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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2501-2600

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2501-2600

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TUBE - Blue Splash - 風のブログ ★★ (2010-07-19 10:36:52)

「風の便り」的なものを今風に言い表したのか、それとも風を感じるような、爽やかな内容のブログなのか…どっちにしても、ダサ…じゃなくて、インパクトのあるタイトルですよね(笑)。前田さんって、流行を取り入れようとして、取り入れきれてなくて、それが却って味になってる事結構多い気がする(笑)。曲自体は、ごくごく良質なTUBE流ポップスです。


TUBE - Blue Splash - Summer Greeting ★★★ (2010-07-19 10:30:26)

最近TUBEからは離れ気味だったんですが、これで一気に引き戻されました。いつもの暑いラテン系アッパーでもなく、Purity、虹になりたい辺りのバラード路線でもなく、穏やかな哀愁ポップス路線で、彼らのシングルとしては珍しい曲調。キーも低めですし。この、深い哀愁が胸に染み渡って、思わず溜め息が出てくる感じ、たまらないですね…。初期の「スタンダードな恋物語」「渚のMerry Boys」辺りが好きだった方も、最近の彼らをチェックして欲しい所。


TUBE - Blue Splash - 真夏のカイト ★★★ (2010-07-19 10:25:51)

この曲とタイトル曲はシングルでも良いと思う。
歌メロ自体は、ごくキャッチーで、哀愁だけではなくどこか高揚感も感じさせるものですが、オケが盛り上げすぎる事なく一歩引いてる感じなのが、メロの哀愁を更に引き立ててますね。でも歌詞…念力パワーって(笑)。


TUBE - Blue Splash - Blue Splash ★★★ (2010-07-19 10:22:43)

このアルバム、発表は09年ながら、初期の織田哲郎プロデュース時代の空気がありますよね。最近のラテン系ではなく、日本の海や、その周りの生活感ある情景が浮かぶ、哀愁系の路線。中でもタイトルトラックのこの曲は最もそれが顕著。海を見てると、訳も無く切なくなったりしますが、そういう感情が味わえる名曲です。


TUBE - Surprise! - 灼熱らぶ ★★★ (2010-07-19 10:16:59)

一聴き惚れ。なんっっって素晴らしい歌メロなんだ…!!!
ノッテケ'92辺りの曲を、今のTUBE風にアレンジしたような曲調で、編曲にも歌い回しにもどこかとぼけた大らかさがあるのが特徴。♪ノッテケノッテケ~と歌いたくなるギターソロも印象的。こういう大らかさ、ベテランバンドならではですよね。


TUBE - Surprise! - 太陽のサプライズ ★★ (2010-07-19 10:13:48)

新たな要素を常に取り入れつつ、ブランドイメージを保つ努力を怠らないのがTUBEの美点…ではありますが、この曲はあまりにもベッタベタなTUBE節(笑)。この曲に関しては、サプライズよりも安心感って感じです。しかしTUBEはやっぱり歌メロがクサい。ジャニーズやアニソン、織田哲郎に比肩する、もしくは超えてると思う。


TUBE - Surprise! - 愛はカーニバル ★★★ (2010-07-19 10:10:34)

ラテン系+ポップスの情熱的な歌メロに、夏楽器をふんだんに使ったオケが絡む熱い楽曲…なんですが、この曲は今までの同系統の曲と比べるとどこか翳りがある感じがしますね。その翳りが、暑「苦し」さを感じさせず、聴きやすいものに仕上げていると思う。


BLACKWINDS ★★ (2010-07-15 23:34:00)

スウェーデン産ブラック。
SetherialのInfaustus氏が主要メンバーとして在籍してます。


BLACKWINDS - Origin ★★ (2010-07-15 23:32:00)

2008年発表の1st。

この作品、発表自体は08年ですが、実際には結成して間もなくの99年に制作された音源らしいですね。だからか、SETHERIALよりも大分プリミティブ寄りの音を出してます。

ファストブラックの代表格足り得るくらい、猛然とした攻撃性を見せていたSETHERIALと比べると、こっちはプリブラらしい陶酔感を重視した作風。…しかしこの作品も、本当に「RAWさが心地良い」音ですよね。ギターは本来かなりノイジーな筈なんですが、篭もった音質のせいでうるさく感じないし、同様のことがドラムにも言えますね。反面、デモ音源的なグルグルと渦巻くような低音が残っていたり、僅かに聴こえるメロディがじわりと沁みるようなリフがあったり、肺の空気を全て吐き出すような切れ味鋭い高音絶叫ヴォーカルがしっかり聴こえたり、プリブラ的な陶酔感を各要素が強める音になってると思う。

SETHERIALとはまた違う魅力のある作品。SETHERIALがファスト系としてトップクラスの魅力を放っているのと同様、このアルバムにもプリブラとしての高い魅力があるように思います。


INFERNAL - SUMMON FORTH THE BEAST - DEVIL PIG ★★★ (2010-07-14 21:22:02)

VONカヴァー。
原曲は未聴ですが、VONってブラック関連のミュージシャンにかなり支持されてるらしいんですよね。(カヴァーですが)これを聴いて、理由が少し分かった気がします。それを繰り返すだけで、1曲が成り立つような、ごくシンプルなリフが素晴らしい。このセンスはプリブラ路線全盛期のDARKTHRONEに匹敵すると思う。やはり、リフで語れるバンドは強い。


INFERNAL ★★ (2010-07-14 21:22:00)

ex-DARK FUNERALのBlackmoon氏率いるスウェディッシュ・ブラック。
DARK FUNERALに近いファスト/ブルータルなスタイルです。
最近、活動を再開したらしいですね。


INFERNAL - SUMMON FORTH THE BEAST ★★ (2010-07-14 21:20:00)

2002年発表の5曲入りEP。
オリジナル2曲と、MORBID ANGEL、VON、BATHORYのカヴァーを収録。

元DARK FUNERALのBlackmoon氏が創設者、またDARK FUNERALとスプリットをリリースしていますが、やはりDFと同系統のファストでブルータルなブラックメタルを演っていますね。絶叫に絶叫を重ねるようなヴォーカルラインや、リフの叙情性に練り込まれた悪魔的な感覚なども近く、ファストな暴虐性と寒々しいリフを軸にするという、手法のみではない相似性があるように思います。

ただ、こっちの方がリフのメロディが引っ込み気味な代わりに、ドラムの炸裂感の強い音作りになっていたり、スラッシュメタル由来のイカレたギターソロが入っていたり、全体的により荒々しい作風。演奏時間も短く、ドラマ性・叙情性ならDF、RAWさや攻撃性ならこっちに軍配が上がりそう。

DARK FUNERALの音を気に入った人で、より過激な音も行けそうという方なら、聴いて損は無いでしょう。


WATAIN - Lawless Darkness - Four Thrones ★★★ (2010-07-13 23:38:45)

キーボードは入っていないんですが…個人的に、初期EMPERORに通じるマジな邪悪さを感じる曲。特に「Equilirbium of TOTAL DEATH」の後の畳み掛けるパートにそれを強く感じます。EMPERORが、1stや2ndの頃の感性のまま、シンフォ要素を捨てて進化したらこういう曲を作ったのでは。


WATAIN - Lawless Darkness - Reaping Death ★★★ (2010-07-13 23:35:52)

「Lawless Darkness」は、現時点では同系統のブラックの中でもトップクラスのアルバムだと思いますが…中でもこの曲は頭抜けてる。最初の畳み掛けからハッとなりますもん。WATAINってこういうリズムを演らせたら右に出る者はいないバンドだと思う。そこに絡むヴォーカルラインも、Arioch氏に匹敵するくらいセンスいいと思う。
また、メロディ面でどこか後期DISSECTIONへのリスペクトも感じられますね。こういう音を出すバンドがいるなら、Jon氏も安心して冥界を統べていられるというものです。


WATAIN - Lawless Darkness ★★★ (2010-07-13 14:26:00)

2010年発表の4th。
Terrorizer誌で満点を獲得するなど、既にプレスからは非常に高い評価を得てますね。発売前のリスニングパーティでは、雑誌記者に杯に入った血を飲ませようとしたとか(笑)。

前作と比べると少し音質のシャリシャリ感が強くなってますが、作風に大きな変化はありませんね。相変わらず真性ブラックの邪悪さ、メロブラの甘美さ、ファストブラックの攻撃性を兼ね備えたような、エクストリームメタルとしての質の高さと、ブラックの真髄を聴かせる事を見事に両立させた作風。この手のブラックではONDSKAPTやOFERMOD、AZAGHALなども非常に良質な作品をリリースしてますが、これを聴いて、WATAINは一段上の高みにいるな…と思いました。

個人的に、凄みを感じる理由としてはアンサンブル、特にドラムが素晴らしいからだと思うんですよね…時にファストブラック以上のテンションで畳み掛け、時にプリブラ以上の陶酔感を生み出し…それらを、ヴォーカルラインやリフ捌きとしっかり連動させているのが凄い。空気を読みつつも場を支配している、みたいな感じ。このアンサンブルのお蔭で、ある意味躍動感のある音像に仕上がってるんですが…その躍動感が、「得体の知れない暗黒が脈動する感じ」にまで繋がっていると思います。

ヴォーカルのドスの効いたがなり声、長丁場もダレさせずに聴かせるインテンスなリフ捌き、毒々しさや邪悪さに甘美さも混じった漆黒のメロディなど、前作からの美点もしっかり引き継ぎつつ、DISSECTIONの「ReinkaΩs」にも通じるどす黒い躍動感を、メロデスに接近する事無く取り入れたような作風だと思う。

演奏時間は80分(ボートラのDEATH SSカヴァー含む)と長いですが…集中して聴くとあっという間。嘘だと思うなら、是非腰を据えて聴いてみてください。ここまで緊張感ある80分はなかなか無いですよ。もしかしたら、2000年以降のブラックメタルでは、FUNERAL MISTの「Salvation」と並ぶ、クラシックな名盤と言える作品になるかもしれません。前評判の高さは伊達じゃないですよ。


