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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3201-3300

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3201-3300

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HELL-BORN - Darkness - Submission ★★★ (2009-08-18 21:29:00)

リフやリズムには躍動感があって、オールドスクールな感触のある曲…なんですが、出音もヴォーカルもドスが効きすぎてるので、やっぱり真っ黒に聴こえますね(笑)。でもこれだけ重い音を躍動感を持って聴かせられる辺り、瞬発力があると言えるのかも。そういう曲調だけに、後半啜り泣きが酸化したようなトレモロに重なる、不気味なパートが出てきたときはかなりビビりました。


HELL-BORN - Darkness - In Satan We Trust ★★★ (2009-08-18 21:28:06)

ブラック的な禍々しいトレモロリフが、デス的なへヴィネスで更に黒光りして聞こえる曲。ここまでかっこよくトレモロリフを聴かされたら、気分が昂ぶらない訳はないでしょう。途中のベースと囁きだけになる展開を執拗に挟むパート、聴いてたらなんか恐くなってきました…。


HELL-BORN - Darkness - Curse Me and I Win ★★★ (2009-08-18 21:27:12)

この曲のコーラスパート、バンドがステージで演奏してるというより、邪教の法皇が演台から何万人の信者を見下ろし、聖杯を掲げて説教をしているような雰囲気がありますね。この平伏したくなる威風は、BEHEMOTH以上かもしれません。「圧倒的なミディアムテンポ」とは、こういうことを言うのではないでしょうか。


HELL-BORN - Darkness - Refuse to Serve ★★★ (2009-08-18 21:26:25)

BEHEMOTHが知名度を上げた事で、彼らに興味を持った方も多いと思われますが(私もその一人です)、そんな人たちを有無を言わせず納得させるであろう1曲目。禍々しいだけでなく、広がりも感じさせるリフが素晴らしい。宗教目的で作られた、壮大な彫刻を目の前にしているかのような圧倒的な感じがある。


HELL-BORN - Darkness ★★★ (2009-08-18 21:25:00)

2008年発表の5th。
BEHEMOTH人脈という事で、やっぱり重量級でドスの効いたデスメタルサウンドを期待してしまいますが…正に、その期待に見事に応えてくれるアルバムですね。

今のBEHEMOTHがファストパートを多用した、圧倒的なエネルギーで磨り潰すような作風だとすると、こっちは重心の低さや基本的な路線は継承しつつも、ミディアムテンポも多く取り入れ、よりリフを聞かせる事に重きを置いたような音楽性。
そのリフも、スラッシュ由来の刻みやデス由来のうねりがありつつ、BEHEMOTHに通じるようなブラック由来の禍々しい宗教性が息づいていて素敵です。

ヴォーカルもNergal似の、怒れる神を思わせる威厳のある咆哮型デスヴォイスで、本家に肉薄する迫力。…BEHEMOTHが最近人気・知名度を日本でも着実に上げているのに対し、こっちは然程話題になっていなかったので、「無難なデスメタルなのかな…」と危惧していましたが、「無難」どころでは済まされないクオリティの高さに大満足。

曲・音ともに質では向こうに負けてません。カッチリしたバンドロゴの割にデス特有の湿り気もしっかり備えてますし、BEHEMOTHの新譜(Evangelion)が気に入った方は、こちらにも手を出してみてはどうでしょう。BEHEMOTH同様、「他の凡百のバンドとは一味違う」という、確信めいた力のある音出してます。


ARCKANUM - Ppppppppppp ★★★ (2009-08-18 09:32:00)

2009年発表の5th。…本当はタイトルは「P」に似たルーン文字なんですけど…文字化けするのでこの表記で失礼。

ブラックからギターパートのみを抜き出した曲や、SEの中呪詛が木霊する曲など、多少イレギュラーな要素はありながら、基本的には2ビート疾走+トレモロリフパートを軸に、オールドスクールな要素も交え展開する、プリミティブブラックに近い音楽性ですね。曲調はプリブラ的ながら、リフの音色はどす黒さを感じさせつつ、厚みもしっかりあるもので、音質は良好。この歪ませ方の上手さは同郷のCRAFTを思わせます。

基本トレモロに覆われた作風ながら、メロディは薄味で硬派な雰囲気。ところどころでメロディを前に出すパートであっても、寒々しさや悪を祝福するような雰囲気が感じられ、甘い感じがしないのが素晴らしい。ヴォーカルはWATAIN系の中域がなりで、ブラックの邪悪さをストレートに演出するような声。WATAINよりもちょっと粘着質な感じがするのが特徴でしょうか。

CRAFT同様、非低音質ながら、プリミティブブラックの魅力がしっかり息づいた作品で、普通のメタラーがプリブラの曲の魅力を理解するには、DARKTHRONE3部作やMUTIILATIONよりも効果が期待できる作品と言えるかも。ただ、私の買った盤はデジパックの制作が上手くいっておらず、CDがケース内部に糊付けされていて、取り出すときにケース半壊+CDベッタベタになったので、次からはちゃんとしてほしいです。


XASTHUR - All Reflections Drained ★★★ (2009-08-17 21:36:00)

2009年発表の7th。
ボーナスディスク付き二枚組の日本盤も出てます。

私はXASTHURは「Nocturnal Poisoning」「Subliminal Genocide」とこの作品しか聴いてないんですけど、ディプレッシブでアンビエンス重視の音ながら、決してノイズやドローンに過剰に歩み寄りすぎず、キーボードやギターリフなどバンドサウンド中心で聴かせる…というスタイルは固持しつつ、着実に変化してきている感じですね。

「Nocturnal Poisoning」はスローで陰鬱なブラックを極めたような作品でしたが、「Subliminal Genocide」では霧のようなノイズに包み込まれるような音像で、アンビエント方向に舵を切った印象を受けました。では今作はというと…。

基本的には「Subliminal Genocide」同様、アンビエンス志向の強い音なんですが、ギターのディストーションだったり、アルペジオの残響だったりに「弛み」のような物が感じられ、それが低く垂れ込める黒雲を思わせ、更に絶望的な音になってるんですよね。キーボードの使用頻度の増加、更なるヴォーカルの後退、バンドサウンドに溶け込み、かつ恐怖感を増加させるようなSEの導入などもあり、アンビエンス面では「Subliminal Genocide」よりも確実に一歩前進したという印象。「弛み」のある音に関しては、アヴァンギャルド志向が強いときのBLUT AUS NORDに近しいものも感じられます。

基本スローで絶望的なブラックという縛りを入れながらも、作品ごとにちゃんと個性があるというのは凄いですよね。よくアイデアが枯渇しないもんだと思う。多作かつ縛りの多い音なのに、全作集めたがる熱狂的なファンがいるのも分かる気がする。私もお金と時間があればXASTHUR全作購入&聴き比べとかやってみたいですけど、両方とも全然足りない…(涙)


IMPIETY - Terroreign - The Black Fuck ★★★ (2009-08-16 22:47:36)

ヴォーカルの文字に表せないような叫びが好きです。
演奏も怒気が篭もってるのが伝わる凄まじさ。


IMPIETY - Terroreign - Vientos De Holocausto ★★★ (2009-08-16 22:46:18)

一瞬演奏が止まり、SEの中にヴォーカルの咆哮が木霊する様が恐ろしくかっこいい。演奏力があって暴虐な音を作れるだけじゃなくて、こういう演出が上手いのが良いですね。


IMPIETY - Terroreign ★★ (2009-08-16 22:44:00)

2009年発表の6th。

ブラック/スラッシュメタルバンドではかなり有名な存在という事で、取りあえず最新作を購入してみましたが…確かに、イカレたギターソロや刻みの多いリフ、リズムの組み立て方なんかはスラッシュの影響を強く感じさせますが、それらがタフさやダーティさ、体感速度ではなく、とにかく冒涜的で暴力的であろうとする方向に向かっている辺り、価値観はブラックやブルデスに近いかもしれません。
ヴォーカルも吐き捨て気味な所はスラッシュの影響がありそうですが、エグいまでに歪んだ太いデス声で、むしろWATAIN辺りに近いと思う。

ブラストの最高速度もリフの暴虐さも、ブルデス以上に凄まじく、少しでも触れようものならギタギタにぶち殺されるような壮絶な音で、例えテンポを落とすパートでもリフの壁やエグいヴォーカルで攻撃の手を緩める事はない、特攻あるのみな作風。
BEHEMOTHがブルータリティの追求のため、スラッシュの要素を強めたらこんな感じなのでは…というくらい、暴虐さを体現できている作品だと思います。

同じブラック/スラッシュでも、北欧のAURA NOIRやAUDIOPAIN辺りとは全くベクトルの異なる音。ダーティさを志向する向こうに対し、こっちはよりブルータルさを追求した作風ですね。エクストリームメタル好きならこの暴虐性は是非体験して欲しいところ。特にBEHEMOTHやAXIS OF ADVANCEなどが好きな方にお勧め。


STABAT MATER - Stabat Mater - Stabat Mater ★★★ (2009-08-16 18:34:07)

この悲痛さ、十字架を引きずって歩いてるみたい…Mikkoはメロディのセンスもいいですね。それが「悲痛さ」という、アングライズムに繋がるものだからこそ、メロディ面でも才能を発揮できるのかもしれません。SEを挟んで、普通声も入れてきますが…彼の普通声は珍しいのでは。WORSHIPが「Dooom」で演ってたような、低音の渋い素敵な声で歌っております。


STABAT MATER - Stabat Mater ★★ (2009-08-16 18:28:00)

2009年発表の1st。
ケース横の「s/t」はセルフ・タイトルドの略で、アルバムタイトルが
バンド名と同じである、という意味です…って、知ってると思いますが(笑)。
STABAT MATERはフィンランド・アングラメタル界の最重要人物であるMikko Aspaの
演っているフューネラルドゥームとして有名ですが、如何せん入手可能音源が少なかったので
この1stアルバムの発売を待ち望んでいた人も多かったのではないでしょうか。
V.A.「Crushing the Holy Trinity」に提供した音源では、聖歌のSEを絡めて宗教的な
雰囲気を演出しつつ、重く引き摺るリフとMikkoのディープなデス声で聴き手を沈ませるような
作風でしたが、今回も基本はその路線を踏襲している感じですね。但し、敢えてリフに刻みを
入れて圧迫感を演出したり、アトモスフェリックなキーを被せたり、悲痛なメロディを
導入したりなど、更に色々な手法を取り入れてます。ごく僅かながら疾走パートまであったり。
しかし、個人的には手法の増加よりも変化したと感じたのは、音がより乾いたものに
なったこと。これによって、更に無慈悲さが際立ったような気がします。
「Triumph of Genocide」では戦争の情景が描かれてますが、明らかにその悲惨さを伝えて
戦争反対を訴える事より、リスナーの眼前に残酷な情景を突きつける事を目的としてる感じ。
私もこのバンドの1stは待ち望んでいたので、入荷してからすぐに買ってしまったんですが、
期待通りの音楽性・クオリティで満足。今までの作品はスプリットやオムニバス、それも入手が
難しいものばかりでしたが、こうして1stが出たことで、葬式ドゥーム界にもMikkoは
確固たる爪痕を残すのではないでしょうか。最早彼がアングラメタル界を牛耳る日も近い…!?


