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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5301-5400
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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5301-5400
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SDN48 - Next Encore - 口説きながら麻布十番 (2012-05-18 07:31:57)

これ、確か雑誌で「秋元康は聴き手をどれだけ舐めても許されるか実験しているのかもしれない」って言われてた曲でしたっけ…?メロディはムーディだし、そこまで酷い曲だとも思わないけど、やっぱりみのさんがなぁ…嫌でも顔が浮かんできちゃいますもん(笑)。1対多のデュエット形式で、狙ったキャバクラ感はちゃんと出せてると思いますけど。


SDN48 - Next Encore - 佐渡へ渡る ★★ (2012-05-18 07:42:01)

曲名的に和風な曲が来るかと思ってましたが、意外にも「GAGAGA」の洋楽テイストを更に推し進めた感じの、クールな曲調でびっくり。「サドヘ・ワ・タ・ル~」って音だけ聴いたら英詩かと思いますよね。洗練された感じはあっても、口ずさみやすいキャッチネスはしっかり残してくれる辺りが良いですね。


SDN48 - Next Encore - 淡路島のタマネギ ★★ (2012-05-18 07:40:07)

最初のアイドルとは思えないダミ声絶叫MCに吹きました(笑)。大人っぽいムードの曲が多いだけに、アルバム流し聴きしてるとめっちゃビビる(笑)。しかもパンキッシュな曲が始まると思いきや、キラキラしたトランシーな曲調というのも意外。何気に歌声がいつもより可愛らしい感じがするのも面白いですね。


SDN48 - Next Encore - 天国のドアは3回目のベルで開く ★★★ (2012-05-18 07:40:48)

スパニッシュギターやパーカッシブなリズムを取り入れたアレンジが、グループの持つ刹那的なコンセプトと見事にあった曲。サビの高音域でのハモリは、どこか切迫した感情も伝わってくるもので、昏い情熱が感じられ、スパニッシュギターの音色とマッチして独特の世界観を作り上げてるように思う。


SDN48 - 負け惜しみコングラチュレーション - クリクリ ★★★ (2012-05-18 07:25:27)

楽曲のアベレージのめっちゃ高いこのグループの中でも、1、2を争うほどの名曲かもしれないです、これ…。タイトルや歌詞からは絶対ネタ曲だろうと思ってましたが、これがムーディなアレンジに民謡並に口ずさみやすい、どキャッチーなメロディが乗る曲で良い意味で裏切られました。歌詞のはっちゃけといい、意外な完成度の高さといい、個人的にはサザンがシングルの表題曲以外でやりそうなイメージ。とにかく一回聴いたら忘れられないインパクトがあります。


SDN48 - 負け惜しみコングラチュレーション - 終わらないアンコール ★★★ (2012-05-18 07:22:43)

これはやっぱり実質的な解散についての曲ですよね…完全に後追いかつ思いっきりニワカな私が聴いてもジーンと来てしまうくらいなので、グループを結成当時から応援してきた人にとっては特別な曲なのかもしれません。合唱に聞こえるヴォーカルのミックスも、切ない雰囲気をより強めているように思います。


SDN48 - 負け惜しみコングラチュレーション - 上からナツコ ★★★ (2012-05-18 07:24:14)

AKBの「上からマリコ」のSDNバージョン。
まだAKBの方はちゃんと聴いてないんですが、これは結構好きです。タイトルだけ聴くと「?」と思うようなテーマなのに、ポップスとしてある程度普遍性を持ってるように聞こえてしまう歌詞は正直感心してしまいました。サビも張り上げて歌って気持ちいい音域に設定されてる(特に「サディスティックな~」辺り)し、カラオケ文化を見越したような曲作りもいいですね。


SDN48 - 負け惜しみコングラチュレーション - 負け惜しみコングラチュレーション ★★ (2012-05-18 07:26:25)

ファンファーレのように派手にブラスを使いつつも、どこか明るくなりきれないメロディは正に負け惜しみコングラチュレーション。正直秋元氏のプロデュースってとても全肯定は出来ないですけど、曲調にあったシチュエーションをポップスの歌詞として提供できる手腕は凄いと思う。曲は今までのシングル曲と比べると、衒いのないポップスで普通に良い曲だと思う。


SEA OF TREES - Aokigahara ★★ (2016-04-22 00:11:45)

2011年発表の3曲入りEP。
盤面の無音部分に施された装飾が非常にオシャレ。

このバンド名と作品名…日本人で鬱ブラック好きなら聴かずにはいられなくなりますね(笑)。リリースもMisanthropic Artからなのでクオリティも期待出来そうですし。…実際聴いてみると、予想も期待も裏切らない、鬱ブラックど真ん中の音。やや粗めの録音に、ゆるやかなテンポに陰鬱としたトレモロリフ、BURZUMを更に悲痛に(+もっと情けなく)したような絶叫と、ほんとこの手の王道って感じの音です。

ただ、この手のバンドは雰囲気を出すためか、敢えて明瞭なメロディを避けることも多いですが…この作品はトレモロリフによって奏でられるメロディがかなりはっきりしているのが特徴。個人的にはこれくらい明瞭なメロディの方が酔えるので、これは大歓迎なんですが…トータルの演奏時間が13分しかないのが最大のネック。気持ちよくなり始めたところで終わってしまう感が…。

そういう訳で、楽曲自体はかなり良質なものの、食い足りなさが残ってしまう一枚。未だにフルアルバムは出ていないようですし…。ぶっちゃけ中古でフルアルバムだと思って購入したからそんな風に感じるのかもしれません(笑)。


SEAR BLISS - Eternal Recurrence ★★★ (2012-01-26 00:30:55)

2012年発表の7th。
フルアルバムとしては5年振りとなる新作。

前作は管楽器の入った、スペイシー/スペースオペラ的で非常にクオリティの高いシンフォニック・ブラックでしたが、今回はかなりアトモスフェリックな方向に舵を切ってきてますね。疾走パートは全体の1割程度に留め、ねっとりしたベースラインや幻惑するようなアルペジオ、凝ったリフなどのアンサンブルで洗脳的なムードを醸し出す、プログレッシブな作風で、個人的にはARCTURUSの4th辺りに近い世界観を感じました。ただ、ARCTURUSの作品のような奇矯さはこちらにはあまりなく、ひたすらに世界観の中に沈み込んでいくようなシリアスな雰囲気が強いのが大きな違いですね。

作風こそかなり変化したものの、今作でも管楽器を取り入れたシンフォパートは健在。ただやはり使われ方がかなり異なっており、前作では壮大なスケール感を演出していたのが、今作ではアダルトな雰囲気だったり、頽廃的な空気感だったり、よりムード重視になっている印象。また、バンドサウンドによる情景描写は更に緻密になっている感じで、例えば2曲目冒頭の水音のSEと、幽玄なアルペジオが地続きの情景で繋がるところなんかは巧過ぎて溜息が出そうになります。

このバンド、アトモスフェリックな作風になっても、あまりアンビエントで雰囲気モノな方向には行かず、幽玄で洗脳的なムードをバンドのアンサンブルで醸成する、メタリックな音を崩していないのが素晴らしいと思う。録音状態もタイトで聴きやすいですし、濃厚なムードを醸し出すフレーズだけでなく、激しい刻みリフやブラックらしいトレモロ疾走なんかは普通にかっこいい。エクストリームメタルとして前衛的で破天荒な部分と、類型的で普遍性のある部分がバランスよく入ってる感じ。

ただ、欠点としては、作風の割に短いんですよね…曲もアルバム全体としても。特に曲はもう少しこの濃厚なムードに浸っていたいという所で終わってしまう時が多い感じ。まあそれを踏まえても素晴らしい作品ではありますが。前作が宇宙をスペースシップで往く感じだとすれば、こっちは魂が肉体からあくがり、宇宙を揺蕩っている感じでしょうか。今作も前作に続き、本当に良いアルバムですので必聴です。


SEAR BLISS - The Arcane Odyssey ★★★ (2008-07-12 19:17:00)

2007年発表の6th。

硬質かつクリア、タイトに纏めながらも宇宙的な情景描写を更に強めるノイジーなギターをフィーチャーした音質、美メロ・哀メロを織り込んだトレモロリフやそれに絡むスペイシーでアトモスフェリックなキーボード、狂気だけでなく威厳や色気も感じさせる低音デスヴォイス等、どこを切っても実に質の高い宇宙的なシンフォニック・ブラック。出音には正統派にも通じる真っ当なメタルとしてのかっこよさがあるので、シンフォブラックのファンだけでなく、メロデス好きにもアピール出来る音だと思います。

しかし、一番の特徴は大胆に管楽器(トランペット・トロンボーン等)を導入してる事でしょう。全編を通じて出ずっぱりという訳ではありませんが、サビに当たるような「ここぞ」と言うところで登場し、鮮烈な印象を残していくような使われ方がされており、存在感はばっちり。管が入るパートでは「スペイシー」から「スペースオペラ的」に音像がレベルアップしてる感じです。しかもこのバンド、93年の結成時から管楽器とシンフォブラックの融合を志向してるからなのか、管楽器を取り入れた展開に全然無理がなく、ドラマティックに仕上がってるのも凄いんですよね。

これはユニークだしクオリティも高いし、一発で気に入ってしまいました。
シンフォニックブラック好きなら必聴です。


SEAR BLISS - The Arcane Odyssey - A Deathly Illusion ★★★ (2008-07-18 18:37:37)

この曲のオープニング、うっすらと見えていた景色が徐々に鮮明になっていくようで印象に残りますね。ブラスのメロディは、哀しさと同時にどこかへの旅立ちを感じさせますが…タイトル的には死出の旅という感じでしょうか。夜空に向かって幾つもの魂が旅立っていく的な。


SEAR BLISS - The Arcane Odyssey - Blood on the Milky Way ★★★ (2008-07-18 18:36:33)

私はこの曲で初めてSEAR BLISSを聴きましたが…LIMBONIC ARTやARCTURUSに勝るとも劣らないスケールの大きい宇宙の描写に軽く感動。壮大に疾走→テンポ落としてブラスで聴かせる→疾走再開、の流れは劇的なのに実にスムース。アルバムの掴みとして最適なインパクトのある曲。