ORDER OF THE EBON HAND - ⅩⅤ : the Devil - To Alloces ★★★ (2010-07-10 15:09:20)

ファスト系の曲の中ではアルバム1かっこいいと思う。
頭から凄まじいまでのメロウさを撒き散らし疾走。主張しすぎないキーもオカルト的なムードを過不足なく演出。


ORDER OF THE EBON HAND ★★ (2010-07-10 15:09:00)

ギリシャ産ブラックメタルバンド。
バンド名はカードゲーム「Magic the Gathering」より。
NOCTERNITY、SEPTIC FLESHのメンバーが絡んでます。


ORDER OF THE EBON HAND - ⅩⅤ : the Devil ★★ (2010-07-10 15:07:00)

2005年発表の2nd。

基本的には豪速ブラストを軸に攻める、DARK FUNERALやENDSTILLEと同系統のファスト・ブラックで、DFと比べるとリフのメロディに起伏が少なく、その分摩擦的な感触が強い所は、ENDSTILLEの方が近いかもしれません。ただ、キャッチーではないものの、時に超が付くほどメロウになるリフ、亡霊的なクワイアやキーボードの導入により、それらのバンドにも劣らない魅力が備わっているように思います。ヴォーカルもENDSTILLE並に遠慮のない思い切った絶叫で気持ちいい。

しかし、この作品の凄さはファスト曲とミドル曲の温度差にこそあるのかもしれません。前述したように、ファストな曲はいわゆる「業火系」とでも言えそうな凄まじさですが、ミドル曲はモダンなリフ捌きやサックス、SEなどを導入し、うって変わってゴシック的・オカルト的なムードを醸し出しているのが大きな特徴。ミドルの方はAGATHODAIMONやSEPTIC FLESHに通じる雰囲気があるかも。

ファストもミドルもかなりのクオリティで聴かせてくれる、なかなかの良盤だと思います。


快楽音楽堂 - 不明 - 海の見える街 ★★★ (2010-07-10 12:42:55)

この原曲、日本屈指のメロなんじゃないかと思う…。
主旋律を奏でるのがオルゴールでもピアノでも、ストリングスでも見えてくる風景は例外なく「海の見える街」。当然、こういうツインギターのハモりで疾走してもそれは変わりません。それ程メロディ自体が強い。全ての音楽ファンよ瞠目せよ、これぞ日本人の誇るメロディなり。


快楽音楽堂 - 不明 - 君をのせて ★★★ (2010-07-10 12:39:40)

この曲はなんとなくメロスピっぽいアレンジが合いそうですが、意外にもミディアムテンポの骨太なハードロック風のアレンジ。MIDDLEISLANDの紫嬢にヴォーカルを振ってますが、彼女のエモーショナルな歌声はこういうメロに実に映える。ラストは何故かグラインドっぽく疾走して終わり。


快楽音楽堂 - 不明 - 崖の上のポニョ ★★ (2010-07-10 12:36:48)

カラオケマニアでデスメタラーの人だったら、こういう童謡っぽいメロディをデスヴォイスで歌うってこと一度はやりますよね(笑)。それをマジに作品にまで仕立て上げるのは凄い。「青い海から」を勝手に「赤い海から」とか言ってるし…この雰囲気だと「赫」の方を使ってそう(笑)。
でも、デスヴォイスが中途半端で出落ちに聞こえるのが惜しい。「ネタなんだけど、グロウルが凄すぎてネタとして処理できない」レベルまでは逝って欲しかった。


ANDRAMELECH - DESTROYERS OF COSMIC ORDER ★★★ (2010-07-07 00:23:00)

2008年発表の4曲入りEP。CD盤は1000枚限定。発売元が日本のレーベルで、カタカナでアルバム名・バンド名の書かれた帯付きです。

メキシコ産のプリミティブブラックという事で、敢えてポンコツさ・もしくはRAWさによってリスナーの想像力を刺激し、破壊の対象を宇宙の秩序までに広げたスケールを表現する…という作風を予想してたんですが、これは一概にそうとは言えませんね…。ベースの聴いたどす黒い音塊の中に、ギターリフのノイズ質の粗い粒子が宇宙塵のようにうっすらと掛かり、そこに神秘的なトレモロリフのメロディやアトモスフェリックなキーボードが絡んでいく音像は、(RAWながら)ガチでスケールの大きい音と言えると思う。特にトレモロリフは、メロディの神秘性と音響的な聞かせ方の上手さが相まって、何か人知の及ばないミステリアスな魅力があるといっても過言ではないのではないでしょうか。

ヴォーカルの高音絶叫もブラックに典型的なスタイルながら非常にキレがあるし、ほんとに4曲というボリュームが物足りなく感じます。プリブラ…というか殆どのメタル音楽の魅力って、非日常的な光景に耽溺させてくれる…というのが少なからずあると思いますが、このバンドの音楽はそういう魅力がプリブラの中でもトップクラスに高いと思う。ノイズ質がうっすらと音を覆うような耳にキツくないもので、メロディも良く聞こえる上に非常に良質なので、プリブラ初心者でも受け入れやすいと思う。

日本のレーベルから出てますし、機会があれば是非。


SHINING (NORWAY) - Blackjazz ★★ (2010-07-04 20:28:00)

2010年発表の5th。
KEEP OF KALESSINやENSLAVEDのリリースで知られるIndie Recordingsからのリリース、
国内の音楽雑誌EURO ROCK PRESSでカラーページにレビュー掲載、海外のメタル雑誌Terrorizorの
企画で(ENSLAVEDの)Ivar氏がお気に入り(?)に挙げるなど、既に非常に話題になっている作品。
確かにこれ、話題になるだけの事はあって、ある意味凄い作品に仕上がってますよね…。
ハードコアのフィーリングを持ってテンション高く叫び散らすヴォーカル、ジャズ特有の
細かく刻みリズム、プログレメタルの複雑なリフ捌き、ブラックメタル的な歪みを伴うリフの音色、
不穏さ、アヴァンギャルドさを強く感じさせるノイズ・インダストリアル要素…など、
本来バラバラの方向を向いたパーツを「しっちゃかめっちゃか」というキーワードで強引に
纏めた、針の振り切れたイカレたメタルという感じ(笑)。
「しっちゃかめっちゃかさ」を確かな知性と高度な音楽性で表現したようなアルバムなんですが、
センスのないミュージシャンがジャズや前衛要素を取り入れようとすると、頭でっかちになって
しまうこともままありますが…この作品は「ここまでスノビズムから離れた音楽は珍しい」と
いうくらい、そういう要素を感じさせませんね。ぶっ壊れた展開は分裂症的、パラノイアックとも
言えそうですが…雰囲気的にはもっとファニーな感じ。派手に楽しく阿鼻叫喚なアルバムです(笑)。
Wikiを見ると、このバンドは元はアコースティックの四人組ジャズバンドだったらしいんですが、
そういう面影は全くありませんね(笑)。万人が聴いて「刺激的」に感じるアルバムだと思うので、
チャレンジャーな方は是非。個人的には、こういう知性的でイカレた、ハイテンションな音楽って大好きです。


SOULREAPER ★★ (2010-07-04 00:19:00)

DISSECTIONのメンバーが絡むスウェディッシュ・デス。
残念ながら現在は解散してしまっているようです。


SOULREAPER - Written In Blood - Labyrinth Of The Deathlord ★★ (2010-07-04 00:18:30)

う~ん…この曲の一部のパートに、「Thorns of Crimson Death」に通じる何かが感じられる、というのは、流石に偏った見方でしょうか。余りDISSECTIONと比較しすぎるのも失礼な気もするし。


SOULREAPER - Written In Blood - Ungodly ★★★ (2010-07-04 00:17:39)

コーラスパートの、低音で呻く呪術的なヴォーカルが印象に残る曲。その直前にブラックメタル的な絶叫をしているので、よりこのパートが強く焼きつくようになってますね。このバンドにおけるヴォーカルの重要性、表現力の高さが良く分かる曲。


SOULREAPER - Written In Blood - Satanized ★★ (2010-07-04 00:16:50)

DISSECTIONの前身で、Johan Normanも在籍していたSATANIZEDの曲のセルフ(?)カヴァー。メロブラへの萌芽前の時期に作った曲だからか、アルバムの他の曲と比べるとリフが大分メロディック。ヴォーカルもブラック然とした絶叫ですが、こっちの方が声が音に乗っている感じがする。


SOULREAPER - Written In Blood - Written In Blood ★★★ (2010-07-04 00:15:52)

この曲が一部「Where Dead Angels Lie」を意識しているというのは、強ち穿ちすぎという訳でもないと思う。一部のパートにおける暗黒美の表現など、ちょっとトリビュート的な要素も混じってそう。こっちは疾走も交えた構成で、意識しすぎじゃないのが良いですね。


SOULREAPER - Written In Blood ★★ (2010-07-04 00:14:00)

2000年発表の1st。
3曲目「Satanized」はDISSECTIONの前身バンドSATANIZEDのカヴァー。
DISSECTIONのメンバーが在籍という事で購入しましたが、DISSECTIONが寒々しいリフで
疾駆するメロブラだったのに対し、こっちは粘着質な禍々しさや泥臭さを感じさせる、
ドロドロとしたリフを中心に展開するデスメタルで、基本的には全くの別物。なんですが、
タイトル曲など時々DISSECTIONっぽさを感じる部分もしばしば。また、同郷のHEARSE程
露骨ではないにしろ、リズムにロックンロール(ハードコア?)っぽいノリの良さがある
パートもあり、それがドロドロした中にある種の軽快さを感じさせる要因になってますね。
何気にこのバンドの音を他の一般的なデスメタルよりも魅力的たらしめているのは、
ヴォーカルのChristofferの貢献が大きいような気がします。基本的には典型的な
デスメタルの咆哮ながら、時にタメを効かせてみたり、語尾を大絶叫したり、呪術めいた
低音を使ったり、ブラック的な粘着質な絶叫をしたりなど、歌の中に起承転結を設けて
いるようなパフォーマンス。曲自体デスにしては結構展開が多めですが、彼の
パフォーマンスで更に劇的な作品になっているのではないでしょうか。
DISSECTIONを抜きにしても、なかなかの良盤だと思います。
ネームヴァリューに惹かれて買っても、デスも行けるなら損はしないはず。


