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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1901-2000
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AOSOTH - Ashes of Angels ★★ (2011-06-08 18:19:32)

2009年発表の2nd。
ANTAEUSの「Inner War」のカヴァーも収録。

前作ではスラッシーなリフを導入し、アングラブラック好き以外でも聴ける、ANTAEUSよりも聴きやすい路線で行くのかと思わせましたが…今作はANTAEUSよりも更にカルトな方向に向かった感じですね。メタル的な価値観にある程度背を向けてブラックの邪悪さを追及しつつ、クオリティの下がらないアルバムになったかと。

まず音質が前作よりも、刺々しくノイジーになり、オールドスクールなリフ捌きも影を潜め、不協的なメロディを多用したグロテスクかつ抽象的なイメージを喚起させるものが増えた事で、格段に禍々しく、そして得体の知れない音になったという印象。ただ前作よりもヴォーカルが埋もれ気味で、怒気を孕んだ迫力が活かせてない感じなことだけは不満かも。Inner Warもその理由からANTAEUS版の方がかっこよく聴こえるし。

前作よりも邪悪さでは確実に勝るアルバムになっているので、前作を聴いて「あれ、ANTAEUSのが邪悪じゃん」と思った方にも是非聴いて欲しいアルバム。ただ、一般的なメタルファンには前作の方が取っ付きやすいと思う…けど、ブラッカー以外のメタルファンでAOSOTHに興味持つ人がどれだけいるのか疑問ではあります(笑)。


AOSOTH - Aosoth ★★ (2011-06-08 18:18:40)

2008年発表の1st。

ANTAEUSのMkM氏がヴォーカルを務めるバンドとして有名なAOSOTHですが、今まで出てる三枚のアルバムでは、一番音作りがANTAEUSに近い感じですね。こちらの方がリフに(ある程度)キャッチーな刻みリフがあったり、狂ったギターソロがあったり、スラッシュ要素が強く、オールドスクールな感じですが。と言っても、4曲目のほぼファストブラックのリズムにMkM氏が歯切れ良いがなりを乗せると、もう殆どANTAEUSに聴こえますが。

普通、オールドスクールな要素を入れると、人間臭いダーティさが出たり、メタリックになったりするものですが、このバンドはANTAEUSのような血腥さというか、饐えた血のようなドス黒さを引き継いでいるのが素晴らしいですね。特にMkM氏の、恨みがましさと力強さを兼ね備えた稀有なヴォーカルは、今作では前に出され、場の空気を一変させてしまうほどの存在感を醸し出してます。

ANTAEUSよりオールドスクールな音ですが、邪悪さでは負けてません。このアルバム自体はTHRから出てますが、ANTAEUSを始め、NED系のバンドの独特な空気感が好きな方なら買って損はないかと。スラッシーな作風でここまで邪悪で血腥く出来るのは珍しいと思う。


MORTIFERA - Maledictiih ★★★ (2011-06-07 18:39:45)

2010年発表の2nd。

Neigeは抜けてしまいましたが、相変わらず素晴らしい作品を作ってますね。MORTIFERAの美点というと、まずエグいヴォーカルと、メロディセンスの素晴らしさが挙げられますが、その両方を保ったまま、かなり聴きやすくなった作品だと思います。

まずヴォーカルですが…Neigeが脱退したため、あの笛を音階が潰れるほど思いっきり吹いた時の音のような超高音は聴けませんが、Noktuの仮声帯だけで発声してるみたいな、ハイパー喉声なデスヴォイスは今作でも健在。全盛期のManiac並みのねちっこさで、聴いてる方の喉が潰れそうな勢いでがなりまくり。単純に好きなんですよね、こういうスタイルの絶叫。

そしてメロディも、センスの良さに全く陰りがないですね…
基本的にトレモロリフ(時々アルペジオ)にメロを乗せてますが、美醜と悲哀を自在に表現しきっているように思えるくらい、「メロディで」曲の展開や表情を付けている作風。メロディックな音楽好きなら確実に世界観を共有できると思う。また、トレモロを含むメロウなベースや、歯に何かが挟まるかの如く妙な引っかかりを持つ刻みリフ等と絡み、曲にフックを設けてるのも素晴らしい。

ただ、MORTIFERAって割とカルトっぽい印象があるんですが、今作は音質・音量ともにごくごくまともで、しかも大抵の曲が3~5分台のコンパクトなものなので、総じて凄く聴きやすくなった印象も受けるんですよね。メタル聴く人なら普通に聴けるレベル。メロディの良さもありますし、ブラック入門したての方にもお勧めです。少なくともジャケのイメージよりは大分聴きやすいかと(笑)。


BLUT AUS NORD - Memoria Vetusta II: Dialogue With the Stars ★★★ (2011-06-07 18:38:43)

2009年発表の7th。

前々作「MoRT」ではブラックメタルを融解させ、誰も辿り付いた事のない新境地へ到達、前作「Odinist」ではそのスタイルを、伝統的なブラックとある程度融合させた…という変遷をえてきた彼らですが、今作は初期作の続編という位置づけだからなのか、割と普遍的なメロブラのスタイルに近い作風になってますね。メロウなリフでの疾走も多いし、哀感の篭ったアルペジオやリードギターは前々作と同じバンドとは思えません(笑)。

ただ、完全に普遍的なメロディック・ブラックになってしまったわけではなくて、やはり彼ららしい捻くれた感覚は残って(しまって)いるのが、面白いんですよね。リズムは人力でインダストリアルを演奏したような、このバンド特有の感触があるし、基本的にはメロウなリフも所々不協的な音色になったりして、それがフックになってると思う。でもこのバンドが10分超えの大作やって変態的な方向に行かないと、「よく我慢したなぁ…」とか思ってしまいます。

メロディック・ブラックに、このバンドが2000年以降に発揮し始めたアヴァンギャルド性を隠し味的に盛り込んだ感じの作品。「MoRT」も完成された作品だし、あれも大好きなアルバムですが、こういう、あからさまではないけど確かな前衛性が垣間見えるブラックも面白いですよね。


DRAPSNATT - Hymner till undergången ★★ (2011-06-07 18:37:11)

2010年発表の2nd。

狂犬病に罹った犬が水を恐れるような、情けなく裏返るまで絶叫するヴォーカルや、身を切るような悲壮感に満ち満ちたトレモロリフ、シャーシャー系のギターが音を埋める意図的にややローファイにしてある音作りなどは、ディプレッシブ・ブラックのテンプレートに沿っているとも言えますが…このバンドは単なる「上モノ」に留まらない、キーボードを展開の中心に絡めてくる点がかなり個性的ですね。

まず、主にピアノの音色で挿入される、メロディ自体が他の鬱系とは一線を画す感じ。フォーク/トラッドの影響があるようですが、単に暗い・悲しいというより、ドラマや演劇の悲劇的な場面で挿入されるような、シアトリカルな感覚が強いメロなんですよね。重厚な悲壮感を演出するアトモスフェリック系の音色とも相俟って、鬱ブラックとしては破格のドラマ性のある音になってると思う。

鬱ブラックはひたすらに陰鬱さを強調するバンドも多いですが、この作品はドラマ性の高い音作りと展開で、悲劇的なムードを演出してくれているので、割と聴きやすいのではないでしょうか。メロディの方向性的に、アヴァンギャルドなものが好きな人にも受け入れられそう。ただ、音が小さめなのが個人的には残念。


MALEVOLENT CREATION - Demo 1987 (2011-06-07 18:30:48)

バンド最初期の3曲を、現在のミックス技術でリミックスしたものと、当時のミックスのまま残したテイクの計6曲を合わせた作品集。2011年発表。ちなみに背の部分にはバンド名しか書かれてないので、ちょっと見つけづらいかも。当時のバージョンは音が悪い以前に篭ってて小さくて、聴きづらいですが、リミックス版は丁度良い生々しさで良い感じです。

しかし、20年以上経っても、やってることは変わりませんね…当時はまだヴォーカルが普通のダミ声に聞こえて弱そうだったり、リズムも激ファストという訳ではなく、ちょっと野暮ったい感じもしますが、基本的には血腥いリフを纏って疾走すること、それが魅力な作風ですもん。洗練されてない感じが、逆に新鮮だったりします。

現在の彼らが好きであれば、確実に楽しめるであろう作品。
こういう時期もあったんだ…でも意外と変わってないね、みたいな(笑)。


LUGUBRE - Supreme Ritual Genocide ★★★ (2011-06-03 01:10:05)

2010年発表の2nd。

ファストブラックとは言っても、これだけエクストリームメタル界隈において豪速ブラストの使用が珍しくないものになってしまうと、もう「速さ」で衝撃を与えるのは無理なんじゃ…と思ってましたが、衝撃、受けちゃいましたよ…。特に2曲目のラストの加速、ファストブラックを相当聴きこんでる人でも衝撃を受けるんじゃないでしょうか。実速度だけでなく、切り返しの上手さで体感スピードを増すセンスも素晴らしい。

また、ファストブラックにしては音がブルデス並に重いのも特徴で、前述の振り切ったスピードとも相俟ってとんでもない暴虐な音になってますね。BEHEMOTHや、ARKHON INFAUSTUSなどメジャーなバンドと比べても、迫力の上で全く遜色ないです。ヴォーカルのわめきがドスの効いた、殺伐とした感触が強いものであることも、暴虐性に更に拍車を掛ける結果になってますね。

何気に、リフでの曲への表情の付け方もセンスいいです。
アルバムの序盤を聴いた限りでは、何気にフックのあるメロを弾きつつも、それを暴虐性に溶け込ませるような音作りだったので、故意にメロを抑えて殺伐感を出す路線かと思いましたが、6曲目はメロブラ以上にメロディを強調、ラストの曲では序盤聴いた時には想像出来なかったほどメロウなフレーズが…。時に暴虐性を強めたり、時に魔が集まるような恐ろしさを醸しだしたり、ドラムに負けないくらいリフも良い仕事してます。メロウなだけでなく、不気味さや荒涼感があるのが素晴らしい。

ブルータル・デスの暴虐性と、ブラックのリフのメロディアスさ、その両方が味わえるのがファストブラックの良い所なのかもしれませんね。暴虐性といい荒涼感といい、ファストブラックとしての名盤の条件は既に備えていると思うので、何かあればブレイクしてもおかしくないバンドなのではないでしょうか。アンチメジャーな不穏さは醸し出せど、音自体はもうメジャークラス。


LUGUBRE ★★ (2011-06-03 01:09:23)

オランダ産ファストブラック。
去年出た新譜が素晴らしい出来なので、ファスト好きは是非!


DRAGONLORD - Rapture ★★ (2011-06-02 23:16:20)

2001年発表の1st。

このバンドはTESTAMENTのメンバーのプロジェクトと言う事で有名らしいですが、そのバックグラウンドの影響なのか、かなりスラッシュ色の強いシンフォニック・ブラックを演ってますね。キーボードを取り去ったら、メロブラよりもデス声のスラッシュに聞こえそうなくらい、ギターの刻みが厚い音作り。疾走感とも相俟って、厚いバンドサウンドが流星で、キーボードの尾を引いているようなイメージ。

個人的には、スラッシュ色の強いギターワーク+クラシカルなキーボードという組み合わせは、「鬼女」期のCOFを思い起こさせたり。特に3曲目、「Cruelty Brought Thee Orchid」のDRAGONLORD版にも聞こえますし。イントロのホイッスル音交えた絶叫とかタメた後にブラストに美しいメロディ乗せる展開とか、確実に意識してると思う。ただ、こっちは当時のCOFが、シアトリカルさ・クラシカルさに向けていた力を、メタルとしてのマッシブさや攻撃性、分かりやすさの方に振り分けてる感じ。ある意味COFより聴きやすいです。

個人的には、メタルとして普通に聴け過ぎちゃうなぁ…という印象がありますが(ギターワークはもっと不気味でメロブラ然としてた方が好み)、純粋にクオリティが高くて、入りやすいシンフォニック・ブラックだと思います。


MORBID ANGEL - Illud Divinum Insanus ★★ (2011-06-01 22:07:26)

2011年発表の8th。

帝王様の新作がリリースされたという事なので、取り合えず…と購入してみましたが、8年ぶりの新作にしていきなり問題作ですね…それも前作が比べ物にならないくらいの。

当然、従来のようなデスメタルも演ってるは演ってるんですが…モダンなヘヴィロックのようなリズムと展開を持つ曲、人力インダストリアルなメカニカルな曲、ロックのダンサブルなノリを取り入れた曲などもあってかなり驚きました。まあ、「Destructos~」辺りは、SAMAELやSATYRICONが既に踊れるエクストリームメタルのモデルケースを提示していたので、そのデスメタル版と思えば然程驚きはしませんでしたが、殆どMARYLIN MANSONな「Rudikult」はリアルに声出るくらい面食らいましたね…

また、今作はヴォーカルにDavidが復帰した事が大きな話題になっているようですが、彼の声はかなり地声に近い感じの自然な歪ませ方なのに、恐ろしくドスが効いていて迫力ありますよね。デス声のお手本になりそうなスタイルなのに、強烈さが個性になってる。歌詞も歯切れ良く吼えてくれるので、今作のキャッチーな楽曲にも何気にマッチしてます。個人的にはSteveの時々人間辞めてるみたいな声の方が好きですけど、今作の作風には彼の声が合ってる。

今作、実験的な楽曲に関してはまあ興味深く聴けるし、リフワークでかなり筋を通してくれてるのでそこまで否定的ではないんですが、肝心のデスメタル曲が前作や前々作より少し弱い気がするんですよね。ギターの弦から瘴気(ライナーで言う所の「魔闘気」?)が立ち上っているのが目視できそうな邪悪さが、少しだけ薄れてる感じ。瞬間最大濃度こそ全く薄れてないものの、実験的な部分に力を割いてるせいか、インテンシティをキープ仕切れてない印象。とは言っても、今までと比較してであって、十分邪悪と言える音ですけどね。

