この曲を聴け!
Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4901-5000

MyPage

Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4901-5000
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86
モバイル向きページ 


PIERROT - DICTATORS CIRCUS -A variant BUD- - クリア・スカイ ★★★ (2004-09-16 11:01:18)

メジャー初の音源となった、いかにも一般受けしそうなポップな曲。
「MAD SKY」が戦争を起こす側、「ラストレター」がその犠牲となった者達の物語であったのに対し、この歌詞はそれを俯瞰しているような印象があります。こういう歌詞の繋がりを読み解くのもPIERROTの楽曲の醍醐味と言えると思います。音的にはアウトロなどで聴こえるギターのフレーズが好き。
アルバム版はアレンジされ、歌詞も付け加えられていますが純粋にポップ感のあるこちらの方が良い出来だと思います。


PIERROT - DICTATORS CIRCUS −奇術的旋律− ★★ (2004-09-18 12:29:00)

PIERROT初のベストアルバム
…ですが、収録曲が全曲インディーズ時代の楽曲の再録ヴァージョンというのが
彼等らしいひねくれ方ですね(笑)。初回盤はメイキングDVDとボーナストラックに
オムニバスに提供された「『トウメイ』故『人間』也」(これも勿論再録)を収録。
インディーズの音源と比較すると音質が良くなり、特に「パンドラの匣」の収録曲が高音質で
楽しめるのは嬉しいです。また、「自殺の理由」「鬼と桜」や「青い空の下…」などでは顕著ですが、
楽曲にアレンジが施され、幻想的な曲は更に深い世界観に、攻撃的な曲は更にフィジカルになった印象を受けました。
インディーズのころの楽曲ということで妖しげな曲が多いですが、メロディの立った曲が
多いですし「トリカゴ」「SEPIA」「HUMAN GATE」など取っ付きやすい楽曲もちゃんと
入っているので、PIERROTを知らない人でも十分楽しめる内容かと思います。


PIERROT - FINALE ★★ (2004-09-18 12:58:00)

メジャー初となるフルアルバム。
ここからPIERROTのコンセプチュアルな世界観が幕を開けるようです。
このアルバムが他のアルバムと違う点は、バラードが多い事でしょう。
PIERROTはバラードが少な目なバンドだと思いますが、このアルバムでは
「ECO=SYSTEM」「SACRED」「ラストレター」と少し多めになっています。
ただ、この作品はシングル曲やファンの大合唱が起きる「Child」や前述のバラードを除くと、
やや全体的にメロディが弱目な印象があります。シングルのカップリング「蜘蛛の意図」
「MOTHER scene2」「Labyrinth」は印象的なメロディの宝庫と言っても過言で無いだけに…う~ん…。
歌詞的には「FINALE」で創造主が主人公と主人公の恋人を創造し、「ICAROSS」までが
その2人が織り成すストーリーで、「ラストレター」で戦争が起き主人公が死亡、
「クリア・スカイ」は死んだ主人公がその戦争を俯瞰してる物語、「Child」で輪廻の後の
再会を願いながら眠りにつく…これで終わりだと思わせながら「Newborn baby」で輪廻は
失敗し、主人公は突然変異体となってしまう…というストーリーでしょうか。
なんだか「To be continued...」という文字が出てきそうな終わり方ですね(笑)


PIERROT - FREEZE - CLOWN'S MUTTER ★★★ (2004-12-12 21:20:45)

初聴きで一番かっこいいと思った曲。
疾走にホーン系のギターシンセが凄く良くあっていると思います。Bメロからの展開がキャッチーで即効性があって良いですね。


PIERROT - FREEZE - FREEZE ★★ (2004-12-05 20:20:15)

Aメロ部分の高揚感のあるギターフレーズと硬質ながなりの掛け合いが何ともかっこいい曲。一曲目にして洋楽へヴィロックに勝るとも劣らない音像を提示する事に成功していますが、ちょっとアルバムの掴みにしてはサビが地味な気がします。


PIERROT - FREEZE - MYCLOUD (2004-10-27 23:30:26)

「Psychedelic Lover」並にドライブ感のあるロックで、ライブを意識して作った曲らしいです。ただ、ややサビのメロディにインパクトが足りず流れていってしまう印象。ライブの山場になる曲ならもう少しキャッチーさに拘って欲しかったかも。


PIERROT - FREEZE - PERFORMANCE ★★ (2004-12-12 21:21:02)

明るいメロディを持った曲ですが、そのメロディと「…ちゃおうぜ」とネオグロテスク並にはっちゃけた歌詞が相まって、人をクった様な妖しさが出てます。歌詞の内容がなんかロックスターっぽいですね(笑)


PIERROT - FREEZE - Smiley Skeleton ★★ (2004-12-12 21:21:19)

これもMYCLOUDと同じく、先行シングルに選ばれた曲。
個人的にこの曲のギターソロ大好きです。クラシカルなメロディを「これでもか」と引き倒すソロよりもこういう雰囲気あるソロのが好き。


PIERROT - FREEZE - UNMASK ★★★ (2004-12-12 21:20:01)

やばい…「♪真っ逆さまに落ちて行く…」からの歌メロ、ツボすぎる…(笑)PIERROT節炸裂って感じのダークで嫌らしいメロディです。ここだけで★3つ。
でも、このメロディが全体を通して一回しかでてこないのは、ちょっと勿体無い気がします。


PIERROT - FREEZE - WINDOW (2005-02-01 23:16:37)

「ICAROSS」「AGITATOR」「壊れていくこの世界で」「HILL-幻覚の雪-」に続く、サビが「だから~」で始まる曲。
メジャー進出後、アルバム一枚に付き「だから」ではじまるサビの曲を入れるのは何か意図があってのことでしょうか(多分偶然だと思いますけど・笑)


PIERROT - FREEZE - パラノイア ★★ (2004-09-16 11:06:52)

やたらとかっこいいギターリフと、それにユニゾンするようなBメロの歌が素晴らしい曲。
この歌詞はリストカッターに向けて作ったものらしいですが、そういう人たちの事を理解出来ないと言いながらも「目覚めたならその苦しみを引き受けよう」というメッセージが込められている所にキリトさん流の優しさが現れていると思います。


PIERROT - FREEZE - 深い眠りが覚めたら ★★ (2004-12-12 21:20:28)

キリトさん…この曲の低音はちょっと無理してません?
でもサビの歌声には過去最高の深みを感じました。


PIERROT - HEAVEN 〜THE CUSTOMIZED LANDSCAPE〜 ★★ (2004-09-18 12:29:00)

PIERROTのメジャーでは3枚目となるアルバム。
どうやら「FINALE」にて始まったコンセプチュアルな世界観はこの作品にて一旦終わるみたいですね。
楽曲的には、まず耳につくのがディストーションギターの音が分厚くなったり、
インダストリアルノイズを効果的に取り入れたりと前作からかなりの進歩が伺えます。
「AUTOMATION AIR」ではなんとドラムンベースが…PIERROTでこんな音が聴けるとは思いませんでした。
全体的に見て曲から独特の妖しさが薄くなり、明るいメロディを持った楽曲が増えた事で
より広くアピールする作品になったと思いますが、古くからのファンの中にはこの変化に
戸惑ってしまった人もいたようです(個人的に「BELIEVER」辺りは今までと違った妖しさが有って、それはそれで良いと思う)。
歌詞的には「BIRTHDAY」でこの物語の主人公が新たな命を祝福できるようになって
完結したようですが、その後のボーナストラックの「SUPER STRING THEORY」は物語全体を
包括してのエンディングテーマといった所でしょうか。
ちなみにボーナストラックは2曲入っていて、前述のSSTの他にも
「HEAVEN」を巻き戻す事で「PARADOX」という曲を聴く事が出来ます。


PIERROT - HEAVEN 〜THE CUSTOMIZED LANDSCAPE〜 - AUTOMATION AIR ★★ (2004-09-15 22:30:22)

いきなりなドラムン・ベースに驚くであろう曲。
インダストリアルノイズの「ガー」っていう音や、風情のあるベースのフレーズが耳に心地良いです。因みに歌詞の空白部分は「記憶が危うくて、大事な言葉がぽろぽろ抜け落ちてしまう感じ」だとか。


PIERROT - HEAVEN 〜THE CUSTOMIZED LANDSCAPE〜 - BELIEVER ★★ (2005-06-12 13:28:29)

Pierrot一色々な音楽を聴いているらしいアイジさんならではのメロディですね。それにしても、この曲はベースの音色が良いです。


PIERROT - HEAVEN 〜THE CUSTOMIZED LANDSCAPE〜 - HEAVEN ★★ (2004-09-16 11:01:44)

インダストリアルノイズとギターのアルペジオの絡みから始まる、明るいメロディを持ったミディアムテンポの楽曲。
イントロのディストーションギターの分厚い耳触りからして前作よりもサウンド面で進歩していることを実感させられます。このギターの音色、心地良くて大好きです。


PIERROT - HEAVEN 〜THE CUSTOMIZED LANDSCAPE〜 - HOME SICK ★★★ (2004-09-15 22:29:22)

この曲、一聴しただけではあまりへヴィに聴こえないんですが、実はサビ部分でかなり歪みを効かせたヴォーカルを重ねて録っていたり、ベースがグリス(っていうのかな?)を多用しグルーヴィな感じを出していたり、かなりへヴィで聴き所満載な曲です。
メロディが何気にキャッチーで、短くまとまっている所からも印象が良いです。


PIERROT - HEAVEN 〜THE CUSTOMIZED LANDSCAPE〜 - PARADOX ★★ (2004-09-15 22:30:03)

アルバム一曲目を巻き戻す事で聴く事の出来るシークレットトラック。タイトルは本当は鏡文字表記です。
一万枚限定で発売されたシングル曲ですが、ここに収録された事で普通に聴けるようになりました。ギターシンセがかっこよく、キャッチーに疾走するこの名曲を限定された人たちのみの物にしておくのは勿体無いですよね。


PIERROT - HEAVEN 〜THE CUSTOMIZED LANDSCAPE〜 - REBIRTH DAY ★★★ (2004-09-15 22:29:44)

