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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2601-2700
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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2601-2700

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RAM-ZET - Neutralized ★★★ (2010-06-08 19:02:00)

2009年発表の4th。
変態系女性Vo入りゴシックとして、物凄く評価が高いバンドと聴いて購入。

…うん、確かにこれはぶっ飛んでますね(笑)。
カラオケの採点で、音程をミスった所に「?」マークが付くものがありますが、一つの展開が過ぎるごとに「何だ今のは!?」と聴き手の頭に引っ掛かりを残していく変態的な曲調は、それを思わせるところがあると思う(笑)。

ただ、一流のバンドとして当然の事かもしれませんが…本当にカオスな音では無くて、計算してカオスを演出しているような、確かな音楽性の高さがあるんですよね。例えば、うねるギターリフや声楽的な美声をはじめ、様々な表情を見せる女性Vo、パーカッシブで時にキャッチーにさえ聞こえるスクリームなど、各パーツはメタルとしての真っ当なかっこよさがあると思うし、ギターやキーボード、ヴァイオリンによるメロディには、EMPERORの後期や、Ihsahnのソロ作にも通じるような、狂熱に浮かされ悪夢を見ているような神秘性があると思う。そうしたメロディを奏でている時のギターのトーンも、美しくてツボを突いているんですよね…。

BURRN!の別冊では、SLIPKNOTの項目でメタルのパブリックイメージが、本来のそれより「異形性」の方向に傾きすぎているという指摘がありましたが…もしそうなら、このバンドも意外と売れる要素はあるんじゃないかと思う。一聴で「異形であること」「それを高い音楽性で表現していること」が分かるこのアルバムは、そうしたパブリックイメージからメタルに入った人にはごく魅力的に映るのでは。ただ、SLIPKNOTなどのような分かりやすい凶悪さではないし、曲展開も複雑なので、ある程度根気を持って聴く事が必要かもしれませんが。

そういう訳で、雑誌を初めとしたメディアには、「異形性」を求めてメタルを聴こうとする人のために、ブルデスなどの凶悪な音楽だけでなく、こうした音も門戸として紹介しておいて欲しいという作品。特に「異形性」を求めてプログレなどを聴いている人が、メタルに食指を伸ばすには絶好の作品なのでは。


WISTARIA ★★ (2010-06-06 07:40:00)

日本の新進気鋭のヘヴィロック/メタルバンド。
「Sound in the Ocean that is Bluer than Indigo(藍より青い海の中の音)」を
コンセプトに掲げ活動しています。尚、バンド名は「WISTERIA」ではないので注意。
それで検索してもヒットしません(笑)。


WISTARIA - DEEP ★★ (2010-06-06 07:36:00)

2010年発表の1stシングル(インスト2曲を含む5曲入り)。
今の所、流通はDISK UNION限定のようです。
メンバー全員が89年生まれという、若いバンドですが…音の方も若いというか、凄く今風ですね。
7弦ツインギター&5弦ベースの編成が繰り出すゴリゴリとしたヘヴィな音に、ダウナー気味な
感情的なヴォーカルによる、少し歌謡的なメロを乗せたスタイルで、V系ロック、
モダンへヴィネス、ヘヴィメタルの三者を繋ぐような音楽性と言えそう(良いとこ取りとも言う)。
グロウルをさらっと盛り込む辺り、感性が今風だな…って思います。
個人的に気に入ったのは、歌謡テイストが嫌味にならない程度に、自然に盛り込まれている点。
タイトル曲なんかはかなり印象的な歌メロがあるんですが、メロ自体にどこか突き放したような
雰囲気もあって、それがヘヴィなバンドサウンドとも、絶望感溢れる歌詞の世界観とも凄く
良く合っていると思う。ただ惜しいのは、1曲目のインストで打ち込みのリズムで遊んで、
聴き手の興味を惹きながら、本編は殆ど生ドラムで演奏している点。せっかく打ち込みリズムを
センスよく聴かせる入口があるのに、それを本編で使わないのは勿体無い。民族楽器をSE的にしか
使わないエスニック・メタルバンドが好きになれない私としては、これは余り歓迎できないかも。
聴いていると、ヘヴィな音にも関わらず、どこか透明感だったり、淡いヴェールに包まれて
いるような感覚だったりを味わえる、不思議な雰囲気のある作品で、ただのヘヴィロックでは
ない音に仕上がっていると思う。この神秘的な感じが、コンセプトの「Sound in the Ocean
that is Bluer than Indigo」なのかもしれませんね。


THUNDRA - Worshipped by Chaos - Symphony of Anguish ★★★ (2010-06-05 23:25:45)

DISSECTIONにキーボードを被せたような、メロディックな疾走から入る展開でもう惹き付けられますが、その後も爆走に華やかなオブリを交えたリフとノーマル声を乗せたり、キーによる印象的なメロディが出てきたり、ツインリードの叙情的なハモりがあったりで攻撃の手が休まりません。メロブラの良い所を、全部乗せしたかのような豪華さ。


THUNDRA - Worshipped by Chaos - The Existing Darkness ★★★ (2010-06-05 23:24:53)

アルバムでもGarm風普通声のフィーチャー度高い一曲。
エピックな展開とも相まって、聴いてるだけできゅーっと来ます(笑)。ホントいい声だなぁ…。


THUNDRA - Worshipped by Chaos - On Thorns ★★★ (2010-06-05 23:23:57)

この曲はギターの音作りが、他の曲よりジャリジャリした感触が強めな感じがします。この曲が頭にあったからこそ、TAAKE辺りを引き合いに出して語りたくなるんですよね。実際は割と聴きやすく、質の高い音なんですが、この曲があることで実際よりも邪悪なイメージを与える事に成功してると思う。


THUNDRA - Worshipped by Chaos - Worshipped by Chaos ★★★ (2010-06-05 23:23:07)

アルバムのラストを飾るのは、一流のデスラッシュと比較しても何ら劣らない、キレのあるリフ捌きを聴かせてくれるこの曲。ギターソロによる叙情的なメロディも、まるで勝利の凱歌のような味わいがありますね。…単に音楽を聴いていただけだというのに、なにかやり切った感みたいなものがあるんですが(笑)。かなり満足感の高いアルバムでした。


THUNDRA - Worshipped by Chaos ★★★ (2010-06-05 23:16:00)

2006年発表の2nd。

中古屋にて500円くらいで投げ売られていたのを、ENSLAVEDやTHRONE OF KATHERSISのメンバーが関わっていると知りサルベージしてみたんですが…クックック、たまに自分のヒキの強さが怖くなるぜ(笑)。めっちゃクオリティの高い、ヴァイキング寄りのKEY入りメロブラなんですが。

色々なバンドの良い所を取り入れたかのように、各要素が極めてレベルが高いのが特徴ですね。例えば、リフにしても時にTAAKEを思わせる、凍てついたブラック的な物を弾いていたり、時にGOD DETHRONEDクラスのキレのある、デスラッシュ寄りの物を弾いていたりするし、ヴォーカルにしても典型的なヴァイキングの朗唱ではなく、初期BORKNAGARや中期ARCTURUSのGarm風の、気難しげでミステリアスな歌いまわしが魅力的だし、デス声もIhsahn風絶叫とデス的なグロウルをどちらも高いレベルで使いこなすしで、本当に隙が無い感じ。

個人的には、特にヴォーカルの歌いまわしが気に入りましたね…Garmファンなので(笑)。
これらの要素を、過不足無く纏め上げて、ドラマティックな展開美を見せる編曲スキルも、かなり高いレベルにあるのではないでしょうか。メジャーどころと比べると、少し「引き」のパートに弱さを感じもしなくもないし、このバンドならではという物に欠ける気はしますが…それは敢えて粗を探しての話で、普通にCARPATHIAN FORESTとかTAAKEと並び賞されて然るべき質だと思う。少なくとも、投げ売りされていい音じゃないですよ、これ。

でも、一番ダメなのはバンドに商売っ気が全く無さそうな事かも(笑)。
ブックレットとか、アートワークとか、なんか「売れる気」が余り感じられないというか…。もっと注目を浴びて然るべき音を出してると思うし、もう少しアピールしていってもいいのでは。


GORGOROTH - Black Mass Krakow 2004 (dvd) ★★★ (2010-06-05 09:52:00)

2008年発表のライブDVD。
ボーナスでブートレッグ2曲とバイオ・フォトギャラリーなども収録。

GORGOROTHが、バンドのイメージそのままの、硬派なライブパフォーマンスを見せるバンドである事が良く分かるDVDだと思います。ステージ自体は、逆五芒星の垂幕や十字架に貼り付けられた裸の女性、串刺しにされた獣の頭、パイロによる演出などでショーアップされているものの、フレンドリーなMCや派手なアクションなどのエンターテイメント的要素を入れたりや、狂気に任せた暴走をしたりなどはせず、ひたすらにバンド自体が曲を通じて醸し出す風格、存在感を見せ付けていくライブ。

元々GORGOROTHの曲自体、ブラックの本道から外れることのない、リフ押しのある意味ストイックなブラックメタルですし、その曲でライブをやったらこうなるだろうな…という感じがします。エンタメ的要素は薄いですが、この存在感ならどんなに大きなフェスに出ても客を釘付けに出来ると思う。

しかし、Gaahlの声はライブの方が良いかもしれませんね…一声一声に肺の空気を全部使ってそうな伸びのある絶叫なのに、ラストまで全く衰えてないのが凄い。ちょっとは疲れを見せてくれた方が人間っぽいのに(笑)。これじゃほんまもんの悪魔ですよ(笑)。

そういう訳で、彼らのストイックかつプロフェッショナルなステージングが堪能出来るライブDVDですが…私はこれ見てると物凄いハラハラするんですよね(笑)。メンバーの棘(というかぶっとい針)付きのリストバンド、何かの拍子に目とかに刺さりそうで怖い。特にマイクを掴んで叫ぶGaahlはなんか心配になってきます(笑)。


LORD BELIAL - Revelation - the 7th Seal ★★ (2010-06-05 00:26:00)

2007年発表の7th。
何気にプロデュースにAndy LaRoqueが関わっているんですね。

LORD BELIALの作品を聴くのはこれが初めてなんですが、開始10秒で唖然となりました(笑)。1曲目のインスト、思いっきりDISSECTIONなんですけど…それも、本気で「間違えてDISSECTIONのライブ盤か何かを買ってしまったのでは」と訝りたくなるほどソックリ。

叙情的なトレモロリフを軸に疾走していく、メロブラの王道とも言える展開、ブラックとしてはギターソロのハーモニーにかなり拘った作風など、イントロ部分だけでなく本編もかなりDISSECTIONの影響を感じられますね。

ただ、DISSECTIONが刻みを多く取り入れ、メロデスとの境界が曖昧だったのに対し、こっちはよりトレモロ多めで、更にメロブラ然とした音。曲が割とコンパクトに纏まっている点、メロディが中世的な感じがする点などは、DISSECTIONと異なるところでしょうか。

DISSECTIONは3rdでトレモロ志向をやめ、よりメロデスに接近しましたが、もしそれとは全く逆の変化…よりトレモロ重視になっていたらこうなっていたのでは、と思えるほど、メロブラとしてクオリティの高い作品。ヴォーカルの凶悪ながなり声も、Jonの歌い方を更に野蛮にした感じでやっぱりDISSECTIONぽい。

メロブラやメロデスなど、メロディ志向のエクストリームメタルが好きな人全般にお勧めですが、特にDISSECTIONの2nd→3rdの変化に賛同できなかった人が聴いたら、「これだ!!」と膝を打つのではないでしょうか。


UNHOLY RITUAL ★★ (2010-06-04 21:57:00)

ギリシャ産シンフォニック・ブラックメタルバンド。
去年1stを発表した新進気鋭のバンドながら、各レビューサイトでも
高い評価を得るなど、既にかなり注目を浴びている模様。


