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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2701-2800

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2701-2800

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MANIERISME - 過去と悲哀 - 葬式 ★★ (2010-04-17 01:44:32)

二本のギターが絡むインスト曲。
…こんな曲葬式で流したら「ざわ…ざわ…」ってなりますよね(笑)。あまりに不吉すぎて。しかし、これを聴くと分かるけどJekyll氏はメロディの持って行き方が凄く上手いと思う。


MANIERISME - 過去と悲哀 - 呪われた運命 ★★★ (2010-04-17 01:42:12)

ヴォーカルの狂気が更に増しているような気が…最早完全に狂れきり、弛緩して眼の焦点の合わない顔で叫び散らしているとしか思えない狂いっ振り。Jekyll氏は、この曲のレコーディングの為に、劇薬を飲んで胸を掻き毟ってのた打ち回りながら叫びました…という嘘情報流したら、信じる人が続出するのでは(笑)。


MANIERISME - 過去と悲哀 - マニエリスム ★★★ (2010-04-17 01:38:30)

毒々しいを通り越して、致死性の猛毒をそのままメロディにしたようなリフが素晴らしい曲。確かに美しくもありますが、聴いているとマジで精神を蝕まれていきそう…その蝕まれたなれの果てが、このヴォーカルでしょう(笑)。


MANIERISME - 過去と悲哀 ★★★ (2010-04-17 01:34:00)

2010年発表の1st(CD-R)。
以前リリースした「MANIERISME」は、1stではなく音源集だったみたいです…。内容ですが、「MANIERISME」にも増して素晴らしい作品ですよ、これ…。

各種レビューサイトを見てみると、このバンドはフレンチブラックからの影響が強いらしいですが…特に耽美的で毒々しく、狂気的なメロディを練りこんだリフを中心に展開していく作風は、MUTIILATIONの3rd以降の影響が強いと思うんですよね。
ただ、この作品に関してはメロディの耽美性やグロテスクさにおいて、遂に本家を凌駕するに至ったという感じ。それにプラスして、相変わらず日本の村社会的な怖さも兼ね備えているというのだから凄すぎます。

ヴォーカルは…最早普通のデスヴォイスが担うべき、曲のリズムを強調したりかっこよく聴かせるという役割を完全に放棄、殆ど「ギェェェ」「ヴェェエ」とか呻き声を発するばかりになってます(笑)。時折、僅かに歌詞っぽいものも聴こえてきますが…何を言っているのか分からないのに、何かを訴えかけてこようとしてるのが分かるのが怖い。
…リアルに精神に疾患を持っている人って、世界そのものが人とは違って見えると言いますがこの人にも常人には理解出来ないコードで世界が見えているのでは…そんなレベルの表現力です。

音質も基本RAWながら、ギターの音には厚みがあり、プリブラとしては割と聴きやすい音。結構メロディを強調してくれるので、病的な世界観にも入っていきやすいのが良いですね。「MANIERISME」のように、演出にこだわりすぎて逆に聴きづらい箇所も無いですし。

取り敢えず日本のブラックやLes Legions Noires関連のブラック、プリブラ全般が好きな方、もしくは何でもいいから日本特有のグロさのある音楽が聴きたいならマスト。日本のブラックの中でも、カルトな支持を集めている理由が良く分かる作品です。


ENTHRONED - Tetra Karcist - The Burning Dawn ★★ (2010-04-16 19:11:21)

不吉なアコギからトレモロリフで聴かせるインスト「Deviant Nerve Angelus」から、シームレスに繋がる5曲目。このブラストパートの気持ち良さは、何気にヴォーカルの貢献も大きいと思う。特に「Open, cynic and cut~」の辺りが切れ味良くてかっこいい。


ENTHRONED ★★ (2010-04-16 19:11:00)

ベルギーの古参ブラックメタルバンド。
既にスタジオフルアルバムを8作リリースしているベテラン。
つい先日、新作がリリースされたみたいですね。


ENTHRONED - Tetra Karcist - Nox ★★★ (2010-04-16 19:10:25)

メジャーなメタルではなかなか味わえない、第六感に働きかけてくるようなスピリチュアルな感覚が、アルバムでも最も強く感じられる曲。同時にブラストを交えた、直截的な攻撃力もかなり高めです(笑)。欲を言えば、妖気を纏うクワイアは、イントロだけに使うのは少し勿体無かったと思う。


ENTHRONED - Tetra Karcist ★★ (2010-04-16 19:08:00)

2007年発表の7th。

タイプとしては、DISSECTIONやNAGLFAR辺りにも近い、メロディックなブラックで、普通にギターソロも入れてくるタイプですが…それらのバンドと比べると、メロディはやや薄い代わりに、ブラストを重視した展開でブルータリティに優れ、第六感に働きかけてくるような、スピリチュアルなカルト性・暗黒性も兼ね備えている作風ですね。ブックレットのジャケットは蠍が描かれてますが、ほんと聴いてると毒が回ってきそうになります(笑)。

やはりこのバンド、ベテランだけあって展開が上手いですよね。特にブラストの使い方・聴かせ方が素晴らしい。音質はクリアながら、メジャーなバンドと比べて少しメロディが引っ込み気味な代わりに、ドラムの抜け、特に金物の響きが良い…という感じなんですが、この音でのブラストはめっちゃ気持ち良く聴こえます。
ヴォーカルも鋭さ十分のがなり声で時に声の伸ばし方に病的さが垣間見え、時にパーカッシブなキレの良さを聴かせてくれ、かなり魅力のある声だと思う。

ただ、このアルバムを最初に聴いた時は、あまりインパクトが無い印象だったんですよね…。特に特別な事・エポックメイキングな事をしていないからかもしれません。暫く間を置いて聴いたら、クオリティの高さと、そこに潜むカルト性に驚きましたが…。メジャークラスの質の高さと、アングラなカルト性の二兎を追う方に、特にお勧めのアルバム。


XASTHUR - Portal of Sorrow ★★★ (2010-04-15 20:34:00)

2010年発表の8th。
…今作を以って、XASTHURは活動を停止するらしいです。

近年では作風が鬱ブラックの王道を離れ、実験的な作風になりつつあったXASTHURですが、今作でその実験性が極まった感じがありますね。フォークに硫酸をぶっかけてドロドロにしたようなアコギを取り入れた曲、初期LIMBONIC ARTやVINTERRIKET並にキーボード中心のアトモスフェリックな曲、ベースの低音やギターノイズを強調し、神経症的な音像を作り出す曲、パーカッションを取り入れて疾走する曲…どの曲においても、暗黒な世界観を演出するために、何らかの実験をしている感じ。まさかXASTHURでメタリックなギターソロまで聴けるとは思いませんでした。今までと比べると、1曲1曲が短めなのも特徴。

ただ、曲によって暗黒世界の追求の手法は違うんですが、全体にフィーチャーされた女性ヴォーカルのせいもあり、今までより頽廃的・ゴシックホラー的な美しさ・儚さが強調された感じで、全体的に統一感のある仕上がりになってますね。メロディ自体も、どこか今までより情感に重きを置いている感じがしますし。まあ、どこをどう聴いても「暗黒」なこの作品を、「ホラー」というエンターテイメント的なものを引き合いに出して語るのは、少し適当でないという気もしますが…。

最早初期の鬱ブラック路線が好きな人よりも、暗黒プログレが好きな人の方が気に入りそうな作風になってます。しかし、これを聴くと、今作で活動停止というのは信じられませんね…まだまだ表現の方法が尽きてない感じしますもん。
ここまで暗黒音楽に没頭していたMaleficのことだし、また何らかの形でシーンに貢献してくれる気がします。簡単には抜けられなさそう(笑)。


THE BLACK ★★ (2010-04-14 21:44:00)

スウェーデン産ブラック。
今は亡きDISSECTIONのJonがかつて在籍していたバンド。現在も活動中です。


THE BLACK - Alongside Death - On the Descent to Hell ★★★ (2010-04-14 21:43:46)

この1曲目を聴いた時、絶対このバンドファストブラックオンリーだと思ってました…アルバム全体では、実際はミドルも結構重視してるんですが、それくらい筋金入りの音。「爆走」とか「爆裂」とか、なにか「爆」の字を使って表現したくなるような迫力があります(笑)。


THE BLACK - Alongside Death - Alongside Death ★★★ (2010-04-14 21:42:21)

アルバムのラストを飾るタイトル曲にして、作品全体を総括するような曲であると思う。体感速度ギリギリの暴走振りを見せつける疾走パートと、不吉なメロディを聴かせるミドルパート、そのどちらをも聴かせてくれる曲。


THE BLACK - Alongside Death ★★ (2010-04-14 21:41:00)

2008年発表の2nd。

ぶっちゃけDISSECTIONのJonがかつて在籍していたバンドが、今どういう音を出しているのか…という興味から購入したんですが、これはなかなか良いですね。Jonの徹底したサタニズム信仰が奇しくもメジャー志向のメタルとして身を結んだDISSECTIONの3rdとは対照的に、アングラさをかなり残した、RAWなブラックメタルを演ってます。

