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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4501-4600

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4501-4600
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NEFANDUS - YOUR GOD IS A GHOST ★★ (2013-01-12 16:09:45)

2012年発表の4曲入りEP。
現MARDUKのDevo氏がミックスを担当。

関連バンドのOFERMODやSERPENT NOIR、MALIGNはどれも真性の雰囲気漂う、邪悪極まりないブラックメタルを演ってますが、この作品も同様にドス黒い空気を醸し出すブラックですね。OFERMODがデス寄りの重さ、SERPENT NOIRが粘着質な残虐性を持っていたのに対し、このバンドは荒涼感溢れる寒々しいトレモロを多用し、若干メロディアスで聴きやすい路線。

Devo氏によるRAWながらトレモロ映えするプロダクション、トレモロ一辺倒でなく、イカレ系のギターソロや刻みリフも交えたオールドスクール要素もあるギターワークなど、作りはかなりしっかりしている感じ。ただ、2曲目がノーマル声も交えたドゥーミーな、やや好みが分かれるものであることや、全体として疾走パートは意外と少なめな点は気に留めて置く必要があるかも。

個人的には、1曲目のメロディアスさや疾走具合が丁度いいので、全体的にそのくらいのバランスで作ってくれれば更にツボだったんですが…逆に言えば金太郎飴になりがちなエクストリームメタルのジャンルで、しっかり曲ごとの差別化が出来ている良盤とも言えるのかも。


NEFARIOUS ★★ (2013-01-02 17:46:42)

ハンガリー産コールドブラック。
SEAR BLISSのメンバーが在籍。


NEFARIOUS - THE UNIVERSAL WRATH ★★★ (2013-01-02 17:47:19)

2012年発表の1st。

この如何にも荒涼とした世界観を持っていそうなジャケ、そしてCold Dimensionsよりリリースという事からも察せる通り、バンドサウンドを包む幻想的で冷えた感触のシンセを纏いつつ、ザラついたギターリフとブラストを中心とした苛烈なリズムで、身を切る吹雪の如く疾走していくアトモスフェリック/コールドブラック。SEAR BLISSはメタリックな印象が強いので、そのメンバーがこういうアンビエンス重視のブラックメタルを演ってるのはちょっと意外。まあ、SEAR BLISSの最新作「Eternal Recurrence」でのアトモスフェリック方向への接近を考えれば、不思議ではないのかもしれませんが…。

ただ、COLDWORLDやAURVANDIL辺りの、似た系統のバンドと比べると音がメタリックというか、もっと実体的な印象も受けるんですよね。ミッドテンポも多用する構成やトレモロを交えた、変化のあるリフ捌き、シンセの音色など、情景を描くことと同じくらい、展開のドラマ性にも気を配っている感じ。そのせいなのか、ただコールドなだけでなく、SEAR BLISSの作品に通じるような、宇宙的な壮大さも感じられる気がします。作品のタイトルにも「Universal」が入ってますし。

まあ、Cold DimensionsとSEAR BLISSメンバーという時点で鉄板のクオリティはあるだろうと思ってましたが、予想通りの質の高さで満足。このバンドの出自を聞いて惹かれる人ならば買って損に思うことはないのでは。


NEFARIUM - Ad Discipulum ★★★ (2010-12-29 13:28:30)

2010年発表の3rd。
これは凄い!衒いのないファストなスタイルながら、隙のない音ですよ。

まずドラムはENTHRONEDの最新作でも凄まじい鬼っぷりを発揮していた
Garghuf氏ですが、こちらでも相変わらず聴き手を刃物の嵐に巻き込み、
ナマス切りにするかのような焦燥感煽りまくりのドラムは健在。
そこに絡むリフも、DISSECTIONに通じるような、密教的なヤバいムード
漂うもので、暗黒な空気を如何なく放出。ただ、DISSECTIONが寒々しさ
重視なのに対し、こっちはやや薄暗い、地下ムードなのは大きな違いですね。

更にヴォーカルは、エフェクトを掛けていない時のArioch(FUNERAL MIST,
MARDUK)そっくりの、キレの良さと病的な粘着質さを兼ね備えた、カリスマすら
感じる中域のがなり声で素晴らしい。AriochのMARDUKのライブ盤での
パフォーマンスに近いかも。また、ミックスをSOTHISの1stも担当した、
Andy Laroqueが行っているのも大きいと思う。上記の要素が、上手く
溶け合って迫力ある、しかし心地よく聴ける音塊になってます。

店頭のデモプレイを聴いて、初聴でピンと来た作品。
即効性も十分だし、じっくり聴いてもやっぱり素晴らしいアルバムだと思う。


NEGATOR ★★ (2011-08-27 19:14:27)

ドイツ産ファストブラック。
このバンドのNachtgarm氏がDARK FUNERALの新ヴォーカルに抜擢されたとか。


NEGATOR - Panzer Metal ★★★ (2011-08-27 19:17:25)

2010年発表の3rd。

ENDSTILLEやGRAUPELなど、ファスト系にも何気に良質のバンドを抱えているドイツですが、このバンドもそれらのバンドと似た路線のファストブラックですね。平坦気味のノイジーなリフと共に畳み掛けつつ、メロウなトレモロリフを仕込んでくるスタイルは、この手の王道にして覇道という感じ。単純に聴いてて気持ちいいし、かっこいいですもん。

ただ、このバンドは「ファストブラック好きが喜ぶツボ」を完璧に心得てる感じがします。基本ジャージャーした質感のリフでの無慈悲な疾走ですが、イントロの掴みの部分やサビにあたる部分など、「ここで来て欲しい」っていうところで、がっつりメロウなメロディを仕込んでくるんですよね…。寒々しさや邪悪さだけでなく、儚い美しさを醸しだすメロも時折混ぜてきますが、最早疾走の末昇天しそうなテンション。

特に彼らの「ファストブラックを作曲する」能力の高さが伺えるのが6曲目の「Misanthropic Manifest」で、4分に満たない中にメロウ極まりないトレモロリフ&トレモロリード、暴力的に過ぎる爆走、聴き手のテンションを煽るような高速スラッシュビート、神経を侵すようなミディアムパート…と、この手のブラックの美味しい所を惜しげもなく繰り出していく展開が素晴らしい。

また、DARK FUNERALのCaligula氏の後任を務めることになったNachtgarm氏のヴォーカルですが…ギャーギャー叫びまくりのスタイルでかなり強烈。Maniacのような粘着質さは薄く、真っ直ぐな感じの絶叫はこの手にありがちではありますが…噛み付かんばかりのテンションは尋常じゃないですね。もう聴いてるだけで顎が痛くなってきますもん(笑)。

そういう訳で、ENDSTIILEやGRAUPELなど、ドイツのファスト系が好きならば必聴…と言いたいところですが、個人的には曲の作りがキャッチー(と言ってもファストブラックの範囲内で、ですが)なので、実はこのバンドの作風の方が好みだったり。激烈な音に興味がある方は是非。


NEGURA BUNGET - Măiastru sfetnic ★★★ (2009-07-26 09:07:00)

2000年発表の2nd。

2008年にLupus Loungeより再発されたものが、結構プッシュされてたみたいですが…確かにこれは凄いです。一応プログレッシブ・ブラックに分類されるようですが、プログレというか狂気の沙汰としか言えないような音楽性ですよ、これ…。

魔性・神秘性などにおいてLUNAR AURORAとタメを張れる存在ではないでしょうか。このバンド、例えばトレモロリフ一つ取っても、「メロディを前に出してフォークメタル的な叙情味を与える」「枯れたように加工し不気味さを与える」「キーボードの中で蠢くような音色で恐怖感・幽玄さを与える」など多彩に使われていて、リフやキー、リズムのバリエーションが豊富なんですよね。しかもその多彩さが、ただひたすら幽玄で神秘的な、魔性の世界を描く方向に作用している感じ。

基本的な音からしてブラックらしいムード重視のノイジーな音質に、厚みのあるキーボードが影を落とすような奥行きのあるものだし、ブラスト入れるにしても疾走感ではなく崩壊感を演出してる感じだしで、前述の要素とも相まってかなり個性的な作品に仕上がってます。バンド名はルーマニア語で「暗く霧に覆われた森」らしいですが、確かにLUNAR AURORAの神秘性と初期ULVERの森に迷い込んだような幻想性を足したような印象があります。ただし、このバンドの描く森は、ULVERのそれよりも数段悪意に満ちている感じがします。


NEGURA BUNGET - OM ★★★ (2010-06-08 21:33:00)

2006年発表の4th。
この人たち、相変わらず鬼すげぇ…。

一言で言えば、民族的なメロディのトレモロリフや、民族楽器を使用したパーカッシブなリズムを取り入れたペイガン/フォークメタルに、厚みがあり、神秘性を感じさせるキーの導入や、ギターノイズの音質や、楽器の聞こえる位置など音像の操作、SEの挿入などのアンビエント・ブラックの要素を合わせた音楽性、と言えると思いますが…普通のバンドはメタル要素が希薄になったり、アンビエント要素が効果音的な使い方に過ぎなかったりする事が多いんですが、彼らの音楽性では両者が不可分一体であるのが凄い。

しかも、叙情的で、凍てつくようなトレモロリフの響きや、それだけに特化すれば十二分に特徴となりうる豪速ブラスト、パーカッションに奥行きのあるキーが合わさった時に生ずる魔的な雰囲気などを聴くと、どちらかだけでも質の高いものを作れる気がするんですよね…。
それが、両者を高めあうように組み合わさっているのだから、凄いのは当然かも。聴いていると、深く暗い森に誘われていき、気がつけば澱んだ空の異次元に紛れ込んでしまったような錯覚を覚えさせる作品で、メタルとして優れていながらアンビエント的であり、またメディテーション音楽のような趣のある音だと思う。

因みに、私が買ったのは中国盤で、ボーナストラック2曲と、訳詞・解説付き。まずルーマニア語もちゃんと訳しているところが素晴らしい。日本盤って、英語じゃないと横着して訳詞書かないことが多いですからね…。そもそもこの作品自体、日本盤出てないですからね…クソっ、妬ましい……。

日本も、優秀なメタルバンドの開拓とか頑張って欲しい。
中国に負けてちゃ駄目です。


NEHEMAH - Requiem Tenebrae ★★★ (2005-12-21 22:49:00)

2004年に発表された3rd。
良く名盤扱いされているので前々から気になってましたが、中古500円でゲット。ラッキー(笑)それで感想ですが、確かに名盤扱いも分かる、とても良い作品だと思います。

曲は色々な所でも言われている通りノルウェーっぽい真性ブラックですが、曲が良いです。MAYHEMもそうですが、トゥルースタイルやプリミティブスタイルで遅い曲をしっかり聴かせられるというのは、バンドに実力のある証拠ではないでしょうか。たまに入ってくるキーボード、使い方が昔のEMPERORやBURZUMっぽくって雰囲気ありすぎです。

音質はドラムの音が少しジキジキしてますがリフのディストーションが気持ち良く良い感じ。ヴォーカルはがなり声ですが、研ぎ澄まされた、非常に鋭い声を聴かせてくれます。声のヒズみ具合で言ったらWLAの頃のManiacともタメを張れる位でめっちゃ邪悪。2曲目などを聴くと良く分かりますが、肺活量も凄いですよね(笑)

