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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2901-3000

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2901-3000

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ISOLATION - ISOLATION - QUIET THESE COLOURS WILL FADE ★★★ (2010-02-14 09:55:25)

聴いているとどんどん曲の世界に引き込まれていて、もっと聴いていたいな…と思うくらいのところで、丁度曲がフェイドアウトする困った曲。最初クロスフェードデモ的なあれかと思いましたもん(笑)。でも、演奏時間見たらちゃんと5分経ってる…。まあそれだけ陶酔感の強い、魅力的な曲という事でしょう。


ISOLATION - ISOLATION ★★ (2010-02-14 09:53:00)

2008年発表の音源集。
「Hier am Ende der Weld」デモ(3,4,6曲目)と「A Prayer for the World to End」デモ(2,5曲目)に加え、イントロとアウトロを付け加えて一つの作品として纏めた編集盤。

AUSTEREともスプリットを出しているので、鬱ブラック好きの間での知名度は結構あるほうだと思いますが…このバンドが演っているのも、当然ながら筋金入りの鬱ブラック。ただ、このバンドはメロディから受ける感情が「悲痛さ・哀愁」>>「鬱・絶望」という感じなのが特徴。メロディの構成要素が、鬱ブラック要素9割に加えて、ブルーズの哀愁が1割くらい混じっているような哀感なんですよね…あくまでも「印象」ですが。

そのメロディに加えて、ミディアム基調ながら単調でないリズムの構成など、鬱ブラックなのに何故か「動的」な印象を受けるんですよね。音質は曲によりますが、大概の曲ではギターのノイズ質が霧のようにうっすらと掛かる音が、曲に奥ゆかしさを与えていてかなり良い感じだと思います。一部リフをスラッジ/ドゥーム的な引き摺り方もする場面もありますが、個人的には前者の方が好み。

…全体的に、曲としては音響路線(=アヴァンギャルド)や行き過ぎた狂気、不条理さを志向するバンドが多いこの界隈においては、音楽的にかなりまともな方ではないかと思います。…いや、行き過ぎてるのもそれはそれで好きですが(笑)。

ただし、曲のまともな哀愁とは裏腹に、ヴォーカルはまともからは程遠いですね(笑)。もうこれ、「悲痛な感情を(高音で絶叫する事で)表現している」ってレベルじゃないですよ…。殆ど鳥の鳴き真似レベルの超高音と、怒りを込めた咆哮を使い分けてますが…特に前者の逝きっぷりが半端ない。初期FLUERETYより多少マシな程度。しかもどちらもかなりの擦れ声なので、聴いてて遣る瀬無くなりますね…。

しかし、鬱ブラックって殆どの場合、「哀愁/絶望系メロディ」「スロー/ミディアム中心の展開」「絶望感や自棄な雰囲気を感じさせるヴォーカル」とか、多くの縛りを持つ筈なのに、どのバンドもその中で個性を発揮していて面白いですよね。この(音楽的な)面白さが、「現代社会において疲れた精神と、病んだ音楽が同調する」という以上に、鬱ブラックをマニア間での人気ジャンルたらしめているのかもしれません。


MARIO CHILD (MARIO CROSS CHILD) - FANTASIA OF LABYRINTH~迷宮の幻想曲~ - FAIRY OF TURQUOISE PLANET ★★★ (2010-02-13 22:58:19)

入りのリフへのキーの乗せ方の時点でいきなりモロにクサメタルしてますが、そんなことで驚いてはいけません。なにせこんなキーが全編に入ってますから…取り合えず、一般メタラーの嗜好に合わせて抑えよう、とかいう日和った発想は全く無さそうなのが頼もしいです。


MARIO CHILD (MARIO CROSS CHILD) ★★ (2010-02-13 22:58:00)

正確にはMARIO † CHILD(マリオ・クロス・チャイルド)。
新進気鋭の国産ファンタジーメタルバンドです。
…こういう、バンド名に記号が入ってる場合はどう登録すれば良いんだろう…。
以前<CODE>を登録したらバグって管理人様に修正してもらうことになったし…。
(結局、その時は<>を付けずに登録しましたが…)


MARIO CHILD (MARIO CROSS CHILD) - FANTASIA OF LABYRINTH~迷宮の幻想曲~ ★★ (2010-02-13 22:56:00)

2010年発表の1stミニアルバム。
キャッチコピーには、「神秘的で幻想的で中性的な妖精音楽プロジェクト」とありますが…
そんなに「~的」を連呼されると、逆に音楽性を想像しづらいんですが(笑)。
端的に言ってしまえば、MALICE MIZERやVERSAILLES辺りの耽美かつ煌びやかな路線のV系と、
DRAGON GUARDIANやあめのむらくも辺りの、最近現れ始めた国産RPGメタルを主なルーツに
持つであろう、シンフォニックな、歌謡的なメタル。
…この作品の最大の特徴は、何と言ってもそのキーボード。
「キーボードの入っていないパートなんて殆ど無いのでは」と言うくらい、全編に渡って
キーが配された、極めて煌びやかな音像。…徹底したシンフォ路線を貫くブラックとか、
キーが主軸になっている音楽性のバンドならともかく、歌モノの路線でここまで演って
くれるのは珍しいのでは。ただ、キーの音色自体はファミコン並とは言えないまでも、
スーファミでなら再現できそうなチープさ。でもその音が、却って世界観をRPG的に
聴こえさせているのが面白いです。
ヴォーカルは、キ真面目なメタラーの神経を逆撫でしそうな(笑)、MOI DIX MOISや
VERSAILLESタイプのいかにもV系な低音の上、かなりくどめな声で語りも入れてくるという、
好みの分かれるタイプですが、心地良いビブラートを聴かせてくれるし、歌唱力自体は
問題なしかと。個人的にはこういうヴォーカルは大好物です(笑)。
しかし、DRAGON GUARDIAN以来、ジャパメタシーンに着々と「国産RPGメタル」という
ジャンルが根を張りつつありますね(笑)。メタラーもV系ファンもRPG好きも
アニソンファンも巻き込んで、大きなムーブメントになって、ごく一部のキ真面目な
メタラーが眉を顰めるような展開になってくれれば、個人的には面白いんですけど(笑)。


ENDSTILLE - Verfuhrer - Depressive/abstract/banished/despised ★★★ (2010-02-12 21:32:15)

オールドスクールなテンポに恨みの篭もったヴォーカルが乗る曲で、アルバムの中では異色といえる曲。でも、ヴォーカルもAttilaのような儀式的な感じよりも、「憎み殺す」ような印象が強いし、やはり浮かんでくるのは血と憎悪に塗れた戦場。


ENDSTILLE - Verfuhrer ★★ (2010-02-12 21:28:00)

2009年発表の6th。

同じファストブラックであっても、例えばMARDUKや1349はアルバム毎に多少なりともカラーの違いがあるものですが、このバンドは見事なまでに前作同様の路線ですね。「俺達はこれが演りたいんだ!!メジャー化やリスナーの嗜好など知った事か!!」とでも言わんばかりの我の貫きっ振りが素晴らしい。この分だと、ヴォーカルの狂性や音質全般、リフの切れ味などクオリティの底上げはあっても、デビュー時からずっと変わらなそうです。まあ、このアルバムと前作しか聴いた事ないので、あくまで印象ですが。

という訳で、相も変わらずスウェディッシュ勢のファストブラックを更に凶悪化させたような、撃滅WARブラックを演ってますね。ヴォーカルの喉が引き千切れる寸前のような自棄くそ絶叫、憎悪の炎を宿したような音色のヂリヂリギター、機銃掃射系ブラストビートと音の全てで「戦争」を体現しているような感じ。
一応、毎作恒例のバンド名を冠した曲を初め、ミディアムを含むパートもありますが…やっぱり「蹂躙された跡」みたいな印象しかなく、どこまでも戦争は続きます(笑)。前作よりも若干叙情味が減退した感はありますが、その分更に荒涼感が強調された作風になった気がします。

例えば同じWARブラックでも、INFERNAL WARなんかは、エクストリームメタル好き全般に勧められそうですが、こっちはファスト系・WAR系ブラック好きの為のWARブラックという感じ。ただし、その質の高さと徹底した作風から、嗜好にハマれば凄まじい名盤になるかもしれません。


MARY'S BLOOD ★★ (2010-02-12 18:48:00)

元DESTROSEのメンバー4名を中心に結成したバンド。
今年初め、1stとなるシングルをリリースしました。


MARY'S BLOOD - SAVE THE QUEEN / THE FIFTH INFERNO ★★ (2010-02-12 18:47:00)

2010年発表の1stシングル。
…DESTROSEは各所にポスターが掲示されたり、雑誌にインタビューが掲載されたりして、
気にはなっていたんですが、なかなか音源を聴く機会に恵まれず、今まで未聴のままでしたが、
新たに元DESTROSEのメンバーが新バンドを結成し、シングルを出すという情報が入ったので
取り敢えず購入し聴いてみる事に。
感想としては、ごく正統にクオリティの高い、歌謡要素も含むジャパメタという感じですね。
先日出たALDIOUSといい、演奏にしろプロダクションにしろ、新人バンドとしてはそつが
なさ過ぎるくらいにそつのない音。歌唱や歌メロ、歌詞の世界観がハードロック的な
体育会系イズムではなく、情念や叙情性を重視しているのも私の嗜好にピッタリ。
特にメタル的ハイトーンではなく、ロック系の勢いある歌唱は、メタリックで歌謡曲的で
ありながらも、アニソン的な甘さを上手く排除するのに一役買っているように思います。
また、スラッシュ由来と思われるスピード感を取り入れたりもしていて、渋すぎない曲調も
実に好みです。
個人的には、レディースメタルバンドに求める物がほとんど入っていて、良い買い物をしたと
思う事が出来る作品でした。あとは新人バンドではMISTIELEGYや天狗櫻、霞鳥幻樂団にも
劣らない強烈な個性があると更に良いかも。まあ、これだけ清く正しくHR/HM演ってるバンドに
それを言うのは、酷だとは思いますが…。


TROLL - Neo-Satanic Supremacy ★★ (2010-02-11 11:28:00)

2010年発表の3rd。

元DIMMU BORGIRのNagashが中心となったシンフォニック・ブラックだそうですが…個人的にはNagashって、DIMMUよりもCARPE TENEBRUM(NagashとAstennuの元DIMMUコンビによるシンフォブラック)でのイメージが強いんですよね。CARPE~の作曲面の舵はAstennu氏が握っていたらしく、Nagash脱退後はブラックからデスに路線を変更してしまい、かなりがっかりしたんですが、この作品は正にブラックの妖しさを体現していた頃のCARPE TENEBRUMの続編と作風を更に洗練させたような雰囲気がありますね。

路線としては、生のオーケストラを導入し、圧倒的な荘厳さを見せつけるDIMMUとは異なり、キーボードはあくまでブラック特有の、背筋が凍るような雰囲気の演出を重視している感じ。適度に洗練されたプロダクションや展開、いかにもという感じの高音がなりなど、各要素はシンフォニック・ブラックのテンプレート通りっぽい面もあるんですが、時折、マジに悪魔が鍵盤を弾いているような、息を呑む美しいフレーズが出てくるのが素晴らしい。この辺りのセンスはやはり健在です。

2010年代のシンフォブラックということで、曲調にはアングライズムを大分残しつつも、展開やプロダクションなどに関してはかなり洗練されて来てますね。DIMMUやABGAIL WILLIAMSと比べると、初聴のインパクトはやや薄いので入門には向かない可能性もありますが、90年代北欧シンフォブラックの作品が何枚か棚に並んでる方なら、手を出す価値はあるかと思います。


