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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4701-4800

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4701-4800
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ONDSKAPT - Arisen From the Ashes ★★ (2010-06-27 17:59:00)

2010年発表の3rd。
Terrorizer誌で10点中9点を獲得するなど、プレスでの評価も上々。

基本的な路線は、前作と然程変わりませんね。
展開やフレーズなどにメタルとしての基本的な質の高さがありつつも、ブラック特有のどす黒く病的なムードもしっかり根付いている作風。メロディにそれは顕著で、聴くだけで伏魔殿の最深部に取り込まれるような、グロテスクな威厳があるように思います。このバンドはミディアムパートにロック的なリズムも積極的に取り入れてますが、特にそういうパートでこのグロテスクなメロディが効果を発揮しているんですよね。邪悪さや病的さを醸し出しつつも、どこか威風堂々とした雰囲気がある。

前作では様々な表現方法を使っていたヴォーカルが、威厳のある中音域のがなりメインになっているのも、この威風を更に強めてると思う。歌い方こそ纏まってきたものの、相変わらず病に冒され苦しむような表現力があって素晴らしいです。

今回、前作と最も変わったのは音質ですね。
一般的なメタルと比べて多少ノイジーという程度で、大分クリアな音になってます。ただ、前作はあのヒリヒリした音質によって、神経を冒していくような狂気が演出されていたとも思うので…音質の向上は一概に進歩したとは言えないかも。カルト嗜好な方には前作を、普通にエクストリームメタルが好きな方には今作がお勧め。


ONDSKAPT - Arisen From the Ashes - Arisen From the Ashes ★★★ (2010-06-27 18:02:33)

音作りこそシンフォな音とは程遠い、スウェディッシュブラック特有の懐の深い闇を演出するようなものですが…個人的にはEMPERORの1stにも似た邪悪さ・背徳性を感じるんですよね。メロディに、人間が本能的に忌避する毒々しさが込められている感じ。


ONDSKAPT - Dödens evangelium ★★ (2008-07-31 21:23:00)

2005年発表の2nd。
…もう裏ジャケなどで使われてるフォントからして期待してしまいますね(笑)

スウェーデンのブラックメタルシーンって、まずDISSECTIONやDARK FUNERALなどの寒々しく疾走するタイプのブラックが多くて、次いでSHININGやSILENCER、LIFELOVERなどの鬱系のブラック、WATAINやFUNERAL MISTのような邪悪方向特化型のブラックが台頭してきているという印象があるんですが、このバンドの音楽性はその後者二つを上手く纏めたようなブラックを演ってますね。

疾走するだけではない、聴かせる展開やリードギターを多く入れ、メタリックな音ながらメロディが救いようのない、乾いた鬱系のものであるところはSHININGにも通じる物がありますが、こっちの方が後半かなりノイジーに疾走するパートがあったりなどカルトな展開があり、SHININGと比べるとメタルとしての完成度より邪悪な雰囲気作りに重きを置いている感じ。WATAINが邪悪さを更に重視し、より一般のメタラーの価値観から離れた音になった感じと言っても近いかもしれません。
また、ヴォーカルも表現力があり、SHININGやSILENCERを思わせる悲痛系絶叫から

中~高音域でのマジな殺意の篭もったがなり、サタニズムの教義を説くような演説調などバリエーション豊かな歌い方を見せていてかなり上手い。頻度こそ多くないものの、SEの使い方も効果的で、特にラストの何かが産まれたような声には戦慄が走る…。

このアルバムのリリースにはあのNorma Evangelium Diaboliが絡んでいるようですが、確かにNED系バンドにも通じるシリアスな邪悪さがあるように思います。SHINING、WATAIN、FUNERAL MIST辺りが好きな方にお勧め。ただ、上記のバンドと比べるとちょっとカルトな雰囲気が強いので、ブラックメタルをある程度聴き込んでから手を出した方がいいかもしれません。


ONE PIECE (2010-12-29 22:47:03)

ごめんなさい、途中で読むの止めちゃいました…。
確かにアーロンやクロ、クロコダイルなど悪役がかっこいい漫画ですよね。
でもちょっと絵がごちゃごちゃしてて目が疲れるのと、話的に週ごとに
追いづらい構成になってる気がする。
最初からコミックスで読み直したら、評価も変わるかな?


OPERA Ⅸ ★★ (2011-10-30 22:14:15)

イタリアのゴシック/ブラックメタルバンド。
女性のデス声使いとして割と有名なCadaveria嬢もかつて在籍してたバンドです。


OPERA Ⅸ - Sacro Culto ★★ (2011-10-30 22:15:00)

98年発表の2nd。
05年にAvangarde、09年にPeacevilleより再発されてます。

ジャンルとしては、ゴシックよりのプログレッシブなシンフォニック・ブラックでしょうか。格調高く、薄暗い耽美さを感じさせるオーケストレーションを武器に、平均1曲10分以上の大作をドラマティックに聴かせる作風。メロディのクラシカルな上品さとは裏腹に、リフは結構がっつり刻むタイプで、スローパートはドゥーミー、ファストパートはスラッシーでなかなか聴き応えのあるサウンド。

この盤でヴォーカルを務めるCadaveriaのデス声は、女性らしい地声が混じるところに、獰猛さが垣間見える声でかなりかっこいい。男性のそれよりも憎々しげに聴こえて、作風とも相俟って、聴いてると薄暗い宮殿の中をゴルゴンだかネメシスだかメデューサだかに延々と追いかけられているような気分になってきます。クリーンも鬼女めいた邪悪な感情を入れたり、ソプラノ風に綺麗に歌い回したりなかなかの表現力。

ただ、リフがメタリックなのはいいんですが、ちょっと刻みに頼り過ぎていると思わなくはないかも。キーボードのメロディの美しさと、展開のドラマ性でそこまでは感じさせなくはしてますが、リフだけ聴くとちょっと平坦かもしれないと思う箇所も。個人的にはもう少しメロブラ寄りだともっと好みだったかもしれません。


OPERA Ⅸ - Strix: Maledictae in aeternum ★★★ (2012-02-13 21:01:08)

2011年発表の6th。

このバンドは2枚目を聴いて、「このムードを保ったまま、メタル部分を強化してくれたらもっと素晴らしくなりそう」と思ったんですが、見事に私の望むとおりの進化を遂げてくれたみたいです(笑)。チャーチオルガンやピアノ、ストリングスなどが奏でる、厳かだけど破滅的な感じもするメロディを、ヘヴィなバンドサウンドが後押しし、宗教的・超自然的な畏怖を感じさせるような、シアトリカルなシンフォブラック。

ただこの作品、宗教的モチーフを使いダークな世界観を見せ付ける、視覚にも訴えてくるようなサウンドを作ってるんですが、メタリックな質感もまた強いんですよね。速弾きのリードが入ってたり、がっつり刻みパートがあったりメロブラとしても聴き応えあり。バンドサウンドにメリハリが付いた事、曲がコンパクトになった事で2ndよりも聴きやすくなった印象。

全体的なバランスは格段に良くなり、個人的にも好みの音ではありますが、2ndのキーボードパートにリソースが偏ったような音作りがツボだった人には、もしかしたら不満が残るかも。なお、昔の音源を嬢メタルや女性デス声ヴォーカリスト在籍バンドの文脈で聴かれてた方も多いかもしれませんが、今作は普通に男性デスなので悪しからず。威圧感があって良い声ですよ。

…しかし、個人的にはパッケージはちょっとだけ不満。ブックレットがキツキツに押し込まれてるし、歌詞の曲順がグチャグチャだし…。まあ紙ジャケスリーブにCDを裸で放り込むようなクソ仕様よりは全然マシですし、アートワークも曲のイメージを更に広げてくれる、作風にあったものだとは思いますけどね。


OPETH - Blackwater Park ★★ (2005-02-28 18:37:00)

こういう音楽はプログレッシブ・デスメタルというカテゴリーに属するんでしょうか?
一曲10分とかの長さの曲が普通に存在するにもかかわらず、冗長さが無いために、
一枚通して聴いた時の充実感、疲労感(笑)はかなりの物になるアルバム。
もう彼等の曲って「Song」「Tune」じゃなく、「Opus」って感じです。
この作品、ギターリフのメロディが凄く印象的ですよね。
へヴィさの中に悲哀のメロディを編み込んでくるリフは、「喪失の渦」という言葉を
連想させられました。ただ、プログレに全く免疫が無い私としては、⑥のような
リフのメロディには新鮮さと共に戸惑いも同時に感じてしまったりした部分も。
そしてそれ以上に凄いのがヴォーカル。
クリーントーンとデスヴォイスの咆哮の使い分けの上手さも然ることながら、
そのデスヴォイスの質が非常に高いように思います。
クドさは全く感じさせないのにもかかわらず、しっかりと威厳・声量共に申し分の無い
デスヴォイスを聴かせてくれます。この人の場合、デスヴォイスなのに何故か
聞き惚れてしまうんですよね…今まで聴いた「咆哮系」デスの中では一番好き。
デスヴォイスの事ばかり書きましたが、クリーントーンも勿論素晴らしいですよ。
ともかく、まだ彼等のアルバムは3枚しか聴いた事の無い私が言うのもなんなんですが、
美醜・静と動のバランスが良いので、初めて聴く人にはお勧めです。
大作ばかりではなく、③のようなコンパクトで聴きやすい曲も入ってますし。


OPETH - Blackwater Park - Dirge for November ★★★ (2006-04-23 09:31:14)

この曲、歌詞を読みながら聴いてたら殺人事件の被害者にでもなったような気分になってしまった…(笑)最初の4行なんて遊離した魂が死んだ体に戻れなくて嘆いているような雰囲気だし…
まぁ殺人事件ではないにしろ、この曲でアルバムの主人公は死んでしまったんではないでしょうか。次曲のタイトルは「遺影」ともろだし、ラストの「BLACKWATER PARK」は死後の世界を連想させるし…「HARVEST」辺りにも死の予兆が現れている雰囲気がありますし、このアルバムってやっぱり統一された雰囲気があるように感じます。


OPETH - Blackwater Park - Harvest ★★★ (2005-03-08 22:29:07)

デスヴォイスもないですし、演奏時間も6分とコンパクトで更にヴォーカルのメロディも良いという、メタルやプログレのファン以外にも受けが良さそうな曲。
ほんとに、この曲のヴォーカルのハーモニー良いですよね…メロディだけじゃなく、声質まで超好みです(笑)特に低いパートを歌う声は絶品!!