PIERROTの中でも明るいメロディでポップな楽曲。
ですが綺麗な願望を一旦突き崩す(その後に新たな希望を描くとはいえ)歌詞や、インダストリアルノイズがさりげなく入れられていたりPIERROTらしい毒も盛り込まれています。とはいえ、取っ付きやすくて良い曲だと思います。


PIERROT - HEAVEN 〜THE CUSTOMIZED LANDSCAPE〜 - 壊れていくこの世界で ★★ (2004-09-24 07:28:34)

編曲に佐久間正英さんが関わっただけあって、非常に聞き入れやすいバラード。
「クリア・スカイ」が戦争中の曲だとしたら、これは戦争が終わった後の荒廃した大地を見つめている印象です。何気にドラムの音の位置にギミックがあります。


PIERROT - HEAVEN 〜THE CUSTOMIZED LANDSCAPE〜 - 新月 ★★★ (2004-09-15 21:46:11)

かなりシンプルな疾走ロック。
メロディが分かりやすく、単純にかっこいいので非V系ファン、非ハードロックファンでも聴きやすい楽曲だと思います。終わり方がいきなりアコギが出てきたり、唐突な展開で面白いです。もし私がPierrotを知らない人に一曲だけ聴かせるとしたら、この曲を選ぶと思います。


PIERROT - ID ATTACK - GOD BLESS xmexxxx (2004-09-16 18:53:25)

「ラストレター」「クリア・スカイ」ではかなりオブラートに包んだ表現の戦争批判でしたが、これはかなり直接的です。
タイトルの「xmexxxx」は「America」の事だとインタビューで言ってましたが、流石にそのままではマズいのでしょうか(笑)


PIERROT - ID ATTACK - HILL -幻覚の雪- ★★★ (2004-09-24 07:29:29)

こんな疾走 哀愁系のメロディ持った曲をシングルにするとは珍しい(笑)
ストリングス系の音色のギターシンセの醸し出す空気感や、迫力あるコーラスワークも特筆モノです。カップリングにこの曲のストリングス オルゴールのインストバージョンが収録されていますが、そちらもPIERROTらしからぬ泣きメロが思う存分堪能出来るのでお勧めです。


PIERROT - ID ATTACK - MORNING JUNKY ★★★ (2004-09-19 19:48:51)

FREAKSと似た展開(サビ以外がヘヴィ、サビはキャッチー)を持つ曲ですが、2つのパートのギャップや破壊力はこちらの方が上かと思います。
歌詞がアルバムのテーマを象徴している気がします。


PIERROT - ID ATTACK - a pill ★★ (2004-09-16 18:52:24)

打ち込みっぽいリズムが新鮮な曲。ドラッギーな世界観を持つアルバムの幕開けとして相応しい楽曲だと思います。
個人的な聴き所は一回目及び最後のサビ後のギターシンセのメロ。メロ自体なかなかですが、何よりも音色がツボに入りました。


PIERROT - ID ATTACK - ネオグロテスク ★★ (2004-09-16 18:53:47)

攻撃的な曲ですが、以前と違い妖しさが消えてより肉体的になったような感じのする曲です。それにしても…「ブチギレそうな」とか「ヤバ過ぎる」とか、「なっちゃおうぜ」とか一体キリトさんに何があったのか!?と思うほどのはっちゃけ振りです(笑)


PIERROT - ID ATTACK - 革命の黒い翼 ★★★ (2004-09-16 18:51:56)

これはアルバムの目玉曲でしょう!!
イントロから力強いベースリフとドラムにやられます。Bメロからテンションが上がりアグレッシブさを増して行くヴォーカルもかっこよく、HEAVENのポップ性にがっかりしてしまった古参ファンで、この曲を聴いてファン上がるのを見送った人も多いのではないでしょうか。


PIERROT - ID ATTACK - 薔薇色の世界 (2004-09-16 11:00:15)

この曲、最初聴いた時メロディの明るさと乗りやすいリズム、パワーコーラスに流行りの青春パンクかと思ったんですが、全然違いましたね(笑)ちゃんとPIERROT流の曲になってますが、最初は本当に驚きました…


PIERROT - PRIVATE ENEMY ★★ (2004-09-18 12:59:00)

メジャー2枚目となるアルバム。
この作品はPIERROTの中でも最も癖の強いアルバムと言えるかもしれません。
今までの幻想的な雰囲気はやや抑えられ、何となく機械的な妖しさが加わった感じがします。
またメロディの方も前作より耳に残るものでありながら一筋縄ではいかない、
個性的な物が増えて良くなったように思います。攻撃性も上がっていて、特に「FOLLOWER」や
「FREAKS」辺りは前作ではまず聴かれなかったようなアグレッションの高さがあり、
私はこのアルバムでPIERROTにはまりました。
歌詞的には、前作の「Newborn baby」で生まれた突然変異体が主人公の物語でしょうか。
「THE FIRST CRY~」「CREATURE」は誕生の曲で、「ENEMY」で社会競争に巻き込まれ、
「MASS GAME」で社会の歯車になり、「不謹慎な恋」「WALTZ」辺りで狂気が芽ばえ、
「ATENA」辺りで輪廻した恋人と再会するが既に主人公は狂気に捕われていて、「神経~」で
その関係は破局を迎え、「THE LAST CRY~」で独りで生きていく決心をする(To be continued)という感じでしょうか。
でもストーリー的にどう位置付けられるのか解釈できない曲も有るんですよね…
「ゲルニカ」「FREAKS」なんかが特に。これは全作品に言える事ですが、
キリトさんの詞は多面的に描かれていて、単なる一本道のストーリーでは無いのかもしれませんね。


PIERROT - PRIVATE ENEMY - AGITATOR (2004-09-19 05:02:33)

ヴィジュアル系でシャッフルのリズムをやると昔の歌謡曲的なメロディの楽曲が出来やすいような気がしますが、この曲は機械的な感じでその手の曲達とは一味違う感じですね。むしろ個人的には歌メロを重視したMarilyn Mansonというイメージがあります。


PIERROT - PRIVATE ENEMY - ATENA ★★★ (2004-09-16 18:52:41)

何かを祝福するように終始鳴り響いている鐘の音を模したギターが心地良い曲。
アルバム内では突き抜けたような明るさを持つ曲ですが、実はこの主人公は狂人で、何かに取り憑かれているかのような躁状態を現しているとか。


PIERROT - PRIVATE ENEMY - Analyze Chat 「FREAKS」〜FREAKS ★★ (2005-02-01 23:03:39)

確かに詞はちょっと…
一番で加害者の視点、二番で被害者の視点、サビは俯瞰視点で見た詞を書くなどの工夫が欲しかった所。俯瞰視点だけで一方的に断罪するような表現には疑問を覚えますし、加害者の動機を「性衝動」と言い切っているのも頂けないです。曲がかっこいいだけに惜しいですね…
ANALYZE CHATの方は笑っちゃいました。
あんなに白々しいニュース無いですって(笑)
「愛情に飢えていたんでしょうかね~」の言い方が面白い。


PIERROT - PRIVATE ENEMY - ENEMY ★★ (2004-09-19 19:49:38)

この曲、多分社会競争を批判した物だと思いますが…どうしても受験の曲に聴こえてしまう(笑)
「♪眠りに就くなら覚悟を決めな」→「受験勉強を放棄して居眠りするなら落ちる覚悟を決めな」
「♪死んだ自分を瞼に浮かべな 隣に君の敵が笑ってるだろう」→「受験に落ちた自分を想像してみろ そのぶん合格する奴が増えてライバル達は喜ぶだろう」
のように解釈してしまいます(笑)


PIERROT - PRIVATE ENEMY - FOLLOWER ★★ (2004-09-15 22:28:23)

ガラクタを組み立てて作ったドラムの音が面白い曲。
この曲は「青い空の下…」とリンクする世界観を持ち、宗教団体について歌った曲らしいですが、歌詞中の「ナマエトカカエレバ」は大事件を起こしたり改名したりした某宗教団体に言及してるんでしょうねぇ…


PIERROT - PRIVATE ENEMY - FOLLOWER ★★★ (2005-04-22 23:25:07)

そういえば、この曲の間奏で「僕はメロンが好き」と早回しで録音されているらしき箇所がありますが、あの教祖ってメロン好きだったらしいですね…やっぱり大好きです、この一歩間違えたら洒落にならないセンス(笑)


PIERROT - PRIVATE ENEMY - MASS GAME (2004-09-15 21:55:56)

この曲はピエラーの間では振付けの方が有名でしょうか(笑)
私的にはリフが変なメロディで面白かったり、キリトさんの妙な節回しのファルセットなどが気に入っています。何か変なノリのある曲ですよね。


PIERROT - PRIVATE ENEMY - Waltz ★★ (2004-09-16 18:53:03)

この曲、タイトルの割にリズムが全然ワルツじゃないんですが…(笑)
このタイトルは音の塊を縫うような感覚のヴォーカルがまるでワルツを踊っているような軽やかさがある、という事でこのタイトルになったとか。歌詞は前曲と少しリンクする場面もありますね。


PIERROT - PRIVATE ENEMY - 不謹慎な恋 ★★ (2004-09-16 18:54:06)

ストーカー的な愛情を歌った、PIERROT流のタンゴ。
このリズムが案外、彼等の音楽性と合ってます。サビのオクターブ下のユニゾンがダークさを表現してて良いです。


PIERROT - Screen - screen1 トリカゴ ★★★ (2004-09-16 11:10:54)

この曲、サビのメロディに静と動があってそこだけを抜き出してみても素晴らしい楽曲だと思います。このメロディ、キリトさんの声と良くマッチしてて本当に良いです。
カラオケで歌うと、「♪安らぎに溺れあう~」の入りが異様に難しいですが、符割りは一体どうなってるんでしょう…


PIERROT - パンドラの匣 - KEY WORD ★★★ (2005-02-01 23:12:40)

PIERROTらしい、妖しくキャッチーなメロディを持った曲。
かなりいい曲だと思うんですが、DICTATORS CIRCUSで録り直されなかったのはかなり残念…今の実力で演奏したヴァージョンを音源として残して欲しかったな~。


