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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 7501-7600

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 7501-7600
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陰陽座 - 陰陽珠玉 - 螢 ★★ (2003-11-19 03:54:45)

本当にシングルのA面に持ってきてもいいくらいの名バラード。
瞬火さんは日本のメタル界屈指のメロディメイカーではないでしょうか。ただ、唯一の不満はピッキングノイズがうるさい事。一定のタイミングで入ってくるから多分意図的なものでしょうがこれは曲と合ってない気がする…。これさえ無ければ「星の宿り」や「梧桐の丘」と同じくらい好きなんですけどねぇ…。


陰陽座 - 陰陽雷舞 ★★ (2006-07-13 23:18:00)

今年発表された、2枚組のライブ盤。
オープニングの時点でもう観客のテンションが最高だったり、煽りなども入っていますが
この臨場感はそれだけではなく、音質の良さもかなり貢献している面が大きいと思います。
音がクリアなのは勿論の事、ドラムの音が大きくてかなり迫力のあるミックスなんですよね。
もう一段階ほど音が大きければもっと良かったんですが、流石にそれは贅沢かも。
この音質で、特に「臥龍點睛」の収録曲はまるで「本来の姿を取り戻した」と言えるくらいに
かっこよくなっていると思います。「蛟龍の巫女」なんて本当に「満ちる粛清の光/
崇めし鈍は狂りて」という歌詞の黙示録的情景が浮かんでくるような迫力がありますし、
「靂」もアルバムで聴いた時は失礼ながら「なんか面白くないリフだなぁ…」と思って
しまったんですが、この音質で聴くとそれが嘘の様にダイナミックでかっこいいです。
…ライブ盤ですらこういうミックスが出来るなら最初からやればいいのに。
また、ライブだと黒猫さんの歌のドスの効き具合が上がる為、正直アルバムのテイクでは
歌声の軽さとビブラートのくどさにちぐはぐさを感じてしまった「我が屍を~」も、
かなり良く生まれ変わっていると思います。「鬼ころし」のラストの絶叫もかっこいいですね。
しかし、それら以上にかっこよくなっているのは「窮奇」かも。
元々テンポの速い曲なのに、更にドラムの迫力が増しているせいで炸裂感すら感じます。
ラストのサビでテンポアップする所なんて、普通にじっとしてはいられません(笑)
2枚組なので値段は高めなんですが、選曲、ライブの内容共に満足です。
そういえば「不知火」「牛鬼祀り」は歌詞が同一のストーリーを追っているようですが、
その後にその鬼を屠れと言わんばかりに「鬼ころし」が始まったりするのも、
良く考えられていると思います。2枚目の実質1曲目が「眩暈坂」なのも嬉しいし、お腹一杯の2枚組です。


陰陽座 - 臥龍點睛 ★★ (2005-08-07 18:27:00)

やっぱり賛否両論出ているみたいですね。
私にとっては好きなところと嫌いな所がはっきり分かれてしまうアルバムでした。
好きなところ…
・まずは楽曲の充実振り。
陰陽座の王道としてある「メロディアスでスピードのある力強い曲」というカテゴリでは
最高峰に位置しそうな「蛟龍の巫女」を始めとして、淡く揺らめくような印象を残す
名曲「不知火」、熱いサビを持った「龍の雲を得るが如し」、激しい「鬼ころし」など、
アルバムを構成するピースは今までの作品に負けず良いと思います。
・コンセプチュアルな世界観。
義経三部作だけでもお腹一杯になりそうなのに、その他でも「靂」で雷が落ち、「龍の~」で
龍が目覚め、「蛟龍」でストーリーが展開していく…というコンセプトまで
盛り込まれているから、もう腹12分目の大満足です(笑)
・ヴォーカル。
瞬火さんは相変わらず…というより、前よりセクシーになってるし、黒猫さんは「蛟龍」で
非常に力強い声を聴かせてくれるし…私はこういう歌メロ重視の音楽を気に入るかどうかは
ヴォーカルの声質でかなり左右されてしまいますが、陰陽座はやっぱり良いですね。
次こそ瞬火さんが低音で歌い上げる「星の宿り」「夢虫」系のバラードが聴きたいです。
嫌いなところ…
・音質。
なんか前より軽くなってる気がします。「不知火」「月花」のような繊細な曲には完璧に
フィットしていると思いますが、「靂」「鬼ころし」「蛟龍」のような力強さが
要求される曲までこういう音質にしているのはかなり疑問。インタビューで最高傑作を
標榜するからには曲によって音質を大幅に変えるくらいの工夫は欲しかったです。
・アルバムの構成。
「靂」はみなさんの意見を見ると、昔のメタルっぽい曲調らしいですが、私は昔のメタルって
正直好きじゃないので、最初はあまりピンと来ませんでした。今でこそ好きになってきましたが…
「我が屍を越えてゆけ」もあまりピンと来なかったです。なんか曲はポップなのに歌が変に
くどすぎるような…失礼ですが、今までは歌はくどいくらいなのがクール、みたいに
思っていましたが、この曲はちょっと何かがずれてる感じがします。
最初と最後の曲が私にとってあまり魅力的では無かったことと、アルバム中4曲も
既聴の曲があったことなどから、アルバムの第一印象は微妙なものになってしまいました。

色々ときつい事を書きましたが、何回も聴いているうちに段々と魅力が分かってきました。
特に陰陽座としては新機軸と思われる「不知火」は、陰陽座の全ての曲の中で5本の指に入ります。


陰陽座 - 臥龍點睛 - 鬼ころし (2005-07-12 21:52:10)

鬼を滅ぼしたところで、人が残り、結局世は鬼で満ちる。人を憎まず罪を憎めば、結局は鬼が残りこの世は朽ちてしまう…これって必要悪がテーマでしょうか?曲はかっこいいけど、シャウトが舞頚より切れてないのが残念…こういう歌い方なのかもしれないけど。


陰陽座 - 臥龍點睛 - 月花 ★★ (2005-07-12 21:42:58)

この曲のテーマは「馬子と月見草の恋愛」だそうですが、なんか瞬火さんのヴォーカル、ただの馬子にしては色気ありすぎません(笑)?貴族的な優雅ささえ感じるんですけど…特にサビの「散る一片」の部分が…。


陰陽座 - 臥龍點睛 - 甲賀忍法帖 ★★★ (2005-04-27 21:20:12)

曲調はいつもの「忍法帖シリーズ」に順ずるものですが、今回はアニメのタイアップも付いているせいかいつもより幾らかキャッチーな仕上がり。サビではシンセも入っていて聴き入れやすいです。
歌詞中の「葵闇」は徳川=為政者、すなわち主人公の忍者を使役する所の存在を暗に示しているのでしょうか。


陰陽座 - 臥龍點睛 - 組曲「義経」〜夢魔炎上 ★★★ (2004-10-27 23:48:37)

陰陽座の長尺の曲は鵺しかり、奇子しかり名曲が多いと思いますが、14分という過去最大の長さを誇るこの曲も期待を裏切らない出来です!!
さすがにこれだけの長さの曲となるとメロの数も多いですが、良いものばかりでまたしても瞬火さんのメロディメイクの才能を見せ付けられてしまいました。また、義経の心中を語るパートを黒猫さんが担当していますが、義経が隠し持っているアニマを感じさせつつちゃんと男っぽい(というか青年っぽい)声になっているのが凄いです…きっとこれが瞬火さんの中にある義経のイメージなんでしょうね。


陰陽座 - 臥龍點睛 - 組曲「義経」〜来世邂逅 ★★ (2005-06-24 21:08:19)

この曲、歌詞カードを見ないで聴くと普通の失恋バラードと思ってしまいそうです(笑)。
「来世(つぎ)を待つの」なんて耳だけで聞くと「次(の恋)を待つの」と聴こえます。「義経」の締めにはちょっと地味だと思わなくもないけど、ギターソロやメロディは流石に良いですね。


陰陽座 - 臥龍點睛 - 不知火 ★★★ (2005-06-24 21:08:33)

物憂げな気分で夜行バスに揺られているような感じの、「疾走」まで行かないテンポが心地良い曲…だと思ったら、瞬火さん曰く陰陽座でも最速の部類に入るとか…言われないと分からないですね、これ。
この曲、歌もギターもメロディが凄く良いです。大仰さはないですが、どの大仰なメロディよりも心に染み渡るようなメロディと音色です。


陰陽座 - 臥龍點睛 - 龍の雲を得る如し ★★ (2005-07-12 21:56:53)

Aメロの隙間のあるアレンジで「あれっ?」ってなりましたが、強さを感じさせながらも心に来る切ないメロディのサビでノックアウト(笑)「靂」で龍が目覚め、この曲で龍が天に昇り、「蛟龍の巫女」でその後のストーリーが語られる…というコンセプトらしいですね。


陰陽座 - 臥龍點睛 - 彷徨える (2005-07-12 21:46:05)

瞬火さん曰く「なんの衒いもないキャッチーなハードロック」。
歌詞の元になった話、面白いですよね…木を切ったらなんか出てきて、食べたら犬の味って…犬の味知ってる自体、日本人から見ると凄いんですけど(笑)まぁいろんな文化がありますからね…


陰陽座 - 臥龍點睛 - 蛟龍の巫女 ★★★ (2005-06-24 21:09:06)

