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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3701-3800

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3701-3800

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ABIGAIL WILLIAMS - In the Shadow of a Thousand Suns ★★★ (2008-11-19 23:29:00)

2008年発表の1st。

ex-EMPERORのTrymが5曲でドラムを担当、Metal Hammer誌に
インタビューが掲載、某所のタワレコでプッシュされるなど
各地でも結構話題になってる作品ですが…。
これ、ほんと凄いですね。話題になるのも良く分かるわ…。

タイプとしてはDIMMU BORGIRやSOTHIS同様の大仰な
シンフォニック・ブラックで、どっちかと言えばギターの
メロディックさはSOTHISに近い音像かな…と思うんですが、
これらのバンドと比べても最も音が派出だと思います。
展開の9割以上を派手なパートが占めているような作風で、
テンポ落として「引き」のパートっぽく聴こえても、キーが
メロウなフレーズを弾いてたりギターソロによる泣きメロが
入ってたりで、どの部分にも何かしら派出な要素が入ってる感じ。

サビ的な部分を引き立たせるために、敢えて繋ぎ的な地味な
パートを設けるようなまどろっこしいことをせず、ひたすら
聴かせどころを連発していく展開は、大仰なものを求めて
買ったのに、凄すぎて思わず失笑が漏れそうになってしまうほど(笑)。

ヴォーカルののどち○こが引きちぎれそうな絶叫も「派出」だし、
硬質でクリアでメタリック、かつキーの音量が大きめな音質も
曲の派手さを際立てているし、世界観の演出は一貫していて
ブレがありません。
ちなみにインタビューの載ったMetal Hammer誌の表紙は
CRADLE OF FILTHでしたが、リスナーに与えるインパクトの
大きさではCOFの新譜よりも全然上だと思います。

…これはシンフォニック・ブラックの代表盤の一枚がまた
産まれたと言っても良いのではないでしょうか。
特にクサメタラーが大仰な荘厳さを求めてこっちに入ろうとする場合、
COFとかDIMMUとかの基本をすっ飛ばしてこれ聴いた方がいいとすら思う。
ちなみに私はタワレコの試聴で良かったからレジに持っていったんですが、
日本盤も出てない、しかもフルとしては初のこの作品に目を付けた
店員はほんと慧眼だと思います。


OFERMOD - Mysterion Tes Anomias - Rape the World ★★ (2008-11-18 19:48:49)

邪教の僧が壇上に立って唱えているような宗教的な普通声で邪悪さを表現しているのはNED的だと思いますが、それが乗るのがオールドスクールなサウンドというのが結構珍しいかも。Michayahが初期ブラックの雰囲気への捧げ物として作ったというコンセプトから、こういう音が出来上がったのかもしれませんね。


OFERMOD - Mysterion Tes Anomias - Mysterion Tes Anomias ★★★ (2008-11-18 19:47:54)

典型的なブラックと言えるスタイルですが…SEの使い方、メロディの邪悪さ、ヴォーカルの凄み、音質の雰囲気など全く隙がないです。これはカルトな支持を集めるのも十分分かる。


OFERMOD - Mysterion Tes Anomias ★★ (2008-11-18 19:46:00)

2005年発表の4曲入りEP。
98年の「Mysterion tes Anomias」と04年の「Netivah Ha-Chokmah」を纏めたリリース。

ブックレットによると、パート1(Mysterion~)はオーソドックスなブラック、パート2はデスと書かれていますが…確かにパート1はシャーシャー系の歪みに邪悪なトレモロを絡め、ファスト&プリミティブに疾走するタイプで典型的なブラックのスタイルですが、パート2も音が厚くなったり刻みを多用したりしてはいるものの、雰囲気は紛れも無くブラックそのもの。むしろ音が厚くなった分黒さも濃くなってる気がします。

WATAINやONDSKAPT、MALIGN辺りに通じる、宗教的なカルト性が感じられるのも大きな特徴ですね。ヘブライ語やラテン語も用い、リアルにサタニズムに深く傾倒してそうなムードがあるのもいいです。ヴォーカルのスタイルはTRIUMPHATORやCHAOS OMEN系の苦しげにうめくタイプのがなりですが、このVoかなり良いですね。MALIGNのNordと同一人物らしいですが、苦しげだったMALIGNの時より安定してて、地獄から這い上がってくる亡者のような恐さがあると思う。凄みの効いた声で、もう少し「押し」と「引き」を心得ればFUNERAL MISTに肉薄できる表現力があると思います。

しかし、この作品はNecromorbus Stadioで録音され、ドラムのShivaはNecromorbusその人らしいですが…AriochといいNecromorbus本人といい、Necromorbusに関わった人ってこういう潰れた声で邪悪さを表現するヴォーカル多いような。Necromorbus秘伝の歌い方だったりして(笑)。それか彼と付き合ってると呪いで声が邪悪になってしまうとか(笑)。


SJODOGG ★★ (2008-11-16 22:24:00)

多分出てないと思います。
読み方は…スジョドッグ…じゃないですよね…(笑)?


GOD DETHRONED - Bloody Blasphemy ★★ (2008-11-16 22:20:00)

99年発表の3rd。

デスラッシュやブルデス由来の爽快なカチコミドラム、メロデスやメロブラ由来のメロディアスな泣きリフ、デス由来のうねりのあるリフなど、様々なエクストリームメタルの良い所を抽出したようなデスメタル。

頻度こそ少ないものの、ヴァイキングメタルさながらの朗々とした歌い上げ、ゴシック的な雰囲気を醸す女性Vo、バンドサウンドを包むアトモスフェリックなキーなども聴かれるなど、かなり多様な要素を取り入れてるにも関わらず、全てこのバンドの音として昇華している辺りセンスが良いと思います。

特にリフに篭められた泣きメロと、妥協なきブルータリティの融合振りが素晴らしいです。ヴォーカルも悪くないし、デス系行ける人ならおよそ買って損するということはないんじゃないでしょうか。ベルセルクのグリフィス実写版みたいなメンバーがいるアーティスト写真、アー写下のブラックジョークの感じられるコメントなどブックレットも面白いですし(笑)。

ただ、唯一惜しいのはB級シンフォブラックのような音質。でもこの音が暴虐ゆえの聴きづらさを薄めていて、メロディの良さが際立っている気もするんですよね。


SJODOGG - Landscapes of Disease and Decadence ★★ (2008-11-15 00:03:00)

2008年発表の1st。

THE LEGIONなど多くのバンドに在籍した人物による、エクストリームメタルとして普通にかっこいいドラミングに、真っ黒い軌跡を引き摺るような平坦リフや、ドロドロした溶解感に満ちたトレモロなど、メタルとしてのアンサンブルを補完する事よりも疫病的な情景を重視したようなギターフレーズが乗る、少しアヴァンギャルドな匂いのするブラックメタル。このバンドはOsmose所属ですが、NED系のバンド辺りのファンが好みそうな作風ですね。

ヴォーカルも中音域のがなりですが、グロテスクさを強く感じさせる声質で音楽性にぴったりな声だと思います。メタルとして質の高いリズムに異形な感性のリフという作風はユニークですが、面白い所と微妙な所が両方ある感じですね。どす黒い液体が煮え滾るようなトレモロや、魔王の鼓動を思わせる刻み、気持ち悪すぎるヴォーカルのアカペラ(デス声)など、タイトル通りの「疫病と頽廃の情景」を感じられるパートはかなり良いんですが、わざとブラストの勢いを殺すようなリフ捌きを載せるパートなどは、描きたい物は分かるけど少しダレる感も。と言っても、興味深く聴けるパートの方が断然多いし、良いアルバムだと思いますが。

そんな事よりも一番のマイナスは、11曲入りなのに曲名が9個しか載ってない事。途中に挿入されるアコギインストがタイトル無しなのかと思ったら、サイトによっては最初と最後がイントロとアウトロに当たると書いてある所もあるし、でも1曲目どう聴いてもイントロって雰囲気じゃないし…。手間かかったのに結局分からなかった…これだけで20点はマイナスですね(笑)。いや、点数とか別に付けてないですけど、気分的に(笑)。


HOLLENTHON - Opus Magnum - Dying Embers ★★★ (2008-11-13 21:14:34)

静と動の組み合わせの巧みさならアルバム1だと思います。
メロウに攻めると思いきや、突然街一つ全焼レベルのど派手なアンサンブルが大炎上!!聴いてると世界を滅ぼす力を持った怪物にでもなった気分になりますね(笑)。そんな気分になる曲ばっかりですけど(笑)。


HOLLENTHON - Opus Magnum ★★ (2008-11-13 21:09:00)

2008年発表の3rd。
ミディアムテンポの重厚なデスメタルを主体に、混声クワイアやど派手な
オーケストレーションを大胆に導入した、超が付くほど大仰なシンフォニック・デス。
デス由来のエグいへヴィなリフだけでなく、メロデス的なメロディックなリフも聴け
ある程度は聴きやすい音になってはいますが、そのメロディにもどこか禍々しい狂熱が
感じられ、宗教的というか、神話レベルに踏み込んだ壮大さがあるのが特徴ですね。
威厳に満ちたディープなデスヴォイス、超大仰なシンフォ要素にも飲まれる事の無い
デス由来のバンドサウンドのヘヴィネス、静と動を上手く用いた劇的な展開など、
全ての要素が壮大な世界観の構築に向けられている感じで、全編を通じて、人の歴史が終わり
神話の時代が到来する時、世界を包む浄化の炎の中で演奏してるようなイメージの浮かぶ、
テンションの高い作品になっていると思います。
ゲームで言うなら総プレイ時間の99%がラスボス戦に費やされるRPG、漫画で言うなら
「ベルセルク」や「Bastard!」の一番派手シーンな所だけ抜き出した物の様な大仰さで(笑)、
普段からメタルを聴いている人を引かせてしまうほどブルータルという訳でもないし、
デス要素が大丈夫であればRHAPSODYやTURISASなど、ドラマティックなメタルが好きな人
全般に勧めてみたい作品。スポーンと千手観音を混ぜ合わせたようなジャケや、テケテケ風の
メンバー写真など独自の美意識の感じられるアートワークも面白いですよ(笑)。
しかし、これ程のバンドが日本で話題にならないとは…
やっぱり、日本だとバンド名が「ほうれん草」に見えて敬遠されるのかな…?


