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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5701-5800

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5701-5800
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SOUTHERN ALL STARS - すいか SOUTHERN ALL STARS SPECIAL 61 SONGS - チャコの海岸物語 ★★★ (2005-05-05 23:15:48)

凄くロマンチックな曲なんですが、なんか以前の曲と比べても音質(特にヴォーカル)、くぐもってないですか?これもレトロ感を出す演出でしょうか…?
音質を故意に落とし邪悪さを演出するプリミティブ・ブラックの手法は実はサザンが先んじてやっていたのだった!!なんちゃって(笑)


SOUTHERN ALL STARS - イエローマン~星の王子様~ - イエローマン~星の王子様~ (2005-05-05 23:05:13)

私は「愛と欲望の日々」のカップリングで初めて聴きましたが、確かにこれは売れなさそうですね…(苦笑)最初聴いた時なんて「♪トゥルルルルルルル」のスキャットのメロしか頭に残らなかった。
でも「下衆なPleasure」「木偶のTreasure」とか、どうやらB'zのベストと掛けている訳ではないらしいですが大丈夫でしょうか?勘違いしたB'zファンを敵に回しかねない歌詞ですよ(笑)


SOUTHERN ALL STARS - キラーストリート - BOHBO No.5 ★★ (2005-10-11 11:28:33)

太い発声で「ハッスル」「マッスル」言うサビが、ダサくもかっこいい曲。特にラスト近くは盛り上がります。
でも「燃えろよボイン」は明らかにおっさんのセンスだなぁ(笑)これも開き直りなのかも。


SOUTHERN ALL STARS - キラーストリート - リボンの騎士 ★★ (2005-10-11 11:22:34)

曲自体はアダルティーで良い雰囲気ですが、歌詞はアダルトと言うよりおじさんの願望っぽいかも。しかもエロ(笑)インタビューで「開き直った」的な事を言ってましたが、こう開き直るとは…
桑田さん自身は、原さんのニュートラルな歌声のおかげでエロさが軽減されていると言ってましたが、個人的には何故か声質のせいでちょっと怖く感じてしまう。


SOUTHERN ALL STARS - キラーストリート - 愛と死の輪舞(ロンド) ★★★ (2005-10-10 23:18:57)

アルバムを一通り聴いてみて、真っ先に感性に響いてきたのがこの曲。
PARADISEもそうですが、退廃的な雰囲気の曲をサザンがやると、丁度良いポップさが加わって名曲が出来上がるっぽい。間奏、かっこいいなぁ…


SOUTHERN ALL STARS - キラーストリート - 雨上がりにもう一度キスをして ★★★ (2005-10-10 23:15:38)

「涙の海で抱かれたい」カップリング曲。
アルバム収録に当たって初めて聴きましたが、表題曲より…というよりキラーストリート収録のどのシングル曲より好き。いかにもサザンって感じのポップな曲ですが、メロディの切なさが群を抜いてます。


SOUTHERN ALL STARS - キラーストリート - 神の島遥か国 ★★ (2005-10-11 11:26:34)

私は「島唄」などの沖縄音楽とポップスの融合って何故か苦手なんですが、この曲は民族音楽方向に強く傾いたBメロのおかげか結構好き。
もしBメロがなかったら…(想像中)…やっぱりこの曲の肝はBメロだと思います。


SOUTHERN ALL STARS - ステレオ太陽族 - My Foreplay Music ★★★ (2005-05-03 22:29:28)

個人的にサザンはTUBEほど夏のイメージはないんですが、この曲は別。
70年台の古き良き砂浜や白いペントハウスの情景が浮かんできます…って、その年代、私は生まれてないですが(笑)
シングル向きなキャッチーな曲です。


SOUTHERN ALL STARS - ステレオ太陽族 - 栞(しおり)のテーマ (2005-05-05 23:21:59)

いとしのエリーや涙のキッス、TSUNAMIも勿論良いですが、個人的にサザンのバラードではリズムに特色のあるこの曲を推したい。父がいつも鼻歌で歌うのでいつのまにかメロディを覚えてしまいました(笑)
歌詞が感情移入しづらいのがちょっとネックかなぁ…


SOUTHERN ALL STARS - 稲村ジェーン - Love Potion No.9 ★★★ (2005-05-03 22:34:17)

カヴァー曲らしいですが、今まで聴いたサザンの曲のなかでは最も好きな部類に入ります。ウクレレとだみ声でフェイクを多用したヴォーカルが見事にマッチし、異色の世界観を作り上げている名曲。


SOUTHERN ALL STARS - 稲村ジェーン - 東京サリーちゃん ★★ (2005-05-03 22:25:23)

黄昏時に、子供を攫う怪人が出てきそうな如何わしい雰囲気がツボ。確かに歌詞は何語なのかも分からないほど意味不明なところがありますが、妙にノリが良くて好きです。


SOUTHERN ALL STARS - 世に万葉の花が咲くなり - シュラバ★ラ★バンバ ★★ (2005-05-04 09:10:26)

これは未だに歌詞の世界観が良く分かりません。
「Xがすごいじゃない」「Yが上手いじゃない」ってなに?染色体のこと??途中のラップが外人になりきったような感じで、上手くはまってます。


SOUTHERN ALL STARS - 熱い胸さわぎ - 女呼んでブギ ★★ (2005-05-04 00:33:50)

歌詞はお馬鹿の極北に位置する曲ですが、サウンドは取っ付きやすくてかっこいいです。特に何言ってるか聞き取れないフェイクが良い感じ。
中学生の頃に聴いた時は「もう一丁!」と甘い声の囁きが入る部分に何故かホラーを感じてしまい、結局録音できなかったという苦い思い出が…(笑)


SOUTHERN ALL STARS - 熱い胸さわぎ - 勝手にシンドバッド ★★ (2005-05-03 22:39:14)

ほんと、熱い曲ですよね(笑)
デビューからこんなオリジナリティ溢れる曲を書いていたことに驚きました。早口部分、カラオケでばっちりはまると気持ち良いです。誰でも知ってるから盛り上がるし、レパートリーに加えておくのもいいかも。


SOUTHERN ALL STARS - 綺麗 - そんなヒロシに騙されて ★★ (2005-05-04 11:56:49)

サザンってタイトルで「どんな曲なんだ!?」って思わせるのが上手いですよね。「ヒロシって誰?」みたいな(笑)
曲的にはベンチャーズ・サウンドと呼ばれるらしい、夏の海を思わせる古きよき日本のロックと言った感じのする曲で、原由子さんがヴォーカルを取っています。


SOV - Aklamerad Kalamitet ★★ (2016-07-08 11:27:40)

2016年発表のEP。
今の所この音源のみリリースしているようです。

ショップの紹介でSNSのアカウント等も特に持たず、正体不明のバンドとあっただけあって、音源を視聴できる所も見つからなかったんですが、何となく衝動的に購入してしまった一枚。しかも値段的にフルアルバムだと思ってたら6曲入り、演奏時間23分強のEPだったという…(笑)。

そんな感じでしたが、まあ内容的には悪くないですね。グルグルと渦巻くような低音がある意味でアトモスフェリック・ブラック的な音像を演出する、意図的にRawさを演出したブラックで、怨嗟や憎悪の篭もったエモーショナルな絶叫を聴かせるヴォーカルは少しハードコアテイスト入ってる感じでしょうか。

結構色々な要素を取り入れるタイプで、オールドスクールな疾走やメタリックなギターソロを見せたかと思えば、オープニングからデジタルな処理に抵抗がない柔軟さを垣間見せたり、パーカッシブなリズムで神秘性を演出しつつ女性ヴォーカルを入れたりなどの意外性を見せる部分も。ただ、作品自体の演奏時間が短くそれぞれの要素を楽しめる時間も短いのと、やっぱり王道のトレモロ疾走やメロブラ的な土着メロウなメロディが際立ってかっこよく聴こえる…というのはありますが。

独特の音像の中でのトレモロとかホント好きですし、悪くないんですが…流石にこの内容で2000円超えはちょっと割高に感じてしまいます(笑)。EPなら1500円くらいだと嬉しいんですが(笑)。


SPEKTR ★★ (2008-09-25 18:13:00)

フランス産ノイズ/インダストリアル・ブラック。
このバンドもCandlelightに行ったみたいですね。


SPEKTR - Mescalyne ★★ (2008-09-25 18:09:00)

2007年発表の4曲入りEP。

一口にノイズ要素を取り入れたブラックメタルと言っても、ILDJARNやSORTSINDのようにバンドサウンドそのものが非常にノイジーなタイプ、DARKSPACEやVELVET CACOONのようにある情景を描くための音像を獲得するためにノイズを使うタイプなど様々なバンドがいますが、このSPEKTRは基本ブラックメタルな展開にノイズを絡めていくタイプで、タイプ的には(ENSLAVEDのメンバーが演ってる)TRINACRIA辺りに近い作風だと思います。

曲の展開によってノイズ質のパターンを巧みに変えたり、捕らえどころのないリズム(ジャズ調?)を導入していたり、雰囲気を出すのにかなり気を使った音作りがなされてますね。TRINACRIAのような分かりやすさ、DARKSPACEなら宇宙、VELVET CACOONなら深海の闇に呑まれるような感覚などのインパクトに欠けるきらいはあり、多少難解な感じはしますが、臨死体験に望むかのような霊的なムードの濃さはこのバンドの専売特許と言えるのではないでしょうか。

これの前に出たフルレンスのタイトルからして「Near Death Experience」ですし(笑)。ブラックメタル特有の、雰囲気のある音を求める人にお勧めです。


SPEKTR - Mescalyne - Maze of Torment ★★★ (2008-09-25 18:12:32)

ダークアンビエント寄りの音作りで聴かせる曲。
これも雰囲気たっぷりでいいですね。死に瀕した病人が、夢の中で「向こう側」に向かって歩いていく夢を見ているような…そんな感じの情景が思い浮かびます。