MORK - PREPOSTEROUS ★★★ (2010-02-11 00:04:00)

2008年発表の1st(6曲入りEP?)。
ブラジルから新たなシンフォニック・ブラックの期待の星の登場です。

某CDショップ…っていうかDISK HELLの入荷情報掲示板で、まだアングライズム前回だった頃のCRADLEやDIMMU、Nocturnal Art Production所属バンドなどが引き合いに出され、90年代のブラックの妖しさを継承した、近年のメジャー志向のシンフォ系のバンドとは確実に一線を画す新人バンドの登場…と、大絶賛で紹介されていたのでご存知のマニアの方も多いと思われますが…私もその口車に見事に乗せられ、CDを購入したクチなんですが(笑)、これは良いですね。

キーボードの、「生音には無い独特の厚み」を利用し、独特の音像を構築する事でブラック特有の底知れない雰囲気を演出していくタイプのシンフォブラックで、確かに初期LIMBONIC ARTの系譜にある音だと思います。ただし、こちらの方がリフの輪郭がはっきりしていて、トレモロと厚いキーの絡みを聴かせたり、ピアノやギターによるソロも挿入した展開重視の部分もあったりしていて、最近のLIMBO程度にはメタリックな音。

自主制作でのデビュー作とは思えないほど質は高く、もしかしたらブラックのマニア以外には初期LIMBOより受けが良いかもしれません。…っていうか、今レビューを書くにあたって改めてバンドの情報を調べるまで、すっかりノルウェーから出た新人だと思ってました。
「さすが本場、出て来る新人もレベルが高い!!」みたいな語り口でレビュー書こうと思ってましたもん(笑)。それくらい、本格的に初期北欧ブラックの雰囲気を醸し出している作品です。青田買い大推薦のバンドです。


上海アリス幻樂団 - 蓮台野夜行~ghostly Field Club - 魔法少女十字軍 ★★★ (2010-02-09 22:30:07)

実はこの曲のSEVENTH-HEAVEN MAXIONのアレンジ「Harmonie」を店内で偶然聞き、余りのクサさにレジに持っていった事がこのジャンルにハマるきっかけだったので、個人的に凄く思い入れがあるんですよね…多分この曲を聴いていなかったら、今頃東方の原作もプレイしてなかったと思います。
しかしこれ、個人の思い入れを抜きにしても、クサメタラー殺しの名曲でしょう。だってメロディのフレーズそれ自体も音色の選び方も、クサメタル以上にクサメタルしてるんだもん。あとは、タイトルがもっとクサメタラー受けする感じだと良かったかな?何となく、(失礼だけど)「魔法少女」と聞くと幼児かオタク向けアニメっていう印象があるので。


上海アリス幻樂団 - 東方花映塚~phantasmagoria of Flower View. - 六十年目の東方裁判~fate of Sixty Years ★★★ (2010-02-09 22:22:15)

最近花映塚も買った(ティンクルスター~にそっくりなシステムにびっくり)んですが、この曲のリズミカルなフレーズで聞かせ、その余韻をキーボードで引き取るパートの美しさに、プレイ中にも関わらず感銘を受けました…そして撃墜された(笑)。引き取りのフレーズが思いっきり手癖っぽいですけど、その「手癖」が好きなんです。


上海アリス幻樂団 - 東方夢時空~phantasmagoria of Dim.dream - 東方妖恋談 ★★★ (2010-02-09 22:18:49)

個人的には「少女綺想曲」よりこっちの方が好き。
サビに向かって盛り上がっていく構成といい、サビメロのごく分かりやすいヒロイックさといい、実にシューティングの主人公っぽい曲だと思います。でも、この曲からは、暢気な会話なんかせずに妖怪をバッタバッタと薙ぎ倒してるイメージが浮かびますが(笑)。


ストロベリーソングオーケストラ - 血の濫觴 - 狂れた埋葬虫、電波、赤マント! ★★★ (2010-02-09 22:06:26)

この曲をほんの少し聴いただけで、「あ、デス声弱っwww」と思って購入を止めた(後からどうしても気になって買ったけど)私は、音楽ファンとして、どんな謗りを受けても仕方ないと思う…ばーかばーか。
この曲にはこのヴォーカルじゃなきゃ駄目でしょう。デス声というより、パーカッシブで怪しい濁声という感じで、物凄く表現力のある暗黒紙芝居の演者のような雰囲気がある。デス好きには厳しいかもですが、スラッシュの怪しいアングラさが好きな方なんかは共感できるのでは。曲自体は…エキセントリックさがキャッチーさに繋がるレベルまで達している感じで…取り敢えず「最高!」と言っておきます。


ストロベリーソングオーケストラ - 血の濫觴 - 非傀儡宣言 ★★★ (2010-02-09 21:57:28)

2曲目で圧倒的な世界観を見せ付けつつ、それを引き継ぎ更にアルバムの世界の深くに引き込んでいく3曲目。ギターワークへのピアノの絡め方とか、メタル視点で見ても十二分にかっこいい。ラスト近くの声楽的美声と(スラッシュ曲歌う時の瞬火さん風の)濁声が重なる箇所では、もう絶頂を迎えそうになりますね。
個人的に、語りパートのバックの「非傀儡宣言」の掛け声が好き。無垢故に、怪しげな思想を持つ怪人に洗脳された子供たちのシュプレヒコールを聞いているような、妙な背徳感があります(笑)。


ストロベリーソングオーケストラ - 血の濫觴 - 大空を失った男 ★★★ (2010-02-09 21:51:48)

バンドの書くメロディと、美歌嬢の歌声の半端ない美しさが堪能出来ること、途中で台詞が入るシアトリカルな展開をすることなど、陰陽座の「安達ヶ原」に近い曲なのかも。ラストの、美メロで聴かせた後、離陸し盛り上げるパートなんかは「やっぱ音楽って凄いよね…」と、なにか根本的な部分での感動すら覚えます。
…でも、語りのパートの第一印象は、こんなクレーマーが会社に来たら困るなぁ…でした(笑)。


ストロベリーソングオーケストラ - 血の濫觴 - 新月に君想う ★★★ (2010-02-07 20:24:53)

歌詞の内容は全く違うんですが、胸の琴線への触れ方や、曲を通じて見えてくる情景が、どこか陰陽座の「星の宿り」「夢虫」などとも共通する、美しい曲。録音状態が良いので、美歌さんの美声が思う存分堪能出来ます。
…陰陽座の「星の宿り」や、犬神の「陽炎」辺りもそうですが、アングラな志向を持ったバンドが普遍的な物を作ろうとすると、凄まじい傑作が出来ることが多いと思う。やっぱり、アーティストとしての本質的な部分が優れていない限り、アングラ音楽なんか出来ない、やっても自己満にしかならない、ということでしょうか。


ストロベリーソングオーケストラ - 血の濫觴 ★★ (2010-02-07 20:23:00)

現編成になってから初のフルアルバム。2009年発表。
これはヤバいバンドが出てきましたね、陰陽座や犬神サーカス団的に(笑)。
バンドの描く世界観は、正にジャケやキャッチコピー通りの、昭和文化の如何わしい部分を
前面に押し出したもので、「地獄の子守唄」期の犬神と通じるものがありますね。
台詞や寸劇を入れたり、聴かせるべき所では極上のメロディが出て来るセンスも似てます。
ただ、グロ寄りだった犬神に対し、こっちはもっと奇天烈というか、当時の文化の
ケレン味を最重視してる感じ。
また、結局の所ごく真っ当なハードロックが根底にある(と思う)犬神に比べると、こっちは
スラッシュ要素や三味線、サックスとピアノを取り入れたジャズ、プログレ的な展開など
様々な要素を取り入れ、更に好き放題やってる感がありますね。犬神も相当音楽性の幅は
広いんですが、こっちはその更に上を行ってると思う。
しかも驚くべきなのは、それだけの要素を取り入れながら、非常にバランス感覚に優れた作品に
なっている事。素人耳に聴いても、生半可な取り入れ方で萎えるところもなければ、難解すぎて
ある特定の素養や嗜好が無ければ理解不能なところも無く、誰が聴いても「如何わしい
昭和文化」を体験できる作品になっているのではないかと思います。
まぁ、それを好きになるかは、人それぞれですけどね…。
でも、犬神も陰陽座もそうですが、こういう世界観重視のバンドのヴォーカルってやけに
スキル高いですよね…(笑)。特に月影美歌嬢の(陰陽座の)黒猫さん似の声楽的な美声は、
バンドのメロディのセンスの良さとも相まって、確実に音楽性のポピュラリティを上げている
かと思います。個人的に苦手だった戦車氏の演説以上、スラッシュの吐き捨て未満のがなりは、
初聴では煮え切らなくて今一つと思いましたが、今ではこの世界観に無くてはならないと思うように。
犬神がロック・エンターテイメント路線に切り替え、今でも昔の狂気を揺り戻せていない感が
あることや、陰陽座が妖怪的な世界観を薄め、健全でハイクオリティな正統派メタルに
シフトしていっていることに不満を持つ方は、まずこれを聴いてみると良いと思います。
私としては、彼らや霞鳥幻樂団、天狗櫻みたいなバンドが頑張っていてくれれば、犬神や
陰陽座がメジャー化しても別に文句は無いですね。でも、客取られても知りませんよ…?(笑)


5150 - シンフォニック東方Ⅱ(龍5150) ★★ (2010-02-04 21:47:00)

龍5150名義による東方アレンジ第2弾。2009年発表。
…この人の作品は、そのオリジナリティから担当者に目を付けられ、同人とは全く関係の無い
DISK HEAVENなどのメタル専門店にも置かれたようですね。確かにそれだけのものがあるかと。
メロスピを中心に、シンフォニックブラック、バラードまでの幅広い楽曲を本人の声楽的
歌唱による多重コーラスで包む、極めて独創的な音楽性は、その高いクオリティとも
相まって、ちょっと聴いただけでもCROW'SCLAWだとか、IRON ATTACK!だとかこのジャンルの
トップクラスのサークルと同じか、それ以上のインパクトを与えるように思います。
個人的にこの人の一番素晴らしいと思うところは、メタルの表現方法に対して、凄く真摯かつ
勉強熱心な印象を受けること。例えばヴォーカルですが…普通声は低音にはシンフォブラで
多用される声楽的威厳のある歌唱、高音にはLeo Figaro氏風の「味」を取り入れようと
しているのが垣間見えたり、デス声はDani Filth的な超音波絶叫と低音グロウルの使い分け
だけでなく、鬱ブラック風の半狂乱声まで使おうとしてたりで、聴いてて飽きないです。
…決して「独り大合唱」という個性だけに寄りかからない、自分のメタル観を追求している
アーティストだと思います。まあ、ヴォーカルに関して言えば、音節の切り方が変だったり、
鬱ブラ風デス声に照れが残ってたり、根本の歌唱力がもう一つだったりしますが…。
でも、これでデス声の威厳をSATYRICONやWATAIN辺りに、重ね方やエフェクトの掛け方を
FUNERAL MIST辺りに学んだらもっと凄くなるんじゃないでしょうか(注:単なる個人的希望)。
もう一つ希望を言うなら、一度でいいのでリードヴォーカル無しの本当の意味での
「合唱メタル」が聴いてみたいんですが…それはメタラーの血が許さないんでしょうか(笑)。


DARK FORTRESS - Ylem ★★★ (2010-02-02 18:28:00)

