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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1601-1700
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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1601-1700

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ETHEREAL WOODS - KENILWORTH (2011-10-05 22:41:30)

2008年発表の3rd。

触りの部分を聴いた感触では、妙に躍動感のあるリズムと、キーボードによるメランコリックなメロディを部分的に取り入れてはいるものの、喋り声をそのまま歪めたようなヴォーカルは弱いし、地味目なブラックなのかな…と思いましたが、途中でヴォーカルがちょっとラップのような歌い回しを付け出したときには耳を疑いました(笑)。あくまで「ラップっぽい」程度ですけど、突然こういう部分が来ると物凄く印象に残る。

他にも、最近のCRADLE OF FILTHの曲のクライマックスで使われそうなギターメロが唐突に登場したり、ゴシック趣味の強い耽美なピアノを大々的に取り入れてみせたり、催眠的なメロディをパーカッシブなリズムに乗せたり、とにかく一筋縄ではいかない展開が多いのが特徴。ただ、キーボードやトレモロリフがメロウなフレーズを弾くパートや、突飛な仕掛けを施したパート以外の部分は、ヴォーカルの殺る気のなさも相俟ってちょっと凡庸に聞こえてしまうかも。

まあ、中世的な上品さが感じられるメロディセンスは素晴らしいと思うし、引っ掛かりのあるパートは本当に魅力的なので、悪いアルバムというわけではないですが。特に10分を超える大作の6曲目、メロウなピアノが良い感じの5、7曲目など、後半に良い曲が多い印象があります。


ETHEREAL WOODS ★★ (2011-10-05 22:40:23)

イギリス産ブラックメタルバンド。
…やはりイギリスのブラックって、何か他と違う部分のあるバンドが多い気がする。


SLAVLAND - Tarcza Swaroga ★★★ (2011-10-04 22:29:11)

2006年発表の5th。

これは素晴らしいペイガンブラック!
民族メロディや戦争のSEを用いたオープニングからして、NOKTURNAL MORTUMを連想させますね。RAWなブラックメタルサウンドの上に笛や民族楽器による、余りにもクサすぎるお祭りメロが乗る音は、NMの「NeChrist」アルバムに近い世界観があると思う。パーカッションの導入も本格的。

バンド部分がアングラなスラッシュ要素の強かった「NeChrist」に比べると、こっちはプリミティブブラックの要素が強い感じですね。親しみやすいペイガン色全開のパートも非常に魅力的ですが、民族色の入ったトレモロリフが更に暗黒性に深みを増すようなパートも、それに負けないくらい素晴らしい。ヴォーカルの絶叫の必死な感じ、朴訥としたノーマルボイスにも惹き付けられます。

ただ、NMの「NeChirst」がある程度メロディ感を犠牲にしたプロダクションで、独特のアナログ感やテンションの高さを出していたのに比べると、こっちは「メロディを殺さないRAWさ」な音質なんですよね。「みょい~ん」みたいなエフェクトを持続音的に使ってみせたり、ドローンで呪術っぽさを醸しだしたり、前衛的な部分も多少ありますが、総じてメロディが前に出された、聴きやすいペイガンだと思う。

ある意味でエポックメイキングであり、それが熱狂的な支持を生んだNMの「NeChrist」と比較すると、こちらは犠牲にしているものが少ない分、ペイガンブラックの歴史を語るには外せないアルバム、とまでは言えないと思う。と言っても、メロディのセンス自体はNOKTURNAL MOTRUMに比肩すると思うし、NMよりもメロディックなので、クサメタラーはこっちの方が好みかもしれません。


SYLVAN REALM (REVERIE) - ISOLATION ★★ (2011-10-04 22:23:00)

2007年発表の1st。
「REVERIE」名義でのリリース。

個人的には、音質でかなり損をしてる音という印象。
作風的には、割と長めなアコースティックパートを挿入しつつ、トレモロリフのみに頼りきらない、メタリックでダイナミック、しかしメロディック・ブラックの繊細さはしっかり残したメロディを練り込んだリフ捌きで聴かせる、メロディ重視の聴きやすいブラックメタルという感じで、邪悪さは薄めですがロック的なリズムも導入され、ストレートにかっこいいと言える音だと思う。

ただ音質が、ブラックメタルとしては悪くない、むしろ音の分離はかなり良く、各パートの音ははっきり聴こえるくらいなんですが…メロディの繊細さの割に音作りが大味なのが惜しいんですよね。リフの歪みが妙に金属的だったり、ドラムのRAWさが逆に野暮ったく聞こえたり、音質と作風が今ひとつ合っていない感じ。アコギのパートも、あと少し繊細さがあれば、もっと魅力的になりそう。

とは言っても、特に聴きづらさがある音という訳ではないですし、リフやメロディがしっかりしていて曲のクオリティは低くないので、メロブラ好きにはお勧め。自主制作らしいですが曲はかなり良いですよ。


SYLVAN REALM (REVERIE) ★★ (2011-10-04 22:22:04)

アメリカ産ブラックメタル。
以前はREVERIEの名義で活動していたバンドで、名義変更と同時に独りプロジェクトからバンド形態に移行した経歴があるみたいです。現在はWOEのメンバーも参加。


CALVARIUM - Assaulting the Divine ★★ (2011-10-04 22:14:39)

2004年発表の4曲入りEP。
当初はBEHEXENとのスプリットに提供する予定だったとか。

ブラックらしい粗さを保ちつつ、この系統としては割と太めな音のリフと、邪悪が脈動するようなゴリゴリしたベースによって演出されるダーティな音質は、どちらかというとオールドスクール系や、ウォー系に近い感触がありますが…曲の方はダーティさよりも邪悪な空気感を重視した、カルトで地下臭いムードの充満した、プリミティブな路線ですね。

前述したようにプリミティブとしては低音が効いており、音が太いんですが、それが曲の邪悪さをより引き立てているように思います。太いバンドサウンドによって黒く塗り潰された視界に、神秘的なギターメロだったり寒々しいトレモロだったりのメロディが影のようによぎり、体の芯まで響くような暗黒度の高い雰囲気が演出されていると思う。

ただ、カルトではあっても何をやっているか分からないほど音がアレだったり、普通のメタラーが引くほどミニマルだったりすることはなく、しっかり「楽しめるカルトさ」として出力してくれているので、そこまで聴きにくい音ではないと思う。短いけど、プリミティブをある程度聴いていれば楽しめるであろう作品。


CALVARIUM ★★ (2011-10-04 22:11:43)

フィンランド産ブラック。
HORNAやBEHEXEN、SATANIC WARMASTERのメンバーや元メンバーによって構成されているという時点で、既にアングラでプリミティブな音を出してるというのが想像付きますよね。


SVARROGH - Kukeri ★★★ (2011-10-02 20:51:23)

2006年発表の3rd。
これは今まで聴いたペイガン/フォークメタルの中でも、特濃の作品。

ペイガン/フォークメタルバンドの中には、例えばトラッドを曲の合間に挿入したり、民族楽器や民謡のメロディをメタルサウンドに乗せたりするものが多くありますが、それらの音ってどれもメタルの展開や様式がまず前提としてあって、民族音楽の要素はあくまで「取り入れられた」ものであることが少なくないですが…

このバンドは民族音楽の要素とメタルの要素が、互角に配分されている感じですね。時には民族音楽の方がメインになることもしばしばで、流石に「~メタル」ではなく、「アヴァンギャルド・ブルガリアン・ミュージック」を標榜してるだけのことはある、濃ゆい音を出していると思います。

しかも民族音楽とメタルの混ぜ方が、パートによって全く異なるのが面白いんですよね。時にブブゼラのような音を鳴らしつつ猛然と、プリミティブに疾走したり、ほとんどトラッドだと思ってたら実はメタリックなリフが入ってたり、アコースティックなトラッドと苛烈な疾走をシームレスに繋げてみせたり…メタル部分の音は割とRAWですが、メジャーメタルとはまた違うダイナミズムを感じさせてくれます。

呪術的・儀式的アンビエントのようなパートもあり、民族音楽のエスニックで神秘的な雰囲気だけでなく、ダークで邪悪な部分もあるのが暗黒音楽好きには嬉しいところ。ELUVEITIEやKORPIKLAANIは言うに及ばず、NOKTURNAL MORTUMやNEGURA BUNGETを持ち出して尚物足りないというマニアの方には大推薦。


THRONUM VRONDOR - VRONDOR Ⅰ : EPITAPH OF MASS DESTRUCTION ★★ (2011-10-01 19:35:11)

2007年発表の1st。

粗くネクロな音質の中で、強烈ながなり声とトレモロリフを乗せて疾走する、タイプ的にはオーソドックスなプリミティブブラックという感じの音ですね。トレモロ含有率は比較的高めで、平均よりもややメロディアスな音。ただこのバンドの場合、音質の「粗さ」が結構特徴的で、それが魅力に繋がってますね。

他のプリミティブ系が高音強調型のシャーシャーした音を選ぶことが多いのに対し、この作品は高音域やや弱め、低音域やや強めの「ズモモモ…」という感触の音。これがリフのノイジーさを軽減して聴きやすくし、更に海底から響くような、独特の質感を生んでると思う。トレモロなど、メロディックな部分はしっかり前に出して聴かせてくれる辺りも、カルトになりすぎず良い感じ。

なかなか良い按配の、聴いていて心地よいプリミティブブラック。
個人的には刺々しい音質よりこういう音の方が好みだったりします。


THRONUM VRONDOR ★★ (2011-10-01 19:33:12)

ベルギー産ブラック。
今までに二枚のアルバムをリリースしてますが、二枚目はかのTotal Holocaust Recordsから出している模様。


LUSTRE - Night Spirit (2011-10-01 19:29:26)

2009年発表の1st。
20分を超える曲を2曲収録した、大作主義の作品。

音像全体をギターリフのノイズ質と、アトモスフェリックなキーボードの交じり合った靄のような音が覆い尽くし、そこに叙情的なピアノメロを乗せ、スローかつミニマルに進行していく、アンビエント寄りのブラック。ピアノメロはBURZUMの「Filosofem」を狂気的でなく、優しくしたような感触があって良い感じですが、マイクに近づいて無理矢理呼気で声歪めたようなヴォーカルはちょっと微妙かも。

この人はアートワークの写真も自前で撮っているらしく、音の方にも「情景的であること」に対する並々ならぬ拘りが感じられますね。1曲目はピアノを神秘的で奥行きのあるキーボードに代えたり、バンドサウンドを一旦引かせてアンビエントになったり、2曲目ではピアノが少なめな代わりに中間部に神秘的なキーのフレーズが出てきたり、展開は一応あるものの、音像の雰囲気は約40分通して一貫している感じで、この手の中でもミニマルさがかなり強い方だと思う。

個人的には、ちょっとミニマリズムが強すぎるかな…と思ってしまうかも。似た系統なら、ELYSIAN BLAZEやI SHALT BECOMEくらい展開がある方が私的には好み。ミニマル系の情景的な音に興味がない人にはお勧めできない音。


LUSTRE ★★ (2011-10-01 19:28:37)

スウェーデン産独りブラック。
HYPOTHERMIAに在籍していた事もあるNachtzeit氏のプロジェクト。


SELF-INFLICTED VIOLENCE - A PERCEPTION OF MATTER AND ENERGY (2011-10-01 19:23:24)

2009年発表の1st。

「自己に向けられた暴力=自傷」なんて、如何にも自殺系ブラックっぽい音出してそうなバンド名ですが…意外にもメロディは絶望感よりも儚さが強いですね。スロー~ミドルを中心に、そこはかとない哀感を醸し出すトレモロを聴かせるスタイルは、鬱系というよりはALCESTやLANTLOSなどの、シューゲイザー系ブラックに近い感触があります。

ただ、どこか優しい感じすらするメロディとは対照的に、ヴォーカルはマジで自傷行為に励んでそうな狂性があって、それが優しくなりすぎない緊張感を生んでいると思う。声を裏返らせたり半泣き気味になったりしながら、常に苦しげに何かを訴えるかのような声で、聴いているとなんか可哀想な気分になります(笑)。「哀れを誘う声」というのは、こういう声なのかもしれませんね。