まだアルバム発売から3日しか経っていないというのに、こんなに発言者が多く、しかも☆を3つ付けている人が殆どなのがこの曲の名曲振りを象徴していますね…。勿論私もこういう曲は大歓迎。
サビのミックスヴォイスに頼らない、しっかりとした高音が非常に骨があって気持ち良いです。黒猫さんも歌ってて楽しいでしょうね。


陰陽座 - 鬼子母神 ★★★ (2012-01-06 20:02:19)

2011年発表の10th。
瞬火氏の執筆した脚本「絶界の鬼子母神」を下敷きにしたコンセプトアルバム。

私はこの作品、何度か聴いてから脚本を読む…という楽しみ方をしましたが、まず言いたいのはアルバム単品でも素晴らしい…という事ですね。明確なコンセプトがあるぶん、恒例の明るいエンディング曲がなく、お祭り曲がアルバム半ばに入っていたり、全体的に仄暗いムードで統一されている感じがしたりはしますが、音自体はキャッチーに疾走するキラーあり、美しいバラードあり、おどろおどろしい雰囲気の曲もありで、いつもの陰陽座のアルバムとして違和感なく聴けるようになってますね。

路線的には、お祭り曲の「鬼拵ノ唄」を除けばあからさまな和メロは少なめで、堅実なクオリティがあり前作の延長線上とも言えますが…音の説得力が前作よりも明らかに上がってると思う。特に「産衣」「膾」辺りは、歌メロは派手とは言えないものの、鬼気迫るような表現力のお陰で初期のクサい歌メロの曲(「陰陽師」「桜花の理」辺り)以上に魅力的に聴こえる。この手のバンドにはまず歌メロのインパクトを求める嗜好の私が聴いてですら、そう思わせる説得力。

アルバムの構成としては、脚本における各シーンをそれぞれ楽曲で表現していく…という手法で、脚本を読んでから聴くとストーリーが分かるだけでなく、より曲を映像的に、臨場感を持って楽しむことが出来ますね。鬼の棲む山や村外れの洞穴の空気感、「鬼子母人」のカリスマ性や狂気などが音を通じてリアルに伝わってくる感じ。ただ脚本無しにはストーリーの構成が分かりづらい…というより分からないので、ブックレットに簡単な注釈くらいは載せても良かったかも。

脚本のストーリーも、思った以上に楽しめました。予備知識無しに「鬼拵ノ唄」を聴いたときは、「客人(マレビト)を贄にして豊作や繁栄を願う儀式なんて、和風ホラーではありがちだよな…」と思ってナメてたんですが(笑)、実際読むとそれが行われ、続けられる理由づけが物語の大きな伏線になってて、読み物としてもかなり楽しめました。この辺り語りすぎるとネタバレになるので辛いです(笑)。…ただ、主役にしろ敵役にしろ、どの人も瞬火さんの分身みたいな印象があります…当たり前と言えば当たり前ではありますけど。

リキの入った作品であり、陰陽座のディスコグラフィーの中でも圧倒的な存在感を放つであろうアルバムだと思います。ただ、ここまでガチガチなコンセプトアルバムやってこの安定感というのは、個人的には良くも悪くもあるんですよね。この作品を聴いて、このバンドに180度予想を裏切るような音楽は期待できないと確信してしまったというか…ただ同様に、期待を裏切らないクオリティのものを常に届けるバンドである事も、同時に確信したわけではありますが。


陰陽座 - 鬼哭転生 ★★ (2004-01-28 21:20:00)

陰陽座の記念すべき1stフルアルバム!!
やはり一番最初の音源だけあって、大仰なインスト「降臨」を最初に配置していたり気合が感じられます。
周囲の評価は5曲目「文車に燃ゆ恋文」から続く一連の流れの人気がかなり高いようなんですが、個人的には瞬火さんがメインのボーカルを取る②~④の流れがなかなか好きだったりします。
「眩暈坂」でやりすぎな程の巻き舌、「逢魔刻」でのコブシっぽい歌い回しなどかなりかっこいい部分が目立つんですが、一つだけ頂けないのは語尾で無意味に「♪ィえぃッ」と気合を入れるのがちょっとかっこ悪いというか…
他のアルバムと比べても割とドロドロした曲が多く、特に「逢魔刻」や「百の鬼が夜を行く」などはこのバンドのコンセプトに共鳴しているのであれば是非聴いて頂きたい所です。


陰陽座 - 鬼哭転生 - 逢魔刻 (2003-11-18 21:12:59)

いわゆる「コブシ」が使えるのは、黒猫さんだけじゃないんだなぁと思った一曲。
瞬火さんのコブシの効いたサビにやられました。ただ、最初の部分はおどろおどろしく歌うより妖しい感じで歌ってくれたらな、と「鵺」を聴いてしまった後だと思ってしまいます。


陰陽座 - 鬼哭転生 - 亥の子唄 (2003-11-26 08:06:56)

ややライトなデス声とメタルの演奏、地方民謡を合体させてしまった奇異な曲(笑)。
この曲は瞬火さんのハジケっぷりが凄く、間奏では素敵な金切り声系シャウトまでしちゃってます。黒猫さんの歌パートでは童謡のようなメロディがとても良いですね。


陰陽座 - 鬼哭転生 - 陰陽師 ★★★ (2003-11-19 16:31:38)

もう書かれていますが、陰陽座の代表曲ならぬ、「表題曲」です。
ボーカリスト2人による語り(珍しく瞬火さんの語りも聴ける)、キャッチーな歌メロ、格好良いツインリードなど陰陽座の魅力がぎっしりと詰まった一曲です。瞬火さんのパートが陰陽師役、黒猫さんのパートが語り手役、最後のハモりで2人の意志がシンクロするという歌詞の構成もなかなか練ってある感じで良いです。


陰陽座 - 鬼哭転生 - 鬼 (2003-11-18 21:13:20)

陰陽座の王道ともいえる、ややハードでメロディアスな楽曲。
ただ、この曲は黒猫さんの演歌風のパートも入り、一筋縄ではいかないバンドの特性を思い知らされた気分です。
どうでもいいけれど、「獄卒」は人間で言う「中卒」「高卒」の鬼バージョンでしょうか(絶対違うって・笑)


陰陽座 - 鬼哭転生 - 鬼斬忍法帖 ★★ (2003-11-26 18:43:22)

疾走感のある曲を集めた「忍法帖」シリーズの中でも最もフックのあるメロディを持った一曲。
一番最後の部分に大サビが来るというなかなか凝った曲構成なのも良いですね。


陰陽座 - 鬼哭転生 - 百の鬼が夜を行く ★★★ (2003-11-26 08:07:24)

瞬火さんの捻るようなボーカルや黒猫さんの笑い声、変拍子など陰陽座のギミック的部分がかなり垣間見れる一曲。
歌に入る前の琴のような音、一行ごとに表情を変える黒猫さんのボーカル、意外にキャッチーなサビなど名曲の要素がたっぷりと詰まった一曲です。


陰陽座 - 鬼哭転生 - 文車に燃ゆ恋文 ★★ (2003-11-26 18:43:10)

黒猫さんの演歌的歌唱が良いフックになったAメロと、陰陽座らしい覚えやすいまでのメロディアスさを持ったサビを持った曲。
こういった歌唱法は割と日本独自なもので外国のアーティストにはあまり見られなく、このへんに日本人である事のアドバンテージがあるように感じます。


陰陽座 - 鬼哭転生 - 眩暈坂 ★★ (2003-11-19 03:55:06)

陰陽座の一枚目のアルバムの(実質的な)一曲目にして、かなりダークな響きをもつ曲。
いきなりこれとは…瞬火さんの「駄螺だら…」でいちいち全ての「ら」で舌を巻く唱法と、黒猫さんの鬼気迫る語りがなんとなくアングラっぽくて良いです(笑)。ダークな感じの曲ですが、サビは口ずさめそうなキャッチーで良いメロディです。


陰陽座 - 金剛九尾 ★★ (2009-09-22 22:52:00)

2009年発表の9th。

前作を聴いた時、「いい加減バラード→お祭り曲でラストの構成は崩して欲しい」「黒猫さんががなり気味に歌う疾走曲がほしい」と思ったんですが…まずその二つが早くも叶ったのが、いち身勝手なファンとしては非常に嬉しいです(笑)。
しかもブルーズ色の強い「挽歌」やラストをスラッシーな曲で締める組曲「九尾」など、新機軸を導入しているのも良いですね。正直前作ではなんかネタ切れ感があったんですが…瞬火さん、ハングリー精神バリバリじゃないですか(笑)。

今作、歌メロが「クサさは抑え目だけど、すんなり耳に入ってくる」ものが多いと思う。「臥龍點睛」辺りからこうした傾向が現れてきてると思いますが、今作に至ってその手の曲をクサい疾走曲以上の聴き応えで聴かせる事が出来るようになったんじゃないかと思います。特に「十六夜の雨」の何ともいえない、切ない雰囲気なんかは歌詞と凄くマッチしてる。
あからさまな和な歌メロを使わなくなった分、第一印象でのインパクトこそ薄れてますが、今作はそれにも勝る聴き応えがあるので問題無いと思う。偉そうな事を言わせてもらえば、「臥龍點睛」以降の陰陽座の音楽性の、完成形と言えるアルバムなのではないでしょうか。