2010年発表の6th。
このバンドは94年ごろから活動する古参で、メロブラ・シンフォブラ好きの間でも高い評価を得ているということですが、私はこの作品が初体験。

1曲目の頭からかなりメロディックなリードギターが挿入され、確かに「メロブラ」ではあるんですが…このバンドの音は「メロブラ」や「シンフォブラ」と言われているものの中では、破格の邪悪さを持っていて、雰囲気的にはむしろ真性ブラックに近いのが特徴ですね。

一応、リードギターが(邪悪さを同時に感じさせるとはいえ)哀メロ・美メロを紡ぐ個所も多く、頻度は少ないもののキーも入るので、メロブラとしての体裁は保たれていますが…リフそのものの余りにも暗く抑鬱され、圧迫感のある響きや、ヴォーカルの伏魔殿の最深に棲む魔王のような、威風を感じさせるデス声などから、いやがおうにも真性以上の邪悪さを感じてしまいます。「我こそはジャーマンブラックの真祖なり」とでも言わんばかりの、凄まじい威厳の伴った音。

流石に年季の入った邪悪さを感じさせる音で、メロブラ好きにも芯までブラックに染まった人にもお勧め出来るであろう作品。ただし、ここまで「濃い」音なのに、収録時間が70分を超えるのは人によってはもたれるかもしれません。


KVIST - For kunsten maa vi evig vike ★★★ (2010-02-02 18:26:00)

96年発表の1st。
みなさん仰ってますが、これは確かに名盤だと思います。今、ブラック好きを集めて90年代ブラックの名盤を選出したら多分入ると思うくらいに。

路線的には、ジャリジャリしたギターリフによる寒々しいメロディと、チャーチオルガンやストリングス系の空間系キーボードによる荘厳なメロディック/シンフォニックなブラックメタルで、取り立てて特別なことをしているという訳ではないんですが…
曲の良さと、各楽器の音色が何か魔術的なものを感じるほどに上手く嵌まり、90年代屈指のメロディックブラックの名盤として仕上がった…そんな印象を受ける作品。

おそらく、ギターの音色やキーの音色が少しでも違ったなら、ここまでの作品にはならなかったのではないでしょうか。それ位奇跡的なアルバムだと思う。唯一、1曲目のドラムの音がイマイチだと思ったんですが、何故か2曲目からは改善されてるのも不思議。
個人的には、聴いていると雪原を餓えた狼が彷徨っているような、「冷たく、恐ろしく、そして不条理な自然の情景」を思い浮かべます。

…近年、有名バンドを脅かすほどの質を備えた無名バンドが急激に台頭したり、ブラックの可能性を押し広げるような実験性を持ったバンドなどは出てきていますが、こういう初期ブラック本来の残酷で美しい情景を描けているバンドは少ないのではないでしょうか。
CODEが(手法は違えど)描きたいのは、もしかしたらこういう情景なのかもしれませんね。

このバンドはURGEHALの前身ということですが…URGEHALはURGEHALで素晴らしいアルバムを作っていると思うし、本当に失礼だと思いますが、メンバーや作風に変化が無かったとしてもこれほどの作品を量産できたかは疑問。どんなバンドであれ、作を重ねると多かれ少なかれ変化や洗練に向かいますもん。このアルバムは、本当に「これでなければ出せない」雰囲気がある。


HJARNIDAUDI - Niklas Kvarforth Presents... ★★ (2010-02-01 19:41:00)

Vidar氏による独りドローン/フューネラルドゥームの1st「Pain Noise March」(2006年発表)に、SHININGのKvarforthがヴォーカルを加えたリイシュー盤。2008年発表。

低音のうねりがそのまま抑鬱感に繋がるような低音に、乾いたギターメロが乗る、サイケデリック/ナルコティックな作風で、Kvarforthが参加したバンドであるSKITLIVに近い音。ただ、2曲目や3曲目のラストなどでブラックメタル的なトレモロリフが、偏執的に挿入されるとはいえ、こちらの方がHR/HM色はより薄く、しかもKvarforth氏のヴォーカルが絶叫ではなく、持ち前の表現力で静かに恐怖を煽るタイプなので、より非人間的な印象。
…1曲目の後半、不意に神秘性を増す箇所なんて、意図せずして祟り神のような、超常的な「何か」と交信の回路が繋がってしまったかのようでかなり恐い。

例えば、WORSHIPほど哀しいメロがあれば、そこにシンクロする事で癒される事もあるかもしれないし、STALAGGH程のインパクトがあれば、刺激を求めて、意外と聴けてしまうかもしれません。しかし、これは精神的に少しずつ追い詰めていくような感じで、リスナーにそうした逃げ場を与えてくれません。お酒と向精神薬を同時に飲んで、更にこれを聴いたら本当にトリップするかも…決して実行しないで下さい。

…と言いつつ、もし人生にぶっ詰まったら実践してみてもいいかなーとか思う今日この頃(笑)。


轟音ファクトリー - 青空地獄 - お家に帰ろう ★★★ (2010-01-31 18:51:47)

こんなにヘヴィでファストでダークな「お家へ帰ろう」が他にあるだろうか(笑)。
クサメタル好きなんで、この曲の哀メロ+疾走のパートなんか堪らないですね。メロスピ的というよりは、ハードコアが下地にあるような疾走振りですが、まあクサメロ疾走なのは変わらないので…。


轟音ファクトリー - 青空地獄 - 春葬送 ★★★ (2010-01-31 18:50:43)

読み方は「はるそうそう」でいいのかな?「涙そうそう」を意識してたりして(笑)。
この曲はサビのメロディが抜群に良いですよね。いかにもムックが勝負曲の大サビに使いそうな、素晴らしい叙情メロです。…でも、英語のデスヴォイスパートを表記しなかったのは正解かも。なんか「ジェノサイド」とか、バンドのコンセプト「日常の絶望」から掛け離れた単語が聴こえるんですけど…。


轟音ファクトリー - 青空地獄 - 青空地獄 ★★★ (2010-01-31 18:49:42)

レイドバックした雰囲気のパートが、サウンドのヘヴィさ、歌詞の絶望感を更に加速させる1曲。「♪みんなは先に行ってしまった/追いつくこともないだろう」シンプルな表現でありながら、絶望感と同時に、主人公の倦み切った心情まで表した名フレーズだと思います。


轟音ファクトリー - 青空地獄 ★★ (2010-01-31 18:48:00)

2010年発表の4曲(+ボーナス)入りミニ。
このバンドはムックやSLAYER、SLIPKNOT等のバンドから強い影響を受けたようですが…
確かに、特にムックからの影響は分かりやすいくらいですね。フォークにも通じる、哀愁の
歌メロは「アンティーク」期(最初期)のムックっぽい(+メロコアテイストがある気も…)し、
海外のラウド系バンドっぽい重低音が効いたプロダクションは、「是空」「朽木の灯」辺りの
頃のムックに通じると思う。ただ、こっちは低音咆哮と高音絶叫の掛け合いを多用した、
本格的なデスヴォイスが入っているのが大きな違いでしょうか。
ヴォーカルの声質は、(メリーの)ガラ氏からハスキーさを薄めたような、癖の無いけど哀感の
ある声質で聞きやすいし、メロディのセンスもムックに肉薄する物があると思う。
歌詞がストレート過ぎて「葬ラ謳」期のムック程の絶望感がないのは残念ですが、少なくとも
私は、今の「きれいなムック」よりは好きだったりします(笑)。
ボーナストラックの歌詞なんかかなり良い味出してると思うし(笑)。


ISVIND - Dark Waters Stir - Bankeånd / Poltergeist ★★★ (2010-01-31 12:46:10)

他とは全く毛色の異なる曲ですが、何気にバンドの暗黒の感性が発揮された名曲だと思う。特に前半のシンフォブラックパートの、キーの音色が実際に鳴っている音なのか頭の中に響いているのか区別がつかなくなりそうな、サイケな感じで素晴らしい。イントロでも同様のキーが使われてますが、やっぱりRAWなバンドの音が入ると全然違いますね。


ISVIND - Dark Waters Stir ★★★ (2010-01-31 12:42:00)

96年発表の1st。
元は1000枚限定のデジパックで発売されていたものが、最近になってレーベルの倉庫からデッドストックの、プロモ用ジュエルケース盤が見つかったらしく、出回り始めている模様。

曲調としては、ノルウェー語で「氷の風」を表すバンド名の示す通り、DISSECTIONなどのバンドに通じる、冷たいメロディを持つブラックメタル。寒々しい疾走や、叙情的なアコギなど、各パートごとの狙いが明瞭で、DISSECTIONやTAAKE、TSJUDER辺りのバンド同じくらい、展開を重視している感じ。殊に疾走パートにプリミティブな感性を盛り込んだDISSECTIONというと近いでしょうか。
ラス曲はアンビエント・ブラック的な感性のキー入り曲から、無音を挟んで演説調Voに2ビート疾走で、かなり毛色が違いますが、こういう曲をさらっと演ってしまうのもセンスがあるからでしょう。

プロダクションは…思いっきり当時のノルウェーのアングラなブラックのシーンを反映している感じですね(笑)。妙にRAWな響きを持つドラム、シャーシャーとしたノイズ質の中にチリチリとしたメロディが絡むギター…少しデモめいた雰囲気のある音質。
このギターの音色が、メロディそのものの冷たさとも相まって、背筋を悪寒が走るような感覚を呼び起こすんですよね。ブラック好きの中には、整った音よりもこうした音を好む人が確実にいると思う。

…曲の展開もしっかりしてるし、メロディのセンスも十分だしで、プロモーションや音質によってはブラック好きに以外のエクストリームメタルファンの間で話題になってもおかしくなかった作品だと思います。音質もMAYHEM、BURZUM、EMPEROR御三家の初期作が行ければイケるレベル、DARKTHRONEが大丈夫なら全く問題無しなので、ブラック好きなら話題性で購入しても損は無いですよ。


VALUATIR - I ★★ (2010-01-30 09:58:00)

このバンドも遂に登録されましたね…ブラック好きとしては嬉しい限りです。
日本のレーベルから発売されているので、手に取った方も多いのでは。
バグパイプによる民族的メロディをデス/ブラックに融合させた、所謂「フォークメタル」と
言われる音楽を演ってますが…この手のメジャーなバンド、例えばELUVEITIE辺りがメロデスを
基本としているのに対し、このバンドの基礎にあるのはプリミティブ寄りのメロブラ。
特にギターリフの荒涼としたメロディや、劣悪とは言えないまでも、荒めでかつアナログ感の
ある音質などは、確実にプリミティブブラックに通じるものがありますよね。
また、アコーディオンやヴァイオリンなどではなく、民族的メロディのパートを
バグパイプで演っているのも大きな特徴。バグパイプって、前述の楽器よりも日本人の
耳に馴染みにくい代わりに、より深みのある響きを持っていると思うんですよね。
この楽器を主軸にした事で、呑んだくれメタルの刹那的な雰囲気とはまた違う、文化への
敬意に満ちた、ある意味では危険な雰囲気が醸し出されているように思います。
バグパイプと合わせるリフも、プリブラ風荒涼リフからスラッシーなもの、メロディと
ユニゾンするものなど起伏があり、曲は長めながら飽きることなく聴けるかと。
1000枚限定ですので、興味のある方は早めの購入をお勧めします。


SIGH - Scenes from Hell - L'art de mourir ★★★ (2010-01-25 21:42:30)