ジギジギと耳を蝕むギターノイズに支配された音質、メロブラの荘厳さや寒々しさではなく、黎明期の真性ブラック的な不吉なメロディなど、大分カルト性の高い作風。緩急のメリハリも付けられていて、疾走パートは1349ばりのブチキレ具合で聴かせてくれるし、スローミドルのパートでは前述の不吉なメロディセンスが底知れない邪悪さを演出してると思う。ヴォーカルも、中音域のがなりで、特に独特なスタイルではないものの、地獄から這い上がってくる亡者のような、粘性の高い叫び声で、曲の邪悪さを底上げしてます。

ちなみに、CD版はPulverized Recordsから2009年に発売され、初回の2000枚は帯・ステッカー付きのブラックケース仕様だとか。…私は何も知らずに買いましたが限定盤を手に入れられたようです。ラッキーかも(笑)。


DESTROYER 666 - Defiance - Sermon to the Dead ★★★ (2010-04-13 23:02:13)

哀メロや朗唱もあり、少しヴァイキングメタル風味もある曲ですが…明らかに普通のヴァイキングの戦士がどうこうというシチュエーションじゃないですよね(笑)。幽霊船の船長が死者に説法をしてるような感じ。もう空なんか、どす黒い通り越して赤黒くなってそう。ジャケット通りの音ですね。


DESTROYER 666 ★★ (2010-04-13 23:02:00)

オーストラリア産ブラックンドスラッシュ/ウォーブラック。
豪州産のバンドながら、何気にNecromorbus Stadioでレコーディングしてたりするんですよね。
クレジット見て驚きました。


DESTROYER 666 - Defiance - Path to Conflict ★★ (2010-04-13 23:01:24)

この曲のギターリフの音、良いなぁ…目の前に巨大な壁が立ちはだかっているような、「暗黒」が立体感を持って迫ってくるような音。


DESTROYER 666 - Defiance - Stand Defiant ★★★ (2010-04-13 23:00:33)

もう入りの時点で伏魔殿が見えてきそうなんですが…抵抗する気も起きなくなるような、圧倒的な暗黒感。レベル1のままラスボスの魔王の城を前にした勇者の気分になれます(笑)。意外と哀愁のある、しかも印象的なメロディが聴けますが…それすら邪悪に聴こえます。音の殺気も然る事ながら、何気にメロディのセンス自体も良いですよね。


DESTROYER 666 - Defiance - The Barricades Are Breaking ★★★ (2010-04-13 22:59:37)

展開の一部やギターのフレーズに、スラッシュ風味は少し感じられるものの、寒々しいリフといいブラスト全開の曲調といい、ほぼ北欧産ファストブラックの音です。しかもDARK FUNERALやMARDUKと比較しても劣らないレベルの高さ。素晴らしい。


DESTROYER 666 - Defiance - I Am Not Deceived ★★★ (2010-04-13 22:58:41)

スラッシュのメタリックさと、ブラックメタルの邪悪さが交じり合い、妙にグロテスクな印象を与えるリフが耳に残る曲。こういう曲聴くと、やっぱりデス/ブラック/スラッシュは如何に印象的なリフを書けるかに懸かってるな…と思います。


DESTROYER 666 - Defiance - Weapons of Conquest ★★ (2010-04-13 22:57:53)

ブラックンド・スラッシュのかっこよさをストレートに伝える1曲目。スラッシュ色の濃い、イカレたリードギターが実にかっこいい。「Weapons of Conquest」…裏ジャケに載ってる、例のアレですね(笑)。


DESTROYER 666 - Defiance ★★ (2010-04-13 22:56:00)

2009年発表の4th。

ブラックンド・スラッシュって、主にスラッシュのダーティな熱気をブラックのアングラさで強調するタイプ(AURA NOIRやCADAVER等)と、ブラック本来のどす黒さ・禍々しさをスラッシュ要素で更に強調するタイプ(IMPIETY等)に分かれると思うんですが、このバンドは後者だと思います。裏ジャケが「剣と盾」ではなく、「剣と棘付き棍棒」なんですが(笑)、正にそこに示唆されている通りの、撲殺されるようなブルータルな作品。

このバンド、スラッシュがベースながら、何気にブラックの中でも様々な手法を取り入れているんですよね…ヴァイキング的な哀メロや朗唱、ファストブラック的なブラストと荘厳リフなど、諸要素を取り入れるだけでなく、そのどのパートにおいても妥協無き邪悪さの追求が行われている感じ。そればかりでなく、ブラックとスラッシュをグロテスクに掛け合わせた、独特なリフなんかも聴けたりします。ヴォーカルも、ブラックの非人間的な凶悪さと、スラッシュのパーカッシブさを併せ持つスタイルで、この音楽性に合っていると思う。

知名度こそ北欧勢と比べるといまいちかもしれませんが、エクストリームメタルが好きならば買って損は無いであろう作品。ただ、ジャケ裏の曲リストには10曲載ってますが…実際には9曲しかありません。ラストの「The Truth」は、隠しトラックか、誤植なんでしょうか。歌詞カードにも載ってないみたいですが…。


PRESTO VIVACE - L'amour Eternel - Love to Shake a Soul (english Version) ★★ (2010-04-12 22:50:13)

2曲目の英語バージョン。
歌詞だけでなく、クラシカルなバラード調から様式美ハードロックへ移行する導入など、展開にも手が加えられているのが美味しい。ただ、英語の発音は微妙…子音に勝手に母音付けて発音するのは、かなり違和感がある…。


PRESTO VIVACE ★★ (2010-04-12 22:50:00)

名古屋出身の様式美ハードロックバンド。
ALFEEなどをルーツに持ち、B'zの松本孝弘さんに師事していた経験もある
ギタリストのYu-G氏と、演歌を屋台骨として持っているシンガーSAKURA嬢の二人組み。


PRESTO VIVACE - L'amour Eternel - Into the Darkness ★★★ (2010-04-12 22:49:18)

個人的な印象では、陰陽座とJanne Da Arcを足してネオクラ要素を加えたような感じの曲。歌メロは、どちらのバンドにも対抗出来るフックがあると思う。特にサビで、声を張りながらキャッチーなメロを歌うヴォーカルがかっこいいです。


PRESTO VIVACE - L'amour Eternel - Eternal Flame ★★ (2010-04-12 22:48:32)

スパニッシュなアコギがかっこいいバラード。
…しかし、歌メロは本当に「こう展開してくれたらいいな…」と思った通りに展開してくれますね(笑)。特にサビの「♪~into decay」「♪~for love」の部分、ベタだからこその素晴らしさがあると思う。


PRESTO VIVACE - L'amour Eternel - Philtre ★★★ (2010-04-12 22:47:45)

シンセサイザーの一部の音色といい、如何にもハードロックなリフといい、クラシカルな要素を除いたら、TUBEの春畑さんが作りそうな曲という印象。松本さん→Being系→TUBE→春畑さんという流れでしょうか。クラシックや歌謡曲を通ってるだけあって、歌メロが上品かつフックがあるもので素晴らしい。


PRESTO VIVACE - L'amour Eternel - Love to Shake a Soul ★★ (2010-04-12 22:46:56)

細かく刻まれるギターリフに、勇壮なサビメロが乗る曲。
このサビメロ、ロボット系アクションゲームのボス戦とかで流してもかっこよさそう。やっぱり歌メロが立ってる曲は良いですね。サビ前など随所で発揮されるクラシカルなフレーズもツボに嵌まります。


PRESTO VIVACE - L'amour Eternel ★★ (2010-04-12 22:45:00)

2007年発表の1st。
何となく、バンド名やタイトルからはクサメタルっぽいものを想像してしまいますが…(笑)
(B'zの)松本さんに師事していたというYu-G氏のネオクラシカルなギターを、
メタルの疾走感ではなく、ハードロックの重厚さに重きを置いたリフに乗せ、そこに演歌を
バックボーンに持つというSAKURA嬢の歌声による、歌謡的なメロディが加わる…という
作風ですが、演歌を通ったシンガーを起用している事が、凄くプラスになっているように思います。
ビブラートの良く掛かる、エモーショナルな歌声はハードロックのリフにも対抗出来る迫力と、
メタルから失われがちな愛想の良さを兼ね備えていると思う。ハードロックに歌謡曲的な
メロディが乗るということで、クサメタラーにもお勧めできそうなキャッチーさもありますが…
ただ単にクサいだけじゃなくて、クラシカルなセンスによって「上品なクサさ」のある作品に
仕上がっている感じ。ただ、ヴォーカルやギターのパフォーマンスはかなり良いんですが、
打ち込みのリズムが少しチープで、ハードロックのグルーヴには合ってない感じがするのが
ちょっと残念。もっとも、このリズムのチョコマカした感じ、個人的には嫌いではないですけど…。


ODEM ARCARUM - Outrageous Reverie Above the Erosion of Barren Earth ★★★ (2010-04-11 22:27:00)

