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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6301-6400
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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6301-6400
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TRIBULATION - The Children of the Night ★★ (2016-12-27 12:41:57)

2015年発表の3rd。

以前はもっとデス/ブラック色がストレートに出ていた音だったらしいですが、今作はロック色強いノリのいいミディアムを中心に、哀感の籠ったギターのフレーズやプログレ風味のキーボードを乗せ、非常に丁寧に楽曲を構築していくスタイルになってますね。ロックとしての楽曲の良さは、(好みは別として)エクストリームメタル・ブラックメタルどうこうの範疇を超えた普遍性があるように思います。

ヴォーカルはブラックメタルのがなりを貫いていたり、ゴシックメタルにも通じる妖しさがあったり、しっかり「ダークな音楽」としての筋は通しているバランスがまたいい感じなんですよね。近年のENSLAVEDやIN VAIN、EISREGENやメロデス期のOPETHに通じるような、知性的だけどダークな部分も色濃い音だと思います。

確かに、話題になるのも頷けるクオリティの高さを誇るアルバム。流石にデスボイスアレルギーの方にまでは勧めませんが、ダークでかっこいい音楽が好きであれば是非。


TRIDENT - World Destruction (2011-05-04 22:18:38)

2010年発表の1st。

DISSECTION、NECROPHOBICというメロディック・ブラックの「顔」とでもいうべきバンドのメンバーが在籍、しかも一枚目にしてRegain Recordsという大手レーベルからのリリース…もうこれだけで、エクストリームメタルとしてのクオリティは約束されたようなものですね。実際に、前述のバンドのようなメロブラとは違い、デス的なヘヴィさ、メロデス的なリフ捌きも交えたりという意外性はありますが、確かなテクニックとキャリアに裏打ちされた、一流の音だと思いますし。

ただ…もうこの面子からして一流なのは大前提なので…はっきり言って不満はありますね。この作品、「クオリティは高いけど個性が無い」アルバムになってしまってると思う。時々ギターソロが入っても、DISSECTIONのような甘美さに行きそうで行かなかったり、なんかヤキモキしてしまう(苦笑)。

「Luciferian Call」もイントロの叙情暗黒トレモロ疾走から意外なメカニカルリフに繋げる展開は良いのに、後が続かないし、せっかくリードがメロく暴れ、雰囲気を作っておいてコーラスで何故かテンションを下げる「Slaves to Anguish」といい、DISSECTIONやNECROPHOBICと差別化した展開を入れようとすればするほど、無難な感じになってしまってるように思えるんですよね…。

DISSECTIONやNECROPHOBICと違うことをしたいのは分かるんですが、これらバンドが持つ個性に代わるような何かを、まだ見つけられていないという感じがします。現時点でメジャークラスの質はありますが、作風そのものはこれからに期待ですね…。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely ★★★ (2008-07-30 18:30:00)

2008年発表の1st。

TRINACRIAはブラック/ヴァイキングメタルバンドのENSLAVEDと、ノイズデュオのFE-MAILのメンバーが立ち上げたプロジェクトみたいですが、音楽性も正にメタルとノイズを融合させたという感じですね。メタル:ノイズの割合は6:4くらいで、どっちかと言うと核はメタルの方にある感じ。

…DEAD RAVEN CHOIRやSTALAGGH、ILDJARNなどブラックメタルから派生したバンドにもノイズに足を突っ込んだような音楽性のバンドがいますが、そうしたバンドは割と加減を知らない所があるのに対し、FE-MAILは本職のノイズデュオだからか、ノイズが普通の音量で聴いていたら耳を痛くするような大きさになったり、不快に感じるような音色になったりといったことがなく、スマートに音楽性をかっこよく、聴いていて心地の良い物にしているという印象。

ノイズ系って難解で聴きづらいものをありがたがって聴いている(私は全くそうは思わないんですが)…みたいに揶揄されてるのを良く見ますが、このバンドの音楽性にそうしたスノッブさは全くなく、曲の情景を更に鮮明なものにしたり、迫力を増したり、陶酔感を強めたり、展開に妙味を設けたりなどに効果的にノイズが用いられているという感じで、むしろ初聴きの時から引き込まれるような当たりの良さがあるように思います。ノイズとメタルの陶酔感を掛け合わせたような曲やノイズがメタルの攻撃性を更に触発する曲など、一曲毎の個性もあり結構取っ付きやすい感じがします。

しかし、骨太なヴァイキングメタルを聴かせるENSLAVEDが、こういうアヴァンギャルド/プログレッシブな方向に興味を持っていたというのは意外ですね…。ENSLAVEDってブラック/ヴァイキング以外に、プログレメタルの文脈で語られる事も多いようですが、骨太な裏に潜む幽玄さに、このTRINACRIAに通じるプログレ性を感じ取ったリスナーが多いということなんでしょうか…。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely - Breach ★★ (2008-07-30 18:33:41)

ギターの奇妙なメロディに脳がやられそう…スピリチュアルな世界に傾倒している人が聴いたら、本当に何か超常的なものと交信出来てしまいそうな曲。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely - Endless Roads ★★★ (2008-07-30 18:32:35)

日常に現れた小さな軋みが段々大きくなり、遂にはそこから何か圧倒的な存在が降臨し、完全に日常が崩壊していく様を描き出したかのような曲。スピーカーの周りに魔界に通じるゲートとか開きそう。Grutleのヴォーカルも、威厳があって曲の雰囲気を更に濃いものにしてます。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely - Make No Mistake ★★★ (2008-07-30 18:37:13)

これは凄まじいですね…ただでさえど迫力のメタルサウンドを、ノイズが一歩も二歩も押し上げている感じ。圧力を感じる刻みリフと破壊的ノイズの相性は抜群で、聴いていると息が出来なくなりそうです。毒電波を受信して狂いだしたENSLAVEDという雰囲気の曲。かっこよすぎでしょう。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely - The Silence ★★★ (2008-07-30 18:36:17)

ノイズとメタルの最大限に劇的な混交、といった感じの曲。
メタリックに疾走しつつも何度もノイズの落とし穴に落ちるようなちょっと滑稽な前半、ノイズに浸食されたカオスの中から不意に見えるメロディが美しい中盤、魔女の大釜で煮込まれるような気味の悪いメロディの聴ける後半と、どこを切り取っても印象に残る完成度の高い曲。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely - Travel Now Journey Infinitely ★★★ (2008-07-30 18:35:21)

トレモロリフと女性Voの見せる情景が美しい曲。
なんですが、この音からは地球最後の日、逃げ惑う群集を見ながら自分も地球と運命を共にする…みたいな光景が浮かんできてしまいます。人類自体のエンディングテーマ…みたいな雰囲気がある(笑)。女性ヴォーカルもラストは狂いまくりだし。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely - Turn Away ★★★ (2008-07-30 18:34:23)

3曲目のようなガツンと来る曲でなく、こういうジワジワくる曲を頭に持ってくる辺り少しカルトかも。音圧が大きくなり、悲鳴のような音が混じってくる辺りからもう恐怖感でこの場から逃げたしたくなるような音になってきますが…逆にそれが快感(笑)。


TRIPTYKON - Eparistera Daimones ★★★ (2010-04-25 10:38:00)

2010年発表の1st。

…基本的には、スラッシュベースでありながら、スラッジ並の異常なヘヴィネスや、ブラックの邪悪さまでも呑み込んで別の何かになってしまった、「Monotheist」の路線を引き継いでますね。非デス声ながら、ブラック然とした凶悪さ、威厳を増し、世の中の苦痛を全て背負って言葉を吐き出すようなヴォーカルを始め、邪悪さは更に上がっている印象。

特に最近のブラックの新しいバンドに顕著なんですが、邪悪さを追及するのに、例えば音質を故意に落とすであるとか、アンビエントやノイズと融合するであるとか、様々なバンドが様々な手法を用いていますが…このバンドは、スラッジ的な重さや、クラシック的なピアノの導入など、他ジャンルとの混交も一部にあれど、基本的には「リフ」が邪悪さの全てを担っているのに凄みを感じるんですよね…。「Monotheist」の時も褒めましたが、こんな周りの空気すらガン化させるような、黒い狂熱を孕んだリフを聴かせてくれるバンドは、メタルの歴史全てを紐解いたとしても、ほとんどいないと言っていいのではないでしょうか。

…「時代を築いた」と言えるほどに後続に影響を与えたバンドが、全盛期の勢いを失って只の懐古趣味や、全盛期の作風の縮小再生産、新しい事に手を出そうとして空滑りする…等して、駄作を作ってしまうことは珍しくないですが…このTRIPTYKONはそういう位置からは最も遠い所にいると言えるのではないでしょうか。これだけメジャーなバンドでありながら、どんなにアングラな、カルトなバンドと比べても邪悪さで劣ることは先ずありません。

メタルでも最高級の邪悪さ・異形性を、新人バンド顔負けのフレッシュさで届けてくれる名盤。ただ、3ヶ月限定のスペシャル・エディションというのは何か引っかかるなぁ…。期間過ぎた後に、デラックス・エディション発売とか狡い真似だけは止めて欲しいです(笑)。


TRIST (CZECH) - Zrcadlení melancholie ★★★ (2008-09-28 01:27:00)

2007年発表の4th。2曲入り約37分と大作主義の構成。
アームカットで血だらけの腕ジャケ、メンバーが精神病院のお世話になった事があるらしいという情報、裏ジャケに燦然と輝く「チェコからの自己破壊のエリート」とのキャッチコピーからも期待される通りの鬱ブラック。

