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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5001-5100
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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5001-5100
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QUEEN - News of the World - We Will Rock You ★★ (2005-07-18 20:50:03)

洋楽の訳詞の批評本で読んだんですが、これの対訳で「あんたはケチな老人さ」とか「あんたは頑固なヒヨっ子さ」みたいになってるってホントですか?訳は持ってないので分かりませんが、だとしたら訳者は超失礼…


QUEEN OF WAND - Q - TOWER OF SUICIDE ★★ (2009-11-05 20:06:02)

このアーティストの曲って本当に絵が浮かびますよね…
疾走するスリリングなメロディは、塔の上から悲愴な気持ちで見下ろす、街の風景がリアルに浮かんでくるかのよう。


QUEEN OF WAND - QUEEN'S QUEST - BIRTH OF [LICHT] ★★★ (2009-11-05 20:19:36)

この仮想RPGの、間違いなく山場といえる場面となる曲。
…それにしても、V系(Raphael)に同人(上海アリス幻樂団)と、凄く影響元が分かりやすいメロディですよね…みんなクサメロ好きは同じようなものにインスパイアされてるらしい(笑)。欲を言えば、リズムはもっと派手な方が良かったかも。


QUEEN OF WAND - QUEEN'S QUEST - SWORD SOLITUDE ★★★ (2009-11-05 20:09:36)

QOWがRPG的なコンセプトでアルバムを作る…と聴いたら、まずこういう曲を期待してしまいますよね。それを1曲目やインスト明けの2曲目ではない位置に持ってくる辺り、上手いというか捻くれてるというか…。個人的には、イースのアドル・クリスティンみたいなベタな勇者の格好した主人公が、物憂げな目で遠くを見てるシーン(っていうかキャライラスト)が浮かんできます(笑)。


QUEEN OF WAND - QUEEN'S QUEST - 海賊船 "BLACKBART" ★★ (2009-11-05 20:12:59)

RPGにおける海賊像って、どうも「陽気な野郎ども」っていうイメージが強いんですが(SOUND HORIZONの「碧い眼の海賊」もそうだし)、この曲は「威風」に的を絞ったようなアレンジなのが面白いですね。…やっぱりQOWって、どこか定型から外れた部分を作る傾向があると思う。


QUEEN OF WAND - QUEEN'S QUEST - 追憶の闇、少女の闇 ★★ (2009-11-05 20:15:27)

せっかくドゥーミーなパートを取り入れるんだったら、そのパートの音もドゥームメタル並に重くして欲しかったなぁ…その方が次のドラマティックな疾走パートもより活きると思う。


QUEEN OF WAND - 王女さまの秘密 - 茨の迷宮 ★★★ (2009-11-05 19:54:01)

丁度六弦アリスやETHER辺りのアーティストを聴き始めた頃で、このジャンルのレベルの高さに驚いていた頃に初めて聴いたんですが…それでも衝撃でしたね、これは。プログレ路線を捨てて、上品さと歌メロのクサさに特化したALI PROJECTといった感じの、圧倒的なクサ歌メロ。クサメタラーでこれを知らない人がいたら少し可哀想かも…というくらい素晴らしい。


QUEEN OF WAND - 狐の社 - ほたる かぞえうた ★★★ (2009-11-05 20:02:16)

陰陽座の「星の宿り」を思わせるバラード。
向こうほどピアノが技巧的ではないですが、歌声やメロディ、描いている情景の美しさなどは全く劣っていないと思います。「星の宿り」同様、ジブリ系映画に使って欲しいような、儚い雰囲気。全体的に非常に出来のいいミニアルバムなんですが、この曲と「狐の社」は再生回数で群を抜いてます。


QUEEN OF WAND - 狐の社 - 狐の社 ★★★ (2009-11-05 19:58:00)

取りあえず09年までの作品ではベストチューンだと思います。
霧に包まれた森の中、妖が息を潜めているかのようなアンビエンスで攻めるパートと、童歌的な可愛らしい歌メロとトランス風のリズムのポップさで攻めるパートが混在する、正に「狐に化かされた」ような気分が味わえる曲。マジで妖狐が人間の愚行を肴に宴を開いてる感じしますもん。


QUEST FOR BLOOD (捜血鬼) - Quest for Blood with Yukihiro Isso (捜血鬼 with 一噌幸弘) ★★★ (2009-03-03 22:03:00)

日本のブラックメタルバンド凶音のメンバー絡みのバンドが、能楽師である一噌幸弘さんと組みリリースした1stアルバム。2008年発表。

作風は、一噌さんの能管や伝楽笛などの笛が、ブラックメタルサウンドに乗り乱舞する…という内容ですが、ブラストやトレモロリフなど、ブラックメタルの手法は用いているものの、余り「暴虐性」「邪悪さ」にそれらが向かっていかない印象。御囃子調の掛け声などはあるものの、デスヴォイスもほぼ無いですし、割とブラックから離れた音。

むしろテクニカルなアンサンブルで聴き手を翻弄し、能管のような個性の強い楽器が前面に出された音は、プログレ/アヴァンギャルドメタルのファンにこそ受けると思う。アンサンブルの中核にキーボードが絡んでいく音像は、五人一首にも通じると思います。

…こういう伝統芸能的な音楽って、テレビで見たり学校で習ったりする分には、どうも退屈な音楽…というより、現代人と時間感覚の違うライフスタイルを送っている人のみ楽しめる音楽で、自分には縁の無いジャンルだと思ってたんですが…こうやってテンポを現代のロック/メタルに合わせた速いものにして、音像もハードなものにすると十分…というより、一般的なロック/メタルよりも万倍かっこいいです。学校とかで伝統芸能音楽を教えるにしても、こういう現代風にカスタマイズした音を聴かせた方が、絶対子供達も愛着が沸くと思うんだけどなぁ…まあ、白塗りは子供には厳しいかもしれませんが(笑)。

私がこういう事を思うのも、日本人で日本の音楽教育を受けたからで、もし何の予備知識もない外国人が聴いたら、おそらくペイガンメタル、それもかなり徹底したものに聞こえると思うんですよね。PERUNWITやGRAVELANDは、異境描写に徹底する事である程度メタルから逸脱した価値観を持った音を実現したバンドだと思いますが、この音も同じように受け入れられそうな感じがします。なのでペイガン好きにも推薦。

どっちかと言うと、BURRN!やTerrorizer辺りよりもEURO ROCK PRESSを好む層にお勧め。個性的なメタル、和風プログレメタルを探している人ならばマストだと思います。


QUEST FOR BLOOD (捜血鬼) - Quest for Blood with Yukihiro Isso (捜血鬼 with 一噌幸弘) - Purpurke ★★★ (2009-03-04 07:27:31)

テクニカルな楽器のせめぎあいは、能楽とメタルのコラボという特殊な音楽という以前に、普遍性のあるかっこよさがあると思う。ほんと、このアンサンブルで何も滾るものがないなら、ロックファンとしてどうかと思う…っていうくらい鬼かっこいいです。


QUEST FOR BLOOD (捜血鬼) - Quest for Blood with Yukihiro Isso (捜血鬼 with 一噌幸弘) - Uchina ★★★ (2009-03-04 07:33:22)

えいさか、えいさか、えいさか、ほやさ。
…なんてかっこいいんだ…これ聴くと、何で日本にメタルが入ってきた時点で誰もこういうコラボをやらなかったのか疑問だわ…。御囃子調の掛け声も、こういう展開で聴くと「黄泉の扉開闢せり」みたいな雰囲気にしか聴こえないのが面白いです。


QUEST FOR BLOOD (捜血鬼) - Quest for Blood with Yukihiro Isso (捜血鬼 with 一噌幸弘) - Yayema ★★★ (2009-03-04 07:30:26)

明るめなメロディが、どこかサイケデリックな感覚を与える曲。
他の曲は現世と幽世の狭間みたいな音なんですけど、これは向こうに行ってしまってる感じ。あっち側の世界は、人間の脳には多幸感に満ちた幻覚として知覚される…みたいな。


QUEST FOR BLOOD (捜血鬼) - Quest for Blood with Yukihiro Isso (捜血鬼 with 一噌幸弘) - 高砂 (takasago) ★★★ (2009-03-04 07:21:16)

テクニカルなアンサンブルをひとしきり見せつけた後の能管ソロが、1曲目にして強烈なインパクトを放ってます。…こういう曲を聴かせたら、今の若者にも日本の伝統芸能がどれだけ素晴らしいものか伝わるんじゃないかと思う。


QUEST FOR BLOOD (捜血鬼) - Quest for Blood with Yukihiro Isso (捜血鬼 with 一噌幸弘) - 能伊勢 (noise) ★★★ (2009-03-04 07:24:58)

日本の伝統音楽+暗黒メタル=黄泉メタル?
こういう音楽を聴いていると、現世と幽世を繋ぐ世界というのは、案外能の舞台のような風景なんじゃないかと思えてきます。タイトルは「ノイズ」と掛けてるんでしょうか。MERZBOWとも交流があるみたいだし。


QUEST FOR BLOOD (捜血鬼) - Quest for Blood with Yukihiro Isso (捜血鬼 with 一噌幸弘) - 落石覚悟 (rakuseki Kakugo) ★★★ (2009-03-04 07:36:03)

サビ(?)の雰囲気が、人食い獅子ならぬ「人食い獅子舞」が舞っているようで印象に残る曲。ファストパートは普通のファストブラックよりもファストで、まるで土砂崩れに巻き込まれるかのよう。タイトル通り、落石覚悟の心構えを持って聴くべし。


QUINTA ESSENTIA - Archetypal Transformation ★★★ (2012-10-22 21:54:34)

2008年発表の2nd。

アメリカ産のメロディック・ブラックという事ですが…最初聴いたとき、余り突出した部分が無いように感じられ、ぶっちゃけ一度は手放してしまったくらいなんですが…なんとなく気になって買い戻し、聴き返してみたら意外に嵌まってしまいました。メロディアスさ・ドラマティックさではメロブラでも上位に食い込める良盤ですよ、これは。

まず特徴的なのが、メロディアスなパートが間断なく続く楽曲構成。ブラック特有のトレモロリフであったり、メロデス以上に長尺のギターソロであったり、メロディの流れ自体がそのまま楽曲の展開とイコールであるような曲の作り方で、ベースもかなりメロウ。音質が刺々しくなく、重過ぎないのもメロディアスさを強調する結果となっていますね。

