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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5501-5600

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5501-5600
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SLAKTARE - Love is Always Painful ★★ (2014-09-29 14:34:16)

2010年発表の4曲入りEP。
日本のHidden Marly、韓国のMisanthropic Artの共同リリース。
バンド自体はドイツ産で、何気にインターナショナルなリリースですね。

中心人物のMardroem氏はかつてNARGAROTHのライブメンバーを務めた経験もあるようですが、作風も大分影響を受けている感じがします。基本ミディアムテンポを保ちながら、トレモロリフやリードギターによりエモーショナルで儚げなメロディを紡ぎ上げていく、美しくも鬱なブラック。NARGAROTHの「Regens~」「Rasulka」辺りに通じる雰囲気がありますが、こちらの方が楽曲がコンパクトで分かりやすく、より身近な感情の感じられる音。

この作品、メロディといいヴォーカルといい、やるせない感情のダダ漏れっぷりが良いですよね。メロディの儚さは前面に出たトレモロの音色によって殊更に強調されているし、ヴォーカルもやり場のない怒りをぶつけるかのように、ストレートに「Fuck!」「Fuck you!」と叫ぶ場面がかなり印象深い。また、鬱/ポストブラックに属するような音ながら、ラストの曲はBURZUMの最初期のアルバムに入っていてもおかしくないような、刺々しく鬱屈したオールドスクールさがあってこれもまた違った魅力があると思う。

流石にドイツのバンドをアジアの2レーベルが共同でリリースという、面白いことになっているだけのことはあって、鬱で儚げな世界観を伝える力はジャンルでもかなり秀でているのでは。あと裏ジャケのMardroem氏がかなりイケメンなので必見(笑)。


SLAVIA - Strength and Vision ★★★ (2012-06-11 22:04:25)

2007年発表の1st。

まず最初の一音で吹きました(笑)。高らかに鳴り響く、ドヴォルザークの「新世界より」のメロディ。しかも結構尺長め。とてもこれからノイジーなブラックが始まるとは思えません(笑)。そして士気が上がったところで始まるのが、ILDJARNやSORTSINDクラスのノイジーさで武装した、オールドスクールでRAW極まりない、超好戦的なブラックメタル。

ドライブ感のあるリフはスラッシュの疾走感よりはハードコアの炸裂感、高揚感が強く、聴いていると訳もなく暴れたくなるような音で、単純にかっこいいです。ただ一部では北欧らしいメロウなトレモロも聴けたり、磨耗リフと豪速ブラストで聴き手を圧倒したり、しっかりブラックメタルらしいヴァイブも残しているのが嬉しい所。ヴォーカルの恨みの篭もったようながなりもかっこいい。

また、前述の「新世界」など、SE的なパートを多く導入しているのも特徴で、ありがちな戦争SEからおっさん共の朗々と歌う軍歌、民族音楽など、かなりバラエティに富んでいる感じ。ただ、ちょっとSEに時間を割き過ぎているというか、正直クドさを感じる部分もなきにしもあらず。まあそこまでマイナスではないですけど。

ちなみに一部歌詞が面白かったので、素人訳ですが紹介。「新生児の心臓揚げに比肩するステーキはない。殺したての処女の血に比肩するワインはない。この世界では不十分だ。俺は異星人の血を啜る夢を見る」…なんかこういうノリ、凄く好きなんですけど(笑)。


SLAVLAND - Tarcza Swaroga ★★★ (2011-10-04 22:29:11)

2006年発表の5th。

これは素晴らしいペイガンブラック!
民族メロディや戦争のSEを用いたオープニングからして、NOKTURNAL MORTUMを連想させますね。RAWなブラックメタルサウンドの上に笛や民族楽器による、余りにもクサすぎるお祭りメロが乗る音は、NMの「NeChrist」アルバムに近い世界観があると思う。パーカッションの導入も本格的。

バンド部分がアングラなスラッシュ要素の強かった「NeChrist」に比べると、こっちはプリミティブブラックの要素が強い感じですね。親しみやすいペイガン色全開のパートも非常に魅力的ですが、民族色の入ったトレモロリフが更に暗黒性に深みを増すようなパートも、それに負けないくらい素晴らしい。ヴォーカルの絶叫の必死な感じ、朴訥としたノーマルボイスにも惹き付けられます。

ただ、NMの「NeChirst」がある程度メロディ感を犠牲にしたプロダクションで、独特のアナログ感やテンションの高さを出していたのに比べると、こっちは「メロディを殺さないRAWさ」な音質なんですよね。「みょい~ん」みたいなエフェクトを持続音的に使ってみせたり、ドローンで呪術っぽさを醸しだしたり、前衛的な部分も多少ありますが、総じてメロディが前に出された、聴きやすいペイガンだと思う。

ある意味でエポックメイキングであり、それが熱狂的な支持を生んだNMの「NeChrist」と比較すると、こちらは犠牲にしているものが少ない分、ペイガンブラックの歴史を語るには外せないアルバム、とまでは言えないと思う。と言っても、メロディのセンス自体はNOKTURNAL MOTRUMに比肩すると思うし、NMよりもメロディックなので、クサメタラーはこっちの方が好みかもしれません。


SLAYER - Reign in Blood ★★ (2004-07-24 12:15:00)

これって確か'86年発売でしたよね…約20年前、その時からこんな音楽があったなんて…
今でこそ速いアーティストはDARK FUNERALやMARDUKなど結構いますが、当時の人たちにとっては物凄い衝撃だったんだろうなぁ…私はその頃まだ物心すらついてない年齢でした(笑)
現に激しい音楽をやっている人たちは、こぞってこのアルバムをお気に入りに挙げてますね。
このアルバム、リフのかっこよさ、テンポの速さも良く取り沙汰されますがヴォーカルの早口具合も凄い!!明らかに言葉の詰め方が過剰な所が…(笑)というかこのヴォーカル、アグレッシブな曲調に合わせてがなり気味に歌ってますが普通に歌わせても上手そうです。
曲中ところどころ入るギターソロもメロディがかっこいいですね。


SLAYER - Reign in Blood - Angel of Death ★★★ (2004-07-24 12:16:44)

ギターソロがかっこいいです。この曲、カラオケに入ってるのが凄い…個人的な好みを言わせて貰えばデスヴォイスで歌って欲しかったかも。


SLIDHR - Deluge ★★★ (2014-05-20 23:45:06)

2013年発表の1st。

End All LifeからリリースされているREBIRTH OF NEFASTとのスプリットが、ショップやレビューサイトなどでも割と大きく取り上げられていた事もあって、バンドの知名度はそれなりなのではないでしょうか。単体での初のフルアルバムとなる今作は、これまたブラックの有名レーベルDebemur Morti Productionsからのリリース。

流石に名門レーベルからのリリースを続けているだけあって、プリミティブ系のバンドに近い邪悪な感性を持ちながらも、テンプレ的な作風よりも一段上の表現力のある音を出してると思います。この手のバンドってトレモロのメロディを魅力的に聴かせる事が出来る者は少なくないですが、このバンドはそれ以外のパートも同等か、それ以上に魅力的に聴かせられる音作りのセンスがあるのが、まずは特筆したいところですね。

プロダクションはプリブラにありがちな高音域を殊更に強調したノイジーさではなく、Rawさをしっかり残しつつ低音も効かせたものですが、これがブラックの塗り潰すようなリフのフレーズとの相性が素晴らしく良い。ドス黒い何かが大挙して押し寄せてくるような、不安を掻き立てる抑鬱的な音。ヴォーカルが音の奥から聴こえる様なミックスなのも、音の「黒さ」の奥行きを感じさせ、プラスになってるように思います。ドスの効いた中で、感情を込めて聴かせる、メリハリのあるヴォーカルのパフォーマンスそれ自体もなかなかに素晴らしい。

極端にRawだったり、ミニマルだったりという作風でカルト性を演出するバンドは多くいますが、このバンドは展開もしっかりしているし、プロダクションのクオリティもこの手としては良い方ですが、そういった手法を採用するバンド以上にカルトな雰囲気が漂ってます。邪悪な音を求めている方は是非。


SLIPKNOT - Iowa ★★ (2004-05-14 23:18:00)

もうすぐ新アルバムをリリースする、SLIPKNOTの2nd。
このアルバムオリコンで4位取ったんですか…世の中分からなくなりそうです(笑)
このアルバム、とにかく前半でリスナーの心を掴むのが上手いと感じました。
まず②のイントロのブラスト、これだけで普段激しい音楽に接してない人、これから激しい音楽に触れようとする人は魅せられてしまうでしょう。更に一緒に叫べそうな爽快なサビもとっつきが良くていいですね。そして③の畳み掛けるようなサビや④のキャッチーな歌メロなど、順を追って聴いていくうちにアルバムの世界観に取り込んでしまう工夫が成されていると思いました(でも、いくらキャッチーとはいっても激しいのダメな人は②のイントロからもう受け付けないかも…)。
何気に⑩のI AM HATEDがラップとデス声の交錯具合がかっこよくてお気に入りです。
それから、日本盤ボーナスの「LIBERATE」のライブ版が凄くかっこいいので、日本盤をお勧めします。


SLIPKNOT - Iowa - Disasterpiece ★★★ (2004-05-12 18:23:26)

この曲、サビはデス声で叫んでるだけなのになんてキャッチーなんだろう…
そのキャッチーさと音像のヘヴィさが融合した、取っ付き易さと暴虐性を両方とも備えた紛う事無き超名曲だと思います。


SLIPKNOT - Iowa - Everything Ends ★★ (2003-11-11 21:49:50)

物凄い勢いで他人を罵倒するような歌詞のサビと、なんとなく純情な感じの歌詞が交錯する一曲。
特に「Everything I see reminds me of her(見るもの全てが彼女を思い出させる)」「Fix my blade with the blade(刃で俺の問題を解決してくれ)」…って、まさか失恋してリスカしちゃう曲!?アナタは純情な女子デすカ。ダークな恋愛系はツボなので、ますますコリィが好きになりましたよ(笑)。


SLIPKNOT - Iowa - I Am Hated ★★★ (2003-11-11 21:39:48)

「SPIT IT OUT」で見せた、ミクスチャー路線を更に押し進めたような曲。
シャウトスタイル、ラップスタイルの交錯するボーカルは必聴です。3分無い曲ですがお腹いっぱいになります。あと何気にカラオケにあったけれどこれ歌いこなせる人っているのかな(笑)いたらホント尊敬ものですな。


SLIPKNOT - Iowa - Left Behind ★★★ (2003-11-10 21:57:33)

何て表現して良いか分からない不思議なギターリフから始まる一曲。
全体を通してボーカルがころころと表情を変えるので面白いです。特にサビ部分では掛け合いみたいになっていて、最初はクリアボイスで歌ってたところもラストではデスボイスになってしまうのが良いですね。
意外とカラオケに入っているのでコリィの変幻自在ボイスに憧れてしまった人は是非!!