SPEKTR - Mescalyne - Mescalyne ★★ (2008-09-25 18:11:38)

ブチブチいうノイズを掻き分けて走るパートが好きです。
この世あらざる場所に向かって疾走してるみたいな。


SPELLCRAFT ★★ (2013-08-18 11:25:40)

スペイン産ブラックメタルバンド。
メンバーの殆どがOUIJA関連。


SPELLCRAFT - Yersinia Pestis ★★★ (2013-08-18 11:27:28)

2012年発表の2nd。

関連バンドのOUIJAの最新EPが素晴らしかったので、このバンドの最新作であるこのアルバムも聴いてみたんですが…これもOUIJAに負けず劣らず素晴らしいですね。変にアングラな作風ではなく、エクストリームメタルとして確かな品質を持つブラックという点ではOUIJAと同様ですが、MARDUK辺りのブルータルブラックに近かったOUIJAと比べると、こちらは刻みリフやメロディックなフレーズ等の多用、一部にヴァイキング風朗唱を導入するなど、よりドラマティックさに重きを置いたような音。

…と言っても、整いながらもブラック特有の刺々しさを感じるプロダクション、タメの効いたヴォーカルの凶悪さなどもあり、全く「ぬるいブラック」にはなっていないのでご安心を。メロディのセンスも時折黎明期の北欧産ブラックを思わせるような、土着性を感じる部分もあり十二分にダークで呪術的。特にタイトル曲で聴けるリフなんて、まるで「Storm of the Light’s Bane」期のDISSECTIONを思わせる邪悪な寒々しさがあって、メロディック・ブラックとして非常にかっこいい。

これはエクストリームメタルとしてのクオリティの高さと、ブラックメタルとしての呪術的なムード、そして程よいメロディアスさがバランス良く共存している、かなり素晴らしい作品だと思います。CRYING BLOODやGOTHMOGといい、デス中心のレーベルながら良質なブラック多いですよね、このレーベル。


SRODEK ★★ (2012-07-08 22:23:56)

スウェーデン産ブラック。
SVARTI LOGHINのライブメンバーでもあるNekrofucker氏によるプロジェクト。


SRODEK - FORFALL ★★ (2012-07-08 22:24:42)

2011年発表の2nd。

鬱ブラックの中では、結構個性的な音を出してるバンドですね。
他の同系統のバンドと比べるとトレモロリフの使用頻度はかなり低めで、代わりに妙に温かくて太い音色のベースラインと、アコギやアルペジオを多用したギターワークを絡めて浮遊感を演出し、そこにノイジーなギターが更にレイヤーを重ね、閉塞感のあるムードを醸し出している感じですね。

トレモロリフと陰鬱なメロディで攻める、一般的な鬱ブラックは抑鬱された心情が伝わってくるようなものが多いんですが、このバンドはこの音作りに加えてシューゲイザー系にも通じる、温かみのあるメロディを交えてくる事も相俟って、壊れゆく精神を覗いているような感覚に陥りますね…。ヴォーカルがデス声というよりも、発狂した男が閉じ込められた独房から聞こえてくる怒声のような生々しい叫びなのもその感覚を助長してます。

鬱ブラック特有の物悲しさや精神に来る感覚を、他のバンドとは少し違う切り口で表現した作品だと思います。MORTUALIAやTHROUGH THE PAIN辺りの、このジャンルでも代表格より一歩踏み込んだバンドが好きな方にお勧め。


SSORC - Infidel Eternal ★★★ (2008-01-29 20:39:00)

2005年発表の1st。

日本のバンドながら、よくノルウェーを始めとした北欧勢が比較対象にされているようですが…確かに、彼らはいかにも日本人好みなメタルをするつもりなんか、さらさら無さそうですね(笑)。禁欲的なくらい真っ黒なブラックメタルをやっております。

甘くなりすぎずに程よくメロウさを加味したリフといい、RAWな音色のドラムといい、どこかSATANIC WARMASTERの1st辺りを思わせるプリミティブな感性がある音だと思いますが、このバンドの場合、ブラスト率高めのブルータリティがあったり、狂気をぶちまけるような曲やメタリックな高揚をもたらす曲も挟み、飽きさせないアルバム構成にしていたりする辺り、ブラック好き以外のメタラーにもよりアピール出来る音ではないでしょうか。
個人的にはどこかMAYHEMのWolf's~とも似た聴き心地があるように思います。ヴォーカルの歌い方も粘りのある高音絶叫でかなり好み。

また、曲の良さだけでなく、音そのものの良さも特筆もの。
まずギターは、「7th strings northern blizzard warrior」のクレジットがある通り、吹雪を思わせる音ですが、DISSECTIONのような雪原にブリザードが吹き荒れる情景というよりも、酸化してドス黒くなった血の霙が打ち付けてくるような情景が浮かぶ禍々しさと太さを備えた音色だし、ドラムの音は前述の通りRAWで抜けがよく、曲のブルータリティを良く伝えてくれるし、ヴォーカルのミックスも丁度良い大きさだと思います。途中一瞬ベースのみになるパートもありますが、ベースだけでも気持ち良い…ブラックらしい黒さ満載で、もう音だけで悶絶できるくらい素晴らしい音質です。

北欧勢に引けを取らない所か、世界基準で名盤といっていいほどの作品ではないでしょうか。日本からこのアルバムが出たことを誇りに思いたいですね。


SSORC - Infidel Eternal - Before There Is Light ★★★ (2008-01-29 20:45:24)

イントロのドス黒いエナジーが集まってくるようなリフからヴォーカルの普通声の詠唱に繋がる部分からして、「何の儀式?」って思うくらい雰囲気ありますね…聴いているとなんかもうどうでも良くなってきます。


SSORC - Infidel Eternal - Black Metal Terrorism ★★ (2008-01-29 20:47:09)

歌詞といい、MAYHEMのDeathcrushを思わせるリフ捌きといい、インナーサークルへのオマージュ的なものが感じられる曲。ボーナス曲もかっこいいけど、早送りするのが少し面倒かも。


SSORC - Infidel Eternal - Caller of the Typhoon ★★★ (2008-01-29 20:44:39)

1曲目のイントロの時点でもう期待値の針が振り切れそうになってましたが…この曲に入ったとき、余りにも期待に応えすぎた音でにやけるのを押さえ切れないくらいでした(笑)。音も曲もブラックとして完璧ですね。


SSORC - Infidel Eternal - Downwards the Roots of Darkness ★★ (2008-01-29 20:46:17)

この曲はリフにどこかメタリックな高揚を感じられます。
…が、その音色はやっぱり濃い血靄に包まれるような雰囲気でブラックらしい禍々しさ。


SSORC - Infidel Eternal - The Relentless Agony Intimidates Me Into the Black Silence as a New Moon ★★★ (2008-01-29 20:43:47)

本当の所はどうか分かりませんが、ヴォーカルの重ねた部分以外は一発録りで録音されたんじゃないかと思うほど、直接的な狂気が封じ込められた曲。でも後半のリフ捌きは病んだメロウさを演出していて、それだけでは終わらないセンスの良さが光ります。


STABAT MATER ★★ (2006-06-04 22:04:00)

フィンランドのフューネラルドゥームメタルバンド。
まだCDではスプリットやVAにしか参加していないため、ややマイナーかも
しれませんが、DEATHSPELL OMEGAのMikkoのバンドという事で追加してみました。
でもそのスプリットもWORSHIPやMOURNFUL CONGREGATIONとだったりして豪華。
もうそのスプリット手に入らないかな…


STABAT MATER - Crushing the Holy Trinity (father) - Above Him ★★★ (2006-06-04 22:01:23)

ドゥームをまともに聴いたのは、VAに入ってたこの曲が初めて。
ぶっちゃけ最初はリフはメロディが無いし、遅いし単調だしで好きじゃなかったんですが、何度か聴いて楽しみ方が分かってくると途端に好きな曲に変わりました。Mikko.Aの声は録音のせいもあってか、Deathspell Omagaでのそれよりもディープでロウな感じ。その声がドゥームサウンドとよくマッチし、破滅が迫ってくるというよりもむしろその真っ最中にいるかのような感覚を味あわせてくれます。そこに宗教がかったコーラスが入ると、まるで真っ黒な空に穴が開き、そこからラッパを持った天使が人間を滅ぼす為に次々と舞い降りてくるような、まさに黙示禄的な光景が目に浮かんでくるみたい。ドゥームなので長い(約18分)ですが、こういう雰囲気が人はツボでしょう。


STABAT MATER - Stabat Mater ★★ (2009-08-16 18:28:00)

2009年発表の1st。
ケース横の「s/t」はセルフ・タイトルドの略で、アルバムタイトルが
バンド名と同じである、という意味です…って、知ってると思いますが(笑)。
STABAT MATERはフィンランド・アングラメタル界の最重要人物であるMikko Aspaの
演っているフューネラルドゥームとして有名ですが、如何せん入手可能音源が少なかったので
この1stアルバムの発売を待ち望んでいた人も多かったのではないでしょうか。
V.A.「Crushing the Holy Trinity」に提供した音源では、聖歌のSEを絡めて宗教的な
雰囲気を演出しつつ、重く引き摺るリフとMikkoのディープなデス声で聴き手を沈ませるような
作風でしたが、今回も基本はその路線を踏襲している感じですね。但し、敢えてリフに刻みを
入れて圧迫感を演出したり、アトモスフェリックなキーを被せたり、悲痛なメロディを
導入したりなど、更に色々な手法を取り入れてます。ごく僅かながら疾走パートまであったり。
しかし、個人的には手法の増加よりも変化したと感じたのは、音がより乾いたものに
なったこと。これによって、更に無慈悲さが際立ったような気がします。
「Triumph of Genocide」では戦争の情景が描かれてますが、明らかにその悲惨さを伝えて
戦争反対を訴える事より、リスナーの眼前に残酷な情景を突きつける事を目的としてる感じ。
私もこのバンドの1stは待ち望んでいたので、入荷してからすぐに買ってしまったんですが、
期待通りの音楽性・クオリティで満足。今までの作品はスプリットやオムニバス、それも入手が
難しいものばかりでしたが、こうして1stが出たことで、葬式ドゥーム界にもMikkoは
確固たる爪痕を残すのではないでしょうか。最早彼がアングラメタル界を牛耳る日も近い…!?