但し、メロディそれ自体はブラックに特有の寒々しさや邪悪さはやや薄めで、以前聴いたときはそこにインパクト不足を感じてしまった訳なんですが…良く聴くと、ただメロいだけでなく、神秘的で深遠な感触もあり、部分的にどメロウなパートなどもあって、決して魅力に欠ける訳ではないんですよね。後期EMPERORを邪悪さ薄めてメロデス化したような深みも、ちょっとだけ感じられたり。

ただ、時々冗長な展開もあり、もう少しメロブラとしてのキャッチーな部分が欲しかったのと、男性クリーンヴォーカルはもっと頑張って欲しかった、というのはありますね…。まあその二点を差し引いても、良質なメロブラであることに変わりはないんですが。メロくてプログレッシブな展開のブラックが好きな方にお勧め。


QUINTESSENCE ★★ (2011-06-16 23:01:52)

フランス産プリミティブブラック。
この系統の中でも非常にメロウでドラマティックな作風のバンドです。


QUINTESSENCE - Le Fléau de ton existence ★★★ (2011-06-16 23:03:49)

2009年発表の1st。

…どうしてフランス産のプリミティブブラックって、こうもメロディセンスに優れたバンドが多いんでしょうね…。MOURNING FORESTも大概でしたけど、このバンドもメロウ好きはスルー不可なメロディセンスの高さがありますね。ジャケは魔女裁判の拷問でダークな感じですけど、メロディの方はエモーショナルと表現してもおかしくないほどにメロウで、特に2曲目や4曲目ではキーが入っていないのに、トレモロリフが「シンフォニックに」聴こえるくらいメロディアス。聴いてて「幻想美」という単語が浮かんできました。耳に痛くない、篭もり気味の音質もメロディを味わうのに絶好。

また、このバンドの作風ってプリミティブ・ブラックとしては破格のドラマ性があるように思うんですよね。例えば1曲目、全体に緩急の付いた展開だし、ブラストビートで飛ばしてからツーバス乱射モードに突入したり、刻みリフとドラムのメタリックな絡みが合ったり、メロディセンスの高さもあって、正統派好きでも(音質やヴォーカルで引かなければ)グッと来ると思う。ブラストで引っ張るパートも多いですが、メロディの劇的さとも相俟って、ミニマリズムよりドラマティックさを感じるんですよね。音質こそプリミティブブラック準拠ですが、曲はほぼメロブラと言ってもいいかもしれません。

そこまで有名なバンドではありませんが、ドラマ性やメロディの良さは随一なので、プリミティブブラックの中でも入りやすい作品と言えるかもしれません。プリブラの名盤聴いてダメだった人にも試して欲しいくらいだし、逆にDARKTHRONEの「Transylvanian Hunger」のあのリフを聴いてピンと来るくらいプリブラの良さを分かっている人であれば、確実に気に入るのではないかと思います。


QUINTESSENCE MYSTICA ★★ (2011-09-29 23:56:08)

ウクライナ産シンフォニック・ブラック。
今年、初のCD作品となる1stアルバムを出したばかりのバンドです。


QUINTESSENCE MYSTICA - THE 5TH HARMONIC OF DEATH ★★★ (2011-09-29 23:59:03)

2011年発表の1st。

シンフォニックブラックの中には、初期LIMBONIC ARTや初期NOKTURNAL MORTUMなど、キーボードのシンフォニックな部分が装飾に留まらず、バンドサウンド以上の存在感を持ってしまった、ブラックメタル・シンフォニーとでも呼ぶべき音像のものもありますが、このバンドはまさしくその系列ですね。

ただし、前述のバンドの音楽性は、その後の音楽性の変化などから、予算や録音技術などの非意図的な要素が多分に絡んでいたと推し量れるのに対し、このバンドは確実に意図してこの音を作ってると思う。基本打ち込みっぽいブラスト中心のファストな展開ながらシンフォニーを阻害するような煩さはないし、猛然とリフを刻んでるパートですらキーの方が音量が上だったりするし。

また、LIMBONIC ARTなどはアトモスフェリックな音で神秘性を演出するスタイルでしたが、こちらは華麗なストリングス、咆哮するブラス、神聖なクワイアと使っている音色やメロディがかなりクラシック寄り。リフのメロディが、副旋律を弾くビオラさながらにオーケストレーションに絡んでいく部分などは、他のバンドよりも「シンフォニック」=「交響曲的であること」に一歩踏み込んだ音作りになってる気がします。

こういう音作りと、クラシックベースならではの荘厳なメロディが、地獄の劫火に焼かれるような大仰さを醸し出してますね。何気にツインリードが入ってたりするんですが、そういうパートですらあまりメタリックに感じないあたり、ほんと徹底してると思う。バンドサウンドをヘヴィに聴かせるプロダクションにすれば、エクストリームメタルとして一気にメジャー志向の音になりそうですが、個人的にはこのままの路線希望です。


RAATE - Halki Kuolleen Maan... ★★ (2012-02-09 22:25:06)

2004年発表デモを2007年にWTCがCD化して再発したもの。
CD盤は「Enne/Rauniotorni」「Havitys/Tuhkaa」が一つのトラックに纏められた仕様。

このバンドも鬱系のブラックである事は間違いないんですが…BURZUMの3rdの路線を思いっきり引き継いでるのが特徴。殿様がご乱心したような発狂ヴォーカルはちょっと弱めですが、音の薄いバンドサウンドに神秘的なキーが絡む音作りといい、大作主義の展開や洗脳的なリズム構成といい、フォロワーってレベルじゃなくそっくり。

一応、パーカッションとアコギで聴かせる、ペイガン/フォーク色の強い曲があったり、メタリックな刻みリフを入れたりして本家とは違う感触を打ち出している部分もあるにはあるんですが、1曲目は完全にBURZUM。BURZUMの3rdの1曲目から3曲目を混ぜたような感じで、もしあのアルバムの中にこっそり入ってても違和感無いくらいだと思う。

BURZUMって3rdが特に名盤として扱われる事が多いですが、4thではノイジーさを増しまた違った感触だし、アンビエントからブラックに戻った7th、8thも音に厚みがあってやっぱり3rdとは違うんですよね。そういう訳で、BURZUMの3rdを聴いてこの路線をもっと聴きたいと思った方には大推薦。流石にBURZUMより小粒な感じはするものの、BURZUMishにも程がある作風を聴かせてくれてます。


RACHEL MOTHER GOOSE ★★ (2010-06-24 19:22:00)

日本の様式美メタルバンド。
最近まで活動を休止してましたが、先日再開が発表されました。
LIGHTBRINGER、ALHAMBRA、ALDIOUSなど国産の「嬢メタル」がブームの傾向を
見せる昨今、このバンドにとっても追い風になりそうなので是非頑張って欲しいですね。


RACHEL MOTHER GOOSE - SIGNS ★★ (2010-06-24 19:19:00)

2006年発表の3rd。
ギターやキーボードのクラシカルな速弾きが鮮烈な印象を残すメタルですが…
様式美を掲げるバンドの中でも「クラシカル」の濃度が非常に高い音、という印象。
メンバーは様式美メタルだけでなく、クラシックにも傾倒しているのではと思います。
ギターやキーのメロディに「格調の高さ」「品の良さ」が出てる気がする。ギターや
キーの独壇場にならず、アンサンブルを重視した演奏や、時にプログレッシブと
表現したくなる変化に富んだドラマティックな展開も良いですね。
ただ、歌謡メタル志向は薄く、歌モノとして聴くには少し物足りないかも。
歌メロは鮮烈な印象を残す曲もあれば、そうでない曲もあり質にバラつきがある感じ。
全体的に最近のバンド(ドラガやLIGHTBRINGERなど)に多い歌謡曲志向の歌メロは少なく、
普通に古いハードロックにありそうなメロディが多いです。ヴォーカルはハスキーな声質で、
普通に上手いですが…今一つマイクへの声のノリが良くなく、結果パンチに欠ける印象も。
私にとっては一長一短のアルバムですね…。
歌のメロディがギター/キーボードと同じくらい扇情度が高ければもっと良かったですけど。


RACHEL MOTHER GOOSE - SIGNS - KAIROS ★★★ (2010-06-24 19:21:01)

アルバムの中でも、初聴のインパクトを最も重視しているであろう曲。イントロの「Sign of Presence」に続いて、様式美メタルギターの魅力がごく分かりやすく提示されていると同時に、歌メロの扇情度もかなり高い。こういう分かりやすい曲ってやっぱり好きですね。タイトルからはクワガタしか思い浮かびませんけど(笑)。


RAGE NUCLEAIRE - Black Storm of Violence ★★ (2015-09-11 22:51:26)

2014年発表の2nd。

あの元CRYPTOPSYのLord Worm氏がヴォーカルを務め、ドラムは現MARDUKの人という豪華っぷりに惹かれ、物は試しと購入してみましたが…これ、エクストリームメタルとして第一級の音ですね。豪速ブラストと切れ味のいいリフを交え、常に攻撃的に攻めていく作風は、個人的には発足した当時のZYKLONに通じるものを感じたり。ブラックの荘厳さとデスの暴虐性が両立され、どちらの特性も持っている辺り結構近いものがあるのではないかと。

ただ、音は一級品なんですが、肝心のヴォーカルについては少し不満…というか、勿体ないものを感じたり。常に何を言っているか全く聞き取れない、人間やめた系の高音絶叫をひたすら繰り返す壮絶なスタイルではあるんですが…リバーブが掛かりすぎてしまっていて、ちょっと生々しさに欠けるのが惜しいんですよね…。これがほぼ生声みたいなミックスだったら完璧だったんですが。

…それにしても、ブックレットのメンバーの特殊メイクも音以上に凄い事になってますね(笑)。これを見るのにも買う価値ありかもしれません。結構な費用が掛かっていそうな気がします。


RAGNAROK - Blackdoor Miracle ★★★ (2010-12-29 12:27:52)

2004年発表の5th。
ヴォーカルはTAAKEのHoest氏が担当。

各所で名作と名高いアルバムですが、これは良いですね。ファストパートを基調とした、かなり暴虐性の高いサウンドでありながら、トレモロリフのメロディの扇情度の高さ、メロいリフとスピード感を更に加速させる刻みリフの使い分けなど、ファストな中でもリフでしっかりドラマ性を描いているのが素晴らしい。ブラックはリフのセンスが命だと個人的には思うし、名盤と呼ばれてもおかしくないかと。