SLIPKNOT - Iowa - People = Shit ★★★ (2003-11-10 21:51:05)

いきなりなブラストに「あぁ、このCDを買ってやっぱり正しかったんだ」と一人で勝手に納得してしまう一曲です(笑)。サビ部分は一緒に叫んでしまえそうなほどキャッチー(これをキャッチーと言っていいのかな・笑)なのも素晴らしいです。音質がいいのでブラストの暴虐性が際立っているのもいいです。コリィのデス声はブラックメタル連中に負けないほど声量、迫力、リズム感ともに申し分ないですね。


SLIPKNOT - Iowa - The Heretic Anthem ★★★ (2003-11-11 22:02:07)

へヴィでありながら、「If you're 555,I'm 666」というコーラスが覚えやすい一曲。
へヴィネスとキャッチーさの融合が絶妙なSLIPKNOTですが、これはその最たるものですね。「555」とか「666」はどこから持ってきたのか分からないけど(「666」は聖書かな?)、とにかく俺はお前より上だぜ、って事でしょうか(笑)


SLIPKNOT - My Plague(new Abuse Mix) ★★ (2004-05-14 23:19:00)

確かに表題曲はIOWA版のが良いような気がしますが、ライブテイクが凄く良いです。
特に②で観客の声がやたらと強調される所が燃えます(笑)
Voも今までのライブ版よりかなり迫力があるし、好きなら買って損は無いと思います。


SLIPKNOT - Slipknot - DESPISE ★★★ (2003-11-10 21:29:42)

「INTERLOPER」でも思ったけど日本盤はホント豪華ですね。ボーナストラックも素晴らしいです。
この曲のサビ部分をデス声とメロディという相反する2つの歌い方を同時にこなしてしまうコリィの歌唱力にひれ伏して下さい。
でもその部分の歌詞、「♪ハンサム・マイフェイス~」とか聴こえるんですけど、もしかして自分でハンサムって言ってる(笑)?いやハンサムだけどさ(笑)


SLIPKNOT - Slipknot - Eyeless ★★★ (2003-11-10 21:43:47)

イントロのテクノにありそうな(?)リズムからどうゆう曲が始まるのかと思ったら、こちらの期待を裏切らないへヴィな曲でした!!笑い声と喘ぎ声を足したような声とデス声を交えながら歌う所が格好良いです。
でもマーロン・ブランドーてなんなんでしょ。ギャングの親分とか聞いた事あるけどカリフォルニアではその監視からは逃れられない、ってことかなぁ。父親の事にも触れてるからパーソナルな詞かもしれないし…う~ん。


SLIPKNOT - Slipknot - INTERLOPER ★★★ (2003-11-10 21:21:11)

デモ・バージョンらしいのに恐ろしい完成度を誇る一曲です。
「DILUTED」にも同じようなフレーズが使われていますが(Gimme any reason to need you boy)こっちの方が個人的には格好良いと思いました。ただ、中間の子供の声でカメラがどうとか言ってる部分はナゾですが(笑)


SLIPKNOT - Slipknot - Spit It Out ★★★ (2003-11-10 21:37:11)

コリィが超一流のラッパーとしてもやっていけるであろう才能を示した曲。
サビ部分の観客参加型のコーラスも絶妙で格好良いです。偏見入ってるかもだけどバスケのユニフォームみたいの着てチャラいアクセジャラジャラつけてダリぃラップもどきの曲を垂れ流してる奴らには是非聞かせてやりたい一曲です。
しかし3分足らずの中にこれだけの歌詞が詰まってるのもスゴ…。


SLIPKNOT - Slipknot - Wait and Bleed ★★★ (2003-11-11 21:55:41)

「SLIPKNOTにしては」ポップな一曲。
全体的にメロディが綺麗にまとまっててカッコイイです。サビのクリアボイスのつややかな事も然ることながらAメロ部分のシャウトとメロディの入り混じったような歌が絶品です。でもポップなのは歌だけって気がしなくも無い。


SMARGROTH - The Arrival of Nectrotronian ★★★ (2012-08-10 18:58:10)

2009年発表の1st。

なんか良いバンドいないか探してるときに店で「掘り出しもの」としてプッシュされてて、何となく買ってしまったんですが、これは確かに良い作品ですね。ファスト派もメロディック派も美味しく戴ける、なかなかにハイクオリティなブラックメタルを演ってます。ファストな展開をかなり重視した作風が特徴で、特に4曲目は如何にもドゥーミーな曲が始まりそうなイントロなのに、10秒も経たずに疾走する割り切りっぷりがなんだか微笑ましいです(笑)。

そこに絡むメロディも特徴的で、北欧産と比べると寒々しさは抑え目で、もっと儀式的な印象。耳に残る、ある意味でキャッチーなメロディやリフはかなり多めなんですが、このバンドのメロディは湿り気や陰湿さが薄めで、少しドライな感触がある気がします。それがファストブラックとしてはヘヴィさには余り拘っていないような、低音や歪みの効きすぎない、聴きやすいプロダクションとの相性が良くてかなり聴き心地が良い音に仕上がってますね。

プロダクションといいメロディアスさといい、疾走重視型のブラックでも聴きやすい作品だと思う。スロヴェニア産のブラックという、プロフィールの物珍しさや、カプコンVSマーブルのシュマゴラスを思わせる親しみ深いバンド名で手を出しても、この手に興味があれば裏切られる事はない、しっかりしたクオリティのあるアルバムです。


SNAI~GALA - Kristallen ★★ (2014-06-22 13:13:33)

2008年発表の2曲入りデモ。
トールケース仕様は81枚、通常仕様は227枚限定。

このトールケース仕様が安価で売られていたのと、銀色のラメの入ったケースがお洒落だったので購入してしまったんですが、この1曲目が雰囲気物のブラックとしてはかなり優秀。どこかぶよついたような低音と、人生に疲れたようなスローテンポのリズムの上を、神秘性と鬱感情の入り混じったトレモロを執拗に繰り返していくスタイル。約15分の長尺曲ですが、トレモロのメロディが良いので思わず時間の感覚を忘れてしまいそう。バンドサウンド主体ながら、アンビエント・アトモスフェリック志向が強く滲み出た、マニア向けながら良曲。2曲目はNEPTUNE TOWERSやVINTERRIKET辺りに近い雰囲気の、効果音を交えたブラック・アンビエント作品。メロディより音響重視な感じですが、正直こっちはこの手としてはごく普通な印象。

限定枚数は厳しめですが、プレミア価格で購入する価値があるかというとちょっと微妙かも。1曲目は割と良い感じなので、通常のEPの価格であれば、マニアならば買って損はない…かも。


SNAKESKIN ANGELS ★★ (2013-09-10 21:37:11)

STYGGELSEやLIKBLEKのメンバーが関わるヘヴィメタルバンド。
人脈的にはブラックですが、音楽性はブラックからかけ離れてます。


SNAKESKIN ANGELS - Witchchapel (2013-09-10 21:37:59)

2012年発表の5曲入りEP。

発売元が多数の真正ブラックを輩出した、あの悪名高きレーベルDaemon Worshipだったのと、中古で安価だったので購入して、帰ってから関連バンドを見るとSTYGGELSE、LIKBLEK、DOMGARDなど錚々たる名が挙がっており、これは…と期待してCDをかけてみると…。

……これ、ブラックじゃないんですね……。サザンテイストの入った、陽気なヘヴィメタルで邪悪さの欠片もない音で驚きました。…なんか、ヴォーカルの軽いノリといい、グルーヴィな演奏といい、演ってる本人達はすっごく楽しそう。ロックを鳴らす喜びを発散している感じで、ブラックメタルのような陰湿さは全くありません。オカルトっぽくもないです。正直、私のメタルで苦手な部分を凝縮した感じなんですよね…(苦笑)。

そういう訳で、日ごろ黒い音を出している人たちの別な側面を垣間見れたという意味では、かなり興味深い作品でしたけど…ぶっちゃけ私にとってはそれ以上ではないかも。普段からこの手のメタルを聴いている人がどう評価するのかは、聞いてみたいところではありますが。


SO HIDEOUS, MY LOVE... - To Clasp a Fallen Wish with Broken Fingers ★★★ (2013-10-13 11:54:32)

2011年発表のEP。

バンド名からは、何となくお洒落なサウンドを予想していたんですが…意外にもシューゲイザーブラックの中でも苛烈極まりない音で驚きました。ブラック的な歪み切った、必死さすら感じさせる壮絶なヴォーカルと、荒れ狂うような疾走も交えた展開も見せる曲調は、この手の中でも攻撃性の強い、感情的な音と言えると思います。

また、この手のシューゲイザーブラックって、メロディを儚く抽象的にするバンドが多いんですが、この作品はもっと実体的というか、あからさまな泣きの入った沈鬱なメロディなんですよね。チェロの代わりにコントラバスを交えた構成の弦楽四重奏を取り入れたり、トレモロの音も太めだったり、かなりメロディアスさの強調された作り。

ただ故意なのか詰めが甘いのか分かりませんが、無音部の後のシークレットトラックがやたら音が小さかったり、明らかにトラック分けをミスっていたりするのがちょっと惜しいですね…そこを除けば、激情に満ちた悲哀ブラックとしてごく良質な作品だと思います。


SOLEFALD ★★ (2005-12-11 22:23:00)

このバンド、なんとなくCD買ってみたらやばいぐらいに良かったです。
登録すらされていなかったという事は、あまり話題になってないんでしょうか。
こんな凄いバンドなのに、勿体無さ過ぎだから…
しかしノルウェーは凄いですね。
GATEやULVERがグラミー賞取ったり、ブラック発祥の地というだけでも凄いのに
ARCTURUSやこんなバンドまでいるというのだから…
もう「ノルウェー産」は音楽の一つのブランドにしてしまっていいのでは(笑)