OPETH - Blackwater Park - The Drapery Falls ★★★ (2005-05-07 21:56:24)

これは凄い曲ですね…
イントロから悲しみの渦リフに更にベースがうねりを加えて、全力投球で泣かせに来ているような感じ。後半のメロディアスな歌をフィーチャーしたメロウパートとツーバスを使用したヘヴィパートが目まぐるしく入れ替わる展開も凄絶です。


OPETH - Blackwater Park - The Funeral Portrait ★★ (2005-03-08 22:27:28)

不可思議なノリのあるギターリフを持った曲。
最初聴いた時はめっちゃ戸惑いました。この曲調だと何故かギターソロやクリーントーンのヴォーカルが入ってくると安心します(笑)ヴォーカルはアルバム内では最もキレているのではないでしょうか。シャウトが獣みたいです(笑)


OPETH - Blackwater Park - The Leper Affinity ★★★ (2005-03-08 22:28:37)

OPETHのデスヴォイス入りの作品では初めて聴きましたが、一曲目から容赦が無いですよね(笑)曲の長さ、壮絶なデスヴォイスなど取っ付きにくい要素はあっても、この叙情世界は一度ハマってしまったら…
それにしても、「pierced the night」のところ…随分と気持ちよさそうに絶叫してますね~。聴いてるこっちもいっそ気分が良いです(笑)直後の「ゥヴォ~!!」の絶叫もまたかっこいいです。


OPETH - Damnation ★★ (2005-03-29 21:25:00)

今までの作風の、「静」のパートに的を絞ったような7thアルバム。
私はこの作品からOPETHに入ったんですが、珍しいパターンかも(笑)。
何せ一切デスヴォイス無しですからね…
色々なレヴューを読んでみると、この作品は「メロトロンを使用した、メランコリックで
知的な雰囲気のアルバム」と評されることが多いようです。
「メロトロン?何それ…?」と思ったのでちょっと調べてみると、鍵盤楽器の一つで、
その鍵盤を押すたびに内蔵されているテープに録音されている音が再生されるもので
その性質上、取り扱いや保存が難しく、レア度が高い…という楽器らしいです。
私はこのアルバムにまるで黒白フィルムによる映画をみているような、そんなレトロな雰囲気を
感じたんですが、それもこの楽器の音色から受ける印象が大きいかもしれません。
美しいメロディと雰囲気たっぷりのアルバムですが、少し怖い印象もあります。
何と言うか、全体的に凄く悲壮感、というより喪失感が漂っているんですよね…
私はすんなりと受け入れられましたが、もしかしたら思ってるより人を選ぶのかもしれません。
私もPOSさん、カズチンさんの仰るよう一人で聴き浸るのがお勧めです。
特に、雨の日の休日で外に出るのが億劫なときとか、最高だと思いますよ(笑)
物憂げな雰囲気の日には最適なアルバムです。


OPETH - Damnation - Death Whispered a Lullaby ★★ (2005-05-07 21:56:49)

唯一作詞担当がMikaelではない曲。
この歌詞で「Sleep my child」とか歌われると怖いですね(笑)間奏の掻き毟るようなギターソロがかっこいいです。


OPETH - Damnation - Ending Credits ★★★ (2005-03-08 22:28:17)

インストだし、タイトルからしてアルバムのエンディング・テーマっぽいんですが、もしかしたらこの曲が一番好きかもしれません。何しろギターによるメロディが良すぎます。3分半ですが、もっと聴いていたい感じ。


OPETH - Damnation - Windowpane ★★★ (2005-10-09 17:23:01)

メロトロンの音色も言うまでもなく良いけど、ギターソロは「これが『泣き』だ!!」って言う程に叙情的なのに、渋い感じも出ていて素晴らしいです。静かな曲ながら、ラストの内面的な盛り上がりはかなりのもの。


OPETH - Deliverance ★★ (2005-02-28 18:36:00)

前作「BLACKWATER PARK」と比較して、ややアグレッシブな方向に傾いた作品。
同じモノクロの世界を演出する音像でも、白を基調とした世界観を聴き手の脳裡に
喚起させる「DAMNATION」に対し、こっちは黒を基調とした暗黒の世界を描き出しています。
正にジャケに偽りなし!!って感じですね(笑)
音楽性自体はアグレッシブさを除いてはそこまで変化した印象は無いんですが、
あのヴォーカル、恐ろしい事に更に進歩しちゃってますね…
前作の、低~中音域での威厳のある咆哮に加えて、今回は中~高音域でのわざと汚く
濁したようなわめきも使ってますが、それが曲の良いアクセントになっています。
これを聴いて、ますますこのヴォーカルが好きになりました。
それと、このバンドのドラマーはジャズを通ってるんでしょうか?
③のハイハット(かな?)の鳴らし方なんて実にお洒落でかっこいいですし。
でもちゃんとヘヴィなパートでは力強い…素晴らしいです。
非疾走・長尺曲(今回はほんとに長いです…10分以下の曲は一曲のみ)・デスヴォイス
…以上のどれも受け入れられるという方は聴いてみてはどうでしょう?
ジャケットのセンスも非常に優れているので、ジャケ買いもありの方向で(笑)


OPETH - Deliverance - A Fair Judgement ★★★ (2005-03-08 22:27:58)

前作で言う「HARVEST」に当たるであろう、ヘヴィさよりも叙情性に重きをおいた曲。私的なお気に入りポイントは音楽が片方のチャンネルのみになり、アコギの演奏を聴かせてくれる箇所。あそこのメロディは神懸かってると思います。
前作のライナーを読むと、Mikaelはブルースを演奏したりメタルに留まらない音楽への造詣の深さがあるようですね。そんな彼だからこそ出てきたメロディなのではないかと思います。


OPETH - Deliverance - Deliverance ★★ (2005-05-07 21:57:04)

イントロこそアグレッシブですが、割とすぐにメロウパートへ。一曲目にメロウさが少なかった反動でしょうか?激しいデスヴォイスからウィスパリングへと切り替えるヴォーカル、ライブDVDで簡単にこなしていたのには驚きました。最後のリズムは繰り返しすぎな気もしますが、時折入れてくるツーバスのフレーズが良いです。


OPETH - Deliverance - Master’s Apprentices ★★ (2005-03-08 22:27:07)

ライナーでは「MORBID ANGELに通じる物がある」と紹介されていた曲。
確かに前半のツーバスを連打したり、禍々しい暗黒リフを聴かせるヘヴィなパートは通じる物があるかもしれません。後半の叙情パートをデスヴォイスが無理矢理ぶった切るようなパートがかっこよ過ぎる…その後の展開も素晴らしいです。


OPETH - Ghost Reveries ★★ (2005-09-16 21:06:00)

ロードランナーに移籍しての8thアルバム。
しかしクレイドルといい、このレコード会社は良いバンドどんどん取ってくなぁ…
曲的には「STILL LIFE」「BLACKWATER PARK」同様のプログレデスですが、今回はSpiritual
Beggersのキーボード奏者が加入したため、かなりキーが取り入れられた作風になりました。
しかもその音色にハモンドやメロトロンなど、私の好きな物が多いのも嬉しいところ。
あのアナログな雰囲気の音色、OPETHの曲の幽玄さを更に深いものにするのに一役買ってます。
また、今までと比べるとややクリーンパートが増えたように思います。Mikaelの声も従来より
色気のあるものになってますし(息の抜き方、畏怖を感じさせる低音、幽かに震えるような
情感を湛えた唱法…どれも最高)、これも個人的には嬉しい変化ですね。
そしてこれはいつもの事かもしれませんが、時折出てくるギターソロの情感も半端ではないです。
確か彼等のルーツにはブルースがあるようですが、何だか納得。
ロードランナーに移籍した事が功を奏しているのか、このアルバムはかなり宣伝されているみたいですね。
海外の雑誌、Metal Maniacsでは表紙も飾ってました。
これを機に、今まで興味が無かった皆さんも聴いて欲しいです。
私はまだ「STILL LIFE」以降しか聴いていませんが、その中では最高傑作だと思います。


OPETH - Ghost Reveries - Beneath the Mire ★★★ (2005-09-13 17:22:28)

メロトロンとギターのメロディが互いに引き立てあうイントロが一気にリスナーの心を掴んでしまう曲。本編も勿論良いんですが、この曲のそれはもしかしたら今まで聴いた全ての曲の中で「かっこいいイントロベスト5」に入ってしまうかも。
ただ、日本盤の対訳を読みながら聴くと思わず笑ってしまう所も。Mikaelが鋭い声で「Master!!!」って叫んでるのに、その部分の訳は「ご主人様」。…どんな召使いなんですか(笑)まぁ、日本盤を買った人の特権ですね。あまり嬉しくないけど。


OPETH - Ghost Reveries - Ghost of Perdition ★★★ (2005-10-09 17:22:31)

2回目の「before you die young」の所の歌と演奏の絡みや、後半の「The Drapery Falls」にも匹敵する哀しみのリフなどパートごとに見ても聴き所は枚挙に暇が無いくらいですが、全体のバランスが恐ろしく良い、名盤中の名曲です。
ごくたまに「メタルは80年代(もしくは90年代前半)で終わった」と言う人を見かけますが、きっとこの曲を聴いたら考え直し猛省する事でしょう(笑)


OPETH - Ghost Reveries - Reverie / Harlequin Forest ★★★ (2005-09-16 21:07:37)

「Reverie」
5曲目のマイナストラックに入っているインスト。
キーボードの音色が凄く好み。自然とHarlequin~にも期待が掛かりますね。
「Harlequin Forest」
そしてその期待を全く裏切らない曲。
今作はMikaelのクリーントーンの時の声が良くなっていると評判ですが、完全にヘヴィ・サイドの曲でありながらそれをかなりフィーチャーしてます。クリーントーンが一段落するとハモンドも入ってきて…最高(笑)。ただラストは引っ張りすぎかも。


OPETH - Ghost Reveries - The Baying of the Hounds ★★★ (2005-10-09 17:22:50)

最初の方のデスメタルサウンドにハモンドが絡んでなんとも言えない空気感を醸し出している所だけでもう虜。この曲はOPETHの中でもリズムがかっこいいですね。特に「Everything you believed is a lie~」辺りのリズムに対しての言葉のはめ方が好き。


OPETH - Ghost Reveries - The Grand Conjuration ★★ (2005-09-16 21:06:50)

今回はこの曲がシングルのようです。
「The Drapery Falls」がシングルなのは分かるけど、これってアルバムでも最も邪悪な曲では…商売っ気、無いですねぇ。しかしOPETHの曲は導入が上手いですね。印象的なイントロから歌メロを暗示させるリフ…キーも入ってかなり荘厳に、っていう流れだけでもかなり引き込まれる。


OPETH - Lamentations: Live at Shepherd's Bush Empire 2003 ★★ (2005-05-07 21:55:00)

2003年発売のライブ&ドキュメントDVD。
ライブが約2時間、ドキュメンタリーが約1時間の計3時間というかなりのボリュームながら、
高い所でも3千円弱、安い所だと2千円切っていたり超お買い得なDVD。
日本のアーティストもこれくらいの値段でDVDを売ってもらいたいものです(笑)
ライブは大きく分けて2部に分かれていて、第一部が「Damnation」の収録曲を中心としたセットリスト、
第二部が「Deliverance」「Blackwater park」からの収録曲を演奏するセットリストになっています。
第一部は「Damnation」の世界観を表現するライブなので、もちろん静かな曲中心なんですが、
「Closure」のラストでややヘヴィになり客がヘドバンするシーンなどもあり、見応え充分です。
知的な音像のシーンですが、Mikaelは時折優しげな笑顔さえ浮かべながら演奏しているので、
なんだか見ているほうも楽しくなってしまいます(笑)
この人たち音楽が本当に好きなんだろうな…というのがよく伝わってきます。
第二部は…これは凄いです。
あそこまで複雑な演奏をバンドで、爆音で合わせるのは演ってる方は凄く楽しいんじゃないでしょうか。
特に「Master's apprentices」のメロウパートから凄まじいデスヴォイスでヘヴィパートへと
雪崩れ込んで行く展開や、「The drapery falls」の緩と急が入り組んだ展開なんて
絶対気持ちよさそうだなぁ…と、見ていてそう思います。
ただ、デスヴォイス入りの曲は4曲しかないのと、「Still Life」以前の曲は無いのが
少し不満かも。「The moor」「Godhead's lament」とかも聴きたかった。
とは言っても、一曲一曲が長いので、勿論お腹一杯にはなりました。
それにしても、Mikaelって凄いですよね。
デスヴォイスとクリアヴォイスの使い分けを一瞬で、しかもギターを弾きながらこなし、
しかもMCは曲が終わるごとにお礼を言ってたり、緊張してる…みたいな事も言ってたりとても謙虚。
MCの時に低く静かな声で話すのを見ていると、私には彼が聖人に見えてきます(笑)
ドキュメントはかなり長いインタビューが収録されていますが…私的にはここで言及される
「I hate Hip-Hop」を是非とも聴いてみたい(笑)まぁ彼なりの冗談かもしれませんけど。
ところで、全く内容とは関係無いですが、この「Lamentations」というタイトル、「ラーメン定食」と似てますよね(笑)
…って最後のまとめがこんなんで良いんでしょうか。