ただし、プロダクションは低音の効いた、まるで聴き手を土石流で押し流そうとするかのような迫力のあるものですが、ギターはややノイジーでメロディは意識していないと多少聴き辛いかも。意識して聴くと、北欧特有の寒々しくメロウなものや、ヴァイキング的な勇壮な哀愁が感じられるものなど、その豊饒さに驚かされますが。また、ヴォーカルをHoestに振ったのも大正解ですね。高音の引き裂くような叫びだけでなく、中音~低音のうなり声も殺気すら感じるエグさで、出音の辛口さにピッタリ合ってると思う。

多少プロダクションが「ブラックを普段から聴いている人向け」なのは否めませんが、TAAKEやGORGOROTH、TSJUDERなど質の高い真性が好きな方にお勧めです。


RAGNAROK - Collectors of the King ★★★ (2011-05-01 20:46:47)

2010年発表の6th。

ドラマー以外が交代したということですが、何の予備知識もなく聴く分には全く分かりませんね…確かにヴォーカルは代わってるの分かりますが、ブラスト全開なのにドラマ性のある曲作りといい、メロデスの泣きではなく、ブラックの邪悪さを内包したメロウさの光るメロディといい、路線もクオリティも変わりのない素晴らしさ。

ただし、音質は前作ほどノイジーではなく、メロディと暴虐性のコントラストは、前作の方が濃かったかも。メロディアスさ自体も少し減退してますし。…と言っても、依然として極上のメロディセンスがある事に変わりありませんが。むしろブラック特有のノイジーな音が好きな人以外には、より受け入れられやすくなったと思う。
ヴォーカルはHoestのブチキレ声とは違い、ブラックらしいがなり声ですが、ライブ時の(エフェクト無しの)Mortuusを思わせる太さ、邪悪さで彼のヴォーカルもかなりかっこいい。

ファストブラックと言っても、MARDUKやDARK FUNERALなど、このサブジャンルの代表格のバンドよりも、更にドラマ性に富んだ音を出していると思う。ファスト系なのにメロブラ並みにメロディが素晴らしいですし、エクストリームメタル好きなら是非。


RAHVIRA (ՌԱՀՎԻՐԱ) ★★ (2013-09-13 22:43:43)

アルメニア産ペイガンブラック。
流石にアルメニア語のフォントは見ても全く分かりません…(笑)


RAHVIRA (ՌԱՀՎԻՐԱ) - Rahvira. Part 1 (Ռահվիրա. մաս 1 - Կոչ Արյաց) ★★ (2013-09-13 22:44:44)

2010年発表の1st。

アルメニア語のフォントが醸し出す不可思議な雰囲気、ジャケのブラックメタルっぽくない図形的アートワークに惹かれ、アヴァンギャルドなものを期待して購入。おそらくポップな方向に行ってからのWHEN meetsブラックメタルみたいな感じだろうな…とジャケから予想していたんですが、まさかのペイガンブラック、それもかなりまともな作りの作風で驚きました。

作風としては、初期NOKTURNAL MORTUMを派手さを2ランクダウン、哀愁を1ランクアップさせたかのような民族要素の濃いメロディを、トレモロリフや時々泣きのギターソロに乗せ、ミッドテンポ中心でお届けする叙情的ペイガンブラック…と行った感じでしょうか。RAWながら耳に痛くない、適度にアングラ臭を醸し出すプロダクションもあり、落ち着いて聴ける音。

どうもこのバンドはNS的な思想を持って活動しているようですが、排斥的な雰囲気はそこまで強くなく、時々使われる神秘的なキーボードが醸し出すアトモスフェリックなムードもあり、聴いてて浸れるような作品だと思います。怒気と狂気を感じさせるような、ガラガラした声質でがなるヴォーカルなんかは、バンドの持つ思想の強さを感じさせるところでしょうか。

逆にNS系の過激さを求める人には物足りなさが残るところかもしれませんが、ごく良質なペイガンブラックだと思います。まあジャケから期待した音とは全く違ったんですが、メロディセンスが良く個人的には楽しめましたね。


RAIN NOTE - LIFE 〜祈り〜 ★★ (2009-03-25 10:28:00)

2007年発表の1st。
元SOUND HORIZONのAramaryさんが所属するユニットの第一作目ということで、
やはり気になるのは、「どれだけ彼女の声が活かされた作品なのか」なんですが…。
このアルバムのアレンジの方向性は、ストリングスをメインに静かに聞かせたり、
シンセやリズムをループさせたり、敢えて(SH的な?)絢爛さや劇的な展開を排し、
バックを控え目にする事で、Aramaryさんの声を引き立てようとしている感じですね。
…でもAramaryさんの魅力って、「少し細めの上品な声質」というキャラが立っている上で、
「魔法使いサラバント(中近東風)」「Ark(ゴシック風味)」から「Yield(トラッド風)」、
「聖戦と死神(歌劇風)」まで、幅広い作風を歌いこなせる舞台女優的な所があることだと思う。
この作品の世間での評価が厳しめなのは、Aramaryさんが活躍するための舞台を作り上げる
ことをせず、彼女の声を引き立てるために演出(アレンジ)を控え目にしたことが理由だと思う。
おそらく、SOUND HORIZONとの差別化を意識しすぎたんじゃないかと。
まあ、歌メロにはそれなりのフックはあるし、Aramaryさんの上品な声は相変わらず
素晴らしいし、言われてるほど駄作だとは思いません…が、一作目なのにも関わらず
アルバムとアルバムの間にリリースするEPみたいな雰囲気があるんですよね…。
バラードばっかだし。一作目なんだからインパクト重視の作風でも良かったのでは?


RAIN NOTE - LIFE 〜祈り〜 - INTRO (2009-03-25 10:05:44)

Aramaryさんの語りをフィーチャーしたイントロ。
Aramaryさんって、こういう抽象的な内容よりも、ナレーターとかキャラクターとか明確な役割をもらった時の方が活き活きと演じられてる気がするなぁ…彼女の才能の活かし方に1曲目から疑問符が…。


RAIN NOTE - LIFE 〜祈り〜 - TOWA (2009-03-25 10:03:21)

アウトロを除けば、アルバムラストの曲。
これだけバラードが続いた後なのに、この曲が一番まったりしてる気が…ORITAみたいに、プログレ的な情景描写能力が優れていればバラード連発も良かったと思うんですが…Aramaryさんの声の魅力だけでは少し厳しい気も。


RAIN NOTE - LIFE 〜祈り〜 - 手をつなごう ★★ (2009-03-25 10:00:09)

アルバム中最もポップな曲。
…なんか、SOUND HORIZONの曲の登場人物が歌っているような感じがする曲ですね(笑)。SxHxのコンセプトアルバムの、エンディングテーマとして流したらピッタリそうな曲だと思います。こういう曲を中心に、アルバムを構成してくれてたらなぁ…。


RAIN NOTE - LIFE 〜祈り〜 - 星空に祈りを ★★ (2009-03-25 09:57:51)

Aramaryさんの高音が綺麗で、良いバラードだと思う。
…でも、アルバムの構成や全体の作風のせいで「またバラードかぁ…」って思ってしまうんですよね。料理はいいけど盛り付けが悪い、みたいな感じ。


RAIN NOTE - LIFE 〜祈り〜 - 歩いていこう ★★ (2009-03-25 09:56:00)

シンセのメロディをループさせ、その上で更にメロディを展開させるという何だかエクスペリメンタルなこと演ってますが…そんな実験性よりも、ドラマ性の方を重視してくれれば超名曲になったかもしれないのに…。メロディはいいし、「♪きっと~」辺りの歌声なんて胸に迫るものがあるし、素材は良いのに。


RAISON D'ETRE ★★ (2007-02-09 19:11:00)

スウェーデンのインダストリアル/ダークアンビエント。
このアーティストの所属する「Cold Meat Industry」というレーベルは
メタラーからもかなり人気があるらしいですね。


RAISON D'ETRE - Metamorphyses ★★ (2007-02-09 19:24:00)

何枚目かは分かりませんが、2006年発表のフルアルバム。
Metamorphyses phaseⅠ~Ⅵとタイトルの付けられた6曲入り。
前評判通り、かなり怖く、そして想像力を喚起させるサウンドですね…。
いきなり大きな音を出してビビらせるという事はなく、低音での持続音やインダストリアルな
音色のサンプリング、何かが軋みを上げるような音、広がったり波打ったりする低音などを
用いて、静かにリスナーに恐怖を与えていくような作風。個人的には特に4曲目がお気に入りで
リズムトラックのガチャガチャと鳴るような音を聴いていると、まるで月明りしか光源の無い
洋館の中に閉じ込められて、窓枠を何匹ものゾンビ達が揺すっているような恐怖感を覚えます。
全体的に機械的な音色が用いられているのに、超自然的な恐怖が感じられたり、有機的な
映像が脳裡に浮かんでくるというのが凄いですね。エクストリームメタルの怖さを
「鉈で一刀両断」だとすると、このアルバムは「水滴拷問」でしょうか。
勿論好きで聴いてるんですけど、聴いてる最中にふと「死んだらどうなるか」とか
考え出すと本当に怖くなってくる作品です。恐怖感と芸術性を両方求める方にはお勧め。
でも哲学的な事を考えたり、深い悩み事がある時は聴かない方がいいかも…。
マジで死にたくなる事請け合いです。


RAISON D'ETRE - Metamorphyses - Metamorphyses Phase V ★★★ (2007-02-16 23:30:09)

この4曲目がアルバムを通じて最も恐ろしい箇所だと思います。
聴覚で感じるメディアだというのに、例え明かりをつけていたとしても「目の前が真っ暗になる」という視覚的なイメージが感じられます。その暗闇の中で、世界が軋みを上げる音を聴いているような、根源的なものが覆されるような恐怖感が味わえる曲。怖いもの聴きたさや好奇心なら良いかもしれませんが、鬱傾向な人は聴かない方がいいかもしれない…と言いたくなるほどです。


RAM-ZET - Neutralized ★★★ (2010-06-08 19:02:00)

2009年発表の4th。
変態系女性Vo入りゴシックとして、物凄く評価が高いバンドと聴いて購入。

…うん、確かにこれはぶっ飛んでますね(笑)。
カラオケの採点で、音程をミスった所に「?」マークが付くものがありますが、一つの展開が過ぎるごとに「何だ今のは!?」と聴き手の頭に引っ掛かりを残していく変態的な曲調は、それを思わせるところがあると思う(笑)。