ただし、「鬼哭転生」の「陰陽師」のような、陰陽座の表題曲となるような楽曲がないのは結構不満かも。全体的に高いレベルで安定しすぎていて、ソツがなさすぎな感じ。二枚のパイロットシングルも「表題曲」というには多少小粒だし。願わくば、次のアルバムでは「陰陽座といえばこの曲!!」というような曲を入れて欲しい。そしてその「名刺代わりの曲」を新アルバムの発売の度に更新出来るようなバンドになって欲しい。それだけが私の望みです…なんて(笑)。


陰陽座 - 金剛九尾 - 喰らいあう ★★★ (2009-09-27 12:35:39)

陰陽座のアルバムのラストナンバーは、土着的なお祭り曲か、ライブを想定したはっちゃけ曲のどちらかが殆どですが、この曲は後者の路線を踏襲しつつも、シングル曲に通じるような目の醒める鮮烈なメロディもあって実にかっこいい。鳳翼以降のアルバムのラス曲の中ではダントツに好きです。


陰陽座 - 金剛九尾 - 孔雀忍法帖 ★★★ (2009-09-27 12:25:41)

非常に粒の揃った今作ですが、一曲だけベストチューンを挙げるとしたらこの曲。黒猫さんががなり気味に歌うスピードチューンが聴きたかったので、この曲の存在は嬉しい。歌謡メタルとして他を寄せ付けないかっこよさがあるだけでなく、くのいちが暗闇で息を殺しながら標的を狙う緊張感や、そのバックストーリーが聞いていて、真に迫って伝わるのが素晴らしいです。


陰陽座 - 金剛九尾 - 十六夜の雨 ★★★ (2009-09-27 12:21:36)

陰陽座の送る吸血鬼譚。
…これは決して派手ではないけど、傑作だと思います。吸血鬼の本能が勝ってしまうパートと、それが相手を傷つけてしまうことを悔いているパートでは演奏の雰囲気を意図的に変えているらしいですが、その丁寧なアレンジもあって歌詞の世界観にすんなり入って行けるようになってると思います。ラスト一行とか切なすぎるんですが…。


陰陽座 - 金剛九尾 - 相剋 ★★ (2009-09-27 12:32:47)

まあシングル曲としてはお約束といっても良い路線なんですけど…この曲はSEの使い方が上手いですね。上手く情念に囚われた世界感を表現してると思う。ゲームの主題歌になるにあたって、DS音源で聴いたときの聴こえ方にまで拘ったそうですが、その拘りっぷりが実に瞬火さんらしいです。


陰陽座 - 金剛九尾 - 蒼き独眼 ★★ (2009-09-27 12:29:30)

こういう曲でシングル切ってくる辺り、やっぱり陰陽座って「あからさまに和風で、ひっかかるメロ」から「耳に馴染みのいいメロ」に志向性をシフトしつつあると思う。メロは個人的には物足りないですが、瞬火さんの歌声が素敵なのでOK。「♪武人の性」の歌い方とか、かっこいいですよね。


陰陽座 - 月に叢雲花に風 - 跫音 ★★ (2003-11-26 18:43:35)

シングルのカップリング曲ですが、アルバム「煌神羅刹」における疾走感を予感させるようなアップテンポな曲。
しかし、アルバムのどの曲よりも「おどろおどろしさ」では勝っているように感じます。ただ最後の「♪おおーおー」と言っている所は少々退屈に感じてしまうかも…


陰陽座 - 黒衣の天女 - 顎門 ★★★ (2007-06-30 16:40:33)

雰囲気たっぷりの、アンビエント的(あくまで「的」)とも言える情感を湛えながらも、リフはへヴィかつかっこよく、鮮やか。不知火といい、陰陽座って何気に正統から外れた所に名曲があるんですよね。個人的には本シングルの目玉曲です。タイトル曲より断然好き。


陰陽座 - 黒衣の天女 - 泥田坊 (2007-06-30 16:38:27)

確かに、タイトルのインパクトと陰陽座のネームヴァリューの割には地味な曲ですね…Aメロ、サビはバッキングもメロ自体も普通すぎる気が…イントロなどのおどろおどろしいリフとかは好きですが。


陰陽座 - 黒衣の天女 - 揺籠の木 ★★★ (2007-06-30 16:41:27)

わらべうた風のメロディをフィーチャーしたバラード。
歌詞の、稚児の成る木は黒猫さんが夢で見た風景を元にしているとか。この曲はパーカッションにイメージが壊れるくらいとんでもないものが使われているそうですが、一体何なんだろう…(笑)
しかしメロディの扇情度が相変わらず高すぎ…アルバムにもこのレベルのメロディが欲しかった。


陰陽座 - 睡 - 貍囃子 ★★ (2004-01-06 23:10:08)

スウィングする祭り囃子のようなノリのいい楽曲。
この曲はなんといっても瞬火さんのBメロの艶のある低音パートがとてもカッコイイです。あと黒猫さんのサビの巻き舌も(笑)
ライブ中盤におけるお祭りソングという事で、期待していたより遥かにカッコイイ曲だったのでびっくりしました。


陰陽座 - 醒 - 静ヶ沼 ★★ (2003-11-19 03:55:19)

「歪む月」の主人公が妖怪になる以前の話を綴ったらしいバラード曲。
陰陽座の他のバラード曲と比べるとあまりメロディにキャッチーさがなく、淋しげな音作りですが歌詞の世界と合っていてついつい引き込まれてしまう一曲です。


陰陽座 - 赤熱演舞 ★★ (2003-11-22 22:41:00)

滅茶苦茶個人的な意見になりますが、このアルバムは、「鵺」のライブバージョンを聴けるだけでも購入する価値があると思います!!
黒猫さんの語りはアルバムよりもおどろおどろしく、演歌パートのコブシもキマっていて、瞬火さんは更に妖しく、艶っぽくなっているではありませんか!!アルバムテイクもいいけれど、このテイクも素晴らしいです。
また、「鬼斬忍法帖」や「おらびなはい」での煽りが聴けるのも嬉しい所ですね。
一つビックリしたのは、黒猫さんのMCですね。「舞~いあがる~ッ!!」「それじゃあ、バイ、にャらぁ~っ!!」とかすっごくはっちゃけてる感じを受けました。ライブには行った事がないので、私の中でかなり印象が変わりました。


陰陽座 - 組曲「義経」~悪忌判官 - 微睡忍法帖 (2004-10-27 23:31:12)

死の際に瀕したくノ一の元に、愛する人が駆けつけてきてくれてその最期を看取る…というストーリーを持つ曲。
音の空間を漂うようなアレンジは最期の夢か現か分からないような意識の境界を表したものだと思いますが、曲のバックグラウンドを考えず歌詞も読まず聴くとそのポップなメロディから幸せな恋愛の最中にいる女性が喫茶店で頬杖を付いて窓の外を眺めながら空想に耽っている…という映像が浮かんでしまう(笑)


陰陽座 - 組曲「義経」~夢魔炎上 - 傀儡忍法帖 ★★ (2004-10-27 23:31:39)

忍法帖がこんなにも明るく…しかも歌詞に忍者が出てこないという(笑)
曲の進行に合わせてドスを効かせたり可愛らしく歌ったりころころ表情を変えるヴォーカルが良い感じです。特に少しドスを効かせた低音部分は大人の色気が感じられてとてもカッコイイですね。


陰陽座 - 百鬼繚乱 ★★ (2003-11-20 03:38:00)

正に「百鬼繚乱」の名に相応しい、バラエティーに富んだアルバム。
超名疾走曲「桜花の理」や間奏にこだわった「癲狂院狂人廓」、禍々しい雰囲気の「八咫烏」、サビへのブリッジがカッコイイ「帝図魔魁譚」、そして極め付きに別人の如き声による語りをフィーチャーした9分の大作「奇子」など楽曲の充実振りが素晴らしい一枚です。ただ、③、⑤がミディアムで⑥がバラードなので疾走感のある曲を求めている人にとってはややツライところもあるように見受けられます。
このアルバム廃盤ってホントでしょうか…非常に勿体無いです。


陰陽座 - 百鬼繚乱 - がいながてや ★★ (2003-11-09 07:59:05)

陰陽座定番の、アルバム最後のはっちゃけたような曲。
瞬火さんの巻き舌を多用した威勢の良い歌と、黒猫さんの演歌チックなコブシの回った歌に祭りの楽しさを想起させられてしまう曲です。


陰陽座 - 百鬼繚乱 - 奇子 ★★★ (2003-11-03 22:23:22)

「鳳翼麟瞳」収録の「鵺」と1、2を争うほど、長尺な楽曲です。
おどろおどろしい雰囲気ながらメロディアスで、本当に長くて無駄のない曲作りになっています。最初この曲を聴いたとき、歌が終わった後に大仰なエンディングが無いことに「?」を感じていたのですが、原作を読みそのエンディングを見たら、そのアレンジの理由がわかり瞬火さんが本当に手塚治虫をリスペクトしているんだなぁ…と伝わってきました。
それからこの曲、黒猫さんの語り部分も凄いですね。「お外に出たいよう…」の部分なんて殆ど別人ですね。素晴らしいです。


陰陽座 - 百鬼繚乱 - 桜花ノ理 ★★★ (2003-11-03 22:35:08)

