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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5401-5500

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5401-5500
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SEVENTH-HEAVEN MAXION - イコルパトス - Last Place ★★ (2009-03-29 07:00:46)

これまでアレンジを担当してきた流歌さんが遂にマイクを取った!!
…んですが、歌いまわしが(SOUND HORIZONの)Revoさんそっくりで何度聴いても笑えてしまう。歌詞もイヴェールからノエルに歌ってると解釈できなくもないし(笑)。これで「物語」を「ロマン」と読めば完璧だったんですが…(笑)。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - イコルパトス - 追憶のソール ★★★ (2009-03-29 07:01:35)

美しいメロディを、美しい声質のヴォーカルが高い歌唱力で歌い上げるバラード。
こういうことを言うと失礼かもしれないけど、この曲でヴォーカルを担当する3L嬢が国産歌謡メロパワバンドのヴォーカリストでない事が残念でならないです…。ちょっと声楽っぽさがあって、親しみやすさも兼ね備えてる彼女の歌声は絶対メタルに合うと思う。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - イコルパトス - 雷獣 ★★★ (2009-03-29 06:59:56)

SHMってたまにとんでもない名曲を出してくるんですよね…。これはそんな1曲。
天野月子さんの「蝶」「龍」「聲」などのキラーチューンにも通じる、ゴシック的な暗い熱情をドラマティックなメロディで歌い上げていく曲。しかし、メロディの扇情度はそれらの曲と比べても上かもしれません。最初のヴァイオリンから、ラストのヴォーカルの一声に至るまで、驚く程扇情度の高いメロディに満ちてます。情熱的な歌詞やヴォーカルの歌唱も素晴らしい。三分強の短い曲ですが、これ以上ないくらいの濃密な時間を提供してくれるでしょう。
…もし私が偏屈なメタラーで、メタル以外にクサさを求める事をしなかったら、こんな神曲に出会うこともなかったんだろうなぁ…そう考えると恐ろしくなってきます。


SEVENTH-HEAVEN MAXION - 爛漫 -ranman- - 信じた道の行く末は ★★ (2009-03-29 22:00:32)

能楽とポップスの融合という時点で衝撃的な曲。
「雷獣」と大元のメロディは一緒なのに、繰り返しが多く盛り上がらないサビはちょっとイマイチですが…実験的なことを演りながらしっかりポップに仕上げてるのが良いですね。


SEVERE STORM - Follow the Paths of Darkness... ★★★ (2012-03-08 23:44:20)

2010年発表の1st。
背表紙のフォントがなんだか可愛いなぁ…(笑)。

ポーランドのNSBM勢の一角を担うバンドという肩書き、インナーのアーティスト写真がいかついスキンヘッド男という時点でなにか恐ろしげなものを想像(期待)してしまいますが、それを裏切らない荒々しいブラックメタルですね。音量が大きく、音圧のあるドラムが鉄火場の空気を醸し出すようなど迫力…なんですが、意外にも音の分離はRAWながら悪くなく、メロウなベースラインやトレモロがしっかり聴こえる、この手の生々しいブラックとしてはかなり良い音だと思う…というか個人的に好きな音です(笑)。

恐ろしげなイメージや荒々しい音作りとは裏腹に、アルバム中で横行するトレモロリフのメロディは非常に魅力的。ペイガン思想を持つバンド特有の男泣きと、人間に対する厭悪をふつふつと煮え立たせているような不気味さ、その両方が感じられる、非常にメロウなメロディ。このアルバムが素晴らしいのは、メロディアスなパートだけでなく、そこ以外の殺伐とした感触も非常に魅力的で、メロディの良さとも相俟って非常に聴き応えがある仕上がりになってる事なんですよね。

また、ヴォーカルのパフォーマンスもその殺伐とした感触を際立ててますね。基本、喉が心配になるレベルの潰れに潰れたがなり声ですが、息が掛かるほどマイクに近づいたような生々しいグロウルや、呪文を唱えるような語りなども入れて、かなり表現力高いです。声だけで本能的な危機を感じてしまうような、ヤバさの漂う歌い方。

…ブラック好きからはカルトな支持を受けるポーランドのペイガン、NSBMシーンですが、その中の代表バンド足りえるくらい、良いアルバムだと思う。この手のブラックに興味持ってる方は是非チェックを。


SEX MACHINEGUNS - MADE IN JAPAN - ONIGUNSOW ★★★ (2004-08-10 17:17:30)

この曲の歌詞…ついこの間まで給食のお世話になってて、しかも偏食家でいつも残してばっかりだった私にとっては身につまされるものがあります(笑)っていうか給食無理矢理食べさせるのは暴挙だぁ!!(レビューになってないかも)


SEX MACHINEGUNS - 『マシンガンズの集い』ザ・ベスト - みかんのうた~ライブ~ ★★ (2004-08-10 17:16:55)

これはよく友達がカラオケで歌うんですが、なかなか凄い曲ですね(笑)
特に「みかん みかん みかん」の所は知らない人でも一回聴いただけで忘れられないインパクトがあって、みんなで歌える(っていうか叫べる)楽しい曲です。


SHADE (CANADA) ★★ (2010-07-26 00:49:00)

登録されてる…と思ったら、向こうはイギリスのハードポップらしいです。
カナダ産ブラックメタルバンド。
カナダのバンドなのに、自らの音楽性を「True Nordic Black Metal」と定義するほどの筋金入り。
正式な音源は3曲しか残していないようですが、質の高さからかなり話題になったようです。


SHADE (CANADA) - ISA ★★★ (2010-07-26 00:48:00)

99年発表の3曲入りEP。
05年に出たGEIMHREとのスプリットにも全曲収録されてます。

ネットでは、「SILENCER病/SORTSIND病/SHADE病」という言葉が生まれるほど話題になった(と、このサイトに書き込みがあった)そうですが、そんな事を言われたらミーハーの血が騒ぎます(笑)。まあ、ぶっちゃけ中古で安く落ちていたのを見つけて購入したんですが。今なら、スプリットを探した方が見つけやすいかも。

内容ですが、カナダのバンドなのにブックレットで「True Nordic」を自称するだけの事はある、90年代前半のノルウェーのブラックの空気感を上手く表現したような作品に仕上がってますね。音像の中心に居座り、氷の礫が渦巻くような音像を提供するギターノイズ、そのギターによって奏でられる寒々しい、という表現が陳腐に聞こえるほどの素晴らしいメロディ、RAWな音作りが演出するアングラ感などによって、掛けただけで周囲の明度・温度ともにグッと下げるような音に。時に昔のSatyrっぽく、時にAttilaっぽく聴こえるヴォーカルも、あの頃のノルウェーのバンドっぽい雰囲気で好き。

しかし、このバンドはリフが良いですね…確かに90年代ノルウェー産ブラックの名盤のトレース、とも言える作風ですが、リフのメロディはその頃の超一流のバンド以上の繊細さがあると思う。泣きすぎず、ミニマルすぎず、辛口すぎず、でも叙情性もあって本当に素晴らしい。メロのセンスは当時のDARKTHRONEやDISSECTIONと張れます。ベースラインもかなりメロウですが、それが聴きやすさだけでなく「カルト性」も際立てているのが凄いんですよね。

私的には、「RAWなメロブラ」と「プリブラ」の境界を示す好例だと思う。
このバンドは前者で、ミニマリズムや陶酔感ではなく、楽曲・フレーズの構成などが、(暗黒趣味かつアングラ志向な)ドラマ性を重視しているという印象。SILENCERやSORTSINDは、それぞれエクストリームメタル、プリミティブブラックとして高い質があったとは言え、その狂気がもたらすインパクトが話題を集めていた部分は否定できないのに対し、このバンドは曲のクオリティで話題になってると思う。90年代前半のノルウェー産ブラック特有の薄暗い雰囲気、BEKHIRAなどのRAWなメロブラが好きな方には大推薦。


SHADE EMPIRE - Sinthetic ★★ (2012-01-24 19:22:19)

2004年発表の1st。
タイトルは「sin+synthetic」でしょうか。

タイプとしては、派手なキーボードを大々的に導入した、シンフォニック・ブラックですが…まず印象に残るのは分離の良い、カッチリとした音作りですね。多少ギターがノイジーではありますが、刻みリフも多用し、メロデスを聴く人にもアピール出来そうな音。インダストリアル要素も味付けに取り入れてますが、そのせいで更にカチッとした音に聴こえる。3曲目なんかはキャッチーなクリーンパートまで飛び出し、シンフォ系の中でもかなり聴きやすい音と言えるかと。

ただ聴きやすい音作りが成されていますが、なかなかマッシブで迫力のあるデス声を聴かせるヴォーカルといい、派手なオーケストレーションでバンドサウンドを荘厳に飾るキーボードといい、メロデスに寄り過ぎず、シンフォブラックとしてもガチなのが良いですね。日本盤を出してるバンドと比べても作品のメジャー志向性やクオリティは劣らず、あともう1要素なにかプラスαがあれば話題になってもおかしくない作品じゃないかと思います。個人的にはリフにもう少しケレン味みたいなものがあれば良かったかと思います。

普段ブラックを聴かない人にもお勧めできる、かなりキャッチーで聴きやすいシンフォニック・ブラック。逆にカルト志向のバンドが好みの方はちょっと物足りないかも。


SHADOWTHRONE - Demiurge of Shadow ★★★ (2017-03-08 01:15:34)

2017年発表の1st。
Hidden Marlyより日本盤が出ており、邦題は「影のデミウルゴス」。

一体このレーベルはどこからこんな良質なバンドを発見してくるのか…これまたかなり好みのシンフォニック/メロディック・ブラックで買って本当に良かったと思わせる作品。メロブラとしてはオールドスクールさが強く、背徳性を感じさせつつも適度にメロディを挿入しメリハリのあるリフ捌きと、神秘性の強いアトモスフェリックなキーボードが織りなす非常にドラマティックな音。若干ドラムがやかましい音作りな気もしますが、荒れ狂う海を思わせる音に感じられるので個人的には好きですね。

オールドスクールさ強めのバンドサウンド+神秘的なキーボードの組み合わせや、喉を潰すのも厭わないような衝動に満ちた絶叫など、EMPERORの伝説的な1stアルバムを想起させる場面も多い作品。場面によっては、はっきり「Cosmic Keys~」「I am the Black Wizards」辺りの楽曲の影を感じられたりするのはご愛敬でしょうか。キーボードのフレーズも印象深いものが多いですし、楽曲が金太郎飴になっていない質の高いものであるのも素晴らしいです。

流石にカリスマ性という点ではEMPERORに譲るのは否めませんが、凄まじく良質なシンフォニックブラックなのでこの手が好きならマストかと。ほんとこのレーベルには期待してしまいます。


SHEMHAMPHORASH ★★ (2011-07-16 00:32:53)

FOSCORのメンバーが絡む、スペインのブラック。
バンド名はヘブライ語で「神の真名」という意味だとか。


SHEMHAMPHORASH - Sulphur ★★ (2011-07-16 00:33:42)

2009年発表の2nd。

暴虐性のしっかり伝わる、良質のプロダクションで、ブラストを中心にブルータルに聴かせるタイプのブラックで、MARDUK辺りにかなり近い路線の音ですね。リフのメロディが寒々しい系ではなく、少しペイガン系の畏怖を起こさせるような雰囲気が入ったものだったり、バンド名を冠した、儀式のような曲が入っていたり、ペイガンの要素も僅かに感じられるのが違いでしょうか。

ただ、お世辞にも有名とは言えないバンドですが、意外なクオリティの高さがありますよね…上記の音質もそうだし、押し引きを心得た曲展開で聴いていて単純に気持ちが良いです。それだけに、心地よいバンドの音が途切れる儀式パートが余計に感じられますが…出来れば、代わりにMARDUKの「Summers End」「Bleached Bones」系のスロー曲があると更に良かった。

MARDUK「Plague Angel」でのMortuusのパフォーマンスを思わせるような、ヴォーカルの鋭いがなり声(特に「Shining」での「Tearing the Tree of Life down!」の絶叫が一瞬寒気を覚えるほどかっこいい)もかなり良いですし、ブルータル系統が好きなら買ってまず損はないかと。マイナーですが、カルト志向に理解がないと楽しめないという訳ではなく、ごく入りやすい音出してると思います。