PANTHEON Ⅰ - Worlds I Create ★★★ (2009-08-15 19:54:00)

2009年発表の3rd。

前2作から質の高いブラックメタルを演ってはいたんですが、今作は高品質なだけでなく、音や作風が、よりメジャー志向になった感じですね。ブラストパートの大幅増加やデス的なうねりのあるリフの導入により攻撃性が増したこと、リフに1349やOLD MAN'S CHILDに通じるフックが備わりメロブラとしての聴き応えがアップしたこと、ドラムやリフが前に出たメタリックで硬質な音作りになった事で、メタルとしての魅力はかなり増したように思います。

しかも、メロディ面だけでなく、音響面でも曲に優美さを与えるチェロや、ゴシック的な妖気を放つ哀愁のメロディ、ブラックメタル特有のサベージな雰囲気など、このバンドの美点といえる部分は全く失われていないのが素晴らしい。前作ではちょっと微妙だと思ったヴォーカルも、今回より地声から離れた逝きっぷりでなかなか。朗唱タイプの普通声や低音デスヴォイスの導入など、一本調子に聞こえさせない工夫があるのもいいです。

美しいメロディに酔い痴れたいなら1st、ゴシックな雰囲気に浸りたいなら2nd、質の高いかっこいいメロブラが聴きたいならこの作品がお勧めなんですが、特にこだわりがないならまずこれを聴いて欲しい所。リフがかっこよく、耽美なメロディがありつつも凶暴で、かつドラマティックな作品を求めるなら是非。
日本盤未発売ですが、普段輸入盤買わない人もこれは買っておく価値ありますよ。


PANTHEON Ⅰ - Worlds I Create - Burn the Cross ★★★ (2009-08-15 19:35:24)

1stや2ndを聴く限り、ここまで攻撃的な音を出すバンドだと思いませんでしたが…ヴォーカルも物殴りながら叫んでそうな勢いだし。豪速ブラストが炸裂する中での、フックのあるギターフレーズが凄くかっこいいです。


PANTHEON Ⅰ - Worlds I Create - Ascending ★★★ (2009-08-15 19:32:51)

ノーマル声を上手く取り入れた展開は、最初後期EMPEROR的かなと思ったんですが、敢えて豪速ブラストに乗せる辺りはANAAL NATHRAKHの手法に近いのかも。かなり品のある、良い声出してると思います。


PANTHEON Ⅰ - Worlds I Create - Bannlyst ★★★ (2009-08-15 19:29:43)

なんか笑い狂ってるし、その後の演奏も狂ってるし…
前曲の狂いっぷりといい、何か嫌な事でもあったのでは(笑)。


PANTHEON Ⅰ - Worlds I Create - Myself Above All ★★★ (2009-08-15 19:27:49)

「大化けした」とは言われてましたが、まさかここまでメジャー志向な音になったとは…最初のトレモロリフの応酬で疾走していくパートを聴いて呆気に取られましたもん。
ブックレットには、「このアルバムは俺達に逆らう奴等や、俺達の芸術を信じない奴等への強烈な一撃となるだろう。FUCK OFF!」と書かれてますが…このパートだけで、それ以上の効果があるのではないかと思います。


KILL DIABO - A ★★ (2009-08-12 22:51:00)

2008年発表の3曲入りシングル。
以前、メタル専門店で貰ったイベントのチラシで存在を知り、アートワークやロゴなどに
凄く繊細なセンスを感じて目を付けてたんですが、ようやく流通がライブ会場のみから
店舗販売もされるようになり、手に入れることが出来ました。
なんと言ってもヴォーカルが素晴らしいですね。
女性的な儚さも中性的な凛とした雰囲気も表現できる、繊細なエモーショナルさを湛えた歌唱。
…結構エモーショナルさを売りにしてるシンガーって、感情を込める余り声の伸びが犠牲に
されてるケースが多い気がするんですが、この人の歌唱はウィスパー気味に歌ったり、
しゃくり上げたりしても声の伸びが失われず、心地良く聴けるのが素晴らしい。
声質的に、なにか天性のものを持ってるのではないでしょうか。
路線は、ヘヴィなバンドサウンドの主眼がスピードやスキル、テクニックではなく、
曲に込められた感情を出力する事に置かれているように思える辺り、ヘヴィロック寄りと
言える音だと思います。GUARDIAN HACKER、ToRN、HEAD PHONES PRESIDENTなどに近い
音楽性ですが、個人的にはこの手のバンドの中では一番好みかも。
2007年結成という若手のバンドながら、ラジオでベテランバンドの曲と交じって流れたと
しても聴き劣りしないであろう質の高さもあると思うし、Noir誌の発刊に注目しているような
国産ゴシック・ヘヴィロックファンには是非聴いて欲しいです。


DIE FORM - Rain of Blood ★★ (2009-08-10 22:04:00)

99年発表のEP。
フレンチインダストリアル/ゴシックの老舗ユニットという触れ込み、裸の妊婦が開口具を
噛まされている頽廃的なジャケットからは、もうコテコテに絶望的な音楽、それこそELENDを
更に救いをなくしたような音を想像してたんですが…インダストリアルの破壊性や無機質性、
ゴシックの耽美性や頽廃性も兼ね備えていながら、トランシーな四つ打ちが出てきたり、
打ち込みのハンドクラップのようなリズムを取り入れた曲があったり、意外にもポップ性も
垣間見えるような音。5曲目ではロボットボイスによるラップまで出てきます。
Eliane嬢の声楽的なだけではない、確かな個性のある歌唱もこの頃から素晴らしいし、
イメージの割には取っ付きやすい作風だと思います。個人的にELENDはムード作りに
徹底しすぎててちょっと辛い部分もあるので、こっちの方が好みですね。


DIE FORM - Bach Project ★★ (2009-08-10 22:03:00)

2008年発表のバッハカヴァーアルバム。
誰もが知ってるあの曲のカヴァーもありますよ(「鼻から牛乳」で有名なあれです・笑)。
…クラシックって、長い時を聴き継がれてきただけあって、旋律の美しさや構築美はポップ音楽の
比ではないとは思うんですが、現代の音楽と比べるとリズム面や音色面で弱いと思うんですよね。
そこをフレンチインダストリアルの老舗ユニットがカバーしたのがこの作品です。
時にリズムを導入して聴きやすくし、時にメロディの耽美なムードを更に引き上げ、時に
リスナーを深淵に引き込むような、インダストリアルな音色の導入の上手さは流石老舗ユニット。
でもそれ以上に素晴らしいと思うのが、Eliane嬢の歌唱。クラシックベースの作風に合った
声楽的な歌唱なんですが、機械で震わせたような細かいビブラートが掛かった声質で、
非常に存在感があります。この人が歌うだけで、どこか天上の音楽というか、浮世離れした
雰囲気が出るような気さえします。
ミックスもロック/ポップス的な、音の鳴りの太さのあるもので聴きやすいですし、ロックや
ポップス好きにはクラシックの名盤とされるアルバム聴かせるより、これ聴かせた方がいいかもしれません。


DIE FORM ★★ (2009-08-10 22:01:00)

フランス産インダストリアル・ゴシック。
77年から活動している、大ベテラン。
「DIE」は独語の定冠詞で、「くたばれ」ではないので注意(笑)。


APSALUS ★★ (2009-08-09 17:53:00)

LONGINUS、FLUORITEのTaihoo氏、天狗櫻、FLUORITEのYuri氏によるバンド。
まだアルバムはリリースしてないのでどういう方向性で行くのか分かりませんが、
「ツバサヲクダサイ」を聴く限りでは、個人的にはタイトル曲の路線中心だと良いなぁ…。


APSALUS - ツバサヲクダサイ - 好きな人はいますか (2009-08-09 17:51:06)

語りのみのトラックですが…歌唱は黒猫さんにない魅力もあると思うけど、正直語りの方はかなり実力に開きがあると思う…頑張って欲しいです。


APSALUS - ツバサヲクダサイ - 呪う言葉 ★★ (2009-08-09 17:48:58)

打ち込みと思しき、録音のチープさで一番割を喰ってるのはこの曲だと思う。プログレ入った間奏パートとか惜しすぎです。予算がアップしたら、もっと凄いバンドになるのかもしれませんね。


APSALUS - ツバサヲクダサイ - 「生きて」と言わなければ良かった ★★ (2009-08-09 17:43:58)