陰陽座のインディーズ時代を代表するような名曲だと思います。
この曲の聴き所は、やっぱりサビが終わった後にAメロでは瞬火さんが歌っていたメロディを今度は黒猫さんが歌い、瞬火さんの「貴方が、蜘蛛だったのですね(この言い方がカッコイイ!!)」の台詞とともにギターソロに入る展開ですね。ここはいつも聴くたびに「よくやってくれた陰陽座!!」と嬉しくなってしまいます。
ツインボーカルの掛け合いが冴え渡るサビも勿論カッコイイです。
でもライブ盤は語りがあまり聴こえないのがちょっと残念かも。


陰陽座 - 百鬼繚乱 - 式を駆る者 ★★★ (2003-11-04 03:36:48)

物々しいイントロとそれに続くギターのメロディが格好良いまさにアルバムのオープニングに相応しい曲です。
最初聴いた時はいきなり頭からギターソロが入ってくるのでちょっとびっくりしました。サビでのメロディは黒猫さんのビブラートのよく掛かる声質を利用したメロディもすごくハマっています。


陰陽座 - 百鬼繚乱 - 八咫烏 ★★ (2003-11-03 22:45:32)

私はこの曲かなり好きですけどね~。
特にBメロの瞬火さんの「黒い濡羽を~」の巻き舌、「涅槃の凪風よ」のタメにタメて最後にコブシで締める歌いまわしが凄くツボりました。
黒猫さんの演歌っぽい歌唱、錯乱したような語りも曲に更に独特な世界観を与えていますね。でも名曲揃いのこのアルバムではやっぱり地味な印象なのかな?


陰陽座 - 百鬼繚乱 - 歪む月 ★★★ (2003-11-20 03:38:23)

おそらく妖怪になってしまった蛇女の業罪を描いたバラード曲。
陰陽座のバラードの中でもバンドサウンドの色が強く、黒猫さんのよくビブラートの掛かった歌唱と良くあったメロディが美しいです。歌詞的にも裏読みの必要のない素直な詞でいいですね。


陰陽座 - 封印廻濫 - 火車の轍 ★★ (2003-11-26 18:42:52)

生前に咎を犯した者達の亡骸を攫い走る「火車」が駆け抜けていくような疾走感が良く出ている一曲。
黒猫さんの良くビブラートの掛かる歌と瞬火さんの巻き舌と倍音を使った歌が良くマッチしています。Aメロはキーボード入ってるのかな??


陰陽座 - 封印廻濫 - 空蝉忍法帖 ★★ (2003-11-26 08:07:12)

忍法帖シリーズでは最もオーソドックスな感じの曲。
ギミック的インパクトはあまり無いですが、日本的なメロディやカッコ良いリフなど、安心して聴ける出来です。何気に叙情的なギターソロも良いですね。


陰陽座 - 封印廻濫 - 土蜘蛛忌譚 ★★ (2003-11-23 21:34:13)

カッコ良いリフを持つ、ドゥーミーな楽曲。
特に曲中盤のリフがマンソンの「IRRESPONSIBLE HATE ANTHEM」の主題となるリフとちょっと似てて、凄く良いです。サビメロも意外にキャッチーでいいですね。
でも蜘蛛の足が「しなしなと震えて」って表現が気持ち悪くてトラウマになりそうです(笑)。


陰陽座 - 封印廻濫 - 百々目鬼 ★★★ (2003-11-03 22:56:42)

陰陽座の曲の中では正統派な疾走曲といった印象です。
この曲では最後のサビが終わった後の、バンドが一丸となったフレーズがまるで流れ落ちる滝のようで非常に格好良いです。ホントに「流れ落ちる百々目鬼」ですね。
歌詞は…先人達の功績をそのまま流用したようなバンドをたしなめる詞!?なんとなく批判的なメタファーの垣間見える詞に感じました。


陰陽座 - 封印廻濫 - 蟒蛇万歳 (2003-11-23 21:34:32)

「おらびなはい」「がいながてや」などと同様の、お祭り的楽しさが垣間見える曲。
「呑め、呑め!!」とかコーラスが入りますが、黒猫さんは下戸だそうです(笑)。


陰陽座 - 鳳翼麟瞳 ★★ (2003-11-20 03:38:00)

このアルバムはメタラーさんからヴィジュアル系ファン、普通のJ-POPリスナーまであらゆる人が楽しめる工夫の凝らされた一枚だと思います。
特に、先行シングルで妖艶さと疾走感の交じり合った④、10分の大作でありながら一秒足りとも飽きさせない曲展開の⑤、黒猫さんのロックシンガーとしての才能を見せ付ける⑥の流れが素晴らしいです。他にもイントロから繋がる舞い上がる鳳凰の如きリフを持つ②、メロディのキャッチーさが素晴らしい⑧、ピアノとボーカルのみの静謐なバラード⑨といつにも増して楽曲が充実しています。また、瞬火さんもメタル的歌唱より妖艶さのある歌声を多用していて、この変化は個人的に超大歓迎です(特に⑤は聴きいってしまう)。
新規ファンを十分に獲得できる力を持った一枚ではないでしょうか。


陰陽座 - 鳳翼麟瞳 - 星の宿り ★★★ (2003-11-03 23:18:46)


「———————。」
…初めて聴いた人は、余りの美しさに声を失ってしまうであろうバラード曲です。宮崎アニメにも使えそうなほど普遍性(大衆性じゃなくて)のあるメロディ、言葉よりも雄弁に詞の情景を伝えるピアノ、三途の上で輝く夜空を思わせる幻想的かつ美しい詞…本当に修斗さんの言う通り、この曲を聴いて何も感じない人は感受性が欠如しているか「ワタシハナニモカンジナイ」という催眠術にかかっている(笑)としか思えない、それほどの美しさを持った楽曲です。陰陽座に興味がない人でも聴いて欲しい!!


陰陽座 - 鳳翼麟瞳 - 飛頭蛮 ★★ (2003-11-05 07:29:04)

シャッフルのリズムに物語調の歌詞を載せた曲。
私はCDを買ったときはまず歌詞を先に読むタイプなのですが、白狐さんの仰っている部分の歌詞には仰天しました(笑)
この曲の肝は黒猫さんの歌部分のドラムのフレーズだと思います。力強い叩き方がカッコいいです。個人的には犬神サーカス団っぽい曲に感じました。


陰陽座 - 鳳翼麟瞳 - 舞いあがる (2003-11-18 21:13:45)

アルバム「鳳翼麟瞳」のエンディングテーマにあたる曲。
初めて聴いたときはちょっとびっくりでしたが、この曲は瞬火さんのベースのフレーズがとってもカッコイイです。
ただのポップソングで終わらない所が陰陽座らしくてなかなか。


陰陽座 - 鳳翼麟瞳 - 麒麟 ★★ (2003-11-19 16:31:11)

「金・輪・際」のコーラスとその部分の無茶苦茶格好良いドラムフレーズが特徴の、疾走感のある曲。
全体を通してみると激し目ですが、黒猫さんのソプラノ歌唱がいいフックになって神々しい感じが良く出ています。コーラスパートがあるのでライブ映えしそうな一曲。


陰陽座 - 魔王戴天 ★★ (2007-08-18 16:43:00)

「最高傑作という言葉すら生温い」か…。
個人的には、以下の3点を除いて最高傑作と言って良いと思います。かなりキツイですが…
1・歌メロのキャッチーさの減退。
今作、「魔王」「黒衣の天女」等のキラーチューンですら、歌メロだけに絞ってみれば
「蛟龍」や「睡」「妖花」辺りに及ぶ曲が見当たりません。陰陽座がただのメタルバンドなら
良いのかもしれませんが、彼らの魅力の中には歌謡曲要素とメタル要素を上手く共存させて、
海外のバンドには無いキャッチーさを出している、というのもあると思うので…
わざわざその魅力を捨て、平均的なメタル音楽に近付く必要はないのではないかと思います。
2・瞬火さんの歌唱。
今作では彼はがなり気味の歌唱を多用してますが、彼がそういう歌い方をするといまいち
野蛮さに欠け、声の細さが露呈している気がするんですよね…「骸」などは特に。
メジャーデビューした辺りから歌唱力が上がり、前作や前々作では色気のある歌い上げを
聴かせてくれていただけに、今回のパフォーマンスの微妙さにはちょっとがっかり…。
個人的には、いまいちこのがなりスタイルでの声の弱さは味として捉えられなかったり…。
3・妖怪っぽさの減退。
前作と比べると大分「妖怪っぽさ」はあると思うんですが、それでも初期の二枚と比較すると
減退していると言わざるを得ない。もちろんメジャー志向になるのは悪いことではないと
思いますが、それなら歌のメロディはもっとキャッチーな方が良いと思います。
正直言って、この作品はメジャー性とアングラ性のバランスが中途半端で物足りない。
それが、結果として過渡的な作品っぽい印象を与えてしまう感じ。
相変わらずバラエティには富んでるし、音質も前作より全然良いし、演奏のかっこよさで
言ったら過去最高だと思います。でも上記の要素が大きすぎるため、陰陽座のアルバムでは
個人的なお気に入り度は並程度と言わざるを得ないかもしれません…。
J-POPが土下座して謝るくらい歌メロが鮮麗で、インディーズでの作品並に妖怪度や
変態度が高く、それでいて「鳳翼麟瞳」「臥龍點睛」並にメジャー志向の音楽で、
「夢幻泡影」並にアルバム全体の完成度が高くて、今作並に演奏がかっこいい。
そんなアルバムを作ってくれないんでしょうか…。「最高傑作という言葉すら~」という
発言から、当り前の様にそういう物を期待してたんですが…。
なんか長々と文句ばっかりすみません。でもそれだけ期待しているバンドだということで。


