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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6801-6900
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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6801-6900
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WIZARDS' HYMN - Transience - Remains ★★★ (2009-05-06 23:16:03)

前作の「The Glory of the Desert」に匹敵するくらい、巧みな情景描写で和な世界を描く曲。…この一曲目を聴いた時は、世間の評価とは裏腹に名盤だと思いましたが…。この情景描写の上手さと1stでの歌メロでの表情の付け方を、全曲で両立させたら凄いアルバムが出来そうなんですけど…


WODENSTHRONE - Loss ★★ (2011-05-11 22:12:09)

2009年発表の1st。

このバンドも、WOLVES IN THE THRONE ROOMの系譜に当る、自然崇拝系のブラックを演ってますね。ザラついたリフに勇壮だったり、悲しみに満ちていたりなペイガン要素も含むメロディを含蓄させ、それを纏って疾走する作風はかなり共通した世界観を持ってると思う。ヴォーカルのハイピッチながなりも情景にフィットしてます。

ただ、このバンドはそこに荘厳なキーボードが覆い被さるのが特徴ですね。空間的な音色だけでなく、オルガンの音色も用いてますが…普通、オルガンの音色を使うと宗教的な色が出てきてしまいますが、このバンドの作風だと宗教ではなく、「自然への」畏怖の感情が掻き立てられるのが興味深い。

ミニマルな疾走で非日常な光景を描いていく作風と言う事で、風景描写の傾向こそ違いますが、Cold Dimensionsのリリースを追っている人にもお勧めできそう。メロディの扇情度も高いですし、シューゲイザーブラックが好みの方にも推薦。


WOE ★★ (2011-06-10 21:53:07)

アメリカ産ブラックメタルバンド。
KRIEGの現ドラマーのChris Griggが在籍。


WOE - Quietly, Undramatically ★★★ (2011-06-10 21:53:39)

2010年発表の2nd。
この作品、アルバムタイトルとは真逆の音ですよね(笑)。

ハードコアのやぶれかぶれさも伴ったファストブラックで、とにかくテンションの高さが半端ないです。ヴォーカルは親の仇が川の向こう岸にいるかのように全力で喚きまくり、ドラムもファストパートの飛ばしぶりが凄まじい。スラッシュビートも多用しますが、ギターの音色・リフの質感がグルーヴ系でなく、最近のバンドに多いバンドサウンドを歪みで包み込むようなタイプなので、意外とオールドスクールな感触は薄め。

この作品、最初はそのやぶれかぶれなハイテンションに圧倒されますが、意外にも曲はドラマティックで緻密なんですよね。アルペジオやギターソロが展開の中心になることもあるし、タイトル曲ではまさかのマイルドなヴォーカルハーモニーまで。そのせいか、ショップではメタルコアとブラックの融合と言われてましたし。

ただ、展開がしっかりしてるのにやぶれかぶれな雰囲気が漂ってるのが、真に凄いのかもしれません。2曲目のリフとリズムの絡みなんて、明らかにしっかり考えられてそうなのに、テンションで合わせているように聴こえるし、所々で聴かれる儚いメロディ+ブラストで攻めるパートなんて、突っ走った挙句消滅しそうな勢いですもん。

個人的には、ショップの謳い文句に「メタルコア」が入ってたので、カルト性は期待できないかと思いつつ買ってしまったんですが、蓋を開けてみれば丁度いい具合にアングライズムを残してくれてる作品で大満足。にしても、ラスト3曲のタイトルがアルバムの作風を象徴し過ぎですよね。「論理無しの」「完全な円」「憎悪が俺たちの中心」…出来過ぎです(笑)。


WOLD - Stratification ★★ (2009-07-20 19:42:00)

2008年発表の3rd。

ノイズブラックと一口に言っても、STALAGGHやMZ.412のように始めからノイズを志向していたり、ILDJARNやSORTSINDのようにバンドサウンドを歪めることでノイズに接近したり様々なアプローチがありますが、このバンドは後者ですね。…しかしこれ、ILDJARNやSORTSINDよりも更にノイズに近いイカレ具合なのではないでしょうか。

ギターノイズがリズムやフレーズを飲み込んでしまい、アンサンブルが崩壊しかけるほど強く、殆ど音の壁と化しているような作風。まるで巨大な火花の化け物が周囲の景色を焼き切りながら、悠然と移動しているような音像。ヴォーカルのエフェクト掛かった血の叫びは、この化け物に焼かれて死んだ犠牲者の怨念のようにも聴こえます。
…「The Frozen Field」では珍しくリズムがまともに聴こえますが、ドラムでマシンガンによる銃殺刑の効果音を表現しているような曲で、やっぱりまともな使われ方はしてません(笑)。

曲名に「Winter」「Frost」など寒い系の単語が入っている通り、リフのフレーズはよーく聴くと寒々しかったりするんですが…そんなことどうでも良くなるくらい音像のインパクトが強いです。これを出してるレーベルのProfound Lore Recordsは、ブラックの手法で少なからず一般的なブラックから離れた景色を見せてくれる作品を多くリリースしてますが、このアルバムもその流れにあると言えるでしょう。レーベルのファン、ノイズブラック、カナディアンブラック好きは是非どうぞ。


WOLFSHADE - EVENING STAR... ★★ (2012-03-11 20:23:48)

2006年発表の1st。

物悲しく陰鬱なリフを、疾走を交えたミニマルな展開とRAWな音質で聴かせるブラックメタルで、タイプとしてはディプレッシブとプリミティブの両方の特性を持った感じでしょうか。BURZUMとかSHININGとか、この手のバンドの代表格よりも更に、鬱や悲哀の感情を描写する事のみに特化したような作風。

メロディのセンスはこの手のバンドの中でも秀逸な方で、派手さはないものの、じわじわと感情に訴えかけてくるような、メロウなメロディがかなり素晴らしい。暗雲が少しずつ視界を埋めていく様だとか、命の蝋燭が緩やかに溶けていく様だとか、そういう光景が浮かんでくるようなメロディ。割れ気味に叫ぶヴォーカルが、やや埋もれがちなミックスなのも、攻撃性よりも情緒を重視している感じで雰囲気あって良いですね。

正直鬱ブラックとしては割と典型的なスタイルで、目新しさこそないものの、適度なRAWさで心地良く浸れる音質といい、メロディの良さといい、この手が好きならばお勧めできる作品だと思います。


WOLFSMOND ★★ (2011-08-17 23:45:41)

ドイツのプリミティブ/ペイガンブラック。
ABSURDのメンバーが在籍してます。


WOLFSMOND - Tollwut ★★ (2011-08-17 23:47:47)

2005年発表の2nd。

音像こそジャリジャリした音色のギターリフを伴って疾走する、典型的なプリミティブブラックという感じですが、要所要所でペイガン風味の民族的なメロディを挿入し、それが大きな特徴になってますね。ラスト曲ではキーやクリーンボイスも導入、よりペイガンらしいムードに。音質はメロディを損なうレベルで粗いわけではないし、メロディ自体もなかなかの煽情力があると思う。

しかし、個人的にはこの作品の素晴らしさはヴォーカルにあると思います。
まずプレイボタンを押した直後から、「必死」という言葉しか浮かんでこないような、真に迫った絶叫。しかも曲の途中の絶叫でも、力を入れすぎて呼気やホイッスル音、喘鳴に近いような音まで漏れていたりかなり凄絶。デス声にしてもこの人より上手い人は沢山いると思いますが、上手い人よりもこういう全力感があるパフォーマンスの方が、私は断然素晴らしいと思う。

それにしても、この作品はジャケが怖いですね…自傷行為をする鬼。
ある意味本編(特にヴォーカル)の凄絶さを予兆させてるのかも。


WOLVHAMMER - The Obsidian Plains ★★★ (2013-06-01 21:15:30)

2011年発表の2nd。

ショップの紹介によると、スラッジ要素のあるブラックとの事で、割とマニアックな路線を想像していましたが…これ、ストレートに滅茶苦茶かっこいいですね。スラッジ・ドゥーム由来の、街に火の手が上がるような絶望的な引き摺りノイズを塗したリフが視界を黒く染めつつ、ハードコア的な炸裂感のある疾走パートを多く含む展開で聴き手を蹂躙していく、破壊的なブラックメタル。

スラッジ要素の強いバンドにしては意外に少なめのスローパートも、荒廃した雰囲気が上手く演出され、破壊的な疾走パートとの対比もあってかなり魅力的に聴こえる。また、頻度はそれ程多いわけではないものの、ブラック由来のトレモロリフには毒々しいメロディが塗り込められており、展開にインパクトを与えてくれてますね。ブラックメタル特有の高音絶叫と、ハードコア的な怒号を使い分けるヴォーカルも、しっかり邪悪さを感じさせるパフォーマンスでかっこいいです。

これはかなりお勧めです。邪悪なんだけど、重いんだけど、破滅的・破壊的なんだけど、聴いていてスカッとするような、炸裂感のあるかっこよさ。一発でその手の愛好家を引き込める力を持った作品だと思います。


WONGRAVEN ★★ (2007-03-17 18:45:00)

SATYRICONのSatyrのソロプロジェクト。
現在一枚のアルバムを発表していますが、その作品にはIhsahnが参加してます。


WONGRAVEN - Fjelltronen ★★★ (2007-03-17 19:09:00)

95年発表の1stアルバム。
92年から95年の3年を掛けて制作された作品らしいですが、SATYRICONの1stが出た93年にSatyrは18歳だったはずだから…作り始めたのは17歳の時!?マジで天才ですね、このお方は…

こういうアンビエント作品は結構ブラックメタル界のビッグネームが他にも演ってますが、Ihsahn(EMPEROR)のTHOU SHALT SUFFERがクラシック的な耽美さ、FenrizのNEPTUNE TOWERSがプログレ的な宇宙観を表現しているとしたら、Satyrのこれはフォーク、トラッドを軸に据えた美しいメロディをたっぷりと取り入れたアンビエントと言えるのではないでしょうか。

確かに、Satyrはブラックメタラーだし、音も剣を抜くようなSEが入っていたり、ラストに恐ろしげな呟きが入っていたり、人によっては恐怖を感じる作品なのかもしれません。
ですが、それ以上にどうしようもないくらい美しいメロディが心を捕える作品でもあります。最初こそ控え目な立ち上がりですが、1曲目の3分半を過ぎた辺りから劇的なメロディが姿を表し始め、そこからは蟲惑的ともいえる旋律に翻弄され、あれよあれよという間に約32分のSatyrが描く世界への旅路が終わっているという感じです。ほんと、ここまでメロディが良いと別にアンビエントとか興味ない人でも魅了できそうな気がします。

こういう作風にしては珍しく、Satyrがヴォーカルを取る箇所も多いですが、彼の声もメロディに負けず本当に素晴らしい…。サイドプロジェクトのSTORMでも聴く事の出来る朗唱スタイルですが、向こうよりも幾分丁寧に歌っていて、Ihsahn並に気品のある声です。3曲目のサンプリングの内容(びよ~ん、びよ~ん)が思いっきりWHENの「THE BLACK DEATH」と被るんですが、初期WHENはそのダークな雰囲気から北欧のブラックメタラーの間では人気が高かったらしいし、Satyrの音楽のルーツにあるアーティストなのかもしれません。そういえばSATYRICONの作品でもWHENの曲をサンプリングしてますし。

…こんな素晴らしい作品なら、もっと早く買っておくべきでした…。
音響派よりもメロディ派に強くお勧めしたい作品。っていうかメロディ派は絶対に必聴!!