…でも、個人的にはちょっとハマり切れないアルバムだったり。
そこはかとない哀愁メロディは、悪くはないんですが…。ALCESTの1stなんかは、聴いてると「強烈な」ノスタルジーを感じるんですが、このバンドの音は、確かにノスタルジーを感じさせはしても、「強烈」なものはまだ持ってないという印象。逆に抽象的なムードに埋没したい人には、これくらいメロディの流れが穏やかな方が向いてるかもしれません。


SELF-INFLICTED VIOLENCE ★★ (2011-10-01 19:22:34)

イギリス産鬱ブラック。
フューネラル系よりはシューゲイザー系に近い音出してるバンドですね。


MOROWE - Pieklo. Labirynty. Diably ★★★ (2011-09-30 22:40:32)

2010年発表の1st。
このバンドも、安易に「~系」とカテゴライズされる事を拒むような、独特の音を出してますね…。

不吉で毒性の強いメロディを軸に、ミディアムテンポを基調として舐るように展開する、妖しいムードたっぷりのアヴァンギャルドな音で、個人的にはVED BUENS ENDEやVIRUSをまともなメタルに更生させている途中、みたいな印象を受けました。メロディの妖しさはDEATHSPELL OMEGAやLEVIATHAN辺りにも通じるかも。ヴォーカルも第一声からいきなり未知のウイルスに脳を焼かれたような、気色悪い狂性を持った声で聴き手を迎えてくれるし、なかなかグロ度の高い音。

しかし、ここまでならそこまで個性的とは言えないんですが、このバンドが面白いと思うのは、どこかポーランド産デスに影響を受けたような、ヘヴィさも感じられること。全体的には毒素がアトモスフェリックに漂うような作風なんですが、刻みの重さやツーバス連打は、「そのパートの音作りに限って言えば」ブルータル系っぽい音なんですよね。ヴォーカルも迫力出して吼えるべきところはキッチリ吼えてくれますし、メロブラ的トレモロ疾走は普通にかっこよかったり。

妖しく毒々しいアヴァンギャルドなムードと、ヘヴィネス重視のブルータルさって水と油だと思いがちですが、このバンドはその二つを上手く融合させているところが、非常にユニークだと思う。メロディや展開が醸し出す毒素のたっぷり詰まった靄が、ヘヴィネスによって低く垂れ込めているように広がりを持っている感じだと思う。なんとなくジャケの雰囲気から面白そうな作品だとは思ってましたが、期待以上に良かったです。


QUINTESSENCE MYSTICA - THE 5TH HARMONIC OF DEATH ★★★ (2011-09-29 23:59:03)

2011年発表の1st。

シンフォニックブラックの中には、初期LIMBONIC ARTや初期NOKTURNAL MORTUMなど、キーボードのシンフォニックな部分が装飾に留まらず、バンドサウンド以上の存在感を持ってしまった、ブラックメタル・シンフォニーとでも呼ぶべき音像のものもありますが、このバンドはまさしくその系列ですね。

ただし、前述のバンドの音楽性は、その後の音楽性の変化などから、予算や録音技術などの非意図的な要素が多分に絡んでいたと推し量れるのに対し、このバンドは確実に意図してこの音を作ってると思う。基本打ち込みっぽいブラスト中心のファストな展開ながらシンフォニーを阻害するような煩さはないし、猛然とリフを刻んでるパートですらキーの方が音量が上だったりするし。

また、LIMBONIC ARTなどはアトモスフェリックな音で神秘性を演出するスタイルでしたが、こちらは華麗なストリングス、咆哮するブラス、神聖なクワイアと使っている音色やメロディがかなりクラシック寄り。リフのメロディが、副旋律を弾くビオラさながらにオーケストレーションに絡んでいく部分などは、他のバンドよりも「シンフォニック」=「交響曲的であること」に一歩踏み込んだ音作りになってる気がします。

こういう音作りと、クラシックベースならではの荘厳なメロディが、地獄の劫火に焼かれるような大仰さを醸し出してますね。何気にツインリードが入ってたりするんですが、そういうパートですらあまりメタリックに感じないあたり、ほんと徹底してると思う。バンドサウンドをヘヴィに聴かせるプロダクションにすれば、エクストリームメタルとして一気にメジャー志向の音になりそうですが、個人的にはこのままの路線希望です。


QUINTESSENCE MYSTICA ★★ (2011-09-29 23:56:08)

ウクライナ産シンフォニック・ブラック。
今年、初のCD作品となる1stアルバムを出したばかりのバンドです。


NOCTE OBDUCTA - Galgendämmerung: Von Nebel, Blut und Totgeburten ★★★ (2011-09-28 20:53:44)

2002年発表の4th。

私が購入したのはMetal Mindから2000枚限定でリリースされているリイシュー盤で、販促シールに「ドイツで最も影響力のあるブラックメタルバンドの1つ…」みたいに書かれていて、「ほう…」って感じでレジに持っていったんですが、謳い文句に釣られて大正解でした。素晴らしくクオリティの高いメロブラです。

…どうもこのバンドはゴシック寄りだった時期もあるらしく、他のアルバムのレビューではよくOPETHが引き合いに出されてますが、ここで聴けるのはメロディックなリフを最重視したタイプのメロブラ。ブラック特有の、身を切るような凍てつき感を伴う苛烈なリフといい、時々MAYHEMのManiacを思わせる殺気だった絶叫ヴォーカルといい、個人的にはたまらない音。

ただ、この作品はガチなメロブラではありますが、割と長尺の曲も(ブラック的な)ミニマリズムには頼らず、しっかりとした楽曲構成能力で聴かせてくれる辺りは、確かにOPETHと通じるのかもしれません。特にプログレ方向に傾倒する前の、メロデス的な音を出してた頃のOPETHっぽい。こっちは怒涛の疾走パートを曲の主軸としてる感じですが、メロディアスさの度合いやドラマティックさは負けてません。

クオリティ的にも聴きやすさ的にも、ブラック初心者に対してもお勧め出来そうですし、シューゲイザーとかディプレッシブとか一回りして、純粋にメロブラとして質の高いものが聴きたくなった、ある程度ブラック聴きこんでる人も十二分に楽しめるであろう音。実は今までこのバンドは知らなかったんですが、「ドイツで最も影響力のあるブラックの1つ」というのも、強ち誇大広告ではないと思います。


NOCTE OBDUCTA ★★ (2011-09-28 20:52:03)

ドイツ産メロディックブラック。
2006年に一旦活動を停止したものの、現在は再開している模様。


AZRAEL (US) - ACT Ⅲ : SELF & ACT Ⅳ : GOAT ★★★ (2011-09-28 20:46:56)

2007年発表の…3rdという扱いでいいのかな?
タイトルからして3枚目と4枚目のカップリング再発とかかと思ったんですが、元からこの形でリリースされてるみたいですね。ちなみに発売元はLEVIATHANなどのリリースでもお馴染み、信頼と実績のMoribund Cult。

やはり実績のあるレーベルが目を付けるだけあって、個性的かつ毒々しいダークさのあるブラックメタルを演っていますね。アトモスフェリック系に近い音色の、黒い霧が吹き出すようなリフの音色に包まれ、リズム面でも引っ掛かりを持たせたアヴァンギャルド寄りのアンサンブルを聴かせるスタイル。個人的な印象としては、LEVIATHANに少しだけVED BUENS ENDEのエキスを垂らした感じ。

ただ、音像重視型のアトモスフェリック・ブラックと比べると、こちらは展開にしろリフのフレーズにしろ、かなり実体的であるのが特徴。特にリフやアコギなどのメロディが醸し出す、毒々しいムードはこの音像の中だと、サイケデリックな感触もありますね。その毒に中てられて狂気に陥ったかのような、中音域でがなるヴォーカルの病的なパフォーマンスも、見事に音に嵌まっている感じ。ほんと聴いてると、何時の間にか血の気の失せた顔色になってしまってそうで怖いです(笑)。

日本の有名バンドとバンド名が被ると言う事で、逆に敬遠されてしまいそうですが、しっかり邪悪な音出してますのでそっち系好きな方は是非。LEVIATHANなどのグロテスクな邪悪さを持ったバンドが好きな人には特に推薦。


FOUNDATION HOPE - Tunes for the Wounded ★★ (2011-09-28 20:45:19)

2008年発表の…多分3rd。

インダストリアルノイズやサンプリング、クワイア等を組み合わせて陰鬱な情景を描くダークアンビエントで、Cold Meat Industry系列を追っている人なら「これだよ、これ!」と膝を打ちそうな音ですね。ジャンルがジャンルだけに、メロディらしいメロディがないのに、音像だけで暗く沈んだムードをしっかり描いているのは流石ですよね。

個人的には、音像・音響重視の作品にもかかわらず、どこかドラマ性を感じる作品でもあります。1曲目の、荘厳で宗教的と見せかけて、実は人工的に処理されたもののクワイアからインダストリアルノイズに移行する展開は、大罪を犯した男が教会に懺悔に来たら天使を発見、しかしよく見ると天使の顔はのっぺらぼうで、彼らの羽搏きが男の視界を黒く塗り潰し、視界が晴れるといつの間にか地獄にいた…みたいなストーリーを思い浮かべました。いや、曲中の語りや盤面のコメントを見る限り、そんなコンセプトはないですけど(笑)。

この手が好きならばインダストリアルノイズの冷たい質感と、アルバム全体から醸し出されるダークなムードに酔い痴れられること請け合いだと思います。


BERRYZ工房 - 愛のアルバム⑧ - ああ、夜が明ける ★★★ (2011-09-28 20:42:49)

雑誌のレビューで、キーボードの音色の多彩さについて褒められてましたが、確かにこの曲のキーのアレンジはちょっとしたシンフォメタル並だと思う。サビの歌メロに合いの手的に入る音とか、アレンジャーは絶対プログレ好きだと思うし。しかしここまでやりながら、キーが出しゃばり過ぎることなく、大人しめのポップスになっているところが凄いと思う。歌の面でも、サビの「♪愛は~」のロングトーンとか、どこか切迫したシリアスさが感じられて、垂れ流しのポップスとは一線を画す曲になってますね。


BERRYZ工房 - ⑦ Berryz タイムス - シャイニング パワー ★★★ (2011-09-28 20:42:19)

一体何なんだ…これは…。
曲的には、クールなリズムに黒人音楽っぽいコーラスや豪奢なブラスが乗るトラックに、力強く太いヴォーカルが絡む、非常にキャッチーでかっこいい曲なんですが…。歌詞が弁当って(笑)。しかも二段重ねのボリュームでおかずが唐揚げだけって、逆に悪意を感じるんだけど(笑)。これもシングルですよね、売る気あるのか…(笑)。でも「♪唐揚げだけの~」って口ずさんでみると意外と音のハマりは良いという不思議。


Berryz工房 - ⑦ Berryz タイムス - BOMB BOMB JUMP ★★ (2011-09-28 20:41:27)

黒人音楽のグルーヴを部分的に取り入れた楽曲は結構多い印象なんですが、この曲はシャネルズとか、昔のR&B歌謡のテイストを踏襲した曲で、このグループが演ると意外に斬新に聴こえます。昔から親にシャネルズやRATS&STAR、鈴木雅之さんなどを聞かされて育ってきたので、こういう曲はすんなり好きになれます。


BERRYZ工房 - ⑦ Berryz タイムス - 女子会 The Night ★★★ (2011-09-28 20:40:39)

タイトルからはかまびすしくてカラフルなイメージの楽曲を予想してましたが、意外にも薄暗いクサメロが全編に渡って聴けるクール系の曲。こぶしを効かせたりウィスパー気味に歌ったりしながら、サビではやはりこのグループ独特の切迫した声で決める、歌い回しのドラマティックさがメロディの良さを更に引き立てる曲。


Berryz工房 - ⑦ Berryz タイムス - 本気ボンバー!! ★★ (2011-09-28 20:40:07)