PIERROT - パンドラの匣 - SEPIA ★★ (2004-09-16 10:59:54)

オムニバスにも収録された、インディーズ時代の代表曲。
メロディが美しく疾走するという他のバンドでは王道っぽい曲ですが、PIERROTがやるのは珍しい気がします。メロディの種類が多いけれど、そのどれもが良く、これをオムニバスに入れたのは正解だと思います。


PIERROT - パンドラの匣 - ドラキュラ ★★ (2004-09-16 11:00:53)

まず直球なタイトルにびっくりな曲(笑)
イントロのギターのメロディが何気に耽美でありながら泣きメロで、楽曲の雰囲気を上手く表現していると思います。個人的にサビよりBメロが好き。


PIERROT - パンドラの匣 - メギドの丘 ★★ (2004-09-19 05:02:12)

「メギド」というと、黙示録の中のハルマゲドンの地でしょうか(実は読んだ事無いんですが)。珍しく宗教に影響されたような詞ですね。私もこの曲はパウダースノウに通じるものがあると思います。歌詞がクリスマスソングっぽい所から、季節も「冬」で共通しているようですし。


PIERROT - パンドラの匣 - 青い空の下… ★★ (2004-12-23 09:02:57)

これも「FOLLOWER」と同じく、某宗教団体についての曲(そういえば歌詞中の「シヴァ神」はその教祖が崇めた神ですね)。
タイトルから連想できないような歌詞が面白いです。因みに、ラストの台詞は「まだ終わってはいない…」(リメイク版では「もう、終わりかもしれない…)だとか。


PITA (PETER REHBERG) ★★ (2008-10-20 18:59:00)

SUNN O)))のStephen O'Malleyと共にKTLを結成したり、
ULVERの10周年記念リミックスアルバムに参加したりなど
HR/HMとも深いつながりを持つアーティスト。
レーベル「Editions Mego」のオーナーでもあります。
最近KTLで来日したみたいですね。


PITA (PETER REHBERG) - Work for Gv 2004-2008 ★★ (2008-10-20 19:01:00)

2008年発表の音源集。
人形師/振付師であるGisele Vienneという人物の「I Apologize」
「Une Belle Enfant Blonde」「Jerk」という作品の為に書かれた曲を纏めた物のようです。
しかし、こんな前衛的な音楽を用いた舞台(人形劇?)って一体どんな感じなんだろう…。
アートワークの人形も妙に人間臭い表情だし、恐そうなような面白そうなような…。
路線的には、ポエトリーリーディングを入れたりサンプリングを多用するなど
メタルから更に離れた価値観を有してそうな音とはいえ、基本的にノイズ/ドローン/
インダストリアルでKTLが気に入ったなら問題なく入れるであろう音。
じっくりと長い時間をかけて展開するKTLと比べると、こっちの方が振り幅が広く、
変化に富んだ音になってると思います。ドローンに乗せたポエトリーリーディングでは、
高校のリスニングの授業を思い出しちょっと懐かしい気持ちに(笑)。
ノイズパートも2曲目ではそのノイズに「流れ」が感じられたり、3曲目では針の様に細い
レーザー光線を耳に入れられて脳のシワを掃除されている気分になったり、音作りはやはり
かなり面白い。3曲目を聴いた後に頭をトントンしたら耳から老廃物が出てきそう(笑)。
しかし、これだけ金属的な音を轟音で鳴らしてるのに、どこか心地良い音なのは凄いですよね。
普段からディストーションギターのノイジーな轟音に慣れ親しんでいるメタラーなら、
この音作りの巧みさを味わい、心地良さに酔えるのではないかと思います。
…ちなみに、私はタワレコで買ったんですが、混入したのか仕様なのか分かりませんが、
一枚用のケースの中に全く同じCDが二枚入ってたんですけど…。
値段は一枚分だったので良かったですが…布教しろって事でしょうか(笑)。


PITA (PETER REHBERG) - Work for Gv 2004-2008 - Slow Investigation ★★★ (2008-10-20 19:04:15)

これはヘッドフォン/イヤフォン大推薦。
ノイズのレーザーが鼓膜を透過し、脳を焼き焦がし火花を上げる様が浮かんでくるような音。「HUNTER×HUNTER」にキャラクターが脳を針で弄り回されるシーンがありましたが、その時の被害者が聞いてるのはこういう音なのかも…。意外にメロウなパートもありますが、聴いていると現実感が失われていきそう。


PLAGA - Magia gwiezdnej entropii ★★★ (2014-10-20 22:18:12)

2013年発表の1st。
実はこの作品も某所のセールで格安で購入できたんですが、投売りされるのは余りにも惜しい好内容ですよ、これ…。

内容としては、暴虐性よりも地下臭い雰囲気をより重視したような、オカルトめいた雰囲気漂うブラックメタル。音の作り方は非常に上手く、フレーズを聴かせるのに十分なクリアさを保ちつつ、地下臭い湿り気も感じさせるプロダクションはブラック好きであればかなり共感できるはず。トレモロと歪みのバランスの良さは、スウェーデンのCRAFT辺りに通じるものがあると思う。

その、トレモロリフのメロディが、また素晴らしいんですよね…。メロウながら、精神世界に踏み込むようなスピリチュアルな感触があるというか。ポーランドのバンドですが、桜の木の下に死体が埋まってる的な恐ろしさがあると思う。メンバーは同郷の、これまた高いメロディセンスを持つバンド、LEICHENGOTT絡みということで、このエグいまでのオカルティックなトレモロリフも頷けます。

また、単にアングラなブラックメタルというだけでなく、タメの利かせ方だったりメロディアスなリードギターのメロディだったり、時折オカルト系ハードロックバンドが演りそうなフレーズが出てくるのも特徴。泣きメロが横行する後半は若干メタリックになりすぎな気はするものの、前半部はブラックそのものが持つ禍々しさと合わさる事で、上手くメリハリの付いた音になっているように思います。決して禍々しさだけの一枚岩だけじゃない仕上がり。

これは定価で買ったとしても、それ以上の価値はあったと断言出来たであろう、かなりの良盤ですね。個人的にはよりオカルト性高いメロディが聴ける前半部が特に気に入ってますが、後半部の泣きメロパートもそれはそれでかなり高品質ですし、お勧めできる作品です。


PLASMA JET - RED SOLITUDE ★★ (2009-05-04 23:20:00)

国産メロデスバンドの2曲入りシングル。2008年発表。
タイプとしては、モダンな方向にいかずクサ方向にひた走ったARCH ENEMYとか、
リフワークに比重を置いたSERPENTとか形容したくなる、ツインギターによるキャッチーな
メロディを聴かせるメロデスで、クサメタラーにも強くアピールするタイプの作風と言えそう。
曲数は2曲と少ないながら、ソプラノをフィーチャーした「Red Solitude」、メロデス的
ギターワークの中にブラック風のトレモロを派手に炸裂させる「Black Twine」とどっちも
際立った個性と魅力を持つもので、アルバムが楽しみになってくる内容。音質は悪い…というより、
バスドラやヴォーカルの歯擦音がうるさめな、多少垢抜けなさが残る感じですが、まあ許容範囲。
ちなみにヴォーカルは女性で、ソプラノとデス声の両方を使うタイプ。
デスヴォイスは低音グロウルを多用していながら女性と分かる声で、多少迫力に欠けるきらいも
ありますが、ゴシックドレスを着た女ゾンビが刃物振りかざしているような恐さがありますね。
ソプラノも歌メロ入れてキャッチーにしつつ、ゴス的ムードを際立てるのに貢献してると思う。
アルバムではもっとソプラノ使ってくれると良いなぁ…。
最近、HR/HMにも女性をフロントや中心人物に据えるバンドが増えてきていますが、個人的には
凄く良い傾向だと思う。その手のバンドって、「バンドの顔」のイメージに合わせて、
メロディを女性的なものやゴス寄りの耽美なものにしやすい傾向にあると思うんですが、
そういうメロディってメタルの硬質な音やドラマティックな展開と凄くマッチするんですよね。
もちろんこのバンドにもそうした傾向が見られますが、クサメタラーとしては大歓迎です(笑)。


PLASMA POOL - Drowning ★★ (2012-09-19 10:40:37)

97年発表の、おそらく2nd。

Attila Csiharが参加していた事でも有名なバンドですが、音楽性はメタルとは少し距離を置いてる感じなんですね。打ち込みのリズムにシンセやサンプリング、Attilaのヴォーカルが乗り進行していくインダストリアルで、ギターこそ入っていないものの、アトモスフェリックなシンセが醸し出す近未来的だけど破滅的な雰囲気は、ABORYMなどのサイバー系ブラックに確実に通じるものがあると思う。厭人的、厭世的なムードが如何にもブラック人脈っぽい感じ。

そしてAttilaのヴォーカルは相変わらず人外ですね。
彼のトレードマークと言える低音で呪詛を唱えるような、ドスの効いた唸り声ももちろん聴けますが、ホイッスル気味の高音でキイキイ喚いてみせたり、低音で妖しく語るような声を聴かせたり、やはりこの手のヴォーカルの中でも抜群に表現力に長けている感じ。ダンサブルなリズムに合わせたノリの良いヴォーカルラインもあって、単に邪悪なだけではないパフォーマンスを聴かせてくれます。

Attilaが参加している割には意外とネット上に日本語のレビューが少ない気がするんですが、やはりこのギターが入ってない、純粋なエレクトロな音がメタラー受け悪いんでしょうか…。ブラックに共通するムードはありますし、ULVERの「Metamorphose EP」「Themes from~」やSAMAELの「Era One」辺りの音源を楽しめた方であれば、何の問題もなく受け入れられると思う。


PLEBEIAN GRANDSTAND - Lowgazers ★★★ (2014-10-02 22:35:04)