陰陽座 - 魔王戴天 - ひょうすべ ★★★ (2007-08-15 18:17:37)

個人的には、「魔王」「黒衣」などの一般的にキラーチューンとされているだろう曲を差し置いて、アルバム中で最も気に入ってしまいました。HR/HM要素、歌謡曲要素、妖怪要素の陰陽座らしい三位一体性が最も良く現れている曲だと思います。


陰陽座 - 魔王戴天 - 黒衣の天女 ★★ (2007-06-30 16:39:24)

元はシングルのつもりはなかったらしく、「甲賀忍法帖」「妖花忍法帖」辺りと比べるとあからさまなキャッチーさは押さえられた、ヴォーカルの力量で引っ張るサビでちょっと物足りない。
この曲も山田風太郎さんの小説がベースで、子を育てるために体を売った未亡人の元に、戦争で死んだと思われていた夫が客としてやってきた場面での葛藤がテーマみたいです。こういう文化に敬意を払っている所は尊敬しているし、また尊敬されてしかるべきだと思います。…でも、もっとクサメロを(笑)!!


陰陽座 - 夢幻泡影 ★★ (2004-04-15 22:56:00)

まず思ったことなんですが、恐らくCCCDを止めたおかげで本来の迫力のある音質に戻っている事を嬉しく感じました。「鳳翼麟瞳」もこれくらいの音質で録って欲しかったですね。
私はほとんど「ヘヴィローテーション」で同じアルバムをかけ続ける事はしないんですが、このアルバムは何回も繰り返して聴きたくなってしまいます。
ボーカリスト2人の歌は前から上手いと思っていたんですけど、このアルバムに来て更に上手さがアップしている印象があります。特に「睡」や「鼓動」などの曲ではビブラートが本当に心地良くはまっていたり、「輪入道」での演歌風のコブシ、「煙々羅」の艶のある声、「河童をどり」での超ハイトーンや「舞頚」でのデス声など歌謡曲的な見地から見てもとても良いアルバムだと思います。
もちろん演奏も聴き所満載でかっこいいし、もう名曲しか入っていないほどの勢いなので買って絶対に損は無いアルバムだと思います。
陰陽座を知らない人にこのアルバムを聴かせたら驚くんじゃないでしょうか(笑)


陰陽座 - 夢幻泡影 - 鼓動 ★★ (2004-01-06 23:09:53)

狩姦さんの事をモチーフにしたらしい詞が面白い曲。
とくに「春夏秋冬」を歌っているところでは笑いが込み上げてくるようです(笑)
この曲は珍しくサビを瞬火さんが歌ってますが、やっぱり声質がいいですね。もちろんこういう曲は大歓迎です。
この曲についてのインタビューで、黒猫さんの「(歌詞に「パッツン」という単語が入ってたりして、という冗談に対して)それは瞬火が許しても私が許しません(笑)」は私的名言です(笑)


陰陽座 - 夢幻泡影 - 邪魅の抱擁 ★★★ (2004-04-15 08:09:02)

この曲でまず驚いたのはサビのツインボーカルで全く違う歌詞を歌いながらそれが一体になってる(説明が難しい…)所です。本当に瞬火さんの作詞能力は凄いです…他にもサビの語尾と2回目のAメロの頭が重なっていたり、細かい所でも歌詞に技巧が見られます。
あと、前作と比べて音に厚みが増してて、聴きやすくてそれでいて聴き応えのある音質になっているのが良いです。


陰陽座 - 夢幻泡影 - 睡 ★★★ (2004-01-06 22:57:19)

「醒」と対を成すところのシングル曲。
この曲はサビのメロディがキャッチーだけど深みがあって、聴いた瞬間瞬火さんは凄いメロディメイカーだなぁと感じました。黒猫さん曰く「水鳥が優雅に見えるけど水面下で足がめっちゃもがいてる感じ(笑)」のファルセットの使い方も絶品です。
歌詞は…オブラート50枚に包んだとか言うだけあって、どんどん難解になってます(笑)。一応言わんとしている事は分かるような気がしますが、殆ど洋楽を聴く感覚です。


陰陽座 - 夢幻泡影 - 舞頚 ★★★ (2004-04-15 08:09:43)

この曲は兄弟のデス声とその間に挟まれるキャッチーなギターのメロディが凄くかっこいいです。
ただ、後半になると全くデス声が登場しないのが少し物足りないかもしれない…といっても、やっぱりメロディが良くて聴き応えのある曲なので★は3つあげちゃいます。


陰陽座 - 夢幻泡影 - 輪入道 ★★★ (2004-04-15 08:09:23)

演歌とメタルの融合という、日本に生まれたことの特権を生かしたような超名曲。
海外の文化を用意に吸収、消化してしまう日本人の特性がよく顕れている、陰陽座屈指の名曲になっていると思います。


陰陽座 - 夢幻泡影 - 涅槃忍法帖 ★★ (2004-04-15 08:08:43)

忍法帖シリーズはインタビューによると「4分程度」「黒猫さんメインの歌」「狩姦さんの忍法的なソロ」というような制約を課しているようですが、今回は制約を一つ減らし6分以上の大作にしてみたようです。
途中までは従来の忍法帖と同じく疾走感のあるメロディアスな曲ですが、語りパートや幻想的なパートを経てから最後のサビに入るのが新しいです。
個人的には語りの前のパートのギターのメロディが凄く好き。


陰陽座 - 妖花忍法帖 - わいら ★★ (2003-11-19 16:30:58)

本当に陰陽座のカップリングはレベルが高い…
この曲は最近では珍しく瞬火さんがサビを歌ってますが、タメが効いていてどこかサディスティックな香りのする歌唱がカッコイイです。イントロのややへヴィなリフもなかなか良いです。
カップリングに「実験作」と称して大したメロディも持たない曲を入れてしまうバンドには見習わせたい一曲。


陰陽座 - 妖花忍法帖 - 目々連 ★★ (2003-12-01 22:46:13)

…幽霊のような曲(笑)。特に「威霊の一手」なんてもう幽霊の声にしか聞こえません。
ホラー映画やホラーゲームの後に聴く事をお勧め…出来ないです。
個人的には後半のカッコイイ疾走パートは頂けないかも、この曲に関してはずっとテンション低めでいって欲しかったな。


陰陽座 - 煌神羅刹 ★★ (2003-11-26 18:43:00)

陰陽座のアルバムの中では最も疾走感のある曲を多く含む一枚。
①②③⑤⑥⑦⑨とアルバムの7割が疾走感のある曲で、しかも曲の一つ一つに個性がありイメージの被ってしまう曲が一曲も無いことに瞬火さんの意地みたいな物を感じてしまいます。
メジャー第一弾(通算3rd)だけあって前作までのおどろおどろしいアングラ風味は薄れた感がありますが、④や⑧~⑨の組曲など戯曲的な物語のある曲も演っています。
一曲目がツインボーカルと和を感じさせるギターフレーズという陰陽座の特徴を持った「羅刹」で始まるので、このアルバムから聴き始めた人でも一気に世界観に浸って聴けることと思います。
疾走感のある曲が好きな人はまずこのアルバムから聴くと良いと思います。


陰陽座 - 煌神羅刹 - 月に叢雲花に風 ★★ (2003-11-03 22:11:34)

陰陽座では初のシングルとなる曲ですね。
一度聴いただけでは上手い女声ボーカルとフックのあるメロを持つポップな曲と思うかもしれませんが、Aメロ部分の黒猫さんの伸びのあるボーカルとそれに絡む瞬火さんの喉に引っ掛けるようなヒカップ唱法(?)、さらに瞬火さんの唄パートの部分のバックのちょっとおどろおどろしいギターフレーズなど「おぉ!!」と思わせる部分が多く、ただのポップソングとは程遠い作りになったなかなかの名曲だと思います。


陰陽座 - 煌神羅刹 - 組曲「黒塚」 ★★★ (2003-11-12 07:59:44)

バラード曲「安達ヶ原」と、疾走感のある「鬼哭啾々」の2曲からなる、安達ヶ原の鬼婆の物語を陰陽座の解釈で綴った曲。
一曲目は癒されそうなアコギとストリングス系の音に悲しげなメロディが乗っていますが、曲の最後に突然恐ろしげな科白が入ってきます。
その科白に導かれて始まる2曲目は、鬼婆役の黒猫さんと陰陽師役の瞬火さんの歌声が絡む、ちょっと演劇的な曲です。中間部に一曲目のメロディをアレンジしたようなメロウなパートが入ってくるのが絶妙で良いです。


陰陽座 - 煌神羅刹 - 陽炎忍法帖 ★★★ (2003-11-12 08:12:33)