流石にこのタイトルは…と思いましたが、イナズマイレブンのタイアップソングと聞いてまあ納得。曲的には、夏の抜けるような青空が浮かぶような、爽やかなメロディで疾走する、勢いのある曲調ですが…Aメロのやさぐれっぷりが半端ないですね(笑)。かっこいいし、個人的にはたまらない歌声です(笑)。


Berryz工房 - ⑦ Berryz タイムス - マジカルフューチャー! ★★★ (2011-09-28 20:39:26)

曲調は全っ然関係ないですけど、zilchでいうところの「Easy Jesus」にあたる曲なのかな、と思います。割と短めの演奏時間の中で、そのグループの持ち味を凝縮して伝えるようなところが似てると思う。クールさ、元気のよさ、可愛らしさなどのバランスが良く、アルバムラストに相応しい曲だと思います。


BERRYZ工房 - 愛のアルバム⑧ - 愛の弾丸 ★★★ (2011-09-28 20:38:03)

何気にメンバーの声質や、歌い回しのスキルを最大限に活用してかっこよく仕上げた曲なんじゃないでしょうか。サビの裏返り気味のしゃくりが、疾走感のある哀愁メロとも相俟って、刺さるような胸に来る感じを出してると思う。Aメロ~Bメロ~サビの流れもよく、どこを切ってもクサくてほんと素晴らしい。シングルらしいシングルだと思います。


Berryz工房 - シングル/カップリング/その他 - 告白の噴水広場 ★★★ (2011-09-28 20:37:23)

これは初めて聴いたとき耳を疑いました。
歌謡曲っぽい曲は数あれど、この曲はまるっきり歌謡曲。町会の旅行とかで、年配の方が集まる宴会の、会場に設置されてるカラオケで歌っても違和感なさそうですもん(笑)。アイドルグループなのにこういう曲でシングル切っちゃうのが素敵。


ASGUARD - Dreamslave ★★★ (2011-09-27 21:43:35)

2005年発表の3rd。

これまた大仰な作品ですね…
刻みを多用した、メロデス的なヘヴィなリフを主軸としつつ、メロディックなトレモロリフを取り入れたバンドサウンドに、息が詰まるような大仰さのキーボードによるオーケストレーションを被せた、シンフォニックな作風。インスト明け1曲目のトレモロと、そこに被さるストリングスからして大袈裟過ぎるくらい大袈裟。ヴォーカルの威厳のあるデス声も、大袈裟な音に負けない迫力がありますね。

音質は…ちょっと作り物っぽさがあるものの、しっかりヘヴィさを出せていて、曲の大仰さとマッチした音作りなのが良いですね。ただ、派手にキーボードが舞っていたり、ギターがメロディックなフレーズを弾いているときはいいんですが、時々それらを一旦引かせ、ヘヴィなリフで押すパートは、音作りでのある意味での無機質な感触が仇となり、ちょっと味気なく感じることも。

とは言っても、シンフォ化してからのSEPTICFLESHやHOLLENTHON辺りに劣らない、派手なオーケストレーションが炸裂する作品なので、シンフォデスも行けるクサメロ好きには大推薦。


快楽音楽堂 - GAMETAL5 - IDOL METAL M@STER (2011-09-27 21:42:22)

2011年発表のゲームソングカヴァーアルバム。

今回のカヴァー対象は音楽、取り分け歌に異様に力を入れていることでも知られるアイドルマスター。個人的にアイドルマスターの音楽は凄く好き(ラジオ派生の曲もチェックしてるくらい)で、それを名盤「みんなのめたる」を作った快楽音楽堂がアレンジ、更に悶絶メタルの管理人さんがライナー書くとなれば…そりゃ買うに決まってます(笑)。

…が、ちょっと辛口にレビュー書いてもいいですかね…。
まずジャケ。下着を見せながら笑うキャラが書かれたイラストに早くも心が折れそうになる(苦笑)。気を取り直して1曲目の「エージェント夜を往く」を再生…Bメロまでは良い感じだったんですが、「溶かしつくして」を「溶かちつくちて」と発音するヴォーカルにどん引き。正直、もうライフはゼロって感じです(笑)。

これに加えて、「TOWN」に「てってってー」とコーラス入れちゃうダッサいアレンジで、もう完璧に辟易。両方ともニコニコ動画で流行ってるネタだと思うんですが、偶発的に発生したネタを意図的に取り上げても、わざとらしくなって白けるだけだなぁ…と、実例を持って実感。大体、「つくちて」の滑舌の悪さだけ真似て、Bメロのコブシを真似しない時点で仕事が中途半端。

また、今作でヴォーカルを務める布さんの歌声は、普通に歌う分には芯があってかっこいい声なんですが…時々声を作ろうとして滑るのが頂けないです。特に「キラメキラリ」、本家の舌足らずさ「だけ」真似た、伸びのないわざとらしい歌い回しは聴いてて辛い…。また、ちょこちょこメロディを弄って歌うんですが、弄り方がどれも原曲より平坦にする方向で、正直これだったら原曲通りのメロディの方が断然良かったと思う。

ただまあ、相変わらずパロディ満載で、特に犬神サーカス団まで引用するマニアっぷりは聴いていて楽しいし、原曲の豊饒なメロディがメタル的疾走感に乗るのは、なかなか聴き応えあると思う。「蒼い鳥」のエピックなアレンジなんかかっこいいし、神前氏特有の明るいメロディをメタリックなギターで聴ける「HELLO!!」辺りは素晴らしいと思う。

…色々お膳立てが整い過ぎてて、期待し過ぎてしまったかなぁ…という感じ。肩の力を抜いて聴けば、同人メタルとしては破格の質を持った、クッサい歌メロを大フィーチャーしたメタルアルバムとして聴けるとは思います。でも個人的には、「まあまあ」の評価を超えることはないかも…。


HORRIFIED - Deus Diabolus Inversus ★★ (2011-09-25 08:53:33)

2002年発表の3rd。
OPETHのMikaelがゲスト参加。

付属のバイオグラフィーによると、「Genre : Melodic Death Metal」となってますが…確かに、リフにもしっかりメロディを練りこんでくるスタイルはメロデス的ですが、演奏の邪悪なマッシブさはデスメタル的でもあり、ブラス、キーボードを用いたシンフォアレンジやトレモロリフなど、シンフォブラック的なアレンジも見られ、各ジャンルの良いとこ取りと言える音になってますね。どこかゴシック的な頽廃性もありますし。

何気にFredric Nordstromがプロデュースを担当してるんですが、彼の洗練された、メタリックな重さをがっつり聴かせる音質が、このバンドの持つ作風にぴったり合ってますね。メロディの暗さもあり、かなり重厚な世界観が描かれてる。ヴォーカルはダーティな地声交じりのがなりですが、妙に野太い声質には呪いの石像が歌っているようなダークな響きがあり、やはり作風にあってると思う。

ただ、時折メロディなどの練りが甘い感じがあるのが惜しいかも。
特に1曲目、イントロのブラスが「パー、プー」という感じの、2音を組み合わせただけのメロディをしつこく聴かせ、剰えそれが曲全体の主題となって展開する作りには流石に辟易。リフのメロなどは作りこんであるし、他の曲はそうでもないですが…1曲目にしたせいで悪目立ちしてる印象。せめて1曲目じゃなければ…。

あと一歩、なにか売りがあれば大化けしそうなんですが、この時点でも重厚で高品質なダーク・メタルを演っていることは明白ですので、妖しい雰囲気のメタルが好きな方にはお勧め。


HORRIFIED ★★ (2011-09-25 08:51:25)

ギリシャ産メロディックデス/シンフォニックブラック。
2002年の3rd発表を最後にディスコグラフィーの更新が止まってますが、何気に結成されたのは89年でかなり活動歴が長いバンドだったりします。


MOON - Lucifer's Horn ★★★ (2011-09-25 08:48:59)

2010年発表の3rd。

2ndでは、エキゾチックなキーボードとタイトなドラムが非常に特徴的なデス/ブラックを演っていましたが、約10年の時を経てもう別のバンドみたいな作風になってますね…。今作は、デスメタル的なドロドロした感触と、ブラックの毒性を上手く合わせたリフを、ブラストに乗せてブルータルにカチ込む、近年のBEHEMOTHやNON OPUS DEI辺りに通じるファスト路線。

路線が変わるにあたり、キーボードの使用頻度が激減してますが、エキゾチックなメロディはリフやアコギのフレーズなど、ところどころに残っていて、それが曲の毒々しさを助長すると同時に、フックを与えてますね。また、前作では粗さもあった音質が改善され、腹に響くヘヴィさを手に入れたことでブルータル度が大幅アップ。ヴォーカルもそれに合わせ見違えるように進化、粘着性のあるがなりでより非人間的なスタイルに。Voは正直前作より断然かっこいいと思う。

路線こそ変わりましたが、近年のBEHEMOTH等と比べても遜色のない、非常に質の高いブルータルブラックを演ってます。前作もかなり曲が良くて惹き付けられたんですが、初期BEHEMOTHがコールドブラックの名盤を作っていたり、やはり才能がある人物は音楽性を変えても素晴らしいものが作れるということでしょうか。


KAWIR - To Uranus ★★★ (2011-09-23 20:11:47)

2010年発表の6曲入りEP。
新曲3曲、93-94年の曲のリマスター3曲という構成。

…もう入りの、アコギと笛が力強いリズムに乗るインスト部分からしてペイガンメタルの醍醐味ともいえる叙情メロが炸裂していて、情景が眼前に浮かんでくるようですね。その情景を塗り潰すようにRAWなバンドサウンドが入ってきますが…よく聴くとリフやリードにしっかりペイガン色の強いメロが練り込まれていて、かなり叙情的な作風。音質はRAWながら迫力もあり、特にツーバスを連打するパートでは「ゴゴゴゴゴ…」的な、何かが迫ってくるような圧力がありますね。

このバンドは結構ライブ活動も行っているらしく、曲にはライブでもしっかり盛り上がれそうなメリハリや、フックのあるメロディがあるため意外とカルトな風味は薄めで、聴きやすい音だと思う。特にリードギターやリフに練り込まれた勇壮で哀愁たっぷりのペイガンメロ、リアルに涙腺に来そうというか、聴いてて胸が熱くなるような、ほんと良いメロディを書いていると思う。

昔の音源のリマスター版は…流石に今の音と比べると作りが粗かったり、リマスターして尚プリミティブな感触の強い音質であったりはしますが、この頃から既にペイガン特有の泣きメロは健在。また初期EMPERORに通じるような、アトモスフェリックなキーも前に出て、カルトな神秘性を醸し出すような部分もあるため、音質と相俟ってマニア受けはこっちの方が良さそうかも。ヴォーカルもより邪悪ですし。

EPですが、それなりにボリュームがあり、尚且つバンドの今の音、最初期の音が両方聴けるというお得な作品。ほんとメロディが良いので、ペイガン系好きな人は必聴です。


KAWIR ★★ (2011-09-23 20:07:51)

ギリシャ産ペイガンブラック。
何気に90年代前半から活動している古株のバンド。


HELGEDOM - SVARTKONST ★★ (2011-09-23 20:04:27)

2010年発表の8曲入りデモ。
Mystery of Death Productionsより500枚限定でリリース。

デモと言うこともあってか、関連バンド(SVARTRIT、KAOS SACRAMENTUM、GRIFTESKYMFNING)と比べても音は相当に粗めで、普通に録音の乱れも入っているような、未加工な感触の非常に強いサウンド。
路線も関連バンドとは割と差別化がなされていて、こちらはスロー~ミドルの展開を中心に、トレモロリフやアルペジオが不気味に響き渡る作風で、プリミティブとディプレッシブを掛け合わせたような作風。ただ、ベースがギターノイズの合間を這い回り、聴いていると脳が蕩けそうになる音作りは、絶望感よりも幻惑的なムードが強い印象。

総じて関連バンドよりもカルトな路線だと思います。
演奏時間は21分強と短めですが、妖しい儀式的ムードが楽しめる一枚。限定枚数も少なめなので、SVARTRIT関連追ってる方はお早めに。


HELGEDOM ★★ (2011-09-23 20:01:51)

スウェーデン産ブラック。
SVARTRITのメンバーによる別バンド。


モーニング娘。 - 12,スマート - 彼と一緒にお店がしたい! ★★★ (2011-09-23 20:00:35)