OPETH - Still Life - Face of Melinda ★★★ (2005-04-22 23:08:10)

この曲のヘヴィパートのリフ、やばいですね…
そこはかとなく優雅で儚げ、それでいてダークな旋律がヘヴィな音圧の中に織り込まれていて、思わずうっとりしてしまいます。前半のアコースティックパートも勿論良いんですが、後にこんなリフが控えてると知ってしまうと、何か「お預け」されたような心境になってしまいます(笑)


OPETH - Still Life - Godhead's Lament ★★★ (2005-04-22 23:07:56)

いつも通りのプログレデスですが、この曲はOPETHの楽曲の中でも最も素晴らしい歌メロを持っていると思います。こんなにロマンティックで哀愁を感じるメロディ、歌謡曲のミリオンヒットを探したってそうそう見つかるもんじゃないですよ…


OPETH - Still Life - The Moor ★★★ (2005-05-10 22:24:11)

この一曲だけでも楽しめるって言う意見には心から同意します。
二重になったイントロがいやがおうにも期待を煽りますが、その期待を裏切るどころか2倍にして返すくらいの超名曲。この曲もほんとに歌メロがいいですね。一緒に口ずさみたくなります。


OPETH - Still Life - White Cluster ★★★ (2005-05-10 22:23:56)

コンセプトアルバム「Still Life」の有終の美を飾る、ドラマティックな展開の曲。特に6分半くらいの所は言葉では表せないほどの劇的なメロディが渦を巻いています。この部分、ほんとに神懸かってるとしか思えない…ラストにアルバムの世界を閉じるようなインストもあり。


OPHTHALAMIA ★★ (2009-01-06 19:14:00)

ノルウェー・ブラックの重要人物ITらによるバンド。
DISSECTIONのJon Nodtveidtが参加していた時期もあったとか。


OPHTHALAMIA - Dominion ★★ (2009-01-06 19:10:00)

98年発表の4th。

このバンドはDISSECTIONのメンバーが在籍していた事でも知られていますが、ミディアムテンポを中心としたゴシック寄りのメロデスに近いブラックながら、泣きメロのセンスなんかはかなりDISSECTIONを思わせるものがあると思います。

DISSECTIONはトレモロリフや疾走を巧みに用い寒々しさや血腥い邪悪さを表現してましたが、このバンドの音から伝わるのはどこかロマンティックな感覚。このバンドはITの創作した幻想文学を中心のコンセプトに据えているらしいですが、バンマスがサタニストとしての死を選ぶ程サタニズムに傾倒していたDISSECTIONとは、根本的に向いている方向が違うのかもしれません。

このバンドも後期DISSECTIONや最近のSATYRICON同様、ロック/メタル寄りのブラックっぽくないリズムをかなり取り入れてますが、前述のバンドが黒いエナジーを喚びだすためにそういった要素を取り入れていたと思われるのに対し、このバンドは純粋に音楽やコンセプトをかっこよく聴かせるために取り入れている感じ。
ブラックよりもメロデスに感性が近い音という気がします。

ABRUPTUMのような偏屈なバンドを立ち上げた人物がバンマスとはおもえないくらい、外向きなブラックメタル。やや地味めですが、DISSECTION等メロデス寄りのブラックが好きな方にお勧め。


OPHTHALAMIA - Dominion - Final Hour of Joy (2009-01-06 19:13:30)

ロックンロールっぽいノリノリなリズムに、ブルージーな渋い泣きメロ…うぅ、こういう雰囲気って苦手…(苦笑)。でもこういう音の中で、ブラック由来のトレモロが出てくる展開は結構インパクトあります。


OPHTHALAMIA - Dominion - Great Are the Deeds of Death ★★★ (2009-01-06 19:14:16)

この曲は本当にDISSECTIONが演ってもおかしくないようなメロディですね…DISSECTIONが2ndの曲作りで、ミディアム中心の方向に行こうとして方向修正しお蔵入りになった曲といったら騙されそう。ヴォーカルもJonのスタイルに似ていながら、迫力の面でも肉薄する物があると思う。


OPVS LEVIATHAN ★★ (2014-04-12 14:08:43)

コロンビア産ブラック。
以前はLEVIATHANの名で活動していたらしいです。


OPVS LEVIATHAN - I : O : I ★★★ (2014-04-12 14:10:06)

2012年発表の1st。
CDショップのブラックコーナーで見かけて、横ジャケのバンド名・アルバム名から何か神秘的なものを感じ、ずっと気になっていたんですが…遂に思い切って購入(笑)。…そんな経緯で買ったんですが、何気に素晴らしいアルバムで驚きました。

路線としては、ペイガン風味をベースに、時折中近東風味だったり北欧ブラックの土着の邪悪さを醸し出したりする叙情的メロディを、ブラックらしいトレモロリフやギターのハモリなどを駆使して聴かせつつ、妖しげなクリーンや儀式的なアコースティックパート、要所で楽曲に彩りを与えるキーなども取り入れ、ドラマ性たっぷりに展開するメロディアスなブラックメタル。このバンドは「エピック・ブラック」として認識されているようですが、正にエピックの名に恥じない、ドラマ性・構築性の高い作風。

…なんですけど、構築性が高い作風で、高品質にもかかわらず衝動性もまた高いのが素晴らしい。メロディアスで練られた展開ながら、楽曲の中心はトレモロリフによる叙情メロとブラストパートに置かれている感じで、食いちぎるような絶叫ヴォーカルも相俟って攻撃性の高さも感じさせてくれます。また、キーボードなど装飾的な部分でのセンスも非常に良く、2曲目の導入部なんて一気に幻想的で暗黒な世界観に没入させられてしまうし、随所で聴ける空間的なキーとトレモロリフを伴いつつブラストで疾走するパートなどは、アトモスフェリックブラック顔負けのカタルシスをもたらしてくれます。

という訳で、ドラマ性、楽曲構築能力、攻撃性、メロディの良さなどあらゆる面でレベルの高い音を聴かせてくれる作品。音質も悪くないですし、ドラマティックで激烈、かつメロディアスなブラックを求めている方であれば必聴の一枚。


ORAKLE - Eclats ★★★ (2015-06-03 22:04:32)

2015年発表の3rd。

…これは最早ブラックメタルというより、エクストリームメタルの要素も若干あるプレグレメタルと言った方が良いくらい、プログレ要素の濃いブラックですね。ディープなグロウルや疾走パートなどもあるものの、基本的にはジャズに影響されたような引っ掛かりのあるリズムと、それを中心に展開される知性的アンサンブルで聴かせる音で、ヴォーカルもマイルドなクリーンパートの比率がかなり高め。

個人的に特筆すべきなのは、楽曲の雰囲気にEMPERORの「Prometheus」アルバムであるとか、IHSAHNの「After」以降のプログレ・前衛路線を強めた作品群であるとか、あれらの作品と共通するような、ダークな神話的・神秘的な世界観が感じられることですね。特にギターの、熱に浮かされながら悪夢を見ているかのような、生理的な部分にまで訴えかけてくる神秘性を感じるフレーズがもうたまりません。

これは凄く良いアルバムだと思います。攻撃性とかストレートな邪悪さとかは望むべくもありませんが、全編を通じてどこか深遠で神秘的な雰囲気の裏に悪意が隠されているような雰囲気が漂っていて、フレーズや展開のひとつひとつにわくわく出来る作品です。ポスト/アヴァンギャルド/プログレッシブブラックに抵抗が無いようでしたらお勧め。後期EMPERORやARCTURUS、IN VAINなど北欧のエリート達にも通じる空気感を演出できる稀有なバンドです。


ORANSSI PAZUZU - Kosmonument ★★★ (2012-02-03 21:20:18)

2011年発表の2nd。
某所で妙にプッシュされてたので買ってしまいましたが、素晴らしいですね。

路線としてはバンドサウンドに、キーボードのみならずサウンドエフェクトやインダストリアルノイズなども絡め、ARCTURUSやLIMBONIC ART、DARKSPACE等のバンドとも異なる、独特の奇妙な宇宙観を演出する、アヴァンギャルドなブラックメタル。スペースデブリの浮遊する宇宙空間の中に意識だけが浮遊し、やがて自分もその一部となっていくかのような、瞑想的な雰囲気を持った作品。

妙に太く、脈動する様が聴き手をトランスに持っていくようなベースラインと、音像を抽象的なものにするギターノイズ、効果的に用いられるサウンドエフェクトのコンボによる世界観の演出はやはり巧みで、リアルに宇宙から降り注ぐ有害な放射線を浴びながら漂ってるような感覚を覚えます。基本浮遊感のあるミディアム中心ですが、疾走パートも奇怪に歪んだ音像のせいで、異次元に真っ逆さまに落ちるような感じがありますね。

このバンド、普通の人のそれとは位相がどこかずれた視点から見たような世界観・宇宙観を持ってるのに、それを人に伝えるだけの巧みさがあるのが凄いんですよね。音像や浮遊感の演出も素晴らしいし、2曲目なんかはキャッチーと言ってもいいくらいかと。基本アトモスフェリックな展開ながら、彼らの持つ歪んだ宇宙観を象徴するような、「濃い」メロディが所々に鏤められているのも、聴き手に世界観を共有させるためのフックになってるように思います。

ただ、アンビエントな感触やミニマルな部分もあるので、メタルだけでなく瞑想的なプログレ、ポストブラックなどを聴く人の方が共感しやすい音になっているかもしれません。個人的には興味深く、心地良く聴けたし大推薦のアルバム。店のプッシュに乗っかっておいて良かったです(笑)。


ORCRIST ★★ (2012-02-01 20:40:49)

イタリアのブラックメタルバンド。
ISVINDのGoblin氏が在籍。


ORCRIST - Fallen ★★ (2012-02-01 20:42:19)

2010年発表の5th。

ILDJARNのトリビュートにも参加した経験のあるバンドの現時点での最新作…ということらしいですが、もうこれは絵に描いたようなプリミティブ・ブラックですね。土砂が崩れるようなノイズから、仄かにメロディが漏れ聞こえてくるようなリフといい、ミニマルなリズムを用いた陶酔誘発系の音像といい、典型的なこのジャンルの音。時々メロウなトレモロが出てくるのも「いかにも」って感じです。
個人的に特筆したいのはリズムの上手さですね。疾走パートもミディアムパートも、速すぎず遅すぎずで心地良く聴けるテンポを常に守って展開している感じ。このリズムの上手さもあり、プリブラの催眠的な感じはしっかり演出できてると思う。