2010年発表の2nd。

この作品で初めて彼らのことを知りましたが…調べてみると何とメンバーがSECRTETS OF THE MOONとLUNAR AURORA絡み、しかも所属レーベルがOsmoseで、95年結成のベテランという事が判明。…ここまで聞くともう、実際にアルバムを買ってどういう音か確かめるよりなくなりますよね(笑)。何と言う私ホイホイな経歴なんだ(笑)。

SECRETS OF THE MOONはロックのふてぶてしいリズムとブラックの暴虐性を対比し、よりどす黒い禍々しさを演出することで、LUNAR AURORAはキーボードの音色に拘り、バンドサウンドの音響を操作することで、邪悪さを「魔性」とまで言えるレベルまで高めていましたが…このバンドは、ある程度オーソドックスなブラックの手法を取りながら、幽玄さと不気味さが同居するメロディやプログレッシブな展開で、同様の「魔性」を表現している感じですね。

特にメロディから受ける印象は、他のブラックと比べるとかなり異質で、邪悪さや荘厳さよりも、何か深い澱みの中に引き込まれるような感覚を覚えるんですよね…。リフもトレモロを多用し、正統なブラックに近いですが、所々プログレ方面に転向してからのDEATHSPELL OMEGAのようなひねくれ感がある気がします。ヴォーカルも、あからさまに狂気的なわけではないですが、この得体の知れない世界観の語り部たる威厳があって良いと思う。

…レーベルの販促シールでは、EMPERORが引き合いに出されてますが…
確かに、プログレッシブに構築された世界観や、メタルとしての純粋な質の高さは通じるものがありますが…正直、一曲一曲の個性という点では明らかにEMPERORの方が上だと思う。こっちは、エクストリームメタルとして確固たる展開の上手さ、クオリティがあるにも関わらず、聴いている間中、実体を掴めない闇の中に囚われた感覚を強く覚える作品で、EMPERORよりも明らかにカルト志向の音源だと思います。

カルト志向のものは好きだけれど、実験的な方向には行かず、一般的なエクストリームメタルとしても質の高いものが聴きたい…そんな方にお勧めのアルバムです。


SATEN - Index of Funeral ★★ (2010-04-09 19:12:00)

沖縄産ブラックンド・ドゥームメタルバンドの1stデモCD-R。2010年発表。

呪いの釘を打ち込むようなリズムと、それに呼応して悪霊が湧き出てくるようなドローンめいたギターの作り出す暗闇に、ピアノによる物悲しげなメロディが乗るスタイル。一般の葬式系ドゥームメタルバンドと比べると、ギターからほぼメロディが排されている事と、ヴォーカルが音と一体化したミックスによって、更にどす黒い情景を描いている感じですね。

葬式系ってモノクロの葬列シーンなどが思い浮かんだりするんですが、この音が想起するのはひたすら真っ黒な景色で、葬式というよりは陵遅刑に処せられている雰囲気。特に音割れも厭わないような悪霊ギターリフの圧力が凄まじいです。


KNIGHTS OF ROUND - The Book Of Awakening - Phoenix rising ★★★ (2010-04-04 20:24:34)

アルバムを取り敢えず順番に聴いていって驚きました。
「これ、(BLOODY SWORDの)摂氏-⑨℃じゃん!!」
勿論こっちはカヴァーではないので、「おてんば恋娘」のメロディは無く、正確には「姉妹曲」なんですが、ギターの泣きフレーズやサビの劇的なメロディなどはそのまま。相変わらずサビメロのセンスは素晴らしく、スピード感や音像の煌びやかさで間延びした歌メロを誤魔化してる有象無象とは比べ物にならない哀愁が篭もってると思う。DRAGON GUARDIANやUNLUCKY MORPHEUSにも太刀打ちできるレベルのキャッチーさで、ライブでは大合唱必至でしょう。
…ただ、「摂氏-⑨℃」は、日本が生み出した至高のクサメロ「おてんば恋娘」の、メロディの「その先」を描いている曲だと思い、心酔していたので…実はオリジナル曲に「おてんば恋娘」のメロディを合わせたというネタが割れてしまったのは、少々残念ではありますが…まあ、どっちも素晴らしい曲なのは間違いないので、いいです(笑)。


KNIGHTS OF ROUND ★★ (2010-04-04 20:14:00)

意外にもまだ登録されてなかったんですね…
Black-Listed所属の、国産メロスピの注目株。
本日、2nd「The Book of Awakening」を発表しました。


ORCUSTUS ★★ (2010-04-04 18:00:00)

Vo/Gtを担当するTaipanを中心に、GORGOROTHのInfernusとTormentor、
ENSLAVEDのDirge Repによって結成されたバンド。バンド名の由来は、
ex-EMPERORのBard Faustが発行していたファンジンに因むものだとか。
ちなみに、GORGOROTHの2名は既に脱退してしまった模様。


ORCUSTUS - Orcustus ★★ (2010-04-04 17:57:00)

2009年発表の1st。

ノルウェーのブラック界の重鎮が集まり、クラスト/ハードコアとクロスオーヴァーしたブラックメタルを演るという事で、最近のDARKTHRONEのような音を想像していましたが…確かに、リズム面でハードコア要素を取り入れてはいるものの、それらがブラックから離れるのではなく、オールドスクールに聴こえるように作用していたり、ヴォーカルは典型的なブラックの高音絶叫だったり、Gaahl在籍時のGORGOROTHに近いかなり直球なブラックメタルを演ってます。

GORGOROTHと比べると、オーガニックな暗黒美を演出するトレモロリフが更に重用されたり、野蛮かつオールドスクールな風味を強めるハードコアのリズムを取り入れている分、よりアングラな雰囲気。高音域のノイジーさが強く、ヒリヒリとした殺伐さを醸し出しつつ、決して外で聴けないほど悪くはないプロダクションといい、その音質と呼応するかのような、喉が摩滅しそうな絶叫といい、いかにもブラックの魅力を深く理解した人が作ったという印象。
ただ、人によっては、そのストレートな暗黒表現を、「スーパーグループ故の予定調和」と感じてしまうこともあるようですが…。

しかし、GORGOROTHやENSLAVEDではなくORCUSTUS、LEVIATHANではなくLURKER OF CHALICEの日本盤を発売するDaymareってつくづく不思議なレーベルですよね…ハードコアを通過しているバンドがオーナーの好みらしいから、その関係もあるのかも。あと、相変わらずこのレーベルの解説は参考になるし、読んでて面白いです。


身殺 (MISOGI) - 遠ツ神 笑ミ給ヘ (tofotukami Wemitamafe) ★★★ (2010-04-04 12:16:00)

2010年発表の1st。

スラッシーでオールドスクールなブラックと、ファストなRAWメロディックブラックをベースに、日本の伝統音楽のメロディを取り入れた、個性的なブラック。…日本人が言うのも何ですが、スポーツにおけるお互いの国の国歌斉唱とか聴くと良く分かりますが、日本の伝統音楽って他の国の民族音楽と比べると、大分メロディが暗いですよね。そのメロディを導入した事で、かなりカルトな作風に仕上がったのではないでしょうか。

ただ和メロを取り入れるというだけではなく、それが徹底して行われ、かつ個人的なツボを突いて来るのが素晴らしいです。リフはそれだけで「和」の感性を伝えられるほどメロディックだし、アルペジオがまるで三味線が弾きそうなフレーズに聞こえたりもする。笛や、呪文的な、ローテンションなノーマルヴォイスの導入も作品の雰囲気を更に深めてますね。ノーマル声がライブ映えしそうな曲調に合わせた、テンション高いものだったら逆に醒めそうですが、その辺りの音選びのセンスは本当に良いと思う。

ただ、作風は個性的ですが、根幹はライブ映えしそうな、芯の通ったRAWブラックで、その個性に寄りかかりすぎていない辺り、真にブラックとして優れた作品だと思う。ここまで徹底して和の世界観を描きつつ、しっかりRAWブラックしてると、他国の人から見たら国家主義のペイガンブラックに聴こえるかもしれません(笑)。
しかし、意外とこういう日本神話題材のメタルって少ないですよね…北欧神話モチーフの方が多い気がする。


DEVILS WHOREHOUSE - Blood & Ashes - Oceans Turn to Blood ★★ (2010-04-03 12:11:15)

どす黒い澱が、渦を巻いて堆積していくようなスローパートが印象的な曲。
感性的にはかなりブラックメタルに近い音かと。


DEVILS WHOREHOUSE ★★ (2010-04-03 12:11:00)

MARDUKの中心人物、Morganがベースを担当するバンド。
元はMISFITSやSAMHAINのトリビュート・バンドとして始動したらしいです。
バンド名はMISFITSの曲名から。


DEVILS WHOREHOUSE - Blood & Ashes (2010-04-03 12:09:00)

2009年発表の2nd。

成り立ちが成り立ちだけに、やはりMARDUKとは全く異なる音を出してますね。リズムにロック的なノリの良さやハードコア的疾走感を取り入れ、グルーヴィなリフとダーティなデス声未満の濁声ヴォーカルを乗せたスタイルで、近年のDARKTHRONEを陰湿にしたような雰囲気があると思う。リフにはグルーヴだけでなく、どす黒い澱みや、荒涼感も感じられたり、怪奇趣味のドローンも演っていたりなど、デスロックを根幹としつつも、聴けばブラックに造詣が深い人物が作っている事が容易に推定される音。

