さんのゴスロリジャケが普通に可愛いです(笑)


ANGELIQUE - 翼 ★★ (2008-05-05 22:24:00)

2008年発表のデビュー(?)シングル。
インタビューなどでも犬神での路線よりももっとポップで一般的なものを目指すと
言っていた通り、犬神でのおどろおどろしい雰囲気や感情の篭もった語りなどは
ここでは排され、キャッチーで普遍的なロックを展開してます。やはり彼らの根は
ハードロックがあるのか、ポップであっても演奏に妥協が感じられないのが良いですね。
…でも、彼等が本当にこのプロジェクトで一般受けを狙ってるのかはかなり疑問が
残るんですけど…。白塗りメイクを落としたといっても今度はゴス/V系な衣装を
身に纏ってるし、演奏にはハードロックバンドの矜持が感じられるし…。
本人達の真意がどうであれ、私的にはポップな曲を作ることをメタ的に楽しんだり、
ファンの間で巻き起こるであろう賛否両論を面白がってるように思えるんですが…。
ただ、せっかくポップな路線をやるなら、もっと歌メロの扇情度は上げて欲しかったです。
犬神特有のどろどろした世界観を薄めた分、歌メロという普遍的な要素の魅力でそこを
埋めて欲しかったというか…。正直、これより歌メロが良い曲はチャート上にも
沢山あると思うので…。まあ悪くはないし演奏がかっこいいので良いですけどね。
犬神のメンバーがその演奏力や作曲力を利用して普遍的な魅力の曲をやるという
コンセプト自体は共感するし、面白いと思います。でも、こういう路線なら次は
いきものがかりやZARDを倒せる位のレベルの歌メロが欲しい所。


ANGELIQUE - 翼 - 翼 ★★ (2008-05-05 22:26:41)

途中まではかなりポップな音像なのに、ラストハードロックアーティストの血が騒いでしまったかのようにツーバス連打するのはなんだか微笑ましいです(笑)


ANGELIQUE - 翼 - 薔薇迷宮 ★★★ (2008-05-05 22:27:31)

…ヘヴィな音といい、「アンドロギニュス」「シゾフレニア」「蠱惑の花」という単語の選び方といい、歌詞の結びをポジティブなものにしている事を除いたら何が犬神と違うのか…って感じの曲。メロディ、一部サザンの「エロティカ・セブン」を連想させる所があるんですけど…でもそこが好き。


ANGELO - Design - FATE ★★★ (2016-02-27 10:21:18)

アルバムカラー同様、(以後の作品と比べて)バンドサウンド抑え目、歌メロ重視な感じで今のAngeloとは色が違う印象なんですが…それを抜きにして凄く良い曲。Angeloが一般的なV系ロックを演ったらどんな感じか…というのを、高いクオリティで表現した曲という感じ。アニメタイアップも付きハクも十分に付いた、Angeloポップサイドの傑作。


ANGELO - Design - Speak to deep colors ★★★ (2016-02-27 10:25:05)

サビの、余りにも叙情的にも程があるメロディが印象的な曲。このサビに関してはもうJAPANが付いてからのXとか、Toshiさんのソロのバラードかってくらい「聴かせる」メロディだと思う。メンバーチェンジ以後のロック色強いAngeloから遡って聴いていると何があったのかと思うくらいメロメロにメロウな曲。


ANGELO - FACTOR - Collapse parade ★★★ (2015-12-28 23:19:35)

イントロの、カオティックなトレモロリフの醸し出す雰囲気からして、なにか物々しい感じで期待してしまいますね。そしてサビでは、耳に残る、力強い響きのコーラスと雷鳴を思わせるドラミングが絡み合い、どこか終末的な光景が眼前に広がるかのよう…。ダークなだけでなく、再生の為の終末というか、そういう力強さも同時に感じられるように思います。


ANGELO - FACTOR - Experiment ★★★ (2015-12-28 23:15:50)

AngeloってV系でも歌メロと演奏の絡みがかっこいいバンドだと思いますが、その中でもスリリングな絡みをする一曲ではないでしょうか。特に「郷愁観念の厚い壁は/壊さずドラマティックに演じて消し去る」の所がやば過ぎ。「ドラマティックに」で思わず拳を硬く握り締めてしまいますね…。サビの、独特なアプローチの歌詞も好き。