また、この手には珍しく、1曲目ではクリーンヴォーカルが入ってますが…低音は不気味さを出せてますが、中~高音は絶妙なヘタウマ加減で変に味があるんですよね。どんな思想を持ったバンドかは分かりませんが、学生運動でペイガニズムに傾倒し、そのまま音源を作ったような衝動性の高さを感じます。…とは言っても、Goblin氏はISVINDもやってますし、シーンではベテランですけどね。

ジャケの「True Underground Black Fucking Metal」の標語通り、そのジャンルが好きな人のみを対象として発信しているようなアルバムだと思う。昔のDARKTHRONEやILDJARNを聴いて、この手のバンドを突き詰めたいと思った方にのみお勧めです。


ORCUSTUS ★★ (2010-04-04 18:00:00)

Vo/Gtを担当するTaipanを中心に、GORGOROTHのInfernusとTormentor、
ENSLAVEDのDirge Repによって結成されたバンド。バンド名の由来は、
ex-EMPERORのBard Faustが発行していたファンジンに因むものだとか。
ちなみに、GORGOROTHの2名は既に脱退してしまった模様。


ORCUSTUS - Orcustus ★★ (2010-04-04 17:57:00)

2009年発表の1st。

ノルウェーのブラック界の重鎮が集まり、クラスト/ハードコアとクロスオーヴァーしたブラックメタルを演るという事で、最近のDARKTHRONEのような音を想像していましたが…確かに、リズム面でハードコア要素を取り入れてはいるものの、それらがブラックから離れるのではなく、オールドスクールに聴こえるように作用していたり、ヴォーカルは典型的なブラックの高音絶叫だったり、Gaahl在籍時のGORGOROTHに近いかなり直球なブラックメタルを演ってます。

GORGOROTHと比べると、オーガニックな暗黒美を演出するトレモロリフが更に重用されたり、野蛮かつオールドスクールな風味を強めるハードコアのリズムを取り入れている分、よりアングラな雰囲気。高音域のノイジーさが強く、ヒリヒリとした殺伐さを醸し出しつつ、決して外で聴けないほど悪くはないプロダクションといい、その音質と呼応するかのような、喉が摩滅しそうな絶叫といい、いかにもブラックの魅力を深く理解した人が作ったという印象。
ただ、人によっては、そのストレートな暗黒表現を、「スーパーグループ故の予定調和」と感じてしまうこともあるようですが…。

しかし、GORGOROTHやENSLAVEDではなくORCUSTUS、LEVIATHANではなくLURKER OF CHALICEの日本盤を発売するDaymareってつくづく不思議なレーベルですよね…ハードコアを通過しているバンドがオーナーの好みらしいから、その関係もあるのかも。あと、相変わらずこのレーベルの解説は参考になるし、読んでて面白いです。


ORDER OF ENNEAD - An Examination of Being ★★ (2011-05-12 20:08:27)

2010年発表の2nd。

DEICIDEのドラマーが参加していると言う事ですが、ブルータリティの中に、地獄の瘴気を潜ませる本家のドロドロ感と比べると、こっちは豪速のブラストビートにしろ、喉が千切れそうなブラック絶叫にしろ、どこかカラッとした仕上がりで、悪い意味でなく聴きやすい路線ですね。禍々しいというより、純粋に「かっこいい」という言葉で褒めたくなる感じ。

特にそれを感じるのがギターソロ。ブルデス並の豪速パートには似つかわしくないような、クラシカルでテクニカルな速弾きまで披露していて、それが曲のフックになってると思う。このアルバム、メタリックなソロを入れても、ブルータリティが低減しない曲作りになってるのが凄いんですよね。単にギタープレイに酔い痴れるというよりは、疾走してたら巨大なファンに巻き込まれてズタズタになるような迫力を加味してると思う。

ある意味では、エクストリームメタルとしては、本家よりも「開かれた」音なのかもしれません。特にメタルコアやデスコアを愛聴する若いリスナー(お前が言うなって話ですが・笑)は、モダンなこちらの方が受けがいいかもしれないですね。


ORDER OF ORIAS - Inverse ★★★ (2012-01-29 23:45:45)

2011年発表の1st。
良質なブラックの作品を数多く出し、ブラック好きの間でも話題のWorld Terror Committeeよりのリリース。

タイプとしては、割とストレートなブラックメタルで、超メロウなリフだったり激ファストなリズムだったりといった分かりやすい特徴こそないものの、闇がふつふつと煮え滾るような、邪悪さをたっぷり含んだリフと、悪魔の代行者として相応しい威厳のあるがなりヴォーカルが、宗教的などす黒さを醸し出す真性な音で、作風としてはNED系のバンドに通じるものがあると思う。

スピリチュアルな雰囲気満点の作風の割に、刻みリフをある意味キャッチーに聴かせたり、長めのギターソロがあったりなど、メタリックなパートもかなり多く設けているのが特徴で、特にギターソロの邪悪と甘美が入り混じったメロディはほんといいセンスしてると思う。ヴォーカルの、如何にも憎々しげに言葉を吐き出すような、怨嗟すら感じさせる表現力も特筆もの。エフェクトのないFUNERAL MIST…というと褒め過ぎでしょうか。

音質もある程度整えられており、カルトな雰囲気の割には聴きやすい作品だと思います。際立って分かりやすい作品ではないので、初心者にはお勧めはしませんが、ある程度ブラックを聴いている方なら嵌まれるアルバムだと思います。


ORDER OF THE EBON HAND ★★ (2010-07-10 15:09:00)

ギリシャ産ブラックメタルバンド。
バンド名はカードゲーム「Magic the Gathering」より。
NOCTERNITY、SEPTIC FLESHのメンバーが絡んでます。


ORDER OF THE EBON HAND - ⅩⅤ : the Devil ★★ (2010-07-10 15:07:00)

2005年発表の2nd。

基本的には豪速ブラストを軸に攻める、DARK FUNERALやENDSTILLEと同系統のファスト・ブラックで、DFと比べるとリフのメロディに起伏が少なく、その分摩擦的な感触が強い所は、ENDSTILLEの方が近いかもしれません。ただ、キャッチーではないものの、時に超が付くほどメロウになるリフ、亡霊的なクワイアやキーボードの導入により、それらのバンドにも劣らない魅力が備わっているように思います。ヴォーカルもENDSTILLE並に遠慮のない思い切った絶叫で気持ちいい。

しかし、この作品の凄さはファスト曲とミドル曲の温度差にこそあるのかもしれません。前述したように、ファストな曲はいわゆる「業火系」とでも言えそうな凄まじさですが、ミドル曲はモダンなリフ捌きやサックス、SEなどを導入し、うって変わってゴシック的・オカルト的なムードを醸し出しているのが大きな特徴。ミドルの方はAGATHODAIMONやSEPTIC FLESHに通じる雰囲気があるかも。

ファストもミドルもかなりのクオリティで聴かせてくれる、なかなかの良盤だと思います。


ORDER OF THE EBON HAND - ⅩⅤ : the Devil - To Alloces ★★★ (2010-07-10 15:09:20)

ファスト系の曲の中ではアルバム1かっこいいと思う。
頭から凄まじいまでのメロウさを撒き散らし疾走。主張しすぎないキーもオカルト的なムードを過不足なく演出。


ORDO DRACONIS - The Wing & the Burden ★★★ (2012-04-01 22:04:42)

2001年発表の1st。
これ、マイナー物件の中では相当良い線行ってる作品だと思います。

とにかくクサくてど派手な、クラシカルなキーボードアレンジが持ち味のシンフォニック・ブラック。「出し惜しみ」とか「勿体を付けた」とかいう表現とは一切無縁の、思わず笑いが込み上げて来そうになるほどクサいキーボードメロは、壮麗さも行き過ぎるとちょっとアホっぽく聴こえるなぁ…と、妙な所に感心してしまうほど(笑)。もちろん良い意味でです。

ギターワークはキーボードを立てるように刻む箇所も多いですが、主導権を握るパートではクラシカルでクサい泣きメロをがっつり弾いてみせたり、トレモロリフを駆使して音像を更に飾り立ててみたりで、アレンジの方向性は本当に派手に派手を重ねてドラマティックに仕立て上げている感じ。これと比べるとまだCOFやDIMMUは高尚さというか、上品さが残ってしまってるなぁ…と思わされます。

シンフォニック・ブラックでありながら、はっきり言って愛想の良さ、取っ付きの良さは国産超大作RPGのメインテーマと比較しても劣らないくらいだと思う。ただ惜しいのは音質がやや丸めな感じがすることでしょうか…この派手さをメタリックで硬質な音質でもっとギラギラ強調させて欲しかった。ともあれ、とても真性ブラック好きにはお勧め出来ませんが、クサいのが行ける方は是非チャレンジして頂きたい好盤です。


ORDO OBSIDIUM - Orbis Tertius ★★ (2012-01-25 19:28:52)

2011年発表の1st。

DISK UNIONでトレモロリフ愛好家にお勧めされていたので、ついレジに持っていってしまった1枚。確かにトレモロリフ含有量の非常に多いブラックメタルなんですが、ドゥーム的な引き摺るようなギターリフ、灼けつくような物悲しさを感じさせるギターメロなどもあり、トレモロ一本槍な作風という訳でもないですね。ゾンビの腐肉が剥がれ落ちるかのごとく、ノイジーな音像の中で鳴り響くトレモロリフの使われ方といい、BURZUMのスタイルに近い発狂絶叫ヴォーカルといい、疾走パートは多いものの鬱ブラックに近いムードを持った作品。

トレモロリフは不気味に蠢くような使われ方が多いんですが、所々高音でキリキリした質感を強調させたり、メロディを浮き上がらせたり、聴かせ方のバリエーションもいくつか備えてますね。特にヤバいのはメロディアスさを前面に出すパートで、もう一歩踏み込んだらベタベタになってしまいそうな、非常に明瞭な哀愁を感じさせるメロディがかなりのインパクト。正直最初の音を聴いたときはこんな劇的なメロディを仕込むような感じには聴こえなかったんですが…このメロディはかなりの殺傷力。大作主義で、抽象的なムードも濃い作品ですが、そこだけ聴くとキャッチーとも言えるかも。

トレモロリフ重視の作風ではありますが、ポストブラックっぽさは希薄で、プリミティブ系や鬱系好きな人にお勧めしたい作品。特にメロディアスなものが好きな人向けだと思います。


ORDO ROSARIUS EQUILIBRIO(ORDO EQUILIBRIO) - Reaping the Fallen...the First Harvest ★★ (2008-08-22 00:58:00)