一応「この地球の~」と両A面シングルという建前ではあるものの、アルバムに入るのが確定している上に、「この地球の~」のシングルはアルバム未収録の新曲が入ったカップリング違いのバージョン(当然この曲は未収録)もリリースされているという、地味に不遇な扱いを喰らってる曲。

ですが、確かにカップリングには勿体無い良い曲だと思います。タイトル通り、カラフルでポップな可愛らしい楽曲ですが、アレンジによる可愛らしさの演出がプロフェッショナル。特にパーカッシブに曲に彩りを与えるピアノの響きが個人的に好き。メロディも明るく弾けた曲調ながら、サビは泣きが効いていて良い感じ。何気にソロを含むギターパートに印象深いフレーズが多いんですが、個人的にはダラダラと刻むだけのリフ入れて「メタリック(笑)」みたいにするよりは、こういうポイントで使うアレンジの方がポップスとしては断然かっこいいと思う。


ENTHRAL - Prophecies of the Dying ★★ (2011-09-23 00:48:03)

97年発表の1st。
2010年にFrostscald Recordsよりボートラ入りで再発。

寒々しさを演出したり、毒々しさを撒き散らしたり、少しフォーキーな感触もあったり、展開によってメロディの表情を変えるトレモロリフを乗せた疾走をメインに展開していく、かなりメロディックなブラック。時折入る、ちょっとアヴァンギャルドな感触もあるスローパートの気色悪い雰囲気は、SJODOGGの作風に繋がるものがあるかもしれませんね。

また、音の作り方も結構独特。
決して厚みのある音ではないですが、トレモロリフがかなり前に出され、ガラガラに歪んだベースや、妙に抜けの良いドラムが良く聞こえる音は、聴いててなんだか不可思議な感触を覚えます。この音質が、メロディックながらどこかカルトなムードを出すのに一役買ってますね。

ただ、この時点では荒削りな部分があるのは否めないかも。
10分を超える曲も多い、大作主義な作風ですが、曲をここまで長くする必然性が感じられない…とは言わないまでも、もう少し纏めた方がアルバム全体としては緊張感のあるものになったのでは、と思ってしまいます。まぁカルトな雰囲気は匂いつつも、割と聴きやすい路線ですので、ノルウェー産ブラックを掘り下げて聴きたい方にはお勧めです。


ENTHRAL ★★ (2011-09-23 00:44:52)

ノルウェー産ブラックメタル。
SJODOGGのKjetil氏らが創設したバンド。


BALFOR - Barbaric Blood ★★★ (2011-09-22 21:50:49)

2010年発表の2nd。

ウクライナって、ペイガン系のバンドが幅を利かせているせいか、どうも辺境っぽさがあったり、カルトな音を出しているバンドが多い印象があるんですが、このバンドはエクストリームメタルとしてごく真っ当な、クオリティの高い音を出してますね。今にも日本盤が出そうな音だと思う。

キーボードによる装飾も用いつつ、刻みも多用するメタリックで圧力のあるリフと、ブラスト中心のリズムの絡みによる暴虐性で、聴き手を圧倒するブラックですが…個人的にはEMPERORの3rdやZYKLONの1stを思い出しますね。シンフォニック(ZYKLONはインダストリアル)要素に頼り過ぎず、それがなかったとしても暴虐で質の高いものを聴かせられるであろうところが似てる。ただ、この作品はそれらと比べても更に装飾が少なく、私的にはシンフォ系よりブルータル系に分類したいくらいですが。

このアルバムを聴いて一番驚いたのは、出音の迫力ですね。
圧力といいクリアさといい、DIMMU BORGIRやBEHEMOTH辺りの有名どころと比較してもなんら劣らないと思う。リフとリズムの弾幕サウンドも凄まじいですが、ベースがゴリゴリいってるのが実に気持ち良い。大仰でダークなメロディや、凄みの効いたヴォーカルとも相俟って、今にも恐怖の大王でも降りてきそうな雰囲気。こういう音作りだと、リフが単調だとそれが浮き彫りになってしまいますが、このバンドはリフも展開もしっかり作りこんでくれてるので無問題。

ギターソロも入る、メタリックなスタイルなのでRAW系が好きな方には勧めませんが、暴虐な音が好きであれば聴いておいて良いバンドかと。エクストリームメタルならではの暴虐なかっこよさを、迫力ある高音質が際立てるかなりの良盤です。


BALFOR ★★ (2011-09-22 21:49:38)

ウクライナ産ブラックメタルバンド。
完全に偏見だけど、ウクライナ産で辺境っぽさがないのってある意味新鮮かも。
SATYRICONトリビュートでは「K.I.N.G.」をカバーしてたりします。


MOON - Satan's Wept ★★★ (2011-09-21 21:38:06)

99年発表の2nd。
国内盤も出ているだけあって、良い作品ですね…。

ブラックらしい、荒いリフとタイトなリズムの絡みに、ダーティなヴォーカルとシンフォなキーが乗る、ややデス寄りのシンフォニック・ブラックという感じですが…1曲目の、エキゾチックなメロディのキーボードが入ってきた瞬間、「もしかして名盤では…」と思ってしまいました。異国情緒溢れるキーボードのメロディといい、ギターワークのセンスの良さといい、このバンドは本当に曲が良いと思う。

国内盤ライナーでは、彼らのシンフォを表現するにあたってDIMMU BORGIRとEMPERORを引き合いに出してますが…確かに的確な例えだと思う。一瞬にして曲のムードを塗り替える印象的なメロディや、時に音像を包むアトモスフェリックさはDIMMU BORGIRに、曲の重要部分を担わせながら、アンサンブルや展開においてそれに頼り過ぎない部分は後期EMPERORに通じると思う。

ちなみに、ライナーだとDocがドラムを叩いている(ブックレットに名前がないのは一時脱退してたため)とありますが、ブックレットにあるのはMarkという人物名…。素人耳には、Docが叩いているように思えますが…この、タイトなリズムによる、ファストブラックでもなかなか出せないような緊張感はどうも彼っぽい気がする。そのドラミングも、この作品において大きな魅力になってますね。

せっかくかっこいいリフを弾いていても、フレーズが微妙に不鮮明に聴こえたり(反面、リードギターやキーボード、ドラムは良く聴こえる)、ヴォーカルがダーティ系で今一つ邪悪味に欠けるなど、ちょっとした欠点はあるものの、十分名盤と言えるクオリティがあるように思います。ブラック初心者がDocのネームバリューで聴いても十二分に楽しめる作品かと。

ちなみに、私は国内盤を買ってしまいましたが、2010年にリマスターの上、1stとカップリングで「Devil’s Return」というタイトルで再発されているので、これから聴こうという人はそっちを買った方が良いかも。


MOON ★★ (2011-09-21 21:35:04)

ポーランド産ブラックメタルバンド。
一時期VADERのDocが在籍していた事でも有名。
長く活動を休止していたものの、最近再開した模様。


POSTHUM - .Posthum ★★★ (2011-09-21 21:32:59)

2009年発表の1st。

1曲目こそ近年のSATYRICONを更に無機質にしたような、淡々と恐怖感を煽るような、ややカルトな路線ですが、聴き進めるとプリミティブ的な寒々しいトレモロ疾走や、刻みリフや長いギターソロを含む、メタリックでメロデス好きにも受けそうな曲も出てきて、ぶれる事の無いブラックの芯を持ちながらも、バラエティに富んだ構成のアルバム。メロディも王道の寒々しい系だけでなく、どこか温かみを感じるメロウさがあるものも使っているのがいいですね。

個人的にこのバンドの音で最も特徴的だと思うのは、厚みのある、かつノイジーなギターリフの音色だと思う。これがミドルで淡々と聴かせる曲には摺り込むような圧迫感を、メロく疾走する曲には苛烈さをそれぞれ与えていて、音に説得力を与えているんですよね。ただ新進気鋭のバンドとしては、音がキッチリしていて粗い所が少ない印象で、もう少し隙があってもと思わなくはないかも。リフのノイジーな粗さも、明らかに作り込んだ感じですしね。…でもそう感じるほど、完成度が高いと言う事かもしれません。

アルバムのさわりのみ少し取っ付きづらさがありますが、堅実でクオリティ・センス共に申し分のないブラックメタルを演っていると思います。あまりオリジナリティなどは感じられないですが、ノルウェー産ブラック好きには聴いていて気持ちの良いアルバムなので、おまけして☆は3つで。


POSTHUM ★★ (2011-09-21 21:32:22)

ノルウェー産ブラックメタルバンド。
ELITEやLUGUBRE、THORNGOTHなど良質なブラックメタルバンドを多数抱えるFolter Recordsよりアルバムを一枚リリースしてます。


SOLSTAFIR - Kold (2011-09-21 21:26:46)

2009年発表の3rd。

…これはヴァイキングなのか微妙な路線ですね…。
厚みのある、ノイジーなリフと残響感のあるギターのフレーズ、サイケデリックなキーボードなどによってスピリチュアルな情景を描きつつ、(ハード)ロックの力強いリズムを大胆に導入したマッシブで重厚な音で聴かせる、プログレッシブなブラックメタル。

一応、トレモロリフによる神秘性のあるメロディ等も取り入れてはいるんですが…描写している情景が、ヴァイキングのそれではなく、精神世界的な感じなんですよね。1曲目に至っては、タイトル通りの荒野を思わせるワイルドなアンサンブルまで演ってますし。個人的には、ENSLAVEDの例が無かったらヴァイキングの一形態とは思えない音。ENSLAVED聴いてても「言われてみれば…」って感じですけど(笑)。

ただ、この作品、深遠な世界観を高い精度とクオリティで描くことに成功してはいるんですが、ヴォーカルが泥臭く歌い上げたり、ちょっとブルージーに過ぎたりするところがあって、どうもハマって行けないんですよね…。まあ個人的に苦手と言うだけで、他のブラックやヴァイキングにはない世界観を持ってるバンドだとは思うので、気になった方はチェックしてみては。


SOLSTAFIR ★★ (2011-09-21 21:25:55)

アイスランド産ヴァイキング/ブラック。
近年のENSLAVEDにも通じるプログレッシブな路線。


ISEGRIM - Dominus Inferus Ushanas ★★ (2011-09-20 19:05:08)

2000年発表の1st。
彼らの残した唯一のフルですが、これがなかなかの好盤。

ブラック特有のジャリジャリした質感のリフと、ギャーギャー喚きまくる本気度満点のヴォーカルを従えて猛然と疾走する、ファスト/ブルータル路線のブラックメタル。トレモロリフを多用した作風はかなりメロディックですが…

この手に多い、高音域を強調してメロディを際立たせるリフは聴かせどころに使う程度で、暴虐な音に溶け込むくらいの音域のトレモロを割と多く使っているのが特徴ですね。これが、多少作風をアンキャッチーにしてはいるものの、どこか悠然とした暗黒美みたいなものを感じさせ、聴き心地のいいアルバムに仕上がっているように思います。

基本的に、ひたすらに爆走するパートが中心の作風ですが…意外と曲が金太郎飴になっていないのも好印象ですね。特に猛然としたアンサンブルで一気に聴き手の注意を引きつつ、叙情的な展開も見せる4曲目、ギターが高音域で印象深い叙情メロディを奏でる7曲目、太い邪悪メロが脈動するような8曲目などが個人的には好み。アルバム中盤以降に良い曲が多い印象。

結構有名なレーベル(MASSACRE)から出ているし、音質をメジャー志向にしたらかなり人気出そうな作風なだけに、これ一枚で解散してしまったのが惜しまれますね…。NEGATORやENDSTILLEなど、ドイツ産ファストブラック好きな方にお勧め。その中でもかなりメロい方だと思います。


ISEGRIM ★★ (2011-09-20 19:03:53)

ドイツ産ファスト/メロディックブラック。
アルバムを一枚とEPを数枚残したものの、数年で解散してしまった模様。


THRONEUM - Deathmass of the Gravedancer ★★ (2011-09-20 19:00:16)