WONGRAVEN - Fjelltronen - DEL Ⅴ : FRA FJELLTRONEN ★★ (2007-03-19 18:34:34)

裏ジャケの注意書きには、「この旅路は大音量で成されるべきである」というステイトメントが書かれていますが、それを実践するとこの曲のラストで恐怖を味わう事になるでしょう(笑)。


WONGRAVEN - Fjelltronen - DEL Ⅲ : OPP UNDER FJELLET TONER EN SANG (2007-03-17 19:17:18)

1、2曲目と圧倒的な才能を見せつけられてきただけに、ここでルーツが分かりやすく垣間見えるのが何だか微笑ましい(笑)。WHEN好きな人ならニヤリとするはず。


WONGRAVEN - Fjelltronen - DEL Ⅱ : OVER ODEMARK ★★★ (2007-03-19 18:31:06)

作曲、グランドピアノでIhsahnが全面参加。
彼のピアノの儚くも美しく魔的な調べと、Satyrの説得力のあるヴォーカルの調和が見事。短いものの、二つの才能がぶつかりあい生まれた名曲。


WONGRAVEN - Fjelltronen - DEL Ⅳ : TIDEN ER EN STENLAGT GRAV ★★★ (2007-03-17 19:22:01)

シンセとベースがトラッド的な美メロで絡み合う曲。
…今のSATYRICONの路線も大好きですが、ここまでメロディセンスの良さを見せつけられると4th以降でメロディを排する方向に進化したのはちょっと勿体無いと思ったり。まあ、それでも良い物を聴かせてくれるのがSATYRICONの良い所なんですけどね。


WONGRAVEN - Fjelltronen - Del Ⅰ : Det Var En Gang Et Menneske ★★★ (2007-03-17 19:13:41)

1曲目にして16分の大作。超名曲。
シンセの醸し出す雰囲気の濃さ、Satyrのヴォーカルの威厳、そして何よりメロディの美しさに圧倒されっぱなし。長い曲ですが、全く心が曲を離れてしまう事がありません。メロディ派には何よりも充実した16分になる事でしょう。


WONGRAVEN - Moonfog 2000 - a Different Perspective - Walking Away from the End of the World ★★ (2007-03-19 18:37:30)

WONGRAVEN VS PARONSODAの名義によるコラボ曲。
テクノビートに無機質な音色が乗るという内容で、Satyrの知的な面が強調されています。Satyr的には意図したより邪悪にならなかったらしいですが、私的にはこれはこれで雰囲気があって好き。


WOODS OF DESOLATION - Toward the Depths ★★ (2010-04-29 06:47:00)

2008年発表の1st。
バンド名の「荒廃の森」、アルバムタイトルの「深淵に向かって」という言葉からは、聴いていると死にたくなるような音を予想してましたが…良い意味で裏切られました。

スローなテンポで物悲しいリフを奏でていく作風は、いわゆる「鬱ブラック」の範疇で語られる音だとは思いますが…メロディのエモーショナルさ・儚い哀愁にはALCESTなど、トレモロリフを中心に組み立てていく曲展開にはKRALLICEなど、シューゲイザー系のブラックに通じる要素も強いのが特徴ですね。ただ、こちらは闇の奥から響いてくるような、割れ気味のヴォーカルや、荒く厚いギターノイズに覆われた、枯れた雰囲気を漂わせる音質など、アングラなブラックならではのカルト性もまた高いのが、他の多くのシューゲイザー系ブラックとの違いでしょうか。

シューゲイザー寄りのブラックや鬱系ブラックが好きな方以外にも、「Rasluka Pt1/Pt2」「Geliebte des Regens」期のNARGAROTHのような、エモーショナルなメロディをミニマルに繰り返していく作風が好きな方にもお勧め。鬱系の中でも「哀愁」の特に強い好盤です。


WOODS OF INFINITY - 一時退避(アルバム不明) (2012-02-07 20:10:37)

2004年発表の1st。

いわゆる前衛ブラックですが…これはキツい(苦笑)。
LIFELOVER等のバンド同様、曲中にSEを挟みながら展開するスタイルですが、その使い方がLIFELOVER以上にヘンで、かなりグロテスクな音。SM行為が繰り広げられたり、女性の悲鳴があったりなどは背徳感の演出と意図が分かりやすいですが、大半は意味不明。クラシックのピアノソナタとバンドサウンドをコラージュさせて独自な世界観を作ったりする辺りは、なかなか面白いと思う。

曲の方も、まあぶっ壊れてますね(笑)。
ノイジーに暴走するかと思いきやベースが妙にまったりマイペースだったり、打ち込みのかっる~いドラムを超高速で打ち鳴らす疾走パートがあったり、ロックを想像しうる限り気色悪く解釈したようなパートもあり、ホント奇妙過ぎる。8曲目のフォーク/エピックを頭がお花畑の人が解釈したような曲調とか強烈すぎでしょう。電気椅子で処刑される最中のような、頭逝ってる系のヴォーカルもある意味凄まじい。

音像を工夫をしようとしすぎのきらいもあり、時々あるフレーズだけが強調されて浮いたり、ノイズ質が耳に痛かったりする音質もあってお世辞にも聴きやすいといえず、正直自己満足っぽい箇所も多いんですが、とにかくアイデア豊富でクリエイティブである事は認めざるをえない作品。PESTE NOIREとかNUIT NOIREなど、一般的なブラックから逸脱した価値観を持つブラックが好きな方にお勧め。しかし、なんか病的な雰囲気もあると思ったら、HYPOTHERMIAのメンバーも関わってるんですね…納得。


WOODS OF YPRES - Woods 4 : the Green Album ★★★ (2012-02-03 21:10:30)

2009年発表の4th。
某所でかなりの安値で売られてたので購入したんですが、これは掘り出し物。

バンドロゴは如何にもブラックメタルな感じで、レビュー等を見てみてもメロブラとして認識されてる事が多いようですが、ブラックメタル特有のトレモロリフは所々で使いつつも、路線としてはOPETHやBEFORE THE DAWN、BARREN EARTH辺りのプログレ要素の強い、メロディックなゴシックデスに近い音だと思う。ただしこちらはOPETHのような昔のプログレ風味が殊更強い訳ではなく、代わりにトラッドの哀愁感が強調された作風になってますね。

このトラッド寄りの哀愁感が素晴らしく、ドゥーミーで厚みのあるリフと混ざり合う焼け付くような哀メロや、アコギやストリングス、ピアノ等も導入され弾かれるフォーキーなメロがほんと胸に迫ってくる。また上記バンドと同様、彼らもクリーンとデスを使い分けるヴォーカルスタイルを起用してますが、特にクリーンのまろやかな声質が非常に良いです。ハモリも多用してますが、声の良さもあって聴いててうっとりしてしまいます。歌メロの付け方も自然で、心地良く聴ける。

音質もしっかり整えられており、総じて丁寧に作られた作品だと思う。OPETHが結構売れてるようですが、BEFORE THE DAWNやBARREN EARTH、GREEN CARNATION等と一緒にそのファン層に向けて日本盤出したら結構売れちゃうんじゃないでしょうか。哀メロ・美メロ好きには自信を持ってお勧めできるアルバムです。


WOODTEMPLE ★★ (2011-08-17 23:33:07)

オーストリア産ペイガン・ブラック。
現在はAramathの一人体制みたいです。


WOODTEMPLE - Voices of Pagan Mountains ★★ (2011-08-17 23:35:00)

2006年発表の2nd。

このバンドを一人で動かすAramathは、GRAVELANDのRob Darkenと親交があるようで、彼のスタジオを使ってレコーディングを行ったり、同じレーベル(No Colours)からCDをリリースしてたりしますが…それにしても影響受け過ぎでしょう(笑)。特に、脱プリミティブブラックした後の、唯一無二な音楽性になってからのGRAVELANDからは明らかに影響されてると思う。

まずSEに続いて、いかにもペイガン/フォーク風味のインストがイントロとして配置されてますが…この作風が余りにもLORD WIND(Rob Darkenのペイガン・アンビエント)にそっくりでまず苦笑。本編も、うっすらとバンドサウンドを覆うようなギターノイズとシンセによる主張し過ぎない、雰囲気ものなメロディ、勇ましいリズムのドラミングなど、使っているパーツがほぼGRAVELANDと共通してる感じ。

ただ、こちらの方が疾走するパートでの凶悪さを残している辺り、プリミティブの面影がかなり残っている感じはしますね。ともあれ、GRAVELANDやその周辺を追っている方には親しみやすい音源ではないかと。


WORMLUST - The Feral Wisdom ★★★ (2014-07-06 10:53:38)

2013年発表の1st。

これはかなり凄まじい…一言で言うなら、BLUT AUS NORDが持つ暗黒趣味的で捻じくれた実験精神と、FYRNASKが持つどす黒いアンビエンスを掛け合わせたような、尋常でない禍々しさを発散するブラックメタル。ブラックの持つ特性として「邪悪さ」「暴虐性」など、色々な要素が挙げられますが、この作品は「異形性」に特化したような作風。

まずギターワークの前衛性と、そこから生み出される禍々しい雰囲気が素晴らしい。脳髄を冒す毒素を帯びた電波でも含まれているんじゃないかと思うような、引き攣ったトレモロと、聴覚を通じて聴き手の筋肉を弛緩させるかのごとき、BLUT AUS NORD的な奇妙なエフェクトの掛かったフレーズなどの波状攻撃で、サイケデリックで毒々しく、どす黒い異形の空間を形成。

生温かいようなメロディを奏でるベースも何気に主張しており、まるでまだ体温の残る屍体に触れているかのような気色悪さが演出されてますね。ひたすら絶叫を繰り返すヴォーカルは空間全体に響くような処理が施されており、殆ど何かの祟りのような雰囲気。特に後半アンビエント要素が濃くなりますが、アンビエント要素の強い部分でも荒廃したムードが強く、暗黒主義は徹底されている感じ。

不気味さで言ったら前述のバンドとタメを張れるような、超一流の物があるように思います。ちなみに以前はWOLFHEARTというバンド名で活動をしていたようです。…こんな全力でマイナス方向に向いた音を出すからには、改名して正解といえるでしょう(笑)。