まず驚いたのは出音の良さ。「デモ音質」という物があったとして、それを洗練したその先に辿り着きそうな音。コシのあるギター、抜けの良いドラム、耳に痛くない蠢くようなディストーションノイズと、全ての音のピースがあるべき場所に嵌まっているという感じ。それでいて響きはあくまでRAWかつ陰湿。良質なブラックを聴いた時って、バンドサウンドを聴いていることを忘れ、アーティストの表現する世界に没頭してしまう事があると思うんですが、この作品の音って凄く自然で、そういう感覚に陥りやすいんですよね。

当然曲そのものも素晴らしいです。
BURZUMの3rdからキーと疾走とアンビエントとマジで教会を燃やしたり人殺したりする気概を抜いて、引き篭もり的陰湿さに特化したような作風。特に陰鬱なメロディが前面に出ている訳ではない箇所でも、音の作りが上手いのでジメジメした陰湿さが漂ってるんですよね。時折出てくる少し明るめのメロディも、アパシー状態の鬱病患者が自殺が出来る程度に元気になったとか、葛藤の末に死に希望を見出したとか、ネガティブな解釈しか出来ません(笑)。

鬱ブラックにつきものの発狂ヴォーカルも当然完備。SILENCERが狂って涎流しながら叫んでいる感じなら、こっちは少し低めで、真っ暗な部屋で頭抱えながら叫んでる感じ。明け方には部屋も体もボロボロで、手首に幾つもの躊躇い傷作って虚脱状態で寝転んでそう(笑)。歌詞は一応書いてありますが…殆ど「ウアァァアア!」とか叫んでるだけです。多分歌詞書いてきたは良いけど、いざスタジオ入ったら鬱でどうでもよくなってしまったんじゃないでしょうか(笑)。

…数ある鬱ブラックの中でも指折りの名盤だと思います。個人的にはXASTHURやSTRIBORGよりも好きです。いいバンドなのに、解散しちゃったのかな…


TRIST (GERMANY) - INITIATION ★★ (2009-01-12 08:40:00)

2000-2003年発表のデモの2008年再発盤。500枚限定。
…なんかデジパックの紙質、かなり汚れが付きやすそうなんですけど(笑)。

バンドサウンドは用いず、SEや音響効果を駆使して抽象的な風景を描いていくアンビエントスタイルで、目を強く瞑った時に瞼の裏に見える光の明滅をそのまま音にしたかのような神秘的な音。宇宙的な感覚もありますが、DARKSPACEが大気圏外に出ることで外宇宙にアプローチした音なら、こっちは瞑想で内宇宙に降りていっている感じ。LUNAR AURORAの近作同様、どこか人間の根源的な畏怖の感情を刺激するような情景が浮かぶんですが…Aranはグラフィックデザインの会社も立ち上げているらしいし、だからこそこういう抽象的な情景を巧みに描けるのかもしれませんね。

最初、風のような音がひたすら続いた時は「これ、とんでもなくつまらないアルバムなのでは…」と危惧しましたが、聴き進めるうちに自然音がスピリチュアルな光景に移り変わっていくのを聴いて、「ああ、やっぱり流石Aranだなぁ…」と感心。前述の風の音ももう一回イヤフォンで聴いたら音響処理が面白くて良かったですし。ただ、バンドサウンドもなく、メロディもほぼ排されている作風が約80分続く音はややカルトなので、このジャンル(ブラック寄りのアンビエント)をある程度聴いていて、尚且つ好きな人にのみお勧め。音楽を聴きたいときよりも、瞑想したいときに適した音だと思いますし。

…これ、手書きナンバーが入ってますが、これってもしかしてAranの直筆なんでしょうか…。だったらかなり嬉しいんですが(笑)


TRIUMFALL ★★ (2013-03-29 22:14:40)

セルビアのブラックメタルバンド。
ヴォーカリストのAtterigner氏がGORGOROTHに加入した事でも有名ですね。


TRIUMFALL - Antithesis of All Flesh ★★★ (2013-03-29 22:31:34)

2009年発表の1st。

私はヴォーカリストがGORGOROTHに加入した事でこのバンドの存在を知ったような、どニワカも良い所なんですが…メロブラ好きなのにこんな素晴らしいバンドを今まで知らなかったとは、正に汗顔の至り、って奴ですね…。正直今まで聴いてきたメロディックブラックの中でも、相当良いアルバムだと思いますよ、これ…。

タイプとしては、薄暗いメロウさを湛えたトレモロを武器に、メロディックにドラマティックに進行するブラックで、DISSECTIONやNAGLFARを渋く、というか雰囲気重視にした感じとも言えますが…まずメロディが素晴らしい。メロウながらブラックとしての甘美な邪悪さも溢れた、スケールの大きさを感じるメロディは、聴いていると夜空を覆う数千体の悪魔達を使役するコンダクターにでもなった気分になって、思わずタクトを振るような動作をしたくなってしまいます(笑)。

また、このバンドはキーボードも要所で取り入れるタイプなんですが…キーの使い方の上手さは、マジでメロブラ界でもトップクラスなんじゃないでしょうか。単にそれ自体がメロディアスなだけでなく、トレモロリフを主軸としたバンドサウンドをより立体的に、重層的に聴かせる事に成功しているように思うんですよね。このバンド特有の、甘美な邪悪さに酔い痴れるようなメロディのセンスとの相性も恐ろしいまでに最高。

アトモスフェリックなキーによって引き立てられる、宗教的なムードはどこかカルトな感触も覚えますが…決して自己満足にはならない間口の広さ、クオリティの高さも備えた音だと思う。同郷のBANEやMAY RESULTもメロブラとしてかなり良質な音源をリリースしているし、セルビアのブラックシーンは侮れないですね…。ぶっちゃけ、今のGORGOROTHよりもずっと好みの音だったりします。


TRIUMPHATOR ★★ (2006-02-21 19:57:00)

WINGS OF ANTICHRISTが再発されるって本当でしょうか?
ボーナスでライブテイクやEPの曲も入るとか聞いたんですけど…
試しにAmazonで検索してみたら、「WINGS OF ANTICHRIST 近日発売」
となっていたので、信憑性はかなり高そうです。
本当だったらかなり嬉しいです。ずっと聴きたかったんですよね。


TRIUMPHATOR ★★ (2006-03-26 21:22:00)

>GODさん
再発盤買いました!!これはかっこいいですね…
もし私がトイズファクトリーとかエクストリ-ムメタルの日本盤を出している
レーベルの社長だったら、絶対これ日本盤出します(笑)
そして解説にAriochのヴォーカルの魅力についてびっしりと書く、と(笑)
これブラックメタラーの視点じゃなく、客観的なメタラーの視点から見ても相当クオリティ高いのでは…
>>再発は嬉しいけど、意外と最近買ったのに、それからすぐに発売されるとちょっと微妙。(苦笑)
確かに…しかもボーナス付きならなおさらですね。
最近MARDUKの初期作がボーナス付きで再発されているみたいですけど、
「DARK ENDLESS」なんて黒ジャケで再発したばっかりなのでは…
レーベルが違うのかもしれないけど、黒ジャケ買った人からすれば納得いかなそう…


TRIUMPHATOR - Wings of Antichrist ★★★ (2006-03-26 21:13:00)

99年発表の1st。2ndはいつか出るのだろうか…
一聴しての感想は「これ、日本盤出てもおかしくないんじゃ…」でした。

スウェーデン産らしい、DARK FUNERALやMARDUKを思わせるメロウなメロディを所々にフィーチャーしたブルータルブラックなんですが、リフやメロディなど曲そのものの良さ、ブラスト含有率の高いブルータリティ、全パートが非常にクリアに聴こえる音質の良さなどとてもクオリティが高いです。
時々入るキュルキュルしたイカレ系の早弾きフレーズもメタル然としていてかっこいいですし、ブラックのある意味閉鎖的な雰囲気が駄目な人でもエクストリームな音楽が好きならばきっと気に入るんじゃないかと思います。このクオリティなら、MARDUK等と同列の評価を得ても良いと思うんだけどなぁ…本当に、何故つい最近まで廃盤(?)の憂き目に遭っていたのか理解できません。

そして私のお目当てのArioch様のヴォーカルですが…
もしもブラックメタラー達が崇拝するようなサタンが本当にいたとしたなら、自分の意志を代行させる預言者として彼を地上に遣わしたに違いありません。一応、スタイルとしてはがなり系になるのかな…?ただ他のがなり系と違って、音程の低さが呪文系のAttila並。この声で絶叫されるとまるで地の底からの喚び声みたいで物凄く不気味です。

喉を潰すようにして邪悪にうめく部分とかもあるし…普通のデス/ブラックのヴォーカルが怒りや憎しみを外に向かって吐き出しているとしたら、この人は叫びを通じて憎悪を吐き出し、それを確認・増幅してまた自分の中に取り込みなおしている感じです。FUNERAL MISTの邪悪さに拘ったヴォーカルも、MARDUKでの派手にがなり散らすヴォーカルも素晴らしかったし、本当に彼はどのスタイルをやっても、邪悪さが滲み出てきてしまうんですね…もう首っ丈です(笑)

ちなみについ最近ライブやEPの曲を追加して再発されました。
このアルバムずっと探しててなかなか見つからなかったので本当に嬉しい。という訳で、みなさん買いましょう(笑)。こんな素晴らしいものを放っておく手はないです。


TRIUMPHATOR - Wings of Antichrist - Burn the Heart of the Earth ★★★ (2006-03-27 21:40:14)

この曲のエンディングはめっちゃかっこいいですね。
終息が近付くと、Ariochが憎しみを吐き出すように「BURN...」と叫び始め、ギターによるリードフレーズも入ってかなり盛り上がります。最後ギターのフレーズが終わっても一人憎悪製造機と化しているAriochが素敵過ぎ。