個人的に、ヴォーカルが悪くは無い(メロを追ってるときの声はなかなかだと思う)けど苦手なタイプなので、諸手を上げて絶賛という訳には行きませんが、MARDUKやABRUPTUMでは見せない、Morganのルーツが垣間見えて興味深く聴けました。MARDUKのページでは、MARDUKのリフのパンクとの類似性を指摘する書き込みもありましたが、こういう素養があるからこそ、MARDUKはブラックの中でも抜けた存在になっているのかもしれませんね。


LES DISCRETS - Septembre et ses dernières pensées ★★★ (2010-04-03 08:46:00)

2010年発表の1st。
ALCESTとのスプリットで知り、フルの発売を心待ちにしていた人も多かったようです。

ALCESTがシューゲイザーとブラックメタルの融合というヴィジョンを提示して以来、LANTLOSやLiAM、APATIなど様々なバンドがその路線を自分なりに踏襲した作品を作っていますが、LES DISCRETSのこの作品は、シューゲイザー寄りブラックの中でも、これらのバンドと比べても「繊細さ」において頭一つ抜き出ているように思います。

アコースティックギターを重用し、基本的にミディアム~スローで展開する曲調は、個人的にはシューゲイザー寄りブラックよりも、OPETHの「Damnation」アルバムやGREEN CARNATIONの「The Acoustic Verse」アルバムなど、プログレメタルバンドのアコースティック作品に近い気もするんですよね。ヴォーカルのまろやかな歌い上げも、OPETHのMikaelに近いスタイルですし。

ただ、それらの作品が完全にバンドの「静」の側面を表したものだったのに対し、こっちは全体をうっすらとギターノイズが覆っていたり、僅かながらブラストビートを導入していたり、ブラックの要素もしっかりあるのが大きな違いですね。ブラストパートでも、全然攻撃的な感じがせず、寧ろ疾走感が曲の儚い雰囲気を更に深いものにしてます。
要所で聞こえるトレモロリフも、小川のせせらぎのような、清浄な繊細さがあって素晴らしい。

シューゲイザー寄りのブラックって、良質なフォロワーが出てきているものの、まだALCESTほどのインパクトを残せてるバンドはいないかな…と思ってましたが、このバンドは持ち前の繊細さで、遂にALCESTに肉薄する音を提示する事に成功していると思います。
かなりメタル色は薄いので、好みは分かれるとは思いますが、この手が好きなら大推薦です。


IHSAHN - After ★★★ (2010-04-02 21:26:00)

2010年発表の3rd。
3部作の最終章となる作品という事ですが…3部作構成なんて最初からあったっけ(笑)?

雑誌のインタビューでは、「前2作とは異なる作風のアルバム」という趣旨の発言をしていましたが…確かに、前2作が「プログレッシブなエクストリームメタル」だとしたら、今作は「エクストリームなプログレメタル」と言えるかもしれません。ブラストやヘヴィなリフ自体は当然残しているんですが、「攻撃的な音楽」からは明らかに距離を置いてる感じ。

サックスの導入、静パートの増加など表に出ている部分だけでなく、ブラストパートでも決して直截的な攻撃性だけに留まらず、より深く精神に作用する音になっている気がします。前2作と比べると、アルペジオやサックスで引っ張るパートが増えているんですが…それらのパートにこそ、個人的には凄みを感じるんですよね。

各フレーズが、水の流れのように自然で、聴いていると何か本能に訴えかけるような情景が思い浮かびます。パートによってはサックスが主導部を握ったりもしているんですが、その自然さや、ブラックメタル由来の暗黒美を損なうどころか、更に深いものにしているのが凄い。…私としては、またもやIhsahn卿の才能に平伏す結果となりました(笑)。
リフなどのフレーズをどう生み出しているかという質問に対して、「体の奥から自然に湧き出してくる」だそう。…そりゃ、スランプとかなさそうですよね…(笑)。

Ihsahnは、インナーサークルに所属している時、自分の中の邪悪な部分を探してみたが、全く見つからなかった…と言っていますが、少なくとも本能的な「畏れ」を呼び起こす音楽を作る才能は持っていると思う。EMPERORの無敵な感じは、インナーサークル所属バンドの持つ「恐怖」と、彼の与える「畏れ」が合わさって成り立っていたのかもしれませんね。

3部作の最終作にして、プログレブラックとして行き着くところまで行った作品だと思う。それだけに、今後の動向が気になりますね…まぁ、機材に全財産を注ぎ込みそうになっているのを奥さんに止められてるくらいだから、近いうちにまた何かやってくれそうですが。

ちなみに、歌詞は公開していないらしく、輸入盤にも国内盤にも歌詞は付いていないらしいです。…DVD付き輸入盤買った人が一番勝ち組みかも…。


IHSAHN - After - A Grave Inversed ★★★ (2010-04-02 20:58:56)

Ihsahnが作品出すごとに、「あぁ、やっぱり彼って天才だなぁ…」って思わされるんですが、この曲聴いてまたもや驚愕させられました。エクストリーム・メタルにこんなに上手くサックスを取り入れた曲は無いのでは…ラストのフリーキーなフレーズといい、サックスの音色から魔性を引き出せるだけ引き出しているような感じ。


IHSAHN - After - Heaven's Black Sea ★★★ (2010-04-02 20:56:21)

聴き手の神経を圧迫するようなリフと、本能的な近寄り難さを感じる神秘性に溢れたメロディが絡む曲。曲の芸術性は増しても、根底に潜む「魔性」は、衰えるどころか以前よりも妖しさを増しているように思います。


IHSAHN - After - The Barren Lands ★★★ (2010-04-02 20:54:00)

最初のリフからして、今までの作品とは何か違うという感じがしますね。ベクトルが明らかに「攻撃性」の方向を向いていない感じ。1stアルバムで使用していた歌詞のフレーズが、僅かに聴き取れましたが…やっぱりコンセプトが繋がってるんでしょうか。歌詞は掲載して欲しかったなぁ…。


IHSAHN - After - On the Shores ★★★ (2010-04-02 20:51:19)

Ihsahnの弁によると、EMPEROR時代の「With Strength I Burn」を思い起こさせる曲だそうですが…本当に、表現の形態は全然違ってますね…。ただ、With~が嵐の中を幽霊船が行く様子、この曲では彼岸と此岸を繋ぐ海岸が浮かんだり、想起する情景自体はどこか共通する物があるように思います。


OV HELL ★★ (2010-03-27 22:22:00)

Ex-GORGOROTHのKing ov Hell、DIMMU BORGIRのShagrathによる新バンド。
最初のラインナップからしてIce Dale(ENSLAVED)、Frost(SATYRICON)が
全面参加、Teloch(1349)が2曲で参加と豪華すぎる面子が集まってます。


OV HELL - The Underworld Regime - Krigsatte Faner ★★★ (2010-03-27 22:21:21)

この、音が入ると同時に目の前が真っ暗に閉ざされる感じ、どうにも抵抗不可能な圧倒的な感じこそブラックメタルですよね。今作の中でもGORGOROTHの「Ad~」に近い曲調だと思うので、King氏を追ってきた人も満足できる事請け合い。


OV HELL - The Underworld Regime - Invoker ★★★ (2010-03-27 22:20:21)

最初のトレモロ疾走からしてもう虜。
しかし、曲作りが丁寧かつ、フレーズの一つ一つがブラックメタル愛好家にとっては実に心地良く響くんですよね…。これは、若手には作れない音なんじゃないかと思います。


OV HELL - The Underworld Regime - Devil's Harlot ★★★ (2010-03-27 22:19:28)

余りにも予想も期待も裏切らなすぎる1曲目。
これぞブラックメタルである、と言いたげな、ど真ん中でど貫禄のあるブラックメタルの音。1曲目だからか、他の曲よりも幾分つくりがキャッチーな感じがありますね。


OV HELL - The Underworld Regime ★★ (2010-03-27 22:18:00)

2010年発表の1st。

King ov HellとShagrathが組んだだけでもニュースなのに、Ice DaleとFrostまで全面的に参加とは…もう、買う前からクオリティが保障されてる、余りにも鉄板な作品ですよ、これ(笑)

メンバーの大幅な変更前のGORGOROTHでは、メインのソングライティングを任されていたKing氏が今作も作曲面を担当という事で、基本的にはGORGOROTHの作風に通じる、聴いているだけで「ブラックメタルの凄み」が、自然と伝わってくるような音ですが…Gaahlのヴォーカルが映える狂性・凶悪性の強かったGORGOROTHに比べると、こっちはテンポをやや落とし、丁寧なリフ捌きと展開で聴かせていく作風。奇しくも、袂を分かったGORGOROTHの新作に、通じる雰囲気があると思います。