SEAR BLISS - The Arcane Odyssey - Omen of Doom ★★ (2008-07-18 18:39:07)

最初はこのアーティストにしてはちょっと地味めな立ち上がりかな…とも思いましたが、ブラスのメロディの扇情度はアルバム1かもしれません。このパートがあるせいで曲全体も凄く締まって聴こえます。


SEAR BLISS - The Arcane Odyssey - Somewhere ★★ (2008-07-18 18:39:57)

曲の演奏時間が長かったので、どんな壮大な展開なのかと期待したら…最後長い無音部が入ってました…。まあ、曲自体は良くて、左右の両チャンネルを使用したリフやラストのツインギターのソロなど、HR/HMとしての根幹のセンスの良さを感じさせてくれますが…無音部入れるくらいなら、フェイドアウトせずギターソロで盛り上げてくれれば良かったのに。


SEAR BLISS - The Arcane Odyssey - Thorns of Deception ★★★ (2008-07-18 18:38:22)

頭などで使われているリフ、流星が尾を引いているみたいでかっこいいです。曲が始まるとそれが亡霊の様に見えたり…みたいな恐ろしさがありますが。このバンド、宇宙のスケールが大きく、計り知れないが故の恐さみたいなものも表現出来ているのではないでしょうか。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis ★★★ (2008-06-13 18:35:00)

2006年発表の3rd。

ブラックメタルの独特の禍々しい雰囲気を演出する手法としては、スピード/ブルータリティを重視したり、音質を故意に落として衝動性を前面に出したり、アンビエントの要素を取り入れ音響方面から攻めたりといったものが好まれてますが、この作品はそのどれでもなく、展開やフレーズを丁寧に組み合わせることでそういった感覚を味あわせてくれるアルバムに仕上がってますね。

ヘヴィ・メタルとして質が高い音なのはKOKやDIMMU BORGIR同様なんですが、曲調がメタルとしてのかっこよさよりもブラック的な禍々しい魅力を放っている事がこのバンドの特徴でしょうか。所々に挿入される鐘の音や妖艶さを感じるアルペジオ、妖気漂う響きのトレモロ、中音域の威厳のあるがなりヴォーカルなど各要素自体もなかなかに魅力的。

また、曲の質の高さ同様、音質もかなりハイクオリティ。わざわざ「ハイファイなサウンドシステムで聴いて欲しい」的な事をライナーに書いてるだけあって、メタルの中でも売れてるメロデスバンド辺りと比べても何ら遜色無いくらいに綺麗で迫力のある音。特にギターの刻みの威風すら感じる重さは特筆もので、それが魔的なトレモロと合わさるとサタンが降臨して、ふんぞり返っているような堂々とした雰囲気に。

これは個性もあると思うし、隠れた名盤といえるんじゃないでしょうか。
WATAINやCODE辺りが好きな方に特にお勧めできそうなアルバムだと思います。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Confessions ★★★ (2008-07-16 21:10:38)

ヘヴィでどす黒い音とトレモロの組み合わせが邪悪でいいなぁ…このバンドの強味は、音楽性は然程マニアックでないのにカルトな音楽性のバンドにも劣らないくらい雰囲気が濃い事かも。威厳のあるヴォーカルがパーカッシブな役割を果たしている所は、ちょっとSATYRICONっぽくも感じたり。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Ghost ★★ (2008-07-16 21:16:24)

全体的に邪悪で深遠な雰囲気はキープされてるし、曲の7~8割くらいは良いんですが、残りの2~3割がどうもちょっと間延びしてるように感じるんですよね…このバンド、出音が素晴らしいだけに、もう少し垢抜けたら凄い事になりそうなんだけどなぁ…。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Lucifer Speaks ★★ (2008-07-16 21:22:25)

途中の禍々しいアルペジオと刻みリフのパートが印象に残りますね…普通刻みいれたらグルーヴィになりそうですが、こういう使い方されると精神的な圧迫を受けてる感じ。でも正直、一曲をこんなに長くする必要性があまり感じられないようにも思うんですよね…少しダレを覚えるかも。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Metamorphoses (2008-07-16 21:13:25)

こういう曲調は、音と聴き手の精神状態がシンクロしないと結構辛いものがあるかも。しかし、最初の「あーーー…」が何か面白いんですが(笑)なんとなく、DSOのFas~のジャケの映像が思い浮かぶようなイントロ。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Ordinance ★★★ (2008-07-16 21:07:20)

ヘヴィなリフをブラストで切り裂いていくファストパートと、拳を突き上げたくなる宗教的熱狂の感じられるロック乗りのパートを組み合わせた展開がダイナミックでかっこいいですね。「You cruel king~」辺りのふてぶてしい威厳は、最近のSATYRICONにも通じる物もあると思います。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Seraphim Is Dead ★★★ (2008-07-16 21:19:04)

これは強烈!
たっぷりと気を持たせるイントロから、一気にブラストで突進!間違い無くアルバムのハイライトと言える曲だと思います。隠し味的にブラスを入れて雰囲気出してるのも良いですね。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Versus ★★ (2008-07-16 21:04:25)

ブラックメタルとしては意外にも、出している音にはメタリックなタフさがあると思うんですが、このバンドの曲調だと黒さが更に増しているだけにしか聴こえないです(笑)。鐘の音まで入れて雰囲気たっぷり。ただ、ラストは引っ張り過ぎのきらいも。


SECRETS OF THE MOON - Privilegivm ★★★ (2011-03-29 20:02:59)

2009年発表の4th。

良質なプロダクションと刻みを多用する曲展開で、メタリックなマッシブさはキープしつつも、近年のSATYRICON的な魔王が降臨するような堂々としたキャッチーなサビパート、単に暗黒なだけではない、深遠な神秘性・魔性を感じさせるトレモロリフやアルペジオによりブラックならではの邪悪な世界観を演出する作風は、前作の路線を踏襲してますね。特にアルペジオの使い方はブラックメタルバンドの中でも屈指の巧みさで、これを利用した不穏なムードの濃さは近年のDEATHSPELL OMEGAに匹敵すると思う。

但し、、以前までと比べると疾走パートはかなり減少し、ほぼミドルテンポになっているのは、少し聴き手を選ぶかもしれません。個人的には暗黒の世界に君臨するような、威風堂々とした雰囲気が更に強まっているので歓迎ですが。ただ、ちょっと「引き」のパートが長い傾向があるのが気になりますね。特に導入部の、1曲目と2曲目のイントロは、それぞれ「アルバムの導入」「楽曲のイントロ」としては素晴らしいものの、二つ繋がるとちょっとクドいかも。まあ、それを差し引いても、09年のベストの一枚に選んでしまったほどお気に入りの作品なんですが。

アバンギャルドだったり邪悪だったりするバンドは沢山いますが、このバンドのように丁寧で、かつメタルとして質の高い、ある意味聴きやすい曲作りと深遠な邪悪さを両立できているバンドは本当に貴重だと思う。今ひとつマイナーなバンドですが、もっと日本でも売れてほしいですね。


SECRETS OF THE MOON - SUN ★★★ (2016-09-05 10:46:10)

2016年発表の6th。

このバンド、個人的には「ブラックメタルの深遠さを聴かせるバンド」としてイチオシなんですが、今作でもまた深化した音楽性を聴かせてくれますね。「Antithesis」「Privilegivm」「Seven Bells」に続く、ミディアムテンポで陰影の濃い、どっしりとしたブラックを聴かせる路線をベースにしつつ、リフの質感がヘヴィネスより音響的な広がり重視になっていたり、ヴォーカルがクリーンメインになっていたり、今までよりも抽象的なムード作りを優先しているという印象の音に。

…正直、視聴した当初はクリーンがメインになるのは残念だと思っていたんですが、じっくり聴いてみるとこれはこれで悪くないんですよね。無気力に呟くような声が中心ですが、これが隠喩に富んだ、抽象的な歌詞をよりダイレクトに伝える事に貢献しているように思えます。アルペジオなどに顕著に見られる、独特の深遠さを感じさせる黒いメロディはより磨きが掛かっており、以前にも増して聴き手を世界観に引きずり込むパワーが強くなっているように思えます。

単純にエクストリームメタルとしてであれば「Seven Bells」の方がお勧めではあるんですが、暗黒で、かつ思索に富む世界観に浸りたい…というのであれば、今作はブラックメタルというジャンルの中でも屈指の一枚となるのではないでしょうか。ほんとこのバンドは素晴らしいです。


SECRETS OF THE MOON - Seven Bells ★★★ (2013-01-12 16:13:41)

2012年発表の4th。

作風的には「Antithesis」より続く、メタルとしてのマッシブさ、クオリティの高さがブラックメタルとしての邪悪な黒光りに直結する、威風堂々としたブラックメタルですが…楽曲の質といい邪悪なムードといい、バンドとしても過去最高のものを練り上げてきたのではないでしょうか。個人的には、2012年のメタルアルバムの中でもトップクラスに素晴らしい作品だと思います。

特にこのバンドは以前から「引き」のパートが長く、展開面でクドさを覚える事が少なくなかったんですが…今作ではその使い方も、そのパート自身も更に磨きがかかり、冗長さを全く感じさせなくなった気がします。引きのパートがより魅力的になったことで、楽曲の持つどす黒さは一段と深みを増した印象。威風のある暗黒ブラックメタルをやらせたらこのバンドの右に出るものはいない程だと思う。

メロディの黒さも相変わらず、というより更に強化された印象で、アルペジオでは世界が今にも終焉を迎えそうな破滅感を醸し出し、トレモロには腐った膿が湧き出すような、グロテスクな質感が感じられますね。展開や音質など、メタルとして申し分のない質のある「実体的な」ブラックメタルであるにもかかわらず、暗黒ムードの深さでは一流のアトモスフェリック・ブラックやアンビエント・ブラックを凌ぐレベル。

個人的な好みもありますが、これは現代ブラックの名盤だと思う。ブラックメタルが好きな全ての人に聴いていただきたい素晴らしい作品です。


SECRETS OF THE SKY - To Sail Black Waters ★★ (2014-09-26 22:33:21)

