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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5801-5900

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5801-5900
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SULPHUR - Omens of Doom ★★★ (2017-03-09 20:34:38)

2016年発表の3rd。

ブラック/デスメタルとして紹介されている事が多いですが、ここで聴けるのは一般的なブラッケンド・デスとはかなり趣きの異なる音。MAYHEMの「Grand Declaraion of War」、SATYRICONの「Satyricon」アルバムなど、大御所にも明白にブラックを基本としつつ、そこから逸脱している作品は多くありますが、この作品もそれに近い雰囲気を感じますね。ミッドテンポやメロウなギターを重視しつつ、クリアな音質によるキレの良い暴虐パートも配したかなりドラマティックで変化に富んだエクストリームメタル。

アルバム全編で聴ける、メロディアスなギターのフレーズが凄くセンスがあって良いんですよね。サイケデリックな叙情味を感じたり、ハードロックのソロパートのような泣きを感じたり、色々な表情を見せ楽曲を彩ってくれます。メロデス並にメロディアスではあるんですが、ブラック特有の暗黒美も感じられる辺り、DISSECTIONの「Reinkaos」アルバムに通じるものを感じます。知性的な音ですが、基本ヴォーカルはデス声でギターがメロディを担当してる構成も良いですね。インテリジェンス値高いバンドって曲良いのにヴォーカルのへぼクリーンで台無しな事が多くて…それがないのが良いです(笑)

ブラッケンド・デスのような暴虐と叙情の融合を求めると大分戸惑う音かもしれませんが、少なくとも他のバンドと十把一絡げにされるような作品ではないと思います。聴き応えのあるアルバム。


SUMMONING - Dol Guldur ★★ (2012-04-15 22:23:41)

97年発表の3rd。

「召喚」というバンド名が示すとおり、儀式的なムードを持つアトモスフェリックなブラックメタルを演ってますね。瞑想的な感覚を呼び起こす、パーカッシブなリズムのミディアムテンポにうっすらとノイジーなギターリフ、トラッド色の強い、叙情的で土着的なメロディのキーボードを乗せ、ゆったりと厳かに進行するスタイル。

世界観的にはアトモスフェリックで土着的なブラックだった、最初期のSATYRICONにも通じるものがありますが…こちらの方が更にメタル的な攻撃性から離れた音で、むしろWONGRAVENなどのブラック人脈のアンビエントに近いかもしれません。メロディもどこか優しげというか、仄暗くファンタジックな雰囲気が強く、リズムの酩酊感やミニマルさとも相俟って、ブラック好きには非常に心地良い空間が演出されてます。

ブラックにメタルとしての攻撃性やテクニックではなく、サタニックだったりエピックだったり、「あるムードを色濃く演出する音楽」としての側面を求めている人であれば、かなりツボに来るのではないでしょうか。


SUMRAK (СУМРАК) - LITANIES OF HATRED (ЛИТАНИИ НЕНАВИСТИ) ★★★ (2012-09-28 00:27:22)

2004年発表の1st。500枚限定。
DARKTHRONEの「Natassja In Eternal Sleep」カヴァーを収録。

邪気と寒気を帯びたトレモロリフを纏った疾走というプリミティブ・ブラックの本懐はしっかりかっこよく聴かせつつ、呪術的なクリーンヴォーカルやアコースティックギターを用いたメロウなパート、聴き手の邪性を呼び覚ますようなスネアの打ち鳴らしなど、展開やフレーズにプリブラとしてはかなり意匠を凝らしたような作風。生々しく、地下臭さを隠そうともしない音作りではありますが、RAWなメロディックブラックとしても聴けそうなドラマティックさ。

ただし、一般的なメタラーにも受けそうなタイプのメロブラと比べると、邪悪さや陰湿さは段違い。特に時に単音で、時に左右のチャンネルの絡みで聴かせるギターのメロディが毒々しくて素晴らしい。疾走パートでは毒を撒き散らしながら駆け抜け、ミッドテンポのパートでは遅効性の毒が体を蝕んでいるような、マイナスの魅力を纏った印象を持たせつつも、メロウさも効いている本当に良いメロディだと思う。

ひたすら邪悪なS.R.氏の楽曲、アコギ等を巧く使いエピック性を演出するDemiurg氏の楽曲と、コンポーザー二人の曲調が微妙に異なるのも、またアルバムを劇的なものにしていると思う。また、淡々としたデスボイスが左右から響いてくるような、ヴォーカルのパフォーマンスやミックスも非常に効果的で、位相のずれた世界から悪魔が語りかけてくるかのような邪悪さが演出されてますね。

ただ、ちょっと微妙だと思ったのが、アーティスト写真。ここまで邪悪さを感じさせる作風なのに、二刀の剣を重そうに持って、鎖帷子着込んでるとか…(笑)。なんか生活観が妙に滲み出てきてしまってる感じが…(笑)。まあペイガンっぽくてDemiurg氏のアコギを使った作風には合ってるのかもしれませんけど。ともあれ、メロウなプリブラ好きには大推薦のアルバムです。


SUN OF THE BLIND - Skullreader ★★ (2009-09-30 22:36:00)

2009年発表の1st。

DARKSPACEのZhaaralによるプロジェクトと言う事ですが、アンビエンス重視の、空間演出の巧みなブラックメタルと言う、大まかな路線は共通してますね。トレモロリフではなく、薄めの歪みの掛かったギターやアルペジオが物悲しげなメロディを奏でているのも特徴で、それらが厚い歪みのリフと相まって奥行きのある空間を演出してます。

ほとんど意識を宇宙空間と一体化しながら疾走するDARKSPACEと比較すると、こっちはミディアムテンポ中心で、もう少しバンドサウンドの魅力を残してある感じで、もっと内面的・情緒的な情景を描いている印象。でも、哀愁あるメロを取り入れつつも、空間が悪意を持って迫るような圧迫感ある刻みリフの凄みなんかは、やっぱりDARKSPACE的だと思います。

DARKSPACE辺りのアトモスフェリック・ブラックや、LUNAR AURORAなどの空間演出の巧みなブラックが好きな方にはお勧め。…でも、前述の2バンドの様に、神格化したくなるような何かはこの時点ではまだ感じられないかも。個人的にはもう一声と言った所です。


SUN OF THE SLEEPLESS - Poems to the Wretches Hearts ★★ (2014-09-12 20:02:11)

99年発表の3曲入りEP。

私は未聴なんですが、ネオフォークのシーンでは相当知名度の高いバンドであるEMPYRIUMのメンバーによる別プロジェクトという事で、大分叙情的な音を想像してましたが…何の前触れもなく刺々しいノイジーリフの洗礼を受けて驚きました(笑)。ヴォーカルも憎々しさ全開の絶叫スタイルですし、全体的に音に人を寄せ付けないようなノイジーさが感じられます。

ただし、そのノイジーなリフには、出自から分かるような土着的な哀愁メロディがたっぷりと練り込まれていて、実は相当にメロウな音。アトモスフェリックなキーなどの導入もありますが、基本ギターによるメロディが強く、それがブラック独特の寒々しさを強く感じさせます。樹氷の林立する中で吹雪が吹き荒れているかのような、自然の猛威を音で描いているような作品。

ちなみにこの作品は何処から見てもブラックメタルのスタイルですが、バンドはこの後トリップホップやエレクトロニカ要素を取り入れ、実験的な方向に進んでいったらしいです。この路線でフルアルバムを作らずに路線変更したのは若干残念ではありますが、出来れば路線変更後の音源も聴いてみたいですね。この叙情性をエレクトロ路線で表現したらどうなるのか気になりますもん。


SUNGODDESS - 悪夢 AKUMU ★★★ (2010-09-20 02:57:00)

2010年発表の1st。500枚限定らしいです。

タイプとしては、ブラックらしい空間系のアトモスフェリックな音色を中心に、クラシカルな旋律を奏でるピアノ、宗教的で荘厳な美しさを演出するチャーチオルガンなど、キーボードをフィーチャーしたシンフォニックブラックですが…ヴォーカルのガンベルトで武装したスキンヘッドが浮かぶ(注:別にそんなヴィジュアルではない・笑)ような凶悪な低音デス、ブラックの狂性だけでなく、ハードコアの炸裂感も感じさせるドラミング、プリブラ的な音色のギターワーク等、一般的なシンフォ系のバンドよりも各パーツのアングラ度がかなり高めなのが特徴ですね。

そうした要素以上に、このバンドの音楽性を大きく特徴付けていると思うのが、曲の要所要所で挿入される、ビブラートの強いソプラノ。ただ美と醜を対比させているだけでなく、どこか新興宗教の女教祖が天からの啓示を受けて壇上で歌っているような、オカルティックで宗教的な雰囲気がある。COFがSarah嬢を起用するよりも、もっと魔的・神秘的な文脈で使われている感じ。このソプラノが、バンドの音楽性をより近寄りがたい、アングラなものに仕立てていると思います。

シンフォ系ながら、個人的にはSSORCやCATAPLEXY辺りに通じる、マジなアングライズムを感じられる作品。惜しむらくは、500枚限定リリースということですね…。せっかくプリミティブ系のアングラな空気感と、シンフォ系の構築美を上手く同居させた好盤なのに、後追いで聴こうとした人が聴けなくなる可能性があるのは非常にもったいないと思う。


SUNN 0))) - Altar (sunn O))) & Boris) ★★ (2007-01-27 21:11:00)

日本のバンド、borisとのコラボ作品。2006年発表(日本盤は2007年)。
初回限定で更にEARTHのメンバーも加えた布陣で作った大作曲入りのボーナスディスク付き。
曲的には、いつものSUNN O)))の作品同様、低音が効きまくった轟音を軸としながらも、
ドラムが入りちょっと違ったヘヴィネスを醸し出す曲や、ヴィオラやヴァイオリン、そして
女性ヴォーカルまで入った美しい曲なんかもあったりして更に音楽性を広げた感じ。
このバンドは最近では轟音だけではない実験的な作風も取り入れてますが、その実験的、
前衛的な部分を強化したような作風だと思います。曲作りはインプロヴィゼーション主体で
行われたものらしく、音作りは「BLACK ONE」と比べると多少ラフな感じも受けました。
ちなみにボーナスディスク収録の曲は、徹底してヘヴィな上に演奏時間も約30分と長めな
正に地獄を体現したような曲なので、購入を考えている方はお早めに。
しかし、Stephen O'Malleyは親日家なんでしょうか…。
KHANATEの日本盤もレア音源やDVD付いてて豪華でしたし、このアルバムのボーナストラックも
かなり良かったですし。でもこのアルバムがタワレコにかなりの枚数入荷されていたり、
音楽雑誌のレビューコーナーで大きく扱われているのを見た時は驚きました(笑)
こういう音にも理解が増しているんでしょうか。だとしたら嬉しいですよね。


SUNN 0))) - Altar (sunn O))) & Boris) - Akuma No Kuma ★★★ (2007-01-27 20:46:55)

ユーモラスなタイトルとは裏腹に、かなりエグイ曲。
宇宙とも交信できそうなほどの音響やいつも通り効いてる低音だけでなく、死と頽廃を呼びこむようなトロンボーンまで入っていてかなり怖い。空気変わります。


SUNN 0))) - Altar (sunn O))) & Boris) - Etna ★★★ (2007-01-27 20:49:18)