しかしこんな名盤を売る人がいるなんて…そして500円で買わせてくれるなんて(笑)バンドに対して申し訳無いくらいですよ。これなら普通に2000円でも買うし。


NEHEMAH - Requiem Tenebrae - Dead but Dreaming in the Eternal Icy Waste ★★ (2005-12-26 18:27:47)

鬱アルペジオと初期EMPERORのような寒い空気感を演出するキーが、寒々しい暗黒世界を演出する曲。雪山で誰にも気付かれずに凍死するような感じ。次曲「The Elder Gods Awakening」のイントロダクション的な曲ですね。


NEHEMAH - Requiem Tenebrae - Taken Away by the Torn Black Shroud ★★ (2005-12-30 08:41:45)

曲が始まるといきなり妖しげな祈祷系の普通声が入ってくるし、カラスはぎゃーぎゃー鳴いてるし、まるで不吉な曇天の下そびえたつ魔術師の城って感じの雰囲気。呟き声も厭世的で不気味です。演奏時間は11分超えと結構長め。


NEHEMAH - Requiem Tenebrae - The Elder Gods Awakening ★★★ (2005-12-26 18:30:17)

「Dead~」から繋がるスローな曲。
やはりムードたっぷりなキーが好き者にはたまりません(笑)。「Dead~」で凍死した人間が怨念を撒き散らしてるみたい…ラスト近くには疾走パートもあり。


NEHEMAH - Requiem Tenebrae - The Great Old Ones ★★★ (2005-12-26 18:24:03)

やはり掴みの曲だけあってリフがとてもかっこいいです。
思わず曲のタイプに「北欧」を選択してしまいそうになるほどに北欧っぽい曲。キー入りスローパートまで完備です。それにしても、あの鋭いがなり声での20秒のシャウトは凄い。普通に大きい声で「あーーーーっ!!!」て20秒続けるだけでもきつそうなのに、彼はあんな凄い声で…(絶句)。曲のラストを飾るシャウトも決まってます。


NEHEMAH - Requiem Tenebrae - Through the Dark Nebula ★★★ (2005-12-30 08:46:49)

この曲はがなりだけではなく、うめきスタイルも使っていますがやっぱり声がガラガラしているせいか、独特の嫌らしさが出ていますね。笑い声も厭気が込められていて(良い意味で)気持ちが悪いです。
それにしても、やっぱりキーの使い方がとても良い。


NEIGE ET NOIRCEUR - La Seigneurie Des Loups ★★ (2011-08-12 19:45:06)

2009年発表の2nd。
なんか、一言では言い表せない音楽性を持ったバンドですね…。
敢えて言うならアトモスフェリックブラックですが…。

1曲目は、白兵戦的なSEを途中で導入しつつ、寒々しいメロディで疾走するアトモスフェリックな路線の曲で、特に出だしの隙を伺うようなリズムから、一気に疾走する展開がかっこいい。途中のWHENを思わせるビヨンビヨンする効果音からの威風溢れるメロディは、初期SATYRICONへのまわりくど過ぎるリスペクトでしょうか。

…そして1曲目はコールドな雰囲気のまま終わるのかと思いきや、何故かラストではフォーキッシュなお祭りメロが登場、それを引き継いだ2曲目では、クリーンヴォーカルやパーカッシブなリズムも取り入れた本格的なRAWペイガンブラックに。初期NOKTURNAL MORTUMを思わせる作風ですが、メロのクサさも初期NxMxに肉薄しているのが素晴らしい。

アコギメインのインストを挟んだ4曲目は、1曲目のコールド&アトモスフェリック路線を概ね引き継ぎつつも、スラッジ/ドローン的な重く引き摺るリフが耳を聾するパートがあったり、ラストはキーボードアンビエントで締めたり、この期に及んで新機軸を導入。続く5曲目は、考え過ぎて遂に宇宙に飛び出したような奇矯なメロディで疾走するも、バンドサウンドは冒頭のみで、残りは儀式的なダークアンビエント。

…という訳で、全部聴いても「未だ本性掴めず」な印象のまま終わってしまったアルバム。まあ、多分何度聴いても掴めることはないでしょう(笑)。比重としてはアトモスフェリックな部分が多いので、VINTERRIKETやCOLDWORLD、PAYSAGE D’HIVER辺りが好きな方に多分お勧め。


NEIGE ÉTERNELLE - Neige Éternelle ★★ (2014-12-14 11:41:45)

2013年発表の1st。

フランス語で「永遠の雪」を思わせるバンド名が何とも甘美ですが…確かに荒涼とした情景を描くような、ノイジーでザラついた感触のリフの音色、寒々しい情景を直接的に想起させる、メロウながらモノクロに塗り潰すような鬱性も伴うトレモロなどが描く、凍土めいた風景はバンド名そのままという感じですね。

ただし、バンド名以上に殺伐さもまた強いのが特徴。特にヴォーカルの一心不乱に憎しみだけを叫び続けるような絶叫は、リバーブの掛かった音とも相俟って聴いててこちらの気分も荒ませるようで素晴らしい。アトモスフェリックブラックとしては珍しく、スラッシーで攻撃的なパートもあり、起伏の付いた音を聴かせますが、「Fier Patriote (愛国の誇り)」という曲名があるくらいですし、思想面では右寄りな部分もあってそれが反映されているのかもしれませんね。

如何にもケベック産らしい、荒々しさとストイックさが伝わってくるようなブラックメタル。寒々しい情景を描きつつ反骨精神も全開な作風の音です。


NEKRARCHON - Gehinnam ★★★ (2017-05-10 13:33:07)

2016年発表の1st。

ギリシャ産のプリミティブブラック…との事ですが、基本はRawで地下臭いプロダクションに、禍々しさしか感じられないがなりや、瘴気漂うメロディのトレモロを組み合わせた、如何にもなプリブラという感じで、NGLAやPHLEGEINなどNorthern Heritage産のバンドとも通じる音を出してますね。プリブラとしてごく分かりやすい魅力が詰まった音だと思います。

ただ、所々にアトモスフェリックブラックに通じる、情景描写に重きを置いた感性を感じるパートもあるのが特徴になってますね。音像の歪ませ方を若干弄ることで視界が歪むような薄気味悪さを演出してみせたり、邪悪さとか暗黒だとかをより有機的に聴かせるような工夫が凝らされたパートも多いんですよね。何か得体の知れない、しかし禍々しいものが忍び寄ってくる…そんなムードに満ちた音です。

トレモロリフに込められたメロディ自体もごく分かりやすい暗黒趣味してますし、プリブラの中でもかなり精神に訴えかける力の強い作品ではないでしょうか。プリブラが好きならお勧め、そうでなければ非お勧めです。


NEO GEO HEROES ~ Ultimate Shooting ★★ (2014-10-29 11:48:53)

2011年にSNKプレイモアがPSPでリリースしたSTG。
アーケード「KOF SKY STAGE」をベースに改良を加えた作品。
元になった「SKY STAGE」の方も収録されています。

縦スクロール・面クリア型の弾幕STGで、溜め撃ちにあたり、キャラクターごと・段階ごとに全く異なる効果のある「必殺技」や、敵弾消去や稼ぎなどの恩恵がある代わりに、敵の攻撃が激化する「挑発」、敵に接近して撃破することでスコアアイテムのランクが上がるなどのシステムがありますが、基本的にはオーソドックスなSTGですね。操作性も悪くないですし、SNKキャラを動かして弾幕STGする事自体がとても楽しいです(笑)。

ただ、難易度の調整方法だけは納得が行かないですね。難易度を最低まで落としてすら、4、5ステは東方のルナティックのスペルカードを余裕で上回る難しさの弾幕が出てくるのが…。ライフゲージ制(3回ミスでゲームオーバー)で、ミスってもボムが補充されないのも難度の高さに拍車を掛けてます。それに対する救済策が、無限コンティニューっていうのもどうかと。キャラゲーの側面も強いので、ストーリー見れるのは良いですけど…こういうゲームって弾幕を掻い潜れるかどうかのギリギリが楽しいのでは。その点、東方のノーマルや怒首領蜂の一周目は絶妙だったんですけどね…。

このゲーム、3ステくらいまでは本当に楽しいんですよ…弾幕も操作をミスれば死ぬけど、掻い潜れるかどうかのギリギリを攻めて来る感じで。でも後半は避けられない事が見た瞬間分かっちゃうようなものが多くて、ちょっと萎えます。この辺りを、難易度選択によってどうにか出来れば、良作だと思うんですが…。一応東方はExまでなら全作クリアしましたけど、なのに後半死んでボムを補充して撃つ作業になっちゃうんだもん。幾らなんでも難し過ぎですよ…。


NEO INFERNO 262 ★★ (2013-10-09 09:46:49)

フランス産インダストリアル・ブラック。
フレンチブラック・エリート達によるプロジェクトで、ARKHON INFAUSTUS等の666 Torturer氏、MERRIMACK等のJudicael氏、ANTAEUS、SECRETS OF THE MOONのLSK氏らが在籍している事が判明しているらしいです(どのメンバーがこのプロジェクトでどのバンドネームを名乗っているか、何を担当しているか等は不明らしい)。


NEO INFERNO 262 - Hacking the Holy Code ★★★ (2013-10-09 09:48:32)

2008年発表の1st。

インダストリアル・ブラックと言っても、インダストリアル要素を装飾程度に取り入れたバンドから、ほぼバンドサウンドの輪郭を失って、ブラックメタルとしての形式から大きく逸脱するものまで様々ですが、このバンドは音作りの深い所までインダストリアル化しておきながら、ブラックとしての感性もしっかり残している辺り、非常にバランスの良い作風と言えると思います。流石フレンチブラックの大御所が作っただけあって、実験的で知的なだけでなく、邪悪さも特盛。

例えばメカニカルな質感を強調したマシンブラストは聴いていて単純に気持ちいいし、それぞれの音の位置にまで手を加えたリズム構成、サンプリングとバンドサウンドを混ぜ合わせた実験的な音作りなどは、興味深く楽しく聴けます。一方で、ブラック由来のトレモロによる邪悪さ、演説調を交えたヴォーカルによる殺伐とした雰囲気の演出など、ブラックメタルに求められるような過激さが、インダストリアル要素を取り入れた事によって全く失われていない、むしろ強調されているのが素晴らしい。ほんとブラック好きにとっては心地良過ぎる音ですよ…。

インダストリアルな音にアレルギーがないブラックファンであれば、是非とも持っておきたい一枚。フレンチブラック悪の枢軸の底力を思い知らせるような力作だと思います。


NEOLITH - Izi.Im.Kurnu-Ki ★★ (2016-03-19 16:39:52)

2015年発表の4th。
LUX OCCULTAのメンバーが在籍し、91年から活動するベテランの目下最新作。何気に活動はコンスタントなようで、5~6年という長いスパンですが継続してアルバムをリリースしているバンドのようです。

以前はドゥーム/デス寄りの作風だったこともあるようですが、今作で聴けるのはエクストリーム・メタルとしての強靭さや攻撃性をガッツリと聴かせつつ、ブラックめいた密教的な雰囲気も漂う、デスとブラックの要素を両立させたタフな音。この辺りは、近年のBEHEMOTHやCHRIST AGONYなどの同郷のデス/ブラックのバンドとも共通する感覚ですね。