SHINING (NORWAY) - Blackjazz ★★ (2010-07-04 20:28:00)

2010年発表の5th。
KEEP OF KALESSINやENSLAVEDのリリースで知られるIndie Recordingsからのリリース、
国内の音楽雑誌EURO ROCK PRESSでカラーページにレビュー掲載、海外のメタル雑誌Terrorizorの
企画で(ENSLAVEDの)Ivar氏がお気に入り(?)に挙げるなど、既に非常に話題になっている作品。
確かにこれ、話題になるだけの事はあって、ある意味凄い作品に仕上がってますよね…。
ハードコアのフィーリングを持ってテンション高く叫び散らすヴォーカル、ジャズ特有の
細かく刻みリズム、プログレメタルの複雑なリフ捌き、ブラックメタル的な歪みを伴うリフの音色、
不穏さ、アヴァンギャルドさを強く感じさせるノイズ・インダストリアル要素…など、
本来バラバラの方向を向いたパーツを「しっちゃかめっちゃか」というキーワードで強引に
纏めた、針の振り切れたイカレたメタルという感じ(笑)。
「しっちゃかめっちゃかさ」を確かな知性と高度な音楽性で表現したようなアルバムなんですが、
センスのないミュージシャンがジャズや前衛要素を取り入れようとすると、頭でっかちになって
しまうこともままありますが…この作品は「ここまでスノビズムから離れた音楽は珍しい」と
いうくらい、そういう要素を感じさせませんね。ぶっ壊れた展開は分裂症的、パラノイアックとも
言えそうですが…雰囲気的にはもっとファニーな感じ。派手に楽しく阿鼻叫喚なアルバムです(笑)。
Wikiを見ると、このバンドは元はアコースティックの四人組ジャズバンドだったらしいんですが、
そういう面影は全くありませんね(笑)。万人が聴いて「刺激的」に感じるアルバムだと思うので、
チャレンジャーな方は是非。個人的には、こういう知性的でイカレた、ハイテンションな音楽って大好きです。


SHINING (SWEDEN) ★★ (2007-10-28 21:09:00)

このバンド、ライブでKvarforthが客にカミソリを手渡したり、尿を飲んだり
するって聴いたんですが、本当なんでしょうか…。
しかも最近のライブではManiacと共演して、Maniacが酷く酔っていた上に
非常に不機嫌な状態で、ステージでKvarforthを殴ったとか…。
この界隈、危ない人多すぎですね(笑)。だからああいう音楽が出来るんでしょうけど。


SHINING (SWEDEN) - Ⅳ - the Eerie Cold ★★★ (2007-08-24 22:02:00)

2005年発表の、タイトル通りの4th。
Hellhammer参加最終作みたいですね。

鬱ブラックと言われるだけあって、一番の特徴はその暗すぎるメロディでしょうか。ただ、確かに「哀愁・泣き」の段階を通り越して「鬱・絶望」の領域に入り込んでいるようなメロディではあるんですが、個人的にはギターのザラついた音質とも相まって、どこか鬼火的な美しさや、幽玄さも感じる雰囲気だと思います。真っ暗な中に妖しい炎が薄く灯ってる…みたいな。

「鬱ブラック」と言うと割とマニアックなイメージを抱いてしまいがちですが、このバンドはミニマリズムや音質の不明瞭さなどは余り無く、しっかりした展開があってメタル的な視点でも十分かっこいいと思える出来。特に、やっぱりHellhammerのドラムはタイトで良いですね。意外とギターソロや疾走パートもあって、結構聴きやすいと思います。パートによっては最近のSATYRICONやENSLAVED、CODE辺りにも通じる力強さすらある気も。

それからヴォーカル…かなり良い仕事していると思います。
まるで地獄に落ちた死者が聖者を羨んでいるかのような、悔恨の篭もったうめくような声。ほとんど奇声になってるSILENCERとは違ってちゃんとデス声してますが、時折感情が押さえ切れないような叫びになったりするのがツボ。粘着的な表現力です。

…でもXASTHURは日本盤が出てSHININGはまだ、という事を考えると、「鬱」みたいなキーワードに惹かれる人は逆にまともな展開に物足りなさを感じてしまうのかも?逆に言うと、「鬱系」という言葉から連想されるカルトなイメージに二の足を踏んでいる人は、購入しても全然大丈夫だと思います。普通にクオリティ高いブラックです。


SHINING (SWEDEN) - Ⅳ - the Eerie Cold - Claws of Perdition ★★ (2007-08-24 22:04:51)

Nattefrost氏による自殺一直線な歌詞が印象的な曲。
「Sell your soul~」の所のヴォーカルなんて、全身全霊を込めて恨み言を言っているような感じだわ…。ラストの「This confession has meant nothing…」の語りのサンプリング、KRIEGも使ってましたけどこれって何なんだろう…。


SHINING (SWEDEN) - Ⅳ - the Eerie Cold - Nagonting Ar Jauligt Fel ★★★ (2007-08-24 22:06:41)

もうイントロの時点で鬱ですね。
人面樹が鬱蒼と茂った樹海の中、一歩一歩踏み込んでいくような暗い雰囲気。これならわざわざ首括らなくても自然死しそう(笑)。咳き込み、奇声などを駆使し追い詰められた感情を表現する、SILENCERを思わせる表現力の高いヴォーカルも聴きどころ。


SHINING (SWEDEN) - Ⅳ - the Eerie Cold - The Eerie Cold (samvetskvalens Ballad) (2007-08-24 22:08:06)

他の曲は鬱であると同時に結構かっこよさもあったりしますが、この曲は陰鬱なアルペジオで引っ張っていく曲でほぼ鬱要素だけで構成されているような感じですね。ヴォーカルが何かを語りだしますが、途中から泣き声になって非常に不気味。


SHINING (SWEDEN) - Ⅳ - the Eerie Cold - Vemodets Arkitektur ★★★ (2007-08-24 22:07:26)

Hellhammerの高速ツーバス連打といいタフなリズムといい、鬱以前にかっこいいと思える曲。…と言っても、恨みの篭もったヴォーカルといい陰鬱なメロディのトレモロリフといい、しっかり鬱要素は満載なので安心して下さい(笑)


SICK'S AGONY - Paranoia's Empire / Depressive Instinct ★★ (2014-05-13 21:59:43)

2013年にSelf Mutilation Servicesから500枚限定で発売されたコンピレーション盤。
2013年EP「Paranoia’s Empire」と2006年デモ「Depressive Instinct」を収録。

Self Mutilation Servicesと言うとブラック好きの間では鬱ブラックには定評があるレーベルとして有名ですが、この作品はテンポこそ極端な激遅という訳ではないものの、むしろ葬式系のドゥームに近い感触のある作風ですね。全編とぼとぼと力弱く歩くようなミッドテンポで進行し、ドラムの打音と生気の無いノイジーさを醸し出すリフがシンクロする、ドゥーミーな音作りに、枯れたメロディを奏で続けるギターメロが乗る、狂気よりも諦念の強い音。

ヴォーカルも楽曲同様、諦念に満ちた低音で、歪んだ声で力なくメロディを追ってみたり、呟くように語ったりなど、聴いていて気が滅入ってくる(褒め言葉)ようなパフォーマンス。何気に語りは美声ですし、味のあるヴォーカルで私的にはかなり好みですね。鬱ブラックとしては珍しく、歌詞が割とはっきり聞き取れますが、この歌詞も分かりやすい絶望に満ちてます。EPとデモで大きな変化はありませんが、デモの方がヴォーカルが攻撃的だったり、テンポを大胆に変えた展開があったりと、まだ「外向き」な音。個人的には徹底して「諦念」の漂うEPの楽曲の方が好みですけど。

鬱系としては展開こそミニマルですが、極端にノイジーだったり近寄りがたかったりはせず、メロディもしっかり聴かせるので割と聴きやすい方かと思います。何よりテンプレがっちりな音ではなくて、どこか味のある作風が良いです。鬱ブラック好きには地味にお勧め。


SICKRITES - Irrelevant Death Monoliths ★★ (2015-08-09 06:42:44)

2013年発表の1st。
アナログでの発表でしたが、翌年にOsmoseよりCD化されています。

一言で表すなら、ウォーブラックの衝動性や背徳性、凶暴性を残しつつ、エクストリームメタルとしてのクオリティを整えた感じの、デスメタル寄りのブラックという感じでしょうか。紙を破くようなノイズ質に包み込まれるような音作りに、地の底から響くような低音デス声のヴォーカルが乗り、非常に冒涜的で爛れたような雰囲気を演出してますね。

ただし、楽曲の方には単なる衝動性に留まらない、演出力の高さが光っているのも特徴ですね。バンドの音はまるで廃墟を思わせる、ドロドロした感触ですが、そこにキーボードが破滅をもたらす光のように挿入されたり、狂気的な速弾きやメロウなリードフレーズを奏でるギターソロが挿入されたり、モノトーンにならない展開も魅力。

デスメタル的な猟奇性を強く感じさせつつ、エクストリームメタルとしてハイクオリティな音は如何にもOsmose産らしい音と言えるでしょうか。おぞましい音が好きであればかなりツボに嵌まるのでは。


SICULICIDIUM - UTOLSO VAGTA AZ UNIVERZUMBAN ★★ (2011-12-18 17:35:21)

2009年発表の1st。

某来日未遂バンドのお陰で個人的に印象が良い国、ルーマニア発のプリミティブブラックということで、中古で安かったということもあり購入。出音的には、衒いのないプリミティブブラックで、オールドスクールな感触のあるミディアムテンポを中心に展開する、極端な疾走やメロウさなどは抑えられた、この手にしては割と地味で、かつ辺境っぽさが残っている音。

…なんですが、リフにやりすぎない程度にメロウさが感じられて、それが毒霧を噴出するようなノイジーな音質と合わさるとプリブラ好きとしてはなかなか浸れるんですよね。ヴォーカルはAttila系の念仏声で、曲の無骨さとも良く合っていると思うんですが…私的にはもっと呼気多めでドスを効かせてくれた方が好みかも。スタイルの割に発声が安定しすぎててカルト性に欠ける印象も。

正直、このジャンル(プリミティブブラック)が好きな人向け以外の何物でもない作品で、広く勧める事は流石にできませんが…この淡いメロウさ、なかなか悪くないので興味がある方は聴いてみては。


SIEBENBÜRGEN - Darker Designs & Images ★★ (2015-07-22 04:19:32)

2005年発表の5th。
2000年代末に解散してるようですが、メロブラではよく名前を聞くバンドですね。実はこのバンド、ブラックメタル初心者の頃に一度聴いて駄目だったんですが、今聴き返してみると非常にかっこいい。

路線としては、もう殆どメロデスと言ってしまって差し支えないくらい、メタルとして正統なメロブラですね。刻みリフを多用したり、剰えクラシカルなギターのハモりがあったり、一般的なメロブラよりも更にメタルのお約束的なものに忠実な印象。コンセプトが吸血鬼であるせいか、女性クリーンヴォーカルによる耽美的メロディを始め所々にゴシックメタル的感性も感じられ、それが楽曲をよりドラマ性豊かにしています。

ただ、初心者の頃に一度敬遠した理由としては、パッと聴き地味に聞こえることなんですよね。刻みを多用したメタリックな音にも関わらず、ヘヴィネスを余り重視しないような音作りなので、どうもパンチに欠ける音に聴こえてしまう部分も。ちゃんと聴けば、女性ヴォーカルが華のあるメロディを歌っていたり、メロブラらしい叙情性激高のトレモロもあるしで、地味とは言えない作風なんですが。歪んだ声で語りかけるようなヴォーカルも、当時は分かりやすい狂気がなくてイマイチだと思いましたが、今聴くとこれはこれで渋くてとてもかっこいいし、何よりゴシックな音楽性にぴったり。

今聴いても若干プロダクションには不満が残りますが、メロブラとしての質は高く、ゴシックな世界観が美味しい上質な一枚。


SIGH - Gallows Gallery ★★ (2007-06-06 23:30:00)

2005年発表の6thアルバム。
新譜「HANGMAN'S HYMN」に衝撃を受けて遡って聴いてみたんですけど、全然違う…

無理にカテゴライズするなら前衛的な正統派でしょうか?サックスをフィーチャーしたアヴァンギャルドなブラックメタルではSOLEFALDがまず思い浮かびますが、この作品に至ってはブラックメタルらしさすら消えうせちゃってます(強いて言えば8曲目のダークな雰囲気に多少感じられるくらい)。ULVERやWALTARI並の器用さ…ほんと凄いバンドです。

…曲的には、やっぱり変態的との呼び声が高いだけあって、展開が面白いですね。
キャッチーなメロを歌っていたと思ったら、いきなりランプの魔人でも出てきそうな妖しい雰囲気になっちゃったりする。アルバムを通じてオルガンとサックスが大々的に取り入れられており、曲によってはクラビやシタール、なんと大正琴まで出てきます。
それらをただ使うとか違和感なく取り入れるとかではなく、その展開でその音がなければと思わせるようなセンスの良さには本当に脱帽。新譜とは音楽性は違ってもやっぱり天才的…

前衛的と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、このアルバムは正統派寄りでメロディやリフがキャッチーなので間口のかなり広いサウンドであるのもいいですね。ギターやオルガン、サックスのソロも多く取り入れられており、各楽器の見せ場の多いフックのある音なのも取っ付きやすいです。特に川嶋さんのオルガンソロには悶絶…。5曲目や8曲目は実験要素強めですが、センスがいいので結構聴けてしまうのでは?