ALGHAZANTH - Wreath of Thevetat ★★★ (2008-11-10 19:30:00)

2007年発表の5th。

北欧メロブラ特有の寒々しくメロウなリフを主軸としたバンドサウンドを、魔の光が差し込むような神秘的な音色のキーボードで包み込んだシンフォニック・ブラックで、私が思う「シンフォニック・ブラックの王道」な音。でもこの界隈の有名バンドを見渡してみると、COFはゴシック的ホラーな雰囲気、DIMMU BORGIRはメタリックな硬質さ、ANOREXIA NERVOSAは圧倒的なスケールの大きさに任せたブルータリティなどのウリがあったりして、案外こういう「北欧メロディックブラックの感性で」シンフォニック・ブラックを演っている王道のバンドっていうのは貴重なんですよね。

音質面でもクリアながら、どこかブラックメタル特有の繊細さやアナログ感(生々しさ)の感じられる音作りがなされていて、やっぱり根底の価値観がヘヴィメタル/エクストリームメタルではなく、あくまでブラックメタルにあることを感じさせてくれます。憎々しげにデスヴォイスを吐き出すヴォーカルも迫力があって良い(P行、B行の勢いのある発音がかっこいい・笑)し、変な聴きづらさのない音質やメロディックなリフなどもあってかなり取っ付きやすい作品だと思います。基本的な質も当然のように高く、7曲目なんかはベテランならではの確信に満ちたどす黒さを放ってると思います。

シンフォ好き、メロブラ好きなら必聴でしょう。個人的には、「これがシンフォニックブラックだ!」というお手本のようなアルバム…と言っても過言ではないくらいの作品だと思います。


LUGUBRUM - albino de Congo ★★★ (2008-11-10 19:22:00)

2008年発表の8th。

相変わらず奇妙なメロディ、ねじくれたアンサンブル、奇天烈な展開、妙な味のある音質の変態前衛ブラックを演ってます(笑)。
インプロ的な演奏や超豪速のブラストも軽々こなす演奏力の高さも相変わらず。アルバムのコンセプトのせいか、原始的なリズムとワイルドなベースメロがゴリラの闊歩する草原を、アコギやSEがサバンナの日常の情景を想起させるようなパートなど、アフリカを感じさせる部分が所々に挿入されているのも大きな特徴ですね。

そのせいで更に「普通」や「中庸」などから離れた感性のアルバムになってしまってます(笑)。
このバンドは曲を作る際にまず大枠を決めてから、インプロを交えて作曲していくそうですが、今作は枠を決める段階をより重視したんじゃないでしょうか。前作よりも曲がコンパクトかつ、メリハリのあるものになってると思います。音響面でもベースを前に出し、ドラムを引っ込めて非現実感を演出したり、ドラムの音を弄ってパーカッシブな感覚を与えたりなどの小技も随所に効いてますし。

ただ、その代わり前作のレイドバックした、ユルくて妙な空気感は少し減退してるかもしれません。そうした要素もあって、変態的なのに妙にフックに満ちた作品になってますね。少なくとも、難解すぎて聴いた後何も印象に残ってない…みたいなことには絶対にならないと思います。

SEが続く箇所に少しダレを覚えるのがネックですが、ブラックメタルには珍しい情景を描いてるし、変態的な魅力を分かりやすく伝えてると思うし、初めて彼らの作品を聴くのにも適してるアルバムだと思います。


CAINA - Temporary Antennae ★★ (2008-11-06 21:21:00)

2008年発表の3rd。
このアルバムのジャケかなり好きです。
甲虫の羽の中ってスベスベしてそうでなんか良い(笑)。

KRALLICEが所属していたり、ALCESTの作品のリリースに噛んでいたりなど次世代ブラック好きからの注目も厚いレーベルである「Profound Lore Records」に所属しているだけあって、このバンドもブラックメタルのディストーションボイスやトレモロリフ、ギターの歪みの轟音などの手法を用いながら、メタル的でない幻想的な風景を描いていく、ポストブラックといえる路線の音楽を演ってますね。

ギターの歪みの音色や音の位置など音作りの面にもかなりのこだわりが感じられ、情景の描写に全く抜かりはありません。轟音+デスヴォイスから突然四つ打ちテクノビートが登場したり、意外性のある展開も面白いです。浮遊感のある雰囲気はALCESTやLANTLOS辺りにも通じると思いますが、このバンドの描く情景はもう少し翳りがある感じ。

2、3曲目のアウトロのSE(子供のアカペラ)も葬列に参加してる子供が歌ってるような雰囲気があるし、タイトルトラックの清浄なメロと軽快なリズムも、死を前にして魂が体から抜け出して浮遊しているような感触があると思う。ただ、パートによってはプログレやポストロックに接近しすぎていて、別にブラックのルーツが無くても同じような情景が描けるのでは…と思わされる部分も多く、ブラック要素のあるパートが少なめなのは好みが分かれるかも。

そういうパートも嫌いじゃないんですが、リフの轟音やドローン的な音響は気持ち良いし、デスヴォイスもTRIUMPHATORに通じる苦痛に満ちた声でかなり良いので、個人的にはもうちょっとブラック要素が多くても良かったですね。


DEADWOOD - Ramblack ★★ (2008-11-04 22:07:00)

2008年発表の2nd。
ex-MAYHEM、SKITLIVのManiacが歌詞・ヴォーカル・ギターでゲスト参加。…といっても彼の声は全編にフィーチャーされており、実質的に全面参加なので彼のファンとしてはもうそれだけでも買いです(笑)。

この作品の音楽性は一言で言えば「ノイズ系ブラック」にカテゴライズされるものですが…心霊スポットでラップ現象や怨霊の囁きをレコーディングし、そのまま加工したかのような曲、DARKSPACEからノイズ要素を抽出・純化した轟音で責める曲、「邪悪な波動」という言葉をそのまま音楽に具現化したような曲など、曲のタイプは色々ありますが、バンドのアンサンブルが全く入ってないのが特徴ですね。ノイズ音楽の手法でブラックメタルの情景を描いたような作風で、同じくノイズの手法でエクストリームメタルを体現したJAZZKAMMERの「Metal Music Machine」に近いアルバムだと思います。

ちなみにManiacの声はノイズ塗れに加工されていたり、呻きや語りを交えたシアトリカルなパフォーマンスを聞かせたりしてWLAの頃のような生々しさこそ余りありませんが、彼の声が情景や音像にしっかり組み込まれていてファンとしてはまあまあ満足。ただ、私はノイズ系ブラックも割と好きなので問題無いですが、「Bloodcult」辺りは硝子を引っ掻く音に近い音も出てるし、この系統駄目な人が彼のネームヴァリューだけで聴くのは少し辛い物があるかもしれません。

真夜中にスピーカーで聴くのは余りお勧めできない作品。近所で「あの家には幽霊が住んでる」との悪評が立っても責任は取れません(笑)。


犬神サーカス団 - 夜行列車極楽行 - 虚言村 ★★★ (2008-11-04 20:18:04)

歌謡HR通り越して演歌HRですね、これ(笑)。
こういうハードロックバンドに凶子さんみたいなヴォーカルがいてくれて本当に良かったなぁ…。歌を聴いてるだけで楽しい。凶子さんがコブシを回す所ではこっちも握った手に力が入ってしまいます。


犬神サーカス団 - 夜行列車極楽行 - ねじれた線路 ★★ (2008-11-04 20:14:08)

こんな後味悪いコンセプトアルバムの締め曲なかなかないですよ…
こういう結末って、時間は一定に流れているのみではないことと、人間は(当然だけど)生きている時にのみ時間を知覚できることを合わせて考えれば、現実でも十分考えられそうですし。私は別に人生に悲観してるわけではないので(笑)いいですけど、この主人公にとっては本当に地獄だろうなぁ…。全部灰になって終わった方がまだ救いがあると思う。


犬神サーカス団 - 夜行列車極楽行 - 夜行列車 ★★★ (2008-11-04 20:08:50)

いきなり「アルバム買って良かったなぁ…」と思わせるであろう、歌謡ハードロックのキラーチューン。演奏は硬派にハードロックしてるのに、ギターソロや歌に込められたメロディは「夜行列車」という言葉から想像するようなロマンに満ちたもので、聴きやすくて良いですね。警笛を思わせるギターフレーズや、サビの「ガタンゴトン」感のあるリズムなど列車に関連させているアレンジも面白いです。


犬神サーカス団 - 夜行列車極楽行 - 念仏谷 ★★★ (2008-11-04 20:04:38)

これは大傑作だと思います。
拷問をショーとして楽しんでいる風習のある谷という陰惨な世界設定と、軽快に飛ばしながら「うぉい!!」「イッツショータイム!!」「ッシャァ!!」と楽しげなコーラスを入れるエンタメ性に満ちた曲調が見事に合ってる。ほんとにこの世界では拷問を楽しんでやってるんだな…って感じ。グロ、エンタメ、ユーモアが一つになって実を結んだ名曲です。


犬神サーカス団 - 夜行列車極楽行 - 殺戮峠 ★★ (2008-11-04 19:59:08)

津山で実際に起こった大量殺人事件をモチーフにしたバラード。
この曲はおそらく猟奇的な歌詞と美しいメロディのギャップを狙ったんだと思いますが…視点を事件を見つめていた黒百合からのものにしているせいで、犯人の感情が詳細に描かれずちょっと中途半端になってる気が。
犬神のファンは、彼らがこういう題材を取り上げるといったら、この事件の犯人が沸々と怨念を滾らせていく様をねちっこく具体的に描いてくのを期待してると思うんですけどね…少なくとも私はそういう物を期待してたので、良い曲だけど少々肩透かしでした。