こっぱずかしくなるコーラスやキーボードを、惜しげもなく織り込んでくるアレンジはこのバンドの特徴でしょうか。歌詞はシリアスですが、昔のポップスに通じる雰囲気があると思う。でも砂浜に佇んでるようなノスタルジーも感じられるし、意外と歌詞と音はマッチしているのかも。


APSALUS - ツバサヲクダサイ - 牙振れど (2009-08-09 17:42:43)

昔のハードロックっぽい曲調ですが、清涼感のあるキーボードの音色のせいでなんだか体操のテーマソングみたい(笑)。歌詞は…RPG「ワイルドアームズ」シリーズを思い出すのは、私だけでしょうか(笑)。


APSALUS - ツバサヲクダサイ - ツバサヲクダサイ ★★★ (2009-08-09 17:41:56)

Yuriさんの張りのある、ビブラートのよくかかる声質を最大限に活用した歌謡的なメロスピで、FLUORITEから入った人には問題なく受け入れられるであろう曲。様式美的なキーボード、ライトノベルやRPGなどの国産ファンタジー的な歌詞など、好き者のツボを突いてるところがニクいですね(笑)。


MANES - Solve et Coagula ★★★ (2009-08-08 09:21:00)

1994年に発表された音源をリミックスした「Ned i Stillheten」に、SHININGのKvarforthとXASTHURのMaleficという豪華ゲストを呼んで制作された新曲「Solve et Coagula」を加え、2009年にKyrck Productionsよりリリースされた音源集。

まず1曲目は、新曲の「Solve et Coagula」ですが…鬱系にも通じるスローテンポを中心とした作風ながら、ところどころシンフォ要素を上手く挟んだ展開で、他に似たバンドを挙げづらいオリジナリティある音楽性。上品なはずのシンフォ要素が、恐く聴こえる辺り、感性が根底からブラックなんだろうな~と思います。SEの使い方も、LIFELOVER辺りに通じる不条理な恐さを感じられますし。

2曲目からの94年の音源の方は…まずキーとSEを不気味に組み合わせた、聴いているだけで邪念に捕われそうなイントロに始まり、靄のかかった音質の中で打ちこみっぽいリズムが終末的なヴィジョンを演出する曲、作風こそ1曲目の新曲と似ていながら、低音質が攻撃性やアングライズムではなく、倦怠に向かっているような曲など、どの曲も独特かつ魅力的。

94年の音源において、SEや打ち込み、低音質を上手く利用し、倦怠の中で徐々に終末に向かっているような雰囲気を演出しているのを聴くと、彼らがその雰囲気を更に強めるためにジャズやエレクトロニカを取り入れたのは必然だったと思わざるを得ません。
そしてそれが実を結んだのが、ブラックの裏名盤「How the World Came to End」ではないでしょうか。

MAYHEMやBURZUM、EMPERORのどれとも全く違う音楽性がここにはあります。
ULVER、THORNS、VEDと並んで、初期ノルウェーのシーンを追っている人は聞き逃してはならないバンドだと思います。


IN LINGUA MORTUA - Bellowing Sea - Racked by Tempest ★★ (2009-08-06 22:05:00)

2007年発表の1st。
メロトロン入りシンフォブラックとして好事家の話題を攫った一枚。国内盤未発売ながら、EURO ROCK PRESSで取り上げられるなど知名度は低くない模様。

…メロトロン入りシンフォブラックと言っても、メロトロンをこれでもか、と敷き詰めたような音ではなく、派手なオーケストレーションの中の音色の一部としてメロトロンを上手く配置した作風で、LIMBONIC ARTやSIRIUS、最近ではSOTHISやABIGAIL WILLIAMSに近い音楽性。

上記のバンドが宇宙の神秘とか神話の戦争とか、ひたすらに壮大な世界観を描いているのに対し、こっちはもう少し繊細でアンティークな雰囲気。鬼火のようなイメージを想起させるメロトロンの音を始め、ストリングスのちょっとした震えさせ方、生のフルートやヴァイオリン、サックスの導入など、オーケストレーションの「音色」にかなり気を使っているように思えるんですが、だからこそ派手なだけでなく、ロマンティックなムードが出せるんでしょうね。

ギターも裏方に徹すべき所では徹し、主張すべき所ではしっかり印象的なフレーズを入れてくるし、総じて非常に質が高い印象。ただ、メロディ楽器の音色にはかなりの拘りを見せている割に、ドラムの音色がイマイチなこと、ヴォーカルが然程特徴的でないことが弱点といえば弱点なのかもしれません。

派手さと繊細さ、絢爛さと上品さを兼ね備えたシンフォブラックで初心者にもお勧め。…ブラックの中でも、シンフォ系って最も取っ付きやすいジャンルだと思うので、こういう良質なバンドがどんどん出てきているというのは頼もしい限りですね。


5150 - シンフォニック東方 (龍5150) - CANNIBALISM ★★ (2009-08-04 21:44:51)

この曲もシンフォニックブラックメタル風。
3曲目と比べると、更にヴォーカルがDani Filth化してますね。特に「Cruelty and the Beast」期のDaniと声のひしゃげさせ方が大分似てると思う。でもサビメロはABIGAIL WILLIAMSやSIRIUS並みの派手さで聴かせて欲しかったなぁ。元々派手なメロですし。


5150 - シンフォニック東方 (龍5150) - SKY COMET ★★★ (2009-08-04 21:43:54)

なんかこの曲のヴォーカル、可愛い気がするんですけど(笑)。
特にサビ部分の、声がひっくり返るのも恐れないハイトーンがいい感じ。
ラストの盛り上がり具合も素晴らしいですね。二時間半の映画のクライマックスみたいなテンションです。


5150 - シンフォニック東方 (龍5150) - HOMICIDE MAID, FROM PAVILION ★★ (2009-08-04 21:41:48)

遂に出た、「ブラックメタル」を自ら標榜するゲーム音楽アレンジ!!
「Midian」期のCRADLEを思わせるピアノの使い方が素敵ですね。ヴォーカルは鬱系とDani Filthを混ぜた感じですが…ASHDAUTAS VRASUBATLATやFENRISULF辺りと比べるとなんか照れが残ってるというか、捨てきれてない感じがあります(笑)。


5150 - シンフォニック東方 (龍5150) - FIRE AT THE ALIVE ★★★ (2009-08-04 21:40:53)

これ、歌詞カードのタイトルが変だった(Fire st the Alive)のでHPで確認したら、stじゃなくてatなんですね。キーが隣だから打ち間違えたんでしょう(笑)。早口のハイトーンでクサメロを歌い上げるヴォーカルは、どこかLeo Figaro氏を思い起こさせます。


SONIC HISPEED OMEGA - Toho Tempest Ⅱ - White Rabbits' White Flags ★★ (2009-08-03 20:53:03)

モチーフはSOUND HORIZONの「エルの絵本【笛吹き男とパレード】」ですが…快楽音楽堂といい、SHって何故かメタラーに人気なんですよね…。この曲のメロディも本家に負けず劣らずクサくて素晴らしい!…でも、やっぱり歌が入ったほうがクサく聞こえるかも。


SONIC HISPEED OMEGA - Toho Tempest Ⅱ - Necro Fantasia ~gone Away to the Fairyland ★★ (2009-08-03 20:47:18)

モチーフはX「Silent Jealousy」。
主旋律が結構主張の強いもので、しかも「Silent Jealousy」とはかなり傾向の異なるものなので擬態率はそれほど高く感じないんですが、ドラムのフレーズはYoshikiですね。打ち込みですが音は悪くなく、首を振りまくってドラムを叩く彼の姿が浮かんでくるようです。


SONIC HISPEED OMEGA - Toho Tempest Ⅱ - Is She U.n. Owen? ★★★ (2009-08-03 20:43:54)

モチーフはSLAYERの「Angel of Death」。
確かに、この速さはメロスピの疾走よりスラッシュの爆走に近いのかも。しかし、そこに乗るのはメロスピよりクサいシンセメロ。…DRAGONFORCEの音楽性を「まるで早送りしたよう」と表現されてる方がいましたが、この曲の「早送り感」はDRAGONFORCEでは相手にならない程強い。聴いててめっちゃ気持ち良いです。


J&B - SCARLET NIGHT - GO TO SHANGHAI ★★★ (2009-08-03 20:35:44)

これはB'z松本さんのソロ「Go Further」ですね。
「BLOWIN'」よりも擬態率が更に高くなってます。リードフレーズも拝借してるし、ギターの音色も意識して似せてるんじゃないでしょうか。テンポ落とす所なんて似すぎてて笑えますし、何聴いてるんだか分からなくなります(笑)。松本さんもオリエンタルなメロディを結構好んで使ってるので、上手く波長が合ったのかもしれませんね。


J&B - SCARLET NIGHT - BLOWIN' IN THE BLIZZARD (2009-08-03 20:32:15)

タイトル通り、B'zの「BLOWIN'」がモチーフと思われます。
…でも、あの曲がモチーフならサビ前の神懸ったサンプリングは欲しかったところ。メタリックなギターに主旋律を振ったアレンジで、よりHR/HM的な音になってるのは良いですね。


CIRCLE OF OUROBORUS - Streams - Song of Silence ★★★ (2009-08-01 22:00:07)

アルバムラストの曲ですが…遂に人生を諦めた彼の元に死が忍び寄ってきた…みたいな感じでしょうか。ギターの歪みが、集る蝿の羽音にも聴こえてきたんですが…。これ聴きながら腐ってそのまま意識も永遠に消え失せればいいのに…みたいな気分になってくる(笑)、かなり危ない曲。


CIRCLE OF OUROBORUS - Streams - Anonym ★★★ (2009-08-01 21:59:24)

何気にこのバンド、メロディでの感情表現は凄く上手いと思う。
このアコギメロ、明るくなく、でも分かりやすい絶望感もなく、しかも全編通じて「諦念」が漂ってる感じがする。こういう微妙な情感を表現できるのは凄い。