ただ、一流のバンドとして当然の事かもしれませんが…本当にカオスな音では無くて、計算してカオスを演出しているような、確かな音楽性の高さがあるんですよね。例えば、うねるギターリフや声楽的な美声をはじめ、様々な表情を見せる女性Vo、パーカッシブで時にキャッチーにさえ聞こえるスクリームなど、各パーツはメタルとしての真っ当なかっこよさがあると思うし、ギターやキーボード、ヴァイオリンによるメロディには、EMPERORの後期や、Ihsahnのソロ作にも通じるような、狂熱に浮かされ悪夢を見ているような神秘性があると思う。そうしたメロディを奏でている時のギターのトーンも、美しくてツボを突いているんですよね…。

BURRN!の別冊では、SLIPKNOTの項目でメタルのパブリックイメージが、本来のそれより「異形性」の方向に傾きすぎているという指摘がありましたが…もしそうなら、このバンドも意外と売れる要素はあるんじゃないかと思う。一聴で「異形であること」「それを高い音楽性で表現していること」が分かるこのアルバムは、そうしたパブリックイメージからメタルに入った人にはごく魅力的に映るのでは。ただ、SLIPKNOTなどのような分かりやすい凶悪さではないし、曲展開も複雑なので、ある程度根気を持って聴く事が必要かもしれませんが。

そういう訳で、雑誌を初めとしたメディアには、「異形性」を求めてメタルを聴こうとする人のために、ブルデスなどの凶悪な音楽だけでなく、こうした音も門戸として紹介しておいて欲しいという作品。特に「異形性」を求めてプログレなどを聴いている人が、メタルに食指を伸ばすには絶好の作品なのでは。


RAPHAEL - LILAC-Second Edition- - 人間不信 ★★★ (2003-12-07 22:08:15)

Raphaelの中でも激しい部類に入る一曲。
語りとシャウトのAメロ、メロディアスなサビの対比が面白いです。ただ欲を言うならAメロの語りはダークに喉を唸らせるようなもっと気持ち悪い声で歌って欲しかったかな。


RAPHAEL - Sngle Collection - Gebet~祈り~ ★★ (2004-01-08 10:22:53)

もはやボーカルがデス声でも違和感が無さそうな攻撃的な曲。
この曲は本人が「苦労した」というだけあってギターソロがかなりかっこいいです。
確かこの曲はマスコミ連中への怒りを表した曲、という話を訊いた事があるんですが、どうなんでしょ。


RAPHAEL - mind soap ★★ (2004-05-18 20:10:00)

彼等がフルアルバムを一枚しか残していないというのは、非常に残念ですよね…
全曲にキャッチーなメロディがあり、演奏も聴き応えがあって捨て曲なし…なんですが、特筆すべきはその歌詞世界でしょう。
⑥や⑨のようなV系にありがちっぽいファンタジックな歌詞もあるにはあるんですが、タイトル通りのモラトリアムの葛藤を歌った⑤、自閉的世界から一歩を踏み出す⑦(しかも曲調がカントリー・笑)、一対多数の暴力への抗議を抽象的に描いた⑩なんかは歌詞を読んでぐっと来ない方がおかしいと言うほどの出来だと思います。
昨今では珍しくなってしまった、「人間について歌う」アルバムではないでしょうか。


RAPHAEL - mind soap - さくら ★★★ (2003-12-07 22:08:48)

Raphaelの中でも王道的な、正統派メタルといった感じの曲。
メタリックな演奏のなかにもアコギの使い方が上手く、歌メロもアルバム随一のキャッチーさを誇る曲なので一般リスナーから筋金入りのメタラーまで楽しめるポテンシャルの高い一曲です。
ただ、あのオペラ風に過剰にビブラートをかけたVoは賛否が分かれそうですが…


RAPHAEL - mind soap - ピーターパン症候群 ★★★ (2003-11-21 16:09:27)

彼らのテーマである「大人へなる事への痛み」が良く顕されている一曲。
トリッキーなドラムのフレーズとキラキラしたキーボード、やたらとビブラートのかかるボーカルや子供の合唱によるコーラスなど聴き所が満載の一曲です。
この曲では「大人になんかなりたくない」と歌っていましたが、次のシングル「Evergreen」では「心の中は変わらぬ素敵な大人になる事」とあり、ちゃんと答えが用意されているところが素晴らしいです。


RAPHAEL - mind soap - 花咲く命ある限り ★★ (2003-12-07 22:08:32)

これも「さくら」「小夜曲」と並び、正統派メタルっぽい感じのする一曲。
メロディのキャッチーさでは上記の2曲よりやや劣る感じがしますが、そのぶん演奏がカッコ良く、特にハンガリア舞曲第5番を模したようなメロディのギターソロがとても良いです。


RAPHAEL - mind soap - 吟遊詩の涙 ★★ (2003-11-30 21:28:23)

ミディアムテンポで入る、メロディアスな楽曲。
これも他の曲と同様重いテーマで、一見しただけではヴィジュアル系特有の妙に比喩を使った耽美な詞に思われがちですが、実は多数の暴力に負け自殺してしまう子供の悲しみを歌った曲であったり、色々と考えさせられてしまう一曲です。


RAPHAEL - mind soap - 小夜曲~悲愴~ ★★★ (2004-01-08 10:23:13)

ベートーベンのピアノソナタ「悲愴」をモチーフにしたと思われるギターフレーズが何ともかっこいい曲。
歌メロもキャッチーかつ疾走感もあって、これもシングルで出せば売れそうだと思いました。


RAPHAEL - mind soap - 僕と「僕」 ★★★ (2003-11-30 21:28:41)

MIND SOAPの最後を飾る、2重人格に苦しむ人の心境を歌ったバラード曲。「曲のタイプ」で「へヴィ」を入れたのは、音よりも詞の内容がへヴィだからです。
壮大なストリングスアレンジと美しいメロディラインのボーカル、「僕を造った人、苦しみが分かりますか?」という詞に打ちのめされてしまう一曲です。


RAPHAEL - 不滅華 - 症状3.xxx症 ★★★ (2003-11-21 16:09:00)

Raphaelの得意分野である、メロディアスに疾走する曲。
この曲がただの疾走感のある曲で終わらないのは、やはりその歌詞世界にあると思います。
おそらくダウン症などの先天障害に悩まされる人たちへのエールを贈った曲ですが、こんなテーマ凡百のバンドじゃ処理できないし、浮かんでさえこない物ですよ…彼らの物事を真摯な眼で見つめる一面が良く顕れた一曲だと思います。


RAUHNÅCHT - Urzeitgeist ★★★ (2015-06-04 18:35:35)

2014年発表の2nd。
2012年発表の4曲入りEP(33枚限定…)と同タイトルですが、追加曲がボーナストラックも収録され、フルアルバムのサイズの作品として仕上がってます。

冷たく叙情的なメロディをリフに込め展開する、メロディックなブラックメタルですが、北欧勢の凍てつく吹雪のようなムードとはまた違った雰囲気のあるメロディ傾向の作品ですね。冷徹というか、どこか無慈悲な感触のある冷たさ。そこにキーボード等も配した、フォーキーな叙情がスパイスとして加えられ、味わい深いブラックになっている感じがします。

最近のSatyrを思わせる鋭いがなり声もかっこいいですし、ドラマティックでハイクオリティなブラックですが…時折ブラック特有のノイジーなリフで音の壁を作り出しつつ、一つの展開を長めのスパンで聴かせる事で、スケールの大きさを演出するようなアトモスフェリック・ブラック的なアプローチも垣間見える辺り、若干癖がある感じでしょうか。そういう要素と、オールドスクールな部分が共存してる辺り、個人的には興味深く聴けました。

何よりこのアルバム、雰囲気が凄く良いんですよね。この北欧勢とはちょっと趣を異にする冷たさが凄く心地良い。質も高いですし、かなりお勧めの作品です。


RAVEN WOODS - ENFEEBLING THE THRONE ★★★ (2012-03-25 11:02:31)

2011年発表の2nd。

近年のBEHEMOTHを始めとして、ブルデスの激しさや圧迫感とブラックの宗教的な禍々しさを両立させた音楽性を持つバンドがいますが、RAVEN WOODSもそんな中の一つですね。分厚いリフとド迫力のドラム、野太い怒号による威圧感はBEHEMOTHに匹敵すると言っても過言ではないと思う。近年のBEHEMOTHよりトレモロの頻度は高めですが、北欧のバンドの寒々しさより、血腥いような禍々しさを強く感じるメロディが多いのが、フィジカルな迫力のある音と実に良く合ってますね。

また、この手のブルータリティで押すバンドってどうしても曲が似通ってしまいがちですが、この作品はスラッシーに畳み掛ける曲や、全編に妖しくメロウなギターメロを取り入れた曲、アコギやパーカッションを用いた儀式的パートを大胆に取り入れた曲もあり、曲の作りにバリエーションを付けてくれてるので、アルバムとしても起伏のある、ラストまで緊張感を保った仕上がりになってますね。個人的には儀式的パートで尺八っぽい音を使ってるのが妙にツボったり。

この手のブルデスとブラックの長所を併せ持ったスタイルのバンドの中でも、相当レベルの高い一品に仕上がってると思う。このバンドはトルコ出身ですが、BEHEMOTHの「Demigod」やHATEの「Erebos」辺りのポーランド産デス/ブラック作品が好きな方には特にお勧めです。


RAVENCULT ★★ (2011-08-10 19:15:46)

ギリシャのブラックメタルバンド。
最近注目を浴びるギリシャですが、このバンドも素晴らしいですね。


RAVENCULT ★★ (2011-08-12 00:18:55)

>カズチンさん

ほんといいバンドですよね。
あと個人的には、WATAIN以外にも最近のIMPIETY辺りも想像したり。
こういう重くてメタリックでどす黒い音っていいですよね。


RAVENCULT - Morbid Blood ★★★ (2011-08-10 19:17:24)

2011年発表の2nd。

ぶっちゃけジャケ買いならぬ、背表紙買いです(笑)。
フォントがWATAINに近くて惹き付けられるものがあったので、つい買っちゃいました。ジャケのアートワークにWATAINに近い感性を感じたのも決め手ではあったんですが、決定的だったのは背表紙ですね。このフォントでハズレはないだろう、と(笑)。