ただ、BEHEMOTHと比較すると雰囲気重視というか、悪く言えば愛想の少ない音と言えるかもしれません。あそこまで曲やリフが煽動力に満ちているのではない代わり、精神を侵すような禍々しさを湛えている感じでしょうか。時折入ってくる中近東系のメロディはこの手のお約束とも言えそうですが、その使い方が上手く良い感じに邪悪なムードが演出されてます。

前述したバンドのように、ブラック系でもデスの強靭さを湛えた良質なバンドが多いポーランドですが、この作品もそんな位置づけになりそうですね。プリミティブな音もいいですが、これくらいのヘヴィな音もやはり心地良い…。


NEPTUNE TOWERS - Caravans to Empire Algol ★★ (2005-07-08 17:58:00)

Fenrizのソロプロジェクト第一弾。
「Avengarde Astral Alien Synth」のキーワードが示す通り、シンセによるインスト作品。ドラムやヴォーカルは一切無し、大作2曲のみ収録というスタイルのCDです。

音的には、イントロから続く、まるでアジアのマイナー宗教の信徒が熱くじめじめした場所で祈りを捧げる時に流れていそうな管楽器的な音色が特に印象的。そこから色々に展開していきます。最初はプロジェクト名からの連想で、もっと近未来的な音を出しているかと思いましたが人間の宗教的な営み、それも(あくまでイメージですが)キリスト教的な雰囲気でなく、アジア的な雰囲気だったので、音だけ聴くとたとえブラックメタラーやDARKTHRONEのファンだったとしても、これを北欧の人が作ったとは思わないと思います。

瞑想、とは言わないまでも深く考え事をするときにピッタリのアルバムです。なんか突拍子もないアイデアが浮かんできたりして…(笑)スタイル的に人を選ぶCDですが、Fenrizの才能の一片に触れたい人にお勧めです。因みに、歌詞が載るべき所にはFenrizの声明(?)のようなものが載っていますが、それによると「NEPTUNE TOWERSは全ての有機生命体の消滅をサポートする」…ネガティヴィティもここまでくるともう何も言えないですね(笑)


NEPTUNE TOWERS - Caravans to Empire Algol - Caravans to Empire Algol ★★★ (2005-07-22 10:27:38)

これは凄いです…イントロから続く宗教的な管楽器のような音色は有機的な響きなのに、3分くらいで登場する主旋律は音色もメロディも無機質…それらが違和感無く混ざり合って、怪奇な世界を作り出しています。最初はイントロのその音ばかりが印象に残り、いまいちかとも思いましたが聞き込むにつれて良い曲に思えてきました。
分かるまで何度でも聴いて欲しい名曲。


NEPTUNE TOWERS - Transmissions From Empire Algol ★★ (2005-09-04 23:53:00)

Fenrizのソロ第二段。
とりあえずアヴァンギャルドなシンセ音楽と言う表現形態は変わっていません。

前作とは違い、予想通りの宇宙的な音色で始まったので「良いけど、意外性がないかも…」と思いながら聴いていると突然荘厳と言っても良い音色が!!やっぱりこの音楽は読めない…そこからはやはり持ち前の面白い展開で聴かせてくれます。今作品も前作同様2曲の大作を詰めた作品で、正直前作は2曲目はそこまで面白いとは思えなかったんですが、今回は2曲目に「ん?」って思うところがあったとはいえ、2曲とも気に入りました。

このプロジェクトは「クラウス・シュルツ」という人物から影響を受けているらしいですが…
Fenrizにこんな音楽を書かせるなんて、一体どんな音世界なんでしょうか。この一枚を聴いて、いつかジャーマンエレクトロニクスも聴いてみたいと思いました。


NETRA - Melancholie Urbaine ★★ (2015-11-17 21:34:04)

2010年発表の1st。

他のバンドを引き合いに出すなら、エレクトロニカ要素をより強めたGERMや、ULVERの「Perdition City」と鬱ブラックを融合させた感じ…でしょうか。打ち込みリズムやアダルティな雰囲気のキーボードで夜の都会を思わせるエレクトロサウンドを演出しつつ、それを裏返り気味の絶叫ヴォーカルやノイジーなリフなど、鬱ブラックの要素と合わせたような路線。ポスト系としてもエレクトロ要素の濃い方で、ジャズに通じるアーバンでお洒落なメロディと打ち込みの硬質な音色のマッチが心地良い。

ヴォーカルのクリーンも溜息を付くような嘆き節で、雰囲気を壊すことがなく良い感じ…なのですが、個人的には鬱ブラックのある意味での「粗さ」「衝動性」が、エレクトロでアーバンな雰囲気作りの足を引っ張ってしまっている印象も受けますね…。ULVERの「Perdition City」やSTAR OF ASHの作品なんかが顕著ですが、この手のエレクトロ路線の作風は音のレイヤーが丁寧に重ねられて陶酔できる雰囲気を演出することが多いですが、その傾向がプロダクションの粗さと少しぶつかっている感じがするんですよね。

個人的に、作風自体にはかなり共感した作品。このまま煮詰めていって、例えばULVERやPECCATUMの後期作品、IHSAHNのソロ作品くらい練りこんだ音になってくれればホント理想ですね。


NETTLECARRIER ★★ (2013-04-04 06:00:59)

ノルウェー産ブラックメタルバンド。
現在のドラムはENSLAVEDに在籍していた事でも知られるDirge Rip氏。
ヴォーカル/ベースのMannevond氏は元URGEHALで、現在はKOLDBRANN等にも在籍。


NETTLECARRIER - NETTLECARRIER ★★★ (2013-04-04 06:05:15)

2012年発表の1st。

なんかもう人脈からしてノルウェー産エリート・ブラックって感じですが…正にそういう音を出してますね。ブラックメタルの基本の様式や、ブラックとしての質の高さは死守しつつ、様式をただ踏襲するだけでないクリエイティビティをしっかり備えている音。このレーベル(Indie Recording)ってこういうバンド多い気がします。

まず耳に付くのが、音作りの独特さですね。モダンなバンドのような硬質な重さではない、どす黒い靄に包まれるかのような、アナログ感のある重さを感じられるプロダクションが大きな特徴。この音作りが、丁度アトモスフェリック系のバンドにおけるキーボードのような役割を果たし、トレモロリフのメロディを強調すると同時に、雰囲気に深みを与えているような感じがします。

そしてその黒い靄の上に浮き上がって聴こえるようなトレモロリフも、当然の如く絶品。時にメロウだったり、時に呪術的だったりしますが、常にどこか優美さを湛えているような雰囲気なんですよね…。アルバムを再生してすぐに、高貴さすら感じさせるメロディを練り込んだリフが聴け、一気に引き込まれてしまう。蛇が獲物を狙うようなヴォーカルも、余り暴虐には感じないものの、この雰囲気にはかなり合っているんじゃないかと。

音質的に工夫が見られるものの、やっているのはあくまでノルウェジアン・ブラックというのが良いですね。ノルウェー産ブラックに特有の、ほんのり土着性の感じられる邪悪さが好きな方にお勧め。


NEXION - NEXION ★★ (2012-05-08 22:51:22)

2011年発表の5曲入りEP。

冷たいメロディのトレモロを伴う、ノイジーで荒涼とした雰囲気の疾走を軸としつつ、メロデス的なメタリックな刻み、メロディアスなリードフレーズも取り入れつつドラマティックに展開していくブラックで、DISSECTIONの系譜にあたるようなスタイルですね。おそらくバンド名もDISSECTIONの3rdのオープニング曲から取ったのではないかと思われます。

ただ、THULCANDRAほどまんまDISSECTIONという訳ではなく、こちらはブラストの暴虐性とリフの粗い音質の合わせ技で刺々しい攻撃性を表現している感じで、もう少しマニアックな印象。力強い低音がなりと、半ばヤケクソになったような高音絶叫を使い分けるヴォーカルも良いですね。また、時にメタリックな高揚感、時に陰鬱な圧迫感など場面によって感触の変わる刻みリフの使い方も巧み。ごく一部ですが、「Isa」「Ruun」期のENSLAVEDのようなダイナミズムを感じたりする場面も。

正直現時点では初心者に向かってDISSECTIONやTHULCANDRA辺りをすっ飛ばしてでも聴け、とは言えませんが、ノイジーながらごく良質のメロブラを演っていると思います。このジャンル自体が好きな人は是非チェックしてみては。演奏時間は30分あるし、EPとしてはボリュームもなかなかですよ。


NIDINGR ★★ (2010-09-07 11:45:00)

ORCCUSTUSやOV HELLのTeloch氏らによるノルウェー産ブラック。
HellhammerやTony Laureanoが関わると関連バンドの数が跳ね上がりますね(笑)。


NIDINGR - Wolf-father ★★ (2010-09-07 11:42:00)

2010年発表の2nd。
中心人物がORCUSTUSやOV HELLに在籍し、1349やGORGOROTHのライブメンバーも勤めるTeloch氏で、
Hellhammerが正式メンバー、Garmがゲスト参加、しかもJester Recordsからの販売…
この時点でもう鉄板過ぎるくらい鉄板なんですが(笑)。音楽性は、トレモロリフを多用していた頃
(1st~2nd)のDISSECTIONをよりシンプルにしたような、氷礫が打ち付けるようなリフを
主軸とするコールドブラック。
ただ、このバンドはノルウェー出身のせいもあるのか、スウェディッシュ勢のコールド系の
バンドと比べると、メロディにより土着性が強い気がするんですよね。曲によっては、
初期EMPERORに通じる邪悪さを感じたりも。90年代前半のメロブラを、OV HELL等に通じる
今風の音作りで演っているという感じ。そうした世界観の演出を、「リフ」中心でしている所が、
ブラックらしくて凄く好感が持てる。
不満を挙げるとすれば…音楽性そのものはかなりブラック好きのツボを突いてると思うし、
質も高いですが、いかんせん6曲入り22分はフルとしては短すぎる…昔のGORGOROTH並ですね。
また、Garmを呼んでおいて、彼の出番が少ないのも勿体無い。
その辺りに目を瞑れば、かなりの良作かと。


NIDINGR - Wolf-father - Baldrs Draumar ★★★ (2010-09-07 11:44:38)

ラストにGarmのあの特徴あるノーマルヴォイスが聴ける曲。
ただ彼の声をフィーチャーしたというだけでなくて、ギターのトーンも彼の声に合ったものを選んでるのがいいですね。神秘的で非日常的な感覚が良く出てると思う。


NIDINGR - Wolf-father - Reginsmol ★★★ (2010-09-07 11:45:23)

基本的にはDISSECTIONを思わせるコールドブラックですが…リフ捌きには、どこか初期EMPERORに通じる邪悪さも感じられますね。こういうリフ主体のコールド系ブラックで、EMPERORを想起させるのは割と珍しいかも。


NIDSANG - Into the Womb of Dissolving Flames ★★★ (2015-11-08 11:47:21)

2014年発表の2nd。

一言で言えば、「Sworn to the Dark」期くらいまでのWATAINや、FUNERAL MISTを思わせるような、ジャンルとして成熟してきてからのブラックの王道…という感じの、邪悪さを追求するような路線の音ですね。コシのある…と表現したくなるような野太いデスボイス、邪悪なだけでなく宗教的な神秘性も感じさせるトレモロなど、表現のレベルは間違いなく高いと思います。