THE AXIS OF PERDITION - The Ichneumon Method (And Less Welcome Techniques) ★★ (2008-10-29 22:35:00)

2003年発表の1st。

このバンドは日本産ホラーゲーム「Silent Hill」にインスピレーションを得ていると聞き、興味を持ったんですが…ブックレットのインスピレーション元欄を見てみると、確かにラブクラフトやデビッド・リンチなど他のアーティストも良く影響元に挙げているものの中に、Silent Hillが!!ぶっちゃけSilent Hillは未プレイなんですが、イギリスのブラックメタルバンドが日本のホラーゲームからインスピレーションを得てるという事実は、やっぱりいちゲーマーとしては見過ごせませんよね(笑)。

強酸を思わせる爛れたメロディ、エフェクトを最大限に活用し異形化したヴォーカル、それらのグロテスクさを更に際立たせるサンプリングやノイズなどから受けるイメージは、確かにホラー的な気持ち悪さがありますね。こういうホラーな雰囲気を演出するバンドって、アンビエント方向に行く事が多いと思うんですが、このバンドの場合インダストリアルな打ち込みドラムがドカドカと鳴り響いてる上に音量もデカく、かなりブルータル。それでいてバンドサウンドそのものより、それを使って演出する世界観を聴かせる音になってるのは面白いです。生ドラムを使うと、生きた音がホラーな世界を壊してしまうから敢えて打ち込みドラムを用いてるのかもしれませんね。

しかし、AKERCOCKEといいTHE MEADS OF ASPHODELといい、イギリスのブラックって変り種率が高い気がするんですが…。イギリスって食文化などから頑固なイメージを持たれがちですが、このジャンルに関しては柔軟で変態なバンドが多いような印象があります。


BARATHRUM ★★ (2008-10-28 22:00:00)

「SaLuBeLe」って彼らの造語ですよね…一体どういうセンスなんだろ(笑)


BARATHRUM - Legions of Perkele - SaLuBeLe ★★ (2008-10-28 21:51:09)

サタン・ルシファー・ベリアル・リヴァイアサン…
(勝手に)合わせて「サルベレ」!!!!!サルベレーー!!
…キリスト教よりもサタニズムを冒涜してそうです(笑)
曲のタイプに「笑える」が欲しい所。


URIZEN - UNIVERSE - EPILOGUE : NOTHING IS EPIC...AND SO IT IS (2008-10-28 21:45:15)

ブラック要素のない曲ですが、後半は結構好きですね。
ULVERの「METAMORPHOSIS」に入ってても違和感の無さそうな曲。
っていうか、かなりその頃のULVERを意識してると思う。


URIZEN - UNIVERSE - A NEW REVELATION AND THE BLISS THAT RETURNED ★★★ (2008-10-28 21:43:41)

最初の10秒だけやたらシリアス(笑)。
それからは…他の曲同様ファミコンキーボードが入るわ、ピコピコ音と語りを絡ませて遊び出すわ他の曲以上にやりたい放題です。


URIZEN - UNIVERSE - A BUDDING CONSCIOUSNESS AND THE DIFFICULTIES OF LIFE ★★★ (2008-10-28 21:42:27)

このキーボードの音色とそれに合わせたリフの捻くれ具合が良いなぁ…。シンフォニックブラックの突然変異体とも言える音なのかも。個人的には、こういう曲がもう少し多ければよかったと思う。せっかくネタは面白いのに、この少なさだとネタを見せただけで終わってしまった印象がある。
しかし、「人生の困難」…そんなシリアスな曲なんですか、これ(笑)


URIZEN - UNIVERSE - A NOISELESS FLASH AND THE JOY THAT FOLLOWED ★★★ (2008-10-28 21:40:20)

もう、これ衝撃以外の何物でもないですよ…マリオか何かのカヴァーだと思ったし。最初に聴いた時は呆気に取られるばかりでしたが、今では聴くたびにブラックパートへの移行部分で吹きそうになります(笑)。よくこんな所まで再現したなぁ…。


URIZEN - UNIVERSE ★★ (2008-10-28 21:37:00)

2007年発表の5曲入りEP。
販促シールによるとテキサスのメロディック/アヴァンギャルドブラックとの事。

「Urizen」はイギリス・ロマン派の詩人ウイリアム・ブレイクの詩に出てくる固有名詞で、「Your Reason」、つまり理性を象徴する存在であり、研究者によってはブレイクは旧約の神のイメージを「Urizen」に重ねていたと見ている人もいるようです。個人的にブレイクはULVERが彼の作品「天国と地獄の結婚」のテキストに丸々曲を付けたり、授業で彼の詩を取り扱ったことがあったりして縁があったのと、そういう神秘的なシンボルをアヴァンなブラックメタルで表現したら面白くなりそうだな…と思ったので購入。その結果は…。

「なんじゃこりゃ!!?」って感じです。
まーーーったく、イメージと違うんですけど…(笑)。
まずプレイボタンを押してすぐに驚愕、というかプレス工場で間違ったCDが混入したのかと思いました。なにせいきなりファミコン風キーボードによる、初期RPG風のメロディによる洗礼ですからね…。そしてドラクエで敵にエンカウントしたときのSE風の音と共にブラックパートに突入(爆笑)。

ブラックパートでもファミコン風キーボードが活躍し、それに合わせてリフの方もメロディを強調するような妙な捻れ具合で実に面白いです。ヴォーカルはほぼ普通声で、Simen(Vortex)風の妖しい歌い方。この人の歌い方はSimenのそれよりも滑稽味があるように思います。

最早ブレイクの詩や版画絵のイメージとは光年の開きがあるような音で、ブレイクの詩が好きな人にはとても勧められませんが、へんてこブラックが好きな人にはお勧めかもしれません。個人的には楽しめはしたんですが、1曲目の半分と3曲目がファミコンキーボードソロで、5曲目がブラックメタル要素のない曲で、ブラックメタルパートが全体の半分くらいしかないのは凄く不満。路線自体はかなり好みなんですけどね…。いくらEPでも物足りないです。


BARATHRUM - Saatana - Helluva Agitator ★★ (2008-10-26 22:07:42)

遂に言う時が来た!(ヘル!!!)
俺が地獄から来たって事をな!(ヘル!!!)
地獄が俺の家だぜ!(ヘル!!!)
不徳な俺の魂!(ヘル!!!)
う~ん、アホっぽい(笑)。でもライブとかは楽しいのかも。


BARATHRUM - Saatana - Dark Sorceress 2 (Winter Siege) ★★ (2008-10-26 22:04:03)

歌詞はエピックぽいですが…ジョークなのかマジでコンセプトを展開しようとしてるのか微妙な感じですね…。多分前者だと思いますが。


THY SERPENT - Christcrusher - Chambers of the Starwatcher ★★ (2008-10-26 22:00:30)

一番インパクトがあったのは1曲目のこの曲かな…。
アトモスフェリックブラック+泣きギターの組み合わせも結構珍しいと思いますが、そこにロックンロールっぽいノリを足してくるのは他に無いのでは。今でこそNorthern Heritage系とかプリブラ全盛ですが、フィンランドのこの時期のブラックって独特な雰囲気がある気がする。


THY SERPENT - Christcrusher - So Free Are the Wolves (2008-10-26 21:59:29)

こういう曲はダークな普通声とキーボードで風景描写に徹して欲しかったなぁ…。そういう要素が入ってるパートは良いのに、中途半端にメタリックにしてる感があるかも…。


THY SERPENT - Christcrusher - Crystalmoors (2008-10-26 21:58:38)

イントロの雰囲気は完璧。
でもその後がちょっと続かないかな…。


THY SERPENT - Christcrusher ★★ (2008-10-26 21:55:00)

98年発表の3rd。

中心人物であるS. TenetzがSpinefarmの傘下レーベル「Spikefarm」を立ち上げていたり、COBやMOONSORROW、FINTROLLなど有名なバンドとも関連があり(COBのAlexiも加入していた時期がある)、箔が付きすぎるくらい付いているバンドなのに、何故か某メタルショップでファミレスのデザート並の値段で投げ売られていたので取りあえずサルベージしてみました(笑)。

…関連バンドなどの情報自体はある程度得ていたものの、音に関しての先入観はない状態で取りあえずプレイボタンを押すと…うっすら被さるキーと、泣きのギターメロが聞こえてきて「アトモスフェリックなメロブラタイプのバンドかな」と思っていると、BARATHRUMにも通じるロックンロールっぽいノリの良いアンサンブルやゴシック的な朗唱も飛び出してくる意外な展開も。

数曲聴いてゴシック寄りのミディアム中心のメロブラと認識しかけた所で突然ブラストを解禁したりして、付き合っていて面白いアルバムになってると思います。色々取り入れすぎててこれといったウリが見えづらい気もしますが、世界観は統一されてると思います。

ただ、ヴォーカルのデス声がいまいち迫力に欠けたり、音質がVoの歯擦音やドラムがうるさく、せっかくのアトモスフェリックな雰囲気を壊しがちなものであったり、確かにB級っぽく感じる所も。また、このバンドはアンチキリスト教ではあるけど悪魔崇拝者ではないらしく、「アンチクリスチャン・ダーク・メタル」を名乗ってますが…その信条のせいなのか、トレモロは少なめ。個人的にはちょっと物足りないです。

…少し不満もありましたが、まあ投げ売りされるほど酷い作品では全くないかと。
これなら充分良い買い物したと思います。


I SHALT BECOME - Requiem ★★★ (2008-10-26 21:45:00)

2008年発表の3rd。

不吉極まりないメロディで音全体を包み込むキーボードとノイジーなギターを薄く被せそれに溶け込ませた音と、その奥から聞こえてくる絶叫が、霧の中から亡霊の呼び声が聞こえ、足元には白骨死体が転がっている森に一歩一歩踏み込んでいくような感覚を味あわせる、鬱系のど真ん中とも言えるブラックを展開してます。BURZUM3rdの1曲目を不吉方向・情景描写方向に特化したという感じ。