他の曲と較べてややキャッチーさでは劣ると思われるものの、いきなりな格好良いギターフレーズに耳を惹かれてしまう一曲。
「狩姦さんがソロで忍法を使う」というテーマで制作される「忍法帖シリーズ」だけあって、煙に巻かれる(忍法だけに「煙玉」かも)ような不思議なギターソロは必聴です。黒猫さんが珍しく倍音歌いなのも格好良いです。ただ、あのコーラスはちょっとハズかしい(笑)


陰陽座 - 煌神羅刹 - 羅刹 ★★★ (2003-11-09 07:54:40)

和な雰囲気のシンセに導かれて始まる、陰陽座らしさの存分に詰まった曲。
この曲はイントロやソロでの和なギターフレーズ(これが「和音階」なのかな)、何気に歌詞の繋がっているツインボーカル、疾走感のあるドラムなどまさに「妖怪重金属バンド」の極みと言えるでしょう。
上記のキャッチコピーに惹かれて陰陽座に手を出そうと思っている人は、まずこの曲を聴くのはどうでしょうか。


陰陽座 - 煌神羅刹 - 朧車 ★★★ (2003-11-20 21:46:30)

「煌」とならび、瞬火さんが「煌神羅刹」の中で最も気に入っているらしい曲。
無駄のない音作りが特徴の陰陽座の曲でも、これはホントに一部の隙もないような曲です。黒猫さんのハイトーンはやはり素晴らしいですね。


陰陽座 - 煌神羅刹 - 煌 ★★ (2003-11-12 08:06:44)

短い中にもツインボーカルやカッコいいリフなど、陰陽座の魅力がたっぷりと詰まった一曲。
「腫れ上がり輝き出す」の、ライブ盤の歌い方が妖艶で良いです。サビのハモりのコツは、本人達曰く「ビブラートの部分まで合わせる」だそうです。「鉄槌」の部分で拳を振り上げたくなる、ライブ映えしそうな曲だと思います。


陰陽座 - 魑魅魍魎 ★★ (2008-09-10 22:03:00)

個人的な印象としては「凄く順当なアルバム」。
前作では「メタルであること」に固執するあまり、妖怪っぽさや歌メロの豊穣さが
いつもより減退していた感がありましたが、今回は前作のメタリックでヘヴィな音質や
演奏などの良い所は残しておきつつも、そうした要素をクリアしたような作風になってますね。
「魃」なんかは歌謡メタルとして他に追随できるものがいないくらいかっこいいですし、
「道正寺蛇ノ獄」のような大作もあるし、完成度でいったら過去最高かもしれません。
…ただ、どうしても苦言を呈したくなるんですが…
この作品全体を通じて、良い意味だけではない「安定感」があるんですよね。
このアルバムを聴いて、「この歌メロ良いな」「このリフは痺れる」「この展開は絶妙」とかは
思っても、「おおおお!!!何じゃこりゃ!!」みたいな、心底から驚愕・感動させてくれる部分が
無くて、殆どが予定調和のまま進んでいって、最終的に「うん、良い作品だね」みたいな感じ。
今までの、「妖花忍法帖」「星の宿り」の余りにも儚いメロディや、「邪魅の抱擁」「睡」の
ストレートなかっこよさ、「輪入道」のような演歌とメタルの融合というサプライズなどは
聴き込むまでもなく、感動して一人で聴いているのが勿体無くなり、こういう素晴らしい音楽が
あることを誰かに伝えたくて、いてもたってもいられなくなるような興奮を覚えたものですが、
今作にそこまで感動できるものがあるかといえば、正直首を傾げざるを得ないと思う。
アルバム全体としても、妖怪をテーマに据えてるのにも関わらず、歌詞以外からは
初期の二枚より妖怪らしさが感じられなかったり、どうも突き抜けた所がないという印象。
瞬火さん、ツアーでファンと触れ合って、作品作って売って…っていうサイクルに満足して、
ハングリー精神を失ってしまったのでなければいいけど…。
ただ、陰陽座って、前々作で音質の貧弱さを指摘された時も、前作でメロディの弱さを
指摘された時も次の作品ではそれをしっかり克服してきているし、着実に良くなってる
バンドだと思うんですよね。それだけに、次の作品ではこのマンネリ感を払拭し、
リスナーを心底震え上がらせてくれるような、突き抜けたアルバムを期待したい所。
いっそメンバーには陰陽座以外にも何かアウトプットを持って欲しい気もします。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - がしゃ髑髏 ★★★ (2008-09-15 17:48:42)

バンドが一丸となって「がしゃ髑髏」を表現する面白い曲。
歌詞もアンサンブルもメロディもがしゃ髑髏感がありますね。特に瞬火さんのヴォーカル、聴いてて「♪屍と屍が~」の辺りはほんとにこの人の頭の中ではそういうシーンが映し出されてるんだろうな…とか思います(笑)。個人的には、「♪去らねば喰らう迄」の歌メロから少しダサい印象を受けてしまったんですが、リフがかっこいいので問題無し。他の部分の歌メロは好きです。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - にょろにょろ (2008-09-17 22:14:53)

「鎮魂の歌」で亡くなった戦士達が心に描いた、「光射すこの阜を/また幼子は駈けるだろう」という情景が浮かぶような歌詞で、前曲と続けて聴くと感動できる…と言いたい所なんですが、ヴォーカルの第一声でずっこけました(苦笑)。「舞いあがる」とかもそうですが、黒猫さんって作為的な可愛らしさに頼らないでポップに歌いまわすことが、実は苦手なんじゃないのかなあ…。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 鬼一口 ★★★ (2008-09-11 18:19:00)

この曲はAメロ部分が特に素晴らしいです。「このリフにこの歌メロが乗るか!」みたいな驚きがあるし、歌い方もおどろおどろしくてかっこいい。続く掛け声とデスヴォイスの掛け合いで更にテンション上がる。
でも、後半は死の間際の周りがスローモーションに見える現象を表現したかのようなパートが中心で、その痺れるパートが繰り返されないのがちょっと残念かも。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 紅葉 (2008-09-15 17:54:17)

これはちょっと…なんか最初からシングル路線の中庸を目指して作られたみたいな印象がある…。そういう考えで作られたならがっかりだし、逆にシングルらしい鮮烈な曲を出そうとしてこんな中庸感のある曲が出来たなら、それはそれでがっかり…。
どっちに転んでもいまいちポジティブな印象を持てない曲。クオリティ的には星2,5個くらいなんですが、がっかり感があったので1個。コンセプトに拘りすぎたのでは…。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 酒呑童子 ★★★ (2008-09-11 18:24:13)

1曲目に力強い曲で攻めるのは「靂」を思わせますが、メタルにしては余りにもへちょい音質で成功したとはいいにくい「靂」と違い、こっちは存在感を示す事に成功していると思います。どこか幽玄さもあって、靄の中に圧倒的な存在が佇んでいるかのような、ミステリアスなムードも感じられますね。
ただ、瞬火さんのヴォーカルが…最初はいいんですが、がなる箇所が声が細くて曲の存在感に負けてる感があるのが惜しい…。もっと威風を感じさせるがなり声が出せるようになって欲しい。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 青坊主 (2008-09-17 22:02:25)

シングルやバラードなどのタイプの曲では垢抜けた雰囲気を維持しつつ、こういう曲で今の演奏のかっこよさをキープしたまま初期のおどろおどろしさを表現できれば、もっと凄いものが出来そうな気がします。この手の曲までメジャー感を出さなくてもいいと思う。
サビはちょっと惜しい感じ。瞬火さんは声質的(歌唱法の問題?)に、N音で韻を踏むと鼻が詰まってる感じがしてイマイチかも。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 鎮魂の歌 ★★★ (2008-09-17 22:08:51)

陰陽座のバラードって良いものが多いですが、これはその中でも屈指の名曲と言っていいと思います。歌詞は大切なものを守るために、妖怪(?)に挑んで散っていった人たちへのレクイエムでしょうか。歌詞を読みながら聴いてると涙腺に来ますね…。
…日本人って、作り手のリアルライフと直結したような歌詞を高く評価する傾向があると思うんですが、こういうファンタジー的な創作で人の心を揺り動かす事って、それ以上に才能が必要になってくると思う。陰陽座ってやっぱ凄いバンドですよ…。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 道成寺蛇ノ獄 ★★ (2008-09-11 18:32:56)

妖怪についての11分を超える大作なんですが…妖怪化のプロセスが結構通俗的というか、共感できるものなので感情移入しやすいと思います。尤も、この引き込まれる感じも歌の表現力や編曲の上手さがあってだと思いますが。特に後半の、黒猫さんの近付きたくなくなるようなマジギレヴォーカルが素晴らしい。1曲こんな声で歌謡メロスピ演って欲しいんですが、流石に無理かなぁ…。
ただ、「奇子」や「鵺」と比べると上手く纏まりすぎてしまってる気がするのは少し残念。もう少し衝撃的な部分があってもいいと思う。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 魃 ★★★ (2008-09-11 18:37:15)

個人的には今作一番の悶絶チューンです。
リフだけを聴いていても、歌メロだけを聴いていても充分かっこいいと思えるような、作曲能力の充実振りの光る曲。しかもメロもリフも気分を高揚させるようなもので、方向性に全くブレが無いのがいいですね。


英雄伝説 閃の軌跡 (2014-06-12 23:08:30)