CIRCLE OF OUROBORUS - Streams - Chained Howl ★★ (2009-08-01 21:58:38)

後半戦開始。
リズムもルーズになったせいか、ますます覇気が失われてますね。
…なんか、聴いてるとどうでもいい気分になってきます。


CIRCLE OF OUROBORUS - Streams - The End ★★★ (2009-08-01 21:57:50)

アコギもヴォーカルも素敵過ぎでしょ。
こんな曲を駅前で弾き語りしてたら、まず間違いなくヤク中に思われるかと(笑)


CIRCLE OF OUROBORUS - Streams ★★ (2009-08-01 21:55:00)

2007年発表の3rd。

よく敢えて弱々しいヴォーカルを乗せる事で、独特の世界観を演出するブラックとしてNUIT NOIRE辺りと比較されるバンドですが…パンク/ハードコア寄りで滑稽味の強いNUIT NOIREと比べると、こちらはディプレッシブブラック寄りで倦んだ雰囲気が強く、対称的と言える音楽性。NUIT NOIREのヴォーカルが「なよなよしている」だとすると、こっちは「疲弊しきっている」感じ。殆ど歪ませない、人生を諦めた人の繰り言をそのまま録音したような歌い方。RAWで抜けのいいドラムに比べ、ギターを淡くノイジーな音色にしている音質も、倦んだ雰囲気を強めてますね。

ネット上のレビューで、この作品をSHINING辺りの自傷・自殺系のブラックと対比して、「餓死」に例えて論じていたものがありましたが…正に正鵠を射た表現だと思います。攻撃性が自分に向かうと鬱系になって、更に自分を攻撃する気力もなくなったのがこの作品という感じでしょうか。自傷する気力すらない分、絶望感は更に根深いのかもしれません。自殺どころか、生活保護の申請すらする気なさそうだなぁこの人(笑)。

しかし、死にたくなるような絶望感を、「鬱」「哀しみ」ではなく、「倦怠」で表現できるバンドまで現れるとは…新たなヴィジョンを提示するバンドが出てくるたびに思うんですが、メタルの世界は本当に広い。とにかく個性的な音出してるので、興味があれば是非。…でもこの音にシンクロしすぎるとヤバい感じがするなぁ…(苦笑)。


SOUTH OF HEAVEN - じゅうおん! - ドンと こい ルイージ (2009-07-29 22:05:24)

2曲目の歌詞差し替え版。
最初聴き始めたときは、「面白い!これは星3つ付けてもいいかも!」と思ったんですけど、途中ルイージと関係の薄い非モテ系のルサンチマンみたいな詞が入ってきてゲンナリ…余計な事しなければ良いのに。


SOUTH OF HEAVEN - じゅうおん! - ふわふわ時間 (ドラ○ン○ォース風味) ★★ (2009-07-29 22:02:01)

これだけレンタル中だったので原曲は未聴。
なので原曲と比べる事は出来ないんですが、メロディが凄くポップで、ちょっとポップス寄りのメロコア入ってるようにも聴こえます。DRAGONFORCEよりもSCREAMING LOVEHOLEの方が近い音だと思う。


SOUTH OF HEAVEN - じゅうおん! - Don't Say "lazy" (チル○ドミックス) ★★ (2009-07-29 21:57:37)

キーが効いててかっこいいアレンジですね。
「けいおん!」は漫画は読んだんですが…こっちの方が原曲より漫画の登場人物(女子高生バンド)が演奏してる感があると思う。原曲は、音が商品として完成されすぎてる感じ。あんな商業作詞家まるだしの歌詞書く女子高生バンドって、なんかイヤ(笑)。


SOUTH OF HEAVEN - じゅうおん! - Cagayake! Girls (エネミーミックス) ★★ (2009-07-29 21:48:52)

こんな変てこなメロの曲(の原曲)がほんとにチャート上位に入ったの?と思って、原曲のCD借りたらマジでこんなメロなんですね…アレンジの違いでダークで不安定にも明るくポップにもなることにビックリ。でも、どこがエネミー?リフにはARCH ENEMYっぽい叙情性はあまり感じられませんが…モダン化してからのAxExへのオマージュ要素があるとかでしょうか。


BATTLE DAGORATH ★★ (2009-07-26 22:21:00)

カリフォルニアのブラックメタルバンド。
…なんですけど、Cold Dimensionsから作品を出してたり、1stの制作に
VINTERRIKETのメンバーが深く関わっていたり、ドイツのブラックメタルシーンと
深い関わりがある模様。間違っても「カリフォルニア」という単語から
連想されるような音楽ではないので注意(笑)。


BATTLE DAGORATH - Eternal Throne ★★ (2009-07-26 22:20:00)

2009年発表の1st。

Cold Dimensions所属、VINTERRIKETが一部曲提供、マスタリング等を担当という前情報からも大体想像はつくと思いますが、雪原の風景を描くような、冷たい雰囲気のアトモスフェリックブラックを演ってます。VINTERRIKETやCOLDWORLDと比べるとキーを殆ど使わず、ギターリフの音色とメロディで寒さを演出していくタイプですね。メロディの寒々しさも然る事ながら、氷の礫を沢山含んでいそうなリフの音色や、一部で聞けるSEを無理なく曲の音響に融け込ませた音像など、マスタリングを手がけたVINTERRIKETのセンスもかなり光ってます。

この手のアトモスフェリック・ブラックにしてはドラムがRAWな音なのも特徴で、ミニマルなコールド・ファスト・ブラックとしても楽しめそう。ヴォーカルは音に合った絶叫スタイルで、際立って特徴がある訳ではないですが…この音像の中で聴くと、人間嫌い故に雪山で命を絶った人の怨念を、一身に背負って叫んでいるようにも聴こえます。…DISSECTIONの音はよく雪原を疾駆する死神に例えられますが、このバンドの音は悪霊が吹雪と化して、雪原を荒れ狂っている感じだと思う。

しかし、この作品、ブックレットに「Enter the Realm of Cold Misanthropic Majesty」と書いてあって、実際その通りの音を出してるんですが、ブックレットのサンクスリスト的な部分にはドイツの有名バンドを始め、かなり沢山のバンド名が…。ほんとに人間嫌い(Misanthropic)なの(笑)?仲間いっぱいいるじゃん(笑)。


NEGURA BUNGET - Măiastru sfetnic ★★★ (2009-07-26 09:07:00)

2000年発表の2nd。

2008年にLupus Loungeより再発されたものが、結構プッシュされてたみたいですが…確かにこれは凄いです。一応プログレッシブ・ブラックに分類されるようですが、プログレというか狂気の沙汰としか言えないような音楽性ですよ、これ…。

魔性・神秘性などにおいてLUNAR AURORAとタメを張れる存在ではないでしょうか。このバンド、例えばトレモロリフ一つ取っても、「メロディを前に出してフォークメタル的な叙情味を与える」「枯れたように加工し不気味さを与える」「キーボードの中で蠢くような音色で恐怖感・幽玄さを与える」など多彩に使われていて、リフやキー、リズムのバリエーションが豊富なんですよね。しかもその多彩さが、ただひたすら幽玄で神秘的な、魔性の世界を描く方向に作用している感じ。

基本的な音からしてブラックらしいムード重視のノイジーな音質に、厚みのあるキーボードが影を落とすような奥行きのあるものだし、ブラスト入れるにしても疾走感ではなく崩壊感を演出してる感じだしで、前述の要素とも相まってかなり個性的な作品に仕上がってます。バンド名はルーマニア語で「暗く霧に覆われた森」らしいですが、確かにLUNAR AURORAの神秘性と初期ULVERの森に迷い込んだような幻想性を足したような印象があります。ただし、このバンドの描く森は、ULVERのそれよりも数段悪意に満ちている感じがします。


MORTUUS INFRADAEMONI - Imis Avernis - Mortuus et prodeunt infradaemoni ★★★ (2009-07-25 21:12:35)

全体的に抽象性が大事にされた作風のアルバムですが、この曲は割と具体的に情景を描いているような印象を受けます。ヴォーカルの詠唱から威風のあるリズムに刻みリフに落とすパートなんて、ジャケの地獄が現世に顕現してるような感じだし。疾走部分のメロディも他の曲よりくっきりしてます。個人的には、抽象性と曲のフックのバランスはこれくらいの方が好み。


MORTUUS INFRADAEMONI - Imis Avernis ★★ (2009-07-25 21:11:00)

2009年発表の2nd。
…LUNAR AURORAやCold Dimensions絡みのバンドって、「景色」を見せてくれるものが多いですが、やはりこのバンドも間違いなくその「眷属」ですよね。

タイプ的には、タメや切り返し、テンポチェンジなどの展開は入れつつも、曲の8~9割を疾走に割いたファスト系のブラックメタル。ですが、ギターのザラついた、奥行きのある音の、放射線でも浴びせられてるような毒々しさとミニマル気味な展開も相まって、ブルータリティよりもアトモスフェリックさの方が遥かに重視されているという印象。

メロディにはDISSECTION的な寒々しさや、LUNAR AURORA的な神秘性、魔性も感じられますが、どっちかというと抽象的な雰囲気に重きが置かれている感じで、リフのフックは前述のバンドと比べると希薄。この辺り、アトモスフェリックメタルに理解がないと多少辛いかもしれません。

音によって「ドラマ」ではなく、「不吉な情景」とそれに対して「加速していく戦慄」を描いているという感じ。ヴォーカルの獣じみた「グアァァー!」という叫びも、戦慄が加速し、追い詰められていく感じを出すのに一役買ってますね。

LUNAR AURORAやTHORNGOTHが好きな方にお勧め。
最も、LUNAR AURORA絡みでCold Dimensionから出てるだけで私的には「買い」ですが(笑)。


SAROS - Acrid Plains ★★ (2009-07-24 19:29:00)

2009年発表の1st。

DISK UNIONにて掘り出し物として紹介されてて、興味を持って調べてみたら、サンフランシスコ出身のプログレデスメタルバンドで、WEAKLINGのメンバーが在籍し、更に所属レーベルがKRALLICEやCOBALTを輩出したProfound Loreという事が判明。そりゃ財布の紐も緩みますよね(笑)。

一口にプログレデスと言っても、構築美こそ共通しているものの、OPETHのような昔のプログレを思わせる音使いは少なく、代わりにアコギやアルペジオ、女性ヴォーカル等による抽象的・叙情的なメロディで聴かせるスタイルの作風になってますね。近年のENSLAVEを髣髴とさせる、それを舵に見立てて海を往くようなリフ捌きも時折見せますが…ENSLAVED並にかっこいいと思うパートもあれば、大味でダレを感じる部分も多少あるかも。

最初聴いた時は、幽玄さを醸し出す女性ヴォーカルはゲストが演っているか、もしくは専任のヴォーカリストがいるんだと思ってましたが…実はあの噛み付いて引き千切るようなデスヴォイスと同じ人が演ってたんですね。普通に男性のブラック声に聴こえる、獰猛極まりない声。
ヴァイキングでいうと、呪術を司る巫女でありながら、同時に戦場を駆け巡る戦士でもある、みたいな感じでしょうか。ギターも担当してるし、この人が中心人物なのかな?

