デス/ブラックに理解があれば、およそ買って損をすることはないんじゃないか…と言うくらい質が高い作品だと思いますが、MELECHESH、AVERSE SEFIRAなどのデス要素のあるブラック、KEEP OF KALESSIN、IN BATTLEなどの「かっこいい」ブラックが好きな方には特にお勧め。今年は頭からこんな素晴らしい作品を聴けて幸先がいいです。
いきなりクッサいリードギターが入るオープニングといい、ギターが引っ込んでピアノとヴォーカルを前に出した「引き」の展開を入れたりといい、衝撃のデビューミニのラストを飾るに相応しいドラマティックな曲。「The tide of time」「at my wit's end」はX JAPANリスペクトでしょうか。2曲目にも「青い涙」とかあったし。
しかも「Vision of the Arrow」では狂ったコンピューターが演算処理して更に狂っていくような音を出したり、「Mars' Avatar of June」ではパーカッシブなリズムにノイズや奇妙なメロディを乗せたり、曲によってはかなり独自な手法をも追求してたりします。正にめくるめくProscriptorの実験場という感じで、彼の音楽への造詣の深さをまざまざと見せ付けてくれますね。ただ、曲によって聴き手を没入させる手段がかなり異なるので、陶酔しきれないという向きはあるかもしれません。
I SHALT BECOME辺りに似た路線ながら、精神に与えるダメージはこちらの方が上。ヴォーカルに感情移入しすぎると本気で気分悪くなりそうです(笑)。流石、ARKHA SVAを初めSATANIC WARMASTER、MUTIILATION等カルトな連中とスプリット出してるだけの事はありますね。しかし、アルバムタイトルの「Existance」は誤植でしょうか…。