UNHOLY RITUAL - REX MUNDI - KILLER INSTINCT ★★★ (2010-06-04 21:56:43)

シンフォニック・ブラックを聴いている人でも、「おおっ」となること必至な1曲目。寧ろ、普段からこのジャンルを聴いている人ほど感心するかも。メロディが華美な音像や雰囲気作りに呑まれることなく、それ単品で勝負出来る美しさがあるところが素晴らしい。


UNHOLY RITUAL - REX MUNDI - CHILDISH FEARS ★★★ (2010-06-04 21:55:48)

分かりやすく恐怖感を煽ってくるような、キーボードの音色やメロディがタイトルの雰囲気の通りという感じですね。子供の頃、眠っている間に誰かに刺されるんじゃないかとか、起きたら全く別の世界に連れてかれてるんじゃないかとか、無意味に妄想して恐怖してた、あの感じが甦ってきそうです(笑)。


UNHOLY RITUAL - REX MUNDI - UNHOLY RITUAL ★★★ (2010-06-04 21:54:41)

バンド名をタイトルに冠した気合の入り具合は伊達じゃなかった…。
鬼女~期のCOFの曲展開を、少しシンプルにした感じの曲調ですが、メロディの華麗さやテンションの高さでは全く劣りません。COF最大のウリであるヴォーカルにも対抗出来そうなほど、凄絶なパフォーマンスを聴かせるVoも素晴らしいです。前曲はヒキとしては少し長すぎですが、これだけの曲が控えているなら仕方ないかも。


UNHOLY RITUAL - REX MUNDI ★★★ (2010-06-04 21:53:00)

2009年発表の1st。タイトルは「世界の王」の意。
シンフォブラック期待の新人として注目を浴びてるバンドですが…
これはかなりの好盤ですね。

確かに、キーボードは生オーケストラ使ってるバンドと比べると少し安めの音だし、ドラムの音が少し浮いててゴチャゴチャして聴こえたり、メジャーバンドと比べると音作りの面で一歩譲る感は否めませんが…それをすべて帳消しにするくらい、メロディの主張が強い作品だと思います。COFの「鬼女~」やEMPERORの「Anthems~」は、メタルの音に慣れていない人が聴くと、メロディアスに感じられないこともあると思うんですが、この作品は誰が聴いてもメロディアスな作品に感じると思う。

また、キーボードがオーケストラルな音色だけでなく、シンセ然とした音色も取り入れて一本調子な音像になる事を防いでいたり、アンサンブルがキーボードに依存しすぎず、ギターリフでもしっかり主張している、バランスのよさも良いですね。ヴォーカルはEMPEROR後期のIhsahnを汚めにした感じ…と思っていたら、アルバムが進むごとにテンションが上がり、ラス曲では初期COFとタメを張れるほどの凄まじい絶叫に。

しかし、最近は初心者にも入りやすいシンフォニック・ブラックがほんと増えてきてますよね…BREATHING PROCESS、GOTHMOG、CRYING BLOODなどの近作といい、このアルバムといい…逆に何処から入って良いか迷うんじゃないかとも思います。でも、その迷ってる間が、また楽しい時だったりするんですよね(笑)。


STYGIAN RIVERSIDE - ENVY YOU ALL MEN! / 汝、人を妬みたまえ ★★ (2010-06-01 22:01:00)

2010年発表の東方HR/HMインストアレンジ。
EMPERORの超名曲をパロったタイトルから、何の予備知識もなくレジに持っていった一枚。
…さて、中身の方ですが…確かに、クワイア風のキーボードの音色は初期EMPERORを
思わせなくないし、シンフォなキーボードがバンドサウンドを包み込む音像はアングラな
シンフォブラックにありがち(個人的には、EMPERORのライブキーボーディスト、
Charmand GrimlochのバンドTARTAROSを思い出した箇所もあった)だし、思いっきり
打ち込みとはいえブラストも使われていますが…う~ん、これは…。
タイトルはEMPERORパロだし、ブラック風のアレンジもある事はあるんですが…
全体的にリフがのっぺりしていて、後期EMPERORのようなドラマ性がある訳でもなく、
綺麗に纏まりすぎていて初期EMPERORのような衝動性も低く、アレンジに分かりやすい
パロディ(タイトル曲はそれっぽい気もする)もなくで、正直EMPERORファンで東方ファンも
兼ねてる人間にはあまりアピール出来ていないと思う。
別に完成度が低いとかじゃないんですが、どうしても羊頭狗肉な感じはしてしまいますね…。
ぴずやの「SYMMETRY BURZUM」といい、この作品といい、ブラックの重鎮の名前を借りる事で
ハードルを上げ過ぎていると思う。このジャンル(東方アレンジ)、エクストリームメタルも
ぼちぼち出てきてますが、グラインドなど極端なものか、メタルコア、メロデスなど
聴きやすいものかで、丁度いい按配のブラックメタルアレンジって少ないんですよね…
だから、タイトルの時点では非常に期待してたんですが。エクストリームメタルが好きな方より、
普通に東方アレンジを漁ってる人にお勧め。EMPERORを期待すると落胆するくらい聴きやすいです。


BLOOD OF KINGU - Sun in the House of the Scorpion - Gate of Nanna ★★ (2010-06-01 18:00:43)

BEHERITカヴァー。
アルバムの曲準拠の、ド迫力過ぎる音作りは、得体の知れない恐怖感を具体化しすぎていて、ちょっと原曲の雰囲気を壊している部分もあるように思いますが…まぁ原曲が名曲ですし。でもコーラス部分が迫力ありすぎて違和感あるのも確かかも(笑)。


BLOOD OF KINGU - Sun in the House of the Scorpion - Guardians of Gateways to Outer Void ★★★ (2010-06-01 17:59:40)

グオォォォォオオオオオ!!!!
グオォォォォオオオオオ!!!!
グオォォォォオオオオオ!!!!
グオォォォォオオオオオ!!!!
…前半の絶叫部分は、もうKRIEGの「Patrick Bateman」を引き合いに出して語らざるを得ない程のド迫力がありますね。曲展開などはしっかりしてますが…BEHERITをカヴァーしてるくらいだし、ブラックの「迫力で殺す」魅力を、分かっているバンドなのではないかと思います。


BLOOD OF KINGU - Sun in the House of the Scorpion ★★★ (2010-06-01 17:58:00)

2010年発表の、なんとCandlelightに移籍しての2nd。1stは未聴なんですが、これ聴いて、「Candlelightは伊達じゃなかった」と思いました…。

特にリズム面で民族テイストを取り入れたファストブラックなんですが、音の分厚さ、迫力が一流のブルデス並に凄い。リフがデス的なうねりより、ブラック的なトレモロでのペイガン風メロを重視したものだったり、音質が分厚さはありつつも分離されすぎない、クリア過ぎないものであることから、ブルータルブラックの迫力のある、プリミティブ/ペイガンブラックと言い換えても良さそう。

タブラなどの民族楽器やSEなどを用いた、瞑想的なパートを所々に入れてくるんですが、これが雰囲気作りにおいて非常に奏功しているという印象。魔神が異界から喚び出され、一通り破壊を尽くした後帰っていく…みたいな演出に感じられる。また、民族的なパーカッションがSE的にだけでなく、時折バンドサウンドと絡むのも個人的には大いにプラス。ドラムの音作りからして、少し高めなバスドラや、独特のスネアの抜けなど、民族的なパーカッションを意識しているような感じがします。

そして何気に素晴らしいのがRoman氏のヴォーカル。
HATE FORESTでは、低音デスヴォイスがプリブラには合わないというかどで批判される事が多かったですが、今作ではその批判を捩じ伏せる迫力が備わっていると思う。BEHEMOTHのNergalや、KRIEGのImperialを思わせる、聴いててこっちの腹筋が攣りそうになるレベルの轟音絶叫。アルバム録音時、怒れる神が降りてきたとしか思えない、凄まじいパフォーマンスです。

個人的には彼らが今まで関わってきたバンド(DRUDKH、HATE FOREST等)の延長線上にある音を予想していたので、この迫力で押す作風には驚きました。…驚くと同時に、一発で気に入ってしまったんですけど(笑)。Candlelightに移籍した事で流通もある程度良くなることが見込まれますし、この機会にどうでしょうか。


LIGHT BRINGER - Midnight Circus ★★★ (2010-05-29 17:58:00)

2010年発表のフルレンスアルバム。
「Heartful Message」はフルには数えないらしいので、これが2ndになるみたいです。

前評判的には、「ポップ性の強かった前作よりも、よりテクニカルで激しい作品になる」と聴いていたので、「Heartful~」の路線に帰るのかと思ってましたが…「Heartful~」がハードロック色の強いアルバムだったのに対し、この作品は「Tales~」のメロディの豊穣さはそのままに、メタル色を更に強めている感じ。演奏のテクニカルさがより前に出ているのも関わらず、メロのクサさが減ってないので、純粋に華やかさが増してると思う。

前作は、その溌剌とした歌唱からか、一部では「アニソンっぽい」「子供っぽい」などの意見も散見されましたが…今回は太い声質による、割れ気味な歌唱も取り入れ、そうした評価を覆すほどの迫力が備わってますね。特に「Resistance」等で聴ける逞しい歌声は、体育会系なパワーヴォーカル以上の力強さがあるにも関わらず、体育会系イズムが陥りがちなダサさから完全に解放されているのが素晴らしい。もう黒猫さんの背中はそこまで見えてるかも。

ただ、多少気に掛かるのが、2曲目の「♪始まりの~」やラス曲の「♪輝いた~」など、2枚目のフルにして、既にバンドの得意なパターンのメロディ回しのようなものが見えてきてしまっていること。まだ今は、東方やドラガ並みのキャッチーさがありますが、この辺りが、後々マンネリ感に繋がってきそうで少し怖い。あと、フルアルバムにしてはちょっと新曲が少なすぎる気も。

と言っても、相変わらずどキャッチーなメロと華のある歌唱のもたらす間口の広さと、テクニカルな演奏によるメタルならではのかっこよさが両立してる音楽性なので、メタルを聴き始めの人、聴いた事のない人、興味のない人にもお勧め。テレビ出演も果たしたと聞きますし、是非有名になっていって欲しいですね。


OBITUARY - Darkest Day ★★ (2010-05-27 21:56:00)

2009年発表の8th。
彼らは「遅いデスメタル」として有名らしく、デスでブルータリティ偏重でないなら、
絶対リフが良いから評価高いんだろうなぁ…と期待して、取り敢えず目下の所新作を購入。
…評判通り、早歩きくらいの疾走パートは交えつつも、基本ミディアムで攻める作風ですが、
期待通りリフが…というか、リフとリズムの絡み具合が素晴らしいです。
時にドラムに絡みつくように、時に隙間を埋めるように粘着質な刻みリフが展開し、
リズムと一体となってグルーヴを生み出すアンサンブルは、スラッシュからの影響も強そう。
このアンサンブルだけで既に地獄の墓場みたいな雰囲気が漂ってますが、時折リフが
瘴気が現世まで漂ってくるような、広がりのあるものを弾いているのもツボなんですよね。
ただ、リフとリズムの絡みの瘴気っぷりに対し、ギターソロが少し綺麗に過ぎるきらいが
あるのと、ヴォーカルがスクリームしかしないDir en greyみたいな一本調子さなのは
多少気にかかるかも。もっとカオティックでドロドロしたソロが聴きたいし、ヴォーカルも
バリエーションを増やすか、(BEHEMOTHの)Nergalクラスの迫力は欲しい所。
個人的には、デスやブラックにはブルータリティと同じか、それ以上にリフワークの
素晴らしさを求めているので、この作品はかなり好みに合いました。
リフワークによって生み出される異形性、是非味わって欲しいです。


KEEP OF KALESSIN - Reptilian ★★★ (2010-05-26 19:28:00)