2曲目にして、既に地獄の軍勢は勝利を収めた模様(笑)。
主旋律がもう人ならざるもの達の凱旋、としか思えません。そのメロに乗って歌われる「♪As I see~」のヴォーカルラインも歌心がありすぎて困る!!電車の中で聴いてて歌いそうになるんですけど(笑)。しかし、(心の中で)この部分歌ってると、地上を焼き尽くす悪魔にでもなったような、全能感と高揚感がありますよね(笑)。


SIGH - Scenes from Hell - Prelude to the Oracle ★★★ (2010-01-25 21:38:05)

イントロの、天に向かって火柱が吹き上がるようなオーケストレーションが、戦いの嚆矢を思わせる1曲目。このままクサ音楽フィールドに乗り込んでって、DRAGON GUARDIANやSOUND HORIZONと闘っても互角以上の勝負が出来そうです。しかもエクストリームメタルとしても最高のクオリティという。…ほんと、一体何なんですか、この人たちは…(呆)


SIGH - Scenes from Hell ★★★ (2010-01-25 21:31:00)

2010年発表の8th。
SEAR BLISSのトロンボーン奏者が参加したことでも話題になった作品ですね。…いきなりですが、今年のベストはもうこの作品で決まりかもしれない(笑)。新年早々、すっげぇものが出てきてしまいましたね…。

路線としては、前作を踏襲した、スラッシュ寄りのメロブラに、地獄の炎が吹き上がるようなド派手なオーケストレーションを組み合わせたシンフォニックブラックですね。ひたすらに壮大で圧倒的だった前作と比べると、それ以前までのプログレッシブで前衛的な感性も、混じり始めている感じがします。

しかし、前作でも散々褒めましたが、このバンドのメロディセンスは異常。
音像の派手なシンフォ系のバンドは結構いますが、この作品はメロディ自体が優れてると思う。例えば、クラスでも楽器が苦手な人が、何とかメロディとして成立しているレベルの下手さでこの作品のメロディをリコーダーか何かで演奏したとしても、悶絶出来るくらいだと思う。

いくら日本人がメロディセンスが優れている(と言われている)とはいえ、流石にここまでのメロディ書ける人は余りいないのでは。間違いなく本物の才能を持っている人かと。しかもそのメロディが、これまた異常なまでの情景描写センスで描かれるのだからもう堪らないですよね。このメロを鳴らすにはこのアレンジが最適、というくらい、どのメロディもハマってると思います。

まあ、オーケストラ(特にブラス)は前述したように地獄の炎のようだし、地獄の針山を転げまわるようなスラッシュビートで疾走するし、ヴォーカルも地獄の炎に焼かれながら苦しんでるみたい(個人的に、川嶋さんのヴォーカルは攻撃性以上に苦悶を吐き出すような感情の濃さがあると思う)だし、地獄しか見えませんが(笑)早口での掛け合いの多いヴォーカルラインも、また焦燥感を煽るんですよね…。

…普通、「クサいメロディ」というと、その語感も手伝ってかどうしても卑俗的なイメージが浮かんでしまうのですが、この作品はその「クサいメロディ」をふんだんに取り入れながらも、卑俗さとは無縁な深淵さ・崇高さがあるのが素晴らしい。マジで中世の名画と同じくらいの芸術性で、地獄の様子を描いた作品だと思いますもん。しかし、地獄の風景ってこんな美しかったんですね…絶対行きたくないけど(笑)。

リアルに地獄へ行って、ロケしてきたとしか思えないような、情景描写に優れた作品。これをジャパメタやブラックが好きな人だけに聴かせておくのは勿体無さ過ぎる。メタルが少しでも好きな人は、前作と合わせてもう全員聴いて欲しいくらいです。


GOTHMOG - A Step in the Dark ★★★ (2010-01-24 12:13:00)

2009年発表のデビューアルバム。

国内盤もリリースしているらしいパワーメタルバンド、CAIN'S DYNASTYのメンバーが関わっているシンフォニック・ブラックとのことですが…SE的なパートでは主導権を握るものの、あくまでバンドサウンドや曲の雰囲気の演出をサポートするキーボードの使い方、正統派やメロデスにも通じるメタリックなリフ捌き、漢ヴァイキングメタル的なクッサいトレモロなど、各要素にどことなくパワーメタルバンドとしての感性が発揮された、シンフォニックブラックを演ってますね。

ブラックとしての邪悪さこそ希薄なものの、疾走パートの迫力も十分で、ヴォーカルも怒りまくり気合入りまくりのデスヴォイスを聴かせてくれるしで、エクストリームメタルとしての攻撃性も文句なし。音圧もかなり高く、クリアな音質も相まって、DIMMU辺りよりも更にメジャーメタルを志向した音に聴こえます。展開のドラマ性の高さの割に、各曲が短めに纏まっているのも好印象。ヴァイキング的朗唱をするも、ビブラートの掛け方がどうにもパワーメタルなのはご愛嬌でしょうか(笑)。

DIMMUやCRADLEなどのメジャー(でメタリック)なシンフォニックブラック好き以外にも、クサメタル経由でシンフォ系やヴァイキング系に入った人にもお勧めの作品。邪悪さ重視系シンフォニック・ブラックよりも、大分間口の広い音になっていると思いますので、CAIN'S DYNASTYに続いて是非こちらも国内盤リリースして欲しいですね。

…ちなみに、CRYING BLOODの最新作と同じレーベルで、ジャケ横の題字のフォントも一緒ですが、こっちに関してはバンドのメジャー志向な作風に良くあってると思います。


母檸檬 - 愛孕哀歌 - 左様なら昭和 ★★ (2010-01-24 12:11:30)

これはメロディから演奏から、あからさまに唱和してて好きですね。
メリーをアンサンブルの質を変えて、より狂気を深くした感じでしょうか。


母檸檬 - 愛孕哀歌 - 不能の空 ★★ (2010-01-24 12:10:39)

疾走+絶叫の展開は結構メタラー好みかも?
しかし、絶叫の本気度が凄いですね…そのまま失神しそう(笑)


母檸檬 - 愛孕哀歌 ★★ (2010-01-24 12:08:00)

2006年発表の1st。
このサイトでも支持を受けている、三上寛さんが推薦コメントを書いてます。
悪友から、「ゴシック好きを名乗るならこれは聴いておけ」って言われて購入しましたが…
ごめんなさい、THE 3RD AND THE MORTALやTHEATRE OF TRAGEDY好きなくらいで
ゴサー名乗ってた私が悪かったです。ちくしょう、こんな恐いもの勧めやがって…(泣)
ブルーズの流れを汲む、サイケなグルーヴを重視した演奏に、御手洗花女・水子両氏の語りと
歌が乗るというスタイルで、無理矢理定義するなら演劇ゴシックど暗黒フォークという感じ
なんですが、このヴォーカルが恐すぎる。歌詞の内容も昭和的なエログロ趣味全開なんですが、
それを生気の無い、まるで狂気の世界に身を浸しすぎて戻れなくなったような声で語られる/
歌われると、嫌でも情景が浮かんできてしまいます。
世界観としては「蛇神姫」期の犬神サーカス団に近いですが、非現実的な世界から過不足無く
狂気を抽出し、自分の世界観の演出に使える犬神に比べると、この人たちは本当に戻れない
ところまで足を踏み入れてしまっている感じ。恐怖感ではSTALAGGHやSILENCERレベルかと…。
これを聴くと、如何にメリーや犬神、黒色すみれ辺りがエンターテイメント性の高い音楽を演っているか分かります。
アンサンブルにはメタラーが好むような聴き応えこそあるものの、相当マニアックで
人を選ぶ音楽性だと重います。我こそは真性ゴサーだと思う人は挑戦してみてはどうでしょう。


霞鳥幻樂団 ★★ (2010-01-23 22:38:00)

三味線、バンジョー、アコーディオンを含む8人編成のバンド。
…このバンドの登場は、クサメタラーには事件と言えるレベルかも…。


霞鳥幻樂団 - 衒学奇譚 - Forest ★★★ (2010-01-23 22:37:12)

このバンド、昭和アングラっぽい世界観以前に、絶対にフォークメタルを意識しているとしか思えないんですけど…特に「♪in this place」のメロ回しなんかいかにも呑んだくれメタルバンドが演りそうだし。アンサンブルや歌メロのお蔭で、海外のフォークメタルよりも数段クサさは上ですが。


霞鳥幻樂団 - 衒学奇譚 - 四方八方 ★★★ (2010-01-23 22:34:35)

1曲目のイントロから独特の編成によるアンサンブルを大満喫してますね…まさかこんなクッサい音が出てくるとは思わなかったので、初聴時の衝撃はかなりのものでした。不機嫌にやさぐれたヴォーカルもかっこいいですよね。こういう歌い方すると、ちょっと犬神凶子さんっぽくもあり。


霞鳥幻樂団 - 衒学奇譚 ★★ (2010-01-23 22:31:00)

2009年発表の5曲入りEP。
メンバーの見た目からは、いかにも昭和のアングラ劇のような、おどろおどろしくて
サブカル臭のする音楽性を想像していましたが、実際にはコルピクラーニ辺りの
呑んだくれフォークメタルに近い、民族色の強い劇的なメロディが乱舞する、
極めて優れたクサさを持つ歌謡メタル。リズム面でもメロスピっぽい疾走パートが多かったり、
3拍子のポルカメタル風の部分もあったり、やっぱりクサメタルしてると思う。
正式メンバーにアコーディオンだけでなく、三味線やバンジョーもいる編成による、
音像面でのメリハリ、不機嫌な濁声からソプラノ、デス声まで使いこなす鞠嬢の
演劇派ヴォーカル、歌謡メタルならではの歌メロの起伏、そしてバンドイメージから
感じる多少のサブカル臭…その全てが曲の「クサさ」を彩る方向に働いていて、
ぶっちゃけコルピクラーニよりも数段クサい音になっていると思います。
…こういう編成だと、各楽器がメロディそっちのけでバトルを始めてしまったりする
ものですが、この作品は(各楽器の絡みを楽しめこそすれ)そういう部分が殆ど無く、
ひたすらにメロディ重視なのが素晴らしい…というか、クサメタラーの感性にビシビシ響きます(笑)。
ただし、かなりクサメタル成分が強いので、母檸檬とか黒色すみれ辺りが好きな、
年季の入った真性国産ゴシックファンには合わない可能性も。
クサメタル、フォークメタル、犬神サーカス団などの国産メタルが好きな方には大推薦です。


CRYING BLOOD - ANIMAE DAMNATAE ★★★ (2010-01-23 19:38:00)

2009年発表の3rd。

雰囲気系(空間系)のキーボードが、「雰囲気系」という領分を越えて派手に暴れまわるシンフォニック・ブラック。キーボードの音色の選択のセンスは黎明期シンフォブラの妖しさを、メロディの派手さやメタルとしての質の高さは現代シンフォブラのモダンさをそれぞれ備えていて、昔からこの系統を好んで聴いている人にも、最近聴き始めた人にもアピール出来る路線と言えそう。リフもしっかりしていて、キーばかりに頼り過ぎないアンサンブルも良い按配。

ただし、「鬼女」期のDaniを、更に喉を絞ったようなギーギーヴォーカルは壮絶で個性的ではありますが、結構好みが分かれると思う。このヴォーカル、「鬼女」期のDaniを越えるドMスロートの持ち主ですぜ(笑)。「苦虫を噛み潰したような」とは、本来表情への形容ですが、ヴォーカルを聞いてこんな言葉が思い浮かぶとは思わなかった…。