2013年に日本ファルコムがPS3、VITAでリリースしたRPG。
最近になって続編の「閃の軌跡Ⅱ」の発売が発表されましたね。

まずこのゲーム、JRPGとしてはひとかどの評価を得ている「軌跡シリーズ」(「空の軌跡」より繋がる一連の作品群)の目下最新作であり、RPGとしての面白さはしっかり備えている事は確かと言えるでしょう。クォーツやオーブメントによる魔法システムに変更があったり、敵の弱点を突き体性を崩す事が重要になる戦闘システムが追加されたりなど、若干の変化や進化はありましたが、ゲームシステム自体は相変わらず安定して遊びやすく作られていますね。このシリーズ特有の、同じモブキャラでも時期によって会話内容が変わるやたらテキストデータ多そうな仕様ももちろん完備。

ですがこのゲーム、色々と作りが甘いせいで、シリーズファンの期待は残念ながら満たせていないように感じるんですよね…。少なくとも、私はかなりの不満がありました。まずはロードが恐ろしく長い事。今回は帝国の士官学校が舞台なんですが、校舎から出たり入ったりするだけで凄まじく長いロードが…。現在はパッチでかなりマシになったようですが、快適にゲームをプレイさせる事に定評のある日本ファルコムらしくないですね…セルセタは気にならなかったのに。ネオジオCDプレイ済みの私でも長く感じるんだから相当ですよ(笑)。ロードが嫌で、なるべく広いマップには出ないよう心がけていましたが、ユーザーにそんな風に気を遣わせるのは今時のゲームとしてどうかと。

もう一つ大きな不満は、進展しないストーリー。詳しく語るとネタバレになるので避けますが、ゲームを通じて対立していた組織との決着も付かず、仲間の抱えていた謎も分からないまま、新たな謎を提示して終わる…というエンディング。今回はエレボニア帝国という、余り描かれてこなかった地域が舞台ということで、例えば結社の進める計画であるとか、シリーズ全体の根幹に関るような要素が大きく動き、良い意味でプレイヤーを翻弄してくれる展開を期待していたのですが…なんか随分とこじんまりしてしまった印象。新しいプラットフォームに移った事ですし、景気良く話が展開されると思ったんですが、実際に感じたのは「出し惜しみ」という言葉。

他にも、「モーションが微妙」「絆システムのせいで却ってキャラの関係性が希薄に」なども批判されているようですが、個人的には別にそれは些細な事でしかないです。長いロードはゲームプレイの楽しさ、ストーリーの出し惜しみはワクワク感…と、ゲームをプレイする動機の根幹それ自体に関わってきますからね…。
もしかすると、この作品は次回作への「飛び石」的な作品なのかもしれません。長いロードはパッチによって改善できたわけですし、シナリオライターの力量によっては「今作があったからこそ、シリーズ全体が素晴らしいものになった」と思わせることも出来ると思います。尤も、これ以上出し惜しみするようなら正直付いていけなくなりそうですけど。そろそろ軌跡シリーズは出来うる限りドラマティックに風呂敷を畳んで、英雄伝説シリーズの新編に移行しても良いんじゃないでしょうか。もちろん軌跡シリーズで得た事は活かしつつ。


英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ ★★ (2014-10-17 11:32:40)

2014年に日本ファルコムがリリースしたRPG。
タイトル通り去年出た「閃の軌跡」の続編。

前作の伏線未回収のまま、丸投げで終わるエンディングは不満ながら、今後のストーリーで挽回できれば「飛び石」として納得できるものなのかも…と思ってましたが…。駄目でしたね(笑)。まるで風呂敷を広げるだけ広げて、その中でどれだけこじんまりとした展開が可能なのかを競うような、閉塞感漂うストーリーが展開されてしまっています…。

散り散りになった仲間を集めるだけでストーリーの半分の第1部が終了、第3勢力を自称しながら身内の救出を大義名分に正規軍の手伝いしかしてない第2部が終われば、もうストーリーの終盤って、おざなりにも程があるんですが。一応終章では話が大きく動きますが、前作の実習パートを圧縮して、今作の第1部第2部をダイジェストにすれば、十分1本に収まる内容だと思う。わざわざゲームソフト2本立てにするほどの話とは思えませんね。

また、各レビューブログやAmazon、mk2などの各種批評サイトで散々言われてるにも関わらず、強大な敵と対決し倒す→敵が実は本気出してなくてこちら側がピンチに→助けが入る、という流れのワンパターン振りが一向に改善できてない、むしろ悪化してるのも不満。強大な敵って倒す事で主人公達の成長を示すランドマークになったり、壁として立ちはだかる事でストーリーを盛り上げたりする役割があると思いますが、今作はどういう役割を果たしてるの?と疑問。敵の強大さを描いただけで、その先が何も無い感じ。

正直前作でⅦ組メンバーはちょっと飽きたな…と思ってたので、仲間メンバーが増えるのはかなり楽しみにしてたんですが…大半のキャラが一時的な参戦で、実質ストーリー部分ではⅦ組メンバーを使っていかなければならないのがかなり不満。ストーリーがほぼ終わった後日談でようやく好きなメンバーでパーティ組めますが、トヴァルやシャロン、アルフィン、トワ、アンゼリカ辺りはストーリー上無理なく戦闘メンバーに出来たのでは。Ⅶ組メンバーがストーリーの進行に必須ならサブ枠とかでもいいと思うし。

…なんでⅦ組メンバーに思い入れが持てないかというと、これも散々言われてますが「絆システム」の導入が原因かと。選んだキャラを掘り下げると言えば聞こえがいいですが、実際は選ばれなかったキャラは掘り下げがない、という事ですからね…。しかも主人公との絆イベントしかないし。どうせやるんだったら、スターオーシャン2のように戦闘メンバー同士ならどの組み合わせでもカップル成立可能とかすればいいのに、中途半端だと思う。見た目が好みなユーシスとアルフィンをくっつけたかった(笑)。製作者側が全く推してないカップルをプレイヤーの意志で成立させられるのとかは好きなんですけどね。現時点では微妙。

と、ここまで不満をだらだらと述べてきましたが、決して遊んでて楽しくないゲームではないんですよね。ロード時間は大幅に短縮され、戦闘モーションもある程度改善されており、前作のストーリー面以外での不満は概ね解消されてるかな、という印象。リンク相手と協力し、一方的に攻撃の出来るオーバーライズ、全EPを消費して発動するロストアーツなど、より爽快にバトルを進められるシステムが追加されたのも嬉しい。ロストアーツ持ちのキャラのターンにゼロアーツが回ってきたときのテンションの上がり具合は異常(笑)。ついつい雑魚に喧嘩売りまくってしまいます。

ぶっちゃけこのゲーム、戦闘メンバーの限定を含めたストーリー面以外での不満って、実はそんなに無いんですよね。ロード時間などのインターフェイスが改善されたお陰で、いつものファルコムらしい親切なプレイアビリティのある仕上がりだと思いますし。ただ、ストーリーRPGを自称してるのにストーリーが一番の不満点ってどうなんでしょう。福音計画って空の奇跡の時点で完遂してましたよね。ゲームを4本使っても全貌の分からない幻焔計画って一体…。もう盟主も計画とかどうでも良くなってるのでは(笑)。もしくは計画を薄く引き伸ばす事が目的とか。早く何とかしてください。


下田麻美 - Dream ★★ (2010-12-26 17:24:38)

2010年発表の5曲入りミニ。

今までは、ヴォーカロイドのセルフカヴァーや、キャラクターに扮して歌うものなど、
声を作って歌った音源が多かった彼女ですが、本人名義のミニアルバムが出ると聞いて
かなり期待してました。比較的声を作っていないと思われる「Daydream」「Prism」
などの、ストレートな歌唱がかなりかっこよかったので、もっと聴きたいと思ってたので。

結論から言うと、そういう希望にしっかり応えてくれる作品。
5曲とも癖のない歌唱で、特に荒々しい歌詞に応えるかのような、勢いのある歌声の
聴ける1曲目は素晴らしいと思う。他の曲も、上手いだけでなくて、どこか「粋」な
感じがあって良いんですよね。アニメ/ゲーム分野での活躍が多いアーティストの作品に
しては、ギターロック風味が強めなのも特徴で、それが声質の「粋」な感じに合ってると思う。

ただ、シンガーのソロ名義のアルバムなのに、ヴォーカルのミックスはいまいち。
80年代ロックバンドの「風呂場風ヴォーカルエフェクト」を、微妙に引きずってる
ようなミックスなんですよね…しかも歯擦音の処理もいまひとつで、耳に刺さる感触がある。
3曲目なんかは、もっとミックスが良ければ感動的なものになったかもしれないのに、
惜しいです。少し残念な面もありましたが、彼女の声や歌い方が好きならマストかと。

何かで北斗のマミヤのような、強い女性が好きと言ってましたが、そういう媚びなさや
かっこよさが感じられる作品だと思います。ただ、目線を外さないジャケはちょっと怖いかも…(笑)。
だって構図がNACHTMYSTIUMの新作と…すみません、何でもないです。


下田麻美 - Prism (鏡音リン・レン Feat. 下田麻美) - Daybreak ★★★ (2010-10-16 23:48:48)