このアルバム、Ice Daleら他のメンバーも曲作りのアイデアに参加してるか、King氏がメンバー構成に合わせた曲作りをしているんじゃないでしょうか。基本はヘヴィネスやスピードに過剰に依存しない、リフ・リズム主導で邪悪さを表現するスタイルですが、近年のENSLAVEDに通じる幻惑的なギターフレーズや、Iに通じるグルーヴ感のあるリフも所々に上手く取り入れられてると思う。「This is Black Metal!!」な音でありながら、決してテンプレ通りの音にならない、安心と実績の作曲能力は流石King氏。

GORGOROTH等のノルウェー産ブラックを追いかけてる人ならば必聴。
聴き応えのあるブラックを、がっつりと聴きたい方は是非。


VALKYRJA - Contamination - Welcoming Worms ★★ (2010-03-27 10:46:03)

豪速ブラストパートは最早洪水に押し流されるような迫力。その中で呪詛を込めながらもがくようなヴォーカルも恐い。一応緩急はつけてますが…ブラストパートのインパクトがとにかく強い。


VALKYRJA ★★ (2010-03-27 10:46:00)

ONDSKAPTのメンバーが在籍するブラックメタルバンド。
何気にMetal Blade所属だったりします。


VALKYRJA - Contamination - The Womb of Disease ★★ (2010-03-27 10:45:15)

何気にドラムが素晴らしいですね。疾走パートでもアクセントの付け方が上手く、ヴォーカルの邪悪さとも相まって非常にかっこいいです。重さに頼り過ぎない音質も、却って演奏の壮絶さを浮き彫りにしてると思う。


VALKYRJA - Contamination - Oceans to Dust ★★★ (2010-03-27 10:44:15)

毒々しいメロディのリフでテンションを上げつつ、トレモロによる美しいメロディを聴かせる曲。似たような曲が並びがちなジャンルなだけに、こういう風にリフで曲の個性を付けられるというのは大きな強みですよね。


VALKYRJA - Contamination - Ambience of the Dead ★★★ (2010-03-27 10:43:23)

アルバムの中でも、頽廃的な美しさが際立っている曲。
骨の傘を差した骸骨たちが、夜の墓場を跋扈しているような雰囲気があると思う。ラストのメロディは、不死者たちが人間を喰らい尽くして挙げる、凱歌のようにも聞こえます。


VALKYRJA - Contamination ★★★ (2010-03-27 10:41:00)

2010年発表の2nd。

メロディックなリフを多用しながらも、哀愁よりも邪悪さの強い雰囲気、緩急をしっかり付けたドラマ性のある曲展開、表現方法こそストレートな中音域のがなりなものの、Arioch(FUNERAL MIST、MARDUK)ばりの邪悪さを撒きちらすヴォーカルと、「真性」なカルト性たっぷりな雰囲気ながら、普通の(エクストリームメタルがある程度行ける)メタラーにもアピール出来るクオリティも備えたブラックで、関連バンドのONDSKAPTや、WATAIN、OFERMOD辺りに通じる音楽性。

ただ、上記のバンドがデスメタル的な重さもある程度取り入れているのに対し、この作品はギターリフの音色がブラック特有の高音のシャリシャリした音色で、「重さ」はそれ程重視していないような音質ですね。ドラムに至っては豪速ブラストを多用しているのに、「軽快」で、躍動感もある印象だし、ベースのメロウなフレーズも良く聴こえます。この音が、作品全体にある程度の聴きやすさを与え、曲をよりかっこよく聴かせているような印象がありますね。

所属レーベルからも分かる通り、ONDSKAPTよりも多少聴きやすい音。
ストレートに衒い無く、ブラックの邪悪さをかっこよく表現した作品だと思います。


NOKTURNAL MORTUM - The Voice of Steel - Sky of Saddened Nights ★★ (2010-03-26 23:50:06)

ハリウッド映画の戦闘シーンでもなく、神話的なドラマティックな光景でもなく、ある民族の日常…そんな素朴さを感じさせるメロディが胸を打つ曲。根底に「思想」があるからこそ、こういう生活感を想起させる曲も出来るのかも。


NOKTURNAL MORTUM - The Voice of Steel - By Path of the Sun ★★★ (2010-03-26 23:49:07)

ノリのいいイントロから、シンフォニックなキーボード&ブラック特有のトレモロで疾走する、劇的な始まりは「垢抜けたなぁ…」と思わされますが…ヴォーカルが入ると意外とそうでもないかも(笑)。でも確実に、一般メタラーも入れる間口の広さを確保できてると思う。後半の、花祭り只今開催中的な華やかなメロも良い感じです。


NOKTURNAL MORTUM - The Voice of Steel - My Dream Inside ★★ (2010-03-26 23:47:43)

「Ukraine」ほどではないですけど、この曲も結構衝撃でした。
このバンドが、民族調の華麗なメロディ以外に、ブルージーな泣きメロまで取り入れるなんて…。しかもキーボードの音色も、プログレに通じる幽玄なもので、音楽性を深めるために試行錯誤してるのが良く分かります。でも結局は、「彼らの音」になっているのが、やっぱり凄いですよね。


NOKTURNAL MORTUM - The Voice of Steel - Ukraine ★★ (2010-03-26 23:46:32)

これは今まで彼らを追ってきた人からすると、結構衝撃かもしれません。何なんでしょう、この青空が浮かぶようなクリーンヴォーカルの爽やかなメロディは…(笑)。しかもギターソロも長めだし。まぁ、NSはハードコアとも繋がりが深いので、そんなに不思議ではないかもしれませんが。


NOKTURNAL MORTUM - The Voice of Steel - Voice of Steel ★★★ (2010-03-26 23:45:33)

これ程までに、ペイガンメタルのカルト性とメタルとしての質の高さを両立し、かつそれを自然体で出来るバンドがいるんでしょうか…。長いキャリアのある、パイオニアじゃなければ出せない音だと思う。今までの彼らの音楽性を、総括するかのような名曲。


NOKTURNAL MORTUM - The Voice of Steel ★★★ (2010-03-26 23:42:00)

2009年発表の5th。
「NeChrist」等同様、タイトルがウクライナ語なので、探す時に分かりづらいですが…大魔神が剣をハンマーで打ってる、仰々しいジャケットが目印です(笑)。

…これまでの彼らの作風を追っていくと、1st(及びLunar Poetryデモ)では敢えてギターを引っ込め、ツインキーボードによる華麗な民族メロを前に出し独自の作風を確立、2ndでは煌びやかさを保ちつつ暴虐性を上げる事でシンフォブラックの名盤を作り上げ、3rdでは民族音楽要素とRAWブラック要素の対比を極端にする事で更にカルトな作風になり、4thでは音質が改善され、聴きやすくなると共にミディアム中心の展開になり、より情景の描写に重きを置いた音楽性へ…と、「民族要素」は一貫しながらも、かなり激しく音楽性を変化させていましたが…。

今作は、今までの作風を統括すると共に、大分メジャー感を増したアルバムだと思います。前作の民族メロを多用しての情景描写、音質のまともさはそのままに、以前のような疾走を交えた展開も上手く取り入れることで、よりドラマティックに仕上がった感じ。初期作のようにキーボードに全てを任せず、印象に残るリフやギターソロなどもあり、ペイガンブラックとしての雰囲気はしっかり保ちつつ、より広いメタラー層にアピール出来るようになったと思います。

ただし、いくら「メタルとして」質が高くなろうとも、「ペイガン思想を伝える、音楽を通じて映像的に見せつける」力には、些かの衰えもありません。…この両立を、ごく自然体でやってるように感じられるから、このバンドは恐ろしいんですよね…。NOKTURNAL MORTUM自身はもとより、ペイガン系入門としてもお勧め。EQUILIBRIUMやTURISASを好んで聴いてる人も、試しに聴いてみてはどうでしょう。

でも、某雑誌で「屁のような音」と酷い評価を下されたイントロの民族楽器、3rdでも4thでも使ってましたが…これから恒例にするつもりなんでしょうか(笑)。ちなみに、曲名もウクライナ語ですが、英訳を見つけたので以下に記しておきます。

1.Intro
2.Voice of Steel
3.Valkyrie
4.Ukraine
5.My Dream Inside
6.By Path of the Sun
7.Sky of Saddened Nights
8.White Tower


THROUGH THE PAIN - Time Heals Nothing ★★ (2010-03-26 02:37:00)

2009年発表の1st。

チェコの自傷ブラックTRISTとスプリットを出していたり、LIFELOVERと人脈的な繋がりがある事からも推定される通り、スローで鬱々とした、いわゆる「鬱ブラック」に分類されるブラックメタルを演ってますね。ただ、鬱の表現方法が、この手ではポピュラーなトレモロリフでの絶望的メロディや、キーによる湿り気を帯びた雰囲気作りではなく、儚く、どこか安らぎを感じさせるような、メランコリックなメロディを掻き鳴らす事なのが大きな特徴。