2010年発表の5th。
国内に入荷される前に、海外のレビューを見てみると、どうも芳しくない評価もあったので「まさかKOKが問題作を!?」と身構えましたが…順当に最近の作風の流れを汲んだ新作ですね。

前作までと比較して、リフが更にデスラッシュ寄りになったこと、シネマティックなキーボードや、ノーマルヴォイスでの歌い上げがごく自然に取り入れられている事などから、より脱アングラ・メジャー志向の図式が明確になった作品だと思います。
バンドロゴも、映画のタイトルに使われるようなフォントになってますし(笑)。

ただ、やはり作風がメジャーになっても、Obsidian C氏のギターワークと、Vyl氏の鬼神ドラムによる、エクストリーム・メタル界の至宝とも言うべきアンサンブルには些かの翳りもないですね。マジに達人同士の斬り合いって感じです。ここまで聴きやすさと、アンサンブルの凄絶さを両立させたアルバムは他にないのでは。

ただ、音質はBEHEMOTH等に携わった人がミックスをしている割には、少し重さが足りない気も。豪快なだけでなく、繊細さもあるアンサンブルを引き立てるためかもしれませんが、もう少し重くていいと思う。

おそらく、海外レビューでの批判の多さはブラックのアングライズムが、いよいよもって本格的に薄れてきたからではないかと思います。でもこの作品、曲がもうブラックの邪悪さやアングライズムを必要としていないように感じるんですよね。DIMMUやCRADLEが作風がメジャー過ぎて苦手な人には、この作品も合わない可能性も。

ただ、エクストリームメタルのかっこよさを体現した作品だと思うので、激しいのが全くダメな人以外には、全メタラーに推薦。特に最近のメタルコアなどを好んで聴いている、若いメタラーには是非聴いて欲しいです。


TUBE ★★ (2010-05-21 19:25:00)

個人的に、未だに前田さんより「声質」が良いと思う人っていないんですよね…。
声質に張りがあって、声量もあるから聴いてて気持ちのいい迫力がある。
織田哲郎さんの渋い声や、(ラルクの)hydeさんの大仰な歌い方も好きですけど…
声質で言ったらやっぱり前田さんの右に出る者はいない、って感じです。
徳永英明さんやデーモン小暮さんが歌謡曲/ポップスのカヴァーアルバムを
発売し、好評を得てますが…そういう企画を前田さんにも演って欲しいなぁ…。
>ロブスター立田さん
まあ、そう言わずに「ウルトラヴァイオレットNo.1」を聴いてみてください。
きっと、驚くと思いますよ(笑)。
個人的には、「スタンダードな恋物語」や「My Sweet Milky Baby」などの
ほんのり哀愁系や、「Make Your Motion」「Born in Japan」などのHR系を
推薦したいですが(敢えて王道から外れたところを勧めてみます・笑)。
彼らには悪いけど、ブッ○オフで購入するのがお勧め。大抵昔のは250円です(笑)。


BOGDAN RACZYNSKI ★★ (2010-05-21 19:02:00)

親日家としても有名なミュージシャン。
1stアルバムのタイトルに「Boku mo Wakaran」と付けるほどで、
ライブでは流暢に日本語を話すとか。
メタラーの間では、ULVERの曲をトンデモ・リミックスしたことで知られてますね。


BOGDAN RACZYNSKI - Alright! ★★ (2010-05-21 19:00:00)

何枚目かは分かりませんが、07年発表のフルアルバム。
以下エレクトロニカをほとんど知らない、単なるULVER好きの感想です(笑)。
裏ジャケのゴキゲンなコメント通りの、めっちゃハイテンションでダンサブルな
エレクトロニカ作品で、ULVERのRemixでそのぶっ飛んだポップ(?)感に惹かれた人でも、
一発で気に入りそうな感じ。もし私が恋愛系のシミュレーションゲーム(ギャルゲー)を
制作するんだったら、デートのプランを入力する画面ではこんな感じのリズムの曲を
使いたいですね(笑)。聴いてると妙にワクワクと浮き足立った気分になるというか、
良い事がある気がしてくると言うか。
もちろん、リズムだけでなく、その上に乗るサンプリングやキーボードなどもかなり賑々しい
雰囲気がありますね。比較対象として、アイドル系のポップスを持ち出したくなる程に、
カラフルな音。ただ、一般的なポップスと比べると大分色彩感覚がイカれている感じがしますが(笑)。
普通にキャッチーなメロやムードのある音も使ってますが、1曲目から「欽ちゃんの仮装大賞」
の得点風の音でメロディを奏でてたり、やっぱりぶっ飛んでる。
こう言っては失礼かもしれませんが…これだけカラフルな音でありながら、ヒットチャートを
聴いて過ごしているような非音楽ファンには全く無用な音であることはある意味凄いと思う(笑)。
一見ハッピーですが、摂り過ぎると体に悪い系ですよ、これ。眠れない時に、こういう
打ち込みのリズムでトリップしたら寝れるかも…と思って聴いてたら、妙にテンションが
上がってしまい夜明け間近まで眠れなくなってしまいました…。
比較対象としてAPHEX TWINなどが挙げられてる通り、普通のメタラーには敬遠されそうな
音ではありますが…ULVERやMANES、THE 3RD & THE MORTALの脱メタル作、WHENや
BOGUS BLIMPSなどのJester関連のアーティストなどを聴いている、調教済みの
ブラックファンなら、何の違和感もなく聴けると思う。特にWHENの壊れ気味なポップ感が
好きな方にお勧め。個人的にはこういう音、結構好きだったりします。


ELYSION - Silent Scream - Never Forever ★★★ (2010-05-16 22:56:56)

MySpaceで試聴して購入決定しました。Disk Unionで買ったら、この曲のデモバージョンが入ったCD-Rが貰えたし、本作のタイトル曲的な位置付けの曲なのかも。サビもキャッチーですし。個人的には、サビの「Crimes」の言い方が好き。一つの単語の中でも音程を変化させて、間延びさせない所が好み。


ELYSION - Silent Scream - Dreamer ★★★ (2010-05-16 22:55:34)

間奏パートでのペースラインといい、その後のワウギターのフレーズといい、どこか昔のM.Mansonへのオマージュ的な要素も感じられる1曲目。クールに見せかけておいて、ラストで弾きまくるギターもエモーショナルでかっこいいです。


ELYSION - Silent Scream ★★ (2010-05-16 22:54:00)

2010年発表の1st。
サンホラファンとしては、まあバンド名の時点で取り敢えずチェックしますよね(笑)。

音楽的には、エレクトロ要素も含む、ダークで耽美的な雰囲気な中にもポップ性のあるゴシックメタル(ゴシックロック)で、EVANESCENCEやMORTAL LOVEなどの聴きやすい、モダンでキャッチーなゴシック勢が好きな方に受けそうな路線ですが…エンジニアやデザインに一流どころが参加しているせいか、音的にもヴィジュアルイメージ的にも1stとは思えないほど洗練されてますね。「俺達10年この路線で演ってますが」とか言われたら信じます(笑)。

時流やプロモーションが軌道に乗れば、普通に洋楽ファンの間でブレイクしそうな普遍性、質の高さがあるのは勿論ですが、曲が中庸的ではなく、ちゃんと印象に残るインパクトがあるのが良いですね。歌メロも歌謡的というほどではないにしろキャッチーだし、何よりChristianna嬢の細かく(小節的な?)音程変化を入れてくる繊細な歌唱が素晴らしい。この作品の歌詞の殆どは前任者が書いたもののようですが、次作以降では彼女自身による、小節風音程変化を更に活かせるような歌詞にも期待したいところ。

しかし、帯コメントやジャンル表記など、CDショップで目に入る部分からは一切「メタル」の単語が省かれているのが、プロモーション担当者の苦労を偲ばせますね(笑)。ライナーではごく普通に使ってるのに…。まあ、ガチガチのメタラーよりも、一般的な洋楽ファンが好みそうな音ではあるので、間違ってはないと思いますが…やっぱり「メタル」の単語が入ると、非メタラーからの敷居は高くなっちゃうんでしょうね…。


5150 - 四季楽典 ★★ (2010-05-16 10:32:00)

「シンフォニック東方」シリーズで同人メタル界に衝撃を与えた、5150氏の送る
オリジナルアルバム第一弾。2010年発表。
作風的には、「シンフォニック東方」シリーズを踏襲した、多重録音による合唱的な
ハーモニーと歌謡メタル風の歌メロ、大仰なキーボードとクサいリードギターによる
絢爛豪華なメロディック・スピードメタル。1曲のみですが、昔のCOF風のシンフォニック
ブラックもあり。「壮大で大仰…それこそ正義」帯叩きそのまんまの音楽性です(笑)。
個人的に驚いたのは、歌謡メタルの命綱である歌メロが、非常に優れている事。
特にLeo Figaro氏とZUN氏が共作したような「Remember Calm」、SOUND HORIZONの
疾走曲を思わせる「Little Garden」、メロスピ特有の萌え上がる緑を思わせるような、
多少気恥ずかしいメロの聴ける「Dive to my Heart」など、龍5150氏本人が歌う曲は
それこそ東方やSOUND HORIZONと勝負出来る、超一流のクサさ。
また、数曲で如何にもメタルシンガーらしい強靭さと荒々しさを兼ね備えたヴォーカリスト、
つかさ氏が参加していますが、彼の歌う曲には、彼の声の力強さが映えるような、
パワーメタル然としたメロを当てているのがまた素晴らしい。人の声を活かす事に関しても
かなりの才能があるのではないでしょうか。ただ、肝心の5150氏自身のヴォーカルは、
パワーメタル的暑苦しさ、V系的ナルシーさを排除した結果なのか、見事なナヨ声に
なってて、正直魅力的とは言い難いかも…この人、声質自体はほんと良いんだけどなぁ…。
あと個人的に不満だったのは、イントロダクションから2曲目の繋ぎが最悪なこと。
イントロ終了→一瞬だけ無音→イントロの終わり部分が一瞬だけ再生されて2曲目開始…
この流れ、何か意味があるんでしょうか。ぶっちゃけこのアレンジ大っ嫌い。
トラック分けに妥協したみたいで、テンション下がる。本編は凄く良いのに。
しかしこれ聴くと、この人には東方よりオリジナルを演って欲しいと思いますね。
東方系のアレンジは氾濫しすぎてるせいで、即効性が高く他と比較して楽しめるという
利点があるかわり、目新しさが少なくて飽きも早いんですよね。まあ、「永遠の巫女」とか
「キュアリアス上海古牌」とか、知名度低めのクサ曲アレンジなら聴いてみたいですけど。
それよりも、これだけレベル高いなら唯一無二のオリジナル曲のが聴きたい、と言うのが本音です。


5150 - 四季楽典 - REMEMBER CALM ★★★ (2010-05-16 10:08:07)

Leo Figaro氏を思わせる最初のコーラス部分からそのメロディセンスに感心しますが、東方ヴォーカルアレンジと比較しても何ら劣らないサビのメロディで更に感銘を受けました。サビのシリアスに盛り上げていく展開は「懐かしき東方の血」を思わせますね。東方アレンジを通過した事で、メロディ面でも影響を受けているのかも。それにしても良いメロディです。


5150 - 四季楽典 - LITTLE GARDEN ★★★ (2010-05-16 10:04:16)

まるでSOUND HORIZONの疾走曲を聴いているかのような、高揚感のあるサビメロが特徴の曲。ぶっちゃけヴォーカルも(Roman期の)Revo氏くらい微妙なんですが…それを差し引いてもこのメロディセンスは素晴らしい。この路線のオリジナルをもっと積極的にやって欲しいですね。


5150 - 四季楽典 - SOUL OF BRAVE -1000 YEARS AGO- ★★★ (2010-05-16 10:01:38)