この手のバンドとしては暗黒系のデスメタルに近い、どす黒い靄に覆われるようなノイジーさがあるのも特徴でしょうか。個人的にドラムの音が鋭過ぎないのが、生々しくて良いんですよね。また、3曲目の後半部では最もダークだったころのM.マンソンを思わせるくらいあざとい邪悪メロディが出てきたり、5曲目冒頭ではそれこそWATAINに匹敵するような苛烈な疾走を聴かせたり、印象深い展開が多く楽曲自体もかなり魅力的。

特に目新しい事をやっている訳ではないですが、確かなクオリティのある好盤。この手の音源を聴き漁っている人ならば満足するのではと思います。


NIFELHEIM - Envoy of Lucifer ★★★ (2012-04-13 19:29:51)

2007年発表の4th。

NECROPHOBICとDISSECTIONという、メロブラでも代表格のバンドと人脈的な繋がりがあることもあって、ブラックとスラッシュの中間的な音楽性のバンドとしてはかなり知名度の高いNIFELHEIMなんですが、何故か今まで聴くのを先延ばしにしてしまってました…。これを聴き、もっと早く聴いておけば良かった…と後悔。無茶苦茶かっこいいですよ、これ。

前述したように、早い話ブラックとスラッシュを掛け合わせたスタイルではあるんですが、その各ジャンルからの様式の取り入れ方が実に私好み。まずヴォーカルは、基本的にはブラックメタル系の太く邪悪ながなり声ですが、吐き捨てのキレの良さ、リズムの良さはスラッシュ譲りでこれがまずかっこいい。曲によってはAttila Csihar系呪詛ヴォイスを重ね、邪悪さを増すようなヴォーカルワークを取り入れてるのもいいですね。

曲の方も動きの多く、ブラックの寒々しさとは少し違う、ギラついた感覚の強いメロディを伴うリフ、ギターソロを多く取り入れた曲作りなどスラッシュの要素強めながら、所々で真性ブラック並の邪悪さやブルータリティが顔を出すのが素晴らしい。熱さと邪悪さを迸らせるように疾走するこの音を聴いて、滾るものがない…なんてことはブラック好きなら無いはず。プロダクションも軽過ぎず篭もってもおらず、洗練され過ぎずで非常に気持ち良く聴けます。

これからブラックメタルの各サブジャンルを漁ろうとする人に、スラッシュ寄りのブラックの代表格として聴かせても良い位の素晴らしい作品だと思う。ギラついたメロディが多いことから、スラッシーなメロブラとしても楽しめる、本当に良いアルバムですよ。


NIGHT OF THE WORLD - Drive the Knife Deeper ★★★ (2014-09-04 19:10:37)

2013年発表の1st。

これは凄まじくかっこいいですね。現DECAPITATEDのドラマーで、MELECHESHのライブメンバーも務めたという、若くしてひとかどのキャリアの持ち主であるML氏や、FURIAやMASSEMORDなどポーランドでも知名度の高いブラックにも所属するNTR氏らによるファストブラックという事で、当然クオリティの高さが期待されますが…それを満たした上で、更に期待以上のものを聴かせてくれてると思います。

この作品、他のファストブラックと比べても、「キレの良さ」が段違いなんですよね。完全に元の声が分からないほどエグく歪ませつつ、歯切れ良いリズムで言葉を吐き出すヴォーカル、単に速かったり、暴虐だったりだけではない、テンションの高さを感じさせるドラム、スラッシュ由来の切れ味やダイナミズムをたっぷり含んだリフが上手く噛み合い、聴いていて血が沸き立つようなブチキレたファストブラックとして完成してます。

それこそCADAVER. INCや、同郷のバンドならINFERNAL WAR辺りを引き合いに出さないと並ばないくらい、ハイテンションでキレの良いファストブラック。このバンドは更に、トレモロリフにブラックらしい寒々しさや不穏さを込めてくれるので、メロディ面も決して手薄でないというのも良いですね。音質もクリアで、バンドサウンドの暴虐性を余すことなく伝えてくれますし、とにかく激しい音楽が好きであれば聴いておいて損はないと思います。ほんと素晴らしいです!


NIGHTBRINGER - Apocalypse Sun ★★★ (2011-01-08 08:19:57)

2010年発表の2nd。

基本的に、ブラック特有のどす黒いアンビエンスを放出する音像に、禍々しいトレモロリフを奔らせるスタイル自体は変わっていないのですが…メロディといい出音といい、前作よりもより凶悪なムードになった印象。特にメロディにそれが顕著で、前作ではDISSECTIONを思い出したりもしてたんですが、今作は叙情の入る余地が無いくらい、ひたすら暗黒なものを奏でています。

高音を強調したトレモロのフレーズを挿入したり、全体をブラック特有のトレモロが覆っている、拘りぬいた作風は、ある意味KRALLICEにも通じるんですが…結果としてポストロック好きにも評価されたKRALLICEに比べると、こっちは只管に「ブラックメタルとしての禍々しさ」に重きを置いて、フレーズを作っている気がします。

聴いていると、「放射能を放つ黒い太陽が、地上を焼き尽くしているシーン」とか「致命的な疫病が、一夜にして村を覆いつくしシーン」だとか、不吉なイメージが何度も頭に浮かんでは消える、非常に禍々しい作品ではありますが…禍々しさの演出を、「メロディ」が担っているため、ある意味では非常にメロディアス。メロブラ好きで、叙情性よりも暗黒性を好む方なら、是非聴くべきアルバムです。


NIGHTBRINGER - Death and the Black Work ★★★ (2009-11-26 22:02:00)

2008年発表の1st。

アメリカのバンドって、XASTHURやLEVIATHANなど、ブラック特有のノイジーな音と鬱系のメロディを利用して情景を描くスタイルが多い印象ですが、このNIGHTBRINGERもその流れを汲んでますね。ただし厚みのあるノイズ質で暗さを演出しつつ、ミニマルに疾走していく作風は、DARKSPACEやPAYSAGE D'HIVER辺りのヨーロッパ産アンビエント/アトモスフェリックブラックの方がより近いかな、という感じも。

DARKSPACEやPAYSAGE~と大きく異なるのは、厚みのあるノイズリフに合わせて、初期DISSECTION的な寒々しいトレモロリフを奔らせている点。同じくトレモロとミニマリズムに拘ったKRALLICEはポストブラック的メロウさを志向してましたが、こっちはブラック本来の邪悪さや寒々しさに的を絞った使い方。時折KRALLICEに通じる高音トレモロが出てくるのも、メロディが強調されるだけでなく、非日常感を更に強めていて良いですね。

意識に、邪悪でアンチソーシャルな思想を吹き込むような威厳のある低音デスと、本能剥き出しの生々しい高音絶叫を使うヴォーカルの声も、その狂性を失うことなく音に融け込んでいると思うし、邪悪さや禍々しさの表現のレベルは、1stにして非常に高いです。こういうアンビエント/ミニマル要素の強いブラックで、ブラック本来の邪悪さに立ち返った作風は意外と珍しいのでは。アメリカ産ブラックに注目している方や、DARKSPACEを初めとするアンビエント要素のあるブラックが好きな方は間違いなく必聴でしょう。


NIHASA ★★ (2013-01-04 00:08:25)

ギリシャ産ブラックメタルバンド。
元STUTTHOFでNIGHTBRINGERのライブメンバーでもあるACHERONTAS氏を中心としたプロジェクト。


NIHASA - BRAHAMANDA XUL GRIMOIRE ★★ (2013-01-04 00:10:06)

2009年発表の1st。

アートワークも神秘的で良い感じだし、メンバーもギリシャのブラックメタルシーンでは割と有名な人が関与しているにも関らず、某所でかなりの安値で投げ売られていたので購入したんですが…正直、これは投げ売られるのもちょっと分かるかも…いわゆるアトモスフェリック・ブラックですが、微妙に魅力が伝わりづらい作品なんですよね。そもそもイントロのアンビエント部分が8分近くある時点で勿体付け過ぎで聞き手を選ぶ感じが。

と言っても、分かりやすさに欠けるというだけで、ブラックメタルのテンプレ的でない魅力がある作品ではあるように思います。シンセとギターノイズを上手く混ぜ、邪教の祭壇のある洞窟に煙が立ち込めているような、妙な湿り気は他のブラックにはない魅力だと思う。その中に響く刺々しい音色のトレモロも、精神に来る感じがしてノイジーさを活用できてると思う。ACHERONTASやSTUTTHOF同様、密教的な邪悪さ漂うメロディも楽しめますし。

正直ACHERONTASやSTUTTHOF辺りのバンドにまで食指を伸ばしてない方にお勧めは出来ませんが、ムード重視のブラックメタルが好みの方なら一聴の価値はある作品だと思います。アトモスフェリック系でオカルティックなものが好きであれば買ってもいいかも。NIGHTBRINGER辺りで音を上げるようなら手出し無用かと。


NIHIL NOCTURNE - Necrohell ★★★ (2012-04-01 00:50:38)

2003年発表の1st。
タイトルが端に小さく記載されてる上、側面にバンド名しか書いてないのでレビュー書くまでセルフタイトルの作品かと思ってました…店で買う際は注意が必要かも。

スタイルとしては、純度100%の混じりっ気なしのブラックメタル…という感じですが、RAWな音作りを身上とするバンドの中でも、曲と音質がピッタリ合っているように思います。多少耳に痛いような耳障りなギターの音、意外に良く聞こえるベース、生々しいドラムにうっすら妖しいキーボードが絡む、カルトながら脳内補完が必要な程ではない、ある意味程良いネクロさの音質が、邪悪さを最重視したような陰湿な凶暴さを孕む曲調とマッチしてる。

音質や曲調に衝動的な凶悪さがあったとしても、リフに込められたメロディには叙情性があったりするのがこの手のバンドのお約束で、この作品にもそれは当てはまるんですが…リフのメロディにはメロウさ以上に、RAWブラック特有のヒリついた感覚が強いのも素晴らしい。発声の上手さとか関係無しに、ただ目の前のクソヤローをぶっ殺してやりたいみたいな、憎しみを搾り出して叫ぶヴォーカルとも相俟って、非常に殺伐としたムード。

ちなみに後半は音質がより篭もったものになり、更にカルト風味を増してますが前半に魅力を感じた方なら何の問題も無く没頭できるでしょう。最近はブラックのRAW音質をアンビエント的な陶酔感、シューゲイザー的な浮遊感、ディプレッシブな悲壮感などの演出に活用するバンドも少なくないですが、この作品はストレートに生々しい殺伐さを伝えてくれますね。NEHEMARやTYMAH辺りの、代表格バンドより一歩踏み込んだカルトさのあるバンドがツボな方にお勧めです。


NIHILL - Grond ★★ (2010-01-10 23:24:00)

2009年発表の2nd。
帯によると、三部作の第2部となる作品らしいですね。
所属レーベルがあのHydra Head(XASTHURやKHYLISTが所属しているレーベル)のブラックというだけで、暗黒で前衛的な路線だろうなぁ…と予想してしまいますが、正にそういう作風ですね。

漫画のベタ塗りの如く、真っ黒に塗り潰すようなノイジーなリフで情景を描写するミニマルなスタイルで、DARKSPACEやSUN OF THE BLINDに近い路線。バンドサウンドではない、ノイズやドローンで聴かせるパートもある辺り、特にDARKSPACEに近い音だと思います。尺の長さも10分超えが当り前ですし。