STABAT MATER - Stabat Mater - Stabat Mater ★★★ (2009-08-16 18:34:07)

この悲痛さ、十字架を引きずって歩いてるみたい…Mikkoはメロディのセンスもいいですね。それが「悲痛さ」という、アングライズムに繋がるものだからこそ、メロディ面でも才能を発揮できるのかもしれません。SEを挟んで、普通声も入れてきますが…彼の普通声は珍しいのでは。WORSHIPが「Dooom」で演ってたような、低音の渋い素敵な声で歌っております。


STAHLSARG - Comrades in Death ★★★ (2016-08-13 09:50:34)

2015年発表の1st。
EASTERN FRONTの元メンバーが在籍。

…まず一つ言いたいのは、このアルバムが非常に優れたメロブラである…という事ですね。ブラックらしい邪悪メロウなトレモロで聴かせる展開を主軸に、メロデスにも通じる展開の起伏、デスメタル的な重さなども取り入れた良いとこ取りなサウンドですが、トレモロリフで攻めるパートにはDARK FUNERALにも通じる暗黒性と叙情性のバランスの良さが感じられ、決して中途半端にならないレベルの高さがあるように思います。プロダクションもクリアながら、モダン過ぎて聴き疲れしたり雰囲気を損なったりすることのない良質なもので、全体的に高品質な逸品。

ただ、二つほど大きな欠点があるのが惜しいんですよね…。まず一つはヴォーカル。ドスを効かせてがなるスタイルは禍々しさを感じさせ非常に宜しい…のですが、何故かアクセントにハイトーンが崩れたような奇矯な高音を交えてくるのがキッツい。シリアスな邪悪ムードを滑稽なピエロ声でぶち壊す様には苛立ちを禁じえません。
もう一つはジャケット…正直全然ブラックっぽくないし、バンドの出自を知らなかったら手に取ろうとは思わなかったかも。ケース側面のフォントもブラックメタルっぽくないですし、なかなかこんな良質なブラックを演っているとは想像しがたいアートワークなんですよね。

正直ヴォーカルのスタイルが余りにも好みから外れてるので星2個の評価にしようと思いましたが、路線自体はかなり好みなのでやはり3つで。色々と惜しい作品です。


STALAGGH ★★ (2006-02-27 08:05:00)

詳細は不明ですが、ベルギー、オランダのブラック・インダストリアルシーンの
トップミュージシャン達が集まって結成したバンド、らしいです。
らくがきの方で話題になっていたので追加してみました。
良識派メタラーの不興を買いそうですが、もう構いません(笑)
…数年前、まだ中学生の時お昼の放送でDir en greyの「残-ZAN-」が流れ
「こんなの音楽じゃない!!」と思ったんですが、それから色々な音楽を聴き
あれはまだまだ「真っ当な」音楽だなぁ…と思うようになりました。
そして今、自信を持って言います。「こんなの音楽じゃない!!」(笑)
しかしこのバンド、深い憎しみを表現する為にヴォーカルパートに16歳で
自分の母親を殺害した精神異常者の声が入っていると聴いたんですが…
本当なんでしょうか…


STALAGGH ★★ (2006-04-15 20:45:00)

このバンドってDVD出してるんですか…。
見てみたいような、恐ろしいような(笑)


STALAGGH ★★ (2006-04-16 11:19:00)

>カズチンさん
今調べてみたんですが、PROJECT TERRRORの為に作った映像らしいです。
ということは、やっぱりPVなんでしょうか。
見てみたいですけど、更に調べると50枚限定と言う事が判明(苦笑)
全く手に入れられそうにないような限定枚数なんですが…


STALAGGH ★★ (2006-10-16 23:17:00)

>カズチンさん
私はまだ見てないです…。
しかし、あの音楽性だし50枚だからもっとエグい(本物の殺人の画像とか)かと
思ってましたが、流石にそんなものを流すわけはないですね(笑)
戦争の映像という事は、単に不快感を煽るだけじゃなくて何か意図があって
そういうPVにしてるのかもしれませんね。まああの音楽から恐怖感以外の
意図を感じる方が難しそうですが…(笑)
しかしNIHILISTIL TERRRORはこれを70分以上ですか…
流石に頭痛くなりそうです。


STALAGGH ★★ (2006-10-16 23:37:00)

>カズチンさん
情報ありがとうございます。
まあこの人たちが「俺たちは戦争の悲惨さを伝える事で、戦争反対を
訴える為にこのPVを作ったんだ」とか言ったら、それはそれで白々しいですよね(笑)


STALAGGH ★★ (2007-10-28 21:12:00)

今月のMetal Maniac誌にインタビュー載ってます!!
個人名は明かさないバンド名義での受け答えですが、まさか載るとは…
しかし、本当にヴォーカルに精神異常者を使ってるんですね。
最新作「Projekt Misanthropia」は最も使った精神病患者の数が多いとか。
ちなみにこのバンド、メンバーは流動的でアルバム毎に異なるみたいですね。


STALAGGH ★★ (2007-10-31 16:20:00)

>カズチンさん
お久し振りです。
このバンドは「俺たちを支持する事は、音楽のスタイルを支持する事ではなく
イデオロギーを支持する事と知れ」みたいに言ってますしね。
という訳で、STALAGGHについての伝説(?)をいくつか。
…こんな事を書き込んじゃって良いんでしょうか(笑)。
STALAGGH伝説・その1:
バンドはセラピー効果として精神病患者に叫ばせている事を否定。
むしろ、それは施設に対しての患者を使う事への方便らしい。
なので患者が施設に戻った時、何か問題が起これば精神病患者をヴォーカルに
起用できなくなってしまう畏れもあるとか。
STALAGGH伝説・その2:
アルバム「NIHILISTIK TERRROR」に収録されているタイトルなしの5分の曲。
あの曲には、頭蓋骨を砕き鉄のボウルに入れたパーカッションが使われているらしい。
STALAGGH伝説・その3:
16歳で母親を殺害した例の彼は、交通事故で亡くなってしまったらしい。
しかしバンドは、その前に彼に殺害の理由を訊く事が出来た。
彼は幼少の頃、伯父に性的虐待を受けており、それを黙認していた母親に対して
憎しみを抱いていたとか。結果、彼は彼女をナイフで30箇所以上も刺し、殺害した。
…いずれも情報ソースが英語(Metal Maniac誌とEncyclopaedia Metallum)だし、
前者は辞書も無い状態でさらっと立ち読みしただけなので、間違ってるかも。
バンド側の情報操作の可能性もなきにしもあらずですし、信じるかどうかは自由という事で(笑)


STALAGGH - Projekt Terrror ★★ (2006-02-27 07:58:00)

2004年発表の2nd。1曲入り34分のアルバムです。

まずジャケットの対話する事さえ困難そうな男の瞳や、ブックレットに載っているミイラの写真からしてやばい雰囲気がただよってますね。これ、ジャンルは一応アンビエント・ブラックらしいですけど、もはやブラックメタルでも音楽でもなんでもないのでは…

一応、ごく淡々とリズムを刻む所やリフ(の断片のような物)は出てきますが、音の九割以上はノイズと悲鳴。ラジオのホワイトノイズのようなものから、頭の中を真っ白にするような轟音、ハレーションのような高音など色々なタイプのノイズを組み合わせて作った暴力的な音にヴォーカルを乗せた感じですが、そのヴォーカルも普通のデスヴォイスが爽やかに聴こえるほど「アレ」な感じです(笑)。

ちゃんとしたヴォーカリストに歌わせてるというより、そこらへんの一般人を拉致監禁の上拷問して、それを録音して悲鳴を抽出したような悲痛さがある悲鳴やうめきばっかりです。しかし30分前後の超轟音のノイズとか凄い事になってるんですが…最初聴いた時、本気でコンポが壊れるかと思いました(笑)。でも途中の荒れ狂っていたノイズが「バシュゥゥゥゥ…」と収束して行くパートとか、結構気持ちよさを感じるかもしれない…やばいかも。

世の中にノイズを取り入れたり、アヴァンギャルドな事をやっているバンドはそれこそ星の数ほどいると思いますが、ここまで「恐怖」のみに特化した奇形の音楽ってちょっと他に無いのでは…これと比べるとILDJARNやSORTSINDですら綺麗な音楽という気がしてきます。流石におすすめはしません(笑)。


STAR OF ASH ★★ (2005-06-02 20:42:00)

Peccatumで活躍する、IhrielことHeidi S Tveitanのプロジェクト。
アルバムは一枚しか出していませんが、GarmやIhsahnも参加しているので彼等のファンもチェックです。
それにしても、Ihriel一人でもこれだけ素晴らしい曲が作れるんだから、そこにIhsahnが加わったPeccatumって凄いプロジェクトなのでは…


STAR OF ASH - The Thread ★★ (2009-01-12 20:49:00)