個人的には、ダンサブルなエクストリームメタルって決して嫌いじゃないし、DEICIDEやHATE ETERNAL辺りも頑張ってくれてるので、まあ帝王がこういう路線に行っても受け入れられるんですが、日めくりカレンダーを一日一日めくりながら発売日を待ち望んでたような熱心なファン、とりわけ「Domination」路線を期待した人には衝撃が大きいかもしれませんね…。取り合えず、この作品がこれからどういう評価を受けるのか、無責任に楽しみではあります(笑)。


DISIPLIN - Radikale Randgruppe ★★ (2011-06-01 18:16:16)

2011年発表の4th。

初期はインダストリアルよりハードコアの要素の強いブラックメタルを演ってましたが、今作はノイズとバンドサウンドの境界が分からないレベルまでインダストリアル化した作風になってますね。ブックレットには、NSBMバンドとしてのおっかない声明がいくつも書かれてますが、このバンドもマジなんでしょうか…少なくとも音の方はマジです。ノイズの隙間から、「俺たちの音楽をエンタメに堕するわけにはいかない」って思想が漏れ聞こえてきそうな凄まじさ。

基本的にはブラックメタルをインダストリアル・ノイズ方向に解体した感じですが、解体の仕方が曲によって様々で面白い。バンドの音を切り刻んでコラージュしたノイズが吹き荒れたり、ロックなリズムと毒々しいメロディの上をノイズが吹き荒れたり、鉄を打つようなサンプリングに合わせて多量のノイズが吹き荒れたり、紙を破るような洗脳的な音色のノイズが吹き荒れたり…

と、アルバムの収録時間の殆どはノイズが吹き荒れてます(笑)。5曲目はシンセアンビエントっぽいですが、音色は圧迫感あるし、ノイズが掛かってるしでやはり耳に優しくない。4曲目の金属質なノイズはちょっとやりすぎで耳が痛くなりそうですが、解体しすぎてメタルの面影がほぼ無い6曲目、ぶっ壊れてもロック/メタルの衝動性が僅かに残る7曲目辺りは個人的にかなり好みですね。

ただ、この作品、曲目には10曲あるのに、何故か8トラックしか入ってないんですよね…。調べたらCD版はそういう仕様だとか。自然崇拝的な思想から、「CDなんて軟弱なメディアで聴いてんじゃねぇ!」って事でこんな仕様になってるんでしょうか(笑)。レコードやテープの方が自然に近いみたいな。


モーニング娘。 - ⑩ MY ME - Moonlight night 〜月夜の晩だよ〜 ★★★ (2011-06-01 18:12:31)

これ大好きです。
つんく氏が歌詞とメロディで描いた世界観と、アレンジが凄く合ってる。如何にも打ち込み然としたクールな音ですが、聴き手と楽しさを自然と共有できるような、滑稽味みたいなものもあるのが素晴らしい。細かいリズムの組み方とかが全部ツボに嵌まってて、歌詞の通り一緒に踊りたくなりますもん。まあ、私はメタルファンなんで、動くのは主に首から上ですが(笑)。オペラティックに歌い上げてみせたり、サビのラストで見得を切るようなメリハリの付いたヴォーカルも素晴らしい。


モーニング娘。 - ⑩ MY ME - 元気ピカッピカッ! ★★ (2011-06-01 18:11:49)

リズムトラックがサイダーの、気泡が弾ける感じを連想させて、凄く清涼感のある曲ですよね。歌メロとベースラインの絡みも、色とりどりのキャンディーを思わせるようなカラフルさで、総じて凄くポップな印象。個人的に、可愛らしさの演出が行き過ぎてなくて、自然なポップ性があるところが好みです。


モーニング娘。 - ⑩ MY ME - 涙ッチ ★★ (2011-06-01 18:10:58)

イントロ~ABメロまでではメロウな楽曲と思わせておきながら、サビでちょっとガールズパンクっぽいノリで弾ける起伏の付いた曲。でもダンス☆マンアレンジ全盛の時と比べると弾け方に、良くも悪くも節度がある感じですね。ストリングス系のシンセが入ったりしてやっぱりメロウだし。純粋に曲が良いと思う。あと何気にサビのドラム、打ち込みだけど下手な生音より全然迫力ありますね。


モーニング娘。 - ⑩ MY ME - 女が目立って なぜイケナイ ★★★ (2011-06-01 18:10:24)

タイトな生ドラムと、アコギのキメを多用した演奏が非常に気持ち良い曲。合いの手的に入るシンセやギターのフレーズ、歯切れの良い歌メロとも相俟って聴いていて爽快。しかしこれだけ質の高い楽曲を作って、メタラーがつんく関連を評価しないのは不思議。このドラムとかほんと「ロック」の言葉通りの、揺さぶられる感じしますもん。間奏のエピックなヴァイオリンソロもかっこいいし。
…ただ、この歌詞を端正な顔立ちのメンバーが揃ったモーニング娘が歌うと、めっちゃ嫌味に聞こえるんですけど(笑)。


モーニング娘。 - ⑩ MY ME - しょうがない 夢追い人 ★★★ (2011-06-01 18:09:29)

この曲は、モーニング娘と言うよりも、シャ乱Qでやりそうな世界観ですよね。実は作詞も作曲も違うんですが、「上・京・物・語」とシチュエーションが似てる。ベッタベタな哀愁の篭った歌謡メロも、この世界観に合ってて、聴いてて絵が浮かぶ感じ。つんく氏のヴォーカルで歌っても間違いなく合うと思うし、もしまたセルフカヴァーやるなら是非この曲は歌って欲しいですね。
ちなみにカラオケとかで上手く歌うコツはサビメロの語尾をしゃくらないで、真っ直ぐに歌うことだとか。


モーニング娘。 - ⑩ MY ME - 大きい瞳 ★★★ (2011-06-01 18:07:51)

なんとなく、エイベックス(のポップサイド)っぽいイメージの曲。「♪抱きしめて」「♪初めてね」の後のフィルインなんて初期の浜崎あゆみさんの曲でよく聴いた感じですし。上記のフレーズに絡むギターとベースのユニゾンが非常にかっこよく、個人的にテンション上がるポイント。アレンジに大味さが無いのが素晴らしい。こんなトランシーな曲なのに、ギターソロ(何気にツインリード)のメロがかっこいいのが日本人的ですよね。まあ短いし音量も大きくはないですけど。


モーニング娘。 - ⑩ MY ME - あの日に戻りたい ★★ (2011-06-01 18:06:49)

「部屋とTシャツと私」とか、昔の歌謡曲とかって何気ないフレーズにゾクッとさせられることがあるんですが、この曲はそういう曲だと思う。「晴れだよというのに傘をさす私」というフレーズから浮かぶ絵が、シリアスでなんか怖い。高橋さんと新垣さんが歌ってますが、そういうシリアスさを表現できるくらい巧いですよね。モーニング娘は世間で言われるほど歌唱力低くないと思うけどなぁ…。


モーニング娘。 - ⑩ MY ME - なんちゃって恋愛 ★★★ (2011-06-01 18:05:52)

個人的には「抱いてHOLD ON ME!」の第二章ってイメージの曲。
「愛想笑い」と「ねぇ笑って」からして被る(笑)。ただ、焼きなおしと言うわけではなく、むしろ歌謡曲らしいメロディのベタさは強化されてます。Aメロの時点でクサメロ始まってます(笑)。アレンジが自然で普通に聴けちゃいますが、何気にサビや間奏などで聴けるストリングスのフレーズが超が付くほどドラマティック。聴いてて、これがプロの技だな…と思わされました。


モーニング娘。 - ⑩ MY ME - 雨の降らない星では愛せないだろう? (中国語 version) ★★★ (2011-06-01 18:04:57)

個人的には9thに入ってる日本語版より好き。
言葉が分からない分、より純粋にメロディの良さが伝わってくるんですよね。日本語の方は、なんか24時間テレビとかで流れてそうな曲に聴こえてしまって…。ちなみに友人にK-POP(少女時代の曲)と偽って聞かせてみたら普通に信じてました。アホですね(笑)。それにしてもスタンダードで、良いメロディだと思います。


ILL OMEN - Spear of Salvation ★★ (2011-06-01 01:41:39)

2010年発表デモのCD化。

本編の5曲目までがトラック1に入っていて、トラック2にCDボーナス曲の「Adorned in Garments of Pestilence」が入っているという謎の仕様。そんな余計な部分にこだわらなくていいです(笑)。

路線としては、ギターリフのザー音が空間を支配する、プリミティブ音質の鬱ブラックで、やはり源流にはBURZUMがありそうな感じ。ただ、こっちはBURZUMがスピリチュアルな感覚や、叙事詩的な雰囲気に向けている労力を全部不吉さだとか陰湿さに向けている感じで、よりカルトな感じはしますが。ほぼノイズと化してる絶叫もBURZUMを思わせますね。

叙情性ではなく、ひたすらに焦燥感だけが加速していくような疾走パートもなかなかですが、個人的にはスローパートが素晴らしいと思います。トレモロリフなのに、「ズルズル」という擬音で表現したくなるような引きずり感があって、聴いてると大量の霊魂が生まれ変わりの光を目指して虫ケラのように這い進んでいるような、陰惨で本能的に忌避したくなるような絵が浮かびます。こういう宗教的なイメージは、途中で挿入されるクワイアのせいもあるかもしれませんね。

曲の終わりなどにアンビエントパートも挿入されますが、これもざらついた洞窟めいた雰囲気のもので、プリブラ曲でのムードをしっかり引き継いだものになっているように思います。ボーナス合わせても26分で、多少物足りなさは残るかもしれませんが、精神にクる鬱系が好きな方なら手を出して損はないかと思います。


AORLHAC - La Cité des Vents ★★★ (2011-05-30 22:40:29)

2010年発表の3rd。

注目してるサイトやブログでこぞって褒められてたので、ミーハー根性で購入しましたが、マジでヤバいですよ、これ…。メロディックブラック・エピックブラックの至宝とでも言うべき、名盤なのではないでしょうか。

路線としては、少しフォークっぽさもあるメロディをどメロウなトレモロリフに乗せて、ドラマティックに展開する超メロディックなブラックメタルという感じですが、もうインスト明け2曲目の頭からキてますね…最初聴いたとき、一番初めに頭に浮かんだのがDRAGON GUARDIANですもん(笑)。アートワークは中世の、戦争などの陰惨な部分を描いてますが、聴いてて脳内に繰り広げられるのは中世「ファンタジー」の世界観。

そして、メロディそのものだけでなく、その活かし方も素晴らしい。
時折目の醒める様なクッサいメロディも入れてきて耳を惹きますが、「引き」のパートでさえ繊細さの感じられるメロを弾いてるんですよね…所々で挿入されるアコギも実に効果的で、総じて超が付くほどドラマティック。一番メロくて正統派だった頃のTAAKE(3rdくらい)に似た路線で、実際TAAKEのカヴァーも隠しトラックで演ってますが、正直TAAKEよりもメロディック方面に突き抜けてる音だと思う。

個人的に、メロデスってメタルとしてのマッシブさやステージでの盛り上がりも考えられてる分、メロ方向に突き抜ける事は稀って印象なんですが、このバンドの音楽性は余裕で限界突破しちゃってます。メロブラ好きは当然聴くのが義務としても、是非メロデスや正統派を始め、全てのリフ音楽・メロディ重視の音楽好きに聴いて頂きたい作品です。


FROSTMOON ECLIPSE - The End Stands Silent ★★★ (2011-05-30 22:37:21)

2011年発表の5th。

変拍子も使用する、有機的なアンサンブルと、シューゲイザー系にも通じる儚げなメロディも交えて展開する、やや前衛的なメロディック・ブラック。一部リフの歪みに間断を入れる部分等もあり、少し実験的な感じ。変拍子パートはVED BUENS ENDE辺りの影響を僅かに感じさせたりもしますが、このバンドはVBEのような不気味さは殆ど感じられず、非常に洗練された表現としてそういうアンサンブルを取り入れている感じがしますね。

また、メロウで清浄なトレモロリフで疾走するパートはシューゲイザー系のブラックにも通じるものがありますが、このバンドの場合、メロディの儚さや清浄さが何故かマイナスの感情を掻き立てるんですよね。ノスタルジーに浸っているというよりは、人生を後悔した挙句天に召されていくようなイメージが思い浮かんでしまいます(笑)。

この手のブラックとしては、ベースがかなり前に出ているのも特徴で、変拍子パートでのアンサンブルをより流動性の高いものにしていたり、メロディの儚さを更に強調してみせたり、リフの歪みに表情を与えたりと大活躍してます。個人的にはアコギと絡むパートが特にグッと来る。絶望したような呟きと、Ihsahn風の絶叫を使うヴォーカルも好印象。

感性的にポストブラック・シューゲイザーブラックとかなり共通するものを感じられる作風ですが、メロディックブラックとしてのスピードやドラマティックさもしっかり残してくれているので、エクストリームメタル好きにも取っ付きやすい作品だと思います。


SEPTICFLESH (SEPTIC FLESH) - The Great Mass ★★★ (2011-05-28 18:04:54)

2011年発表の8th。

初期はゴシック要素もある、夢想的で神秘的なデスメタル、中期にブルータリティ・シアトリカルさを強めつつも一時解散、そして再結成してリリースされた前作「Communion」では現存するバンドの中でトップ10に入るくらい、個人的に好みの作風になった彼らですが…今回も前作の路線を踏襲した、超大仰なシンフォニック・デスでモロに私のツボな作風。タイトルは「大いなるミサ」でしょうか…その「大いなる」のスケールが、もう他のバンドじゃ追いつけないレベルになってます。

前作からしてそうですけど、このバンドの作風は「デスメタル」の部分も、「シンフォニー」の部分も振り切っている所が素晴らしいんですよね。斧で叩ききるようなヘヴィネスと、ドスの効いたデス声が絡むバンドサウンドは神々の怒りそのもののようだし、ストリングスは密教的な妖しさを醸しだし方と思えば、途轍もないスケールの情景を描いたり、場面を過剰なまでに演出して見せてる。