2013年発表の1st。

どこか耽美趣味の感じられるジャケのアートワーク、個人的に好きなバンドであるSECRETS OF THE MOONに似たバンド名に惹かれ購入したんですが…目論見通り(?)、SECRETS OF THE MOONやPORTA NIGRA辺りに通じる、知性的な雰囲気を持ったプログレッシブなブラックでした。特に事前知識とかなく勘と直感だけで買ってしまいましたが、結構当るもんだと自分でもびっくり(笑)。

幽玄でミステリアスな雰囲気を醸し出すアルペジオや、楽曲の持つ美しさを引き立てつつも、陰惨さを与えるヘヴィな引き摺り系リフを多用し、深遠なムードを描き出していく作風で、一般的なブラックというよりはゴシック寄りのドゥームに近い感じでしょうか。ウィスパーやクリーン、一部で女性ヴォーカルを導入しつつ、絶叫部分にはブラックメタルらしい獰猛さを感じさせるヴォーカルワークも良いですね。デス色の強かった頃のOPETH辺りにも通じる音だと思う。

ただ、凄く気になったのが、1曲目の2分23秒辺りで音飛びするんですよね。新品で購入、盤面に傷が無いのに、複数の環境で発生することから、おそらく仕様だと思うんですが…知的で構築性の高い作風で、音質もしっかり整えられているだけに、こういう単純な録音ミスがあると物凄く目立つんですよね。聴き手を雰囲気で酔わせる様な音なのに、一気に現実に引き戻されるようで凄く萎える。

メタルとしてのクオリティは申し分ないですし、1stの時点でしっかり知的でプログレッシブな構成を聴かせられる展開の上手さは評価出来るんですが…何だか惜しいです。


SECT PIG ★★ (2014-02-19 18:52:02)

現時点では国籍すら明かしていない謎のブラックメタルバンド。
去年Nuclear War Now!より6曲入りのEPを発表。


SECT PIG - Slave Destroyed (2014-02-19 18:53:20)

2013年発表の6曲入りEP。
大手から出てるのと、正体不明ブラックとの売り文句で興味を持った方も多いのでは。

路線としては、初期BEHERITやVON辺りを多少マシにした様な…というか、意図的にやっているような低音の効いた、篭もった音質が強烈な悪意を感じさせるアーリーブラック/ウォーブラックで、楽曲自体もそれらバンドの衝動性を継承せんとするような、オールドスクールな作風。血腥い音作りに、オカルティックな神秘性漂うトレモロが不気味に映える展開、ナレーションSEを用いた構成など、カルトな雰囲気の演出に余念が無い感じ。

もっとも特徴的なのはヴォーカルで、吐瀉物どころかハラワタまで撒き散らしてそうな「ヴゥオ、ヴゥオ」と吼える低音、痰を吐く前の「カーッ」という音にそっくりなノイジーな高音を、左右のチャンネル操作やエフェクト等を組み合わせ、まるで畦道で蛙の大合唱を聴いているかのようにカオスにミックスして聴かせてくれます(笑)。もちろん歌詞など全く聞き取れません…というか無いと思う(笑)。

ただ、はっきり言ってしまいますが、ちょっとカルト性の演出がわざとらし過ぎるようにも思うんですよね…。特に思いっきりオンマイクにして「カーッ」とやったデスボイス(もどき)は気色悪さこそ感じても、ヤバさや攻撃性が余り感じ取れないというか、作為的過ぎて若干萎えるというか…。血腥い生贄の儀式でもやっていそうな気持ち悪さならいいんですが、これはただ単に唾が飛んできそうで気持ち悪いって感じで微妙。楽曲それ自体は、アーリーブラックの衝動性とオカルトな雰囲気が上手く合わさってて、決して嫌いではないですけど…。

売り文句に釣られて買ってはみたものの、正直これは高い評価は出来ないかもしれません…。どうも世間にはARKHA SVAやABSOLUTE OF MALIGNITY、SILENCERですら作為性が鼻につくという人もいるみたいですけど、そんな人が聴いたら憤死するかもしれません(苦笑)。


SEED ★★ (2011-03-29 22:01:50)

韓国産デスメタルバンド。
ほとんどアメリカ産のバンドのようなゴツくオールドスクールな音出してます。
DEFILED辺りがツボな方は是非。


SEED - ORIGIN OF SEED ★★★ (2011-03-29 22:02:57)

2010年発表の2nd。

12年振りのフルアルバムらしいですね。
ぶっちゃけこのバンドの事は知らなくて、新品500円で投げ売りされてたから買っただけなんですが(笑)…これ、デスメタルとして超一流の完成度なんですけど。ヤバイ、今年の運を使い果たしてしまったかも…。

路線としては、無慈悲極まりないブラストビートに、デスメタル特有のうねるギターリフとドスの効いたグロウルを乗せた、ごくオールドスクールなブルデスという感じで、日本のDEFILEDともかなり近しい音。うねりにうねりを重ねるようなフレーズや、狂気を更に増幅させるようなソロも入れてくるギターワークが実にかっこいいです。

DEFILED同様、アジアっぽさはほぼ無く、アメリカの頑固な老舗バンドの新作といったら信じてしまいそうなほど、クオリティが高くそしてストレートに「デスメタルしてる」音。ただ、DEFILEDの新作でも同じことを思ったんですが、ドラムの音が少し大きすぎかも。単に大きいというか、耳に痛い音になってて、時々聞いてて辛い。近年のBEHEMOTHやIMMOLATIONくらいのバランスならマジで名盤だと思ったんですが。


SEGOR - Warmageddon ★★ (2015-11-08 11:37:57)

2014年発表の3rd。

音のジャンル自体は明らかにシンフォニック・ブラックと言えるものですが、実は歌詞のテーマはサタニズムではなくキリスト教そのもの、つまりクリスチャンメタルなんだとか。音的には、ブラス等の音色を効果的に使い、緊張感のある雰囲気を維持しつつ、キーボード以上にバンドサウンドを重視した音で、シンフォ寄りのメロディック・ブラックとも言えるかも。

キーボードがメインを張っていないパートもかなり多く、ビキビキした音量高めのドラムを中心に、暴虐なだけではないアンサンブルで聴かせるパートもあり、聴き応えのある作風…とも言えるんですが…。時々ドラムの音にリフやキーなどが負けていて、うるさい音に感じられるときがあるのがちょっとネックかも。展開が全く一本調子ではないのはかなりプラスのポイントですが…。

そしてこの手でクリーンが微妙なのはご愛嬌…ではありますが…。本編ラストの10曲目、これはちょっと…(苦笑)。なんかハイトーンの時の声がゆるキャラが出しそうな声色なんですが(笑)。初めて聴いたときちょっと笑ってしまいました。ボイトレって重要ですね。


SEHNSUCHT ★★ (2010-08-27 23:36:00)

ex-MAYHEMのManiacやGALHAMMERのVivian Slaughterらによる新プロジェクト。
SKITLIVよりも更にアヴァンギャルドな音楽性です。


SEHNSUCHT - Wuste ★★ (2010-08-27 23:27:00)

2010年発表の1st。
Maniac氏を追っている人にはお馴染みのCURRENT 93も参加。

最近、SKITLIVを立ち上げたり、DEADWOODに参加したりなど、Maniacの興味はファストでエクストリームなメタルで直截的な暴力性を追求するよりも、アヴァンギャルドな手法でより深いサイコ性を表現する方向に向かっている印象がありますが…上記の2バンドよりも更に深くその方向を押し進めた作風で、ほぼ完全にノイズ/アヴァンギャルドにカテゴライズされるような音になってますね。

頻度は多くはありませんが、太い響きのリフがフリーキーに鳴り響くパートがあったり、近年のEARTHにも通じるブルージーな雰囲気の曲があったり、少しドゥームロックからの影響を感じる部分も。それがあることで、アルバム全体の雰囲気も更にサイコめいたものになっている気がします。また、今作ではManiac自らがフィールドレコーディングを行い、街の音がサンプリングされた曲があったりして、何処かアーバンな雰囲気もありますね。
都会の生活に潜む狂気という感じ。

今作ではヴォーカルが加工されていたり、ポエトリーリーディングが多かったりで、Maniacの「あの声」を求める向きには多少物足りないかもしれませんが…やはり近年の彼のパフォーマンス特有の、サイコパス的な狂気が感じられて素晴らしい。作風の極端さもあって、彼の描く狂気的な精神世界を彷徨うような作風に仕上がっていると思います。最近のManiac関連の作品に顕著な、「乾いた異常性」が強く感じられる作品。


SEHNSUCHT - Wuste - South of Cincinnati (2010-08-27 23:31:05)

衝撃的、なんですけど…。
EARTHの事もあるし、こういうブルージーな音で暗黒性を表現するのは、分からなくもないんですが…Maniacが普通に曲に合わせて歌ってるのが何とも…ドローン的なリフがなかったら弾き語りになりそうだし。まあ、面白いといえば面白いですけど。


SEHNSUCHT - Wuste - Sult ★★★ (2010-08-27 23:30:17)

1曲目からかなり音作りが巧みですね。
歯医者の回転器具で耳垢を落としていたら、器具が途中で爆発したかのような奇妙な音響に、太いギターリフがフリーキーに鳴り呼応する展開が面白くかっこいい。ただ、大音響で耳を聾する感じがあるのは少しいただけないかも。余り音の大きさに頼って欲しくないというか。


SEHNSUCHT - Wuste - Tarn of Guilt ★★★ (2010-08-27 23:32:02)

陰鬱なピアノが演出する閉塞感が素晴らしい曲。
音作りの不条理さとも相まって、前衛芸術的な奇妙な絵画を見ていたら、いつのまにかその絵画と自分だけが出口の無い部屋に閉じ込められてしまったかのような、抑鬱的な雰囲気がある曲だと思う。


SEHNSUCHT - Wuste - Tokyo Daymare ★★ (2010-08-27 23:32:50)

打ち込みリズムのループに、日本の街の音のサンプリングが乗る音作りが凄く印象に残りますが…確か、Maniacがループもフィールドレコーディングもやってるんですよね。そう考えると、何だか味わいが増してきますね(笑)。黒い影がよぎるような、ノイズの使い方も好み。


SEHNSUCHT - Wuste - Wuste (2010-08-27 23:36:14)