2007年発表の4th。

これ、結構好きかもしれません(笑)。
音としては、「ズモモモモ…」とか「ボボボボボボ…」とかの効果音で表せそうな、ローファイな音質でオールドスクールなデスメタルに近い、ドロドロしたリフを奏でつつ、そこにトタン板を叩くかのごときドタドタしたドラミングが重なる、非常にカルトな路線。プリミティブブラックの低音質と、オールドスクールデスのおどろおどろしさを掛け合わせたような作風。

ヴォーカルは低音質なバンドサウンドとは打って変わり、まるで別のスタジオで録ったような抜けの良い音で録られているのも、B級感に拍車を掛けてますね。プリブラによくあるウギャウギャした声ではなく、スラッシュ/ハードコアのテイストが強い雄叫びっぽい叫びでかなり熱い。…しかし慣れてくると、これらが妙に噛み合ってかっこよくなってるように思えるんですよね。特にトタンドラムの連打が何気に気持ちいいです。

しかしこのバンド、調べてみたらこの時点で10年選手だというから、筋金入りであることが伺えますね…。裏ジャケでもギターにバンドのステッカー張りまくって決めポーズしてるし、凄く楽しんで音楽作ってそうでなによりです(笑)。


KALKI AVATARA - MANTRA FOR THE END OF TIMES ★★★ (2011-09-19 23:36:28)

2008年発表の4曲入りEP。
ABORYMやMALFEITORのメンバーによるソロプロジェクトという事ですが、個人的には前述の2バンドの最新作より気に入ってしまったかもしれません。

路線としては、どこか前衛的な雰囲気も醸しだすピアノ、深遠さや壮大さを感じさせるクワイア及びストリングス、得体の知れないムードを加味するキーボードや民族楽器など、シンフォニック・ブラックのパーツを上手く組み合わせて、太古の世界の儀式を思わせる、神秘的な世界観を演出する、アヴァンギャルドなブラックメタル。

キーボードなど、多くのバンドでは上ものになりそうなものがこのバンドではメインで、バンドサウンドは世界観を更に色濃くするために使われている…という感じですが、何気にその絡ませ方が上手いんですよね。スローテンポでの重い刻みリフは世界観に重厚感や説得力を生んでるし、2曲目のベースが動きまくるジャジーでお洒落なパートから儀式的なパート、派手なシンフォパートへ移行する展開なんか聴いてて引き込まれる。ヴォーカルが半泣き気味の、必死な感じなのも、儀式で心臓取り出されながら叫んでいるようなグロさを音に加えていると思う。

4曲入りですが、特濃の世界観を見せ付けてくれる作品。
一味違うシンフォニック・ブラックが聴きたい方は是非。


KALKI AVATARA ★★ (2011-09-19 23:32:52)

イタリア産アヴァンギャルド/シンフォニックブラック。
ABORYM、MALFEITORのHell-Io-Kabbalusによるプロジェクト。


ASTARTE - Sirens ★★ (2011-09-19 23:28:54)

2004年発表の4th。

メロディック・ブラックの中にはほとんどメロデスと区別が付かなくなっている音楽性のバンドがいますが、これを聴く限り、このバンドはその中でもメロデス要素が強い作風ですね。ブラック特有の邪悪さやRAWさなどはほとんど感じない作風で、ギターによる泣きメロを中心に、丁寧に展開していく音には、正統派メタルにも通じるものを感じます。

かなり聴きやすい音ですが、女性特有の狡猾さ・しなやかさを感じさせるデスボイス、トレモロリフを交え苛烈なブラストを聴かせる、寒々しい疾走パート、ゴシック的耽美さを感じるピアノやキーの導入など、暗黒風味もしっかり残してくれているのが嬉しいところ。音質からマイナーバンド臭がするのが残念ですが、楽曲自体の作りは悪くないと思う。

アルバム全体を通じて、上品なメロディが聴ける、聴きやすいメロディックブラックなので、ジャンルに嵌まりかけの人が更に一歩踏み込むための作品としてもいいかも。入門にはちょっとインパクトが足りない…かな?


ASTARTE ★★ (2011-09-19 23:27:23)

ギリシャの女性3人によるメロブラ/メロデス。
ブラックでもメンバーに女性がいることは少なくないですが、全員なのは珍しいのでは。


ARS DIAVOLI - Pro Nihilo Esse ★★ (2011-09-18 21:41:05)

2008年発表の1st。

スローテンポ基調のリズム構成に陰鬱なトレモロリフ、発狂ヴォーカルと鬱ブラックのテンプレートを満たしている作風ですが…いきなり第一音から、圧倒されるような感じがありますね。ノイジーなリフが瞬く間に視界全体に広がり、圧迫感すら覚えさせる導入だけで普通のリスナーなら絶望の淵に叩き落されます。

このNARGAROTHの3rdやRaslukaシリーズを思わせるような、物理的な圧迫を覚えるほどのノイジーなリフがこの作品の最大の特徴といえますが…決定的に違う点は、NARGAROTHがトレモロ自体がノイジーなのに対し、このバンドはノイズ質の中に、うっすらとトレモロが差し込むような感じになってる事ですね。メロディの性質の違いもあって、NARGAROTHは叙情的、こちらは絶望的に聴こえます。

また、このノイジーなリフを使っての音作りにもかなり拘りがあるみたいですね。例えば、1曲目の2:45~などが分かりやすい例ですが、ノイズ質とドラムの音が溶け合って、1つの波形を描くような音になっている音像、これはかなり珍しい音の作り方なのでは。トレモロを波動のように響かせるのは良く聴きますが、ドラムで似た音を作るのはレアだと思う。

他にも、低音をノイジーさの中で強調し、クワイア風のキーを重ねる事で神秘的な雰囲気を醸し出し、神々しいまでの絶望感を演出して見せたり、ドカドカと疾走するパートでは崩落しつつある世界の中で逃げ惑うかのような焦燥感を感じさせたり、何気にこの音質を活用しての表現の幅が広いんですよね。

とは言っても、このノイジーな音質自体が結構好みが分かれるものなので、この手が好きな人以外は手を出さない方が無難かも。まあULVERの3rdや、NARGAROTH辺りがいける人なら余裕で気に入ると思いますが。


DRAMA ★★ (2011-09-18 21:39:00)

ロシア産メロディック・ブラック。
何気にロシアのブラックメタルバンドってレアな気がします。


DRAMA - Winds Choir Opera ★★★ (2011-09-18 21:34:08)

2005年発表の1st。

SATYRICONのトリビュートアルバムで、名曲「Mother North」の担当を任された事でも有名な彼らですが、まさしくその頃の、正統メロブラだった頃のSATYRICONの路線を引き継ぐかのような、トレモロ満載のメロディック・ブラックですね。

聴かせどころはしっかり氷の礫が交じった風が吹き荒れるような、トレモロとブラストの絡みで聴かせつつ、適度に刻みも交えて苛烈さを表現するスタイル。2000年代の作品ですが、音質は当時のノルウェー産ブラック大御所と比較してもやや荒め。ですが、この荒さが曲の「苛烈さ」を際立てていて、悪くないんですよね。

個人的には、メロブラでもやはりDISSECTIONやNECROPHOBICなどのスウェーデン産のバンドよりも、やはりSATYRICONに近い音だと思う。これだけ刻みを多用しているのに、メロディックデスに近づかず、あくまでブラックとしてのスタイルを堅持しているのが、SATYRICONっぽいと思う。キーボードやシアトリカルな展開を用いない、リフとリズムの絡みに特化したSATYRICONという感じ。

ただまあ、SATYRICONの「Mother North」のような、展開の全てが神懸かり的な曲があるかといえば、そうも言えないのが惜しい。リフ単品では、キャッチーだし寒々しさにおいて肉薄すると思わせる部分もあるんですけどね…。流石にその高過ぎるハードルを越えるような作品とは言いがたいですが、かなり良質なメロブラなので愛好家の方は是非。


WINTERBLOOD - Le fredde ali dell'inverno (2011-09-17 19:49:16)

2008年発表の1st。

VINTERRIKETやPAYSAGE D’HIVERのアンビエント作品を直接的に想起させるような、ブラックメタル的な世界観を描くダークアンビエント。ただし、上記のバンドがまだメロディアスな部分や、曲らしさを残しているのに対し、このバンドはそれら作品を更に薄く引き延ばしたような、「風景として存在する事」に特化した、更に硬派な作品。

VINTERRIKETやPAYSAGE DIVERが雪原の風景を描いているとするなら、このバンドの音はその情景が死の寸前、閉じそうな瞼の隙間からぼんやり見える…みたいな感じだと思う。ただ、魂が持ってかれそうなムードは確かにあるものの、個人的には硬派すぎてちょっと退屈を覚えたり。雪原系リチュアル・アンビエントが心の底から大好きな人にのみ強く推薦。ちょっと好きくらいだとハードル高いかも…。


AURVANDIL - YEARNING ★★★ (2011-09-17 19:32:12)

2011年発表の1st。

VINTERRIKETやCOLDWORLDの衝撃再び、のようなレビューを目にして、衝動的に買ってしまったんですが…確かにこれは素晴らしい。前述のバンドと比較しても遜色ないくらい、情景描写能力やメロディセンスに富んだアトモスフェリック・ブラックです。

路線としては、アトモスフェリックブラック特有の、ノイズ質を音像全体にうっすらとまぶすような、ざらついたギターリフと、凍えるようなメロディを奏でるキーボードやトレモロリフを従えて疾走し、凍死寸前の冷たい世界観を演出する作風で、明らかにVINTERRIKETの影響下にありそうな音ですね。アコースティックギターを絡めた叙情性の演出も上手い。

ただ、こちらは疾走だけでなく、ミディアムパートもそれなりに挟んできますが…そのパートはどこかBURZUMの3rdのような、妙に洗脳的な雰囲気があるように思うんですよね。この作品ではセッションドラマーを起用したらしいですが、その引っ込み気味ながら適度に生々しく、メリハリのついた音がそういったムードを高めているのかもしれません。

個人的にこのアルバムで独特だと思うのは、メロディやその音色に残響感というか共鳴感というか、音像が作り出す世界の中に反響するような感覚があることですね。それがただ寒々しいというだけでなく、他の同路線のバンドより直接的に死を思わせる雰囲気に繋がっていると思う。途中まさかの速弾きギターソロまで入ってますが、全くメタリックにならず、死の直前に瞼の裏に見る光の明滅を思わせるような、不吉な情景が浮かぶんですよね。

不満点を無理に挙げるとすれば、この手にはありがちな勿体の付け方が、この作品にも僅かに感じられることでしょうか。このバンドの最大の売りはその残響感あるメロディの聴かせ方だと思うんですが、それが初めて出てくるのがオープニング終わって、2曲目半ばまで行ってからですし。まあそこに行くまでに、アコギの叙情メロや洗脳的ミディアムパートがあるので、別にダレる訳ではないんですが。

という訳で、VINTERRIKET、COLDWORLD、PAYSAGE D’HIVERなどの寒々しい情景が浮かぶアトモスフェリック・ブラックを聴き漁ってる方には大推薦。Eisenwald Tonschmiedeというレーベルからリリースされてますが、Cold Dimensions関連バンドの作品にも通じるムードを醸し出しているアルバムだと思います。


AURVANDIL ★★ (2011-09-17 19:31:30)

フランス産アトモスフェリック・ブラック。
VINTERRIKETやCOLDWORLD好きな方は必聴のバンドです。


DOMINION CALIGULA - A New Era Rises ★★ (2011-09-17 19:23:46)

2000年発表の1st。
これ1枚でプロジェクトは解散してしまった模様。

DARK FUNERAL本隊とは明らかに差別化された音ですね。
刻みを多用する、メタリックな質感の強いリフを、ミディアムパートを中心に据えたリズムに乗せて進行する、重厚感のある音で、ブラックよりもメロデスに近い感じの作風。アトモスフェリックなキーボード、リフによる不穏さの演出、女性Voも一部取り入れたシアトリカルな部分等、ゴシックに通じる暗黒テイストも取り入れられているのも特徴ですね。