当然、その二つが絡むのだから、相当ダイナミックな作品になっているんですが…「ダイナミック」「ブルータル」であるのに、「アトモスフェリック」で「繊細」なのが本当に凄いと思う。曲にクオリティのバラつきがあった前作よりも質が統一され、より情景描写に富むようになった印象で、極悪に重いブラストに怖気を震うオーケストラが絡む箇所なんかはマジに寒気がしそうになるし、ギターが廃墟となった荒野に取り残されたかのような泣きのトーンを弾いてる所では、胸が詰まったような感覚になります。

相変わらず、初期作より続く灼けつくような神秘性を感じさせるギターの音色は素晴らしいですし、期待通りの作風、期待以上のクオリティに大満足な一枚でした。取り合えず上半期ではこのアルバムがベスト。
不遜ながら言わせてもらいますが、こんな素晴らしいアルバムが日本盤も出ず、話題にもならず終わったら、日本のメタルシーンは死んだと思う。ほんとに素晴らしいんで、ちょっと興味ある人はまず試聴だけでもしてみて下さい。これがエクストリーム・メタルであり、ヘヴィメタルです。


ATRA - DEATH COVEN ★★ (2011-05-26 00:41:26)

2010年発表の1st。おそらく500枚限定。
バンドロゴの怪物が漫画「トリコ」に出てきそう(笑)。

路線は、2ビート疾走のみではない、ミディアムもそれなりに重視するタイプのプリミティブブラックで、やや遠くから聴こえるエグイ喚き系ヴォーカルといいいくら音量を上げても迫力の感じられない、軽くてノイジーな音質といい、いかにもって感じです。ただ、こんな軽い音なのに、何故か邪悪が真ん中に巣食っているような気配が感じられるのが面白い。生贄の血で染まったぼた雪のような、刻みリフの音色も結構個性的。

このバンド、寒々しい音を出してはいるんですが…他のプリミティブブラックと比べると、その表現の仕方が違う感じがしますよね。直接に寒々しさを表現するというよりは、不気味で湿ったメロディをリフに盛り込む事で、聴き手の体温を下げるような寒々しさだと思う。2曲目や9曲目などは、不気味さが行き過ぎて魔と邂逅するような神秘性すらあると思う。路線は違いますが、BEHERITの「Drawing~」と似た聴き心地がある。

…とレビューを書いては見たものの、多分「邪悪が真ん中に巣食ってるような気配」だとか「魔と邂逅するような神秘性」だとかは、プリミティブブラックそのものが好きでないと感じ取れない可能性大です(笑)。という訳で、ちょっとマニア向けかな、と思います。


ATRA ★★ (2011-05-26 00:40:49)

オーストラリア産プリミティブブラック。
以前DROWNING THE LIGHTにも関わったBlackheart氏による独りバンド。


BANE - Chaos,Darkness and Emptiness ★★★ (2011-05-25 23:28:24)

2010年発表の1st。

このバンドって、DISSECTIONの名盤「Storm of the Light’s Bane」からバンド名を取っているんでしょうか。刻みとトレモロを巧みに使い分け、ドラマティックな展開を作り出す作風なんかはモロに影響受けてそうですし、サンクスリストの影響元にDARK FUNERALやSATURNUSに加え、真っ先にDISSECTIONの名前を挙げてますし。ただ、ほぼDISSECTIONのトリビュートバンドのようだったTHULCANDRAと比べると、暗さ・邪悪さが強い分WATAINや同郷のMAY RESULTに近い気がします。

しかし、このバンドはWATAIN系の中でも、曲そのものが優れてるバンドなんじゃないでしょうか。まず弦のバッキングが邪悪な鼓動を思わせる、オーケストラルなイントロから、敢えて一気に疾走せず、トレモロをフェイドインさせるオープニングからして素晴らしいし、正統派を過激にしたような刻みリフに邪悪で、どこか高貴なメロが絡むと、メロブラにも関わらずどこかあのEMPERORを想起したり。それも後期の作風を。

という訳で、MAY RESULTという前例同様、非常に質の高いメロブラをやってます。何気にセルビアのシーンも侮れないのかもしれませんね。


BANE ★★ (2011-05-25 23:27:05)

セルビア産メロディック・ブラック。
同郷のMAY RESULTのメンバーも絡んでます。


MARTYRIUM - AWAKENING THE ANCIENT ★★ (2011-05-25 23:25:50)

2010年発表の3rd。500枚限定だとか。

シンフォニックブラックの中でも、COFに近いスタイルですね。
Voは低音のグロウルがメインながら、時折出る高音のガナリ声は鬼女以降のDaniにそっくりですし、ストリングスや空間系だけでなく、ピアノや女性ヴォーカルを巧みに配したゴシック的なムードを醸しだす作風も似てると思う。

ただし、COFの作風と比べると、やはりアングラ臭は強めですね。
ドラムがちょっと軽めで、ギターの歪ませ方もややRAWな音質もそうですし、メロディもクラシカルな上品さ以上に、密教的な妖しさが強い感じ。ただ、平均は軽く超えてるものの、メジャーどころと比べると何か足りないんですよね…。スケールの大きさ、妖しさなどはしっかり演出できてるんですが。ほんと、もう1つ何かあれば大化けしそうな感じはあるんですけど…。


MARTYRIUM ★★ (2011-05-25 23:24:51)

マルタ産シンフォニック・ブラック。
何気に10年を超えるキャリアを持ったバンドらしいです。


BORIS - New Album (2011-05-25 23:21:00)

成田忍氏をプロデューサーに迎え、エイベックスより放つ新作はエクストリーム・ポップな仕上がり…みたいなコメントで、興味を持って買ってみたんですけど…微妙ですね、正直。「Borisはメジャーに魂売ってポップになっちまった!最悪だ!」って言われる方がまだマシなのかもしれませんけど、敢えて「微妙」と言いたいです。

個人的に嫌だったのは、これが「想像を裏切らない音楽」だった事なんですよね。
一番ポップと言われる「フレア」でさえ、一流のポストロックバンドや、実験音楽ユニットがポップ方向に本気出したらこれくらいの曲は作れるだろう…という想像の範疇に収まってしまってる感じ。とてもじゃないけど、「メジャーの圧力でポップにさせられた」という物語を想像できるほどの、ポップ性は感じられないです。

例えば、今回多用されているWataさんの歌にしても、正直言って歌唱力はカラオケを趣味にしてる一般人以下にしか思えないんですけど、これは彼らが「俺達は歌謡曲ユニットでなく、音楽で勝負するバンドだ」っていう壁を作ってるからに思えてならないんですよね…。歌をポップ音楽の文脈で使うなら、そんな壁はぶち壊して、ボイトレでも何でも行って「良い歌」を聴かせて欲しかった。どうもこの辺り、「ポストロック」「実験音楽」というジャンルをエクスキューズにしているように感じられてしまいます。「ポップスの歌じゃないからいい」「これも表現のうち」みたいな。

個人的に名盤だった「Flood」を作り、SUNN O)))を始め様々なバンドとコラボをしてきた、素晴らしいミュージシャン集団であることは間違いのないBorisだからこそ、ヴォーカロイドや同人音楽、V系といったジャーナリズムに黙殺されがちな音楽にも興味を向けられる、音楽的視野の広いBorisだからこそ、彼らが本気でポップスに取り組んだら、織田哲郎やつんくが土下座して逃げ出すほどポップなものを作ってくると思ったんですが。期待し過ぎてたみたいです。

実験性と同居させるなら、これくらいのポップ性が程よいのかもしれませんが、私的には「彼らの才能なら、実験性をキープしたまま、まだまだポップに出来るのでは?」と思ってしまいます。まあ、今作は自称音楽通にありがちな、「ポップ性アレルギー」な人でも聴けるポップアルバムにはなってると思いますが。もし次にポップに真正面から取り組むなら、もうポップすぎて聴いた瞬間大爆笑するようなもの、それでいて「らしさ」があるものを聴きたいですね。

総括:エクスペリメンタルなロックバンドが表現出来得る範囲のポップ性に留まった「エクストリーム・ポップ・アルバム」って感じに聴こえる。ポップ性において、ポピュラー音楽に携わるミュージシャンでさえ踏み入った事のない領域に、彼らの実験性を持って踏み込んで欲しかった。辛口で面倒くさいリスナーですみません。


GORUGOTH - Gorugoth ★★★ (2011-05-24 18:17:38)

94-96年のデモ・スプリット音源等を集めたコンピレーション盤。
今話題の国産レーベルZero Dimensional Recordsより発売。

…当時の日本に、ここまでブラックの真髄を捉えたような音楽性のバンドがいたと言う事実だけで、なんだか嬉しくなってしまうような内容の作品ですね。音質、曲の展開、リフ捌きなど、どこを取っても、スラッシュメタルやデスメタルとは明らかに一線を画する、プリミティブブラック特有のものであるのが素晴らしいです。特にリフ捌き、常にドロドロした邪悪さを演出しているのがいいですね。4曲目などは、メロだけ見たら近年のSATYRICONに通じる威風すらありますし。

この音源、ドラムは打ち込みだし、ヴォーカルは篭ってるしで音質はプリミティブ系の中でも良いとは言えないんですが、逆にそれがプラスになってますよね。打ち込みのドラムはうるさく鳴らされてリフの黒さを打ち消すようなことはせず、人間臭いグルーヴを演出したりもないですし、篭ったヴォーカルのミックスは低音のデス声を獣の息のように、高音の絶叫を亡霊の叫びのように、より非人間的に聴こえさせ、更に陰惨なムードを助長してます。

94年の音源だったので、まだスラッシュ辺りのノリを引きずってる音かな…と予想してましたが、全然現代のプリミティブブラックのスタイルとして通用する音ですね。取り合えずプリブラ・国産ブラックのいずれかが好きならば買いでしょう。


モーニング娘。 - Fantasy! 拾壱 - 青春コレクション (2011-05-23 22:41:35)

う~ん…これをシングルにするのは微妙かも。
良い曲ではあるし、アルバムのエンディングテーマとしてはそれなりに良いと思うけど、つんく氏の曲にしては普通過ぎるっていうか。別にAKBとかが歌っても良くない?つんく氏プロデュースじゃなくても良くない?って思っちゃう。つんくメロディのファンとしてはいまいち高い評価にならないかも。


モーニング娘。 - Fantasy! 拾壱 - 愛しく苦しいこの夜に ★★★ (2011-05-23 22:40:55)

なんか、凄くゲームのオープニングっぽい曲だと思ったんですけど…特にそういう事実はないみたいです(笑)。聴いてると、最初の「♪息をひとつ飲んだ」のロングトーンと同時に、ゲームのタイトルが表示される場面が思い浮かぶんですけど(笑)。歌詞といいメロディといい、日常な非日常を追体験させてくれるようなムードのある曲。「鳥の詩」とか、ああいう系統のアニメソングが好きな方ならツボに嵌まるのではないでしょうか。


モーニング娘。 - Fantasy! 拾壱 - 1から10まで愛してほしい ★★ (2011-05-23 22:40:14)

ブラスが曲を盛り上げる、アルバムの中でも普遍的なポップスですが…なんかこの頃のモーニング娘の曲ってアイドルソングと言うより、アーティスト志向の強いポップスグループの曲っていう感じなんですよね。なぜかサザンの桑田さんが歌ってそうな曲だと思いましたし(笑)。ワウギターが曲のポップネスを引き立てていて、耳に心地よくってとても聴きやすい楽曲です。


モーニング娘。 - Fantasy! 拾壱 - I'm Lucky girl ★★★ (2011-05-23 22:39:12)

この曲は某動画サイトでライブ映像が視聴できたんですが、すごくかっこよかったですね。Aメロでセンターの二人がそれぞれドスの効いた声、キレの良いシャウトで客を煽ってて超かっこよかった。アイドルって可愛らしさを振りまくイメージですけど、そのパフォーマンスは客席を圧倒するような迫力に満ちてましたね。音源だと、その煽りが無いのが残念ですけど…カラオケとかで一回なりきって叫んでみたいです(笑)。


モーニング娘。 - Fantasy! 拾壱 - 愛の炎 ★★★ (2011-05-23 22:38:15)

静かなアレンジの中に仄暗いメロディをピアノが弾き、アンティークでゴシックなムードを演出する、タイトル通りの静かに激しく燃える情熱の感じられる楽曲。ビブラートで心地よく聴かせたり、ブレスを交えて感情を込めたり、ヴォーカルの表現力も素晴らしいです。クサメタラーとしては、間奏のヴァイオリンからキーボードへの、クッサいソロ回しで悶絶確定でしょう。


モーニング娘。 - Fantasy! 拾壱 - 女心となんとやら ★★ (2011-05-23 22:37:43)

ゴシックチューン2曲に挟まった、穏やかなレゲエ調の曲。
曲調的にシングルにはなりそうもない感じですが、穏やかな曲調なりのキャッチーなメロディがあるのが良いですよね。この曲があるお陰で、アルバムのムードがゴシック方面に傾き過ぎない、ポップなものになっているのではないでしょうか。


モーニング娘。 - Fantasy! 拾壱 - Fantasyが始まる ★★★ (2011-05-23 22:37:03)

こういうタイプの曲がリードトラックになっているのが、アルバムの作風そのものを象徴してますよね。ALI PROJECTのエンターテイメント性をブーストして、つんく的解釈を加えた感じというか、どこかゴシックで人形偏愛嗜好的なムードの漂う楽曲。歌メロも「Dune」~「Heavenly」期のラルクっぽい耽美さがあって素晴らしい。個人的にメカニカルなシンセの音色って好きじゃないんですが、この曲はリズムと相俟ってピグマリオンな世界観を演出している辺り、凄くセンスがいいと思う。