今作はシンフォブラックが一曲しかないのが少し寂しい…
これを聴く限り、龍5150氏はCRADLEの作品では近作より「鬼女」「Dusk」の頃派っぽいですね。ホラー風味の強いキーボードの使い方や、スラッシュ然としたギターワークがそれっぽい。途中クリーンヴォーカルを挟む構成も、メタルコアというよりはEMPERORの「the Prophet」や「the Eruption」などの名曲を意識してそうな感じ。歌詞的には、連呼される「Tree of darkness」といい、カバラ辺りからの影響が強そう。


HATRED ANGEL - GOD FORSAKEN ★★★ (2010-05-15 20:30:00)

2010年の3rdアルバム。
メディアがプレスCDにレベルアップすると同時に、値段もメジャー価格に…(笑)。「I don't wanna die...」では、メロデスとメロブラの中間のような音楽性でしたが、今作は完全にメロデス方向に舵を切ってきましたね。

…しかしこの作品、メロデスとしてもかなり特異なのではないでしょうか。
前作でも素晴らしかったメロディが更に前面に出され、終始メロディアスなリードギターが楽しめる作風に。しかも、このリードギターのメロディが一般的なメロデスよりもかなり歌メロ然としてるんですよね…。勿論、ギターによるメロなので、歌うには難しいメロも当然あるんですが、A→B→サビ的な流れの良さが歌モノっぽいです。
Aメロから泣き全開のクラシカルな歌謡メタルを、歌メロ部分をギターに置き換えて、各メロに対応する歌詞をデスヴォイスで乗せたら、こういう音になりそう。

…メロデスって、例えば「美と醜の対比」「リフの美学」や、「エモーショナルなギタープレイ」など、メロディそのもの以外の魅力も取り入れることで、初めて名盤たる質が備わると思うんですが…このアルバムは、メロディだけを取っても十二分に名盤と言える質の高さがあると思う。
例えば、メロデスの金字塔であるARCH ENEMYの「Burning Bridge」やクサメロデスの名盤、SERPENTの「xGODx」でも、収録曲をオルゴールのみのアレンジしたら退屈になると思う。でもこのアルバムは、例えそういうアレンジでさえ、全編聴かせてしまう程メロディの質が高いです。
…念の為言っておきますが、決して「メロディだけ」の作品ではないですよ。ライブバンドだけあって、演奏それ自体もかっこいいです。

ただ、プレスCDになったのにも関わらず、相変わらずデモのようなダイナミクスに欠ける音質だったり、ヴォーカルが迫力のない声で棒歌い(棒叫び)してるのはマイナスですね…。これで良いレコーディングエンジニアが付いて、ヴォーカルが良くなればそれこそ唯一無二のバンドになると思うんですが…。まあ、ギターメロを聴かせるために、敢えてヴォーカルは抑えてるのかもしれませんが。

楽曲に関しては、既に天上天下唯我独尊ってレベルです(笑)。
帯の「メロディックデスメタルの常識を覆す」が、全くハッタリに聴こえない作品。こんなに、歌メロ的にリードギターを用いたメロデスは初めて聴きました。


BERGRAVEN - Dödsvisioner ★★ (2010-05-15 10:51:00)

2007年発表の2nd。

ミディアム~スローの重苦しいテンポの展開を中心に、黒く煮え滾るような厚みのあるリフと、アルバムタイトル通りの「死のヴィジョン」が見えてくるような深いダークさを湛えたメロディが絡む作風で、アンビエント的な要素もありかなり実験性高めですが、暫定的に鬱ブラックにカテゴライズしても良さそうな音。メロ部分がトレモロではなく、アルペジオ中心だったり、メロ自体もあからさまな悲痛なものではなく、深くじわじわと侵食するようなものだったり、鬱系では割とイレギュラーな部類の作風だと思います。

このバンド、次のアルバムがデイメアから日本盤もリリースされるほど、その筋からの注目も厚いみたいですが…単にブラックの中でも個性的でレベルが高いだけでなく、鬱感情よりも「怒り」の方が強そうなヴォーカルや、スラッジ並に重々しく引き摺るギターリフと、ミディアムパートでは時にノリの良さも感じさせるリズムの作り出すグルーヴなど、ハードコアに通じる野蛮さもあるのが、レーベルオーナーの好みに合ったのかもしれませんね。この辺りの要素が、バンドの音楽性の特異さになってるとも思いますし。

実験性・凶悪さ・陰鬱さに優れた、芸術性のあるブラックメタル。個性派ブラック好きならお勧めですが、時々静と動のバランスが極端すぎるところもあって、特に導入部のアンビエントパートの静寂から轟音になるところは、漫然と聴いてると未だに体が「ビクッ」となってしまいます(笑)。


1349 - Demonoir ★★★ (2010-05-13 19:39:00)

2010年発表の5th。

前作で見せた、ファストブラックからアンビエント寄りのブラックへの
変化は、ブラック好きの間でも賛否あった(というか、見る限り
否定的な意見も多かった)ようですが、今作はFrostの豪速ドラムを
軸に、それに絡む、時に音の壁を構築するようなヘヴィさや、
時に流麗さすら感じるテクニカルさを感じさせつつ、悪霊じみた
メロディのトレモロを挟むギターワークという、3rdまでの
アンサンブルが大分戻って来た感じがありますね。

速いだけでなく、体感速度の速さやテンションの高さを感じさせる、
Frostのドラミングはやはり最高。ブラックのドラマーの中でも、
「ロックしてる」人だと思います。

ただ、曲間にダーク・アンビエント的な小曲を挟む構成、
トレモロリフが(3rd以前より)少し減り、オールドスクールさの
強くなった曲調、バンドサウンドに僅かに絡められた
サンプリングなどにより、前作で追求した粘液質な邪悪さを、
ファストさを揺り戻しながら今作でもまた追及しているという印象。
語りを交え、もがき苦しむようにがなったり、喉が擦れるような
絶叫をしたりと、表現力の上がったRavnのヴォーカルも、
邪悪さの追求にかなり貢献してますね。相変わらず鋭い声で素晴らしいです。

個人的には、KEEP OF KALESSINやINFERNAL WARなど同様、
非ブラッカーのメタラーにも聴いて欲しい作品。
特にこのアルバムは、豪速で絡み合うギターリフと
ドラミングにはメタルの本質ともいえるアンサンブルの
かっこよさが息づいてると思うし、それに加えてブラック特有の
カルト性も強く感じられる。多少音質に癖はありますが、
ある程度メタルを聴いた人がブラックに入るにもうってつけの
作品なんじゃないかと思います。


ROMAN SO WORDS - Melodies of Memory - 紅蓮ノ華 ★★★ (2010-05-12 00:05:19)

ラス曲もメロスピチューンでダメ押し(笑)
Aメロから歌メロの叙情性、スピード感ともにマックスのテンションでかっ飛ばしていく曲ですが、疾走しっ放しの中で徐々に盛り上げていき、サビでは多幸感を感じるレベルまで引き上げる編曲も見事。そろそろメロスパーの皆さんも鼻血が出てくる頃なのでは(笑)。


ROMAN SO WORDS ★★ (2010-05-12 00:05:00)

MINSTRELIXのYuI氏と、巳稀氏による新プロジェクト。
ミニを聴く限り、歌謡的なメロスピをメインに演っている模様。


ROMAN SO WORDS - Melodies of Memory - 月煌~moon Stone~ ★★★ (2010-05-12 00:04:35)

ダークなプログレメタルやゴシックメタルの要素もあり、曲作りの巧みさを感じさせてくれる曲ではありますが…サビでは複雑さをすっぱりと切り捨て、ごく分かりやすくメロスピしてくれるのが良いですね(笑)。巳稀嬢とJuno嬢、二人の歌声の絡みが、更に曲を華やかに劇的に、そしてクサく彩ってます。


ROMAN SO WORDS - Melodies of Memory - 雪奈 ★★★ (2010-05-12 00:03:42)

1曲目を聴いた限りでは「もしかして非メタル…?」と危惧もしましたが、期待通り、いや期待を大きく上回るメロスピが来て安心。特に「♪彼女の胸に 灯る焔を」辺りの歌メロは、リフの駆動感やドラムの激しさによる疾走感に飽かせて、歌メロが間延びしてしまうバンドとは格が違うクサさです。個人的にメロスピにはこういうメロが乗るのが理想。歌メロのクサさでアニソンに劣るメロスピなんぞ2流2流(注:超私見です・笑)。どこかの民族の結婚式の舞踏曲を攻撃的にしたような華やかなメロと、メタル特有のシンフォな大仰さが交錯する間奏パートも素晴らしい。


ROMAN SO WORDS - Melodies of Memory - Romancing Waltz ★★★ (2010-05-12 00:02:41)

これは…非メタル曲ながらかなりのクサ度ですね。
イントロからRPGのエンディングで、世界が平和になって緑が芽吹く時のBGMみたいなノリですし(笑)。アコーディオンなどを使った、花祭りを思わせる華やかなアンサンブルも良いですね。あまり関係無いですが、地域祭りも、おっさんがテントの下で酒喰らってるようなうっとい雰囲気じゃなくて、こういうお洒落で華やかなノリだったら、私も是非参加したいんだけどなぁ。


ROMAN SO WORDS - Melodies of Memory ★★ (2010-05-12 00:00:00)

2010年発表の4曲入りミニ。TUBEのバラードベストみたいなタイトルですね(笑)。
FAIRY MIRRORのJuno氏が3曲で参加。
1曲目こそ、アコーディオンやストリングスの活躍する、幻想的なトラッド寄りの
非メタル曲で、しかも堂に入った完成度だったので、こっちはメタルを演らないのかな…
と思いましたが…残りの3曲、民族っぽいメロやゴシック/プログレ的なアプローチが
見られるとはいえ、基本は全部歌謡メロスピでした(笑)。それも鬼クオリティの。
…これを聴いて思うのは、「MINSTRELIXでは手を抜いてた!?」という事(笑)。
いや、向こうは編成も大きいし、アンサンブルの絡みや、メタリックな雰囲気の演出の
関係など色々あるんでしょうけど…そういう訝りが頭に浮かぶくらい、メロディに恐ろしい
即効性の高さがある。楽器のフレーズも十二分にクサいですが、特に歌メロは素晴らしく、
それだけで言ったら、普通に同時期に出たDRAGON GUARDIANの新譜(VELGA)を凌駕してるとすら思う。
個人的に、メロスピは歌メロが8割以上だと思うので、この歌メロ重視の作風は最高(笑)。
それを歌う巳稀さんのヴォーカルは…良い意味でアニメっぽさのある声質だと思う。
アニソンの中でも、「女性ヴォーカルの凛とした声質を利用して、シリアスにかっこよく
聴かせる」タイプの曲に合いそうな声。個人的にアニソン要素のあるメタルは、萌え要素が
無い、シリアスタイプの方がいい…というか、萌え系の声は基本ダメなので(笑)、
この声はツボ。なによりメロディの可憐さに合ってると思うし。
MINSTRELIXのメンバーが参加してるし、取り敢えず買ってみようかな…と軽く手を
出しましたが、久し振りに、この手のジャパメタで「誰かにその素晴らしさを伝えたくて、
いても立ってもいられなくなる」というレベルの作品に出会えました。
ぶっちゃけMINSTRELIXよりも全然好きだし、クサいと思います。DRAGON GUARDIANの1stや
3rd、MARCHEN STATIONの1stに匹敵するクサさ。音質が少し弱めなど、多少の欠点も
ありますが、取り敢えずクサメタラーや歌謡メタルファンは買っときましょう。


ICARUS' CRY - 不滅桜花 - 桜 ★★★ (2010-05-10 21:50:29)

ヴォーカルの声質は、コミカルさと哀愁を兼ね備えた、なかなか独特なものだと思いますが…その声質の「哀愁」の部分を最大限に引き出しているのがこの曲。裏返り気味のところとか普通に涙腺に来る。敢えて(唱歌の)「♪さくら、さくら~」風のメロを使わないサビのアレンジも素晴らしい。このメロディは、バラードよりも、これくらいのテンポの方が実は哀愁が引き立つと思う。