ANCIENT ★★ (2010-07-03 08:35:00)

ノルウェー産ブラックメタルバンド。
Kimberly Gossが在籍していた事でも知られ、知名度は割と高いバンドです。


ANCIENT - Night Visit - Fuel the Flames ★★ (2010-07-03 08:34:44)

ブラックとしてはかなりメタリックな音ながら、メロディにはしっかりアングラメタル特有の毒々しさが根付いているのが嬉しいですね。ロックというか、ロックン「ロール」にまで足を突っ込みかけてるリズムも、心地良く聴けます。


ANCIENT - Night Visit - Lycanthropy ★★★ (2010-07-03 08:33:52)

パンキッシュでキャッチーなリズムにしろ、トレモロリフによる暗黒美の表現にしろ、非常に分かりやすいものを提示してくれていて、ごく取っ付きやすい曲に仕上がってますね。個人的には、このアルバムのトップ2曲を選ぶなら両方ともJesus Christ氏の曲(この曲と「Horroble」)です。


ANCIENT - Night Visit - Horroble ★★★ (2010-07-03 08:32:55)

取り敢えずヴォーカルラインが素敵過ぎる曲。
特にHorroble×7の、段々ヴォルテージが上がるような歌唱がたまらないです。サビもリズミカルかつキャッチーに言葉を乗せていて、デスヴォイスオンリーの曲とは思えないくらいヴォーカルラインが頭に残る。SATYRICONの名曲「Fuel for Hatred」に近いですが、それを超える名曲…かも。「Horroble」「roborn」という造語も素敵。


ANCIENT - Night Visit - Envision the Beast ★★ (2010-07-03 08:31:28)

途中まで聴いた時は、まあまあな曲という印象でしたが…リードギターによるメロディや、アトモスフェリックなキーボードが出てくると曲がピリッと締まりますね。メリハリの付いた展開で聴かせる1曲目。


ANCIENT - Night Visit ★★ (2010-07-03 08:29:00)

2004年発表の6th。日本盤も発売されてます。

作風としては、ブラック特有の摩擦感の強いリフを根幹に、メロデス/メロブラ的なメロディアスなリードギター、ゴシック的な雰囲気を醸し出すキーボード、パンキッシュでキャッチーなリズムなど、様々な要素を取り入れて展開するメロディック・ブラック。

様々な要素を取り込みながらメロブラとして完成度の高い作風に仕上げている音は、個人的にはAGATHODAIMON辺りを連想します。音質は少し高音域のシャーシャー感強めですが、割と聴きやすく仕上がってる音だと思う。

ゴシックやブラックのカルトホラー的な暗黒美と、パンキッシュでキャッチーなリズムが同居する作風は、私的には邪悪さよりもシアトリカルでダーティな暗黒性を感じるんですよね。ある意味、ブラックンド・スラッシュが度々表現する、B級ホラー的世界観に近いのかとも思う。ヴォーカルがやたら潰れた、味のある声なのも、シアトリカルな感覚をより強めてますね。このヴォーカル、なんか怪人が歌ってそうな感じで好きです(笑)。

1曲1曲に個性のある、メリハリの効いた構成で聴かせてくれるアルバム。キャッチーな部分も多く、ホラー的な雰囲気が好みに合えばブラック初心者にもお勧め。


I SHALT BECOME - Poison ★★★ (2010-07-02 23:25:00)

2010年発表の5th。
このバンドって、元々キーボードによるメロディを非常に大事にした鬱ブラックを演っていましたが、まさかここまでキーのオーケストレーションに比重を置いた作風になるとは…

以前よりアトモスフェリックなキーがバンドサウンドを包む音像を提供してはいましたが、今作では更にクラシックのワンフレーズのような華美(かつ非常に陰鬱)なメロディ、ブラスやティンパニ等の音色を取り入れたスケールの大きい音使いなどを取り入れ、よりダークアンビエントやフィルムスコアに近付いた感じがします。

暗黒美の表現、曲から感じる何かに追われるような焦燥感・圧迫感から、決して丸くなったとは言えない作風ですが…淡くノイジーなギターリフが音量小さめで、キーボードに溶け込み、耳に痛くない音像になっているあたり、聴きやすくはなってると思う。

曲から伝わる負の感情を増幅する、歯軋りした歯の隙間から憎しみが漏れるようなVo、とぼとぼと絶望しながら歩くようなスローを基調としつつ、キーの盛り上がりに合わせフレーズを展開するドラム、淡いノイズや混沌としたリードフレーズで、曲作りを秩序だったものにし過ぎないギターなど、どの要素もキーを上手く引き立ててますね。

もう単純なBURZUMフォロワー、XASTHURやSTRIBORGに順ずる音とも言えなくなった作品。ブラックの記念碑的なアルバムで言えば、BURZUMやMORTIISのキーボードアンビエント、WONGRAVEN、Ihsahnソロ化してからのTHOU SHALT SUFFERなどが好きな方にお勧めです。


SETHERIAL - Ekpyrosis - A World in Hell ★★★ (2010-07-01 23:06:06)

最初の「♪テレテレ、テテテ」っていうギターフレーズの時点で惚れました。なんてキャッチーで毒々しいフレーズなんだ…。プログレッシブな一面を見せつつ、しっかり爆走する、予想をある程度裏切りつつもしっかりお約束に応えてくれる、新作の入口として素晴らしい曲。これを試聴して、「これは買わなきゃ」と思いましたね…。


SETHERIAL - Ekpyrosis ★★ (2010-07-01 23:01:00)

2010年発表の6th。
以前まではコールド/メロディック/ブルータルと、スウェディッシュ・ブラックの
お手本とでも言うべきブラックを演っていましたが…今作で新たな扉を開けた感じがします。
前作くらいから既にスピードに頼り過ぎない、ドラマ性ある展開が顕著になってきてますが、
今作はそれを更に押し進め、複雑なリズムチェンジを利用した、プログレッシブとも言える
作風になってきていますね。
それに合わせ、メロディも寒々しさ・邪悪さから、毒々しさ・グロテスクさの方向に
シフトしつつあると言う印象。しかも1曲目からその毒々しさがキャッチーに聴こえる
レベルの物を聞かせてくれる辺り、やはり並々ならぬセンスのあるバンドだと思う。
ミディアムも多く速さ一辺倒ではないものの、ファストパートではMARDUKやDARK FUNERAL並か
それ以上のスピードでカチ込んでくる辺り、ファストブラックの感性も色濃く残っていて素晴らしい。
また、まだ太い音と言う訳ではないものの、前作で多少不満が残っていた音質も大分改善され
特にドラムが気持ち良く聴ける、クリアなものに仕上がっていると思う。トレモロなどの
メロディがしっかり浮き上がって聴こえるミックスも、バンドの音を聴きやすくすると同時に
更にメロ自体の薄気味悪さ、空恐ろしさをも際立てていて良い感じ。確実に前作よりも
曲やフレーズの「聴かせ方」が上手くなっているのではないでしょうか。
ヴォーカルも前作より高音喚きの切れ味が鋭くなっているし、作風が変化しただけでなく
あらゆるクオリティが底上げされている感じがします。今までSETHERIALを追いかけてきた
人のみならず、クオリティの高いブラックを求める方にはお勧め出来るアルバム。


ONDSKAPT - Arisen From the Ashes - Arisen From the Ashes ★★★ (2010-06-27 18:02:33)

音作りこそシンフォな音とは程遠い、スウェディッシュブラック特有の懐の深い闇を演出するようなものですが…個人的にはEMPERORの1stにも似た邪悪さ・背徳性を感じるんですよね。メロディに、人間が本能的に忌避する毒々しさが込められている感じ。


ONDSKAPT - Arisen From the Ashes ★★ (2010-06-27 17:59:00)

2010年発表の3rd。
Terrorizer誌で10点中9点を獲得するなど、プレスでの評価も上々。

基本的な路線は、前作と然程変わりませんね。
展開やフレーズなどにメタルとしての基本的な質の高さがありつつも、ブラック特有のどす黒く病的なムードもしっかり根付いている作風。メロディにそれは顕著で、聴くだけで伏魔殿の最深部に取り込まれるような、グロテスクな威厳があるように思います。このバンドはミディアムパートにロック的なリズムも積極的に取り入れてますが、特にそういうパートでこのグロテスクなメロディが効果を発揮しているんですよね。邪悪さや病的さを醸し出しつつも、どこか威風堂々とした雰囲気がある。

前作では様々な表現方法を使っていたヴォーカルが、威厳のある中音域のがなりメインになっているのも、この威風を更に強めてると思う。歌い方こそ纏まってきたものの、相変わらず病に冒され苦しむような表現力があって素晴らしいです。

今回、前作と最も変わったのは音質ですね。
一般的なメタルと比べて多少ノイジーという程度で、大分クリアな音になってます。ただ、前作はあのヒリヒリした音質によって、神経を冒していくような狂気が演出されていたとも思うので…音質の向上は一概に進歩したとは言えないかも。カルト嗜好な方には前作を、普通にエクストリームメタルが好きな方には今作がお勧め。


BEKHIRA - Demo 1996 ★★★ (2010-06-26 14:38:00)

96年発表のデモをDarker than Blackが09年にCD化したもの。04年に発表したスプリット音源より1曲を追加して収録。

まず驚いたのが音質の良さ。
確かに粗めで、まだ「プリミティブ」と言える音なんですが…1stがドラム、ギター共に高音域を強調した、耳を劈くようなお世辞にも聴きやすいとは言えない音だったのに対し、こっちは粗いながらもノイズの壁が耳に痛くなく、ドラムも適度なRAWさでブラックを愛好する人には心地良い音。音量も丁度良く、メタルを愛好している人であればプリブラに耐性がなくても聴ける音だと思う。というか、ブラックとしては良い方の音かと。