ただ、こんなメロデス/ゴシックに接近した音なのに、ヴォーカルがいつものDARK FUNERALで演っているような、地獄の劫火に焼かれるような絶叫スタイルなのが面白いですよね。お約束?の「でやああぁぁぁぁぁあああ!!」もあるし、アルバムにおいて異様な存在感を放ってます。相変わらず、顎が痛くならないか心配になる声ですね…(笑)。

DARK FUNERALの苛烈な世界観を期待すると肩透かしかもしれませんが、メタリックな音作りの中での暗黒美の演出はそれなりに凝ったもので、個人的には悪くないです。(DARK FUNERALで)SLAYERのカヴァーでも敢えて遅い曲を演ってたくらいですし、こういう邪悪さの演出もきっと好きなんでしょうね。


DOMINION CALIGULA ★★ (2011-09-17 19:21:23)

スウェーデン産ブラック。
バンド名からも分かる通り、DARK FUNERAL人脈の別プロジェクト。
Caligula氏がメイク落としたらダウナー系イケメンで驚きました(笑)。


モーニング娘。 - 12,スマート - この地球の平和を本気で願ってるんだよ! ★★★ (2011-09-17 19:19:01)

ポップス分かってる人が作ったファンク歌謡って感じの曲調。具体的には、サザンの桑田さんが作りそうなアレンジなんですよね。…具体的にイメージし過ぎて、桑田さんが歌い踊る姿が浮かんで困ります(笑)。スラップを多用したベースと、ダンサブルなリズムの絡みは聴いてると飛び跳ねたくなるし、そこに絡む歌メロも凄く洗練されてる感じ。ただ、全体的な雰囲気として、何か楽しい事の締めに流れる曲のような、一抹の寂しさみたいなものも漂ってるんですよね。
曲の方はいいんですけど、タイトルは正直野暮ったい気がする。いかにも復興支援ムードに合わせたような感じがあるというか、つんく氏もヤキが回ったかな…って感じで。


モーニング娘。 - モーニング娘。'14 カップリングコレクション2 - 自信持って 夢を持って 飛び立つから ★★★ (2011-09-17 19:17:24)

ギター中心のロック寄りのポップスという感じの曲調で、経緯を伏せて聞かせたらモー娘関連の曲って分かる人は殆どいなそう。声の太さといい語尾の吐き捨て方といい、歌い方もロックな感じですし。高橋さんの歌って、上手いんだけど、「私の歌を聴け」的な押し付けがましい上手さじゃなくて、聴き手の気持ちを煽動するようなパワーのある上手さで、そこがアイドルらしいな、と思います。自己満足や内輪受けじゃなく、不特定多数にも響く歌い方になっている辺りが、普段からステージに立ってる人って感じ。


東方神霊廟 ~ TEN DESIRES. ★★★ (2011-09-17 19:14:50)

個人的には、歴代の作品の中でも割と難しい方。

神霊(特殊なアイテム)を近づいて回収する必要があるゲームシステムと、今までの作品より敵や敵弾が画面中央以下を発生源とするものが多いステージ構成の相乗効果で、慣れない内は事故率が半端ない上、エクステンドが少ないためかなり難しく感じます。
特にエクステンドやボムに直結する神霊を落とす敵のところまで霊界ゲージを取っておこうとしたのに、被弾して強制トランスになった時はかなりの絶望感(笑)。

ただ、弾幕自体はかなり易しめ。
流石にルナティックやオーバードライブ(四つの難易度のスペルカードを全て取得すると挑戦できる、特殊なスペカ)は難しいものが多いものの、地霊殿ノーマルクリア出来るくらいなら、数日あればハードまでのスペカはコンプリート出来ると思う。ハードですらラストのスペカが風神録のイージーや地霊殿、星蓮船のノーマルより簡単ですからね…。

そういう訳で、私のように画面にアイテムが残っていると勿体無くて、無理矢理取りに行くようなプレイヤーには難しい作品ですが、無駄な動きをせず、ボムやトランスをしっかり使っていく慎重派の人ならシリーズでも結構簡単にクリアできると思う。星蓮船でUFO追い掛け回して死にまくってた人は地獄を見るかもしれません(笑)。


WRECKingCReW - 月我消えるまで ★★★ (2011-09-14 00:32:02)

2003年発表の1st。

これ、最高なんですけど(笑)。
スカやファンクなどの要素も交えつつ、基本的にはメタリックな疾走に昭和っぽいレトロなメロディを乗せた、ハードコアとメタル、歌謡曲をミックスしたようなスタイルで、個人的には様式美やメタリックな演奏に拘らず、哀愁メロディに特化したRAPHAELという印象なんですが…ヴォーカルがほんと素晴らしいんです。

男女ツインヴォーカルで、男性の方がリードなんですが…これが前代未聞レベルで個性的。ぶっちゃけジョンレノンやオジーオズボーンも、個性という点では彼には敵わないと思う。常にチューニングがどこかズレているような調子の外れた歌い回しで、特に朴訥を通り越して、声の表情が無くなるようなロングトーンが素晴らし過ぎる(笑)。この歌い回しのせいで音程が合ってるんだか合ってないんだか分からないですもん。

しかし、このヴォーカルだけならB級で終わりそうなところ、メロディの素晴らしさが彼の歌を輝かせていて、「奇跡の一枚」になっていると思うんですよね。歌メロは常に調子が最高のときのムックのレベルをキープしている感じ。最初聴いたとき、余りのクサメロに驚きました。このメロディをあのヴォーカルが歌うと、なんだか切なげにも聴こえてくるんですよね…。

味のあるヴォーカルがクサすぎるメロディを歌い疾走する音楽という事で、当然クサメタラーは必聴でしょう。しかしこのヴォーカル、技術では説明できない魅力がありますよね…。音程の正確性やら声量やら、確かな技術を身に付けてなお面白みの無い歌しか歌えないのが最も才能の無いヴォーカルなら、この人はその対極といえるでしょう。


ENSHADOWED - MESSENGERS OF THE DARKEST DAWN ★★★ (2011-09-14 00:27:45)

2002年発表の1st。

これはかなり好みの音。
もうギターのクレジットが「frozen guitars」になっている時点で察せられますが、暴風雨のようなノイジーなディストーションに、氷の礫のような冷たいトレモロが絡むリフは、DISSECTIONやNAGLFAR辺りにも通じる寒々しさがありますね。ただし、メロデスっぽさも強い上記のバンドと比べると、こちらはトレモロの頻度の高さや邪悪で黒々しい音作りなど、よりブラックメタル然とした音。上記バンドとWATAINやFUNERAL MISTの中間くらいの音だと思う。

もう作風からして思いっきり好みなんですが、このバンドは迫力ある音作りも素晴らしいですよね。特にドラム、リバーブ掛かった響きのある音なんですが、これが特にファストパートにおいて棍棒で殴られるような迫力を出していると思う。ノイジーながら厚みのある、黒く太いリフと合わさると圧迫感すら感じますもん。ヴォーカルの狂犬のようにがなり立てながらも、どこか頼もしさを感じさせるパフォーマンスも素晴らしい。

全体的にクオリティの高い曲作りが成されていますが、ラストの曲の後半のみ狂気を生のままぶつけるような、壊れたムードの楽曲が入っていて、こちらの路線で一枚作っても良い物が出来たのでは、と思うほどかっこいい。本当に良いバンドだと思う。


FURIA (FRANCE) - A LA QUETE DU PASSE ★★ (2011-09-14 00:23:19)

2001年発表の1st。

イントロこそシアトリカルで、妖しい世界観に引き込んでいくような、如何にもシンフォブラック然としたものですが…本編は割と刻みを多用した、メロデス的な要素も強い音作りが成された作風ですね。特にイントロ明けのフレーズなんて正統派的ですらありますもん。メタリックなリフで曲を牽引しつつ、キーボードや女性ヴォーカルを入れ、ドラマティックな世界観を演出するタイプの音。音質も綺麗で、シンフォブラックとしても非常に聴きやすい感じ。

このバンドは、何気にメロディセンスが素晴らしいと思う。
リフの合間を縫って挿入されるキーボードや、女性ヴォーカルのメロディが、ことごとく上品で美しく、しかも耳に残る。個人的には、「Midian」「Bitter Suites~」期のCRADLE OF FILTHに通じる、煌びやかさと耽美さ、キャッチーさがあるように思います。全体的に品のある雰囲気ですが、暴虐な所もしっかりあり、行儀が良過ぎないところも良いですね。

フランス産らしい上質なメロディが聴ける、メロデスに寄りシンフォブラック。
ちなみに、このバンドの作品は曲の登場人物の会話によって、物語が進行していく歌詞が特徴となっているようですが…正直、フランス語なのでよく分からないです(笑)。せめて英語で訳詩を付けてくれたら良かったんですが…。


FURIA (FRANCE) ★★ (2011-09-14 00:21:34)

フランス産シンフォニックブラック。
ぶっちゃけポーランドのFURIAと間違えて買ったんですが、これがなかなか良い作品でラッキーでした(笑)。


KATHAARIA - The Complex Void of Negativity ★★★ (2011-09-14 00:17:12)

2008年発表の1st。

まず最初の、どす黒いネガティビティをベタ塗りするかのような音が流れてきた時点で、ブラック好きなら「おっ」と思いますよね。WATAINなどに通じる、クオリティの高い堂々としたエクストリームメタルとしての佇まいがありながら、どこかVED BUENS ENDE辺りに通じる奇妙なアヴァンギャルド性も持ち合わせた、カルトな雰囲気たっぷりのブラックメタル。

特に特徴的なのがアンサンブルで、普通のエクストリームメタルと比べると、グロテスクな意味で有機的なんですよね。変拍子を多用したリズムはグロい生き物の触手の蠢きを思わせますし、ブラストするパートでもリフが安易に刻みなどでそれをサポートせず、酸による腐食が進むような毒々しいメロディを入れてきたりして、全体として生理的嫌悪感を催させるような音。ヴォーカルの喘鳴が交じったような、ガラガラした感触の中音域のがなり声も、この音像に説得力を与えていると思う。

エクストリームメタルとしての質の高さと、グロテスクに蠢く変態性を両立させた作風は、個人的にはSJODOGG辺りが一番近いと思ったり。アヴァンギャルドではあっても、それが然程メタリックさを犠牲にしていないので、カルトな割には聴きやすい音だと思います。


KATHAARIA ★★ (2011-09-14 00:16:13)

元PARIAのメンバーも在籍するドイツのブラックメタルバンド。
今のところEnd All Lifeからアルバムを一枚リリースしてます。


BUONO! - Buono! 2 - 消失点-Vanishing Point- ★★★ (2011-09-14 00:14:12)

これ、ほんと神懸かってる。
ハードロックバンドって、時折普通のポップスには出せないような、物凄い濃い哀愁の立ち込めるバラードを書いたりしますが、そういう曲に通じる雰囲気のあるバラード。歌の割り振りは夏焼さん中心ですが、彼女の細くてキラキラした、弦楽器を思わせる声がメロディの哀愁を更に引き出してる。ラスト、サビの綺麗なユニゾンから、最後の一行のみをソロで歌い上げるパートは本当に胸を締め付けられます。
アレンジも素晴らしく、ヴォーカルを含めた全ての音が、アンビエント音楽の如き必然性を持ってそこにあるような嵌まり振り。夏焼さんが最後の一行を歌いきり、ピアノのグリッサンドと共にギターソロに突入する展開は、まるで主人公の想いが堰を切って溢れ出して来たかのようで、聴いているこちらまで涙腺が緩くなってしまう…。最近良いポップスと巡り合えていない方は是非。


BUONO! - Buono! 2 - I NEED YOU ★★★ (2011-09-14 00:12:57)

これは驚きました。ガールズロック風とは聞いていたものの、ここまでやってくれるとは思わなかった。昭和っぽい、どこかレイドバックした軽快さの中に哀愁を含ませた曲調から、サビで一気にスラッシュビートで爆走する展開がガツンと来る一曲。このパンキッシュと哀愁を両立させた感じは、個人的にはメリーを連想したり。歌割は嗣永さん中心ですが、特にAメロの軽快な中に深い哀愁がある…みたいなムードは、彼女の声じゃないとここまで嵌まらないと思う。3人の歌の上手さだけでなく、声の性質を理解し、それにあった曲を振るコンポーザー・アレンジャーの充実振りも、Buono!の強みなのではないでしょうか。