2008年発表の2nd。
Ihriel(今作からはStarofashを名乗ってる模様)がサングラス掛けてる、どこか垢抜けた
雰囲気のジャケを見て、「洗練されすぎてゴシックな雰囲気や作りこまれた世界観が
減退してしまったりして…」と危惧してましたが、全くそんなことはありませんね。
Ihrielのミステリアスなヴォーカル、深い叙情を紡ぎあげるピアノやキーボード、
実験的な音響処理など深遠な音使いによって丁寧に描写される世界観の作りこみは、
前作よりも深み、濃厚さ共に上がっているのではないでしょうか。
メタル色の薄い、ポストロック/ポストメタル的な音像は、PECCATUM「Lost in Reverie」や
ULVER「Blood Inside」辺りに通じる雰囲気がありますが、私がこの作品がそれらの作品と
決定的に異なると思うのは、奇怪ではあっても、パラノイアックな展開であったり、
悪意に満ちた雰囲気であったり、「攻撃性」に繋がるような空気感が余り感じられない事。
前作よりも雰囲気が濃厚なこともあって、聴いているとゴシック的な怪奇世界の住人の
日常生活を覗き、体験しているような気分になってきます。
Ihrielという綺麗な声、自分のヴォーカルスタイルの両方を持っているヴォーカリストの
プロジェクトにしてはインスト部分が多い作風ですが、これも世界観の描写を重視しての
ことでしょうね。こういうの聴きながら育ったら、すっごい空想好きで感受性の豊かな子供に育ちそう(笑)。
…やっぱりIhrielってIhsahnに負けないくらいの才能の持ち主だと思うし、このアルバムも
素晴らしいと思うんですが、これを聴いてPECCATUM再結成して欲しいなぁ…とか思いました。
Ihrielの幻想世界の描写能力と、Ihsahnの崇高な暗黒世界の構築力が見事に合わさって出来た
「Lost in Reverie」は個人的に神格化レベルで好きですもん。


STAR OF ASH - Ulterior (original Motion Picture Soundtrack) ★★ (2009-09-26 19:30:00)

2009年に、StarofashことHeidi S Tveitanにより制作されたサウンドトラック。
22曲入りで約34分収録。300枚限定。
本来映像と一体となって世界観を作り上げるものである、映画のサウンドトラックという
性格上なのか、今回はいつものようなサンプリングなどを駆使し、繊細に暗黒世界を構築する
演出や、彼女の神秘的な歌声は控え目(あるといえばある、程度)で、8割方ピアノにより
静かなメロディを奏でる音楽性。と言っても、ピアノの低音がゴシック的な恐怖感を醸し出す
「No Jacob's Dream(1,2)」や、ヴォーカルも入り、これまでの彼女の作風を踏襲したような
「Empty Me」などは、前2作を愛聴したファンなら確実に楽しめるはず。
…でも、ピアノによる地味目なフレーズが数曲を通して、何度も繰り返して使われながら
進行していく前半部分なんかは余りにも地味だし、ULVERの二枚のサントラのように
アーティストの新しい側面が見られるようなものでもないため、300枚限定でなければ
後回しにしてもいいアルバムかも…。ちなみに私が買ったのは46番でした。


STAR OF ASH - iter.viator. ★★ (2005-06-02 20:37:00)

2002年発表の1stアルバム。
でもインタビューによると、最初で最後のアルバムになる可能性もあるとか…。
この作品なんですが、とにかく参加メンバーが豪華です。
なんとPeccatumのIhsahn、UlverのGarm(このアルバムではそれぞれVegard Tveitan、
Kris G Ryggとクレジットされてます。)という二人の音楽探求を続ける天才が
ギターやコーラスなどで参加しているだけでなく、ドラムはPeccatumの「Lost in Reverie」で
素晴らしい技巧を見せてくれたKnut Aalefjaerという人物が担当しています。
このメンバーがIhrielの感性が存分に発揮された耽美で、怪奇な世界観を表現すると言うのだから、
悪いものが出来る可能性なんて無いですね。
音楽的にはPeccatumの「Lost in Reverie」「The Moribund Peple EP」の路線に近い音楽性で、
Ihrielのヴォーカルやピアノ、ストリングス、サンプリングなどを駆使し、ミディアムテンポで
美しく、悲劇的なメロディをたっぷりと聴かせてくれます。
ただPeccatumと違って、ブラック色は全くと言って良いほど無く、全体を通して静かな雰囲気です。
その代わりにこの作品ではメロディがより強調されている感じです。
確かこれより一つ前のIhrielが参加した作品って、Peccatumの「Amor Fati」だったと思うんですが、
その作品と比べると、自分に合った歌い方を見つけたような気がします。
なんかIhrielの歌声って、他の女性ヴォーカルよりも金属的な響きを持っているように思うんですよね…
最近のPeccatumの作品ではさほど歌い方を変えていないようなので、
もしかしたらこのアルバムを作った事で何かを掴んだのかもしれません。
ちなみにクレジットのサンクス欄を見てみると、MY ONE AND ONLY VEGARD
FOR LOVE,SUPPORT AND PATIENCEって書いてあるんですが、
なんだか可愛いっていうか微笑ましいですね(笑)。やってる音楽は可愛いとはかなりかけ離れてますが(笑)


STAR OF ASH - iter.viator. - Beautiful as Torment ★★ (2005-06-02 20:40:42)

インダストリアル・ノイズの効いた低音と幽霊じみたヴォーカルの掛け合いに、ピアノが被さってくるパートがとても印象的。Ihrielって耽美で悲しげで、ちょっと怪奇趣味も入った曲を好みますよね。Ihsahnと趣味が合うのも分かる気がする。


STAR OF ASH - iter.viator. - Death Salutes Atropos ★★ (2005-06-03 20:21:18)

オフィシャルにダウンロードコーナーがあったり、本人的にプッシュしているであろう曲。
イントロからドラマチックな感じはしますけど、やっぱり他の曲同様キャッチーではないですね(笑)。


STAR OF ASH - iter.viator. - In the Throws of Guilt ★★★ (2005-06-02 20:41:44)

ストリングスのみならず、合唱(クレジットを見ると、IhrielとIhsahnも密かに参加してます)やブラスも入ったオーケストレーションで実に壮大に聴かせてくれる、約11分の大作。金色に黄昏た曇り空から何本もの陽光が天使の梯子の様に降りてくるようなイメージを喚起させるような荘厳な曲で、アルバム鑑賞中、うたた寝をしてしまいこの曲の再生中に目が醒めたら、寝てる間に大災害でも起きて死んでしまい、いつのまにか天国に来てしまった様な錯覚をおこしてしまうかも(笑)。


STAR OF ASH - iter.viator. - Odi et Amo ★★★ (2005-06-03 20:20:47)

ラテン語で「私は憎み、そして愛する」の意味を持つタイトルを冠された曲。
それにしても、このKnutというドラマーは上手いですね。テンポはそれほど早くないんですが、この曲を聴くと早いだけが全てじゃない事が良く分かります。隠し味的に盛り込まれた民族的なリズムもあって、この曲のリズムセクションは特に聴き所です。


STAR OF ASH - iter.viator. - Sanies ★★ (2005-06-02 20:39:40)

ヴォーカル入りとしては一曲目に位置する曲ですが、歌が入るまでが3分と長めです。一曲目のインストとあわせると約5分でヴォーカリスト中心のプロジェクトとは思えない(笑)。全体的に大人しい曲調ですが、後半のアバンギャルドな部分はなかなかかっこいいです。ただ、その部分の悲鳴みたいな声はちょっと…


STAR OF ASH - iter.viator. - The Nudity of Light ★★★ (2005-06-03 20:21:05)

Garmがヴォーカルとして参加した曲。
やっぱり彼のヴォーカル良すぎです。この曲では囁くように歌ってますが、ULVERの「Lost In Moment」にも匹敵するセクシーさで素晴らしいです。「sickens me」で悶絶(笑)。Ihrielの妖艶な歌声やピアノの音色の貢献もあり、とても色気のある曲になっています。


STERBENZEIT - Werdet leiden ★★ (2014-05-04 12:51:42)

2010年発表の1st。

この作品、かのSelf Mutilation Servicesからリリースされてるんですが、如何にもって音ですよね(笑)。悲痛に裏返った絶叫、人生を諦めたくなる気持ちを促進するような鬱トレモロ、基本スローに粛々と展開していくテンポなど、ほぼ鬱ブラックのテンプレート通りの作風ながら、ヴォーカルの悲壮感、メロディの陰鬱さなど、鬱ブラックを構成する基本要素のレベルはなかなかに高いと思う。

ただ、トレモロのメロディは聴き取り易いものの、何故かドラムの音色がかなりRaw。金物の音が若干耳に痛いのが微妙ですが、バスドラの響くような音が妙に音質に陰り・湿り気を与えていて、雰囲気はかなり出ていると思う。後半面白いリズム展開もあるものの、特に前半はミニマル志向が強めで、鬱系としてはややマニア向け…というかジャンルを踏み込んで聴いてる人向けでしょうか。まあこのドゥーミーでグルーミーな雰囲気を纏いつつ、ゆっくり展開していく構成は鬱ブラ好きなら、むしろ好ましいところでしょうけど。


STIELAS STORHETT - Expulse ★★★ (2013-12-17 10:43:50)

2011年発表の2nd。

一口にアヴァンブラックと言っても様々なタイプがありますが、このバンドは他ジャンルの音を積極的に取り入れていくタイプではなく(一部にサックスを用いたムーディなパートがあったり、悲鳴やナレーション等のSEを導入しているくらい)、あくまでブラックメタルの範疇内でフレーズに不条理性や捻りを持たせ、それを病的な雰囲気へと繋げていくタイプの作風ですね。

どこかサイケデリックに煙るような音色のディストーション、聴き手を幻惑するような不条理性を感じさせるメロディ、カタルシスを感じるような神秘系トレモロ、音像に変化をもたせ、不安を煽るような刻みリフ…など、楽曲に込められた工夫がもたらす世界観は確かに精神を冒すようなムードを感じるものですが、作風全体としては意外にもメロディアスな作りになっているのもポイントですね。

