この曲が店頭で流れていたのを聴いて購入。 一過性の「クサさ」に留まらない、洗練された「流れの良さ」を持つ歌メロ、それを歌うJanne Da Arc的な見栄の切り方の、伸びのあるヴォーカルに惹かれました。一聴でV系好き、ジャパメタ好きを惹きつける力のある1曲目。「Ambivalence」でも使われているBメロ部には、SOUNDWITCHへのリスペクトも垣間見られますね。
このバンドの場合、素晴らしいと思うのは、ペイガニズムの表現方法への貪欲さ。 他のペイガン/フォークメタル同様、民族楽器による叙情メロ、詠唱系男性Vo&祈祷師系女性Vo、トライバルでパーカッシブなリズムなど「お約束」な部分はしっかり押さえてるんですが、このバンドはそこに留まりません。いかにもペイガン思想の地下プリブラがやりそうな凍てついたトレモロと2ビート疾走、後期THE 3RD AND THE MORTALに通じる幽玄でコンテンポラリーな雰囲気のキーなども取り入れてるほか、部分的ですが、民族メロの素朴さが、シューゲイザー寄りブラックに通じる温かみをもたらしている所もあったり。
個人的には、「Memoirs」期のTHE 3RD AND THE MORTALに通じる音色を取り入れていながら、THE 3RD~が現代的な都市の風景を描いているのに対し、このバンドは土着的な世界観を表現しているのが面白いと思いましたね。相当このシーンを研究し、咀嚼して自分のものにしているんじゃないでしょうか。
これ、myspaceとかEncyclopaedia Metalumで調べた限りではこういうタイトルみたいなんですけど、本当にこれでいいのか不安。Fools Who Stands…?あとで修正されるのかも。まあそれはそれとして、この曲はヴォーカルが1・2曲目にも増してキレキレですね。もはや人間の言葉を忘れているんじゃないかと思わせるような狂い振り。これでエフェクト解除して、耳元で叫ぶようなミックスにしてくれれば言う事なしなんですが。
1.Revival of Ancient Spirits / BLASPHEMOUS LEGION 2.Blasphemic Legion March / BLASPHEMOUS LEGION 3.Black Funeral for Fools Who Stands on Past Glory / BLASPHEMOUS LEGION 4.Enter into Deep Forest / THY NADIR 5.Trees Address to Thee / THY NADIR となっているようです。
MARDUKのLegion、Emil在籍との事ですが、ネームバリューに恥じない質の高さですね。MARDUKと比較すると、刻みリフがより多く、スラッシュビートも多めでデスラッシュ寄りのブラックと言えそうな音楽性。GOD DETHRONEDをもっと暗黒寄りにした感じというと近いと思います。メロはメロデス的なかっこいいものもありますが、基本MARDUKの「La Grande Danse Macabre」辺りに近い頽廃性の篭もったものが多く、MARDUKを愛聴して来た人にも受け入れやすそう。