2014年発表の2nd。

レビューサイトやショップでの評価を見る限り、近年のDEATHSPELL OMEGAを始めとしたカオティックなブラック好きに大ウケしているようだったので、私も購入しましたが…なかなかに凄まじいですよ、これは。テクニカルさに裏打ちされた、混沌としながらも暴虐性の非常に高いリズムに、不協的で不安を煽るようなギターリフを乗せて畳み掛ける、ハードコア要素の高いブラックで、DSOの「Drought」アルバムと似た雰囲気がありますね。

ただしDSOが演出しているような形而上学や神学にアプローチするような深遠さはこの作品には希薄で、その代わりヒステリックに荒れ狂う精神の病巣をそのまま音に具現化したような、圧倒的かつ直接的な狂気が感じられますね。肺腑に残る空気を全て吐き出しながら一心不乱に絶叫を続けるような、狂気そのものといったヴォーカルも相俟って、ANAAL NATHRAKH辺りを想起させる、暴虐極まりないカオスな音になっているように思います。

前衛ブラックにも色々ありますが、これはアヴァンギャルド性やテクニックなどによって生じたポイントを、全部狂気とか攻撃性とかに振ってるようなサウンド。好みはあれど、誰が聴いたとしても圧倒されるような音ですね。


POCCOLUS - Ragana ★★ (2012-09-16 22:24:36)

94年発表の1st。
2009年に96年のライブ2曲を追加、リマスターして再発されました。

NAHASHをレビューしたときも似たようなこと書いた気がしますが…PERGALEやSVARTTHRONを始め、リトアニアのブラックってどこか病的というか、グロテスクな感性を持っているバンドが多いという印象なんですが…このバンドも例に漏れず、黎明期の時点でこんなマニアックなブラックのスタイルを演ってたバンドがいる事に驚きを覚えるような、独自路線のペイガンブラックを演ってますね。

ペイガン系って、少なからず儀式的なムードを持つバンドが多いんですが、この作品はそのレベルを通り越して、ブラックメタルの様式を借りた儀式音楽という感じ。宇宙交信系の奥行きと澱みを演出するようなシンセ・アンビエントを背景にRAWなブラックを展開しているような音で、バンドによる音も土着的というには余りに不気味。悪魔を喚び出すような詠唱とそれに取り付かれたような絶叫を使い分けるヴォーカルも雰囲気に合ってますね。ライブ曲ではSILENCER系キチ絶叫もあり。

演奏や音像の粗さこそあるものの、NEGURA BUNGETを数段マニアックにしてプログレ筋受けを期待できなくしたような感じの、独特の世界観はマニアにはたまらないのでは。再発されたのも頷ける、「濃い」音を出してるバンドだと思います。


POCKET AD - とある魔法の森メタル ★★ (2010-03-14 22:58:00)

2010年発表の東方メタルアレンジ第3弾。っていうか今日発売です(笑)。
今日だけで普通のメタルアルバムも合わせると10枚以上買ってしまったんですが、
この作品だけもう5~6ループはしてます。中毒性高すぎ…(笑)。サンプルの時点で
「これは!?」と思ってましたが、フルで聴くと期待以上に素晴らしかったです。
…ジャンルは、「森メタル」との事ですが…端的に言ってしまえば、聴いてると自然と
体が動き出しそうなノリッノリのリフとリズムに、ヴァイオリンやフルートなどの
フォークメタルでよく使用される楽器による華やかなメロディが乗る、まるで魔法の森で
妖精や妖怪、陽気な魔法使い達が楽しく踊りながら、宴会をやってる様なメタル…という感じ。
個人的になんですが、このアルバムにはどうもストーリー的なものを感じるんですよね…
森に迷い込んだ人間が、異形たちに畏怖を覚えつつも楽しさを共有していくような1曲目、
その人間が馴染んできたのを見計らって、森のお調子者達が我先に舞台に飛び込んでいく様な
2・3曲目、酔っ払って盛り上がるリズム隊を尻目に、メロディ隊がしれっと優雅な旋律を
披露する4曲目、耳馴染みのいいメロディが、宴会ラストの盛り上がりに花を添える5曲目…
まあ、ストーリーと言っても、結局宴会なんですけど(笑)。
こんなに、聴いてて楽しくなるメタルを聴いたのは久し振りかも。アルバムを聴いてると、
自然と顔が綻んでくるのを感じますもん。…ちょっとこれを聴いてる時の表情は見られたく
ないかも(笑)。しかしこの作品、潔い程に主旋律にギターを振らないですよね…例えば
IRON ATTACK!やCROW'SCLAWが愚直にメタルしているとするなら、POCKET ADはメタルを
使って面白い音楽を作ろうとしている、と言えるのかもしれません。
そういう訳で、純メタラーからの受けは分かりませんが、聴いてて楽しくなる、クサいメロの
音楽を愛好する方には幅広くお勧め。このジャンル(東方アレンジ)でいうなら、民族系の
アレンジが好きでもっとポップなもの、アッパーなものが聴きたいと思っている方や、
オーライフジャパンの「メタルっぽい何か(異臭幻想狂)」辺りがフェイバリットな方には
どツボなアルバムになることと思います。


POCKET AD - とある魔法の森メタル - U.N.オーエンは森メタルなのか? ★★★ (2010-03-14 23:07:59)

この曲は原曲のメロディ自体にゴシック的な怪奇趣味が混じってるので…やっぱり他の曲と一線を画した曲になってると思う。これを1曲目に持ってきたことで、異形の宴会にまだ馴染んでいない人間の、「畏れ」みたいなものが表現されている気がする。そういう効果を狙って、1曲目にしてるのかは分かりませんが…。


POCKET AD - とある魔法の森メタル - おてんば恋娘 ★★★ (2010-03-14 23:03:11)

これはもう…イントロの時点で勝負が決してます。
1曲目で体が「森メタル」のノリに馴染んできたと思ったら、この元気のいいイントロを聴かされ、そのまま美メロのサビを聴かされる事に…多分、1曲目の間ずっとスタンバってたんでしょう(笑)。


POCKET AD - とある魔法の森メタル - 少女さとり~3RD EYE ★★★ (2010-03-14 23:14:07)

このゴス趣味丸出しのメロディがこんなに楽しく聴こえてしまうとは…。しかし、これ聴いて、原作プレイしていて良かったな…と思いました。周りが酔っ払ってる中、一人素面で、華麗に耽美なメロディを(得意げな感じで)奏でるさとりの姿が浮かんできます(笑)。本当に楽しそうだなぁこの人たち(笑)


POCKET AD - とある魔法の森メタル - 上海紅茶館~CHINESE TEA ★★★ (2010-03-14 23:20:46)

ラスト近くの、宴たけなわという感じの疾走パートがかっこいいですね。ここは頭を振りたくなる。そして…また1曲目から聴きたくなります(笑)。


POCKET AD - とある魔法の森メタル - 恋色マスタースパーク ★★★ (2010-03-14 23:18:30)

この2~3曲目の繋ぎも上手い。
「次は私の番だぜ」とばかりに、チルノを押しのけてステージの中心に出てくる魔理沙が浮かんできます(笑)。原作のゲームをプレイしてると、具体的なシーンが思い浮かんで楽しいです。なんか凄く微笑ましい(笑)。


POCKET AD - 東方パイレーツ・メタル! ★★ (2010-03-04 19:48:00)

09年発表の東方パイレーツ・メタルアレンジ(インスト)。東方アレンジとしては2作目。
ライナーでは「モルガン船長」になりきって解説まで書くという凝りよう。
私は実はALESTORM未聴なんですが、そんな私がレビューしてしまっていいんでしょうか(笑)
まあ、ENSLAVED、GRAVELAND、ELVEITIE辺り聴いてるしオッケー…ですよね?
とにかく前作と比べると何もかもが成長していると思います。
打ち込み故の音質・アンサンブルの無味乾燥さはまあ仕方ないにしても、メロディの音色選びの
センスから楽曲構成の上手さまで何から何までレベルが上がってると思う。
中でも一番成長したのは、音楽で最も重要だと(個人的に)思う、「聴き手に情景を見せる力」
ではないでしょうか。それだけ、アーティスト自身のヴィジョンが固まった上で、作品を
作ったんじゃないかと思います。
欲を言うなら、陽気な海賊たちの音楽なのに、オールインストなのが少し惜しいですよね…。
聴いてて、「ここは野郎どもの漢クワイアが欲しいなぁ」「ここでギャング・コーラス
(オイ!オイ!などの掛け声)入れたら、絶対盛り上がるのに…」とか思ってしまう部分が
多々あります。
しかし、ライナーで「パイレーツ・メタル」と「ヴァイキング・メタル」の違いについて
「わからんw」と断言しているのが受けるんですけど(笑)。思想・文化への没頭具合でいうと
「ペイガンメタル>ヴァイキングメタル>パイレーツメタル」で、陽気さでいうと
「パイレーツメタル>ヴァイキングメタル>ペイガンメタル」なんでしょうか。私にもわからん!(笑)。
でもこの分だと、新作の「森メタル」もかなり期待できそうです。


POCKET AD - 東方パイレーツ・メタル! - キャプテン・ムラサ ★★★ (2010-03-04 19:57:12)

最初のシンセの音色がトランスっぽかったので、一瞬戸惑いましたが、逆にこの音によって水飛沫を上げているような情景が浮かんできますね。しかしこの曲…アコーディオン(風のシンセ)でメロディ弾くと、こんなにコテコテなメロディだったとは…。


POCKET AD - 東方パイレーツ・メタル! - 虎柄の毘沙門天 ★★ (2010-03-04 19:55:35)

毘沙門天の威厳に満ちたメロディが、海賊たちのバトルテーマに…。
イントロのフガフガ・アコーディオンの音色がコテコテでいいなぁ(笑)。
メタルパートに入ると、ギターリフがそのパートを担う構成も上手いです。


POCKET AD - 東方パイレーツ・メタル! - 青空の影 ★★★ (2010-03-04 19:54:40)

激速ドラムロールで爆走するパートがかっこよすぎる曲。
試聴でこの部分聴いて、「これは買わないと」と思いましたもん。なんとなく、葛飾北斎のあの絵が浮かぶのはメロディのせいでしょうか。


POCKET AD - 東方パイレーツ・メタル! - 法界の火 ★★ (2010-03-04 19:56:21)