メロディの性質からは、シューゲイザーブラック好きにもお勧めできそうですが…やっぱり、鬱ブラック特有の、「死」を感じさせる雰囲気もかなり強いと思う。メロとは対照的に、ヴォーカルはSILENCERの裏返り部分のみを参考にしたような、疲弊しきった感じの悲鳴ですし(笑)。TRISTが自傷、CIRCLE OF OUROBOROUSが衰弱死ならこのバンドは安楽死という感じ。朦朧とした中、必死で生存を叫ぼうとする意識…しかし、最早肉体にはそれを表現する術は無かった…みたいなストーリーが浮かびます(笑)。

しかし、ブラック、特に鬱ブラック聴いてると色々な死に様が思い浮かんで興味深いです(笑)。ペイガン系なら「戦死」があってもおかしくないし…このジャンル、どこまで表現が広がるんだろう。


AREA51 - Goddess - U・ta・ka・ta ★★ (2010-03-24 23:49:25)

こういうダークめで、かつ正統な曲で締めてくれる構成はかなり好み。
ラストのサビからエンディングへの流れが、えらくテンション高くかっこいいです。


AREA51 - Goddess - Vanitas ★★★ (2010-03-24 23:48:33)

アトモスフェリックなキーボード、ヘヴィでドゥーミーなギターリフ、シリアスで切羽詰まったような歌メロが、一体となって悲壮感漂う世界観を演出する曲。これを聴く限り、情景描写能力もかなり高いと思う。なにか一つ強烈な個性が身に付けば、大化けしそうな感じがします。


AREA51 - Goddess - Miss You ★★ (2010-03-24 23:47:42)

語尾をクールに吐き捨てたり、エモーショナルに声を張ったり、ヴォーカルの表現力が光るバラード。アートワークなどを見ていても思いますが、Kate嬢は世界観を演出、もしくは創作していくのが得意なタイプのアーティストだと思う。


AREA51 - Goddess - Marionette ★★ (2010-03-24 23:46:36)

歌メロとバンドのアンサンブルが、しっかり噛み合っているサビが凄くかっこいいですね。ただ、歌謡メタルファンとしては、歌メロそれ自体はちょっと弱めだと思う。ギターソロなんかでは、結構良いメロディが聴けるんですが…。


AREA51 - Goddess - Regret Et Larme ★★ (2010-03-24 23:45:45)

歌い方の問題なのか、凄く陰陽座っぽく聴こえます(笑)。
初期の陰陽座から、妖怪っぽさを抜きさった感じでしょうか。


AREA51 - Goddess - Nightmare ★★ (2010-03-24 23:44:48)

様式美メタルにも通じる、ギターとキーボードの華やかな絡みで、掴みはバッチリ。…なんですが、これ以降の本編で余りこういう展開が聴けないのが残念。せっかくこういう華やかな音を出せるんだし、もっと前に出して強気で行っても良いと思うんですけど…。


AREA51 - Goddess ★★ (2010-03-24 23:42:00)

2010年発表の3rd。
ブックレット、もはやヴォーカリストのファッションショーですね(笑)
見てると、つくづくKate嬢って演出に拘り、かつ楽しんで演ってそうな感じがします。
ジャケットやアートワークからは、クリエイターの自意識が音に結び付いたタイプの、
世界観重視のフィメールゴシックっぽい音を想像してましたが…歌メロは歌謡的だし、展開も
明瞭なサビを持つポップな構成ながら、意外にも正統派よりで陰陽座辺りに近い音。陰陽座が、
妖怪路線とバッサリ訣別して、様式美的な要素やゴシック的感性を取り入れたらこんな感じに
なるのかもしれません。ヴォーカルもメタルにしては割とポップに歌い回してますが、
声を張るべきところではしっかり張ってくれるし、悪くないと思います。
ただ、最近の陰陽座と同じで、「必殺の1曲」が無いのがネックですね…。
陰陽座の2曲目、3曲目候補が多く詰まっているような構成で、シングル曲やタイトル曲が
無い感じ。イントロ明けの「Nightmare」なんかは掴みに相応しいキャッチネスがありますが…
全体的に、もう少し歌メロが華やかだと個人的には聴きやすいです。過度に歌謡的にならず、
「メタルである事」を重視するために、こういう音にしたのかもしれませんが…。
質が高いのは分かるけど、もう少し目の覚めるようなキャッチーさが欲しい所です。
新人バンドでいうと、LIGHTBRINGERやSKYWINGSクラスに歌メロが華やかだと、個人的には嬉しい。
ヴォーカルのファッションとも合うと思うし。


LIV MOON - DOUBLE MOON ★★ (2010-03-21 10:26:00)

2009年発表の1st。
「元宝塚の、4オクターブの声域を持つヴォーカル」を擁する国産ゴシックメタルとして、
プレスでも結構取り上げられていたバンドですが…前評判通り、ヴォーカルは素晴らしい。
ただ声楽的で心地良い歌唱で、音域が広い、歌が上手いというだけではなく、曲の繊細な
情感を引き出していたり、時にはゴシックメタル特有の妖気を醸し出したり、曲の場面に
合わせた表現力が高い感じ。海外の、一流のゴシックメタルバンドの「歌姫」と比べても、
確実に「押し」と「引き」を心得た、存在感のある歌唱であると思います。
ただ、曲の方は…一曲目のサビの、メタルリフに伸びのあるビブラートを乗せる事だけを
考えたような味気なさといい、ごく普通のバラードにヘヴィなギターを乗せただけに聞こえる
曲が多い事といい、メタルの音とAkane Liv嬢の歌声の融合が余り上手く行ってない感じ。
アルバム構成も、中盤の勝負所でバラードを連発するダレる流れ、ラスト3曲がギター無しの
バラードというクドさ、1曲目の掴みとしての弱さなど、決して優れてるとは言えません。
音質も、メジャーから出てる割には別に良くはないし…。
でも、「月架」「Wild Creatures」のような、ゴシックメタルの様式に則った曲の出来は
素晴らしい物があるし、タイトル曲の歌メロ+歌唱はそれだけでお金を出す価値があると思う。
日本人って、歌謡曲文化から来る歌メロの豊穣さからか、ヘヴィな曲を続けても金太郎飴に
なりにくい特性があると思うので、何もそんなにバラードにこだわる事は無いと思う。
素材はいいのに、調理法が今一つ…そういう印象を受けるアルバムでした。


LIV MOON - DOUBLE MOON - DOUBLE MOON ★★★ (2010-03-21 10:06:12)

おお…「至高の泣きメロ」とでも表現したくなるような、余りにも芳醇なメロディが胸に刺さる曲ですね…。この歌メロ&歌唱の押しの強さは海外のゴシックには無い個性だと思うので、もっと前に出していけばいいのに…と思います。


LIV MOON - DOUBLE MOON - 月架 ★★★ (2010-03-21 10:02:54)

角張ったヘヴィなリフや、フックのある泣きメロが後期(ID ATTACK以降)のPIERROTを思わせますが…ヴォーカルがキリト氏のような灰汁の強いものではなく、誰が聴いても歌唱力を認めざるを得ない声楽的なもので、よりポピュラリティの高い仕上がり。…ほんと、こういう曲をこのレベルの高さで作れるのなら、バラードばっかじゃなく、もっと入れて欲しかったのに。


LIV MOON - DOUBLE MOON - GOOD NIGHT (2010-03-21 09:57:41)

ゴシックメタルというよりは…ALI PROJECTのアルバムの最後に入ってるタイプのバラードという感じの曲。でもアリプロよりもメロディが弱い上に、この曲に至るまでの流れも今一つなのであまり感動が無いです。よって★は1つで。


LIV MOON - DOUBLE MOON - WILD CREATURES ★★★ (2010-03-21 09:55:27)

「Hidin' Hidin'」の所なんかは、まるで魔性が手招きしているようで、ヴォーカルの表現力を活かしたメロディで素晴らしい。ここの高音ハモりがまた良いんですよね。…こういう風に、しっかり「ゴシックメタル」の様式に則れば、良いものを作れる作曲力があるのに、それをしなかったのが、アルバム「DOUBLE MOON」が全体として地味に聞こえる要因だと思う…。


LIV MOON - DOUBLE MOON - 鮮やかに… ★★ (2010-03-21 09:51:09)

メロディだけ聴くと、ごく正統なJ-POPバラードに聞こえるんですが…そこに要所でヘヴィな演奏を足した感じですね。ただ、バラード攻勢が続くその締めとなる曲なので、ここに行き着くまでにはダレてる事が多いですけど…単品ではなかなかのバラード。


MERRIMACK - Of Entropy and Life Denial ★★ (2010-03-20 22:22:00)

2006年発表の2nd。

全体的な雰囲気は「いかにも真性です」という黒さを放ってますが…NAGLFARやDISSECTIONが持つような、エクストリームメタルとしての真っ当なかっこよさと、DEATHSPELL OMEGAの3rdが放つ、コマーシャリズムからある程度の距離を置いた、アングラ・カルトな雰囲気を両立しているバランス感覚の良い音は、WATAINやONDSKAPTを引き合いに出して語りたくなりますね。