ICARUS' CRY - 不滅桜花 - 忠誠と寵愛 ★★★ (2010-05-10 21:46:14)

先行シングルのタイトル曲ともなった曲。
…バンドの一番最初に世に出る音源、表題曲としての役割を十分に果たすクオリティのある曲。特にサビ、原曲のメロをほぼ変えずに使ってますが、「妖々跋扈」という曲のポテンシャルを全て引き出していると言っても良いくらいのクサさ。インストを挟んで、7,8,9の流れは最高です。


ICARUS' CRY - 不滅桜花 - 我輩はぬこである ★★★ (2010-05-10 21:42:11)

素晴らしいです。アルバムでも最高の出来だと思います。
KEYメロやGソロなどではあの和風な原曲からこんなクラシカルなメロを、と感心させ、サビでは原曲のメロディに大幅にアレンジを加えつつ、歌謡メタルとして申し分の無い叙情性を聴かせ感動させる…遠野~のメタルアレンジでは疑いなく最高クラスだと思う。
ただ、歯に衣を着せずに申し上げれば、(めっちゃ個人的ですが)「猫」を「ぬこ」と表記するのは生理的になんかイヤ。猫そのものより、ネットスラングを日常レベルで使いこなすネット中毒のおたくが浮かんでしまう…。まあ、どうでもいいですけど。


ICARUS' CRY - 不滅桜花 - 式神教育委員会 ★★★ (2010-05-10 21:36:41)

サビメロのアレンジは、正直原曲の方がいいと思いますが…イントロのクラシカルな速弾きを交えたメロの弄り方はかなり上手いと思う。ヴォーカリストの声、平成教育委員会のマスコットキャラクターと微妙に似ているような…(笑)癖があるけど、慣れると良い声。
ただ、原作をぶち壊しにしつつ、ネタとしてもそこまで面白くない歌詞はちょっとなぁ…。


ROSE & ROSARY ★★ (2010-05-09 20:16:00)

国産頽廃シンフォ・ゴシック。
SADSの曲に、「ロザリオと薔薇」という曲がありましたが、関連はあるんでしょうか。
向こうはメタル・グラム・ハードコア辺りの要素が強いですが、頽廃性では共通してると思う。


ROSE & ROSARY - Devilsh Alice - Brave ★★ (2010-05-09 20:15:51)

アルバムを頭から聴いていると、いきなりポップな曲が出てきて驚くことと思います。V系バンドの、深夜アニメのタイアップがついてブレイクするきっかけとなる曲…という感じの曲調。アルバムの他の曲とは一線を画してますが、間奏の圧迫感のあるキーボードなどはやっぱり彼らならではという感じ。


ROSE & ROSARY - Devilsh Alice - Patient ★★★ (2010-05-09 20:14:51)

イントロや間奏など、至るところにプログレメタルからの影響を感じさせる曲で、特にキーボードとユニゾンしたり印象的なフレーズを弾いたりするベースがかっこいいです。寧ろベースメインの曲と言っても過言ではないと思う。敢えて感情を押し殺しながら歌うようなヴォーカルのパフォーマンスも良い感じですね。


ROSE & ROSARY - Devilsh Alice - 架音 ★★★ (2010-05-09 20:13:47)

これは…何だか圧倒的な感じがしますね…。
人類をアセンションするための啓示を受けた人たちが作った、と言っても信憑性がありそうなくらい、神々しい雰囲気の演出が徹底してる。聴き手の魂をそれこそ別次元に連れて行くような、宗教じみたカルトな雰囲気。関係ないですが、Liv Moonにはこういう曲をこそ演って欲しかったんですけどね…。


ROSE & ROSARY - Devilsh Alice - 黄泉平良坂ラブロマンス ★★★ (2010-05-09 20:09:57)

タイトルのセンスや、煌びやかなキーボード+疾走感からは、最近のALI PROJECTのシングル曲を彷彿とさせますが…実際はもう少しダークな路線ですね。アトモスフェリックなキーボードはシンフォブラックを、煌びやかな方はクサメタルを思わせ、強くメタルを連想する音でもあります。クラシカルで、僅かに歌謡性も残した歌メロも私好みです。


ROSE & ROSARY - Devilsh Alice - Zodiac ★★★ (2010-05-09 20:09:07)

ドローンめいたベースとアトモスフェリックなキーボードが作り出す暗黒に、ヘヴィなギターリフが雷鳴のように切り込んでくる、音作りの巧さが光る曲。「雷鳴飲み込み広がる暗黒のイメージ」その言葉通りの音像。この音こそが、ヴォーカルにもカリスマ性を与えていると思う。タイトル的には占星術っぽいですが、音は寧ろ「占星呪術」っぽい雰囲気です。


ROSE & ROSARY - Devilsh Alice - Rose of Misery ★★★ (2010-05-09 20:08:08)

徹底して真性エレクトロ・ゴシックファンに受けそうな頽廃的な世界観を描きつつも、要所ではこういうV系的な取っ付きやすさを備えながら、世界観を保った曲を入れてくる辺りバランス感覚が良いですよね。メンバーのコーラスが若干浮いてる感はありますが…。でも、「♪You must be don't BETRAY me!!!」ってどういう意味なんでしょう(笑)。個人的には「汝確かに在りし、私を裏切ること莫れ」的な訳を当てたいんですが…この世界観で文法ミスとかめっちゃ萎えるんで…。


ICARUS' CRY - 不滅桜花 ★★ (2010-05-09 17:52:00)

2010年発表の1st。
「東方妖々夢」のメタル・ヴォーカルアレンジ。
個人的に理想の女性ヴォーカルメロスピを体現していると思うバンドである
UNLUCKY MORPHEUSのyuki(平野幸村)氏の新バンドと言う事で、期待しながら購入しましたが…
ピロピロ弾きまくりのギター&煌びやかなキーボードを軸に疾走するスタイルで、
男性ヴォーカル版のUNLUCKY MORPHEUSという感じの作風で、期待を裏切らないクオリティ。
男性ヴォーカルも、中性的でやや癖の強い声質ながら、この手にありがちな変な暑苦しさや
妙な脱力感はなく、なかなか良い声だと思います。個人的には、子音にやたら力を込める
発音に味があって好き(笑)。
UNLUCKY MORPEUSがほぼ原曲通りのメロディを採用しているのに対し、こっちはメロディ
それ自体にも大きく手を加える傾向があるのが違いですね。2曲目なんかは正直原曲の
メロディの方が良いと思いますが、7曲目は良い按配に「歌謡メタル的な」メロディに
なっていてなかなかです。また、UNLUCKY~が基本シリアスな歌詞なのに対し、こっちは
コミカルなものも多いという特徴もありますが…正直、このバンドのギャグセンスは私には
合わないなぁ…。2・7曲目なんて「こんな藍や橙は嫌だ」っていう感じの歌詞だし。
シリアスものも、UNLUCKY~の方が表現が巧いと思う。
まあ、UNLUCKY MORPHEUSが好きで男性Voも行けるなら買って損はないかと。
ちなみに、UNLUCKY~が略して「あんきも」なのに対し、こっちは「いくら」だそうです(笑)


DIABOLI ★★ (2010-05-05 21:42:00)

フィンランド産・Northern Heritage所属のブラックメタルバンド。
2002年にHrim Grimn'r氏が自殺で亡くなってからは、Petri “Pete"
Ilvespakka氏の独り体制で活動しているとか。そのPete氏も、殺人未遂や
暴力沙汰で何度か刑務所に入ったことがあるらしいです。音以上に殺伐とした
経歴がありますね…。前身バンドもカウントすると、92年から既に活動を
しているベテランでもあります。


DIABOLI - Invocation - Die So You Can Live ★★★ (2010-05-05 21:41:34)

ベースが殊更に強調された音質のアルバムですが、この曲は結構ギターリフが前に出てますね。気温を下げると言うより、恐怖で聴き手の体温を直接下げにかかる暗黒リフ。叙情方向におもねりすぎないメロディの良さがありますね(クサメロ大好きな私が言っても説得力無いけど・笑)。狂気以前に、センスがいいバンドだと思う。


DIABOLI - Invocation - A World to Burn ★★★ (2010-05-05 21:40:26)

この手のプリブラとしては珍しく(短いけど)ギターソロがありますが…このメロディが如何にも黎明期ブラックにありそうな邪悪さでかっこいいですね。「燃やすべき世界」という曲名からして、人を寄せ付けない雰囲気全開です。


DIABOLI - Invocation ★★ (2010-05-05 21:37:00)

2010年発表の6th。
不謹慎ですけど、ぶっちゃけバンドの経歴に惹かれて購入しました(笑)。余りのミーハーさ加減に自分自身呆れてます(笑)。

音としては、オールドスクールなダーティさと、北欧のバンド特有の寒々しいリフセンスの良いとこ取りをした、如何にもなプリミティブブラック。プリミティブ系を普段から聴いている人であれば、まぁ外すことは無いだろう、という感じですが…92年から活動してて、未だにこういう未洗練さ・未加工の荒々しさを魅力とする作風とは…本当に、アンダーグラウンドに音楽人生捧げてますって感じなんだろうなぁ…。

この作品の大きな特徴としては、ベースの聴いた音質が挙げられると思います。よくデモテープ起こしの作品とかで、ベースの音量がやたら大きく、曲の輪郭が不明瞭な代わりに、独特の澱みや汚さがある音がありますが…その手の音を、アングラな魅力を損なわずに、(プリブラ好きには)普通に聴けるように改良した…という感じの音。

反面ヴォーカルやギターリフは引っ込み気味ですが、メロディを弾く所ではそれなりにギターも聴こえるし、大抵ベースがユニゾンしてるので、メロの良さを殺しているということはありません。むしろベースのトレモロに圧迫される感覚が心地良くて好きです、この音。

ただ、ヴォーカルはプロフィールから想像するような、あからさまな「狂気」をウリにしたような感じではなく、低音で割と淡々とがなる感じなのは好みが分かれるかも。個人的には、篭もった音質とも相まって、静かに燃える、根深い狂気が息づいているようで好み。作り物ではない、「ホンモノ」の威厳が感じられるというか。

Northern Heritageらしい、「アングラな価値観」の中での質の高さの光る作品。しかし、このバンドはベースの音にこだわると言う手法を取ってますが、プリブラの価値観追求にもそのバンドごとの方法論があって面白いですよね。やっぱりブラックって深いです。


VROLOK ★★ (2010-05-03 14:57:00)

アメリカ産アンビエント・ブラック。
関連メンバーがMORTIFERA(フランス)、NOX INFERI(オーストラリア)と何気に
ワールドワイド。ブックレットによると、アイスランドでレコーディングとかも
してるらしいし…鬱系に近い音でありながら、実は世界を股にかけて活動してる模様です。


VROLOK - Void (The Divine Abortion) ★★ (2010-05-03 14:56:00)

2007年発表の…ブックレットによると2ndらしいです。

音的には…ノイジーに引き摺るリフといい、葬式めいたメロディといい、ドゥーム的な要素もかなり強いアンビエント寄りのブラック。特に4曲目、空気を震わせながら引き摺るリフの音色なんて、ほぼスラッジに近いといえると思う。この手にしては珍しく、キーボードを使用しないタイプで、代わりにハーモニカや、聖歌や効果音、映画からの引用などのサンプリングを用いて、雰囲気を演出するのも特徴ですね。

また、クレジットによるとドラムトリガーも使用していないそうですが…それがかなり効果を上げている感じがします。普通、音楽に「方向」なんて概念は無いですが…この作品の、特に疾走パートにおいて、下に落ちていくような錯覚を覚えるのは、独特のリズムをこの音色で演っているからだと思う。それと引き摺り系の、葬式メロディのリフが絡むと、まるで視界が黒く染まり、腐り爛れて落ちていくかのような感覚があります。