WORMREICH - Wormcult Revelations ★★★ (2014-10-21 19:33:16)

2014年発表のEP。

純粋なオリジナルのブラック曲は4曲と、通常のEPと同じくらいのボリュームながら、キーボードやサンプリング、グリッチノイズなどを使用して構築したSE的なインスト、他バンドのカヴァーも入っておりトータル約36分とボリュームはそれなり。と言っても、値段が普通に2000円したのでちょっと納得行かなくはありますが(笑)。カヴァー曲はDEATHSPELL OMEGAの「Malign Paradigm」という、やたら渋いチョイスなのが謎です(笑)。

…やっぱりカヴァー曲を入れるだけあって、当時(「Si Monumantum」期)のDEATHSPELL OMEGAと近い路線のブラックを演ってますね。DSOのあのアルバムにも禍々しさを感じさせる、宗教色の強いトレモロは頻りに使われていましたが、この作品は更にその部分を強調し、より閉塞的な雰囲気を追及したような作風ですね。極端な音作りやミニマルな展開に頼ることなく、展開やフレーズ自体の禍々しさでカルトな空気感を演出していく辺り、当時のDSOにも肉薄できる、暗黒音楽としての高いセンスを感じられます。基本ドスの効いたがなり声ながら、嘲るような笑い、もがき苦しむような呻きも使うヴォーカルもおどろおどろしさを強調。

ただし、どこか文学性や高尚さも感じられたDSOに比べると、こちらは汚らわしい冒涜性・背徳性をよりダイレクトに描いていて、聴き手にとって良くも悪くもよりアクセスのしやすい作風という気がします。暗黒音楽としてのクオリティは非常に高いので、非日常的な邪悪さを求めるブラック好きは是非。


WORSHIP - Dooom ★★ (2007-12-08 17:31:00)

2007年発表の…前作は音源集的性格の作品みたいだから、1stかな?
今作も「Last CD before Doomsday」同様、哀愁や泣きを遥かに通り越し、絶望や慟哭の域に
達した鬱メロディを引き摺るように遅いリズムに乗せた、「ドゥーム」という言葉通りの音。
Mad Max氏が亡くなってしまい、Doommonger氏がヴォーカルも担当するようになってますが、
前任者同様の悲痛な低音グロウルで引けを取ってません。今作では偶に普通声でメロディを
歌ったりしてますが、読経めいた低音でこっちも鬱を誘発する声で素晴らしいです。
基本的に路線自体は変わってないんですが、重さの表現はより繊細になったように思います。
リフのノイズを引き伸ばしていくような音色は最早ドローンの様に思えるくらいですし、
随所で鳴る鐘の音も、時折残響音が持続音的な魅力を感じさせたりして視覚的イメージだけで
なく、音響的にも絶望感に満ちた雰囲気を更に彩ってますね。相変わらず本当に質が高い…。
ただ、不満を挙げるとすれば前作と比べるとデカいスクラッチ音が耳を削ったりといった
ダイナミズムに欠ける事と、曲が似通ったものになっている事。まあ前者はより音響が
繊細になっているとも言えるし、後者は曲調が統一され、更に浸れるものになったと言う
事も出来ますが…取りあえず音量はもう2つまみほど上げて欲しかったのが本音。
不満が無くはないとはいえ、かなりいいアルバムだと思います。
前作の2倍くらいの値段だったんですが(笑)、この出来ならば満足。


WORSHIP - Last CD Before Doomsday ★★ (2006-06-09 21:17:00)

最近ドゥームに手を出してみようと思い、店に行ってみたんですが、このCDについていた
店員さんの推薦文に「陰鬱」だとか「ヴォーカルが凄い」とあったので思い切って購入。
WORSHIPはこれしかCDを出していないのかな?
ヴォーカルの人は橋の上から飛び降り自殺してしまったらしいですが…
中身ですが、これはドゥーム初心者の私でも圧倒されるくらいクオリティ高く、濃いです。
ギターはゴリゴリ重いし、kamikoさんの言う通りスクラッチの微妙な音のおかげで
なんとも緊張感があるし、ヴォーカルも前評判どおり本当に凄い。
ディープでロウな低音咆哮で世にも恐ろしげな声なんですが、時々いきなり悲痛な叫びに
変わったり、ウィスパーになったり表現力豊かで更に怖い。
時々ピアノが入ってきたり、ギターも鬱系の良質なメロディを奏でているので
鬱ブラック好きな人も結構気に入るのではないかと思います。
今まで避けてきたけど、ドゥームもかなり良いですね。
どうでもいいけどThe Doommonger氏のポーズが「命」に見える(笑)


WORSHIP - Last CD Before Doomsday - Eclipse of Sorrow ★★★ (2006-06-09 21:06:44)

そんなに遅くない曲ですが、このリズムもリフも強力。
特にドラムは、金物の音に導かれて幽霊とかどんどん集まってきそう。


WORSHIP - Last CD Before Doomsday - Solicide and the Dawning of the Moonkult ★★ (2006-06-09 21:04:26)

このデスヴォイス…表現力があると言っていいんでしょうか。
不気味で激しい発声なのに、哀しみの感情を揺さぶられます。本当に半泣きで叫んでいるかのような感情の込め方。


WORSHIP - Last CD Before Doomsday - Whispering Gloom ★★ (2006-06-09 21:01:04)

CDのプレイボタンを押すと、何の前触れも無くいきなり重くのしかかるような音世界が襲い掛かってきたので驚きました。途中ピアノが入り囁く所は聴いていると段々悲しくなってくる…フューネラル・ドゥームっていうだけあって本当に誰かの死を悼んでいるような悲痛さ。


WORSHIP - Last CD Before Doomsday - Worship ★★★ (2006-06-10 02:16:13)

まず悲痛な絶叫が響き渡った時点で嫌な予感が…(笑)
前半で葬式をしていたら、後半になって故人が悪霊の群れを引き連れて帰ってきてしまったかのような雰囲気。前後半を繋ぐアコースティックパートも、段々ドラムが圧迫感を増してきたりしてダーク。恐怖感を煽ると言う意味では、本当に天才的なアレンジなのでは…。ラストは脳味噌を削り取るようなゴリゴリなギターノイズで締め。完璧ですな(笑)


WORTHLESS LAMENT - Worthless Lament ★★★ (2014-09-22 21:37:27)

2014年発表の1st。

メンバーが関与しているCOLORLESS FORESTの作品がかなり素晴らしかったのと、国内のレーベルからのリリースという後押しもあって購入に踏み切りましたが、こちらもまた素晴らしいですね。優れたディプレッシブ・ブラックであることはCOLORLESS FOREST同様ですが、音響的な演出力に秀でていたあちらに対し、この作品はメロディの良さが特に際立っているように思います。

この作品、メロディにおける、「叙情・哀愁」と「鬱・絶望感」のバランス感覚が凄く良いんですよね。単に物悲しかったり、救いが無かったりするだけでなく、例えば不安感や嘆き、虚無感などの様々なネガティブな感情が、渦を巻いているような印象。その様をトレモロだけでなくリードフレーズも交えたギターワークで、非常に美しく描いてます。

鬱ブラックとしては展開に起伏もあり(疾走パートもある程度ある)、リードギターがメロディを担当する箇所の多い音像はメタリックとも言えるかも。こうした要素から、鬱ブラックとしてはかなり聴きやすい部類になると思うんですが、だからといってカルトでマニアックなバンドと比較しても、鬱感情の濃さでは全く劣りませんね。むしろ、今まで聴いた鬱ブラックの中でもトップクラスに素晴らしい作品だと思います。

ネガティブで美しい音が好みであれば、ジャンルのファン以外でも共感できそうな作品。こんな素晴らしい作品が国内のレーベルからリリースされたというのが、本当に嬉しい。でも帯コメントの「最悪な悪夢」って…馬から落馬的な?いくらバンドメンバーがロシア人で日本語分からないからって、ちょっとナメ過ぎなのでは(苦笑)。むしろ「美しい悪夢だぁ…」って感じ。首切り破沙羅的な意味で(笑)。


WRATHAGE - Discipline ★★ (2015-07-20 17:42:28)

2015年発表の1st。

90年代後半から活動しての初のフルアルバム、KALMAHのメンバーやCATAMENIAの元メンバー在籍、日本盤が発売され帯ではかのEMPERORが引き合いに出される…と、もう十分過ぎるくらいハクのついた作品ですね(笑)。ただ実際聴いてみると、前衛的でプログレッシブなシンフォブラックという点では後期EMPERORに通じるものの、楽曲の雰囲気は全く異なるように感じますね。

バンドサウンドの重さとシンフォ要素のスケールの大きさが交差する感覚は、むしろHOLLENTHONやVESANIA辺りの、シンフォデス要素の強いバンドとの共通性を感じます。ただし、楽曲の捻くれ度合いというか悪意性が高い音という点で、これらバンドとは確実に一線を画している気がします。神経症的なギターワーク、前衛的というか時折不可解さも感じさせる展開は、異常を来した人間の精神を覗き込んでいるかのよう。もしくは精神異常者達の演じる戯曲を眺めている感じというか、かなり異様な雰囲気が漂ってます。

楽曲の展開は凝っているし、音作りはしっかりしているしでクオリティは非常に高い…んですが、まあ確実に表現しようとしている世界観自体がEMPERORよりも人を選ぶでしょう(笑)。知性的だけどイカれている音楽好きにお勧め。


WRATHFUL PLAGUE - Thee Within the Shadows (2016-06-29 09:21:48)

2013年発表の3rd。

…これは今まで聴いたものの中でも最高クラスに「訳の分からない」ブラックメタルかもしれません。根幹はアンビエント要素を含むRawなメロディックブラックで、薄っぺらで金属質なノイジーさで責めるリフ、じっとりとしたダークさを演出するアンビエント要素、毒蛇が「シャーッ」という音を真似たようなヴォーカル(微妙)など、一般的なブラックの範疇にある部分はまあ普通に楽しめる感じ。

ただ、何故か多くのパートにおいてギターリフやヴォーカルが、左右チャンネルを行き来するようなミックスになっているのが意味不明なんですよね。催眠的な効果を醸し出したいのかもしれませんが、正直気が散るだけで大して効果的とは思えないです。バンドサウンドをフェイドアウトさせ、アンビエントパートにもつれ込んでいく展開も消化不良感が…。バンドの音を音素の一つとして捉え、加工する事を躊躇わずに音像を作っているのかもしれませんが…そういう処理がことごとくツボを外しているような印象。

例えばDHGやUNEXPECT、WHENなんかは「訳の分からなさ」を意図的に魅力として演出しているように思えますが、このバンドのそれは本当に意味不明。通向けを通り越して相当なマニアにしかお勧めできない作品だと思います。


WRECKingCReW - 月我消えるまで ★★★ (2011-09-14 00:32:02)