ANGELO - FACTOR - FACTOR ★★★ (2016-02-27 10:29:30)

前アルバムのリードシングル「SCARE」を、バンドサウンドの緻密さや強固さはそのままに、もっとサビメロを目立たせてキャッチーにする方向で進化させたかのような楽曲。リフの展開やブレイクの入れ方など、バンドの絡みが美味しいポイントありまくりで聴いてて滅茶苦茶アガります。特に、イントロやサビ直後のリフへのドラムのフレーズが好き。洋ものヘヴィロックバンドが演りそうなダイナミックさが凄くかっこいい。


ANGELO - FAITH - Doll ★★★ (2016-02-27 10:47:54)

目の前を遮られるようなイントロから、トレモロを交えたヘヴィなギターワークに繋げる出だしからして印象的な楽曲。リフ押しの強い曲ですが、衝動をそのまま形にしたような歌メロの乗せ方も見事。メロディや歌詞から、明らかに「Design」収録の「Noise」と関連している楽曲ですね。「Noise」では「終わり告げるノイズ」だったのが、こちらでは「終わりを告げる声」になってたり(ちなみにこの部分のメロディはほぼ一緒)、よりヴィジョンがクリアになりつつも、同時にシビアにもなっている感じ。


ANGELO - FAITH - OUTBREAK ★★★ (2015-12-28 00:58:59)

個人的には、Karyu氏とギル氏が加入してからの新生Angeloの代表曲といえばこの曲ですね。攻撃的なABメロから、メロウなサビ…というパターンは珍しくないんですが、アレンジの緊張感や展開のメリハリが一つ抜けて素晴らしい。初見の人でもバンドの旨みのようなものをしっかり堪能できるであろう名曲です。


ANGELO - FAITH - 評決 ★★★ (2015-12-28 12:35:58)

前作のシングル曲「RIP」を更に発展させたような印象の楽曲。ごくキャッチーなマイナー調メロディに、疾走感溢れる演奏というのは、V系ロックが好きであれば誰もが嵌まれそうな感じがします。Pierrotの「新月」を聴いたときのような、ストレートにぶちのめされるような魅力を感じました。


ANGELO - METALLIC BUTTERFLY - PANDEMIC ★★★ (2015-12-28 23:11:42)

アルバムの幕開けを飾る曲として、本当に素晴らしい曲ですね…あのキリト氏特有の確信に満ちて人を導くような、妖しげな魅力のあるメロディと、V系ロック的な攻撃性が融合しててホントかっこいい。サビ後半~大サビのメロディが和風テイストをキリト流に捻じ曲げたような、妙な魅力があって好きですね。そこに「母体回帰」「カタストロフィ」と、彼らしい単語が乗るのもグッド。惹かれます!


ANGELO - METALLIC BUTTERFLY - 薄紅の欠片 ★★★ (2015-12-28 23:06:05)

メタルにどっぷりだった私が、またキリト氏関連の音楽を聴いてみようと思ったのは実はこの曲がきっかけでした(既に「FAITH」が発売されてた)。やはり彼の書くメロウなメロディは本当に良いです。「ラストレター」「パウダースノウ」等の過去の超名曲と比較しても遜色ない、もしくはそれ以上のドラマ性を持つメロディ。
ただ、ここまでストリングスやキーボードを重視して、メロディの美しさを際立てたアレンジは5人体制のAngeloではあまりやらなそうです。…といって、あっさりその予想を裏切ったりもしそうですけど(笑)。


ANGELO - METALLIC BUTTERFLY - 薔薇の花 ★★★ (2016-02-27 10:43:07)

Angelo初となる、KOHTA氏作曲の楽曲ですが…作曲面でもかなり兄に影響を受けている感じがしますね。音だけ聴いたら、アルバムでも1、2を争うほどの「キリトっぽいメロディ」だと思いますもん(笑)。そしてそのあざといメロディがまた絶品かつ、キリト氏の詞の乗せ方も「らしい」感じがして(特に四字熟語部分とか)ツボに嵌まる。アルバムでもトップクラスにお気に入りの曲です。