で、結果は自分の感性が怖くなるくらい(笑)アタリでした。
この作品、エクストリームメタルのマッシブな演奏の中に、脈打つように毒々しく邪悪なメロディを仕込んでくる音の作り、中音域でのドスの効いたがなりが強烈に邪悪さを発散するヴォーカル等、作風や出音がかなりWATAINに近いんですよね。何より共通しているのは、「邪悪さ」に対して確信めいたものを持った音を出しているところでしょうか。

ただ、WATAINと比べるとスラッシュやハードコアの要素が強めで、ブラストと同じくらいスラッシュビートでの疾走にも重きを置いているところがポイントでしょうか。しかし、スラッシーなパートでも爽快感が邪悪さをスポイルするということがなく、むしろ肉体的な野蛮さが邪悪さに説得力を持たせているように感じる辺り、ただならぬセンスを感じます。

最近、WATAINのようにエクストリームメタルのマッシブさと、ブラックメタルとしての禍々しさを直結させた(させようと試みている)バンドが多く現れていますが、WATAINに並ぶレベルでそれを成功させているバンドって少ないんですよね。この作品は、その数少ない例の中に入るアルバムであると思います。本当に良い作品なので、ブラックが少しでも好きな方は是非。


REBIRTH OF NEFAST - Tabernaculum ★★★ (2017-06-04 18:37:35)

2017年発表の1st。

かつてブラックメタルでは有数のレーベル、End All Lifeから出したSLIDHRとのスプリットが好評を博したバンドが、約9年の時を経てついに1stフルをリリース…しかもレーベルはかのNorma Evangelium Diaboliということで、ブラック好きには大注目となっている一作ですが…これはかなりの力作です。

メタリックな硬質さではなく、視界を闇に閉ざすどす黒い靄を思わせる、禍々しい音圧に包み込まれるようなプロダクションと、不協的なメロディを多用し、不吉さや邪悪さを強く感じさせるリフ捌きにより、ブラックの中でも生え抜きの暗黒性の強い世界観を描き出すブラックメタル。暗黒な響きを伴うギターのレイヤーを重ねた、アンビエント的感性も感じられるパートにも凄みを感じます。

既存のバンドで例えるなら、DEATHSPELL OMEGAの不吉で不協的なメロディ使い、WATAINやFUNERAL MISTに通じる「ブラック」「メタル」の両方に対して通すスジ、LEVIATHANやNIGHTBRINGERの暗黒アトモスフェリックさを併せ持った、どす黒さ邪悪さの表現に持てるリソースの全てを叩き込んだような音…という感じでしょうか。禍々しさを極めたような音作りに持ってかれそうになります。

アンビエント的な感性を含む曲作りは多少は好みが分かれるかもしれませんが、ブラックメタルとしての宗教的な禍々しさの演出のクオリティは恐ろしく高いものがあります。「ダークである」ことに価値を感じている音楽ファンであれば、きっと酔い痴れる事の出来る音であると思います。


RED HARVEST - A Greater Darkness ★★★ (2010-06-24 02:12:00)

2007年発表の7th。
Nocturnal Art ProductionsからSeason of Mistへ籍を移してのリリース。

1曲目から、殺人機械の駆動音を思わせる、ゴッツい刻みリフに、不穏なキーボードが絡み、ヴォーカルが冷徹にがなる終末的インダストリアル・ブラックで、軸に全くブレがないですね。今までの作品と比べると音質面でも楽曲の構成、音の使い方のセンス等がより纏まった感じで、完全にメジャー第一線で活躍するバンドの音になったと思う。

個人的にはこのバンド、典型的なインダストリアル・ブラックからは大分外れた音を出してると思うんですよね。テクノ/ダークアンビエント要素を取り入れはしているものの、大抵の場合バンドサウンドで押す曲とは分化されているし、バンドサウンドの曲にしてもドラムはほぼ生だし、やはり中心に「バンド」ありきな音だと思う。それなのに、ダークアンビエント要素を取り入れた曲と、バンドサウンドメインの曲の間にダークで不穏な空気感においてそれ程差がないというのは、凄い事だと思います。

スラッシュベースでありながら、疾走感ではなくミディアムテンポでの駆動感に重きを置いていたり、ヴォーカルがアングラメタルの熱気ではなく、マシーナリーな冷徹さや残虐性を表現するようながなりであったり、他のスラッシュ寄りのブラックと比較しても特異な音であると思う。全体を強く覆う終末めいた雰囲気はABORYMの「Generator」辺りに近いとも思うんですが、それを手法はかなり異なってます。

オリジナリティ、クオリティ共に非常に高い作品。
日本でも、もう少し評価が高くても…。


RED HARVEST - New World Rage Music - Absolut Dunkel: Heit ★★ (2008-05-04 21:33:23)

「Cold Dark Matter」収録曲のライブ盤。音質はかなりクリア。
…こういう曲って、客がどういうノリで楽しんでるのか気になりますね…。ダンサブルな箇所とヘドバンできそうな箇所が共存してます。


RED HARVEST - New World Rage Music - Ad Noctum ★★★ (2008-05-04 21:34:46)

凄い…ZYKLONにも比肩しうる、圧倒的なブルータリティ。
ヴォーカルにハードコアっぽいエモーショナルさ、野蛮さが感じられるのがZYKLONとは大きな違いですね。


RED HARVEST - New World Rage Music - Final Scorn ★★ (2008-05-04 21:32:41)

Maniacがヴォーカルとしてゲスト参加。GDOWで聴けたような語りや、エフェクトかけた絶叫で貢献してます。曲自体はドラムンベースっぽい箇所があったり、リミックス的な手法で作られてる感じですが…やっぱり激烈で、メタラーのメタラーによるリミックス曲と言う趣き。


RED HARVEST - New World Rage Music - Move or Be Moved (Preview) (2008-05-04 21:35:34)

テクノ/インダストリアル寄りのインスト作品ですが…こういう曲でもどこかメタル由来のブルータリティが感じられますね。メタラーの感性で作ったテクノという感じの曲。


RED HARVEST - New World Rage Music - Pity the Bastard ★★★ (2008-05-04 21:31:54)

ギターリフに空間的な処理が施されている所とかもあって、アレンジは凝ってるんですが…この曲の場合、その凝り具合が全て、体感速度ならぬ「体感野蛮度」のようなものに転化されている感じがします。マッチョどころか、どんな筋肉男も歯が立たない機会兵士にぶっ殺される感じ。


RED HARVEST - New World Rage Music - Terrorsonic Zoidiac ★★ (2008-05-04 21:34:06)

インダストリアル要素の強い曲ですが…ギターノイズも、激烈なリズムトラックも、エフェクト掛けたヴォーカルも全てが耳に優しくない(笑)。なんか事故に巻き込まれたような気分(笑)。でもかっこいいです。


RED HARVEST - Sick Transit Gloria Mundi ★★ (2009-03-19 23:21:00)

2002年発表の6th。
タイトルは「Sic transit gloria mundi(かくして世界の栄光は過ぎ去った)」の捩り。

インダストリアル・ブラックって機械的な無慈悲さやスペイシーな空間を演出したり、同ジャンルでもバンドによって思い思いの情景を描いていて、聴いていて興味深いんですがこのバンドの音を聴いてまず出てきたのは「凄くゴツイ音だなぁ」という感想(笑)。打ち込みビートや機械音のサンプリングなど、この手のジャンルによく見られる手法を取り入れてはいるんですが、他のバンドよりも「野蛮さ」が強いような印象。

ごっつい排気量のマシンが駆動しているようなイメージの音で、3曲目なんかはエピックなシンセメロを取り入れているにも関わらず、浮かんでくるのは殺人マシーンの発進シーン(笑)。ただし、これでも音がゴツすぎて聴きづらさのあった前作(New World Rage Music)よりも音が整理され、大分聴きやすくなった感も。というか、音が整理されたことで、音像の全体が見渡しやすくなり、それによって曲のゴツさが更に際立った気もします。

このバンドはスラッシュを出発点にしているらしく、だからこういう暗黒性よりも直接的な攻撃性の強い作風になるのかもしれませんね。ヴォーカルも少しハードコアっぽい感触ですし。その辺り少し好みは分かれそうですが、個人的にはインダストリアル要素・実験要素がこう直接な野蛮さに繋がるバンドは貴重だと思うし、好きですね。


RED HARVEST - Sick Transit Gloria Mundi - Beyond the End ★★ (2009-03-19 22:57:52)

物凄く質量の高いものが、軽快な運動をしていたら逆にその「重さ」が際立つように思うんですが、この曲の前半はそんな感じの音ですね。後半はアトモスフェリックメタル寄りになりますが…リフとシンセの混ざった音は、最早暗黒の波動に近いものがあると思う。


RED HARVEST - Sick Transit Gloria Mundi - CyberNaut ★★ (2009-03-19 23:02:58)

「我が肉体はコンピューターに作られた空間を浮遊する」…この歌詞の浮遊感を実現するためにバンドが取った手法は、「重低音のリフを刻むことで無理矢理浮かせる」!!(笑)。…やっぱりこのバンド、感性がマッチョな気がするなぁ…。


RED HARVEST - Sick Transit Gloria Mundi - Desolation ★★★ (2009-03-19 23:00:13)

パーカッシブな打ち込みビートとインダストリアルノイズ、獣低音ギターリフを組み合わせた音は実験的といえそうですが…結果として、耳にプリミティブな快感を直接叩き込むような音になっているのが面白いです。


RED HARVEST - Sick Transit Gloria Mundi - Godtech ★★★ (2009-03-19 23:05:06)

大量の殺戮マシーンが作り出され、曙光に向かって飛び立っていくようなシーンが浮かんでくる曲。ああ、人類もこれで終わりだな、みたいな感じ(笑)。凄くケレン味があって良い曲だと思います。


REGARDE LES HOMMES TOMBER ★★ (2015-05-11 11:01:56)

フランス産ブラック/スラッジ。
バンド名を直訳すれば「倒れた男を見よ」のような感じだと思いますが(フランス語分からないので多分)、由来はジャック・オーディアールの映画作品から。ちなみにこの映画(Regarde les Hommes Tomber)、日本では「天使が隣で眠る夜」とのタイトルで出てますね。


REGARDE LES HOMMES TOMBER - Regarde les hommes tomber ★★★ (2015-05-11 11:03:37)

