私は最近東方の原作もプレイし始めて、地霊殿もやったんですが…これ、もう8割方オリジナルと言っても過言ではないのでは(笑)。「だんご三兄弟」を思わせる童謡メロも、「Live in the Nightmare」アルバムの収録曲のサビにありそうなV系っぽいメロも、原曲にはなかった気が。でもそのどちらもクサく、鼓太蝋さんならではの感性が発揮された良質のアレンジだと思います。
1曲目の素晴らしい完成度も捨てがたいですが、アルバムから一曲選ぶとしたらこれ。「MISSION」「Made in HEAVEN」の頃のTOSHIさんのソロを思わせる繊細さとワイルドさが同居した歌メロを、ガチのメタルサウンドに乗せた感じ。イントロとか「どこのゲーム音楽ですか?」っていうくらい分かりやすくてクサいかっこよさがある。「♪心は涙で染まった 血に愛を叫んでた」との歌詞をそのまま体現するような、血涙凄絶ヴォーカルも素晴らしい。
まずこの1曲目で衝撃を受けるでしょう。 メロディの美しさ、展開の構築美などがX JAPANを思わせる楽曲。リフやリズムなどは真似できても、こういう要素は本当にセンスがないと真似できないと思う。しかもそれで超名曲レベルを作り上げるのが凄い。「♪~keep on lasting」「♪~keep on loving」の歌いまわしがLeo Figaro氏っぽいのが地味にツボ(笑)。ただ、ラストのSEがダレることが、唯一の欠点でしょうか。
音圧と曲の持つ迫力で聴き手の眼球を圧迫し、「黒さ」を演出するような凄まじい作品。このバンドもTAAKEやCARPATHIAN FORESTと同様、「TRUE NORWEGIAN BLACK METAL」ロゴを掲げてますが、これらの有名ブラックと比較しても、全く見劣りのしない魅力のあるアルバムだと思います。
2004年発表の3rd。 DISK UNIONの小冊子でもブラックの名盤として紹介されていた作品です。
DARK FUNERALやTHE LEGION辺りのファストブラックの爆発力と、CARPATHIAN FORESTなどのオールドスクールなブラックのダーティさを組み合わせたような、ブラックの良いとこ取りな作風で、正にTRUE NORWEIGIAN BLACK METALの鑑といった音。雪崩のように炸裂する豪速ブラストと、スラッシーでノリのいいパートを上手く合わせた、メリハリのある展開と、DARK FUNERALにも通じる「悪魔的」な雰囲気を感じさせつつも、寒々しさより禍々しさや毒性の強いメロディのセンスによって、常に緊張感が保たれている感じ。
あからさまに「和」を意識したヴォーカルメロディといい、若さに任せてがむしゃら(それでいて完成度は激高)に自分の思うメタルのかっこよさを追求したような曲調といい、殆ど初期陰陽座のメロスピ曲まんまな作風の曲ですね。 …でも、何故このコンピに曲を提供しようと思ったのかが謎。目茶目茶浮いてます(笑)。他はなんか萌え系みたいな曲が多くて、正直かなりがっかり…ジャケの絵は綺麗でいい感じなのに。逆に言えば、メタラー視点では彼らの一人勝ち、なのかも。普通にサムライメタルとかRED HOT BURNING HELLとかに提供しても良かったのでは。
まず耳を惹きつけるのが、MARDUKのドラマーでもある、Emil氏のドラミング。 MARDUKの時同様に豪腕を振るいまくる、血も涙もないようなブラストをブチかましてくれますが、ドラムの音質がMARDUKの時よりも更に炸裂感の強い、バキバキな音のせいでよりブルータルに聴こえます。丁度1349の「Beyond the Apocalypse」に近い音だと思う。
MAYHEMのメンバーが二人在籍していることからも分かる通り、当時のMAYHEM(GRAND DECLARATION OF WAR)の路線である、ミリタリーな雰囲気のある、テクニカルなインダストリアルブラックを演ってますね。アンビエント的な要素も含む、やや前衛的な展開はTHORNSの1stからの影響も強そう。
リズムにロックのダイナミズムを導入する事で、アングラメタルのふてぶてしさ、ブラックメタルの暗黒エナジーを表現する、(「Now, Diabolical」「The Age of Nero」期の)SATYRICONにも通じる路線ですね。SATYRICONが鬱系メロの練り込まれたリフと威厳のあるデス声を用いていたのに対し、こっちはオールドスクールで太い響きのリフと、スラッシュがベースにありそうな野太いダミ声を使っているのが大きな違い。