日本語のポエトリーリーディングを根幹に据えた曲。
…日本語の氏の朗読って、外国人にはなにか神秘的なものに聴こえるんでしょうか…この界隈でもSTAR OF ASHやWHENなどが、かなり重要な曲でそれを取り入れてますが…。


SEIDE ★★ (2014-01-29 21:19:54)

フランス産ブラック。
以前はTEMPLE OF BAALやNYDVINDのRikk氏が在籍してたバンド。


SEIDE - Here Is No Truth ★★★ (2014-01-29 21:21:33)

2011年発表の1st。

路線としては、ヴォーカルがドスの効いたガナリと低音のグロウルを併用するスタイルだったり、低音の効いたプロダクションがダイレクトな攻撃性を放っていたりと、デスメタルからの影響も感じさせつつ、フレンチブラックらしい毒々しいメロディも多分に含んだ作風で、同郷のSVART CROWNやメンバー的に繋がりのあるTEMPLE OF BAAL辺りとも通じる音を出してますね。

但し、こちらの方がトレモロを含むパートでのメロディの強調具合がよりはっきりしている印象。特にブラストと共にフレンチブラック流儀の頽廃性に富んだ美メロが炸裂するパートでは、廃墟に屍を積み上げて尚、砲弾の行き交う苛烈な戦場が浮かんでくるような壮絶さがあるように思います。ブラスト一辺倒にならずミディアムパートも重視したり、メロウなパート、オールドスクールなパートを挟み展開にもメリハリがあり、暴虐ブラックとして上記バンドにも劣らないクオリティの音を出しているのではないでしょうか。

メロウさと暴虐性のバランスを重視するブラックファンにはかなりお勧めの一枚。取り合えずDARK FUNERAL辺りが大丈夫であればマニアック過ぎて敬遠されるという事はないでしょう。


SEKTEMTUM ★★ (2012-02-23 21:17:50)

MUTIILATIONのMeyhena’ch、ex-CRYSTALIUM、ex-ARKHON INFAUSTUSのSixらによるフランス産ブラックメタル。


SEKTEMTUM - Aut Caesar, Aut Nihil ★★★ (2012-02-23 21:19:11)

2012年発表の1st。

メンバー構成の割に、ショップでジャケットを見たらバンドロゴやアルバム名の表記がなんかパンキッシュで意外な感じでしたが…確かに音の方もリズムにロックのテイストを取り入れた、MUTIILATIONやCRYSTALIUMとはかなり異なる路線のブラックですね。ブラストで暴虐に攻めるパートもありつつ、ミディアムテンポを中心にドラムがグルーヴィなフレーズを叩き、リフもそれに追従するものを多く取り入れ、邪悪だけでないロック(ンロール)的な熱気も感じられる音。

…ただ、そうしたノリの良さが、ロック本来の軽快さに安易に繋がっていかない辺りが、彼らの業の深さですよね。トレモロで弾かれるメロディにはフレンチ・カルトならではの、黒い雨が降り注ぐような毒気があり、陰湿なムードも色濃いのが素晴らしい。リズム的にタフな印象も強いんですが、そのタフさが単に力強いと言うよりも、バンドが発する禍々しい絶望感を強大に、かつ実体的に聴き手に味あわせる方向に向かっている感じ。

そしてMeyhna’chのヴォーカルはやはり素晴らしい。人生に飽いた男が喉を掻っ切って死に、ゾンビとして蘇って裂けた声帯で声を発しているような、凄絶に潰れ切った声。腐った血が滴り落ちるのが目視できそうな、異様に粘着質な歌い方で、この手のダウナー系、ジャンキー系のデス声ではトップクラスの表現力。作風のためかリズミカルなヴォーカルラインも多いんですが、彼のスタイルには合ってる様に思えない…んですけど、合わないスタイルを無理矢理やってるが故の異様さが出てて逆にかっこいいと思う。

MUTIILATIONやARKHON INFAUSTUSって、それぞれプリミティブブラック、ブルータルブラックというサブジャンルのど真ん中の音を出してるバンドですけど、そのどちらとも違う音を出してる辺り、サイドプロジェクトらしい作風だと思う。作風は違ってもMUTIILATIONの異様なヴォーカルの表現力やARKHON INFAUSTUSのどす黒い暴虐性など、各所属バンドからのフィードバックもしっかり垣間見せてくれるのも良いですし、ネームヴァリューで買っても損はしないかと。


SELBSTMORD ★★ (2012-01-01 01:42:35)

OHTARやDARK FURYのメンバーが絡むポーランド産NSブラック。
バンド名はドイツ語で「自殺」の意味。


SELBSTMORD - Some Day the Whole World... (2012-01-01 01:43:39)

99年発表デモを2001年にCD化して再発したもの。
ちなみにこのタイトルは「...will Belong to us!」と続きます。

まず聴いてみて音質の酷さにビックリしますね(笑)。
VLAD TEPESやBELKETRE辺りの音質の作品が聴ける…だけでなく、そういう音質の作品を「好き」と言える人にしかお勧めできないような、プリブラの中でもかなりRAWな部類の音質。ヴォーカルは埋もれてるし、なによりスカスカ感が凄い。高校の文化祭の音楽室ライブをICレコーダーで適当に録ってもここまで酷くならないと思うけど(笑)…一体どんな方法で録音してるのか…。

しかし、関連バンドのメンバーがポーランドのNSブラックの枢軸と言っても過言ではない面子だけあって、楽曲の方の質はしっかりしてますね。リフに篭められたメロディに、メロウさだけでなく、しっかり「闇」を感じ取れるのが素晴らしい。作風は完全にプリミティブですが、展開はミニマルでなく緩急付いたもので、リフにも変化が付けられているので、彼らのメロディセンスに共感しつつ低音質を脳内補完出来ればかなりドラマティックに聴こえる作風だと思う。

…とは言っても、流石にこれはちょっと人に勧められる音源ではないですね…ILDJARNやDARKTHRONEと違って意図的な演出と汲み取れない感じの、普通に低音質…みたいな音像が私にもキツい(笑)。逆にその辺りにリアリズムや魅力を感じる人には大推薦。


SELBSTMORD - The Dawn of New Era ★★ (2012-02-01 20:45:31)

2009年発表の2nd。

99年のデモはかなり音質が酷く、ブラック好き相手にも簡単には勧められないような作品でしたが…流石にあれから10年経ってるだけあって、随分(アングラな音楽として)真っ当な音になってますね。と言っても相変わらず未加工な感触の強い音ではありますが、火の粉の飛ぶようなノイジーな刻みリフ、金物が独特の炸裂感のある響きのドラムなど、RAW音質は今作ではプラスに働いていると思う。

作風の方は根幹からの変化はなく、刻みやギターソロも用いたややオールドスクールなRAWブラックに、ペイガン思想を持つバンドならではの叙情的・土着的な感触のトレモロを交えたスタイルで、やはりミニマルさよりもドラマ性を感じられる音。メロディが聴こえやすくなった分、それ自体の良さも際立った感じがします。印象に残るメロディはありながらも、過度にメロディアスになることもなく、カルトなブラックとしてバランスの良い出来だと思う。

デモの方は脳内補完必須、くらいの出音で、個人的にもかなりキツい作品でしたが、こっちは心地良く聴けますね。カルト音源としての質もキープされてる感じで、これなら安心してお勧めできます…と言っても、RAWブラック好き限定ではありますが。


SELF-INFLICTED VIOLENCE ★★ (2011-10-01 19:22:34)

イギリス産鬱ブラック。
フューネラル系よりはシューゲイザー系に近い音出してるバンドですね。


SELF-INFLICTED VIOLENCE - A PERCEPTION OF MATTER AND ENERGY (2011-10-01 19:23:24)

2009年発表の1st。

「自己に向けられた暴力=自傷」なんて、如何にも自殺系ブラックっぽい音出してそうなバンド名ですが…意外にもメロディは絶望感よりも儚さが強いですね。スロー~ミドルを中心に、そこはかとない哀感を醸し出すトレモロを聴かせるスタイルは、鬱系というよりはALCESTやLANTLOSなどの、シューゲイザー系ブラックに近い感触があります。

ただ、どこか優しい感じすらするメロディとは対照的に、ヴォーカルはマジで自傷行為に励んでそうな狂性があって、それが優しくなりすぎない緊張感を生んでいると思う。声を裏返らせたり半泣き気味になったりしながら、常に苦しげに何かを訴えるかのような声で、聴いているとなんか可哀想な気分になります(笑)。「哀れを誘う声」というのは、こういう声なのかもしれませんね。

…でも、個人的にはちょっとハマり切れないアルバムだったり。
そこはかとない哀愁メロディは、悪くはないんですが…。ALCESTの1stなんかは、聴いてると「強烈な」ノスタルジーを感じるんですが、このバンドの音は、確かにノスタルジーを感じさせはしても、「強烈」なものはまだ持ってないという印象。逆に抽象的なムードに埋没したい人には、これくらいメロディの流れが穏やかな方が向いてるかもしれません。


SEMARGL ★★ (2012-05-03 09:13:47)

ウクライナのブラックメタルバンド。
彼らは自分達の音楽性を「サタニック・ポップ・メタル」と称しているみたいですね。


SEMARGL - Ordo Bellictum Satanas ★★★ (2012-05-03 09:12:39)

2010年発表の4th。
これはかなりユニークなアルバムですね…。

基本的にはデスメタル的な音像の重さ、ブラックメタル的な邪悪さによって強固な武装が施された、スラッシーで骨の太いエクストリームメタルという感じで、キレの良い吐き捨てデスと重々しいグロウルを重ねたヴォーカルワークや、東欧というより日本人の耳には中近東系っぽく聴こえる妖しげなメロディが曲の威風を引き立ている…という印象なんですが、そんな音を基本に据えながらも、様々な音楽的要素を取り入れ曲によって表情を大きく変える作風が特徴。

最近のSEPTICFLESHを思わせる、壮大で神秘的なオーケストレーションだったり、トランシーなシンセの音色まで飛び出すエレクトロ要素だったり、シンフォ・ゴシック的な美しいメロディだったり、常に「ここでこう来るか」という驚きがある感じ。ブルージーなメロディに合わせて女性ヴォーカルが歌い始めたときなんて耳を疑いました(笑)。個人的には、3曲目の大仰シンフォが好きですね。この路線で一枚フル出して欲しいくらい。