おそらく95年発表の1st。
基本的には、CDをセットしてかけるだけで家のコンポやプレイヤーが暗黒の波動を
発生させる装置に早変わりしてしまうようなダークアンビエント/インダストリアルで、
ダークアンビエント寄りのブラックメタルやレーベルメイトのRAISON D'ETRE辺りが好きなら
ツボにはまりそうな、ひたすらに病んだ世界を演出してます。
こういう曲調で女性ヴォーカルの語りとかが入ると、異次元からの呼び声のようにも
聞こえますね…。特に恐いのはラストの曲、ただでさえ呪文っぽい声がサンプリングされて
根源的な恐怖を煽るのに、終わった後「アンコール」と称して同じ曲をもう一度繰り返す辺り、
意図が読めなくて更に恐い。
しかし最も恐いのは、フォークの弾き語りと呪術ドローンを足したような数曲かもしれません。
タナトフォビアといって、仕事や恋愛などの生活上は明るく振る舞っていても、心の奥底では
常にいつか訪れる死の事を考え、恐れるという病気がありますが、そうした病気の患者の心の
呟きや問いかけを音楽に具現化したらこんな感じなんじゃないでしょうか。
…フォーク要素をここまでダークに聞かせられるというのもある意味凄いと思います。
触りを聴いただけで、「ああ、病んでるなあ…」と思うくらい分かりやすく病んでいながら、
表層だけでなく底の底まで病みきっている感じの作品。表面的に「病んだ」作品にはうんざり
だという人でも納得できる事間違いなしの暗黒音楽です。
ちなみに、クレジットでは最後に家族への感謝が述べられてますが…もし自分に子供がいて、
こんなアルバムを作って、ああいうメッセージを書いたら遺言に聞こえると思う(笑)。
幸いな事に、この人たちはこれ以後も世の中に作品を送り出し続けているようですが。


ORDO ROSARIUS EQUILIBRIO(ORDO EQUILIBRIO) - Reaping the Fallen...the First Harvest - Where Happiness Ruled ★★★ (2008-10-21 19:28:17)

フォークを硫酸で溶かして、爛れたダークアンビエントになってしまったかのような恐ろしい雰囲気の曲。よくもまあこんな恐い表現方法が思いつくなぁ…と、妙に感心してしまいます(笑)


OREMUS ★★ (2013-02-18 12:38:42)

ポーランド産ブラックメタル。
BLAZE OF PERDITIONメンバーによる別働隊。
バンド名はラテン語で「我等祈らん」の意で、祈りの前に捧げる言葉だとか。


OREMUS - Popioly ★★★ (2013-02-18 12:39:50)

2011年発表の1st。

BLAZE OF PERDITIONのメンバーによるサイドプロジェクトの1枚目の作品ということですが…クリアながら、ブラックメタルらしい生々しさとコシの強さも備えた良質な音作り、鬼気迫るような威圧感を感じる、威厳のあるヴォーカルのがなり、如何にもブラックメタルといった荒涼感や毒々しさのあるトレモロリフなど、かなりBLAZE OF PERDITIONと共通した特徴を持つサウンド。正直本隊のアルバムに入ってても違和感無い曲ばかりだと思う。

ただ、あくまで「若干」ですが、こちらの方が本隊よりもメタリックな聴きやすさが控えめで、ブラックの儀式めいた邪悪さを押し出している印象はありますね。4曲35分という大作主義の構成、執拗な邪悪フレーズの繰り返しも含む展開、荒涼感を重視したスロー~ミドルパートにも時間を割く作風など、聴き手を世界観に引き込むことが重視されている感じがします。

と言ってもブラックの邪悪さに満ちたトレモロはしっかり聴き手の耳を惹きますし、決してマニアオンリーな作品ではないのがミソですね。BLAZE OF PERDITIONが気に入った方はもちろん、聴いていない方でもブラックの宗教的なムードや邪悪さに惹かれている方なら受け入れられる間口の広さはあるかと。BOP同様良質な真性ブラックです。


ORENDA - The Funeral ★★ (2014-06-16 23:59:33)

2007年発表の2nd。

発売元がNo Colours、ブラックメタルのディスクレビュー本でも取り扱われていたアルバムで、ある程度有名な作品なのかもしれませんが…出音はかなりマニアック。まず耳を刺す系の鋭さではなく、押し潰されるような抑圧的な感触の強い、ザーザーしたノイジーリフの支配するプロダクションがかなり強烈。暴虐さよりも聴き手をトランスに導く事に重きを置いたような、シンプルな疾走を中心としたリズム、それを軸としたほぼ最低限の展開など、カルトなプリミティブブラックの様式を踏襲。

ただ、ノイズの中から幽かに漏れ聞こえてくるようなメロディの使い方がかなり上手く、決してマニアックなだけな作品になっていないのも特徴ですね。ノイズの雪崩に押し潰され、意識が遠のく中で僅かな光の明滅を見ているような感じ。それを奏でるトレモロやキーボードの音色自体もかなり神秘的なんですが、極端なプロダクションがその神秘性を底上げし、更に魔的なムードを高めている感じ。ヴォーカルが今にも死にそうな感じの呻き声なのもムード作りに貢献してますね。

確かに内容的にはマニア向けと言える作品ですが、「こういう音」が好きなマニアであれば納得頂ける作品かと。


ORITA ★★ (2007-06-23 03:52:00)

クラシックをルーツに持つコンポーザーであるナルキさんと、KIRCHEのヴォーカルで
あのZABADAKへの参加経験もあるミトセノリコ(←何故かORITAでは片仮名)さんのユニット。
KBBの壷井さんがヴァイオリンで参加したり、シンガーがKIRCHEに在籍していたりする事
からもわかるであろう叙情プログレ寄りの、幻想的な景色の見える音は絶品。
…なんですけど、CD5曲入りで2100円は高い…(涙)


ORITA - Phill ★★ (2007-06-23 04:18:00)

2003年発表の、5曲入りデビューミニアルバム。
タイプ的には、神秘的な女性Voをフィーチャーした幻想的な音楽で、やはりシンガーである
みとせのりこさんのプロジェクトのKIRCHEや、初期ZABADAK、初期ALI PROJECT辺りを
引き合いに出せそうな音。ただ前述のアーティストと比べると歌メロはキャッチーではなく、
音に融けていくようなメロ使いになっていたり、リズムトラックもちょっとパーカッションが
入る程度の静かなものになっていたり、ポップ性よりも情景描写により重きを置いた感じ。
KIRCHEの「Mirage of Sand」「水夢」などプログレ色の強い曲が好きな人にお勧め出来そう。
この音を語るのにASTURIAS(日本のプログレ)なんかが引き合いに出されているのを見た事が
ありますが、確かに情景描写の巧みさでは共通するのかもしれませんね。
また、コンポーザーのナルキさんはクラシックから強い影響を受けたミュージシャンだからか、
キーボードの音使い、特にピアノが凄く綺麗。ほんと歌以上に歌心のあるピアノです。
それがみとせさんの神秘的なヴォーカルと絡まると、もうアルファ派出まくりです(笑)。
そして彼女が参加する音源の感想を書く度に褒めてますが、ヴォーカルもやっぱり素晴らしい。
歌メロは割と難解ですが、それでも伸びのある声で幽玄さを表現出来ているし、音楽の
神秘性とも相まってまるで森の精霊が心の内に語りかけてくるかのようにも聴こえる…。
彼女はソロではプログレ寄りの曲以外にも普遍的なポップスに挑戦していたりもしますが、
やっぱり本分はこっちの音なんだろうな…と思います。彼女のVoはもっと評価されて良いと思う。
…Marty Friedmanは彼女か上野洋子さん、宝野アリカさん辺りとコラボして欲しかったなぁ。
どうせ日本のポップス界の歌手と共演するのであれば。
という訳で内容的には名盤扱いしても良いくらいの高品質さですが、「語れ!」でも
書きましたが値段が高いのがネックですね…。6分以内の曲が5曲で2100円はちょっと…。
値段分のクオリティはあるので損はしないと思いますが、一瞬購入を躊躇ってしまいました。
でもZABADAKが名盤「桜」で標榜した「人間としての本能のリコール」を、10年以上の時を
経て現代に蘇らせている音だと思うので、そういう音が好きならば必聴でしょう。


ORITA - Phill - 月下美人~tube Rose~ ★★★ (2007-06-22 22:05:20)

3拍子が際立った音、ちょっとZABADAKっぽいかも?
ピアノと歌の余りにも美しい絡みに、脳内のアルファ派が根こそぎ出されそう…私はあまりの心地良さに、初聴きからして寝ました(笑)。…ぶっちゃけ二回目も寝ました(笑)。ホントの意味で「夢心地」なサウンド。


ORITA - Phill - 真珠の夢は水の底に沈む ★★★ (2007-06-22 22:06:59)

アルバム中でこれが一番好き…かも。
やっぱり壷井さんのヴァイオリンは良いですね。静謐な森の中に佇む、清い水を湛えた噴水。サウンドをそう表現するなら、ヴァイオリンはその周りを舞う蝶って感じ。歌メロも結構耽美&ダークな部分がありつつ、コブシ的な音程移動なんかもあって印象に残る。静かなドラマ性を湛えた、神秘的な名曲。


ORITA - Phill - 地上の楽園 ★★★ (2007-06-22 22:07:55)

アルバム最後の曲にして、最も壮大なメロが聴ける曲
例えるなら、ファンタジー系の冒険譚のフィナーレで、主人公達の目の前に緑の楽園が広大に広がるシーンをバックに「The End」って出てる感じです。本当に天国に逝って人生も「The End」になりそうな心地良さ(笑)。しかし、ラストの声は結構びっくりしましたね…。


OSCULUM INFAME - Axis of Blood ★★★ (2015-08-18 21:35:01)

2015年発表の2nd。

以前購入した90年代半ばの音源集が素晴らしい内容だったので、新作であるこちらも購入したんですが…はっきり言って感動的な素晴らしさですよ、これ…。特にプリミティブブラックのバンドが持っている、衝動性やカルト性…それらを全く希釈することなく、クオリティの高さも追及したらどうなるのか…その答えがここにあるといっても過言ではないかもしれません。

スタイル自体はもうホント純粋に、何の衒いもないブラックメタルという感じですが…全てに於いてカルト音源としてのハイレベルさがありますね。ややノイジーさを残し、爛れた邪悪さを演出するプロダクションといい、メロウなトレモロを上手く配置しつつオールドスクールな刺々しさも感じさせる、起伏のある楽曲構成といい、悪意しか感じられないヴォーカルといい…。「これが聴きたくてブラック聴いてる」というくらい、ど真ん中の音なんですよね。

特にメロディとヴォーカルは心底素晴らしいと思う。メロディは以前から北欧ブラックの呪わしさを感じさせてハイレベルでしたが、今作は更にフレンチブラック特有の病んだ雰囲気も加味されている感じ。そしてヴォーカル…これ、マジでFUNERAL MISTのArioch並の表現力かもしれません。エフェクトを使ったりはしないものの、音の渦の中から苦しげに、悪意と呪いを込めて叫んでいるような禍々しさがあると思う。最早全世界が敵に見えてるのでは…というくらいの憎しみっぷり。物凄く好みの声です。

音源集の素晴らしさから期待はしていましたが…正直ここまで素晴らしいとは…。ペーパースリーブでCDに傷が付きやすい仕様が凄く残念ですが、このCDのために別にケースを買い求めてでも購入しましょう。


OSCULUM INFAME - Manifesto from the Dark Age ★★★ (2014-06-13 19:27:13)

2010年発表の音源集。
94年発表のデモ「Sadomatic Impure Artgoat」、95年発表のデモ「I’a Aem’nh S’hat’n」、96年発表のFUNERALとのスプリットに収録された2曲を纏めたコンピレーション盤で、イントロ等を含めて14曲となかなかのボリュームのある作品。

「Sadomatic Impure Artgoat」
まずこの音源がかなり素晴らしいです。1994年といえばMAYHEMの「De Mysteriis Dom Sathanas」やDARKTHRONEの「Transylvanian Hunger」などの伝説的なアルバムがリリースされた年でもありますが、これらノルウェーのブラックから良い影響を受けているな…というのが伝わる作品。リフに込められた陰湿で呪わしい雰囲気はMAYHEMに、Rawで衝動性の高い、シンプルな楽曲構成はDARKTHRONEにそれぞれ通じるものがあり、フランスのバンドながらノルウェー産ブラックの衝撃をそのまま体現している音楽性と言えるように思います。フレンチブラック好きも北欧ブラック好きにもお勧めできそうな音。