黒い雲の低く垂れ込める空の下、海を往くヴァイキングといった情景が浮かぶプログレ・デス。まだ展開面・フレーズ面などで練って欲しい箇所はありますが、1stにしてオリジナルなヴィジョンが見えていると思わせる作品。OPETHやENSLAVEDが好きな方、PFLリリースに興味を持っている方にお勧め。


六合 - 宵闇の残光 - 招霊 ★★★ (2009-07-24 19:27:03)

実はこのオープニングがアルバム中一番好きなパート。
作りこまれた音を聴きながら、ゆっくりと「六合」の世界に取り込まれていくのが分かる…この深遠さが全編にもキープされてればもっと良かったなぁ…。


六合 - 宵闇の残光 ★★ (2009-07-24 19:21:00)

2008年発表の1st。
アートワークや曲名、「プログレや民族音楽などを独自に昇華した」という触れ込みなどからは、
なんとなく五人一首や捜血鬼辺りに近い音楽性なのかな…と、勝手に予想していましたが、
意外にも普遍的なロックの要素が強い作風ですね。確かに、メロデスにも通じるがっつりメタリックな
リフもあるし、プログレ的な幽玄な音使い、民族音楽の影響を感じさせるトライバルなリズムも
取り入れたりしてるんですが、歌メロを前に出した音像、明確なサビを持つ曲構成、しゃくりあげや
ファルセットを多用するナルシスティックなヴォーカルなど、V系に近い部分もかなり多いと思います。
陰陽座とも五人一首とも違う方向性で「和」の世界を描いてるのは確かなんですが、メタル要素、
プログレ要素、民俗音楽要素、V系要素どれも上手く消化されすぎてしまっていて、際立った部分に
欠ける感じもするんですよね。個人的には、もっと歌メロのフックを重視してV系に近いキャッチーな
作風になるか、逆に音像の抽象性を上げて一流のプログレメタルを目指すか、どっちにしろインパクトの
ある方向に進んで欲しい所。音の質は高いと思いますが、一聴で聴き手を引き込むパワーがあると尚良いと思います。


DAZZLE VISION - Crystal Children ★★ (2009-07-20 19:46:00)

2008年発表の3rd。
「記憶とゆう無限の光を放つ美少女」
…これは帯コピーからの引用ですが、さてどこから突っ込んだものやら(笑)。
確かにヴォーカルの人は美形ではあるけど…それを自分で言うとちょっと滑稽かも。
…最近、メタル/ヘヴィロック的な音像にポップスや歌謡曲の影響を受けた歌メロを入れた
バンドが増えている気はしますが、他のバンドと比べるとこのDAZZLE VISIONは「ポップ性」の
強さが段違い。曲によってはバラエティ番組のエンディングテーマになったり、音楽番組の
特集でプロモが流されたりしても何の違和感もなさそう。確かに悲壮感の強い曲もありますが、
ゴシック的な絶望感ではなくて…失恋ソングの悲しさをデスヴォイスで強めたという感じで、
(デスヴォイスに耐性があれば)かなり受け入れやすいと思う。
ヴォーカルの歌い方もメタルシンガーというより、浜崎あゆみさんや倖田来未さん辺りの
ポップス系シンガーに近い感じですし、普通にカラオケに配信されたりといった人気ぶりも頷けます。
でもポップ性の高い音楽性だからこそ、ヘヴィな演奏やデスヴォイスといった要素も
より際立って聞こえるんでしょうね。デスヴォイスもまあまあ迫力があって、悪くないと思います。
ちなみに、このバンドはゴシックの文脈で語られることも多いようですが…これ聴く限りでは
ポップスの世界観をヘヴィロックの手法で表現してる感じで、全然ゴスな感じはしません。
…バンドのキャッチコピーに「美少女」という単語を使ってしまうような、ナルシスティックさが
「ゴシック的」なんだったりして…。


WOLD - Stratification ★★ (2009-07-20 19:42:00)

2008年発表の3rd。

ノイズブラックと一口に言っても、STALAGGHやMZ.412のように始めからノイズを志向していたり、ILDJARNやSORTSINDのようにバンドサウンドを歪めることでノイズに接近したり様々なアプローチがありますが、このバンドは後者ですね。…しかしこれ、ILDJARNやSORTSINDよりも更にノイズに近いイカレ具合なのではないでしょうか。

ギターノイズがリズムやフレーズを飲み込んでしまい、アンサンブルが崩壊しかけるほど強く、殆ど音の壁と化しているような作風。まるで巨大な火花の化け物が周囲の景色を焼き切りながら、悠然と移動しているような音像。ヴォーカルのエフェクト掛かった血の叫びは、この化け物に焼かれて死んだ犠牲者の怨念のようにも聴こえます。
…「The Frozen Field」では珍しくリズムがまともに聴こえますが、ドラムでマシンガンによる銃殺刑の効果音を表現しているような曲で、やっぱりまともな使われ方はしてません(笑)。

曲名に「Winter」「Frost」など寒い系の単語が入っている通り、リフのフレーズはよーく聴くと寒々しかったりするんですが…そんなことどうでも良くなるくらい音像のインパクトが強いです。これを出してるレーベルのProfound Lore Recordsは、ブラックの手法で少なからず一般的なブラックから離れた景色を見せてくれる作品を多くリリースしてますが、このアルバムもその流れにあると言えるでしょう。レーベルのファン、ノイズブラック、カナディアンブラック好きは是非どうぞ。


AYUTRICA - ENDE DER TRAUMEREI - エンデ デア トロイメライ - ENDE DER TRAUMEREI ★★★ (2009-07-20 11:11:35)

アルバム最強のクサい歌メロが聴ける曲。
ゴス的な耽美な、暗い情熱の感じられる曲で別に明るい曲じゃないんですが、タイトルを歌い上げる所や、「♪この身を引き裂き」の所なんてテンション上がりすぎて拳突き上げたくなります(笑)。打ち込みを巧みに利用していたり、ゴシック「メタル」であることに然程拘っていないような印象もあるんですが、その柔軟さがあるからこそ、暗い耽美さや頽廃性と高揚感をここまで高いレベルで両立できる曲が出来たのでしょう。


AYUTRICA - ENDE DER TRAUMEREI - 硝子の城 - SCHLOSS AUS GLAS ★★ (2009-07-20 11:10:26)

音像はゴシックメタル的なんですが…メロディ使いや音色の選び方にトラッドの影響も感じられますね。海外のゴシックには少ない組み合わせなので結構貴重かも。それも歌ものとなれば更に貴重。


AYUTRICA - ENDE DER TRAUMEREI - 偽りの花嫁 - DIE LUGENHAFTE BRAUT ★★★ (2009-07-20 11:09:22)

メロディも実に取っ付きやすいし、パッと聴いた感じでも名曲の風格充分な曲である事は分かるんですが…打ち込みツーバスとベースを絡ませたフレーズなど、良く聴くと細部までしっかり作りこまれている感じ。これ聴いて有望なアーティストが現れたことに狂喜したゴシック好きも多いのでは。


AYUTRICA - ENDE DER TRAUMEREI ★★★ (2009-07-20 11:06:00)

2008年発表の1st。

ゴシックメタルの中でも歌メロにかなり重きを置いた、「歌謡ゴシック/メルヘン」とでも呼べそうな路線の作風ですが、このバンドは「ゴシック」の解釈が極めて日本人的なことが特徴だと思います。ゴシック特有の耽美さ、頽廃性が日本の(アニメ/ゲーム/漫画などの)モダン文化を通過することでデフォルメされ、大分受け入れやすく分かりやすくなっている感じで、ゴシックメタラー以外の音楽ファンにも充分受け入れられそう。アートワークや歌詞などはフェミニンな雰囲気ですが、それがゴス的な繊細さを軟弱さではなく、上品さや高貴さとして出力している感じがするのも個人的にかなりツボなポイント。

ヴォーカルは媚びる事も力みすぎる事もなく、聴きやすいながらもエモーショナルかつ上品な歌い方でかなり上手いと思う(個人的にしゃくり上げすぎる女性Voは苦手なので、彼女のような情感の込め方は凄く好き)し、サウンドも自主制作の、しかも1枚目とは思えないほど本格的に整っていて、音のクオリティは非常に高い。何よりどの曲も全力投球な、初期衝動が強く感じられるのが素晴らしい。…結構ゴス系のバンドって、ベテランでも似たような曲が並んでる事が多いんですが、そこに全く陥ってないのが良いですね。タイトル曲のような明確なキラーチューンもありますし。