BUONO! - Partenza - 1/3の純情な感情 ★★ (2011-09-14 00:11:51)

メタラーにも知名度のある有名曲のカヴァー。
このメロディで、このヴォーカルならまあ悪いものが出来るわけはないですが…う~ん、悪くはないものの、化学反応が起きたりどハマリになっているようなカヴァーではないですね。普通に良質の女性Voポップススタイルでのカヴァーって感じです。


BUONO! - Partenza - Juicy He@rt ★★ (2011-09-14 00:11:04)

これも前曲同様、ポップスとロックを上手く混ぜている曲調で、ほんとにガールズバンドが演奏してそうな雰囲気が良いですね。バンドサウンドのキメや、間奏のテクノっぽいリズムで溜めてからのギターソロ等、ロック的なかっこよさを感じるアレンジですが…ちょっとキーボード入れ過ぎな気が。それよりも、個人的にはギターでオブリ入れて欲しかったなぁ…どんなにかっこよくなった事か。


BUONO! - Partenza - キアオラ・グラシャス・ありがと ★★★ (2011-09-14 00:10:18)

アルバムの中では一番シングルっぽいキャッチーな曲。
ロックと、アイドル歌謡の一番心地よい折衷点という感じの曲調で、特に炭酸飲料のCMに使えそうな感じの、爽快感溢れるサビが聴いていて気持ちいい。可愛らしい感じも残しつつ、迫力もあるヴォーカルも曲にあってますね。キーの入れ方等を聴く限りアレンジャーはクラシックなロックが好きそうな感じしますけど、今風の感性もしっかり取り入れられてて聴きやすいです。タイトルで刃牙の「キャオラ!」を思い出したのは私だけではないはず(笑)。


BUONO! - Partenza - 夏ダカラ! ★★ (2011-09-14 00:09:22)

最初の印象では「ダン・ダン・ダダダン」のリズムが野暮ったくていまいち…という印象ですが、聴き込んで変わりましたね。アナログで、シンプルな質感を出しつつも、実は様々な音が詰め込まれた緻密なアレンジ、何気に凄い気がする。冒頭なんてトレモロリフまで使ってるし(笑)。レイドバックするところはして、アクセント付けるところはしっかり付ける歌も良い感じ。
…でも、中盤の台詞は一体…テキトーっていうか投げ遣りに言ってるように聴こえて、毎回聴くたび笑いそうになっちゃうんですけど(笑)。


BUONO! - Partenza - My Alright Sky ★★★ (2011-09-14 00:08:36)

かなりの良曲だった「フランキンセンスΨ」に続いてこの曲が来た事で、「もしかしていいアルバムなのでは?」と思いました。シンプルなリズムとピアノのフレーズのループに、可憐な歌声が乗るR&Bっぽい曲調ですが、この歌声がほんと素晴らしい。普通裏声と表声が丁度切り替わる音域って難しいはずなんですが、裏表の切り替えや混ぜをごく自然に、心地よく聴こえる歌い方でやっているのが凄い。高歌唱力ですが嫌味のない声で、伸び伸びと歌えてる感じが個人的には好き。黒人かぶれの歌い方でがなる自称ソウルフルとか大嫌いですけど、これはその対極だと思う。初期の倉木麻衣さんとか、こういうポップなR&Bって何気に好きだったり。


BUONO! - Partenza - フランキンセンスΨ ★★★ (2011-09-14 00:07:42)

初聴きでは頭2曲が微妙だったんですけど、3曲目のこの曲で「来た!」と思いました。アルバム中で一番ロックから離れてる曲なのに(笑)。意味が通りそうで通らない不思議な歌詞と、近未来的な音作りで、サイバーな世界に惹き込まれる曲。金属的な響きのよさがありながら、情熱的な感じもするヴォーカルが曲と凄く合ってると思う。歌のおかげで無機質になりすぎず、ポップな感じが出ているのでは。


BUONO! - Partenza - 雑草のうた (2011-09-14 00:06:57)

なんか、このアナクロでステレオタイプなロック感、聴いててこそばゆいんですけど(笑)。演奏のダイナミックさは確かにかっこいいんですが、シングル曲なのにサビのメロディがこんなに平坦なのはちょっとどうかと思う。Buono!はあくまで歌い手3人が主役だと思うので…。


BUONO! - Partenza - Partenza~レッツゴー!!!~ (2011-09-14 00:06:21)

これは正直何回聴いてもやっぱ微妙…。
トーキングスタイルに近いラップとか、わざとらしいくらい電気的に処理されたコーラスとか、今までと違うことをやろうとしてるのは伝わるけど…いまいち気分が上がらない感じ。ただ、「♪それでも涙の夜は~」の箇所が凄い美声で、そこは聞き惚れます。


FENNESZ - Endless Summer ★★ (2011-09-14 00:03:15)

2001年発表の2nd。
…タイトルが「Endless Summer Vacation」じゃなくて良かったですよね。
そのタイトルにトラウマ持ってる人、ネット上には沢山いそうですし(笑)。

吹き荒れるグリッチ音や、様々な楽器やメロディの断片が電気的に処理され、それによってリスナーの脳裏に情景が浮かんでくるような作品で、メタルとは一見かなり開きがある音に聴こえますが…個人的には聴いてるとBURZUM(の特に3rdの1曲目)を思い浮かべるんですよね。実際の出音は抽象的ともいえるのに、頭の中には1つの絵画のような情景が浮かび、引き込まれるような所が似てる。

個人的に凄いと思ったのは、メロディが直接的でないこと。
確かに、メロウな雰囲気を出すような部分もあるし、断片的にはメロディアスと言ってもいい音だと思う。ですが、例えば映画とかで、ジャケの海に日が沈むような情景で流れるようなメロディって、何気に無いんですよね。それなのに、音の組み合わせで、ジャケと合致した世界観を演出しているのに凄みを感じる。美術学校で音楽を学んだというバックグラウンドがあるようですが、音が多分に絵画的なのは、そのせいもあるのかもしれませんね。

メタルと一見関連の無い音でありながら、人脈的にも情景的にも深いところでは繋がっている作品だと思う。アトモスフェリックブラックやポストメタルなどが好きな人は違和感なくハマれるのでは。


FENNESZ ★★ (2011-09-14 00:01:36)

ジャンルとしてはエレクトロニカを演っているアーティストですが、ULVERの作品のリミックスを行ったり、KTLのPeter Rehbergらが運営するMegoより作品をリリースしていたり、何気にメタラーにも馴染みの深い人だったりします。坂本龍一さんともコラボレーションをしているので、エレクトロニカ聴かなくても知ってる人も多いのでは。


CRAFT - Void ★★★ (2011-09-09 23:06:29)

2011年発表の4th。

以前参考にしていたブログで、「リフの歪め方が上手いバンド」と評価されてて、作品を手にとって以来「このバンドは、ブラックの真髄を聴かせてくれるバンドかもしれない…」というくらい、その作風に感心してしまったんですが…。当然、そんなバンドが新作を出すとなったら当然チェックしますよね。
…で、そんな期待値が高いにも程がある状態で聴いたのに、これが全く期待を裏切らない、いやそれ以上のものを聴かせてくれる作品だったんですよね…。

以前からブラックである事に拘った音作りには定評があるバンドですが、今作はその凝り具合、拘り具合が更にパワーアップした印象。リフの性質やその音作りの組み合わせによる演出力が尋常じゃないです。
まず作品最初のリフからして、オールドスクールなダーティなリフにトレモロを混ぜ、ピリッとした質感を出しているし、ミドルテンポに図太いリフを脈動させ、その上に陰鬱極まりないトレモロを乗せたパートでは、鬱ブラックに有機的な気持ち悪さを加えたような、グロい雰囲気が演出されてる。

他にも、ザカザカしたリフの刻みが、ドラムのフィルインから重みを増して迫るパートでは目の醒めるような迫力があるし、非メロディックなトレモロで聴き手の正気を削りつつ、ベースがドワーンと歪んだ低音を垂れ流すパートは、スラッジに通じるような重々しさがあると思う。しかもその上、シャーシャーしたリフとメロウなトレモロで疾走する、プリブラの王道的な展開を演らせても、明らかにトップクラスなのが素晴らしい。

特にこういう、プリミティブ系・オールドスクール系など、安易な実験性やハイクオリティな音作りに頼れない作風のバンドが好きな人ほど、そのアイデアの豊富さに驚くと思う。だってこれだけ色々やりながら、変に実験的にもドラマティックにもならずに、ひたすら「硬派」なブラックなんですよ!?これって本当に凄い事だと思う。ただ今回はこれまで以上にオールドスクールで、ダーティな太いリフ多めでギターソロも入れてくる辺り、昔のDARKTHRONE直系とは言えなくなってる感じですが。

今まで主にリフ絡みを褒めてきましたが、何気にドラムの適度な生々しさといい、ヴォーカルの音が割れる寸前のような、耳元で叫ばれるようなミックスといい、他の部分の音作りも非常に上手いんですよね。
ほんと、この作品に関しては褒める所しか見つからないです。このバンドの音って、ブラックメタルフリークが、数あるバンドの作品を聴き漁って、膨大な取捨選択の末、遂に辿り着いたスタイル…みたいな凄みがあるんですよね。本当に、ブラックメタルのエッセンス(本質)を凝縮したって感じで。当然、今年のベストアルバム候補です。個人的にはこの音作りの上手さ・凄みはブラック好きならず、ドゥーム好きにも推薦したいところ。


DEAFHEAVEN - Roads to Judah ★★★ (2011-09-07 18:23:38)

2011年発表の1st。
4曲約38分という、大作主義な構成の作品。

まず、最初のSEとバンドサウンドの繋ぎの上手さからして、なにか神懸かり的なものを感じますよね…。日常の喧騒が、ドローンの被膜越しに聞こえるSEは、それだけで日常から切り離されていく感覚を覚えますが、それとうっすらギターノイズが覆い、浮遊感のあるアルペジオとトレモロが響くバンドサウンドが、情景を途切れさせる事無く繋がっているのが凄い。個人的には、この部分の情景描写の上手さにはALCESTの1stを聴いた時の様な感動を覚えたり。

その後、ブラックメタルの本編に入って行く訳ですが…個人的にはこうしたポストブラック的なアプローチもありつつ、路線自体は絶叫ヴォーカルと疾走、トレモロリフで聴かせるという、スタイルそれ自体はブラックメタルをがっつり踏襲してくれるのが嬉しい。ギターノイズに常に包まれ、そこに儚いトレモロが乗るというスタイルは、WOLVES IN THE THRONEROOMやFARSOT辺りのバンドを思わせます。

3曲目の、魂を「あっち側」に喚ぶ鈴の音色のようなギターの音色であったり、4曲目のアルバムクライマックスにおける、精神が血を流すのが目に見えそうなほどの激情的なトレモロリフであったり、聴き手の心に訴えるような情景を音で表現する事に関しては、新人バンドながら、既にベテラン勢を食えるような域にいると思う。去年結成したバンドだと聞いたときは耳を疑いましたもん。

ALCESTを始め、WOLVES IN THE THRONEROOM、LITURGYなど、何気にポストブラックやシューゲイザーブラックって、日本盤のリリースが多いんですよね。この作品はこの手を愛好するリスナーの間では既にかなり評判になってますし、この流れで行けば日本盤リリースも近い…のかも。


DEAFHEAVEN ★★ (2011-09-07 18:22:59)

アメリカ・サンフランシスコのポストブラック。
去年結成したばかりですが、早くも一部で熱狂的な支持を得ている模様。


DRAUTRAN - Throne of the Depths ★★ (2011-09-07 18:17:16)

2007年発表の1st。

クレジットを見ると、ヴォーカリストが二人いたので、ソプラノでも入れてるのかと思いましたが…実際は裏返り気味の悲鳴と、がなり系の2種類のデス声が掛け合いのような事をやっていて超カオス。それが荒れ狂うドラミングと、それに合わせて暴れる刻みリフに乗ると、最早パニックの様相を呈してきてますね…。