檻に入れられた病んだ人間が、壁を爪で引っ掻いているかの如き地声の混じった壮絶絶叫ヴォーカルや、女性の悲鳴等を用いたSEによる演出効果もあり、個人的にはフレンチブラックに通じるメロウさに、LIFELOVER辺りのサイコティックな雰囲気をプラスしたような印象を受ける音なんですよね。人を寄せ付けないムードはあれど、メロディが良いのでこの手が好きであれば取っ付きづらさを感じることはないと思います。

ロシアのブラックですが、全くロシアっぽさを感じない作風です(笑)。北欧やフランス辺りのちょっと捻くれて、病んだ感性を持つバンドが好きな方にお勧め。


STIGMHATE - THE SUN COLLAPSE ★★★ (2012-08-12 12:24:41)

2012年発表の3rd。
端的に言ってしまえば、DARK FUNERALやNAGLFAR辺りに通じる、ファストでメロディックなブラックなんですが…この手の中でも、代表格のバンドに肉薄するクオリティを持った作品ではないでしょうか。

DARK FUNERALを「業火系」と評しているレビューがありましたが、このバンドも同じ特性を持っていると思う。ブラスト中心の苛烈なリズムとノイジーで厚みのあるリフが吹き上がる地獄の業火の如き音の壁を生み、そこにメロディックで邪悪なトレモロで追い討ちをかけるような音で、ヴォーカルも炎に焼かれているかのような凄絶な絶叫をかましてくれます。

素晴らしいのは、DARK FUNERALやNAGLFARと比べても見劣りしないメロディの良さがあることですね。寒々しさとか禍々しさとか、この手の作風に必要な要素は当然持ってるんですが、それに加えて背徳的なムードであるとか、流出する悪のオーラであるとか、聴き手を悪魔の棲み家にトリップさせるような、もう一段上の邪悪さがある感じ。他のメロディックなジャンルではなかなか出てこない、如何にもブラックメタルといったメロディが本当に素晴らしい。

まだ知名度的にはマイナーなだけに、DARK FUNERALやNAGLFARの近作と比べると垢抜けなさはあるかもしれませんが、それを差し引いてもメロブラ好きには魅力的な一枚だと思う。邪悪なメロディとファストなリズムという、分かりやすいブラックの魅力が詰まっているので、このジャンルに入門してもう少し深い所も知りたいという方にもお勧めです。


STONE SOUR - Stone Sour ★★ (2004-06-01 21:04:00)

SLIPKNOTのCoreyとJamesが中心となったプロジェクト、STONESOURの1stアルバム。
とにかくみなさんの言う通り、Coreyの歌声が凄く良いです。SLIPKNOTで見せたようなシャウトの他にもメロディアスに歌い上げる所もあり、また疲れ切ったように呟く所やわめき散らすような所など、かなり表現力のあるボーカリストである事を再認識できます。
ただ、プッシュされている2曲「Get inside」や「Bother」などは緩急の点でも極端なもので、アルバムを通して聴くと似たようなテンションの曲が続く所が多く構成的にやや不満が残る所もありました。
でも「Inhale」の疲れきったような絶望感に満ちた曲、「Tumult」「Inside the cynic」の疾走感などはかなりかっこよく、「Monolith」のようなシャウトが殆どないハードロックもあり「SLIPKNOTは激しすぎるのでちょっと…」という人でも楽しめるアルバムだと思います。
インタビューでは「Superego(このバンドにつけられる予定だった名前)の曲の殆どは屍体愛好について歌っている」という発言をしていたようですが、私が歌詞を読んでいて感じたのは人間的な悩みや怒りでした(「Inhale」なんて悲惨な歌詞だ…)。歌詞、バンド名変更にあたって書き直したのでしょうか?


STONE SOUR - Stone Sour - Get Inside ★★★ (2003-11-20 03:39:00)

彼らの元のバンドであるSLIPKNOTを髣髴とさせる、アグレッシブなミクスチャーナンバー。
SLIPKNOTとの差別化を無理矢理しないところが潔くて良いです。こっちもカッコイイ!!


STONE SOUR - Stone Sour - Inhale ★★ (2003-11-20 03:38:46)

アルバム「STONE SOUR」ではメロディアスでややハードなミディアムナンバーが幅を利かせていますが、その中でもこの曲は格好良いです。
哀愁漂う歌メロをコリィの流麗なボーカルで歌われるとグッとくる物があります。


STONE SOUR - Stone Sour - Inside the Cynic ★★★ (2004-06-01 21:03:51)

日本盤ボーナストラック。
ホンとにSLIPKNOT関連のボーナス曲は充実してます…この曲はボーナストラックには勿体無いほどかっこいい、疾走感のあるハード・ロックで、終わり方もすっきりしていて気持ち良く聴けます。


STONE SOUR - Stone Sour - Tumult ★★★ (2004-06-01 21:03:31)

イントロからスリリングに聴かせてくれる、アルバムでもかっこよさでは右に出る物は無いという程のかっこいい曲。
Coreyの歌に対して合いの手的に入るギターやドラムが良い感じです。


STONESOUR - Stone Sour ★★ (2004-06-01 21:04:00)

SLIPKNOTのCoreyとJamesが中心となったプロジェクト、STONESOURの1stアルバム。
とにかくみなさんの言う通り、Coreyの歌声が凄く良いです。SLIPKNOTで見せたようなシャウトの他にもメロディアスに歌い上げる所もあり、また疲れ切ったように呟く所やわめき散らすような所など、かなり表現力のあるボーカリストである事を再認識できます。
ただ、プッシュされている2曲「Get inside」や「Bother」などは緩急の点でも極端なもので、アルバムを通して聴くと似たようなテンションの曲が続く所が多く構成的にやや不満が残る所もありました。
でも「Inhale」の疲れきったような絶望感に満ちた曲、「Tumult」「Inside the cynic」の疾走感などはかなりかっこよく、「Monolith」のようなシャウトが殆どないハードロックもあり「SLIPKNOTは激しすぎるのでちょっと…」という人でも楽しめるアルバムだと思います。
インタビューでは「Superego(このバンドにつけられる予定だった名前)の曲の殆どは屍体愛好について歌っている」という発言をしていたようですが、私が歌詞を読んでいて感じたのは人間的な悩みや怒りでした(「Inhale」なんて悲惨な歌詞だ…)。歌詞、バンド名変更にあたって書き直したのでしょうか?


STONESOUR - Stone Sour - Get Inside ★★★ (2003-11-20 03:39:00)

彼らの元のバンドであるSLIPKNOTを髣髴とさせる、アグレッシブなミクスチャーナンバー。
SLIPKNOTとの差別化を無理矢理しないところが潔くて良いです。こっちもカッコイイ!!


STONESOUR - Stone Sour - Inhale ★★ (2003-11-20 03:38:46)

アルバム「STONE SOUR」ではメロディアスでややハードなミディアムナンバーが幅を利かせていますが、その中でもこの曲は格好良いです。
哀愁漂う歌メロをコリィの流麗なボーカルで歌われるとグッとくる物があります。


STONESOUR - Stone Sour - Inside the Cynic ★★★ (2004-06-01 21:03:51)

日本盤ボーナストラック。
ホンとにSLIPKNOT関連のボーナス曲は充実してます…この曲はボーナストラックには勿体無いほどかっこいい、疾走感のあるハード・ロックで、終わり方もすっきりしていて気持ち良く聴けます。


STONESOUR - Stone Sour - Tumult ★★★ (2004-06-01 21:03:31)

イントロからスリリングに聴かせてくれる、アルバムでもかっこよさでは右に出る物は無いという程のかっこいい曲。
Coreyの歌に対して合いの手的に入るギターやドラムが良い感じです。


STORM ★★ (2005-05-13 21:17:00)

SatyrことS.Wongravenが自国ノルウェーへの愛情と、自分の持つ音楽性でフォークをやりたいという渇望から、FenrizことBerr NagelとRueslattenを誘い立ち上げたプロジェクト。
SATYRICON、DARKTHRONE、THE 3RD AND THE MORTALといった有名バンドのリーダーが結託し、独特な音楽をやっていましたが、アルバムを1枚しか残していないのが惜しい所。


STORM - Nordavind ★★ (2005-05-13 21:16:00)

SATYRICONのSatyrを中心に、DARKTHRONEのFenrizとTHE 3RD AND THE MORTALの女性ヴォーカリストRueslattenによって結成されたプロジェクト・バンドのアルバム。おそらく1995年発表の作品だと思います(書いてない…)。

ノルウェーの民謡のメロディをブラックメタルの味付けでバンド・アレンジするといった独特な音楽性のアルバムで、アルバムを通じてその土着的なメロディがSatyr&Fenrizのブラックメタルコンビによる朗々とした歌唱、Rueslattenの妖艶で推し引きを心得た表現力豊かなヴォーカル、そしてジリジリとしたディストーションの掛かったギターによって演奏され、それが主にミディアムテンポのリズムに乗せられています。

演奏時間はトータル約30分というランニングタイムで一曲一曲も短く、サクっと聴けるアルバムで、アカペラ曲もあります。ただ、少しリフが弱いというか、歌メロに追従するものが多く、もう少し工夫が欲しかったと思います。ですが、全体を通じて民謡メロディをバンドサウンドで楽しむ事が出来るので、ブラック好きで土着のメロディが好きな人なら買って損はないかと思います。


STORM - Nordavind - Langt borti lia ★★★ (2005-05-13 21:23:29)

Rueslattenがメインヴォーカルを務める曲。
元はノルウェー民謡ですが、その土着的メロディがRueslattenの巫女のようなヴォーカルによって歌われると、どこか異教の神を崇める儀式に使われてもおかしくないような妖しさが出てくるように思います。


STORM - Nordavind - Lokk ★★ (2005-05-13 21:24:26)