そういう訳で、「歌謡ゴシック/メルヘン」としてはほぼ満点な作品。但し、リフが少し弱目(というか、そもそもリフ主導の音楽ではないと思う)だったり、リズムなど打ち込みを多用していたりなど、純粋にメタルとしてはもう少し別な評価になるかもしれません。まあ、ゴシックってメタル方向以外に逸脱しやすいジャンルですし、ポップな方向を向いたゴシックが受け入れられるなら是非聴いてみてください。


FENRISULF ★★ (2009-07-19 23:47:00)

東京産ブラックメタルバンド。
CDに詳細は書かれていなかったんですが、SARINというバンドの元メンバーが演ってるらしいです。


FENRISULF - FENRISULF - FULL MOON ★★★ (2009-07-19 23:46:01)

このリフの黒いメロディ、素敵過ぎ。
黒さは黒さでも、酸化した血の靄が辺りを覆っているような血腥さ・瘴気がある黒さだと思う。これだけのリフが書けるんだし、是非国産アングラシーンで頑張っていただきたいです。


FENRISULF - FENRISULF - KAGEROU (2009-07-19 23:44:49)

この手の国産ブラックで路線でこういうリズムが出てくるのは結構意外。
プリブラ王道的パートも勿論装備してますが。


FENRISULF - FENRISULF - FROM PAST ★★ (2009-07-19 23:43:51)

寒々しいだけでなく、ドス黒さもしっかり感じられるリフのメロ使いが素晴らしい1曲目。…それにしても、入りの部分のギター、すっごい良い音出てるなぁ…(笑)。


FENRISULF - FENRISULF ★★ (2009-07-19 23:42:00)

2009年発表の1stデモCD-R。66枚限定。
デモと言っても9曲入りで、しっかりフルアルバム並みのボリュームがあります。これで700円だからお得ですよね。私みたいなミーハーも手を出しやすい値段(笑)。

さて肝心の内容の方ですが、鬱系に通じる悲鳴と寒々しいメロディを乗せてミニマル気味に疾走するプリミティブ・ブラックで、ASHDAUTAS VRASBATLATを狂性はそのままに、展開を典型的なプリブラに近付けた感じというと近いかもしれません。リフは個人的にはMALICIOUS SECRETSに通じる壊れた雰囲気を感じたんですが、MxSxがひたすら細切れのメロを繰り出しつづける事で壊れ感を演出していたのに対し、こっちはメロディそれ自体が壊れている感じがします。

また、この手の国産ブラックの特徴なのか、このバンドのヴォーカルもASHDAUTAS~負けず劣らずのヒドさですね(褒め言葉・笑)。基本的に高音絶叫なんですが、GORGOROTH/TRELLDOMのGaahl氏のそれに近い典型的なブラックのぶち切れ絶叫から、喉を締め付けるような細い高音の搾り出し、絶叫マシンに乗せられた女性の如き高音大絶叫までその中でバリエーションを付け、かつイカレてます。ただ、少し演技っぽさも感じられてしまったので、その辺りはおいおい改善していって欲しいですね。


まふまふ - 不明 - 夢幻街 ★★ (2009-07-19 10:55:07)

V系バンドのメジャーデビューシングルみたいな歌メロが印象的な曲。
でも、これでメジャー行こうとしたらプロデューサーに「もっと楽器の主張を弱めてポップに」と駄目出しされそうですが。しかし、メタラーはそういう演奏をこそ好んで聴くものです(笑)。


まふまふ - 不明 - 神殺し ★★★ (2009-07-19 10:54:23)

おそらくアルバムでも1、2を争う人気曲。
他の曲では弱さを感じてしまうデス声も、この曲ではマキシマムザホルモンに通じるリズミックさ、巻き舌全開のワルっぽさが感じられてめっちゃかっこいいと思う。ある店の販促シールでは、この曲には有名RPGのフレーズが引用されてるそうですが…どの部分でしょう?全然分からないんですけど…。


まふまふ - 不明 ★★ (2009-07-19 10:52:00)

2009年発表の1st。
メンバーがあのクサメタルバンドDRAGON GUARDIAN絡み、更にDEATHSCYTHEやHATRED ANGEL
など、個人的に好きなバンドと交流があり、尚且つ価格も手ごろ(1200円)とくれば…
そりゃ興味本位で手を出してみたくもなりますよね(笑)。
…実際に聴いてみると、ジャケやアルバムタイトルなどのコミカルな雰囲気とは裏腹に、
おふざけ要素の殆ど無いマジなメタルでかなり良い感じ。
路線としては…各レビューサイトでもCOBを引き合いに出す人が多い通り、ネオクラシカルな
メロデスをベースに猟奇色の強いV系やプログレのエッセンスを取り入れたようなメタル…と
言えるでしょうか。ヴォーカルのミックスや歌メロが前に出ていたり、歌詞が抽象性の強い
ダークなものであったりなどV系要素が強いのは、一部メタラーの反感を買いそうですが、
個人的には大正解だと思います。
凝った展開とも相まって、「ジェネリックなメタル」と言えるような曲は1曲たりとも
存在しない、独特かつバラエティに富んだ仕上がりで、ラストまで緊張感を維持しつつ
聴かせてくれるアルバムになっていると思う。ただしヴォーカルはデス声、見得の切り方が
V系ライクな普通声、妖しいファルセットなど多彩な歌い方を駆使してますが、デス声が
弱目だったり普通声が勢い重視だったり、多少大味なところもあるので、そこも
(特にメタラーには)好みが分かれるところかもしれません。
でもこの作品、一聴しただけでマジもののメタルだというクオリティはあると思うんですけど、
(アートワークやアルバムタイトル、コメントなどを抜きにして)曲だけ聴くとどの辺りが
「猫を愛する」なのか全く分からないんですけど(笑)。最初歌詞を読んだとき、余りに
全編シリアスで結構驚きましたもん。


ANATA ★★ (2009-07-18 21:54:00)

スウェーデン産プログレデス。
バンド名はエジプトの女神が由来で、日本語の「貴方」ではないそうです。
…なんか、残念ですね(笑)。
他の方のレビューを読む限り、以前は普通のデスだったんでしょうか?
4thが安かったので購入したら、かなり個性的で驚いたんですが…。


ANATA - The Conductor's Departure - Better Grieved Than Fooled ★★★ (2009-07-18 21:52:42)

この曲のギターパートにはかなり感銘を受けましたね…「メタルのギターで、こういう聞かせ方も出来るんだ…」と思ったくらい衝撃的で、物凄く強く惹きつけられました。ブラックでいうと、プログレ/カオティック化してからのDEATHSPELL OMEGAクラスか、それ以上の衝撃度を誇る曲だと思います。


ANATA - The Conductor's Departure ★★ (2009-07-18 21:51:00)

2006年発表の4th。
ジャンルとしてはプログレデス、もしくはテクニカルデスになると思いますが…OPETHや
PERSEFONE、SAROS辺りの叙情性、構築美を重視したバンドとは全く異なるアプローチで、
デス本来の不気味さや禍々しさを、プログレ要素を持ち込んだり演奏をテクニカルにしたり
することで、更に助長する路線を選んでますね。
このバンドの音楽性の最大の特徴は、やはり左右のチャンネルで絡み合う不気味な
ギターでしょう。時にリフに合わせて刻んだり、時にベースに瘴気の演出を振ったり
しながらも、ほぼ全編に渡って禍々しく不条理なメロディを奏で続けていて、知的ながら
壊れている印象。もしも「魔界の音階」なるものがあったとしたら、こういうメロディに
なるのかもしれません。
このギターがインパクト大で、決してキャッチーな作風とは言えないまでも、メタラーの
ようなギターに重きを置いて音楽を聴くリスナーには確実に衝撃を与えることの出来る作品に
仕上がっていると思います。テクニカルでパートによってはかなりブルータルなリズム、
典型的なデスメタルの咆哮スタイルで猟奇性充分のヴォーカルなど、デス本来の暴虐的な
部分もしっかり残っているのも嬉しい所ですね。
3曲目など超名曲レベルだと思う曲もあるし、クオリティも充分すぎるくらい高いので、
プログレデス・テクニカルデス好きは買いでしょう。バンド名も取っ付きやすいですし(笑)。


MARCHEN STATION - FOR THE SAKE OF GOD - THE DESTINED TIME ★★★ (2009-07-15 21:44:57)

アルバムのラストを飾る曲ですが、Leo Figaro、Cafe Au Lait両氏の才能のぶつかり合いという面ではこの曲が一番ではないでしょうか。ギターリフも文句の付けられないかっこよさだし、キーも歌も最高にクサいし素晴らしい!
…ほんと、頭から尻尾までバンドの魅力がぎっしり詰まってるアルバムですよね。収録時間はミニアルバム並ですが、並みのアーティストのフルアルバムなんか比較にならない程充実した内容の作品だと思います。


MARCHEN STATION - FOR THE SAKE OF GOD - INEVITABLE ★★★ (2009-07-15 21:39:41)

この曲は歌い方もメロディも、クサいだけじゃなく上品さや高貴さといったものが感じられる気がします。特に「♪I cry I try I fight to」部分の上品っぷりには聴くたびに悶えまくってます(笑)。リフの音は少し薄めですが、ゴリゴリの音にするよりこういう音色の方がフレーズのかっこよさが良く分かっていいですね。


MARCHEN STATION - FOR THE SAKE OF GOD - HEARTBREAK XX ★★★ (2009-07-15 21:36:03)

これ、歌メロのクサさはDRAGON GUARDIAN超えてるんじゃ…。
メロスピの「クサさ」を、歌謡的な歌メロやジャズ的なお洒落なピアノ等、メタル以外の要素を取り入れる事で、更に強めているのは才能というほかありません。やっぱりメタルの価値観(この曲で言えば「クサさ」)を追求するのにも、他のジャンルに造詣が深い方が有利なのかも。