TRIUMPHATOR - Wings of Antichrist - Crushed Revelation (2006-04-07 01:41:41)

む~…、悪くはないけど、やっぱり雰囲気重視な曲かも…
Ariochの素晴らしい邪悪声が堪能出来るのは良いんですが、Triumphatorのバンド然としたスローな曲も聴いてみたかったなぁ。


TRIUMPHATOR - Wings of Antichrist - Heralds of Pestilence ★★★ (2006-04-07 01:39:58)

この曲はMARDUKのMorganが作曲を担当しているみたいですね。
雑誌のインタビューでもクラシックなど、映像的な音楽へ傾倒していると話してましたし、この荘厳なイントロはやっぱり彼の趣味でしょうね。


TRIUMPHATOR - Wings of Antichrist - Infernal Divinity ★★★ (2006-03-27 21:37:39)

確信に満ちたような、重々しいオープニングから「Flesh be gone...」とドスの効いた声で始まりを告げ、劇的に疾走。…この展開でもう血が沸騰するような思いですね。「来たっ!!!」て感じ。


TRIUMPHATOR - Wings of Antichrist - Redeemer of Chaos ★★★ (2006-03-26 21:16:03)

「ケイォ゛ォ゛ォ゛ォ゛~ス!!!」
「ケイォ゛ォ゛ォ゛ォ゛~ス!!!」
Arioch…貴方って人は…最高です(笑)


TROLL - Neo-Satanic Supremacy ★★ (2010-02-11 11:28:00)

2010年発表の3rd。

元DIMMU BORGIRのNagashが中心となったシンフォニック・ブラックだそうですが…個人的にはNagashって、DIMMUよりもCARPE TENEBRUM(NagashとAstennuの元DIMMUコンビによるシンフォブラック)でのイメージが強いんですよね。CARPE~の作曲面の舵はAstennu氏が握っていたらしく、Nagash脱退後はブラックからデスに路線を変更してしまい、かなりがっかりしたんですが、この作品は正にブラックの妖しさを体現していた頃のCARPE TENEBRUMの続編と作風を更に洗練させたような雰囲気がありますね。

路線としては、生のオーケストラを導入し、圧倒的な荘厳さを見せつけるDIMMUとは異なり、キーボードはあくまでブラック特有の、背筋が凍るような雰囲気の演出を重視している感じ。適度に洗練されたプロダクションや展開、いかにもという感じの高音がなりなど、各要素はシンフォニック・ブラックのテンプレート通りっぽい面もあるんですが、時折、マジに悪魔が鍵盤を弾いているような、息を呑む美しいフレーズが出てくるのが素晴らしい。この辺りのセンスはやはり健在です。

2010年代のシンフォブラックということで、曲調にはアングライズムを大分残しつつも、展開やプロダクションなどに関してはかなり洗練されて来てますね。DIMMUやABGAIL WILLIAMSと比べると、初聴のインパクトはやや薄いので入門には向かない可能性もありますが、90年代北欧シンフォブラックの作品が何枚か棚に並んでる方なら、手を出す価値はあるかと思います。


TROLLSKOGEN - Einsamkeit ★★★ (2012-03-20 22:25:26)

2008年発表の3rd。477枚限定。

トロルおじいちゃんが岩に座って黄昏ているジャケが目を惹いて、つい買ってしまったんですがこれは良いですね。ゆったりしたテンポで叩かれるドラムと、プリブラ的なザラついたギターリフが深い森の中へ一歩一歩踏み込んでいくような叙情性を醸し出し、そこにトレモロ交じりのペイガンメロのリードギターが鳴り響く、フォーキッシュなブラック。このフォーキッシュながらお祭りムードはゼロで、代わりに土着的な、根深いメロウさが感じられるメロディが非常に秀逸で、好きな方なら最初の10秒聴いただけで名盤の予感を感じること請け合い。

アコギパートの挿入等はありつつも、音像に余り変化を設けない、ミニマルな作風とも相俟って、聴いているとまるで孤独死寸前の老トロルが、仲間達と呑めや歌えの大騒ぎをしていた昔を思い返しながら悲嘆に暮れているような、非常に寂寞感・寂寥感のあるムードに呑まれそうになってしまいます。全6曲で構成される作品ですが、5曲目が他の曲よりも幽玄さを感じさせる音作りになっていたり、ラストに振り絞るような絶叫が入っていること、6曲目が霊界を思わせるようなアンビエントであることを考えると、最早バッドエンド的な嫌な想像しか浮かんできません。

ゆったりと聴かせるフォーキッシュなメロディが沁み過ぎて、ある意味鬱ブラックとも通じる悲壮感のあるムードが漂う作品。ペイガンメロやトレモロが好きで、それらを浴びるほど聴きたい人にもお勧め。非常に叙情性の高い、浸れる一枚になっています。


TRONUS ABYSS - Kampf ★★ (2012-03-30 01:18:17)

2003年発表の3rd。
2008年にATMFよりデジブック仕様、ボーナス2曲入りで再発。
BURZUMの「Moti Ragnarokum」のカヴァーも収録。

良質なブラックメタルを数多く輩出し、ブラック好きの注目を浴びるレーベルATMFですが、型番を見てみるとこの作品の再発がレーベルとしての第一のリリースみたいですね。ただし今作品は終末的なムードこそブラックと大いに通じるものの、サンプリングやキーボードを駆使してコンセプチュアルな世界観を演出するインダストリアル/アンビエント作品。

無機質なサンプリングやイタリア語の語り、ブラック的絶叫等が絡む非常に厳かな雰囲気を持つ作品ですが、何気にキーボードはメロディアスで耳に残るフレーズを弾いてたりするのも特徴ですね。ピアノの圧迫感ある低音を活用したダークなムードの演出、オルガン系の音色による宗教めいた荘厳さなど、音の選び方も凄くセンスいいと思う。1曲目からエピローグまでは、次第にインダストリアル色が薄れ、キーが前に出てくる構成になってる辺り、なんらかのストーリーが下敷きになっているのかもしれませんね。

ブラック色は希薄…というよりバンドサウンドですらない作品ですが、個人的にはこの濃密に漂うダークで頽廃的、終末的なムードには凄く惹かれますね。BURZUMやVITERRIKETのアンビエント作品が好みの方にはかなりお勧め。特に5曲目なんてBURZUMのアンビエント作品にありそうな神話っぽいメロディで良い感じですよ。


TROU NOIR ★★ (2014-05-08 09:56:28)

ロシア・フランスの混成アンビエント・ブラック。
DRAKONHAILやSALE FREUXでも活動するDunkel氏が在籍。
バンド名はフランス語で「ブラックホール」の意。


TROU NOIR - Trou Noir Vortex (2014-05-08 09:58:35)

2012年発表の1st。

ロシアとフランスの混成アンビエント・ブラックという、ちょっと変わった経歴を持つバンドで、ブラックホールを意味するバンド名といい、如何にもDARKSPACE辺りに通じるような宇宙ブラックを演ってそうな感じですが…実際の音は宇宙的なシンセ・アンビエント、浮遊感のあるアコギなどでイメージを演出してはいるものの、バンドサウンド部分はもっとストレートでシンプル、かつRawなブラックという感じ。

高音強調型の荒々しいプロダクションで、寒々しいトレモロや必死の形相が垣間見えそうな絶叫ヴォーカルを伴いつつ疾走する作風で、アンビエント部分が吹雪系SEでアコギが土着メロだったら普通に雪山の情景が浮かんできてしまいそう(笑)。プロダクションは若干癖があり、Rawでシャーシャーした歪め方それ自体は悪くないんですが、音が小さめなのが痛いですね…ワームホール航行のためのエネルギーが足りない、みたいな印象が(苦笑)。

時々リフに込められたメロディに神秘的なものがあったり、光るものはあると思うんですが正直アンビエントブラックとしては、現時点ではB級な感じがします。DARKSPACEやVINTERRIKETと比較すると大分マニア向けな感じ。


TRUPPENSTURM ★★ (2011-08-10 19:08:57)

ドイツ産ウォーブラック。
最新作を聴く限り、かなり混沌とした音出してます。


TRUPPENSTURM - Salute to the Iron Emperors ★★ (2011-08-10 19:11:10)

2010年発表の2nd。
骸骨が軍服着てドヤ顔してるジャケが可愛らしいですね(笑)。

ショップの紹介では、ファスト/ウォーブラックとあったんですが…実際に聴いてみて、「…ウォーはともかく、どこがファスト?」と一瞬思ってしまいました。どす黒くて質量感を持った、靄のようなリフが他の全ての音を包み込み、1つの黒い塊となっているかのような音で、ブラストしててもそれが音像に飲み込まれて、疾走感でなく蠕動感?のような何かに置き換わっている感じ。

その黒い塊の中から聴こえてくる、低い呻きのようなヴォーカルも非常に不気味で、亡霊的な不吉さに満ちた音像になってますね。リフにバンドの音全体を包み込ませ、ノイズに接近するという音作りは、WOLDの親戚的とも言えますが…こちらはリフにデスメタルっぽい殺伐さやうねりが残っている辺り、もうちょっとメタリックといえるのかも。

耳を劈く系でなく、靄のように包み込み、かつ質量感のある音色のリフで耳を圧迫するウォーブラックって、他にない作風ですよね。エクスペリメンタルではあるけど、完全にノイズの方向に行かないで、デス/ブラックの直接的な禍々しさを保っているところが良い感じです。


TSJUDER - Desert Northern Hell ★★★ (2009-12-11 23:31:00)