ただ、シンフォニックで神秘性・魔性を感じさせるキーボードを駆使するDARKSPACEとは異なり、こっちはとにかくギターで黒い情景を描くタイプなので、その辺りは好みが分かれるかも。個人的には、端々で聴かれる、前衛的な狂気を感じさせるパートは素晴らしいんですが、音像だけで言うとDARKSPACEほどには「取り込まれる感覚」を覚えないかな…とも思います。
それでも本能的な恐怖のシグナルをそのまま表現したような2曲目、葬式ドゥームの絶望感をブラックの邪悪さに置き換え、DEATHSPELL OMEGAにも通じるどす黒さの渦巻く4曲目などは、かなり良い線行ってると思いますが。

この手のブラック(DARKSPACE、SUN OF THE BLIND、PAYSAGE D'HIVER、ドイツのTRIST辺り)にどっぷり嵌まっている人にはかなりお勧め。そうでない人、特にドローンに免疫が無い人には、多少敷居の高い作品になっているかもしれません。


NILE - In Their Darkened Shrines ★★ (2004-04-15 22:56:00)

激しい音楽を求めてメタルを聴き始めた私ですが、遂に「これはちょっと激しすぎるかも…」というアルバムに出会いました(笑)
滅茶苦茶手数の多いドラムや不思議なメロディを奏でるギター、エジプト風のSE等は素直にかっこいいと思えますがこのボーカル(訊く所によると「下水道系」らしいです)、3人でやっているらしいですが凄い圧迫感で、アルバム通して聴くとかなり疲れます(笑)
歌詞カードにかなり長いコメントがついていて、日本盤にはその対訳もついているので曲の世界観をもっと理解できるところがいいと思いました。
12分の曲や4部構成の曲など、長大な曲にこそこのバンドの個性が出てると思います。


NILE - In Their Darkened Shrines - In Their Darkened Shrines: I. Hall of Saurian Entombment ★★ (2005-05-10 22:23:40)

アルバムの締めである四部構成の組曲「In their darkened shrines」の導入に当たる曲で、古代エジプトの世界観を日本の般若心経で表現した怪曲。
アメリカ人にとっては日本人も古代エジプト人も一緒なのかコノヤロ~!!と皮肉の一つも言いたくなりますが(笑)、この光の届かない洞窟で儀式をするかのような雰囲気は、ほんとに好き者には堪らないんですよね…。スフィンクスは日本に視線を向けているという説もありますし(←真偽不明)、分かってやってるのかも。


NILE - In Their Darkened Shrines - The Blessed Dead ★★ (2004-01-18 06:23:31)

この曲はなんだかドラムが凄い事になってますね…。
バンドの売りである「エジプト風メロディ」よりもそっちに先に耳を惹かれてしまいました。
でも、個人的にはイントロをもう少し引っ張って欲しかったかな…?


NILE - In Their Darkened Shrines - Unas Slayer of the Gods ★★★ (2004-01-18 06:24:09)

約12分の大作。中間のブラスっぽい部分が出てくる箇所なんてもう殆ど儀式ですね。
この曲はドラムのハイハットによる刻みが、まるで怪しげな儀式を執り行う宮司達が錫丈で地面を打ち鳴らす音のようで、まるでその場に立ち会っているかのような感覚になります。


NILE - In Their Darkened Shrines - Wind of Horus ★★★ (2004-01-18 06:23:47)

この曲はエジプト語による呪詛みたいなフレーズがなんともかっこいいですね。フレーズ的に言ったらこの部分がアルバム内でも一番キャッチーかもしれないです。


NILE - Those Whom the Gods Detest ★★ (2009-12-14 17:56:00)

2009年発表の6th。
このバンドの作品を聴くのは3rd以来なんですが、順当に進化してますよね。
3rdと比べるとブルータリティはそのままに、より広がりのある音になったこと、
ヴォーカルが聴こえやすくなり、かつ表現力が上がり咆え方のパターンも増えたこと、
シャーマニックなノーマル声を入れたことなどで、クオリティが底上げされている感じ。
当然中近東メロディの導入によるインパクトの強さ、リフワークや豪速ブラストなども
相変わらず素晴らしく、デスメタルの名盤ガイドに是非載せたい、凄く質の高い音。
ただ、敢えて苦言を呈するなら、個人的には中近東要素の導入の仕方が物足りない。
4曲目のイントロや爆走パートの前、7曲目などでは「いかにも」と言う感じの、
儀式めいたアコギやパーカッションが導入されてますが…これらの使い方がSE的なのが不満。
もっとこういう音を分厚いリフやブラストと融合させて欲しいんですよね…。
これらが入っていないパートは、正直「メロが中近東っぽくなかったら、普通のブルデスに
なってしまうのでは」とか思ってしまう…。もっと大胆に呪術化してほしいです。


NINE COVENS - ON THE COMING OF THE DARKNESS ★★ (2011-12-02 20:23:37)

2011年発表の1st。
ENSLAVEDのGrutleがゲスト参加。

Candlelightがブラックメタルシーンに送り込んだ新たな刺客ということで、チェックしてみましたが、なかなか良いですね。ザラザラした質感のリフといいガラガラに歪みつつも太い声質でがなり散らすヴォーカルといい、出音はほとんどプリミティブ・ブラック。ただ展開はそれほどミニマルではなく、ファストな畳み掛けやオールドスクールな疾走を交えたそれなりにドラマ性のあるものだし、音質も意図して粗さを出してる感じで割と聴きやすい音。

仄暗い光景を想起させるような、抽象的なムードを含んだトレモロリフのメロディも特徴的で、それがザラついた音質の中から聞こえてくると本当にジャケットの通りの、暗く神秘的な光景が浮かんできそうな感じですね。鬼火の如き音色でメロディが奏でられる4曲目や、メロディの仄暗さが「儚さ」まで高められ、シューゲイザーブラック的な雰囲気を演出する7曲目などは、特に彼らのメロディセンスが色濃く出ていると思う。

物凄く強烈な個性みたいなものはまだ感じられませんが、しっかりと作り込まれたプリミティブ・ブラックという感じの作品で、この手が好きならすんなり受け入れられそうな音。ちなみにCD買ったら歌詞カード、全く同じものが2枚付いてきたんですが…これは仕様でしょうか(笑)。Candlelightの作品を買うといつも付いてくるメタルTシャツの案内も2部入ってましたし(笑)。


NINE INCH NAILS - And All That Could Have Been ★★ (2003-11-24 18:12:00)

ライブアルバムとリミックス+新曲が収録されたミニアルバムの2枚からなるアルバム。
ライブアルバムの方は音質が良好で、特に1st収録曲は曲にダイナミズムがプラスされ、さらにカッコ良さが増している印象があります。各アルバムからまんべんなく選曲されているセットリストもいいですね。また「MARCH OF THE PIG」はライブ用にアレンジされていて、最後に疾走パートが追加されていてこれもまたカッコ良いです。
「STILL」と名付けられたミニアルバムの方は、割と音数の少ない「雨の日曜に聴きたいメランコリックなアルバム(トレント談)」になっています。特に「THE FRAGILE」なんかはこっちの方が更に楽曲のメロディが堪能でき、しかもボーカルが歌いなおされているので聴く価値は十二分にあります。
いちおう「STILL」が付いていないライブアルバムも販売されていますが、断然2枚組をオススメします。


NINE INCH NAILS - Broken ★★ (2003-11-24 18:11:00)

これはNINの中で最も攻撃的なアルバムだと思います。
マンソンの「ANTICHRIST SUPERSTAR」あたりが良いと思った人には自信を持ってお勧め出来る一枚で、特にポップさとノイジーさを兼ね備えた名曲「wish」や、間奏の作り込み具合に圧倒される「happiness in slavery」などはロックファンならば押さえておきたいところです。
ただし、NINに攻撃性を求めている人は後のアルバムはあまり肌に合わないかも知れません。


NINE INCH NAILS - Broken - Last ★★ (2003-11-10 21:12:30)

この曲はトレントの荒っぽい歌い方が非常に格好良いです。
音作りの達人として以外にも、シンガーとしてのカッコよさを覗かせる一曲です。メロディもポップなのかどうなのか分からないけれどノリが良くていいです。


NINE INCH NAILS - Closer to God ★★ (2003-11-20 03:38:00)

名曲「closer」のリミックス集。
日本版は出ていないようですが、とにかく映画に使用されたものをはじめ「closer」のリミックスが多数収録されていて、closer漬けになってしまう一枚です。他にも「heresy」のリミックスや、リミックス然とした新曲「memorabillia」も収録されていて、お買い得な一枚です。


NINE INCH NAILS - Closer to God - Closer to God (2003-11-04 20:57:31)

名曲「closer」のリミックス。
…なんですが、歌詞が結構変わっていたり、歌も歌いなおしていたり、あまつさえシングルカットされたり、とにかくトレントの楽曲への気合の入り様と愛情を感じさせてくれます。ノイズの使い方は相変わらず格好良いですが、ややイントロとアウトロの音が大きすぎるきらいがあると思います(とくにアウトロは頭痛くなりそう…)。


NINE INCH NAILS - Further down the Spiral - Piggy(nothing Can Stop Me Now) ★★ (2006-05-09 21:53:13)

原曲は音響が面白い曲でしたが、こっちは単純にリズムセクションが聴いていて気持ちいいです。豚の鳴き声みたいなSEも面白いです。本当に養豚場の雰囲気が伝わってくるようなコミカルさがある…(笑)


NINE INCH NAILS - Ghosts I–IV ★★ (2008-07-24 18:09:00)

2008年発表の6th。インスト二枚組の作品。
今作は「The Hand That Feeds」「Starfucker Inc.」のようなキャッチーな曲はなく、
実験的な作風の曲が中心で、「The Fragile」アルバムからヴォーカル等のキャッチーな
部分を取り去り、実験的な部分をクローズアップしたような感じのアルバム。
…なんですが、個人的な印象では今までのNINの作品の中では最も「病んでる感じ」が薄い
作品だと思います。音と音を組み合わせて、新しい音の響きを生み出す事をTrent自身が
楽しんでいるんじゃないかと思えるような音で、聴いていて中てられてしまうような
「The Fragile」に対し、こちらはTrentの実験に興味深く付き合っていける感じですね。
変わった構成の作品ですが、独特のノイズ質や儚いピアノなどにはやっぱりNINらしさが出てると思います。
私は輸入盤を買ってしまったんですが、国内盤はTrentによる肉声の解説DISKが付くらしいですね…
国内盤の特典でもかなり豪華なのでは…早まってしまいました(苦笑)。


NINE INCH NAILS - Pretty Hate Machine - Head Like a Hole ★★★ (2003-11-04 20:39:15)

Pretty hate machineの中で一曲目にして一番格好イイと思う曲です。
私としてはオリジナルもいいけど、ライブアルバム「AND ALL THAT COULD HAVE BEEN」のテイクの方がより重低音が効いていて、しかも音質が最高なのでこちらを推薦したい所ですね。
オリジナル版はトレントが無駄にセクシーな声(笑)で歌っているのでそちらも注目です。


NINE INCH NAILS - Pretty Hate Machine - Sanctified (2003-11-04 19:32:07)