MARCHEN STATION - FOR THE SAKE OF GOD - FOR THE SAKE OF GOD ★★★ (2009-07-15 21:31:51)

「悠久」といった言葉が思い浮かぶイントロから、水の波紋が広がるようなキーボードとラップの絡みを経て、歌メロもギターもクッサクサなサビへ。これだけの要素を聴きやすくコンパクトに纏めてるのは凄いですよね。ラップはもう少しキレが欲しいですが、それを考慮しても余裕で超名曲クラスの1曲目。


INSPIRE - Alive - Under the Fire ★★★ (2009-07-14 23:58:24)

アルバムのテーマは、「破壊から再生へ」らしいですけど、ラストを安易にメジャーキーのハッピーな曲にせず、少しダークめなメロスピにしてくれたのは嬉しい。Bメロの挑発的な歌唱は、アルバム内でのベストパフォーマンスかも。歌詞も凝ってて良いし、アルバム中随一の曲かもしれません。


INSPIRE - Alive - Outsider (2009-07-14 23:57:17)

なんか昔のXのような体育会系イズムを感じるんですけど(笑)。
声を割って歌うヴォーカルが印象的。何気に声色の多いシンガーですよね。
これでもう少ししゃくりを弱めてくれたら良いんですけどね…。


INSPIRE - Alive - Desperate ★★ (2009-07-14 23:56:18)

ミディアムテンポで、アルバム中では割と渋めな曲なんですけど、何故か好きなんですよね。こういうミディアムなハードロックって、「キレる少年」的なささくれだった感じを表現するのに向いてるのかも。


INSPIRE - Alive - Unfair (2009-07-14 23:49:00)

「Unfair」の歌い方、やりすぎだなぁ…。「アンフェっきゅ」って聞こえる(笑)。なんか悪意を込めて物真似したくなるような歌い方なんですけど(笑)、ここまでやられると逆にその部分を楽しみに聴いてしまったり…。


INSPIRE - Alive - Injured Feathers ★★★ (2009-07-14 23:48:07)

1曲目を飾るに相応しい、キャッチーに疾走する曲。
一発で引き込む求心力があるだけじゃなくて、テンションもかなり高くなかなかの名曲。特にサビに向けて高揚感を煽るBメロと、印象に残るキーボードメロが良い感じ。こういう曲があるなら、オープニングインスト入れなかったのは大正解だと思います。


INSPIRE - Alive ★★ (2009-07-14 23:46:00)

2009年発表の1st。
最近日本の女性ヴォーカル入りメタルが個人的にブームで(笑)、結構プッシュされていた事も
あって買ってしまったんですが、有名所の面子が揃ってるだけあって質は高いですね。
個性的な女性ヴォーカルによる微キャッチーなメロを軸に、様式美メロスピや正統派HM、
ミディアムのHR、メロウなバラードなど色々な路線で聴かせてくれます。突き抜けたところに
欠けるきらいもあり、正直「ジェネリック」という単語が頭をちらつくんですけど(笑)、
全ての楽器がやる事をしっかりこなしてる感じで堅実に良質なメタルを演っているように思います。
ただ、前述したようにヴォーカルがかなり個性的で、そこが心底ハマれるか否かの分かれ道に
なると思います。エモーショナルな歌声はTORNやDAZZLE VISION、GUARDIAN HACKER辺りに
近いですが、ハスキーさを演出するためにしゃくり上げをやたら多用するのが結構耳につく
感じで、そこが好みの分かれる所ですね。個人的には、英語を意識したような、曖昧母音の多い
日本語発音とも相まって、地が江戸っ子の成り上がりセレブおばさんがキレたようなイメージが
浮かんでしまい、いまひとつ好きになれないかも…。(好みを別にした)声の種類や歌唱力は問題ないかと。
日本の女性ヴォーカル入りメタルでは、陰陽座は昔より今の方が断然好き、LIGHT BRINGERや
MINSTRELIXよりもDAZZLE VISIONやGUARDIAN HACKERが好みな方にお勧めです。


MARCHEN STATION ★★ (2009-07-13 19:35:00)

読み方は「メルヘンステーション」。
ex-MINSTRELIXのLeo Figaro氏がギタリストのCafe Au Lait氏と組み、新たに立ち上げたプロジェクトです。


MARCHEN STATION - FOR THE SAKE OF GOD - S.U.N ★★★ (2009-07-13 19:34:31)

途中の展開部のメロディが、初期ZABADAKやそのフォロワーを思わせるトラッドっぽいメロでかなり素晴らしい。メタルにこういうメロディを乗せるとは…。具体的には、「フィーレ」の「青いカナリヤ」のメロにそっくりで、「Leo Figaro氏のCDラックにも(「悶絶メタルのページ」辺りを参考に買った)フィーレのアルバムが並んでたりするのかな…」と、どうでもいい妄想をしてしまいました(笑)。歌い方もカウンターテナーっぽくなり、雰囲気変わるのが良いですね。


MARCHEN STATION - FOR THE SAKE OF GOD ★★ (2009-07-13 19:25:00)

2009年発表の7曲入りミニ。
私はこの手の音楽の男性ヴォーカルのハイトーンって、なんか暑苦しそうで敬遠してたん
ですけど…買ってから大後悔。もう少しで、こんなに素晴らしい作品をスルーする所でした…。
クラシック、プログレ、トラッド、ジャズ、ゲーム音楽など様々なジャンルからの影響を
感じさせつつも、基本はクッさいメロディで疾走するメロスピ寄りのメタルと言えそうですが、
歌にしろ演奏にしろそのメロディのクサさが半端ないのが特徴。
…この手のメタルのメロディって、疾走してるから、重低音ギターと対比されてるから、
速弾きしてるから、シンフォな音の渦の中にあるから…など、ジャンルの特徴のせいで、
実質以上にクサく聴こえてしまうことがありますが、この作品のメロディはどんなジャンルの
どんなアレンジの中にあっても輝き、いやクサさを失わないくらい本質的な部分で
優れているように思います。
特に、クラシックの曲を歌謡曲用に聴きやすくアレンジし、スパニッシュな情熱を一匙加えて
メタルの音に乗せてしまったかのような歌メロが素晴らしい。曲のテンポが速いから歌メロの
譜割りは余裕を持たせてゆったりに?…そんなダルいこと一切しません。
早口で譜割りの細かく、起伏に富んだメロディを、苦もなく歌い上げるヴォーカルにはどこか
華麗さすら感じられます。ハイトーンも危惧したほど体育会系の暑苦しさがある訳じゃなく、
優雅な雰囲気のあるマイルドな声質で聴きやすくなかなかに好み。
英詩部分のアクセントとかは正直微妙なんですが、まあハイトーンであれだけ流麗に細かい
メロディを歌い上げる歌唱力の前では些細な欠点かと。
キーやリズムなどに打ち込み故の弱さが感じられたり、インスト2曲は曲数の水増しっぽく
思えたり気になる所もあるといえばありますが、素晴らしい作品である事は間違いないでしょう。
個人的には今年発売の国産メタルの中ではMINSTRELIXやDRAGON GUARDIANを抜いて
ベスト候補です。この世にクサい音楽は沢山ありますが、この作品にもDRAGON GUARDIANや
SOUND HORIZON、東方カヴァーなどと共に、トップクラスといえるクサさがあると思います。


KURIKINTON FOX - CLASSICS - 幻想即興曲 ★★ (2009-07-09 23:26:46)

暗くて翳りがある、しかも符割りが細かく劇的なメロディを持つこの曲は、クラシックの中でも早弾きギターに最も合うもののうちの一つかも。ただ、「幻想即興曲」と「メタル」の組み合わせでかっこよくなるのは当り前で、その当たり前の事をただやってるだけという印象も…もっとラジカルなアレンジでも良かったのでは。


KURIKINTON FOX - CLASSICS - G線上のアリア ★★ (2009-07-09 23:23:23)

バッキングがキーもギターもチープな音色なのはメタルとしてはどうかと思わざるを得ないんですが、個人的にはSFC時代のFFみたいな趣があって好きですね。具体的には、FF4の街のシーンを思い浮かべながら聴いてました(笑)。


SILVER TORNADO - Gorgeous Soul - Nostalina ★★★ (2009-07-09 23:11:50)

キャッチコピーの「あなたはこのメロディの竜巻に耐えられるか…」は正直微妙だと思うんですけど(笑)、このストリングスやオーケストラヒットの音色を使ったキーボード主導のパートは、本当に嵐の様に聴き手を引き込むパワーがありますね。そして美味しすぎるクサすぎるサビメロの魅力といったら…。
6曲入りのアルバムでしたが、ラストまで胸が躍るような高揚が持続するアルバムでした。この感じ、ずっと保っていて欲しいなぁ…。


SILVER TORNADO - Gorgeous Soul - 紺流夢想 ★★★ (2009-07-09 23:07:45)

アルバム中最もメタリックで、かつプログレッシブな展開を持った曲だと思います。メロが立ってるから聴きやすいですが、何気にブラストまで飛び出すし、ガチなメタラーは一番気に入りそう。


SILVER TORNADO - Gorgeous Soul - Brown Fill ★★★ (2009-07-09 23:02:50)

イントロを聴いた時は様式美系の音で攻める曲かと思いましたが…聴き進めるうちにロマンティックな雰囲気を醸すパーカッションやスラップを利用したベース主導のインダストリアルっぽいパート、飛翔系の歌メロなど様々な表情を見せ、一筋縄では行かない展開に。…この型に嵌まりすぎず、突飛すぎず、かつ質もポピュラリティも高い作風は、路線は違えど初期陰陽座に通じるものがあると思います。