Rueslattenによる独唱のみを収めた楽曲。
まるでサスペンス映画の犯人自決シーンにでも使われそうな、悲劇的なイメージのあるメロディで、彼女の歌唱は神秘的なものを感じさせます。ちなみにこのメロディ自体もRueslattenのペンによるもの。


STORM - Nordavind - Mellom bakkar og berg ★★ (2005-05-13 21:20:58)

このアルバムの王道とも言える民謡メタル。
メロディには海の男の哀愁がこれでもかと編み込まれているのに、どこか暢気さというか大らかさがあって面白いです。ほんの少しだけですが、Satyrの物とおぼしきデス声も入った曲。


STORM - Nordavind - Nagellstev (2005-05-13 21:22:00)

Fenrizによる独唱曲(プラス簡単なリズムも)。
演奏時間は一分足らずと短いですが、哀愁を伴う朗唱を単独で楽しむ事の出来る楽曲です。個人的には、特に入りのやや高音のところの歌い方が好き。


STORM - Nordavind - Oppi fjellet (2005-05-13 21:26:20)

民謡メロディといえども、Satyrの掠れたようなヴォーカルで歌われると何処となく邪悪な雰囲気を纏ってしまいますね(笑)。なんだか聴いていると呪われそうな気が…。


STORM - Nordavind - Utferd (2005-05-13 21:25:21)

アコギとキーボードによるインストで、ノルウェー民謡をSatyrがアレンジしたもの。
邪悪さはほとんど無く、ある意味ヒーリングミュージックと言ってもいい位の穏やかな曲です。


STORM LEGION ★★ (2012-01-10 23:44:59)

ポルトガル産ブラックメタルバンド。
ex-SIRIUSのメンバーも在籍してます。


STORM LEGION - DESOLATION ANGELS ★★ (2012-01-10 23:47:10)

2010年発表の2nd。

モノクロの髑髏ジャケからは何かプリミティブっぽい雰囲気が漂ってきますが、RAWさを残しつつもリフに音圧のある、重量感を持って疾走するブラックメタル。毒々しいメロディを仕込んだトレモロリフ、所々で存在感を示す甘美な邪悪さを伴うリードギターのフレーズなど、WATAINを想起させる作風。普段からブラックメタルを聴いている人であれば、何の抵抗もなく受け入れられそうな、ストレートな路線ですね。

…それだけだと、ムードもクオリティもかなり良質なブラック…で終わってしまいますが、このバンドはヴォーカルの存在感がかなり大きいのが特徴。絶叫というよりは…雄叫び系というんでしょうか、やたら野太い声で、時折地声を交えつつがなるタイプ。ヘラクレスとかコロッサスとか、ああいうマッシブな存在を想起させる声でかなりの迫力。鬱ブラック的な嗚咽絶叫も聴かせてくれますが、そういうスタイルを演っても声が細くならず、やはり迫力あるのが良い感じです。

流石にWATAINやDISSECTIONと比べると多少小粒な感じはありますが、ややマイナーなブラックメタルバンドの中では破格のクオリティの作品を出しているバンドだと思います。このジャンルの音源を常日頃から買い漁っている人なら持っていて損はないでしょう。


STORMNATT - The Crimson Sacrament ★★ (2014-06-19 22:50:22)

2009年発表の2nd。

大もとにあるのは、DISSECTIONやWATAIN辺りを代表とする、ブラックの湿り気や宗教的な雰囲気、邪悪さや寒々しさなどを感じさせつつ、Rawさではなく構築性も感じさせるメロディック・ブラックだと思うんですが…それらのバンドの影響を踏まえつつ、楽曲のより多くの部分をメロディアスなトレモロで多い、更にメロウさを強調したような作風ですね。

このバンドの場合、メロディから感じるのは邪悪さや寒々しさよりも、神秘性や儚さなんですよね。敢えて聖歌を思わせるような、神聖さを感じさせるメロディを用いる事で逆説的にそれらを汚している感じでしょうか。メロブラではこの手のトレモロをクライマックスで用いたりする手法が多いですが、このバンドは全編通じてそんな感じ。ただ、メロいのは良いんですけど、個人的にはDISSECTIONやWATAINと比べると起伏が少ないかな…という印象も。贅沢な悩みですけど。

と言っても、プロダクション、リズム、ヴォーカル等基本的な要素はブラックの様式をがっつり踏襲しているので、決して半端な雰囲気ではありません。それでいてポストブラック勢以上にメロディアスなので、メロウ派はチェックしてみては。


STRATIOTES - EXPERIMENTAL SECTION - AN ELEGY OF JOURNALISM ★★★ (2009-12-30 09:05:50)

エクストリームメタル成分高めな風神少女。
例のクサメロをスラッシュビートに乗せてかっ飛ばしてくれるだけで十分かっこいいんですが、更に疾走感を高めるよう練られたドラムのフレーズ、サビへの入りの部分などハッとするような部分も多く、この曲のアレンジでは、私が聴いた中では一番かっこいいと思う。ラストのトレモロをブラスト→ロールに乗せるパートの盛り上がりも凄まじいものがあります。


STRATIOTES - EXPERIMENTAL SECTION - CIRCULATION ★★ (2009-12-30 09:08:11)

キーボードとリードギターが絡むパートが非常にかっこいい曲。
東方で言うと、画面全体に米粒弾が大量にバラ撒かれているようなイメージ。ああ、今にも自機が撃ち落される音が聴こえてきそうだわ…(笑)


STRATIOTES - EXPERIMENTAL SECTION - MYSTERIOUS MOUNTAIN ★★★ (2009-12-30 09:15:08)

他の曲と比べると、正統派的な印象が強いかな?
しかし、サビでのキーボードの音色や、トレモロ交じりのメロデス風リフに始まる、多少プログレ掛かった展開など、やはり異才を放つ部分もかなり感じられますね。


STRATIOTES - EXPERIMENTAL SECTION - NECROFANTASY ★★★ (2009-12-30 09:12:27)

このバンドはトレモロの使い方も巧いですよね。
イントロなんかは戦慄を感じさせるし、サビもかっこいいだけでなく、不気味さや幽玄さも入り混じっていて凄く聴き応えがある。中間の左右のトレモロでハモるパートなんて、リズムを2ビート疾走に差し替えたら、まんまプリミティブブラックメタルバンドが演りそうな感じになると思うし。「Necrofantasy」の、「Necro(=「死」を意味する接頭辞)」の部分まで表現しきった名アレンジ。


STRIBOG ★★ (2013-12-10 21:37:43)

クロアチア産フォーク/ペイガン/メロディックブラック。
STRIBORGと間違いやすいので注意(笑)。


STRIBOG - U Okovima Vječnosti ★★★ (2013-12-10 21:43:13)

2010年発表の1st。
最初店頭でバンド名見た時は無礼にもSTRIBORGのパチモンみたいな名前だと思いましたが(笑)、買ってみるとこれがフォーク/ペイガン由来のクサメロ志向のメロディック・ブラックの中でも、かなり素晴らしい作品で驚きました。

路線としては、「NeCHRIST」辺りの時期のNOKTURNAL MORTUMにも通じる、スラブ民族らしい土着的で、キャッチーなクサメロを笛や妖しげな女性ヴォーカルが奏でつつ、ブラックらしい苛烈なバンドサウンドで聴かせる作風で、特に物珍しい音を出している訳ではないんですが…トレモロだけでなく、スラッシュ由来のキレの良い刻みを多用した、畳み掛けるようなテンションの高さ、それによるメリハリのついた楽曲が、ほんと素晴らしいんですよね…。

基本的にはクリアながら、ブラックらしい生々しさをある程度残した音作りも、刻みリフの音色の切れ味を更に高め、そのハイテンション振りを演出するのに上手く貢献しているように思いますし、ややピッチ高めの鋭いがなりを聴かせるヴォーカルも相当に苛烈な印象で、「クサメロ系ペイガンブラックは好きだけど、メジャーなバンドは音が整い過ぎてて、アングラなバンドは内を向き過ぎててちょっと…」という方にも自信を持ってお勧め出来る作品だと思います。

メジャー過ぎずアングラ過ぎずのバランスが奇跡的に良く、しかも楽曲自体も超良質。フォーク/ペイガン系好きであればマストな一枚だと思います…が、レーベルがマイナーな事もあってタワレコにすら置いてないほど知名度が低いのが残念…。もっと評価されて良いバンドだと思います。


STRIBORG ★★ (2007-11-18 19:09:00)

オーストラリア産鬱ブラック。
大分前から評判になっているようですが、遅ればせながら追加。
XASTHURを更にマニアックにしたような感じです。


STRIBORG ★★ (2007-11-18 19:13:00)

…しかし、Encyclopaedia Metallumで調べたんですが、このバンドは
2004年に1stをリリースしてから、もう八枚もフルを出してるんですね…。
今年だけでももう二枚出してるし。
XASTHURもかなり多作でほぼ同時期に二枚のフルを発売してたりしますし、
この手の鬱系は鬱なのか躁なのか分かりませんね(笑)


STRIBORG - Solitude ★★ (2007-11-18 19:03:00)

2007年発表新作。
調べた所、2004年に1st出してから、もう8枚目になるらしいです。

鬱ブラック曲をダークアンビエントで挟み込むという構成の作風。
鬱ブラックと言うとBURZUMを初めとして、XASTHURやBLUT AUS NORDなどが挙げられますが、このバンドも上記のバンド同様、陰鬱さを突き詰めるようなブラック。上記のバンドと比べると物理的に(笑)一番聴きづらい音楽性かと思います。

基本的にXASTHURを思わせる、ミディアム~スローなテンポと陰鬱なメロディで攻めるタイプなんですが、ギターの歪みが蟲の羽音や火花を思わせる独特の耳に優しくない音色で、その奥から微かに、ユルユルとメロディが聴こえてくる感じ。しかもドラムの金物の音が大きめで、正直うるさく感じる事もしばしば。ギターの歪ませ方はMUTIILATIONの4thに似てますが、向こうよりもメロディアスに聴こえないような音色。