作風の方は…やはりザラザラしたリフに、時に怖気をふるうような、時に凍てつく美しさを感じさせるメロディを練りこんだ、かなりメロディックなブラックで、既にこの時点で1stの路線の雛型は出来上がってる感じですね。しかし、聴けば聴くほど、厭人的なアティチュードとは逆にブラックとしては「真面目」な音だと思います。

明らかにアングラな音でありながら、アングライズムに安易に頼りきらず、リフによりドラマを展開していく作風で、正統派メタルが好きな人が聴いても何か感じるであろう音に仕上がっているあたり、凄く「真面目」な感じがする。プロダクションの(デモ音源なりの)良さも、まず人に聴いてもらうことを大前提として作っていることの表れなのではないでしょうか。

収録曲こそ5曲と少ないものの、メロブラ好きなら勝って損はない作品。1stの音質がキツいと思った人は、逆にこっちの方が聴きやすいと感じるかもしれません。


RACHEL MOTHER GOOSE ★★ (2010-06-24 19:22:00)

日本の様式美メタルバンド。
最近まで活動を休止してましたが、先日再開が発表されました。
LIGHTBRINGER、ALHAMBRA、ALDIOUSなど国産の「嬢メタル」がブームの傾向を
見せる昨今、このバンドにとっても追い風になりそうなので是非頑張って欲しいですね。


RACHEL MOTHER GOOSE - SIGNS - KAIROS ★★★ (2010-06-24 19:21:01)

アルバムの中でも、初聴のインパクトを最も重視しているであろう曲。イントロの「Sign of Presence」に続いて、様式美メタルギターの魅力がごく分かりやすく提示されていると同時に、歌メロの扇情度もかなり高い。こういう分かりやすい曲ってやっぱり好きですね。タイトルからはクワガタしか思い浮かびませんけど(笑)。


RACHEL MOTHER GOOSE - SIGNS ★★ (2010-06-24 19:19:00)

2006年発表の3rd。
ギターやキーボードのクラシカルな速弾きが鮮烈な印象を残すメタルですが…
様式美を掲げるバンドの中でも「クラシカル」の濃度が非常に高い音、という印象。
メンバーは様式美メタルだけでなく、クラシックにも傾倒しているのではと思います。
ギターやキーのメロディに「格調の高さ」「品の良さ」が出てる気がする。ギターや
キーの独壇場にならず、アンサンブルを重視した演奏や、時にプログレッシブと
表現したくなる変化に富んだドラマティックな展開も良いですね。
ただ、歌謡メタル志向は薄く、歌モノとして聴くには少し物足りないかも。
歌メロは鮮烈な印象を残す曲もあれば、そうでない曲もあり質にバラつきがある感じ。
全体的に最近のバンド(ドラガやLIGHTBRINGERなど)に多い歌謡曲志向の歌メロは少なく、
普通に古いハードロックにありそうなメロディが多いです。ヴォーカルはハスキーな声質で、
普通に上手いですが…今一つマイクへの声のノリが良くなく、結果パンチに欠ける印象も。
私にとっては一長一短のアルバムですね…。
歌のメロディがギター/キーボードと同じくらい扇情度が高ければもっと良かったですけど。


LIMBONIC ART - 1995-1996 (2010-06-24 19:16:00)

95年・96年のリハーサル音源(テープ)を、マスタリングを施して09年にCD化したもの。初期ノルウェー産ブラックのカルト音源を次々再発しているKyrck Prodctionsより。

一言でいうなら、「プリミティブ音質のLIMBONIC ART」。
音質は意図的に当時のラフでプリミティブな雰囲気を醸し出すためか、リマスターを施しているとは思えないほど劣悪。彼らの初期の音源って、RAWなバンドサウンドをキーボードが包み込んでいて、それが神秘性と同時にある意味での聴きやすさをも演出していましたが、この音源はキーボードの膜も薄く、バンドサウンドは更に粗いせいで刃物のようなノイズが包みきれずに吹き出してくるような音質。

正直、「Epitome of Illusions」「Moon in the Scorpio」辺りの音源を未聴の方には到底お勧めできない、マニア向けの音源だと思う。それらの音源に嵌まっていて、「In Mourning Mystique」「Black Hearts Nirvana」などの名曲を、プリブラ準拠なRAW極まりない音で聴きたいという方にのみ推薦。


RED HARVEST - A Greater Darkness ★★★ (2010-06-24 02:12:00)

2007年発表の7th。
Nocturnal Art ProductionsからSeason of Mistへ籍を移してのリリース。

1曲目から、殺人機械の駆動音を思わせる、ゴッツい刻みリフに、不穏なキーボードが絡み、ヴォーカルが冷徹にがなる終末的インダストリアル・ブラックで、軸に全くブレがないですね。今までの作品と比べると音質面でも楽曲の構成、音の使い方のセンス等がより纏まった感じで、完全にメジャー第一線で活躍するバンドの音になったと思う。

個人的にはこのバンド、典型的なインダストリアル・ブラックからは大分外れた音を出してると思うんですよね。テクノ/ダークアンビエント要素を取り入れはしているものの、大抵の場合バンドサウンドで押す曲とは分化されているし、バンドサウンドの曲にしてもドラムはほぼ生だし、やはり中心に「バンド」ありきな音だと思う。それなのに、ダークアンビエント要素を取り入れた曲と、バンドサウンドメインの曲の間にダークで不穏な空気感においてそれ程差がないというのは、凄い事だと思います。

スラッシュベースでありながら、疾走感ではなくミディアムテンポでの駆動感に重きを置いていたり、ヴォーカルがアングラメタルの熱気ではなく、マシーナリーな冷徹さや残虐性を表現するようながなりであったり、他のスラッシュ寄りのブラックと比較しても特異な音であると思う。全体を強く覆う終末めいた雰囲気はABORYMの「Generator」辺りに近いとも思うんですが、それを手法はかなり異なってます。

オリジナリティ、クオリティ共に非常に高い作品。
日本でも、もう少し評価が高くても…。


TULUS ★★ (2010-06-23 00:26:00)

ノルウェー産アヴァンギャルド・ブラック。
このバンドのメンバーがKHOLDを結成したようですが、KHOLDの活動休止に合わせて復活したようです。


TULUS - BIOGRAPHY OBSCENE ★★★ (2010-06-23 00:25:00)

2007年発表の4th。

掴み所のない、しかし毒々しさやどす黒いムードを異様なまでに発するメロディを練り込んだリフが、ベキベキと歪んだベースと絡むアンサンブルが、前衛的な雰囲気を醸し出すブラックメタルですが…多くのアヴァンギャルドブラックがある程度メタルから離れるのに対し、この作品はブラストで攻め立てるパートも多いし、ロックのダイナミックなリズムも取り入れるし、アンサンブルにはキメを多用するしで、メタル(及びロック)志向が非常に強いのが特徴ですね。

Voもスラッシュの吐き捨てに近い、地声混じりのがなりでやっぱりロック的なかっこよさがあると思う。しかしブラックに必要な威厳もしっかり備えているのが素晴らしい。また、ところどころにストリングスやブラスが、頽廃的な美しさを醸し出すパートも挿入されてますが、それらがSE的に挿入されるパートでさえも、単に効果音的ではなく、バンドサウンドとしっかり地続きとなって聴こえるように、毒々しいムード作りのセンスはかなり良いと思う。音質もベースを強調した太くクリアで、ややRAWさも残したものでこの作風には見事にマッチしてる。

メタル/ロックの持つ根源的な熱量の高さを、ブラック特有の禍々しいムードに還元しているという点では近年のSATYRICONを思わせますが…こちらの方がよりアングラ度が高い音。CODEのメンバーが言う所の、「初期ブラックの催眠的でありながら残忍のように極端な要素を備えた、ミステリアスで神秘的なムード」をしっかり引き継いだ作品であると思います。

…と、無理矢理理屈を付けてこの作品の魅力を語るとこんな感じ(笑)。
一聴で「何か凄い」事は伝わるけど、その凄さを言葉にするのが難しいアルバムなんですよね。KHOLD、SATYRICON、CODE、SECRETS OF THE MOON辺りを愛好する方にお勧めですが…これらのどのバンドとも異なる個性を持った作品だと思う。ノルウェー産ブラックの奥深さをまたしても良く伝えてくれる好盤です。


AUDREY HORNE ★★ (2010-06-20 20:02:00)

ENSLAVED等、ノルウェーブラック人脈によるゴシックメタル/オルタナティブロック。
1stを聴く限り、かなり聴きやすい路線で驚きました。
HEAD CONTROL SYSTEMといい、こういう路線も意外と珍しくないのかも…。


AUDREY HORNE - No Hay Banda - Get a Rope (2010-06-20 19:58:10)

この曲のヴォーカルラインは結構好きです。
ドラムと一緒にリズミカルに言葉を吐き出す様は、まあまあかっこいい。


AUDREY HORNE - No Hay Banda (2010-06-20 19:56:00)

2005年発表の1st。
メンバーがノルウェーのブラック人脈で興味を持っていたところ、丁度500円くらいで投げ売られていたので、良い機会だと思いサルベージ決行。

…ゴシックとは聴いてましたが、意外にも聴きやすい音でビックリ。
普遍的な洋楽ロックに近いノリのいいゴシックメタル、またはオルタナティブ・ロックで、普通に「IN ROCK」誌とか「ROCKIN' ON」誌で紹介されてもおかしくなさそう。と言っても、アトモスフェリックなキーボードや耽美なピアノを用いた暗黒美の表現、ENSLAVEDにも通じるプログレッシブなリフ捌きなどには、しっかりと北欧暗黒メタラーの矜持が息づいていると思います。

ただ、ヴォーカルがいかにもなハスキー声の、普通の洋楽ロックっぽい歌い方なのがちょっと…普通すぎて、このVoを形容する言葉が浮かんで来ないですもん(強いて言うなら「Mediocre」)。正直、余りに好みから外れていて、聴いてて「うぅ…」と苦悶の声を漏らしてしまったほど(笑)。シャウトっぽくリズミカルに吐き捨てたりはしますが、決してデスヴォイスにはなりません。