そこに寒々しいキーまで重なるので、見えてくる情景は、まるで世界の終末のよう。リフが荒い刻みから、メロウなトレモロにシフトすると、今度は終末観の中で諦念が漂うようなムードに…そんな展開をみせるシンフォニックブラック。

ドラムが平たい音で、キーとギターノイズがバンドの音を包み込む音像は、メタルとしては微妙でもブラックとしては素晴らしい。この音じゃないと、このカオスでパニックな感じは出せないと思う。今までの文章だと、おそらくとっ散らかった音を想像するかもしれませんが…キーボードのメロディには妖しさ、荒涼感、メロウさがあり、シンフォブラックらしい整合性もきっちりあるのがいいですよね。

ただ、1つ不満があるとすれば、このバンドもいまひとつ「引き」のパートの聴かせ方が上手くない点。特に立ち上がり、1曲目の演奏時間の半分以上を使って、まだカオティックな部分に突入しないのは、いきなりちょっとダレてしまう。とは言っても、寒々しい、邪悪さをしっかり演出したシンフォブラックを演っているので、EMPERORの初期作等が好みの方にはお勧め。


KAPEIN - AEON OF RUST ★★★ (2011-09-07 00:34:35)

2007年発表の2nd。

まず再生ボタン押して、音の迫力に驚きました。
特にドラム、リバーブのかなり強い、雷鳴のように腹に響く音で、これが迫力があるだけでなく闇に響くようなダークさを醸し出してます。ギターはギターでRAWかつ厚みのある音を出しているし、ヴォーカルはex-GORGOROTHのGaahlを思わせるような、憎しみで前が見えない超凶悪な絶叫だしで、異様とも言える凄みが漂ってます。ブルータル系とはまた違う「凄み」なのがポイントですね。

そして何気に曲の方もかなり良いと思います。
メロディアス・ブルータル・ミニマル・メタリック・スラッシー…そのどの要素にも過剰に偏り過ぎない、ただただ「ブラックメタルである」という感じの作風。オールドスクールな風味の強い疾走は迫力あるRAWな音作りでビルドアップされ、聴いてて血が滾るようなパワーがありますし、ブラックらしい後ろ暗さが伝わるようなメロディセンスも、どす黒い音に良く映えてると思う。

ドイツの、しかも結成が2004年という比較的新しいバンドですが、個人的な印象ではノルウェー産ブラックの古株バンドに通じる雰囲気があると思うんですよね。DMDS期のMAYHEMの路線を、Gaahl加入後のGORGOROTHのブルータリティを持って演奏したような、凄みの効いた作品だと思います。


AKB48 - シングル/カップリング等 - フライングゲット ★★★ (2011-09-05 23:10:18)

私的には、衝撃を受けるレベルの歌メロ。
この、一回聴いただけでカラオケボックスに行きたくてうずうずするような、歌心ありまくりのメロディがホントツボです。ただ、結構癖の強い歌メロなので、それに合う歌割をして欲しかったとは思いますが…こういうメロならユニゾン重ねまくるより、多少ピッチ甘くても太くて強い高音出せる人の方が合うと思うし。


AKB48 - ここにいたこと - ヘビーローテーション ★★★ (2011-09-05 23:00:30)

カラオケに行くと毎回歌わされる曲(笑)
でも、Bメロの「♪こんな気持ちに~」やサビの「♪ガンガン鳴ってるMUSIC~」のところろか、張り上げて歌うには爽快な音域に設定されてるし、サビではみんながコーラスやってくれるのでホント歌ってて楽しい。カラオケ大好きなんで、こういう曲は否定できないですね。


GAAHLSKAGG - Erotic Funeral ★★★ (2011-09-04 01:14:00)

2000年発表の1st。

邪悪さよりも淫靡…というか猥雑さを感じさせるタイトルやブックレットのコメント、パーソナリティが前面に押し出されたバンド名などから、GORGOROTHやTRELLDOMとは違う方向に行くかと思いましたが…意外とそうでもないですね。ジャリジャリした摩擦リフを伴った疾走、邪悪でメロウなトレモロリフ、オールドスクールな要素も強い曲作りと、「True Norwegian Black Metal」以外の何物でもない音。ぶっちゃけあまりエロティックさとかは感じません(笑)。

やはり伝説的な人物のバンドだけあって、纏う雰囲気が一流ですよね。
Gaahlの悪意を押し付けるような、がなりというより怒鳴り声に近い狂的なヴォーカル、「Great Joy」で見せる、GORGOROTHのクラシックな名盤の収録曲と比較しても、何ら遜色のないメロディを練りこんだリフ捌きなどは、それだけで場の空気を塗り替えるようなエネルギーに満ちてると思う。この圧倒的な感じこそが、「True Norwegian Black Metal」なんだな、と思います。

ただ、アルバムが3部構成になっていて、一部一部についてオープニング・エンディングのSEに当る、ダークアンビエントやノイズ的な曲が挿入される作風は、ちょっと好みが分かれるかも。個人的にはブラックメタル部分が素晴らしかったので、それだけで通して欲しかった気もしますが…それだとGORGOROTHやTRELLDOMとそこまで大きい差のない音になってしまうのかも。ともかく、それらバンドが好きであれば、買って損をする事はないでしょう。


GAAHLSKAGG ★★ (2011-09-04 01:11:35)

TRELLDOMやGORGOROTHでの活動でもお馴染みのGaahlと、GORGOROTHやTAAKEのライブメンバーとして活動していた経験もあるSkaggによるプロジェクト。


ASTAROTH (AUSTRIA) - Organic Perpetual Hatework ★★ (2011-09-04 01:08:06)

2005年発表の4th。

タイプとしては、刻みを多用したメロデス的なリフワークと共に疾走し、そこにシンセサイザーやピアノによる装飾が乗るシンフォニックブラックで、ところどころアートワークから想起されるようなインダストリアル要素も取り入れているのが特徴ですね。ヴォーカルは、何気にキレの良さと狂気を両立させている中音域がなりタイプで、なかなかかっこいい声だと思う。

このバンド、何気に世界観の演出が上手いですよね。
アトモスフェリックなキーだけでなく、ピアノの煌びやかな音色も用いた音像はどこか宇宙的な情景を想起させるし、インダストリアル要素もイントロや、ビデオまで制作しているキラーチューン「Soulcloned」の展開部など、作品の肝となるようなパートに取り入れられていて、実際の頻度よりかなり印象に残る感じ。

ヘヴィメタル、特にブラックメタルって、どれだけ聴き手の想像力を刺激できるかが大きなウエイトを占める音楽だと思うんですが、このバンドのそうした演出力は彼らの音楽性に、かなり大きなハクを付けてると思う。TIDFALLやSIRIUS辺りの、宇宙観を持ったシンフォブラックが好きな方にお勧め。


WIGRID - Die Asche eines Lebens ★★ (2011-09-02 22:24:55)

2005年発表の2nd。
No Coloursより1000枚限定のリリース。タイトルの意味は「命の灰」。

もう大作5曲のみを収録したアルバム構成からして、BURZUMの3rdの影響受けまくりですが、「これでラストが長大キーボード・アンビエントだったらウケるかも(笑)」と思ったら、本当にそうでビックリ。どんだけBURZUMラブなんですか…。音圧低めで淡いノイジーさのプロダクション、ほとんどノイズと化した、狂気に満ちた高音絶叫なんかも、思いっきりBURZUMの影響下にあると思う。

ただ、後続に多大な影響を与えたBURZUMのクラシックな名曲「Det Som Engang Var」が、フレーズもムードも圧倒的なものがあったのに対し、このバンドは淡いギターノイズを含むリフの波でリスナーの気分を凹ませ、そこに物悲しげなメロディをうっすらと流して更に追い討ちを掛けるスタイルで、やはりBURZUMとは「似て非なるもの」だと思う。

本来なら、ここで言うべきではないのかもしれませんが…こういうBURZUMチルドレンの作品を聴けば聴くほど、私の中でBURZUM、特に3rdおよびその1曲目と4曲目が、神格化されていくんですよね…。あれだけ圧倒的な鬱ブラックって未だに出てきてない気がする。このバンドも惜しいところまでは行ってるけど、まだカルトな信者を産むような、クラシック足りえる曲は作れてない感じ。


WIGRID ★★ (2011-09-02 22:23:50)

ドイツ産鬱ブラック。
Ulfhednir氏による独り体制で活動している模様。


ICS VORTEX - Storm Seeker (2011-09-02 22:22:54)

2011年発表の1st。

ICS VortexことSimenと言えば、DIMMU BORGIRやARCTURUS、BORKNAGARなどの有名ブラックメタルバンドでその美声を振るってきた人という印象が強いですが、この作品はブラックメタル的なリフ・リズムの導入は僅かな味付け程度で、全体的にはプログレッシブなムードの強いハードロックという感じですね。ハモンド等を取り入れたり、昔のプログレ好きなミュージシャンが作ったアルバムという感じで、同じBORKNAGAR仲間のVintersorgのプロジェクト、WATERCRIMEに近い雰囲気のアルバム。

個人的には、昔のプログレやその流れを汲むハードロックって、明るいサイケデリックさがあって苦手で…それはこのアルバムにも含まれているため、曲自体の評価は正直微妙なんですが…やはりSimenの美声を堪能できるのは単純に嬉しい。相当な高音域でも無理なく、そして妖しく発声でき、広い音域を滑らかに歌い上げるヴォーカルは聴いてて心地よく、やっぱり素晴らしい。「Windward」でヒット曲のシンガーみたいな、爽やかイケメンボイスが出て来たときはちょっと面食らいましたが(笑)。

ただ…彼の声が心行くまで堪能できる良盤であることは前提として、DIMMU BORGIRでの嵐のような激音の中に、天啓のように彼の声が響く様子だったり、ARCTURUSで滑稽味と狂気の同居する、奇妙な宇宙観の語り部を任された時だったりのような、彼の声とバンドの音楽性が見事なまでに合致した、「ミラクル」は起きてないかな…という印象があるんですよね。出来ればハードロックよりもブラックメタルか、ブラックメタルの感性の強いプログレメタルで歌ってほしい…そんなことを思ってしまいました。


ICS VORTEX ★★ (2011-09-02 22:21:38)

アルバムの紹介シールのところ、ARCTURUSとBORKNAGARに「ex-」が付いてなかったんですが、ARCTURUS活動再開とBORKNAGARにSimen加入したんですね。これから彼の声を聴く機会も増えそうで嬉しい限りです。…ぶっちゃけソロでの作風そこまで好きじゃないし…。


AKB48 (2011-09-02 22:19:55)

買っちゃいました、フライングゲット。
音楽番組かなにかで聴いて、「これをカラオケで歌いたい!」と思ったので…ちなみに、買ったのは発売日の翌日で、値段は某大手中古書店で半額以下でした。握手券商法万歳ですね(笑)。

っていうか、その「フライングゲット」と、「ヘビーローテーション」しか知らないんですけど、AKBの曲ってそんなに駄目ですかね?私の中には、「リフとリズムの絡みが凄いバンドが素晴らしい」「幽玄さや邪悪さなど、ムードをしっかり演出できているバンドが素晴らしい」「他のバンドにない、特有の世界観を持っているバンドが素晴らしい」などの価値観に加えて、「カラオケで歌って楽しくて、皆で盛り上がれる曲が素晴らしい」という価値観もあるんですけど、そういう物差しで計れば、AKBの曲はそんなには悪くないと思いますよ。というか、AKBみたいなコマーシャルなポップスを歌唱力や本格志向性で計ることに、いまひとつピンと来ないんですが。

ちなみに、この2曲を聴く限りでは、歌の下手さは良く分かりませんでした。というか、ユニゾン重ね過ぎてて合唱曲みたいに聞こえるんですけど…。クラスの女子みんなで歌ってるような、楽しい雰囲気は凄く良いけど、一人一人の個性は全く伝わってこないかも。AKB好きな人は、これ聞き分けられるんですよね…そこは正直凄いと思う。