冒険の終わりには、これくらいドラマティックな曲が合うのかもしれませんが…
一言言わせてもらえるなら、「これこそ東方ロマンティック・ゴシック」に入れればよかったのに(笑)。


POCKET AD - 東方パイレーツ・メタル! - 万年置き傘にご注意を ★★ (2010-03-04 19:58:06)

メロディの弄り方が上手いですよね。「野郎ども!碇を上げろ!!」とか言いたくなる、このノリ(笑)。ちょっとしたブレイクとかでも、心の中で「オイ!オイ!」とかギャングコーラス入れたりしてしまいますもん(笑)。


POCKET AD - 東方ロマンティック・ゴシック ★★ (2010-03-04 19:50:00)

09年発表の東方ゴシックメタルアレンジ(インスト)。
この界隈で正統派でもメロスピでもなく、敢えてゴシックを選ぶセンスに惹かれ購入。
…一口にゴシックと言っても、例えばSENTENCEDのような正統派寄りであるとか、
WITHIN TEMPTATIONやLEAVES' EYESのようなシンフォ系、M.MANSONのようなヘヴィロック、
ELENDのようなインダストリアル、OPETHのようなプログレよりのものなど、様々な
サブジャンルが混在しているわけですが…このアルバムの作風は、そのどれにも当てはまらない音。
…というか、普通にミディアムテンポのメタルに、東方のメロディをシンセで乗せたという
感じで、帯にあるような「シンフォニック」な音像でもなく、正直どこがゴシックなのか
分かりづらいです。強いていうなら、「U.N.オーエン」「亡き王女の為のセプテット」
「竹取飛翔」など、ゴシックに通じる耽美なメロディがある原曲をいくつか取り上げている
くらいでしょうか。
ジャケも洋風の風呂場にしか見えないし(笑)、正直、どこをターゲットに作った作品か
分からないんですが…「ゴシックっぽくないゴシック」が好きな人と、心底東方のメタル
アレンジが好きな人にはお勧めですが…個人的には2作目の「東方パイレーツ・メタル」から
買った方がいいかと…。


POCKET AD - 東方ロマンティック・ゴシック - U.N.オーエンは彼女なのか? (2010-03-04 19:51:51)

「U.N.オーエンを」「シンフォニック・ゴシックメタルを志向したアレンジで」こんなにゴシックっぽくなくアレンジできるのは逆に凄いと思うんですけど(笑)。ああ、平和だわ…。


POCKET AD - 東方ロマンティック・ゴシック - 上海紅茶館~CHINESE TEA (2010-03-04 19:52:48)

原曲よりも更に青い空が見えそうなアレンジなんですが…
これはこれでアリ…かも。


POCKET AD - 東方ロマンティック・ゴシック - 竹取飛翔~LUNATIC PRINCESS ★★ (2010-03-04 19:53:35)

クワイア風のシンセを導入しているあたりが、「ゴシックらしさ」なのかもしれません。原曲補正で★2つで。


PORTA NIGRA - FIN DE SIECLE ★★★ (2013-01-29 12:26:26)

2012年発表の1st。

ドイツ産のハイクオリティなアヴァンギャルド・ブラックという売り文句、同郷のSECRETS OF THE MOON辺りのバンドを思わせるお洒落なジャケットに惹かれ購入。レーベルも信頼と実績のDebemur Morti Productionsですし、これでハズレな訳はない…とは思っていましたが、これは想像以上に良いアルバムですよ。

路線としては、幻惑的で幽玄なアルペジオや、妖しげなノーマルヴォイスなども駆使し、意味深な雰囲気を演出しつつ進行するブラックメタル。ミディアムテンポを中心としたリズム構成も、どっしりと構えたような深みのあるムードを演出していますね。知性的ではあっても、その知性の裏に虚無的で皮肉な、黒い嘲笑いが仄見えるような、どこか気難しさのある音。

トレモロリフで奏でられるメロディには、SECRETS OF THE MOONにも通じる、病的で邪悪な響きがあるのがまた素晴らしいんですよね。前衛的でありながら、変にスノッブな方向には行かず、しっかりブラックの暗黒さや妖しさを追及してくれている感じ。悲痛な感情を込めた絶叫も、声が太いためナヨナヨした感じになっておらず好印象。様々な要素を取り入れつつグダグダにならず、常に緊張感のある楽曲構成も見事で、1枚目にして総じてハイレベルな仕上がり。

個人的な印象としては、近年のSOTMのような漆黒で深遠なブラックメタルに、AKERCOCKEの妖しい雰囲気をプラスしたような印象があるんですよね。ちょっと変わった、しかしブラックとしての妖しいムードの演出はしっかりしているバンドが好みであれば、確実に気に入るのではないでしょうか。


PORTAL - Outre' ★★ (2009-01-25 08:52:00)

2007年発表の2nd。

まずオープニング→本編開始の、SEのノイズだと思ったらそれがそのまま本編のギターワークだった…という展開からして衝撃的。この黒い霧が大量に吹き出して来る様なリフの音色がかなり独特かつ最大の特徴ですね。いつのまにか毒ガスが充満していてどうにもならなくなってしまったような雰囲気。…MORBID ANGELが「Heretic」で靄のような独特なリフの音色で邪悪さを演出していましたが、それを更に突き詰めた感じですね。

その中に響くヴォーカルも、中音域のがなり声ながら肉食獣が息を潜めて伺っているような非人間性があって不気味な雰囲気を更に助長。時折出てくるトレモロのメロも非常に不穏。ヴォーカルやドラムがリフのどす黒い霧に包まれているような音質で、一聴した限りでは尖った感じのしない音ですが、実はかなり音圧があり雰囲気は非常に重い。

手法はデスメタル、雰囲気はブラックメタルに近いんですが、この音圧はブルデスやファストブラックのブルータリティよりはノイズ/ドローンの轟音に近いんじゃないかと思う。かなりカルトな空気感を持った作品。おそらくバンド名の「PORTAL」も、死出の旅への「PORTAL」…みたいな意味なんじゃないでしょうか。


POSTHUM ★★ (2011-09-21 21:32:22)

ノルウェー産ブラックメタルバンド。
ELITEやLUGUBRE、THORNGOTHなど良質なブラックメタルバンドを多数抱えるFolter Recordsよりアルバムを一枚リリースしてます。


POSTHUM - .Posthum ★★★ (2011-09-21 21:32:59)

2009年発表の1st。

1曲目こそ近年のSATYRICONを更に無機質にしたような、淡々と恐怖感を煽るような、ややカルトな路線ですが、聴き進めるとプリミティブ的な寒々しいトレモロ疾走や、刻みリフや長いギターソロを含む、メタリックでメロデス好きにも受けそうな曲も出てきて、ぶれる事の無いブラックの芯を持ちながらも、バラエティに富んだ構成のアルバム。メロディも王道の寒々しい系だけでなく、どこか温かみを感じるメロウさがあるものも使っているのがいいですね。

個人的にこのバンドの音で最も特徴的だと思うのは、厚みのある、かつノイジーなギターリフの音色だと思う。これがミドルで淡々と聴かせる曲には摺り込むような圧迫感を、メロく疾走する曲には苛烈さをそれぞれ与えていて、音に説得力を与えているんですよね。ただ新進気鋭のバンドとしては、音がキッチリしていて粗い所が少ない印象で、もう少し隙があってもと思わなくはないかも。リフのノイジーな粗さも、明らかに作り込んだ感じですしね。…でもそう感じるほど、完成度が高いと言う事かもしれません。

アルバムのさわりのみ少し取っ付きづらさがありますが、堅実でクオリティ・センス共に申し分のないブラックメタルを演っていると思います。あまりオリジナリティなどは感じられないですが、ノルウェー産ブラック好きには聴いていて気持ちの良いアルバムなので、おまけして☆は3つで。


POSTHUM - Lights Out ★★★ (2013-09-13 22:47:50)

2012年発表の2nd。
着々と良いバンドを獲得するIndie Recordingsに移籍してのリリース。

前作でも一部に温かみを感じさせるような、儚いメロディを使ったパートはありましたが、今作ではその路線を大分押し進め、一般的なブラックメタルとはやや異なる、幻想的なムードも重視した、一歩進んだような作風になった感じですね。リフもシューゲイザー的とは言わないまでも、包み込むような感触がどこかに感じられるような、より音色に拘った音作りが成されているように思います。

ただ、ブラックの感性から離れたポストブラック勢と比較すると、バンドサウンドのダイナミズムも同時に重視してくれている辺りが、私好みで良いんですよね(笑)。個人的には現在のENSLAVEDの路線をちょっとだけオーソドックス寄りにしたような、プログレッシブな雰囲気を感じたり。ヴォーカルのエッジを引き伸ばすような、ガラついた叫び声なんか明らかにGrutle氏のパフォーマンスを意識してそうな感じがしますし。

前作も良質なブラックでしたが、今作も異なる路線ながら良いアルバムだと思います。ポストブラック的な感性をある程度持ちながら、ブラックメタルである事も捨てていないバランス感覚が好きですね。現在のENSLAVEDや、レーベルメイトのNETTLECARRIER辺りのバンドを好む方にお勧めです。


PRESTO VIVACE ★★ (2010-04-12 22:50:00)

名古屋出身の様式美ハードロックバンド。
ALFEEなどをルーツに持ち、B'zの松本孝弘さんに師事していた経験もある
ギタリストのYu-G氏と、演歌を屋台骨として持っているシンガーSAKURA嬢の二人組み。


PRESTO VIVACE - L'amour Eternel ★★ (2010-04-12 22:45:00)