この作品なら、例えばABGAIL WILLIAMS辺りのメタルコア好きにも受け入れられているバンドのファンにも、ブラック特有の妖しい雰囲気を楽しんでもらえるのでは。少しドラムにRAWな響きこそあれ、クオリティは非常に高いです。ただ、GOTHMOG辺りもそうですが、このレーベルはジャケ横のバンド名のフォントを工夫して欲しいなぁ…。シンフォブラックっぽくない感じがするんですよね。


上海アリス幻樂団 - 東方地霊殿~subterranean Animism - ラストリモート ★★ (2010-01-23 10:26:26)

他の劇的な曲(「少女さとり」や「業火マントル」等)と比べると、メロディが落ち着いた感じなんですが、聴いていると少しずつメロが沁み込んでいって、気がつくと泣きそうになってる…そんな静かな哀愁が感じられる曲。…でも、STG「ラストリゾ-ト」って、一体どれだけの人が知っているんでしょうか(笑)いや、私も未プレイですが。


上海アリス幻樂団 - 東方永夜抄~imperishable Night. - 千年幻想郷~history of the Moon ★★★ (2010-01-23 10:18:50)

「神話時代より、代々受け継がれてきたメロディ」って言われたら信じてしまいそうなほど、印象的で、かつ侘び寂びを完璧に理解したメロディが素晴らしい曲。アレンジも素晴らしく、例えば原曲準拠(でよりロック風味)なアレンジで有名なdBu musicも、「U.N.オーエンは彼女なのか?」「平安のエイリアン」等では原曲以上のかっこよさを出せていると思いますが、この曲では原曲の雰囲気を表現しきれていないと思う。


上海アリス幻樂団 - 東方夢時空~phantasmagoria of Dim.dream - 夢消失 ~ Lost Dream ★★★ (2010-01-23 10:12:23)

個人的に、初めて聴いた東方アレンジがSEVENTH-HEAVEN MAXIONの「Former Frontier」で、特にこの曲と「魔法少女十字軍」のメロに感銘を受けたことで上海アリス幻樂団に興味を持ったので、この曲には思い入れが深いんですよね。
日本的な鮮烈さと北欧的な冷涼さを持つメロディが、流れよく繋がるドラマティックな名曲。ここまで劇的なメロディをここまで自然な流れで聴かせられる曲はなかなか無いと思う。ただ、余りに流れが良すぎるので、(カヴァーは)アレンジによっては、メロの良さの割に結構のっぺりした展開になってる場合も…。


上海アリス幻樂団 - 東方紅魔郷~the Embodiment of Scarlet Devil. - 亡き王女の為のセプテット ★★★ (2010-01-20 02:33:02)

これは東方知る前から良いメロディとは思ってましたが、設定知ると更に好きになりました。紅魔郷のゴシックな雰囲気を描写するようなAメロ、威風や高貴さの顕現みたいなサビも素晴らしいですが、何気にBメロが肝だと思う。例えば、レミリアが自分は君臨する者として相応しいのかどうか、己に問い続けているような、そういう深い雰囲気がある。メロディそのものも、その流れも完璧です。


上海アリス幻樂団 - 大空魔術~magical Astronomy - 車椅子の未来宇宙 ★★★ (2010-01-18 20:08:19)

イントロに合わせて「♪リンスのいらないリンスのいらない~」って歌いたくなる曲ですね(笑)。サビのメロディのばら撒き方は、上海アリス幻樂団の曲でもかなり派手な方ですが…ここまで派手にばら撒くようなメロディなのに、ちゃんと情景が浮かんでくるのが凄いんですよね。


上海アリス幻樂団 - 大空魔術~magical Astronomy - 天空のグリニッジ ★★ (2010-01-18 20:07:31)

スタイリッシュでスリリングな雰囲気は、上海アリス幻樂団の楽曲群でも異彩を放ってますね。手品の時にかけたら合いそうだと思うんですが…どうでしょう(笑)。


上海アリス幻樂団 - 卯酉東海道~retrospective 53 Minutes - ヒロシゲ36号~neo Super-express ★★ (2010-01-18 20:06:15)

電車に揺られるようなリズムと、旅情を感じるメロディで聴かせる1曲目。アルバムを通じての、旅をしているような感覚は、この曲があるのとないのでは大違いなのではないでしょうか。


上海アリス幻樂団 - 夢違科学世紀~changeability of Strange Dream - 上海紅茶館~chinese Tea ★★★ (2010-01-18 20:05:04)

これも、一般に「歴史に残る名曲」と謳われている曲と比較しても劣らないほどのメロディだと思います。各パート単品でも十二分に素晴らしいですが、落ち着いたAメロ→鮮烈なBメロ→抜けるようなサビ、というメロディの流れも良いですね。全体的にメロが上品で、東方の中でも世代に関係無く聴かれて欲しい曲。


上海アリス幻樂団 - 夢違科学世紀~changeability of Strange Dream - 童祭~innocent Treasures ★★ (2010-01-18 20:03:58)

トークイベントで本人の入場時にかけるために書き下ろしたという曲。
それだけに、モロに上海アリス幻樂団っぽい癖の出たメロディになってますね。インストながら歌詞が設定されていますが…彼の書くメロディは歌心があるものが多いですが、もしかしたら最初から歌詞が乗る前提で作られた曲も多いのかも。


上海アリス幻樂団 - 蓮台野夜行~ghostly Field Club - 古の冥界寺 ★★ (2010-01-18 20:01:39)

なんだか、入ったら大河ドラマ的な壮大なストーリーに巻き込まれそうな寺観ですね…廃寺の境内に、冥界へと繋がるゲートがあって…みたいな、RPGの冒頭部分が浮かんでくる曲。


上海アリス幻樂団 - 蓮台野夜行~ghostly Field Club - 少女秘封倶楽部 ★★★ (2010-01-18 20:00:51)

これも本当に良い曲ですよね…薄暗くて、ロマンティックで、でも何処か子供らしい茶目っ気もあって…。ZUN氏の描くメロディって、現代人が日常の中で取りこぼしてきた何かを掬い上げるパワーがあると思う…と言っても、言いすぎではないのでは。


上海アリス幻樂団 - 蓮台野夜行~ghostly Field Club - 夜のデンデラ野を逝く ★★★ (2010-01-18 19:58:27)

ZUN氏って、「ある情景をメロディで描いてくれ」って依頼されたら、普通にこなせるのでは…。昔郵便局の配達のバイトしてた時、夕暮れ時に墓場近くを配達してた事がありますが、そんな時に聴いたら本気で恐くなる曲だと思う。主旋律も印象的で素晴らしいですが、妖気系のキーとピアノでは結構印象が変わりますね。


上海アリス幻樂団 - 蓬莱人形~dolls in Pseudo Paradise - 二色蓮花蝶~red and White ★★★ (2010-01-18 19:56:59)

歌心のあるメロディの多い上海アリスですが、これはその最たるもの。
Aメロ、Bメロ、サビがはっきりした構成で、しかもどれも極上。そのまま歌を乗せるだけで、超上質、かつ幽玄さまで湛えたポップスが出来上がりそう。凄く完成された曲だと思う。


上海アリス幻樂団 - 蓬莱人形~dolls in Pseudo Paradise - U.n.オーエンは彼女なのか? ★★ (2010-01-18 19:56:01)

これもアレンジを散々聴いてる曲ですが…本家は音色が意外にもチープ。といっても、他の曲の音の良さからして、どうも意図的にチープな音色で狂気を表現してるっぽいですが。個人的な好みでは、展開に余り手を加えず、より分かりやすい狂気を打ち出したdBu musicのバージョンの方かなぁ…。


上海アリス幻樂団 - 蓬莱人形~dolls in Pseudo Paradise - リーインカーネイション ★★ (2010-01-18 19:54:58)

この曲のBメロの扇情度ははっきり言って異常。いかにも超一流のメロデスバンドが泣きのリードギターでなぞりたがりそうなメロディで、このBメロをサビにあててクサメタル化したUnlucky Morpheusはやっぱり流石だと思う。反面、サビは短いフレーズの繰り返しで、ZUN氏にしては大分淡白。


上海アリス幻樂団 - 東方三月精~strange and Bright Nature Deity 2 - サニールチルフレクション ★★★ (2010-01-18 19:52:06)

漫画では、サニーは悪戯好きの妖精として、明るいキャラに描かれてましたが…この曲はそれでは終わらない感じですね。サビメロは明るさよりも、叙情性を感じられるし、トリッキーなピアノフレーズも入って、少しプログレの風味もするし…。漫画ではああ描かれてても、妖精はやっぱり人知の及ばない存在である、ということでしょうか(?)。


上海アリス幻樂団 - 東方三月精~strange and Bright Nature Deity 1 - サニーミルクの紅霧異変 ★★★ (2010-01-18 19:50:25)

「サニールチルフレクション」+「U.N.オーエンは彼女なのか?」な曲。
一粒で2度美味しい、面白い曲なんですが…当然それだけでは終わりません。両曲のフレーズの交錯のさせ方とか、どっちの曲にも見られない妙な雰囲気とか、ただ足しただけでは終わらない、サービス感たっぷりな曲。


上海アリス幻樂団 - 東方風神録~mountain of Faith - ネイティブフェイス ★★★ (2010-01-18 19:48:18)

土着信仰…というタイトルからは想像もつかない、アッパーで楽しげな、超キャッチーなメロディを持つ曲。こういうメロディ、Marty Friedmanは絶対好きだと思う(笑)。メロの素晴らしさも然る事ながら、高速ピアノが実にかっこいい。こういうピアノフレーズが入ったシンフォブラックってないかなぁ…?


上海アリス幻樂団 - 東方風神録~mountain of Faith - 神々が恋した幻想郷 ★★★ (2010-01-18 19:47:19)

東方の中でも癒し効果が高そうな1曲。
もうメロディを聴いているだけで、観光地を巡るバスの中にでもいる気分になってきます。東方って若いファンが多そうですが、この曲は親世代にも受けると思う。ゲーム中だと、ボスが一旦現れてすぐ去るタイミングで曲が盛り上がるようになってて、演出の巧さに唸らされます。


上海アリス幻樂団 - 東方風神録~mountain of Faith - 信仰は儚き人間の為に ★★★ (2010-01-18 19:42:55)

「懐かしき東方の血」が「メタルっぽい曲」なら、こっちは演奏形態が違うだけで、メタルといって差し支えない曲だと思う。ヒロイックでシリアスで、おまけにクッサクサ(笑)。ZUN氏って実はメタルも結構聴いてるんじゃないでしょうか。


上海アリス幻樂団 - 東方風神録~mountain of Faith - 芥川龍之介の河童~candid Friend ★★★ (2010-01-18 19:41:34)

これも「弾幕と曲が連動する」という特性がよく出た曲ですね。
イントロのフレーズに合わせて、ボスが弾を撃ってきたときは思わず見惚れて/聞き惚れて被弾しました(笑)。モノクロなのに、色や水の流れが感じられる水墨画を思わせる、深い情緒を湛えたメロディを持つ曲で、単品でも超のつく名曲だと思う。


上海アリス幻樂団 - 東方永夜抄~imperishable Night. - 懐かしき東方の血~old World ★★★ (2010-01-18 19:40:23)

もうノリがほぼメタルですね(笑)。
イントロからして「どうぞ泣きのギターかキーボードで弾いて、クサメタルにして下さい」って感じだし、その後の主旋律も終始緊迫感と情緒に満ちたもので、実にメタルっぽい。東方アレンジにメタルが多いのは、原曲の性質からして必然なのかも。