SILVER TORNADO - Gorgeous Soul - Redlの唄 ★★ (2009-07-08 23:19:37)

バラード嫌いが作ったバラードだそうです(笑)。
こんな、昭和の人々が夢見る西欧ロマンの世界を思わせる、洒落たピアノのフレーズをメタリックな音に合わせてしまうとは…こういうのはどんどんやっちゃって欲しいです。


SILVER TORNADO - Gorgeous Soul - Le'roleshell ★★★ (2009-07-08 23:18:47)

「リーロレシェル」という響きからして、なにかわくわくするものがありますよね。カタカナで書くと5音節中4つがラ行で「リーレロシェル」とか言っちゃいそうになりますが(笑)。曲的には、ブラスを使った音作りが意外な感じですが、このリズムには案外マッチしていて、独特な雰囲気が出ていると思います。サビのソプラノ通り越してソプラニーノの音域に行きそうなハイトーンも素晴らしい。


SILVER TORNADO - Gorgeous Soul ★★★ (2009-07-08 23:16:00)

2009年発表の2nd。イントロを含む6曲入り。

ショップでの「可憐な女性ヴォーカルをフィーチャーした国産シンフォメタル」との紹介に惹かれ、購入に至ってしまいました。…1曲目のイントロからキーを巧みに使った、少しチープながら壮大な音作り、主旋律だけでなく副旋律もしっかりクサいメロディ、ちょっとしたパーカッションによる雰囲気作りなど期待させまくり、ハードル上げまくり(笑)な感じなんですが、本編もその高い期待のハードルを軽々超えるような素晴らしいシンフォメタルを聴かせてくれてますね。

様式美的なストリングスやオルガンだけでなく、電子音やブラスなど多彩な音色によるキーボードが、ギター以上に活躍する煌びやかで派手な音なんですが、このバンドの作風はシンフォになるあまりポピュラリティを失ったりせず、あくまでポピュラー音楽であることを前提に、シンフォニックなメタルを演っているような取っ付きやすさがあると思います。

売りの女性ヴォーカルも、ソプラノの音域とポップスの歌い方を合わせた感じで、前者の格調高さと後者の親しみやすさを合わせ、「可憐さ」に昇華した感じでかなり良いです。2曲目のハイトーンなんかはかなり痺れる。そのヴォーカルが紡ぐメロディも、ポップス/アニソン的な大衆性よりもSOUND HORIZONやASRIELなどの同人系アーティストに通じる華やかさ、派手さがあって凄く好み。「Eternal Blue」期のETHERがメタル化し、キーの音色を増やした感じというと近いかも。

…クオリティは充分に高いんですが、個人的にはこのアルバムって良い意味で同人的、それも駆け出しのアーティストっぽさがあると思うんですよね。全編通じて好きなことを演ってる感じ、バランスを考えて出し惜しみせず、1曲1曲に全力投球している感じ、自分達の作る世界観に自分達自身がしっかり酔えている感じからそういう印象になるのかもしれません。
これだけの曲を作れるんだし、これから大きくなる可能性も十二分にあると思いますが、そういう感じは絶対に無くさないで欲しいですね。活動が長く続くにしたがって、それらが失われていくバンドが余りに多いので…いちリスナーが言うのはおこがましいんですが、ベテランバンドが聴いたとしても何か得るものがあるアルバムなんじゃないかと思います。

ぶっちゃけバンド名やアルバムタイトル、キャッチコピーのセンスはちょっといまいちだと思うし、ヴォーカルのミックスなど改善すべき点も多いんですが、かなりお勧めのアルバムです。Black-Listedの女性Voメタルリリース、国産シンフォゴス、クサメタル辺りが好きな方は是非。


CODE - Resplendent Grotesque ★★★ (2009-06-29 20:25:00)

2009年発表の2nd。
一時期ヴォーカルがSimenになったようですが、結局Kvohstに戻って制作されたようです。

前作は近年のSATYRICONやENSLAVEDに通じる、ロック的ダイナミズムと、ブラックメタル特有の淡くアブストラクトで、妖気漂う音作りを高いレベルで両立させた作風がマニアの間で高く評価されていましたが、今作でもその路線は変わっていませんね。更に「淡さ」が上がったのにも関わらず、より妖気が伝わりやすくなっている辺り、レベルが上がったのではないかと思います。


前作と比べるとギターが聴きやすい音質になったんですが、そのお陰でバンドサウンド全体で表現する「妖気のうねり」のようなものが、よりリアルに感じられるようになった気がします。SATYRICONは、「Now, Diabolical」から「The Age of Nero」でキャッチネスを少し抑え、よりムードを重視した作風になったと思うんですが、その傾向を更に強めていくと、CODEの作風に近付くのかもしれません。摩擦リフと合わさってうねりを生むベース、情景に合わせて巧みに変化するドラミングなどアンサンブル全体からして素晴らしいんですが、Kvohstのヴォーカルもほんと良いですね。

バンドアンサンブルの生み出す悪夢的情景の水先案内人を過不足なく務める妖しいノーマル声、凄絶なまでにキレのいいデスヴォイス…これを聴いて私的フェイバリットシンガーの一人になりました。4曲目のタイトルを絶叫する部分とか最高すぎるでしょ…。

臨死体験して三途の河に行ってみたら、泥水が流れてるし暗雲は立ち込めてるし茶色い霧が掛かってて視界はないし…みたいな悪夢のようなこの情景は、このバンドでしか味わえないものではないでしょうか。今年もEMPERORのライブ盤とかBEHERITの久し振りの新作とか大物のリリースが相次いでますが、その中にあって全く引けを取ってない作品です。やっぱり、自分の音、自分の世界を確固として持っているバンドは強いですね。


KOTOKO - UZU-MAKI ★★ (2009-06-28 22:15:00)

2006年発表の3rd。
アニメソングや、それに連なる文化に属するポップスに対して、クッサい歌メロと
ファンタジックでドラマティックな世界観のみを求めていた頃に聴いた時は、さっぱり
魅力が分からなかったアルバム。…なんですが、今聴くとかなり良いですね、これ。
打ち込みと生音、コーラスワーク等を上手く組み合わせたアレンジが耳に心地良く、
ノスタルジックな気分に浸りながら、安らかな気分で聴けます。
タイトル曲などダークでシリアスな曲もあるものの、心地良さをぶち壊すほどダークな
訳ではないし、全体的に安定した質の高さがあることも聴きやすさに拍車を掛けてます。
KOTOKOさんの少々甘い歌声や、彼女の書く劇的ではなくとも流れのいいメロディラインも
音のノスタルジックなぴったり。なんとなく、聴いてると列車の窓から懐かしい情景を
見ているような気分になってくるんですよね。
ただし、有無を言わさず引き込む劇的さを志向していない作風のため、特にメタラーには
オープンでない態度で聴くと多少魅力が分かりづらい部分もあるかもしれません。
例えば…「Martyが共演したから一応聴いてみるが、どうせオタクに媚びた曲作ってんだろ?
つまんなかったら存分にクサしてやるぜぇ~ゲヘゲヘゲヘ」みたいな態度で聴いたなら、
ぜーーったいに魅力は分からないと思います(笑)。ポップスにしても甘めの声質ですし。
ただ、極端にアッパーな曲を媚び媚びの作り声で歌うような曲は入っていないので、
ポップスも行け、彼女に興味を持ってるメタラーの方は安心して聴いて下さい。
打ち込みを上手く使って気持ち良く聴かせるアレンジは、正統派やメロスピよりも
インダストリアルゴシック辺りが好みのメタラーに受けるかもしれません。
Martyがアニソン歌手と共演したと聴いた時は、「何故SOUND HORIZONやALI PROJECTみたいな
シンフォ系じゃないんだろう」と疑問に思ったんですが、今なら分かる気もします。


NATAN ★★ (2009-06-28 18:55:00)

ベルギーのブラックメタルバンド。
上から読んでも下から読んでも「NATAN」です(笑)。
可愛らしい響きのバンド名なんですけど、どういう意味なんでしょう…。


NATAN - Het Zicht Van De Dood - Doodsfeest ★★★ (2009-06-28 18:54:50)

全体的にめっちゃ質の高いアルバムでしたが、ラストまで楽しませてくれますね。世界の終幕を描くような極寒な音からDISSECTIONの影響が変な方向で表れたようなパートに繋ぎ、涙腺に来るトレモロで聴かせる展開がドラマティック。このまま終わってたら、凄く印象のいいアルバムになってたんですが…。余計な事しなくていいのに。


NATAN - Het Zicht Van De Dood - Velden Van Bloed ★★★ (2009-06-28 18:53:01)

特にペイガン/シンフォ/ゴシック要素のあるブラックメタルにおいて、女性ヴォーカルの導入というのは特に珍しくはありませんが…ここまでポップな歌いまわしのヴォーカリストを起用するのは流石に意外かも。でもその村娘的な歌声が魅力・フックになっているのは確かだと思います。またイントロのヴァイオリンなんかはSOUND HORIZONクラスのクサさだし本編トレモロ満載だし、クサメタラーの方にもお勧め。


NATAN - Het Zicht Van De Dood - Volkskracht ★★★ (2009-06-28 18:52:09)

名曲揃いのこのアルバムの中でも、トップクラスの出来だと思う曲。
一旦攻撃の手を休めて、繊細なヴァイオリンのフレーズから展開していくパートの素晴らしいことといったら…フィヨルドのある海岸から、日の出を眺めているような感動がありますね。ベルギーのバンドの曲ですけど。


NATAN - Het Zicht Van De Dood - Grauwbaard's Lied ★★★ (2009-06-28 18:51:23)

1曲目から「ガツン」と来ますね…。
キーボードを使用したパートでは、それほど絢爛な音を出しているわけではないのに、凡百のシンフォ系のバンドよりもよっぽど壮大な風景を演出していると思う。この辺りもセンスの成せる業でしょうか。