特に前半、出足の遅い曲が多いため、パッと聴いた分には少し取っ付き辛さを感じるかもしれませんが、それを補ってあまりある個性と暗黒性を感じさせてくれる作品です。鬱系に近い世界観でありながら、異なる方法でそれを描いている辺りに、個性があるように思います。


BROWN JENKINS ★★ (2010-05-02 08:53:00)

アメリカ産ブラック/ドゥーム。
06年に発足し、既に活動を停止している、短命のバンド。
しかし今までに出した2枚のアルバムはカルトな支持を得ている模様。


BROWN JENKINS - Death Obsession ★★★ (2010-05-02 08:52:00)

2010年発表の2nd。
LEVIATHANやSARGEISTなど、カルトなリリースで注目を集めるMoribund Recordsより発売。

これ、タイプとしてはディプレッシブ/アヴァンギャルド・ブラックになるんでしょうか。独自のヴィジョンを追求するバンドの多いこのジャンルの中でも、頭一つ抜けた奇妙な音楽性だと思います。まず羽虫の羽音など、人間が作り出した音階ではない音を模しているとしか思えないような、気味の悪いメロディを、ノイズを引き摺りながら奏でていくリフだけでも、「グロ注意」のタグを付けたくなるレベルですが…

そこに絡んでいくのが、ロック調の妙に躍動感のあるドラムと、ノリの良さすら感じられる、よく動くベースというのがまたグロいんですよね。普通に鬱ブラック的なスローパートもあり、そういうパートでは「メロディが毒々しくて、ベースラインが催眠的なディプレッシブ・ブラック」として受け入れられなくもないですが…

これらの躍動感あるリズムが絡むパートは、もう「催眠的」「幻惑的」というレベルを軽く通り越して、「殺人/自殺念慮誘発的」という域まで達してます…というのは、言いすぎでしょうか。まあ、間違いなくある程度ブラックを聴きこんでいる人でも、聴いた事の無いような不条理でグロテスクな世界が待ち受けている、とは、最低でも言えると思う。

カナダ辺りの個性派ブラックを漁っている人にはかなりお勧めのアルバム。カルトな支持を受けるのも理解できる、非常に個性的な作品に仕上がってると思います。


VOND - Selvmord ★★ (2010-05-01 21:31:00)

1994年発表の1st。タイトルは「自殺」の意。
裸で女性の首に刃物を突きつける、体を張ったジャケットが目印です(笑)。

今はエレクトロゴシック路線に活路を見出しているようですが、当時はシンセ・アンビエントに傾倒していたようで、MORTIISの初期作品と同様のアンビエントを演ってます。正直、名義を分ける必要があるのか疑問に思うくらい(笑)、酷似した路線の作風。
敢えて違いを挙げれば、持続音を抑鬱を感じるほど質量感のある音にし、圧迫感を出してダークなメロディを響かせる、犀の河原を彷徨うような悲愴なメロディを聴かせる、シンセを鬼火のような幽玄さのある音色にする…など、ややダークな表現が多めな事でしょうか。

ちなみに、この作品にも裏話的なライナーがありますが…このアルバムのタイトルを「自殺」とした理由について、当時の死と闇への奇妙なまでの妄執を挙げてますが…その原因は当時の、ロックスターになりたがりの兄(弟?)と、鬱で台所で寝起きする母親を持つ彼女と同居しているという生活環境のせいだとしていますが、妹がこんな怪しいブラックメタラー連れて来たら私だったら追い出します(笑)。何されるか分かったもんじゃないもん(笑)。もしかして、ジャケットの女性は彼女で、場所はそのアパートだったりして…。もしそうだったら、凄い寛容だと思うんですが(笑)。


MAGNA MATER ★★ (2010-05-01 21:27:00)

バンド名は「大いなる母」の意。大地母神を差す言葉でもあるとか。
美希嬢と泰鳳氏(APSALUSのTaihoo氏)によるメタル・ユニット。


MAGNA MATER - 御旗の下に - 辿りつける光 (2010-05-01 21:26:27)

いかにもゲーム世代のコンポーザーが作った感じの、明るいメロが聴ける曲。色々困難もあったけど、それを乗り越えて絆深まった二人はこれからも進んでくのさ!的なエンディングのテキスト/ノベル系ゲームのエンディングに合いそう。さすが、1曲目でEROGENOYARISUGIとか意味不明・意図不明のカミングアウトをしてるだけはあります(笑)


MAGNA MATER - 御旗の下に - 御旗の下に ★★ (2010-05-01 21:25:24)

陰陽座やFLUORITEの王道曲をシンセ重視にしたような、歌謡曲的キャッチーさのある曲。やはりこういう曲は良いですね。陰陽座と比べると演奏力もキャッチーさも、アレンジ力も一歩及んでない感じはしますが、サビへの入りのヴォーカルとか、かっこいいと思える部分もかなりあります。明らかにB級な男声ヴォーカルや、女性ヴォーカルの伸びの足りないハイトーンシャウトなど、改善点もありますが。


MAGNA MATER - 御旗の下に - Igusirayonegore~召喚術式~ (2010-05-01 21:24:02)

ややプログレの影響の強い、導入曲ですが…曲は別に悪くないんですが、タイトルを逆からローマ字読みしてみてください。やる気あるんでしょうか。「滑る」というのは、こういうことを言うんだろうなあ…。


MORTUALIA ★★ (2010-04-29 11:53:00)

フィンランド産鬱ブラック。
SARGEISTを初め、多くのバンドに籍を置く重鎮Shatraugが独りで演ってます。


MORTUALIA - Blood of the Hermit ★★★ (2010-04-29 11:52:00)

2010年発表の2nd。
裏ジャケが何だか可愛らしいですね。森のくまさん的な(笑)。

タイプ的には鬱ブラックですが、割と個性的なスタイルの作品ですね。
鬱ブラックに頻繁に使用されるトレモロリフを排し、ノイジーに引き摺る、ガリガリに歪んだリフの上に、歪みの少ないギターが爪弾くように、物悲しげな中にもどこか壊れた感じのするメロディを重ねていくタイプ。鬱系には珍しく、リードギターがギターソロのように使われるパートも多いですが、使い方のセンスが良いせいか、違和感無いどころか曲の寂寥感を更に上げてます。

ヴォーカルは鬱ブラックに典型的な、SILENCERタイプの裏返り気味な、歪みの少ない高音ですが…もう悲痛さの表現が行き過ぎてて、逆に笑えてくる一歩手前みたいな凄まじさ。「哀れを誘う声」というのは、こういう声のことを言うのではないでしょうか(笑)。SARGEISTとはまた別の視点からブラック観を追求した作品。Shatraugもまた、ブラックメタルに魅入られて戻れなくなった一人だなぁ…という事が良く分かるアルバムです(笑)。


WOODS OF DESOLATION - Toward the Depths ★★ (2010-04-29 06:47:00)

2008年発表の1st。
バンド名の「荒廃の森」、アルバムタイトルの「深淵に向かって」という言葉からは、聴いていると死にたくなるような音を予想してましたが…良い意味で裏切られました。

スローなテンポで物悲しいリフを奏でていく作風は、いわゆる「鬱ブラック」の範疇で語られる音だとは思いますが…メロディのエモーショナルさ・儚い哀愁にはALCESTなど、トレモロリフを中心に組み立てていく曲展開にはKRALLICEなど、シューゲイザー系のブラックに通じる要素も強いのが特徴ですね。ただ、こちらは闇の奥から響いてくるような、割れ気味のヴォーカルや、荒く厚いギターノイズに覆われた、枯れた雰囲気を漂わせる音質など、アングラなブラックならではのカルト性もまた高いのが、他の多くのシューゲイザー系ブラックとの違いでしょうか。

シューゲイザー寄りのブラックや鬱系ブラックが好きな方以外にも、「Rasluka Pt1/Pt2」「Geliebte des Regens」期のNARGAROTHのような、エモーショナルなメロディをミニマルに繰り返していく作風が好きな方にもお勧め。鬱系の中でも「哀愁」の特に強い好盤です。


SARGEIST - Tyranny Returns ★★ (2010-04-29 00:58:00)

2001年発表のデモを、05年にMoribund RecordsがCD化して再発したもの。
同レーベルから1stが先にリリースされてますが、制作年はこちらの方が先。
まずイントロにあたる1曲目から、「クサメロ」と言っても過言ではないほどの印象的な
メロディのリフで攻める展開で、「これはメロウさを武器としたプリブラかな…?」と
思わせますが…本編は、アトモスフェリックなキーを導入した曲、名作「Transylvanian
Hunger」期のDARKTHRONEのような荒涼感を醸し出す曲もありますが、基本的にはRAWで、
スラッシュの影響が強い、ダーティなタイプ。本編は多くの曲でリフのメロディが
死にかけているレベルのRAWさですが、この生々しさがかっこいいですね。
ただ、イントロや間奏曲、キーボードなどのメロディを聴く限り、「メロウなプリブラ」でも
名盤クラスの作品を作る実力のあるバンドだと思う。独りブラックのMORTUALIAを始め、
数々のブラックメタルバンドに関わるShatraugは、活動の活発さでも、アングラな妖気を
表現する才能でも、MikkoやSatanic Tyrant Werewolfと並ぶ、フィニッシュ・ブラックの
重鎮と呼べる存在なのかもしれませんね。


GNAW THEIR TONGUES - All the Dread Magnificence of Perversity ★★ (2010-04-27 18:18:00)

2009年発表の4th。

このバンドはオランダ出身の独りノイズ/ブラックで、この手の中でも評価の高いアーティストと言う事ですが…この作品を聴く限り、ブラック的な要素は濃密な邪悪さ漂う雰囲気や、絶叫ヴォーカルくらいで、手法の方はほとんどノイズ/アヴァンギャルドですね。

それだけで辺りの雰囲気を真っ黒く染め上げるような、空気を振るわせるドローンがほぼ常時鳴り響く中で、メロディを追うのではなく、ひたすら恐怖感を演出する管楽器、病気じみたサンプリング、聴き手の焦燥感や恐怖感を煽るドラム、耳を聾するノイズ、ただただ苦痛を訴えるようなヴォーカル…など、健全な肉体に健全な魂を宿す、良識ある人間に取っては「毒」にしかならない音素を、いくつも重ねていく作風。

もちろん、病んだ音楽を所望する諸兄には、これらの要素は当然プラスに働くでしょう(笑)。空気の響きすら演出できるドローンや、意外にも繊細さのあるノイズの使い方など、音使いは素人耳にも明らかに巧みで、決して「カルトさに胡座をかいて雑音を垂れ流す」と切り捨てられないレベルの高さがあるのが、逆に性質悪いです(笑)。


一噌幸弘 - ふ、ふ、ふ、 - 一噌幸弘 しらせlive ★★ (2010-04-26 18:14:00)