2007年発表の1st。
何となく、バンド名やタイトルからはクサメタルっぽいものを想像してしまいますが…(笑)
(B'zの)松本さんに師事していたというYu-G氏のネオクラシカルなギターを、
メタルの疾走感ではなく、ハードロックの重厚さに重きを置いたリフに乗せ、そこに演歌を
バックボーンに持つというSAKURA嬢の歌声による、歌謡的なメロディが加わる…という
作風ですが、演歌を通ったシンガーを起用している事が、凄くプラスになっているように思います。
ビブラートの良く掛かる、エモーショナルな歌声はハードロックのリフにも対抗出来る迫力と、
メタルから失われがちな愛想の良さを兼ね備えていると思う。ハードロックに歌謡曲的な
メロディが乗るということで、クサメタラーにもお勧めできそうなキャッチーさもありますが…
ただ単にクサいだけじゃなくて、クラシカルなセンスによって「上品なクサさ」のある作品に
仕上がっている感じ。ただ、ヴォーカルやギターのパフォーマンスはかなり良いんですが、
打ち込みのリズムが少しチープで、ハードロックのグルーヴには合ってない感じがするのが
ちょっと残念。もっとも、このリズムのチョコマカした感じ、個人的には嫌いではないですけど…。


PRESTO VIVACE - L'amour Eternel - Eternal Flame ★★ (2010-04-12 22:48:32)

スパニッシュなアコギがかっこいいバラード。
…しかし、歌メロは本当に「こう展開してくれたらいいな…」と思った通りに展開してくれますね(笑)。特にサビの「♪~into decay」「♪~for love」の部分、ベタだからこその素晴らしさがあると思う。


PRESTO VIVACE - L'amour Eternel - Into the Darkness ★★★ (2010-04-12 22:49:18)

個人的な印象では、陰陽座とJanne Da Arcを足してネオクラ要素を加えたような感じの曲。歌メロは、どちらのバンドにも対抗出来るフックがあると思う。特にサビで、声を張りながらキャッチーなメロを歌うヴォーカルがかっこいいです。


PRESTO VIVACE - L'amour Eternel - Love to Shake a Soul ★★ (2010-04-12 22:46:56)

細かく刻まれるギターリフに、勇壮なサビメロが乗る曲。
このサビメロ、ロボット系アクションゲームのボス戦とかで流してもかっこよさそう。やっぱり歌メロが立ってる曲は良いですね。サビ前など随所で発揮されるクラシカルなフレーズもツボに嵌まります。


PRESTO VIVACE - L'amour Eternel - Love to Shake a Soul (english Version) ★★ (2010-04-12 22:50:13)

2曲目の英語バージョン。
歌詞だけでなく、クラシカルなバラード調から様式美ハードロックへ移行する導入など、展開にも手が加えられているのが美味しい。ただ、英語の発音は微妙…子音に勝手に母音付けて発音するのは、かなり違和感がある…。


PRESTO VIVACE - L'amour Eternel - Philtre ★★★ (2010-04-12 22:47:45)

シンセサイザーの一部の音色といい、如何にもハードロックなリフといい、クラシカルな要素を除いたら、TUBEの春畑さんが作りそうな曲という印象。松本さん→Being系→TUBE→春畑さんという流れでしょうか。クラシックや歌謡曲を通ってるだけあって、歌メロが上品かつフックがあるもので素晴らしい。


PRETEEN DEATHFUK - Submit to Him ★★ (2014-12-16 18:55:01)

2013年発表のEP。
日本のレーベル、Hidden Marlyより発売。
ベーシストのKyuubey氏が明らかに日本人風だったので、調べてみたら実はDAEVA DURZEIRICHEの人だったんですね。関連バンドのHAPPY DAYSが鬱ブラックとしてかなり素晴らしい作風だったので、こちらのプロジェクトも聴いてみたんですが…こっちはハードコア寄りの路線で全く違う音ですが、こちらも十二分に魅力的な音で流石と思わされます。

基本的にはドラムの音デカめで炸裂感のある、パンキッシュでやけくそな疾走に、地声混じりのこれまたやけくそに怒り狂ったがなりを撒き散らす絶望ヴォーカルが乗るスタイルで、ストレートに攻撃性をぶつけてくるような音ですが…不穏さやネガティブな感情を演出するトレモロなど、ブラックメタル的な部分がかなり魅力的に作られていて、それがそのやけくそな攻撃性と上手く合わさってるのが良いですね。変にブラックから離れてないところが好き。

EPのためボリュームは少なめですが、ハードコア寄りブラックとしてはかなりツボに来た作品。HAPPY DAYSとは全く趣の異なる音なので、そちらを聴いてない人もこっちから入っても全然良いと思います。


PREVALENT RESISTANCE - Eternal Return ★★★ (2016-02-07 23:58:20)

2008年発表の3rd。

公式にはメンバーについて言及されていないものの、実はALGHAZANTH、CIRCLE OF OUROBOROUS、HORNAなど、フィンランドでも著名なブラックメタルバンドのメンバーが参加しているバンドなのだとか。音の方も、その面子のハクに負けない、「プリミティブブラックとしての」クオリティの高さを持つ作品ですね。

路線としてはCRAFT辺りを、プロダクションの生々しさ、リフを生かす歪め方は引き継いだ上で、もっとストレートにした感じの衒いのないプリミティブブラック。絶叫のみでもどこかカリスマ性を感じるヴォーカルといい、甘くなりすぎない程度にメロディアスなトレモロといい、この手が好きであればうっとりと聴き入れる音源。

ただ王道過ぎて…というか、プリミティブブラックとしてごく真っ当過ぎてなにかもう一つ特徴が欲しいと思ってしまう部分も。まあNyktaらしい超が付くほど良質なプリブラで、先日日本盤も出たGOTHOLOCAUSTやSVARTGREN辺りと比べても引けを取らない、良い作品だと思いますが。


PRIMIGENIUM ★★ (2012-04-26 20:25:32)

スペイン産プリミティブブラック。
何気に20年のキャリアを誇るバンドだったりします。


PRIMIGENIUM - Faith Through Anguish ★★★ (2012-04-26 20:26:10)

2011年発表の3rd。

ざらついた感触の強い、ノイジーなリフを伴ってツタツタ疾走する、基本的には昔のDARKTHRONE等の北欧プリミティブ・ブラックのスタイルを踏襲した作風のブラックメタル。ブラック慣れした耳には心地良く感じられるノイジーさ、北欧産に全く引けを取らない寒々しさを感じさせるトレモロ、ギラギラしたオールドスクールなリフなど、「分かってる」人が演っている感じの、貫禄のある作品。

この手のプリブラとしてはある程度展開を設けた作風で、全編をメロウなトレモロで覆ったスタイルではなく、あくまで要所で印象に残るメロディを挟んでくる感じで、決して全体的に見てメロディアスと言えるスタイルではないんですが、音作りの上手さや一本調子にならない表現力を持つヴォーカル等も相俟って、メロくないパートにも凄みが感じられるのがまた素晴らしいです。

昔のDARKTHRONEやCLANDESTINE BLAZE辺りが好みであれば買ってまず外れはない作品。プリブラは数枚持ってれば満足…という方でなければ、持っておいて損はないですよ。


PRIMITIVE GRAVEN IMAGE - Celebrating Impending Chaos ★★★ (2011-05-18 18:12:54)

2010年発表の2nd。

店のコメントで、引き合いに出されていたバンドがARKHON INFAUSTUSやANAAL NARTHRAKHといったファストブラックに混じって、EMPERORの名前があったので、「そんなの両立出来るのか…」と、興味を持ってレジに持っていってしまったんですが、これ、かなり素晴らしいですよ。

ミディアム+刻みリフパートにEMPERORのような威風を感じたりはしますが、基本的にはBEHEMOTH辺りに近い、ほぼブルデス化したファストブラック。畳み掛けるパートでは本当にBEHEMOTH並みのド迫力だし、リフもブルデス同様の邪悪なうねりを感じられるものを所々に入れてくるし、ファストブラックとしては申し分のない質の高さ。

ただ、個人的に特筆なのはメロディですね。
確かに、EMPERORの「Cosmic Keys~」辺りを髣髴とさせる、ただの悪魔主義ではない、哲学感すら見えそうな神秘的なトレモロが時々挿入され、強烈に耳を惹きます。2曲目の和風ホラーのような儚くて恐ろしいメロディも素晴らしいと思うし、メロディセンスにおいても既にメジャークラスかと。

メロディ+ブルータリティ+リフの凄みという、ファストブラックに欠かせない要素はどれもレベルが高く、取り合えずエクストリームメタルのファンならば聴いて損はない、聴いておくべき一枚だと思います。意外に話題になってないですけど、相当良いアルバムですよ。


PRIMORDIAL - Spirit the Earth Aflame ★★★ (2011-05-04 18:27:57)

2000年発表の3rd。

個人的にアイルランドは、昔英語を教えてくれた先生がアイルランド出身で、ちょっと思い入れがあったのと、アイルランドのペイガン/フォークは貴重だと思ってたので、かなり期待しながら聴いてしまいました(笑)。

まず、イントロにあたる1曲目の、アコースティックギターにブラック特有の歪んだリフが重なり、仄暗く上品な暗黒世界を演出し、そこにシアトリカルな語りが重なってくる始まりで「これは素晴らしいアルバムかも!」といきなり期待値がマックスに。続く2曲目でも、上品な異教的仄暗さはキープしつつ、正統派にも通じる叙情リフが出てきたところで、完璧に世界観に引きずり込まれてしまいました。

…だったのですが、ヴォーカルの妙にふんばりの効いた歌い上げが…。しかも、言いたい事を全部言わないような、妙に歯切れの悪い歌い上げなんですよね…正直、ちょっと醒めちゃいました。低音でストーリーテラー風の語りをしてる時や、叫んでる時はかっこいいんですけど、この歌い上げは個人的に今ひとつ好きじゃないです。

ただ、OCTOBER FALLSやAGALLOCH辺りに通じる、モノクロで「畏れ」を喚起するような、世界観は本当に素晴らしいし、伝統音楽特有の叙情的なメロディや、土着的なリズムとメタルを丁寧に融合させた、曲自体は本当に素晴らしいと思う。この土着的で、情景描写に富む音、これこそがフォークメタルの醍醐味ですよ…。

という訳で、ヴォーカルスタイルだけが好みから外れてはいますが、フォークメタル好きにはもっと認知されていい作品だと思います。ヴォーカルも人によっては「熱い!」と思うかもしれませんし。


PROFANATICA ★★★ (2011-04-06 17:51:05)