SOLEFALD ★★ (2005-12-17 21:56:00)

>J尾崎さん
追加させていただきました(笑)やはりブラックが好きで、OPETH等の音楽も
好物なリスナーは結構気になっているバンドなのかもしれませんね。
多分、SOLEFALDはAmazonでも取り扱っていたと思います。
まぁ実際に出向いてCDを手に入れる方が喜びって大きいかもしれませんが。


SOLEFALD - Black for Death - An Icelandic Odyssey Part Ⅱ ★★★ (2006-11-24 20:55:00)

2006年発表の6th。
前作の5thとは2枚で一つのストーリーを成すコンセプトアルバムになっているせいか、ヴァイキングメタルの要素を取り入れた曲調や音質、音作りなどは基本的に前作と一緒。ギターの歪みとストリングスの優美さがしっかり活かされた綺麗な音で聴きやすいです。

ただ前作は決して嫌いな作品ではないんですが、メタル色が強い曲のギターパートにあまり印象に残るリフや4thの「Fraternite~」で見られるようなビビッドなメロディが感じられず、ちょっと煮え切らない印象が拭えなかったんですが、今作はその弱点を見事に払拭してこの路線での傑作を作り上げてきたって感じです。

リフにしろメロディにしろリズムにしろ、より印象に残る物が多いんですよね。そのせいか、前作同様にサックスやヴァイオリン、チェロが用いられてますが、それらの音色がより活かされているように思います。やっぱり彼らは凄かった…。
また、「LOKI TRICKSTER GOD」ではULVER、HEAD CONTROL SYSTEMのGarm様が参加。プログレッシブな曲に見事にフィットする妖しいヴォーカルパフォーマンスが素晴らしい。

難点は…無理に挙げるなら神々の口論「LOKASENNA」の歌詞の台詞がノルウェー語で全く分からない事ぐらい。詩神ブラギとトリックスターのロキはコンセプト上でも最も重要な人物達なので、出来れば英訳を付けて欲しかったなぁ…。

ともかく、SOLEFALDの個性とヴァイキング/北欧神話のコンセプトが合致した名盤です。これなら日本盤とかが出てもおかしくないのでは。これだけクオリティが高ければ、プログレメタル好き以外でもいけると思います。


SOLEFALD - Black for Death - An Icelandic Odyssey Part Ⅱ - Allfathers ★★★ (2006-11-28 19:57:27)

これも、前作の「CRATER OF THE VALKYRIES」と並ぶ、SOLEFALDの作風とヴァイキングの世界観が上手く結実した、彼らの中でもドラマティックさが際立つ傑作。バンドパートと格調高さすら醸し出す弦楽パートの対比が非常に美しい。シンフォ好きにはたまらない逸品。


SOLEFALD - Black for Death - An Icelandic Odyssey Part Ⅱ - Dark Waves Dying ★★★ (2006-11-28 20:01:32)

トラックリストにはインストとの表記がありますが、実際にはヴォーカル入り。
といってもあまり前に出てこないですが。しかしこれ、もしかしたらアルバム中最もSOLEFALDらしいと言えるかもしれません。サックスが何かに警鐘を鳴らすかのように響いたりメロディアスに曲を彩ったりと大活躍。メロディも妖しい。…こういう雰囲気好き。


SOLEFALD - Black for Death - An Icelandic Odyssey Part Ⅱ - Loki Trickster God ★★★ (2006-11-24 21:07:10)

前作「WHITE FROST QUEEN」とは姉妹関係に当たるだろう曲。
ULVERのGarm氏がゲスト参加してますが、トリックスターであるロキの曲をTrickster Gと名乗る人が歌うとは…(笑)。彼の低音ウィスパーから高音ファルセットを自在に行き来するヴォーカルはやっぱり素晴らしい。まるで「WHITE~」がHEAD CONTROL SYSTEMに乗っ取られたような感じの超名曲。「WHITE~」は前作でも好きな曲だし、彼のヴォーカル大好きなので、この曲の存在は本当に嬉しい。幸せすぎて鼻血が出そうです(笑)


SOLEFALD - Black for Death - An Icelandic Odyssey Part Ⅱ - Necrodyssey ★★★ (2006-11-27 17:37:48)

まず前半の「祭儀」というよりも「お祭り」と表現したほうがしっくりきそうな、珍妙なリズムが耳を引く曲。ちょっと楽しげ…(笑)。このアルバムはこういう耳に残るパートが多いので、インパクトがあって良いですね。
後半は前半よりも真っ当な感じ。リフもなかなかですし、キーボードやギターのソロなどの上ものも華美でメロディアス。前半で強いインパクトを与えておいて、後半しっかり聴かせる…なかなかの名曲です。


SOLEFALD - Black for Death - An Icelandic Odyssey Part Ⅱ - Red for Fire + Black for Death ★★★ (2006-11-24 21:01:16)

前作のオープニング曲とは好対照を成す、SOLEFALDの中でもアグレッシブなシンフォニックブラック。とはいえSOLEFALDなので勿論普通声をフィーチャーしたり相変わらずドラマティックな展開です。
ブラック色がかなり強いのは歌詞中の「Euronymous」や「Deathlike silence」に引かれての事かもしれませんね。「私は最も暗き芸術を蹂躙し奪った」という詩は、ブラックメタルを独自に解釈し独自の芸術音楽を作り上げる彼ら自身を暗示しているというのは穿ちすぎでしょうか。


SOLEFALD - Black for Death - An Icelandic Odyssey Part Ⅱ - Silver Dwarf ★★★ (2006-11-27 17:38:48)

この曲のベース&ギターのリフ、本当にドワーフたちが穴を掘る時のテーマソングみたい…。ファンタジーとかに出てくるドワーフのイメージと凄く合ってます。こんな感じの曲をバックに体を揺らして歌いながら仕事してそう。でもこういう曲に華美なフレーズを乗っける辺り、彼らの前衛的な感性の面目躍如なのかもしれませんね。


SOLEFALD - Black for Death - An Icelandic Odyssey Part Ⅱ - Underworld ★★ (2006-11-28 20:04:22)

サックスをフィーチャーした、小品といった趣のジャジーなインスト。
今回サックスは2曲だけですが、使われている場面が場面だけに印象に残りますね。結構異色な感じですが、前曲と次曲をしっかり橋渡しする役割を果たしている曲だと思います。


SOLEFALD - In Harmonia Universali ★★★ (2005-12-11 22:18:00)

2003年発表の4th。

CDショップで安売りしているのをたまたま見つけ、そういえばノルウェーのメタルを調べてるとSOLEFALDって名前良く聞くなぁ、って事で買ってみたんですが、なんなんでしょうこの恐ろしいまでのレベルの高さは…

ジャケに貼られているラベルによると「New Dramatic Black Metal」と言うことですが、確かに時折登場する疾走パートや引き攣るようなフレーズ、凄い速さで刻むリフ、しわがれたデス声などはブラックに通じます。でも曲自体はメロデス並にメロディアスだし、クラシカルなキーボードもかなり入ってるし、キャッチーな歌メロはあるし…。

曲によってはいきなりサックスが入ってムードたっぷりの雰囲気になったり、キーの効果で天使が舞い降りてくるかのような荘厳さを醸し出したりして凄く個性的な音楽です。作曲、編曲能力が高くメロディも抜群に良いせいか、こういう様々な要素を融合したプログレッシブな音楽性でありながら、初めて聴いても「良い!!」と思えるほどによく纏まっている素晴らしい作品です。

アヴァンギャルドな感覚を狙っているというよりも、良い曲を作るためにそういった要素を取り入れている感じを受けました。おそらく普通の音楽ファン…は少し厳しいかもしれませんが、メタラーが10人聴いたなら10人ともがこのCDを「芸術作品」として褒め称えるんじゃないでしょうか。

ちなみにヴォーカルはデス・ノーマル両方使います。
ノーマル声はARCTURUSやOPETHにも通じる、まろやかで深みのある声。個人的にこういうヴォーカル大好きなので、アルバムを通じてたっぷりフィーチャーされているのがとても嬉しいです。デス声の方は、喉の奥からうめいているような感じ。ブルータルさはあまりないですが、不気味でなかなか良いと思います。

ほとんど気まぐれで買いましたが、ここまで凄いとは思わなかったです…ARCTURUSといい、ノルウェーのバンドって進んでるなぁ…


SOLEFALD - In Harmonia Universali - Dionysify This Night of Spring ★★★ (2005-12-17 21:54:10)

かっこよくて取っ付きやすい早口な歌メロ、いいなぁ~と思って聴いているとムード満点のサックスパートが切り込んできた…しかも寒々しいキーをバックに苦しそうにうめくパートとかもあったり、展開はある意味破天荒といってもいいかも。でもどのパートも求心力があるせいか、ポピュラリティすら感じてしまいます。
特に冒頭やラストのメロディアスな歌が聴ける部分なんて、「メタルはメロディックスピードメタルしか認めない」って人が聴いても虜だと思うけどなぁ…もっと多くの人に聴かれて欲しい曲です。


SOLEFALD - In Harmonia Universali - Fraternité de la Grande Lumière ★★★ (2005-12-17 21:51:55)

タイトルはフランス語で「大いなる光の絆」(多分)。
そういったタイトルだけあって、メロディは一段と華やかです。何処か戯曲的なイメージのする部分も。勿論入ってない曲も良いんですが、やっぱりサックスが入ると一味違うと思います。


SOLEFALD - In Harmonia Universali - Mont Blanc Providence Crow ★★ (2005-12-17 21:50:50)

「Mont Blanc」はフランス語で「白い山」、つまり雪山の事かと思いますが、お菓子の「モンブラン」しか思い浮かばないのは私の発想が貧困だからでしょうか(笑)。しかしこういう曲でもある程度の親しみやすさがあるのが凄いです。


SOLEFALD - In Harmonia Universali - Nutrisco et Extinguo ★★★ (2005-12-17 21:48:11)

この曲がSOLEFALD初体験だったので、あまりの完成度に驚きました。
まずツーバスの上でクラシカルなキーボードとギターが素晴らしいメロディを奏でるパートで「おおっ!!」と思い、底を支えつつ叙情的なフレーズを入れるピアノをバックにサックスが歌い上げるパートで「これは来た!!」と思わされました。超が付く名曲です、必聴。


SOLEFALD - In Harmonia Universali - Sonnenuntergang im Weltraum ★★★ (2005-12-17 21:52:52)

ラスト曲だからでしょうか、かなりダークな雰囲気の曲。
亡霊とか出てきそうだし、語り部分なんて完全に悪役の声ですな(笑)。歌メロ自体は案外キャッチーかもしれないけど…やっぱり不気味な感じです。


SOLEFALD - Pills Against the Ageless Ills - Fuck Talks ★★★ (2006-09-20 20:38:21)

キーボードが緊張感を醸し出しながら盛り上げ、キメに繋げる展開がかっこよくて印象に残ります。「it blew me off the street」の部分のメロディ、Lazareの歌い方共に色気たっぷり。もう「官能的」どころか「エロい」と直接的な表現をしたくなる程です(笑)
ラスト近くの渋い泣きメロも聴き所。


SOLEFALD - Pills Against the Ageless Ills - Hate Yourself ★★★ (2006-08-12 12:37:42)

この曲の普通声のパート、メロディも良いですし何より歌い方がPhilosopher Fuckの性格が現れていて良いですね。歌詞の内容も分かりやすい。何故か聴いていると変な踊りを踊りたくなるようなノリ(笑)。Suffer! Suffer! Suffer! Suffer!