ただ、これだけ色々な要素を取り入れても散漫にならず、どこか一本筋が通っている感じがするのは、根幹のエクストリームメタルとしての音が、極悪さすら感じるほどに骨太だからなのかもしれません。SEPTICFLESHやWALTARIなどが好きな方にお勧めです。


SEPTICFLESH (SEPTIC FLESH) - Communion ★★★ (2008-11-25 05:55:00)

2008年発表の7th。
私はこれがセプティック初体験ですが、解散→再結成を経ての作品みたいです。

…デス志向のメタルバンドって、古代の文化だとか神話的な世界観だとかを歌詞のテーマに持っていたり、大仰な感性を持っているバンドが多いですが、そういうバンドが100人を超えるオーケストラやクワイアと共演した…というだけで、もう購入意欲が高まりまくってしまいますね(笑)。そんなミーハー根性丸出しで買ったんですが、これは良いですよ。

まず期待通りの大仰なオーケストラーションも凄いんですが、ただそれがデスメタルに乗るというだけでなく、お互いがお互いを活かしあうような、有機的な絡み合いが素晴らしいです。ほんと、何万人もの信者が邪神に祈りを捧げている巨大な神殿、その威容が眼前に浮かぶかのような壮大さ&幽遠さ。

怒れる古代の神のような、年季の入った威厳のあるデス声といい、斧でぶった切るようなヘヴィなバンドサウンドといい、これだけドスの効いた力強い音作りながら、どこか霊的なムードも感じられるのも大きな特徴ですね。ミーハーが祟ってこういう音楽聴いている私ですら、聴いてると人間に天罰を落とす神にでもなったような高揚感が得られるほど(笑)。
霊媒体質の人が聴いたら、本当に何らかの上位存在との「COMMUNION(交渉)」が出来てしまったりして…。

エクストリームメタルとしても、神秘的な情景を描く音楽としても素晴らしい一枚。今年はJUDAS PRIESTやMETALLICAなど、大物のリリースが相次いでますが、これだけリキの入ったアルバムが出来た事だし、各地のベストアルバム選出などでも食い込んでいって欲しいですね。


SEPTICFLESH (SEPTIC FLESH) - Communion - Anubis ★★★ (2008-11-25 05:57:39)

一瞬にして景色が塗り変わる導入からして、ある意味快感です(笑)。
この曲は終盤が特に好きですね。神殿に沢山の信者達が集まり、地に頭を打ちつけて祈りを捧げる様や、神が降臨し、それに応えて咆哮を上げる様などが浮かんでくる。神降ろしの儀式をメタル化した感じ。


SEPTICFLESH (SEPTIC FLESH) - Communion - Babel's Gate ★★★ (2008-11-25 05:59:28)

オーケストラとドラムのみになる展開が、いつ食い殺されてもおかしくないような緊張感を醸し出していて印象に残りますね…。いざバンドの全部のパートが入ってくると、マジで食い殺すような迫力があって最高です。


SEPTICFLESH (SEPTIC FLESH) - Communion - Communion ★★★ (2008-11-25 05:58:30)

この曲の疾走+クワイアのパートが、今作中最もデスメタルとオーケストラの融合した音の魅力を分かりやすく伝えている箇所ではないでしょうか。大量の悪霊・怨霊の類が奔流となって襲い掛かってくる感じ。厳かに「Communion..!」と叫ぶヴォーカルも、その魔を統率する邪神のような凄みがあると思う。…っていうか、こんな濃厚な三分半なかなか無いです。


SEPTICFLESH (SEPTIC FLESH) - Forgotten Paths (The Early Days) ★★ (2009-02-11 08:56:00)

91年発表のデモの2000年再発盤。5000枚限定。

今でこそエクストリーム・メタルの中でも指折りの素晴らしいバンドだと確信しているSEPTIC FLESHですが…この頃はまだハードロックから暗黒メタルに脱皮し切れてないようなどこか垢抜けなさの残るデスメタルという感じですね。ただ、5曲目冒頭の幽玄なギターの音、後半で顕著なブラック的な邪悪なリフ捌き、この頃からなかなかに威厳のある低音咆哮ヴォーカルなど、後の作品への「片鱗」は結構見られます。

でも、それは後の作品を知ってから聴いてるからで、この作品だけ聴いて後にどんなに素晴らしいバンドに羽化していくのか推測するのは難しいと思う。古代の異境をブルータルに悠然と描き出した「SUMERIAN DAEMONS」、絢爛な音で神秘の領域に到達した「Communion」等と比べると、この作品はなんとかそういう情景を表現しようと頑張っている感じ。

ちなみに、リマスターされているのか、音自体は2ndや3rdよりも良いと思います。
2ndや3rdも限定盤とかじゃなくリマスター再発して欲しいです。


SEPTICFLESH (SEPTIC FLESH) - The Great Mass ★★★ (2011-05-28 18:04:54)

2011年発表の8th。

初期はゴシック要素もある、夢想的で神秘的なデスメタル、中期にブルータリティ・シアトリカルさを強めつつも一時解散、そして再結成してリリースされた前作「Communion」では現存するバンドの中でトップ10に入るくらい、個人的に好みの作風になった彼らですが…今回も前作の路線を踏襲した、超大仰なシンフォニック・デスでモロに私のツボな作風。タイトルは「大いなるミサ」でしょうか…その「大いなる」のスケールが、もう他のバンドじゃ追いつけないレベルになってます。

前作からしてそうですけど、このバンドの作風は「デスメタル」の部分も、「シンフォニー」の部分も振り切っている所が素晴らしいんですよね。斧で叩ききるようなヘヴィネスと、ドスの効いたデス声が絡むバンドサウンドは神々の怒りそのもののようだし、ストリングスは密教的な妖しさを醸しだし方と思えば、途轍もないスケールの情景を描いたり、場面を過剰なまでに演出して見せてる。

当然、その二つが絡むのだから、相当ダイナミックな作品になっているんですが…「ダイナミック」「ブルータル」であるのに、「アトモスフェリック」で「繊細」なのが本当に凄いと思う。曲にクオリティのバラつきがあった前作よりも質が統一され、より情景描写に富むようになった印象で、極悪に重いブラストに怖気を震うオーケストラが絡む箇所なんかはマジに寒気がしそうになるし、ギターが廃墟となった荒野に取り残されたかのような泣きのトーンを弾いてる所では、胸が詰まったような感覚になります。

相変わらず、初期作より続く灼けつくような神秘性を感じさせるギターの音色は素晴らしいですし、期待通りの作風、期待以上のクオリティに大満足な一枚でした。取り合えず上半期ではこのアルバムがベスト。
不遜ながら言わせてもらいますが、こんな素晴らしいアルバムが日本盤も出ず、話題にもならず終わったら、日本のメタルシーンは死んだと思う。ほんとに素晴らしいんで、ちょっと興味ある人はまず試聴だけでもしてみて下さい。これがエクストリーム・メタルであり、ヘヴィメタルです。


SEPTICFLESH (SEPTIC FLESH) - ΕΣΟΠΤΡΟΝ (esoptron) ★★ (2009-01-21 21:11:00)

95年発表の2nd。
何気に日本盤もリリースされてます。

最新作「Communion」の大仰なシンフォデス路線が余りにも素晴らしくて、ここの年間ベストアルバムにも選んでしまった程だったので、この作品も遡って聴いてみたんですが…この頃は全然違う作風ですね。スロー~ミドルを中心とした、幽玄なムード漂うゴシック/ドゥーム/デスという感じの路線。ノーマル声もあるものの、ほぼ全編デスヴォイスです。

大仰なシンフォ要素こそないものの、最新作でも聴けた、焼け付くような神秘性を感じさせるギターの音色による、底知れない謎めいた雰囲気のメロディが全編通して聴かれ、強靭なエクストリームメタルとして素晴らしかった最新作とは対称的に、繊細なアトモスフェリックとしての名盤と言える出来。ライナーでは彼らの音楽性を表すのに「ドリーミー・デスメタル」という聴きなれない言葉が使われてますが、正にその通りの作風。

ライナーの枕にはプログレが引き合いに出されてますが、こういう繊細で緻密な音作りで幽玄な世界観を構築していく作風は、エクストリームメタルファンよりもプログレ好きに受けるかもしれません。…それにしても、過去も今もこんなに素晴らしい音楽を演っているし日本盤も出ているというのに、このサイトでは現時点で発言しているのが今の所私だけとは…ほんと、もっと知られるべきですよ…未聴の人はさっさと聴いちゃって下さい(笑)。

この作品のレビューで書くのもなんですが、入手しやすいし取っ付きやすい最新作がお勧め。


SEPTUAGINT - Negative Void Trinity ★★★ (2014-09-22 21:44:00)

2014年発表の5曲入りEP。

ショップで「楽曲のレベルが高い」「DEATHSPELL OMEGA好きに推薦」とかなり高評価だったので、トレイラーを試聴してみましたが…即購入確定余裕でした(笑)。出音は典型的なブラックのそれですが、この作品、本当に楽曲やフレーズが素晴らしい。それに付きます。レベルが高いというのも良くある褒め言葉だと思いますが、この作品は「感銘を受けるほど」高いと思う。

まず楽曲の軸となる、フレンチブラック的な病的な暗黒性の中に、オカルトめいた神秘性や、サイコティックなおぞましさがブレンドされたかのような、メロディアスながら禍々しいトレモロリフはカリスマ性すら感じさせ、「どす黒い」なんて言葉が陳腐に感じるほど。このおぞましいリフが吹き荒れるだけでも感動ものの邪悪さですが、そこにKenose以降のDSOから影響を受けたと思しきカオティックなリフや、それだけでサタニックな空気感を演出する歪んだアルペジオを絡め、曲はドラマ性たっぷりに進行していきます。