エトナ火山をモチーフにしたらしい曲。
SUNN O)))が元々持っている、低音に絞った煮え滾るマグマのような音のエネルギーと、ドラムの炸裂するエネルギーがぶつかり合うと「火山」になるんですね。


SUNN 0))) - Altar (sunn O))) & Boris) - Her Lips Were Wet with Venom ★★★ (2007-01-27 20:57:44)

初回盤ボーナスディスクに収録の、EARTH、borisとの共作。
轟音が約30分に渡り鳴り響くヘヴィな曲ですが、流石に3バンドの共作だけあって迫力は今までのSUNN O)))のこの手の曲よりも増している感じがします。最初PLAYボタン押した時あまりの轟音にちょっとビビりました(笑)。評価は難しいですが、徹底していると思うので★3つで。


SUNN 0))) - Altar (sunn O))) & Boris) - The Sinking Belle(black Sheep) ★★★ (2007-01-27 20:53:16)

表記は無いですが、おそらく日本盤ボーナス。
ヴァイオリンやヴィオラを取り入れた美しい曲。普通の感覚から言うとメロディアスとは言い難いであろうサウンドですが、音そのものをこれだけ美しく聴かせるのは凄い。


SUNN 0))) - Black One - Bathory Erzsebet ★★ (2006-06-19 20:51:39)

前半は鐘の音や気味の悪い電子音を使用し静かな雰囲気ですが、7分を過ぎた辺りから一気に血塗られます。エリザベート・バソリー…なるほど。この恐怖を煽る雰囲気凄く好きですが、個人的にはインストの方が良かったな…人の気配があると、逆になんか安心してしまうので。


SUNN 0))) - Black One - Cry for the Weeper (2006-06-19 01:10:25)

曲を聴いている間中、ずっとジェイソンの仮面が闇の中からこちらを見つめている…みたいな映像が頭から離れなくて怖かった…。こんな曲を聴いていたらいつ日常から切り離されて、不条理の世界に連れ去られてもおかしくなさそう…


SUNN 0))) - Black One - Cursed Realms (of the Winterdemons) ★★★ (2006-06-19 01:14:32)

雪山で遭難したら、こんな感じになるのでしょうか…。
吹雪の中で必死に叫んでいるような感じの曲ですが、時折死の世界に足を踏み入れ、地獄から闇がどろどろと溢れ出してきているみたい。ラスト一瞬だけ音量上げすぎなのは個人的にはちょっと頂けない所ですが、この雰囲気は凄く好き。★3つで。


SUNN 0))) - Black One - It Took the Night to Believe ★★ (2006-06-19 01:07:55)

この曲は演奏時間も極端に長いわけではないし、SUNN O)))でも聴きやすい曲かと思います。繰り返されるトレモロリフは結構メロウで、ブラックメタラーにもアピールしそう。勿論、「聴きやすい」「メロウ」のどちらにも「SUNN O)))にしては」という枕詞が付いてしまいますが…(笑)


SUNN 0))) - Terrestrials (Sunn O))) & Ulver) ★★★ (2014-02-17 22:22:39)

2014年発表のコラボレーションアルバム。

まさかULVERとのコラボとは…そんな物、買わない訳にはいかないじゃないですか…。ULVERも最新のアルバム「Messe Ⅰ.Ⅹ – Ⅵ.Ⅹ」ではオーケストレーションと電子音楽を組み合わせて、抽象的で深遠な音像を描き出すという、SUNN O)))の実験的な音ともそう遠くない音を出していた事もあってか、凄く自然に両者の個性が息づいたコラボレーション作品になっているのではないでしょうか。

1曲目「Let There Be Light」は、瞼の裏で明滅する光の如き電子音が、静かながら聴き手を既に陶酔させるような説得力をもって立ち上がり、くすんだ風景の浮かぶブラスや即興演奏っぽいドラミングを取り入れつつ進行する楽曲で、どこか頽廃的なムードが漂ってますね。2曲目「Western Horn」は今作では最もドローン・アンビエント然とした抽象的な曲。脳内のパルスと同期しつつ、更に刺激を与えるような音使いが心地良くて安息すら感じてしまいます。

3曲目「Eternal Return」は電気的な処理が施されたオーケストレーションや、電子音などを重層的に、かつ丁寧に重ねた楽曲で、GarmことKristoffer Rygg様の官能的…を通り越してエロ過ぎな(笑)クリーンヴォーカルもフィーチャー。「重層的な音楽」とは、こういう事を言うんだな…と妙に納得してしまうような音作りと、彼のヴォーカルが相俟って精神が融けてしまいそうになります…。ああもう、ホント買って良かったわ…(笑)。

ブラック界隈にも、ノイジーなリフが転じて暗黒ドローンと化したような作風のバンドは多く表われ始めていますが、正直その中でもこれは「別格」な作品だと思う。この手の音楽って音に心地良さを感じられないと全く共感出来ないですけど、そこを当然楽々クリアしつつ、音を追ってるだけで引き込まれるような、「展開」を設けているのが素晴らしい。実はこういうドローン/アンビエント的な音としては凄く聴きやすい作品なのではないかと。

ちなみに日本盤はボーナスディスク付きで、「Eternal Return」のラフ版とAttilaの参加した「Fidelio」を収録。「Eternal Return」は比べて聴くと楽曲の作りこみ具合が透けて面白いし、ラフ版も音が少ない分ピアノやヴォーカルが存在感あって、こっちはこっちで良い音源。Attilaのボイスドローンが宗教的な恍惚をもたらす「Fidelio」もブラック聴く方なら共感する事請け合いですし、多少高くても日本盤を買っても全く損は無いと思う。


SUNN 0))) - White1 - A Shaving of the Horn That Speared You ★★★ (2008-03-31 16:07:01)

一定の音量の中で、どれだけ聞き手に圧迫感を与えられるかという事においてはこの曲は最高のレベルに達してるのではないでしょうか。ボリュームが一番大きくなった時に、苦痛を感じるか感じないかの瀬戸際くらいの音量で聴くのが良いかも。M?(笑)


SUNN 0))) - White1 - The Gates of Ballard ★★ (2008-03-31 16:03:59)

女性の呪詛的な語りが入って妖しいですが、SUNN O)))にしてはリフの輪郭が分かりやすく、しかもメタリックなかっこよさも残ってますね。リズムトラックまで導入されてるし。それでもドローン的気持ち良さはちゃんと残ってるのが凄い。


SUNN 0))) - White2 ★★ (2006-06-12 17:57:00)

2004年発表の…4thかな?
最近いくつかドゥーム系のバンドを聴いて良いと思ったので、SUNN O)))って良く名前聞くし
MAYHEMのAttilaも参加してるし…と手を出してみたんですが、これは凄いです。
こういうジャンルは初心者の私が考察するのもなんですが…的外れだったらすみません。
…デス/ブラックなどのブラスト全開のエクストリーム・メタルを聴いていると、
時々曲のかっこよさよりもその音に耳を蹂躙される気持ち良さを求めてしまう事って
あると思うんですが、この人たちの曲もブラストが重低音に置き換わっただけで
同じ様に楽しむ事が出来るのではないでしょうか。曲よりも音を楽しむ系ですね。
そういう意味では、それ系のメタル好きがいかにも好きそうな音と言えるかもしれません。
2曲目ではノイズも取り入れた曲作りがなされてますが、重低音を心地良く聴ける音量で
聴いていてもそのノイズが不快なほど大きくなったりしないので、結構聴きやすいです。
STALAGGHなんかはその一線を超えまくりですからね(笑)
ちなみにAttilaは3曲目に読経(?)で参加。素晴らしいパフォーマンスです。
しかし、このアルバムではないですが(00 VOIDというアルバム)、彼らの作品のレビューが
某雑誌のバックナンバーに載っていたので見たら100点中4点でした…
う~ん…こういうメタルの枠を広げてくれそうなバンドが出てきたんだから、素直に
評価しとけばいいのに。とはいっても90点とか付けたら逆に「騙された!!」とかいう人が
続出しそうですが(笑)。むしろわざと低得点を付けてマニアの心を惹き付けるつもりだったのかも。


SUNN 0))) - White2 - Decay2 [Nihil's Maw] ★★★ (2006-06-12 18:11:37)

MAYHEMのAttila氏が参加している曲。
数あるAttilaがヴォーカルを務める曲でも、屈指のパフォーマンスだと思います。本当にインドの僧が唱える呪文のような本格的な雰囲気。正に密教の神秘って感じの曲で、歌詞も5000年以上前に書かれたサンスクリット語のテキストからの引用だとか。


SUNN 0))) - White2 - Hell-O)))-Ween ★★ (2006-06-12 18:02:44)

なるほど、音響系ドゥーム…
リズムも無く、リフのようなものを淡々と流しています。そこに音がある事に意味がある、みたいな。でも何故か神秘的な雰囲気すら漂っている気も。メタル聴かない人に聞かせてみたところ、「え、これもう始まってるの?」って言った後呆れてました(笑)


SUNN 0))) - White2 - bassAliens ★★★ (2006-06-12 18:06:38)

このバックで流れる重低音、気持ち良いような、気持ち悪いような…
聴いていると何か良からぬ事が起こりそうな不安に襲われ、動悸が早くなりそう。でも不快という訳ではなく、この音はむしろ好きです。後半のノイズは脳の老廃物を削ぎ落としてくれそう。


SUNN O))) - Altar (sunn O))) & Boris) ★★ (2007-01-27 21:11:00)

日本のバンド、borisとのコラボ作品。2006年発表(日本盤は2007年)。
初回限定で更にEARTHのメンバーも加えた布陣で作った大作曲入りのボーナスディスク付き。
曲的には、いつものSUNN O)))の作品同様、低音が効きまくった轟音を軸としながらも、
ドラムが入りちょっと違ったヘヴィネスを醸し出す曲や、ヴィオラやヴァイオリン、そして
女性ヴォーカルまで入った美しい曲なんかもあったりして更に音楽性を広げた感じ。
このバンドは最近では轟音だけではない実験的な作風も取り入れてますが、その実験的、
前衛的な部分を強化したような作風だと思います。曲作りはインプロヴィゼーション主体で
行われたものらしく、音作りは「BLACK ONE」と比べると多少ラフな感じも受けました。
ちなみにボーナスディスク収録の曲は、徹底してヘヴィな上に演奏時間も約30分と長めな
正に地獄を体現したような曲なので、購入を考えている方はお早めに。
しかし、Stephen O'Malleyは親日家なんでしょうか…。
KHANATEの日本盤もレア音源やDVD付いてて豪華でしたし、このアルバムのボーナストラックも
かなり良かったですし。でもこのアルバムがタワレコにかなりの枚数入荷されていたり、
音楽雑誌のレビューコーナーで大きく扱われているのを見た時は驚きました(笑)
こういう音にも理解が増しているんでしょうか。だとしたら嬉しいですよね。


SUNN O))) - Altar (sunn O))) & Boris) - Akuma No Kuma ★★★ (2007-01-27 20:46:55)

ユーモラスなタイトルとは裏腹に、かなりエグイ曲。
宇宙とも交信できそうなほどの音響やいつも通り効いてる低音だけでなく、死と頽廃を呼びこむようなトロンボーンまで入っていてかなり怖い。空気変わります。