SOLEFALD - Pills Against the Ageless Ills - Hierarch ★★ (2006-09-20 20:34:13)

一応メロディアスではあるけど、この歪曲空間的な不気味な雰囲気、まるで悪夢のようだと思っていたら、実際に曲中の登場人物のFuck氏が見た悪夢と言う設定みたいですね。この妖しげな雰囲気に生気を吸い取られ、衰弱していく彼の姿が思い浮かぶよう。


SOLEFALD - Pills Against the Ageless Ills - Hyperhuman ★★★ (2006-08-12 12:45:57)

濁声(絶叫)と普通声の掛け合いこそいかにもSOLEFALDっぽいですが、最初の激しさはどこのアングラ・シンフォブラックバンドかと…。この曲、ニーチェの思想が反映されていると言うレビュアーの人がいましたが…「次なる死の糸は交通ルールを書き換えるだろう」「次なる死の糸は学校(群れ、かも)を飾るだろう」…コンセプト全然理解出来ない…。確かにタイトルは「超人」を思わせはするけど。


SOLEFALD - Pills Against the Ageless Ills - The Death of Father ★★★ (2006-09-21 21:32:33)

曲が始まった時点でもう異様にダークな雰囲気満点ですが、曲が進むとサビ的な取っ付きやすいパートも出てくるのが特徴。でもそこからまたダークなパートへ移行する落とし振りが凄いですね。飴と鞭を使い分けた曲でしょうか。
…でも、私みたいなリスナーには両パートとも飴ですが(笑)。そう感じるようになったら、もうこの世界観からは逃げられません。ただこの曲だけ歌詞カードが読みにくいのはマイナス。


SOLEFALD - Pills Against the Ageless Ills - The USA Don't Exist ★★★ (2006-08-12 12:40:58)

「♪The USA don't exist~」
「♪The USA don't exist~」
「♪The USA don't exist~」
SOLEFALDの曲なのにこんなにキャッチーで良いんでしょうか(笑)
これなら変態系嫌いな人でも聴ける…かな?


SOLEFALD - Red for Fire - An Icelandic Odyssey Part Ⅰ (2006-06-08 22:08:00)

2005年発表の5th。

アイスランドを舞台にした物語がコンセプトになっているせいか、今回はヴァイキングメタルの要素が強いですね。歌詞を見るとオーディンを始めとして戦乙女やドワーフ、ロキなど、ファンタジーや北欧神話好きにはお馴染みの面々が出てきて、歌詞を読んでて楽しい。
…んですが、正直言って音楽的には前作の方が良かったと思ってしまったり。

今回もサックスはちゃんと出てきますし、ストリングスの入れ方などはやはり知性的で素晴らしいのですが…。特に音質がヘヴィでもないのにリフとデス声で押すパートがイマイチなんですよね…。しかもそのパートが結構多いし、デス声も×チガイじみた狂性がないので、それが続くと結構だれてしまいます。

ただ、「SUN I CALL」や「WHITE FROST QUEEN」といったプログレ路線の曲は相変わらず素晴らしいし、前述のストリングスの入れ方の上手さもあるので、全編つまらない曲と言うのは無いと思います。…が、前作の素晴らしさを知る人としては、もうひと押し欲しかった所です。


SOLEFALD - Red for Fire - An Icelandic Odyssey Part Ⅰ - Bragi ★★ (2006-02-18 18:30:52)

物悲しげなストリングスによるインスト。音楽に対してこういう褒め言葉って間違っているかもしれませんが、風光明媚な楽曲だと思います。


SOLEFALD - Red for Fire - An Icelandic Odyssey Part Ⅰ - Crater of the Valkyries ★★★ (2006-09-20 20:30:08)

このアルバム全体を貫いているヴァイキングや北欧神話的な世界観と、今までのSOLEFALDの作風が合わさり、見事に実を結んだと言える傑作。取り敢えず隙の無い曲展開、流石と言うほかないですね。他のメタルサイドの曲もこれぐらいドラマティックなら過去作を超える名盤になったと思うのになぁ…。


SOLEFALD - Red for Fire - An Icelandic Odyssey Part Ⅰ - Sun I Call ★★★ (2006-02-18 18:23:28)

アイスランドの物語をテーマとしているからか、サックスはムーディーというよりも船出を思わせる、悲しみと勇壮さのあるメロディですね。なんか家族を残して旅立つ男の哀愁、みたいな(←勝手な解釈・笑)。
低音の擦れ声が、壮大な物語の始まりを告げる、軋みながら開いてゆくドアの音の様です。


SOLEFALD - Red for Fire - An Icelandic Odyssey Part Ⅰ - Survival of the Outlaw (2006-02-18 18:19:36)

曲の途中に入っている「うわぁぁん」みたいな泣き声が良くも悪くも印象に残りますね…キーの美麗フレーズといった「らしい」部分はとても良いんですけど、メタリックなパートはちょっと物足りなさが残ってしまうかも。


SOLEFALD - Red for Fire - An Icelandic Odyssey Part Ⅰ - There is Need (2006-09-20 20:26:26)

この曲もリフで引っ張っていく系ですが、そのリフが重々しくダークで結構聴き応えあり。でもこれ位のリフは他のデス/ブラックでも聴けちゃうので、もっと個性を出して欲しかった。キーボードや普通声が乗ってくる所はやっぱりらしくてかっこいいですが、正直名曲まではいかないかも。


SOLEFALD - Red for Fire - An Icelandic Odyssey Part Ⅰ - Where Birds Have Never Been (2006-09-20 20:23:01)

イントロからリフで引っ張っていく曲ですが、そのリフがあまり面白くないのがちょっと彼ららしくないかも…。タイトルもかっこいいし、ヴァイキングっぽいメロディの勇壮なノリも好きなので悪い曲ではないんですが。彼らならもっと上手くアレンジできたと思う。


SOLEFALD - Red for Fire - An Icelandic Odyssey Part Ⅰ - White Frost Queen ★★★ (2006-02-18 18:28:43)

このアルバムって前作よりプログレ的な部分とメタル的な部分が分かれた作風の様に思いますが、これは前者ですね。SOLEFALDのこういう曲調凄く好き。
女性ヴォーカルが重要なパートを担っているし、全体的に美しいですが優しさすら感じる優美さを湛えた部分と、キーボードが妖しく仄めく部分が混交する独特な雰囲気があって面白いです。


SOLI DIABOLI GLORIA - SOLI DIABOLI GLORIA ★★ (2013-04-26 22:44:44)

2009年発表の1st。

バンド名やアートワーク等から、おそらくDEATHSPELL OMEGA大好きなんだろうな…と思っていたら、本当にDSOのカヴァーまで演っちゃってますね…。その事からも察せる通り、初期DSOにも通じる、オールドスクールなプリミティブブラックなんですが…金属質な響きを強調したやたらRAWなドラムと、刃物系のノイズを撒き散らすギターリフが交じり合った血腥い音塊が聴き手を責め苛む、かなりカルトな雰囲気の音。

但し、フレンチブラックの病んだ雰囲気にも通じる、悪のオーラを纏うようなメロディ使い、プリブラとしては緩急の付いた展開、聴き手の喉元を食いちぎろうとするような、いっそ小気味良いほどに歪んだ絶叫ヴォーカルなど、各要素は悪くないんですよね。この荒々しい音質を受け入れられるかどうかで、評価が大きく変わってくる作品だと思います。個人的にはブラックを聴く気分じゃない時だとちょっと辛い音かも。

そんな訳で、悪くはないけれど、正直初心者にお勧めできるほどの作品ではないかも。DEATHSPELL OMEGAの初期作辺りを一通り揃えたくらいのリスナーならお勧めできるかもしれません。


SOLSTAFIR ★★ (2011-09-21 21:25:55)

アイスランド産ヴァイキング/ブラック。
近年のENSLAVEDにも通じるプログレッシブな路線。


SOLSTAFIR - Kold (2011-09-21 21:26:46)

2009年発表の3rd。

…これはヴァイキングなのか微妙な路線ですね…。
厚みのある、ノイジーなリフと残響感のあるギターのフレーズ、サイケデリックなキーボードなどによってスピリチュアルな情景を描きつつ、(ハード)ロックの力強いリズムを大胆に導入したマッシブで重厚な音で聴かせる、プログレッシブなブラックメタル。

一応、トレモロリフによる神秘性のあるメロディ等も取り入れてはいるんですが…描写している情景が、ヴァイキングのそれではなく、精神世界的な感じなんですよね。1曲目に至っては、タイトル通りの荒野を思わせるワイルドなアンサンブルまで演ってますし。個人的には、ENSLAVEDの例が無かったらヴァイキングの一形態とは思えない音。ENSLAVED聴いてても「言われてみれば…」って感じですけど(笑)。

ただ、この作品、深遠な世界観を高い精度とクオリティで描くことに成功してはいるんですが、ヴォーカルが泥臭く歌い上げたり、ちょっとブルージーに過ぎたりするところがあって、どうもハマって行けないんですよね…。まあ個人的に苦手と言うだけで、他のブラックやヴァイキングにはない世界観を持ってるバンドだとは思うので、気になった方はチェックしてみては。