2013年発表の1st。

…まずはこのジャケを見て欲しいです。
思わずジャケ買いしてしまいそうな、美しく破滅的な光景が描かれてますね。このアートワークが余りにも素晴らしかったので、試聴してみたら音の方も見劣りしないクオリティだったので、即購入決定でした。
タイプとしては、ブラックメタルの禍々しい雰囲気をスラッジの重々しさがブーストする…という感じで、元々相性のいいジャンルを組み合わせた音楽性だとは思いますが…雰囲気の演出の上手さは、この手のバンドとしてもトップクラスなのではないでしょうか。

神秘性と禍々しさを兼ね備えた、破滅を感じさせるようなトレモロと、スラッジに由来する焼け付くような、質量感のある引き摺りリフの音色が合わさると、本当に何か人智の及ばないスケールでの滅亡が展開されているようなムードが演出されますね。ショップではこのバンドのサウンドを「アポカリプティック(黙示録的)」と評していましたが、それを表すのに最適な一語だと思います。空一面を覆い尽くすどす黒い雷雲、その隙間から差すヤコブの梯子、それを伝い襲来する、地上に破滅をもたらす異形の天使達…そんな感じの光景が浮かんでくる音ですね。

DEATHSPELL OMEGA辺りとはまた違う路線ですが、宗教色の強い、スピリチュアルな光景を見せてくれるバンドなので、その辺りのバンドを好んで聴いている人にもお勧めできると思います。世界の破滅を高みから眺めているようでとても気分がいいです(笑)。


REGNUM - Regnum ★★ (2012-10-03 17:40:26)

2005年発表の8曲入りEP。
スウェーデンのTotal Holocaustより発売。
演奏時間も30分近くあるので、実質的にはフルアルバム並のボリューム。

定義上、どうしても同じような音になってしまいがちな鬱ブラックですが、このバンドはかなり独特な視点を持って鬱ブラックを解釈してるようですね。とぼとぼと歩くようなテンポのリズムに妖しく眠りに誘うような、妙にクリアなベース、BURZUMの4thを思わせる、しかしもっと弱々しい音色のノイジーなリフ、ノイズ塗れで素の声がほぼ分からない絶叫が絡むスタイル。この手には珍しく、リフはトレモロではなく、平坦にノイズを重ねるようなものがメイン。

鬱ブラックって強烈なマイナスの感情が感じられるものが多いんですが、これは感情を全て吐きつくして抜け殻になってしまったかのような音。ギターの弱々しい音色といいやる気のないテンポといい、聴いているだけで体中から覇気を奪われていくような感じで、鬱ブラック耐性ない人には最早毒にしかなりえない作品でしょう。妙にメロディアスなベースも「もういい。早く休め」と言わんばかりに聴こえてしまいます。

メタルに本来求められるような派手さやエモーショナルさはないですが、テンションがシンクロしたならばかなり安らかになれそうな一枚。自殺一歩手前というよりも餓死一歩手前の無気力サウンド。ラテン語で王国を意味するバンド名からは想像の付かないような音です。


REIGN OF EREBUS - Humanracist ★★ (2013-02-02 10:26:13)

2001年発表の1st。

このバンド、以前はCOFに通じるような、ゴシック要素の強いシンフォブラックを演っていたらしいんですが…初のフルアルバムとなる今作は、それが信じられないようなRAWなシンフォブラック。特にANTAEUSやAOSOTH辺りのRAWブラックを引き合いに出したくなるような、ノイジーなギターリフが強烈で、個人的にこの音は「刃物系」とでも呼びたくなるような感じ。

ヴォーカルやキーボードは引っ込み気味のミックスで、全ての音がひと塊になって押し寄せてくるような土石流サウンドに仕上がってるんですが…その中から聴こえてくるメロディ自体は非常に良質。決して華美になりすぎず、恐ろしげなムードを演出しつつもメロディアスさを演出するキーボードの音色の選択センスもかなり良いと思う。メロディが前に出すぎてないのが逆に感じでてると思う。

ちょっとアングラ風味のシンフォニック・ブラックが好みの方にお勧めの一枚。適度にRAWな音質とメロディアスさの光る好盤で、個人的にはかなり心地良く聴けました。


REMINISCENCE - Nostalgia in Melancholy ★★ (2012-01-24 19:16:18)

2012年発表の1stデモCD-R。

MANIERISMEのJekyll氏のサイドプロジェクトの初音源という事ですが…展開やSEの挿入、音像の作り方など、プリミティブブラックとしては色々なアイデアを取り込んだMANIERISMEに対し、こちらは衝動的でRAWであることをひたすら追求したような作風ですね。やたらボリュームの大きい録音で、半壊したようなノイズ一歩手前のミニマルなブラックを展開する音は、ILDJARN辺りを聴いて耐性が付いてる人じゃないとかなり辛そう。

勿論、演っている人が同じなので、MANIERISMEとの共通点も多く、特に病気じみた中に独特の耽美さを感じさせる、毒々しいメロディはやはり特徴的。壊れかけた音作りのせいで病気っぽさが更に助長されてますね。歪んだ音の中から成仏できない地縛霊の呻きが聞こえてくるような、「ギエエエ」系のヴォーカルにもノイジーな割れ気味のエフェクトが掛かり、聴いてる方も正気ではいられなくなりそうな感じ。

個人的な印象としては、MANIERISMEの曲を未加工のまま、粗さを押し出す方向に進めたような作風だと思います。ぶっ壊れていながらもしっかり病的なムードを醸し出す辺り流石ですが、プリブラやノイズ系のブラックが駄目な人には拷問そのものでしょう(笑)。いかにも哀愁系の音を出してそうなタイトルで、メロディアスさの観点では強ちタイトル通りでないとは言い切れませんが、やはりその狂性に圧倒される感覚の方が強いですね。MANIERISMEよりも数段カルト志向な音。


RETRIBUTION (SPAIN) - Corpus Antichristi Y3k ★★★ (2015-11-08 11:35:12)

2014年発表の1st。

私は未聴なのですが、どうやらこのバンドのメンバーの別バンドである「OPERA MAGNA」は、スペインのクサメタルシーンでも高い評価を得ているバンドのようですね。その感性が発揮されているのか、派手さを売りにするバンドの多いシンフォニック・ブラックというジャンルの中でも、派手さやクサさは群を抜いているように思います。

路線としてはまあABIGAIL WILLIAMSの1stや、同郷ならGOTHMOG辺りに通じる、いわゆるDIMMU BORGIR系のブラックの系譜という感じで、キーボードにアンサンブルを任せすぎず、しっかりメロディを主張するギターワーク、ドラマ性に富んだ展開とこれらバンドに劣らないクオリティを誇る音。

ただし特異なのは、混成合唱やソプラノをふんだんに使い、これらのバンド以上にメロディを強調した音作りをしていること。特に高音域を強調したソプラノは、畏怖を呼び起こすような感覚も覚えさせ、非常に効果的に使われているように思います。決して攻撃性が低い音ではない、むしろ高めといえる音ですが、このお陰で凄まじくメロディックでクサい印象が強くなってます。

そういう訳で、クサメタル愛好家にもファンの多いこのサブジャンルにおいても、かなりクサメタラー向きの作品だと思います。とにかく派手で見栄え(聴き栄え?)のする音が好きであれば是非。


REV 16:8 - Ashlands ★★★ (2011-05-10 21:14:06)

2011年発表の2nd。
試聴してかっこよかったので、早速買ってきました。

販促シールによると、「DISSECTIONやWATAIN、OFERMODのファンにお勧め」らしいですが…個人的にDISSECTIONとは少し毛色が異なる(あそこまでメロデスに近くない)気がしますが、しっかりメタルとしての重厚感を残しつつ、ブラックメタル本来の毒気や邪悪さを振りまいていくスタイルは、後ろ二つのバンドとは確実に通じるものがあると思う。

個人的にOFERMOD(のTiamtuアルバム)は、重厚な邪悪さを醸しつつも、少し展開に勿体をつけた部分も感じられてしまったんですが…このバンドは、ブルータルな疾走や禍々しいトレモロなど、ブラックの毒気を含むフレーズを矢継ぎ早に繰り出してくれる、分かりやすい邪悪さがあるのがいいですね。特に、膿んだ傷口を掻き回すかのような、ダーク極まりないトレモロがブラック好きにはたまらないです。

そして何気に良い仕事をしているのがTalonのヴォーカル。
どこか狂気じみたがなり声で、スローな曲では息を吐きながら…というか、毒霧を吐きながら叫んでいるような粘着質さを、ファストな曲では歯切れ良さを感じさせ、パートに合った歌い方をしてくれるのが素晴らしい。特に「Coal Mirror」でのホイッスル音や喘鳴も交えたパフォーマンスは凄まじい存在感。

ただ、試聴では分からなかったんですが、WATAINとかの作品と比べると音が微妙に小さいのがネックなんですよね…。クリアながら、ブラック特有のシャー音をある程度残す事で、地下臭さを消さない音質自体は悪くないんですが、なぜ音量をもう二目盛りほど上げてくれなかったのか疑問。個人的に音が小さい作品は、音が粗い・汚い作品より苦手なので。

…と言っても、私のような神経質なリスナーでなければ、音の小ささはそこまで感じないかと。DISSECTION辺りの基本バンドから、もう一歩踏み込みたい人にはうってつけではないでしょうか。


REVELATION'S HAMMER - Revelation's Hammer ★★★ (2014-08-01 22:43:24)

2013年発表の1st。

ドラムにサポートを入れているものの、基本はACCUSER氏による独りブラック。独りブラックとしては珍しく、鬱系やポスト系などの作り手の自意識と作品の魅力が直結するようなタイプではなく、WATAINやDISSECTION辺りが引き合いに出される、バンド然としたややメロディックなブラック。音質や楽曲のメリハリの付け方など、エクストリームメタルとしてもかなり質の高い音で、自己満足っぽさは全く感じられないです。

実はこのアルバムを買ったきっかけは、店頭での解説文に上記のバンドに加えて、EMPERORが引き合いに出されてたからなんですよね。WATAIN系のドス黒い系のメロブラで、EMPERORとは珍しい…と。で、実際に聴いてみた印象としては、強ち誇張でもないかな…と思います。例えば一曲目の2分30秒くらいのパートを始めとして、「Anthems」期のEMPERORに近いような、神秘性を帯びたリフが、ちょくちょく聴けたりします。