SUNN O))) - Altar (sunn O))) & Boris) - Etna ★★★ (2007-01-27 20:49:18)

エトナ火山をモチーフにしたらしい曲。
SUNN O)))が元々持っている、低音に絞った煮え滾るマグマのような音のエネルギーと、ドラムの炸裂するエネルギーがぶつかり合うと「火山」になるんですね。


SUNN O))) - Altar (sunn O))) & Boris) - Her Lips Were Wet with Venom ★★★ (2007-01-27 20:57:44)

初回盤ボーナスディスクに収録の、EARTH、borisとの共作。
轟音が約30分に渡り鳴り響くヘヴィな曲ですが、流石に3バンドの共作だけあって迫力は今までのSUNN O)))のこの手の曲よりも増している感じがします。最初PLAYボタン押した時あまりの轟音にちょっとビビりました(笑)。評価は難しいですが、徹底していると思うので★3つで。


SUNN O))) - Altar (sunn O))) & Boris) - The Sinking Belle(black Sheep) ★★★ (2007-01-27 20:53:16)

表記は無いですが、おそらく日本盤ボーナス。
ヴァイオリンやヴィオラを取り入れた美しい曲。普通の感覚から言うとメロディアスとは言い難いであろうサウンドですが、音そのものをこれだけ美しく聴かせるのは凄い。


SUNN O))) - Black One - Bathory Erzsebet ★★ (2006-06-19 20:51:39)

前半は鐘の音や気味の悪い電子音を使用し静かな雰囲気ですが、7分を過ぎた辺りから一気に血塗られます。エリザベート・バソリー…なるほど。この恐怖を煽る雰囲気凄く好きですが、個人的にはインストの方が良かったな…人の気配があると、逆になんか安心してしまうので。


SUNN O))) - Black One - Cry for the Weeper (2006-06-19 01:10:25)

曲を聴いている間中、ずっとジェイソンの仮面が闇の中からこちらを見つめている…みたいな映像が頭から離れなくて怖かった…。こんな曲を聴いていたらいつ日常から切り離されて、不条理の世界に連れ去られてもおかしくなさそう…


SUNN O))) - Black One - Cursed Realms (of the Winterdemons) ★★★ (2006-06-19 01:14:32)

雪山で遭難したら、こんな感じになるのでしょうか…。
吹雪の中で必死に叫んでいるような感じの曲ですが、時折死の世界に足を踏み入れ、地獄から闇がどろどろと溢れ出してきているみたい。ラスト一瞬だけ音量上げすぎなのは個人的にはちょっと頂けない所ですが、この雰囲気は凄く好き。★3つで。


SUNN O))) - Black One - It Took the Night to Believe ★★ (2006-06-19 01:07:55)

この曲は演奏時間も極端に長いわけではないし、SUNN O)))でも聴きやすい曲かと思います。繰り返されるトレモロリフは結構メロウで、ブラックメタラーにもアピールしそう。勿論、「聴きやすい」「メロウ」のどちらにも「SUNN O)))にしては」という枕詞が付いてしまいますが…(笑)


SUNN O))) - Terrestrials (Sunn O))) & Ulver) ★★★ (2014-02-17 22:22:39)

2014年発表のコラボレーションアルバム。

まさかULVERとのコラボとは…そんな物、買わない訳にはいかないじゃないですか…。ULVERも最新のアルバム「Messe Ⅰ.Ⅹ – Ⅵ.Ⅹ」ではオーケストレーションと電子音楽を組み合わせて、抽象的で深遠な音像を描き出すという、SUNN O)))の実験的な音ともそう遠くない音を出していた事もあってか、凄く自然に両者の個性が息づいたコラボレーション作品になっているのではないでしょうか。

1曲目「Let There Be Light」は、瞼の裏で明滅する光の如き電子音が、静かながら聴き手を既に陶酔させるような説得力をもって立ち上がり、くすんだ風景の浮かぶブラスや即興演奏っぽいドラミングを取り入れつつ進行する楽曲で、どこか頽廃的なムードが漂ってますね。2曲目「Western Horn」は今作では最もドローン・アンビエント然とした抽象的な曲。脳内のパルスと同期しつつ、更に刺激を与えるような音使いが心地良くて安息すら感じてしまいます。

3曲目「Eternal Return」は電気的な処理が施されたオーケストレーションや、電子音などを重層的に、かつ丁寧に重ねた楽曲で、GarmことKristoffer Rygg様の官能的…を通り越してエロ過ぎな(笑)クリーンヴォーカルもフィーチャー。「重層的な音楽」とは、こういう事を言うんだな…と妙に納得してしまうような音作りと、彼のヴォーカルが相俟って精神が融けてしまいそうになります…。ああもう、ホント買って良かったわ…(笑)。

ブラック界隈にも、ノイジーなリフが転じて暗黒ドローンと化したような作風のバンドは多く表われ始めていますが、正直その中でもこれは「別格」な作品だと思う。この手の音楽って音に心地良さを感じられないと全く共感出来ないですけど、そこを当然楽々クリアしつつ、音を追ってるだけで引き込まれるような、「展開」を設けているのが素晴らしい。実はこういうドローン/アンビエント的な音としては凄く聴きやすい作品なのではないかと。

ちなみに日本盤はボーナスディスク付きで、「Eternal Return」のラフ版とAttilaの参加した「Fidelio」を収録。「Eternal Return」は比べて聴くと楽曲の作りこみ具合が透けて面白いし、ラフ版も音が少ない分ピアノやヴォーカルが存在感あって、こっちはこっちで良い音源。Attilaのボイスドローンが宗教的な恍惚をもたらす「Fidelio」もブラック聴く方なら共感する事請け合いですし、多少高くても日本盤を買っても全く損は無いと思う。


SUNN O))) - White1 - A Shaving of the Horn That Speared You ★★★ (2008-03-31 16:07:01)

一定の音量の中で、どれだけ聞き手に圧迫感を与えられるかという事においてはこの曲は最高のレベルに達してるのではないでしょうか。ボリュームが一番大きくなった時に、苦痛を感じるか感じないかの瀬戸際くらいの音量で聴くのが良いかも。M?(笑)


SUNN O))) - White1 - The Gates of Ballard ★★ (2008-03-31 16:03:59)

女性の呪詛的な語りが入って妖しいですが、SUNN O)))にしてはリフの輪郭が分かりやすく、しかもメタリックなかっこよさも残ってますね。リズムトラックまで導入されてるし。それでもドローン的気持ち良さはちゃんと残ってるのが凄い。


SUNN O))) - White2 ★★ (2006-06-12 17:57:00)

2004年発表の…4thかな?
最近いくつかドゥーム系のバンドを聴いて良いと思ったので、SUNN O)))って良く名前聞くし
MAYHEMのAttilaも参加してるし…と手を出してみたんですが、これは凄いです。
こういうジャンルは初心者の私が考察するのもなんですが…的外れだったらすみません。
…デス/ブラックなどのブラスト全開のエクストリーム・メタルを聴いていると、
時々曲のかっこよさよりもその音に耳を蹂躙される気持ち良さを求めてしまう事って
あると思うんですが、この人たちの曲もブラストが重低音に置き換わっただけで
同じ様に楽しむ事が出来るのではないでしょうか。曲よりも音を楽しむ系ですね。
そういう意味では、それ系のメタル好きがいかにも好きそうな音と言えるかもしれません。
2曲目ではノイズも取り入れた曲作りがなされてますが、重低音を心地良く聴ける音量で
聴いていてもそのノイズが不快なほど大きくなったりしないので、結構聴きやすいです。
STALAGGHなんかはその一線を超えまくりですからね(笑)
ちなみにAttilaは3曲目に読経(?)で参加。素晴らしいパフォーマンスです。
しかし、このアルバムではないですが(00 VOIDというアルバム)、彼らの作品のレビューが
某雑誌のバックナンバーに載っていたので見たら100点中4点でした…
う~ん…こういうメタルの枠を広げてくれそうなバンドが出てきたんだから、素直に
評価しとけばいいのに。とはいっても90点とか付けたら逆に「騙された!!」とかいう人が
続出しそうですが(笑)。むしろわざと低得点を付けてマニアの心を惹き付けるつもりだったのかも。


SUNN O))) - White2 - Decay2 [Nihil's Maw] ★★★ (2006-06-12 18:11:37)

MAYHEMのAttila氏が参加している曲。
数あるAttilaがヴォーカルを務める曲でも、屈指のパフォーマンスだと思います。本当にインドの僧が唱える呪文のような本格的な雰囲気。正に密教の神秘って感じの曲で、歌詞も5000年以上前に書かれたサンスクリット語のテキストからの引用だとか。


SUNN O))) - White2 - Hell-O)))-Ween ★★ (2006-06-12 18:02:44)

なるほど、音響系ドゥーム…
リズムも無く、リフのようなものを淡々と流しています。そこに音がある事に意味がある、みたいな。でも何故か神秘的な雰囲気すら漂っている気も。メタル聴かない人に聞かせてみたところ、「え、これもう始まってるの?」って言った後呆れてました(笑)


SUNN O))) - White2 - bassAliens ★★★ (2006-06-12 18:06:38)

このバックで流れる重低音、気持ち良いような、気持ち悪いような…
聴いていると何か良からぬ事が起こりそうな不安に襲われ、動悸が早くなりそう。でも不快という訳ではなく、この音はむしろ好きです。後半のノイズは脳の老廃物を削ぎ落としてくれそう。


SUNWHEEL - Industry of Death ★★★ (2012-10-02 21:32:18)

2010年発表の1st。

耳に痛い音ではないものの、音像を覆うようなノイジーさのギターリフと、アトモスフェリックで澱んだ感じの音色の、厚みのあるキーボードが交じり合い、終末的な雰囲気を漂わせるシンフォニック・ブラック。良く聴くとギターリフなどにはメタリックであったり、メロディアスな部分も多いものの、この手のジャンルの中でもかなり重苦しいムードを醸し出している音だと思う。

常にどす黒い雲が垂れ込めている感じの音作りに呼応するかのように、ヴォーカルもこの手にありがちなハイピッチ絶叫ではなく、何かを威圧するかのようなデスメタル的な低音咆哮を聴かせるタイプ。食い縛った歯の隙間から憎悪や怨嗟が漏れ出しているような、感情の篭もった声。このバンドは以前Swastyka(鉤十字)を名乗っていたことからも分かるとおり、NS的な思想を持っているようですが、この人を寄せ付けない雰囲気はそういった思想に由来するのかもしれません。

シンフォブラックらしいメロディアスさ、質の高さはあるものの、同時にカルトな雰囲気もしっかり感じさせてくれるアルバム。シンフォ系としては33分と演奏時間は短いものの、個人的にこの雰囲気の濃さはかなり好きですね。


SUPPLICIUM - Magna Atra Missa ★★★ (2013-04-23 23:30:01)

2010年発表の1st。
ジャケやタイトルのフォントも良い感じだし、レーベルも信頼できるところ(Those Opposed)だし…ということで、何となく手に取ってみたんですが、何気に超良盤なんじゃないでしょうか、これ。

タイプとしては、少々プリミティブな質感もありつつ、どこか荘厳さも感じさせる粗く擦り込むようなノイジーなリフで荒廃した雰囲気を醸し出しつつ、要所で浮き上がるようにトレモロを前に出して聴かせる、割と王道のスタイルですが…粗い音作りによる閉塞感のある地下ムード漂う暗黒性といい、トレモロに込められたフランス産のバンドらしい頽廃美といい、ブラックメタルの邪悪さの演出のレベルが非常に高く、いわゆる「ツボ」を抑えた音、という感じ。