SOMBRES FORETS - Royaume de glace ★★ (2009-12-29 02:59:00)

2008年発表の2nd。

鬱系・ノイズ系ブラックの名産地として有名なカナダ・ケベック州の独りブラックという事ですが、このバンドもBURZUMを髣髴とさせる鬱ブラックを演ってますね。決して派手に鬱メロや狂気をブチ撒けるタイプではないものの、本家よりも湿り気を帯びたキーボード、ノイズの蠢きがそのままリフになったかのようなギターリフ、幽玄で深みのあるメロを奏でるアルペジオなどによって、丁寧に情景を描写してます。

…個人的に、この作品のキモとなっているのは、Annatar氏のヴォーカルだと思います。基本BURZUMスタイルの、これまた本家に全く見劣りしない悲痛な絶叫ですが、それに加えて中音域で憎悪や絶望を感じさせる憎々しげな声を出したり、悲痛絶叫に地声を混ぜてより悲痛に聞こえさせたりなど、確かな表現力があると思う。ヴォーカルの歌い方によって、曲自体から見えてくる情景も結構変わってくる感じですね。

ただ、ドラムの音が少し大きすぎる音質は、少し惜しいですね…私はもう少し小さめのほうが、この微妙な情景を描く音には合っていると思う。とはいえ、良質な鬱ブラックだし、特に最近コラボも果たした同郷のバンドのGRIS辺りが好きなら、買って損はないかと思います。


SOMNIA - Above Space and Time ★★★ (2014-08-03 00:17:38)

2012年発表の1st。

バンド名はラテン語のsomnium(「夢」の意)の複数形でしょうか。どこか女性的な響きを持つ単語を冠したバンド名ですが、出音は繊細さを垣間見せるパートはありつつも、基本的にヴァイキング的な野太さ・力強さを感じるブラック。時折プログレッシブな側面を見せつつ、キメやメロディのハモり、ギターソロなどを多用した、ブラックとしてはロック的なバンド感やダイナミズムを感じさせる音。ヴォーカルのがなり声も太さがあってかっこいいです。

リフには漢達の悲哀を滲ませるような、民族的なメロウさも込められており、近年エクストリームメタルとしての強靭さを増したKHORSや、「Isa」「Ruun」期のロック色強い頃のENSLAVED辺りに通じる雰囲気を持っていると思います。ブラックとしてはメジャー志向がやや強めの音に思えますが、「Like Ashes」の冒頭など、端々にメロウ系プリミティブブラックに通じるような、邪悪で叙情的なトレモロも聴けるのがまた良いんですよね。聴き手を突き放さないけど媚びもしない、絶妙なバランスの作風だと思います。

日本のレーベルから出てることもあって購入してみたんですが、確かにこれは良いですね。「その他」に埋没しない魅力のある音を出してると思います。聴き応えのある、メロく力強いブラックを求めている方は是非。


SOMNOLENCE - As Midgard Weeps ★★★ (2014-10-23 21:13:29)

2008年発表の1st。

ABSURDのメンバーによるレーベル、Darker than Black発のブラックメタル経由アンビエント作品という事ですが、確かにLORD WINDやWONGRAVEN辺りのペイガン・アンビエントに通じる神秘性を醸し出す作風ですね。ただ、こちらはインダストリアル/エレクトロニカ要素もかなり強く、土着的な民族性よりもスピリチュアルな方面に足を踏み入れた音になっている感じがします。

重層的な音色で、空間を灰色に染め上げるようなシンセ、亡霊のようなコーラス、そして淡々とした打ち込みのリズムが絡み、聴き手の精神に直接語りかけてくるかのような音像を展開。上記のバンドと比較しても、日常を侵食してバンド側の描く情景を聴き手に見せ付ける力は、全く劣っていないと言えるでしょう。シンセと打ち込みの音色の相性が非常に良く、心地良く精神世界へのトリップを楽しめます。

ブラックメタル経由のアンビエント作品の中でも、没入度は非常に高い作品なのではないでしょうか。路線自体が結構マニア向けだと思いますけど、お勧めです。上記バンド以外にも、エレクトロ方面行ってからのULVERやMANESが好みなら心地良く聴けると思う。


SONIC HISPEED OMEGA - Toho Tempest Ⅱ - Is She U.n. Owen? ★★★ (2009-08-03 20:43:54)

モチーフはSLAYERの「Angel of Death」。
確かに、この速さはメロスピの疾走よりスラッシュの爆走に近いのかも。しかし、そこに乗るのはメロスピよりクサいシンセメロ。…DRAGONFORCEの音楽性を「まるで早送りしたよう」と表現されてる方がいましたが、この曲の「早送り感」はDRAGONFORCEでは相手にならない程強い。聴いててめっちゃ気持ち良いです。


SONIC HISPEED OMEGA - Toho Tempest Ⅱ - Necro Fantasia ~gone Away to the Fairyland ★★ (2009-08-03 20:47:18)

モチーフはX「Silent Jealousy」。
主旋律が結構主張の強いもので、しかも「Silent Jealousy」とはかなり傾向の異なるものなので擬態率はそれほど高く感じないんですが、ドラムのフレーズはYoshikiですね。打ち込みですが音は悪くなく、首を振りまくってドラムを叩く彼の姿が浮かんでくるようです。


SONIC HISPEED OMEGA - Toho Tempest Ⅱ - White Rabbits' White Flags ★★ (2009-08-03 20:53:03)

モチーフはSOUND HORIZONの「エルの絵本【笛吹き男とパレード】」ですが…快楽音楽堂といい、SHって何故かメタラーに人気なんですよね…。この曲のメロディも本家に負けず劣らずクサくて素晴らしい!…でも、やっぱり歌が入ったほうがクサく聞こえるかも。


SONIC REIGN - Monument in Black ★★★ (2013-03-01 23:16:41)

2013年発表の2nd。

前作「Raw Dark Pure」が、普遍的で聴きやすいブラックメタルの様式を踏襲しつつ、SATYRICONやTHORNSに通じる厭世・厭人的な雰囲気も感じさせる良盤だったんですが、今作もその作風は変わりませんね。前作の路線は踏まえつつ、音質面やフレーズ面、展開面などで更なるクオリティアップが図られている感じ。何気に前作から7年近く経ってますが、待った甲斐があったのではないでしょうか。

とりわけ進化していると思ったのはプロダクションですね。モダンなヘヴィさにも、プリミティブなRAWさにも頼らない、聴いていて非常に心地良く感じる音。聴きやすいのになんか陰湿なのが良いんですよね。パートによっては意外とグルーヴィな感触があったりもするんですが、フレーズのダークさと音質の良さのせいもあり、全く嫌味に感じません。また、リフも無慈悲さは変わりませんが、今作はむしろオーガニックな印象も。冷たさや病的さより、純粋に闇を叩き込んでくるような感じ。

個人的には、SATYRICONの「Rebel Extravaganza」と「Volcano」の間の、ミッシングリンクをメジャーな感性を補いつつ埋めるような作風だと思うんですよね。ただし当時のSATYRICONと比べると、実験精神が希薄な分、ストレートなかっこよさが際立っていて、大分聴きやすく仕上がっている印象。SATYRICONのように、ブラックメタルの歴史に一石を投じるような変化はしていませんが、その分スタイルとしての完成度はかなり高くなっているかと。


SONIC REIGN - Raw Dark Pure ★★★ (2008-07-25 22:39:00)

2006年発表の1st。

バンド名のSONICはモダンな要素の、REIGNはオールドスクールな要素の象徴で、その二つを上手く統合したブラックメタルを志向しているバンドらしいですが…ギターリフはシャープに、ツーバスは心地良く聴かせるクリアな音質、厭人的な感性を無機質さに転化したようなメロディを練りこんだリフ捌き、時折挿入されるロック的なリズム、切れ味の鋭く威厳のあるヴォーカルのがなり声など、「Rebel Extravaganza」~「Volcano」期のSATYRICONにかなり影響を受けている事がモロに分かるサウンド。

特にヴォーカル、がなり声だけでなく、預言者の呟きのような語りまでそっくりだったので最初聴いた時はちょっと笑っちゃいました(笑)。刻みとトレモロをメカニカルに組み合わせたリフや、2曲目のマーチっぽいリズムの入れ方などを聴くと、復活後のTHORNSにも相当影響を受けてるんじゃないかと思えます。

ただ、曲の展開はリフのかっこよさやバンドサウンドの勢いで押す、あくまでオールドスクールな感じで、SATYRICONやTHORNSのようなアヴァンギャルドな展開、インダストリアルな音作りは希薄なので、それらのバンドと比べてかなり聴きやすい印象。

SATYRICON「Rebel Extravaganza」「Volcano」やTHORNS「Thorns」を擦り切れるくらい聴きまくった人が作ったんじゃないかと思えるようなブラックですが、ヴォーカルの迫力、リフのかっこよさや展開の上手さなど基本的な質は1stにしてメジャーバンドを喰いかねないくらい高く、単なるフォロワーではないセンスのあるバンドだと思います。

特に前述のバンドの雰囲気は好きだけど、もう少し分かりやすい方が良いというリスナーは抜け出せなくなるくらいハマるかもしれません。個人的には大当たりのアルバムです。でも、やっぱり聴いていて「恐い」よりも「微笑ましい」と思ってしまいますが…(笑)


SONIC REIGN - Raw Dark Pure - Deceit Doctrine ★★★ (2008-08-16 20:32:05)

このメカニカルな刻みを交えたりフ捌き、どうしてもTHORNS辺りを思い出さずにはいられないんですが、やっぱりかっこいいですね。低空飛行するヘリコプターが機銃掃射するようなイメージのリフ。


SONIC REIGN - Raw Dark Pure - The Martyr Urge ★★★ (2008-08-16 20:34:36)

この曲のメインリフはどこかフランスのプリミティブブラックのような毒々しさがありますね。こういうタイトな作風&クリアな音質でこういうメロディをやられると、フランス勢とはまた違った魅力があります。


SONNENBRAND ★★ (2013-10-05 10:04:17)

ロシア産ペイガンブラック。
バンド名はドイツ語ですが、れっきとしたロシア産のバンドです。


SONNENBRAND - В Осознании Превосходства ★★ (2013-10-05 10:05:20)