2003年発表の1st。

これ、最高なんですけど(笑)。
スカやファンクなどの要素も交えつつ、基本的にはメタリックな疾走に昭和っぽいレトロなメロディを乗せた、ハードコアとメタル、歌謡曲をミックスしたようなスタイルで、個人的には様式美やメタリックな演奏に拘らず、哀愁メロディに特化したRAPHAELという印象なんですが…ヴォーカルがほんと素晴らしいんです。

男女ツインヴォーカルで、男性の方がリードなんですが…これが前代未聞レベルで個性的。ぶっちゃけジョンレノンやオジーオズボーンも、個性という点では彼には敵わないと思う。常にチューニングがどこかズレているような調子の外れた歌い回しで、特に朴訥を通り越して、声の表情が無くなるようなロングトーンが素晴らし過ぎる(笑)。この歌い回しのせいで音程が合ってるんだか合ってないんだか分からないですもん。

しかし、このヴォーカルだけならB級で終わりそうなところ、メロディの素晴らしさが彼の歌を輝かせていて、「奇跡の一枚」になっていると思うんですよね。歌メロは常に調子が最高のときのムックのレベルをキープしている感じ。最初聴いたとき、余りのクサメロに驚きました。このメロディをあのヴォーカルが歌うと、なんだか切なげにも聴こえてくるんですよね…。

味のあるヴォーカルがクサすぎるメロディを歌い疾走する音楽という事で、当然クサメタラーは必聴でしょう。しかしこのヴォーカル、技術では説明できない魅力がありますよね…。音程の正確性やら声量やら、確かな技術を身に付けてなお面白みの無い歌しか歌えないのが最も才能の無いヴォーカルなら、この人はその対極といえるでしょう。


WRONG - Memories of Sorrow ★★ (2014-10-13 11:22:48)

2013年発表の1st。

セールで新品が半額以下だったので、何かの巡り会わせだと思って予備知識無しに購入してしまいましたが、これがなかなか他に無いタイプのブラックで、何気に良かったんですよね。ロック要素も強い力強いミッドテンポ中心の展開に、適度にメロウなトレモロを交えつつ厚みのあるギターリフ、アンティークでお洒落、頽廃的な印象を与えるピアノを絡めてくる、どこかゴシックメタルにも通じる耽美なムードを感じさせる、メロディアスなブラックメタル。

ただし、ギターの病んだ精神のエネルギーが溢れているかのようなノイジーな音色、切迫し張り詰めた神経に触れるようなフレーズ作りなど、鬱ブラックに近い「人を寄せ付けない雰囲気」がある辺り、如何にもブラックメタルバンドらしい感性によって作られてると言えるでしょう。ただ、この雰囲気自体は好みなんですけど、バスドラがビキビキと甲高い音なのが若干興醒めかも。リズムは、一部(本当にごく一部ですが)Reinkaos期のDISSECTIONを思わせる強靭さもあって、悪くないんですけどね。

ブラックらしい病んだ閉塞感に、ゴシック的な耽美さが加わったようなユニークな雰囲気を持つ作品。プロダクション面で少し好みと外れる部分はありましたが、これはこれで良い買い物したかな、と思います。


WURDULAK - Ceremony in Flames ★★★ (2005-07-15 21:22:00)

NECROPHAGIAのKilljoy、exMAYHEMのManiacら錚々たるメンバーによるプロジェクトの1st。

この作品、二人のヴォーカルの力量によってスゴイ事になっちゃってます。二人ともスタイル、声共に似ていて、高音絶叫タイプの叫びなんですが、まるで叫びすぎで喉から出血し、その血液で喉を潤しているかのような凄まじい声です。普通ツインヴォーカルってメロディとデスヴォイスをそれぞれ担当したり、違う声域をそれぞれ受け持ったりするんですが、このバンドの場合それをブルータリティと邪悪さの為だけに使ってしまった感じですね…この二人のヴォーカルワークのせいで、一人の
犠牲者を考えうる最も非道な方法で、笑いながら責め苛み、嬲り殺しているかのような残酷な風景が脳裡にありありと浮かんでくるかのようです。

曲の方はブラックメタルですが、あまり荘厳さはなくアングラな雰囲気で、二人の声のグロさをより際立たせる結果となっています。個人的にManiacはブラックで最も好きなヴォーカリストで、彼の声が聴きたくて買いましたが期待以上でした。KilljoyもManiacに負けず良い仕事してるので、ヤバイヴォーカルが聴きたいなら買いです。


WURDULAK - Ceremony in Flames - Ceremony in Flames ★★★ (2005-07-15 21:22:58)

タイトルトラック。
意外にも上品に始まるのかと思いきや、いきなり聴き手も歌い手も頭が真っ白になりそうな凄まじいシャウトが鼓膜を劈きます。しかしヴォーカル2人は楽しそうですね(笑)特にコーラスの方は。


WURDULAK - Ceremony in Flames - Containment of Inferno ★★★ (2005-07-15 21:24:01)

Faustが歌詞を提供していますが、この2人のヴォーカルで、歌詞カードを見ずに歌詞を理解するのは至難の業(笑)。アングラな雰囲気たっぷりのブラックなのに、途中のリフはメタル特有の「熱さ」が感じられてかっこいいです。


WURDULAK - Ceremony in Flames - Gospels of Depravity ★★ (2005-07-15 21:24:49)

ラストを飾るのは、唯一Maniac作詞の曲。
取り敢えず「DIE DIE DIE」で悶絶すれば間違いはない!!!


WURM - Aux portes de l'agonie ★★ (2012-02-08 22:51:07)

2007年発表の1st。
流石ケベック産、かなりマニアな路線を貫いてますね…

ジャンルとしては寂寥感のあるメロディ、スロー~ミドルを重視したミニマルな展開、泣き叫ぶようなヴォーカルと典型的な鬱ブラックで、BURZUMに影響されている感じなんですが…このジャンルの中でも気が滅入りそうな無気力さが強いのが特徴。BURZUMも初期は直接的な殺気があったし、アンビエント志向を強めてからも神秘性を演出するような、ある意味で芸術性の高さがあった訳ですが…この作品はそういった殺る気や何かを演出する気力とかが一切ないような、ひたすら灰色で倦怠に満ちた世界観があると思う。

特にアルバム冒頭、初っ端からメンバーが帰りたがってるようなローテンションな演奏が続いた後、約2分間に渡ってギター一本でメロディを爪弾くパートがあるんですが、そこのやるせない感覚なんてホント半端ないです。ただ、誰が聴いても覇気を奪われそうなムードを演出できてる辺り、センスは良いのかもしれません。録音状態も小さめで弱々しい印象で、いつメンバーが溜息付いて楽器を放り出してもおかしくないような感じ。

最早鬱系の音に共感できない人には、最初から自分達の音楽を聴かせるつもりはなさそうな程、徹底して暗い音。鬱系好きでもその手のバンドが持つ、メロディの哀愁の濃さだったり、発狂寸前の追い詰められた感じだったり、そういうある意味でキャッチーな部分に良さを見出してる人には辛いかも。本当にディプレッシブ・ブラックが好きな人向けかと。


Way to End - Various Shades of Black ★★★ (2014-02-07 12:01:20)

2013年発表の2nd。

フランス産のブラックって、例えばMUTIILATIONを始めとして、MORTIFERAやPESTE NOIREなど、メロディに独特の耽美さや病的さが感じられるのが特色として挙げられる事が多いですが、この作品はフレンチブラック特有のそんなメロディを特濃でお届けする、非常にメロディアスながら背徳的なおぞましさに満ちた、甘美な邪悪さが支配するアルバムですね。

特徴は何と言っても全編に渡って横行する、不条理で悪意に満ちた、背筋を悪寒が駆け上るようなメロディですが、メロディそのもののみならず聴かせ方も非常に巧み。ストップ&ゴーに乗せて間欠泉のように邪悪なものが吹き出す様を演出してみせたり、ジャジーなドラミングが這い寄るような悪寒を更に強めていたり、類型的なブラックに留まらない、若干アヴァンギャルドさも感じさせる展開。

ただ、前衛性や悪の美学漂うようなメロディアスさの強い作風ですが、芯はブラックメタルの邪悪さそのものであって、妙にお洒落だったり高尚だったりしないところが素晴らしい。上記したようなジャジーなドラムのフレーズなんかも、暴虐なブラストパートがあるからこそ生きてくる感じですし。ドスの効いたがなりだけでなく、不気味なクリーンも操るヴォーカルも、呪術的なムードを高めていてかなり良い感じ。

取り合えず、フレンチブラック特有の「悪」が漏れ出してくるような、毒々しくも甘美なメロディが好きであれば、是非押さえておきたい作品。楽曲そのものやプロダクションなど、基本的なレベルも高くお勧めできる逸品。


X JAPAN - BALLAD COLLECTION ★★ (2004-01-28 21:20:00)

正直通して聴くには辛いアルバムではありますが、リマスタリングが施されているらしく、音質がとても良くなっているのが良いですね。
特に「ALIVE」は大好きな曲だけに嬉しいところです。「ENDLESS RAIN」はなんだかリマスターによってボーカルがちょっと浮いて聴こえるような感じもしますね…
「TEARS」は短くなっているのでライトなファンの人にはこっちの方がいいという気もしますが、歌詞の肝である語りを削っちゃったのはちょっと勿体無いかもしれませんね。


X JAPAN - BLUE BLOOD ★★ (2004-01-28 21:21:00)

Xの名盤というとこの「BLUE BLOOD」を挙げる人が多いかと思われますが、本当に「名盤」の名に恥じないような素晴らしいアルバムだと思います。
「BLUE BLOOD」「WEEK END」「X」「紅」「オルガスム」…と、Yoshiki主導のツーバス踏みまくり系の激しいナンバーが続く事からも、Xのパプリック・イメージそのままのアルバムでしょう。
しかも激しいだけではなく、歌謡曲を超えるほどの美しい歌メロが入っているのがたまらないですね。
このアルバムを初めて聴いたとき、その時はあまり音楽を聴いていなかった事もあって圧倒されてしまい、「Yoshikiを超えるドラマーなんてこの世に存在しない!!」とか本気で思わされてました(痛)。でも、それ程の求心力のある曲たちが集まっているので、是非普段音楽にあまり接する事の無い人たちにも聴いてもらいたいですね。
このアルバムでのおすすめ曲はやっぱり組曲「ROSE OF PAIN」ですね。オーケストラの使い方がとにかくかっこいいです。他の曲は音質と楽曲の持つ勢いがあっているんですが、この曲だけはなんか音質があっていない印象なのでリマスターして欲しい所です。
ちょっとアルバム評価と離れますが、私的にはToshiとYoshikiが同じ幼稚園だった、というのに物凄く運命めいたものを感じてしまいます(笑)


X JAPAN - BLUE BLOOD - BLUE BLOOD ★★ (2003-11-22 18:50:18)