素晴らしいアルバムですが、粗探しを敢えてやるとするならヴォーカルでしょうか。スタイルは普通声ですが、ブラックで言うIhsahnの気品やGarmの妖しさ、SimenやVintersorgの伸びなどのように、私のツボを付く要素が余りなかったのが残念。でも人によっては掴み所の無さがミステリアスに思えて逆に気に入るかも。こういう音ですし。

…しかし、このアルバム日本盤出てないのがムカつきますね。こんな面白い音なのに。まだアルバム二枚しか聞いてないんですけど、日本最強のバンドなのではと思わせるくらい良いバンドだと思うんですが…完全に後追いの私が言うのも何ですが、日本人ならSIGHを聴け!!


SIGH - Gallows Gallery - In a Drowse ★★★ (2007-06-07 07:25:17)

楽曲のレベルの高さに反して、サビ部分で入ってくるコーラスの妙なチープさが何か面白いんですが…。中間部のドライブ感ある中でのギター・サックス・オルガンが次々にソロを弾いていくところは聴き所ですが、サックスがサビメロ吹く所でもそのコーラスが入るところがちょっと笑えます。


SIGH - Gallows Gallery - Midnight Sun ★★★ (2007-06-07 07:38:18)

ラスベガスのカジノで、一攫千金に夢を賭ける男達の挽歌。
…私的な第一印象はそんな感じ(笑)。歌詞見たら全っ然そんな感じじゃないし(当り前だけど)。ともかくブラック系のアーティストとは思えない、良い意味で独特のムードがある曲。


SIGH - Gallows Gallery - Pale Monument ★★ (2007-06-07 07:29:07)

ブラックだと思ってCD買った人はこの一曲目で面喰うでしょう(笑)
DIMMUやCOFのキャッチーさとは別次元のキャッチーさで、スキャットとオルガンの掛け合いとかやりすぎなくらい。逆にブラック好きには取っ付きにくいかも。私も最初「え…」ってなりましたが、何回か聴くとかっこよく思えてきました。


SIGH - Gallows Gallery - The Enlightenment Day ★★★ (2007-06-07 07:32:07)

キャッチーさと変態性が見事に同居している…
こういう実験的な音って、センスのあるアーティストがやると難解さではなくて、逆にフックとなって取っ付きやすさに繋がっていくと思うんですが、これは正にこんな感じ。敷居は高くないと思います。


SIGH - Gallows Gallery - The Tranquilizer Song ★★★ (2007-06-07 07:35:15)

メタル要素無くなっちゃった…ほぼプログレですね。
タイトル通りの静かな曲ですが、ミニムーグやテルミンなど、音色の選び方が凄く巧い。寂寥感や優雅さの中に、「魔性」が潜んでいるような怪しい雰囲気の曲。


SIGH - Hangman's Hymn: Musikalische Exequien ★★★ (2007-05-23 16:47:00)

2007年発表の7thフルアルバム。

私はSIGHを聴くのはこの作品で初めてなんですが、冗談抜きで感動しました。こういう素晴らしい音に出会ったときの喜び、驚きこそが私にとって音楽を聴く醍醐味。…それを再確認させてくれる、凄い作品でした。今まで聴かなかった自分が憎い…!!

音楽的には、簡潔に言えば解説にもあるように、シンフォニックな要素を取り込んだスラッシュ寄りブラックという感じ…なんですけど、この感動はとてもそんなものでは…。まずシンフォ要素が凄く、咆哮するブラス、舞い踊るストリングス、畏怖を覚える程に荘厳極まりないクワイアなどが、燃えさかる地獄の劫火のような視覚的イメージや、それに骨まで焼き尽くされるような感覚的イメージを喚起します。ど派手なオーケストレーションではANOREXIA NERVOSA辺りを思わせますが、取っ付き易さや曲・アルバムの構成では上と言えるかもしれません。
…ここまで派手な音だと、ブラック好き以外にもクサメタラーの意見も聞いてみたいところ。
意外とこれ聴いてガッツポーズしてしまう人も多いのでは(笑)

また、アルバムを通して歌詞やメロディにおいて、ある曲での重要なフレーズが他の曲でも用いられていたり、コンセプチュアルな構成になっており、特にタイトルトラックのサビメロは1曲目や5曲目のエンディングを始めとして、7曲目のサビや第三幕の序曲などアルバム中に幾度も登場する重要な主題になってますが、そのメロディが神懸かってる(ブラックメタル的に言うと「悪魔的」の方が正しいかな?)ので、何度聴いても悶絶できます。ぶっちゃけ、このメロディだけでも2500円は惜しくないと思えるほど良いメロディです。そして遂にタイトルトラックのサビでそのメロディが来た時の感動といったら…。

解説や対訳も本人の筆によるもので、アルバムの音楽的仕掛けや歌詞の内容などに言及しており、より感情移入しより楽しめるものになっているのもいいですね。…それだけでも充分過ぎるくらい素晴らしいアルバムなんですが、真に凄みを感じるのはそれらの要素にリフ捌きのかっこよさだったり、ブラックとしては珍しく全曲Gソロがあったりヴォーカルの絶叫だったりといった、メタルとしてのかっこよさの根幹が全く飲み込まれていないことかもしれません。ブラックメタルとしてというより、純粋にメタル音楽としてかっこいい音楽だと思います。ブラック好き以外にもそれ程敷居は高くないかと。ヴォーカルはブラック特有の喚き気味のデス声で、鋭くキレがありこれも実にかっこいい。曲によっては悪魔の嘲笑までこなしていてかなりの表現力です。

…たまに洋楽にかぶれすぎて日本の音楽を切り捨ててしまう人がいますが、私的にはそういう人はムカつくというより可哀想です。こんな素晴らしいものを拒んでいるのだから。ほんと、日本に生まれて、メタルを愛するようになったにも関わらずこの作品を聴かずに死ぬなんて大いなる不幸ですよ。なので、そういう人も下らない洋楽コンプレックスなどとっとと捨ててこれ聴いてぶっ飛んで下さい。世界が変わるかもしれませんよ。

言うまでも無く、日本のメタルやブラックが好きならば当然必聴。今ブラック基本の名盤X枚とかいう企画をやったら入るんじゃないでしょうか。っていうか私が撰者だったら間違い無く入れます。長くなりましたが、とにかく凄い作品という事です。是非聴いてみてください!!メタルを愛聴する全ての人にお勧めしたい大名盤です。


SIGH - Hangman's Hymn: Musikalische Exequien - Death With Dishonor ★★★ (2007-05-25 16:20:43)

イントロからタイトル曲のサビにも匹敵する、余りにも扇情的なメロディが…サビはもちろんこのメロディで鮮烈に聴かせてくれます。このメロはアルバムのクライマックスで各曲の主題が演奏される箇所でも用いられていますが、そこでも際立っていると思います。本当に天才的なメロディセンス…彼らはどこまで聴き手を悶絶させれば気が済むのか。


SIGH - Hangman's Hymn: Musikalische Exequien - Dies Iræ/The Master Malice ★★★ (2007-05-25 16:16:21)

「Dies Irae」の重厚な雰囲気で第2幕開始。
この曲でも「Dies Irae」と本編の合間にかすかにピアノで聞こえてきたり、ラストにクワイアで大々的にフィーチャーしたりと「Hangman's Hymn」のテーマが効果的に用いられていますが、特に後者はヤバい。電車の中で聴いてて、思わず鳥肌が立ってしまったぐらい。


SIGH - Hangman's Hymn: Musikalische Exequien - Hangman's Hymn/In Paradisum/Das Ende ★★★ (2007-05-23 16:44:04)

アルバム本編ラストを飾る、集大成的な曲。
…この曲の「Die all the believer」からのドラマティックという言葉さえも陳腐に思えるほどの劇的メロディと、絶叫のコンビネーションを聴いて、何も感じない人間が果たしているでしょうか。確かにダークではあるけど、人を感動させるのに十分すぎるくらいのエネルギーに満ち満ちてます。ヴォーカルもデス声ながら歌心がある。
そしてアルバムのクライマックスとも言える、今までの曲の主題を繰り返した後に怒涛のサビに突入する展開、この素晴らしさを文章で伝えようと思ったら図書館を100件建てたとしてもまだ足りないでしょう…。私もコメント書いてないで、ここを見ている全ての人に無理矢理聴かせて、「どう、凄いでしょ?」って言いたい気分(笑)。大袈裟かもしれませんが、それくらい感動してしまいました。


SIGH - Hangman's Hymn: Musikalische Exequien - In Devil's Arms ★★★ (2007-05-24 23:08:41)

タイトルトラックのサビメロがこの曲ではギターリフに用いられている事からも分かるように、ギター重視のフック満載の曲。
…というより、リフはフックがない部分がないと言うくらい充実してて、聴いてて燃えるものがあります。途中の火の粉のようなブラスと、それを浴びて苦しむようなヴォーカルの対比が織り成す視覚的イメージも素晴らしい。


SIGH - Hangman's Hymn: Musikalische Exequien - Inked in Blood ★★★ (2007-05-23 16:39:52)

ちょっと心臓に悪い入りに続き、一層の盛りを見せる地獄の炎のようなオーケストレーションと、それを受けて火の粉をブチ撒きながら疾駆するようなリフ捌きが…聴いてて血が滾りますね。ほんとかっこいいです。


SIGH - Hangman's Hymn: Musikalische Exequien - Introitus/Kyrie ★★★ (2007-05-23 16:37:01)

まずCDのプレイボタンを押していきなりの鮮烈過ぎる管楽器の主題にやられます。…こんなに劇的なメロディだと、帯のジャンルのところが某バンドのように「劇メロ」になってしまいそうなくらいの鮮烈さ。メタル好きで、これを聴いて熱くならなかったら嘘でしょう。


SIGH - Hangman's Hymn: Musikalische Exequien - Me-Devil ★★★ (2007-05-24 23:06:44)

イントロのキャッチーと言ってもいいメロディから魂持ってかれますね。更にそのメロディは普通声でも歌われるため、アルバム中でもかなり取っ付きやすいサウンドになっているかと思います。…聞く回数を増やすごとに、メロディの持つ意味が伝わってくるような気がするんですが、こういうメロディで語れる才能って凄いと思います。


SIGH - Hangman's Hymn: Musikalische Exequien - Overture/Rex Tremendæ/I Saw the World's End ★★★ (2007-05-24 23:11:15)

まずオルガンによるタイトル曲のサビメロにうっとり…
他の箇所では苛烈さやかっこよさといった表情を見せるこのメロディですが、ここでは優美さを特に強く感じます。そして始まる本編も凄く大仰。メタル然としたかっこよさや熱さが際立っていた前曲から一転して、最早どう足掻いても逃れられない破滅が訪れてしまったようなサウンド。好き者には…いや、好き者じゃなくてもこれはたまらないでしょう!