2013年発表の1st。

これはペイガンブラックの中でも、割と上級者向けの音かもしれません。
まずインパクトあるのがリフのノイジーな音質。高音域のノイジーさを強調していながら、しっかりベースも聴こえる低音域も疎かにしない音作りで、かなり音圧高めで殺しに来ている感じ。このノイジーさ、どちらかというとマニアックなプリブラか鬱系に通じるものがあるように思います。それをもっと刺々しく攻撃的に整えた感じ。

この音作りで大分篩いに掛けられてしまいそうですが、楽曲自体は良質。泣き要素の強いトレモロで攻めるパートは初心者でも問答無用でグッと来るような叙情性ですが、余りそればかりを強調せず、メロディアスになり過ぎないリフ捌きは音質とも相俟ってヒリヒリとした感触を生んでますね。ヴォーカルの地声交じりの絶叫も、リフと音質の醸し出す殺伐とした雰囲気に良く合ってると思う。

そして特筆したいのがヴォーカルのクリーン。朗々としたテノール歌唱ですが…正直、この手の歌い方の中でもかなり魅力的な方じゃないかと思います。野太くて、艶があってホントうっとりと聴き入ってしまいます。はっきり言って、個人的にはこの作品の一番の聴き所だと思ってますもん。音作りのマニアックさとかどうでもよくなります(笑)。良い声過ぎる…。

…そういう訳で、もう少し音質がマイルドなら、もう少し叙情トレモロの頻度が高ければ初心者にもお勧めできそうですが、現時点では割とマニアックな音だと思います。ただ、クリーン歌唱が本当に素晴らしいので、男臭い歌声に魅力を感じる人はそれ目当てで買ってもいいかもしれません。


SORCIER DES GLACES - Ritual of the End ★★★ (2014-09-29 14:43:11)

2014年発表の5th。
これは素晴らしいです。97年から活動するバンドで、既にフルだけで5枚も出しているベテランなのに、今まで知らなかったのを思わず恥じてしまうくらい素晴らしい。

CDを取り外すと、ケース下に「Primitive Cold Metal」とのキャッチコピーが記載されてますが、正にその言葉をそのまま音にしたかのような、寒々しさに満ちたブラックメタル。叩き具合によるスネアの音の変化まで伝わるような、やたら生々しい音のドラム、ややノイジーで刺々しいながら、厚みもあるリフの音色、それだけで聴き手を凍りつかせるかのように、鋭い声でがなるヴォーカル…と、「Primitive」の単語通りの、剥き身の衝動と向き合う事を聴き手に強いる音。この「こだわり」の感じられる音は、ケベック州のバンドならではといったところでしょうか。

そして「Cold」の単語も、恐ろしいまでの描写力で音として顕現させています。ブラックらしいトレモロリフにより情景を描いていくスタイルですが、メロディの魅力が凡百のバンドでは絶対に追いつけない領域だと思う。言葉通りの寒々しさを完璧に表現しつつ、神秘的・魔術的な雰囲気も併せ持っており、尚且つメロディだけを取り出したとしても、凄まじくエピックでドラマティック。正直感動すら覚えるセンス。これが厚みのある歪みリフと合わさると、ゆらめくような神秘性が感じられて、体の芯から凍てつくようなゾクゾクする感覚を味わえるんですよね。これがカルトブラックの魅力だと思う。

…正直、この素晴らしさを言葉で伝えられている自信は全くありません。なので、取り敢えず試聴とかでも良いので、是非聴いてみて欲しいところ。ブラック好きならほぼ確実にCDで買いたくなるんじゃないかと(笑)。特に後期のLUNAR AURORAのアルバムなど、日常を魔力で非日常に変えてしまうような、雰囲気作りが上手い作品が好きな方にもお勧め。


SORDIDE - La France a peur ★★★ (2015-11-26 01:52:00)

2014年発表の1st。

一言で言うなら、スラッジ要素も感じさせる、熱量の高いノイジーさのリフ+オールドスクール+フレンチらしいメロウなブラック、を組み合わせた感じの路線なんですが、これが凄まじくかっこいい!スラッシーで勢いのあるパートはストレートな熱気をよりダイレクトに伝えてくるし、スローパートは焼け付くような乾いた狂気を感じさせ、神経を休める事を許さないインテンスな雰囲気を演出してますね。ヴォーカルの喉を磨り減らすようなパフォーマンスも作風に実にピッタリ。

何気にベースもブオンブオン鳴っててかなり音像はエグいんですが、実はかなりメロディアスなフレーズを弾くパートが目立ち、4曲目の「L’innocence」なんかでは特に顕著なんですが、それが狂気的なトレモロと合わさると何かが脈動するような、ダイナミズムのある邪悪さが表現されているように思います。惜しむらくは、スラッジ/ドゥーム色の濃くなるアルバム後半が若干くどく感じる事でしょうか…。と言っても、これは私が前半の疾走パート・メロウ邪悪パート多めの作風に魅せられているから…というだけで、人によってはこの粘着質でサイコな雰囲気の方をより気に入るかもしれません。

それを考慮しても、これは凄く良い作品だと思います。熱気と狂気、邪悪さの応酬をダイナミックに感じられるパートの多い前半~中盤は特にお気に入り。


SORGELDOM - Inner Receivings ★★ (2014-08-16 21:40:20)

2010年発表の2nd。

元はWHIRLINGのJododen氏による独りアコースティック・プロジェクトとしてスタートしたらしいですが、ここで聴けるのは北欧産らしい叙情的なトレモロリフを多用した、メロディアスでかつドラマティックなブラックメタル。中世的なメロディの使い方を始め、フレーズの端々にメロディック・ブラックの名盤であるSATYRICONの「Nemesis Divina」アルバムからの影響を感じ取れるのは気のせいでしょうか。

この作品がNemesis Divina」を始めとしたメロブラと異なるのは、ポストブラック的な側面もかなり強い事ですね。アルペジオにうっすらとトレモロの残響を重ね、美しくも現実から遊離したような感覚を味合わせるパートなんて、殆どシューゲイザー路線のブラックを聴いているかのよう。ただし、ブラック本来の凶悪さもしっかり根付いており、メロディック・ブラックの魅力をスポイルしてまでこれらの要素を取り入れている訳ではないのが嬉しい所。

メンバーが関与したバンドを見てみると、KAOS SCRAMENTUMやGRIFTTESKYMFNINGなどの如何にもな北欧ブラックの王道を行くようなバンドや、BERGRAVENやDE ARMA、WHIRLINGなどのポスト色強いバンドが並んでますが、これらの関連バンドから割と想像しやすい音なんじゃないかと思います。王道なブラックとポスト要素を上手く両立させた好盤。


SORHIN - Apokalypsens Angel ★★ (2009-08-20 22:05:00)

2000年発表の2nd。
2009年にNorma Evangelium Diaboliよりリマスター、ボーナス入りで再発。

専門店では、「MARDUKやDARK FUNERALと並び、スウェディッシュ・ブラックの礎を作り上げたバンド」として紹介されていましたが…それらのバンドがブルータリティやスピードに重きを置いているのに対し、こちらはよりメロディやリフを聴かせる事を重視している感じですね。ブラックメタルの邪悪さをしっかり継承しつつ、疾走映えするかっこいいメロディや、嫌味にならないセンスのいい刻みリフの導入などは、スウェーデン勢よりもTAAKEに近い路線だと思います。リフの動きの多さはTAAKE以上かもしれません。

音質は、最初はドラムの金属音が結構目立ってるせいで、アングラ感丸出しな印象を受けたんですが…良く聴くとかなり整ってますね。リフがクリアに聴こえ、そのかっこよさを存分に伝えているし、慣れれば聞き苦しさもほとんど感じさせないしで良好。この少し金属質な感じの音が、よりバンドサウンドの勢いを増しているようにも思います。ヴォーカルはちょっとMARDUKのLegion似ですね。Legionよりも少しわめき気味の声だと思います。

NEDが目を付けるのも良く分かる、良質のブラックメタル。
メジャー志向過ぎず、かつ質も高いメロブラを求めている方にお勧めです。


SORT VOKTER - Folkloric Necro Metal ★★ (2009-01-29 23:16:00)

ノルウェーブラックの重要人物Ildjarnらによるバンドが残した唯一のアルバム。
オリジナルは96年発表ですが、最近になって再発された模様。

ILDJARNはミニマルでノイジーなプリミティブブラックからシンセ・アンビエントに音楽性を移行させて行きましたが、このバンドではその二つを合わせたようなブラックを演ってますね。プリブラのミニマリズムによる陶酔感と、シンセサイザーによる情景描写を掛け合わせたような路線。音質はILDJARNにも増して劣悪で、特にギターが線香花火を思わせるチープさ。

ILDJARNのようにCDの収録時間ギリギリまでノイジーなプリブラを詰め込んだりというような極端なミニマリズムはなく、曲によってプリブラにシンセを被せたり、逆にシンセ音楽にギターノイズを被せたり、プリブラからシンセ音楽に移行したりなど、手持ちのカードで色々なパターンを試している感じですね。プリブラのみ、シンセのみの曲もあり、ラストは低音の持続音に同じメロディの繰り返しを乗せた、ミニマルなシンセインストで締め。

しかしこれ、一般的に見たら劣悪極まりない音なんでしょうけど、ある意味では良い音かもしれません。ギター・ベースは音像をハーシュノイズに近付けてるし、ヴォーカルは憎しみをそのまま叩きつけるような凄絶さだし、ドラムは陶酔感、シンセは情景を演出したりそれぞれのパートは(ギターがフレーズが分からないレベルまで歪んでるだけで)ちゃんと聴こえ、しっかり役割を果たしてます。

…でもこのプロジェクト、独りブラックとかじゃなくて、バンド編成なんですよね…。ILDJARNの時よりも更にバンドサウンドっぽくない気がするんですが…。


SORT VOKTER - Folkloric Necro Metal - Hatefulle Tanker ut i Natten ★★ (2009-01-29 23:17:48)

線香花火のようだったギターノイズがこの曲では噴出、ヴォーカルも噛み付かんばかりの迫力で迫ってきます。このアルバム随一の憎しみに満ちた音像。それにしても、このギターの音…ほとんどテレビの砂嵐ですね。バンドメンバーにギタリストの代わりに、テレビ担当を入れた…という伝説が残ってもおかしくない音(笑)。


SORTSIND ★★ (2005-10-23 21:05:00)