正に名盤「BLUE BLOOD」の完成度の高さを象徴するかのような曲です。
前作のタイトルトラック「Vanishing Love」の疾走感とテンションの高さ、そして叙情性のあるメロディを引き継ぎながらも更に発展させたような滅茶苦茶カッコイイ曲です。
Toshiの倍音混じりのハイトーンが素晴らしく、やはり物凄い実力を持ったボーカリストだと再認識させられてしまいます。この素晴らしい掠れ具合を聴くとToshiってどうも過小評価されてるような気がしてしまう…


X JAPAN - BLUE BLOOD - ROSE OF PAIN ★★★ (2003-11-17 23:36:13)

世界の悪女「Elizabeth Bathory」をモチーフにした曲。
その残虐行為を見つめる薔薇の視点で物語が描かれる所がYoshikiらしくていいです。バラードチックな叙情的なメロディを持つパートから、一気に疾走するサビへの展開がカッコよく、オーケストラとギターの絡み合うフレーズがドラマティックです。この曲もリマスターして欲しいかも。


X JAPAN - BLUE BLOOD - X ★★★ (2003-11-18 21:12:41)

この曲に関しては語り尽くされているようなので一言。
みなさん!!カラオケでこの曲を歌うときは、「メンバー紹介」「てめえらの心、ぶっ壊してやるぜぇ」「Psychedelic Violence & Crime of Visual Shock!!We're...X!!!!」は必須です!!是非やりましょう(笑)


X JAPAN - BLUE BLOOD - オルガスム ★★★ (2003-11-22 18:50:00)

BLUE BLOODで一番速い曲であり、まさしく初期Xの王道!!な曲ですね。
こんなに速い曲でありながら歌メロがキャッチーでギターソロもカッコ良く、2分くらいですっきり終わってしまうこの曲を好きになるなという方が無理ですよ(笑)
ただ、歌詞がちょっと恥ずかしいかも。
何を突き刺すんですか…ナニをだよ~ん。(ごめんなさい)


X JAPAN - BLUE BLOOD - 紅 ★★★ (2003-11-19 16:33:03)

当時はロックというとB'z、GLAY、ラルク(勿論この3アーティストは大好きです!!)しか知らなかった私にとって、この曲の血管が切れそうなハイトーン+ツーバスが物凄い勢いで鳴る、というスタイルに衝撃と感銘を同時に受けました。曲展開もサビをギターソロ後に出すなど、凝っている感じがして好きです。


X JAPAN - DAHLIA ★★ (2004-01-28 21:20:00)

Xの古参ファンの間では賛否両論あったらしいアルバムですが、5年の月日を費やしただけあって普段全く音楽を聴かないような人が聴いても「良い」とか、「凄い!!」とか思えるような、凄く完成度の高いアルバムだとは思います。
ただ、2つの弱点がありますね…
1つは、シングル曲が多過ぎな事。歌入りのアルバム曲が割と実験的な「White poem」「DRAIN」だけっていうのは、期待していたファンはがっかりしてしまうでしょう…
もう一つは、「紅」「X」「Silent Jealousy」に代表される「動」の王道ナンバーが全く無い事。「DAHLIA」は個人的には大好きな曲なんですが、音を処理し過ぎていてあの頃の荒っぽさは殆ど感じられません。
一方で、「静」の部分の王道ナンバーはやっぱり素晴らしいとしか言い様が無いですね。
特にピアノとストリングスだけでオケが構成された「CRUCIFY MY LOVE」はXの中でも1、2を争うほどの名曲だと思います。っていうか、この一曲のためだけに買ってもいいです。


X JAPAN - DAHLIA - CRUCIFY MY LOVE ★★★ (2003-11-14 21:03:53)

個人的にはXのバラードで最も良いと思った曲。
ただYoshikiのピアノとToshiのボーカル( ストリングス)だけなのにXのシングルとして出しちゃっていいのかなー、とは思いましたが(笑)
とにかくこれはXの叙情的メロディの結晶だと思います。ライブ盤のToshiの囁くような色気のあるボーカル、ドラマティックなフレーズの追加されたYoshikiのピアノも是非聴いて欲しいところです。


X JAPAN - DAHLIA - DAHLIA ★★★ (2003-11-14 20:56:16)

この曲は私は最初聴いたとき、なんだか良く分からなかったのですが、これは聴きこめば聴きこむほど良くなってくる所謂「スルメソング」ですね。
イントロからのカッコイイリフ、エフェクトの掛かったボーカル、メロディに絡むストリングスなど、細かい部分にまでこだわり尽くした、正にYoshikiの完璧主義の権化のような曲だと思いました。
Xの特徴でもある伸びのあるメロディと手数の多いドラムの対比が素晴らしいです。


X JAPAN - DAHLIA - Rusty Nail ★★★ (2003-11-17 23:37:29)

Xのポップな曲では代表選手に当たる曲。
WEEK ENDの第二章というだけあり、「赤い手首」というフレーズや、WEEK ENDのイントロのフレーズなどが入っています。Xの中ではポップな曲ですが、Toshiの光が見えそうな美しいハイトーンは必聴です。
また、Yoshikiのラップ(笑)も聴けます。
「I wanna die,I wanna live,I wanna die to set me free. Day and night,night and day,Iwanna live to set me free.」と歌っているみたいです。


X JAPAN - Jealousy ★★ (2004-01-28 21:20:00)

このアルバムでの特徴はやはり大幅に改善された音質と、Yoshikiだけでなくメンバーそれぞれが曲を持ち寄っているため、楽曲に幅が出た事でしょう。
特にTaiji作曲の2曲は素晴らしく、「DESPERATE ANGEL」はなんとなくアメリカな感じのするハードロック(個人的にはライブでのToshiの「COME ON!って煽りが最高)、「VOICELESS SCREAMING」ではフルートなども使用し、Toshiに作詞を任せた事で更に情感溢れるバラードになっているので、是非聴いてもらいたいです。
もちろんシングル「Silent Jealousy」「Say Anything」のようなYoshiki流の「王道」な曲も素晴らしいし、なによりXの曲で最速らしい「STAB ME IN THE BACK」が大幅にリアレンジを施され、とてもかっこよく生まれ変わっているのが良いですね。


X JAPAN - Jealousy - Desperate Angel ★★ (2003-11-18 21:11:47)

なんとなくアメリカのロックを想像させるような一曲。
スピード自体はXの割にそんなに速くないけれど、ボーカルがかなり早口なため体感速度はかなり速いです(笑)。ブルースハープやオルガン風のシンセなど、今までのXの常識を覆すようなアレンジの施された名曲です。
Xのメタル然とした楽曲が受け入れられない人にもオススメしたい一曲。


X JAPAN - Jealousy - Love Replica (2003-11-19 16:31:54)

HIDEのメロディセンス溢れるギターが思う存分堪能出来るインスト曲。
途中に硝子が砕ける音が入っていたり、缶を叩くような不思議な音色のリズムを使用したり、アルバムでも異質な雰囲気になっています。フランス語の語りが入っていますが、何故か訳詞付きで、しかも「Je t'aime」だけが英字で表記されててなんか妙な感じです。


X JAPAN - Jealousy - Silent Jealousy ★★★ (2003-11-19 03:54:02)

溢れる疾走感、格好良いリフ、クラシックの主題のような美しいメロディ、ハイトーンのボーカル、ツインリードによるハモりなどメタルの鑑的な一曲。
個人的には1回目のサビでファルセットを使用するところが格好良くてとてもお気に入りです。SINGLES収録のライブバージョンだとイントロのピアノの後にサビをアカペラで歌うのでさらにドラマティックになっています。


X JAPAN - Jealousy - Stab Me In The Back ★★★ (2003-11-17 23:35:51)

「SKULL THRASH ZONE VOL 1」収録曲のリテイクバージョン。
イントロから原曲には無い滅茶苦茶カッコイイリフが追加され、ツーバスが凄絶になり、更に歌詞まで大幅に変更されています。この曲は海外のブラックメタルバンドがやってもハマりそうな曲ですね。素直にカッコイイです。
ちなみに、「STAB ... IN THE BACK」で、「裏切る」という意味になります。ライブバージョンで「裏切り者に…」という煽りが入るのもそのせいでしょうね。
余談ですが、Xのオーケストラ盤(海賊盤らしい)でこの曲を演っていますが、「Stab me in the back」というシャウトまでオーケストラ化され、かなり笑えます。興味の有る方は是非(笑)


X JAPAN - Jealousy - Voiceless Screaming ★★★ (2003-11-18 21:12:21)

Xのバラード曲というとストリングス+ピアノの美しい曲、というイメージが強いけれど、この曲は一味違い、アコギがメインの演奏にフルートやストリングスにより味付けされた曲。Toshiの歌唱も最後のフェイク部分など、物凄く心が篭っている感じがして凄く好きです。どーしてバラードコレクションに入ってないんでしょ。


X JAPAN - LIVE LIVE LIVE TOKYO DOME 1993-1996 ★★ (2004-01-28 21:19:00)

この盤はライブならではのアレンジがされている部分がすごくかっこいいです。
特にTEARSのハープ奏者との共演、SADISTIC DESIREの笑い声(?)、CRUCIFY MY LOVEの新たに追加されたピアノフレーズなど、曲を知っていれば知っているほど楽しめるようなアルバムだと思います。
このアルバムで出色の出来なのは「WEEK END」ですね。
声も出てるし、ピアノパートの追加も嬉しいし、煽りはかっこいいしで言う事無しです。必聴!!