特にトレモロリフのメロディセンスが素晴らしく、かのDEATHSPELL OMEGAがプログレッシブな方向に行く前の、サタニックな雰囲気に近いものがあると思います。例えばDSOの「Si~」アルバムと比べると、コンセプト性や構築性では譲るものの、こちらはメロディアスさやトレモロの美しさ・邪悪さをより強調した仕上がり。トレモロリフのノイジーな音質への映え具合が実に素晴らしく、その音自体が凄く神秘的なものに思えてしまうほど。10分超えの曲も多い大作主義の作風ですが、メロブラ好きならトレモロの邪悪美に翻弄されっぱなしで長さを忘れてしまうかも。

あまり知名度は高くないようですが、かなりお勧めの作品。余談ですが、この作品もブックレットが良い匂いなんですよね…(笑)。イタリアのGRIGORIの1stとかもそうでしたが、使ってるインクのせいでしょうか。


SUPREMACY - Satanic Reich ★★★ (2012-09-10 23:14:16)

2003年発表の1st。
特価品コーナーからサルベージしてきたんですけど、これ、そんな扱いを受けるには余りにも不遇な名盤だと思います。もう一聴で邪悪さがビシビシ伝わってきますもん。

作風は、一言で言うなら「プリミティブブラックの要素を強化したFUNERAL MIST」。ヴォーカルこそシンプルなものの、リフが放つ宗教的な邪悪さ、禍々しさはかなり共通していると思う。ただしこちらの方がもっとRAWで粗い音作りだったり、リズムもシンプルな2ビート疾走中心だったり、よりプリブラに近いスタイルですね。

この作品を聴いて、まず圧倒されるのはその邪悪さ。粗い音が元々邪悪であったリフを更に強化し、澱んだ血腥いムードを醸し出し恍惚感すら覚える狂性を演出してます。そこに時折リードギターのフレーズも入りますが、これもまた狂的で非常に邪悪。噛み千切るような絶叫にリバーブを掛け、真っ暗な洞窟から響く魔獣の慟哭のようにも聴こえるヴォーカルも素晴らしい。

最初この音を聴くと、粗く篭もった音に一瞬身を引きそうになるんですが、すぐにそれがリフやヴォーカルの禍々しさを強調していることに気付き、「この作風にはこの音でなければならない」と思えるほどの説得力を持って迫ってくるんですよね。この音質・音作りも、狙ってやってるんだったら相当なセンスだと思う。正にこれがRAWブラックの魅力だと思いますし。

これはブラックの隠れた名盤といって良いと思います。
ちなみに発売元はスウェーデンの悪の枢軸、Total Holocaust Records。レーベル買いも上等です。このレーベルに目を付けてるようなブラック好きならば確実に満足する事でしょう。


SURRENDER OF DIVINITY ★★ (2012-03-16 23:26:57)

タイ産ウォーブラック。
何気に日本盤もリリースしてたり、意外に知られたバンドだったりします。


SURRENDER OF DIVINITY - Oriental Hell Rhythmics ★★★ (2012-03-16 23:27:34)

2001年発表の1st。
限定盤らしいですが、日本盤もリリースされています。

ウォーブラックというと、低音域を強調した、篭もった粗野な音質やハードコア的なヤケクソ感を伴う激速リズムなどを連想しますが、この作品はドラムは割と篭もった丸い音質ながら、リフは金属質でメロディが強調された、この手では割と聴きやすい音作り。ヤケクソな爆走中心の緩急付いた展開、「悪魔」「秘教」のようなワードを直接的に連想させる禍々しくメロウなメロディ、ギエエエ系の喉逝きそうな高音絶叫と各要素は北欧の有名バンドと比べても全く引けを取りません。

このバンド、特にオールドスクールなノリのパートで顕著なんですが…北欧のバンドにはない、独特のリズムのセンスがありますよね。しかも狙ってる訳でなく、天然でこうなった感じの。北欧のバンドを基準とすると野暮ったく聴こえるのかもしれませんが、逆にそれがアジアの神秘というか、底知れなさに繋がってる気がします。…多分私だけだと思いますが、アルバムを聴いていて何度か「津軽」というキーワードが浮かんできてしまったり(笑)。

個人的にはウォーブラックの中では最大級にお勧めの作品。ウォー系特有のやけっぱち感もありますし、何より曲が良いです。北欧産にはない味のある、良い作品だと思います。


SUSPERIA ★★ (2011-01-05 22:20:22)

DIMMU BORGIRのメンバーが関わるメロブラ/スラッシュ。


SUSPERIA - Attitude ★★ (2011-01-05 22:21:32)

2009年発表の5th。
DIMMU BORGIR人脈と、ゴシックっぽいジャケに惹かれ購入。

彼らの音楽性は全く知らなかったのですが…。結果は…思ってたのと全然違う(笑)!!
特にスラッシュのようにがなり気味な声で、ある程度メロディを追うヴォーカルが
暑苦しく感じられ、初聴では「間違った買い物したかも…」とげんなり。
しかし、何回か聴くうちに、スラッシーなリフワークと、メロブラ的なメロいフレーズの
絡み合いが、絶妙のテンポの中繰り広げられる、物凄く熱いアルバムである事に
気付いてからは、印象が一変しましたね。スラッシュ要素をかなり強めに取り入れて
いる事で、一般的なメロブラよりもギターワークがかなり美味しい事になってると思う。
ヴォーカルも、正直好みとは違いますが…曲の熱さを上手く際立ててくれてはいると思う。

最初の印象こそいまいちだったものの、良く聴いてみれば流石のクオリティ。
熱くメロウなギターワークが聴きたいメロブラ愛好家にお勧めです。


SUSPIRAL - Delve Into the Mysteries of Transcendence ★★ (2016-07-02 22:12:56)

2016年発表の1st。

流石I, Voidhangerからのリリースだけあって、ユニークなブラックメタルを展開してますね。メタリック、アトモスフェリック、カオティックの三要素を上手いバランスで組み合わせ、独自の視点で暗黒趣味な世界観を追求していくような音。纏わり付くようなノイジーさのあるプロダクションは邪悪なアトモス系ブラックのようですが、展開はトレモロ疾走に頼りきらない重厚でドラマティックなもので、刻みリフやギターソロなどパーツ自体は意外にもメタルしてます。

ただし、それらによって紡がれるメロディがひたすらにカオティックで不協的なのが最大の特徴。メロディを感じられるパートは少なくないんですが、メロウさよりも混沌としたムードが非常に強いんですよね。ヴォーカルが呪詛を吐くような低音がなり、助けを求めるような絶叫などを使うタイプであることも相俟って、聴いているとじわじわと精神を追い詰められるような感覚があります。

楽曲のクオリティは高いですが、捉え所のない暗黒性を演出するメロディにかなり癖があり、聴き手を選びそうな感じはします。DEATHSPELL OMEGAやLEVIATHAN辺りのバンドで鍛えられてる方なら全然楽しめると思いますが。


SVARROGH - Kukeri ★★★ (2011-10-02 20:51:23)

2006年発表の3rd。
これは今まで聴いたペイガン/フォークメタルの中でも、特濃の作品。

ペイガン/フォークメタルバンドの中には、例えばトラッドを曲の合間に挿入したり、民族楽器や民謡のメロディをメタルサウンドに乗せたりするものが多くありますが、それらの音ってどれもメタルの展開や様式がまず前提としてあって、民族音楽の要素はあくまで「取り入れられた」ものであることが少なくないですが…

このバンドは民族音楽の要素とメタルの要素が、互角に配分されている感じですね。時には民族音楽の方がメインになることもしばしばで、流石に「~メタル」ではなく、「アヴァンギャルド・ブルガリアン・ミュージック」を標榜してるだけのことはある、濃ゆい音を出していると思います。

しかも民族音楽とメタルの混ぜ方が、パートによって全く異なるのが面白いんですよね。時にブブゼラのような音を鳴らしつつ猛然と、プリミティブに疾走したり、ほとんどトラッドだと思ってたら実はメタリックなリフが入ってたり、アコースティックなトラッドと苛烈な疾走をシームレスに繋げてみせたり…メタル部分の音は割とRAWですが、メジャーメタルとはまた違うダイナミズムを感じさせてくれます。

呪術的・儀式的アンビエントのようなパートもあり、民族音楽のエスニックで神秘的な雰囲気だけでなく、ダークで邪悪な部分もあるのが暗黒音楽好きには嬉しいところ。ELUVEITIEやKORPIKLAANIは言うに及ばず、NOKTURNAL MORTUMやNEGURA BUNGETを持ち出して尚物足りないというマニアの方には大推薦。


SVART ★★ (2011-08-31 22:35:20)

ノルウェー産ディプレッシブブラック。
SHININGやLIVSNEKADにも在籍するDraug氏によるプロジェクト。


SVART - NAMNLOS OCH BORTGLOMD ★★★ (2011-08-31 22:37:24)

2010年発表の3曲入りEP。
ラストの曲はキーボードインストのため、鬱ブラックは実質2曲。
割と曲は長めですが、ボリューム的にはちょっと物足りなさが残るかも。

CDを再生しようとして、いきなり爆音だったので驚きましたが…鬱ブラックにしてはこの音量は珍しい感じもしますが、小さいよりは100倍良いですね。音質自体のほうもしっかりトレモロを際立ててくれて悪くないですし。タイプとしては、物悲しいトレモロリフを音像の中心に据え、スローテンポでミニマルに聴かせる、いかにも鬱ブラックという感じの作風ですね。

ただ、私的にはこの作品、トレモロリフの微妙な変化で展開していく、ミニマルな作風にしてはあまりマニアックさを感じないんですよね。そのリフのメロディの醸しだす、物悲しさや絶望感が、いっそ大袈裟とか大仰とか言っても強ち間違いじゃないくらい強くて、メロディが来た瞬間にこのバンドの作り出す世界観に引き込まれていく感じ。ヴォーカルのノイズにしか聞こえないような、歪みまくった絶叫もそんなムードを更に濃くしてます。

個人的に、鬱ブラックといったらこういう音、という見本みたいな作品。メロディの求心力が高いため、敷居もそんなに高くないですし、鬱系が好きな方ならこのバンドも是非チェックしておいて欲しい所。


SVART CROWN - Witnessing the Fall ★★★ (2011-11-04 23:09:00)

2010年発表の1st。

なかなかに凝ったイラストが描かれたジャケからは、同郷のバンドなら少し前までのDEATHSPELL OMEGAやGLORIOR BELLI辺りに通じる、宗教的ムード漂う邪悪ブラックが予想されますが…半分当たりといった感じですね。

フランス産らしい病んだメロディが、深遠な邪悪さを演出する、真性ムード剥き出しのブラックメタル…という所まではジャケから予想してた通りだったんですが、思った以上にブルータルなサウンド。特にドラムの、鈍器で目一杯どつきまわすような音色にかなり迫力があり、ファストパートはMARDUKと比肩するレベルの破壊力があると思う。