98年のデビュー当時からこの路線で高く評価されていたというから筋金入りですね。
似た路線のXASTHURやSTRIBORGと比べると、キーボードの音に占める割合が高く、音像よりもメロディを重視しているという印象で、その分聴きやすく、かつ浮かんでくる風景が具体的な感じがします。曲も「森の中の死体」みたいな直なタイトルが付けられたものがありますし(笑)。

鬱ブラックとして正統派、かつ最高レベルの作品だと思います。
ギターノイズがキーボード溶け合った音は聴きやすいと思うし、メロディの方向性も鬱や不吉まっしぐらで分かりやすいし、鬱系初心者にも是非とも聴いてもらいたいアルバム。カルトっぽく言われがちですが、むしろこの作品からこの系統に入っても良いくらいだと思います。


AXIS OF ADVANCE - Obey - God-Eye Command ★★ (2008-10-25 21:31:58)

スローパートの使い方も印象的ですが…このバンドの場合、スローパートがファストパートにいたる布石なんかではなく、あくまでも「攻撃」って感じですよね。ファストパートが銃殺なら、スローパートでは毒ガスでも流してそう。


AXIS OF ADVANCE - Obey - Cube of Odium ★★ (2008-10-25 21:31:05)

なんか、メロディが軍歌に聞こえるんですが…
ウォーブラックという先入観のせいでしょうか。


AXIS OF ADVANCE - Obey ★★ (2008-10-25 21:29:00)

2004年発表の3rd。DISK UNIONのブラックメタル特集の冊子でもこの作品が取り上げられてましたね。

冊子でも紹介されていた通り、勢いに任せてごり押しする、ダーティなファストブラック。ノイジーな音色のギターと重いベースによってドス黒い塊が音の真ん中に居座っているかのような音像が作り出され、そこに抜けのいいドラムが合わさって凄まじい迫力の音になってますね。特に手数が多く緩急自在のドラムは素晴らしく、ただブラストが速いだけじゃなくて、変化に富んでいて更に体感速度や迫力を上げていると思います。ドラム聴いてるだけで銃弾の雨が降り注いでくる様が浮かぶよう。

MARDUK(の6th)が戦車によって蹂躙する感じなら、こっちは狂った指揮官と洗脳された銃兵たちによる兵団に問答無用で一斉射撃される感じ。この兵団、攻めあるのみで絶対補給とか撤退とかのまどろっこしいコマンドないですよね(笑)。メロウさや荒涼感などファストブラックに良くあるメロディこそ余りないものの、ダーティさと勢いによる攻撃性の高さはかなりのもの。RAWなファストブラックが好きな方にお勧めです。


DIMMU BORGIR - Stormblåst ★★★ (2008-10-24 19:26:00)

96年発表の2nd。
同じシンフォブラックでも、今の彼らが取りこぼしてしまった物が詰まった作品だと思います。

まず曲の方ですが、この頃はスピードやブルータリティに頼ることなく、ミディアムテンポで丁寧に情景を描写していくタイプのシンフォブラックを演ってますね。メロディはフックはありつつも、目立ちすぎて、「曲全体を通じて情景を描くことで聴き手を没頭させていく展開」を損なう事のない控え目さもあって、かなりセンスが良い。時々展開や音の処理に不可解な所も見受けられますが、洗練されすぎてて醒めてしまうことのない程度の生々しさを加味していて良いと思います。

音の方も、近作ほど重金属的な音質ではなく、どこかアナログな質感のある音質で、メタルとしての攻撃性や耳への圧力が情景を壊してしまう事のない自然な音になっていると思います。この手にありがちな、メタリックさと情景描写のバランスを取ろうとして却って聴きづらい音になることがなく、耳に優しめの聴きやすい音なのも良いですね。

上の方も言われてますが、音質面でも「風景である事が揺るがない」感じです。この頃の彼らの作風って、どこかMORTIISやWONGRAVEN、後期THOU SHALT SUFFERなどのブラック系アンビエント作品をメタル化したような、独特の雰囲気があるんですよね。はっきり言って、比較したら情景描写能力では今の彼らでは話にならないと言えるかも。尤も、エクストリームメタルとしてのレベルの高さを比べたら評価は逆になるんですが…。

どっちが良いかは聴き手次第ですね。
私もその時のテンションでどっちが好みかは変わってくるし。それでも敢えて言うなら、この頃の彼らの作品の方が、音楽を聴いている事を忘れさせるまでにリスナーを没頭させる可能性があると言えるのではないでしょうか。個人的に、このアルバムの4曲目のインストがゲーム音楽のカヴァー(というか勝手に使ってるらしい)で、しかもメロディの一部がRPG「空の軌跡」の「星の在り処」みたいでお気に入りな分、ちょっと下駄履かせた評価になってるかもしれません(笑)。どうせならハーモニカでやって欲しかったかも(笑)。


LANTLOS - Lantlos ★★ (2008-10-23 21:55:00)

2008年発表の1st。

封の上に貼ってあった販促シールによると「初期VED BUENS ENDEやAMESOEURSのファンにお勧め」だそうですが…なんという殺し文句(笑)。これに惹かれて買った人も多いのでは…。

最近新世代ブラックの中にはAMESOEURS、ALCEST、KRALLICEなどブラックメタルの音像や様式を利用し、儚いメロディと融合させる事で情景を描き出す手法を取っているバンドがとみに増えてきた感がありますが、このバンドもそうした路線で販促シールのコメント通りですね。

ただ、こっちはアルバム冒頭をディプレッシブ/サイケデリックなメロディで押し、そこから儚いメロディに展開していく構成や、叙情的なメロディのパートでも怒りと絶望に塗れたデスヴォイスや暴虐なブラストビートを用いてる事もあって、前述のバンドよりも悪意的な雰囲気があります。

この、リスナーを拐して超現実的な世界へ引き込んでいきそうなムードはLIFELOVERとも通じるものがあるかも。後半、男女ヴォーカルの語りやサンプリングが出てくると更にそう思います。この音を聴きながらジャケを見てると、廃墟の街に幽霊がいて太陽の光に焼かれて苦しんでるように見えてしまう…。そんな情景を描きつづけた後の、ラストの轟音パートはなかなかに感動的。

でも、このバンドは(仕方ないけど)二兎も三兎も追ってるせいで前述のバンドより少しインパクトが落ちる気がするのと、ヴォーカルが感情表現しようとしてるけど微妙に疲れてるように聞こえるのはちょっと気になるかも。
あと、VBEを引き合いに出すならもっとアンサンブルが変態的な方が良かったとも思います。っていうか、VBEとはそんなに似てない気が…。

上記のバンドのような新しいスタイルのブラックが好きだけど、音の重さや暴虐性などエクストリームメタルの要素はある程度備えていて欲しい…という人ならドンピシャな音だと思います。


ORDO ROSARIUS EQUILIBRIO(ORDO EQUILIBRIO) - Reaping the Fallen...the First Harvest - Where Happiness Ruled ★★★ (2008-10-21 19:28:17)

フォークを硫酸で溶かして、爛れたダークアンビエントになってしまったかのような恐ろしい雰囲気の曲。よくもまあこんな恐い表現方法が思いつくなぁ…と、妙に感心してしまいます(笑)


KUKUI - ゆめわたりの夜 - ゆめわたりの夜 ★★★ (2008-10-21 19:23:45)

kukuiの曲の中でも最もファンシー要素の強い曲で、絵本風の可愛らしいアートワークとも良くマッチしてますね。こんなに良い曲をメジャー流通で出さなかったのはkukui最大のミスなのでは…オリジナル・アートワークで再発希望。


IRON ATTACK! - Devil's Daughter - Eternal Blaze ★★★ (2008-10-21 19:16:02)

アルバム中で一番クサいと思った曲。
特にサビメロは印象的で、表彰台に立って称賛を受けているような高揚感があります。そのメロを取り入れたギターソロ部分は、このアルバムでも最大の聴き所かもしれません。あとヴォーカルのサビ直前のファルセットが可憐で綺麗。この人、声質自体は結構良いのかも…。


IRON ATTACK! - Devil's Daughter - 凛花 ★★ (2008-10-21 19:13:11)

和風な音色のキーボードが、メロディの持つクサみを更に際立てる曲…なんですが、それまでの展開から期待するほどには、サビメロがクサくないのが残念。歌詞カードはついてないですけど、聞こえてくる歌詞はファンタジー系のメタルとそんなに差がない気がする。


IRON ATTACK! - Devil's Daughter - くじびきアンバランス ★★★ (2008-10-21 19:10:27)

これ、おそらく最近のアニソンのカヴァーだと思うんですが、メロディが凄く懐かしい感じ。「5時を回りました。良い子はうちに帰りましょう」の町内放送のバックで流れていてもおかしくない黄昏メロディが、メタルの持つ哀愁をブーストし、暑苦しさを緩和していてかなり良い按配。
これでヴォーカルがアイドル系ぶりっ子風じゃなくて、ZARD系正統派ポップス風だったら個人的には歌謡メタルとして完璧でした。でもヴォーカルが好みを外れてるのを差っ引いても星は3つ。


PITA (PETER REHBERG) - Work for Gv 2004-2008 - Slow Investigation ★★★ (2008-10-20 19:04:15)

これはヘッドフォン/イヤフォン大推薦。
ノイズのレーザーが鼓膜を透過し、脳を焼き焦がし火花を上げる様が浮かんでくるような音。「HUNTER×HUNTER」にキャラクターが脳を針で弄り回されるシーンがありましたが、その時の被害者が聞いてるのはこういう音なのかも…。意外にメロウなパートもありますが、聴いていると現実感が失われていきそう。


PITA (PETER REHBERG) - Work for Gv 2004-2008 ★★ (2008-10-20 19:01:00)