X JAPAN - Perfect Best ★★ (2004-01-29 22:47:00)

個人的には「CRUCIFY MY LOVE」が無いのがかな~り、マイナスなんですが(笑)
この盤でしか聴けないインタビューや「ART OF LIFE」のラジオエディット(といっても最後の部分を抜き出しただけ)、「STAB ME IN THE BACK」のライブ版(歌詞やアレンジはオムニバス盤収録のものと同じみたいです)が入っているのは嬉しいですね。
あと、レコード会社の関係なのかかなり選曲が「変」です。オープニング曲がライブバージョンっていうのはどう考えてもおかしいでしょう(笑)


X JAPAN - Perfect Best - Art of Life (radio edit) ★★★ (2003-11-14 21:13:56)

どういうエディットなのか期待したら…最後の部分だけじゃないですか(笑)。ここだけ抜き出しても素晴らしい曲なので★3つです。


X JAPAN - Rose & Blood {Indies of X} ★★ (2004-01-28 21:21:00)

これはむしろ「買ってはいけない」盤かもしれないですね…
シンセでメロディをなぞってるART OF LIFEのデモ・バージョンなんてディープなファンしか楽しめないと思います(笑)。まぁ、興味があれば購入するなりレンタルで聴くなりしてみてはどうでしょう?
マニア向けの一枚だと思います。


X JAPAN - Singles 〜Atlantic Years〜 - WEEK END ('95 TOKYO DOME LIVE VERSION) ★★★ (2003-11-17 23:35:31)

個人的にXのライブテイクではNo.1の曲。
この曲はシングル版も良いけど、ライブ盤は更に痺れます!!
イントロのコーラスからいきなり歌に入る展開、そしてToshiの滅茶苦茶カッコイイ煽り、極めつけはYoshikiのピアノとToshiの歌声だけのパートが入るドラマティックな展開!!これは聴いたとき凄く衝撃でした。このライブをレコーディングしてくれたことを神に感謝します(笑)


X JAPAN - The Last Live - Amethyst ★★★ (2003-11-14 21:11:00)

Yoshikiのクラシック好きが昇華されたような、壮大なメロディを持つクラシック曲。クラシック曲でありながらAメロ部分やサビに相当する部分などがあり、ポップに聴こえる要素も残しているので「クラシックは苦手だなぁ」という人にも是非聴いて欲しいです。
蛇足ですがプロデューサーはあのビートルズのプロデューサー「ジョージ・マーティン氏」だそうで…!!
でもロンドンフィルって3大オーケストラに入らないんじゃ(ゼノサーガの音楽も演ってるし)…多分ウィーン、ベルリンとシカゴ響あたりかと。


X JAPAN - Vanishing Vision ★★ (2004-01-29 22:46:00)

この盤でのTOSHIの声、Xの作品の中では一番かもしれません。
「SADISTIC DESIRE」は完成度が高くなった代わりに音質が細くなったシングル盤よりも勢いがあって、もうホント「嬲り殺してやるぜ!!」みたいな雰囲気だし、「ALIVE」のサビ部分の歌唱なんてもう私には神懸かって聴こえます(笑)
もちろん楽曲もいい感じです。「VANISHING LOVE」「I'LL KILL YOU」などのテンション高めのナンバーをあの脂の乗っているイイ声で歌われるとかなり来るものがありますね。
まぁ、他の作品と比べて音質も、そして歌詞もちょっと荒っぽいですが。
「hurted」って…(笑)


X JAPAN - Vanishing Vision - Alive ★★★ (2003-11-14 20:49:20)

ベートーベンの「月光」をモチーフにしたらしいピアノのイントロで始まるバラード曲。
この曲はとにかくギターもボーカルもメロディが凄く良く、特にサビ部分のハイトーンの歌唱は聴いていてぞくぞくします。また、途中の鬼気迫るような語りとドラムスも素晴らしいです。バラードコレクションでリマスターが施され、さらに曲の世界に入りやすくなったのが嬉しいです。
アルバム内では歌詞的にもメロディ的にも次曲の「Kurenai」とのつながりが良いですね。


X JAPAN - Vanishing Vision - Vanishing Love ★★ (2003-11-17 23:36:53)

アルバム「Vanishing Vision」の世界を象徴するかのような、激しさと疾走感、メロディックさを兼ね備えた曲。
流通している音源では歌入り一曲目にしてXの王道ですね。また、このアルバムの特徴である「漢コーラス」(笑)もバッチリ入ってます。
「ETERNAL MELODY」ではロンドン・フィルによりクラシック風にアレンジ・演奏され、メロディの綺麗さを再確認させられます。こちらも勿論オススメです!!


X JAPAN - X Singles ★★ (2004-01-28 21:21:00)

オリジナルアルバムを持っていれば必要ないと思われがちなアルバムですが、ファンならばこれも押さえておくべきだと思います。
何故なら…シングル盤のみで聴ける「Standing Sex」「Sadistic Desire(のリテイク版)」などに加え、「Xジャンプ」の煽りを体感できる「X」や、T-REXのカバー「20th Century Boy」、アカペラが追加されて更にドラマティックになった「Silent Jealousy」のライブ版など、この盤を買う以外ではいちいちシングル盤を買わないと体験出来ない曲が沢山入っているからです。
後期のシングルズ(赤パッケージのやつ)よりもこっちを優先して買った方がいいと思います。
ところで、この盤のライブ版のToshiって他のアルバムと比べて異常に上手い気がするんですが…「破滅に向かって」のSilent~と比べると全然違う気がする。破滅~は3日目で声が出てなかったのかなぁ。


X JAPAN - X Singles - Standing Sex ★★★ (2003-11-19 03:53:49)

この曲のイントロから入ってくるリフはXの中でも5本の指に入るカッコ良さだと思います!!
衝動の暴発したようなあまり意味の無さそうな詞、Toshiの一部にシャウトスタイルを交えたボーカルもXの他の曲にはあまり無い感じでいいです。


X JAPAN - 破滅に向かって (CD EDITION) 1992.1.7 TOKYO DOME LIVE ★★ (2004-01-29 22:47:00)

この盤は個人的には「DESPERATE ANGEL」の為に聴いてしまいます。
とにかく、「COME ON!!」の煽りが凄くかっこいいんですよ。しかも曲がフェイドアウトしないし、スタジオ版よりこっちのほうが良いですね。
まあ多少声出てなかったりする部分はあるんですが、バラードでは感情を込めた歌い方をしているのも凄く聴き応えがあると思います。


X JAPAN - 破滅に向かって (CD EDITION) 1992.1.7 TOKYO DOME LIVE - オルガスム ★★★ (2003-11-19 16:33:19)

傑作アルバム「BLUE BLOOD」収録曲の英語バージョン。
ライブ盤でしかお目にかかれない一曲ですが、日本語より英語の歌詞の方がハマっている感じがしてお気に入りです。
ラストライブがCD音源化されることで、ついに歌詞の内容が分かるようになりました!!ちなみにこの英語版もカラオケ(CYBER DAM)に入ってます。


XASTHUR - All Reflections Drained ★★★ (2009-08-17 21:36:00)

2009年発表の7th。
ボーナスディスク付き二枚組の日本盤も出てます。

私はXASTHURは「Nocturnal Poisoning」「Subliminal Genocide」とこの作品しか聴いてないんですけど、ディプレッシブでアンビエンス重視の音ながら、決してノイズやドローンに過剰に歩み寄りすぎず、キーボードやギターリフなどバンドサウンド中心で聴かせる…というスタイルは固持しつつ、着実に変化してきている感じですね。

「Nocturnal Poisoning」はスローで陰鬱なブラックを極めたような作品でしたが、「Subliminal Genocide」では霧のようなノイズに包み込まれるような音像で、アンビエント方向に舵を切った印象を受けました。では今作はというと…。

基本的には「Subliminal Genocide」同様、アンビエンス志向の強い音なんですが、ギターのディストーションだったり、アルペジオの残響だったりに「弛み」のような物が感じられ、それが低く垂れ込める黒雲を思わせ、更に絶望的な音になってるんですよね。キーボードの使用頻度の増加、更なるヴォーカルの後退、バンドサウンドに溶け込み、かつ恐怖感を増加させるようなSEの導入などもあり、アンビエンス面では「Subliminal Genocide」よりも確実に一歩前進したという印象。「弛み」のある音に関しては、アヴァンギャルド志向が強いときのBLUT AUS NORDに近しいものも感じられます。

基本スローで絶望的なブラックという縛りを入れながらも、作品ごとにちゃんと個性があるというのは凄いですよね。よくアイデアが枯渇しないもんだと思う。多作かつ縛りの多い音なのに、全作集めたがる熱狂的なファンがいるのも分かる気がする。私もお金と時間があればXASTHUR全作購入&聴き比べとかやってみたいですけど、両方とも全然足りない…(涙)


XASTHUR - Nortt / Xasthur - Split ★★ (2007-06-10 23:44:00)

両バンドの音楽に触れたことがある人ならこの組み合わせだけで苦笑が漏れてくるでしょう(笑)
余りにも音楽性の傾向が分かりやすすぎる、ブラック最鬱対決スプリットCD。
「NORTT」
ノイジーで音程感の無い、引き摺るようなギターリフと、葬式ムード満点の極めて鬱な
メロディのピアノやキーボードが作り出す絶望的なドゥーム/ブラックサウンドの上に、
洞窟から響く獣の唸り声のようなヴォーカルが乗る…まあやってる事はピンの時と
変わりませんね。XASTHUR好きなら確実にハマれる、ブラックの中でも最も鬱と思われる音。
2ndと比べると音量大き目なのは嬉しいですが、ちょっとギターが大きすぎる気も。
とは言っても、やっぱりギターの揺れ具合とか、音響面での雰囲気作りは(好き者限定で)絶品。
一般的なブラックからより離れた音のため好みは分かれてしまうかと思いますが、私的には
鬱度でいったらXASTHURに全く引けを取っていないと思います。
「XASTHUR」
靄がかかったような雰囲気たっぷりの篭もったサウンドと鬱なメロディで聴かせる、こちらも
いつものXASTHUR。メロディはトレモロリフやアルペジオを始め、ピアノやキーなどでも
奏でられますが、どれも一発で意気消沈しかねない暗さ。疾走やデス声など攻撃性のある
要素すらこの音源ではなく、ひたすら冥府の底を彷徨うような好きな人にはたまらない音。
…ただ、現時点の最新アルバム「Subliminal Genocide」ではメロディが引っ込み、代わりに
雰囲気がより重々しくなった事でよりカルトなアンビエンスを獲得した印象ですが、
この時点ではまだ鬱メロで聴かせる感じの作風のため、まだ聴きやすいと言えるかも。
私的には「Subliminal~」の作風はカルト過ぎて聴き通すのは少しキツかったんですが、
これなら安心して心地良く鬱に浸れます。真の鬱好きは最近の音源の方がいいかも。

…と、両方とも鬱系好きならば垂涎モノの音を出してますが、収録時間は少し不満。
両バンド合わせて37分しか入ってないんですけど…どちらも浸って聴くタイプの音楽性なので
すぐに終わってしまう印象。出来れば、両バンドとも約35分計70分とかだと嬉しかったなぁ。


XASTHUR - Portal of Sorrow ★★★ (2010-04-15 20:34:00)

2010年発表の8th。
…今作を以って、XASTHURは活動を停止するらしいです。

近年では作風が鬱ブラックの王道を離れ、実験的な作風になりつつあったXASTHURですが、今作でその実験性が極まった感じがありますね。フォークに硫酸をぶっかけてドロドロにしたようなアコギを取り入れた曲、初期LIMBONIC ARTやVINTERRIKET並にキーボード中心のアトモスフェリックな曲、ベースの低音やギターノイズを強調し、神経症的な音像を作り出す曲、パーカッションを取り入れて疾走する曲…どの曲においても、暗黒な世界観を演出するために、何らかの実験をしている感じ。まさかXASTHURでメタリックなギターソロまで聴けるとは思いませんでした。今までと比べると、1曲1曲が短めなのも特徴。