このドラムに加えて、しっかりリフの音色も太く、毒々しく仕上げてくれているのも素晴らしいですね。音量も適正で問題なし。また、ヴォーカルもやや低め~中音域メインのがなり声ながら、声質が太く邪悪なムードに説得力を持たせる事に成功してると思います。精神のタガが外れたような絶叫パートもありますが、鬱系のように細い裏返り系でなく、あくまで野太さを保ったままの咆哮なのがかっこいい。

個人的な印象では、上記のバンドも勿論思い浮かんだんですが、「やけくそになったWATAIN」みたいな感じがあるんですよね(笑)。起伏のある展開で、DSO的な邪悪メロで押すミドルパートも少なくはないですが、この迫力ある音はファスト好きにもお勧めしたいところ。


SVARTFELL ★★ (2011-07-08 21:02:56)

フランス産プリミティブブラック。
VERMETHのValhgarm氏による独りバンド。


SVARTFELL - DAY OF THE UNHOLY MASSACRE ★★ (2011-07-08 21:03:47)

2009年発表の2nd。

作風としては、ダーティなリフと共にスラッシーな疾走、メロディックなトレモロリフを従えた2ビート疾走などを展開の主軸にした、09年の音としてはややオールドスクールな感じながら、プリミティブ・ブラックとして衒いのない音ですね。狂気的な高音絶叫ではなく、ドスの効いたがなりで、力強く邪悪な呪詛を撒き散らすようなヴォーカルはなかなか特徴的でかっこいいです。

しかし、この音源で最も特徴的なのは「荒々しさ」でしょう。
特にモタっても気にせず破壊的なテンションで突っ走るドラム。音作りもやたらとドタバタしてて喧しいですし。特に1曲目の後半なんか、(そういう展開なんだろうけど)荒っぽくやりすぎて演奏が止まる一歩手前みたいなパートがあるのが素晴らしい。音質も良いとは決して言えないものの、この荒々しさをしっかり伝える立体性はあって悪くないです(というか曲に合ってる)。

他のブルータルな音楽…例えばブルデスやブルブラ、スラッシュやハードコアのどれでも味わえないような、ヤケクソな荒々しさと邪悪さが混じり合った特有の雰囲気が楽しめる作品。この殺伐感がいいですよね。


SVARTGREN - Prazan Grob ★★★ (2015-11-08 11:51:11)

2015年発表の1st。

日本盤が発売された事もあって興味を持って購入したんですが、これがなかなかに素晴らしい内容。音的には3部作期のDARKTHRONEほどミニマルでない、プリミティブブラックで、SATANIC WARMASTERやCRAFT辺りに近い路線でしょうか。「プリミティブブラック」の様式を崩さない範囲で最大限にドラマ性を演出しつつ聴かせる楽曲は、今挙げたようなベテランと比較しても劣らない魅力がありますね。

これがフルアルバム一作目というのに、一曲目から堂々としたミディアムで聴かせる、かつそれが奏功している辺り貫禄も十分。呼気が強くドスの効いた中にもヒリついた感触のあるヴォーカル、ジャンル内ではクリアながら生々しさ・コシの強さを感じさせるヴォーカル、叙情的ながら邪悪な昂ぶりを感じさせるメロディ、えぐめのベースの音もしっかり絡むアンサンブルなど、各パーツを個別に見ていってもかなりのハイクオリティ。

セルビアといえばBANEやMAY RESULT、THE STONEなどを始め注目バンドが多く、ブラックの名産地になりつつありますが、このバンドもセルビアの注目度を上げるだけの魅力があるように思います。お勧めです。


SVARTI LOGHIN - Empty World ★★ (2013-12-21 11:31:50)

2008年発表の1st。

どうやらこのバンド、後にフォーク方面に作風を発展させていったとのことですが、この1stの時点ではブラック的ノイジーな音像が儚げなメロディを強調する、いわゆるシューゲイザー系のブラックメタルですね。ブラックらしいトレモロではなく、メロディアスなベースとアルペジオでムードを演出していく作風ですが…多くのレビューサイト・ブログでも言われている通り、この沁みるような儚いアルペジオが非常に秀逸。メロウ系好きなら目頭が熱くなるかもしれません。

但し、メロウで、時に温もりすら感じる優しげなメロディ使いではあるものの、必死の形相で叫び続けているに違いないヴォーカルや、どこか神経を圧迫するような響きを持った、ブラック特有の擦り込むようなリフの音色のせいか、精神を磨耗するような鬱な雰囲気も強く、メロディの性質とも相俟って不安定さも感じますね。また、シューゲイザー系のブラックにはアーバンな空気を感じさせるものも少なくないですが、この作品はパーカッシブなリズムを取り入れた箇所があったり、ネイチャー指向が強め。

儚げなアルペジオが最大のウリな作風のため、例えばKRALLICEからこのジャンルに入ったようなトレモロフェチにはお勧め出来ませんが、繊細なメロディをブラックの苛烈さが強調する、シューゲイザー系ブラックのあの独特な雰囲気が好きな方には、かなりお勧めです。


SVARTIDAUƉI - Flesh Cathedral ★★★ (2014-04-15 22:23:12)

2012年発表の1st。

まずバンド名があのSATYRICONもリスペクトしたカルトアーティスト、WHENの怪作「SVARTIDAUDI」を思わせる事と、ブラック好きにはお馴染みのレーベル、信頼と実績のDaemon Worshipから出てる時点でリーチ掛かってますが、そんな期待を裏切らない素晴らしい作品ですよ、これは…。

まず、WATAINやONDSKAPT、ACRIMONIOUS辺りに通じるドスの効いた、真性ムードの色濃いメロディック・ブラックが軸にあって、それを薬物と硫酸でドロけさせたような作風で、特にWATAINなんかと比較するとメタリックさは大分抑え目ではあるんですが、その分粘っこい、纏わりついてくるような粘液質な邪悪さに特化されたような音。より「現実から超越してしまった音」とも言えるかもしれません。

そんな雰囲気満点のどす黒い音なんですが、展開の方はブラストビートで畳み掛けるようなパートや、メロディアスなトレモロで攻めるパートもかなり多く、かなりドラマティック。ドラマ性のある展開なのに、常に底なし沼から聴き手を引き込もうとする黒い腕が無数に伸びているかのような、禍々しいムードに覆われているのが素晴らしいです。ブラストパートなんて解脱するような恍惚感を感じますもん(笑)。ヴォーカルもオーソドックスな中域がなりですが、ドスが聴いててグッド。

邪悪さ、陰湿なムード、骨太さどれも兼ね備えた暗黒なブラックで、如何にもDaemon Worshipらしい音源。レーベルの音源を追ってる方は勿論、邪悪で閉塞感のあるブラックが好きであれば買いです。


SVARTRIT ★★ (2011-08-20 20:25:10)

スウェーデン産ブラックメタルバンド。
バンド名は「黒の儀式」の意。


SVARTRIT - Ⅰ ★★ (2011-08-20 20:26:59)

2009年レコーディング、翌年リリースされた1st。
2nd、3rdも同時発売。ちなみにどの作品も500枚限定らしいです。

ジャケを見ると、いかにもオールドスクールでプリミティブなブラックを演ってそうな感じで、全然メロディックな曲を作りそうにない雰囲気なんですが…実際には、曲の8割がたを2本のギターによるトレモロリフの絡みが覆い尽くした、非常にメロディックな音。時々ペイガン的な勇壮さも顔を出しますが、基本的にはトレモロによる神秘的なメロディが曲を牽引していってますね。

このトレモロ偏重で、尚且つ高音でキリキリと心を締め付けるような音色も使っている辺り、KRALLICEやDER WEG EINER FREIHEITなどのバンドを思い出しますが…前者がポストブラック、後者がメロディックブラックの感性が強いのに対し、この作品は音作りやヴォーカルなどに未加工の生々しさがあって、プリミティブ的な感性を持っていると言えるかも。と言っても音質は悪くなく、寧ろ分離は良いくらいで、生っぽさを感じさせてくれるドラムの音色が心地よくて個人的にはかなりツボ。

しかし、初のフルも含めた3枚同時リリースって凄い自信ですよね…。初見のバンドだったら、どういう路線か分からないし、どれ買って良いか分からずスルーしてしまいそうですもん(笑)。私は取り合えず1stを買いましたが、結局ジャケとイメージが違いましたし…。


SVARTSOT - Ravnenes saga ★★ (2008-10-02 21:33:00)

2007年発表の1st。タイトルは「大鴉物語」の意。

メロデス調の演奏に笛による民族的メロディを絡めていくヴァイキングメタルで、タイプとしてはEQUILIBRIUM辺りに近そう。壮大極まりない世界観を描くEQUILIBRIUMと比べると、メロディはやや素朴(と言っても充分クサい)な印象ですが、笛が無くても良質なメロデスとして楽しめそうなほどバンドサウンド自体がメロディアスで、笛もリフと絡んだりユニゾンしたりして更にクサく聴かせるアレンジが多く、笛の音色自体がクサいので全体的なクサさではEQUILIBRIUMに引けを取らないといってもいいくらいかもしれません。

また、ヴォーカルがブルデスに似合いそうな低音デスなのも特徴ですね。1曲目のテーマが「イギリスの街を襲撃した後、死んだ仲間を弔う宴」だったり、EQUILIBRIUMやKORPIKLAANIと比べて野蛮だったり悲哀があったり、より生々しい世界観を描いている感じなんですが、それはこのヴォーカルの貢献によるものが大きいかもしれません。前述のバンドと比べるとインパクトは少し弱いかもしれませんが、よりシリアスな世界観や骨の太い演奏という魅力があるし、ヴァイキング好きなら聴いておいて損は無いと思います。


SVARTSOT - Ravnenes saga - Brages bæger ★★★ (2008-10-02 21:35:59)

デモの再録らしいです。入ってないバージョンもあるとか…?
ただでさえデス&ロール的な、ノリの良いシャッフルのリズムなのに「踊れ!」とばかりに笛を絡めてきますからね…自然と体が動き出してしまっても無理はないでしょう(笑)。どの曲もクサメロ満載で良いんですが、ノリの良さがある分この曲がアルバムの中でも一番好きかもしれません。


SVARTSOT - Ravnenes saga - Drekar ★★ (2008-10-02 21:36:55)

デジパック盤ボーナストラック。
メロデス風のリフの高揚感と、それをやたらめったら煽りまくる笛のアンサンブルが素敵。これがボーナスなのは勿体無さすぎる。


SVARTSOT - Ravnenes saga - Hedens døtre ★★★ (2008-10-02 21:37:50)

牧歌的なメロディに対して、ヴォーカルはかなり野蛮。
洞窟から響く肉食獣の唸りみたいな声で、2曲目と並んで本作中ベストパフォーマンスだと思います。


SVARTSOT - Ravnenes saga - Tvende ravne ★★★ (2008-10-02 21:34:47)

タイトルは「二羽のカラス」の意味で、そのタイトルの通り二羽のカラスが言い争う内容の歌詞らしいですが…それを表現するヴォーカルが素晴らしい。他の曲でも多用してる低音デスはもちろん、それと掛け合う高音絶叫も実にかっこいい。個人的にはこの手のバンドではかなり好きなヴォーカルですね。


SVARTSYN - Wrath Upon The Earth ★★ (2011-03-29 20:20:56)