2004年発表の3rd。
DISK UNIONの小冊子でもブラックの名盤として紹介されていた作品です。

DARK FUNERALやTHE LEGION辺りのファストブラックの爆発力と、CARPATHIAN FORESTなどのオールドスクールなブラックのダーティさを組み合わせたような、ブラックの良いとこ取りな作風で、正にTRUE NORWEIGIAN BLACK METALの鑑といった音。雪崩のように炸裂する豪速ブラストと、スラッシーでノリのいいパートを上手く合わせた、メリハリのある展開と、DARK FUNERALにも通じる「悪魔的」な雰囲気を感じさせつつも、寒々しさより禍々しさや毒性の強いメロディのセンスによって、常に緊張感が保たれている感じ。

ヴォーカルも狂性とダーティさを兼ね備えた声だし、ギターの音色もクリアながら泥臭い歪ませ方で、フレーズの魅力を引き出してると思います。ドラムの爆走の迫力も超一流のファストブラックのそれだし、各要素もバンドの音楽性にぴったり合っている感じがします。確かにこれは名盤と言っても良い作品かと。

ただ、この作品とライブDVDをリリースした後、残念ながら2006年にバンドは解散してしまった模様ですが…。


TSJUDER - Desert Northern Hell - Ghoul ★★★ (2009-12-11 23:33:33)

気が触れたように爆走→一旦攻撃の手を休めて毒々しいメロディを聴かせる→今度はそのメロディを纏って疾走、の3連コンボで一気に聴き手の耳を惹く曲。やっぱりこのバンド、攻撃性やダーティさだけじゃなく、曲の構築性にも優れてると思う。


TSJUDER - Desert Northern Hell - Sacrifice ★★★ (2009-12-11 23:32:32)

私はどっちかと言えばオールドスクールなものより、モダンなものやテクニカルなものを好むタイプなんですが、アルバムで一番気に入ったのはスラッシーなこの曲。特に捲し立てるようなヴォーカルラインは、確実にアルバムの曲の中で一番かっこいいと思います。でも、何故かこの曲だけ歌詞が載ってないんですよね…。


TSORER - Return to Sodom ★★ (2012-04-11 22:08:52)

2010年発表の1st。

セールで安かった事もあり、イスラエル産ブラックという物珍しさも手伝って購入してしまったんですが、これがなかなかの個性派。黒く塗り潰すようなリフとガラガラに歪んだ絶叫ヴォーカルをオールドスクール通り越して、時々パンキッシュにも聴こえるリズムに乗せた威圧感の漂うブラックメタルで、「Sardonic Wrath」期の、ハードコア方面に行く直前のDARKTHRONEにも近い音。

但し、その頃のDARKTHRONEと比べても音作りは非常に陰鬱。アトモスフェリックなキーボードも用いた音像が醸し出すムードは、腐臭すら漂ってきそうな邪悪さに満ちてますね。リズム的にノリの良い部分はあるものの、酒を呑んでハイになってそうなワルくて楽しそうな雰囲気は皆無で、むしろしかめっ面で陰気な表情で淡々と演奏してそう…というか、この出音だったらしてて欲しい(笑)。

また、もう一つ耳を惹くのが、所々で発揮される独特なメロディのセンス。2曲目の後半や3曲目中間部で聴かれるトレモロなどが分かりやすい例ですが、北欧産のブラックとは一味違う、かといって安易に中東っぽいとも言えないような、奇妙な邪悪さを感じられるメロディなんですよね。このメロディセンスが、楽曲の持つ異様な雰囲気に拍車を掛けている感じがします。

正直ブラックの中でもかなり好みの分かれる音だと思うので、敢えて「必聴」とは言いませんが、興味のある方は是非。ハマる人はかなりのめり込めそうな作品です。


TUBE ★★ (2010-05-21 19:25:00)

個人的に、未だに前田さんより「声質」が良いと思う人っていないんですよね…。
声質に張りがあって、声量もあるから聴いてて気持ちのいい迫力がある。
織田哲郎さんの渋い声や、(ラルクの)hydeさんの大仰な歌い方も好きですけど…
声質で言ったらやっぱり前田さんの右に出る者はいない、って感じです。
徳永英明さんやデーモン小暮さんが歌謡曲/ポップスのカヴァーアルバムを
発売し、好評を得てますが…そういう企画を前田さんにも演って欲しいなぁ…。
>ロブスター立田さん
まあ、そう言わずに「ウルトラヴァイオレットNo.1」を聴いてみてください。
きっと、驚くと思いますよ(笑)。
個人的には、「スタンダードな恋物語」や「My Sweet Milky Baby」などの
ほんのり哀愁系や、「Make Your Motion」「Born in Japan」などのHR系を
推薦したいですが(敢えて王道から外れたところを勧めてみます・笑)。
彼らには悪いけど、ブッ○オフで購入するのがお勧め。大抵昔のは250円です(笑)。


TUBE - BOYS ON THE BEACH - BOYS ON THE BEACH ★★★ (2004-04-10 04:27:47)

海の傍の白いペントハウスが見えてきそうな(笑)、凄く爽やかな楽曲。
私的にちょっとSUMMER DREAMと被るイメージがあるんですが、こっちの方が好きです。これをシングルにしなかったのはもったいない!!


TUBE - Beach Time - Beach Time ★★★ (2004-04-09 22:26:48)

確かに「青い珊瑚礁」と似てますね(笑)
でもそれだけにメロディがしっかりしてて聴きやすい、良い楽曲だと思います。


TUBE - Beach Time - Hot Night ★★★ (2004-04-09 22:27:03)

ライブでは定番らしい、ノリが良くキャッチーな名曲。
サビ前で一瞬ボーカルだけになるところが凄くかっこいいです。
この曲を聴くとやっぱり織田哲郎さんは凄いメロディメイカーだなぁ、と感じました。


TUBE - Blue Reef - ひまわり ★★ (2008-03-31 11:36:42)

これってその時期に作った曲なんですか?
「♪絶対やり直せるI need you」
なんか可哀想になってきた…(笑)状況が反映されすぎです。


TUBE - Blue Splash - Blue Splash ★★★ (2010-07-19 10:22:43)

このアルバム、発表は09年ながら、初期の織田哲郎プロデュース時代の空気がありますよね。最近のラテン系ではなく、日本の海や、その周りの生活感ある情景が浮かぶ、哀愁系の路線。中でもタイトルトラックのこの曲は最もそれが顕著。海を見てると、訳も無く切なくなったりしますが、そういう感情が味わえる名曲です。


TUBE - Blue Splash - Summer Greeting ★★★ (2010-07-19 10:30:26)

最近TUBEからは離れ気味だったんですが、これで一気に引き戻されました。いつもの暑いラテン系アッパーでもなく、Purity、虹になりたい辺りのバラード路線でもなく、穏やかな哀愁ポップス路線で、彼らのシングルとしては珍しい曲調。キーも低めですし。この、深い哀愁が胸に染み渡って、思わず溜め息が出てくる感じ、たまらないですね…。初期の「スタンダードな恋物語」「渚のMerry Boys」辺りが好きだった方も、最近の彼らをチェックして欲しい所。


TUBE - Blue Splash - 真夏のカイト ★★★ (2010-07-19 10:25:51)

この曲とタイトル曲はシングルでも良いと思う。
歌メロ自体は、ごくキャッチーで、哀愁だけではなくどこか高揚感も感じさせるものですが、オケが盛り上げすぎる事なく一歩引いてる感じなのが、メロの哀愁を更に引き立ててますね。でも歌詞…念力パワーって(笑)。


TUBE - Blue Splash - 風のブログ ★★ (2010-07-19 10:36:52)

「風の便り」的なものを今風に言い表したのか、それとも風を感じるような、爽やかな内容のブログなのか…どっちにしても、ダサ…じゃなくて、インパクトのあるタイトルですよね(笑)。前田さんって、流行を取り入れようとして、取り入れきれてなくて、それが却って味になってる事結構多い気がする(笑)。曲自体は、ごくごく良質なTUBE流ポップスです。


TUBE - Bravo! - Born in Japan ~extended surf mix~ ★★★ (2006-02-16 17:30:36)

これ、初出のカップリングの時は確かもうちょっと大人しい曲だったように思いますが…随分とかっこよくなっちゃってますね。演奏もだけど、特に声を嗄らすようなテンションの高さのヴォーカルが素晴らしい曲です。


TUBE - Bravo! - Make your motion ★★★ (2004-07-01 21:50:58)

TUBEのロック色が色濃く顕れた一曲。
キャッチーなメロディのシンセ音とヘヴィなリフが良くマッチしています。TUBEはシングルではポップ系/ラテン系が多いですが、アルバム曲でこういうHR好きに受けそうな曲がある所が見逃せないですね。「ぶつけろ!!You've got to make your motion」の所はデーモン小暮閣下やB'zの稲葉さん、ムックの達瑯さんにも勝るとも劣らない倍音で前田さんが優れたヴォーカリストである事を改めて認めさせられます。


TUBE - HEART OF SUMMER - ベストセラー・サマー ★★ (2005-08-26 04:03:44)

かっこいいけど、「OK Tonight」がどう聴いても「おけつナイト」にしか聴こえない(笑)


TUBE - HEAT WAVER ★★ (2008-03-31 11:24:00)