モーニング娘。 - Fantasy! 拾壱 - ブラボー! ★★ (2011-05-23 22:36:24)

アルバムの中では盛り上げ系の楽曲ですが、昔の盛り上げ系と比べると明らかに毛色が異なってますよね。イントロのハモンドとかに顕著ですが、パーティっぽさが無くなってロック色が強くなってる感じ。個人的にはBメロのエンジンを吹かして、これから盛り上げるぞっていうリズムパターンが好き。ここ聴いてるとテンション上がります。


モーニング娘。 - Fantasy! 拾壱 - 女と男のララバイゲーム (AL Ver.) ★★★ (2011-05-23 22:35:37)

ララバイゲームはやっぱり名曲ですね、クサメタラー的に。
イントロが更に大仰になっていたり、間奏にギターソロが追加されていたり、シングル版より更にクサメタラー好みの音源になってアルバムに収録。しかし、この曲は電子音とストリングスの融和の形態のモデルケースとなりうるくらい、この二つが上手く合わさってると思う。打ち込みのベースとリズムがダンサブルな流麗さを演出し、そこに華麗な歌メロとストリングスが乗るとほんと舞踏会っぽい、暗く美しい華やかさが生まれてると思う。


モーニング娘。 - Fantasy! 拾壱 ★★★ (2011-05-23 22:34:15)

2010年発表の11th。
…これはつんく氏入魂のアルバムなんじゃないでしょうか。

モーニング娘というと、ASAYANなどのバラエティ出演やLOVEマシーンのヒットでの、割とパーティっぽい盛り上がる曲を演ってるイメージが強い(私もそう思ってた)と思うんですが、このアルバムは当時の面影が殆ど無いですね。「女と男のララバイゲーム」「Fantasyが始まる」「愛の炎」なんてゴシック顔負けの耽美さですし、「ブラボー!」「I’m Lucky Girl」等のアッパーな曲もパーティっぽくない、洗練されたポップスになってる感じ。

全体としてアーティストとしてのつんく氏の感性が現れている感じで、良くも悪くも即効性は下がってるかもしれません。ただ、その代わり美しかったり穏やかだったり、表面的にキャッチーなだけでなく、聴くごとに沁みてくるメロディが増えた感じがあります。アレンジ面でも騒げるものではなく、心地よく曲の世界観を聴かせる事に重きを置いてる感じで、特に電子音の使い方や、生音との混ぜ方が素晴らしい。

1曲1曲が個性的な割に、全体として纏まりがよく聴いていて心地のよいアルバム。即効性を求めるなら「LOVEマシーン」~「そうだ! We’re Alive」くらいの頃の作品がお勧めですが、メタラーにはこっちの方がお勧め。特に耽美系・歌謡系のメロディに食指の働くクサメタラー、電子音に慣れ親しんでるゴスメタラーはなにか感じるものがあるのではないでしょうか。


モーニング娘。 - 7.5 冬冬モーニング娘。ミニ! - コタツの歌~jyuken Story~ ★★★ (2011-05-23 22:33:18)

このアルバム、内輪っぽい曲が多い感じなんですけど、この曲とシャイニーGはほんと素晴らしいと思いますね。この曲、まずアコーディオンを使った、民族要素強めのポップスって時点でツボなんですが、寒々しいメロディ→コタツ→受験、とつながる発想力が面白いですよね(笑)。つんく氏のアイデアの無尽蔵さには驚かされます。よくこれだけ思い浮かぶもんですよね。


モーニング娘。 - 7.5 冬冬モーニング娘。ミニ! - キラキラ冬のシャイニーg ★★★ (2011-05-23 22:32:16)

めっちゃ正統派のアイドルポップスって感じの曲。
タイトル通りの煌びやかなメロディもほんと素晴らしいですが、アレンジもまた負けないくらい素晴らしい。特に「常に100パーセント」「人と同じじゃダメ」の、歌メロにベースとシンバルの絡みが合いの手的に入る箇所なんて、歌い手もテンション上がるだろうなーって思いますもん。サビ前やメロ間の繋ぎ部分など、各パートのキーのフレーズも想像力に満ちてて、このアレンジャーのセンスはそんじょそこらのシンフォメタルバンドにはまず負けないと思わされます。


TOTENBURG - Endzeit ★★★ (2011-05-23 18:54:34)

2009年発表の5th。

NSブラックってプリミティブ系、ペイガン系、ハードコア系が主な印象があるんですが、このバンドはそのどれでもなく、かなりハイクオリティなファスト系ですね。荒々しく、時に荒涼としたメロディを仕込んだリフと、豪速ブラストビートが土石流となって襲い掛かるパートの迫力は、ENDSTILLEやARKHON INFAUSTUSなどこのサブジャンルの代表格のバンド並だと思う。それらのバンドと違い、ヴォーカルに少しハードコアのガナリの痕跡が見られるのが、NSらしさでしょうか。

…というレビューを書こうと、イントロ明けの1曲目を聴いてる途中までで思ったんですが、ラストまで聴いて衝撃を受けました。なんなんでしょう、このメロさは…。一応、良く聴くとしっかりリフで主題は提示してあったとはいえ、まさかここまでメロウなアレンジで聴かせるとは…。他の曲も、軍歌っぽい勇壮さだったり、地下臭い妖しさだったりはありつつも、共通してメロいパートを設けてくれていて、意外にも聴きやすい。そしてそれが強烈な印象を残すんですよね。

ファストブラックとしての、地下臭さを保ったままのクオリティの高さと、一見その作風とは相反しそうなメロディの主張の強さが、聴き手の目を覚ますような作品。凶悪さとメロウさ、両方をブラックに求める方は是非。


RUNES OF DIANCEHT - Eternal Call Of Darkness (2011-05-20 19:46:06)

97年発表のデモを04年にCD化再発したもの。

LUCIFUGUMやASTROFAESを始め、関連バンドの多いNOKTURNAL MORTUMですが、このバンドがずば抜けてマニアックで人を選ぶ音楽性ですね…基本的には、オーロラ系のキーボードのベールがバンドサウンドを神秘的に覆い隠すような、アトモスフェリックなブラックメタルなんですが…プリブラと比較しても音質は結構酷い(笑)。

まずヴォーカルは弱々し過ぎてウィスパーにも聞こえるがなりだし、ドラムは金属質な響きが妙に耳に付く、良くも悪くもRAWな音作りだし、ギターリフは録音方法がマズいのか、歪みの掛かり方がところどころカクカクしてる…しかし、このカクカク感が、キーのオーロラにモザイクの文様を与え、睡眠薬に溶ける意識を思わせる抽象性も生まれてるため、一概に欠点とは言えないのが面白い。

意図的にやってるにしても、個人的にはマニアック過ぎて付いていきづらい音源。真性のマニアの方は楽しめるのではないでしょうか。


RUNES OF DIANCEHT ★★ (2011-05-20 19:44:51)

ウクライナのペイガン/シンフォブラック。
NOKTURNAL MORTUMのメンバーが在籍。


OLD FUNERAL ★★ (2011-05-20 00:38:01)

ノルウェーの伝説的デス/ブラックメタルバンド。
BURZUMのVargやIMMORTALのAbbathが在籍してたことでも有名。


OLD FUNERAL - The Older Ones ★★ (2011-05-20 00:37:25)

90-92年の音源を集めたコンピ盤。99年発表。
Abbathは1-3曲目(90年)、Vargは4-7,11曲目(91年)に参加してます。

いくらブラック界の大御所が関わっていたって、EMPERORの「Wrath of the Tyrant」、LIMBONIC ARTの「1995-1996」のように、後に大成するバンドでも音質が純粋にショボい作品を出してたりするので、今作を購入するにあたっても身構えてしまったんですが…あれ?普通に聴けちゃうんですけど。むしろ、アングラなデスメタルでは全然良質な部類に入る音なのでは…。

スタイルは、まだブラックメタルに派生しきってない感じのデスメタルですね。
ところどころブラック的なトレモロも垣間見えるものの、寒々しさよりデスのドロドロ感が強い感じ。何気に緩急もしっかり付けられているし、ベースが高音域のトレモロで毒々しいフレーズを弾いたり、リフとリズムの絡みが酩酊感を演出したり、結構アイデア勝負な感じで聴き応えあり。

特に、90年の音源はAbbathの極悪な噛み千切り声も相俟って、CADAVER INCすら想起させるような炸裂感すらあると思う。そこまで速くないですけど、代わりにダーティで毒々しい感じが強いですね。ただ、91年の音源ではドラムがRAWかつギターがよりノイジー、92年の音源は篭もり気味と、何故か新しい音源の方が音が悪いのが謎です。まあ、聴けないほどじゃないですけど。

資料的な価値だけでなく、アンダーグラウンドなメタルが好きな方なら普通に楽しめてしまうであろう作品。個人的には90年の音源が一番好きだし、熱心なBURZUMやIMMORTALのファンの方以外も是非チェックしてみてはどうでしょうか。


FORGOTTEN TOMB - Under Saturn Retrograde ★★ (2011-05-19 21:22:28)

2011年発表の6th。

鬱ブラックとしてはスウェーデンのSHININGと並んで評価が高いバンドらしいですが、このバンドはBURZUMスタイルの、アンビエントな感性を持った鬱ブラックとは一線を画す、メタルフィーリングを残したまま鬱な感覚を演出するスタイルですね。後期SENTENCEDなどのゴシックや、OPETH辺りのメランコリックなメタルが好きな人でも普通に聴けちゃいそう。

一応、タイトル曲のパート1ではブラックメタルらしい2ビート疾走、凍てつくトレモロリフによる悲壮感の演出なども聴けはしますが、あくまでイレギュラーで、基本的にはロックのダイナミズムの強いミディアムテンポに、陰鬱というよりは悲しげなメロディが絡むタイプ。ヴォーカルのがなりが凶悪なのを除けば、ゴシック~ドゥームにかなり近い音。何気に泣きのギターソロまで出てきますし。

ただ、ヴォーカルのクリーンが…この言葉嫌いなんですけど、表現するのにピッタリなので、敢えて使わせてもらいます。低く呟くところは全然問題なしですが、歌い上げるところが「リア充っぽい」歌い方なんですよね…ほんと、何で鬱ブラックなのに普通のハードロックやブルース寄りドゥームのように歌うのか…100点満点で採点したら、この歌い方された時点で30点はさっ引きますね。

とは言っても、クリーンの使用頻度は高くはない(っていうか、私以外には別にマイナス要素ではないと思う)し、メランコリックなメロディは絶品だし、アンビエント系鬱ブラックよりも全然間口は広いと思う。ゴシックメタルやドゥームメタル聴いてる人だけでなく、KORNとかマンソンとか、いわゆる「トラウマロック」とされているバンドが好きな方もハマれるかもしれません。


PRIMITIVE GRAVEN IMAGE - Celebrating Impending Chaos ★★★ (2011-05-18 18:12:54)

2010年発表の2nd。

店のコメントで、引き合いに出されていたバンドがARKHON INFAUSTUSやANAAL NARTHRAKHといったファストブラックに混じって、EMPERORの名前があったので、「そんなの両立出来るのか…」と、興味を持ってレジに持っていってしまったんですが、これ、かなり素晴らしいですよ。

ミディアム+刻みリフパートにEMPERORのような威風を感じたりはしますが、基本的にはBEHEMOTH辺りに近い、ほぼブルデス化したファストブラック。畳み掛けるパートでは本当にBEHEMOTH並みのド迫力だし、リフもブルデス同様の邪悪なうねりを感じられるものを所々に入れてくるし、ファストブラックとしては申し分のない質の高さ。

ただ、個人的に特筆なのはメロディですね。
確かに、EMPERORの「Cosmic Keys~」辺りを髣髴とさせる、ただの悪魔主義ではない、哲学感すら見えそうな神秘的なトレモロが時々挿入され、強烈に耳を惹きます。2曲目の和風ホラーのような儚くて恐ろしいメロディも素晴らしいと思うし、メロディセンスにおいても既にメジャークラスかと。

メロディ+ブルータリティ+リフの凄みという、ファストブラックに欠かせない要素はどれもレベルが高く、取り合えずエクストリームメタルのファンならば聴いて損はない、聴いておくべき一枚だと思います。意外に話題になってないですけど、相当良いアルバムですよ。


AD HOMINEM - Dictator - A Monument of Glory ★★★ (2011-05-18 18:06:17)

2009年発表の4th。

ディスクユニオンのガイド本でも紹介されてたアルバムですが、これはかっこいい。不穏なリフ捌きを中心に、ブラストビートで責め立てるファスト系寄りのブラックメタルですが、この手としては珍しく、客振り出来そうなヴォーカルパートや掛け合いがあって、かなり熱い作風。ヴォーカルが完全なブラックのスタイルながら、ハードコア的な勢いもある絶叫であることも相俟って、ミリタントなイメージを演出してます。

また、基本はリフは少々ノイジーで、ブラックらしくスリ込むようなものを中心にしてますが、時々出てくるメロディックなリフの殺傷力がヤバい。フランスらしい毒性を伴っていて、氷礫でなく剃刀が渦を巻くブリザードという感じ。これとブラストが合わさったときのかっこよさは筆舌に尽くしがたいほど。音質もクリアで、特にミディアムのときなど、時折ベースがガリガリ響かせるのがかっこいい。

ヴォーカルラインの意外なキャッチネスもあって、聴いてて単純に熱くなれるブラックメタルです。その熱さが、ブラックメタル特有の残忍なムードを掻き消してしまわない、むしろ増長させるところが素晴らしい作品。


MISTIGO VARRGOTH DARKESTRA - The Key to the Gate of the Apocalypses ★★ (2011-05-18 18:02:26)