ノルウェーのブラックの人脈でいうと、(Garmの)HEAD CONTROL SYSTEMに近い音で、質も決して低くないですが…どうしてもHCSの方が個人的な評価が高くなってしまうのは、ヴォーカルの好みの差でしょうか。このアルバムも、Vintersorg氏やSimen氏みたいなVoが歌ってくれれば、多分絶賛してたんだけどなぁ…。


DEATHLIKE DISSONANCE ★★ (2010-06-19 21:00:00)

日本在住のアメリカ人によるブラックメタルバンド。
…これは「国産ブラック」にカテゴライズしていいんでしょうか(笑)。


DEATHLIKE DISSONANCE - THE FIRST TO DIE - CARNIVAL OF SOULS (2010-06-19 20:59:52)

3分前後の曲が多いアルバムで、イントロのSEに3分以上割くとか…やっぱりこのバンド、今の時点では「引き」が上手くないと言わざるを得ないと思う。儀式的なムード作りは、決して悪くはないんですが…。


DEATHLIKE DISSONANCE - THE FIRST TO DIE - BREEDING THE DYING ★★ (2010-06-19 20:58:55)

疾走パートは、ドラムの音もRAWで悪くないし、リフも印象に残るメロディでかっこいいんですが…そのパートを余り続けてくれないのが残念。パーツは悪くないのに、引っ張るべきパートを引っ張らないで、そうでないパートを引っ張りすぎている印象。


DEATHLIKE DISSONANCE - THE FIRST TO DIE - ETERNAL EPIDEMIC (2010-06-19 20:58:00)

まるで草原の風のごとく、爽やかに頬を撫でるようなツーバス連打(褒めてません)。そこに乗るトレモロリフの叙情的なメロディといい、プロダクションをしっかりする(あるいは粗くてもいいからぶっとい音にする)と普通にかっこいい曲になりそう。


DEATHLIKE DISSONANCE - THE FIRST TO DIE - WHEN THE BATTLE IS OVER (2010-06-19 20:54:10)

開幕からなかなかかっこいい咆哮を聴かせてくれる1曲目。
でも曲のメインがアトモスフェリックで儀式的なパート、レイドバックしたアンサンブルのパートと、どちらも「引き」で使いそうなパートなのが惜しいですね…なにか少し変えれば劇的に変化しそうなんですが。


DEATHLIKE DISSONANCE - THE FIRST TO DIE (2010-06-19 20:50:00)

2009年発表の自主制作1st(7曲30分弱)。
メンバーがアメリカ国籍、日本在住という経歴に何となく惹かれて購入。

ブラック特有の摩擦係数の高いリフや、寒々しいリフを疾走に乗せたり、アトモスフェリックなキーボードにより妖しい雰囲気を演出したり、メロデスにも通じる泣きの強いギターメロを入れたりなど、メロブラに典型的な要素も多く盛り込んでますが、時折ブラックには珍しいレイドバックした(ように聞こえる)リフとリズムの絡みがあったり、割と癖の強い作風。

高音絶叫、エフェクト掛けた咆哮、語りを使い分けるヴォーカルはなかなかかっこよく、特に高音絶叫は聴いていて小気味良さを感じるくらい、伸びのある歪み方で素晴らしい。ただ、音質ははっきり言って悪いです。音が小さい上に、音を上げても各楽器の音に迫力は感じられない…粗いでも汚いでもなく、純粋にしょぼい音という感じ。この音質のせいで、ツーバス連打が頬を撫でる程度の迫力に、レイドバックしたアンサンブルが退屈に聴こえてしまってると思う。プリミティブ性や、RAWさを変な風に解釈してしまってるのでは…

意図が解りやすい分、ILDJARNやDARKTHRONEの方がよっぽど「良い音」であると思う。少し「タメ」を重視しすぎな曲展開とも相まって、劇的さが殺がれてしまってるような気がします。現時点では、Voに魅力を感じつつも、ちょっとマニア向けかな…と思う。クリアにするにしろ、逆に汚くするにしろ取り敢えず音質を変えて欲しいです。


ANGST SKVADRON ★★ (2010-06-17 23:01:00)

ノルウェー産アヴァンギャルド・ブラック。
VED BUENS ENDEやBURZUMなどを影響元に挙げている模様。
URGEHAL、KVIST、IN LINGUA MORTUAのメンバーが絡んでます。


ANGST SKVADRON - Sweet Poison - The Eye Among the Stars ★★★ (2010-06-17 22:59:50)

VED BUENS ENDEやVIRUSよりも、変態性や不条理さの発現が分かりやすい感じがしますね。気が狂っている様子が、より伝わりやすくて、聴いていて変なテンションになってきます(笑)。変態なだけでなく、タイトル通りの、プログレ的宇宙観も内包されている曲だと思う。


ANGST SKVADRON - Sweet Poison - The U.F.O. Is Leaving ★★★ (2010-06-17 22:58:53)

約2分の小品ですが…タイトルの時点で結構なインパクトがありますね。
BURZUMのCountもインタビューでUFOについて言及していたことがありますが、そういう面でも影響受けてるのかも…。私的には、地下ステージの音楽をこれに差し替えたマリオを子供にやらせて、トラウマを植え付けたい(笑)。


ANGST SKVADRON - Sweet Poison - Fucking Karma ★★★ (2010-06-17 22:58:04)

本作の山場。
UFOが蛇行運転するような、或いは幽霊が出現するような妖しすぎる音色のキーボードが、VED BUENS ENDE的泥沼アンサンブルを包み込む曲。この組み合わせ、至高だと思うわ…。あなたの知らない世界が、そこにあります。


ANGST SKVADRON - Sweet Poison - Posttraumatic Stress Syndrome ★★★ (2010-06-17 22:57:08)

VOIVODからの影響もあるせいか、スラッシーな疾走パートも僅かですが入れてくれます。疾走する事によって、フレーズ・アンサンブルの変態性がより際立ってます。ピアノのフレーズも、如何にもアヴァンブラックのアーティストらしい感性で素敵。ただ、疾走はもう少し長くても…まあ、こんな音楽性のバンドに言っても仕方ないですけど。


ANGST SKVADRON - Sweet Poison ★★★ (2010-06-17 22:55:00)

2010年発表の2nd。

CD店の紹介文で、VED BUENS ENDEやBURZUM、NEPTUNE TOWERSから影響を受けているバンドである事、音楽性を語るのにCYNICが引き合いに出されていた事、メンバーがKVISTやIN LINGUA MORTUA、URGEHAL絡みである事が書かれており、どうしても気になり購入。随分対象を絞った紹介文を書くなぁ…私は見事に釣られました(笑)。正にプロの技(笑)。ワクワクしながらCDをセットし、プレイボタンを押すと…

ミディアム中心の、聴き手を澱んだ沼に引き込むようなアンサンブルが確かにVBEっぽいですね。ある程度整った音質でありながら、ギターの歪みの音色が靄が掛かったような雰囲気だったり、典型的なブラックのがなりの中にダウナーさを感じさせるヴォーカルといい、一聴でVBEに影響を受けてるのが分かる音楽性。例え疾走パートでも泥沼な不条理さを失わないムード作り、(無駄に)良い声ながらやはりダウナーなノーマル声など、ほんと期待した通りの作風です。こちらの方がアンサンブルや展開が、VBEよりやや分かりやすい感じはしますが。

ただ、このバンドがVBEと大きく異なるのは、キーボードが曲の大きなウエイトを占めている点。曲の不気味さを更に助長するかのように包み込むアトモスフェリックな音、独特の美意識の感じられるピアノ、ストリングス、メロトロンなど、メタルで良く使われる音色の他にも、UFOが飛行するときのSE風の音色など変わった音も取り入れられていて面白い。曲名にも「The U.F.O. Is Leaving」なんてものがあるし、こういう宇宙とチャネリングするかのような感覚は、NEPTUNE TOWERSからの影響が強いのかも。このキーボードが、それぞれの曲に更なる個性を与えてますね。

VED BUENS ENDEと比較すると、曲が割と聴きやすく、1曲1曲もキャラが立っている感じで、個人的にはVIRUSの「Carheart」やWINTERBLUTを引き合いに出したい音。CYNIC好きにも推薦できるとは思いますが…CYNICはメタラーなら取り敢えず聴いておく価値ありな音なのに対し、こっちはある程度マニア向けだと思う。展開が複雑とか、予備知識・音楽的知識がないと楽しめないという意味ではなく、波長が合わないと理解出来ないだろう、という意味で難解。私は当然バッチリ合いました(笑)。

一つ難点を挙げるとすれば、特に後半において、普通にプログレ的な情景描写をしてしまっている事でしょうか。いや、情景描写能力自体は素晴らしいんですが…ここまで来たら、もっと暗黒趣味に徹したニッチな作風が良かった。VED BUENS ENDE、VIRUS、WINTERBLUT、CYNICなどが好きな方以外にも、プログレ化してからのNACHTMYSTIUMを支持している方にもお勧めです。


HEARSE - Single Ticket to Paradise - Sundown ★★ (2010-06-15 18:48:52)

PVも作られていることから、シングル的な位置付けなのかも。
この初見で身を委ねたくなるグルーヴ感、分かりやすくHEARSEしていると思いますが…個人的にはこれ1曲にJohanの味が全て出ているとは思わないです。「Misanthropic Charades」や「The Moth」のがより味が出てる気がする。まあ、かなり取っ付きやすい曲である事は確かですが。


HEARSE - Single Ticket to Paradise - Misanthropic Charades ★★★ (2010-06-15 18:47:48)

イントロの「ぶぅあ!!」といい、歌いだしのエフェクトといい、Johanの魅力を出すためのお膳立てがしっかり成されているのが素晴らしい。途中の感情過多なパフォーマンスもARCH ENEMYの3rdの頃を思い出します。曲的には、ノリの良い中にもブラックメタル風の禍々しいリフを挟んできたり、超一流のかっこよさなんですが…途中の「♪ぱっぱらー」は一体なに!?「天国への片道切符」をもたらす天使のラッパをモチーフにしてるとしても、表現方法がB級過ぎて面白いんですが(笑)。