ただ、シンフォニックな要素は全く無いので、比率で言えばWATAINやDISSECTIONが9、EMPERORが1くらいの分量だと思います。こうした強力に耳を惹く部分がありつつ、上記メロブラバンドのような邪悪トレモロと、時々ノリの良いオールドスクールさも交えた、やや長尺ながら飽きさせない展開の上手さも備えてるので、新進気鋭のブラックメタルバンドの中でも抜けたクオリティの高さを実現出来てるように思うんですよね。

店のコメントを信じて買いましたが、これは大正解でしたね。クオリティが高くても、同じような音になってしまいがちなジャンルの中で、「おおっ」と思わせるものがあるのが素晴らしいです。その上でしっかり質も高いという。これは買いですよ。


REVERENCE - The Asthenic Ascension ★★★ (2012-10-19 00:08:00)

2012年発表の4th。
前々作をAvantgardeから、前作をOsmoseからリリースし、今作はCandlelightからのリリースと、名門レーベルを転々としているだけあって、かなりハイクオリティなインダストリアル・ブラックを演ってますね。

直接的にインダストリアルノイズなどを曲に絡めてくる事は少なく、アトモスフェリックなキーボードや無機的な質感を持ったリフなどにより、破滅の差し迫ったようなムードを演出している作風で、タイプとしては「Generator」期のABORYMに近いと言えるかもしれません。ブラックって演奏や音質に荒々しさを残しておく事が多いですが、この作品は生臭さがほぼ排除され、無機質な耳触りを持った仕上がりの音作りになってますね。その音作りが、生命反応のないような破滅感を更に高めてます。

この作品も聴いていると、ABORYM以外にも他のバンドが色々浮かんで来るんですが…その悉くが私のツボを突いてるバンドなんですよね。例えば、不協的なリフや不穏なアルペジオを駆使した、病的なムード作りは同郷のBLUT AUS NORDの近作を、時折リフに練り込まれる殺伐としたメロディはBlasphemer在籍時のMAYHEMを思わせる部分も。アルバム全体から言えばごく一部に過ぎないパートですが、LUNAR AURORAを思わせる神秘的トレモロが出てきたときは悶絶しましたね…。

先人の影響をそのまま取り込んだだけという訳ではなく、しっかり自分の持つ世界観に反映させられているのが素晴らしいです。ダークで破滅的なメタルが好きな方、特にBLUT AUS NORDの「MoRT」アルバムについて、雰囲気は好きだけどもう少しメタリックさや展開がある方が好みだと思った方なんかはどツボなのでは。


RHAPSODY - Symphony of Enchanted Lands - Emerald Sword ★★★ (2007-05-12 11:26:14)

サビメロ、そのまま合唱曲とかに出来そうですね…


RHAPSODY OF FIRE - Symphony of Enchanted Lands - Emerald Sword ★★★ (2007-05-12 11:26:14)

サビメロ、そのまま合唱曲とかに出来そうですね…


RIDING ★★ (2011-07-16 00:27:48)

TUBEのファミリーバンドとして94-99年まで活動していたバンド。
伊藤”リンダ”一義さんは本当に天性の声質を持った人だと思う。
再結成とかないですかね…。


RIDING - FIRST RIDING ★★★ (2011-07-16 00:29:59)

94年発表の6曲入りミニ。

TUBEのファミリーバンドで、しかも角野さんが在籍してるということもあって、出音としては完全にTUBEそのものですよね(笑)。ただし、春畑さんに作曲の主導権が移り、ぎらついた夏感を演出していたTUBEに対し、こっちはデビュー当時~渚のオールスターズ結成期くらいまでのTUBEを思わせる、落ち着いた、ムードのあるポップスで、本隊とは差別化が成されていたと言えるかと。春畑さんが1曲提供してますが、その曲だけは当時のTUBEそのもの。

これだけなら、超良質のものを提供しているとはいえ、単にTUBE風のポップス/ロックという感じになってしまいそうですが…それを許さず、作品を1段も2段も魅力的なものにしているのがヴォーカリスト伊藤”リンダ”一義さんの歌声。
織田哲郎さんの声質にも近い、非常に艶のある上品な声質で、聴いてるだけでうっとりしてしまいます。間違いなく「ギフト」とか「タレント」という言葉で表されるような、天性の素質を持った人。…最近の高音さえ出ればいいみたいな風潮で、オカマみたいな声出して喜んでる人には彼の声を聴かせてやりたいですね。これが「歌」だ。

伊藤さんはLOUDNESSのコーラスにも参加していたようですし、メタラーにもそこそこ受けが良かった春畑さんのソロ「J’S THEME」のヴォーカル版もあるし、意外とメタラーも聴けるアルバムかもしれません。TWINZERの生沢さんもゲストで歌ってますしね。


RIMFROST - Veraldar Nagli ★★★ (2011-06-08 18:44:40)

2009年発表の2nd。
ベラルダー殴り。ほんとは何て読むんでしょうね(笑)。

ブラックメタルの中でも、レアケースと言えるくらい刻みリフに特化したタイプのブラックですね。スラッシュの激しさやダークさを伸ばした結果、ブラック化したかのようなスタイルですが、オールドスクールな感触だけでなく、プロデューサーのAndy La Rocqueの手腕なのか、モダンかつブラックらしいダークさを失わない質感のある音に仕上がってるのが特徴。

8曲で52分強とこの手にしては1曲が長く、曲構成でも勢いだけではないドラマ性を感じさせてくれますが、そのドラマ性を演出するのが、殆ど刻みリフ(とそれに乗るメロディ)とリズムの絡みであるのが凄いと思う。アルペジオやトレモロも時折入れるものの、8割がた刻みリフで展開を作ってます。所々、メロディ等にヴァイキングに通じる勇壮さ・エピック性が感じられるのもポイント。

ただ、キーボードやアルペジオ、ノーマルヴォイス(渋い美声!)を取り入れた4曲目など、壮大さやドラマ性を重視するあまり冗長になってる部分が少しだけあるのがネックかもしれません。まあ一部なのでそこまでマイナスではないですが。1曲目の45秒~辺りなどで散見される、スラッシュベースならではなフュリアスなリフとリズムの応酬、重々しさも軽快さも表現できる「刻みリフ」のポテンシャルを活かすような、Andy La Rocqueのプロダクションなどそれを帳消しにする美点も多いですしね。

そういう訳で、個人的には個性的なスタイルだと思うし、☆は3つ付けたいところ。冒頭のザクザク刻んでからの絶叫の時点でめっちゃ熱いアルバムです。


RIMTHURS - Svartnar ★★ (2016-05-18 12:53:08)

2010年発表の1st。

タイプとしては、アトモスフェリック・ペイガン・メロディックのいいとこ取りのようなブラックメタル…という感じでしょうか。メロウなトレモロを聴かせる疾走パートはスウェディッシュブラックらしさがありますが、内省的で土着性も感じさせるメロディなど、どこか辺境ペイガンブラックっぽい雰囲気もそこに加味されているように思います。ヴォーカルもしっかり凶悪で良い感じ。

個人的にはよく言えばいぶし銀、悪く言えばちょっとだけ地味でしょうか。RAW過ぎず整いすぎずのプロダクション、攻撃性のみでなく、展開やムードの演出にもしっかり気を配った曲の構成、トレモロ含有率高めながら一辺倒ではないリフ捌きなど、しっかりやるべきことをやっているけど、突出したウリには欠けるというか…。まあ誰も彼もが革新的な音を求めている訳ではないですし、叙情的なメロディはかなり上質なので特に問題ではないですが。

若干マニア…というか、この手を常聴してる人向けではありますが、悪くは無い作品かと。


RIVENDELL ★★ (2011-01-21 23:50:25)

日本人二人組みによるアイリッシュユニット。
1stはKIRCHE、ORITAなどのリリースで知られる桜詩舎から。
また、ZABADAKの吉良さんも参加してます。


RIVENDELL (AUSTRIA) - FAREWELL – THE LAST DAWN ★★★ (2012-06-06 14:58:25)

2005年発表の3rd。
日本のトラッドバンドと同名という事で、なんか親近感を覚えて購入したんですが、これ、今までに聴いたフォーク/ペイガンブラックでもベスト5に入るかもしれません…。かなり素晴らしい作品です。

スタイルとしては、笛や民族楽器、アコギなどによって奏でられるトラッド風のメロディと、ゆったりしたテンポのブラックメタルを掛け合わせたような作風ですが、叙情的な民族メロディが楽曲の主軸であり、ブラックメタル要素がそれを支えている感じのバランスが大きな特徴。決して呑めや歌えのクサメロ全開という訳ではありませんが、ジャケの夕焼けの森が浮かんでくるような、深い郷愁を感じさせるようなメロディのセンスが本当に絶品。

そしてそのメロディの良さを武器にした、楽曲の充実振りも素晴らしい。トライバルなパーカッションとエキゾチックなアコギも取り入れ、異国情緒を演出するオケに、Garm氏を思わせる深みのある低音ヴォーカルが響き、幽玄な世界観を演出する「The Old Walking Song」はこの名盤の中でも異色かつ出色の出来だと思う。他の曲もブラックメタル要素が哀愁メロディと見事に融和していて、音楽を聴いている事を忘れてしまうくらい、彼の作り出す世界観に没頭してしまいます。

以前DARKTHRONEのFenrizがISENGARDやSTORMなどでトラッドのカヴァーも披露していましたが、ああいった音源が好きであれば引き込まれること間違いなしの素晴らしい作品。フォーク/ペイガンブラックを好んで聴いている方なら買ってまず損はないでしょう。


RIVENDELL - BLESSING ★★ (2011-01-21 23:51:03)

2004年発表の1stミニ。
吉良さんやレーベルの名前で買いましたが、これはいいですね。

トラッドはメタルだとお祭り騒ぎ系、ポップスでは幻想系が人気ですが、このユニットの音楽性はそのどちらでもなく、もっと生活感や現実の風景の感じられる、純正のアイリッシュという感じですね。お洒落なパブで楽団が演奏してくれたら、飲み会大嫌いな私でさえ美味いお酒が呑めそうな感じ(笑)。

プロダクションはかなり良く、各楽器の音がはっきり、適正な音量で録られてます。ブレス音が入ってるのも、臨場感があって個人的には○。あと何気に、木村林太郎さんのヴォーカルが素晴らしいんですよね。ZABADAKの吉良さんにも通じる、低~中音で色気のある歌声ですが、倍音の響きが美しくて聴いててうっとりします。そのヴォーカルが堪能できる1曲目と、トラッドの物悲しいメロディが濃い4曲目は特にお勧め。