SIGH - Hangman's Hymn: Musikalische Exequien - Salvation in Flame/Confutatis ★★★ (2007-05-24 23:16:52)

鐘の音やコーラスが入り圧倒的なスケール感で迫ってくる音は、破滅が更に進んでもう逆にうっとりするような感覚を味合わせてくれます。この曲はサビの歌詞でタイトル曲と共通するフレーズが出てきますが、そこのデス声が実にエモーショナルで真に迫ってます。川嶋さんは自分の声を完璧にコントロールしてそう。そしてラスト、バンドサウンドが「Confutatis」のコーラスに飲み込まれていく展開に、恐怖と戦慄、恍惚を覚えます。…圧倒的だ…。


SIGH - Hangman's Hymn: Musikalische Exequien - The Memories as a Sinner ★★★ (2007-05-25 16:12:31)

ど派手なオーケストレーションが入った時の苛烈極まる音像の魅力は勿論として、オーケストラが入ってないパートでも十分に魅力的なのが凄いですよね。地獄へ真っ逆さまに落ちていくような感覚。あの世を覗いてみたい方は是非。


SIGH - Scenes from Hell ★★★ (2010-01-25 21:31:00)

2010年発表の8th。
SEAR BLISSのトロンボーン奏者が参加したことでも話題になった作品ですね。…いきなりですが、今年のベストはもうこの作品で決まりかもしれない(笑)。新年早々、すっげぇものが出てきてしまいましたね…。

路線としては、前作を踏襲した、スラッシュ寄りのメロブラに、地獄の炎が吹き上がるようなド派手なオーケストレーションを組み合わせたシンフォニックブラックですね。ひたすらに壮大で圧倒的だった前作と比べると、それ以前までのプログレッシブで前衛的な感性も、混じり始めている感じがします。

しかし、前作でも散々褒めましたが、このバンドのメロディセンスは異常。
音像の派手なシンフォ系のバンドは結構いますが、この作品はメロディ自体が優れてると思う。例えば、クラスでも楽器が苦手な人が、何とかメロディとして成立しているレベルの下手さでこの作品のメロディをリコーダーか何かで演奏したとしても、悶絶出来るくらいだと思う。

いくら日本人がメロディセンスが優れている(と言われている)とはいえ、流石にここまでのメロディ書ける人は余りいないのでは。間違いなく本物の才能を持っている人かと。しかもそのメロディが、これまた異常なまでの情景描写センスで描かれるのだからもう堪らないですよね。このメロを鳴らすにはこのアレンジが最適、というくらい、どのメロディもハマってると思います。

まあ、オーケストラ(特にブラス)は前述したように地獄の炎のようだし、地獄の針山を転げまわるようなスラッシュビートで疾走するし、ヴォーカルも地獄の炎に焼かれながら苦しんでるみたい(個人的に、川嶋さんのヴォーカルは攻撃性以上に苦悶を吐き出すような感情の濃さがあると思う)だし、地獄しか見えませんが(笑)早口での掛け合いの多いヴォーカルラインも、また焦燥感を煽るんですよね…。

…普通、「クサいメロディ」というと、その語感も手伝ってかどうしても卑俗的なイメージが浮かんでしまうのですが、この作品はその「クサいメロディ」をふんだんに取り入れながらも、卑俗さとは無縁な深淵さ・崇高さがあるのが素晴らしい。マジで中世の名画と同じくらいの芸術性で、地獄の様子を描いた作品だと思いますもん。しかし、地獄の風景ってこんな美しかったんですね…絶対行きたくないけど(笑)。

リアルに地獄へ行って、ロケしてきたとしか思えないような、情景描写に優れた作品。これをジャパメタやブラックが好きな人だけに聴かせておくのは勿体無さ過ぎる。メタルが少しでも好きな人は、前作と合わせてもう全員聴いて欲しいくらいです。


SIGH - Scenes from Hell - L'art de mourir ★★★ (2010-01-25 21:42:30)

2曲目にして、既に地獄の軍勢は勝利を収めた模様(笑)。
主旋律がもう人ならざるもの達の凱旋、としか思えません。そのメロに乗って歌われる「♪As I see~」のヴォーカルラインも歌心がありすぎて困る!!電車の中で聴いてて歌いそうになるんですけど(笑)。しかし、(心の中で)この部分歌ってると、地上を焼き尽くす悪魔にでもなったような、全能感と高揚感がありますよね(笑)。


SIGH - Scenes from Hell - Prelude to the Oracle ★★★ (2010-01-25 21:38:05)

イントロの、天に向かって火柱が吹き上がるようなオーケストレーションが、戦いの嚆矢を思わせる1曲目。このままクサ音楽フィールドに乗り込んでって、DRAGON GUARDIANやSOUND HORIZONと闘っても互角以上の勝負が出来そうです。しかもエクストリームメタルとしても最高のクオリティという。…ほんと、一体何なんですか、この人たちは…(呆)


SIGRBLOT - Blodsband (Blood Religion Manifest) ★★★ (2012-07-16 10:32:40)

2003年発表の1st。
2009年にWorld Terror Committeeより再発。
CHAOS INVOCATIONやASCENSION辺りがそうなんですが、WTCが目を付けたバンドって恐ろしいクオリティの作品を出してることが時々ありますよね…この作品も聴いてビビりましたもん…。

メジャーバンドと比較するとやや粗めながら、メロディアスさもノイジーさも良い按配に邪悪さを醸し出してくれるギターリフや、疾走パートでは炸裂感を伴う、ややRAWな音色のドラムが噛み合って出来る、聴きやすくも生々しさも残る音質といい、ブラックの中でも宗教色の強いムードといい、苛烈な疾走を軸に緩急を上手く付けた展開といい、個人的にはFUNERAL MISTの「Maranatha」アルバムを強く想起させる音。

ただ、大きく異なるのはこちらの作品はフォーク/ペイガンからの影響が感じられることでしょうか。時々民族っぽさも感じられる、勇壮なメロディが奏でられたりもしてるんですが…普通こういう民族系メロが来ると雄大な自然の情景が浮かんで来たりしますが、この作品の場合余りにも音が邪悪なので蹂躙されて荒廃した大地みたいな、悲惨な情景ばかりが思い浮かびます。しかしこの叙情性は曲の中でいいアクセントになってると思う。

そしてFUNERAL MISTの一番のウリといえばArioch氏の表現力に長けたヴォーカルですが、こちらも歌い方やエフェクトのバリエーション自体は譲るものの、ダイレクトな邪悪さでは肉薄できるレベル。ギターノイズの下でもがき苦しむかのようながなり声で、まるで神の怒りに触れて全身を腫瘍で覆われた人間が、それでも神を呪う言葉を全霊を込めて吐きつけている感じ。恐ろしく不敬で、かつ本能的な恐怖を呼び起こすような表現力。

これは本当に素晴らしい作品。オリジナルを出していたレーベルは割と小さい所だったのに加え、今では閉鎖してしまったので、この作品を私の手の届くところに持ってきてくれたWTCには大感謝ですね。FUNERAL MISTやOFERMOD辺りの濃密な邪悪さを持ったブラックや、ペイガン志向のブラックが好きであれば是非。これはもっと知られて然るべき作品ですよ。


SILENCER ★★ (2005-08-12 09:28:00)

スウェーデン産、狂気のブラックメタルバンド。
噂通り、凄いヴォーカルです。カラオケで歌いたいかも(無理だけど・笑)


SILENCER ★★ (2005-08-21 07:33:00)

登録してしまいました(笑)
ちょっとマニアックかな…とも思いましたが、ブラック好きな人の中にはこういう
マニアックな音を求めてる人って多いだろうな、と思い、登録しました。
でも、SILENCERは多分廃盤にはなっていないと思いますよ。
私はDISC UNIONで買いましたが、暫くしてもう一度DISC UNIONに行ってみたら
また入荷していました。もしかしたら店の奥から在庫を出しただけなのかもしれませんが…。


SILENCER ★★ (2006-11-26 20:04:00)

さっきレビューサイトのEncyclopeadia Metallumを見たら、このバンドは
ヴォーカルが収容された(精神病院に?)ので解散したって書いてあったんですが…。
サンクスリストに精神病院っぽい名前も載ってるし、マジでやばい人だったんでしょうか。
最も、彼はインダストリアル/ドローンの新プロジェクトを立ち上げた
みたいだから、音楽には関わっているみたいですけど…。


SILENCER - Death - Pierce Me ★★★ (2005-08-11 22:50:00)

多分2000年発表の1stと思われる作品。

このバンド、「カウント以上の泣き叫び系」「曲の途中で咳き込む」等、各所でそのヴォーカルの凄さが話題になっていましたが、確かに凄いヴォーカルです。スタイルは高音絶叫系に属するんでしょうが、絶叫と言うには弱々しいような、悲鳴と言うか泣き叫びと言うか、そんな感じの声です。

絶叫の箇所によっては声を歪まそうとすらせず、ただ感情に任せて「ヒィアァァァァ」みたいに叫んでるし、その後に明らかにヨレたような声で「あぁあぁ…」と呻いてみせたり、とにかく被虐的な印象を受ける声です。時々使う中音域でのデス声も、無理矢理声を歪ませたかのような痛々しさがあって、絶望感を醸し出しています。

声がヤバイヴォーカリストというと、「Wolf's Lair Abyss」のMAYHEMや、1stのMUTIILATIONなんかが思い浮かびますが、彼らはまだ声をかっこよく聴かそうという努力が感じられるのに対し、この人はほんとに感情のみで叫んでる感じです。サンクスリストに精神病院らしき名前や「Psychiatric Emergencyのスタッフ」とかがのっているんですが、演技じゃなくてマジだったりして…見た目もDEATH NOTEの死神みたいで凄い事になってるし。

ただ、ヴォーカルに対して曲の方は音質、構成ともにまともです。
キーボードを要所で使っているのが良いアクセントになっているし、リフの鬱メロ哀メロのセンスもなかなかのものなので、ヴォーカルが気に入れば音楽そのものも気に入ると思います。全6曲でうち一曲はインストですが、一曲一曲が長いのでヴォリュームもあります(約49分)。

それにしても、聴いていて疲れるアルバムですね…(笑)


SILENCER - Death - Pierce Me - Death - Pierce Me ★★★ (2005-08-12 09:16:55)

アコギによる叙情的静寂を裏声絶叫で突き破ってバンドパートに移行する導入部分、まさにアルバムのオープニングにふさわしい構成ですね。ただ、この構成を知ってしまうと、いつ絶叫が来るかわくわくしてしまい、叙情に浸ってるどころじゃなくなってしまうかも。


SILENCER - Death - Pierce Me - Feeble Are You - Sons of Sion ★★ (2005-08-12 09:27:13)

ピアノによるインスト。
鬱メロディながらも、かなり綺麗な曲。こういう曲が入っているとは思わなかったから、なんか得した気分。


SILENCER - Death - Pierce Me - I Shall Lead, You Shall Follow ★★★ (2005-08-12 09:25:07)

ドラマティックな印象を残すブラックメタルという感じの曲ですが、4分くらいするとフェイドアウトし、静寂パートへ。ここのヴォーカルが凄いです…よく小さい子とかが泣くときに、「ヒック、ヒック」としゃくりあげたりしますが、それに近い声まで出してます…演技でもマジでも、ここまで出来ればある意味凄いと思う(笑)


SILENCER - Death - Pierce Me - Sterile Nails and Thunderbowels ★★★ (2005-08-12 09:20:20)

これがウワサの曲の途中で咳き込む曲(笑)
ヴォーカルパフォーマンスはアルバム中でもベストかも。しかも咳き込んだ後に絶叫を響かせるんですが、なんか咳き込む前よりも狂気が増しているような気さえします。


SILENCER - Death - Pierce Me - Taklamakan ★★★ (2005-08-21 07:33:28)

この曲の咳き込みはなんか喀血しているみたいですね。
個人的に好きな箇所は「Are they forlorn? Yes! They are forlorn」の部分。MAYHEMのManiacに比肩するほど邪悪に潰れたうめきと、車に轢かれた猫みたいな独特な裏声悲鳴を交互にやっててめっちゃかっこいいです。案外器用だったりして…。


SILENCER - Death - Pierce Me - The Slow Kill in the Cold ★★ (2005-08-21 07:33:08)

バンドパートをアトモスフェリックなキーで前後を挟んだ、12分弱の長尺曲。
キーのイントロが終わり、バンドパートが重々しく入ってくると暫くして疾走しますが、そのメロディはかなり鬱。もはや「哀愁」の域を越えちゃってます。普段は良いけど、落ち込んでいる時とかは本気で聴かない方がいい気がする。