HEARSE - Single Ticket to Paradise - Degeneration X ★★ (2010-06-15 18:46:21)

デス的な非人間性よりも、ハードコアの怒りを強く感じるヴォーカルが、インターネットに棲むモラルの欠如した人間を痛烈に批判する曲。デスメタルなのに社会派…やっぱり、ミュージシャンなんてやってると色々溜まるんだろうなぁ…ぶっちゃけ、説教オヤジという単語が浮かんできてしまいましたが(笑)。


HEARSE - Single Ticket to Paradise - Your Purgatory ★★★ (2010-06-15 18:45:02)

キーボードが退廃的で、物悲しげなムードを演出するラス曲。
Johanの語りが良い声すぎて困ります(笑)。ゴシック風味の世界観に良くあっている声。…しかし、こうして聴くとHEARSEってエクストリームメタルにありがちな、金太郎飴状の似た曲が並ぶアルバム作らないですよね。どの曲も、何か語りたくなる魅力があるというか。


HEARSE - Single Ticket to Paradise - The Ferocious Embrace ★★★ (2010-06-15 18:43:52)

珍しくJohanのノーマルヴォイスが聴ける曲。特に歌い上げたりではなく、低音での静かな歌声を、デスヴォイスとのセルフ掛け合いにしてます。ノーマル声だけになったら嫌ですが、普通の声もなかなかに魅力的だし、たまには良いですね。そして途中の演歌に使われるような「ジャーン」というSEから入る、ノリノリのアコギパートが衝撃的。Mattiasの懐の深さを見ました…。


GLORIOR BELLI - Meet Us at the Southern Sign - Fivefold Thought ★★★ (2010-06-14 22:06:15)

デザートロック要素は薄く、ほぼ前作の作風を引き継いでる曲ですが…音質が僅かながら向上していたり、トレモロリフの邪悪さがより自然になっていたり、順当な進化が垣間見えますね。こういう曲があるお蔭で、リスナーから期待されてる部分と、新機軸のバランスが優れたアルバムになっているのではないでしょうか。


GLORIOR BELLI ★★ (2010-06-14 22:06:00)

フランス産ブラックメタルバンド。
路線変更したDSOの(3rd路線の)後釜を継ぐのはこのバンドしかいない、と思いきや…


GLORIOR BELLI - Meet Us at the Southern Sign - The Blazing Darkness (of Luciferian Skies) ★★★ (2010-06-14 22:05:25)

外部ミュージシャン(Ieremy Christner)による作曲だからか、この曲はデザートロックのテイストがあまり無いですね。力強いミディアムテンポで進行していく曲で、DSOの不穏で邪悪なムードと、最近のSATYRICONのどす黒いパワーを融合させたような雰囲気がありますね。


GLORIOR BELLI - Meet Us at the Southern Sign - In Every Grief-Stricken Blues ★★ (2010-06-14 22:00:15)

「~ブルース」という曲名が、ブラックメタルバンドの作品に付くこと自体、意外なんですけど(笑)。曲的には、OPETHがよくやるブルージーな静パートを、邪悪で不穏なエナジーに満ちたブラックメタルで塗り潰した感じでしょうか。何気に歌いだしのノーマルヴォイスが、良い声だったので驚きました。


GLORIOR BELLI - Meet Us at the Southern Sign - Swamp That Shame ★★★ (2010-06-14 21:59:12)

今作は途中に挿入されるインストにも秀作が多いですが、中でもこれは素晴らしい。混沌としていて、グロテスクなうねりを持ったメロディは、KENOSE以降のDSOに通じるものがあると思う。雰囲気ではアルバム1かもしれません。ヴォーカルが入ってないだけで、Vo入りの他の曲にも全く見劣りしません。


GLORIOR BELLI - Meet Us at the Southern Sign - Once in a Blood Red Moon ★★ (2010-06-14 21:58:05)

不穏で不協的なメロディで、やっぱりGLORIOR BELLIはこうでなくちゃ、と思わせておいた矢先の意外な展開。「期待通り」から、「期待を裏切る」への変化が上手いと思う。この変化が受け入れられた人には、素晴らしいアルバムとなると思う。


GLORIOR BELLI - Meet Us at the Southern Sign ★★★ (2010-06-14 21:56:00)

2009年発表の3rd。
Southern LordからCandlelightに移籍してのリリース。

前作「Manifesting the Raging Beast」では、DEATHSPELL OMEGAの「Si Monumentum~」アルバムの様式を踏襲し、若干キャッチーに仕上げたような邪悪で高品質な作風で、ブラック好きからは将来を楽しみにする声も多く上がっていましたが…今作もプレイボタンを押すと、「Si~」期のDSO的な不穏なリフが流れ始め、Mikko Aspaを少し歌詞の発音を明瞭にしたような低音デス声が入り、今作でも安心してブラックの本質を衝いた作品を聴けるな…と思っていたら…。

一分も経たない内に、不穏なメロディに混じってブルース的な、渋みの効いた乾いたメロディが挿入されて面食らいました。これは、デザートロックとかサザンロックと呼ばれる音楽性なのでは…。しかも「In Every Grief-Stricken Blues」なんて曲まで出てくるし。

ただ、普通この手の新要素を導入すると、邪悪さがその分減退するものですが…このバンドは、DSOを自分達なりに解釈した邪悪さと、ブルージーで乾いた雰囲気を見事に両立させてしまっているのが凄い。寧ろ、デザートロックの要素を盛り込んだ事で、今まで形而学上の存在であった悪魔達が、急に身近な存在になってしまったような気持ち悪さがあるんですよね。アメリカの農村部をごく普通に悪魔が闊歩しているような風景が思い浮かぶ。

人によってはDSOよりも強く、邪悪さを肌で感じられるアルバムかも。
でもこのアルバム、前作を聴いてDSOの3rd路線を引き継ぎ、高めていく事を期待したリスナーはどう思うんでしょう(笑)。このバンドは邪悪さの表現のセンスが元々高いから上手く行ってますが、一歩間違えばとんでもない(外れた)方向に行っていた可能性も否定できない変化ですよ、これ…。


GLORIOR BELLI - Manifesting the Raging Beast ★★ (2010-06-14 21:53:00)

2007年発表の2nd。
「DSOの3rdにそっくり」と、ブラック好きの間での評判を聞きつけ購入。

…確かに、10人中9人は似てると言うであろう程似てますね。
黒い霧が吹き出してくるようなギターリフの音色、平坦気味なそのリフが奏でる混沌とした不穏さを醸し出すメロディ、押し潰したようなドスの効いたがなり声…意図的に似せようとしてるとしか思えません。但し、この作品の方が音質がより整っていたり、展開や歌詞が分かりやすかったり、もう少しコンパクトな印象。

どの曲もDSOのあのアルバムに入っていても、違和感なく聴けてしまうものばかりですが…DSOでいう「Sola Fide Ⅰ&Ⅱ」「Carnal Malefactor」のような頭一つ抜けた曲に欠けるのがネック。DSOは、「Si Monumentum~」アルバムにおいて、プリミティブ志向の強い、かつムード重視の作風の中で、ああした決定的な山場を作っていたことが偉大だと思うんですが、この時点ではまだその領域には達していない気がします。ちょっと曲が均質化されている感がある。

とは言っても、プリミティブ・カルト志向の強いDSOよりも若干聴きやすく、普通のエクストリームメタラーならこっちの方を本家よりも気に入る可能性も十分あると思う質はあるかと。一曲一曲の特徴付けやアルバム構成の起伏などに更に力を入れて、本家を凌駕する魅力を身につける事を期待した方も多いと思いますが…

次作「Meet vs at the Sovthern Sign」では意外な変化を見せるのでした…。


FURBOWL ★★ (2010-06-13 19:29:00)

HEARSE、ex-ARCH ENEMYのJohanがかつて在籍していたバンド。
2nd「The Autumn Years」はビクターから日本盤も出ています(廃盤)。
去年、1stがVic Recordsより大量のボーナスを追加、リマスターして再発されました。
…でもこのバンド名からは、毛玉を模したマスコットキャラしか思い浮かばないなぁ(笑)。


FURBOWL - Those Shredded Dreams - Buried Alive (2010-06-13 19:28:33)

Venomカヴァー。再発盤ボーナスディスク収録。
音質が悪め(篭もり気味)で、演奏の細部は不鮮明ですが、カルトブラックに通じる得体の知れない迫力がある。特にエコーが掛かったJohanのヴォーカルは、声の太さもあって怒れる魔神のような雰囲気がありますね。


FURBOWL - Those Shredded Dreams - HEART INFERNO ★★★ (2010-06-13 19:27:46)

93年発表のデモ曲で、再発盤ボーナスディスクに収録。アルバム本編はかなり武骨な感じが強かったんですが、この曲ではヴァイオリンを導入していたり、リスナーにアピールする方法を試行錯誤している様子が窺えます。


FURBOWL - Those Shredded Dreams - Those Shredded Dreams ★★★ (2010-06-13 19:26:31)

一部幽玄なギターソロパートを導入しているのが、耳に残りますが…音が武骨なだけに、こういう叙情性あるパートは映えますね。それでいて、変なわざとらしさは感じられないという…少しARCH ENEMYの1stに通じるフィーリングが感じられる曲。


FURBOWL - Those Shredded Dreams - Sharkheaven ★★ (2010-06-13 19:25:37)

邦題:おさかな天国(嘘)


FURBOWL - Those Shredded Dreams - Razorblades ★★ (2010-06-13 19:24:50)

渋いベースリフで曲を牽引していく曲で、最初聴いた時は「地味…」という印象でしたが、ボーナスのライブ版を聴いて印象変わりました。Johan、完全に曲の世界に入っていってる…。当時の彼の怪盗っぽいルックスを思うと、ステージでこれを歌ってる彼の姿を想像するとそそられるものがありますね(笑)。


FURBOWL - Those Shredded Dreams - Damage Done ★★★ (2010-06-13 19:20:26)