2008年発表の音源集。
人形師/振付師であるGisele Vienneという人物の「I Apologize」
「Une Belle Enfant Blonde」「Jerk」という作品の為に書かれた曲を纏めた物のようです。
しかし、こんな前衛的な音楽を用いた舞台(人形劇?)って一体どんな感じなんだろう…。
アートワークの人形も妙に人間臭い表情だし、恐そうなような面白そうなような…。
路線的には、ポエトリーリーディングを入れたりサンプリングを多用するなど
メタルから更に離れた価値観を有してそうな音とはいえ、基本的にノイズ/ドローン/
インダストリアルでKTLが気に入ったなら問題なく入れるであろう音。
じっくりと長い時間をかけて展開するKTLと比べると、こっちの方が振り幅が広く、
変化に富んだ音になってると思います。ドローンに乗せたポエトリーリーディングでは、
高校のリスニングの授業を思い出しちょっと懐かしい気持ちに(笑)。
ノイズパートも2曲目ではそのノイズに「流れ」が感じられたり、3曲目では針の様に細い
レーザー光線を耳に入れられて脳のシワを掃除されている気分になったり、音作りはやはり
かなり面白い。3曲目を聴いた後に頭をトントンしたら耳から老廃物が出てきそう(笑)。
しかし、これだけ金属的な音を轟音で鳴らしてるのに、どこか心地良い音なのは凄いですよね。
普段からディストーションギターのノイジーな轟音に慣れ親しんでいるメタラーなら、
この音作りの巧みさを味わい、心地良さに酔えるのではないかと思います。
…ちなみに、私はタワレコで買ったんですが、混入したのか仕様なのか分かりませんが、
一枚用のケースの中に全く同じCDが二枚入ってたんですけど…。
値段は一枚分だったので良かったですが…布教しろって事でしょうか(笑)。


PITA (PETER REHBERG) ★★ (2008-10-20 18:59:00)

SUNN O)))のStephen O'Malleyと共にKTLを結成したり、
ULVERの10周年記念リミックスアルバムに参加したりなど
HR/HMとも深いつながりを持つアーティスト。
レーベル「Editions Mego」のオーナーでもあります。
最近KTLで来日したみたいですね。


KISSING THE MIRROR - Blade Of Ancient Temple - Insanity of Crimson Eyes ★★ (2008-10-20 18:56:29)

メロデスに和風メロを足してパワーアップさせたかのような曲調で、特にキーボードによる、兎が月に向かって飛び跳ねてるような情景を想起させるメロディが凄まじいクサさを放ってます。こういう曲調ならデスヴォイスが欲しくなってくるなぁ…。


KISSING THE MIRROR - Blade Of Ancient Temple - Night at Enigmatic Garden ★★ (2008-10-20 18:55:43)

泣きのギターを武器とするIRON ATTACK!に対して、こっちはテクニカルなキーボードが持ち味になってますね。この二者でスプリットを組んだ事で、アルバムの構成にもメリハリが生まれてると思います。


KISSING THE MIRROR - Blade Of Ancient Temple - The Guardian of Evil Palace ★★ (2008-10-20 18:54:25)

CHILDREN OF BODOMをパロったバンドロゴ通りのオーケストラヒットの多用に、思わず笑みが零れてしまいますね…(笑)。早回ししたような忙しなく乱舞するクサメロは本家よりいいかも。ただ、パートによってはちょっとリフと主旋律が上手く噛み合ってない感も…。


IRON ATTACK! - Blade Of Ancient Temple - SPINNING WHEEL OF MEMORIES ★★★ (2008-10-19 23:24:26)

この曲だけでも、このアーティストがわざわざ「ゲーム音楽のカヴァー」という分野に足を踏み入れた価値はあると思う…。このメロディと、このギターが出会ったことにひたすら感謝。


IRON ATTACK! - Blade Of Ancient Temple - CRYING PHANTOM ★★★ (2008-10-19 23:22:25)

SEAVENTH-HEAVEN MAXIONやYELLOW ZEBRAの手によるカヴァーを聴いた時は、随分ポップな曲だと思ったんですが、この人がアレンジすると胸を熱くさせる音になってしまいますね。間奏はダークだったりシンフォだったりするんですが、なんかスポ根な感じがある(笑)。汗と涙、みたいな。ジョギングの時とかに聴くといいかも。


IRON ATTACK! - Blade Of Ancient Temple - DEAMON ERASER ★★★ (2008-10-19 23:19:23)

ここまで来ると、もう別にカヴァーじゃなくてもいいのでは?って気すらしますね…(笑)。原曲のメロを使ってると思しきパートよりも、インプロを多分に含んでいると思われるソロパートの方が盛り上がったりするし。リードギターが主旋律担当してるパートが骨太で良いですね。


...AND OCEANS (HAVOC UNIT) ★★ (2008-10-19 10:06:00)

フィンランド産シンフォニック/インダストリアル・ブラック。
結成十年目、音楽性の変化に合わせてバンド名を「...and Oceans」から
「HAVOC UNIT」に替えた模様。


...AND OCEANS (HAVOC UNIT) - A.m.g.o.d. - Tba in Silver Box ★★ (2008-10-19 10:05:30)

神秘的な音像からは、どこかバンド名の通り海が思い浮かびますね…海に太陽が沈んでいくシーン、みたいな。どんなに文明が進んでも、日は沈むし、また昇るんだな…みたいなことを考えてしまうような音。


...AND OCEANS (HAVOC UNIT) - A.m.g.o.d. - Tears Have No Name ★★ (2008-10-19 10:04:32)

未来、ワームホールで時間移動が出来るようになった時の景色を想像して、それをバンドサウンドで表現したかのような曲。


...AND OCEANS (HAVOC UNIT) - A.m.g.o.d. - Intelligence is Sexy ★★★ (2008-10-19 10:03:45)

まずタイトルからしてインパクトがあって、聴いてみたくなりますね(笑)。
タイトル通り、未来的なキーボードをバンドサウンドに知的に絡めたスタイルですが、ブルータルな腕力勝負っぽいパートがあったりするのはご愛嬌。メリハリのある展開の中でのトレモロリフパートがかっこいいです。


...AND OCEANS (HAVOC UNIT) - A.m.g.o.d. (2008-10-19 10:01:00)

2001年発表の3rd。

このバンド、以前はシンフォニックブラックを演っていたようですが、
今作はメロデス・メロブラ寄りのバンドサウンドにピコピコ
キーボードやテクノビートを絡めて未来的な音像に仕上げた、
サイバーでシンフォニックなインダストリアル・ブラックになっていますね。
DODHEIMSGARDが前衛的な方向に行かず、真っ当にシンフォ方向を
目指してたらこうなったんじゃないか…という感じ。

美しいピアノとフューチャリスティックな音色のキーで展開に
メリハリを付けたり、テクノビートからブラストに雪崩れ込む
ダイナミックな展開を設けたり、テクノ/インダストリアル要素の
導入はかなり巧み。キャッチーなコーラスパートを設けた曲も多く、
取っ付きやすい路線ながら、がなりデスヴォイスはキレが良いし、
ブラストのパートはかなりブルータルだったり、聴きやすくし過ぎて
温くなっていないのは良いですね。

ただ、ブラックメタルらしいギターのジャリジャリした音質は、
あまりこの路線には合ってない気が…。普通に整った音でも
良かったんじゃないかと思います。


IRON ATTACK! - Devil's Daughter (feat. Absolute Area) ★★ (2008-10-18 21:56:00)

2008年発表のアニメソング・カヴァーアルバム。
この界隈でも評価の高いバンドだけに、やっぱり演奏はかっこいいですね。
ただメタリックなリフやリズムを付けてみましたというレベルじゃなくて、演奏だけ
聴いたとしても十二分に楽しめそうな、ガチな正統派寄りのメタルを聴かせてくれます。
全曲ギターソロ完備で、アニメ「ソング」のカヴァーアルバムだというのに、多くの曲で
聴いてて最も燃える箇所が間奏パートだという、ある意味異常事態に(笑)。
また、ツーバス連打によって揚力を与えることでサビメロの飛翔感を強めていたり、
ただでさえ扇情度の高いメロディを慟哭のギターソロで聴かせてくれたり、ジャンル同士の
美点を更に高めるようなアレンジが多いのも良いですね。メタルの暑苦しさをアニメソングの
ポップ性が上手く覆い隠す事で、一般的なメタルよりも大分聴きやすさが生まれていて、
却って演奏のかっこよさが浮き彫りになっているようにも思います。
ただ、ヴォーカルは…ごめんなさい、これ、キッツいです…(苦笑)。
DMCの根岸君ばりにクネクネくねくねクネクネしながら歌ってそうな媚び声を多用し、時折使う
ハイトーンも苦しそうで爽快感に欠ける…。同人である事を考慮しても厳しい物があると思う。
5曲目のGソロ回しとか、そこだけ聴けば凄いかっこいいんですが、そこに行くまでの過程で
気持ちが折れてしまう…。4曲目などはかっこよく歌おうとしてて、まあまあですけど…。
こういう評価になるのも、私がアニメソングに求める物(=主にクサメロやファンタジー性)と、
ヴォーカリストが表現したい物(=アイドル的可愛らしさ?)が噛み合わなかったからだと思います。
そこが噛み合う人には名盤になるんじゃないかと。演奏、特にギターは本当かっこいいですし。
正直、私的には1000円ちょっとだったから良かったけど、これを2500円とかで買ってたら
流石に凹んだかも…。甘い声や可愛い声って別に嫌いじゃないんですけど、この人の場合
やりすぎてて甘美を通り越して甘ったるい声、可愛いを通り越して可愛こぶってる声に
聞こえるんですよね…そこをもう少しマイルドにしてくれたらもっと良かったと思います。


NURSE WITH WOUND - Homotopy to Marie - I Cannot Feel You as the Dogs Are Laughing and I Am Blind (For 13 Throats) ★★★ (2008-10-16 21:46:23)

最初の音からして衝撃的なんですが…
機械で出来た軟体生物が絡み合って、共食いしているような音。こういう音を狙って作れるのも凄いけど、こういう音を頭の中で鳴らせてる時点で只者じゃないと思う。


NURSE WITH WOUND - Homotopy to Marie - The Tumultuous Upsurge (of Lasting Hatred) (2008-10-16 21:42:38)