ただ、曲によって暗黒世界の追求の手法は違うんですが、全体にフィーチャーされた女性ヴォーカルのせいもあり、今までより頽廃的・ゴシックホラー的な美しさ・儚さが強調された感じで、全体的に統一感のある仕上がりになってますね。メロディ自体も、どこか今までより情感に重きを置いている感じがしますし。まあ、どこをどう聴いても「暗黒」なこの作品を、「ホラー」というエンターテイメント的なものを引き合いに出して語るのは、少し適当でないという気もしますが…。

最早初期の鬱ブラック路線が好きな人よりも、暗黒プログレが好きな人の方が気に入りそうな作風になってます。しかし、これを聴くと、今作で活動停止というのは信じられませんね…まだまだ表現の方法が尽きてない感じしますもん。
ここまで暗黒音楽に没頭していたMaleficのことだし、また何らかの形でシーンに貢献してくれる気がします。簡単には抜けられなさそう(笑)。


XASTHUR - Subliminal Genocide - Arcane and Misanthropic Projection ★★★ (2007-02-06 21:18:33)

鬱や絶望感以上に、「美」を感じられると思う曲。
イントロのギターなんて音色すら美しいです。最初とかゴシックドゥームかと思うくらい哀愁が強いですね。確かに華々しいといえるくらいの曲だと思います。


XASTHUR - Subliminal Genocide - LOSS AND INNER DISTORTION ★★ (2007-02-06 21:25:45)

分かりやすい哀愁メロのアルペジオが堪能出来る曲。
っていうかこのメロ、DISSECTIONの「THORNS OF CRIMSON DEATH」の間奏とそっくりなんですが…LEVIATHANやLIMBONIC ARTの曲、更にFFの音楽か何かでも似たようなメロ聴いた事あるし…でも、ありがちなだけに良いメロディだと思います。その使い方が上手い。


XASTHUR - Subliminal Genocide - THE PRISON OF MIRRORS ★★★ (2007-01-17 10:10:53)

約二分のイントロに導かれ始まる、12分超えの大作。
どことなくBURZUMの「DET SOM ENGANG VAR(曲の方)」を思わせますが、BURZUMの「DET~」の音が「Darkness is light」だとすると、この曲は「Darkness is still darkness」って感じ(笑)。いきなりこの曲で受け入れられるかそうでないかが決まってしまうであろう曲。


XASTHUR - Subliminal Genocide - TRAUMA WILL ALWAYS LINGER ★★★ (2007-02-06 21:21:18)

曲の途中で何かが光り輝くようなSEが入るんですが、これが実に気味の悪さを引き立ててますね…Maleficは何を表現しようとしてこの音を入れたんでしょうか。穴の空いた歯の神経に水滴を垂らされるかのような感覚(笑)


XERATH - III ★★ (2015-07-31 21:23:44)

2014年発表の3rd。

シンフォニックなエクストリームメタルとしては、かなり独特の路線を行く作品ですね。壮麗で悠遠なメロディを奏でるキーボードと、ゴリゴリのバンドサウンドの組み合わせ自体は他バンドとそう変わりないものですが、バンドサウンドがかなりプログレ寄りなのが大きな特徴。デス・ブラック的な禍々しさではなく、癖のあるリズムをベースにリフを絡ませる、アンサンブルを楽しませるような感じ。これが楽曲の世界観により深遠さを加えているように思います。

また、ギターのフレーズには所々メロデスに通じるような、メロディでフックを付けている箇所などもあり、さして難解さを感じさせない構成なのもいいですね。デス声をメインで使うヴォーカルの獰猛さ、ヘヴィさをしっかりと伝える高品質なプロダクションなど、音の凶悪さがしっかり伝わる出音や、華美なだけでなく、時折サイバー感も垣間見せるキーボードの音色の多様性なども魅力。

某所では「シンフォニック・グルーヴ・メタル」とも表記されていましたが、どっちかと言うとデス・ブラックのエクストリーム性とプログレッシブなアンサンブルを掛け合わせた音という印象ですね。独特の世界観を持つ、知的で暴虐なユニークなメタルです。


XLIX - DEMO 2012 ★★★ (2012-11-06 23:15:23)

2012年発表の4曲入りデモ。
イントロ・アウトロを含め27分とボリュームはまあまあ。

国産の鬱ブラック期待の新バンドという触れ込みですが、曲によって見せる顔の異なる作品ですね(と言っても実質2曲ですけど…)。1曲目のイントロに続く2曲目は、物悲しく鬱エモーショナルなメロディを紡ぎ上げていくスローパートと、五寸釘を打ち付けるような、独特な音色のドラムが耳を惹くファストパートを組み合わせた緩急付いた楽曲。女性の悲鳴と、赤ちゃんの泣き声に男性の断末魔をプラスしたかのような、鬱ブラック特有の超高音絶叫も印象深い。

3曲目は、鬱アルペジオに音響志向を覗かせる低音を絡めたパートで聴き手の意識を沼のように引き込みつつ、篭もった音色のトレモロリフによる陰鬱なメロディを聴かせる楽曲ですが…このトレモロの篭もり具合がかなり素晴らしい。暗闇の中で何かが蠢いているような得体の知れなさを醸し出しつつ、個人的には耳に凄く心地良い音。ヴォーカルは悲痛絶叫も使いつつ、前曲よりも太いがなりスタイルでなかなか威厳があってかっこいい。4曲目はほぼノイズに徹したアウトロ的な楽曲。

欧米の行き過ぎた鬱ブラックって、鬱感情を垂れ流すばかりで聴き手にとってはちょっと退屈に思える展開も珍しくないんですが…この作品はどのパートも「聴かせたい箇所」が明確で、それがある意味での聴きやすさに繋がっている感じがしますね。カルトなようでいて、実は聴き手を凄く意識した作品なんじゃないかと。その辺り国産っぽいな、って思います。


XOLOTL - Xolotl ★★★ (2011-12-12 22:11:18)

2009年発表の1st。

先日名門Candlelightよりアルバムを出し、徐々に評価をされているメキシコのペイガンブラック、YAOTL MICTLANのメンバー3人によるサイドプロジェクトということですが…これはヤバイですね。YAOTL MICTLANもかなり良かったんですが、個人的な好みではこちらの方が好きかもしれません。

タイプとしては、少しペイガン要素入ったプリブラという感じですが…まずは根幹となるプリブラの部分が非常に魅力的。攻撃的なリフと共にドカドカ疾走するドラムの、視界に入るもの全てを蹴散らしながら突進するようなテンションが本当に素晴らしい。ヴォーカルもWLA期のMAYHEMっぽい、自分の血でうがいしながら絶叫してそうな非人間的なエグイ歪み方で個人的にはどストライク。

また、このバンドはYxMx関連らしくペイガン要素も取り入れてるんですが…それをメロディに殆ど反映させないスタイルがユニークだと思う。笛などを導入しないのは元より、リフのメロディも普通にオールドスクールだったり、北欧っぽかったりプリブラの価値観準拠な感じ。時折密教の儀式で、僧が錫丈を打ち鳴らしてるかの如きパーカッションが入りますが、これが曲の妖しいムードをかなり盛り立ててる。プリブラって音像的にかなり縛りが多いジャンルだけに、こういうアクセントがあると凄く映える。

ドラムとヴォーカルが凶悪で、聴いていて単純に気持ちいいプリブラであると同時に、このバンドならではというオリジナリティもあって素晴らしい作品だと思う。Candlelightから作品をリリースした事でYxMxをチェックした方も多いと思われますが、こちらも聴いておいて損はないですよ。


XULUB MITNAL ★★ (2013-10-31 22:08:42)

メキシコ産ブラックメタル。
おそらくマヤ文明がテーマ。バンド名からして神秘的ですよね。


XULUB MITNAL - Ba'ate'il ★★ (2013-10-31 22:09:33)

2010年発表の1st。

バンド名といいジャケの雰囲気といい、如何にもマヤ文明の神秘が伝わってくるような、異教的ブラックを演ってそうな感じですが…実際はそういう民族めいたパートは一部にSE的に挿入されるくらいで、実際はごくストレートなブラックメタル。トレモロなどのメロウな要素を極力排した、擦り込むようなリフとパンキッシュな炸裂感を感じさせるリズムを絡めた、「非」メロディックなスタイルで、こちらの方が断然エクストリームメタルとして真っ当な音ですけど、どこかILDJARNのスピリットを受け継いでるようにも聴こえる音なんですよね。

メロディが薄い分地味、言い換えればストイックなんですけど、ヴォーカルがかなり極悪なお陰で、受ける印象としてはなかなか強烈。最早高音のハーシュノイズに聴こえてしまうような、非人間じみた凶悪な歪みが掛かった音ながら、憎しみや敵意のような人間的(マイナス)感情も伝わってくるような凄まじく壮絶な声。個人的にこの声大好きです。ただ、せっかくマヤ文明を感じさせるようなパートを演るんだったら、もっとブラックメタル部分と大胆に絡ませて欲しかった所。なんか民族要素の取り入れ方が半端に聴こえてしまうんですよね…。

ヴォーカルは凄まじいけど、ちょっと楽曲面では(異教的要素を期待すると)物足りなさを感じてしまうかも。神秘性などよりも、ストレートなエグさを求める方向けだと思います。


YAMAGEN'S DEVILELIET - Death Charge ★★ (2009-06-27 00:25:00)

2009年発表の(オリジナルとしては)2nd。
…何故か同人出身のメタルアーティストってインストが多いですが、このアルバムは
全編デス声入りのメタルコアという、この界隈では珍しいスタイル。テクニカルなだけでなく、
混沌性の欲しい所ではしっかりカオスを感じられるフレーズを入れてくれる、スジの通った
演奏・曲作りでレベルは非常に高いのではないでしょうか。
BURRN!誌辺りの愛読者で、「同人」という言葉にオタク文化的なイメージしか持ってない人が
聴いたら驚き、ジャンルに踏み込むきっかけになることもあるだろうし、ちょっと激しい
ロック好きな兄ちゃんとかが聴いても案外気に入ってしまうかもしれません。
ただ、それ以上のものを期待していたのもまた事実。
この作品も同様でしたが、なんか同人系エクストリームメタルって、質は高いけど行儀の
いいものが多いという気がするんですよね…。演奏はかっこいいし歌も上手いんだけど、
何かこじんまりした感じがあるというか。デスヴォイスもホルモンが聴ければ行けるレベルの
マイルドさで、狂気には程遠い感じだし。せっかくDIYな同人シーンにいるんだから、
「同人だけど海外のメジャーバンドに劣らないクオリティの音」を聴かせるのではなくて、
「ジャンル(ここではHM/HR)の中でも突き抜けた何かのある音」を聴かせて欲しいところ。
六弦アリスのクサメロや志方あきこの派手なクワイア、SOUND HORIZONの世界観、MAPLE LEAFの
包容力などに変わる何かを見つけられたら、マジにメジャーを脅かす存在になるかもしれません。