トレント曰く、「同一のベースフレーズでどこまで面白い曲を作れるか」を狙った曲。
ボーカルはちょっとラップぽいですね。
ただ、実験的な曲だけれどホントにベースライン変化無いんでちょっと飽きるかも…なので★は一つです。


NINE INCH NAILS - The Downward Spiral - Big Man With a Gun (2003-11-10 21:08:46)

2分足らずで終わる、インダストリアルノイズを駆使したハードナンバー。
…なんですが、この曲は歌詞がスゴいです。まずタイトルも然ることながら、歌詞の「頭に突きつけて楽しむとしようか、それともしゃぶらせてやろうか」って…ダブルミーニングですな。一つは銃だろうけど、もう一つは…ご想像にお任せいたします、フフフ(含笑)


NINE INCH NAILS - The Downward Spiral - Closer ★★★ (2003-11-04 20:51:38)

いくつもの緻密なリズムの織り成す、完成度の高い楽曲。
この曲は緻密なリズムも然ることながら、物凄く官能的な感じのする詞も凄いです。わりと静かな曲なのにライブでは「I wanna fxxk you animal.」の部分では大合唱が起きます(笑)。歌が終わった後のシンセ(?)のメロディもなかなか良いですね。
ちなみに何気にカラオケにあるのですが、この曲を歌ったところ友達が「you let me penetrate you」あたりから「ヤバい、ヤバい」と言い始め、サビの「I wanna fxxk you like an animal」で大爆笑してました(笑)


NINE INCH NAILS - The Downward Spiral - March of the Pigs ★★ (2003-11-04 19:36:56)

このアルバム内ではかなりキャッチーな曲。
ドラムは生音をコンピューターに取り込み、それを打ち込んで作ったという「生音とインダストリアルの融合」が楽しめます。なかなか疾走感もあり良い曲だと思います。ライブ盤では最後のピアノでは終わらず、再び疾走が始まります。


NINE INCH NAILS - The Downward Spiral - Piggy ★★★ (2006-05-09 21:50:23)

ぶっちゃけ、一番最初に聴いた時はだるい曲なのかと思ってました…
しかし暫く聴いていくうちにドラムの音が色々な所から聴こえてきてかなり楽しい。やっぱりメロディだけでなく、こういう音そのもので聴かせる曲って聴き応えがありますね。


NINE INCH NAILS - The Fragile ★★ (2003-11-06 07:00:00)

えぇと、このCDを推薦する文章を書くのは難しいので、自分なりの解釈で許してください(笑)
このCDは「LEFT」「RIGHT」に分かれていますよね。最初は当然のように「LEFT」→「RIGHT」という流れで聴くものだと思っていたのですが(ライナーでも最後の曲として「RIPE(with decay)」が挙げられていますね。)、何回か聴くうちに「THE WAY OUT IS THROUGH」のオープニングに相応しいドラマティックな曲展開、「THE GREAT BELOW」のエンディングに相応しい美しさに気付いて思いました。
「このCDは、そもそも2枚の独立した作品ではないのか」と。
歌詞の方も、「LEFT」では「WE'RE IN THIS TOGETHER」では自分の理解者を見つけたような詞になっているし、「THE FRAGILE」では守る側の人間の視点での詞と、全体的に「人間関係」がテーマのように思えました。
一方「RIGHT」では裏切り者を告発するような「STARFXXKER.INC」や他界した祖母を歌ったと思しき「I'M LOOKING FORWARD TO JOINING YOU,FINALLY」など、「喪失」がテーマに思えます。
私はこの音には癒されます。なんというか、通常ならギターの歪みが耳に痛いようなかなり大きい音で聴いていても、逆に耳に心地よい音なんですよね。何故だろう…。でも以前の「THE DOWNWARD SPIRAL」「BROKEN」等とは全く違う音ですね。どちらも好きですが、ここまで変わるとファン層も結構変わる気が…


NINE INCH NAILS - The Fragile - Into the Void ★★★ (2003-11-08 07:25:42)

ライナーによると、「民族音楽とマシンファンクの融合」だそうです。
ポップでありながら練りこまれたリズム、覚えやすいメロディのサビなど何気にキャッチーな曲になっています。ただ、「Tried to save myself,but myself keeps slipping away(自分を救おうとしても、滑り落ちていくだけ)」という歌詞を幾度となく連呼されるとちょっと怖いです。


NINE INCH NAILS - The Fragile - Just Like You Imagined ★★★ (2003-11-04 20:44:45)

ピアノとノイズの交錯する、美しい曲です。
インストながら嵐のようなノイズ音(決して耳障りな物ではないです)と、それに挿入されるピアノの織り成すコントラストはこのアルバムでも出色の出来ではないでしょうか。


NINE INCH NAILS - The Fragile - La Mer ★★★ (2003-11-04 23:59:18)

とにかく完成度の高いインスト曲が何曲も挟まれるこのアルバムにおいても、かなり上位に食い込むような曲だと思います。
基本的にピアノとノイズの美しい絡みが堪能出来る曲ですが、「JUST LIKE YOU IMAGINED」のようなやや攻撃的なノイズでなく、やさしく包み込むような、タイトル通り「La mer(海)」を想起させる曲ではないでしょうか。アルバムの中でこの曲が一番という人も多いと思われます。


NINE INCH NAILS - The Fragile - The Day the World Went Away ★★★ (2003-11-04 23:50:18)

よくデスメタルやブラックメタル等のディスト—ションの掛かった、美しいメロディのリフを「極寒の地を連想させる…」や「荒涼とした…」という形容詞で表す事がありますが、この曲はそれをインダストリアルノイズでやってしまった怪作です。このノイズは曲の序盤と終盤に現れますが、それに挟まれた浮遊感のあるパートも耳に心地よい音です。
この曲にグッときたら、ライブアルバム「ALL THAT COULD HAVE BEEN」のDISC2「Still」収録の静かなミックスも聴いてみる事を薦めます。


NINE INCH NAILS - The Fragile - The Fragile ★★★ (2003-11-05 07:51:25)

アルバムのタイトル曲。今までは自分の苦悩を音楽に昇華してきたトレントが、今度は他者を守る立場に立っているような詞になっています。
ゆったりとしたテンポに優しいメロディが乗る、タイトル通り儚げで美しい曲です。同義の単語を冠されたインスト「THE FRAIL」のメロディも間奏で垣間見られ、アルバムの組曲的構成を感じさせます。


NINE INCH NAILS - The Fragile - The Way Out Is Through ★★ (2003-11-06 06:38:44)

DISC RIGHTの一曲目を飾る楽曲。
音の海にゆったりとたゆたう感じの曲…と思わせておいて、2分目くらいからインダストリアルノイズの不穏な空気が漂ってきて、3分弱くらいのところでドラマティックに激しくなり、そこにボーカルが入る展開は滅茶苦茶カッコいいです。1曲目に相応しいテンションです。


NINE INCH NAILS - With Teeth ★★ (2005-05-15 21:31:00)

多くの人を待たせたであろう4th。
3rdからは…6年ぶりになるのかな?私はリアルタイムで3rdを聴いたわけではないので
それほどでもないですが、ファンの方は相当待ち焦がれたんじゃないでしょうか。
帯や雑誌の評論を見ると、「ポジティブなエナジーに満ちた快作」とこのアルバムを
褒め称えているものが多かったんですが、歌詞をちらっと読んだだけでも「トレント、
本当に大丈夫?」と心配になってしまいます。
特に「Getting Smaller」なんて聴いていて怖くなる程の内省的な暗さで、詞を読むだけで
雑誌のインタビューでは「ポジティブになった」と言わされてるんじゃないのかな…と、
余計な心配をしてしまいます。確かにサウンドは繊細さはそのままに、今までと比べると
随分とスッキリした印象で、「Know What You Are」「The Hand That Feeds」のような
キャッチーな曲もあります。が、「All The Love In The World」や「Beside You In Time」
と言った曲はやはり今まで通りの壊れそうな、どこか頼りなげな雰囲気があります。
もちろん作品としては好きなんですが、相変わらず作った人の精神状態が心配になるアルバムですね…
ちなみに歌詞カードは入っていなくて、「ウェブサイトを参照のこと」とありましたが、
こういう趣向は正直止めて欲しいかな…歌詞を印刷するの面倒だし、アートワークも無いし。


NINE INCH NAILS - With Teeth - All the Love in the World ★★ (2005-05-03 22:16:41)

自分の虚像に問い掛けるような、寂しげな曲。
でもピアノのメロディはどこか、心が暖かくなるような感じがします。歌詞を途中で遮ってサビに行く展開が好み。


NINE INCH NAILS - With Teeth - Beside You in Time ★★★ (2005-05-03 22:16:01)

空間が捻れるような音響に、控えめなビートと弱々しいヴォーカルを乗せた曲。特に「And on and on and on」の部分なんてもはやうわ言の様に聞こえるんですが…精神に来る音です。
こんな感じの曲をずーーーっとリピートしてたら、いつかかのブレイクの様に幻視体験が出来てしまいそうで怖いです…


NINE INCH NAILS - With Teeth - Getting Smaller ★★ (2005-05-03 22:16:27)

トレントって感情を伝えるヴォーカリゼーションが凄く上手いですよね。「I've got my arms a-flip-flop-flip-flop-flip」のラストの「flip」の裏返るか裏返らないかの瀬戸際の声なんて神懸かって聴こえます。
曲自体は「THTF」並にキャッチーですが、歌詞はかなりダーク。「まだ立派な腕が一本残っているから、これで自分を殴れるぞ」とか…大丈夫なんでしょうか?


NINE INCH NAILS - With Teeth - The Hand That Feeds ★★★ (2005-05-03 22:15:40)

「Wish」なみにキャッチーな曲。
これだけ抜き出して聴くと、凄く健全に聴こえるから不思議(笑)
歌詞もロックっぽい反抗心のあるもので良いですね。


NINKHARSAG ★★ (2015-08-02 12:31:41)

先日Candlelightから1stフルをリリースしたイギリス産ブラック。
バンド名はシュメール神話における地母神だとか。
そらで書くのが難しいバンド名ですよね(笑)。フォント的に最後Cに見えるし。


NINKHARSAG - Blood of Celestial Kings ★★★ (2015-08-02 12:32:53)

2015年発表の1st。

1stにしてEMPERORやANAAL NATHRAKHのリリースで知られるCandlelightからリリースしているだけあって、超高品質なメロブラ。ブラスト一辺倒ではなく、スラッシーさやグルーヴィさも感じさせる、タイトな響きのドラムをベースに、楽曲の神話的な背景が見えてきそうな、優美さを感じさせるトレモロを交えつつ、緊張感たっぷりに展開するリフワーク、メロウさを更に際立てるベースと、丁寧な楽曲構成で聴かせるタイプの作風。

特に攻撃的な中にも、メロいフレーズを上手く差し込んでくるギターワークが聴いていて非常にかっこいい。キーボードでシンフォニックな味付けをしているわけではないんですけど、個人的にはEMPERORの2ndと通じるようなインテンスさを感じました。サタニックな邪悪さや暴虐性の中にも、アーティスティックな感性が息づいている感じがします。ヴォーカルはほぼ呼気全てをノイズに変換したような鋭い絶叫で、人間味が少ないのが楽曲の非日常性と合ってて良い感じ。若干当時のIhsahnのスタイルとも近いかも。