98年発表の18thアルバム。
TUBEって、初期は一夏の思い出だったり、海と近しい暮らしをしている人の日常だったりを
想起させるような情緒的な風景を描いていたのが、春畑さんがソングライティングの主導権を
握るようになってからは、そうした面もある程度は残しつつも夏の暑さを高揚感やノリの良さ、
かっこよさに転換した路線に切り替えていったような印象があるんですが、このアルバムは
後者の路線における傑作と言えると思います。
まずメロディはベストアルバムと遜色しても何ら遜色無いほど印象深いものが多く、特に
頭二曲のシングルメドレーや「Get Wild Love」~「罠(wanna)」のシームレスに繋がる
ハードロックメドレーが素晴らしい。このアルバム制作時の春畑さん、良いメロディが溢れて
溢れて止まらない状態だったんじゃないでしょうか。「旅人の詩」「Menthol Heaven」
辺りも明らかにシングルカットできるレベルのメロディだと思います。
前田さんの歌唱も、ハードロック調の曲では声を張ったハイトーンを多用しながらも、高音さえ
出れば線が細くなっても構わない…みたいな軟弱でつまらない歌い方ではなく、実に太くて
色気のある声でかっこいいです。人によっては暑苦しく感じるほどかも(笑)。
個人的には、ベスト3作と並んでTUBE入門にお勧めのアルバム。特にメタラーには。
実は雰囲気は初期の方が好きなんですけど、アルバム単位ではこれが一番好きです。


TUBE - HEAT WAVER - -純情- ★★★ (2008-03-31 11:40:49)

この曲は斎藤ノブさんのパーカッションが特に素晴らしいです。パーカッションだけに集中しててもうっとりできるレベル。それでいて歌メロは一介のメロスピバンドじゃ太刀打ちできないレベルのクサさ。ああ、ポップスって何て素晴らしいんだろう。


TUBE - HEAT WAVER - Get Wild Love ★★★ (2004-04-10 21:17:04)

TUBEの中では最もHRファンに受けそうなかっこいい曲。
前田さんの歌唱は筋が通ってしっかりしてるのでこういう曲もハマってます。


TUBE - HEAT WAVER - 旅人の詩 ★★ (2004-07-01 21:51:56)

歌いだしのところで「パヤ・パヤ~♪」とか入りそうな異色の曲。
ですがこのメロディ、キャッチーさといい叙情性といい、文句無くシングル曲以上の水準を満たしていると思います。シングルカットしたら意外と売れそう。


TUBE - N・A・T・S・U - N・A・T・S・U ★★ (2005-08-07 09:48:14)

このアルバムは「90'S DOOR」「THE SURFIN' IN THE WIND」など、シングルとして出せそうな良質のメロディを持ったものが多いですが、その中でも際立って良い曲。


TUBE - N・A・T・S・U - あー夏休み ★★★ (2005-08-07 09:42:01)

おそらく、春畑さん作曲の中では最も有名な曲の一つ。
メロディの良さ、小粋なギターフレーズの良さは然ることながら、前田さんの歌いっぷりには惚れ惚れします。「鈴虫も鳴くよ」のところは鳥肌が立ちそうなほど哀愁が篭もっていて良い感じです。


TUBE - OFF SHORE DREAMIN' - ス・テ・キなサタデーナイト ★★★ (2004-04-09 22:26:05)

楽しい週末を歌った、TUBEの中でもはっちゃけた楽曲(前田さんの高笑いまで入ってるし・笑)。
ですがメロディがしっかりしてて、どのシングル曲と比べても負けないくらいキャッチーなのでファンには是非聴いてみて欲しいです。
「渚のオールスターズ」では織田哲郎さんとのツインボーカルで、更にはっちゃけた出来になっています。


TUBE - OFF SHORE DREAMIN' - スタンダードな恋物語 ★★★ (2004-04-09 21:54:11)

TUBEの中でも結構マイナーな方に入りそうな楽曲。
ゆるやかなテンポと爽やかな夏を感じさせるメロディが良いです。
最近のTUBEはラテン系の暑い曲が多くて、こういう爽やかポップは
あまりやってくれないようなので、たまにはこういう路線の曲も
聴きたいです。
今のTUBEしか知らない人は是非とも聴いて欲しい一曲。


TUBE - OFF SHORE DREAMIN' - センチメンタルに首ったけ ★★★ (2004-04-09 22:26:34)

氣志團がカバーしたら似合いそうな、良い意味で古臭くてポップな楽曲(といっても当時は古臭くないのかも)。
TUBEの王道である「爽やか海岸ポップ」「暑いラテン系アッパーポップ」「哀愁歌い上げバラード」のどれにも属さない曲ですが、メロディとノリが良くって初期TUBEの楽曲ではかなり好きです。


TUBE - OFF SHORE DREAMIN' - 冬の海岸通り ★★ (2004-04-09 22:26:19)

個人的にTUBEのバラードの中では一番メロディが良いと思う楽曲。
前田さんのファルセットが切ないです…
バラードベスト「Melodies and Memories」にリテイク版が入っているので、そちらの方が良いかもしれません。


TUBE - Surprise! - 愛はカーニバル ★★★ (2010-07-19 10:10:34)

ラテン系+ポップスの情熱的な歌メロに、夏楽器をふんだんに使ったオケが絡む熱い楽曲…なんですが、この曲は今までの同系統の曲と比べるとどこか翳りがある感じがしますね。その翳りが、暑「苦し」さを感じさせず、聴きやすいものに仕上げていると思う。


TUBE - Surprise! - 灼熱らぶ ★★★ (2010-07-19 10:16:59)

一聴き惚れ。なんっっって素晴らしい歌メロなんだ…!!!
ノッテケ'92辺りの曲を、今のTUBE風にアレンジしたような曲調で、編曲にも歌い回しにもどこかとぼけた大らかさがあるのが特徴。♪ノッテケノッテケ~と歌いたくなるギターソロも印象的。こういう大らかさ、ベテランバンドならではですよね。


TUBE - Surprise! - 太陽のサプライズ ★★ (2010-07-19 10:13:48)

新たな要素を常に取り入れつつ、ブランドイメージを保つ努力を怠らないのがTUBEの美点…ではありますが、この曲はあまりにもベッタベタなTUBE節(笑)。この曲に関しては、サプライズよりも安心感って感じです。しかしTUBEはやっぱり歌メロがクサい。ジャニーズやアニソン、織田哲郎に比肩する、もしくは超えてると思う。


TUBE - THE SEASON IN THE SUN - シーズン・イン・ザ・サン ★★ (2004-04-09 22:25:52)

織田哲郎さんのメロディセンスが光る、TUBE史上に残る名曲。
サビメロのキャッチーさ、爽やかさが聴きやすくていいですね。
「渚のオールスターズ」では織田さんがボーカルをとってますが、最後に原曲には無いスキャットが加えられていてかっこよくなってます。


TUBE - TUBE - Miracle Game ★★ (2005-08-06 20:49:46)

TUBEなのに、リズムがトランスっぽいような…(汗)
違和感無くハマっている…とは言い難い(笑)ですが、凄くかっこ良く仕上がっていると思います。


TUBE - TUBE - ジラされて熱帯 ★★★ (2005-08-06 20:47:37)

「シーズン・イン・ザ・サン」や「BOYS ON THE BEACH」のような爽やかな曲も良いですが、こういう湿度高そうな熱気のある曲は年季が出てきたことでさらに深みを増してきているように思います。特に「♪ベッタリ甘い…」からはイヤらしく絡みつくようなメロディで一発で印象に残りますね。ピアノやブラスのアレンジもお洒落で最高。


TUBE - Tubest Ⅱ ★★ (2004-05-16 22:13:00)

このCDで凄く良い所は、なんといっても、シングルのカップリングだけど物凄く異彩を放っている名曲(迷曲かも)「湘南盆踊り」を収録しているところでしょう!!渋すぎです(笑)
それ以外にも、「あー夏休み」「ガラスのメモリーズ」と有名な曲がずらりと並んでいて、特にTUBEのファンじゃなくとも取っ付きやすいCDだと思います。
ただ、初期の爽やかなTUBEのエッセンスが足りない感も無きにしも有らずなので、「TUBEST」の方も合わせて聴くともっとTUBEが良く分かるかもしれません。


TUBE - Tubest Ⅲ ★★ (2008-04-01 22:42:00)

TUBEST、TUBESTⅡに続く2000年発表のベスト盤。
シングル曲の方は春畑さんが主導権を握ってからのTUBEの王道とも言うべき、熱くて格好良く
キャッチーなTUBEロックを中心とした内容で、骨の太さにメタラーも唸りそうな内容。
ですが今までTUBEを愛聴してきた人からすると、やっぱり昔のシングルのリメイクが
嬉しかったりしますね。ジャズ、ハワイアン、スパニッシュなど様々な要素を取り入れた
アレンジで、過去の名曲が大胆に生まれ変わってます。こういうアレンジをするとポップ度は
下がるし、ぶっちゃけ売れなそうですが、私的にはかなり面白く聴けました。
ただ、リメイク曲の歌唱はちょっと…明らかにコンディションが悪そうで、高音が辛そうだし、
歌唱力を見せつけるようなフェイクを多用していて正直くどいです。いつもの、熱く歌い上げ
ながらもどこか清涼感のある歌声だったら完璧なベストだったのになぁ…。


TUBE - Tubest Ⅱ - だって夏じゃない ★★★ (2008-04-11 00:10:25)

粋でいなせなロックという感じの熱い(暑い?)曲調なのに、サビはどこか盆踊りの振付けが似合いそうなノリがあって独特。TUBEってマンネリを叩かれやすいアーティストかもしれないけど、やっぱり他のバンドに無い個性があると思いますね。「捨てたもんじゃない/粋におねだり」というフレーズもかっこいい。


TUBE - Tubest Ⅲ - 花火 ★★★ (2008-04-08 13:47:54)

この曲の歌詞、「勝ち負けじゃない どいつもこいつも戯言」「泣かないで 結果だけじゃないネ」と矛盾した事を言ったあとで、「あれこれ言う奴なんか二枚舌よ」と二枚舌な人間を批判するのは正直どうなんでしょう(笑)。ある意味自虐的にも聴こえたりするんですが(笑)。でも曲がかっこいいので★3つで。