2011年発表の6th。

現在は脱退したドラマーが元DARK FUNERAL、かつバンド自体もそこそこ名の知れていると言う事で、試聴もせずに買ってしまったんですが、これは期待通りの音ですね。最初のゲームオーバー音楽をオーケストラアレンジしたようなイントロには驚きましたが、続いて出てきた音は、芯の非常にしっかりしたファストブラック。
寒々しいとか邪悪とか言うよりは、神経に障る気味悪さのあるトレモロ、時折入るパーカッシブなリズム、典型的なガナリスタイルながらどこかダウナーな邪悪さを感じさせるヴォーカルなど、なかなか聴き応えのある音。

ただ、地下臭いメロディにしろパーカッシブなリズムの導入にしろ、まだ「このバンドならでは」という感じまでには至っていないのと、メジャー志向の暴虐を手にしたいのかアングラ志向の邪悪さに行きたいのか、いまひとつハッキリしない控えめな音質は少し不満が残るかも。特に後者、時々曲の繋ぎで情けないノイズが入るのがなんだか嫌な感じ。

不満点はあれど、邪悪系ファストブラック好きにはお勧めできる作品。出来れば、ブラック以外のメタル好きにもアピールできる何かが欲しい所。もう少しでそれが出来そうな音なのが、なんか惜しいんですよね。


SVARTTHRON ★★ (2012-03-25 11:05:32)

ノルウェー語で「黒い王座」を意味するバンド名を冠した、リトアニアのブラックメタルバンド。PERGALEのメンバーも関与しています。


SVARTTHRON - Kraujo Estetika ★★★ (2012-03-25 11:06:45)

2010年発表の5th。
タイトルはおそらく「血の美学」の意。

血液の泡立つジャケット、血に塗れた肉などのアートワークからして生理的嫌悪感を催させるものですが、中身もそれから想像しうるような、醜悪極まりないブラックメタル。一部アンビエント要素を挟みつつ、血腥さが伝わるようなトレモロリフをジクジクと垂れ流しながら疾走も絡めて展開するスタイル。個人的にトレモロのメロディからは、最初期のBURZUMに通じるような、異質なムードを感じたり。とにかく得体の知れない、異様なムードが漂ってます。

しかしその異様さを更に際立てているのが、この不気味で個性的なヴォーカルワークでしょう。低く呟くような、詠唱系のクリーンを左右のチャンネルに振ってハモらせてみたり、裏返り気味のヒステリックな絶叫と重ねてみたり、多重録音を駆使して徹底的に気色悪い雰囲気を演出している感じ。致命的な生物学的エラーにより、筋繊維が剥き出しになった人間が体中から血の泡を吹き出しながら歌っている…アートワークとも合わせ、そんなイメージが思い浮かびました。

メンバーが共通するPERGALEの方にもグロテスクな要素はありましたが、こちらはもっとストレートにグロい作品。個人的には、ゴアとかよりも禁忌に触れている感じが強くて、より気持ち悪さを感じるんですよね。見てはいけないものを見てしまった…的な感じのヤバさの漂う作品です。


SVARTTJERN - TOWARDS THE ULTIMATE ★★★ (2012-01-13 22:54:02)

2011年発表の2nd。

まず裏ジャケに燦然と輝く「TNBM(True Norwegian Black Metal)」のロゴが入っている時点で、品質は約束されたも同然ですが…そのロゴの威光を裏切る事のない、むしろ更にハクを付けるような、ストレートかつハイクオリティなブラックメタル。緩急付けつつ疾走パート多めの作風ですが、カッチリしたドラムの音と厚みのあるリフなど音質の良さも手伝って、聴いていて単純に気持ちの良い音。リフは邪悪系トレモロだけでなく刻みも入れたもので、メタルとしての熱気もしっかり持ってる感じですね。

エクストリームメタルとして非常に質が高い音を聴かせてくれるんですが、それと同時に「ブラックメタルならでは」の魅力も大きいのが素晴らしいですよね。特に闇から粘液質の瘴気が這いずり出すかのような、邪悪なメロディのトレモロはブラック以外ではなかなか聴けないと思う。ヴォーカルもキレの良いがなり声で、普通にかっこよく聴きやすい感じですが、時々狂気を剥き出しに吠え立てたり、低音でかなりエグい声も出したりして、狂性も感じられる辺りやっぱりブラックらしいな…と思います。

ブラックって結構癖の強いバンドが多いですけど、この作品はメタルの、どのサブジャンルの好きな人に聴かせてもブラックメタルというジャンルの魅力が伝わるアルバムなんじゃないかと思います。音も整ってますし、初心者にもお勧めできる作品。


SVEDHOUS ★★ (2012-03-17 22:36:23)

韓国産鬱ブラック。
…このプロフィールだけでなんか興味湧いてきますよね(笑)。


SVEDHOUS - Path of Suicide ★★ (2012-03-17 22:37:10)

2007年発表の3曲入りCD-R。
と言っても20分以上あるので、ボリュームとしてはミニアルバム程度ですね。

路線は、音源のみを聴く限りではアジア産であることを殆ど感じさせない、典型的な鬱ブラック。聴き手を洗脳するようにゆったりと、ミニマルに叩かれるドラムに、ざらついた悲壮なリフと厭人の極みに達したような、SILENCER系の裏返り気味の絶叫が乗るスタイル。鬱感情だけでなく、妙な温かみを感じさせるリフのメロディからは、どこか「諦念」みたいなものが感じられるのが特徴。

また、どこかの音楽評論家が「アジアの音楽には独特の間の取り方がある」みたいに言っていた記憶があるんですが、3曲目のリズムなんかはそうした要素が少しだけ感じられますね。この独特なリズムがまたトリップ感を増してるように思います。ただ、歌詞は出来れば母国語の方が良かったなぁ…読むだけで英語苦手なのが伝わってくる(笑)。こんなネガティブな音を作り上げた人が、辞書と首っ引きで頑張ってる姿を想像すると微笑ましいですけど(笑)。

現段階では、例えばチェコのTRISTや、MAKE A CHANGE…KILL YOURSELF辺りに匹敵する…とまでは言い切れないものの、諦念の混じった鬱感情の表現は見事。韓国の鬱系なんて何気に貴重だと思うので、この手が好きならチェックしてみてもいいかも。


SVIATIBOR - Le Havre Du Seigneur Céleste (2017-01-08 08:29:19)

2016年発表の6th。
2014年に初のフルを出したばかりなので、かなりハイペースな活動ですね。

…GRAVELANDはプリミティブ路線から脱却し、シンセサイザーとバンドサウンドを組み合わせることで、独自の壮大なアンビエンスを感じさせるペイガンブラックを構築していましたが…それを更にマニアックにしたようなペイガン・アンビエントブラックですね。

とにかく音の作り方が独特なのが特徴。最早バンドサウンドをほぼ感じられなくなるほどに、シンセサイザーが前面に押し出されていて…しかもまるでPS1期のビデオゲームのような、デジタルであることを隠そうともしないような音色なんですよね。その音が包むリズムも打ち込みめいた音ですし、なにかサウンドトラックを聴いているような聴き心地。「意図されたチープな音色」には独特の美しさが宿っているように思います。

ただ、サウンドスケープに対して主旋律がもう少し主張してもいいと思ったり、若干の物足りなさはあるかも…。結構好みが分かれそうな作品です。


SVÄRTA - Sepultus ★★★ (2016-05-29 16:06:53)

2015年発表の1st。

これはいいですね。プリミティブブラックの様式を踏まえつつも、テンプレ以上の良さをしっかり出せている作品だと思います。ドカドカとRawな音色での2ビート疾走が非常に暴力的で心地良いですし、ブラストで爆走するパートも狂っている感じがあり惹き付けられる。何故か若干右よりから聴こえてくるヴォーカルも、リバーブの掛かった音割れ寸前の絶叫で楽曲のいかれた雰囲気をより強めてますね。

また、プリミティブブラックのキモとも言えるリフも、及第点を遥かに超える魅力があるように思います。トレモロによるメロ自体メロウさと土着的な不気味さからくる邪悪さを感じさせますし、どこか血腥い粘液質な何かに包まれているような感覚を覚える、空間的な響きのある独特の音なのが良いですね。ただ、バンドサウンドのパートは文句なしですが、時折挿入されるアンビエントパートが正直いまいちに感じるのが、欠点といえば欠点でしょうか。

…某ショップでは正体不明のバンド、として売り出されていましたが…これは単に情報を出してないのか、ハクを付けるためなのかどっちなんでしょう(笑)。ちなみにブックレット裏のメンバーの写真(?)では被り物をしていました(笑)。


SWORN - The Alleviation ★★ (2009-11-10 08:17:00)

2007年発表の1st。

少し乱暴に言ってしまえば、メロデスって個人的には、ヴォーカルパートがメロディを追わなくなった代わりに、ギターパートがよりメロディアスになった正統派HR/HMというイメージがあるんですけど、そこに更にブラックメタル由来のトレモロリフと、ヴァイキングメタル由来のトラッド寄りのメロディを取り入れることで、もう一歩メロディ重視方向に歩を進めたのがこの作品ではないでしょうか。

ブラックの危険で邪悪な雰囲気はほぼ排され、むしろクサメタラーに強くアピールしそうな叙情性の強い音なんですが、ヴォーカルがDISSECTIONのJon Notdveitのスタイルにも通じる、決死な雰囲気漂うデス声だったり、ブラストで攻め立てるパートを設けたり、決して軟弱な訳ではないのが素晴らしい。初期DISSECTIONが、サタニズムや反宇宙主義を捨てて、叙情性やメタルとしての(健全/普遍的な)かっこよさに傾倒したら、こんな音になるんじゃないかと思います。

ただ、ブラックが下敷きになっているせいか、普通のメロデスよりもギターソロの登場頻度は少なめ。その分リフがメロディアスで、その辺りもリフフェチな私にはツボだったりします。パッと聴きには良い音ながら、よーく聴くとギターの音色が微妙にチープだったり、まだまだ改善点はありそうですが、この時点でも十分メジャークラスの音だと思います。

デス/ブラック好きで、クサメタル嗜好も持ち合わせてる方なら買って損はないでしょう。


SWORN - The Alleviation - Alleviation ★★★ (2009-11-10 08:19:07)

某CDショップではクサメロ好きに対してかなり勧められてましたが…のっけから期待を裏切らないクサクサっぷりで大満足。ブラストを取り入れた、叙情的ではあるけど甘くなりすぎない展開もいい感じ。


SWORN - The Alleviation - Crow of Passage ★★★ (2009-11-10 08:20:48)

全編通じて叙情メロの横行するこの作品ですが、単発メロのクサさで言ったらこの曲が一番でしょう。メロい時のTAAKEに通じるような悲壮感も素晴らしい。


SWORN - The Alleviation - Heart of Decay ★★★ (2009-11-10 08:19:56)

KRALLICEを思い出すくらいトレモロ万歳な曲ですが、過剰なまでのトレモロをポストブラック=メタルとは離れる方向で用いているKRALLICEに対し、こっちはメロデス的なメタルの普遍的な魅力を強めているのが面白いです。


SWORN - The Alleviation - The Beauty of My Funeral ★★★ (2009-11-10 08:21:40)

アルバム最後だし、こんなタイトルだしで他の曲よりもメロディが暗め…ではあるんですが、やっぱり陰鬱さよりもクサさの方が強いですね。あとGソロの泣きっぷりは異常。ARCH ENEMY辺りの、ソロを魅力の一つとした有名バンドと比べても遜色無いと思います。