99年発表の2nd。
このアルバム以外、CDショップで見かけたことないですけど…。

約72分もの長丁場を、アンビエントとブラックを交互に演って展開するスタイルですが、特にアンビエントのパートでは、NOKTURNAL~本隊では見られない、彼の音楽嗜好が垣間見られますね。Klaus Shulzeの「Irricht」を思わせる、オルガンをオカルティックに鳴り響かせるパートや、敢えて打ち込みのリズムを使い、瞑想的な雰囲気を演出するパートがあったり、表現方法は意外にも多彩。本隊でもあったオーケストラルなインスト部分もありますが、こちらの方がより呪術的な感触が強いですね。

ブラックパートは…土臭い刻みをメインに、キーを乗せるスタイル自体は本隊と共通してますが、キーの使い方がかなり異なってます。お祭りっぽい派手な感じは殆どなく、うっすら不気味に被せてあったり、シャーマンが宇宙と交信するような瞑想的なメロディを弾いていたり、民族的ではあっても、やはり呪術的な要素が強い感じ。ヴォーカルが地声交じりのがなりでなく、絶叫調なのもポイント。個人的にはこっちのスタイルのほうが好みです。

ただ、このアルバム、1トラックに72分入ってるのが辛いんですよね…バンドパートのみを聴いたりとか、地味なパートを飛ばしたり出来ないのが面倒くさい。しかも半分は瞑想的なアンビエントとか、普通途中で寝ますって(笑)。72分展開が一本になっている訳ではなく、いくつかのパートに分かれているので、DEVIL DOLLの「DIES IRAE」みたくトラック分けしてくれたら、☆3つでも良かったんですが…。


MISTIGO VARRGOTH DARKESTRA ★★ (2011-05-18 18:01:30)

NOKTURNAL MORTUMのKnjaz Varggothによる独りブラック。
アンビエント要素を含むスタイル。


11 AS IN ADVERSARIES - The Full Intrepid Experience of Light (2011-05-18 17:52:47)

2010年発表の1st。

GLORIOR BELLIのメンバー二人によるプロジェクトと言う事で、作風的にはGxBxが「Meet~」アルバムで行った、「ブラックメタルとサザンメタル・デザートロックの融合」という路線を、更に推し進めた作風ということも出来そうですが…。もう、これ聴いてるとマジで苦悶の声を上げたくなるんですけど(笑)。それくらい、私にとって好きになれるポイントと、嫌いなポイントが乖離してしまってる作品。

まず、オケに関しては個人的に完璧です。ブルージーなロックンロールと毒性を帯びたブラックのトレモロを両立させたアンサンブルは、VED BUENS ENDEやVIRUSを引き合いに出したくなるような奇怪さに満ちていて、本当に素晴らしいと思う。
なのに、なのにヴォーカルが…。こんなグロいオケなのに、普通のロックみたいな声で歌ってやがる…。しかも微妙にヘナいし。リアルに「その歌い方止めてもらっていいですかね?」と詰め寄りたくなる感じ。ガナりを重ねてるパートはまだ良いですけど…。

いくら変な音楽好きとはいっても、大好きなものと大の苦手のものを一緒にぶち込まれると、流石に辛いですよ…。デス声一本に絞ってもらえれば、余裕で名盤なんですが。まあ、私が偏屈なリスナーで、この手のヴォーカルが嫌いだからこういう評価になりますが、普通にロックもブラックも聴ける人ならもっと評価が高くなるかと。


桜牙 - 新選組魔戦記 ★★ (2011-05-16 21:41:17)

2011年発表の1st。

この前に二枚のEPも出してるんですが、ジャケ買いならぬ「ジャケ買い控え(笑)」していたものの、試聴して良かったのでEPと纏めて購入。どうも最近のDRAGON GUARDIANって(1st、3rdに比べて)実力を出し切れてない印象があったんですけど、ようやく「クサ度」で1stに匹敵するアルバムをリリースしてくれたって感じです。まあ、この「クサ度」はKNIGHTS OF ROUNDのYazin氏の貢献も大きそうですが。

スタイルは三味線や尺八など、和楽器の音色を派手に鳴らしながら疾走するメロスピを中心に、「桜咲く場所」のような卒業系っぽい?メロディがあったり、ジャケのキャラが楽器持って演奏してそうな「ハチャメチャな日々」があったり、なかなかバラエティ豊かな作風。もちろん語りも入りますが、妙にプロっぽいと思ったら「レールガン」「コードギアス」に出演されてた方だそうで。この二つ、アニメは見てないんですが、漫画は読んだのでちょっと親近感。

まあ、DRAGON GUARDIANとKORのコラボなので、ギターソロやリフを始めとした演奏面では全く不安がありませんが…問題は、ドラガ1stを超える歌メロを書けるのか?という問題。実際、超えたとは思いませんが、ここ最近のドラガ関連の作品ではかなり良い線ですね。基本的に和風もしくは歌謡曲っぽいメロですが、特にYazin氏の書くメロは、J-POPっぽいキャッチネスがありつつ、J-POPより長くてドラマティックなのが素晴らしい。ポップスの感性とメロスピの感性を上手く折衷してます。

また、ヴォーカルも悪くないです。
「紅き涙」「破邪の瞳」のようなパワーが要求される曲では、Middleislandを思わせる情念を込めた歌唱を聴かせ、「粉雪ニ吠エル義士」では繊細で機微に富んだメロディを情感を持って歌い上げ、曲の良さをより引き出してる印象。「ハチャメチャな日々」は…まあ、あれはあれでありなんでしょうかね…。上手い割に、こなれてないと言うか、微妙に素人っぽい形振り構わなさがあるのが良いと思う。

ただ、問題なのはデビューEPに入ってる「護国の刃」がこのコラボの作風を1曲で過不足無く表したような名曲なんですが、このアルバムにそれを超えると思う曲が入っていないこと。「粉雪~」は良い線なんですが、「護国の刃」クラスの名曲があと1つあったら、ドラガの1stや3rdに匹敵する、尖ったアルバムになったと思うのに残念です。

という訳で、クサメタル好きでアニメチックな語りが好きな、もしくは入っていても別に構わない人なら購入の価値は十分ある作品。ただ個人的には、ジャケは好きじゃないですね…萌え系の絵なら萌え系の絵で構わないんですが、「レールガン」「コードギアス」みたいな絵柄の方が私としては受け入れやすいです。それなら、むしろプラス要素。まあこのイラストもインパクトはありますけど…。


GLOOMY GRIM - Life? ★★★ (2011-05-16 17:56:28)

2000年発表の2nd。

…名は体を表すという言葉が、これほどまでに似合うバンドは彼らを置いていないのではないでしょうか。正に「陰鬱で、怖気を震うような」世界観を描く、アヴァンギャルドでダークな個性派シンフォニックブラックを演ってます。

ただ、アヴァンギャルドとは言っても、展開は突飛な訳ではなく、むしろドラマ性に富んでいるし、刻みも入れたリフを含むアンサンブルなんかは、正統派メタラーでも十分受け入れられそう。変態的なのは、主にキーボードの音色の使い方と、その音色が醸しだす、薄気味悪さをメルヘンな感覚が更に気持ち悪くする、独特のムード。

しかもキーボードが不安を煽りまくるムードに便乗して、ベースを気味悪く蠢かせたり、聴き手を怖がらせる術を熟知している感じで、聴いてて酔いが回ってくる音。かなり喉声っぽいヴォーカルも、奇妙な世界の語り部として申し分の無い不気味さ。COFの「鬼女と野獣」が伯爵夫人の肖像なら、これは同じモチーフで前衛志向の画家が書いた作品と言う感じ。気味悪さでは上ですが、雰囲気自体は似てる気がする。

ロックのガイド本とか見て「薄気味悪い世界観」を演出すると言われるバンドを聴いてみても、実際はただのブルースの抜け切らない普遍的なロック音楽で、「薄気味悪さ」が歌詞や歴史的背景、聴き手の想像力など音楽以外の要素に依存するものでガッカリ…ということが結構あるんですが、このバンドは「薄気味悪い世界観」を「音そのもので」描ききっているのが素晴らしい。ロックのガイド本はこういう音こそ紹介すべきだと思う。


GLOOMY GRIM ★★ (2011-05-16 17:55:47)

フィンランド産シンフォニック・ブラック。
凄くキャッチーなバンド名ですよね。略してぐるぐり。


LUDICRA - The Tenant ★★★ (2011-05-16 17:44:14)

2010年発表の4th。

Profound Loreから出てる事からも分かるとおり、敢えて本道を外れるタイプの、実験精神あるブラックメタルを展開する作品ですね。マッシブなミディアムテンポに儚げなメロディを絡めたり、パーカッシブなリズムにアルペジオを乗せたり、リフとリズムの岩が転がるような、荒々しい絡みが合ったり、曲によって色々な表情を見せてくれるアルバムですが、全体として邪悪さや陰鬱さより、幽玄さや儚さが強く、シューゲイザー系好きな人も気に入りそう。

この手の音楽性を持ってるバンドって、どこまで具体的に表現してどこまでリスナーの想像力に委ねるかの按配が結構重要だったりしますが、この作品はそのバランス感覚がかなり取れてると思う。全体的に抽象的なムードではあるんですが、メロディはメロデス的といっても良い位の泣きがあって、入っていきやすいと思う。

作風が作風だけに、メロブラなんかと比べるとトレモロの頻度こそ少ないですが、2曲目や6曲目で聴けるトレモロ疾走は、メロディセンスの素晴らしさと相俟ってメロブラ好きなら悶絶もの。また、ヴォーカルや女性らしいですが、バンシーを思わせる獰猛な絶叫、幽鬼系クリーンヴォイスなど、しっかり女性らしさを世界観に活かしていて良い感じです。

確かに実験的な要素の強いブラックではありますが、一見のリスナーに対しても決して頭でっかちや自己満足に聴こえさせない、良い意味での聴きやすさのある作品だと思います。


LITURGY (BLACK) - Aesthethica (2011-05-14 17:05:48)

2011年発表の2nd。

「KRALLICEを超えるトレモロの嵐」と聴き、速攻で買いに行った一枚。
確かにその看板に偽りは無く、アルバムの大半を高音域のトレモロをキリキリ言わせながら疾走するパートに割いた作風で、トレモロリフの動きに合わせてリズムにキメを設けたり、展開自体もトレモロリフが主導権を握っている感じ。それをバックに、鬱ブラックをカリカチュアライズしたような、軋んだ歪みの少ない悲鳴Voが乗るスタイル。

ただ、個人的にはこの作品、トレモロリフに確かに覆われてはいるんですが、全然「ブラックのリフ」を聴いてる気になれないんですよね。まずメロディが邪悪じゃないし、そのせいかブラックメタルのトレモロリフというよりも、大陸の民族楽器に電気的な処理を施したような音に聴こえてしまいます。途中サンプリングや多重コーラスによるSEも入りますが、正直興を削ぐ感じがある…。

個人的には、ポストブラックの「ポスト」要素が行き過ぎた作品。
本人達にそのつもりはないのかもしれませんが、「トレモロリフを活用してオリジナリティある音楽を作る」ことのみに執心で、肝心の曲作りが今ひとつという感じ。悪いですけど、私の中ではKRALLICE超えは正直無かったですね…。


NAGELFAR - Srontgorrth ★★★ (2011-05-14 07:40:18)

1999年発表の2nd。
5曲70分という大作主義のアルバム。

よく「NAGLFARと間違えてマイナーなバンド買ってしまった…」と、笑い話としてネタにされる事の多いバンドですが…もし間違えて買っても全然損はありませんよ。NAGLFARがメロディック・ブラックの代表格足りえるのと同じくらい、「アトモスフェリック・ブラックとして」完成度の高い一枚。ただ、NAGLFARと異なり、正統派メタルの価値観には根ざしてない音作りのため、多少敷居は高いかもしれません。

少々強めなギターノイズ、時にメロウに曲を彩るベースライン、うっすら被さるようなキーボードが一体となり、靄のようにバンドサウンドを包み込み、その中から聳え立つ古城を思わせるような、気高いメロディが漏れ聞こえてくるような、アトモスフェリック・ブラックの中でも情景描写に富んだ音だと思う。この作風だと、長尺な曲でもうっとりと聞き入ってしまいますね。

ただ、途中でインダストリアル要素を挟んでくるのが結構気になりますね…4曲目なんか全編インダストリアルだし。そういったパートにおいても、メロディを前面に押し出してくれるため、聴きやすいといえば聴きやすいですが…風景画のような情景の中に、こういうパートが挿入されると良くも悪くも驚きます。

NAGLFARが正統派メタル的に直接アピール出来る音楽だとすると、こっちはサウンドトラック的に聴き手の想像力を刺激するバンドだと思う。非ブラッカーのメタラーには多少敷居が高いのかもしれませんが、プログレやノイズみたいな聴き手のイマジネーションに依存するタイプの音楽も愛好する方には、むしろNAGLFARより入りやすいのかもしれません。


JANVS - Vega ★★★ (2011-05-13 06:52:58)

2008年発表の2nd。

シューゲイザーに接近したブラックが話題になった当初から、その文脈で取り上げられる事が多かったバンドですが、改めて聴くとやっぱり良いですね。邪悪さでなく、どこか柔和な世界観を想起させるトレモロと、ブルース寄りのハードロック入った泣きのリードの二本立てで、繊細にメロディを紡いでいく作風ですが、他の同系統のバンドよりもメロディを分かりやすく強調してくれるので凄く聴きやすい。

また、1曲目で基本的な路線を提示しておいて、泣きのリードを主軸に据えた曲、エクスペリメンタルで想像力に富んだ曲、ミディアムテンポでドリーミーな空間を演出する曲など、メロディ以上に各曲が分かりやすく個性付けされているのも素晴らしいですね。似た曲が並ぶ作風だと最初でどっぷり嵌まれないとダレちゃうけど、このアルバムは最後までドラマティックに聴けます。

作曲能力、メロディセンスという根幹の部分は文句なしに素晴らしいですが、1つだけ微妙なのはヴォーカルのクリーンですかね…。6曲目なんかは、イタリアの伊達男が泣きメロ歌ってる感じで別に悪くないんですが、2曲目はミスチルに聴こえるんですけど…。正直ミスチルのヴォーカル苦手なので、演奏止めかけましたもん…。