上海アリス幻樂団 - 東方地霊殿~subterranean Animism - 霊知の太陽信仰~nuclear Fusion ★★ (2010-01-18 19:38:33)

いかにもラスボスって感じの、ダークで大仰な曲ですね。
特にイントロやサビはモダンなメタルに乗せても何の違和感もないようなメロディで素晴らしい。ただ、個人的にはAメロ部分に古き良きメタルのかっこよさみたいなものが感じられて、昔のメタルが苦手な私にはちょっと微妙かも。


上海アリス幻樂団 - 東方地霊殿~subterranean Animism - 少女さとり~3rd Eye ★★★ (2010-01-18 19:37:36)

これはある意味凄いですよ…単純にメロディだけで比べたら、MALICE MIZERよりもVersaillesよりも分かりやすくゴシックしてる。この曲は色々アレンジを聴いてますが、主旋律をよっぽど酷く弄らない限り、常にゴシックな風味が漂ってる。こういう灰汁が強くて、しかも一度聴いたら忘れられない、超キャッチーなメロディって大好きです。


上海アリス幻樂団 - 東方地霊殿~subterranean Animism - 廃獄ララバイ ★★★ (2010-01-18 19:33:58)

時々「このアーティストはこの曲を世に出しただけでも意義があった」というレベルの名曲がありますが、この曲はそんな中の一曲だと思う。本当に、このメロディには人の心の内にある「何か」を揺さぶる力があるのではないでしょうか。単なる叙情や哀愁ではとても済まない、抽象的なムードのあるメロディ。ZUN氏の描いたメロディの中でも最高峰だと思います。


上海アリス幻樂団 - 東方地霊殿~subterranean Animism - ハルトマンの妖怪少女 ★★★ (2010-01-18 19:32:32)

私的に今までの上海アリス幻樂団の曲で、最も狂気的な曲はこれだと思う。
緊迫感に溢れるパラノイアックなフレーズで煽りに煽った後、叙情的なサビに繋がる展開はリアルに鳥肌が立ちます。しかもそのサビも、煽情度の高いメロながら内に狂気を孕んでいる感じなのが素晴らしい(その狂気にスポットを当てたのが、黒夜葬のアレンジだと思う)。どこか前衛的な雰囲気もあり、プログレッシャーにも大推薦の名曲です。


上海アリス幻樂団 - 東方妖々夢~perfect Cherry Blossom - 遠野幻想物語 ★★★ (2010-01-18 19:31:19)

これまた素晴らしいメロディを書くなぁ…。
確かにタイトル通りの、RPGの「妖怪の里」的な場所でかかりそうな幻想的なメロディなんですが、邪気が無いというか、温かく迎え入れてくれるような、どこか懐かしい感じもするんですよね。辛い現実を離れて、温かく懐かしい幻想に浸りたい時は、この曲を単品で聴くといいかも。


上海アリス幻樂団 - 東方妖々夢~perfect Cherry Blossom - 広有射怪鳥事~till When? ★★ (2010-01-18 19:30:25)

サビメロのサディスティックなまでの緊迫感が特徴の曲。
君の美術館がこの曲(と東方妖々夢)を元に古の剣豪の世界観を描いた曲を書いたせいもあってか、サビメロからは間合いに入ったら即斬られるような緊迫感を覚えます。


上海アリス幻樂団 - 東方紅魔郷~the Embodiment of Scarlet Devil. - 魔法少女達の百年祭 ★★★ (2010-01-18 19:28:47)

まぐなむ○ーぱすといい、Kissing the Mirr0rといい、何故かこの曲をオープニングとか繋ぎとかSE的に使うメタルバンドが多くて私は悲しい(笑)。紅魔郷屈指の名曲だと思うんですが…少し中国がかったメロディからは、夢の国の子供達がお祭りを楽しんでいるような、幻想的で暖かな風景が浮かびます。…タイトルからは魔法少女のコスプレをした人たちの会合みたいな印象を受けてしまいますが、全然そんな感じではないですね(笑)。


上海アリス幻樂団 - 東方星蓮船~undefined Fantastic Object - 虎柄の毘沙門天 ★★ (2010-01-18 19:27:40)

威風堂々とした、ダークで大仰な曲で、ある意味ラスボス曲よりも全然ラスボス曲らしい曲。ピアノが緊張感を盛り上げる展開が実にかっこいい…ですが、この曲にはレーザーに焼き殺されるイメージしかないなぁ…(笑)。


上海アリス幻樂団 - 東方星蓮船~undefined Fantastic Object - 幽霊客船の時空を越えた旅 ★★★ (2010-01-18 19:26:49)

噛めば噛むほど味が出る曲の多い星蓮船ですが、この曲はその典型。
ぶっちゃけ、最初は「上海アリス幻樂団にこんな曲は求めてないんだけどなぁ…」と思ったんですが、数回聴いただけで、「これは新機軸だ、素晴らしい!!」に変わってました(笑)。一言では表現できないような、変なテンションが面白いです。でも、東方の中でも、ヴォーカルアレンジが難しそうな曲だと思う。


上海アリス幻樂団 - 東方星蓮船~undefined Fantastic Object - 感情の摩天楼~cosmic Mind ★★★ (2010-01-18 19:24:51)

ラスボス戦でかかる曲にしては、大仰でもダークでもなく、むしろスタッフロールで流れそうなポップ性の高いメロディで、最初は「あれ?」と思ったんですが、実際この曲を聴きながらラスボスと戦ってると、あの特徴的なリズミカルなピアノのフレーズでテンションが高まるんですよね。ラスボス曲には珍しいスルメ曲だと思います。


上海アリス幻樂団 - 東方星蓮船~undefined Fantastic Object - 魔界地方都市エソテリア ★★★ (2010-01-18 19:23:46)

「東方は弾幕と音楽が連動する」という好例。
魔界カラーの敵キャラが画面一杯に楔状の弾をばら撒くサイケデリックな画面に良く合う、神秘的で浮世離れしたメロディ。小さい頃、RPGの終盤で魔界や異世界に乗り込んでいくときのあの高揚感が甦るようです。音楽単品でも、雰囲気出てて大好きです。


上海アリス幻樂団 - 東方星蓮船~undefined Fantastic Object - 平安のエイリアン ★★★ (2010-01-18 19:22:53)

ちょっと「U.N.オーエンは彼女なのか?」とイメージが被るんですが、この手の激しくてミステリアスな曲調は大好きですので、全く問題ありません(笑)。むしろこの手の曲を今のアレンジ力で聴けるのが嬉しい。狂気的なU.N.オーエンと比べると、サビメロがフューチャリスティックかつ叙情的な分、こっちの方がより得体が知れない感じ。


上海アリス幻樂団 - 東方星蓮船~undefined Fantastic Object - 万年置き傘にご注意を ★★★ (2010-01-18 19:22:01)

この曲はUnlucky Morpheusのアレンジで先に聴いていたせいで、凄く思い入れがあるんですよね…。基本和風なんですが、その中で楽しさ、(いかがわしい)妖しさ、そして一抹の寂しさなど様々な感情が交錯する曲。コミカルなんだけどシリアス。一見楽しげなこの曲のシリアスな面に絞ってアレンジした、Unlucky Morpheusはやっぱ慧眼だな…と思う。


上海アリス幻樂団 ★★ (2010-01-18 19:20:00)

伊藤賢治もありますし、(非であれば)許容範囲ですよね…?
クサメタラー間では言わずと知れたミュージシャン/ゲームクリエイターであり、
この世の中に究極レベルのクサメロを幾つも産み落としてきた鬼才・ZUN氏によるサークル。
自分の音楽を聴いてもらうためにゲームの制作を始めたというから恐れ入ります。
この人がいなかったら、おそらく今のUnlucky MorpheusもIron Attack!もなかったのでは。
同人メタル・国産クサメタル界には多大な功績をもたらした人なのではないかと思います。
多分、一番多くカヴァーされているアーティストとしてギネスに載るんじゃないでしょうか。
ただ、関連サークルの黄昏フロンティアと違って、各作品毎のサントラを出してくれないのが残念。


IN TORMENTATA QUIETE - Teatroelementale ★★ (2010-01-17 22:30:00)

2009年発表の2nd。
…イタリアからまさかのSOLEFALDフォロワー登場…といっても、もう2枚目ですが(笑)。

暴虐性もそこそこある、シンフォニック・ブラックがベースながら、男女ノーマルヴォイスによるヴァイキング的な朗唱、イタリアン・マフィアのボスがワイン片手に夜景を楽しんでいるような、アダルトなサックスやピアノなどを取り入れた、プログレッシブな作風で、「Red for Fire/Black for Death」期のSOLEFALDにかなり近い路線。実質的なラスト曲の14曲目の冒頭なんて、悟りを開いたかのようにプログレ化してます(笑)。

また、このアルバムは全編イタリア語で歌われてますが、特にノーマルヴォイスのパートにおいてこれがかなり高い効果を上げてると思う。イタリア語って、割と母音をはっきり発音する言語だと思うんですが、それによって全体的にムードが上品になり、かつまくしたてる早口の迫力も増してる感じ。しかも男性ヴォーカルはGarm(ULVER)やLazare(SOLEFALD)そっくりの、セクシーな魅力のあるマイルドヴォイス。デスヴォイスの方も必死な感じで、それなりにかっこいいです。

ただ、曲間に「モノローグ」としてインストをバックに語りが入るんですが、これが微妙…いや、語るだけならまだしも、半泣きで訴えたりするのは生理的にきつい(苦笑)。SOLEFALDも「Red for Fire」で泣き歌いはやってましたが、そこまで真似しなくていいです(笑)。9曲目とか、何気にインスト部分に雰囲気があるし、シームレスに繋がるものが多いので飛ばしにくいんですよね。

この手の宿命か、複雑な展開や前衛的な音作り前提のため、NED系とか真性ブラックの連中に比べるとリフ自体は少し弱め。ですが、プログレ的な練られた展開や、アーティスティックな雰囲気にはそれを補って余りある魅力があると思う。実験性がありつつも、「実験のための実験」に陥ることなく、必要があって取り入れているような感じ。
SOLEFALDやUNEXPECT、AKERCOCKEなどのプログレブラックを、CD棚の一番手に取りやすい所に配置している方にお勧め。


IMPERIAL CIRCUS DEAD DECADENCE - 惨劇の血に赫く染まった愛と絶望の黒い死が紡ぐ最期の物語 ★★★ (2010-01-17 17:52:00)

2009年発表の1st。
有名メタルレビューサイト「悶絶メタルのページ」でも頻りに言及され、更にそこの管理人さんがライナーノーツを執筆という事で、凄く気になっていた作品。最近遂にボートラ入りで再発されたので、速攻で確保しました(笑)。

帯によると、「ヴィジュアルロックと同人音楽をデス/ブラック上で昇華させる」とありますが…なんなんでしょう、この私の最近の音楽的嗜好をそのままなぞるかのような音楽性は(笑)。そのコピーの通り、ブラック張りのトレモロリフやブラストビートの上を、SOUND HORIZON風の歌メロや語り、MOIS DIX MOI風の絢爛なキーやV系的歌唱が乱れ飛ぶ…という作風ですが、どの要素も徹底されているお蔭で、借り物ではない世界観を演出できているのが特徴。