SYLVAN REALM (REVERIE) ★★ (2011-10-04 22:22:04)

アメリカ産ブラックメタル。
以前はREVERIEの名義で活動していたバンドで、名義変更と同時に独りプロジェクトからバンド形態に移行した経歴があるみたいです。現在はWOEのメンバーも参加。


SYLVAN REALM (REVERIE) - ISOLATION ★★ (2011-10-04 22:23:00)

2007年発表の1st。
「REVERIE」名義でのリリース。

個人的には、音質でかなり損をしてる音という印象。
作風的には、割と長めなアコースティックパートを挿入しつつ、トレモロリフのみに頼りきらない、メタリックでダイナミック、しかしメロディック・ブラックの繊細さはしっかり残したメロディを練り込んだリフ捌きで聴かせる、メロディ重視の聴きやすいブラックメタルという感じで、邪悪さは薄めですがロック的なリズムも導入され、ストレートにかっこいいと言える音だと思う。

ただ音質が、ブラックメタルとしては悪くない、むしろ音の分離はかなり良く、各パートの音ははっきり聴こえるくらいなんですが…メロディの繊細さの割に音作りが大味なのが惜しいんですよね。リフの歪みが妙に金属的だったり、ドラムのRAWさが逆に野暮ったく聞こえたり、音質と作風が今ひとつ合っていない感じ。アコギのパートも、あと少し繊細さがあれば、もっと魅力的になりそう。

とは言っても、特に聴きづらさがある音という訳ではないですし、リフやメロディがしっかりしていて曲のクオリティは低くないので、メロブラ好きにはお勧め。自主制作らしいですが曲はかなり良いですよ。


SYN ZE SASE TRI ★★ (2011-08-27 06:17:02)

2007年結成のルーマニア産シンフォニックブラック。
ex-NEGURA BUNGETのメンバーが在籍。


SYN ZE SASE TRI - Intre Doua Lumi ★★★ (2011-08-27 06:18:13)

2011年発表の1st。

私はこれ、買ってきて聴いて、そして驚愕しました。
何にって、音の小ささにです。マスタリングに失敗でもしたんでしょうか…。通常の音量で聴くとまるで蚊の鳴くようなしょぼい音圧で、ほんとイラッと来る…。これ聴いた後に音量調節忘れたまま他のCD聴くと、イヤフォンなら耳が潰れ、スピーカーなら近所から苦情が来るレベル。音上げて聴けばいいって問題じゃないです。

ただ、曲の方はほんとに素晴らしい。
まずシンフォブラックとしてのキーの使い方が良いですよね。クワイア系やオルガン系、ストリングス系でアトモスフェリックな空間を演出しながら、ピアノ等により劇的なメロディを捩じ込んでくる、複数の音色を組み合わせて、重厚なドラマ性を生み出している感じで聴いていて取り込まれそうになる。

ギターワークも、時に刻みリフでキーボードを立たせたり、大仰なメロディの下で邪悪なトレモロを弾いてみせたり、情感溢れるメロディのリードを弾いたりで、キーボードに曲の展開を任せすぎず、シンフォブラックとしてはかなり凝ってるほうだと思う。音量を度外視してもドラムのミックスが小さめですが、その分キーとギターの絡みが強調されているのでマイナスではないですね。

しかし、諸要素も素晴らしいんですが、やはり曲そのものが本当に良いと思う。まず荘厳かつ流麗に、中世的な退廃美を演出するストリングスだったり、時にプログレッシブな不条理性を演出してみせるピアノだったり、勇ましく、クサいと言っても過言ではないメロディを吼え猛るブラスだったり、メロディそのものが濃厚。また、キーとギターが時に補完しあい、時に主導権を争いながら展開するアンサンブルも実にスリリング。作曲に関しては既にベテラン勢を食えるレベルだと思う。

…それだけに音質が本当に惜しい。本来ならこんなしょぼい音量のCDに☆3つ付けたくはないんですが、ここまで曲がいいと付けざるを得ないですもん。音量がまともだったら、少なくとも私の中ではABIGAIL WILLIAMSの1st以上の衝撃作になっただけに、本当に惜しすぎる。ああ、悔しいし腹立たしい…!音量が小さい事に頓着しない、もしくは我慢できるシンフォブラック好きなら絶対買った方が良いです。


SYNC.ART'S ★★ (2009-03-27 18:11:00)

「Marionetteの輪舞曲」で多くのメロスパーの心を奪った、五条下位氏のプロジェクト。
あれだけ完成度の高いメロスピを作っておきながら、トランスを始め色々な
ジャンルを自分の音楽に取り込む五条さんは、本当に才人だと思います。


SYNC.ART'S - Heart Chain - Ever Since… ★★ (2009-03-30 21:54:07)

この曲の歌詞、かなり苦労して書いたんじゃないでしょうか…V系とかでよくあるなんちゃって英語よりずっとしっかりしてる。でも歌は…母音をはっきり発音しすぎる、日本語的な感じ(笑)。二重母音はもう少しぼかして歌っても…。なんか英語を頑張ってる感が強くて、あんまりアレンジやメロディへの感想が浮かんで来ない曲(笑)。


SYNC.ART'S - Heart Chain - Tod Und Feuer ★★★ (2009-03-27 18:08:49)

タイトルは「死と炎」で合ってるかな?
どこまでもロマンティックで退廃的な、深遠なメロディと、四つ打ちのトランス的リズムで聴き手を深い陶酔へ引き込んでいく曲。夢の中の無限に続く回廊に取り残されたまま、幼い日の追憶に浸っているようなノスタルジックな、でも深いダークさも持ち合わせたような雰囲気。詩も抽象的なようで、言葉の一つ一つが情景を触発する、イマジネーションを刺激するもので素晴らしい。
…この深い、形を持たない絶望感の中に取り残されるような感覚は、スタイルは違ってもPECCATUMの「Desolate Ever After」やULVERの「Dressed In Black」に通じるものがあるとすら思う。ポストブラック好きで、トランス要素のあるポップスも行けるなら必聴。抽象的な雰囲気の演出力は、マジで一流のメタルを超えるものがあるかもしれません。


SYNC.ART'S - Heart Chain - 癒えぬ痕 ★★★ (2009-03-30 21:49:25)

今までにも六弦アリスの櫻井アンナさんが参加した曲はありましたが…正直、どれも六弦の方が良い、彼女の声質を良く活かしてると思ってたんですが…遂に本家に匹敵するくらい魅力的なゴシックチューンが来ましたね。海外のゴシックにも、ここまで甘美なダークさを聴かせてくれるバンドはなかなかいない…ってくらいレベル高いです。特にラストのサビ、全身の毛が逆立つような感覚に襲われます。
歌詞は、人の心を読む能力を持った少女の心情を歌ったものでしょうか。どこか六弦アリスの歌詞のテーマと共通するものがあるように思います。


SYNC.ART'S - ソラとトキと二色のチョウ - Bichrome ★★★ (2009-03-30 21:58:21)

お洒落なタイトルが好みな1曲目。
トランスの四つ打ちとメタルのギターのディストーションのもたらす快感って、実は結構似てるんじゃないかと思うんですが、それを確信した上でくっつけたようなアレンジ。私はこういう歌が音の真ん中にある曲は、歌メロが美味しくないと嫌なんですが、これは見事に期待に応えてくれてます。


SYNC.ART'S - ソラとトキと二色のチョウ - Gravity of Love ★★ (2009-03-30 22:14:24)

これは…違和感なさすぎて気付かなかったけど、クレジットを読んでみるとアレンジもヴォーカルもSILVER FORESTの人で、実質SxFxの曲みたいですね。SYNCとSxFxってファンの好みの音楽の傾向が被ってそうなだけに、こういう形で作品を紹介するのって結構効果高いのかも。こういうコラボが出来るのも、同人ならではのフットワークの軽さなのかもしれませんね。


SYNC.ART'S - ソラとトキと二色のチョウ - 魅せる時 ★★ (2009-03-30 22:05:36)

なんか凄く不思議な雰囲気の曲。
クワイヤやチェンバロを配したイントロはゴシックっぽいんですが、メロディが宇宙っぽい感じ。本編でそのメロをギターで弾くとハードロックっぽく聞こえるし…印象に残るけど、掴みづらい感じの曲だと思います。


SYNC.ART'S - ソラとトキと二色のチョウ - 揺らめく水面に落ちる月 ★★ (2009-03-30 22:09:47)

このアルバムって、アートワークやアレンジの傾向から宇宙っぽいイメージがあるんですが、この曲はギリシア神話の夜空な感じですね。パルテノン神殿みたいなところで、巫女が夜空に祈りを捧げてるような雰囲気。個人的には聖闘士聖矢の城戸沙織的なイメージです(笑)。


SYNC.ART'S - 華に舞う黒蝶の姫 - Marionetteの輪舞曲 ★★★ (2009-03-27 18:06:44)

ジャパメタでもこれほど完成度が高いものは珍しいといえるくらい、質の高い歌謡ゴシックメロスピ。ギタメロは良質のメロデスを聴いているような高揚をもたらしてくれるし、初期ラルクを思わせる頽廃と叙情を秘めた歌メロもパーフェクト。
…でもヴォーカルがロリータヴォイス風の作り声なのが惜しいなぁ…アキバ系受けを狙ったみたいな浅墓な理由じゃなくて、この倒錯した世界観の演出にこの声が必要だったというのは分かるけど、個人的な好みを外れすぎててちょっと…。ああ、この完成度の高さが逆に憎たらしい!!でも、ヴォーカルを考慮しても様式美/歌謡メタル好きなら悶絶なクオリティは間違いなくあると思う。


SYNC.ART'S - 華に舞う黒蝶の姫 - Over Providence ★★ (2009-03-30 22:01:32)

1曲目との繋がりが良いですね。リズムもロック寄りになり、ギターも生になって段々テンションが上がってくる感じが好き。寝る時に聴いてても、いつの間にか足でリズム取ってたりします(笑)。
すみません、間違えました…(汗)「ソラとトキと二色のチョウ」収録です。


SYNC.ART'S - 華に舞う黒蝶の姫 - 黒き魚 ★★★ (2009-03-27 18:07:36)

ああ黒き魚たちの 幾億の光る視線
幾千億の鱗の揺らぎ 一斉に人を覗き込む
…この歌詞からして、深遠なムードが漂ってるんですが、曲の方もパーカッシブなリズムを利用した深い音像でこのムードを的確に捕らえているのが凄い…メタラーの間ではメロスピな1曲目がかなり人気ですが、リスナーを引き込んでいくパワーはこの曲も全く劣っていないと思う。静かな叙情性を感じる歌メロ、それを歌う少し小節かかったヴォーカルも曲の幽遠さを演出しているし、間違いなく超のつく名曲だと思う。


SYNC.ART'S - 天つ風 - Crash Soul ★★ (2009-03-30 16:16:37)

がなり気味のアグレッシブなヴォーカルと、闘争本能剥き出しの歌詞が印象的な曲。「ぶち壊せ」「切り刻め」は分かるけど、「殴り取れ」って凄い表現ですね…トゲ付きのメリケンサックでぶん殴って、相手の肉をこそぎ取るようなイメージが浮かびます(笑)。そんな歌詞とは裏腹に、歌メロやキーはかなりメロウでそのギャップも面白い。