楽曲の作りはとても丁寧だし、間違いなくハイクオリティな作品ですが、暴虐さに飽かせて突っ走るタイプではないのに演奏時間が30分ちょっとと短いのが、少し惜しいところでしょうか。それを除けばかなり素晴らしい作品なので、KEEP OF KALESSINやEMPEROR辺りのクオリティの高いブラックが好きであればお勧め。


NINNGHIZHIDDA - Blasphemy ★★★ (2012-01-29 23:42:16)

97年発表の1st。
既に廃盤ですが、何気に日本盤も発売されていたらしいです。

これ、出たのは割と昔ですけど、相当クオリティの高い王道シンフォニック・ブラックですよ。メロデス・メロブラ要素の強い刻みとトレモロを駆使したドラマティックなリフワークに、クラシカルなキーが絡む、このジャンルのど真ん中を行く路線で、キーのメロディがダークではあっても、邪悪さより耽美さが強い曲調はCOFの「Midian」アルバムに通じるものがあると思う。あそこまで豪奢な作りではないですし、こちらの方が曲がコンパクトではありますが。

また、特徴としてはブラック特有の高音がなりと、デスメタルのスタイルに近い低音のグロウルをそれぞれ違うヴォーカルが担当している点が挙げられます。両者ともまずまず迫力のある声を聴かせてくれてると思いますが、特に低音のグロウルが切り込んでくるせいで妙にゴツい…というかイカツイ感じになってるのが面白いです(笑)。メロディや曲調はダークで甘美なのに。

音作りや展開が変にチープだったりということもないですし、今聴いても十分に質の高さが伝わるアルバムなんですよね。にも関わらず、イマイチ話題に上らないのは既に解散している事に加えて、バンド名が覚えられないし読めない、分かりにくいものだからではないでしょうか(笑)。EMPERORくらいシンプルな名前にしたら有名になってたかも(笑)。


NJIQAHDDA ★★ (2016-05-18 12:54:29)

アメリカ産アヴァンギャルド/アトモスフェリックブラック。
メンバーはNJIIJNというアンビエントプロジェクトも動かしているとか。


NJIQAHDDA - The Path of Liberation from Life and Death ★★ (2016-05-18 12:56:28)

2011年発表の12th。

最近は落ち着いてきつつあるものの、このバンドは年にフルアルバムだけで2~3枚の他大量のEPやスプリット、デモなどもリリースしていて、まずどれを買ったら良いか分からないので取り合えずたまたま中古で安価で売られていたこのアルバムをチョイス。正直リリースが多いというのも良し悪しですよね…。

聴いてみた感じは、良い意味で悪趣味かつプログレッシブ・アヴァンギャルドなブラック。妙なタイミングでのストップ&ゴーなど、引っ掛かりのあるリズムを軸に、奇矯なメロディのトレモロリフを流し込んでくる音で、アトモスフェリック系に分類される中ではかなり実体的な音。展開に目まぐるしさや訳の分からなさがあり、正体を掴ませない感じがあるのでそうカテゴライズされるのかもしれませんね。

楽曲によってはテルミンが使用されていたり、ヴォーカルも絶叫だけでなく、精神を追い詰めるような呻き声を出していたりなど、ひたすらにサイケデリック/サイコさとダークさの両立された音を追及している感じ。結構トレモロを前に出してくるので聴きづらさはあまり感じませんが…アルバムを聴いている間中常に精神を炙られ続けるような、捻じ曲がった感性は全編で貫かれてますね。

まだこれしか聴いていませんが、かなり独特で病んだ世界観を持ったバンド。これで大量リリースというのだから…作っている方の精神がおかしくならないか心配なバンドです(笑)。


NOCTE OBDUCTA ★★ (2011-09-28 20:52:03)

ドイツ産メロディックブラック。
2006年に一旦活動を停止したものの、現在は再開している模様。


NOCTE OBDUCTA - Galgendämmerung: Von Nebel, Blut und Totgeburten ★★★ (2011-09-28 20:53:44)

2002年発表の4th。

私が購入したのはMetal Mindから2000枚限定でリリースされているリイシュー盤で、販促シールに「ドイツで最も影響力のあるブラックメタルバンドの1つ…」みたいに書かれていて、「ほう…」って感じでレジに持っていったんですが、謳い文句に釣られて大正解でした。素晴らしくクオリティの高いメロブラです。

…どうもこのバンドはゴシック寄りだった時期もあるらしく、他のアルバムのレビューではよくOPETHが引き合いに出されてますが、ここで聴けるのはメロディックなリフを最重視したタイプのメロブラ。ブラック特有の、身を切るような凍てつき感を伴う苛烈なリフといい、時々MAYHEMのManiacを思わせる殺気だった絶叫ヴォーカルといい、個人的にはたまらない音。

ただ、この作品はガチなメロブラではありますが、割と長尺の曲も(ブラック的な)ミニマリズムには頼らず、しっかりとした楽曲構成能力で聴かせてくれる辺りは、確かにOPETHと通じるのかもしれません。特にプログレ方向に傾倒する前の、メロデス的な音を出してた頃のOPETHっぽい。こっちは怒涛の疾走パートを曲の主軸としてる感じですが、メロディアスさの度合いやドラマティックさは負けてません。

クオリティ的にも聴きやすさ的にも、ブラック初心者に対してもお勧め出来そうですし、シューゲイザーとかディプレッシブとか一回りして、純粋にメロブラとして質の高いものが聴きたくなった、ある程度ブラック聴きこんでる人も十二分に楽しめるであろう音。実は今までこのバンドは知らなかったんですが、「ドイツで最も影響力のあるブラックの1つ」というのも、強ち誇大広告ではないと思います。


NOCTEM - Oblivion ★★ (2014-09-17 22:26:42)

2011年発表の2nd。

これはかなりレベル高いですね。デスラッシュ由来の突進力とメロディアスながらギラついたギターワークを軸に据え、ブラックメタル的な甘美な邪悪さを秘めたメロディ、デスメタル的なダイレクトなブルータリティと、エクストリームメタルの各ジャンルの良い所を上手く合わせたかのような、質の高い作品で、ちょっと前のトイズファクトリーなんかが聴いたらすぐにでも日本盤をリリースしそうな感じの、メジャー感のある音。所々で聴ける寒々しいトレモロに顕著ですが、メジャー感ありつつもブラックの甘美さも備えてるのが個人的にはツボ。4曲目の中盤のリフとか完全にEMPERORに影響を受けてそうだし。

エクストリームメタルとしては間違いなく一級品で、プロダクションも一聴してクリアかつヘヴィな、クオリティの高い音に聞こえはするんですが…実はこのプロダクションが一番の欠点かもしれません。ツーバスを使ったフレーズも多いんですが、バスドラムの音が腹に響くような低音ではなく、やたらビキビキした甲高い音で耳障りな無粋なものになっていて、はっきり言って台無しも良い所。この音のせいで、「暴虐」「激烈」といった単語よりも「うるさい」という言葉が先に浮かんで来てしまうんですよね…ここが改善されれば、間違いなく☆3つ付けるんですが。

まあ、そこ以外は特に文句のない、バランスの良いエクストリームメタルなので、十分にお勧めできる出来ではあるんですけどね。ブラック関連のレーベルでは、デス色の強いブラックを数多くリリースしてる、同郷のXtreem Music発の作品を追っている人などは特にグッと来そうです。


NOCTERNITY - Crucify Him ★★★ (2007-11-21 22:57:00)

2001年発表の4曲入りEP。
デビュー作らしいですが、一枚目でこれだけのものを作り上げてしまうとは…。悪魔じみているというか、奇跡といっても過言ではないくらいの作品だと思うんですが…。

個人的な印象では、LUNAR AURORAの近作に似てる…と思ったんですが、それはメロディの神秘性以上にブラストに乗せるリフやキーに依る所が大きいのかもしれません。結構ブラストパート多めなんですが、それに乗るのが疾走感やブルータリティといったメタル的魅力を増幅させるようなリフ捌きよりも、ブラックメタル特有の神秘的だったり魔的だったりといった雰囲気を重視するようなリフやキーが多いのが特徴だと思います。

しかもその雰囲気は、適度にノイジーなギターやヴォーカルをやや遠めにしたプロダクション、バンドサウンドを包み込むキーボードなどの音質操作によって更に濃密になってます。しかしそれだけでなく、煽情度の非常に高い神秘的なメロディを大フィーチャーしたドラマティックな作風は、メタル視点で見ても十二分に魅力的だと思います。

メタル的魅力とブラック的魅力の匙加減がもの凄く絶妙で、とても一枚目とは思えません。アンチSatyrのロゴがあったりサンクストゥ:ノーワンとか書かれていたり、かなり過激な感じですが、それとは裏腹にメロディが素晴らしいのでブラックに理解があれば虜でしょう。

…べた褒めしてますが、このCDは正直買う必要はないと思います。「En Oria / Crucify Him」に全曲収録されてるので…。普通に知らなかったし。ただ銀ラメ入りのアートワークは綺麗なので、ファンなら持っておいても良いかも…?神秘的なトレモロリフやブラック的魔性の雰囲気といったキーワードに惹かれる方は必聴。

っていうか、実際にLUNAR AURORAとは繋がりあるんですね。買ってから知りました。


NOCTERNITY - Onyx ★★ (2007-11-22 15:29:00)

2003年発表の2nd。
デビューEPで恐ろしいまでの完成度を見せた彼等ですが、順当に進化してると思います。

まず耳につくのはギターのノイジーさがアップしている事。ただノイジーなだけではなく、ノイズの波がそのままリフに同調しているように聴こえるところもあり、改めてこのバンドの音響へのこだわりが窺えます。バンドサウンドのキレもアップしているようで、2曲目のブラストや5曲目のツーバス連打なんかは本当にかっこいい。
もちろん神秘的なメロディのトレモロリフやアトモスフェリックなキーボードなどによって作り出される、異常に魔素濃度の濃い空間は良い意味で変わっておらず、ブラック好きなら買って損のする事は無い、優秀な作品といって言いと思います。

…ただ、個人的には「Crucify Him」の方が好きですね。
音響にこだわりがあるのは分かるんですが、向こうの方が聴いていて心地良かったので…。
しかし、メンバーの格好も本格的ですね。ペイガン系みたいな鎧は普通にかっこいいですが、あの刺付き鉄球は一体何なんだろう(笑)


NOCTIS IMPERIUM ★★ (2012-04-04 22:08:41)

ベネズエラのブラックメタルバンド。
COFやDIMMUに在籍していたNick Barker氏がライブ/セッションメンバーとして参加してます。


NOCTIS IMPERIUM - NIHIL ★★ (2012-04-04 22:09:15)

2010年発表のEP。
ライブ2曲を含む8曲を収録、演奏時間は30分ほど。

2本のギターを絡めたやや凝ったリフや、ブラックとしては頻度の高いソロなど、ドラマティックなギターワークを聴かせつつ、ブラストで畳み掛けるパートでは押し潰すような迫力も感じさせるメロディックブラック。邪悪さやアングラ性よりも、ストレートにかっこよさや暴虐性が伝わってくるスタイルですが、時折トレモロリフにDARK FUNERAL辺りを思わせる暗い叙情を伴うメロディが練り込まれ、しっかりダークな雰囲気が作れているのがいいですね。