禍々しさを極めるギターワークと相俟って、周囲の風景を蝕んでいくかのごときミディアムパート、ただ突っ走るだけではない、暴虐を振るいつつも「聴かせる」爆走パートなど、緩急の付け方も絶妙で、前述したように楽曲自体のレベルは高いにも関わらず、音質はプリミティブブラック的なRawさを若干残してくれているのが、また絶妙なんですよね。店で引き合いに出されていたDSOで例えるなら、3rdまでのプリミティブ志向やオカルト志向を残しつつ、以降のリズムを強調しつつカオスを演出するような、破壊的なリフ捌きも部分的に取り入れた感じでしょうか。

同じくDSOが引き合いに出されるバンド、例えばPLEBEIAN GRANDSTANDやDODECAHEDRON、THE PHANTOM CARRIAGE辺りとは毛色の異なる音で、こちらはアヴァンギャルドさよりも、プリミティブ色の強い音。とにかくフレーズの禍々しさが半端ではないため、即効性も高い。ダークな音楽に耐性がない人が聴いたら本能的な危機感を覚えるであろう邪悪さ。EPのため演奏時間は短めですが、かなりお勧め。素晴らしいとしか言い様がないです。


SERPENT - X God X ★★ (2009-01-09 18:03:00)

2008年発表の2nd。
某所で格安だったので買いましたが、何これ、大名盤じゃないですか…。
私が今まで聴いたメロデスの中でも、最もクサメロの含有率と扇情度が高いアルバム。
海外のメロデスバンドだったら「ここまでメロくしたらエクストリームメタルたりえなく
なるんじゃ…」と二の足を踏みそうな所を、何の躊躇いもなく演っているようなある意味
針が振り切れてる作風。インスト明け2曲目がクッサクサだったので、リードドラックだから
特別気合が入ってるのかと思ったらアルバム全編がクッサクサでした(笑)。
キーボードやピアノも、国産シンフォゴス系やX JAPANを引き合いに出したくなるような、
メロデスの範疇を超えたクサさでマジで素晴らしい。7曲目の間奏なんてDRAGON GUARDIANと
聴き紛うほどのクサさ!!…もしもクサメタラーで、これからメロデスにも食指を伸ばそうと
考える人がいるなら言っておきます。「ARCH NEMYもIN FLAMESもDARK TRANQUILITYも
後回しでいいから、取りあえずこれを聴きなさい」と(笑)。
ただ、ヴォーカルが少し弱いのはマイナス。感情は篭もってるものの、凄みも狂気もエグみも
カリスマも足りないアクセントガン無視の英語で、半泣き気味に喚いててちょっとうるさい。
ex-ARCH ENEMYのJohanみたいに深い絶望を感じさせる声や、ARKHA SVAみたいにカリスマ性の
あるヴォーカルだったら神盤だったんですが。
でもこのメロディに満ちた作品、クサメタラーなら必聴でしょう。
しかし、1stはもっとクサいんですか…恐ろしいですね(笑)


SERPENT - X God X - Cannibalistic Dream ★★★ (2009-01-09 17:58:07)

これ、私がそうだったように、初めてこのバンドに触れる人にとっては衝撃以外のなにものでもないですよ…間違いなく、バンドのクラシックとなるであろうキラーチューン。サビメロはARCH ENEMYの「Bury me an Angel」を思わせますが、全体の泣き度はそれ以上。メロデス好きなら必聴!!


SERPENT - X God X - Slave ★★★ (2009-01-09 17:59:45)

個人的には2曲目と同じくらい好き。
とにかく間奏がクサい!!DRAGON GUARDIANとタメを張れるドラマティックさ。激しいドラムロールもあり、甘すぎない曲展開も良いですね。


SERPENT NOIR ★★ (2013-01-10 23:26:56)

ギリシャ産ブラックメタルバンド。
OFERMODやNEFANDUSのMichayah氏がドラムを担当。


SERPENT NOIR - SEEING THROUGH THE SHADOW CONSCIOUSNESS : OPEN UP THE SHELLS ★★★ (2013-01-10 23:28:08)

2012年発表の1st。

メンバーはOFERMOD絡みという事ですが、正にOFERMODやプログレ方向に行く前のDEATHSPELL OMEGA等と共通する、ドス黒くて宗教色漂う、邪悪極まりないブラックメタルを演っていますね。それらのバンドと比べると、メロディアスな部分は控え目な代わり、ノイジーなリフには引き摺るような粘着感があり、より陶酔感や宗教的恍惚感を覚えさせる事に的を絞ったような音。

効果音の挿入等を上手く用いた、儀式的なムードの演出もセンスが良く、全編に渡って何か邪悪な存在と対峙しているかのような緊張感が漂ってますね。何気にリズムも変化に富んでおり、時には一見邪悪な雰囲気にはそぐわなそうなノリノリのリズムまで出てきますが…骸骨の化物が人の死を歓んでステップ踏んでるような気色悪さがあって全然楽しそうじゃありません。むしろグロいです。

ノイジーな音を通じ、本気で聴き手を暗黒世界に引きずり込もうとするような、真性な雰囲気に満ちた作品。一番好きな音楽ジャンルを問われて躊躇なく「ブラックメタル」と答えられる人は、自己啓発(サタニズム的な意味で)用に一枚持っておくといいかも。それ以外の人は…回れ右でもいいかも。


SERVED DEAD ★★ (2013-02-03 23:47:34)

フィンランド産シンフォニック・ブラック。
数多くの優良なシンフォブラックバンドが台頭する昨今においても、生え抜きのバンドだと思う…というか個人的に凄く好みの作風です、このバンド(笑)。去年出た1stの再発盤、ジャケは地味ですけど中身はかなり素晴らしいです。


SERVED DEAD - Servants Arise ★★★ (2013-02-03 23:48:23)

2010年発表の1st。
元は自主制作盤で、2012年にInverseより再発。
…これはヤバい代物が再発されましたね…
Inverse Recordsにはグッドジョブの一言ではとても感謝しきれません。

シンフォニック・ブラックというジャンル自体、メロディアスな作風のバンドが多いですが、この作品はその中でも特にメロディの際立つ逸品。メロディが分かりやすく、かつトレモロリフによって強調されるので、かなりキャッチーに聴こえる。メロディの方向性自体は、勿論楽しそうだったり明るかったりといった雰囲気ではなく、シンフォブラックらしい悲哀に満ちたものなんですが、余りにもメロディアスなのでここは「クサい」という言葉を賛辞として送っておきたいです。

どちらかというとキーボードよりはギター、特にトレモロリフに力を入れている感じですが、ピアノやストリングスなど上品な音色によって曲に華を添えるキーボードも、なかなか良い仕事してると思う。…ここまでメロメロな作風ながら、「The Hammer」ではかつてのBURZUMに影響を受けたと思しきリフが出てきたり(と言っても、やたらキャッチーでメタリックになってますが…)、ブラックメタルとしての本懐も忘れていないのが素晴らしい。

そしてもう一つ褒めておきたいのがヴォーカル。
どうやら二人いるようですが、その内の片方が喘鳴のようなホイッスル音が混じった高音絶叫で、「Dusk~」期のCOFや昔のALCEST辺りと比較しても劣らないほどの凄絶さ。聴いているこっちの喉が痛い通り越して張り裂けそう(笑)。もう一人の中音域のがなりも、粘着質な響きがあって悪くないと思う。

自主制作盤としては音も悪くない(ヘヴィではないものの、クリアで聴きやすい)ですし、シンフォニック・ブラックが好きならばマストな一枚と言っても過言ではありません。唯一残念なのが、再発盤のジャケが白地に簡単なエンブレムとアルバムタイトルが載ってるだけでかなり地味なこと。正直、知らないバンドでこのジャケを買うのは結構勇気いると思う(笑)。内容は凄くいいので、シンフォブラックファンは惑わされずに是非買ってしまいましょう(笑)。


SETGE - Cecs De Ràbia, Cecs De Dolor (2014-05-11 14:39:02)

2009年発表の1st。

基本的にデスメタルを取り扱うレーベルで、所属するブラックメタルバンドもデス要素の強いものが集まるXtreem musicからリリースされてますが、このバンドも例によってデスとブラックの境目くらいに位置する作風ですね。地を這うような低音のグロウル、モダンな重さも感じられる、重心の低いギターの音色、硬質なプロダクションなど、ブラックのRawさよりも、デスの暴虐性が重視された感じの音。

メロディアスなパートにおける、どこか儀式的なものも感じさせるギターのメロディ、北欧産バンドに通じる土着的な邪悪さの篭もったトレモロリフなど、ブラックの要素もある程度備えていて、メロブラ好きにもアピールできるようなポイントはあるんですが、音作りの重心の低さからやはり元になっているのはデスメタルであるように思います。暴虐度及びそれを支えるサウンドクオリティは全く問題ないですが、もう一つこのバンドならでは…というものが足りない気も。悪くはないですけど。


SETH - A Tribute to Mayhem – Originator of the Northern Darkness - Into Thy Labyrinth ★★ (2007-12-01 23:14:51)

何故かタイトルの違う「I am thy Labyrinth」のカヴァー。
WLAの曲を敢えて選ぶ辺り、演奏力の高さが窺えますね…。
展開はオリジナルとそれほど変わっていませんが、中盤に不気味なキーを僅かにフィーチャーしていたり、篭り気味の音質の中でベースがよく聞こえたり、雰囲気つくりはかなり上手いです。ただ、ヴォーカルはManiacと比べると物足りない…というか、折角自分の歌い方の魅力があるんだから、オリジナル曲と同様に歌って欲しかったです。


SETH - Era-Decay ★★ (2007-12-01 23:09:00)

2004年発表の4th。

ブラックメタルは大別するとMARDUKやDARK FUNERALなどのバンドサウンドそのものの圧力で押して行くタイプと、XASTHURやプリブラ勢などのバンドサウンドを媒介に独特の雰囲気を追求するタイプに分かれると思うんですが、このバンドは前者ですね。ブラック好きのみならず、エクストリームメタル好き全般にアピール出来る作風だと思います。

トレモロや刻みを絡ませたリフ捌きといい、豪速ブラスト&ツーバスといいいかにもなブラックで、叙情的なアルペジオや僅かにインダストリアル要素を取り入れた劇的な展開、クリアでデス並にヘヴィで音量も大きいソリッドな音質、フランス勢らしい耽美で寒々しいメロディセンスなど、MARDUKなどにも引けを取らない、日本盤が出ても不思議でない質の高さがあるように思います。