ダークアンビエント路線の曲での真っ黒な空間の演出の上手さから考えても、この聴きづらさは多分に作為的だと思われますが…作為的にわざわざこんな音質にする辺りカルトですね(笑)。しかし、ノイジーなギターに絡むキーボードなど、時折はっとするような陰鬱さの表現もあり評判になるのも頷けます。3曲目とか、聴いてて取り込まれそうになる…。

陰鬱さは素晴らしいですが、音質的にブラックやノイズ好き以外には敷居が高めかも。XASTHUR辺りを聴いて、もっとカルトなものを聴きたくなった方にお勧め。


STRIBORG - Solitude - Pernicious Paths of Perception ★★★ (2007-11-18 19:06:36)

鬱ブラックなので基本的に地味な展開なんですが、前半に何気に扇情的なメロディがあるのがポイント。扇情的と言っても鬱や絶望の感情を煽る感じですが。ゆるい疾走に気持ち良くなってきたところを、「おきろー!!」とばかりにうるさく鳴る金物がキツイ。


STRIBORG - Solitude - Solitude ★★ (2007-11-18 19:05:23)

まず音質に驚き…というか「うわぁ…」と思いました(笑)
昔、イヤフォンが使いすぎで壊れてしまい、酷いノイズが混じるようになってしまった事があるんですが、その時のノイズとギターの歪ませ方がそっくりです。


STRIBORG - Solitude - The Failure of Human Nature ★★ (2007-11-18 19:07:25)

後半のキーボードが強いパート、鬱なだけじゃなくて神秘的な印象も受けて良い感じ。歌詞も厭世・厭人的な感じですが、この人そもそも歌詞を歌ってるんでしょうか(笑)


STRID - Strid ★★★ (2009-05-02 22:35:00)

94年発表のEP、93年のデモに前身バンドMALFEITORの音源を付けた再発盤。07年発売。

ノイジーに歪んだギターノイズとベールのような神秘的なキーボードに包まれた音像、トレモロリフやベースによって奏でられる寂寥感あるメロディ、ガラガラに潰れたヴォーカルの叫びなど、この時点でどこをどう聴いても確立した鬱ブラックをやってます。

今でこそXASTHURやI SHALT BECOMEを始め、STRIBORGやチェコのTRIST、カナダのETHERなど、このジャンルも優れたバンドが多く現れ、群雄割拠の状態となってますが、この音源はブラック黎明期のものであるにも関わらず、そのままそれらのバンドと勝負出来るクオリティがあると思う。
それどころか、このバンドは鬱ブラックの元祖でありながら、今の鬱系のバンドが表現する絶望感や陰鬱感の「先」の情景を提示してるんじゃないかとも思います。

後にベース/ヴォーカルのStrom氏が自殺しているので不謹慎かもしれませんが…このバンドの曲って、暗いとか絶望よりも「(死ぬことで)これで苦痛から逃れられる…」みたいな、妙な暖かさがある気がするんですよね…。他の鬱系のバンドと比べるとベースがかなりメロディアスで、低音域のメロディが強い音像がこの生々しい暖かさを表現しているのかもしれません。

前述の通り複数の音源を集めた作品なんですが、音源を時系列順に聞いていくのも面白いですね。
思いっきりデモ音質で、まだまだ攻撃性も強い(特にヴォーカル)MALFEITORの音源、1曲で鬱ブラックの大まかな路線を提示したといっても過言ではない93年の音源、キーを入れ疾走もなくし、ギターの金属的な響きを増した94年の音源…と、作を重ねる毎にバンドのヴィジョンが固まっていっているのが良く分かって、興味深く楽しめます。

間違いなくBURZUMやFORGOTTEN WOODSと並び、鬱ブラックに影響を与えた存在と言えるバンドだと思います。気分が落ち込んでいる時は聴かない方が良い…と言いたい所ですが、それを実行に移す寸前レベルの死にたい気分を疑似体験できる作品なので、逆にカタルシスを得られ、リフレッシュになるかもしれません。

…そういえばSTRIBORGって、「風の神」という意味らしいですが、その名前を採用したのはこのバンドを尊敬してて、最初の4字が同じ単語を選んだからだったりして…。


STUDIO BURNING - JKB48 ★★ (2011-05-12 01:43:11)

2010年発表のAKB48カヴァーアルバム。

以前、このサイトがメタル専門だったとき、AKB48が追加されたときは「メタルとは正反対の音楽」と揶揄されてましたが…繋がっちゃいましたよ、AKBとメタル(笑)。さて、一番の疑問はアイドル曲をメタルにアレンジすることよりも、男臭い通り越して、男らしさがイシファリック(意味は調べてください)という単語を想起させるレベルの、JUN氏のムエタイマンが雨に打たれて男泣きしているようなヴォーカルが、果たしてポップスに合うのか、という所ですが…

歌詞にしてもメロにしても、意外にも違和感が無いです。
特に歌詞、「♪嵐を力に変えろ」とか、普通にパワーメタルバンドの歌詞にありそうなフレーズじゃないですか(笑)。「♪あどけない振りしてればナイフだって隠し持てる」…一体何なんだ、その反逆の精神は(笑)。「♪弱音吐くな 諦めるな 走り続けろ命の限り」ポップスだと綺麗ごとに聴こえそうなのに、このマッチョな声で言われると妙に説得力が…。

メロディの方は、衒いのない哀愁要素強めのポップスと言う感じで、JUN氏の男泣きヴォーカルとの相性は悪くないです。AKBはちゃんと腰を据えて聴いたことはないんですが、普通に売れ線かつクサメロで、メロのレベルはなかなかでは。こういうメロディなら売れそうですもん。(今気になって「メロスの道」を試聴したら、普通にイントロのギタメロから泣き要素強いフレーズが出てきて驚いた)

ただ、アイドルカバーやるならつんく関連が良かったですね、個人的には。
モーニング娘の「恋のダンスサイト」(中近東風)とか、「気まぐれプリンセス」(ロシア風)、美勇伝「紫陽花アイアイ物語」(オリエンタルな哀愁に特化)、メロン記念日「This is 運命」(パンキッシュでアレンジが奇抜)とか、メタルアレンジしたら面白そうな曲が目白押しですし。

…と書いてはみたんですが、考えてみると、上で挙げたような曲はメタルアレンジすると、完成形はフォークメタルか、プログレッシブ/アヴァンギャルドメタルになりそうですよね。このバンドは正統派/パワーメタルが根幹にある音楽性なので、もっと正統派のポップスに近いAKBの方が合うのかもしれません。でも個人的にはすっごく聴いてみたかった!

…もしこの先アイドルのカバーやるならつんく関連か、ジャニーズ(特にKinki Kids超希望)や80年代アイドルとかも聴いてみたいですね。アイドルポップスって意外と良い曲多いのに、メタルアレンジしてくれるところは少ないので、こういう作品は貴重。なんのカバーやるにしても、是非東方アレンジには流れないで、独自の選曲で演って欲しいです。正直東方アレンジはちょっと飽きたかも。


STURMGEIST - Meister Mephisto ★★★ (2016-05-24 00:49:19)

2005年発表の1st。

SOLEFALDで独特の感性とヴォーカルを聴かせるCornelius氏が中心人物を務めるバンドですが…アヴァンギャルドブラックを中心に、シンフォ・ゴシック・ペイガン・プログレなど様々に拡散する音楽性を持ったSOLEFALDですが、こちらではシンフォニック・インダストリアル方向にある程度路線を絞った音になってますね。もちろん、彼特有の前衛性のある雰囲気は勿論継承されてます。

基本は頽廃的で、どこか重厚さもある雰囲気を醸し出していますが、時折キレの良いリフと共に入る疾走パートなどはごく真っ当なかっこよさで、楽曲のクオリティもSOLEFALDに劣らず高いですね。しかしCorneliusのヴォーカル…彼のナルシスティックな呻き気味の低音での歌声を聴いていると、どうしてもSOLEFALDの音源を聴いてる気分になりますね。自分色に染めるパワーがやたら高いヴォーカリストだと思います(笑)。

SOLEFALDの路線に共感している人ならば、買ってまず損はないだろうという一枚。この後二枚のフルと、デモをリリースしてるようですが、今はどうなってるんでしょう…。


STUTTHOF - And Cosmos from Ashes to Dust ★★★ (2011-12-26 22:52:39)

2004年発表の2nd。
2011年にボーナスディスク付き2枚組で再発されてます。

今年新作もリリースした、ACHERONTASのメンバーがかつて演っていたバンドという事ですが…音質や展開等にプリミティブ寄りな部分こそあるものの、当時からオカルトでカルトな雰囲気を濃厚に漂わせつつ、印象に残るメロディを配したドラマティックなブラックをやってますね。ただ、メロデスっぽい泣きメロとNED系に通じる邪気を含むメロが混在するACHERONTASのメロ使いと比べると、この作品は「Nemesis Divina」期のSATYRICONを思わせる寒々しく邪悪なメロディが多く、ブラックメタルとしてよりストレートな印象。

また、音質はメロディが聴こえなかったり、耳に痛かったりといった聴きづらさは感じられないものの、時々ドラムの音が埋もれ気味だったり、お世辞にも良好とは言えない…んですが、その埋もれ気味のブラストが、真っ暗闇にひたすら落ちていくような感覚を覚えさせるんですよね…そこにトレモロリフによるメロディが被さると、その暗闇の底で超自然的で邪悪な何かが手招きしているような、非常に薄気味悪い、ブラック好きにとっては心地良い音像に…これはたまらないです(笑)