ヴォーカルの中音域でストレートに邪悪さをぶつけてくるがなり方も、WATAINのスタイルに似てると思う。
メロディにDEATHSPELL OMEGAを初めとした、フレンチブラック特有の毒々しい美しさが感じられるのも特徴で、それが曲のどす黒さをより引き立てていますね。漫画「アカギ」で、鷲巣の背後から物の怪たちが這い出してくるシーンがありましたが…これを聴いてると、ああいうグロテスクなシーンが浮かぶんですよね(笑)。

邪悪さの表現力、演奏のかっこよさ、メロディの毒性、ヴォーカルの禍々しさ…どの要素も安定してレベルが高く、凄く品質の良いアルバムなんですが…クオリティの高さの割にはマイナーなんですよね…。ごく真っ当に質が高くて、あんまり突っ込み所がないからだったりして(笑)。
WATAIN等同様、真っ当なエクストリームメタルファンが真性ブラックの恐怖を味わうには、かなり適した音源だと思います。


LIGHT BRINGER - Tales of Almanac ★★★ (2010-03-20 20:57:00)

2009年発表の(Heartful Messageを1stとするなら)2nd。

前作と比べて、まず一番変わったと思うのが「歌メロ」。
正直、前作は他のFukiさんの関連バンド(UNLUCKY MORPHEUS、DRAGON GUARDIAN)と比べると、ちょっと物足りなさがあったんですが、今回は吹っ切れたようにメジャーなポップス、もしくはアニメソング風の、非常に陽性で分かりやすいメロディを取り入れてますね。Fukiさんの歌もメロディに合わせたのか、メタリックさは希薄な、今までに無くポップな歌い方ですが、それでも持ち前の伸びの良さや勢いは失われず、聴いてて気持ちの良い物になってますね。

最初は余りにもキャッチーな歌メロ(Upstream Chidrenの歌メロは、完全にオリコン狙いのポップスに聞こえる)に耳を取られてましたが、演奏の方も前作以上に素晴らしいですね。ただフレーズが凝ってるとか、アンサンブルが優れてるとかじゃなくて…やっぱりどこか「華」がある演奏だと思う。その華のある演奏が、ポップ過ぎる歌メロと交わり昇華される音は今のところ、他のどのバンドでも聴けないと思う。

ただ、上のお二方も仰ってますが、音質ははっきり言って「悪い」です。いくらボリュームを上げても迫力に欠け、「華のあるテクニカルな演奏」をちょこまかした演奏に聴こえさせ、Fukiさんの声量のある歌唱の魅力を半減させるに十分なくらい悪い。曲が粒揃いなだけに、余りにも惜し過ぎる欠点なんですが…。

音質を除けば、本当に素晴らしいアルバムだと思う。
普通にアニメソングとか、ガールポップ好きな人でも聴けちゃうんじゃないかと。パッと聴きメタルに聴こえないですもん。でも良く聴くとめっちゃテクニカルという。そんな「聴きやすさ」「耳当たりの良さ」に、「メタルのかっこよさ」が秘められた秀盤です。


LIGHT BRINGER - Tales of Almanac - Closed Sister~雪待月の妹~ ★★★ (2010-03-20 20:37:47)

これは…ゲーム系のコンポーザー、それもプログレとメタルに精通した人が書いたような、ダークメルヘン色の強いメロディですね。私的にはモロにツボな路線で(笑)、後半のハイライトを挙げるとするなら絶対にこの曲。ああ、こういう華のあるメロディって大好きだわ…。


LIGHT BRINGER - Tales of Almanac - In Disguise ★★★ (2010-03-20 20:33:50)

このバンドも1stと比べて、随分垢抜けましたよね…特にこの曲のメロディは、Being系アーティストに通じる哀愁があって素晴らしい。もちろんBeing系はこんな無茶なハイトーン使いませんが(笑)。キーがもう少し下だったら、織田哲郎さんが作曲って言っても信じてしまうかも。


LIGHT BRINGER - Tales of Almanac - Red Spider Lily ★★★ (2010-03-20 20:31:14)

最初の方のメロディの哀感と、プログレッシブなアンサンブルからは、もっとダークな曲かと予想してましたが…サビでは視界が開けるような、ポップなメロディが聴けます。「目指す対岸 舵を取り行け 信じた航路を」…この歌詞から浮かんぶ、そのままの勇壮なメロディ。やっぱりこのバンド、根っこから陽性なんだと思います。


LIGHT BRINGER - Tales of Almanac - Frothy Summer~真夏の夜の夢~ ★★ (2010-03-20 20:27:41)

テクニックに優れてるバンドは、「引き」のパートでもそのセンスを遺憾なく発揮できる…それがよく分かる曲。イントロから泡沫の、儚い夢の世界に引き込まれます。Fukiさんの歌唱は…もう少し「引き」が欲しい所ですが、こういうロマンティックなストーリーを歌うに相応しい甘さがあって良い感じです。


LIGHT BRINGER - Tales of Almanac - We're All in This Together ★★ (2010-03-20 20:24:14)

「♪We're all in this together~」
すっごいピースフルなメロディですね(笑)。普通に、(分かりやすい勧善懲悪な)戦隊モノの映像のバックに流しても違和感無さそうなピースっ振り。でも演奏はいつも通り、テクニカルで聴き応えあり。


LIGHT BRINGER - Tales of Almanac - Rain ★★★ (2010-03-20 20:20:23)

演奏にも歌唱にも、「勢い」と「繊細さ」「哀愁」の両方が感じられる曲。今までよりも、演奏と歌唱の距離が近くなっている印象。しかしFukiさんの歌い方は、ファルセット使っててもなんか勢いがありますよね(笑)。勢いで繊細さまで出せてしまってるというか。


LIGHT BRINGER - Tales of Almanac - Upstream Children ★★★ (2010-03-20 20:17:10)

個人的に前半戦のハイライト。
突き抜け方が以前とは比べ物にならないほどに、明るく突き抜けるキャッチーなメロディと、細やかなギターワークが交じり合い、上昇気流を描くサビがありえないくらいかっこいい曲。ポップメタルでこれ以上のものはなかなか出てこないだろうなぁ…っていうくらい、完成された作風だと思います。


UNLUCKY MORPHEUS - Spring★(forestpireo) - 慟哭 ★★ (2010-03-19 22:04:57)

「懐恋リグレット」が陰陽座なら、こっちは犬神サーカス団っぽい感じがしますね。ワウギターの使い方とかハードロックっぽいノリとか。歌い回しもいつもと違う、タメを効かせた感じですし。この曲も、犬神特有のおどろおどろしさを出した、分かりやすいキラーチューンではなく、アルバムに時々入ってる衒いのないHR/HM曲の趣きがありますね。


UNLUCKY MORPHEUS - Spring★(forestpireo) - 懐恋リグレット ★★ (2010-03-19 21:59:52)

ここまで陰陽座っぽいと、自分たちの音楽だけでなく、陰陽座を同人音楽ファンに勧めるためにコンピレーションに参加してるのでは…とか思ってしまいます(笑)。しかもこの曲、分かりやすいシングル曲の路線ではなく、最近のアルバム(「魔王戴天」~「金剛九尾」辺り)の2、3曲目に入ってるような、どキャッチーではないけど味わいのある、正統なメタル…という感じなんですよね。本当に陰陽座好きなんですね…。


KROHM - A World Through Dead Eyes ★★★ (2010-03-19 21:47:00)

2004年発表の1st。
上の方たちが仰っているように、鬱ブラックでも秀逸なアルバムですね。

このジャンルの中ではかなりメロディ志向が強く、歪んだアルペジオやトレモロリフにより奏でられる、不吉さ、鬱、哀しみ…など、様々なマイナス感情を想起させるメロディを、ひたすら紡いでゆく作風は、鬱・絶望系の音楽が好きなら必聴と言えると思います。
よく聴くと、実はベースラインも結構メロウだったりしますし。

耳を聾するのではなく、脳に染み込むようなギターノイズ、空間系のキーボード、時々疾走を効果的に挟みつつ、基本ミディアムスローで叩かれるリズムなど、メロディを聴かせるお膳立てもバッチリ。ヴォーカルも、時折「血の叫び」とでも言いたくなるような壮絶な叫びを聴かせながらも、まだ「かっこいい」の領域で留まっている、行き過ぎない高音がなりで、鬱系の中では割と聞きやすいほうだと思います。

…あとこのアルバム、何気に展開が上手いですよね。
それまでは只管に暗く湿った鬱世界を描いておきながら、ラス曲が始まると同時に最期の灯火を燃やすかのように感情的なメロディで疾走、そして魂が失われていくのを暗示する様な神秘的なキーボード…鬱ブラながら、カタルシスが得られるアルバムと言えるかと。

よくドラマや小説、ゲームか何かだと、(作中で)人が死ぬ事によって感動的なシーンを演出したり、物語を盛り上げたりといった手法は良く使われますが…このアルバムが描いているのは、そういうドラマ性とは無縁な、孤独感と厭世感を抱えたまま、ただただ冷たいだけの死であると思う。
でもこの冷たさこそが、本当に心を打つんですよ…。