デンマーク産ブラックメタルバンド。
本来ならこんなマニアックなバンドを追加していいのか…と悩みましたが、
全音源CD再発記念と言う事で、どうかお目こぼしを(笑)


SORTSIND - Vanvid ★★★ (2005-10-23 20:58:00)

2005年発売のバンドの全音源集。CDは1000枚限定だそうです。

このバンドはヴォーカルと曲調の病みぶりが評判で、しかも作品が入手困難と言う事で一体どんな声で歌い、どんな曲をやっているのか気になっていたんですが、実際聴いてみるとやっぱり期待を裏切らず凄かったです。

まずヴォーカルですが、これはかなりヤバいです…
頭のネジが幾つも外れているんじゃないかと思うような喚き振りで、時には怯えたような泣き声(?)のような物まで…まるで録音ブースの中でナイフで自分の体を刺して、痛みに泣き叫びながらヴォーカル録りに臨んでるんじゃないかと思わせる程。それでなくても録音中に白目剥いたり唾液を垂らしたりは普通にやってそう(笑)

そして肝心の曲も話題になるだけの事はあると思います。
リフのメロディがほんとに良すぎる…曲によってはDARKTHRONEの4thあたりにも肉薄する(もしかしたら超えてるかも…)叙情性と邪悪さを湛えたメロディを聴かせてくれます。きっとブラックメタラーなら、一度聴けば魅了されてしまう事と思います。

音質は曲によって違い、ILDJARNのようにノイズがバリバリいってるのもあれば、かなりチープなのもあり。でも大体の曲はメロディの良さを殺しているという事はないと思うので、無くなる前に安心して買っちゃって下さい。しかし、このヴォーカルがバリバリいうノイズの中で必死に悲鳴を上げているところを聴くと、まるで電気椅子で今まさに処刑されんとしている男の映像が脳裡に浮かんできたりして、非常にエグいですね(笑)

1000枚限定と言う事で慌てて買いましたが、それだけの価値はあると思います。興味がある方は是非確保しておきましょう。


SORTSIND - Vanvid - Graven Ved Slottet ★★★ (2005-10-23 20:59:53)

この曲、音質がかなりしょぼくてまるでファミコンの内臓音源みたいなんですが(笑)、その音質でめっちゃ叙情的なメロディを奏でられると何故か浸ってしまう…。メタル聞き始めの頃は悪い音質が武器になるなんて思いもしませんでしたが、この曲を聴けば一発で分かると思います…多分。


SORTSIND - Vanvid - More Days ★★★ (2006-02-25 19:57:04)

兵隊の行進を指揮する狂った指揮官のような、太い普通声が聴ける曲。
個人的にはこういう声ってメタルの普通声の種類の中では一番好きですね。予想外に「いい声」なので驚きましたが、あの泣き狂い系悲鳴ヴォーカルも声質がいいからこそ様になってるのかも?


SORTSIND - Vanvid - Vandrer Blandt Dodninge ★★★ (2005-10-23 21:01:08)

これを試聴して、「1000枚限定でも絶対に買わなければ…」と決意。
ザラザラしたノイズで真っ白になった頭の中に、叙情メロディと邪悪ヴォーカルのアンサンブルを力づくで流し込まれるのは、ブラック好きにとって物凄い快感であると思います。


SOTHIS ★★ (2008-10-10 21:45:00)

先月1stを発表した、アメリカ産シンフォニックブラック。
これまた凄いバンドが出てきましたね…。
と言っても、バンド自体は99年からあるみたいですが。
DIMMU BORGIRやCOFにも通じるメジャー志向のシンフォニックブラックなんですが、
彼らはそこにメロブラ並の叙情リフを入れて更なる高みに達してしまってる感じです。
マニアだけでなく、初心者やブラック好き以外の人にも是非聴いてほしいバンド。


SOTHIS - De Oppresso Liber ★★★ (2008-10-10 21:38:00)

2008年発表の1st。
数多くの優良ブラックメタルバンドを抱えるレーベル、Candlelightに移籍してのリリース。タイトルは米軍のモットーで「抑圧からの解放」らしいです。

ブラックメタルのアングラ感こそ希薄ながら、派出なキーボードの装飾を施した音像でエクストリームメタル好き全般にアピール出来る質の高さとメジャー感を備えた、近年のDIMMU BOGIRに通じるシンフォニック・ブラック。背徳性に溢れたメロディは、COFに通じるものもあるかもしれません。しかしこれ、恐ろしくクオリティ高いですね。
前述のバンドやANOREXIA NERVOSAなどのクラスのバンドでないと勝負にならないくらいのレベルに達してると思うんですけど…。

大きな特徴は、ど派手なキーボードが入ったシンフォニックブラックというスタイルにも関わらず、バンドサウンド自体が非常に魅力的なこと。緩急交えたドラマティックな展開といい、トレモロと刻みを巧みに交えたスリリングでフックに満ちたリフ捌きといい、例えキーボードが無かったとしても上質なメロディックブラックとして成立してしまいそうな程。

そこにDIMMU BORGIRばりのキーボードが絡み合って劇的さを演出するのだから、素晴らしいものが出来ないわけがありません。シンフォ系ってキー主体のパートではリフが弱くなる傾向があると思うんですが、彼らはそこに陥らず、かなり練りこんでくれているのが良いです。

また、スケールの大きさやブルータリティをしっかりと伝える、臨場感のあるクリアな音質、憎しみに満ち満ちたヴォーカル(Shagrath似かも)、ブルータルながら暴虐さに頼り切らず、背徳的なムードも漂わす曲調といい、1stアルバムにして全体的に全く隙が無い感じ。
個人的にはDIMMUやCOFよりも好きかもしれません。

このクオリティなら、例えばブラックメタルをこれから聴く人に「これがシンフォニック・ブラックを代表する作品」だと言って聴かせたとしてもジャンルに引き込めてしまうのではないでしょうか。これは初心者にも是非聴いてもらいたい、シンフォニック・ブラックの大名盤だと思います。


SOTHIS - De Oppresso Liber - De Oppresso Liber ★★★ (2008-10-10 21:41:11)

ぶっちゃけ、メロディにDIMMU BORGIRの曲で聴いたような部分があるんですが…(笑)クオリティでも向こうのキラーチューンと比較しても劣らないものがあると思います。息も詰まるような音なのに、こうまで質が高いと聴いてて疲れないなぁ…。テンション上がります。


SOTHIS - De Oppresso Liber - Of Night and Silence ★★★ (2008-10-10 21:40:15)

1曲目からフックのあるリフと大仰なシンフォニックなサウンドの波状攻撃!!
バンドのアンサンブルとシンフォなキーボードのバランスの良さでは既にDIMMU BORGIRを凌いでしまっているかもしれません。正直、「アメリカのシンフォブラックってどうなの?」と思ってたんですが、この1曲目で完全にノックアウトされました。


SOTHIS - De Oppresso Liber - The Cold Disconnection ★★★ (2008-10-10 21:43:04)

おかしな表現ですけど、この曲の豪速ブラスト&吸い込まれるようなキーボードのパートは、「嵐のような荘厳さ」があるように思います。キーボードの音色の選び方も本当に巧み。


SOULEMISSION - Tales of Inevitable Death ★★★ (2017-08-25 12:53:17)

2016年発表の1st。
「Sea of Emptiness」でSHININGのNiklas Kvarforthがゲスト参加。

…SHININGの彼が参加してる時点で何となく予想はつきますが、トレモロを多用したメロディックな曲作りとは裏腹に、メロディ自体はどこか病的で前衛的な雰囲気のある、鬱要素強めなメロブラ。要所でアトモスフェリックなキーを配し、更に鬱要素を深めていくスタイルで、ヴォーカルも往年のManiac氏のパフォーマンスを髣髴とさせる、粘着質な喚き声で曲に負けじと病気振りを発揮。

ブラストによる疾走を多用し、メタリックなギターソロを入れるなど、メリハリのついた展開などはエクストリームメタル然としていますが…ドラムのやや軽めな音、ノイジーなギターの音色など、プロダクションは若干癖があり、デスメタルなどの持つゴリゴリとした硬質さは志向されていない感じ。この音作りや、楽曲それ自体、ヴォーカルの狂気などが合わさり、まるで普段は自傷を繰り返している精神を病んだ人間が、突然攻撃性を外部に向けだして斧を持って襲い掛かってきた…みたいな、ヤバい雰囲気に満ちてますね…。

楽曲のクオリティの高さと、鬱屈したカルトさが上手く合わさった作品。メジャー志向でもマニア向けでもないニッチな感じはありますが、個人的にはかなり好きな部類の音です。


SOULREAPER ★★ (2010-07-04 00:19:00)

DISSECTIONのメンバーが絡むスウェディッシュ・デス。
残念ながら現在は解散してしまっているようです。


SOULREAPER - Written In Blood ★★ (2010-07-04 00:14:00)

2000年発表の1st。
3曲目「Satanized」はDISSECTIONの前身バンドSATANIZEDのカヴァー。
DISSECTIONのメンバーが在籍という事で購入しましたが、DISSECTIONが寒々しいリフで
疾駆するメロブラだったのに対し、こっちは粘着質な禍々しさや泥臭さを感じさせる、
ドロドロとしたリフを中心に展開するデスメタルで、基本的には全くの別物。なんですが、
タイトル曲など時々DISSECTIONっぽさを感じる部分もしばしば。また、同郷のHEARSE程
露骨ではないにしろ、リズムにロックンロール(ハードコア?)っぽいノリの良さがある
パートもあり、それがドロドロした中にある種の軽快さを感じさせる要因になってますね。
何気にこのバンドの音を他の一般的なデスメタルよりも魅力的たらしめているのは、
ヴォーカルのChristofferの貢献が大きいような気がします。基本的には典型的な
デスメタルの咆哮ながら、時にタメを効かせてみたり、語尾を大絶叫したり、呪術めいた
低音を使ったり、ブラック的な粘着質な絶叫をしたりなど、歌の中に起承転結を設けて
いるようなパフォーマンス。曲自体デスにしては結構展開が多めですが、彼の
パフォーマンスで更に劇的な作品になっているのではないでしょうか。
DISSECTIONを抜きにしても、なかなかの良盤だと思います。
ネームヴァリューに惹かれて買っても、デスも行けるなら損はしないはず。


SOULREAPER - Written In Blood - Labyrinth Of The Deathlord ★★ (2010-07-04 00:18:30)