TUBE - シングル/カップリング/その他 - Stories ★★★ (2006-07-13 14:16:14)

私的にはこの頃から前田さんの声が太くなってきた気がします。
最初は静かな曲調で語りかけるように歌いながら、サビでダイナミックに歌い上げる歌唱は鳥肌モノです。そのサビも力強いのに繊細さがある歌声なんですよね…メロディも素晴らしいし、超名曲決定。


TUBE - 渚のカセット Vol.1 - My Sweet Milky Baby ★★★ (2004-04-10 04:28:08)

私がTUBEの中で最も好きな曲。
なんともいえない綺麗なギターと流麗な歌メロがトロピカルな天国にでもいるような気分にさせてくれます。
ただ、企画盤の流れの所為で最後にDJの声が入ってるのがちょっと…
曲の余韻に浸りたいのに「マイ ネーム イズ ジョージ」とか言わないで欲しい。


TUBE - 渚のカセット Vol.2 - Be My Venus ★★★ (2008-03-31 11:46:09)

プールサイドでサングラスかけて、グラス片手に灼きながらデッキチェアに寝そべる男と、ピーカンの空がはっきりと見える…絶対この男プールには入ってなさそう(笑)。ここまではっきり情景が浮かぶ曲も珍しい。ある意味、情景描写能力はプログレ以上かも。


TUBE - 渚のカセット Vol.2 - Right On! ★★★ (2008-04-01 22:31:27)

作詞が湯川れい子さん、作曲が長戸大幸さん、ヴォーカルの一部にかまやつひろしさん参加とありえない豪華さ。やっぱり湯川さんの作詞は凄いですね。「ココナッツさやさや揺れてる」「まさか人魚のようだぜ」「快感指数は1500」とか、印象に残るフレーズが鏤められてて、ポップに盛り上がれる曲に合う詩としては最高レベルかも。


TUBE - 渚のカセット Vol.3 - California Babe ★★ (2006-07-13 14:18:05)

え…真っ黒サーファーってそういう意味もあったんですか!?
実際に当時心理学勉強中のウェイトレスと付き合ってたらうけるかも(笑)


TUBE - 渚のカセット Vol.3 - Day in Vacation ★★★ (2005-08-07 09:46:09)

楽しかった夏休みの思い出が駆け抜けていくかのような、一抹の寂しさを伴うメロディが絶品な曲。「渚」の中でも最もキャッチーな曲です。伊藤一義さんって綺麗な声していますよね。


TUBE - 湘南 - はよつけ鎌倉 ★★ (2005-05-29 23:28:11)

「♪かー、まー、くーらくーらくーらー」でノックアウト(笑)


TUBE - 湘南 - ウルトラバイオレットNo.1 (2004-07-01 21:51:21)

TUBEがリコーダーをアレンジに取り入れるなんて…
意外性の一曲。快いはっちゃけ具合です(笑)


TUBE - 納涼 - ノッてけ'92 ★★ (2004-07-01 21:51:38)

いわゆる「ベンチャーズ・サウンド」というのかな?
こういうTUBEの王道からやや外れた所に名曲があるのがTUBEの良い所だと思います。正直シングル曲は(特に最近は)そんなに気に入らない事が多いんですが、この時期のアルバム曲は美味しい物が多いです。


TUBE - 浪漫の夏 - 夢のフロリダ ★★★ (2004-04-10 21:17:19)

緊張感のあるピアノが心地良い、少し速めのテンポのシャッフル(多分)のリズムを持った曲。
凄くノリが良くてこのアルバムの中でシングル曲に匹敵する名曲だと思います。


TUKAARIA - Raw to the Rapine ★★★ (2012-11-05 19:14:11)

2011年発表の1st。
翌年にProfound LoreよりVOLAHN、ODZ MANOUKとのスプリット音源を加えてトールケース/デジパック仕様、500枚限定で再発されてます。どの音源も2011年に発表されたもの。

路線としては、緩急付けた展開も取り入れつつ、テレビの砂嵐を思わせるノイジーな音作りの中にトレモロリフが響く、プリミティブブラックの様式を踏襲したものといえますが…流石一癖あるバンドの多く所属するProfound Loreが目を付けただけあって、単にプリブラのテンプレをなぞっただけには終わらない、深遠な邪悪さも感じさせてくれる作品になってますね。

まずトレモロによる、オカルティックなメロディが非常に秀逸。寒々しい部分もありますが、単に寒いというよりも悪寒を呼び起こすような、不気味さも伴う感触がありますね。テレビの砂嵐だと思ったら、良く見ると無数の蛇が蠢いてそう見えていた…みたいな気色悪さ。威厳のある中音域のがなりから、怨念を振り絞って追いすがるような絶叫、祈祷師系の抑揚のないクリーンまで使いこなすヴォーカルの表現力もまた素晴らしい。

アメリカのバンドですが、個人的にはドイツのカルトバンドを思わせる雰囲気があるんですよね…例えば、炸裂感のあるRAWなドラムや追い立てるようなヴォーカルによる焦燥感、メロディアスなベースやノイジーな音像が醸し出す陶酔感の入り混じった、カオスな感じはKATHARSISに通じるものがあるように思うし、陰鬱な音の中に祈祷系クリーンと神秘的なトレモロが響き魔性を演出するパートはちょっとLUNAR AURORAっぽい。

こちらの方がストレートなプリミティブブラックで、前述のバンドと音楽性自体はかなり異なるんですが…それらバンドの「VVorld VVithout End」や「Andacht」などの名盤群と相通じるような、日常から切り離されたカルトな空間を感じさせてくれるんですよね。そこがまさしく私のツボだったり。正直この素晴らしさで500枚限定は惜しすぎます。興味がある方は今の内に確保しておく事を強くお勧め。


TULUS ★★ (2010-06-23 00:26:00)

ノルウェー産アヴァンギャルド・ブラック。
このバンドのメンバーがKHOLDを結成したようですが、KHOLDの活動休止に合わせて復活したようです。


TULUS - BIOGRAPHY OBSCENE ★★★ (2010-06-23 00:25:00)

2007年発表の4th。

掴み所のない、しかし毒々しさやどす黒いムードを異様なまでに発するメロディを練り込んだリフが、ベキベキと歪んだベースと絡むアンサンブルが、前衛的な雰囲気を醸し出すブラックメタルですが…多くのアヴァンギャルドブラックがある程度メタルから離れるのに対し、この作品はブラストで攻め立てるパートも多いし、ロックのダイナミックなリズムも取り入れるし、アンサンブルにはキメを多用するしで、メタル(及びロック)志向が非常に強いのが特徴ですね。

Voもスラッシュの吐き捨てに近い、地声混じりのがなりでやっぱりロック的なかっこよさがあると思う。しかしブラックに必要な威厳もしっかり備えているのが素晴らしい。また、ところどころにストリングスやブラスが、頽廃的な美しさを醸し出すパートも挿入されてますが、それらがSE的に挿入されるパートでさえも、単に効果音的ではなく、バンドサウンドとしっかり地続きとなって聴こえるように、毒々しいムード作りのセンスはかなり良いと思う。音質もベースを強調した太くクリアで、ややRAWさも残したものでこの作風には見事にマッチしてる。

メタル/ロックの持つ根源的な熱量の高さを、ブラック特有の禍々しいムードに還元しているという点では近年のSATYRICONを思わせますが…こちらの方がよりアングラ度が高い音。CODEのメンバーが言う所の、「初期ブラックの催眠的でありながら残忍のように極端な要素を備えた、ミステリアスで神秘的なムード」をしっかり引き継いだ作品であると思います。

…と、無理矢理理屈を付けてこの作品の魅力を語るとこんな感じ(笑)。
一聴で「何か凄い」事は伝わるけど、その凄さを言葉にするのが難しいアルバムなんですよね。KHOLD、SATYRICON、CODE、SECRETS OF THE MOON辺りを愛好する方にお勧めですが…これらのどのバンドとも異なる個性を持った作品だと思う。ノルウェー産ブラックの奥深さをまたしても良く伝えてくれる好盤です。


TURDUS MERULA ★★ (2012-04-27 22:16:20)

スウェーデンの独りブラック。
バンド名はスウェーデンの国鳥であるクロウタドリから。


TURDUS MERULA - Herbarium ★★ (2012-04-27 22:17:21)

2010年発表の1st。
これはジャケ買いしてしまいました。
男女の頭から植物が生えてるイラスト、アルバムタイトルが「植物標本」、そしてバンド名が鳥の名前…これは期待するなという方が無理でしょう(笑)。

スタイルとしては、アンビエント・ミニマル志向の強い、やや前衛的なブラックメタルという感じで、やはり他のバンドにはない妙な個性を持っている作品ですね。SE的に挿入されるピアノ・ソナタ風のパートで聴けるメロディや、アルペジオ、キーボードに込められたメロディは中世的でアンティークな感じの、頽廃的で暗い美しさがあり、メロディセンスはなかなかのものだと思う。

しかし個人的に「妙な個性」を感じるのは、一部徹底してミニマルなバンドサウンド。ほぼ音の壁と化したギターに変化のないリズムの絡むパートは、時間が止まったのでは…と思わせるほど。そこに植物に体を乗っ取られる妄想に取り憑かれ、体を掻き毟りながら絶叫しているような鬼気迫るヴォーカルが乗ると、少なくとも聴き手を日常の時間の流れから切り離すくらいのパワーはある音になってると思う。