「I’a Aem’nh S’hat’n」
こちらは「Sadomatic~」で提示した音楽性をある程度踏襲しつつも、良くも悪くも変化してますね。時にリフとユニゾンしたり、時にRawなバンドサウンドを包んだりする、アトモスフェリックでオカルト性の高いキーの音色は、BURZUMやEMPERORの影響でしょうか。こちらはプリミティブ指向なためそのどちらとも異なる音に仕上がってます。また、ノイジーさがより強調され、生々しさだけでなく金属質な感じも帯びてきたように思います。メロディにはフレンチ産らしい不吉さが強くなってますが、個人的には「Sadomatic~」の方がシンプルで好みかも。尚、スプリットの音源もこの路線を引き継いでますが、音像や楽曲の展開がより苛烈になっている感じ。

あと全音源において特筆したいのが、ヴォーカルの素晴らしさですね。当時のNocturno Culto氏並に「歪み」の強いがなり声ですが、彼よりも更にヤケクソ感の強いパフォーマンスを聴かせてくれます。ブラックのヴォーカルの中でも「邪悪さ」「衝動性」はかなり強い声だと思う。マイクを噛み千切りそうな程の狂犬振りが凄まじい。

ぶっちゃけノルウェー産バンドの影響受けまくりではあるんですけど、ここまでしっかり邪悪さを演出できていればぐうの音も出なくなりますね。フレンチブラックの古豪の底力を見せ付けるかのような一品。特に「Sadomatic~」は必聴ですよ。


OTARGOS - Apex Terror ★★ (2014-10-02 22:31:03)

2013年発表の5th。

前作は未聴ですが、前々作「Fuck God-Diseased Process」はDEATHSPELL OMEGAが「Si Monumentum~」アルバムで描いた、宗教的暗黒美を引き継ぎつつ、もう少し北欧のオーソドックスなブラックに近付けたような印象だったんですが、大分作風が変わりましたね。音作りのクオリティが高いのは相変わらずですが、サイバー系にも通じるような無機質でインテリジェントな雰囲気があったり、エクストリームメタル的ヘヴィネスがより強調されたことで、以前よりも直接に宗教性や暗黒性を志向しなくなった感じがします。

この変化によって、「ありがちな感じ」からは大分遠ざかったように思います。例えば1曲目の、聴いているだけで耳から神経線維を引きずり出されそうなトレモロを始め、一般的なブラックではあまり聴けないような感覚の、でも耳を惹くフレーズが多いんですよね。それに加えて、3曲目の甘美な邪悪さが高揚をもたらすようなメロディ使いなど、伝統的なブラックらしい雰囲気もある程度重視してくれているのも良いですね。ただ、ブラック的甘美さが薄いパートが続く場面も若干だけですがあり、そういう部分では物足りなさを感じてしまったのも事実。

個人的には完璧な作品とは言えないんですが、他のブラックメタルバンドとは一味違う何かは確実にあるように思います。エクストリームメタルとして純粋に高品質ですけど、ある程度この手のブラックを聴いて、テンプレート的な音を理解してるともっと良く楽しめるかも。


OTARGOS - Fuck God-Disease Process ★★ (2010-06-10 06:25:00)

2009年発表の3rd。

GRORIOR BELLIやMERRIMACKの近作同様、DEATHSPELL OMEGAの「Si Monumentum~」アルバムが、フランスのブラックメタルシーンにおいて如何に強い影響を及ぼしたのかが垣間見える一枚。オーソドックスな、「ブラックにおける正統派」とでも言うべき作風ですが、宗教色濃厚な雰囲気作りは確実にDSOのあの作品の影響下にあると思う。

特に、歪んだアルペジオが奏でる、叙情性よりも不穏さが極めて強いメロディは、DSOの「Si~」を聴いた事がある方なら、確実にあのアルバムを思い浮かべると思う。ただし、DEATHSPELL OMEGAの「Si~」がプリミティブブラックを、ある意味崇高にも聞こえる宗教性やドラマティックな展開でブラッシュアップしたような作風だったのに対し、このバンドの音楽性はキレのいい刻みリフや、メロウなベースもしっかり聞こえるクリアさとエクストリームな迫力のある音質など、スラッシュから分化したジャンルであるが故の、真っ当なかっこよさが強いと思う。

DSOのあの作品がプリブラの魅力をある程度分かっていないと辛いアルバムかと思いますが、こっちはデスやスラッシュが好きならもう少し入りやすい音楽性なのではと思う。自分達でも「This is a dynamic metal record」と言ってますし。
メジャーレーベルであるSeason of Mist所属らしい質の高さはあるし、ブラックのアングラな雰囲気もしっかり表現されているんですが、欲を言えば、DSOの「Carnal Malefactor」のような、イレギュラーかつ作品を強く印象付けるような、際立った名曲が欲しかった所ですね。


OUIJA ★★ (2013-08-18 11:20:12)

スペイン産ブラックメタルバンド。
97年に1stをリリースした後活動を停止したものの、2009年に再び結成した模様。


OUIJA - Adversary ★★★ (2013-08-18 11:21:50)

2010年発表の4曲入りEP。
長い活動停止期間を経て、約13年振りとなる作品。

このバンドが所属しているレーベル、Xtreemはデスを中心に扱うレーベルのせいか、RAWさよりもダイレクトな攻撃性や質の高さに富んだスパニッシュブラックが多いという印象なんですが、この作品は正にその印象どおりの音ですね。エクストリームメタルならではのヘヴィさと、ブラックの凶悪さをしっかり表現する良質な音作りで、ブラストを多用する暴虐な作風の魅力が直接的に伝わってくるような音。

リフやリードフレーズ等に叙情味があり、暴虐でありながらもドラマ性にも富んだ音を出している作風ですが…この叙情性が逆に大地を焦土に変えていくような迫力を感じさせる音で、個人的にはLegion在籍時、特に「La Grand~」期のMARDUKに近い印象があるんですよね。MARDUKの「La Grand~」アルバムは、攻撃的な曲と頽廃的な曲を敢えて分けているような感じでしたが、この作品は一曲の中で猛悪な暴虐性と爛れた頽廃性を同居させている感じ。

何気にヴォーカルもブラックメタルとしての凄みを感じさせるドスの効いた、ややハイピッチのがなりで非常にかっこいですし、4曲入りというのが惜しく感じるくらい素晴らしい作品だと思います。コンスタントに活動していればスパニッシュブラックといえば彼ら…くらいの評価は得られていたのでは。まだ再結成してからフルアルバムは出してないようですし、気になる方はまずはこのEPを手にとってみてはどうでしょう。


OV HELL ★★ (2010-03-27 22:22:00)

Ex-GORGOROTHのKing ov Hell、DIMMU BORGIRのShagrathによる新バンド。
最初のラインナップからしてIce Dale(ENSLAVED)、Frost(SATYRICON)が
全面参加、Teloch(1349)が2曲で参加と豪華すぎる面子が集まってます。


OV HELL - The Underworld Regime ★★ (2010-03-27 22:18:00)

2010年発表の1st。

King ov HellとShagrathが組んだだけでもニュースなのに、Ice DaleとFrostまで全面的に参加とは…もう、買う前からクオリティが保障されてる、余りにも鉄板な作品ですよ、これ(笑)

メンバーの大幅な変更前のGORGOROTHでは、メインのソングライティングを任されていたKing氏が今作も作曲面を担当という事で、基本的にはGORGOROTHの作風に通じる、聴いているだけで「ブラックメタルの凄み」が、自然と伝わってくるような音ですが…Gaahlのヴォーカルが映える狂性・凶悪性の強かったGORGOROTHに比べると、こっちはテンポをやや落とし、丁寧なリフ捌きと展開で聴かせていく作風。奇しくも、袂を分かったGORGOROTHの新作に、通じる雰囲気があると思います。

このアルバム、Ice Daleら他のメンバーも曲作りのアイデアに参加してるか、King氏がメンバー構成に合わせた曲作りをしているんじゃないでしょうか。基本はヘヴィネスやスピードに過剰に依存しない、リフ・リズム主導で邪悪さを表現するスタイルですが、近年のENSLAVEDに通じる幻惑的なギターフレーズや、Iに通じるグルーヴ感のあるリフも所々に上手く取り入れられてると思う。「This is Black Metal!!」な音でありながら、決してテンプレ通りの音にならない、安心と実績の作曲能力は流石King氏。

GORGOROTH等のノルウェー産ブラックを追いかけてる人ならば必聴。
聴き応えのあるブラックを、がっつりと聴きたい方は是非。


OV HELL - The Underworld Regime - Devil's Harlot ★★★ (2010-03-27 22:19:28)

余りにも予想も期待も裏切らなすぎる1曲目。
これぞブラックメタルである、と言いたげな、ど真ん中でど貫禄のあるブラックメタルの音。1曲目だからか、他の曲よりも幾分つくりがキャッチーな感じがありますね。


OV HELL - The Underworld Regime - Invoker ★★★ (2010-03-27 22:20:21)

最初のトレモロ疾走からしてもう虜。
しかし、曲作りが丁寧かつ、フレーズの一つ一つがブラックメタル愛好家にとっては実に心地良く響くんですよね…。これは、若手には作れない音なんじゃないかと思います。


OV HELL - The Underworld Regime - Krigsatte Faner ★★★ (2010-03-27 22:21:21)

この、音が入ると同時に目の前が真っ暗に閉ざされる感じ、どうにも抵抗不可能な圧倒的な感じこそブラックメタルですよね。今作の中でもGORGOROTHの「Ad~」に近い曲調だと思うので、King氏を追ってきた人も満足できる事請け合い。


P.H.T.O - Affliction ★★★ (2016-05-18 13:00:30)

2011年発表の1st。

緩やかなテンポ中心の楽曲構成+鬱メロディ+悲痛絶叫+アトモスフェリックな音像、と鬱ブラックのテンプレをがっつり満たしてくる作風ですが、類似した音楽性の余りに多いこの界隈でも埋没しない魅力を持った一枚だと思います。

まず音像が他のバンドに比べて厚みがある気がしますが、おそらくベースがしっかりしたメロディを弾き、そこに澱んだトレモロが乗る構成がこの音を生み出している感じがします。そこに乗るヴォーカルも悲痛なだけではない、コシのある説得力のある声ですし、スローだけでなく疾走も交えてくる楽曲構成も巧み。特に疾走パートにおいて、トレモロリフによるメロディを強く押し出す傾向があり、それが上手く楽曲の中でのメリハリに繋がっているという印象です。

そういう訳で鬱ブラックとして及第点を遥かに超える出来ではありますが…このバンドの情報をググろうとすると、PHTOで検索するとPHOTO、P.H.T.Oで検索するとP.H.O.T.Oの結果が表示されるんですが…(笑)。なんという余計なお世話。


PACTUM - Sucubo M.O.D.L. ★★ (2013-12-20 01:22:13)

2012年発表の音源集。
89年発表のデモ「M.O.D.L.」、同年リリースの同タイトルのEP、92年発表のEP「Antichristian Front of Freedom」、同年発表のフル「Ficcion, Lujuria y Blasfemia」、94年発表のフル「F.A.L.」の計5タイトル収録のお得盤。

メキシコ産のブラック/スラッシュ…と紹介にありましたが、オールドスクールなブラックというよりも、ベースは完全にスラッシュですね。スラッシュメタルを更に衝動的に、汚く冒涜的に鳴らすことで、結果的にプリミティブブラックやウォーブラックの、もしくはそれ以上のぶっ壊れ感に辿り着いた感じ。低音の音量ツマミを右に回しまくったような割れ気味の音、呼気強過ぎなガナリヴォーカルと肉食系…いや人肉食系な熱い音を展開してます(笑)。

一応、94年のアルバムともなるとメロウな部分もあり(特にベース)、音質もある程度よくなってはいて、衝動的なだけではない音に進化してるんですが、何故かふてぶてしさはアップしてますね(笑)。ただ、個人的にお勧めなのは89年の音源。安いテープに安い機材で録音したような歪み感のあるチープな音ですが、しっかり楽曲の輪郭は伝える、語弊を恐れずに言えば「丁度良い壊れ具合」で凄まじく熱い!何故か92年の「Antichristian~」の音源は、殆ど録音失敗してるような酷い音なので注意が必要。流石にこれだけはフェチ向けだと思う…。私のCDがおかしいわけじゃないですよね…?