INCANTATIONのメンバーにより結成されたブラック。
一度解散したものの、01年にPaulが新メンバーを招き再結成されたらしいです。


PROFANATICA - Disgusting Blasphemies Against God ★★★ (2011-04-06 17:50:33)

2010年発表の2nd。

音楽性はもちろん、カルト臭漂うプリミティブブラック!!!
…で間違いないんですが、内臓が圧迫されて爆縮起こすような、ベースの低音が効きまくった音作りは、ILDJARNのようなノイズ系、DARKTHRONEのようなロウファイ系のどちらのタイプのプリブラとも、ましてやブルータル系のバンドとは一線を画するような圧迫感がありますね。どす黒いはどす黒いでも、暗闇というよりも酸化して真っ黒く変色した血反吐のような、オーガニックな気持ち悪さを伴うどす黒さ。

甘くならない程度にトレモロリフによって味付けがされてますが、このメロディがまた毒々しくて気持ち悪いんですよね…。最初からメロディで押し過ぎず、世界観に聴き手が染まってくるであろう中盤辺りから(グロい意味で)大仰さを増したメロディが多くなってくる辺り、余計性質が悪いです(笑)。太い血ミドロベースとユニゾンする箇所なんて、確実に聴き手を蝕む毒電波出てますもん。膿の海底を這いずり回る蛇のような、薄気味悪さと狡猾さ、冷淡さを備えたヴォーカルパフォーマンスも実に世界観にピッタリ。

出音の質が高くても、オリジナリティがなかったり中庸だったりすると厳しい評価を下す事も多いMetal Maniacs誌でも、「2010年のブラックメタルアルバムの中ではベストのうちのひとつ」というコメントと共に、9点という高評価が出たようですが、それも頷けるカルト性とクオリティを両立させた良質の作品。アメリカのアングラブラック好きなら外せない一枚だと思います。


PROFESSOR FATE ★★ (2012-10-29 20:44:32)

ANAAL NATHRAKHのIrrumator氏によるダークウェーブ。


PROFESSOR FATE - The Inferno ★★★ (2012-10-29 20:45:06)

2007年発表の1st。
「Limbo」ではGarm氏がヴォーカルでゲスト参加。

ANAAL NATHRAKHのメンバーによるプロジェクトとして有名ですが、あれだけブチ切れたエクストリームメタルを演っているアーティストの作品としては意外なことに、非バンドサウンドのダークウェーブ。打ち込みのリズムにキーボードによるクラシカルなメロディや妖しいクリーンヴォーカルが乗り進行していく作風で、ヘヴィなギターリフなどは当然無いものの、シンセを重ねてあるため音圧に物足りなさはないですね。

本隊でも非常にど派手なサウンドを展開するIrrumator氏ですが…こちらのプロジェクトでも、ダンテの「神曲」をテキストに用いていたり、シンセメロもクラシカルで大仰であったり、やはり世界観は大袈裟なのが良いですね。全編を通じて諧謔心に溢れたラスボスが玉座から見下ろしているような、ケレン味溢れるムードがあるのが素晴らしい。エクストリームメタルのミュージシャンがこういう打ち込み音楽のサイドプロジェクトを演るのは珍しくないですが、その中でも分かりやすい、聴き手に世界観を伝える力の強い音だと思う。

ちなみにGarm氏が参加した「Limbo」ですが…これがダークウェーブ版HEAD CONTROL SYMSTEMといった感じで、彼のトリッキーでセクシーなヴォーカル炸裂しまくりで、彼の歌声が好きなら悶絶確定のキラーになってますので、ULVERファンで未聴の方がいましたら是非こちらも聴いておくようお勧めします。


PROFEZIA - Oracolo Suicida ★★★ (2015-04-10 13:18:51)

2013年発表の3rd。

205枚限定の12インチ版での発表で、CD版は翌年にMoribundより発売。
ごく簡素に彼らの音楽性を表現するならば、「オールドスクールで呪術的なブラックメタル+ヴァイオリンによるシンフォ要素を」という感じなのですが…それぞれの要素の絡め方がユニークで、目に見えて単純な算術和以上の効果を上げているのが興味深いところです。

特に面白さを感じたのが、ギターの音色を始めとするバンドサウンドのプロダクションですね。「Rawな音」に分類されるタイプではあるんですが…どこかリフの歪みの中に「虚」を感じられるような音作りで、個人的には初期BURZUMの音をもう少し良くしたような印象を受けました。ヴァイオリンがその「虚」を埋めるような感じで挿入され、独特な呪術的な聴き心地を演出してますね。

また、ヴァイオリンのフレーズの使い方自体もかなり効果的。優雅でクレッシェンド・デクレッシェンドを使ったロングトーンは、邪悪な耽美さや戦慄するようなムードを演出しているし、細かく音程を刻むようなフレーズは何かの毒に中てられたかのような感触を覚えます。パートによっては、ギターの歪みと上手く合わさり、さながらダークアンビエントのようなアトモスフェリックさを演出していたりも。

中心人物のKvasir氏はABHORやMOURNING MISTなど、独特の感性を持つブラックを演っていることでも有名ですが…彼のセンスはこのバンドでも発揮されていると言えると思います。耽美で、陰湿で呪わしいブラックが聴きたい方は是非。


PROFUNDI - The Omega Rising ★★★ (2008-06-20 21:41:00)

2006年発表の1st。

恥ずかしながらこれを書いている時点ではNAGLFARは未聴なんですが、クラシック風のフレーズをSE的に用いて背徳感を演出しつつ、嵐の様に蹂躙するアグレッションで迫るメロディックブラックという感じの音ですね。…っていうか、このプロジェクトを独りでやっているというJens Ryden氏って、これを聴く限り天才だと思うんですけど…。北欧のメタルシーンって何でこんなに優れた才能の持ち主が多いんでしょうか…。

クラシック音楽にも通ずる荘厳な泣きメロやブラックらしい邪悪さを演出するトレモロリフや華やかなリードプレイ、地声の全く分からないエグ過ぎる絶叫と演奏面でも素晴らしいですが、この人、作詞作曲編曲のみならず、ミックスやアートワーク、バンドロゴに至るまで自ら手掛けてるらしいです。それでいて独りブラックにありがちなマニアックさはあまり無く、広くメタラーに受け入れられそうなかっこいい音になっているのは凄いですね。尤も、天使が悪魔に殺されるパラパラ漫画風歌詞カードはちょっと面白いですが(笑)。

但し、他の日本盤が出てるようなメジャーブラックと比べると、音質はやや辛口かも。EMPERORの2ndって分離が悪い代わりに音がダマになって襲い掛かるような迫力があったと思うんですが、この作品はある程度分離の良さは保った上でそういう迫力が感じられます。感触としてはTAAKEの1st辺りに近いかも。トレモロやリードギターはやや前に出た音になっているため、メロディ派にも聴きやすい音になっているのは良いですね。

ある意味DIYの究極の形かもしれません。
でも、格闘ゲームファンとしてはライデンと聴くと毒霧吐きそうなイメージしかないんですが…(笑)


PROGENIE TERRESTRE PURA - U.M.A. ★★★ (2014-08-09 12:08:06)

2013年発表の1st。

アンビエンスを重視したキーボードや、サイバー・インダストリアルな要素を取り入れ、近未来的な雰囲気を演出する、アヴァンギャルドなブラック。サイバー要素は味付け程度ではなく、時折バンドサウンドよりそちらがメインになる展開すらあるくらい、楽曲の芯にまで食い込んでいる感じですが、バンドサウンドも音質・フレーズ共にしっかり骨太に作られており、全く疎かになっていないのが良いですね。

この作品、あるレビューサイトにて、サイバー系なのにBURZUMが引き合いに出されていたのが、購入の最後の一押しになったんですが…実際に聴いてみて、割と納得出来る意見だと思いましたね。まずバンドの音と、アトモスフェリックな音色が交じり合い、聴き手を世界に惹き込んでいく導入部はBURZUM屈指の名盤「Hvis~」を髣髴とさせるし、演出している情景は全く違えど、アンビエンスとバンドサウンドを組み合わせて世界観を演出する手法は若干共通していると言えなくもないと思う。

更に敢えてハードルを挙げるような事を言ってしまえば、BURZUMのかの名盤と比較しても、バンドの演出しようとしている世界観に聴き手を惹き込んでいく力は、全く劣っていないようにすら思うんですよね。音作りがソリッドで、ブラストパートなんかはかなり迫力がありますが、その暴虐の中からふと見えてくるフューチャリスティックな情景にうっとりとなります。サイバー要素が前面に出ている時も、音作りが立体的で、説得力を持って世界観を演出できているのが素晴らしい。

レビューサイトではジャンルを表す単語として「サイビエント」という言葉が使われていましたが、正にそれをバンドサウンドと合わせた感じの音。私はこれ、「サイバーなブラック」が話題に上ったときに、真っ先に名が挙がるようになってもおかしくないくらいいい作品だと思います。お勧めです。


PROJEKT K-OZ - The One Eyed God ★★ (2015-05-30 22:10:54)

2014年発表の1st。

MUTIILATIONのMeyhna’chの新プロジェクトという事で注目されている作品ですが、MUTIILATIONで演っていたような病みプリミティブブラックの面影は無く、なんとインダストリアル・ドゥーム。無機質に刻まれるインダストリアル・ビートの上を機械音的なサンプリングやMeyhna’chのダウナーで生きる気力を奪うようながなり声が乗り、終末感の強いサイバーな空間を構築。

今までと全く違う路線にも拘らず、どこか頽廃的なムードが漂っているのは流石Meyhna’chと言ったところでしょうか。ただし、今作はMUTIILATIONで聴けたような、あの独特な病的さを醸し出すメロディはおそらく意図的にオミットされており、乾いた無常感を演出するような作風なので、その辺りを求めてしまうと多少物足りなさを感じるかもしれません。ヴォーカルも決して主役な感じではないですし。

個人的には、作風が変わっても人を寄せ付けないような、頽廃的な雰囲気を出してるのが良いと思いますね。ただ、MUTIILATIONのネームヴァリューで買うにはちょっと微妙…といったところでしょうか。