最初の第一声からして、何か貫禄がある…これがJohan初のフルレンスの最初の声だと思うと、何か感慨深いものがありますね。Johanのヴォーカルと、リフの掛け合いがテンション高くて妙に面白い曲。この頃はJohanがギターも演ってたんでしたっけ。しかし、前振りの長い曲です(笑)。


FURBOWL - Those Shredded Dreams ★★ (2010-06-13 19:18:00)

92年発表の1st。
09年にデモやライブ音源を収録したボーナスディスクを付け、リマスターして再発されました。
武骨さ・野蛮さを強く感じさせる、ロックンロール的なノリも取り入れたデスメタルで、
今のHEARSEの雛型とでも言えそうな音楽性ですが…これを聴くと、良い意味で泥臭く思えた
HEARSEが如何にアップデートされた音かというのが良く分かりますね。煌びやかなギター
ワーク、ブラック並の邪悪リフも登場し、耳を引く部分も多いHEARSEと比べ、こっちは
飾り気の無い武骨さを感じさせる、本当の意味でオールドスクールな音という感じ。
この破れかぶれ感が好きという方も多いのでは。音質はリマスター効果なのかドス黒く
聴こえるほど重く、それがまた曲の武骨さを際立てていると思う。
Johanのヴォーカルは、この後に出たARCH ENEMYの1stでは、それ程強烈なデス声という
訳ではなかったため、活動最初期のこの作品も然程でもなさそう、と思ってたら…
初期ARCH ENEMYやNONEXISTでのパフォーマンスより強烈で、ビビったんですけど(笑)。
最初の第一声からして獅子の如き、堂々たる、獰猛たる咆哮。アー写見ると考古学とか
学んでる大学生にしか見えないですけど(笑)、声は完全に年季の入ったデスメタラーのそれ。
ヴォーカルは最近のHEARSEでのパフォーマンスに通じる痛烈さだし、音もARCH ENEMYの
1stに通じる、ゴリゴリした迫力のあるものですが…当時は録音環境とか今一つだった
はずなのに、やはりリマスターの効果なんでしょうか。一瞬、再録かと思いましたもん。
取り敢えず、Johanファンだけど録音状態が悪そうだと思って再発盤に手を出しかねてる
という方は、安心して買っていいと思います。


ARCH ENEMY - The Root of All Evil ★★ (2010-06-13 06:15:00)

Johan Liiva在籍時(1st~3rd)の曲をセルフカバーしたアルバム。2009年発表。
オリジナルと聴き比べると、今のARCH ENEMYの音楽的志向が浮き彫りになる一枚ですね。

ライナーにもある通り、曲の展開やアレンジにも多少手を加えてはいますが…一番変わったのは、曲を聴かせるための音作りだと思う。Andy Sneapによるミックスで、オリジナルで感じられたデス由来の泥臭さはほぼ排除され、シャープかつ硬質な、極めて整った音になった感じ。曲の骨組みは変わってないはずなのに、より正統派寄りの音に聴こえるんですよね…。

こういう音作りなら、やはりJohanよりもAngelaのヴォーカルの方が合うと思う。整ったメタルサウンドには、こういう鋭いスクリームがよく映える。Johanと違い、タメを作らずリズムにジャストで乗せるスタイルも、カッチリした音作りにピッタリですし。相変わらず一見さんにも絶大なインパクトを与える獰猛な声だし、女性らしいハイピッチのスクリームを入れるなど表現力も増してるのがいいですね。咆哮デスタイプのJohanとは全く異なるスタイルなのに、1フレーズに全力投球してるような凄絶さは共通してると思う。

選曲についてですが…個人的に好きな「Pilgrim」「Transmigration Macabre」を演ってくれているのは嬉しいんですが…インタビューで再録を示唆していた「Angelclaw」を結局演ってくれなかったのが残念。Angelaもスクリームとグロウルの使い分けが出来る人ですし、今の彼らの音で聴きたかった。カヴァー曲を入れるくらいなら、「Angelclaw」「Fields of Desolation」を入れて欲しかった…。

ARCH ENEMY初期の、才能が溢れて止まらない感じの名曲群が、今の彼らの正統派としてクオリティの高い音に乗って甦る、聴き比べて楽しい、ここからメロデスに入って良しの優れた一枚。賛否両論ありますが、個人的にはこれはこれで好き。オリジナル、リメイクどちらにも固有の良さがあるのが素晴らしい。

…でも、そう言えるのも、JohanがHEARSEで頑張ってくれてるからで、もし彼がARCH ENEMYを辞めてシーンを去ってたら涙目で扱き下ろしてたかも(笑)。こうして聴くと、ARCH ENEMYにAngela、HEARSEにJohanが在籍という現在の状況は、適材適所なのではないかと思います。


HEARSE - In These Veins - In These Veins ★★★ (2010-06-12 23:11:06)

昔はエクストリームメタルにおける「ロックンロールの皆で体を動かせそうなノリが、健全に聴こえて嫌」と思ってたし、今でもそういう要素を半端に取り入れる音楽にはそう思いますが…そういう自分の音楽的嗜好を後悔したくなるくらいの、波涛に飲み込まれるようなド迫力。ロックンロールに苦手意識のある私が、HEARSEの音楽が大好きなのは、Johanの声があることと、曲のエネルギーが濃すぎてドス黒く聞こえるからかもしれません。


HEARSE - In These Veins - Atrocious Recoil ★★★ (2010-06-12 23:09:01)

こっちはメロディックデスロール色が強いですが、ブルータルな轟音の中に光明が差すように、ギターのキャッチーなメロディが出てくるという曲調は、Johan在籍時のARCH ENEMYに通じるものがあると思う。メロデス好きには一番気に入ってもらえそう。


HEARSE - In These Veins - Among The Forlorn ★★★ (2010-06-12 23:07:55)

はい、私も「カモーン!!!」で悶え死にました(笑)。
いつものデスヴォイスとはまた違う、すっげぇ荒々しくて野太い怒号です。コーラスパートのギターメロは、エモーショナルというよりヒステリックな感じがして印象に残ります。


HEARSE - In These Veins - Crusade (gonna Start a Fire) ★★ (2010-06-12 23:03:47)

カヴァー曲のデスヴォイスの味付けの上手さでは定評のあるJohan氏。
特に「I'm gonna start a fire」の絶叫振りが素晴らしい。


HEARSE - In These Veins - Corroding Armour ★★★ (2010-06-12 23:02:35)

これ、最初はギターがかっこいいリフを弾いてるのに耳が行かないくらい、Johanの声のインパクトが強すぎました。凄まじくドスの効いた低音咆哮ですが、これくらいの下水道まで行かない、歌詞をはっきり発声するタイプの方が、よりブルータルに感じるんですよね。サビではステレオで耳孔を蹂躙してくれます。


HEARSE - In These Veins - House of Love ★★★ (2010-06-12 22:47:19)

イントロからデスロールっぽいリズムに泣きのギターメロが入って、やっぱりHEARSEだなぁ…と思いますが、この曲は寒々しいトレモロリフを入れたり、サビにクワイアを重ねて荘厳にしてたり、ブラックに通じる邪悪なムードがありますね。EMPERORの「闇の晩餐」を持ってる人は、このクワイアに合わせて「♪Emperium~」と歌いたくなるはず。何気に皇帝リスペクトなんでしょうか…ならめっちゃ嬉しいですけど(笑)。


HEARSE - In These Veins ★★★ (2010-06-12 03:28:00)

2006年発表の4th。

私はARCH ENEMYからメタルに入り、HEARSEの1stも聴いていたんですが、そのままブラックに流れてしまったので、実は彼らの音源を聴くのは1st以来だったりします。

1stの音楽性から大きな変化はなく、ロックンロール的な野蛮さ・獰猛さのあるリズムに泣きのギターメロが絡む、甘くなりすぎないメロデス。「ロック」という言葉には本来「揺する」という意味がありますが、このバンドのミディアムパートは聴いてると体を自然と揺らしてしまうようなグルーヴがありますよね。
ファストパートの、ハードコア由来の炸裂感から来るかっこよさも言わずもがな。

1stから敢えて変わった事を挙げるならば、ギターのコズミックな、キラキラしたメロディが少なくなった代わりに、時折ブルデスにありそうな禍々しいうねりを持ったリフが出て来る事でしょうか。
音質自体はよりヘヴィに、より洗練されているにも関わらず、独特のリズムとも相まって、以前よりも泥臭くなっている印象がありますね。
この辺り、モダン方向、洗練方向に向かうARCH ENEMYとは好対照だと思う。

そしてJohanのヴォーカルですが…Johan、声、太っ!!
声、ぶっっっっっと!!(笑)
丸呑みした大蛇を、一気に吐き戻すかのようなドスの利きまくった咆哮で、ARCH ENEMYに籍を置いてた時代から考えても迫力が段違い。この人、腹式呼吸ってレベルではなく、臓腑総てを動員して、発声しているのではないでしょうか…。声だけ聴くと、絶対イカツイ奴が歌ってると思いますよね(笑)。
あんな知的で細面な人のどこからこんな声が…。

もうこれブルデスのヴォーカルと比べてもレベル高いと思うんですが…。
彼のパフォーマンスを思い返してみれば、ARCH ENEMYが慟哭の感情を表す事、NONEXISTがプログレッシブな展開に合わせる事、HEARSE1stがハードコア的野蛮さを表現する事に、それぞれチャンネルを合わせていたと思うんですが、今作は「思うがままにぶっ殺せ」モードに入っちゃってます(笑)
久し振りにHEARSEの音源を買ったんですが、やっぱりJohan様の声最高だわ…。

失礼な言い方かもしれないけど、彼はARCH ENEMYを辞め(させられ)て、結果的には良かったと思う。今のARCH ENEMYの音に彼の声は余り合うとは思わない。HEARSEの、泥臭くて野蛮さや獰猛さの残るスタイルでこそ、彼の声は輝いてると思います。


LACRIMAS PROFUNDERE - Filthy Notes for Frozen Hearts ★★ (2010-06-11 19:22:00)