SILENT LEGES INTER ARMA ★★ (2013-06-15 16:26:48)

ドイツ産ブラック。
バンド名はキケロの引用で、「戦時下に法は沈黙する」という意味だとか。


SILENT LEGES INTER ARMA - Silent Leges Inter Arma ★★★ (2013-06-15 16:27:32)

2012年発表の1st。

セールでかなり安価だった上、出してるレーベルも有名どころ(Eisenwald)なので、取り合えず押さえておこう…くらいの気持ちで購入しましたが、これは当たりですね。低音の効いたプロダクション、速いだけでなく重さも感じられるドラミング、ハーモニクスを交えたりヘヴィさも垣間見せるリフ、凄みの聴いた低音グロウル…など、デスメタル的な特色も備えた、なかなかハイクオリティなジャーマンブラック。

一言で言えばそんな感じなんですけど、デス的な重さ・暴虐性の強いバンドとしては珍しく、トレモロリフなどに込められたメロディにフレンチブラックに通じる、病んだ美しさが感じられるんですよね。しかもその聴かせ方も一本調子ではなく、有機的にうねるような展開でメロディを聴かせてくれる所がまた素晴らしい。低音が効き、ヘヴィな質感を生みつつも、モダンになりすぎず若干生々しい感触も残している音作りも個人的には好みですね。

分かりやすい、けど単調でない聴かせ所を持ったブラックで、正直これならフルプライス出して購入しても全く後悔はしなかったであろう出来。デス寄りで、かつ病みメロウな作風という組み合わせに惹かれる方は是非。


SILEXATER - SILEXATER ★★ (2011-07-16 00:31:48)

2009年発表のコンピレーションアルバム。
97年の「Bleeding Depths」、96年の「Mad Sorcer」の音源を収録。

ドイツのカルトバンドの発掘音源という事で、リリース時にはかなりCDショップでもプッシュされたりしていましたが、確かにこれ、「ブラックメタルらしいブラックメタル」なんですよね。基本オールドスクールな音と言えますが、やや様式が固まっている感のあるプリブラでもなく、スラッシュに近すぎるほどオールドスクールでもなく、ブラック以外の何物でもない音。

例えて言うなら、MAYHEMの「Deathcrush」と「De Mysteriis~」の間にある、ミッシングリンクのような作品といえるかもしれません。フレーズを根本から損なうほどではないにしろ、耐性のない人が聞いたら一瞬で興味を失いそうな粗くて薄いプロダクション、無理矢理ひねり出したようながなり声など、プリブラの様式に染まり切っていない作風ながら、衝動性の高さはプリミティブ勢にも負けない音作りになっていると思う。

個人的にはそこまで思い入れがある訳ではない(やっぱりMAYHEMやBURZUMと比べると曲が弱く感じてしまう)ですが、ブラックの音自体が好きな人ならチェックする価値はあるかもしれません。地下臭さでは初期DARKTHRONEにも匹敵する音源かと。


SILVER TORNADO - Gorgeous Soul ★★★ (2009-07-08 23:16:00)

2009年発表の2nd。イントロを含む6曲入り。

ショップでの「可憐な女性ヴォーカルをフィーチャーした国産シンフォメタル」との紹介に惹かれ、購入に至ってしまいました。…1曲目のイントロからキーを巧みに使った、少しチープながら壮大な音作り、主旋律だけでなく副旋律もしっかりクサいメロディ、ちょっとしたパーカッションによる雰囲気作りなど期待させまくり、ハードル上げまくり(笑)な感じなんですが、本編もその高い期待のハードルを軽々超えるような素晴らしいシンフォメタルを聴かせてくれてますね。

様式美的なストリングスやオルガンだけでなく、電子音やブラスなど多彩な音色によるキーボードが、ギター以上に活躍する煌びやかで派手な音なんですが、このバンドの作風はシンフォになるあまりポピュラリティを失ったりせず、あくまでポピュラー音楽であることを前提に、シンフォニックなメタルを演っているような取っ付きやすさがあると思います。

売りの女性ヴォーカルも、ソプラノの音域とポップスの歌い方を合わせた感じで、前者の格調高さと後者の親しみやすさを合わせ、「可憐さ」に昇華した感じでかなり良いです。2曲目のハイトーンなんかはかなり痺れる。そのヴォーカルが紡ぐメロディも、ポップス/アニソン的な大衆性よりもSOUND HORIZONやASRIELなどの同人系アーティストに通じる華やかさ、派手さがあって凄く好み。「Eternal Blue」期のETHERがメタル化し、キーの音色を増やした感じというと近いかも。

…クオリティは充分に高いんですが、個人的にはこのアルバムって良い意味で同人的、それも駆け出しのアーティストっぽさがあると思うんですよね。全編通じて好きなことを演ってる感じ、バランスを考えて出し惜しみせず、1曲1曲に全力投球している感じ、自分達の作る世界観に自分達自身がしっかり酔えている感じからそういう印象になるのかもしれません。
これだけの曲を作れるんだし、これから大きくなる可能性も十二分にあると思いますが、そういう感じは絶対に無くさないで欲しいですね。活動が長く続くにしたがって、それらが失われていくバンドが余りに多いので…いちリスナーが言うのはおこがましいんですが、ベテランバンドが聴いたとしても何か得るものがあるアルバムなんじゃないかと思います。

ぶっちゃけバンド名やアルバムタイトル、キャッチコピーのセンスはちょっといまいちだと思うし、ヴォーカルのミックスなど改善すべき点も多いんですが、かなりお勧めのアルバムです。Black-Listedの女性Voメタルリリース、国産シンフォゴス、クサメタル辺りが好きな方は是非。


SILVER TORNADO - Gorgeous Soul - Brown Fill ★★★ (2009-07-09 23:02:50)

イントロを聴いた時は様式美系の音で攻める曲かと思いましたが…聴き進めるうちにロマンティックな雰囲気を醸すパーカッションやスラップを利用したベース主導のインダストリアルっぽいパート、飛翔系の歌メロなど様々な表情を見せ、一筋縄では行かない展開に。…この型に嵌まりすぎず、突飛すぎず、かつ質もポピュラリティも高い作風は、路線は違えど初期陰陽座に通じるものがあると思います。


SILVER TORNADO - Gorgeous Soul - Le'roleshell ★★★ (2009-07-08 23:18:47)

「リーロレシェル」という響きからして、なにかわくわくするものがありますよね。カタカナで書くと5音節中4つがラ行で「リーレロシェル」とか言っちゃいそうになりますが(笑)。曲的には、ブラスを使った音作りが意外な感じですが、このリズムには案外マッチしていて、独特な雰囲気が出ていると思います。サビのソプラノ通り越してソプラニーノの音域に行きそうなハイトーンも素晴らしい。


SILVER TORNADO - Gorgeous Soul - Nostalina ★★★ (2009-07-09 23:11:50)

キャッチコピーの「あなたはこのメロディの竜巻に耐えられるか…」は正直微妙だと思うんですけど(笑)、このストリングスやオーケストラヒットの音色を使ったキーボード主導のパートは、本当に嵐の様に聴き手を引き込むパワーがありますね。そして美味しすぎるクサすぎるサビメロの魅力といったら…。
6曲入りのアルバムでしたが、ラストまで胸が躍るような高揚が持続するアルバムでした。この感じ、ずっと保っていて欲しいなぁ…。


SILVER TORNADO - Gorgeous Soul - Redlの唄 ★★ (2009-07-08 23:19:37)

バラード嫌いが作ったバラードだそうです(笑)。
こんな、昭和の人々が夢見る西欧ロマンの世界を思わせる、洒落たピアノのフレーズをメタリックな音に合わせてしまうとは…こういうのはどんどんやっちゃって欲しいです。


SILVER TORNADO - Gorgeous Soul - 紺流夢想 ★★★ (2009-07-09 23:07:45)

アルバム中最もメタリックで、かつプログレッシブな展開を持った曲だと思います。メロが立ってるから聴きやすいですが、何気にブラストまで飛び出すし、ガチなメタラーは一番気に入りそう。


SIMULACRO ★★ (2013-09-02 22:53:57)

2009年に結成された、新進気鋭のイタリア産ブラックメタルバンド。
日本人なら「シュミラクロ」って読みたくなるバンド名ですよね(笑)。


SIMULACRO - Fall of the Last Idol ★★ (2013-09-02 23:01:09)

2013年発表の1st。

ショップでの紹介にDEATHSPELL OMEGAが引き合いに出されていて、何となく良さそうだったので衝動的に購入したんですが、これは良質なブラックメタルですね。適度な生々しさも残しつつも、クリアかつ低音も効いた、どす黒さを感じさせるバンドサウンドと、獅子の咆哮のような勇ましさすら感じるドスの効いたガナリ、ゲロゲロと非人間的な唸り声グロウルを聴かせるヴォーカルが、凄みのある禍々しさを演出する、真正な雰囲気満点のブラック。

フレーズの端々にストレートに暗黒趣味なだけではない、不穏さを感じさせる楽曲作りが特徴で、それがバンドサウンドの黒さによって実体感をもって迫ってくる感じなんですよね。WATAINやDEAMON WORSHIP所属バンド勢を思わせる、メロ過ぎない邪悪さ重視のブラックに、「Kenose」期のDEATHSPELL OMEGAやDODECAHEDRON辺りの前衛暗黒ブラックの持つ深遠な不穏さを果汁10%くらいで混ぜた感じ、というと近いでしょうか。これらのバンドよりはブラックとして定型的で聴きやすさが保たれている印象。

決してシンフォになる事のない、あくまでオカルト性を醸し出すようなキーボードの導入も悪くないですし、上質ではありますが…まだ改善点もあるかな…という感じも。特にプロダクション、個人的にはバスドラムのビキビキ言う感じが喧しくて、雰囲気を損なってる気がしてしまうんですよね。あと、欲を言えば印象に残るような不穏フレーズの頻度が、もう少しあからさまに高くてもいいかな…と思ったり。私は渋いよりもあざとい方が好きですので(笑)。

現時点ではWATAINやDEATHSPELL OMEGAは一般教養として聴いているような、ブラックを聴く事が生活の一部になってる方にお勧め。それ以外の方は、取り合えず基本バンド押さえてからでも遅くないかも。


SIN ORIGIN - IN THE PRESENCE OF A DREAD MAGICIAN ★★ (2012-04-02 23:39:23)

2005年発表の1st。

アンビエント風のイントロ/アウトロを除けば、16分・16分・15分・14分というかなりの大作主義の作風が、RAW音質のブラックメタルで展開される…もうそれだけでかなり聴き手を選びそうな感じなんですが、一歩踏み込んでしまえば非常に味わい深いブラックメタル。本編ではアンビエントやプログレ要素を入れて曲を膨らますようなことはせず、リフやリズムにドゥーミーだったりスラッシーだったりする部分はありつつも、基本RAWブラックなのも何だか潔いです。

最初は曲の凝り方の割に音がしょぼいことで「うーん…」となりがちなんですが、聴いているうちに、リフとリズムの絡みが段々心地良くなってくるんですよね。聴いていて体が動いてしまいそうな、忙しない印象のアンサンブルも何気にかっこいいし、篭もったリフやバスドラが妙に響くドラムなど、音もアナログ感があって妙に気持ちよく感じる。多分整った音質で同じ事をやってもこうはかっこよく聴こえないのでは。ヴォーカルも決して上手さや狂気の部分で頭抜けてるとはとても言えないものの、3曲目の「うえっ!うえうえうえっ!」とか味があって好きです(笑)。

正直広くお勧めはしませんが、ハマる人はとことんハマってしまいそうな、異質な世界観を持ったブラックメタル。あからさまにジャンルをクロスオーバーする系の変態音楽より、一つのジャンルに没頭してるはずなのに何かがはみ出る系の変態が好きな方にお勧めです。


SINCERITY GREEN - Eternal Place ★★ (2008-04-23 22:34:00)