まあ鬱ブラック好きならマストですね。
00年代以降のアメリカの鬱ブラックのクオリティってやっぱり凄いものがあると思う。


RUDRA - Brahmavidyaan: Transcendental I - Not the Seen but the Seer ★★★ (2010-03-18 23:02:11)

デスメタルサウンドに絡む、パーカッションが更に曲の威風を引き立ててますね。欲を言えば、他の曲でもメロディだけでなく、こういうリズム面からの中近東へのアプローチを、もっとして欲しかった所。


RUDRA ★★ (2010-03-18 23:02:00)

ヒンズー教をテーマとしたデスメタルバンド。
まだ5thしか持ってないですが、NILEに匹敵する逸材ですよ、このバンド…。
92年から活動するベテランらしいですが、今までノーチェックだった自分の浅学を恥じるばかりです…。


RUDRA - Brahmavidyaan: Transcendental I - Immortality Roars (2010-03-18 23:00:58)

パーカッシブなリズムに、いつもの中近東リフの代わりに、妖しげな民族楽器による持続音を乗せた、実験的な曲。こういう試みを、もっと大胆に取り入れてくれれば、更に素晴らしいものが出来そう…まだまだ眠ったポテンシャルがあると思う。


RUDRA - Brahmavidyaan: Transcendental I - Ravens of Paradise ★★★ (2010-03-18 23:00:11)

オープニング明けの、実質1曲目といえる曲ですが…このリフといいソロといい、展開といい異境メタルとしてもエクストリームメタルとしても、非常にレベルが高いですよね…。どちらかとして、レベルの高いバンドは多くいますが、これくらい両立出来てるバンドも珍しいと思う。


RUDRA - Brahmavidyaan: Transcendental I ★★ (2010-03-18 22:58:00)

2009年発表の5th。
…何でも「ヒンズー教」をテーマとしたデスメタルを演っているそうで。
…と言っても、何の宗教的知識も無い日本人から見ると、NILEやMELECHESH同様に、中近東の
メロディや雰囲気を取り入れたデスメタルに聴こえてしまいますが(笑)。音質こそNILEの
最新作辺りと比べると柔らかめで聴きやすいし、ヴォーカルのデスヴォイスもGOD DETHRONEDの
それのようなストレートなかっこよさがあるんですが、リフやソロに違和感無く中近東風の
メロディを練りこむことについては、NILE以上に徹底しているように思います。
ただ、このバンドもNILE同様、呪文やエスニックなパーカッションの使い方に、SE的なものが
多いのが惜しいんですよね…。もっと大胆に、呪文詠唱をブラストビートに絡めたみたり、
パーカッシブなリズムにデス由来の暴虐リフを乗せたりとかして欲しい。…とは言っても、
中近東メロディの練り込まれた動きのあるリフはそれだけで聴き応え抜群だし、それが
緩急付いた展開の中で矢継ぎ早に繰り出される様は、なにか圧倒的なものが感じられると思う。
確かに、「中近東のメロディの強いデスメタル」という時点で、ある程度聴き手は絞られて
しまうかと思いますが…それにしてもNILE辺りと比較して、余りにも作品のクオリティと
知名度に差がありすぎると思う。ぶっちゃけ私も最近まで知らなかったし(苦笑)。
これは日本盤をだして、是非RUDRAの世界を広めて欲しいですね!


URFAUST - Drei Rituale Jenseits Des Kosmos ★★★ (2010-03-17 18:44:00)

2008年発表の3曲入りEP。
以前より、変わったヴォーカルスタイルが話題になってるバンドですが…

確かに、鬱ブラック系の悲痛絶叫(それでも、奈落に落とされている人のような、妙な味はある・笑)や、邪悪な祈祷風の声も使ってはいるんですが…まるで石焼芋売りのおっさんが、商品が売れずに生活苦から発狂したような、怒ってるんだか無気力なんだか分からない太いノーマルヴォイスはかなりのインパクトがありますね(笑)。

ただし、曲それ自体にも、ヴォーカル以上のインパクトがあります。
ゆっ…くりと渦を巻くような泥沼を思わせるドローンに、淡々とミディアムで叩かれるドラムを絡め、そこに鬱系/シューゲイザー系ブラックの儚いトレモロや、音響ブラック的な神経を冒すようなギターノイズ、何か不吉なものがうねるようなキーボードを乗せていく作風は、鬱ブラックや葬式ドゥームにも通じますが、更にそれらよりも現実離れした情景を描いている印象。

聴いていると暗黒に引きずられていく感覚を覚えるこの音は、「サイケデリック」と言うには余りにも黒すぎる感じで、ブラックの中でも際立ったカルト性を放っていると思います。個人的には、死者の魂が、現世への執着を断ち切れぬまま、恨みの声を上げながら冥界へと消えていく…そんな情景を想像してしまいました。

バンド発足当初はアンビエントを志向していたらしく、だからこそこういうカルトな情景を描けるんでしょうね。私は変なヴォーカルが聴きたかったので手を出してみましたが、曲自体に他のバンドから一つ抜けた個性があり大満足。鬱ブラックや、音響系ブラックの中でもグロテスクなものが好きな方にお勧めです。


TORGEIST ★★ (2010-03-17 18:41:00)

フランス産ブラックメタルバンド。
MUTIILATIONやVLAD TEPES、BELKETRE等のバンドと共にブラックメタルサークル
Les Legion Noirを結成していたので、マニアの間では結構知名度の高いバンドです。


TORGEIST - Time of Sabbath - Time of Sabbath (2010-03-17 18:40:37)

…いや、どの曲が好きか訊かれても困る…(笑)
強いて言うなら、他の曲よりもメロディアスな「気がする」この曲。…しかしこれ、音源を聴いてリフをコピーできる人とかいるんでしょうか。


TORGEIST - Time of Sabbath (2010-03-17 18:39:00)

95年発表の6曲入りデモ。
2008年にDrakkar ProductionsよりCD化されました。
音の方は…「これぞフレンチ・カルト」としか言い様のない音です(笑)。

ノイジー過ぎて何だかよく分からないリフに、ヤケクソすぎる絶叫を乗せてオールドスクールに突き進む、プリミティブブラックの芯の部分を煮詰めすぎてマニア以外には理解不能になったような作風で、これ以上音質が壊れるとノイズ音楽になるというギリギリの所を行ってると思う。

逆に言えば、ILDJARNやWOLDのようにノイズ音楽として評価される事も望んでないようなストイックさ。当然、デスメタル的なまともなブルータリティも、テクニックに裏打ちされた豪速ブラストも、他のプリブラのようなメロウさもガン無視で(笑)、ひたすらサタニックでカルトな空気感を出すことに専念した作風。時折メロディらしきものもあるといえばありますが…テープの絡まり音のようなノイズが、偶然メロディに聴こえるレベルというか、そういう世界です(笑)。一応トレモロ弾いたり、ベースとユニゾンするパートでは微かに聞こえる程度。

個人的には、ここまでぶっ壊れられると正直厳しいんですが…MUTIILATIONや初期DARKTHRONEが大丈夫でもこれはキツいと思う。EMPERORの最高傑作は「Wrath of the Tyrant」と迷い無く断ぜる方や、MUTIILATIONはまとも過ぎて温いと感じるマニアックな方以外にはお勧めは出来ません(笑)。
16分しかないのにここまで聴き手に消耗を強いる音源も珍しいです。


POCKET AD - とある魔法の森メタル - 上海紅茶館~CHINESE TEA ★★★ (2010-03-14 23:20:46)

ラスト近くの、宴たけなわという感じの疾走パートがかっこいいですね。ここは頭を振りたくなる。そして…また1曲目から聴きたくなります(笑)。


POCKET AD - とある魔法の森メタル - 恋色マスタースパーク ★★★ (2010-03-14 23:18:30)

この2~3曲目の繋ぎも上手い。
「次は私の番だぜ」とばかりに、チルノを押しのけてステージの中心に出てくる魔理沙が浮かんできます(笑)。原作のゲームをプレイしてると、具体的なシーンが思い浮かんで楽しいです。なんか凄く微笑ましい(笑)。


POCKET AD - とある魔法の森メタル - 少女さとり~3RD EYE ★★★ (2010-03-14 23:14:07)

このゴス趣味丸出しのメロディがこんなに楽しく聴こえてしまうとは…。しかし、これ聴いて、原作プレイしていて良かったな…と思いました。周りが酔っ払ってる中、一人素面で、華麗に耽美なメロディを(得意げな感じで)奏でるさとりの姿が浮かんできます(笑)。本当に楽しそうだなぁこの人たち(笑)


POCKET AD - とある魔法の森メタル - U.N.オーエンは森メタルなのか? ★★★ (2010-03-14 23:07:59)

この曲は原曲のメロディ自体にゴシック的な怪奇趣味が混じってるので…やっぱり他の曲と一線を画した曲になってると思う。これを1曲目に持ってきたことで、異形の宴会にまだ馴染んでいない人間の、「畏れ」みたいなものが表現されている気がする。そういう効果を狙って、1曲目にしてるのかは分かりませんが…。