小人が「このやろ!このやろ!このやろ!」って言ってるように聞こえる…可愛い(笑)


NURSE WITH WOUND - Homotopy to Marie - The Schmürz (Unsullied by Suckling) ★★★ (2008-10-16 21:40:18)

少し耳に痛い箇所がありますが、これは面白いですね。
ピンボールが弾けるように音が連鎖していく箇所とか、聴いてて音の面白さに嫌でも惹き付けられてしまう…。ラストだけこれまでとはうって変わってメロディアスになるのも裏がありそうというかキッチュというか。


五人一首 ★★ (2008-10-16 21:16:00)

最近カラオケ行ったんですが、なんと「ナレノハテ」が配信されてました…。
確かJOYSOUNDだったと思いますが、まさか五人一首まで入るとは…。


NURSE WITH WOUND - Homotopy to Marie ★★ (2008-10-13 09:54:00)

82年発表の5thアルバム。
80年代の作品にしては音が凄く鮮明なので、リマスター盤かもしれません。
SUNN O)))の「00 Void」の日本盤ボーナスでのリミックスで名前を知り、
「傷を伴う看護」との矛盾した意味を持つアーティスト名に並々ならぬセンスを感じて、
音源の方も買ってみたという訳なんですが…
ノイズ、サンプリング、コラージュを駆使して情景を描き出してゆく前衛的な音楽という
感じですが、この不条理通り越して超現実的な世界に入り込んでるような音は、
初期WHENよりも「恐い音楽」として上かもしれません。同じシュールレアリスムでも
絵画などと違って、全体像を見るためには一時間以上を付き合わざるを得ず、必然的に
この世界を体験せざるを得ないというある意味恐ろしい作品(笑)。聴いてると何が
「良い音楽なのか」の価値観が揺らいでいきそうな感じ。
当然ながら音楽的にはメタルの要素はありませんが、1曲目の悲鳴や呻き声による奇怪な
ヴォイスアンサンブルはSTALAGGHの精神病患者の叫びのサンプリングに、2曲目の金物の
残響音を加工して聴かせる部分はSUNN O)))やEARTHのドローンリフに通じる物があるし、
感性の面ではかなりメタルに通じる物があると思います。
ただ、一部に他のパートと比べてノイズやサンプリングの音量が大きく、聴きづらい箇所が
あるのは好きになれないかも…。ノイズ系ブラックは好きだけど、それは「ノイズを浴びるのが
心地良いから」「ノイズの中に見える情景が好きだから」であって、「聴きづらさ=過激さ
だから」ではないので…。個人的には、耳への圧迫感みたいな現実的な要素が、非現実的/
超現実的な風景を楽しむのに邪魔に感じられてしまう所も。
とは言え、こんな恐い音で耳に痛い箇所も(少しだけど)あるのに、つい長丁場を
聴き入ってしまうので魅力のある作品であることは間違いないでしょう。調べてみたら、
ノイズ/アヴァンギャルド界では名盤と謳われてるようですが…世界は広いですね(笑)。
SUNN O)))やSTALAGGH、WHENが全部行けてCold Meat Industryとかにも手を出してる
恐い音楽好きメタラーなら気に入ると思います。


SOTHIS ★★ (2008-10-10 21:45:00)

先月1stを発表した、アメリカ産シンフォニックブラック。
これまた凄いバンドが出てきましたね…。
と言っても、バンド自体は99年からあるみたいですが。
DIMMU BORGIRやCOFにも通じるメジャー志向のシンフォニックブラックなんですが、
彼らはそこにメロブラ並の叙情リフを入れて更なる高みに達してしまってる感じです。
マニアだけでなく、初心者やブラック好き以外の人にも是非聴いてほしいバンド。


SOTHIS - De Oppresso Liber - The Cold Disconnection ★★★ (2008-10-10 21:43:04)

おかしな表現ですけど、この曲の豪速ブラスト&吸い込まれるようなキーボードのパートは、「嵐のような荘厳さ」があるように思います。キーボードの音色の選び方も本当に巧み。


SOTHIS - De Oppresso Liber - De Oppresso Liber ★★★ (2008-10-10 21:41:11)

ぶっちゃけ、メロディにDIMMU BORGIRの曲で聴いたような部分があるんですが…(笑)クオリティでも向こうのキラーチューンと比較しても劣らないものがあると思います。息も詰まるような音なのに、こうまで質が高いと聴いてて疲れないなぁ…。テンション上がります。


SOTHIS - De Oppresso Liber - Of Night and Silence ★★★ (2008-10-10 21:40:15)

1曲目からフックのあるリフと大仰なシンフォニックなサウンドの波状攻撃!!
バンドのアンサンブルとシンフォなキーボードのバランスの良さでは既にDIMMU BORGIRを凌いでしまっているかもしれません。正直、「アメリカのシンフォブラックってどうなの?」と思ってたんですが、この1曲目で完全にノックアウトされました。


SOTHIS - De Oppresso Liber ★★★ (2008-10-10 21:38:00)

2008年発表の1st。
数多くの優良ブラックメタルバンドを抱えるレーベル、Candlelightに移籍してのリリース。タイトルは米軍のモットーで「抑圧からの解放」らしいです。

ブラックメタルのアングラ感こそ希薄ながら、派出なキーボードの装飾を施した音像でエクストリームメタル好き全般にアピール出来る質の高さとメジャー感を備えた、近年のDIMMU BOGIRに通じるシンフォニック・ブラック。背徳性に溢れたメロディは、COFに通じるものもあるかもしれません。しかしこれ、恐ろしくクオリティ高いですね。
前述のバンドやANOREXIA NERVOSAなどのクラスのバンドでないと勝負にならないくらいのレベルに達してると思うんですけど…。

大きな特徴は、ど派手なキーボードが入ったシンフォニックブラックというスタイルにも関わらず、バンドサウンド自体が非常に魅力的なこと。緩急交えたドラマティックな展開といい、トレモロと刻みを巧みに交えたスリリングでフックに満ちたリフ捌きといい、例えキーボードが無かったとしても上質なメロディックブラックとして成立してしまいそうな程。

そこにDIMMU BORGIRばりのキーボードが絡み合って劇的さを演出するのだから、素晴らしいものが出来ないわけがありません。シンフォ系ってキー主体のパートではリフが弱くなる傾向があると思うんですが、彼らはそこに陥らず、かなり練りこんでくれているのが良いです。

また、スケールの大きさやブルータリティをしっかりと伝える、臨場感のあるクリアな音質、憎しみに満ち満ちたヴォーカル(Shagrath似かも)、ブルータルながら暴虐さに頼り切らず、背徳的なムードも漂わす曲調といい、1stアルバムにして全体的に全く隙が無い感じ。
個人的にはDIMMUやCOFよりも好きかもしれません。

このクオリティなら、例えばブラックメタルをこれから聴く人に「これがシンフォニック・ブラックを代表する作品」だと言って聴かせたとしてもジャンルに引き込めてしまうのではないでしょうか。これは初心者にも是非聴いてもらいたい、シンフォニック・ブラックの大名盤だと思います。


ENSLAVED - Vertebrae - Center ★★★ (2008-10-09 18:11:39)

メロディ自体も素晴らしいんですが、それを奏でるリフの音色もほんとムードたっぷりですね…彼らはヴァイキングの秘術を用いて作曲を行っている、と言っても信じてしまいそうなくらい、呪術的な雰囲気のある曲。それでいて後半は氷の彫刻を見ているような美しさ。孤高の領域に達してます。


ENSLAVED - Vertebrae - New Dawn ★★★ (2008-10-09 18:08:12)

リズムが戦いの太鼓を鳴らしているように聴こえ、ヴァイキングが戦うシーンが目に浮かぶような曲。それも常に死が隣り合わせにあるかのような緊張感がある戦闘の様子。メロトロンの入るパートは、死せる戦士達の魂を戦乙女がヴァルハラへ導く光景が幻視できそうだわ…。


ENSLAVED - Vertebrae - The Watcher ★★★ (2008-10-09 18:04:50)

トレモロリフとキーボードが幻惑的な情景を描き出す、アルバムのラストを飾る曲。…この曲はヴァイキングの船団が海を往く風景よりも、小舟で此岸と彼岸の間の川を渡っているような雰囲気があると思います。最後だけに、なんか切なくなってしまいますね。


ENSLAVED - Vertebrae ★★★ (2008-10-09 00:01:00)

2008年発表の10th。
遂にこのバンドも二桁の大台に乗りましたね…。

民族的なメロディや楽器を取り入れるのではなく、ロック乗りリズムを上手く利用したダイナミズムで野蛮さを、プログレッシブな感性で神話的な世界を表現していく、独自のヴァイキングメタル観を追及しているのは近作と同様なんですが、ここに来てプログレ要素が大幅に増量…というか顕在化してますね。

まろやかで色気のある普通声や幻惑的なスローパートが増え、リフ捌きや展開もより複雑になり、メロトロン風の音色のキーボードも導入するなどした結果、フォーク的なアプローチを試みるヴァイキング系のバンドよりも、OPETH辺りのプログレデスの方がよっぽど近いような音に。

ただ、「Clouds」のイントロのリズムがヴァイキングの儀式、キーボードがその儀式による陶酔の中で見る景色を思わせたり、「New Dawn」の勇壮さは戦地のヴァイキングの姿を思い起こさせたり、音から見えてくる景色はやはりヴァイキングらしさを感じさせてくれます。他のバンドや昔のENSLAVEDが大海原を往くヴァイキングを描いているとしたら、今のENSLAVEDは霧の立ち込める海を往く姿を描いているように思います。

このアルバムを聴いていて思ったのは、パートによってダイナミズムだったり神秘性だったり違うんですが、展開の一つ一つ、フレーズの一つ一つに並々ならぬ創造的なエネルギーが篭められているように感じられること。物凄く作りこまれたシンフォブラックでも、似た音像が続くと最後の方は飽きてしまう事も結構あるんですが、このアルバムを最後まで集中を途切れさせる事なく聴けたのは、そうした魅力のお陰かもしれません。