ANGELO - PSYCHE ★★★ (2015-12-30 10:26:45)

2014年発表の7th。

ブレイクスルーを果たした印象の「RETINA」は、超名曲クラスの楽曲が並ぶ名盤ではあったんですが、karyu曲への歌メロの乗せ方が完璧だったのに対して、キリト曲へのバンドサウンドの絡みに多少物足りなさを感じてしまったんですが…それが見事に払拭され、クオリティを保ちつつもアルバムとしての統一感や完成度を更にアップしてきた作品という印象ですね。バンドとしてより着実により強固な存在になりつつあるという感じがします。

今までのキリト氏の作品の傾向として既にあったことですが、この作品は特に楽曲ごとの有機的な繋がりが強い印象がありますね。先行シングル「SCARE」に新たな光を当てるようなオープニング「Deep Psyche」、明らかに「PROGRAM」の詞のフレーズとの対比のある「SCENARIO」、前作のエンディング曲のフレーズを上手く使った「報いの虹」…。何も知らず聴いても魅力的なことは前提で、色々な仕掛けを用意しているのが流石です。

それにしても、キリトさんってマジで英語苦手なんですね…。「hidden」を「ハイドゥン」みたいな発音で歌うし、基本的な主語と述語、目的語の並べ方さえ理解していないのでは…。Angeloになって英詩が増えたから嫌でも気になってしまう…。


ANGELO - PSYCHE - A new story ★★★ (2015-12-30 10:43:12)

これからも力強く地面を踏みしめながら進んでいくような印象を与える、なにか吹っ切った感のあるエンディング曲。リリース前にPierrotでのライブも行ってるし、その影響もあるのかも。今のAngeloを支持している人はもちろん、Pierrotに固執しているファンのことですら肯定するような、揺るぎなさを感じられるんですよね。余韻を残す終わり方も好き。


ANGELO - PSYCHE - Climax Show ★★ (2015-12-30 10:36:11)

これ、最初はどうにも馴染まない楽曲でした…。インダストリアルな意匠が施された、ハードな印象のアレンジの割にサビメロが場違いに明るい感じがしてしまって…。ただ、何度か聴いて楽曲のノリや展開が分かってくると段々良くなってきますね。


ANGELO - PSYCHE - Deep Psyche ★★★ (2015-12-30 10:30:01)

今のV系バンドで、ここまで歌とバンドサウンドの絡みがしっかりしているのも珍しいのでは。攻撃的でかっこよく、一発で惹き付ける魅力がありつつ、どこか成熟味のようなものも感じます。「with conviction」「that freedom brings」と、「SCARE」というフレーズを修飾し、より世界観を拡げる詞も興味深いです。


ANGELO - PSYCHE - SCARE ★★★ (2015-12-30 10:33:36)

イントロのメロウ→グルーヴィなリフ、Aメロではキメを多用し歌メロに絡みつき、Bメロでは高揚感を煽り、サビではがっつり盛り上げる…というギターワークの流れには美しさすら感じます。あと、サビが終わった後の引き取り方も異常なまでにかっこいい。メロディも若干V系的メロウキャッチーからは外れた感じはありますが、これはこれで強靭な印象で良いですね。


ANGELO - PSYCHE - SCENARIO ★★★ (2015-12-28 01:02:32)

これは…アルバムを買ってきて聴いて、この曲でテンションブチ上がりましたね…自分がこのバンドに求めている音そのまま過ぎて(笑)。「script error」が全てを蹴散らすような楽曲だとするなら、この曲は確信に満ちた態度で力強く引っ張っていくような感じでしょうか。個人的にこの曲の歌の入りは凄く好き。なにかこのバンドが描いてきたストーリーに、急な展開が起こっている様子が音でも表現されているような気がするんですよね。


ANGELO - PSYCHE - 報いの虹 ★★★ (2015-12-30 10:39:53)

前作のエンディング曲「Beginning」のメロディを一部使用した楽曲。アップテンポながら、力強く情景を描くような、前向きさや力強さを感じる曲。Angeloの楽曲って高校生バンドがカバーしそうにないですけど、この曲はそうでもない気が。憧れてバンドで演奏したくなるような、衝動を刺激するパワーがあるというか…。純粋に「良い曲」だと思います。