同人メタルって(最近デスラッシュやグラインドもあるにはあるけど)エクストリームメタルを標榜していても、せいぜいメタルコアやメロデスなど、メジャーっぽさのある、聴きやすいメタルが多かったんですが、この作品は激しいパートは「鬼女と野獣」の頃のCRADLE並に激しいと思う。更に強烈なリズムとグチャドロのデスヴォイスの上を華麗なメロディが容赦なく舞いまくるので、はっきり言って下手なメロデスやメロブラよりも全然混沌としてます。

メロディも、歌メロには(SOUND HORIZONの)Revo氏、バッキングのメロにはZUN氏(上海アリス幻樂団)やMana氏(MOIS DIX MOI)辺りの影響が見え隠れし、実にクサメタラー好み。上記コンポーザーの影は見え隠れするんですが、パクリやオマージュ的なフレーズの拝借ではなく、Revo氏なら、ZUN氏ならここでこういうメロを書きそうだな…という影響の受け方なのが良いですね。

ただし、ブラックの要素が強めで、それなりに激しいのでSOUND HORIZONが行ける方でもCRADLE OF FILTHやDir en greyが激しすぎて駄目な方には向かないと思う。また、語りや灰汁の強いV系歌唱も昔気質なメタラーには向かないかも。そう考えると、意外にもニッチな音楽性なのかも…でもそのニッチな音楽性に、ここまで情熱を注ぎ込んで作りこむアーティストがいるというのは嬉しいですよね。

悶絶メタルさんの更新を毎日楽しみにしている方は、取りあえず買っときましょう(笑)。


ASTROFAES - Idea. Form. Essence... ★★ (2010-01-15 22:04:00)

2007年発表の6th。

メンバーがHATE FORESTやLUCIFUGUM、DRUDKHなど名だたるペイガンブラックに関与し、以前はNOKTURNAL MORTUMのメンバーも在籍していたという時点で、もうペイガンブラックであるということは予想は付くと思いますが…この作品は、民族楽器やキーを使用せず、ブラックのアンチモダンなRAWさをペイガンの土着性に繋げたような、プリミティブブラックに近いスタイル。…と言っても、音の分離は悪くないし、リフにも適度に土着的なメロウさ・妖しさが込められているので、上記バンドを好きな方なら問題なく聴けると思います。

…それどころか、ドラムの音は1打1打の抜けの良さが分かるくらい生々しいクリアさ。また、「ツタツタツタツタドシャッシャー!!」と突っ走った挙句、思いっきり事故起こすような(笑)前のめり加減な勢いも素晴らしい。ちょっとした強弱の付け方やフレーズにもセンスを感じるし、実はかなり良いドラマーなのでは。前述の音質のよさも相まって、実に心地よく聴けるんですよね。個人的には、このリズムの心地良さがこのバンドのウリじゃないかと思います。

このジャンルってどれだけリスナーを自分達の世界観に没入させるかを競ってる所もあるし、このドラムは大きな武器なのではないかと思います。


あめのむらくも - ANGELICAL EXECUTION - 異形の祭り ★★★ (2010-01-13 23:04:52)

歌詞が描くのは異形との邂逅…な筈ですが、日本語知らない人が聴いたら呑んだくれフォークメタルに聞こえること間違いなしな1曲。ちょっと早口になる所とか、「♪ただ、ただ~」の所とか、ほんと楽しそうに歌ってますよね(笑)


あめのむらくも - ANGELICAL EXECUTION - 黒頭巾 ★★★ (2010-01-13 23:04:01)

V系から「分かりやすいゴス風味」を抽出し、自らのメタル感と掛け合わせたような曲…ですが、ヴォーカルが微妙にミスチルっぽいのがなんか面白いです(笑)。


あめのむらくも - ANGELICAL EXECUTION - ANGELICAL EXECUTION ★★★ (2010-01-13 23:03:03)

最初のヴォーカルのなよ熱唱に軽く引きそうになるも、すぐに味として捉えられるように(笑)。鮮烈な印象を残すメロディがありながら、手堅く纏まっていて、続く曲に期待を抱かせるのに十分すぎる1曲目。


あめのむらくも - ANGELICAL EXECUTION ★★ (2010-01-13 23:01:00)

2009年発表の4th。
同人(アマチュア)ながら、Disk Unionに置かれるなどメタラーにも注目されている模様。
路線的には、線細めのハイトーンの男性ヴォーカルをメイン、女性ヴォーカルをサブに据えた、
歌謡的な歌メロを持つメロスピで、X JAPANやSKYWINGSなどを思わせる作風。
X JAPANと比べると、スピードの速さが攻撃性ではなく、メロを際立てるための疾走感に
向けられている事、歌メロがクラシックよりも、歌謡ロックとメロスピを足したような
雰囲気である事が大きな違いでしょうか。
ギターのリフなどには、テンプレ通りだけではない魅力がしっかりとあるんですが、
ヴォーカルは結構人を選ぶかもしれません。特にメインの男性ヴォーカルは、V系の
ナルシー振り+ミスチルの熱唱+B級メロスピの選の細さ…なスタイルで、メタラーには
三重苦に聴こえてしまうかも(苦笑)。女性ヴォーカルも凛としているのか気怠いのか
よく分からない歌唱で、やっぱり妙な味のあるスタイルですし。
個人的には、ヴォーカルは味はあって好きだし、無難な歌唱よりも百倍良いと思います。
せっかく結構いいフレーズを弾いているのに、音質がいまひとつなのは惜しいですが、
歌謡メタル好きなら目を付けておいて損はないと思います。クサくするべきところでは
しっかり期待に応える、歌メロのセンスなんかはなかなかのものですよ。


LIAM - JOURNEY...TWO YEARS AND A FRAGMENT ★★ (2010-01-12 21:49:00)

2009年発表の…おそらくデビュー作と思われる作品。
07年作の前半、08年作の後半と二つのパートに分かれてます。

最近はALCESTやAMESOUERS、LANTLOS、WOLVES IN THE THRONE ROOMなど、シューゲイザー寄りのブラックが流行で、某CDショップでも特集が組まれてたりしますが…このバンドもその一派と言える音楽を演っていますね。
やはりこういう作風を演るだけあり、「儚さ」「淡さ」に特化したようなメロディセンスは極上で、聴いていてどす黒い曇天から一条の光が差してきたようなシーンを思い浮かべてしまいます。この手にしてはギターが結構重いんですが、それがキリキリと締め付けるような高音トレモロとかなり相性が良いんですよね。

前半はインストで、後半はデスヴォイス、ノーマルヴォイスも入れる…という構成を取ってますが…デス声も結構壮絶だし、ノーマル声も悪くはないんですが…個人的には、前半の方が好きです。
これだけメロディそのものがエモーショナルだと、敢えて感情をダイレクトに表現するヴォーカルを入れない方が、繊細さがより伝わる気がするんですよね。また、リズムにプログレ的な響きもあり、特に前半はOPETHの静かな曲が好きな人も気に入れそう。

そういえば、「りあむ」というと、押尾学さんの娘さんの名前として有名ですね(笑)ブログなどを見る限り、日本ではシューゲイザーブラックを愛好する人はかなり多そうだし、ある意味日本人に親しみやすい名前なので、ブレイクの可能性はあるかもしれませんね。
…と、無責任に言ってみます(笑)。


SLAGMAUR - Skrekk Lich Kunstler ★★★ (2010-01-11 23:27:00)

2007年発表の2nd。09年にOSMOSEより1stと共に再発されました。
…OSMOSEは本当に良いバンドを獲得したんじゃないでしょうか。

ジャンル的には「アヴァンギャルドブラック」として認識されているようですが、私的にはシアトリカル(劇場的)な要素の強い鬱ブラック、という印象。ピアノ、ストリングス等によるクラシック的(もしくはホラー映画のサントラ的)なフレーズや、サンプリングなどをSE的に挿入し、楽曲のムードを更に高めていくスタイル。イントロの、子供の泣き声に楽しそうなメロディが被さるフレーズからして、思いっきり道徳にケンカ売ってる感じで素敵です(笑)。

しかし、ブラック根幹の部分はSEパートにもまして病んでいて、かつ前衛的。
どす黒い霧に包まれるような音響のギターリフと、聴いているだけで不幸になりそうな、這いずるキーボードが作り出す暗闇に、ヴォーカルが怨嗟と絶望の念を叫ぶ…という感じですが、このヴォーカルも恨みがましさが(SHININGの)Kvarforth並で素晴らしい。挿入されるノイズやメロディの方向性も、全てが病んだ方向に向かってます。

アングラ劇場的な、フリーキーな不気味さと、死を思わせるシリアスな恐怖感が同居した作品。鬱で邪悪な音なんですが、どこか深遠さとか芸術性とかも感じられるんですよね。BLUT AUS NORDの「MoRT」辺りの、前衛的でパラノイアックな音が好きな人は間違いなく気に入るかと。テンポの遅さとリフの音響的雰囲気から、ドゥームやドローンが好きな方にもお勧めです。


INFERNAL WAR - CONFLAGRATOR ★★★ (2010-01-11 11:43:00)

2009年発表の5曲入りEP。

私はこのバンドの作品を聴くのはこれが初めてですが、聴いた瞬間笑いそうになりました。…余りにも的確に、バンド名が音楽性を表していると思います(笑)。マジで地獄の戦争の中に、問答無用で叩き込まれるような、スラッシュ寄りのウォー・ブラック。スラッシュの飲んだくれたアングラ感はほぼ皆無で、ウォーブラックのストレートな狂気・攻撃性に特化したような音。ブラックの中でも凶悪な方に位置する音楽性でしょう。

何よりも素晴らしいと思うのは、キレのあるギターリフを初めとして、全曲全パート全力投球な楽曲構成ですね。リフは全パートで印象に残るものを弾いてやろう、くらいの意気込みが感じられるほど充実してるし、ドラムの無茶な速さからリフと連動するフレーズまで表現する演奏力も凄い。プリブラ等のミニマリズムとは180度逆にある音だと思います。主要メンバーの名前が「ZYKLON」なんですが、はっきり言って(バンドの方の)ZYKLONと比較しても、楽曲の充実振りでは全く劣らないと思いますもん。

ZYKLONなどのデス要素の強いブラック、最近のIMPIETYのような邪悪さ特化型のスラッシュブラックが好きな人ならマストです。これらのバンドに負けない、エクストリームメタルとしてメジャークラスの完成度を持ったミニアルバムですよ。


NIHILL - Grond ★★ (2010-01-10 23:24:00)

2009年発表の2nd。
帯によると、三部作の第2部となる作品らしいですね。
所属レーベルがあのHydra Head(XASTHURやKHYLISTが所属しているレーベル)のブラックというだけで、暗黒で前衛的な路線だろうなぁ…と予想してしまいますが、正にそういう作風ですね。

漫画のベタ塗りの如く、真っ黒に塗り潰すようなノイジーなリフで情景を描写するミニマルなスタイルで、DARKSPACEやSUN OF THE BLINDに近い路線。バンドサウンドではない、ノイズやドローンで聴かせるパートもある辺り、特にDARKSPACEに近い音だと思います。尺の長さも10分超えが当り前ですし。

ただ、シンフォニックで神秘性・魔性を感じさせるキーボードを駆使するDARKSPACEとは異なり、こっちはとにかくギターで黒い情景を描くタイプなので、その辺りは好みが分かれるかも。個人的には、端々で聴かれる、前衛的な狂気を感じさせるパートは素晴らしいんですが、音像だけで言うとDARKSPACEほどには「取り込まれる感覚」を覚えないかな…とも思います。
それでも本能的な恐怖のシグナルをそのまま表現したような2曲目、葬式ドゥームの絶望感をブラックの邪悪さに置き換え、DEATHSPELL OMEGAにも通じるどす黒さの渦巻く4曲目などは、かなり良い線行ってると思いますが。

この手のブラック(DARKSPACE、SUN OF THE BLIND、PAYSAGE D'HIVER、ドイツのTRIST辺り)にどっぷり嵌まっている人にはかなりお勧め。そうでない人、特にドローンに免疫が無い人には、多少敷居の高い作品になっているかもしれません。


まぐなむおーぱす - 東方幻有夢境~DEPTH PSYCHOLOGY OF UNCONSCIOUSNESS~ - ハルトマンの妖怪少女 ★★ (2010-01-10 23:22:27)

これは美味しいですよね…原曲からして相当カオティックなので、フレーズを普通にメタルの音に乗せただけでもかなりプログレッシブに聞こえる。サビ前の緊迫しきった雰囲気も良いですよね。ただ、「少女さとり」の主題を交ぜてるのはいいんですが、サビで原曲メロをぶった切ってオリジナルのメロと掛け合いにしているアレンジは、少し好みが分かれると思う。


まぐなむおーぱす - 東方幻朧悠月抄~IMPERISHABLE SIN AND MILLENNIUM HISTORY~ - 懐かしき東方の血 ★★ (2010-01-10 23:21:05)

このメロディ、それだけで普通にメタルの勇壮さですよね(笑)
ZUN氏は実はメタル好きなのかも。多少ベタを外したアレンジにしてるのは、AQUAELIEがストレートにメロスピアレンジした前例があるから?