…と言っても、全体的に見たらシューゲイザー・ブラックの中でもかなりお気に入りな方ですね。正直前作はちょっと大味な印象を受けてしまい、今ひとつのめり込めなかったんですが、今作はその点もしっかり解消された力作だと思います。


PHLEGEIN - Ancient Battlegrounds ★★ (2011-05-12 21:28:42)

2010年発表の、イントロを含む5曲入りEP。

ディスクユニオンより刊行されたブラックメタルガイド本の、Mikko Aspaのインタビューにて、「Northern Heritageと契約した最新のバンド」として名前を挙げられていたバンドで、音源が売ってたのでなにかの縁だと思って購入してしまいました。

音楽性は、当然ながら妥協無しのプリミティブ・ブラック。
耳を圧迫するようなノイズ質強めなギターリフの下で、骨を叩くような抜けのいいドラムとヴォーカルの大絶叫が響く、いかにも地下臭く、いかにもNorthern Heritage産らしい音。音質は凶悪だし取り立ててメロウではないし、「プリブラが好きな人向け」という感じ。狂気のロングトーン絶叫で叫ぶヴォーカルも音質に負けない凶悪さだし、時折見せる荒涼たるリフも悪くないし、なかなか聴かせどころのツボを付いた音かと。

ただ、プリブラのテンプレートとしてのレベルの高さは当然のように満たしてますが、個人的には+アルファの何かを求めたくなってしまいますね…。CLANDESTINE BLAZEにしろCRAFTにしろ、超一流のバンドはテンプレ以上の魅力があると思うので。タイトル曲の黒い霧がムワーッと吹き出し、そのまま沈着するような雰囲気はかなり良い線ですが、やはりもう一声欲しい所です。


MAY RESULT - Slava Smrti ★★ (2011-05-12 20:25:51)

セルビア産ブラックの2008年発表の4th。

「セルビア産ブラック」と聞くと、どうもペイガン系を予想してしまいますが…この作品のスタイルは、WATAIN辺りを引き合いに出して語りたくなる、ガチなスウェディッシュ真性ブラック路線。刻みリフで正統なエクストリームメタルのマッシブさを醸しだしつつ、邪悪なトレモロとアトモスフェリックなキーでブラックの禍々しさを演出する作風は、暗黒度、完成度共にスウェーデンの一流のバンドにも劣りません。第一印象が「WATAIN+キーボード」というくらい、質が高い作品。

ただ、スウェーデン産のこういう音楽性のバンド…WATAIN以外ではOFERMOD、ONDSKAPT、REV 16:8などと比べると、このバンドはまだ正統派メタルへの憧憬を捨て切れていない感じで、それがある意味芋臭さに繋がっちゃっている…という印象もありますね。まあ、正統派の影響が感じられるくらい、メタルとしての根幹がしっかりしているということでもありますが。完全に異形化する一歩手前で留まっている感じが、なんか惜しい。

とはいえ、音だけ聴いたら、普通にスウェーデン産の一流のバンドに聴こえるであろう作品。真性の禍々しさと正統派としての質の高さを兼ね備えているバンドを所望なら、是非聴いてみてはいかがでしょうか。


ORDER OF ENNEAD - An Examination of Being ★★ (2011-05-12 20:08:27)

2010年発表の2nd。

DEICIDEのドラマーが参加していると言う事ですが、ブルータリティの中に、地獄の瘴気を潜ませる本家のドロドロ感と比べると、こっちは豪速のブラストビートにしろ、喉が千切れそうなブラック絶叫にしろ、どこかカラッとした仕上がりで、悪い意味でなく聴きやすい路線ですね。禍々しいというより、純粋に「かっこいい」という言葉で褒めたくなる感じ。

特にそれを感じるのがギターソロ。ブルデス並の豪速パートには似つかわしくないような、クラシカルでテクニカルな速弾きまで披露していて、それが曲のフックになってると思う。このアルバム、メタリックなソロを入れても、ブルータリティが低減しない曲作りになってるのが凄いんですよね。単にギタープレイに酔い痴れるというよりは、疾走してたら巨大なファンに巻き込まれてズタズタになるような迫力を加味してると思う。

ある意味では、エクストリームメタルとしては、本家よりも「開かれた」音なのかもしれません。特にメタルコアやデスコアを愛聴する若いリスナー(お前が言うなって話ですが・笑)は、モダンなこちらの方が受けがいいかもしれないですね。


STUDIO BURNING - JKB48 ★★ (2011-05-12 01:43:11)

2010年発表のAKB48カヴァーアルバム。

以前、このサイトがメタル専門だったとき、AKB48が追加されたときは「メタルとは正反対の音楽」と揶揄されてましたが…繋がっちゃいましたよ、AKBとメタル(笑)。さて、一番の疑問はアイドル曲をメタルにアレンジすることよりも、男臭い通り越して、男らしさがイシファリック(意味は調べてください)という単語を想起させるレベルの、JUN氏のムエタイマンが雨に打たれて男泣きしているようなヴォーカルが、果たしてポップスに合うのか、という所ですが…

歌詞にしてもメロにしても、意外にも違和感が無いです。
特に歌詞、「♪嵐を力に変えろ」とか、普通にパワーメタルバンドの歌詞にありそうなフレーズじゃないですか(笑)。「♪あどけない振りしてればナイフだって隠し持てる」…一体何なんだ、その反逆の精神は(笑)。「♪弱音吐くな 諦めるな 走り続けろ命の限り」ポップスだと綺麗ごとに聴こえそうなのに、このマッチョな声で言われると妙に説得力が…。

メロディの方は、衒いのない哀愁要素強めのポップスと言う感じで、JUN氏の男泣きヴォーカルとの相性は悪くないです。AKBはちゃんと腰を据えて聴いたことはないんですが、普通に売れ線かつクサメロで、メロのレベルはなかなかでは。こういうメロディなら売れそうですもん。(今気になって「メロスの道」を試聴したら、普通にイントロのギタメロから泣き要素強いフレーズが出てきて驚いた)

ただ、アイドルカバーやるならつんく関連が良かったですね、個人的には。
モーニング娘の「恋のダンスサイト」(中近東風)とか、「気まぐれプリンセス」(ロシア風)、美勇伝「紫陽花アイアイ物語」(オリエンタルな哀愁に特化)、メロン記念日「This is 運命」(パンキッシュでアレンジが奇抜)とか、メタルアレンジしたら面白そうな曲が目白押しですし。

…と書いてはみたんですが、考えてみると、上で挙げたような曲はメタルアレンジすると、完成形はフォークメタルか、プログレッシブ/アヴァンギャルドメタルになりそうですよね。このバンドは正統派/パワーメタルが根幹にある音楽性なので、もっと正統派のポップスに近いAKBの方が合うのかもしれません。でも個人的にはすっごく聴いてみたかった!

…もしこの先アイドルのカバーやるならつんく関連か、ジャニーズ(特にKinki Kids超希望)や80年代アイドルとかも聴いてみたいですね。アイドルポップスって意外と良い曲多いのに、メタルアレンジしてくれるところは少ないので、こういう作品は貴重。なんのカバーやるにしても、是非東方アレンジには流れないで、独自の選曲で演って欲しいです。正直東方アレンジはちょっと飽きたかも。


DISIPLIN - Disiplin ★★ (2011-05-11 22:25:29)

2003年発表の1st。

インダストリアル・ブラックとして知られる彼らですが、この頃はまだまだ全然人間味があるというか、インダストリアル要素はおまけ程度で、ノイジーでノリのいいリフと、モロにブラックのスタイルながら熱さも感じられるヴォーカルによる、パンク/ハードコア色の強めなブラックメタルですね。

ただ、トレモロによる神経を侵すようなものや、がっつり刻み込むフレーズを編み込んだリフ捌き、ほとんどファストブラックのようなブラスト、聴き手の首を刎ねんとするようなスローパート、独特の酩酊感を持つミドルなど、ハードコア要素に染まり過ぎない、ブラックメタルの特性を色濃く残しているスタイルなので、割と聴きやすい路線ですね。

最近のDARKTHRONEは、パンク/ハードコアとブラックメタルの融合というスタイルを見つけた感じですが、そこに至るまでのDARKTHRONEが好きな方にお勧め。DARKTHRONEの真の名盤は路線を完全に変えた後や、プリブラの基礎を作った三部作ではなく、「Sardnic Wrath」「The Cult is Alive」だという方にはツボでしょう。


WINTERFYLLETH - The Mercian Sphere ★★ (2011-05-11 22:20:19)

2010年発表の2nd。

このバンドも、ノイジーなリフの中にネイチャー/ペイガン系の悲壮なメロディを練りこみ、フォーク要素を各所に取り入れた音楽性で、過去のメンバーが在籍しているWODENTHRONEとも似た路線のスタイルですね。ただし、キーボードとバンドサウンドを溶け込ませていたWODENTHRONEと比べると、こちらの方がリフのメロディをより重視した感じ。

また、悲しみに暮れるようなメロディの多いWODENTHRONEと比較して、こちらはより陰鬱なメロディが多めの印象。テンポを落としたら鬱系のスタイルとも似そう。その陰りと、ペイガン的な要素って何気に凄くマッチするんですよね。沼の深みに嵌っていく感じだとか、自然の、人知の及ばない悪意だとか…このバンドも、バンドサウンド以上の「情景」で見せてくれる音を創ってると思います。

ペイガン系と言っても、派手なメロディがある訳ではなく、メジャーなスタイルではありませんが、お祭り系より畏怖・恐怖を感じさせてくれるようなバンドが好きな方には大推薦です。


WODENSTHRONE - Loss ★★ (2011-05-11 22:12:09)

2009年発表の1st。

このバンドも、WOLVES IN THE THRONE ROOMの系譜に当る、自然崇拝系のブラックを演ってますね。ザラついたリフに勇壮だったり、悲しみに満ちていたりなペイガン要素も含むメロディを含蓄させ、それを纏って疾走する作風はかなり共通した世界観を持ってると思う。ヴォーカルのハイピッチながなりも情景にフィットしてます。

ただ、このバンドはそこに荘厳なキーボードが覆い被さるのが特徴ですね。空間的な音色だけでなく、オルガンの音色も用いてますが…普通、オルガンの音色を使うと宗教的な色が出てきてしまいますが、このバンドの作風だと宗教ではなく、「自然への」畏怖の感情が掻き立てられるのが興味深い。

ミニマルな疾走で非日常な光景を描いていく作風と言う事で、風景描写の傾向こそ違いますが、Cold Dimensionsのリリースを追っている人にもお勧めできそう。メロディの扇情度も高いですし、シューゲイザーブラックが好みの方にも推薦。


SCARCROSS - Freidenker ★★★ (2011-05-10 21:18:17)

2011年発表の1st。
これはIKUINEN KAAMOSに続くプログレブラック/デスの逸材かも…。

路線としては、OPETHやIhsahnのソロ作品(特に1stと2nd)を思わせる、場面変化に富んだ、ドラマティックでプログレッシブなエクストリームメタルですが…プロダクションに多少(耳に痛くない程度に)ブラックの土石流系の、ノイジーな音色が含まれているのが特徴。ブルータル(獣性を伴う野蛮さ)よりも、フュリアス(激しい怒りのような荒々しさ)と表現したくなるような暴虐性。この音作りで、ドラマ性がより勢いを増している感じですね。

ただ、OPETHもIhsahnもプログレの要素を少なからず取り入れているのに対し、このバンドはあくまで展開やアンサンブルが「プログレッシブ」という程度で、キーボードの使用もごく僅か。また、全編通して聴けるリードフレーズの泣き具合が絶品。変に速弾いたり不自然に音を揺らしたりせず、丁寧にダークで甘美なメロディを弾いてくれていて思わず引き込まれる。この辺り、メロデス好きにもかなり取っ付きやすそう。

あと、個人的にはヴォーカルは特に褒めたいですね。
妥協を許さないテンションの高音がなりもかなり良いですが、クリーンが凄くツボ。ただマイルドで、絶叫とのギャップがあるだけでなくて、Ihsahnのような上品さがあるのが素晴らしい。ちゃんと曲の中でクリーンパートを設ける意義がある曲作りのセンスも相俟って、クリーンの素晴らしさは際立ってると思う。

という訳で、OPETH辺りから入って、後期EMPEROR、Ihsahnソロ、PERSEFONE辺りのプログレメタル漁ってる人なら必聴。泣きのメロディも強いので、BARREN EARTHやBEFORE THE DAWN辺りの、ゴシック要素強めなドラマティックな音出してるバンドが好きな方もハマれると思います。


REV 16:8 - Ashlands ★★★ (2011-05-10 21:14:06)

2011年発表の2nd。
試聴してかっこよかったので、早速買ってきました。

販促シールによると、「DISSECTIONやWATAIN、OFERMODのファンにお勧め」らしいですが…個人的にDISSECTIONとは少し毛色が異なる(あそこまでメロデスに近くない)気がしますが、しっかりメタルとしての重厚感を残しつつ、ブラックメタル本来の毒気や邪悪さを振りまいていくスタイルは、後ろ二つのバンドとは確実に通じるものがあると思う。

個人的にOFERMOD(のTiamtuアルバム)は、重厚な邪悪さを醸しつつも、少し展開に勿体をつけた部分も感じられてしまったんですが…このバンドは、ブルータルな疾走や禍々しいトレモロなど、ブラックの毒気を含むフレーズを矢継ぎ早に繰り出してくれる、分かりやすい邪悪さがあるのがいいですね。特に、膿んだ傷口を掻き回すかのような、ダーク極まりないトレモロがブラック好きにはたまらないです。