ただ、せっかくNick Barkerという有名ドラマーを起用しているのに、バスドラの音がベッチャリしたドラムの音を始め、音作りが今一歩なのが勿体ないですね…。分離が良くてドラマ性のあるギターワークを堪能しやすいのはいいんですが、なんか作り物っぽいような感じもしてしまう音なんですよね。正直、個人的にはライブテイクの方が音作りとしては好みだったり。

Nickが参加ということで、セールで安かったこともあって購入してみたんですが…COFの鬼女といい、なんか音質に恵まれないドラマーという印象が強くなってしまいました(苦笑)。曲はなかなか良い線行ってると思うので、あとは何かプラスαな個性が欲しいのと、音作りは少し見直して欲しいですね…。


NOCTURNAL DEPRESSION - The Cult of Negation ★★ (2011-08-31 22:27:01)

2010年発表の4th。

もう、バンド名やアルバムのタイトルからして鬱ブラックであることが明らかですよね(笑)。ノイジーなささくれだったリフや、アルペジオやトレモロリフの美しいながらも物悲しいメロディで鬱々とした情景を演出する、バンド名や作品名で買った人の期待にしっかり応えてくれる路線。特にノイジーさに圧力を感じるリフと、抜けの良いドラムによる刺々した音質は、単にメロウなだけではない、自傷的なムードを醸し出していると思う。

個人的に特筆すべきは、アルペジオの使い方の上手さですね。私はトレモロリフフェチですけど、この作品はそれ以上にアルペジオを使ったメロウさの演出に引き込まれる。特に3曲目が素晴らしい。また、ロック的なリズムの導入+太めのギターによる鬱メロで聴かせるパートや、一部のトレモロリフと共に精神世界を疾走するようなパートは、アンビエント志向に目覚める前、1st~2ndの頃のBURZUMを連想したり。

この作品、トレモロリフやアルペジオも使いすぎることがなく、要所で用いるスタイルだったり、ヴォーカルもある意味滑稽に聞こえかねない裏返り高音絶叫ではなく、粘着質ながなり声だったり、鬱ブラックの様式に染まり過ぎていない分、マニア以外にも聴きやすいと思う。BURZUMやXASTHURが行けて、次はどのバンドに手を出して良いか分からなくなったら、取り合えずチェックしてみてもいいかも。


NOKTURNAL HELLSTORM ★★ (2014-05-10 11:45:10)

アメリカ産ブラックメタルバンド。
BRUTAL TRUTHなどで活動するDan Lilker氏らが2010年に結成したバンド。


NOKTURNAL HELLSTORM - Nokturnal Hellstorm ★★★ (2014-05-10 11:46:30)

2012年発表の1st。

ぶっちゃけDan Lilker氏のバンドと言う事は全く知らずに購入したんですが、これが古今東西のアンダーグラウンドなブラックメタルの良い所を集めたような作風でかなり素晴らしいです。1曲目の「Naan Kadavul」からRawブラックを基本に、北欧産バンド以上に北欧っぽい、邪悪さと土着性、叙情性を高いレベルで備えた美メロを聴かせるキラーチューンの時点で掴みはオッケー。

続く2曲目「Vile Entropy」もアトモスフェリックブラック的な空間キーと、澱んだメロディのトレモロがアングラな叙情性を醸し出す佳曲ですし、寂寥感の強いムードでヴォーカルの狂性も浮き彫りになる「Eternal Wastland」は鬱系に近い耳触り。シャーシャーしたノイズと空間的キー、叙情トレモロで塗り潰すような「Ancient Spirits Call」は2曲目とは若干異なるアトモスフェリックさ、オールドスクールな中に邪悪トレモロを織り込んだ「The Trial」もなかなかの良曲…と、収録された楽曲はかなりバラエティ豊か。

但し、プロダクションはギター・ドラム共にシャリシャリした質感のあるもので、Rawブラックとしての旨みはあるものの一般的なエクストリームメタルの価値観とはやや異なるものですし、ヴォーカルは歌詞が全く聞き取れないほどぶっ壊れている訳ではないものの、裏返り気味に感情過多に叫び散らすスタイルで鬱テイストの強い声ですし、デス好きに受けるかどうかはやや疑問かも。ブラックメタルのRawさや邪悪さに少しでも共感を覚えてるなら余裕でオススメできますが。

実はこれ、新品で格安で投げ売られてたのを例によってサルベージしてきたんですが、これはフルプライスで買っても割に合うアルバムだと思います。アングラなブラックとして筋を通してる作品。


NOKTURNAL MORTUM ★★ (2004-09-19 05:36:00)

このバンドはウクライナ出身という事ですが、ウクライナってロシアの横の…バルト3国でしたっけ(違ったらスミマセン…)?
まだ2ndを聴いただけですが、このバンドメロディがEMPERORクラスに良くないですか!?CHILDREN OF BODOMがサイトで人気トップになる程にメロデスが台頭してる昨今、もっと人気が出ても良いと思うんですが…


NOKTURNAL MORTUM - Goat Horns ★★★ (2004-12-10 22:02:00)

96年発表の1stアルバム。

デモ作「LUNAR POETRY」と比べると、明らかに音圧が加わり迫力が出ています。…が、今作からこのバンド特有の低音で「ガーーーー」って感じのディストーションの利かせ方が取り入れられているので、それがクリア出来ない人には少し厳しい作品かもしれないです(私も最初は駄目でした)。また、ヘッドフォンで聴くとよく判りますがドラムが片側に寄っていたり、ヴォーカルやギターが引っ込み気味だったり音質ははっきり言って悪いです。

ですがその欠点全てを帳消しにしてしまうのがツインキーボードの存在です。2ndでは民族音楽色はやや薄く、3rdでは所々で濃いメロディを聴かせていましたが、今作は曲の全体がきらびやかで、民族音楽色はやや強めという感じです。3rdが濃すぎて駄目だった人もこれならいけると思います。

…なんか最初に悪い所を述べてしまったのでイマイチ歯切れの悪い文章になってしまいましたが(苦笑)一回聴いたら忘れられなくなりそうな印象的なメロディが幾つも出て来る名盤だと思います。シンフォニック好きでプリミティブも嫌いではない…っていう人なら絶対楽しめます。因みに2004年、ボーナストラック入りで再発されたので購入を考えてる方は是非!


NOKTURNAL MORTUM - Goat Horns - Black Moon Overture ★★★ (2004-12-14 21:38:27)

オープニングを飾るインスト。
綺麗なメロディがバンド演奏の低音の「ガーーー」に悩まされる事無く聴ける曲でもあります(笑)音色はちょっとチープなので、スーパーファミコン時代のソフトのサントラに収録されてそうな曲にも聴こえてしまう(笑)でもこの壮大なメロディはいいなぁ…。


NOKTURNAL MORTUM - Goat Horns - Goat Horns ★★★ (2004-12-14 21:37:48)

この曲の後半のキーボードによる民族的なメロディ、何故か凄く聞き覚えがあるんですが…(笑)
この異様なまでに耳馴染みのいいメロディがブラックのサウンドに乗って素晴らしい世界観を繰り広げています。流石タイトルトラックだけあってキャッチーさは(ある意味で)随一。


NOKTURNAL MORTUM - Goat Horns - Kolyada ★★★ (2004-12-14 21:38:49)

無感情で淡々と美しいメロディを唱える普通声のヴォーカルが、まるで何かの儀式を行う祭司のような威厳を持って迫る曲。この声、激しくツボです(笑)
リズムのガチャガチャした感じも民族音楽的な雰囲気を出すのに一役買っていますね。


NOKTURNAL MORTUM - Goat Horns - Kuyaviya ★★★ (2004-12-14 21:37:23)

この前のインスト「Black Moon Overture」でも見せたメロディを始めとして、美メロ泣きメロを次々に繰り出していく曲。イントロ部分なんて最高だと思います。
でも、こんなに良メロをふんだんに使っていて、ちょっと勿体無いとすら思ってしまった(笑)


NOKTURNAL MORTUM - Goat Horns - Unholy Orathania ★★★ (2004-12-06 19:43:34)

イントロと途中で挿入されるキーボードが異教の燔祭を思い起こさせる曲。原始の民族が持つある種の神秘性すら感じさせます。誤解を恐れずに言ってしまえば、RPGとかの「原始ステージ」みたいな所でこんなメロディが流れたらいいな。


NOKTURNAL MORTUM - Goat Horns - Veles' Scrolls ★★★ (2004-12-14 21:38:10)

約12分の大作…ですが、そこまで長く感じないのはやはりメロディがいいからでしょうか。ハープの音がとても綺麗で、印象に残ります。


NOKTURNAL MORTUM - Lunar Poetry ★★★ (2005-01-02 20:36:00)

1995年発表のデモテープのCD化。

ボーナストラックとして11分を超える大作である「Return Of The Vampire Lord」を収録しています。デモだけあって音質は悪く、曲によってはテープのひずみのような音まで入ってしまってます。「Goat Horns」や「Nechrist」とはベクトルの違った悪さで、前述のアルバムの様にディストーションが効き過ぎて聴き辛いというのではなく、純粋に音がしょぼいです(笑)。ただ、轟音に悩まされず美麗なメロディを堪能出来るので、人によっては他のアルバムより気に入るかもしれません。
曲の方ですが、やっぱりこのバンド凄いです。

メロディの良さでは他のどのブラックにもひけを取らないのではないでしょうか。このバンドはキーボードのメロディが取り沙汰される事が多いですが、このアルバムではギターもかなり印象がいいです。悲壮感漂うリフも、時折入ってくるソロも、キーボードに負けず劣らず存在感があります。捨て曲もほぼ皆無と言ってよく(⑦⑧は独特で好みが分かれると思う。個人的に⑦は駄目でした)、デモとは思えないような完成度です。特に②③④とテンションの高い楽曲が続くパートではリスナーを無理矢理世界に引きずりこまんばかりのパワーを感じました。

さすがに初めてこのバンドに触れる方にお勧めするのはかなりの冒険だとは思いますが、このバンドの音楽性に惚れている人ならば迷わず「買い」のアルバムだと思います。


NOKTURNAL MORTUM - Lunar Poetry - Carpathian Mysteries ★★★ (2005-01-02 20:33:01)

この曲の魔王みたいな声で歌った後の悲壮感漂う疾走パート、まるでRPGのラスボス戦のような緊張感があります。(余談ですが、RPGのラスボス戦って何気にかっこいい音楽多いですよね)
疾走パート以外も、ティンパニのような威厳のある音色が大仰に曲を彩る場面などがあり一瞬足りとも気を抜けない曲です。


NOKTURNAL MORTUM - Lunar Poetry - Lunar Poetry ★★★ (2005-01-02 20:33:34)

タイトルトラックです。
テープがひずんだようなノイズが入ってしまっているのが玉に瑕ですが、そんなハンディキャップをもろともしないようなテンションの高さとメロディの美しさがあります。「ブラックは音質が悪くて嫌」って言う人は、このメロディを聴いても同じ事が言えるでしょうか…?


NOKTURNAL MORTUM - Lunar Poetry - Perun's Celestial Silver ★★★ (2004-11-14 21:13:53)

3rdアルバムでリメイクされる事になる曲の原曲…なんですが、キーボードをより前面に押し出したアレンジで、音質こそ悪いものの叙情性で言うと圧倒的にこちらの方が上だと思います。
やっぱりこの曲のイントロの笛のメロディ、ホント良すぎ…