まぐなむおーぱす - 東方幻朧悠月抄~IMPERISHABLE SIN AND MILLENNIUM HISTORY~ - 少女綺想曲 ★★★ (2010-01-10 23:18:15)

この曲のイントロは本当に秀逸。
原曲の主旋律ではなく、敢えて副旋律のほうを前面に押し出したアレンジで、メタルとしてのかっこよさを大幅に上げていると思う。結果、より「主人公っぽい」曲に仕上がっていると思います。


まぐなむおーぱす - 東方幻朧悠月抄~IMPERISHABLE SIN AND MILLENNIUM HISTORY~ - ヴォヤージュ1970 ★★★ (2010-01-10 23:17:10)

イントロ、敢えてリフをシンプルに抑えたアレンジが聴いてますね。あのキーボードのメロディに合わせて、画面いっぱいに弾幕が飛んでくるシーンが再生されそう…(笑)。その後の展開も、プログレッシブになったりシンフォになったりで、構築性は非常に高いと思う。演奏時間は長い方ではないんですが、アルバムを総括する曲と言っても過言ではないと思う。


まぐなむおーぱす - 東方幻朧悠月抄~IMPERISHABLE SIN AND MILLENNIUM HISTORY~ ★★ (2010-01-10 23:15:00)

2009年末発表の、東方永夜抄インストメタルアレンジアルバム。
私はこの作品をより楽しむためもあって、未プレイだった永夜抄も一緒に買ってしまいました。
しかし、なんでこの界隈はこんなレベル高いアーティスト多いんでしょうね…。
このバンド(一人だけど)もリフやオブリ、ソロなどのセンスが当り前のように一流クラス。
このジャンルを大分聴いたおかげで、もう多少のことには驚かなくなってますが、
何も知らない状態でこれを聴いていたら間違いなく「驚愕」していたと思いますもん(笑)
個人的に、このバンドが優れていると思うのは、楽曲構成のバランスの良さ。
特に原曲の活かし方がかなり巧いと思う。例えば「恋色マスタースパーク」のサビ前のメロい
オブリであるとか、「少女綺想曲」のイントロのアレンジとかは、原曲のメロディの良さを
引き出すことと、メタルとしてのかっこよさの追求を両立させた好例だと思います。
原曲を大分離れたプログレッシブなパートや、原曲にはないメロを入れている曲もありますが、
自然な流れで聴かせてくれる辺り、やっぱりバランス感覚に優れているんだろうな…と思います。
また、この作品は原作ゲームのAルートとBステージ、EX(クリア後に出現するステージ)の
3つのストーリーをなぞる形で進行していきますが…原作のルート分岐が最終ステージなので、
必然的にそれまでの曲が被る事になるんですが、Bルートの方ではステージ5までを
メドレー形式の大作にしたり、「ヴォヤージュ1969」をあからさまにプログレッシブにするなど、
飽きさせないどころか、より楽しめる工夫がされているのが良いですよね。
前2作も実は買ってますが、フレーズやどのメロをどの楽器に担当させるかのバランスなどが、
かなり上がっている印象。あからさまに和風で、ごく分かりやすいメロディがいくつも登場する、
しかし単純だったりヌルかったりは決してしない、かっこいいメタルですので、陰陽座辺りの
和メタルが好きな人なら原作知らなくても確実に楽しめるアルバム。
「ゲーム音楽のカヴァーなんてイヤ」「ヴォーカルないと駄目」って方以外にはお勧めです。
…いや、本当は前者みたいな人にこそ聴いて欲しいですけど…。


BE PERSECUTED - End Leaving ★★ (2010-01-09 10:14:00)

2009年発表の2nd。
このバンドは中国出身らしいですが、所属レーベルはあの「No Colours」みたいですね。…「No Colours」って、「有色人種お断り」だと思ってたんですが、どうやら違うようです。

…一曲目を聴いた限りでは、ミディアムテンポにBURZUM系の高音絶叫、緩やかに渦を巻くような、酩酊感を演出するキーボードと、まるで向精神薬を多量に摂取したときのような、意識の定まらない陶酔感のある、いかにもな鬱ブラックしてるという印象だったんですが…続く2曲目では悲壮感や陶酔感を引き続きつつもプリミティブ的な2ビート疾走、3曲目ではダンサブルなリズムにメランコリックなメロディを絡めた、シューゲイザー系ブラックに近い音も聴け、かなりバラエティに富んでいる印象。

その後も一般の鬱ブラよりも陶酔感がかなり強い4曲目、意外にも渋いメロディで始まり、次第に悲壮感を強めていく5曲目、自然音のSEとアルペジオによる、「人間やめて自然に回帰します」的なエンディングの6曲目と、どの曲もキャラが立っている感じ。一本のストーリーを追っているというより、悲劇だけを集めたオムニバスを読んでいるような感覚。それも、全部主人公の自殺で終わるやつ(笑)。音質は、ギターのシャー音強めながら、悲壮感の篭もったメロディがはっきり聴き取れるクリアさで、シューゲイザー系ブラックや音響系ブラックが聴ける人には何の問題もないと思う。

500枚限定なので、購入を考えている人は急いだ方がいいかも。


DARK MIRROR OV TRAGEDY - The Pregnant of Despair - Feed the Fire in a Blind Alley ★★★ (2010-01-03 09:57:49)

今まで耽美なメロディを紡ぎあげていたヴァイオリンが、ここに来て華麗かつ攻撃的なフレーズで攻めてきます。やっぱりこういう弦の使い方良いですよね。そのパート以外も、ムードたっぷりで素晴らしい。


DARK MIRROR OV TRAGEDY - The Pregnant of Despair - Prelude for the Sphere ★★★ (2010-01-03 09:56:59)

ラス曲のイントロダクション的なピアノソロ。
本当に、このバンドのキーボーディストはセンスいいですよね。古城を歩いているようなロマンティックなムードの深さと、印象に残るフレーズのクサさがしっかり同居してます。こういう路線で一枚インストもの出してくれたら買うかも。


DARK MIRROR OV TRAGEDY - The Pregnant of Despair ★★ (2010-01-03 09:55:00)

2009年発表の2nd。

韓国のシンフォニックブラックメタルバンドという事ですが…何気に、アジアって良質なシンフォニックブラック多いですよね。女性ヴォーカルやヴァイオリンが耽美な妖気と物悲しげなムードを演出する、ゴシックメタル的な感性を持ったスタイルで、PANTHEON Iの2ndをよりメタリックかつ分かりやすくしたような感じ。それでいて左右のトレモロとブラストで嵐のような、問答無用の迫力を演出するパートもあり、押し引きの巧さも見事。

ヴォーカルはシンフォニックブラックによくあるタイプの中~高音域の喚きですが、極端な超高音こそないものの「鬼女と野獣」期のDani Filthに通じる味があるような気がします。なかなか悪くないヴォーカルかと。ただ、音質はクリアで迫力があるんですが、ドラムの音がバスドラがビキビキ行ってて今一つなのがネック。暴虐パートではこの音が更なる迫力を生んでいると言えなくもないですが…それ以前に、耳が痛くなりそうでちょっと(苦笑)。

アジアのバンドですが、メロディは超一流のヨーロピアンゴシック。現地人でないからこそ、想像力が働いてここまでの雰囲気を演出できるのかもしれませんね。PANTHEON IやCHTHONICの最新作が気に入った方は、こちらもチェックしてみてはどうでしょう。


5150 - シンフォニック東方Ⅱ(龍5150) - THE FLOWERING NIGHT ★★★ (2010-01-02 21:54:45)

これはイントロで爆笑しました(笑)。
メロディだけでなく、ストリングスの震えさせ方までがCRADLE OF FILTHの「Beneath the Howling Star」。そこに無理くりフラワリングナイトのメロが入るのが面白すぎます。もしカラオケに入ったら作曲者クレジットに「ZUN/Dani Filth」と表記しなければいけないレベルですよ、これ(笑)。
東方メタルアレンジって、オマージュ多いらしいですが、私は正統派やメロパワってあまり聴かないのでいつも置いてけぼり喰らうんですよね…。その中でこういうアレンジを聴けたのは嬉しい。「ああ。これがオマージュですね!…楽しいかもしれない」って気分です(笑)。今度はEMPERORとかも演って欲しいなぁ…。


THOUSAND LEAVES - Blind Night Sorrow ★★ (2010-01-01 09:10:00)

2009年発表の東方/上海アリス幻樂団デスラッシュアレンジ。
前2作はメロスピ系のBach氏、プログレ寄りの川瀬氏と、傾向の違う二人のアレンジャーの
作品が収められたアルバムでしたが、今作はBach氏のソロアルバムという形式。
…今までの彼らの作品評を読んでいると、メタルとしての質の高さが評価される一方で、
リフの作り込みの甘さが指摘されることもあったようですが、今回はガチですね…。
デスラッシュとしても一流の、超インテンスなリフ捌きが聴けます。特に「Imperfect Woman」
「Flame of Sadness」は、原曲メロがリフに練り込まれていて、ただ優れたデスラッシュと
いうだけではない、「ゲーム音楽のカヴァーを聴く楽しみ」もしっかりと感じさせてくれる、
素晴らしいアレンジになっていると思います。
また、今作は4曲にヴォーカル(デスヴォイス)を起用していますが、このヴォーカルも
明らかにこのジャンルでの一流レベルだと思います。DIMMU BORGIRやABGAIL WILLIAMS辺りを
思わせる、シンフォブラックにありそうな中~高音域での絶叫スタイルで、声の迫力や伸び、
声量など、どれを取っても隙の無いパフォーマンスを聞かせてくれます。
…しかも、このクオリティで値段は約1000円なんですよね…。
普通に国産のベテラン・エクストリームメタルバンドの作品と比較しても劣らない作品。
「多くのメタラーから偏見を受けやすい文化的立ち位置にいる」こと以外、曲自体、リフ、
ヴォーカル、音質、価格など何処を取っても負ける要素がありません。
ジャパメタの未来の鍵は、「同人の活動の自由さ」にあるのかもしれませんね。