ROMAN SO WORDS ★★ (2010-05-12 00:05:00)

MINSTRELIXのYuI氏と、巳稀氏による新プロジェクト。
ミニを聴く限り、歌謡的なメロスピをメインに演っている模様。


ROMAN SO WORDS - Melodies of Memory ★★ (2010-05-12 00:00:00)

2010年発表の4曲入りミニ。TUBEのバラードベストみたいなタイトルですね(笑)。
FAIRY MIRRORのJuno氏が3曲で参加。
1曲目こそ、アコーディオンやストリングスの活躍する、幻想的なトラッド寄りの
非メタル曲で、しかも堂に入った完成度だったので、こっちはメタルを演らないのかな…
と思いましたが…残りの3曲、民族っぽいメロやゴシック/プログレ的なアプローチが
見られるとはいえ、基本は全部歌謡メロスピでした(笑)。それも鬼クオリティの。
…これを聴いて思うのは、「MINSTRELIXでは手を抜いてた!?」という事(笑)。
いや、向こうは編成も大きいし、アンサンブルの絡みや、メタリックな雰囲気の演出の
関係など色々あるんでしょうけど…そういう訝りが頭に浮かぶくらい、メロディに恐ろしい
即効性の高さがある。楽器のフレーズも十二分にクサいですが、特に歌メロは素晴らしく、
それだけで言ったら、普通に同時期に出たDRAGON GUARDIANの新譜(VELGA)を凌駕してるとすら思う。
個人的に、メロスピは歌メロが8割以上だと思うので、この歌メロ重視の作風は最高(笑)。
それを歌う巳稀さんのヴォーカルは…良い意味でアニメっぽさのある声質だと思う。
アニソンの中でも、「女性ヴォーカルの凛とした声質を利用して、シリアスにかっこよく
聴かせる」タイプの曲に合いそうな声。個人的にアニソン要素のあるメタルは、萌え要素が
無い、シリアスタイプの方がいい…というか、萌え系の声は基本ダメなので(笑)、
この声はツボ。なによりメロディの可憐さに合ってると思うし。
MINSTRELIXのメンバーが参加してるし、取り敢えず買ってみようかな…と軽く手を
出しましたが、久し振りに、この手のジャパメタで「誰かにその素晴らしさを伝えたくて、
いても立ってもいられなくなる」というレベルの作品に出会えました。
ぶっちゃけMINSTRELIXよりも全然好きだし、クサいと思います。DRAGON GUARDIANの1stや
3rd、MARCHEN STATIONの1stに匹敵するクサさ。音質が少し弱めなど、多少の欠点も
ありますが、取り敢えずクサメタラーや歌謡メタルファンは買っときましょう。


ROMAN SO WORDS - Melodies of Memory - Romancing Waltz ★★★ (2010-05-12 00:02:41)

これは…非メタル曲ながらかなりのクサ度ですね。
イントロからRPGのエンディングで、世界が平和になって緑が芽吹く時のBGMみたいなノリですし(笑)。アコーディオンなどを使った、花祭りを思わせる華やかなアンサンブルも良いですね。あまり関係無いですが、地域祭りも、おっさんがテントの下で酒喰らってるようなうっとい雰囲気じゃなくて、こういうお洒落で華やかなノリだったら、私も是非参加したいんだけどなぁ。


ROMAN SO WORDS - Melodies of Memory - 月煌~moon Stone~ ★★★ (2010-05-12 00:04:35)

ダークなプログレメタルやゴシックメタルの要素もあり、曲作りの巧みさを感じさせてくれる曲ではありますが…サビでは複雑さをすっぱりと切り捨て、ごく分かりやすくメロスピしてくれるのが良いですね(笑)。巳稀嬢とJuno嬢、二人の歌声の絡みが、更に曲を華やかに劇的に、そしてクサく彩ってます。


ROMAN SO WORDS - Melodies of Memory - 紅蓮ノ華 ★★★ (2010-05-12 00:05:19)

ラス曲もメロスピチューンでダメ押し(笑)
Aメロから歌メロの叙情性、スピード感ともにマックスのテンションでかっ飛ばしていく曲ですが、疾走しっ放しの中で徐々に盛り上げていき、サビでは多幸感を感じるレベルまで引き上げる編曲も見事。そろそろメロスパーの皆さんも鼻血が出てくる頃なのでは(笑)。


ROMAN SO WORDS - Melodies of Memory - 雪奈 ★★★ (2010-05-12 00:03:42)

1曲目を聴いた限りでは「もしかして非メタル…?」と危惧もしましたが、期待通り、いや期待を大きく上回るメロスピが来て安心。特に「♪彼女の胸に 灯る焔を」辺りの歌メロは、リフの駆動感やドラムの激しさによる疾走感に飽かせて、歌メロが間延びしてしまうバンドとは格が違うクサさです。個人的にメロスピにはこういうメロが乗るのが理想。歌メロのクサさでアニソンに劣るメロスピなんぞ2流2流(注:超私見です・笑)。どこかの民族の結婚式の舞踏曲を攻撃的にしたような華やかなメロと、メタル特有のシンフォな大仰さが交錯する間奏パートも素晴らしい。


ROOT ★★ (2013-09-14 11:55:00)

チェコ産ブラックメタルバンド。
80年代後半より活動を続け、9枚ものアルバムをリリースしている大ベテラン。


ROOT - Heritage of Satan ★★★ (2013-09-14 11:54:17)

2011年発表の9th。
一部楽曲で元MAYHEMのBlasphemer氏、BEHEMOTHのNergal氏、WATAINのErik氏がゲスト参加。…なんなんだこの私得なメンツは(笑)。そりゃ、バンドの評判とも相俟ってレジに持って行きたくなりますよね(笑)。

ブラックメタルシーンでも古株かつ熱狂的な支持を受けるバンド、しかし現在はある程度ブラックから距離を置いた音を出している…という情報から、期待しつつ不安もあったんですが…これは買って良かったですね。確かに典型的なブラックとは言えない音ですけど、ダークでサタニックなメタルである事に変わりはなく、私的にはかなり好みの作風なんですよね。

楽曲によっては、空気を澱ませるような邪悪なトレモロリフや、暴虐さをダイレクトに伝えるブラストビート等、ブラック的な音も出していますが…基本的には正統なメタルのグルーヴやダイナミズムを持つ、ダークでダーティなヘヴィメタル。音質も変に篭もっていたりせず、楽曲の持つダークなムードを直接的に伝えるようなクリアな音。DISSECTIONの「Reinkaos」やSATYRICONの近作辺りよりも更に普遍的なメタルを目指している感じ。

ただし、そのグルーヴィだったりダイナミックだったりが、妙に明るい方向でなく、邪悪さや暗黒性をより実体的にする方向に作用しているのが素晴らしいです。ヴォーカルもダミ声でがなったり低音でメロディを追ったりしていてブラックっぽくはないですが、叫ばずとも悪魔達を従えるような威厳に満ちていて、これはこれで好き。普通にハイトーンとかだと能天気に聴こえてしまってサタニックなムードが壊れる気がするんですが、こういうクリーンなら歓迎。

普遍的なメタルのかっこよさを感じさせつつも、あくまでサタニックなムードを最重要視したような濃さも感じさせる、かなりの良盤。アルバムの導入が多少長い事を除けば、満足の一枚。ベテランらしい確信に満ちた、黒光りする作品です。


ROSE & ROSARY ★★ (2010-05-09 20:16:00)

国産頽廃シンフォ・ゴシック。
SADSの曲に、「ロザリオと薔薇」という曲がありましたが、関連はあるんでしょうか。
向こうはメタル・グラム・ハードコア辺りの要素が強いですが、頽廃性では共通してると思う。


ROSE & ROSARY - Devilsh Alice - Brave ★★ (2010-05-09 20:15:51)

アルバムを頭から聴いていると、いきなりポップな曲が出てきて驚くことと思います。V系バンドの、深夜アニメのタイアップがついてブレイクするきっかけとなる曲…という感じの曲調。アルバムの他の曲とは一線を画してますが、間奏の圧迫感のあるキーボードなどはやっぱり彼らならではという感じ。


ROSE & ROSARY - Devilsh Alice - Patient ★★★ (2010-05-09 20:14:51)

イントロや間奏など、至るところにプログレメタルからの影響を感じさせる曲で、特にキーボードとユニゾンしたり印象的なフレーズを弾いたりするベースがかっこいいです。寧ろベースメインの曲と言っても過言ではないと思う。敢えて感情を押し殺しながら歌うようなヴォーカルのパフォーマンスも良い感じですね。


ROSE & ROSARY - Devilsh Alice - Rose of Misery ★★★ (2010-05-09 20:08:08)

徹底して真性エレクトロ・ゴシックファンに受けそうな頽廃的な世界観を描きつつも、要所ではこういうV系的な取っ付きやすさを備えながら、世界観を保った曲を入れてくる辺りバランス感覚が良いですよね。メンバーのコーラスが若干浮いてる感はありますが…。でも、「♪You must be don't BETRAY me!!!」ってどういう意味なんでしょう(笑)。個人的には「汝確かに在りし、私を裏切ること莫れ」的な訳を当てたいんですが…この世界観で文法ミスとかめっちゃ萎えるんで…。


ROSE & ROSARY - Devilsh Alice - Zodiac ★★★ (2010-05-09 20:09:07)

ドローンめいたベースとアトモスフェリックなキーボードが作り出す暗黒に、ヘヴィなギターリフが雷鳴のように切り込んでくる、音作りの巧さが光る曲。「雷鳴飲み込み広がる暗黒のイメージ」その言葉通りの音像。この音こそが、ヴォーカルにもカリスマ性を与えていると思う。タイトル的には占星術っぽいですが、音は寧ろ「占星呪術」っぽい雰囲気です。


ROSE & ROSARY - Devilsh Alice - 黄泉平良坂ラブロマンス ★★★ (2010-05-09 20:09:57)

タイトルのセンスや、煌びやかなキーボード+疾走感からは、最近のALI PROJECTのシングル曲を彷彿とさせますが…実際はもう少しダークな路線ですね。アトモスフェリックなキーボードはシンフォブラックを、煌びやかな方はクサメタルを思わせ、強くメタルを連想する音でもあります。クラシカルで、僅かに歌謡性も残した歌メロも私好みです。