展開があったり、美メロを乗せたりするパートもしっかりありますが、私としてはミニマルなパートに他にない凄みを感じましたね…。アトモスフェリック系やプリミティブ系など、ブラックにもミニマリズムを志向するサブジャンルはありますが、このパートに限って言えばもうドローンに近い感性なんじゃないかとすら思う。かなり癖があり、聴き手を選ぶ(一般的なメタルの文脈で聴くと、正直退屈だと思う)作品ではありますが、このバンドも他で代わりの効かない音を出していると思います。


TURISAS - The Varangian Way ★★ (2008-09-27 04:57:00)

2007年発表の2nd。
上の方も仰っている通り、「壮大なシンフォニック・ヴァイキングメタル」という感じの
作風なんですが、ヴァイキングと言っても略奪行為を行ったり呪術に傾倒したりといった
危険さみたいなものは殆ど感じられず、むしろちびっ子が聴いたとしても憧れてしまいそうな
冒険小説/映画等に出てくるようなヴァイキング像が浮かんでくる、エンターテイメント性に
溢れたアルバム。民族掛かった壮大なメロディの豊穣さといい、世界観演出のブレのなさといい
エンターテイメントに欠かすことの出来ない「創造性」に満ち溢れた傑作だと思います。
海賊船長のような威厳のある濁声とクルーのコーラスの掛け合いとかめっちゃ燃えます。
…最近ネットを見てると、ケレン味のある作品に対して、世界観にどっぷりハマって聴き
素直に称賛する事がまるでダサい事であるかのように、「作り物である事は分かって適度に
楽しんでますよ」的な変に格好付けた醒めた態度で語る輩が多くて辟易させられるんですが、
そういう自分の好きな物を満足に語ることすら出来なくなった人には是非聴いて欲しいですね。
そして小さい頃に冒険物の作品を見たり読んだりして覚えた滾りを、再び揺り戻して欲しい。
間違い無くそれだけのパワーを秘めた作品だと思います。


TVANGESTE - Firestorm ★★ (2012-03-27 00:49:24)

2002年発表の2nd。

キーボード、フルート奏者や女性ヴォーカルを含む、7人の大所帯による、ロシア発のシンフォニック・ブラック。アートワークの、洋物RPGのキャラクターのようなタッチで描かれたメンバーがなんだか面白いですよね(笑)。ブックレット裏側なんてイケメン&美女の集団だし。一人白目剥いてる人もいますが…(笑)。

チェンバロやピアノ等、上品な音色で曲を彩るキーボード、弦が空気を震わせるようなストリングス、混声合唱や女性ヴォーカルによるかなり派手な歌メロなど、シンフォブラックの中でもかなりクサ度の高い音像を誇る、非常にドラマティックな作品。特に耽美さや上品さを感じられるメロディのセンスは、シンフォニック・ブラック全体でもかなり上の方に食い込めるくらいレベル高いと思う。

ただ、メロディや展開など、曲の根本のセンスは高いのに、今一つな部分も多いのが惜しいんですよね…。子音を強調した、憎々しげな歌い方は良いものの、どこか空気が漏れてるようなヴォーカルもそうだし、ドラマ性を強調しようとしすぎなのか、逆にパートによって音圧に差が出来て、却って聴きづらい音像は改善の余地が大有り。ギターワークも正直ちょっと物足りないです。

シンフォ系の中でも優れたメロディセンスは素晴らしいのに、音作りのせいで聴いてると「ここのチェンバロもっと強調した方が…」「ここのリフ音量下げ過ぎじゃない?」とか突っ込みが浮かんでしまい、いまいち世界観にハマりきれない作品なんですよね…。脳内突っ込みも起きないほどに、聴き手を世界観に没入させられる音像が作れれば、名盤クラスも作れそうなんですが…。私的には、この時点ではまだ好盤くらいですね。


TWILIGHT OPHERA - Descension ★★★ (2011-04-23 17:43:23)

2006年発表の4th。
いまひとつ話題に上らない彼らですが、素晴らしいですよ、これ。

路線としては、キーボードを巧みに使い、丁寧に情景を描いていくタイプのエピック要素の強いシンフォニック・ブラックという感じですが…キーの音色の選び方が、DIMMU BORGIRの「Abrahadabra」のオーケストレーションの凝り具合を引き合いに出して語りたくなるほどに上手い。ピアノやブラス、ホラー的な空間的な音など、曲の展開によって最も合った音を選んでいるのが、聴いていて伝わる感じ。

他のシンフォブラック勢と比べると、メロディはクラシカルな煌びやかさだけでなく、ゴシックメタルの焼け付くような哀感や、ホラー的な耽美な怖さも感じられるのが特徴で、曲構成の巧みさとも相俟って、まるで幽霊船に乗っているかのような臨場感を覚えます。ブラックの絶叫だけでなく、OPETH的なまろやかなクリーンや、幽霊船長の呟きのような声、スラッシュ風のアジり声まで使いこなすヴォーカルもかなりレベル高いです。どのパフォーマンスを聴いても一級品で、しかもその全てが上滑りせず曲にしっかりフィットしているのが素晴らしい。

そういう訳で、シンフォニック・ブラックの中でも音像の煌びやかさだけでなく、丁寧に曲を構成し、エピックに展開していくタイプが好きならば必聴のアルバム。このバンドはもう少し評価が高くてもいいんじゃないかな…と思ったり。


TYMAH (TUMAN) - Transylvanian Dreams ★★★ (2008-09-05 23:28:00)

2005年発表の1st。

基本的にはオーソドックスなプリミティブブラックという感じなんですが、スローパートにちょっとFreezing Moonを髣髴とさせる部分があったり、Funeral FogやBuried by Time and Dustを意識しているのでは…と思わせるリフが出てきたり、全体を通してEuronymousの時代のMAYHEMの息吹が感じられるのが大きな特徴ですね。時折見せるオールドスクールな部分も、Dead在籍時のMAYHEMに近い雰囲気がありますし。

ヴォーカルのメイクがDeadそっくりだったり、Deadに捧ぐと書いてあったり、実際にもMAYHEMには並々ならぬ思い入れがあるようですね。「フリージング・ムーンに追従する全ての本物の戦士達に敬意を」とまで書かれてますし(笑)。MAYHEMっぽいだけでなく、プリブラとしての根幹の部分も素晴らしく、特にこのジャンル特有の、得体の知れない不気味さとメロウさを両立させるトレモロリフのメロディはレベル高いと思います。ただ、ギターの歪みは結構キツめなので、このジャンルを聴き込んでない人だと少し慣れが必要になってくるかもしれません。

あと、ヴォーカル、ギター、作詞、作曲を担当する中心人物のDimは女性のようですね。確かに、この鬼婆が包丁を持って襲い掛かって来るような独特のエグみのあるデスヴォイスは女性ならではのものだと思います。個人的にはプリミティブのヴォーカルにしては声質が少しやかましい感じがしてあまり好きではないんですが、迫力や表現力は認めざるを得ません。

このバンドはハンガリーのトレンドに染まったブラックメタルのシーンが大嫌いらしく、わざわざ嫌いなバンド名まで挙げてるんですが…逆に挙げられてるバンド聴きたくなります(笑)。フランスのANOREXIA NERVOSAやアメリカのAVERSE SEFIRA、ポーランドのBEHEMOTHなんかも自国のシーンを良く思ってないような発言してたし、隣の芝生が青く見えるのは万国共通なのかも。


TYRANT - Grimoires ★★★ (2009-05-02 18:34:00)

2005年発表の3rd。

ピアノやストリングス、クワイア風空間系など様々な音色のキーボードが、重層的に絡まりあい耽美さを演出するシンフォニックブラックで、個人的には「Dusk~」「Cruelty~」期のCRADLE OF FILTHにも通じる、ゴシックホラー的な景色の見える音だと思う。メロディが明らかに洋ものゴシック系で、一聴しただけでは日本人とは気付かないような出音なんですが、そのメロの耽美さがCOFよりもかなりあからさま(MIRRORTHRONEクラス?)で分かりやすいものになっている辺り、やはり異文化を咀嚼するのが上手い日本人らしいと思う。

その分かりやすい耽美メロを派手なキーボードで奏でつつ、トレモロリフも絡めて疾走するパートなんかはブラッカーのみならず、クサメタルやメロデス好きも魅了される事請け合い。…この辺り、やっぱり日本人だなぁ…とか思ってしまいますね(笑)。

音質は良好ながら、キー以外のバンドサウンドが、少し翳りのある音だと思うんですよね。でもそれが、どす黒い雲に覆われたような不吉な雰囲気を醸し出していて、キーボードのゴシック的な耽美さと完璧にマッチしてると思います。ヴォーカルは少しダウナー入ったがなり声で、悪くはないですがもっと凶悪な方が個人的には好み。

元1349のメンバーが演ってるシンフォブラックで「PANTHEON I」というバンドがいますが、あのバンドが分かりやすい耽美さを求めて進化していったらこんな感じだと思う。ヴォーカルの歌い方もかなり似てますし。例えばSIRIUSとかABGAIL WILLIAMSとか、このバンドよりも大仰な音像を出してるバンドは結構いますが、これほどゴシック的な耽美さを出せてるバンドは珍しいと思う。世界観は徹底して作りこんでありながら、愛想も良いので、これからシンフォブラックを聴いてみようという向きにも推薦。

しかし、2ndはこれよりキャッチーなんですか…聴いてみたいなぁ…。


Toshl - GRACE - Dear My Friends ★★ (2003-11-20 03:39:15)

Toshiが阪神大震災の被災者の事を考えながら作ったらしい曲。
朝の港を思わせる静謐なイントロから、ホーン系の音色を伴ったミディアム曲に展開していきます。この曲はライブ盤「LIVE IS BEST」にも収録されていて、そっちでは更に哀愁の増したボーカルが聴けます。