またヴォーカルもACHERONTAS最新作で見せたような異様な表現力はまだないものの、語りなどを入れてムードを出しているのがいいですね。個人的にこの人の語りのときの声がかなりツボだったりします(笑)。また、オープニングSE等ブラックメタルパート以外もこの頃から非常に凝ったものを作っていて、この路線で儀式アンビエント一枚作ったら結構需要ありそう…と思えるほど。…っていうか、最初聴いたときオープニングが凝りすぎててちゃんとRAWブラックが始まるのか不安でしたもん(笑)。

HM/HRの視点で見たら明らかにACHERONTASの最新作の方がクオリティが高いと思うんですが、単純に聴いていてうっとり出来る音になってるのはこっちですね。多少音質がRAWでも構わない、かつブラック特有の甘美な邪悪メロディが好きな方は必聴かと。


STYGGELSE - Heir Today God Tomorrow ★★★ (2011-12-19 22:19:53)

2010年発表の1st。

このバンドもブラックメタルにハードコアのテイストを加味したスタイルを演ってますが…個人的に、この手のバンドってブラックから逸脱するほどハードコアの要素が強いと「ちょっとなぁ…」と思ってしまうことが多いんですが、このバンドは取り入れ方の配分的にかなり好みですね。

確かにドラムに炸裂感があったり、リフがオールドスクールでダーティなノリの良さを含んでいたりはするんですが、同時に邪悪が脈動するかのようなドスの効いた漆黒さも醸し出していて、雰囲気は真性ブラックそのもの。ある程度立体的で迫力がありながらも、プリブラのRAWさを失わない音質も良い感じ。また、メロディは北欧のカルトブラック特有の陰湿さが感じられて、それが邪悪さを更に際立てているのが良いですね。

ヴォーカルも地声交じりのがなりスタイルながら、ハードコアの熱さよりもWATAINやOFERMOD辺りに通じる禍々しさが伝わってくる声で、私的にも好み。そうした諸要素は元より、何よりプリミティブブラックの催眠的なムードが失われていない、むしろ強化されているというのがなにより素晴らしいと思う。ただ個人的な好みを言えば、メロディの陰湿さが秀逸なだけにあと2割くらいメロディ分を増量してくれれば言うことなしだったんですが。

ショップのコメントでは「マニア向け」と書かれていたので、結構身構えて聴いてしまいましたが、カルトなりの質の高さがあってそこまで敷居の高いアルバムではないと思います。DARKTHRONEは3部作より最近の音源より、ハードコアテイストを取り入れ始めの「Sardonic Wrath」「The Cult is Alive」期こそ至高だと思う方は特にハマるのではないでしょうか。


STYGIAN RIVERSIDE - ENVY YOU ALL MEN! / 汝、人を妬みたまえ ★★ (2010-06-01 22:01:00)

2010年発表の東方HR/HMインストアレンジ。
EMPERORの超名曲をパロったタイトルから、何の予備知識もなくレジに持っていった一枚。
…さて、中身の方ですが…確かに、クワイア風のキーボードの音色は初期EMPERORを
思わせなくないし、シンフォなキーボードがバンドサウンドを包み込む音像はアングラな
シンフォブラックにありがち(個人的には、EMPERORのライブキーボーディスト、
Charmand GrimlochのバンドTARTAROSを思い出した箇所もあった)だし、思いっきり
打ち込みとはいえブラストも使われていますが…う~ん、これは…。
タイトルはEMPERORパロだし、ブラック風のアレンジもある事はあるんですが…
全体的にリフがのっぺりしていて、後期EMPERORのようなドラマ性がある訳でもなく、
綺麗に纏まりすぎていて初期EMPERORのような衝動性も低く、アレンジに分かりやすい
パロディ(タイトル曲はそれっぽい気もする)もなくで、正直EMPERORファンで東方ファンも
兼ねてる人間にはあまりアピール出来ていないと思う。
別に完成度が低いとかじゃないんですが、どうしても羊頭狗肉な感じはしてしまいますね…。
ぴずやの「SYMMETRY BURZUM」といい、この作品といい、ブラックの重鎮の名前を借りる事で
ハードルを上げ過ぎていると思う。このジャンル(東方アレンジ)、エクストリームメタルも
ぼちぼち出てきてますが、グラインドなど極端なものか、メタルコア、メロデスなど
聴きやすいものかで、丁度いい按配のブラックメタルアレンジって少ないんですよね…
だから、タイトルの時点では非常に期待してたんですが。エクストリームメタルが好きな方より、
普通に東方アレンジを漁ってる人にお勧め。EMPERORを期待すると落胆するくらい聴きやすいです。


SUBCONSCIOUS EVIL - SUBCONSCIOUS EVIL ★★ (2009-12-20 11:11:00)

日本の正体不明ブラックの2009年発表、2曲入りEP。
と言っても2曲で約27分の大作主義な作風で、実質ミニアルバム並のボリューム。

…この作品、再生して一番初めの音にまずビビりますよね(笑)。
いきなり目の粗い、圧迫感を感じるほどの轟音ノイズで迫ってきます(音量注意)。その中で蠢くように楽曲が展開していく様はかなりかオティック。近年のKATHARSISにも通じる血腥くぶっ壊れた響きのギターリフ、DEATHSPELL OMEGAを思わせる不穏で不吉なメロディ、悪意の篭もった中音域がなりにエフェクト掛けたヴォーカルなど、どの要素も「カルト感」のツボを突いていますが、それが分厚いノイズに覆われた音質によって更に助長されている感じ。

NED関連のバンドの持つ邪悪さを、意図的な音質操作で更に強めたような作風。
…しかし日本では最近正体不明がブームなんでしょうか。ネットでの風評を読んでいると、そのミステリアスさを楽しみ、よりカルト性を感じる人もいれば、逆に演出に作為性を感じ、醒めてしまう人もいるみたいですが…。私はどっちでもいいけど、アルバム名や曲名くらいは書いて欲しいなぁ…。


SUBLIRITUM ★★ (2014-04-26 23:36:43)

ノルウェー産ブラック。
最新作や前作ではKEEP OF KALESSINのVyl氏がドラムで参加してますね。
以前の作品ではThebon氏も参加など、KOKと関りの深いバンド。


SUBLIRITUM - Downfall ★★★ (2014-04-26 23:37:47)

2014年発表の3rd。

Vyl氏参加、KEEP OF KALESSINを思わせるハイクオリティな作風…と、ショップでもかなり大きく扱われていて、試聴してみたら一発で気に入ってしまいました。まず素晴らしいのは、ショップでの売り文句「KEEP OF KALESSINを思わせる」が全くハッタリに聞こえない、ギターワークで聴かせるメロディック・ブラックとしての超クオリティっぷりですね。

スラッシュメタルをベースとした豪速の刻みリフを随所に混ぜつつも、ブラックらしい繊細なメロディのトレモロを織り込んだ、下手にヘヴィさに頼ることなく、フレーズの細やかさ、華やかさで聴かせるギターワークは、正にKEEP OF KALESSINが提示した様式を踏襲したスタイル。そのテクニカルなギターワークにピタリと連動し、緊張感を跳ね上げるVyl氏のドラミングも合わせて、バンドのアンサンブルを聴いてるだけで恍惚となれます。

但し、DISSECTIONのブリザードリフを思わせる寒々しいパートもありますが、左右のギターをクラシカルなメロディでハモらせたり、メロブラとしてもメロディアスさが破格な上に、メロディの方向が土着性や邪悪さよりも、叙情性や華美さの方に向かっているため、本国ではTV出演すら果たしたKOKと比較しても、ブラックとしての邪悪さは希薄。KOKよりも、更にメロデスに近い音を出している印象。

邪悪でカルトなブラックも好きですが、個人的にはこういう甘美なギターワークでうっとり出来る高品質なブラックもまた素晴らしいと思います。エクストリームメタルとしての緊張感は随一ですし。非マニアなブラック好きや、メロデス愛好家にもお勧め。かなり素晴らしいです。


SUBWAY TO SALLY ★★ (2010-03-01 22:06:00)

ドイツのフォークメタルバンド。
90年代前半から活動するバンドで、既に10作のフルレンスを発表しているベテランです。


SUBWAY TO SALLY - Kreuzfeuer ★★ (2010-03-01 22:05:00)

2009年発表の10th。
タイトルの意味は「十字砲火」で合ってますか?
最近ELVEITIEやEQULIBRIUM等のバンドがメタラーの間でメジャーな評価を得るなど、
最近フォーク/ペイガンメタルはかなり注目を浴びているようですが、その文脈でこのバンドも
結構話題になることが多いですね。ただ、前述のバンドがメロデスやクサメタルなど、モダンな
メタルを志向している感じがするのに対し、この人たちの作品はリフやリズムなどに
ハードロックの骨太さ、グルーヴ感が息づいている感じですね。
バグパイプやハーディ・ガーディなどの民族楽器も取り入れたスタイルで、おそらくベースに
あるのはドイツの中世の雰囲気なのではないかと思いますが…時々中近東っぽい
エキゾチックさに聴こえたり、ゴシック的な耽美さが垣間見えたりもしますね。ゴシック/
プログレの美しさや幽玄さがあり、ハードロックの要素も強い音という事で北欧の
GREEN CARNATIONなどが好きな方にもお勧め。
ただ、このスタイルが完全に好みかというと、実は個人的にはそうでもないかも…。
特にヴォーカル、スタイルが確立されている貫禄があるのはいいんですが、濁声で狭い音域の
歌メロを追ってるだけなので正直聴いてて疲れる…。私的には朗々と歌うか、邪悪に
唸るかの方が好みなので。可憐な女性ヴォーカルがサブで入ってますが、彼女が全曲
歌ってくれたらもっと良かった…かも。
とはいえ、曲毎の個性もしっかりあるし、「深み」「渋み」もある音だと思うし、
十分クオリティは高い音。あとは個人的な好みに合うかどうかだけですね。