ヴォーカルもデスっぽいドスの効いた咆哮や怨みを込めた呻き気味の声などを使っていてなかなかに魅力的。ちなみに以前はシンフォニックブラックを演っていたらしいですが、今作ではキーは僅かに味付けに用いられている程度。

個人的にはもう少し個性が欲しい気もしますが、クオリティの高いアルバムだと思います。デス・ブラック好きならば買って損は無いのではないでしょうか。


SETH - Era-Decay - Co-Existent Species ★★★ (2007-12-01 23:12:24)

イントロからツーバスの重爆撃とトレモロを連動させていて、ブラックファン的には待ってましたな展開の曲。メロディも実に寒々しい美しさがあるし、歌詞の掛け言葉も面白いです。


SETH - Era-Decay - H-Eradicate ★★★ (2007-12-01 23:10:49)

この刻みリフとトレモロのヒステリックな絡ませ方、どこかDISSECTIONの2nd辺りを思わせます。DISSECTIONにデス的なヘヴィさを加えたら近いかも。ちょっと短いですが、良い曲だと思います。


SETH - Era-Decay - The Blade Upon Mankind ★★★ (2007-12-01 23:13:16)

人類に突きつけられた刃…なんかかっこいい曲タイトル(笑)。
トライバルなリズムに民族っぽいアルペジオを絡ませたり、ヘヴィに攻めるパートを設けたり、インダストリアル要素をかなり取り入れていたり、最後の曲だからかかなり盛り沢山。インダストリアルなリズムと冷徹なヘヴィ・リフはやっぱり相性が良いですね。


SETH - Era-Decay - Xtasian Ostix ★★ (2007-12-01 23:11:35)

Take, eat, this is my body!
…やっぱりこういう掛け声(?)から怒涛のブラストに雪崩れ込んでいく展開には痺れますね。本編もツインギターを絡ませたり、凝ったリフ作りで聴き応えあり。


SETHERIAL ★★ (2008-09-23 09:32:00)

手を出してしまいました。
私が聴いたのは5thですけど、あのジャケでああいう評判ならまず外さないだろう
と思ってたんですが、やっぱり期待通りの作風でしたね(笑)。
音質だけはちょっと惜しかったですけど…。
特に1st、聴いてみたいんですが最近店頭で売ってるのすら見かけないような…。
昔、3rdが500円で売ってたのをスルーしてしまったのは一生の不覚。
その値段なら「取り敢えず買い」で良いと思うのに、何を血迷ってたんだろう…。


SETHERIAL ★★ (2008-09-27 20:21:00)

なんか謀ったようなタイミングで出ますね…買っちゃいました(笑)
最近SPINEFIRMの一連のリリースとか、GORGOROTHの4thと5thとか、
二枚組みのリリースって流行ってるんでしょうか…。
ともかく二枚を一枚の値段で出してくれるのはありがたいです(笑)。


SETHERIAL - Death Triumphant ★★ (2008-07-24 18:14:00)

2006年発表の5th。
この作品はファスト/ブルータルブラックに分類されるんでしょうか。
ファスト一辺倒ではなくて、ミディアムパートも上手く使って展開を聴かせるタイプで、
浮き上がって鮮明に聞こえるトレモロリフのメロウさはこの手の中でもかなり上の方と言えそう。
DARK FUNERALなどのブルータリティで攻め立てるタイプよりも、WATAIN辺りの禍々しい
雰囲気と展開の上手さで聴かせるタイプのブラックの方が比較対象としては近そうな音だと思います。
この手にしては曲がバラエティに富んでいるし、雰囲気もジャケ通り濃いし、総じて
ブラックとしての質も高いと思います。
ただ、曲の質自体は高いんですが、音質はちょっと煮え切らない感じですね…。
ベースもはっきり聞こえ、トレモロリフをフィーチャーしたパートではそれを前に出した
クリアな音質は曲のメロウさや邪悪さを良く伝えてるんですが、ドラムの音は軽い上に音量が
大きく、バタバタした印象が。正直、このせいで特にミディアムパートの説得力が薄れて
しまってるのように思えてならないのが、何とも残念。
この曲のクオリティの高さで、例えばWATAINの「Sworn to the Dark」のようなブラックの
どす黒さとメタルとしての整合性を同時に満たすような音質だったら、ブラック史に燦然と
輝く名盤になったかもしれないと思うのに…。聴く度に複雑な気持ちになってしまう、
なんとも惜しいアルバム。しかし、このバンドのメンバーは強面ですね…(笑)。


SETHERIAL - Death Triumphant - Aeons of Bloodlust ★★★ (2008-07-24 18:18:16)

悲愴の渦に叩き込まれるような激メロウなリフ捌きが素晴らしい曲。
メロウなパートの多い今作ですが、中でもこの曲のリフが最もメロウだと思います。ギターが引く箇所ではベースがトレモロを弾いたり、全体を通じて緊張感の途切れないクオリティの高い曲。


SETHERIAL - Death Triumphant - Devilry, Wickedness and Scorn ★★★ (2008-07-24 18:19:49)

メタリックな高揚感を伴う刻みリフと、ブラック特有のトレモロ疾走を上手く組み合わせて劇的にする曲調は、WATAINや昔のDISSECTIONにも通じるセンスの良さがあるように思います。やっぱりこのバンド、曲の質は一流ですね…。


SETHERIAL - Death Triumphant - For Dem Mitt Blod ★★★ (2008-07-24 18:20:55)

再録だからか、他の曲とカラーが違う感じがありますね。
メタリックさが他の曲よりも薄い代わりに、ブラック的な情景描写はより繊細な感じ。特に広がりのあるリフ捌きが素晴らしいです。これも名曲レベルだし、デジパック盤が手に入って本当に良かったと思います。


SETHERIAL - Death Triumphant - Relinquishment From The Unlighted Chambers ★★ (2008-07-24 18:19:03)

ギターとベースのトレモロでのハモリが印象的な曲。
メランコリックなだけでなく、どこか魔界の風が吹き付けるような禍々しさもありますね。


SETHERIAL - Death Triumphant - The Limbo of Insanity ★★★ (2008-07-24 18:17:35)

いきなりのメロウ極まりないトレモロリフ、ヴォーカルの掬い上げるような歌い方にベース、ギターが同調するパート、後半のブレイクを多用した禍々しい疾走など印象に残る展開の多い曲。アルバムの掴みとしても優れた曲だと思います。


SETHERIAL - Ekpyrosis ★★ (2010-07-01 23:01:00)

2010年発表の6th。
以前まではコールド/メロディック/ブルータルと、スウェディッシュ・ブラックの
お手本とでも言うべきブラックを演っていましたが…今作で新たな扉を開けた感じがします。
前作くらいから既にスピードに頼り過ぎない、ドラマ性ある展開が顕著になってきてますが、
今作はそれを更に押し進め、複雑なリズムチェンジを利用した、プログレッシブとも言える
作風になってきていますね。
それに合わせ、メロディも寒々しさ・邪悪さから、毒々しさ・グロテスクさの方向に
シフトしつつあると言う印象。しかも1曲目からその毒々しさがキャッチーに聴こえる
レベルの物を聞かせてくれる辺り、やはり並々ならぬセンスのあるバンドだと思う。
ミディアムも多く速さ一辺倒ではないものの、ファストパートではMARDUKやDARK FUNERAL並か
それ以上のスピードでカチ込んでくる辺り、ファストブラックの感性も色濃く残っていて素晴らしい。
また、まだ太い音と言う訳ではないものの、前作で多少不満が残っていた音質も大分改善され
特にドラムが気持ち良く聴ける、クリアなものに仕上がっていると思う。トレモロなどの
メロディがしっかり浮き上がって聴こえるミックスも、バンドの音を聴きやすくすると同時に
更にメロ自体の薄気味悪さ、空恐ろしさをも際立てていて良い感じ。確実に前作よりも
曲やフレーズの「聴かせ方」が上手くなっているのではないでしょうか。
ヴォーカルも前作より高音喚きの切れ味が鋭くなっているし、作風が変化しただけでなく
あらゆるクオリティが底上げされている感じがします。今までSETHERIALを追いかけてきた
人のみならず、クオリティの高いブラックを求める方にはお勧め出来るアルバム。


SETHERIAL - Ekpyrosis - A World in Hell ★★★ (2010-07-01 23:06:06)

最初の「♪テレテレ、テテテ」っていうギターフレーズの時点で惚れました。なんてキャッチーで毒々しいフレーズなんだ…。プログレッシブな一面を見せつつ、しっかり爆走する、予想をある程度裏切りつつもしっかりお約束に応えてくれる、新作の入口として素晴らしい曲。これを試聴して、「これは買わなきゃ」と思いましたね…。


SETHERIAL - Hell Eternal ★★★ (2008-09-27 20:15:00)

99年発表の3rd。

基本的に超豪速のブラストビートに、ブラック特有のトレモロリフを絡めて展開していくファスト/ブルータル・ブラックで、同郷のDARK FUNERAKに近いタイプの音ですね。メロウさのみならず、寒々しさやサタニックなムードを発するメロディのセンスやヴォーカルの迫力、疾走感なども、DARK FUNERALに肉薄するものがあると思います。

決定的に違うのは音質ですね。
ギターがかなりノイジーでしかも音圧があって、ドラムもトレモロも纏めて地獄の釜で煮込んだようなサウンド。私はこの作品、ブルータルブラックでありながら肉体的な暴虐性はそんなに感じないんですが、代わりに精神的に、禍々しさに冒されていくような雰囲気を強く感じるんですよね。それはこの音質によるものが大きいと思います。
この雰囲気、他のエクストリームメタルにはない、ブラック特有の魅力ではないでしょうか。そういう意味でも、ファスト・ブラックの名盤と言っても良いと思います。

正直EMPERORの2nd並に聴き疲れする音ですが、ファスト系が好きで、ノイジーなものはむしろ大好物という人は是非聴きましょう。5thではかなりクリアな音になってたんですが…意外とSETHERIALもエクストリームメタルファン全般にアピールしたい色気が出てきたのかな(笑)?