2006年発表の7th。
このバンド、以前はデス色が強かったらしいですが、今作は後期SENTENSEDや、HIMに近い
聴きやすくロック色の強いゴシックメタルを演ってます。個人的にSENTENCEDやHIMは、
「なんでゴシックなのに普通に歌うんだ…ゴス特有のナルな美意識はどこ行った!!」と
ヴォーカル面でかなり不満があったんですが…このバンドは低音でナルシスティックに
歌い上げており、その不満を見事に解消してくれてます。V系にも近いテイストですが、
V系でここまで低音で歌い上げられる人はなかなかいません。
ああ、Versaillesもこれくらい歌が上手ければなぁ…。
ただ、ヴォーカルは大きなアドバンテージがあると思うんですが、肝心の曲の方は
SENTENCEDの方がいいなぁ…と思わなくもなかったり。この手の聴きやすいゴシックに
ありがちですが、均質的に質が高くて、逆に起伏に欠けて聴こえてしまう感じ。
一聴しただけで、聴き手ごとのアルバムの山場や、それぞれの曲についてのウリを
語れるくらいになるような、インパクトがあればもっと良かったんですが…
こういうバンドにそれを言うのは酷かもしれません。
いくら聴きやすいとはいえ、ポップス並になったら元も子もないと思うし。
普通に洋楽ロック好きに勧めてみたい作品ですが…Voが魅力的とはいえ、やはり更なるフックは欲しい所。


OTARGOS - Fuck God-Disease Process ★★ (2010-06-10 06:25:00)

2009年発表の3rd。

GRORIOR BELLIやMERRIMACKの近作同様、DEATHSPELL OMEGAの「Si Monumentum~」アルバムが、フランスのブラックメタルシーンにおいて如何に強い影響を及ぼしたのかが垣間見える一枚。オーソドックスな、「ブラックにおける正統派」とでも言うべき作風ですが、宗教色濃厚な雰囲気作りは確実にDSOのあの作品の影響下にあると思う。

特に、歪んだアルペジオが奏でる、叙情性よりも不穏さが極めて強いメロディは、DSOの「Si~」を聴いた事がある方なら、確実にあのアルバムを思い浮かべると思う。ただし、DEATHSPELL OMEGAの「Si~」がプリミティブブラックを、ある意味崇高にも聞こえる宗教性やドラマティックな展開でブラッシュアップしたような作風だったのに対し、このバンドの音楽性はキレのいい刻みリフや、メロウなベースもしっかり聞こえるクリアさとエクストリームな迫力のある音質など、スラッシュから分化したジャンルであるが故の、真っ当なかっこよさが強いと思う。

DSOのあの作品がプリブラの魅力をある程度分かっていないと辛いアルバムかと思いますが、こっちはデスやスラッシュが好きならもう少し入りやすい音楽性なのではと思う。自分達でも「This is a dynamic metal record」と言ってますし。
メジャーレーベルであるSeason of Mist所属らしい質の高さはあるし、ブラックのアングラな雰囲気もしっかり表現されているんですが、欲を言えば、DSOの「Carnal Malefactor」のような、イレギュラーかつ作品を強く印象付けるような、際立った名曲が欲しかった所ですね。


CRADLE OF FILTH - Thornography ★★ (2010-06-09 21:30:00)

06年発表の7th。タイトルは造語で「荊の系譜」の意。
評判の悪さから、今の今までスルーしてしまっていましたが…悪くないですよ、これ。いや、ブラックとしては寧ろ駄目なんですけど…メロデスと思って聴くと素晴らしい作品。

いつものCRADLEの作品と大きく異なるのは、大仰なシンフォニックさではなく、Daniのヴォーカルでもなく、ましてやブラックの狂性・ブルータリティでもなく、正統派的なギターリフであること。もう殆どメロデスなんですけど、世界観の演出だったり、曲展開のドラマ性だったり、至る所に彼らならではのセンスが発揮されていて、やはり一般的なメロデスとは一線を画してます。特にそれが顕著なのが上の方も褒めているメロディで、特に「Lovesick for Mina」は和風ホラーに通じる湿り気すらあると思う。

彼らが過去にIRON MAIDENやVENOMをカヴァーしている事から考えると、こういう作品を作るのも自然なのかもしれませんね。さりげなくDISSECTIONリスペクトっぽいフレーズがあるのも個人的にポイント高いです。ブラッカーからの評価が低いのは仕方ないと思いますが、これまで正統派やメロデスを聴いてきた人にとっては、一番すんなり入れる作品なのでは。

ただ、やっぱり「これは駄目だ…」と思う箇所はあって…。まずDani自身がノーマル声で歌おうとしてる箇所があること。デス声と違って、何ともコメントし辛い魅力の無さ…。もう一つは、HIMのVille Valoの起用。CRADLEのゴシック趣味に相応しい、耽美的もしくは不気味な雰囲気を出す事無く、普通に歌っちゃってます。普通に。…まあ、「LOVE METAL」を標榜する人に、この世界観の演出を振るのは無理があるかと。明らかに人選ミスだと思う。

そういう訳で、彼らの代表作には決してなり得ない作風ですが、ディスコグラフィーの中にこういうイレギュラーがあっても良いと思う作品。何の予備知識も無く、絢爛なシンフォブラックを求めてこの作品を手に取ってしまった方は、まあご愁傷様という感じですが(笑)。メロデスっぽいCRADLEも聴いてみたな…と思った方は是非是非。決して駄作ではありません。


CRADLE OF FILTH - Thornography - Lovesick for Mina ★★★ (2010-06-09 21:09:28)

この曲のメロディ、どうも和風に聴こえて、聴いていて顔がにやけてしまうんですが(笑)。途中のノリのいいパートは彼らの世界観には似合わない気もしますが、たまにはこんなCRADLEもいいです。Written in the dead of the night, dead of the night!!大事な事なので二回言いました。


CRADLE OF FILTH - Thornography - Under Huntress Moon ★★★ (2010-06-09 21:05:28)

CRADLEってほんとに、毎回最後に総括とも言える凄い曲を入れてきますよね…他の曲は、「やっぱりCRADLEはいいなぁ」くらいでしたが、この曲は「やっぱCRADLEは凄ぇ!!!!」と、一聴した時点で圧倒されました。正統派っぽさもあれど、エクストリームメタルならではの迫力にも満ちていて素晴らしいです。


INFERI ★★ (2010-06-09 18:53:00)

フィンランド産ディプレッシブ・ブラック。
Mikko AspaのレーベルNorthern Heritageに所属してます。


INFERI - Shores of Sorrow ★★ (2010-06-09 18:52:00)

2006年発表の1st。

これは鬱ブラックの中でも、割と上級者向けなんじゃないかと思います。よく比較対象としてBURZUMの3rdや7thが挙げられますが、BURZUMと比較しても静的で、風景画めいた作風だと思う。
「burned」のリフ/リズムや「what once shined」の後半の疾走、一部で聴ける叙情的なリードギターなど、動的なパートもあれど、基本的にはスローテンポのリズムにアルペジオや平坦なブラックリフが描く海のような情景に、漣のようにトレモロリフが被さる、動きの少ない作品。

聴いていると、海岸で沈む夕日をいつまでも眺めながら、「ああ、私の人生もあの陽のように沈んでいくんだな…」と思っているような、侘しい気持ちになってきます。
感情表現が行き過ぎてて、逆に滑稽に聴こえてしまう事も多いこのジャンルですが、ヴォーカルはBURZUMのCountの悲痛さとMAYHEMのManiacの歪み感を足したようなかっこいい絶叫で、自己満足に終わっていない表現力があるのが素晴らしい。音質にも変な聴き辛さは無いですし、

ジャンル内でも静的であることを除けば、癖の少ない鬱ブラックだと思う。
入門には適さないかと思いますが、鬱ブラック以外にも葬式ドゥームやプリブラ、ミニマルなジャーマンプログレ等、反復性の強い音楽に普段から慣れ親しんでいる人であれば、敷居はかなり低めかと。
鬱ブラックって、抑鬱された感情をぶちまけるタイプと、静かに風景を描いていくタイプに分かれると思うんですが、この作品は後者ですね。過激さやインパクトを求める分には不向きですが、「ミニマルで、ピクチャレスクである音楽」に魅力を感じているのであれば是非。聴いて凹みましょう(笑)。


NEGURA BUNGET - OM ★★★ (2010-06-08 21:33:00)

2006年発表の4th。
この人たち、相変わらず鬼すげぇ…。

一言で言えば、民族的なメロディのトレモロリフや、民族楽器を使用したパーカッシブなリズムを取り入れたペイガン/フォークメタルに、厚みがあり、神秘性を感じさせるキーの導入や、ギターノイズの音質や、楽器の聞こえる位置など音像の操作、SEの挿入などのアンビエント・ブラックの要素を合わせた音楽性、と言えると思いますが…普通のバンドはメタル要素が希薄になったり、アンビエント要素が効果音的な使い方に過ぎなかったりする事が多いんですが、彼らの音楽性では両者が不可分一体であるのが凄い。

しかも、叙情的で、凍てつくようなトレモロリフの響きや、それだけに特化すれば十二分に特徴となりうる豪速ブラスト、パーカッションに奥行きのあるキーが合わさった時に生ずる魔的な雰囲気などを聴くと、どちらかだけでも質の高いものを作れる気がするんですよね…。
それが、両者を高めあうように組み合わさっているのだから、凄いのは当然かも。聴いていると、深く暗い森に誘われていき、気がつけば澱んだ空の異次元に紛れ込んでしまったような錯覚を覚えさせる作品で、メタルとして優れていながらアンビエント的であり、またメディテーション音楽のような趣のある音だと思う。

因みに、私が買ったのは中国盤で、ボーナストラック2曲と、訳詞・解説付き。まずルーマニア語もちゃんと訳しているところが素晴らしい。日本盤って、英語じゃないと横着して訳詞書かないことが多いですからね…。そもそもこの作品自体、日本盤出てないですからね…クソっ、妬ましい……。

日本も、優秀なメタルバンドの開拓とか頑張って欲しい。
中国に負けてちゃ駄目です。