Toshl - LIVE is BEST ★★ (2004-05-18 20:09:00)

TOSHI自ら選曲したらしい、ライブアルバム。
ライブで聴くソロの曲は、凄く心がこもっている感じで曲の世界に引き込まれてしまいます(Xのライブ盤での彼の歌声は、正直バラード以外では無理をしてるように聴こえてしまう)。
特に「Dear my friend」「Misty love」といったミディアム・スローでメロディの美しい曲での歌声は素晴らしいです。楽曲の一つ一つについて本人やゲストがそれぞれコメントしていてかなり興味深い資料になっているので、それを読むためにも購入する価値があると思います。


Toshl - MISSION - Rusty Eyes ★★★ (2003-11-20 03:39:28)

個人的には意識されたと思われる曲「Rusty Nail」に匹敵するくらい好きな曲。
もともとToshiの声が好きでXを聴き始めたようなものなので、Toshiのやや荒っぽいハイトーンがたまらないです。


Toshl - 君はいないか - 君はいないか ★★★ (2003-11-20 03:39:42)

MASAYA作曲は「愛の詩をうたいたい」(これはヤバかった…)を先に聴いてしまったのでCDを買う時かなり抵抗がありましたが、これは素晴らしい曲です!!ホントにXの頃と比べてもなんら遜色のない綺麗なハイトーンが聴けます。これはオススメ!!


Toshl - 碧い宇宙の旅人 ★★ (2004-05-18 20:09:00)

TOSHIのソロはこの作品が一番だと思います。
あの声と流麗なメロディ、そしてアコースティックな楽器の緩やかな調べが重なりあって、疲れた心を癒してくれるアルバムになっていると思います。
ただ、楽曲は言う事無く素晴らしいんですが、歌詞の表現形態に少し疑問を持ってしまうところもありました。具体的には「Simplicity」の「ぬくぬくもり」(笑)


UGULISHI - Dark Illuminations ★★ (2013-07-19 22:03:56)

2009年発表の4曲入りEP。

これはかなりカルトな雰囲気を持った作品ですね。
聴き手の精神を削るような、ジリジリとしたリフの音色と、初期BURZUMに近い裏返り気味の鬱感情をぶちまけるような絶叫が病んだ雰囲気を醸し出す、カルトでサタニックなムード満点のブラックメタル。剃刀の海に叩き込まれるような、非常に殺伐とした感触を持った音。

上記したように、決して聴きやすいとは言えない音作りなんですが、それがスローパートでは禍々しい渦に引き込まれるような暗黒さを、ファストパートでは圧倒されるような暴虐さを醸し出してるんですよね。そもそもメロディックとは言い難い作品ですが、僅かに感じられるメロディも全く甘さの無い、鬱と邪悪だけで構成されているようなギラついたものを弾いていて、やはり人を寄せ付けない刺々しさが強い印象。

正直マニア向けながら、なかなかの凄みを持った作品だと思います。今作はEPなので演奏時間短めですが、フルがリリースされたらかなり精神を消耗させるようなものになりそう。


UI-70 ★★ (2008-07-18 18:21:00)

日本の主にインストメタルを演っているアーティスト。
ゲーム音楽のカヴァーやアマチュアでの活動が中心ながら、プログレ系の
レビューサイトで取り扱われたり、海外の大手メタルレビューサイトである
Encycopaedia Metallumに登録されたり、着実に知名度を上げている模様。


UI-70 - If ★★ (2009-01-17 18:27:00)

08年末発表の上海アリス幻樂団(=東方)のインスト・メタル中心カヴァーアルバム。
上の一行はIRON ATTACK!の自分のレビューのコピペの一部改変です(笑)。
今期の上海アリスのメタルカヴァーは、客観的に見てもこの手でも指折りのクオリティを
誇ると思えるIRON ATTACK!を初め、DEMETORI、CROW'SCLAW、鼓太蝋、PIZUYA'S CELL×
MYONMYONなど強力な作品が多かったんですが、その中でも一枚選ぶとしたらこれですね。
相変わらずフレーズに妥協はなく、繊細で聴き心地の良い歪ませ方のリフの音色や、キーを
フィーチャーしつつリードギターによるクサメロと共に疾走するストレートな曲の多い作風など、
この作品が一番「ゲーム音楽としてのエンターテイメント性」を強く感じられて、そこが
個人的な好みにハマった感じです。
また、今作はメタル以外にもテクノやフュージョン寄りのロックアレンジなども聴けますが、
それらも聴いていて情景が浮かぶような音でメタル曲以上に素晴らしい。
流石にテクノやフュージョンのアルバムもリリースしているだけの事はあります。
それらがあるお陰で、アルバムの流れもスムースになっているように思います。
しかし、今回はこのジャンルは本当に豊作ですね…。
確かにIRON ATTACK!やCROW'SCLAW辺りのガチガチなメタルと比べるとインパクトは
少ないかもしれませんが、これも素晴らしいですよ。


UI-70 - If - フォールオブフォール ~ 秋めく滝 ★★★ (2009-01-17 18:30:39)

ああ、修学旅行で友達とトランプしながら新幹線に乗ってたときの、妙に高揚した気分が蘇ってくる…(笑)。2曲目がメロディの持つ「旅情」をメタルサウンドと融合させた音なら、こっちはそれを最大限に活かすようなアレンジ。このメロディ、色んなバンドがアレンジしてますが、SYNC.ART'Sかこれのどっちかが個人的にはベストですね。


UI-70 - If - 春色小径 ~ Colorful Path ★★★ (2009-01-17 18:29:47)

ほんとに遠足とかで春の公園を散歩している気分になるような穏やかな雰囲気のアレンジ。…音はメタリックではないですが、ここまで雰囲気で聴かせられる実力があるならアトモスフェリック・メタルにも手を出せば良いのに。今の所あんまり競争相手いなさそうだし(笑)。


UI-70 - If - 神々が恋した幻想郷 ★★★ (2009-01-17 18:31:49)

オープニング明け2曲目から待ってましたのクサ疾走!
実力あるメタルアーティストが、このメロディ使って疾走曲作ったら悪いものができるはずありません…が、キーボードの音色の選び方などのセンスが良くて、期待を上回る出来なのが素晴らしい。これ、激しい音楽が嫌いじゃなければ誰もがかっこよさを認めざるを得ないレベルでは…。


UI-70 - If - 星の器 ~ Casket of Star ★★★ (2009-01-17 18:28:51)

テクノアレンジですが、これはかなり好き。
どこかチャイルディッシュで夢見がちな雰囲気があって、子供の頃両親に連れられてサンリオ関連のお店とか見に行った頃の気持ちを思い出すような、聴いていて童心に返れる音。一瞬だけフルートによるクッサいメロが切り込んでくるのもたまりません。3曲目のサビ前のメロとそっくりで使いまわし感はありますが、まあ気にならない程度。


UI-70 - Riddles covered in flowers ★★ (2008-07-18 18:24:00)

2008年発表の…カヴァーとしては10枚目となるアルバムらしいです。
今回は上海アリス幻樂団のインストメタルでのカヴァー。最近この手のカヴァーメタルを
良く聴いてるせいか、アレンジを聴き比べると結構楽しかったりします。
まず良いと思うのは、このジャンルでも評価の高いアーティストであるDemetoriによる
ミックスの施された音質。リフの音色が歪みすぎず、大きすぎず、かといって物足りなく
なるほどでもなくバランスがかなり良いです。帯のコピーには「ダークでメロウなHR/HM
アレンジ」とありましたが、実際にはドライブ感あるリフにゲーム音楽のキャッチーな
クサメロを乗せたものが多く、この音質とも相まって、HR/HMファンでなくとも受け入れ
やすいような聴きやすさがありますね。
基本的に主旋律を際立たせてるアレンジですが、リフが単なるバッキングにならず
メロディアスな部分も多く、聴き応えも充分。特にラストのクサメロ3曲連打には参りました。
喫茶店で流れてそうなお洒落な曲調にメタリックなギターが入った曲やトレモロリフ・
スラッシュビートを取り入れたエクストリームメタルに近い音像の曲など、作風がバラエティに
富んでいることも大きな魅力の一つだと思います。欲を言えば、3曲目はああいう方向の
アレンジならもっとダイナミズムを感じられる展開が欲しかったかも。
メタル者のみならず、普段メタルを聴かないし、別にゲーム音楽にも興味なしっていう人が
聴いてもかっこよさを伝えられる質の高さがある作品だと思います。また、本人が真面目に
書くの飽きたと言い切ってる脱力系ライナーノーツも必見…かも(笑)。曲の解説とは
関係無しに、何の脈絡もなく二次元キャラ(多分)に求婚してたりして超うける(笑)。


UI-70 - Riddles covered in flowers - 神々が恋した幻想郷 ★★★ (2008-07-18 18:31:40)

これはノイジーなギターが入ってなかったら普通に喫茶店とかで流れてそう…でもこの曲が1・2を争うくらい個人的にはツボだったりします。メロディは、(B'zの)松本さんのWanna Go Home辺りのソロアルバムに入っていそうな感じ。


UI-70 - Riddles covered in flowers - 千年幻想郷~history of the moon ★★★ (2008-07-18 18:34:48)

このメロディをメタルサウンドに乗せる、それだけでもうドラポンと同じ位の破壊力があると思うんですが…動きのある、メロディの織り込まれたリフとピアノをフィーチャーしたドラマティックな展開で更に二本折れ、って感じでしょうか。ここからの3曲は、クサメタラーには堪らない流れだと思います。