2007年発表の1stミニ。
公園に黒装束で佇むブックレットのメンバー写真がなんか面白い…(笑)
「黒ソプラノと邪悪な旋律」というキャッチコピーが目を引きますが、黒さ邪悪さ一辺倒ではなく、
邪悪さ・メロウさ・美しさが1:3:4くらいに混じりあったメロディで押す、アトモスフェリックで
意外にポップさも備えたゴシックメタル。ちょっとですがデスヴォイスも入ってたりします。
黒百合姉妹あたりをメタルにした感じというと近いでしょうか。因みに1曲目(イタリア語)以外は英詩。
ギターの音圧は控え目で、所々印象的なフレーズを入れつつも基本的に裏方で支えてる感じで、全体を
キーボードが包んでいる音像が大きな特徴になってますね。この音像、蜃気楼に包まれているような
感覚があって、ゴシックな雰囲気を更に高めていて良い感じ。私はこの手の雰囲気重視のメタルや
ロックでは、ギターの音が主張しすぎで雰囲気を壊しがちにも関わらず印象に残るフレーズが少ないと
いうのが最も興を殺ぐパターンだと思うんですが、このバンドはそういう位置からは遠い所にいると
思います。メンバーの殆どがゴシックメタルを愛好してる事もあり、センスが良いんでしょうね。
このアルバム、某所で買ったらデモと思しきCD-Rも付いて来たんですが、こっちもかなり楽しめる内容。
デモだからか音質は本編よりもぼやけた感じなんですが、その音質が抽象的なムードを醸し出してて
曲に良く合ってるんですよね。しかも1曲目は日本語詞で、メロディの美しさやキャッチーさがより
ダイレクトに楽しめるなかなかの曲。正直言って、本編よりも楽しめたかもしれません。
この日本語詞の曲が良かったので、個人的にはもっと積極的に日本語曲もやってもらいたいですね。


SINPULARCTOS - THE VOIDANCE OF MAN ★★★ (2012-06-23 23:59:57)

2005年発表の3rd。
2007年にSabbathidより曲順を変更、新曲を追加して1000枚限定で再発。
私が手に入れたのも再発盤です。

この作品は上のDelnoirさんのレビューを読んで買ってしまったんですが、これは凄まじいですね。買って大正解。鬱ブラック由来の陰鬱極まりないトレモロに、葬式ドゥームの質量感のある暗黒をプラスし、更にノイズ/パワーアンビエント要素を加える事でどす黒さをより増した中で、発狂寸前の絶叫が響き渡る危険極まりない漆黒のサウンド!!…とか言いたいところなんですけど、そんな風に簡単に纏めるのが失礼なくらいカルトなムード漂ってますね…。

確かに、鬱ブラックと葬式ドゥーム、パワーアンビエントを上手いこと絡ませて神経が焼かれそうなレベルのどす黒さを演出している…というのは間違いないんですが、この音は「闇」とか「黒」とかのもう一つ先のレベルって感じなんですよね。真っ黒に塗り潰された視界に、人間を惑わせて発狂に追い込むような、ヤバい光が明滅している感じというか…。ずっと聴いてるとサイケデリックな中毒性すら感じるほど。

そんな暗黒空間に響く、ブラック由来のトレモロリフは音色・メロディ共に精神汚染的な危険さが漂ってますね…ただ気分を落ち込ませるとかじゃなくて、脳波を妨害して人間の意識を衰弱に追い込むような、そんな波形が形成されているような…聴いているとそういう妄想すら浮かんできてしまう陰鬱さ。鬱ブラックをある程度聴き慣れてる人でもこれは脳焼かれると思う。

ただし、音そのものが相当カルトな上に、20分以上に及ぶパワーアンビエント曲もあったりするので、その辺りに耐性がないとちょっと厳しいかも。大分世間様の価値観に背きまくってる感じなので、サブカル志向でXASTHURに手を出したり、プログレ筋からNACTHTMYSTIUM聴いた人が、軽い気持ちでこっちにも手を出すと大火傷するかも。覚悟が決まった人、普段からポーズでないマジな陰惨さの音を求めてる人は是非。


SIRIUS - Aeons of Magick ★★★ (2008-07-05 21:48:00)

2000年発表の1st。

EMPERORのSamothのレーベルから発売され、プロデュースにも彼が関わり、レビューでもEMPERORやLIMBONIC ARTが引き合いに出されて褒められるなど、話題性でも事欠かない作品ですが、確かにこのアルバムはそれだけの事があるスケールを持ってると思います。

LIMBONIC ARTの初期作やNOKTURNAL MORTUMの1stがシンフォニック・ブラックの名盤として評価されているのって、甘美で荘厳なメロディによるある意味での聴きやすさと、キーボードがバンドサウンドを呑み込んだ音像のエクストリームさの按配が絶妙だったからだと思ってるんですが、このアルバムではその路線を正統に引き継いだシンフォニック・ブラックを演ってますね。

蛇口全開レベルの洪水キーボードや超リアルなプラネタリウムを見せるかのような宇宙的なメロディなどは、上記した中でもLIMBONIC ARTの2ndと最も近いと思います。シンフォニックブラックに興味がない人が聴いてでさえ認めざるを得ないであろう煌びやかさ・スケールの大きさなど、クオリティでも肉薄するものがあると思います。演奏時間といいアルバムの構成といい、こっちの方が少しコンパクトな印象がありますね。ただ、タイトルトラックで低音デスも使ってるんですが、折角こういう声出せるなら他の曲でも使った方がメリハリが付いたんじゃないかと、ちょっと残念に思う所も。

シンフォニック・ブラック、特にキーボードを軸にした作風の物が好きならば必聴。超えたとまで言えるかは分かりませんが、LIMBONIC ARTにも聴き劣りしない作品ですよ。


SITUS MAGUS ★★ (2013-09-08 23:31:33)

先日Avantgardeより1stを発表した、フランス産ブラックメタルバンド。
バンド名はラテン語で「魔術の場所」の意味でしょうか。


SITUS MAGUS - Le Grand Oeuvre ★★★ (2013-09-08 23:33:56)

2013年発表の1st。

現実世界とは位相がずれたような、不吉極まりなくかつ深遠さも感じさせるトレモロや、聴き手の神経を直接冒すような、気色の悪い音色のギターフレーズなどを、スラッジにも通じるどす黒い邪悪さが滾るようなノイジーなリフに乗せ、厳かにかつ知的に進行していく、宗教色の強いブラックメタル。DEATHSPELL OMEGAの「Kenose」以降、一義的な邪悪さだけでない、神秘性を感じるほどに深遠なムードを醸し出そうと試みるバンドが増えてきているように思いますが、この作品はその中でもかなり成功しているように思います。

特にリフを前面に押し出し、ドラムをやや控え気味にしたプロダクションや、トレモロの奇妙に震えるような音、聴いているだけで不幸になりそうなフレーズなど、「音使い」によって邪悪さを感じさせることにかなり拘っているような作風がかなり素晴らしい。ただ、ラストの「Oeuvre de Rouge」は最早音楽の形を留められなくなる寸前のような、破綻しかかったぶっ壊れたパートも含んでるので、人によってはトラウマものかも。私も最初聴いてて正直恐怖を感じましたもん…。

個人的にDEATHSPELL OMEGAって、プリミティブ色の強い「Si Monumentum~」以前や、ブルータル/カオティック/テクニカルな側面が強く出た「Fas~」以降よりも、その間の音源(V.A.収録の「Diabolus Absconditus」や「Mass Grave Aesthetics」など)に最も神秘性を感じたりするんですが、この作品の強烈な不吉さはその頃のDEATHSPELL OMEGAに肉薄するものがあるように思うんですよね。DSOのフォロワーと言えるバンドでも、ここまで濃いムードを出せてるバンドはなかなか見当たらないと思う。

正直言うと5曲目はやりすぎててキツいんですけど(笑)、それ以外のパートは瘴気すら漂うどす黒いムードが聴いていて凄く心地良いです。特に暗黒度が凡百のバンドとは段違いなトレモロが素敵過ぎる。最近出たブラックメタル作品の中でも、お勧めのアルバムです。


SIVYJ YAR (СИВЫЙ ЯР) - Из тьмы вымерших деревень (From the Dead Villages' Darkness) ★★★ (2015-11-08 11:44:46)

2014年発表の4th。

フォーク/ペイガンブラックは大きく分けるとお祭り系のクサメロを乱舞させるタイプと、メロディの土着性により湿った叙情性を演出するタイプがありますが、このバンドは明らかに後者ですね。ミッドテンポ中心で重々しい雰囲気、悲痛な絶叫ヴォーカルと鬱系の要素もある音ですが、この土着の音楽由来と思しき仄暗く湿ったメロディが、鬱要素強い楽曲に見事にフィットしているんですよね。

荒廃した雰囲気の演出の上手さは一流と言ってもいいと思います。曲の要所で挿入されるヴァイオリンがまた泣き泣きで良いんですよね。また、鬱的な暗さだけでなく、時折ポストブラックにも通じる儚さのパートも出てきますが…単に情景描写が巧みなだけでなく、コシの強いベースの音や、メロウさを殊更に強く演出するトレモロ、ロック系のリズムやブラストも取り入れたリズムなど、楽曲のメリハリと両立させているのが素晴らしいです。

巧みな情景描写に、ポストブラック的なカタルシスを感じさせる楽曲と、曲作りのレベルはかなり高いのではないでしょうか。陰鬱なだけではない、叙情的なブラックが好きであれば是非。


SJODOGG ★★ (2008-11-16 22:24:00)

多分出てないと思います。
読み方は…スジョドッグ…じゃないですよね…(笑)?


SJODOGG ★★ (2008-11-21 20:42:00)

私の知る限りでは、ですが…
1349, ALCEST, ALGHAZANTH, ANOREXIA NERVOSA, ARCTURUS, BEHEMOTH,
BELPHEGOR, BURZUM, CADAVER, CHTHONIC, CRADLE OF FILTH, DIMMU BORGIR,
DISSECTION, EWIGKEIT, FUNERIS NOCTURNUM, GRAVEWORM, IHSAHN, MAYHEM,
NACHTMYSTIUM, OLD MAN'S CHILD, PROFUNDI, RED HARVEST, SEPTIC FLESH,
SIGH, THE LEGION, WOLVES IN THE THRONE ROOM, XASTHUR, ZYKLON
…などですね。
多分めっちゃ抜けてると思いますが…。IMMORTALとか出てるのかな?
意外にもRED HARVESTやEWIGKEIT、CADAVER辺りも出てたりするんですよね。
DISK UNION盤も入れればDARKTHRONEやDEATHSPELL OMEGA辺りも入ると思います。


SJODOGG ★★ (2008-12-20 22:51:00)

まあ廃盤になってしまってますけどね…
トイズファクトリーから出てたみたいです。
日本盤といえば…解説付き直輸入盤といえ、VELVET CACCOONやTWILIGHT、
LURKER OF CHALICEなどが最近Daymareからリリースされたみたいです。
DISK UNIONのドゥームメタルのガイド冊子にレーベルオーナーのインタビューが
載ってましたが、「セールスはキープしつつもっと無茶苦茶な物をリリース
していきたい」と言ってたし、今後どんなリリースがあるか楽しみですね。


SJODOGG - Landscapes of Disease and Decadence ★★ (2008-11-15 00:03:00)

2008年発表の1st。

THE LEGIONなど多くのバンドに在籍した人物による、エクストリームメタルとして普通にかっこいいドラミングに、真っ黒い軌跡を引き摺るような平坦リフや、ドロドロした溶解感に満ちたトレモロなど、メタルとしてのアンサンブルを補完する事よりも疫病的な情景を重視したようなギターフレーズが乗る、少しアヴァンギャルドな匂いのするブラックメタル。このバンドはOsmose所属ですが、NED系のバンド辺りのファンが好みそうな作風ですね。

ヴォーカルも中音域のがなりですが、グロテスクさを強く感じさせる声質で音楽性にぴったりな声だと思います。メタルとして質の高いリズムに異形な感性のリフという作風はユニークですが、面白い所と微妙な所が両方ある感じですね。どす黒い液体が煮え滾るようなトレモロや、魔王の鼓動を思わせる刻み、気持ち悪すぎるヴォーカルのアカペラ(デス声)など、タイトル通りの「疫病と頽廃の情景」を感じられるパートはかなり良いんですが、わざとブラストの勢いを殺すようなリフ捌きを載せるパートなどは、描きたい物は分かるけど少しダレる感も。と言っても、興味深く聴けるパートの方が断然多いし、良いアルバムだと思いますが。