…ここまでだと、凄い名盤になりそうなんですが…何故かヴォーカルは苦しそうで、「Isa」の時よりパワーダウンしてしまってますね…。最後の方持ち直してる感じはしますが、歌詞カード読みながら(=ヴォーカルに集中して)聴くと、かっこいいリフが来てもいまいちテンションが上がりきらない感が…。ヴォーカルが弱くなったのは仕方ないかもしれませんが、ミックスとかでフォロー出来なかったんでしょうか。今回、ミックスはTOOL等を手掛けた有名な人がやってるみたいですが、それ位はして欲しかったですね。

しかしこれ、ヴォーカルを入れても十分素晴らしい作品だと思うんですが、何で日本盤出ないんでしょうね。独創的だし、海外での評価も高いし、分かりにくくないし。そろそろ日本のメディアに評価されても良い頃だと思います。


FAINT IN PAIN - 悶絶元年 - EMERGE ★★ (2008-10-08 23:58:49)

オープニングのインスト。
最初のベースを聴いただけで、「これはとんでもないクサアルバムなのでは!?」と期待してしまいましたが、それを裏切らない出来。ただ、この曲は折角の疾走パートが短いので、アルバムの中ほどに入れて疾走を長くして欲しかったなぁ…。


FAINT IN PAIN - 悶絶元年 - JIHAD ★★★ (2008-10-08 23:57:39)

ミディアムテンポの曲ですが、メロディの良さはアルバム1かもしれません。
特に「♪存在するのだろう」のクラシカルなメロディの流れ、美しすぎるでしょ…。


FAINT IN PAIN - 悶絶元年 - 月恋 ★★★ (2008-10-08 23:56:39)

インスト明けいきなりのキラーチューン。
疾走感も歌メロもクサメタルとして隙がないですが、特にツインリードによる間奏パートが好きですね。「悶絶」のツボを完全に知っている人が、それを実践している感じ。


FAINT IN PAIN - 悶絶元年 ★★ (2008-10-08 23:53:00)

2007年発表の1st。
…何なんですか、この「クサメタラーホイホイ」なタイトルは(笑)。
思わず買っちゃったんですけど…。
このタイトルに恥じない、女性ヴォーカルによる歌謡曲/ポップス並にクサい歌メロを
フィーチャーした正統派/メロパワで期待を裏切らない内容なんですが…、クサくて印象に残る
歌メロ、正統派寄りでスラッシーな部分もあるリフ捌きや時折メロディアスなフレーズを
挿入しクサさをブーストするベース、そこだけ聴いてもカタルシスが得られる(=悶絶)
ツインリードなど、JAPANが付く前のXを思わせる部分がかなりありますね。
リズムはXのそれ程派手ではないですが、メタリックな質感を重視してる感じがします。
ヴォーカルはちょっとヤンキーっぽい(?)感じがして大味な部分があるのが気にかかりますが、
ハスキーで力強く、突き抜ける感じがあってなかなかにかっこいいです。やっぱりこういう、
勢いのあるヴォーカルはクサメタルには必須ですね。クサい歌メロが更に際立ってます。
ただ、歌メロは十二分にクサいんですが、Xの衝撃と比べると少しインパクトが弱いかも。
Xは、歌謡曲/ポップスだけでなく、クラシック寄りのメロディも取り入れていたからこそ、
歌メロがあれほど叙情的だったと思うんですが、個人的にはこのバンドもメタルや歌謡曲だけで
なく、クラシックでも民謡でも、教会音楽でも何でもいいので、他のクサいメロディが頻出する
ジャンルから旋法を引っ張る等の工夫をして、クサい歌メロを更にリファインして欲しかった所。
…とは言っても、一回聴いただけでクサメタラーを悶絶せしめるだけのパワーがある曲が
揃ってると思うし、タイトルの「悶絶」に惹かれて買っても損はありませんよ。


PENTEMPLE - O))) Presents... ★★ (2008-10-07 19:17:00)

SUNN O)))のメンバーや、MAYHEMのAttila、STRIBORGのSin Nannaらが一堂に会した
オーストラリアでのライブを元に、現代音楽の分野で活動し(とライナーに書いてあった)、
このプロジェクトやGRAVE TEMPLE等でSUNN O)))のメンバーともよく共演しているOrenが
編集、ミックスを施した作品。2008年発表。
このアルバムはSUNN O)))を媒介に、ブラック界の重鎮であるAttilaと、新世代ブラックを
代表するSin Nannaが邂逅するという事もあって大きな話題を呼んだようですが、
遅ればせながら私も聴いてみました。…概ね、このメンバーから想像されうる通りの音ですね。
SUNN O)))の圧殺ドローンリフをバックに、AttilaとSin Nannaがバトルを繰り広げているという。
ただ唯一想像と違ったのは、Sin Nannaがヴォーカリストとしてだけではなく、
主にドラマーとして貢献している事。Attilaの呪詛や悪魔の哄笑とSin Nannaの絶叫の
掛け合いは(少ないけど)あるとはいえ、それを期待すると少し肩透かしかもしれません。
その代わり、STRIBORGでは余り聴けないような高速ブラストビートやインプロ的プレイも
聴かれ、こういう音の中ではブラストがブルータリティやスピードではなく、ドローンの
陶酔感を強めるという現象も聴かれたりして面白いし、聴いてて気持ち良いです。
このアルバムのレビューで、「この作品を聴くまで彼がこんなに良いドラマーとは
分からなかった」という意見を目にしたことがありますが、私も同感。元々煮え滾る
地獄の炎のようなドローンサウンドが、彼のドラムによって火の粉が噴出しているような
音になってる感じがします。
また、買うなら二枚組みの日本盤をお勧め。
ディスク2の「Pazuzu 3」は30分を超える曲で、空気が震える音をそのまま封じ込めたような
持続音と、本編よりも良く聴こえるミックスの生々しい絶叫の交差するパートから徐々に音の
壁がせせり立っていくような曲で、本編の曲に勝るとも劣らない魅力があるように思います。
音響の面白さやその中での展開、イマジネーションを刺激する音を求めるならSUNN O)))の
近作やKTLの方がお勧めですが、生々しさや陶酔感などを求めるならこのアルバムを
買うことをお勧めします。
ちなみに、ライナーによるとSin Nannaがステージに立つのはこれが初めてだとか。


IN BATTLE - Kingdom of Fear - I kamp ★★ (2008-10-05 18:05:44)

母国語詞で北欧神話由来のキーワードも垣間見えますが、やっぱりヴァイキング要素はほぼ無く、デスメタル寄りのメロディ。でも母国語の巻き舌が更にダーティな感じを際立てていてかっこいいです。


IN BATTLE - Kingdom of Fear - The Curse ★★★ (2008-10-05 18:04:49)

ファストブラック化したMORBID ANGELという印象の曲。
DARK FUNERALやSETHERIALのメロディが悪魔が押し寄せてくる感じなら、こっちは地獄で閻魔とか出てきそうな感じ。


IN BATTLE - Kingdom of Fear ★★ (2008-10-05 18:02:00)

2007年発表の4th。

このバンドはヴァイキングメタル/ファストブラックとして有名らしいですが…少なくともこのアルバムではヴォーカリストのSandinの手掛ける歌詞に「ユグドラシル」「アスガルド」「スレイプニル」などの北欧神話由来のフレーズが登場するくらいで、民族楽器やヴァイキングハーモニーなどは無い、ブルデス寄りのファストブラックを演ってますね。

メロディもヴァイキング的勇壮さやブラックのサタニックな雰囲気よりもデスメタル的な禍々しさを強く感じさせる物で、ENSLAVEDやTAAKEよりも寧ろHATE ETERNALの方がずっと近い音の様に思います。ヴォーカルはダーティで野蛮ながなり声で、ヴァイキングらしさがある…ような気がしないでもないです。

…このアルバムは結構賛否が分かれているみたいですが、確かにヴァイキングメタルを期待すると肩透かしかもしれません。ですが、最初からそういうもの(ブルデス寄りファストブラック)だと思って聴くとかなり良いアルバムですよ。豪速の中でテクニカルにせめぎ合うリフとリズムの応酬が実にかっこいい好盤です。

ただ、質は相当高いにも関わらず、結構曲が似通ってる気もするので、テクニカルな演奏を活用してKOKと同じくらい1曲1曲の個性を付けてくれればもっと良かったかも。


ISHTAR - Krig ★★ (2008-10-04 20:38:00)

99年発表の1st。
2005年に999枚限定でリマスター・ボーナス1曲付きで再発されました。

このバンドは女性キーボーディスト(ジャケのマスクの人?)がいることで有名らしいですが、音をメタリックにしすぎる事で抽象的ムードを損なう事が無く、それでいて曲自体の質は高い、初期DIMMU BORGIRにも通ずるシンフォニックブラックを演ってますね。最近のDIMMUは音の表現が具体的になりすぎて、却って想像力の働く余地がなくてつまらんと言う人でもこれなら満足するんじゃないかと思います。

初期DIMMUよりも「悪」のオーラが強く、攻撃的な雰囲気があったり、キーボーディストによる可憐な女性Voが入ったりといったこのバンドならではの売りもあるし、初期DIMMUと比べても魅力は全く劣らないと思います。キーボードやリフのメロディが醸し出す、凍てついた冷厳な雰囲気も良いですね。冷たいだけじゃなくて…凍った大地に氷の城があったり、雪の女王や氷の精霊がいたりみたいな、どこかファンタジックな感覚を個人的には覚えました。

ただ音質が…ややRAWで、ソリッドになりすぎない音はムードがあって、却って曲の魅力を引き出してると思うんですが、バスドラがオモチャみたいなチープな音でしかもミックスがデカく、聴いててイラっと来る…。曲の世界観に没頭すればそれ程気にならなくなるんですが没頭するまでに時間が掛かったり、感情移入を妨げる原因になっているように思う。