2005年のライブを収めたライブ盤。2006年発表。
ヴァイオリンはプログレバンドKBBの壷井さんが担当。
能管(田楽笛・篠笛・リコーダー)、ヴァイオリン、ギター、タブラ、太鼓という編成での演奏。
ライナーには、音程を出しづらく作ってあるという能管で、テクニカルなフレーズを吹く事への
凄さや、インド音楽のリズムなどについて色々書かれてますが…正直、音楽理論が全く
分からない、単なる好事家に過ぎない私には、内容が高度すぎて全く付いていけません(笑)。
…が、そんな私にも、達人同士が呼吸を合わせて演奏する様が伝わってくるほど、緊張感の
ある音で、楽器同士の技巧的な絡み合いという点では確実にメタルに通じるものがあると思う。
しかも、使用楽器や各人の音楽的ルーツのせいか、メタルよりも数段オーガニックな
アンサンブルだと思います。特にタブラと太鼓の楽器の中で反響するような音色のリズムに、
能管とヴァイオリンが深みのある日本的なメロディを乗せ、その景色をギターが広げていく
音像には、何か「悠久の響き」のようなものが、リアルに感じられるんですよね。
…ライナーには、能楽を「徹底的に音を削ぎ落とし、一瞬の響きに森羅万象を表す、音による
抽象画」と定義していますが…能楽はよく学校でも習いますが、正直、それを小中学生に
理解させるのは酷だと思う。ぶっちゃけ私も分かんないし(苦笑)。しかしこれくらい
ドラマティックで、技巧が「かっこよく」聴こえる音なら、必ず何か感じるものがあるはず。
時にゲーム音楽顔負けの愛想の良さのあるメロディ、一聴して超絶技巧の持ち主の集まりで
ある事が分かるアンサンブル、高度な音楽性…はっきり言って、その辺の商業ポップス
なんかよりよっぽどサービスの行き届いた、旨みのある音だと思います。
一噌さんは、ブラックメタルバンド(QUEST FOR BLOOD)とのコラボもしており、メタラーにも
ある程度名前が知れた存在ですが…これ聴いてると、他にも色々なコラボが思い浮かんで
心が躍りますね。例えば…ブラック由来のリチュアル・アンビエントに、タブラや太鼓を
絡めたら…考えただけでも垂涎ものなんですが(笑)。


KRALLICE - Dimensional Bleedthrough ★★★ (2010-04-26 18:05:00)

2009年発表の2nd。

曲の殆どをトレモロで弾き倒しているだけだというのに、明らかにテクニカルで、劇的な世界観を演出してしまうスタイルの前作には、「驚愕」レベルでの衝撃を受けたんですが…今作もその路線を継承、またもトレモロフェチにはたまらない音源になってます。

特殊なギターを使用しているらしい、独特な音色のトレモロももちろん引き継いでます。前作と比べると、ギターだけでなくドラムもテクニカルで攻撃的なフレーズを叩いていたり、懸念材料であったヴォーカルが凄みを増していたり、カオティックなメロを紡ぐアルペジオもあったりして、ブラック本来の攻撃性や邪悪さが揺り戻されている印象。

前作は、儚いメロやミニマルな展開など、シューゲイザーに通じる=メタルから離れた価値観も取り込むことで独自の世界を構築していましたが、今作は一周回って攻撃性や技巧など、エクストリームメタル本来の魅力も更に強調されているような印象を受けました。

個人的に、この作品って伝統芸能とか、アートロックに通じる近寄り難さを感じるんですよね…自分達が崇高で芸術的な音楽を演っていることに、誇りと確信を持っているような感じ。まあ、本人達がどう思っているかは分からないし、崇高さや芸術性はともかく、それらにしばしば付随する難解さはあまり無いですけど。

前作同様、聴けば「トレモロリフの魅力とは何か」が良く分かる名盤。
ただエンディングだけは正直嫌いかも。頭痛くなるんですけど…。


THE BREATHING PROCESS - Odyssey (Un) Dead - Hordes ★★★ (2010-04-25 16:10:50)

曲の粒が揃ったこのアルバムの中でも、個人的に一番の名曲だと思う。
…いよいよもって、本格的にクラシックを習った人でないと書けないのでは?と思わせるほど、クラシック志向の強いメロディになって来てます。これだけメロディが素晴らしいのに、攻撃性にも何ら妥協は無いですからね…特にラストのブラストは恐ろしくかっこいいです。


THE BREATHING PROCESS - Odyssey (Un) Dead - Metamorphosis ★★★ (2010-04-25 16:09:56)

この曲は、キーボードを取っ払ったら割とメロデスに近いサウンドになりそうですね。リフ使いにグルーヴやうねりが感じられると言うか。この辺りのセンスが、ABIGAIL WILLIAMSやSOTHIS等のバンドとは一線を画している所だと思います。


THE BREATHING PROCESS - Odyssey (Un) Dead - Odyssey (Un) Dead ★★★ (2010-04-25 16:09:05)

サウンドこそブラック由来の暴虐性の高さですが、女性ヴォーカルやキーボードのメロディの醸し出す耽美性は、最早シンフォブラックの域を超えて超一流のシンフォゴシックに匹敵すると思う。 ギターも一曲を通じて泣きのフレーズを奏で続けていてなかなかです。


THE BREATHING PROCESS - Odyssey (Un) Dead - Pantheon Unraveling ★★★ (2010-04-25 16:08:09)

フューチャリスティックなキーボードだけではなく、エレクトロゴシックから影響を受けたようなリズムを「さらっと」盛り込んでしまう辺りが流石ですね…。こういう曲展開を、何ら特別な事として捉えていないかのような自然さ。


THE BREATHING PROCESS - Odyssey (Un) Dead - Vultures ★★★ (2010-04-25 16:07:15)

これは後半からエンディングにかけての展開が素晴らしいなぁ…特にアルペジオに女性ヴォーカルやキーボードが乗るパートでは、決して一流シンフォ系のテンプレートをなぞっただけでは作りえない、確固たるフレーズ作りの才能を感じられます。


THE BREATHING PROCESS - Odyssey (Un) Dead - Leveler ★★★ (2010-04-25 16:06:22)

これを聴いて、明らかに一流のシンフォブラックと言える音を出しているバンドが増えている今にあって、頭一つ抜けているセンスがあるバンドである事を確信しました。ブラスト地獄の中に入る流麗なピアノメロが実に素晴らしい。


THE BREATHING PROCESS - Odyssey (Un) Dead ★★★ (2010-04-25 16:02:00)

2010年発表の2nd。

ショップの紹介文では、メタルコアやデスコアなど、「コア系」のバンドが引き合いに出されていたので、少し手を出すのに躊躇ってしまった(個人的に、「~コア」と「耽美」というフレーズが、今一つ結びつかないので…)んですが、コア要素は所々で聴けるモッシュ誘発系のリフやリズムの構成、女性ノーマルヴォーカルの歌い上げくらいで、基本的にはABGAIL WILLIAMSやSOTHISなどと同系統の、最近アメリカに多発しつつある絢爛なシンフォニック・ブラック。

前者のバンドがブラック由来のトレモロリフを多用する傾向にあるのに対し、こっちはメロデスやメタルコア的な、厚みとグルーヴを重視したリフが多いのが特徴。また、前者バンドがシンフォニック・ブラック本来の絢爛さを今風の感性でブーストしているのに対し、こっちはキーボードにフューチャリスティックな音を入れたり、エレクトロゴシック的な音色やシンフォゴシック的女性ヴォーカルを起用したり、手法そのものがもっと今風だと思う。

曲構成の巧みさ、音の暴虐性、デス的な咆哮とブラックの絶叫を使い分けるヴォーカルの迫力など、どの要素を取ってみても一流で、隙のない完成度を誇ってますが…真に素晴らしいのはキーボードの奏でるメロディ。他のシンフォ系バンドと比べても、明らかに本格的なクラシック志向の上品さがあって、各曲ごとのフレーズが凄く印象に残る。質が高くとも、金太郎飴になりがちなこのジャンルにおいて、このキーボードの存在はかなり大きいのではないでしょうか。

そういう訳で、またしてもアメリカからシンフォブラック好き必聴の作品が出てきましたね。メタルコアがメロデスを愛聴しているリスナーが、最初に手を出してみるシンフォブラックとしては、DIMMU BORGIR等の大御所やABIGAIL WILLIAMSなどの新星よりも良い作品かも。


TRIPTYKON - Eparistera Daimones ★★★ (2010-04-25 10:38:00)

2010年発表の1st。

…基本的には、スラッシュベースでありながら、スラッジ並の異常なヘヴィネスや、ブラックの邪悪さまでも呑み込んで別の何かになってしまった、「Monotheist」の路線を引き継いでますね。非デス声ながら、ブラック然とした凶悪さ、威厳を増し、世の中の苦痛を全て背負って言葉を吐き出すようなヴォーカルを始め、邪悪さは更に上がっている印象。

特に最近のブラックの新しいバンドに顕著なんですが、邪悪さを追及するのに、例えば音質を故意に落とすであるとか、アンビエントやノイズと融合するであるとか、様々なバンドが様々な手法を用いていますが…このバンドは、スラッジ的な重さや、クラシック的なピアノの導入など、他ジャンルとの混交も一部にあれど、基本的には「リフ」が邪悪さの全てを担っているのに凄みを感じるんですよね…。「Monotheist」の時も褒めましたが、こんな周りの空気すらガン化させるような、黒い狂熱を孕んだリフを聴かせてくれるバンドは、メタルの歴史全てを紐解いたとしても、ほとんどいないと言っていいのではないでしょうか。

…「時代を築いた」と言えるほどに後続に影響を与えたバンドが、全盛期の勢いを失って只の懐古趣味や、全盛期の作風の縮小再生産、新しい事に手を出そうとして空滑りする…等して、駄作を作ってしまうことは珍しくないですが…このTRIPTYKONはそういう位置からは最も遠い所にいると言えるのではないでしょうか。これだけメジャーなバンドでありながら、どんなにアングラな、カルトなバンドと比べても邪悪さで劣ることは先ずありません。

メタルでも最高級の邪悪さ・異形性を、新人バンド顔負けのフレッシュさで届けてくれる名盤。ただ、3ヶ月限定のスペシャル・エディションというのは何か引っかかるなぁ…。期間過ぎた後に、デラックス・エディション発売とか狡い真似だけは止めて欲しいです(笑)。


ODEM ARCARUM - Outrageous Reverie Above the Erosion of Barren Earth - Worlds of Barren Land ★★★ (2010-04-24 18:44:37)

「Ye Entrancemperium」や「I am the Black Wizards」辺りのEMPERORのクラシックな名曲に通じるものがある…ような気がしないでもない曲。でも個人的には、EMPEROR的な要素よりもプログレッシブで混沌としている部分の方が好きだったり。ほんと、奥深い邪悪さ・暗黒性を感じさせてくれるバンドですよね。


ODEM ARCARUM - Outrageous Reverie Above the Erosion of Barren Earth - Oceans ★★★ (2010-04-24 18:39:41)

プログレにも通じる、怪奇趣味をブラックのトレモロで表現したような、グロテスクで混沌としたリフ捌きからしてその辺のバンドとはレベルが違いすぎますが…途中のアルペジオパートの邪悪さも半端ではないですね。「OCEANS」なんてタイトルが付けられてますが、聴き手を迷妄の「沼」に深く引き込んでいくような音だと思う。


人間椅子 - 真夏の夜の夢 ★★ (2010-04-24 01:37:00)

07年発表の14th。
人間椅子は名前はよく耳にしていたものの、実際に聴くのはこれが初めて。
バンド名からは物凄いドロドロの世界観を想像していたんですが、ロックンロール寄りの
ドゥームがベースにあると思われる、キャッチーでグルーヴィなリフに、微妙に民謡テイスト
入っているような味のあるヴォーカルが乗る、意外にも聴きやすい作風。曲構成や場面の
転換の仕方にはプログレにも通じるものがあって、初聴で「ああ、この曲はこういう曲か」と
思っていても後から予想を裏切るような展開を見せたりして、聴いていてわくわくする音。
おどろおどろしいだけでなく、機知に富んだ歌詞の世界観も面白いですね。
ただ…個人的にはヴォーカルが苦手。ロックの過激さやおどろおどろしさの表現が、
いかにもパフォーマンス然としていて、悪い意味でサブカルっぽさがある感じ。
筋肉少女帯を聴いた時も、同じ理由であまりハマれませんでしたが…。曲や歌詞のセンスは
良いと思うんですが、歌謡曲から音楽ファンになった私としては、似た世界観のバンドでは
犬神サーカス団やストロベリーソングオーケストラの方がより好ましく感じられてしまう…。
せめてシャウトにもっとキレがあればなぁ…。