YAMAGEN'S DEVILELIET - Death Charge - Dubi×2 School Days ★★ (2009-06-27 00:27:20)

おどろおどろしい曲名の中にあって、一つだけ凄く浮いてますね(笑)。
実際聴いてもポップな歌メロが聴けてやっぱり浮いてる(笑)。ラストのデスヴォイス交じりのスキャットが楽しいです。


YAMAGEN'S DEVILELIET - Death Charge - Inferno ★★★ (2009-06-27 00:28:09)

海外のエクストリームメタルにも負けない音を出している…というのは他の曲もクリアしてると思いますが、この曲はその一つ上の段階に行っているのではないかと思います。帯タタキにもある「鋼鉄激走重低音」が、フレーズや展開によって最大限にその魅力を発揮している感じ。


YAOTL MICTLAN - DENTRO DEL MANTO GRIS DE CHAAC ★★ (2011-10-13 21:55:42)

2010年発表の2nd。

このバンドの作風も、民族メロディや民族楽器を導入した、ペイガン/フォークブラックと言えますが…それらが全編に渡り乱舞するクサメタラー向けの作風ではなく、基本は苛烈なメロディック・ブラックを演りつつも、要所で民族楽器やパーカッション等を導入し、異教的な感覚を演出するスタイルですね。特に疾走パートのテンションが凄まじく、異境なムードとも相俟って聴き手を深淵に引き込まんばかりのパワーを感じます。

また、メキシコのバンドという事もあってか、「ペイガン」の演出部分にフォルクローレっぽさが感じられるのも特徴ですね。ただフォルクローレって、哀愁と陽気さが混在してる印象なんですが、このバンドの音楽には全く「陽気さ」はないですね(笑)。「哀愁」も、全て邪悪さや陰鬱さに変換された上で出力されているような感じ。ペイガン系の中でも、邪悪さ・陰鬱さはかなり上の方だと思う。

ヨーロッパ産のペイガンブラックとは一線を画すムードを持ったスタイルを持ったバンド。メロディックブラックとしてもかなりクオリティの高い音ですし、邪悪なムードも濃いですし、流石Candlelightが目を付けるだけはあります。


YGG ★★ (2014-03-05 20:04:24)

ウクライナ産ペイガンブラック。
NOKTURNAL MORTUMや、MUNRUTHEL、KHORSなどと人脈的繋がりのあるバンド。


YGG - Ygg ★★ (2014-03-05 20:06:16)

2011年発表の1st。

おそらくペイガンブラックとしては代表格といえるNOKTURNAL MORTUMと人脈的に繋がりのあるバンドとの事ですが、あちらとはやや異なる路線の音ですね。こちらはいわゆる「お祭り系」なクサメロは無く、土着的な悲壮感に満ちた、身を切るようなメロディをトレモロに込めて疾走するタイプで、アトモスフェリックにリフを聴かせる音作りや長尺の楽曲展開など、同郷のバンドではDRUDKH辺りに近い感じでしょうか。

ヴォーカルが鬱系にも通じる裏声絶叫で、この手のタイプとしては若干珍しい気もしますが、それが悲壮感の強い楽曲にはかなりマッチしてるように思います。また、イントロ部分を始め、楽曲の端々で「びよ~ん」系のSEが聴かれるのも印象に残りますが…これは初期SATYRICONやTAAKEなどの土着性の強いブラックメタル、ひいてはその元ネタであるWHENへのリスペクトを示した部分でしょうか。

NOKTURNAL MORTUMやKHORSよりも、DRUDKHやWODENSTHRONE、WINTERFYLLETH、AGALLOCH辺りの土着的でアトモスフェリックな作風が好きな方にお勧めですね。


YSENGRIN ★★ (2013-06-11 23:50:40)

フランス産デス/ブラック/ドゥームメタルバンド。
AORLHACやDARKENHOLDなどと4WAYスプリットを出した事も。
あと何気にMUTIILATIONと人脈的な繋がりがあるとか。


YSENGRIN - To Endotaton ★★★ (2013-06-11 23:51:28)

2012年発表の3rd。
1曲のみ40分というなかなかラジカルな構成の作品。

某アーカイブやショップの紹介では、デス/ブラック/ドゥームとして紹介されていましたが、ブラックメタル的な邪悪トレモロやデスメタル的なブラストは一部で聴けるのみで、メロディアスなフレーズを挟みつつ刻みを入れて展開するギターワーク、ドラマ性を重視しつつもミッドテンポ中心のリズム構成などからは、むしろゴシックメタルに近い雰囲気もある気がします。

ただ、葬式ドゥームすら行けそうなやたらディープな低音グロウル、低音のしっかり聴いたプロダクションと妖しいギターメロ、神秘的なチャーチオルガンなどが組み合わさってできる淫靡でいかがわしい音像などが発散する儀式的な雰囲気などは、やはりブラックやドゥームに近い気がしますね。展開には前衛的な部分もあり、パーカッションや女性の喘ぎSEなども取り入れたりするパートもありますが、それらの要素が儀式に立ち会うような臨場感をうまく与えているように思います。

流石に40分もあると長さを感じない…とまでは行きませんが、40分間を質の高い妖しげメタルの縛りをしっかり守りつつ、様々な展開・アイデアで聴かせてくれる作品なので、金太郎飴な曲が並ぶアルバムよりも付き合っててずっと楽しい作品に仕上がってると思います。いかがわしく儀式的なブラックが好きな方は是非。


ZABADAK - Ikon ★★ (2007-08-01 03:31:00)

作品数が多い上にベストも多いので何枚目かは不詳ですが、2000年発表のアルバム。
これを聴く以前に「Something in the Air」を聴いて、男ヴォーカルのピンになったのは
良いとしても、幻想的な風景や民族的な叙情メロがすっかり減退してしまっていて、吉良さんの
ソロになったZABADAKはもう琴線に触れる曲は作ってくれないのかな…とかなり
がっかりしたんですが、これを聴いて思い直しました。やはりZABADAKはZABADAKだった!!
まず原点回帰した、と帯にキャッチコピーがある通り、民族的なメロディが復活、
更にゲストとして何人かの女性ヴォーカルを呼んでます。それ程目立つ訳ではないですが
個人的にフェイバリット・シンガーの一人である、KIRCHEのみとせのりこさんが
参加しているのは本当に嬉しい。もっと歌って欲しかったですけどね…。
そして見せる風景の方も進化、というか変化していると思います。
上野さん在籍時がアイルランド辺りの森を思わせるとするならば、このアルバムはジャケ通りの
夕暮れの砂漠だったり、小さな村の収穫祭であったり、人の心の裡であったり…
音を通じて描いている情景がより多彩になっている感じです。
特に13分を超える、三部構成の大作「遠い旅の記憶」は圧巻。
また、「DEIR PAIDER」「収穫祭」など民族メロを取り入れた曲は全体的に明るめで
ノリの良いものが多いため、クサメタラーへのアピール度は初期作よりも上かもしれません。
多くの曲で使われている、マリンバが特にクサメロを強調していてお気に入り。
ともかく、上野さんがいなくてもZABADAKは魅力的だと知り、安心した作品。
失礼ですが、「Something~」の路線を押し進めなくて良かった…とか思いました。
やはり吉良さんは凄いです。個人的には「桜」に匹敵するくらい好きです。


ZABADAK - Ikon - Deir Paider ★★★ (2007-07-30 16:38:52)

女性ヴォーカルでキャッチーな民謡系メロディ、これこそZABADAKの原点と言える曲なのかも。ただ、上野さん在籍時の曲と比べると、曲を通じて見える風景はもうちょっと楽しげになってますね。なのでクサメタラーは暖簾分け前の曲よりこっちの方が気に入るかもしれません。


ZABADAK - Ikon - Paco ★★★ (2007-07-30 16:41:52)

1曲目からこの琴線に触れるメロディ…やっぱ吉良さんって凄い。
インストですが、個人的には初期の歌モノにも比肩するくらい好き。
CD掛けた瞬間、この作品は当たりだ!!と思いましたもん(笑)。


ZABADAK - Ikon - 遠い旅の記憶 ★★★ (2007-07-30 16:35:40)

音楽を通じてなんらかの景色を聴き手に見せたり、体験させたりする事に関して非常に評価の高いZABADAKですが、この曲はそれを象徴する超名曲だと思います。様式としてのではなく、心性としてのプログレッシブ・ロックと言えるかもしれません。
…ただ、折角「みとせのりこ」という素晴らしい歌い手を呼んどいて、彼女の出番が少ないのはちょっと不満、というより勿体無いです。まぁ、吉良さん作曲&編曲でみとせさんヴォーカルっていう編成の曲は彼女のソロで聴けますけど。


ZABADAK - Ikon - 収穫祭 ★★★ (2007-07-30 16:46:26)

2枚組ベストにも収録されている名曲。
小さな村が総出で、収穫を祝う祭りを楽しんでいるような、楽しげな風景が浮かんでくるインスト曲。…都会に住んでいたら、こういう楽しさって滅多に味わえないんだろうな~って思ってたら、なんか切なくなってきてしまいました。まあ、こうして音楽を通じて味わえているわけではありますが、やっぱり聴いてて楽しいだけじゃなく、一抹の寂しさも感じてしまう曲なんですよね…。


ZABADAK - Pieces of the Moon - Walking Tour ★★★ (2006-10-16 23:24:04)

コーラスワークとヴォーカルの表現力が素晴らしく、聴き手を幻想の世界へ誘うような耽溺性の強い楽曲。表現方法は全く違いますが、リスナーに日常から乖離した世界を体験させてくれるという意味では、メタルとも共通する特性…なのかも。ちょっと、というかかなり強引な論ですが。


ZABADAK - Pieces of the Moon - ガラスの森 ★★★ (2006-10-20 23:15:31)

ここに収録されているのはライブバージョンですが…。
私的には木漏れ日が差し込む、樹海の昼って感じのイメージな曲。透き通ってるけど、妖しい。吉良さんの「ハッ」っていう掛け声と、ラストハモりのパターンが変わる所が特に好き。


ZABADAK - Pieces of the Moon - 遠い音楽 ★★★ (2006-10-16 23:20:04)

イントロのシンセはちょっと可愛らしい感じですが、本編の歌メロや歌詞などは少し寂しげな印象も。またヴォーカルに僅かに掛かったエコーが何とも神秘的な雰囲気をも醸し出しているんですよね。聴いていると色々な感情を揺さぶられる名曲です。


ZABADAK - Pieces of the Moon - 私は羊 ★★ (2006-10-16 23:20:52)

一回聴いたらつい口ずさみたくなるような親しみやすいサビとアコーディオンの伴奏が何とも可愛らしい曲。上野さんのペンによる歌詞はちょっと不思議なタッチですね。寓意なのか、ファンタジーなのか…色々と解釈の余地がありそうです。