PROSCRIPTOR - 726 ★★ (2009-01-24 20:50:00)

アメリカンブラックの古参ABSUのProscriptorのソロアルバム第三弾。
2008年発表。

ブラック系のミュージシャンって、別名義でアンビエントをやる人が多いですが、この人もその中の一人ですね。ブラックからこっちの方向に行ったアーティストの作風って、メロディ重視派(SatyrのWONGRAVENやBURZUMの獄中作など)や音響派(ドイツのTRISTなど)、エレクトロニカ派(ULVERの5thやSAMAELの「Era One」など)色々ありますが、この作品は1曲目が打ち込みビートにピアノやギターを絡めた曲だったので、ULVERやSAMAELと同路線かな…と思いきや、聴き進めてみたらこの三つのパターンは全部網羅してしまってました(笑)。

しかも「Vision of the Arrow」では狂ったコンピューターが演算処理して更に狂っていくような音を出したり、「Mars' Avatar of June」ではパーカッシブなリズムにノイズや奇妙なメロディを乗せたり、曲によってはかなり独自な手法をも追求してたりします。正にめくるめくProscriptorの実験場という感じで、彼の音楽への造詣の深さをまざまざと見せ付けてくれますね。ただ、曲によって聴き手を没入させる手段がかなり異なるので、陶酔しきれないという向きはあるかもしれません。

…ABSUはブラックの中でもアングラな熱気やダーティさの強いバンドだと思ってたので、そのバンマスがこういう路線を本格的にやっていたというのは結構意外。ABSUでのテクニカルなドラミングも素晴らしいし、Proscriptorってほんと良いミュージシャンですよね…。アメリカのブラックの個人名だとMalefic(XASTHUR)やWrest(LEVIATHAN)辺りがまず挙げられそうですが、彼の名前も覚えていて損はないと思います。


PSEUDOGOD - Deathwomb Catechesis ★★★ (2014-10-07 10:33:05)

2012年発表の1st。
2004年より活動し、幾つかのデモやスプリット、音源集などをリリースしていますが、フルアルバムとしてはこれが初の作品みたいですね。

楽曲全体から感じられる暗黒臭、サタニックでおぞましい雰囲気は確実にブラックメタルに通じるものがありますが、音楽的にはデスメタルですね。デス系の中でも蹂躙力は圧倒的で、最早地獄絵図と言ってもいい世界観を展開。デス特有のうねりを伴いつつ、どす黒く塗り潰すようなリフ、アタック音の強いベース、重々しく迫力のあるドラミングが絡み合い、目に付く情景全てを灰燼に帰すかの如き轟音を聴かせてくれます。

音自体はブルータルデス顔負けの重さですが、この作品はミディアムも多用してますね。ただミッドテンポのパートでさえ、この余りにも壮絶な音作りのせいで怪獣スケールの大蛇がのたうつが如きヘヴィなグルーヴ感があり、ブラストで畳み掛け殺すパートより破壊力が落ちないのも素晴らしい。ヴォーカルのグロウルもドスが効き過ぎていて最早非人間的。怒り荒ぶる神を思わせるような、威厳のある怒号。

これはかなり素晴らしいですね。音のおぞましさや蹂躙力で言えば、INCANTATIONやIMMOLATIONと同列で語ってもいい領域に達しているのではないでしょうか。サタニックな雰囲気を纏うデスメタルが好みであれば是非。


PSYCLON NINE - We the Fallen ★★★ (2011-05-01 20:48:28)

2009年発表の4th。

このバンドは初見なので、今までどういう音楽的変遷を重ねてきたかは分かりませんが、この作品を聴く限りはインダストリアル・ブラックと言うよりも、ブラックンド・インダストリアルとでも呼びたくなるような音を出してますね。ハイピッチの絶叫、終末的ムードなど明らかにブラック風味ではありますが、インダストリアル/EBMの方がベースになっている音だと思う。

ヴォーカルは絶叫スタイルながら人間的な感情が失われるレベルまで歪んだ声の上、エフェクトが掛けられてるし、ギターリフのノイズよりもインダストリアルノイズとマシンビートが音の空間を埋めているしで、人間性を排する事で厭世感や終末感を表現する事においては、一流のインダストリアル・ブラックよりもたぶん上だと思う。この人間味のない音が、ダークで美しいキーと重なると世界の終わりが近づいているのが体で実感できそう。

…インダストリアルブラックって、音響的な部分をリフのノイズで表現する事が多くて、それが時に聴いててしんどい時もあったりするんですが、このバンドの音はギターリフのノイズを使うにしても、機械音のサンプリングを使うにしても、使い方が非常に丁寧で、ある意味聴きやすい。音楽を聴いている事を忘れて、その暗黒な世界観に取り込まれる感覚を覚えさせる辺り、ほんと一流の音って感じです。

インダストリアル/EBMがベースの音ですが、ブラック好きにも非常にお勧めな一枚。特にインダストリアル系以外にも、アトモスフェリック系やアンビエント系など、情景描写重視タイプのブラックが好きな方なら確実に何か感じるものがあるはず。


PTAHIL - The Almighty Propagator of Doom and Despair (2014-10-22 22:52:10)

2012年発表の2nd。

HORDES OF THE LUNAR ECLIPSEやFOGのメンバーが関与するサタニック・ブラックと聴いて購入した一枚ですが…なんか想像してた路線と全然違いますね(笑)。オールドスクールで冒涜的なブラックのムードを、ドゥーム要素で更に強化したスラッシーでスラッジーなブラックメタル。熱量を持って引き摺るようなギターリフが、効果的に背徳感を煽るダーティな作風。何気にドラムの芯のある音が心地良く、それも宗教的恍惚を演出するのに一役買ってますね。

また、楽曲によってはドゥーム/スラッジ要素がかなり色濃く出たものもありますが、そういう場面ではメロディもサイケデリックさを増し、より恍惚感を高めているように聞こえます。ヴォーカルの放つカルト臭も凄まじいですね。がなりは歪みすぎて囁いているように聞こえるし、スラッシュ系の吐き捨てはやたらと苦しそうに詰まった感じで、楽曲の閉塞感をより助長してます。個人的には4曲目の「ウシウシウシッ!」で笑いました。アレッシーかよ!(笑)

ただこのバンド、自らの持つ世界観を音で表現しきっているとは思うんですが、個人的な好みとは外れるんですよね…。FOGはかなり好みの音だったので、こっちもと思ったんですが。ただ、「やり切っている」音だとは思うので、気になる方はチェックしてみては。


PÕHJAST - Thou Strong, Stern Death (2014-09-28 20:14:27)

2012年発表の1st。
何気にSpinefarmからのリリースなんですね。

ジャケ的には、如何にもペイガンメタルっぽい佇まいですが…なんでしょう、むしろ実際の出音としては、山賊っぽいイメージがありますね(笑)。ハードロック色の強い、グルーヴィなリフとリズムでイカつくノリノリなサウンドを構築しつつ、おっさん風のダミ声がアジテーションするようなメロディをがなる感じで、正直一般的なブラックメタルからはかなりかけ離れた音だと思う。調べてみると関連バンドにはAJATTARAがいるようですが、ブラックからのかけ離れ具合では良い勝負かも。

確かに音作りとか、リフのフレーズとかに時折ブラックらしさは覗かせるんですが…う~ん、正直これは私の好みではないですね…。イカつい音ではあるんですけど、ネガティビティや禍々しさが感じられず、なんか健全な印象。特にヴォーカルの暢気な感じがちょっと…。一応ブラックとして認識はされてるようですが、私がブラックに求めるのは、こういう雰囲気じゃないかも。中古で激安だったので何となく買いましたが、これはかなり人を選ぶと思う。むしろブラックを中心に聴いている訳ではないメタラーの方が高く評価しそうかも。


QUADRIVIUM - Methocha ★★★ (2013-03-01 18:59:13)

2013年発表の2nd。
これは試聴して即購入確定でした。

音は一言で表すなら、「発狂版/エクストリームメタル版ARCTURUS」という感じでしょうか。宇宙的ムードを醸し出すアンビエンス重視のパートと、デスメタルにも通じるアグレッション重視のパートを使い分けて聴き手を翻弄しつつ、そこにスペーシーなSEやキーボード、ICS Vortex(Simen)似のトリッキーかつ朗々と歌い上げるクリーンヴォーカル、ほぼノイズとかした絶叫ヴォーカルが乗る、前衛的な要素の強いシンフォニック・ブラック。

特にこの作品、クリーンヴォーカルの声質がほんと素晴らしいんですよね…。Simen氏の伸びやかで奇術的なスタイルを基調としつつ、Garm(ULVER)氏やLazare(SOLEFALD)に通じる色気を持っている声で、この手のヴォーカルが好きであれば確実にツボに嵌まりそう。デス声の方も、Ihsahnに似たタイプの高音絶叫でこちらもなかなかにかっこいいです。

楽曲も妖艶なヴォーカルとバンドサウンドが大仰に絡むオペラティックなものから、煌びやかさや妖しさは残しつつ、クリーンヴォーカルを使わずにアグレッションを重視した曲、ブラックホールに緩やかに光が吸収されていくような大作、ARCTURUSの2ndそのままのインストなど、金太郎飴にならないバラエティの豊かさがありますね。泣きと大仰さを兼ね備えた曲をラストに持ってくる構成も良い感じ。

ただ、ちょっと惜しいと思うのは、一曲目であり触りを試聴しただけで私に購入を決意させた「Methocha」が、クリーン/デスの使い分けの割合、ヴォーカルラインのキャッチーさ、アグレッションと妖しさの兼ね合いなど、全てに於いて均整の取れた楽曲で、このバランスを実現した曲がもう少しあればなぁ…と思ってしまった事でしょうか。まあリードトラックの役割をしっかり果たしてるとも言えますが。

と言っても、アルバム通して★3つは余裕でつけるクオリティはあるので、シンフォ系の音が好きで、翻弄されるようなトリッキーな世界観を持つ曲が聴きたいという方なら、まず買って損はないでしょう。確実にお値段以上の品物かと。