APATI - Eufori - Eufori ★★★ (2010-04-21 21:19:08)

おそらくタイトルは「多幸感」の意味だと思われますが…何でしょう、この「気力」とか「やる気」というものを根こそぎ奪っていきそうなアルペジオは(笑)。「多幸感」というよりも、それが過ぎ去った後の虚無感…と言った方が、雰囲気的には正しいと思う。


APATI - Eufori - SOMNLOSA NATTER ★★★ (2010-04-21 21:18:10)

ひたすらに悲痛なトレモロリフが押し寄せる、鬱ブラックの要素を強く残した曲。どうしてもLIFELOVERフォロワーとして低い扱いを受けてしまいがちな彼らですが、メロディのセンスなど根幹の部分は確固としたものがあると思う。


APATI - Eufori - Host ★★ (2010-04-21 21:17:19)

LIFELOVERが1st発表前に残した、幻のデモ曲…と言ったら信じられそうなほど、LIFELOVERの様式を踏襲した1曲目。…ファスト系や鬱系などポピュラーなスタイルならともかく、こういう個性派のフォロワーを演るのは風当たり強そうで大変だな…とか思ってしまいます(笑)。演出力は負けてないですが、音量が小さめなのが少し残念。


APATI - Eufori ★★ (2010-04-21 21:12:00)

2008年発表の1st。

鬱ブラックにしては攻撃的なバンド名だなぁ…と思ってましたが、「APATI」は「アパッチ」ではなくて、スウェーデン語で「アパシー」の意味みたいですね(笑)。

ネット上のレビューでも、店頭の販促などでも、このバンドの音楽性を語るとき、ほぼ必ずといっていいほど引き合いに出されるのがLIFELOVERですが…ロックのリズムを取り入れた曲調、鬱系由来のトレモロだけでなくグルーヴィなリフも使うギターワーク、SEを交えた不条理感の演出、倦怠感や妙な生暖かさがあるメロディ…など、本当にLIFELOVERそっくりな音楽性。BURZUMを弱々しく、生々しくしたような絶叫をベースに、突然苛立ちをぶち撒けるキレ所の分からない情緒不安定なヴォーカルも、LIFELOVER的と言えるかも。

これもLIFELOVERとも共通する特性ですが…SEやアートワークによる演出、ピアノのメロディなど、どこかアーバンな雰囲気があるのも特徴ですね。一見、呪術性を重視するプリミティブ系や、土着性に重きを置いたペイガン系とは真逆の路線に思えますが…このバンドやLIFELOVERは都会的なものの中に潜む病巣を描いている感じで、どちらも現代社会に対して否定的なスタンスという点では共通しているのかもしれません。…まあ、歌詞はスウェーデン語なので、全く的外れな意見かもしれませんが…。


ICARUS' CRY ★★ (2010-04-21 21:09:00)

UNLUCKY MORPHEUSのyukiさんが新たに結成したプロジェクト。
個人的にUNLUCKY MORPHEUSは、「これこそ理想のメロスピだ!!」と言う位
感銘を受けたので、こちらも大いに期待してます。


ELITE - We Own The Mountains - VI Skyr Ingen Strid ★★★ (2010-04-19 21:34:27)

バンドサウンドに添えられたキーボードが、ラストに相応しい威厳を見せつける曲。キーの使い方も、いわゆる「シンフォブラック的」なものではなく、あくまで真性の雰囲気を漂わせています。この後にアコギ+SEのエンディングあり。…どこかの山小屋に辿り着いたんでしょうか(笑)。


ELITE - We Own The Mountains - Fodt Til Van Vidd ★★★ (2010-04-19 21:33:25)

途中のファストパートがかっこいいですね。やはりスウェーデンのバンドが持つメロディックさとは、どこか違う感じがするんですが…土着性がより強く練りこまれている点でしょうか。


ELITE - We Own The Mountains - Legend ★★★ (2010-04-19 21:32:38)

左右のチャンネルで、それぞれスラッシーな刻みと、澱むようなトレモロを振っているアンサンブルが耳に残る曲。このバンド、ノルウェジアン・ブラックど真ん中な作風ながら、テンプレ通りになりすぎてつまらなくなる事を、しっかり回避しているのが素晴らしい。


ELITE - We Own The Mountains - Amanita Muscaria ★★★ (2010-04-19 21:31:40)

他の曲は聴いただけでノルウェー産のバンドである事が分かりそうな音出してますが、この曲は少しスウェディッシュっぽい…というか、リフがDISSECTIONを思わせるところがありますね。他の曲よりも、ストレートに寒々しさを表現していると思う。


ELITE - We Own The Mountains ★★ (2010-04-19 21:30:00)

2008年発表の3rd。
タイトルが何か面白いです。「私達は山を所有しています」。
…地主(笑)?しかもバンド名も「エリート」ですし(笑)。
時に寒々しいトレモロリフを、時にスラッシーな刻みリフを、時にうねりを感じさせるリフを、
2本のギターが絡みながら紡いでいく、メロディックなブラックメタル。場面に合わせたリフを
弾いているというよりも、リフが場面そのものを作っているという感じ。この作品、音質は
クリアで適度な重量感もあるし、展開はミニマルではない、むしろドラマティックと言っても
いいくらいなんですが、どこかプリミティブブラックにも通じる雰囲気があると思うんですよね。
リフ主導で場面が展開し、どこかメロに土着性を感じさせる作風のせいかもしれません。
ただ、極端にスピードが速い(もしくは遅い)パートや、あからさまにぶっ壊れたパートなどは
無く、インパクトや個性を求める向きには、もしかしたら合わないかもしれません。私的には、
ブラックメタルを真摯に追求した結果、余計な要素や初聴のインパクトで終わってしまう
突飛さを排し、丁寧にリフを紡いでいく作風に落ち着いた…と、好意的に解釈してますが。
ブラック御三家(EMPEROR、BURZUM、MAYHEM)が時代を築いた直後くらいの、生々しい空気感を
引き継いだ、良質なブラックだと思います。


NAZXUL - Iconoclast ★★★ (2010-04-19 00:08:00)

2009年発表の2nd。
1stが95年発表だから…フルとしては14年もの間があったことになりますね。

メンバーがDROWING THE LIGHT、AUSTERE、NOX INFERI、WOODS OF DESOLATIONなど、豪州産ディプレッシブ/アトモスフェリック・ブラックの名手として知られるバンドにも在籍、ISOLATIONともレーベルメイトという事で、そのアンビエンス(雰囲気・空気感)醸成能力をシンフォニックな方面に向けても、きっと良いものが出来るだろうな…と思い購入しましたが…予想/期待通り応えてくれる作品でした。

キーボード主導の、アトモスフェリックな作風は、LIMBONIC ARTの1stに近い音ですね。こちらの方がギターがある程度前に出てはいますが、刻むにしろトレモロを弾くにしろ、それが不吉で不気味な波形を描いている感じで、キーの音色と溶け合い、更に邪悪な雰囲気を醸し出してます。この辺りは、リフの執拗な繰り返しで雰囲気を演出しなければならない、鬱ブラックの名手ならではのセンスかもしれません。キーボードも音色こそクラシカルな品性のある音ですが、メロディそのものはかなり邪悪。こんな邪悪な音に包まれながらブラストされても、全然疾走しているという感じがしないです。

ただひたすら、堕ちて行っているような雰囲気。そのブラストにしろ、枯れた味わいのあるヴォーカルにしろ、決してキーの醸し出す邪性を阻害するような一線を踏み越えない、やはり音に融けるようなミックスにしているのが上手いですよね。個人的な印象では、メジャー志向に染まらない、アングラな黎明期シンフォブラックに、鬱系やアンビエント系の感性を加えたような作風だと思う。曲の繋ぎのインストからしてシンフォ系よりも鬱系のバンドが使いそうな音色だし。

LIMBONIC ARTは煌びやかな2nd、メタルとしての質の高い5thよりも、邪悪さ最重視の1stこそ至高という方にお勧め。勿論、DROWING THE LIGHTを始めとした鬱系のバンドが好きで、シンフォ系も行けるという方にも推薦です。


NOX INFERI - ADVERSE SPHERES - Ⅳ ★★★ (2010-04-18 09:52:10)

全体的に世界観が統一された作風ですが、敢えて1曲選ぶとしたら4曲目。
木管楽器にも通じる上品な音色のキーボードと、薄いギターノイズのハーモニーが特に素晴らしい。ミニマルで繰り返しの多い音ですが、これなら何時までも聴いていたい気分になれます。


NOX INFERI - ADVERSE SPHERES ★★ (2010-04-18 09:50:00)

2008年発表の1st。

あからさまなノイジーさではなく、うっすらと覆い被さるようなギターの歪みと、厚みのある、空間系のキーボードが混ざり合い、ゆったりとしたテンポの中で立体的なアトモスフェアを醸成する、アンビエント/ディプレッシブブラック。ヴォーカルがこの手に良くあるタイプの泣き叫び系ではなく、妙な生々しさを感じさせる中~低音域のがなり声なのも特徴ですね。

この作品、数あるアトモスフェリックな鬱ブラックの中でも、ギターノイズとキーボードの一体感に優れた音像を提供していると思う。単に絶望的・ダークなだけではなく、どこかクラシカルな上品さも持ち合わせているメロディとも相まって、包容力のある作品に仕上がっている感じ。…映画の主人公が死ぬシーンを、海に沈む太陽で暗喩するとして、そういう場面のバックで流しても合いそうな音。「人生の斜陽」的な(笑)。

ダークなメランコリックさの中に、上品さや儚さも内包した音で、アンビエント/ディプレッシブ系が好きな方以外にも、シューゲイザー系好きな方にも推薦。最近、何気にこの手のバンドで良いの多いなぁ…。


DIABOLICAL MASQUERADE - Nightwork - Rider on the Bonez ★★ (2010-04-17 21:29:11)

神への問いかけに対して、悪魔の声で応えるSEがなんか病気じみてていいなぁ(笑)。芸術性が高くて、メタルとしてもかっこいいだけじゃなく、どこか病んだ退廃性もあるのが魅力だと思います。


DIABOLICAL MASQUERADE - Nightwork - The Eerie Obzidian Circuz ★★★ (2010-04-17 21:28:17)

劇的に…というよりは、戯曲的に暗黒性を追求したかのような曲。
特に効果音的に配置されたキーボードのフレーズが、背中を撫で上げるような恐怖を感じさせてくれます。こういう偏差値高そうな暗黒音楽も良いですよね。


DIABOLICAL MASQUERADE - Nightwork ★★ (2010-04-17 21:26:00)

98年発表の3rd。

世間の認識では、このバンドはアヴァンギャルドなメロディック・ブラックとして名が通っているらしいですが…ヴォーカルの鬼の形相が浮かぶ絶叫こそブラックのスタイルなものの、刻みを多用した、勇壮なギターワークなどはメロデスに通じるものがありますね。

時にメロディアスに、時に効果音的に雰囲気を演出するキーボードといい、クラシックの素養があると思われる、格調高いメロディといい、芸術性の高い、劇的でシアトリカルな作風。芸術性の中に、しっかりとブラック特有の頽廃性・暗黒性も含まれているのが素晴らしい。

ただ、曲自体のオリジナリティ・クオリティ共には文句の付けようも無いんですが、少し録音レベルの小さめな音質や、歌詞のブックレットも付いていない質素な装丁など、曲以外の面で聴き手を自分たちの世界に引き摺り込んでいく工夫が足りないのが本当に惜しい。

その辺りをもう少し拘ってくれれば、多くのメタラーにとって「特別な一枚」となったかもしれない…それ位のポテンシャルはゆうに備えている作品だと思うんですが…。ちなみに、Peacevilleからリマスター盤も出ているそうですが…持ってないので分かりませんが、もしかしたら上記の欠点が無くなって更に素晴らしい作品になってる…かも…?