イントロの、悲愴だけどかっこいいストリングスで名曲の予感。
本編も一昔前のダンス系ポップスのクールさと、最近のバトルものの
主題歌の熱さを兼ね備えたような曲調で、モロに私の好み。
サビの下田さんの芯のある歌い方を聴くと、闘志が湧いてきますね。


下田麻美 - Prism (鏡音リン・レン Feat. 下田麻美) - Prism ★★★ (2010-10-16 23:42:16)

このアルバムのための書き下ろし曲。
特にこの曲のサビなどで顕著ですが、下田さんの作ってない
歌声って、単に力強いだとか綺麗だとかだけじゃなくて、
「懐が深い」という感じがするんですよね。
なにかのライナーノーツで、小さい頃から「一円玉の旅がらす」などの
演歌を歌ってたと言ってましたが、それも関係あるのかも。


下田麻美 - Prism (鏡音リン・レン Feat. 下田麻美) - ライバル ★★ (2010-10-16 23:50:19)

Aメロの歌い方がいいですね、悪女っぽくて(笑)
メロディそれ自体もエスニックで、妖艶な雰囲気があるし。
この人、やろうと思えばどんな歌い方でも出来そうですよね。


下田麻美 - Prism (鏡音リン・レン Feat. 下田麻美) - 炉心融解 ★★★ (2010-10-16 23:45:38)

この曲の人力カヴァー(しかも本人)というだけでも買い。
皆がカラオケで挑戦しようとして奇声を発して終わってしまう(笑)、
あの声帯で口笛を吹くかのような高音のメロディを、僅かにキーを
落としてるとはいえ、歌いこなしてるのが凄い。
歌上手いとは思ってたけど、ここまで凄いとは…。
表現力なども含めると、普通に歌手一本の人を超えてると思う。


花実 - 月の娘~DAUGHTER OF THE MOON~ ★★ (2009-11-16 22:33:00)

2007年発表の、おそらく1st。
…ぶっちゃけジャケ買いです。アートワークも素晴らしいんですが、ジャケの手触りも
良いですね(笑)。なんとなく「ビビッ」と来るものがあって、全く知らないアーティストなのに
作品を買ってしまったんですが、こんな素晴らしい音楽を聴かせてくれるとは…
第6感ってマジにあるのかも…。
路線は、ごく簡単に言ってしまえば、ZABADAKやKIRCHE、MAPLE LEAF辺りの、
ワールドミュージックやトラッドをベースとした、プログレにも通じる「情景の見える音」を
聴かせるポップス。シンガーソングライターを自称しているだけあって、上記アーティストよりも
音作りはややシンプルで、例えば駅の前で弾き語り演ったとしてもその魅力を十分伝えられそうな、
歌を聴かせる事に重きを置いた作風ですね。
しかし、このヴォーカルはヤバいでしょう…私の大好きな女性シンガーの内、例えば
志方あきこさんは多重コーラスと超高音の崇高な雰囲気、霜月はるかさんなら母性的な
包容力と柔らかい声質とか、色々好きになるポイントがあるんですが、花実さんのヴォーカルは
声質がただただ、純粋に美しい。声楽がベースにありそうな歌唱力も当然高く、ポップスの
スタイルでありながらLiv Kristine(LEAVES' EYES、ex-THEATER OF TRAGEDY)や
Sharon(WITHIN TEMPTATION)にも通じる、可憐な崇高さを持ってしまった感じ。
音質の良さとヴォーカルの声質・歌唱力のお蔭で、音数の少ないアレンジながら良質の
プログレ以上に、幻想的で優しい世界に浸らせてくれる作品。ただ、落ち着いた作風なので、
クサメタル経由でこのジャンル(トラッド系ポップス)に入った人には物足りないかも。
ゴシックを通じて、美しい女性ヴォーカルの魅力に目覚めた人や、ZABADAKやそのフォロワーの
ファン、NOIR誌の読者などには自信を持ってお勧め。


花実 - 月の娘~DAUGHTER OF THE MOON~ - おとぎばなしが、きこえる ★★★ (2009-11-16 22:37:08)

起伏のある歌メロと、自然界の音をそのまま再現したかのような繊細さが両立する、稀有な曲。…ほんと、この人の声ってそれだけでアンビエント・ミュージック並の情景描写能力があるんじゃないのかなぁ…そんな繊細さがありながら、変な癖のない素直な歌声なのが素晴らしい。


花実 - 月の娘~DAUGHTER OF THE MOON~ - ポケットにライカ ★★ (2009-11-16 22:37:59)

子供の頃夢見たような、淡いロマンティックさに溢れたファンタジー世界の日常を切り取ったような、可愛らしさのある1曲。可愛らしいんですが、歌声にはやっぱり美しくて、崇高な部分も。ああ、こんな世界に住みたいわ…この世界、クレーマーも酔っ払いもぜ~ったいにいないですもん(笑)。聴いててちょっと哀しくなってくる…。


花実 - 月の娘~DAUGHTER OF THE MOON~ - 月の回廊 ★★★ (2009-11-16 22:35:16)

情景の見える音楽好きなら、この1曲目で殺されてください。
櫂を漕ぐようなパーカッションと、水の波紋のようなギター、妖精の歌声を思わせる澄んだヴォーカル…本当に、月の夜、湖にボートで漕ぎ出していく気分が味わえますね…「ARIA」という癒し系漫画がありますが、その世界観を地で行ってると思う。そこに暗めのロマンティシズムを足した感じ。


花実 - 月の娘~DAUGHTER OF THE MOON~ - 十界の辻 ★★★ (2009-11-16 22:36:17)

これ、最初聴いた時は疾走曲のイメージだったんですが、よく聴くと中盤まで打楽器が入ってないアレンジなんですね。ギターの躍動感あるリフと、ヴォーカルのドラマティックなメロディによってそう感じるのかも。これはクサメロ好きにも大推薦です。


霞鳥幻樂団 ★★ (2010-01-23 22:38:00)

三味線、バンジョー、アコーディオンを含む8人編成のバンド。
…このバンドの登場は、クサメタラーには事件と言えるレベルかも…。


霞鳥幻樂団 - 衒学奇譚 ★★ (2010-01-23 22:31:00)

2009年発表の5曲入りEP。
メンバーの見た目からは、いかにも昭和のアングラ劇のような、おどろおどろしくて
サブカル臭のする音楽性を想像していましたが、実際にはコルピクラーニ辺りの
呑んだくれフォークメタルに近い、民族色の強い劇的なメロディが乱舞する、
極めて優れたクサさを持つ歌謡メタル。リズム面でもメロスピっぽい疾走パートが多かったり、
3拍子のポルカメタル風の部分もあったり、やっぱりクサメタルしてると思う。
正式メンバーにアコーディオンだけでなく、三味線やバンジョーもいる編成による、
音像面でのメリハリ、不機嫌な濁声からソプラノ、デス声まで使いこなす鞠嬢の
演劇派ヴォーカル、歌謡メタルならではの歌メロの起伏、そしてバンドイメージから
感じる多少のサブカル臭…その全てが曲の「クサさ」を彩る方向に働いていて、
ぶっちゃけコルピクラーニよりも数段クサい音になっていると思います。
…こういう編成だと、各楽器がメロディそっちのけでバトルを始めてしまったりする
ものですが、この作品は(各楽器の絡みを楽しめこそすれ)そういう部分が殆ど無く、
ひたすらにメロディ重視なのが素晴らしい…というか、クサメタラーの感性にビシビシ響きます(笑)。
ただし、かなりクサメタル成分が強いので、母檸檬とか黒色すみれ辺りが好きな、
年季の入った真性国産ゴシックファンには合わない可能性も。
クサメタル、フォークメタル、犬神サーカス団などの国産メタルが好きな方には大推薦です。


霞鳥幻樂団 - 衒学奇譚 - Forest ★★★ (2010-01-23 22:37:12)

このバンド、昭和アングラっぽい世界観以前に、絶対にフォークメタルを意識しているとしか思えないんですけど…特に「♪in this place」のメロ回しなんかいかにも呑んだくれメタルバンドが演りそうだし。アンサンブルや歌メロのお蔭で、海外のフォークメタルよりも数段クサさは上ですが。


霞鳥幻樂団 - 衒学奇譚 - 四方八方 ★★★ (2010-01-23 22:34:35)

1曲目のイントロから独特の編成によるアンサンブルを大満喫してますね…まさかこんなクッサい音が出てくるとは思わなかったので、初聴時の衝撃はかなりのものでした。不機嫌にやさぐれたヴォーカルもかっこいいですよね。こういう歌い方すると、ちょっと犬神凶子さんっぽくもあり。


餓狼伝説 (2010-12-23 07:55:56)

通称タカラ餓狼。悪名高きSFC版です(笑)
妙に知名度はありますが、実際にやった人は少ないのでは。

ライン制廃止や、技が出にくいなどゲームの根幹に関わる改悪も
かなり多いですが、個人的にもっとも「酷い」と思ったのは声。
テリーが世にも情けない裏声で「パワー、ウェいっ!」って…(笑)。
プレイしたのはずっと昔で、当然いま手元にある訳ではないんですが、
今でもあの声を思い出すと妙な気持ちになります。

でも、当時の学生とかで、なけなしのバイト代をはたいて定価で
これ買った人はどう思ったんだろう…。
私だったら、マジで目の前が真っ暗になると思う。