そして何気に良い仕事をしているのがTalonのヴォーカル。
どこか狂気じみたがなり声で、スローな曲では息を吐きながら…というか、毒霧を吐きながら叫んでいるような粘着質さを、ファストな曲では歯切れ良さを感じさせ、パートに合った歌い方をしてくれるのが素晴らしい。特に「Coal Mirror」でのホイッスル音や喘鳴も交えたパフォーマンスは凄まじい存在感。

ただ、試聴では分からなかったんですが、WATAINとかの作品と比べると音が微妙に小さいのがネックなんですよね…。クリアながら、ブラック特有のシャー音をある程度残す事で、地下臭さを消さない音質自体は悪くないんですが、なぜ音量をもう二目盛りほど上げてくれなかったのか疑問。個人的に音が小さい作品は、音が粗い・汚い作品より苦手なので。

…と言っても、私のような神経質なリスナーでなければ、音の小ささはそこまで感じないかと。DISSECTION辺りの基本バンドから、もう一歩踏み込みたい人にはうってつけではないでしょうか。


ALTAR OF PLAGUES - White Tomb ★★★ (2011-05-10 05:50:57)

2009年発表の1st。

よく比較されている通り、轟音で鳴らされるギターリフの中に繊細なメロディを施し、カタルシスを感じさせるような作風は、WOLVES IN THE THRONE ROOMやFARSOTなどのシューゲイザー/ネイチャー系のブラックと似た路線ですね。但し、WOLVES~が自然崇拝、ALCESTがノスタルジー、LIFELOVERがアーバニズムなど、シューゲイザー/ポストブラックが一般的なブラックとは一線を画す情景を描こうとするのに対し、このバンドの描く世界観はしっかりと暗黒メタルしてます。

ドラムがダイナミックに攻撃性を演出したり、ギターが重々しい轟音で耳を聾したりといったパートもあり、他のシューゲイザー系よりも大分攻撃性も強い印象。儚いメロディと、病的で鬱屈した、ディプレッシブなフレーズを交互に繰り出し、聴き手を翻弄しつつ深みに誘うようなパートは、他のバンドには見られず、このバンドの感性の本領発揮という感じでしょうか。

ただ、一部パートで他のバンドの音楽性を咀嚼せず、そのまま取り入れたような所があるんですよね。3曲目の被拷問絶叫と緊張の糸が張り詰めたようなスラッジリフで聴かせるパートはモロにKHANATEっぽいし、所々で聴ける高音トレモロはKRALLICEっぽい。しかし、これはマイナスな訳ではなく、3曲目後半(KHANATE風)でドロドロに引きずり、4曲目の激情的な展開(一部KRALLICE風)を聴かせる構成は、アルバムの進行をドラマティックにしていると思う。

全体としては、個人的にシューゲイザー系の中では最も聴きやすかった作品なんですよね。他バンドからの影響も作風の流れの一部としてしっかり機能させているし、私としては暗黒趣味がこのくらい濃い方が浸りやすい。ALCESTがメロウ過ぎて駄目な人でも聴ける地下臭さがある作品だと思います。


THY PRIMORDIAL - Pestilence Upon Mankind ★★ (2011-05-09 00:03:19)

2004年発表の6th。
バンドはこの作品をリリースした翌年、解散してしまった模様。

スウェーデンのファストさとメロディックさを兼ね備えたブラックとしては、DARK FUNERALやSETHERIALに次ぐ存在として語られていたバンドらしいですが、確かに風格のある音だと思います。DARK FUNERALがファストパート重視、リフ押しの曲構成を取る事が多いのに対し、こっちはリードフレーズやミドルパートもそれなりに入れてくる、なかなかに劇的な曲展開。

ただし、だからと言ってDARK FUNERALより聴きやすいかと言えばそうでもない感じ。ノイジーなギターと轟音のドラムが織り成す、土石流のようなプロダクション(低音質ではない)はメタル聴いてる人でも好みが分かれそう。ただ、この音質のお陰で、ファストパートは圧倒的な迫力を、ミドルパートでは鋸を引くような強烈さを、それぞれ演出できていると思う。

ヴォーカルの切れっぷりも素晴らしいし、要所で出てくるメロいリフは、悪魔学的という言葉が浮かぶような邪悪さも兼ね備えているし、クオリティ的にはなんら問題ない作品だと思う。ただ、個人的にはプロダクションがドラム強調型よりもリフ強調型の方が好みなんですよね…好みの問題で、星は二つとしました。


モーニング娘。 - プラチナ 9 DISC - リゾナント ブルー ★★★ (2011-05-09 00:02:09)

なんと、こんなガチでかっこいい曲も作っていたとは…
うたばんとかで弄られてた姿からは想像できない、ポップスにおけるかっこよさを表現しきったようなクールな楽曲。ほのかな哀愁の漂うメロが幾つも出てくる展開、タイトに纏まったリズム、マーティも褒めてた間奏の中近東メロ、クールで官能的な感じすらする歌声…と、彼女らのスタンダードナンバーと言っても良いほどのクオリティの高さ。

…ただ、この曲、人に聴かせてもモーニング娘って分かってもらえない事が多いんですよね…。こんなかっこいい曲を演ってるのに、自称音楽通からはパブリックイメージの時点で避けられがちなのがもったいない。


モーニング娘。 - シャッフルユニット関連曲 - チュッ!夏パ~ティ ★★ (2011-05-08 23:55:36)

マーティがJ-POPの中で3本の指に入るとまで言ってた曲。
確かに、コニー・フランシスの「VACATION」をあからさまにパロった展開で、「ここが一番キャッチーなパートだろう」と思わせておいて、サビで更にキャッチネスを上塗りする過剰な展開はサービス精神旺盛かつ天才的。ただ、ここまで(あざとい)可愛らしさが出ちゃうと、ちょっと個人的には辛い。ファンの人にはほんと申し訳ないけど、「チュッ」とか言われると醒めてしまう…


DEN SAAKALDTE - Ol, Morke Og Depresjon ★★★ (2011-05-08 10:14:26)

2008年発表のデモ。2010年にボーナス2曲入りで再発。

鬱ブラックの代表格、SHININGのメンバーとしても有名なKvarforth氏の参加するバンドと言う事で、カルトな音楽性を予想してしまいますが…実際には、ごく真っ当なメタルの手法で描かれた、ダークなブラックメタル。刻みリフを中心に据え、聴き手の不安を煽ったり、極寒の地に放り出したり、悲しみの渦に取り込むようなメロディをドラマ性たっぷりに聴かせるスタイルは、マイナスのオーラ全開とはいえ、メタル聴く人なら誰でも唸る質の高さがあると思う。

…結構ブラックって、音像や作風自体が重視されていて、アルバム全体では超個性的な名盤クラスでも、1曲1曲の個性自体は薄いことも少なくないんですが、このバンドは「楽曲至上主義」と言えるくらい、曲自体の作りが丁寧だと思う。例えば2曲目、アコギが悲しみの極みみたいなフレーズを弾いて、それをトレモロが引き取るエンディングは感動を覚えるほどにドラマティック。SE的な使われ方で、曲の枢軸には余り絡まないとはいえ、アコーディオンやサックスを効果的に導入してるのも面白い。

また、言うまでも無い事ですが、相変わらずKvarforthのパフォーマンスは素晴らしい。ブラック的がなり声からアジアの喉歌を思わせる声ドローンっぽい不気味な声、耳をヤスリで削るようなノイジーなウィスパー、朗々と歌い上げようとするも狂気が混じってくるクリーンなど、この人の声の幅は本当に広い。曲が求める感情の流れを、リアルな狂気を持って演じきってる感じ。アートワークの彼の笑顔はマジで怖い(笑)。

…と書きましたが、思い返してみればKvarforthの参加してるバンドって、SHININGを始めとして、どれも「狂気だけ」を売り物にしている訳ではない、音楽としての真っ当さがあるんですよね。ライブで客に剃刀渡したり、失踪して路上生活送ったりと言ったエピソードとは裏腹に、アーティストとしてはごくまともな人なのかも。


AGAINST THE PLAGUES - Decoding the Mainframe ★★★ (2011-05-07 11:38:29)

2010年発表の2nd

いわゆるシンフォニック・ブラックに分類される音ですが、結構珍しい音作りのバンドですよね。音全体のバランスは非常に良好だし、キーボードやリードギターなどの音質は非常にクリアなのに、リフの音色のみがブラック特有のノイジーさで、それが所々で炸裂するファストブラック並の爆走とも相俟って、かなり凶悪な印象を受けます。

また、キーや曲展開のバリエーションが豊富なのも特徴。
メロデス的なリード・リフ使いも見られ、割とメジャーっぽい作風なのに、時折出てくるトレモロリフは初期DISSECTIONやNAGLFAR、NECROPHOBIC的な正統なメロブラの邪悪さが篭っていて、凄く惹き付けられる。キーもアトモスフェリックな不穏さを醸しだしたり、大仰なクラシカルフレーズを弾いたり、スペイシーな宇宙観を演出したり、シンフォブラックで出来る事を一通り網羅してる感じ。

この作風の幅広さが、展開の劇的さを生んでますよね。ブラストで爆走した後、キーメインのシンフォパートに突入する部分なんて、突っ走ってたらいきなり宇宙に放り出されたかのような感覚がありますもん(笑)。単に凶悪にガナるだけではなく、しっかりパーカッシブに曲を彩ってくれるヴォーカルもまた魅力的。

現時点でも相当に魅力的な音だと思いますが、後1つなにか「このバンドならでは」という、強烈な個性があれば、シンフォニック・ブラック聴くならこれを聴け!と謡われる作品になるのではないでしょうか。


AGAINST THE PLAGUES ★★ (2011-05-07 11:36:46)

アメリカ産シンフォニックブラック。
先日ex-BEHEMOTHのNovyが加入した模様。


CARNAL FORGE - The More You Suffer ★★★ (2011-05-07 11:28:55)

2003年発表の4th。

これはかっこいいですね。
スラッシュのスピード感や野蛮な感じ、テクニカルなリフの刻みなどの長所を純粋培養していったら、「デス」の冠がいつの間にか付いていたようなデスラッシュで、ザカザカ刻みを入れつつ邪悪なメロディを練りこんでくるギターワーク、歪みが効きつつ衝動的な野蛮さも残したヴォーカルと共に爆走する、「これでかっこいいと思わなかったら嘘だろ?」と思うような、ごく分かりやすい魅力のある作品。特に、単調にならず常に聴き手の興味を惹き続けるリフが素晴らしい。

聴いてて単純に熱くなれるアルバム。
何故か中古で安い事が多いので、試しに買ってみてはどうでしょう。


飯田圭織 - アヴニール ~未来~ ★★★ (2011-05-07 10:07:45)

ex-モーニング娘のメンバーの3rdアルバム。
他にフレンチ/イタリアンポップ等の原語カヴァー集も出してますが、これはオリジナル。

…信じられないくらい、良いアルバムですよ、これ。
洋楽ポップスのカヴァーの雰囲気を、そのままJ-POP化したような異国情緒溢れる作風。昔のポップスには、久保田早紀さんの「異邦人」、ジュディ・オングさんの「魅せられて」、WINKの「咲き誇れ愛しさよ」など、聴いていてどこか懐かしい、オリエンタルな光景が浮かぶものがありますが、その手の曲に近い雰囲気の曲が集まってます。

この作品、「異国情緒溢れるポップス」という縛りは崩さずに、色々なジャンルを横断するので、しっかりバラエティに富んだ仕上がりになっているのが素晴らしいんですよね。穏やかなボサノバ調で始まり、情熱的なフラメンコ、オルガンが荘厳なバラード…どの曲にも、頭の中に風景を描くのに十分な情緒的メロディがあってホント引き込まれる。クサメタラー的にはマンドリンやシタール、アコーディオン等を使ったオケが悶絶もの。

そして、飯田さん自身のヴォーカルも本当に素晴らしい。
異国情緒溢れる曲に完璧にフィットする、暗く翳った情熱を感じさせる、どこか官能的な感じのする歌声で、丁寧に歌い上げてます。アイドルグループの元リーダーというパブリックイメージからは遠い感じの声。ディナーショウなどの活動も行っていたようですが、ムードある空間を演出できる、素敵な歌声だと思います。

ブック○フで投げ売られてたので、軽い気持ちで買ってみましたが、入魂の作品と言ってもいいんじゃないでしょうか。こんな素晴らしいアルバムを250円コーナーに置くなんて罰当たりもいいとこです。まあ、そのお陰でこの作品と出会えてんですけどね。一時の流行に終わらない、聴き手にとって大切なものになる可能性のある作品です。


モーニング娘。 - シングル/カップリング/その他 - シャボン玉 ★★★ (2011-05-06 06:42:08)

…こういう曲も歌うんですね。
額に青筋立てながら歌ってそうな、やけくそ気味の割れ割れヴォーカルがとにかく印象的な曲。歌謡曲の哀愁部分をカリカチュアライズしたような、濃ゆいメロディもあって絶大なインパクトがあります。この曲歌うときの声で「てめーガン飛ばしてんじゃねぇぞコラ」って言われたら、もう一瞬で逃げますね(笑)。


モーニング娘。 - 12,スマート - まじですかスカ! ★★ (2011-05-06 06:38:10)

現時点での最新曲。Wiki見たら、この曲から新しいメンバーが4人入ったとか。だからか、スカ調のアッパーな曲で、元気のよさ、賑やかさを重視してる感じ。でも表面的にはアイドルっぽいのに、ところどころV系っぽさが隠れてるように感じる。イントロがGLAYっぽくて、サビへの移行部分が黒夢っぽい…気がする。J-ROCKの人が作ったスカポップって感じです。
あと、ネット上でメンバーがこの曲をクレヨンしんちゃんの物真似で歌うのを聴いてしまったんですが…聴くたびにそっちが再生されて困ります(笑)。


モーニング娘。 - シングル/カップリング/その他 - 女と男のララバイゲーム ★★★ (2011-05-06 06:29:50)