SYNC.ART'S - 天つ風 - 風息 ★★★ (2009-03-30 16:04:42)

この曲と「憂流迦」は、同じ曲を原曲に持つものでは個人的にUNLUCKY MORPHEUSと並ぶくらい名アレンジだと思う。UxMxがメタルの様式を利用してクサさを醸し出しているのに対し、こっちは壮大さを感じさせるアレンジでメロディを活かしている感じ。ヴォーカルの声質も澄んだもので、メロディにぴったり。ロックながらどこか清浄感も感じさせる名曲です。


SYNC.ART'S - 天つ風 - 風乱舞 ★★ (2009-03-30 16:26:36)

メロディは「信仰は儚き人間の為に」なので極上だし、ヴォーカルは六弦アリスの櫻井アンナさんが務めてるし、五条下位さんのアレンジセンスも良いと思うんですけど…何故か星3つ付けるのを躊躇うような物足りなさがあるんですよね…ヴォーカルとアレンジの相性が余り良くないのかも…。


SYNC.ART'S - 天つ風 - 憂流迦 -ulka- ★★★ (2009-03-30 16:12:27)

アルバムラストを飾る、クサメタラー悶絶間違いなしのどキャッチーなメロディが聴ける曲。私はこの曲で「フォールオブフォール」という恐ろしい破壊力を持つメロディの曲を知り、以後同曲のアレンジを幾つも聴いてみたんですが、これに匹敵すると思うのはほとんど無いですね。「♪右へ 左へ 高嶺へ」の箇所は、歌詞、歌唱、メロディ、リズムが一つに調和する瞬間、みたいなものが感じられます。


SYNC.ART'S - 天つ風 - 嵐の中で当人しか知りえないもの ★★ (2009-03-30 16:23:09)

これも歌詞が凄く印象的。
韻を踏みつつ始まり、「正当防衛/ハリケーン/稲光/磁気嵐」と意図不明の単語を並べたりして、ラストは「孤独神社断末魔!」で締め。…意味は分からないけど、なにか盛り上がってるというのは伝わってきます(笑)。ロックの攻撃性を、話が通じない人の恐さを加えることで高めた感じでしょうか。「嵐の中で当人しか知りえないもの」…確かに、タイトルの通りの曲ですね(笑)。


SZRON - Death Camp Earth ★★★ (2013-09-22 09:43:45)

2012年発表の3rd。
ディスコグラフィを見ると、かなりの量のスプリットや音源集などをリリースしているようですが、オリジナルのフルとしては3枚目らしいですね。

4曲38分という大作主義なアルバム構成ですが、特に衒った部分などは無く、硬派なまでにプリミティブな魅力を追求した、これぞブラックの真髄とでも言いたくなる様なストレートな出音。寒々しさを感じさせるトレモロと、アングラな熱気を伝えるオールドスクールなリフを黄金比で混ぜつつ、緩急つけつつもストイックに展開していく、職人的とも言える作風。

特に「プリブラとしてのリフの音色・歪め方」にはかなり拘っているのではないでしょうか。サタニック、ミサンスロピックなどす黒さと、地下音楽特有の熱気を封じ込めつつ、しっかりフレーズの魅力を伝えるような音色に仕上がってると思う。凍てつくリフを伴う疾走も当然かっこいいですが、特にスロー~ミドルパートにおける、黒いリフで視界を塗り潰しつつのトレモロが反則級にかっこいい。大地を焦土に変えていくような邪悪さ。

ただ、唯一いまいちだと思ったのは、1曲目「Becoming a Shadow」の中盤~後半に掛けての展開があまりにもくどい事でしょうか。スラッジーなリフでミニマルに聴かせる事自体は良いとして、アルバム構成的に「引き」のパートが来て欲しくない部分でくるのが、ちょっと惜しい感じ。まあ、それ以外には全く文句は無いですけど。プリミティブブラックとして完成されている音だと思う。

これはプリミティブ系好きな人には是非聴いてほしいアルバムですね。同郷のバンドならMGLA、スウェーデンのCRAFTやARCKANUMなど、独自の哲学を持ってそうな硬派なブラックが好みであれば是非。


Streams of Blood - Ultimate Destination ★★★ (2014-02-23 11:51:56)

2013年発表の2nd。

某所の売り文句で、DARK FUNERALやMARDUKなどのファストブラックが引き合いに出され、それらを速さに特化したような…的な紹介がされている時点で強烈な音なのは察せられますが…確かに聴いてみてそのコメントも納得できるような、ウルトラファストな暴虐ブラック。とにかく硬質な打音をビキビキ叩き込みまくる、豪速のブラストを中心としたドラミングが強烈な作品。

速さに拘ったリズムは追い立てられるような焦燥感をもたらしますが、ブルータルさの陰に隠れて何気にメロディが良い仕事してるのが、その焦燥を更に掻き立てるんですよね。陰鬱なメロディを湛えたトレモロやキーボードは、黒い影が立ち上ってくるかの如きムードを強調し、亡者の群れが蠢くような邪悪さを醸し出してますね。こうしたメロディ使いであったり、実は緩急の付いた展開、速いだけでなく耳を引くフレーズのあるドラムなど、暴虐なだけではない音作りではありますが…まあ持てるリソースの全てを攻撃性にぶっ込んだ突貫型のブラックである事は間違いないでしょう(笑)。

ファストブラックとしてもかなり質の高い一枚だと思います。国内盤出てるバンドだけでなく、ENDSTILLEやDARKENED NOCTURN SLAUGHTERCULT辺りの有力バンドもチェックしている方であれば、このバンドも是非聴いておいて欲しい所です。


SÚL AD ASTRAL - Súl Ad Astral ★★★ (2014-05-29 10:20:28)

2013年発表の1st。

ブラックの本来持つ邪悪さや悪魔崇拝的ムードではなく、トレモロリフの繊細な響きや、ギターリフのオブスキュアさを醸し出す歪んだ音色、ファストなリズムのもたらす酩酊感などの「様式」を借り、神秘的で非日常的な世界観を描き出す、いわゆるポスト/シューゲイザー・ブラックな作風ですが…この手のバンドの中でも、ブラックの様式を非日常感や儚さといった要素に上手く結び付けられているのではないでしょうか。

特に素晴らしいと思ったのは、トレモロリフの音色ですね。高音域でキリキリ言わせるような音色を多用しているんですが、これが意識の底に響いてくる鈴の音のような、何とも言えない幻惑的で神秘的で、非日常感に満ちた雰囲気を醸し出していて素晴らしいんですよね。こっちは邪悪さとか全く意識していないと思いますが、日常からの乖離の度合いはLUNAR AURORAの傑作「Andacht」アルバムにも匹敵するかもしれません。

そのトレモロが、普通の音域でのトレモロとハモらせたり、曇った音色のリフと合わせたりなど、様々なパターンで使われ、楽曲の主軸として使われているような曲作りも素晴らしいです。楽曲自体が、ブラストビートを多用していたり、ヴォーカルも必死な感じの絶叫中心だったり、脱ブラックし過ぎていないのも良いです。ただクリーンヴォーカル、2曲目は溜息を付く様なアンニュイな感じで良かったのに、8曲目ではなんか妙に元気になってしまってるのがちょっと残念。

これはポスト/シューゲイザー系列のブラックの中でも、リスナーを自身の世界観に没入させる力の強い作品だと思います。トレモロフェチな方、幻想的な世界観が好きな方は買って損はしません。


SÜHNOPFER - Offertoire ★★★ (2015-02-05 12:14:49)

2014年発表の2nd。

かねてより、フレンチブラック屈指のクサメロ耽美ブラックとの評判を耳にしていたので、新譜が出たのを機会に購入してみましたが…噂に違わぬクサクサ振りで素晴らしいですね。作風自体は、トレモロ+ブラスト一辺倒ではなく、起伏を付けつつも苛烈に聴き手を追い詰めるような緊張感のある雰囲気、鬱ブラックにも通じる精神異常系高音絶叫がカルトな風味を感じさせつつ、音作りのクオリティはかなり高いブラックという感じですが…。

肝心のメロディですが、正直これ、たまらないですね(笑)。全編に渡って極限まで濃縮された、フレンチブラック特有のロマンティックかつ病みの入ったメロディが氾濫し、クサメロ好きの琴線を掻き毟り続ける、ある意味凄まじい作風。個人的には、このアルバムのメロディを聴いていると「雅やか」という言葉が浮かんでくるんですよね…楽曲は壮絶極まる展開を見せているのに。これを聴いていると、日本のブラックにフレンチ系からの影響が強いバンドが多いのも分かる気がします。何か根底の感性で共通するものがあると思う。

そういう訳で、大仰なメロディ大好きな日本人の耳には特に合いそうなブラックだと思います。前評判が非常に高かったんですが、それも頷ける素晴らしさです。


TAAKE - ...Doedskvad ★★★ (2005-10-02 18:19:00)

今年発売された3rdアルバム。
私はこれしか持ってませんが、前2作と合わせて3部作になっているみたいです。

「TRUE NORWEGIAN BLACK METAL」を自ら標榜している事からも分かる通り、音楽性はトゥルースタイルのブラックメタルなんですが、この作品はメロディックブラックを標榜するバンド以上にメロディアスです。もちろんブラックらしい邪悪さもありつつ、ヴァイキングっぽい勇壮さ、そして時には華麗ささえ感じられるメロディが、「アクセント」どころではなく曲の全体を覆い尽くしている作風。良いメロディが多すぎて、どの部分がアルバムのハイライトかを挙げるのが困難なほど(笑)。トレモロリフでグッとくるメロディをかき鳴らすのは勿論の事、刻むタイプのリフを弾く時でさえ美しいメロディを織り込んでくるセンスが素晴らしいです。

名盤「Under The Sign Of Hell」を生み出したGORGOROTHが、その音楽性を変える事無くそのまま進化していったならこんな音を出すんじゃないかと思います。
音質も各パートがくっきり聴こえるクリアなものでありながら、少しだけノイジーで、どこかブラック特有の未加工の無骨さみたいなものがあって、ブラック的には最高クラスです。ウォークマンに録って、雑踏の中で聴いてもリフがしっかり聴こえるであろうコシのある音。

ヴォーカルは囁き声の発声でそのままデス声にシフトさせたかのような高音絶叫スタイル。こんな声の出し方で声量出したら喉痛めそうですが、本気な感じで良いと思います。また、CARPATHIAN FORESTのVo、Nattefrostもゲスト参加。ちなみに歌詞はルーンで書かれてますが、どうやら表意文字としてそのまま読んでいるのではなく、表音文字としてアルファベットと対応させてるっぽいです。対応表があれば解読できるんじゃないでしょうか。…まぁ解読しても、ノルウェー語なのでさっぱりですけど(笑)雰囲気があって良いですね。

また曲のタイトルはどこにも書かれていませんが、「Hordaland Doedskvad Ⅰ~Ⅶ」となっているらしいです。それにしてもHoestは声凄いのに、ジャケではなんか華奢に見える(笑)。色々書きましたが、ブラックのリフの魅力が詰まった名盤だと思います。トゥルースタイルでメロディアスなものが好きな方には是非とも聴いていただきたい作品です。