そんな事よりも一番のマイナスは、11曲入りなのに曲名が9個しか載ってない事。途中に挿入されるアコギインストがタイトル無しなのかと思ったら、サイトによっては最初と最後がイントロとアウトロに当たると書いてある所もあるし、でも1曲目どう聴いてもイントロって雰囲気じゃないし…。手間かかったのに結局分からなかった…これだけで20点はマイナスですね(笑)。いや、点数とか別に付けてないですけど、気分的に(笑)。


SJODOGG - Ode to Obscurantism ★★★ (2010-11-11 21:54:09)

2010年発表の2nd。

前作では、エクストリームメタルとしてしっかりした演奏と、鬱系ブラックにも通じる病的なリフを組み合わせ、独自の世界観を繰り広げていましたが…今作もその路線を踏襲しているようですね。ただし、よりミニマル感・閉塞感が強くなり、更に病巣の奥へ進んだ感じがあります。一応分かりやすいメロのリフもあったりしますが…病気要素が濃くなった結果、分かりやすく聞こえる…みたいな感じだし。

メロの病気っぽさから、フレンチブラックっぽさも感じられますが…フレンチ系のバンドは病気な中に「美学」的なものが感じられるのに対し、このバンドの描く世界観はどこまでいっても薄暗くて病気で…という感じ。血腥いというよりも、酸化してドス黒くなった血の饐えた匂いが充満しているような、薄気味悪いムードが漂ってます。

何気に、そのムードに合ったヴォーカルのパフォーマンスも素晴らしい。「Chimera」期のManiac(元MAYHEM)のダウナーさと、Legion(元MARDUK)のエグさを掛け合わせたような、病気じみたがなり声で、時々喘鳴のような音が声に混じってくるのが凄く怖い。このヴォーカルによって、瘴気の濃さが底上げされているのは確実でしょう。

鬱系が好きで、普通のエクストリームメタルも行ける方なら必聴。特にKATHAARIAなどEnd All Life系列、DSOなどNED系列好きな方にお勧め。


SKAGOS - Anarchic ★★ (2013-08-25 10:21:37)

2013年発表の2nd。
ジャケ裏に曲名が7つほど載ってますが、実際は2トラック66分という大作主義な構成。CD以外ではトラック分けが異なるそうですね。ちなみにジャケは紙+紙スリーブ…せめてスリーブはビニールにして欲しい…CDに傷が付いてしまう…。

このバンドも、WOLVES IN THE THRONEROOMやPANOPITICONと並んで、最近話題のカスカディアン・ブラック(カナダやアメリカの特定地域の自然主義アトモスフェリックブラックやその一派)として注目を浴びているようで、某ファンジンでもかなり大きく取り上られていましたが…前述したバンドよりも、より音響をフレーズより重視したような、メロブラから離れアンビエンスに重きを置いた作風で、更にコアな路線と言えるかもしれません。

ブラックメタル的なトレモロ及び音壁を作るようなリフが聴けるのは演奏時間の半分くらいで、後はスラッジーに引き摺るリフや浮遊感のあるキーボードを使った、アンビエント的感性で構築されるパート。何気にこうしたパートも、2曲目の幻覚を見そうなキーの音色といい、2曲目のアンビエンス重視の音とトライバルなリズムの組み合わせといい、聴き手をトランスさせるのに十分な霊性を備えているように思います。

そしてブラックメタルパートも脳が蕩けそうになるくらい魅力的。1曲目のキーボードとトレモロを交えた轟音リフが組み合わさる音は繊細なモザイク模様のような美しさ。2曲目の山場で聴ける甘やかなトレモロは、このジャンルを聴く醍醐味を味あわせてくれますね。ただ、1曲目ラストの情けなく裏返ったクリーンはもう少しマシに出来なかったのかと…志村けんのバカ殿様じゃないんだから。しかも長いしほんとイラッと来る。他のパートのクリーンはまろやかで良い感じなのに…。

正直、最初聴いた時はポストブラック方向に傾き過ぎてて、好みじゃないかも…と思ったりはしたんですが、蕩けたい気分の時に聴いたら凄まじい破壊力でした。…これで変なクリーンで現実に引き戻されなければなぁ…。それさえ無ければ、★3つ付けていたかもしれません。


SKALD (韓国) ★★ (2011-10-12 01:02:37)

韓国のブラックメタルバンド。
アジアのブラックってだけでなんか親しみが持てますよね(笑)。
韓流ブームからこのバンドにまで辿り着く人はいるんだろうか…


SKALD (韓国) - AMEN ★★ (2011-10-12 01:03:56)

2011年発表の2nd。

サンクスリストを見ると、日本や韓国のバンドに交じってBATHORY、BURZUM、DISSECTIONの名前があったりしますが、このバンドもそれらの初期ブラック、とりわけDISSECTIONに多大な影響を受けたであろう、メロディックなスタイルのブラック。一部「Where Dead Angels Lie」へのオマージュっぽい部分もあるのがなんか微笑ましいです(笑)。ただDISSECTIONと比べると、こちらはミディアムパート中心に曲を展開させたり、全体的にメロディにほんのりペイガン色があるのが大きな違いですね。

一聴した感じでは、あまりアジアっぽさを感じない音ですが、強いて言えばリズムの組み方に独特の呼吸というか、「間」みたいなものがあるのがアジア的…なのかもしれません。それを野暮ったいと感じてしまうか、アジアっぽい神秘性を感じ取れるかで、評価は大きく変わってくる気がします。私は最初はぶっちゃけ前者でしたが、何回か聴くうちに後者に意見が変わってきましたね。

ただ、妙に歪みの(「重い」ではなく)重たい感じのするギターの音色、屋根を叩くようなドラムの音色なんかは、初聴の印象で野暮ったく感じさせてしまいがちなので、もう少し改善の余地がありそう。アジアよりは、北欧のトラッドっぽさを感じる叙情メロや、典型的なブラックの喚きスタイルながら全力感ある殺気ヴォーカルなんかはかなり良い線行ってるかと思います。

アジアっぽさは薄いですが、メロディの良さなど基本は押さえた良盤だと思います。現時点では必聴とまでは言えませんが、悪くない作品かと。


SKALDIC CURSE ★★ (2011-11-04 00:03:34)

イギリス産プリミティブブラック。
意外にもFENやAKERCOCKEと人脈的な繋がりがあるバンド。


SKALDIC CURSE - Pathogen ★★★ (2011-11-04 00:05:36)

2006年発表の1st。

FENのメンバーが在籍するブラックという触れ込みでしたが…最近テクニカルなポストブラックとして、外部からも着実な評価を集めつつあるFENとはある意味真逆で、プリブラ好きがプリブラ好きのために作ったような、カルト極まりないプリミティブブラックですね。音質もジャリジャリしたギターが壮絶な雰囲気を醸し出してるし、ヴォーカルも苦しみもがきなら叫んでいるような、声帯の壊れる音が聞こえてきそうな本気具合でマジなムード全開。っていうかヴォーカル近いです(笑)。

また、普通のプリミティブブラックよりも、メロディが独特なのも特徴ですね。特に2曲目や4曲目の後半など、正体不明の細菌が体内で繁殖して絶命するような、毒々しく気持ち悪いメロディがかなり耳に残る。5曲目頭のリフもまるで歯医者で神経抜いてるかのようなウゾウゾ感。こうしたメロディの毒が、カルトな作風と相俟って得体の知れなさや神秘性に繋がっているように思います。

正直FENのようにブラック好き以外からの支持を受けることはなさそうな音なんですが、音が悪過ぎてなんだか分からないレベルの、フェティッシュな魅力ではなく、カルトなりに楽しめる質の高さがある音源ですので、プリミティブ系が行ける方は是非。


SKELETAL AUGURY (骸骨占卜) ★★ (2014-06-01 13:08:35)

2008年に結成された、中国産ブラック/スラッシュ。
Pest Productionsに所属。


SKELETAL AUGURY (骸骨占卜) - Victory of the Holocaust ★★ (2014-06-01 13:11:27)

2009年発表の1st。

Pest Productionsってポストブラックに強い印象があるんですけど、こんなバンドも抱えてるんですね。インスト明けの2曲目から、シンプルだけどやたらに主張の強いメロディを奏でるトレモロと、わざとらしいくらいに馬鹿速いドラムロールが絡む、洗脳必須な強烈な印象を残すブラックを展開。どこか作り物っぽい感じも、B級めいた魅力があって悪くないです。インパクトは大事ですね。

ただ、上記したような路線はむしろ例外的で、基本はスラッシュがベースにあるオールドスクールなブラックメタル。中国産のバンドですが、北欧のバンドのような土着性も感じられ、こちらも悪くないです。リフの無骨な歪め方の目立つプロダクションとか、ヴォーカルの喉痛めそうな叫び声とか、こちらも若干B級っぽさを感じますね。良い味出してると思います。

また、楽曲と楽曲の間をホラー系のSEで埋めているのも特徴の一つなんですが、何故か3曲目のSEにはゴジラの鳴き声が…(笑)。そんな所も含めて、なんか憎めないというか、愛嬌のあるバンドだと思います。


SKEPTICISM - Alloy ★★ (2009-01-23 21:17:00)

2008年発表の4th。
極度にスローなリズムに引き摺るリフの、葬式ドゥームそのものという感じの音ですが、
最大の特徴は全編にフィーチャーされたオルガン。オルガンが音像全体に占める割合は
ギターと同じくらいあるのでは…というくらい前に出されていて、それが個性になってると思います。
激重ドゥームとオルガンの音色が共に持っている特徴として、「人に畏怖の感情をもたらす」
というのがあると思うんですが、正にそこに絞ったような使い方をしてますね。
もちろん「音を神々しくする」「メロディアスにする」部分もあるんですが、やっぱり
「畏怖」の感情に訴えてくる所が一番大きいと思う。こういう音像からは、例えば
暗闇の中死に向かって階段を一歩一歩上るであるとか、生命誕生以前の海であるとか
様々なシーンが思い浮かぶんですが、どれも根源的な畏怖を感じるような情景。
…ここまで音像がイマジネーションを刺激する、個性的なものだと曲自体は似たようなものに
なってしまいそうですが…刻みリフとドラム、オルガンの圧力で殺しにかかるような
「March October」、分かりやすいメロのオルガンリフが聴ける「Antimony」、キーの
音色を変え、ギターと相まってリスナーの眼前に音の絶壁を作り出す「Pendulum」など
曲ごとの個性も十分にある辺り流石ベテランという感じ。言うまでもなく、デスヴォイスの
深みや引き摺るリフの重さなど、基本的なクオリティも非常に高いです。
ネットでも紙媒体でもその筋の人が挙って絶賛してたので期待してましたが、期待通りの作品。
MOURNFL CONGREGATIONも新譜を出したし、WORSHIPも来日したらしいし、最近何気に
このジャンルって活気があるような…音自体は活気とは無縁な暗さですが(笑)。


SKITLIV ★★ (2008-04-11 00:02:00)

ex-MAYHEMのManiac、SHININGのKvarforthらによるプロジェクト。
EP「AMPETAMIN」にはAttilaも参加してます。
…なんか内輪で病んだ人たちが集まってしまったような人選(笑)。


SKITLIV - Amfetamin (2008-04-10 23:59:00)

2008年発表のEP。
おそらくデビュー作なのに、スタジオ2曲、ライブ6曲という変わった構成の作品。

ex=MAYHEMのManiacの新しいプロジェクトという事ですが、意外にも音楽性はブラックではなく、ドローン/ノイズ/ドゥームでKHANATE辺りに近い感じでしょうか。1曲目の終わり際の捻じ切るようなギターの音、KHANATEでも似たようなのを聴いた覚えが…。KHANATEほど音響面に特化してなくて、曲も短い分聴きやすいといえるかも。

スタジオテイクの2曲は、1曲目はドラムレスで不安を煽るようなクリーントーンやAttilaの「異世界的」ヴォーカルが入ってたり、2曲目はグズグズに歪んだギターとヘヴィリフで押したりといった違いはありますが、基本的にはManiacの絶叫声とノイズを引き摺るようなギターで聞かせるという路線には変わりがないですね。Maniacのヴォーカルはスタイル的にはMAYHEMの2ndの絶叫パートと3rdのうめき気味の声を混ぜた感じ。やっぱりこの人の声、歪み方に独特の粘着性や獰猛さ、陰湿さみたいなものが感じられて大好きです。