モダンなバンドの小奇麗なヘヴィネスとは無縁の、衝動に満ちた熱さが支配する作品。ただこういう衝動的な音楽をこのボリュームで聴くのは多少辛いものが…(笑)。


PALE CHALICE - AFFLICTING THE DICHOTOMY OF TREPID CREATION ★★★ (2012-05-15 23:47:45)

2011年発表の4曲入りEP。

PALE CHALICEはアメリカのブラックメタルバンドで、このEPが初の音源となるようですが…いきなりレベル高いですね、これ…。粗めのプロダクションや陰湿なトレモロ、陶酔感を感じる疾走など、プリブラとしての要件は備えつつ、この手の普通のバンドよりも一歩踏み込んだ作風を演っている感じ。DEATHSPELL OMEGAは「Si~」アルバムで暗黒美や宗教的な禍々しさに重きを置く作風になり、プリブラからは離れた感じですが、この作品はそうした禍々しさをある程度匂わせつつ、依然プリミティブな音を出している感じですね。

何と言っても素晴らしいのは、その陰湿で湿った空気感でしょう。要所で効果的に挟み込まれるトレモロなんか視界が腐り落ちていくような錯覚を覚える程ですし、オールドスクールなリフやリズムを取り入れていても、常に「陰」の気に満ちている感じ。気温でなく、聴き手の体温を直接下げに掛かる系の寒々しさ。また、生々しさを殺ぐほどに整ってはおらず、かと言って陶酔感を妨げるほどノイジーでないプロダクションも絶妙だし、獰猛な攻撃性と、粘着質なダウナーさを兼ね備えたヴォーカルも非常にエグイ声だし、各要素の質も総じて高いと思う。

アメリカのブラックって、サイコな攻撃性だったり病んだ陰鬱さだったりに向かうバンドが多い印象なんですが、このバンドは宗教的な邪悪さをストレートに感じさせる音を出してますね。EPと言っても30分近くありますし、プリブラ好きには推薦…なんですが、1枚目のEPからこうレベル高いと、後からあらぬ方向に変化していかないか、ちょっと心配だったり…(笑)。アルバムタイトルや曲名が微妙に不安(笑)


PANOPTICON - Social Disservices ★★ (2012-06-15 00:45:12)

2011年発表の3rd。

聴き手の視界を埋め尽くすような、轟音のギターリフを伴って疾走するパートをメインに据えた、シューゲイザー・ブラック的な音作りの成された作品ですが…ギターノイズの出力に強弱を付けてみせたり、ドラムが音に埋もれない立体的な音色、かつ切り返すようなフレーズの多いものであったり、聴き手をトリップさせるミニマルさや音圧は維持しつつ、色々な工夫がされている感じですね。

また、北欧ブラック風の寒々しいトレモロや、メロウなリードギター、敢えてリフの轟音から浮くような音色を用いたようなキーボード等、ある程度変化に富んだ展開も取り入れているのも良いですね。1曲目は割とミニマルさが強いものの、アルバムが進むほどドラマティックになる感じで、特に3、4曲目で一旦音圧を引かせ、冥府の川がせせらぐようなトレモロを聴かせるパートが、ダークかつメロウで個人的にはかなりツボでした。

ブラック特有の轟音ギターを用いて情景を描く作風はWOLVES IN THE THRONE ROOMやALCESTに通じますが、あちらのバンドのような清浄さ、美しさは薄く、もっと病的でドラッギーな印象で、その辺りブラック好きの感性に合うかもしれません。新世代のブラックが好きならば聴いておいて損はないと思います。


PANTERA - Vulgar Display of Power ★★ (2005-07-13 18:01:00)

やっぱりPhil Anselmoが格闘家っぽいって思う人いるんですね(笑)
歌詞カードの写真なんて汗までかいてて睨みつけててかっこいい。PRIDEとかにいそう…
そしてそのPhil Anselmoのヴォーカルなんですが、かっこいいですね。
怒号の中に時折入ってくる高音絶叫みたいな声が凄くアクセントになってます。
しかも、普通に歌ったり、ナレーション的な語りをする時の声は色気たっぷり。
流石、ManiacやらKilljoyやらメタル界でもヤバイ人たちとつるんでるだけあります。
この声、硬質かつヘヴィーなメタルサウンドに完璧にあってますね。
ここまで有名なバンドになるとレンタルショップにも置いてあると思うので、いきなり
買うのはちょっと…って人でも、借りてでも聴くべき作品です。
出たのは92年だそうですが、今聴いてもかっこいいと思える音を出してます。


PANTERA - Vulgar Display of Power - Fucking Hostile ★★★ (2005-07-13 18:01:53)

アグレッシブでヘヴィなのに、サビが分かりやすくていい!!
へヴィなものが好きならば、一回聴いただけで良さが分かる曲だと思います。


PANTERA - Vulgar Display of Power - Rise ★★ (2005-07-13 18:02:15)

曲が進むに従い、緊張感とアグレッションを増していく演奏がとてもかっこいい。サビはヘヴィです。やっぱりこのサビって、ライブではみんなでコブシを突き上げるのかな?


PANTERA - Vulgar Display of Power - This Love ★★ (2005-07-13 18:02:40)

バラードだと思い、「こんな曲もいけるんだ~」とか考えてたらサビで化けました。こんな展開するとは思わなかった。しかし普通に歌っても上手いですね。


PANTHEON Ⅰ ★★ (2007-09-08 00:30:00)

ノルウェー産、シンフォニック/メロディックブラック。
1349のメンバーも在籍してます。


PANTHEON Ⅰ - Atrocity Divine ★★ (2007-09-08 00:31:00)

2006年発表の1st。

一言で表すと、キーボードを生のヴァイオリンとチェロに置き換えた、メロディックでシンフォニックなブラックメタル。私はクサメロは好きだけど、それを奏でる手段はハイトーンヴォーカルや弾きまくりのリードギターよりも、トレモロリフやストリングス、キーボードなどであって欲しいという好みのHMリスナーなので、かなり楽しめました。
こういう好みを持っている人だったら必聴盤といっていい高品質なアルバムです。

やはりストリングスが生なだけあって、メロディのゴシック的な優美さに深みが感じられますね。特にチェロの音色が入っているせいで厚みのある雰囲気になっていると思います。1349のメンバーがやっているからなのか、ドラムの音質はやや軽めとは言え、ブラストの最高速度は相当に速く、それが琴線を掻き毟るトレモロを伴うと、かなり来ますね。

ヴォーカルもちょっと1349似のブラック声ですが、こっちの方が前に出てて良い感じです。何故か新品が安く売られていたり、中古で多く出回ってたりしますが(私が行った店だけかもしれませんが…)、首を傾げたくなるくらい良いアルバムです。確かに1349みたいなブラックを求めて聴くと違うかもしれませんが、シンフォ系としてのクオリティは高いと思います。

タイトル曲や「Now I See」など、部分的には最近のDIMMUを超えたとすら思わせる所も。


PANTHEON Ⅰ - Atrocity Divine - A Mare Void ★★ (2007-09-08 10:18:23)

ホラーちっくなメロディが堪能出来る曲。
疾走パートにリフのようにチェロが絡み付いていくパートは、初期LIMBONIC ARTを連想させますね。LIMBONIC ARTを普遍的なメロディックブラックにしたらこんな感じになるのかもしれません


PANTHEON Ⅰ - Atrocity Divine - Atrocity Divine ★★★ (2007-09-08 10:21:07)

アルバムラストの曲にして、アルバム中最も好きな曲。
チェロやヴァイオリン、ギターだけでなくベースまでが恐ろしくメロウかつメロディックで、最早メロディが洪水というか氾濫しているような感じです。ここまでのメロウさはなかなか聴けるもんじゃないです。メロブラ至高の名曲…といって差し支えの無い完成度だと思います。
一つだけ残念だったのは、ラストアコギで終わりますが、そこにストリングスも絡めて欲しかったかも。


PANTHEON Ⅰ - Atrocity Divine - Beyond ★★★ (2007-09-08 10:19:24)

1349のメンバーの好みが反映されているのか、かなりの激速ブラストが楽しめる曲。ドラムは少し軽めですが、上に乗る音が相当メロディアスなので、むしろプラスに作用しているのではないかと思います。


PANTHEON Ⅰ - Atrocity Divine - Infernal ★★ (2007-09-08 10:20:10)

アルバム1曲目。タイトル曲や「Now I See」辺りの完成度を思うと、1曲目としては少し物足りないかも。エクストリームメタルとしての矜持を見せ付けるかのような、メロくないブルータルなパートがありますが、そこが1349と比べるとちょっと弱い。
とは言えメロディックなパートはやはり素晴らしい出来ですが。


PANTHEON Ⅰ - Atrocity Divine - Now I See ★★★ (2007-09-08 10:16:24)

個人的にはタイトル曲と並んで大好きな曲。
最初の出音からして、ストリングスが歌いまくりで好きな人ならば悶絶確定。ヴォーカルが入ってからのギターフレーズや、疾走パートでのトレモロリフの煽情度も非常に高い、上品な雰囲気の漂う曲。


PANTHEON Ⅰ - The Wanderer and His Shadow ★★ (2008-06-27 19:24:00)

2007年発表の2nd。

上品な美メロをたっぷりとフィーチャーしたシンフォ/メロディックブラックを演ってるのは相変わらずですが、ヴァイオリンが脱退したからなのかバンドが成熟してきているからなのか、1stと比べると作風に変化が窺えますね。悲哀の感情が鮮麗なメロディの奔流となって表れたかのような劇的なメロが多かった1stと比べると、こっちはゴシック的な妖気漂う雰囲気を丁寧に描写していくような、良くも悪くも落ち着いた作風になったという印象。

作風の変化に従って、ヴォーカルもがなり散らすだけではなく、微妙なニュアンスをデス声で表現しようとしてますね。…ただ、その試みは成功しているとは思うんですが、個人的に生理的に苦手なタイプの声になりつつあるのが少し残念。あと、何気に音質が良い…というか味のある音だと思います。ノートリガーである事を高らかに謳い上げるドラムスは激烈でも雰囲気を壊すようなうるささはなく、ギターも歪みが弱すぎず強すぎず、金属的過ぎずでどこかアナログっぽい(?)耳触りの良さのある音でかなり良いと思います。