う~ん…この曲の一部のパートに、「Thorns of Crimson Death」に通じる何かが感じられる、というのは、流石に偏った見方でしょうか。余りDISSECTIONと比較しすぎるのも失礼な気もするし。


SOULREAPER - Written In Blood - Satanized ★★ (2010-07-04 00:16:50)

DISSECTIONの前身で、Johan Normanも在籍していたSATANIZEDの曲のセルフ(?)カヴァー。メロブラへの萌芽前の時期に作った曲だからか、アルバムの他の曲と比べるとリフが大分メロディック。ヴォーカルもブラック然とした絶叫ですが、こっちの方が声が音に乗っている感じがする。


SOULREAPER - Written In Blood - Ungodly ★★★ (2010-07-04 00:17:39)

コーラスパートの、低音で呻く呪術的なヴォーカルが印象に残る曲。その直前にブラックメタル的な絶叫をしているので、よりこのパートが強く焼きつくようになってますね。このバンドにおけるヴォーカルの重要性、表現力の高さが良く分かる曲。


SOULREAPER - Written In Blood - Written In Blood ★★★ (2010-07-04 00:15:52)

この曲が一部「Where Dead Angels Lie」を意識しているというのは、強ち穿ちすぎという訳でもないと思う。一部のパートにおける暗黒美の表現など、ちょっとトリビュート的な要素も混じってそう。こっちは疾走も交えた構成で、意識しすぎじゃないのが良いですね。


SOUND HORIZON ★★ (2006-09-17 22:09:00)

このグループ、色々なレビューを見るとよくALI PROJECTが比較対象として
挙げられてますけど、個人的には犬神サーカス団の方が似てると思います。
HR/HMをベースにした曲作り、語り、よく人が死んだりそれを暗示する歌詞…
結構共通点は多いのではないでしょうか。
私的にはメタルベースの曲は犬神くらいリフにキレと多様性があると嬉しいかな。
まあ、歌メロの美しさやメロディアスなアレンジなど他に美点があるから、
今のままでも全然かっこいいですけどね。
それに「エルの天秤」「沈んだ歌姫」など非メタルの曲が魅力的なのも素晴らしいですし。


SOUND HORIZON ★★ (2006-10-16 07:51:00)

オリコン雑誌見たんですが、新譜「少年は剣を…」が10位以内にランクインしてました。
何気に売れてるんですね…カラオケにも1st、2ndは殆ど入ってましたし。

…SH名義ではないので、ここに登録するのはまずいかもしれないので、
私的「霧の向こうに繋がる世界(REVO&霜月はるか)」レビュー…っていうか感想。
『Weiß ~幻想への誘い~』★★★
個人的には、最もコラボレーションの意義があったと思う曲。
曲調的には霜月さんのソロや彼女のプロジェクト「MAPLE LEAF」と同じく、
ZABADAK系の民族っぽい素朴な曲調ですが、アレンジにSHならではの
派手なオーケストレーションが用いられていて、両者の個性がぶつかりあい
昇華されているように思います。歌もこの路線が一番しっくりきますね。
っていうかこの路線で彼女の声に勝てるヴォーカルは少ないと思う。
『Schwarz ~そして少女は森の中~』★★
これも1曲目同様、ミディアムテンポで展開していく曲。
1曲目と比べると、民族的な素朴さが薄まり、幻想性を増した世界観で聴き手を
CDの世界観のより深い部分に取り込んでいく感じ。ただこの二人が作った割には
歌メロがちょっと薄い気もするので★2つ。アレンジはなかなかですけどね。
『Schwarzweiß ~霧の向こうに繋がる世界~』★★
タイトルトラックだから、これが製作陣的にはイチオシなのかな?
ゲーム主題歌だからなのか、アップテンポでキャッチー。SHのメタル路線とも
通じる曲調です。ただメロは良いけど、霜月さんの歌が少し力みすぎで、メタルな
曲に声を乗せるのに不慣れな感じを受け、あまり彼女の声質の柔らかさを
生かしたものになっていない感じなのが惜しいです。しかしこの曲の間奏…
軽くプログレ入ってる気がするんですが。かなりかっこいいので必聴です!!
【総評】
良いコンポーザーと良いヴォーカリストのコラボだけあって、なかなかの作品に
仕上がっていると思いますが、全体として個性がぶつかり合っているかというと
ちょっと首を傾げる部分も。正直お互いに道を譲り合ってる印象も受けるんですよね。
また色々なレビューでも既に指摘されている通り、コンセプトシングルっぽいのに
1、2曲目と3曲目では歌詞も曲もかなり温度差があるのも勿体無いです。
とは言っても、上の曲ごとの感想でも言った通り、1曲目は二つの個性がちゃんと
昇華されているように思いますし、3曲目の間奏なんかが象徴的ですがアレンジも
しっかり練られているので、両者どちらかのファンなら買って損は無いかと。
私もなんだかんだ言って結構リピート回数は多いです(笑)。


SOUND HORIZON ★★ (2006-11-13 20:22:00)

さっきオフィ覗いたら「Roman」の曲リスト出てました。
でもナレーター多っ。歌メロ減ってないかちょっと不安だったり…。
このグループのファンはやっぱりナレーション増えるのは歓迎なのかな?
ライブDVDは持ってないです…俄かファン丸出しかも(笑)


SOUND HORIZON ★★ (2006-11-27 18:01:00)

「朝と夜の物語」でヴォーカルを取っているHiver氏についてなんですけど…。
タワレコで買ったら「Roman Perfect Guide Book」という小冊子が貰えたんですが、
これによるとジャケの男性、おそらく曲に登場する人形師の名前は「Hiver」
だそうです。…つまり架空の人物という事ですよね。
この人形師の「Roman」の世界への関わり方を考えると、もしかしてHiver氏は
REVOさんなんじゃないかという気がするんですが…考えすぎでしょうか。
こないだREVOさんがテレビに出てましたが、微妙に声が似てた気も…。


SOUND HORIZON ★★ (2007-01-22 22:12:00)

>さいたまの仙人さん
ライブレポートお疲れ様です。
やっぱりあのヴォーカルREVOさんでしたか…しかも音外しまくりって(苦笑)。
まあ、あれだけキャッチーなメロディ書けてドラマティックなアレンジ出来て、
しかもコンセプトまで練れる上に歌も上手かったら完璧超人すぎますからね(笑)
そう思うと、あのヴォーカルも味が出てくる…のかな?
でもやっぱり「Roman」は賛否あるんですね。
私は「見えざる腕」「呪われし宝石」は彼らの曲の中でトップクラスに好きだけど
現時点での最高傑作は「ELYSION~楽園幻想物語組曲~」だと思ってます。
やっぱり後半の失速と、コンセプトの希薄さ、目立った特徴を持つ曲の少なさは痛い…
とはいえ、それ以外はかなり満足できる出来だったんですけどね。
でも、「~組曲」の方は「Roman」や「Chronicle 2nd」と比べると人気ないのかな?
現時点でレビューが一件(しかも私が書いたやつ)しかないですし…。
そういえば、カラオケDAMに「Roman」の全曲が配信されてました。
何曲か歌ってみましたが、全体的に難しくなってるような…。


SOUND HORIZON ★★ (2007-01-25 19:55:00)

>さいたまの仙人さん
Revoさんのギターリフは良いですよね。
「組曲」の頭二曲とか、何気に「Stardust」とかが特に好きです。
ポップスにメタル要素を取り入れる場合、何故かソロを重視してリフが疎かに
なるパターンが多い気がするんですが、彼はそこに陥っていないのが良いです。
しかしよりプログレ路線になるという事は、これからはZABADAKとかALI PROJECTに
近い音楽性になるのかな?このグループって展開は複雑になっても難解には
ならなそうですし、メロのキャッチーさや世界観の構築性が保たれていれば
ある程度音楽性が変わったとしても支持するつもりです。
それとMAPLE LEAFはかなりお勧めです!!
「ユラグソラ」とか聴くと生きてて良かったなぁ…とかしみじみ思いますもん(笑)


SOUND HORIZON ★★ (2007-08-02 23:09:00)

新譜出てたんですね。
今日CDショップに行って知りました…。
通常盤を買って来たんですけど、CDケースが黒くて不自然だったので(笑)、
開けてみるとHPのアドレスが…。早速見てみるとなにかの予告的な文字が…
またRomanの時みたくなんか企画やるんでしょうか。
こういうリスナーを楽しませようとする姿勢、大好きです。


SOUND HORIZON ★★ (2008-10-03 21:43:00)

SOUND HORIZONの凄い所って、例えばメタルやジャズ、プログレを初めとして
ロシア民謡や教会音楽など様々な音楽を取り入れていながら、アウトプットが
非常にキャッチーなところだと思います。
物語にしても、元ネタやトリビア的知識、曲同士の繋がりの解釈など枝葉末節には
確かに難解な部分があるかもしれませんが、根幹のストーリー自体はどの作品も
分かりやすくてシンプルで、間口が広い感じ。
だからこそ新作も(現時点で)6万枚以上のヒットになったんじゃないかと思います。
でも、それだけに、今回のキャラ名をギリシャ文字で表記したりといった
どうでもいい部分での不親切さは頂けないかも…。
歌詞をギリシャ語で歌ったりとかは雰囲気が出るし良いと思うんですが、
主人公の名前くらい明記しても別に雰囲気壊れたりしないと思うんですけどね…。
今作は台詞が聞き取り辛かったり、繋がりが分かりにくい部分が結構ある気がする。
ファンには枝葉の部分に解釈の余地を残してあるし、変に敷居を上げなくても…。
「Moira」は、例えば「冥王」と主人公の関連性、レオンティウスの母親が
死の間際にエレフの名を呼んだ事の意味、オルフと「魔女とラフレンツェ」の
オルフェウスの関係とか、色々ファンが妄想出来る余地は残してあるのだから、
人物名や双子の二度目の別れ、アルカディアでの政変など物語の基本的な部分は
もっと分かりやすくして、伝えるべき所はちゃんと伝えるメリハリが欲しかったです。
…でも、ボートラの隠し場所のアドレスの最後が「m-o-i-r-a」の他に
「moira」の「綴り間違いバージョン」まで用意してるのは頭が下がりました(笑)
これで「moira」の方にまで何か隠してあったら心底尊敬するわ…。