まずイントロの東欧の舞曲みたいなメロで「マジかよ…」と思いました。
広義の意味でのクサメロではなくて、クラシカルで大仰で分かりやすくて…一流のメロスピバンドが書いてもおかしくない、ガチな意味でのクサメロ。歌メロの方も、舞踏会の風景がパッと思い浮かぶような、暗く鮮烈なクラシカル歌謡メロで、流麗に駆け抜けます。クサメタラーにとっては神曲。
…正直最近はAKBに押され気味っぽいですけど、実はこんなにヤバスギル曲を作っていたなんて!一番売れてたときより曲のクオリティが上がってると思う。ただ、この曲はヴォーカルがオケを食って入る部分が多くて、カラオケだと難しい曲。集中力が要る感じ。


モーニング娘。 - モーニング娘。'14 カップリングコレクション2 - くら寿司 ビッくらポン! ★★★ (2011-05-06 06:20:59)

「あっぱれ回転ずし!」よりも更に「キャンペーンソングらしさ」を追求したような曲。スカ風のアレンジに乗せて、小さい子も口ずさめる鬼キャッチーなメロが炸裂。「おさかな天国」「お肉スキスキ」とかと同じレベルで、頭を離れなくなる中毒性のある曲。こちらも表題曲同様、間奏でクラシカルなアレンジが取り入れられてますが、やはり親しみやすい(親しみやすすぎる)世界観を壊さない程度の、隠し味になっているのがセンスいいです。


モーニング娘。 - シングル/カップリング/その他 - あっぱれ回転ずし! ★★★ (2011-05-06 06:15:43)

「♪グルグルグルグル~」の歌詞の通り、頭の中をグルグル回って離れなくなるサビメロは、チェーン店のキャンペーンソングとして完璧でしょう。威勢の良い、竹を割ったようなキャッチーさが聴いていて気持ちいいです。おかわりしようぜ!
アレンジ的には、オクターブ上のソプラノっぽいコーラスを薄く被せて見せたり、一瞬だけ教会音楽っぽくなる間奏パートといい、荘厳系のアレンジが隠し味に入ってるのが面白い。


モーニング娘。 - ⑩ MY ME - 気まぐれプリンセス ★★★ (2011-05-06 06:09:10)

モーニング娘に興味を持ったのが、久住さんのソロの「バラライカ」を人のカラオケで聴いたからなんですが、これは「バラライカ」の世界観を本隊の方でやった感じの、ロシア民謡テイストの濃い曲ですね。キュートでキッチュなA~Bメロと、クールでどこか官能的なかっこいいサビの対比が印象的。コミックソングの雰囲気がある「バラライカ」よりも、愛想の良さは残しつつシリアスな感じ。この曲も個人的にはかなり衝撃で、知った日は30回は聴きましたね…。

あと、この曲のダンスショットのPVも見たんですが、動きが怖いくらいに揃ってて、「こういうかっこよさもありかも」と思いました。モーニング娘って勝手な印象では垢抜けないイメージがあったんですけど、改めて見ると凄く洗練されててプロフェッショナルな感じ。私はメタルにどっぷりなんで、もう別世界のものとして見てますが、小学生の頃とかに見てたら影響されてダンス始めたりしてたかも(笑)。


RUINS (AUSTRALIA) - Cauldron ★★★ (2011-05-05 23:28:19)

2008年発表の2nd。

正直、最初の印象では「地味な作品だな…」と思って、暫く封印入ってたアルバムなんですけど…聴き返してみたら、意外と良い作品だと思いました。最初地味に感じた理由としては、トレモロリフによる叙情性の高いメロディではなく、平坦気味な圧力のあるリフを中心に展開することが挙げられますが、改めて聴くとこのリフが山の様な魔人が傲然と見下ろしているような、黒いエネルギーを生んでいるように聴こえるんですよね。

そのリフに塗り潰された視界の中で、暴虐なリズムが炸裂すると、まるで魔人が嘲笑いながら岩を落としているような、立ち向かうことすら困難な圧倒的な暴力性が生まれてるように感じますね。時々、薄いメロディを伴ったリフも弾いてますが、これが凄く良いアクセントになって耳を惹きます。音像はエクストリームメタル然としているのに、ここまでオブスキュアで不気味なメロを取り入れてるのも珍しいと思う。

一般的なメロブラのような即効性は低いかもしれませんが、これはこれでかなり良いアルバム。ほんと、落ち着いて聴き返してみるとなんで封印入ったのか不思議に思えるほど良い作品なんですよね。


具だくさんちょい辛ラー油 (ドンキホーテ) ★★ (2011-05-04 22:58:46)

まさかのドンキホーテの自社ブランドラー油。
味は、甘味と辛味が両方とも強めなんですが、調味料としては薄味な印象。かけすぎると辛くなりますが、分量を間違えなければそれなりに美味しいです。ただ、桃屋やエスビーのよりも現時点では高いため、コストパフォーマンスを考えると微妙かも。ドンキにしては高いというか。


やみつきラー油 (フードレーベル) (2011-05-04 22:52:24)

アーモンドでしょうか?
ちょっと苦味があって、癖のある味です。
調味料として悪くないものの、この苦味は個人的には無い方がいいです。


のっけて食べる旨辛ラー油 (サンフーズ) ★★★ (2011-05-04 22:48:59)

まず見た目からして突っ込みたくなります(笑)。
瓶一杯にスライスガーリックが入っていて、これでよく「ラー油」を名乗ったなぁ…とちょっと呆れたような気持ちに(笑)。ただ、インパクトの強い見た目の割に汎用性は高く、そのまま食べても美味しいし、ポトフやビーフシチューなんかに入れれば一味変わります。しかし、見た目的に出勤前とか、人と会う前とかは食べられないですよね、これ…。美味しさは抜群ですが、食べられる時がちょっと限定されてしまうのがネックでしょうか。


のせタレ!ラー油おろし (エスビー食品) (2011-05-04 22:42:50)

これは微妙…
酸味が効きすぎてて、料理の味を壊しやすくて使いづらい。
かけそばとかに入れる分には、まあまあ美味しいですけど。


落合シェフのかけチャオ!イタリアンラー油 (エスビー食品) ★★★ (2011-05-04 22:40:20)

個人的に大好きなパスタソース「予約でいっぱいの~」シリーズを手掛けた事でも知られる、落合務シェフが監修したラー油。感想としては「これは美味い!!!」って感じです。スパゲッティとの相性が抜群で、よくパスタを食べる私には凄く重宝する調味料なんですが、意外にも汎用性が高くて何にでも合うのが素晴らしい。個人的には高菜や野沢菜などのお惣菜と混ぜて食べるのがお勧めです。


ぶっかけ!おかずラー油 (エスビー食品) ★★★ (2011-05-04 22:34:10)

桃屋の「辛そうで~」と人気を二分するラー油。
最近では割と手に入りやすくなってきましたね。
私は断然こっち派です。旨み成分が多くて、癖がなくてホントなんにでも使えるって感じです。料理するのがめんどくさい時とか、ふりかけとコレと白ご飯だけで結構なごちそうになる(笑)。味噌汁やそばつゆとも相性がいいですし、これは切らさないようにしてます。


辛そうで辛くない少し辛いラー油 (桃屋) ★★ (2011-05-04 22:30:12)

未だに品薄の続く、大人気のラー油。
ですが、私の評価は中の上~上の下くらいですね。
確かにもう一味欲しい!という時に最適な調味料ではあるんですが、フライドガーリックがサクサクしすぎて、その食感も料理に加わってしまう…それを生かす料理ではいいと思うんですが、カップ麺やカップ焼きそばに使うには微妙です。


TRIDENT - World Destruction (2011-05-04 22:18:38)

2010年発表の1st。

DISSECTION、NECROPHOBICというメロディック・ブラックの「顔」とでもいうべきバンドのメンバーが在籍、しかも一枚目にしてRegain Recordsという大手レーベルからのリリース…もうこれだけで、エクストリームメタルとしてのクオリティは約束されたようなものですね。実際に、前述のバンドのようなメロブラとは違い、デス的なヘヴィさ、メロデス的なリフ捌きも交えたりという意外性はありますが、確かなテクニックとキャリアに裏打ちされた、一流の音だと思いますし。

ただ…もうこの面子からして一流なのは大前提なので…はっきり言って不満はありますね。この作品、「クオリティは高いけど個性が無い」アルバムになってしまってると思う。時々ギターソロが入っても、DISSECTIONのような甘美さに行きそうで行かなかったり、なんかヤキモキしてしまう(苦笑)。

「Luciferian Call」もイントロの叙情暗黒トレモロ疾走から意外なメカニカルリフに繋げる展開は良いのに、後が続かないし、せっかくリードがメロく暴れ、雰囲気を作っておいてコーラスで何故かテンションを下げる「Slaves to Anguish」といい、DISSECTIONやNECROPHOBICと差別化した展開を入れようとすればするほど、無難な感じになってしまってるように思えるんですよね…。

DISSECTIONやNECROPHOBICと違うことをしたいのは分かるんですが、これらバンドが持つ個性に代わるような何かを、まだ見つけられていないという感じがします。現時点でメジャークラスの質はありますが、作風そのものはこれからに期待ですね…。


PRIMORDIAL - Spirit the Earth Aflame ★★★ (2011-05-04 18:27:57)

2000年発表の3rd。

個人的にアイルランドは、昔英語を教えてくれた先生がアイルランド出身で、ちょっと思い入れがあったのと、アイルランドのペイガン/フォークは貴重だと思ってたので、かなり期待しながら聴いてしまいました(笑)。

まず、イントロにあたる1曲目の、アコースティックギターにブラック特有の歪んだリフが重なり、仄暗く上品な暗黒世界を演出し、そこにシアトリカルな語りが重なってくる始まりで「これは素晴らしいアルバムかも!」といきなり期待値がマックスに。続く2曲目でも、上品な異教的仄暗さはキープしつつ、正統派にも通じる叙情リフが出てきたところで、完璧に世界観に引きずり込まれてしまいました。

…だったのですが、ヴォーカルの妙にふんばりの効いた歌い上げが…。しかも、言いたい事を全部言わないような、妙に歯切れの悪い歌い上げなんですよね…正直、ちょっと醒めちゃいました。低音でストーリーテラー風の語りをしてる時や、叫んでる時はかっこいいんですけど、この歌い上げは個人的に今ひとつ好きじゃないです。

ただ、OCTOBER FALLSやAGALLOCH辺りに通じる、モノクロで「畏れ」を喚起するような、世界観は本当に素晴らしいし、伝統音楽特有の叙情的なメロディや、土着的なリズムとメタルを丁寧に融合させた、曲自体は本当に素晴らしいと思う。この土着的で、情景描写に富む音、これこそがフォークメタルの醍醐味ですよ…。

という訳で、ヴォーカルスタイルだけが好みから外れてはいますが、フォークメタル好きにはもっと認知されていい作品だと思います。ヴォーカルも人によっては「熱い!」と思うかもしれませんし。


モーニング娘。 - シャッフルユニット関連曲 - 幸せきょうりゅう音頭 (2011-05-04 18:26:23)

流れ的には「ダンシング!夏祭り」から派生してる感じですけど…
今回はオケに人間国宝の方まで参加していて、本格的ではありますけど…本格的過ぎて、いつものジャンクな感じがないのが面白くないかも。普通に「音頭」じゃん、アイドルポップスじゃないじゃん、みたいな。更に言えばなんで「幸せ」で「きょうりゅう」なのかも分からない。まぁ、それは私が後追いだからですかね…。


モーニング娘。 - シャッフルユニット関連曲 - ダンシング!夏祭り ★★★ (2011-05-04 18:22:44)

神懸かり的な名曲だと思います。
明らかに美空ひばりさんの「お祭りマンボ」がベースにありながら、ギミック満載で3回転半ひねったような、独特のムードのパーティチューンに仕上がってる。特にエフェクトこぶしとか、Vo%Choの掛け合いとかが楽し過ぎる。日本の祭りにしろ他国の民族音楽にしろ、つんく氏はそれを戯画化レベルで取り入れ、キャッチーにしてくれるから良いですよね。本格的な祭り音楽より、こういうファストフードっぽい魅力があるほうが断然好き。


モーニング娘。 - シャッフルユニット関連曲 - 黄色いお空でboom Boom Boom ★★★ (2011-05-04 18:17:10)

何年も昔の曲なのに、未だに頭に残ってるんですけど…
今聴きかえしてみると、思ったよりもアレンジがアダルトかつサイケデリックな感じで、シュールな世界が頭に浮かぶ妙な曲。ドラッギーだとすら思う。ヴォーカルもファルセットを多用した儚い感じなのが、更にシュールさを引き立てます。


FALL OV SERAFIM - Nex Iehovae ★★ (2011-05-03 23:33:46)

2006年発表の1st。

スウェーデン産のシンフォニック・ブラックとの事ですが、これを聴く限りキーボードはあくまで付加的に使われ、根幹はデスメタル的なヘヴィネス・アグレッションを伴う刻みリフと、ブラックメタルのトレモロリフの叙情性を組み合わせたギターワークで、シンフォ系の中ではかなりギターの音圧が強め。ヘヴィなリフがテクニカルに駆動する、高品質なサウンドは、メロデス好きにもお勧め。

他のサウンドの特徴としては、キーボードを使った大胆な場面転換が挙げられますね。時々、「それは無理矢理展開しすぎでは…」と思わされることもありますが、似たような音が続いてダレるよりよっぽどいいと思う。ヴォーカルは、超高音をカットし、その分力を中音域と低音域に振り分けたDani Filthという感じで、なかなか迫力あります。

クオリティも高いですし、あと1つ心をガッと動かすような何かがあれば、名盤になるかもしれませんね。個人的には、現時点では良盤クラスかと思います。しかし、MAYHEM大好き(特にWLA期)な私からすると、名曲「Fall of Seraphs」を思わせるこのバンド名こそがキラーだったりします(笑)。