メロブラに鮮烈な泣きメロ、クサメロの類を求めるならば1st、妖気の漂う雰囲気を求めるならこの作品がお勧め。因みに、CDトレイが真っ黒なので外してみたら、そこにはニーチェの言葉が…その中の「if you gaze for long into an abyss, the abyss gazes also into you」というフレーズはMAYHEMのイタリアのライブ盤で、Maniacが言ってたMCとほぼ同じですね。
ブラックメタルを聴いて、教養を付けるなんていうのも面白いかも(笑)。


PANTHEON Ⅰ - The Wanderer and His Shadow - Coming to an End ★★★ (2008-06-27 19:30:54)

SOLEFALDのLazareがゲストヴォーカルで参加。
彼のヴォーカルの存在感は凄いですね…他のパートはどう聴いてもPANTHEION Ⅰ流儀のメロディック/シンフォニックブラックなのに、彼のクリーンヴォーカルが入るパートはSOLEFALDのような妖しさが漂ってしまっている…(笑)。


PANTHEON Ⅰ - The Wanderer and His Shadow - Origin of Sin ★★ (2008-06-27 19:28:07)

ラストの悪魔笑いが嫌でも印象に残る1曲目。
聴いているとちょっと笑いそうになってしまうんですよね…スタジオで無理矢理テンション上げて大笑いする彼の姿が浮かんできてしまう…(笑)。


PANTHEON Ⅰ - Worlds I Create ★★★ (2009-08-15 19:54:00)

2009年発表の3rd。

前2作から質の高いブラックメタルを演ってはいたんですが、今作は高品質なだけでなく、音や作風が、よりメジャー志向になった感じですね。ブラストパートの大幅増加やデス的なうねりのあるリフの導入により攻撃性が増したこと、リフに1349やOLD MAN'S CHILDに通じるフックが備わりメロブラとしての聴き応えがアップしたこと、ドラムやリフが前に出たメタリックで硬質な音作りになった事で、メタルとしての魅力はかなり増したように思います。

しかも、メロディ面だけでなく、音響面でも曲に優美さを与えるチェロや、ゴシック的な妖気を放つ哀愁のメロディ、ブラックメタル特有のサベージな雰囲気など、このバンドの美点といえる部分は全く失われていないのが素晴らしい。前作ではちょっと微妙だと思ったヴォーカルも、今回より地声から離れた逝きっぷりでなかなか。朗唱タイプの普通声や低音デスヴォイスの導入など、一本調子に聞こえさせない工夫があるのもいいです。

美しいメロディに酔い痴れたいなら1st、ゴシックな雰囲気に浸りたいなら2nd、質の高いかっこいいメロブラが聴きたいならこの作品がお勧めなんですが、特にこだわりがないならまずこれを聴いて欲しい所。リフがかっこよく、耽美なメロディがありつつも凶暴で、かつドラマティックな作品を求めるなら是非。
日本盤未発売ですが、普段輸入盤買わない人もこれは買っておく価値ありますよ。


PANTHEON Ⅰ - Worlds I Create - Ascending ★★★ (2009-08-15 19:32:51)

ノーマル声を上手く取り入れた展開は、最初後期EMPEROR的かなと思ったんですが、敢えて豪速ブラストに乗せる辺りはANAAL NATHRAKHの手法に近いのかも。かなり品のある、良い声出してると思います。


PANTHEON Ⅰ - Worlds I Create - Bannlyst ★★★ (2009-08-15 19:29:43)

なんか笑い狂ってるし、その後の演奏も狂ってるし…
前曲の狂いっぷりといい、何か嫌な事でもあったのでは(笑)。


PANTHEON Ⅰ - Worlds I Create - Burn the Cross ★★★ (2009-08-15 19:35:24)

1stや2ndを聴く限り、ここまで攻撃的な音を出すバンドだと思いませんでしたが…ヴォーカルも物殴りながら叫んでそうな勢いだし。豪速ブラストが炸裂する中での、フックのあるギターフレーズが凄くかっこいいです。


PANTHEON Ⅰ - Worlds I Create - Myself Above All ★★★ (2009-08-15 19:27:49)

「大化けした」とは言われてましたが、まさかここまでメジャー志向な音になったとは…最初のトレモロリフの応酬で疾走していくパートを聴いて呆気に取られましたもん。
ブックレットには、「このアルバムは俺達に逆らう奴等や、俺達の芸術を信じない奴等への強烈な一撃となるだろう。FUCK OFF!」と書かれてますが…このパートだけで、それ以上の効果があるのではないかと思います。


PANZERCHRIST - 7th Offensive ★★ (2015-05-23 20:53:58)

2013年発表の7th。

93年から活動しているようなので、20周年のアルバムですね。キャリアのあるバンドらしく、非常にハイクオリティなエクストリーム・メタルを展開しています。路線としてはデス要素の強い非常にブルータルなブラックという感じで、速弾きのリードフレーズを多用していたり、かなりメタリックな印象の強い音。

時折挿入されるブラック由来の禍々しいトレモロ、ドスの効いたグロウルに挟まれる切羽詰ったような絶叫が、良い感じに禍々しさを醸し出していますね。超スピードながら粒の揃った音のドラミングといい、整ったプロダクションといい、攻撃性の中にも安定したクオリティと、貫禄を感じるような音。ただ個人的には、楽曲に安定感ありすぎるのが逆に「もう一声」と思う要因に感じるかも。もうちょっとイカれて欲しいというか。

とは言え、キャリア通りの質の高さがあるエクストリームメタルですので、この手が好きならば買ってまず損はしないかと。音の整ったファストパートがとても気持ち良い。


PARAGON IMPURE ★★ (2013-08-18 17:57:57)

LUGUBRUMのメンバーも在籍する、ベルギー産ブラック。
前衛的なLUGUBRUMとは違い、こちらは邪悪さに特化した感じの音。


PARAGON IMPURE - To Gaius! (For the Delivery of Agrippina) ★★ (2013-08-18 17:59:43)

2005年発表の1st。
2009年にDaemon Worshipより2曲のボーナスを付けて再発。

…もうこれは聴いた瞬間、カルトっぷりに圧倒されてしまいますね。蟲の羽音と金属質なノイズを組み合わせたような、音圧の高い、かつノイジーなプロダクションに、深みに落ちていくような、邪悪なメロディを込めたリフが乗ると、もうそれだけで底の見えない、悪意の塊のような暗闇を感じさせる音像の出来上がり。最早どす黒い瘴気が目視できてしまいそうなほどの邪悪さです。

…他のバンドを例に挙げるなら、DEATHSPELL OMEGAの2ndや3rd辺りを、芸術性をカッ剥いでノイジーさと音圧で更に凶暴にした感じでしょうか。ヴォーカルもMikko Aspa並みにドスの効いたガナリかつ、Attila Csihar系の唸り絶叫を繰り出したりカリスマ性がありますし。ただ、本編の終わりに「騎士たちの踊り」(ソフトバンクのCMのアレ)に効果音を被せたエンディングがあるのは、何だか気が抜けてしまいますが…(笑)。

2005年以降リリースがないにも関らずDaemon Worshipが目を付けるだけのことはあって、あのレーベルのバンドが共通して持ってるような邪悪さは、このバンドも色濃く持っている感じですね。ノイジーでやや聴き手を選ぶとは言え、邪悪度だけでいったらこのレーベルの所属バンドでもかなり上位に食い込めるかもしれません。カルト志向な方は是非。


PARIA - Vermin Race ★★★ (2014-05-14 18:43:03)

2009年発表の1st。
…これはまた良いバンドを見つけてしまいました。

分類としてはアヴァンギャルド・ブラックになるのでしょうか。地下ブラック特有の、密教的な湿り気を感じさせる邪悪なムード、疾走パートにおける前のめりな暴虐性を身上としながらも、変化に富んだリズムで聴き手を常に幻惑するような、禍々しくも前衛的なブラックで、特にこのドラミングがたまらなくかっこいいんですよね。

聴き手に意識を反らさないことを強制するようなリズム構成は、身の置き場の無さを感じさせ、良い意味で気持ち悪くもかっこいいんですが、疾走パートの素晴らしさには更に舌を巻くばかり。一見オールドスクールな疾走をしていても、意識の外を突いて繰り出されるボディブローのようにバスドラのフレーズを仕込んできたり、ドラムセットをしばき倒すような、速さだけでなく勢いを感じさせるブラストなども実に爽快。

ギターパートもドラミングに対応してか、しっかり「毒」の効いたフレーズを聴かせてくれてますね。アルバム導入部のギター・ベースの絡みなんかは実に淫靡。ノイジーさを伴うリフ捌きも、抽象的で正体を掴めない様なミステリアスさを感じさせてグッド。ヴォーカルは時々感情が入りすぎていて素っ頓狂な裏返り声になったりしてますが(笑)、基本的にドスの効いたがなりでそういう部分も含めて味と言えるでしょう。負のエネルギーは十分すぎるほど伝わってくるパフォーマンス。

WATAIN辺りの暴虐でドス黒いブラックと、VED BUENS ENDEの持つ前衛性、抽象性を掛け合わせたような印象の作風で、メンバー的に繋がりのあるKATHAARIAなどが路線としては近いでしょうか。ただブラストパートのキレ具合などもあり、与えるインパクトはこちらの方が上だと思う。サウンドクオリティを下げずにカルト性を演出する、その見本のような音で、ジャーマンブラック勢の中でもかなりお勧めです。


PAROXYSMAL DESCENT - Paradigm of Decay ★★★ (2012-06-11 21:59:06)

2008年発表の1st。

スローテンポを中心にある程度疾走も取り入れた展開、アンビエント要素や空間系のキーボードを取り入れ、篭もり気味の音質と同化させることで頽廃的なムードを演出する音作り、トレモロリフによって奏でられる陰鬱なメロディ…と、典型的なアトモスフェリック/ディプレッシブブラックの音を出している作品で、最初聴いたときは「取り立てて個性がなくて平凡」という印象だったんですが…少し時間を置いてから聴いたら凄く良い作品だと思えるようになってきました。

このジャンルにおける発狂ヴォーカルや、高音域のノイズ質もしくはトレモロによるメロディを殊更に強調した音質などは、それだけで作品の特徴足りえるほど強烈なイメージを聴き手に残すものですが、敢えてそれらを取り入れないことで、より自然に聴き手を音の中に取り込んでいく作品に仕上がっている感じなんですよね。一部が変に耳を惹くのではなく、音全体が自然に存在する感じというか…。

ノイジーでありながら、キーボードの幕が掛けられた篭もった音質も耳に痛くなく、むしろ心地良いですし、篭もった音の中から聴こえてくる絶叫やトレモロリフ、聴き手のテンションをLowに保ったままの疾走など、各要素がその自然な鬱情景を描くことを後押ししている感じ。大っぴらに前面に出てくるわけではないものの、何気にトレモロリフに込められた鬱メロディのセンスもかなり良いと思う。

音が自然な分初聴のインパクトは少なく、ジャンルに初めて触れるような人には敢えてお勧めはしませんが、鬱系を聴いてるとリラックスできるくらいのブラック好きには推薦。ちょっと仮眠を取るときとか、半覚醒くらいの状態で聴くと最高ですよ、悪夢見そうで(笑)。オーストラリアの鬱ブラックではSTRIBORGが有名ですが、もっと聴きやすい音だと思います。