ちなみに、最近になって1stとカップリングで再発されましたが…1stの音が少し小さめなので、そのまま続けて聴いてしまうと結構きついものがあります(笑)


SEVENTH HEAVEN - Crazy World ★★ (2010-03-03 20:34:00)

09年発表の2nd。
歌謡曲っぽいベタベタな哀愁こそないものの、展開にメリハリのついた歌メロを
確りしたアンサンブルがサポートし、間奏などのパートではネオクラ的な速弾き、
プログレ的なキーボードをフィーチャーしたドラマティックな展開が、多くの
国産クサメタル愛好家の心を掴んだ作品。他の多くの国産クサメタルとは異なり、テンポ設定や
リフなどからは、メロスピ/メロパワよりもハードロックがベースにあることが感じられます。
プレスの評価では、ギタリストのスキル不足やヴォーカリストの表現力が指摘されてますが…
個人的には全く問題無いレベル。ギターは…私は弾かないので技術的なことはよく分かりませんが、
かっこいいフレーズが生み出せてるかの方が、スキルそれ自体より何倍も重要だと思う。
素人耳には、スキル不足から聞き苦しさを感じたりする所も特にないし、その点では全く問題無し。
ヴォーカルは…私は、バンドの顔及び武器として十分なくらいだと思う。
確かに元女優/声優の演技力を活かしているHPPや、幅広い音域を持つLIV MOONのヴォーカリスト達と
比べると、ややキャラ立ちが弱いのかもしれませんが…女性の割に低めの音域で力強く、
しかもダサくなるほど力んだりせずに歌いあげるヴォーカルは、十二分に魅力的だと思う。
雑誌の評価から身構えてしまいましたが、結果良作といえる質の高さで大満足。
やっぱりこういうのは自分で聴いて判断しないと駄目ですね。


SEVENTH HEAVEN - Crazy World - Crazy World ★★★ (2010-03-03 20:36:31)

タイトル曲だけあって、プログレの素養も感じさせる深遠なムード作り、歌メロも含めたアンサンブルの濃さなど、他の曲とはどこか「別格」な感じ。若手のバンドの中でも、地力があることを証明するような一曲ではないでしょうか。一芸に秀でただけのバンドでは、絶対こういう曲は出来ないと思う。


SEVENTH HEAVEN - Crazy World - Raging Storm ★★★ (2010-03-03 20:37:40)

餓狼伝説ファンとしてはタイトルの時点で燃えざるを得ない(笑)。
イントロ明けの1曲目に相応しいドラマティックな展開を持つ曲で、初聴のインパクトではタイトル曲を上回ると思う。これなら、MINSTRELIXやWIZARD'S HYMN辺りを追ってきたファンをも引き込めるのでは。


SEVENTH-HEAVEN MAXION ★★ (2009-03-29 06:58:00)

SYNC.ART'Sの五条下位氏を始め、様々なミュージシャンが関わるプロジェクト。
SYNCの「Marionetteの輪舞曲」のようなガチガチなメタルはまだ演っていないため、
メロスパー間での知名度はおそらく向こうの方が上ですが、こっちも「Harmonie」
「喪失の雪夜」「-vague ontology-」「雷獣」など、神レベルのクサさを
持った曲を次々と世に送り出してます。
アレンジャーが複数いるので、耽美ゴシックやHR/HM要素の濃い曲、果ては
能楽ポップスなど幅広いジャンルが聴けるのも特徴。もろにJanne Da Arc風の曲や
天野月子風の曲もあるので、その手のファンも聴いてみるといいかもしれません。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - Devote Strikers!! - Gain Intention ★★ (2009-03-29 07:19:12)

このアルバム、SHMのディスコグラフィーの中では正直微妙な作品だと思うけど…この曲はかなり良いと思う。Aメロのクッサクサなメロディで惹きつけ、Bメロで弾みを付けて、熱いサビへ突入!!個人的には、この曲のサビが、コンセプト通りの熱さを感じられましたね。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - Devote Strikers!! - Precious Wish (2009-03-29 07:17:39)

これはアルバムコンセプト通りの「応援歌」なんだろうけど…応援する対象の性格設定が「♪齷齪(あくせく)ハタラク人の群れを上から目線/そんな自分カッコいい」…と、まるで共感できないタイプで応援歌として機能してない気が…。例えこういうタイプの人が聴いたとしてもカチンときそう(笑)。しかも「Time-Limitはすぐそこ」「遅くなんてない」と二枚舌だし、歌詞は正直イマイチ…いや、イマヨンくらい。曲そのものは、そこそこクサめのアップテンポなポップスで悪くないですが…後にミックスを直して再録されますが、ミックスよりも歌詞をなんとかして欲しかったです…。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - Devote Strikers!! - 紅闇 -kureyami- (2009-03-29 07:20:11)

ヴォーカル良し、アレンジ良し…なのに歌メロはイマイチな、もったいなさすぎな曲。いまひとつ盛り上がりに欠けるサビメロのあとに、その100倍くらいクサいメロがくるという構成は、SHMにあるまじき失態な気が…これ、調理の仕方が少し違っただけで何倍もの魅力を持つ名曲になったと思うのに…。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - Eclectic Phantasm - End One's Life ★★★ (2009-03-29 07:04:19)

一部のクサメロを追い求めて止まないリスナーにとってはお馴染みのあのメロディを、耽美でスローな洋風ゴシックにアレンジ。心の壊れたお金持ちのお嬢様が、意味不明の笑みを虚空に投げかけているような、妖しげなムードの漂う曲。官能的というのは、こういうことを言うのではないでしょうか。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - Eclectic Phantasm - 妖ノ夢 ★★ (2009-03-29 07:03:21)

意外にもギターやリズムにはハードな部分があって、歌謡(ハード)ロック化した陰陽座という印象の曲。歌メロも絶好調の時の陰陽座みたいで、儚くも扇情的。陰陽座よりもあからさまに和っぽい音色を取り入れていて、それが凄くフックになっている感じ。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - Former Frontier - FAKE ★★ (2009-03-29 07:15:53)

なかなかに叙情的なメロディが聴けるんですが、それ以上にヴォーカルの歌い方が衝撃的。ロック調というか、江戸っ子風というか…うちの近所の床屋のおばさんがこんな感じの喋りなんですけど(笑)。「ファルスの傀儡」という歌詞も違う意味で衝撃。
っていうかヴォーカル、SYNCで「Marionetteの輪舞曲」歌ってた人なんですね…向こうもこういう歌い方で演ってくれれば良かったのに…。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - Former Frontier - Harmonie ★★★ (2009-03-29 07:13:08)

私が今躍起になってクサメタル…というかクサ音楽を聴きまくってるのは、間違いなくこの曲に出会ったことが影響してると思う。それくらい衝撃だった曲。歌も楽器もクラシカルなクサメロに満ちていて、様式美ポップスというジャンルがあるならこれはそこに入ると思う。ヴォーカルが少し細めで、メタラーとしては不満かもしれませんが…個人的にはこの繊細で儚げなヴォーカルこそが、この曲を名曲たらしめている立役者だと思います。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - Former Frontier - 枢中夢想~Casket of Star ★★★ (2009-03-29 07:12:15)

スラッシーにかっ飛ばしていく、速いリズムが爽快な曲。
シンセの音色も流星が尾を引いているようでかっこいいですね。SHMって、複数のアレンジャーがいながら、どの人もどこかしらHR/HM的な感性を持っていると思う。でもこの曲は出来れば男ヴォーカルが良かったなぁ…サンプラザ中野さんが歌ったら合いそうなメロディ。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - Former Frontier - 喪失の雪夜 ★★★ (2009-03-29 07:14:02)

メジャー級の歌唱力を惜しげもなく駆使し、伸びのある高音で歌い上げるヴォーカルに、深い情緒を湛えたメロディ、トランス寄りながら一部メタルの感性をも覗かせるアレンジ…これ以上なにが必要だというのか。特にメロディ、この曲と出会ってからしばらくは部屋で歌メロをキーボードで弾いて(といっても楽器出来ないので、ただ単音でなぞるだけ)独りで悶絶してたくらい(笑)素晴らしいです。歌詞も抽象的ながらタイトル通りの喪失感を感じられるもので、メロディの冷ややかかつ叙情的な雰囲気を良く引き出してると思います。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - Former Frontier 2nd Cultivat - -vague ontology- ★★★ (2009-03-29 07:10:52)

ALI PROJECTがサイケ/プログレ方向にいかず、Xa方向に行ってたらこんな風だったのでは…という雰囲気の、ダークでロマンティックなメロディが聴けるゴシック寄りの曲。ALI PROJECTよりも近寄りがたさがなくて、ダークさが幾分エンターテイメント的な方向を向いている感じ。…でも、曲自体の魅力は本家にも負けてないと思う。ヴォーカルも向こうよりも親しみやすさがあると思うし。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - Former Frontier 2nd Cultivat - R.O.D. (Romantic Old Dream) ★★ (2009-03-29 07:05:47)

「記憶の抽斗を探って呼び出す付箋」という歌詞が凄く印象に残った曲。
このプロジェクト、たまに凄くセンスを感じる詩が出てくると思う。曲もそのロマンティックなイメージを反映した、夢見るようなポップなアレンジですが、ヴォーカルの繊細すぎて薄幸そうな歌唱がその雰囲気を引き立ててる。私的には、不治の病にかかった女の子が、青空と白いペントハウスのコントラストが美しい海岸線を恋人とドライブする夢を見ているようなイメージが浮かびます。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - Former Frontier 2nd Cultivat - 墜闇の誓い ★★★ (2009-03-29 07:09:56)

Harmonieで魅力的なヴォーカルを聴かせてくれた梨本さんがヴォーカルという事で、めっちゃ期待値が高かったんですが…それでもこれは衝撃がありましたね。繊細な声質で、声を張って歌う彼女の歌声が実に素晴らしい。特に「♪今日も鮮麗 咎めのFaith of Night」の歌いまわしが熱すぎる。ああ、マジで彼女をリードヴォーカルに据えたクサ歌謡ゴシックメタルアルバムとか出ないかなぁ…こういう繊細さがあるけど、媚びない歌いまわしが出来るヴォーカルってメタルシーンでは稀有だと思うので…。