ライブテイクは、スタジオの2曲も演奏してるしスタイルは基本的には一緒なんですが、5曲目や7曲目のような、最近のEARTHにも通じるようなブルージーな絶望感を演出する曲も演っていて、意外と一本調子のライブにはなってない感じ。Maniacのヴォーカルはライブでは何故か麻薬中毒者系のダウナーなディストーションヴォイスに。…正直言ってスタジオテイクの絶叫の方が好みですが、こっちも悪くはないです。

…でも、私はこれ1stフルだと思って買ったので、ちょっと物足りない(笑)。70分くらいノイジーな陵遅リフの中でManiacが憎しみを囁いてくれるようなものを期待していて、EPというのは買ってから知ったので…とはいえ、後悔は全然してませんが。

しかし、インナーの髪を金に染めて逆立ててるのがManiacでしょうか…声は今もかっこいいけど、正直見た目は昔の方が良かったかも…なんか太った気がするし…


SKITLIV - Skandinavisk Misantropi ★★★ (2009-10-27 19:21:00)

2009年発表の、個人的に待ち望んでいた1st。
Attila、Gaahl等シーンの有名人も関わってます。

音楽性は、概ねEPで見せた路線と同様の、Maniacの凶悪にネチっこいブラック声で嬲り尽くすようなスラッジ/ドゥーム。ただしEPのスタジオ盤2曲から想像する程には音響志向は強くなく、時にはブルーズがHRのルーツにある事を再認識できるようなパートもあったり、よりバンドサウンド志向が強まっているような感じ。
葬式ドゥームや鬱ブラックが、人生に絶望し、嘆き悲しみ引き篭もっている感じだとすると、こっちはヤク中が虚脱状態に陥ったり、破壊活動に従事しているような殺伐感・荒涼感の強い、乾いたサイケデリックさの強い音だと思います。

しかし、彼の関わる音源が出る度に褒めてる気がしますが、やはりManiacの声は素晴らしい。MAYHEMのGDOWでの喚きパートに近い、鋭さとネチっこさを兼ね備えた高音絶叫スタイルですが多少地声っぽさが混じる事で、更に粘着質になった印象があります。葬式系のズルズル引きずるような音が好きで、もっと情緒の排された、殺伐とした世界観を楽しみたい人には大推薦。Maniac氏のファンも当然「買い」です。


SKOGEN - Svitjod ★★ (2012-06-30 20:32:22)

2011年発表の2nd。

ミディアムテンポを中心に、土着性や寒々しさを感じさせる、ペイガン要素の強い叙情トレモロで聴かせる、メロウで悠遠な雰囲気の漂うブラックメタル。ヴォーカルの絶叫が少し遠めで、ギターがややRAWなミックスも、情景的であることに拍車を掛けてますね。時折ヴァイキング的なクリーン歌唱、DISSECTIONにも通じるアコギなども取り入れており、かなりメロディアスな音。キーボードも使うタイプですが、お祭り系の音色を派手に鳴らす事はなく、あくまでアンビエンス重視な使われ方で、ペイガン系としてはかなり落ち着いた感じの作風。

この作品のキモはやはりリフによる情景描写でしょう。時々ヒロイックにすら感じるほど悲壮感やメロウさの強い、強力なフレーズをトレモロで紡ぐパートもあれば、暗雲が立ち込めるように刻み、厚みを出して暗黒性を演出するパートもあり、まるで自然の優しく雄大でありながら、突如として悪意を持って牙を剥くような、人の力の及ばない一面を表現しているかのよう。インパクトの強いフレーズとフレーズの繋ぎの部分が少し弱い感じも覚えなくはないんですが、このジャンルとしては十二分にドラマティックな音と言えるかと。

HELRUNARやNATAN辺りの、メロブラ要素の強いペイガンブラックが好きな方にはかなりお勧め。これらのバンドよりもより落ち着いた、風景を感じられるような音を出してると思います。


SKYWINGS - The Advent Melody ★★★ (2009-12-26 10:26:00)

2009年発表の1st。
…アルバムの値段が約3000円(メジャー価格…)と、青田買いするにはちょっと高めで、購入を迷っていたんですが…これは買って良かった。確実にお値段以上の作品ですぜ。

路線は、X JAPANをもう少しメロスピのテンプレートに近づけたような作風ですが、キャッチコピーの「究極の美旋律、降臨」が全くハッタリに聴こえないほど、メロディがクサいのが特徴。歌メロも歌謡曲レベルの上、ギターメロもツボを突いてるしで、アルバムタイトルも「到来を告げる旋律」くらいの意味なんでしょうけど「超絶クサメロ様のおでましだぜ!」とか意訳したくなるほどクサい(笑)。

個人的に気に入ったのは、ヴォーカルのTOSHIさんソックリ、それも「Vanishing Vision」の頃の棘々しさのある、シャウト気味のハイトーンだった頃の彼のスタイルに似ている歌唱。なんかもうペース配分とか全く考えていないような、敢えて自ら茨の道を行くような凄絶っぷりがたまらないですね~。かなり喉を酷使してそうですが、ライブとか大丈夫なんでしょうか…と余計な心配までしてしまいます(笑)。

関西のクサメタルバンドということで、CDショップのディスクガイドではX JAPANの他にMINSTRELIXも引き合いに出されていましたが、MINSTRELIXの1stと比較すると、音像はともかくとして、メロディのクサさ単発では確実に勝っていると思う。もしクサメタラーで購入を迷っている方がいるなら、「買った方が良い」と断言しておきます(笑)。何度も衝撃を受けることになるかも。こういう出逢いがあるから、週に10枚以上CD買う生活から抜け出せないんですよね…。


SKYWINGS - The Advent Melody - Alie D'ange (2009-12-26 10:31:45)

一旦攻撃の手を休めてのピアノバラード。
…ファルセットを用いて、エモーショナルに歌い上げると今度はhydeさんっぽい(笑)。やっぱりこの人の声、いいなぁ。


SKYWINGS - The Advent Melody - Brightness~Sky Anthem Pt.3~ (2009-12-26 10:29:14)

少しアニメソングっぽいメロディの聴ける2曲目。
以前国産メロスピのUNLUCKY MORPHEUSが栗林みなみさん縛りのカヴァーアルバムをリリースしてましたが、あの作品を男性ヴォーカルで演ったらこんな感じになるのかも。個人的には、メロディが明るすぎて今一つかなぁ…。


SKYWINGS - The Advent Melody - Death Element ★★★ (2009-12-26 10:32:43)

タイトルや歌詞から想起される通りのダークな曲。
ゴシック的なキーボードを纏ってスラッシュビートでかっ飛ばすところなんて、まるでMOI DIX MOISのようです。それでいて歌メロ・歌唱はX JAPAN…V系から、メタラーの好む要素のみを抽出したメタルと言えそう。ただ、歌詞がちょっと虚仮脅しっぽいのが残念。こういう詞を書くなら、もっと、「こいつらマジで地下で動物とか殺して儀式やってるんじゃ?」とか思わせるリアルな血腥さが欲しい所。


SKYWINGS - The Advent Melody - Eyes of Sapphire ★★ (2009-12-26 10:30:51)

歌メロの流れやリズムのキレのよさに、Janne Da Arcに通じるものを感じる曲。高音はやはりTOSHI系ですが、低音にはまた違った魅力がありますね。こういう低音もなんか色気があって好きです。


SKYWINGS - The Advent Melody - High Dreamer ★★★ (2009-12-26 10:33:58)

イントロやソロ、アウトロでのギターメロのクサクサっぷりが、常軌を逸しているとしか思えない曲(笑)。私はパチンコとか全然興味ないですけど、大当たり出した人の脳内ではこんな音楽が流れてるんじゃないでしょうか。凄まじいフィーバーっぷりで、何度聴いてもあまりのことに笑いが込み上げてきます。めっちゃ弾いてて楽しそうですもん。


SKYWINGS - The Advent Melody - In Bloom ★★★ (2009-12-26 10:30:03)

1曲目の素晴らしい完成度も捨てがたいですが、アルバムから一曲選ぶとしたらこれ。「MISSION」「Made in HEAVEN」の頃のTOSHIさんのソロを思わせる繊細さとワイルドさが同居した歌メロを、ガチのメタルサウンドに乗せた感じ。イントロとか「どこのゲーム音楽ですか?」っていうくらい分かりやすくてクサいかっこよさがある。「♪心は涙で染まった 血に愛を叫んでた」との歌詞をそのまま体現するような、血涙凄絶ヴォーカルも素晴らしい。


SKYWINGS - The Advent Melody - The Advent Melody ★★★ (2009-12-26 10:28:22)

まずこの1曲目で衝撃を受けるでしょう。
メロディの美しさ、展開の構築美などがX JAPANを思わせる楽曲。リフやリズムなどは真似できても、こういう要素は本当にセンスがないと真似できないと思う。しかもそれで超名曲レベルを作り上げるのが凄い。「♪~keep on lasting」「♪~keep on loving」の歌いまわしがLeo Figaro氏っぽいのが地味にツボ(笑)。ただ、ラストのSEがダレることが、唯一の欠点でしょうか。


SKÁPHE - Skáphe² ★★★ (2016-06-29 09:19:20)

2016年発表の2nd。

もう赤と黒メインのヴィジュアルのジャケからして饐えた血腥い臭いが漂ってきそうで、思わずレジに持って行きたくなりますが…中身もこのジャケの雰囲気まんまですね(笑)。下手に音圧を稼ぐわけではなく、纏わり付くような瘴気を発生させるようなノイジーなリフ、そこにぶよぶよした質感をプラスし、更に生臭さを際立てるベースなどが絡み、極めて不快指数(愛好者的には快楽指数)高い空間を演出する、カオティックでRawなブラックメタル。

この音源、とにかく混沌とした空間の表現が上手いんですよね。ただでさえ音像が赤黒く不気味なのに、そこに溶け込みながらも妙な生々しさを感じさせるヴォーカル、メロウさよりも不協的な不気味さを感じさせるギターのフレーズなど、楽曲を彩る全てがどす黒さを助長している印象。DEATHSPELL OMEGAがテクニカルさや神秘性ではなく、ひたすら不気味さを追及した感じとか、「VVorldVVithoutEnd」期のKARTHARSISをカオスに特化した感じとか、その辺りの一級品のバンドを引き合いに出して例示したくなるくらい、表現の巧みさが光ってます。

ジャケからして何かヤバそうなムード満点ですが、それに惹かれて買っても損はしないであろう逸品。カオティックで邪悪な音に身を浸したい方は是非。


SLAGMAUR - Skrekk Lich Kunstler ★★★ (2010-01-11 23:27:00)

2007年発表の2nd。09年にOSMOSEより1stと共に再発されました。
…OSMOSEは本当に良いバンドを獲得したんじゃないでしょうか。

ジャンル的には「アヴァンギャルドブラック」として認識されているようですが、私的にはシアトリカル(劇場的)な要素の強い鬱ブラック、という印象。ピアノ、ストリングス等によるクラシック的(もしくはホラー映画のサントラ的)なフレーズや、サンプリングなどをSE的に挿入し、楽曲のムードを更に高めていくスタイル。イントロの、子供の泣き声に楽しそうなメロディが被さるフレーズからして、思いっきり道徳にケンカ売ってる感じで素敵です(笑)。

しかし、ブラック根幹の部分はSEパートにもまして病んでいて、かつ前衛的。
どす黒い霧に包まれるような音響のギターリフと、聴いているだけで不幸になりそうな、這いずるキーボードが作り出す暗闇に、ヴォーカルが怨嗟と絶望の念を叫ぶ…という感じですが、このヴォーカルも恨みがましさが(SHININGの)Kvarforth並で素晴らしい。挿入されるノイズやメロディの方向性も、全てが病んだ方向に向かってます。

アングラ劇場的な、フリーキーな不気味さと、死を思わせるシリアスな恐怖感が同居した作品。鬱で邪悪な音なんですが、どこか深遠さとか芸術性とかも感じられるんですよね。BLUT AUS NORDの「MoRT」辺りの、前衛的でパラノイアックな音が好きな人は間違いなく気に入るかと。テンポの遅さとリフの音響的雰囲気から、ドゥームやドローンが好きな方にもお勧めです。