このアルバムに、COF「Cruelty and Beast」、CHTHONIC「Seediq Bale」…何でシンフォニック・ブラックってドラムの音質をなおざりにしてしまう事が多いんでしょうか。どのアルバムもそこさえ直せば名盤なのに…聴いていて何だか勿体無い気分になってしまいます。


TORN - Another Torn Vol. 1 - 葵 (tron of Flood Version) ★★ (2008-10-03 21:20:21)

別名「メロトロン洪水バージョン」。
正直「洪水」はちょっと言いすぎかな…という部分はあるんですが、メロトロンの魅力に焦点が当てられたアレンジで、狙いが明確な分こっちの方が好きかもしれません。


TORN - 葵 -cerulean- - Somebody Like Me ★★ (2008-10-03 21:17:32)

インパクトという点ではこっちの方が表題曲より上だと思います。
ギターソロも完備したメタリックな演奏がベースにありながら、メロトロンがプログレッシブな雰囲気を放ってたり、いきなりラップが入ったりでごった煮感のある曲。


TORN - 葵 -cerulean- - 葵 -cerulean- ★★ (2008-10-03 21:14:31)

帯のキャッチコピーにて、「儚く耽美な退廃美学を貫く…」と銘打たれているシングル盤の表題曲にしては、随分と取っ付きやすいポップな曲ですね。歌詞も力強くてポジティブで。演奏はプログレの香りもしてヘヴィだし、サビのソウルフルなハスキーヴォイスもかっこいいしで求心力のある曲なんですが、コピーから想起するようなケレン味が足りない気も。


SVARTSOT - Ravnenes saga - Hedens døtre ★★★ (2008-10-02 21:37:50)

牧歌的なメロディに対して、ヴォーカルはかなり野蛮。
洞窟から響く肉食獣の唸りみたいな声で、2曲目と並んで本作中ベストパフォーマンスだと思います。


SVARTSOT - Ravnenes saga - Drekar ★★ (2008-10-02 21:36:55)

デジパック盤ボーナストラック。
メロデス風のリフの高揚感と、それをやたらめったら煽りまくる笛のアンサンブルが素敵。これがボーナスなのは勿体無さすぎる。


SVARTSOT - Ravnenes saga - Brages bæger ★★★ (2008-10-02 21:35:59)

デモの再録らしいです。入ってないバージョンもあるとか…?
ただでさえデス&ロール的な、ノリの良いシャッフルのリズムなのに「踊れ!」とばかりに笛を絡めてきますからね…自然と体が動き出してしまっても無理はないでしょう(笑)。どの曲もクサメロ満載で良いんですが、ノリの良さがある分この曲がアルバムの中でも一番好きかもしれません。


SVARTSOT - Ravnenes saga - Tvende ravne ★★★ (2008-10-02 21:34:47)

タイトルは「二羽のカラス」の意味で、そのタイトルの通り二羽のカラスが言い争う内容の歌詞らしいですが…それを表現するヴォーカルが素晴らしい。他の曲でも多用してる低音デスはもちろん、それと掛け合う高音絶叫も実にかっこいい。個人的にはこの手のバンドではかなり好きなヴォーカルですね。


SVARTSOT - Ravnenes saga ★★ (2008-10-02 21:33:00)

2007年発表の1st。タイトルは「大鴉物語」の意。

メロデス調の演奏に笛による民族的メロディを絡めていくヴァイキングメタルで、タイプとしてはEQUILIBRIUM辺りに近そう。壮大極まりない世界観を描くEQUILIBRIUMと比べると、メロディはやや素朴(と言っても充分クサい)な印象ですが、笛が無くても良質なメロデスとして楽しめそうなほどバンドサウンド自体がメロディアスで、笛もリフと絡んだりユニゾンしたりして更にクサく聴かせるアレンジが多く、笛の音色自体がクサいので全体的なクサさではEQUILIBRIUMに引けを取らないといってもいいくらいかもしれません。

また、ヴォーカルがブルデスに似合いそうな低音デスなのも特徴ですね。1曲目のテーマが「イギリスの街を襲撃した後、死んだ仲間を弔う宴」だったり、EQUILIBRIUMやKORPIKLAANIと比べて野蛮だったり悲哀があったり、より生々しい世界観を描いている感じなんですが、それはこのヴォーカルの貢献によるものが大きいかもしれません。前述のバンドと比べるとインパクトは少し弱いかもしれませんが、よりシリアスな世界観や骨の太い演奏という魅力があるし、ヴァイキング好きなら聴いておいて損は無いと思います。


SOUND HORIZON - Moira - 神話の終焉 - Τελος - (2008-10-02 19:01:54)

コンセプトを締める短いエンディング曲。
…なんですけど、(オルフェウスの登場する)「魔女とラフレンツェ」に酷似したメロが出てくる事から「或る男」はオルフなのか、それともそれはミスディレクションで普通にエレフなのかとか、そもそも死人戦争とは何なのかとか、大事な所をはぐらかされた印象が…。
スコルピオスとオリオンのエピソードの端折りっぷりもあるし、出来たら2枚組みにしてガチガチのコンセプトアルバムにして欲しかったなあ…。もしかしたら、これからの作品で明かされるのかもしれませんが。


SOUND HORIZON - Moira - 星女神の巫女 - Αρτεμισια - ★★★ (2008-10-02 18:52:29)

最初聴いた時はバラードが続くパートなので今一つだと思ってたんですが、何回か聴くと物凄い良い曲だと思えるようになりました。星を繋いで星座を考えた、古代の人たちが憑依してるんじゃないかと思うくらい、ロマンに溢れたメロディが素晴らしい。


SOUND HORIZON - Moira - 死せる乙女その手には水月 - Παρθενος - ★★ (2008-10-02 18:42:58)

場面的にはミーシャの死とエレフとの再開のシーンで、次曲で顛末が英語のナレーション一行で済まされたスコルピオス・オリオン両氏が不憫になってくるくらい(笑)ドラマティック。…Revoさんって、「人殺しソング界の貴公子」って呼ばれたこともあるらしいですが、それは単に彼の描く物語で良く人が死ぬから…ではなく、その死を悲劇的かつロマンティックに描く才能があるからだと思う。
でも…歌的には死にかけ(他界済み?)ミーシャの方が元気なエレフ君より声量あります(笑)。(X BOX360のRPGの)トラスティベルのクラベス思い出しました(笑)。


SAMAEL - Passage ★★ (2008-09-30 19:28:00)

96年発表の4th。

Xyのソロverとのカップリング二枚組、ミニアルバム「Exodus」を加えたリマスター盤などいくつかのエディションがあるみたいです。私はリマスター盤を購入しましたが…出来れば二枚組みの方が欲しかったですね…ピアノインストverも聴いた方がより深く理解できそうだし。

リマスター盤のコメントにて、Vorph本人が「このアルバムは私にとって真珠のようなものだ。真円で完成されていて、付け加える物もなければ蛇足を感じる事もない」と語っている通り、完成された世界観の宇宙的シンフォニック・ブラックを演っています。ゴシックに近い硬質な音は、初期ARCTURUSともLIMBONIC ARTとも全く異なる宇宙観を描き出してますね。

ただ、「Angel's Decay」のようなキラーチューンはあるし、他のバンドに無い世界観を持っているしでクオリティは高いですが、シンセは(どちらかと言うと)旋律よりも情景を重視、後に聞かれるようなキャッチーなヴォーカルラインもまだそれ程でもないので、少しダレを覚える感が無きにしも非ず。ですが、SAMAELの近作は情景が具現化されすぎてしまっていて、想像の余地がなくなってしまってイマイチ…と言う方にはこちらの方がお勧め出来ると思います。


KRALLICE ★★ (2008-09-29 19:44:00)

ほんと良いバンドですよね。
最近ALCESTやDARKSPACEもそうですけど、ブラック界から「新しいヴィジョン」を
見せてくれるバンドが多く現れて、面白いシーンになってると思います。
…その面白さをリスナーにもっと伝えられるメディアがあれば、より良いんですけどね。
何となく、BURRN!よりEURO ROCK PRESSの方が高く評価してくれそうだと思います。


TRELLDOM - Til minne... - Eg reiste i minnet ★★ (2008-09-29 19:39:07)

フィドルの独奏によるエンディング曲。
叙情味のあるエンディングだと思ったら、やっぱり只では終わらせてくれませんね…ラスト、Gaahlの声を持続音的に用いたヴォイス・ドローンみたいなパートが恐すぎなんですが…


TRELLDOM - Til minne... - Bortkomne svar ★★ (2008-09-29 19:36:09)

ドコッコ、ドコッコ…と独特なリズムに催眠的な感覚のある曲。
…Gaahlの催眠の手に落ちたら、二度と目覚めなくなりそうな気がします(笑)。


KRALLICE - Krallice ★★★ (2008-09-28 21:31:00)

2008年発表のデビューアルバムですが…とんでもないバンドが出てきましたね…。トレモロ好きのトレモロ好きによるトレモロ好きのためのブラックメタル…そう表現したくなるくらい、トレモロリフの叙情性に拘りぬいた作品。これ、作品全体の9割以上がトレモロリフで覆われてるんじゃないでしょうか。

この作品はパートによってはプリミティブな攻撃性や邪悪さが垣間見えたりもするんですが、一般的なメタルのマッチョなイメージからは100万光年離れたような(笑)清浄で儚い雰囲気はALCESTに通じる物があると思います。ALCESTがシューゲイザー的ギターノイズやアンニュイな普通声、アコギの導入など色々な手段を駆使して情景を描いてるのに対し、このバンドはキーボードやリードギターが部分的に入るくらいで、殆どトレモロリフの絡みだけで情景を描いてるのが大きな違いですね。
そのメロディも絶品で、部屋で目を閉じて聴いていると、どこか抽象的な場所にいるような感覚に襲われてしまうほど。

また、他のバンドと比べるとトレモロリフの音色が全体的にちょっと高めで、時々他で見られない高音が出てくるのも特徴ですね。この音作りが実に効果的で、トレモロの音がくっきり聴こえるだけでなく、胸を掻き毟られるような儚さがより強調されているように思います。
調べてみたら、Colinは特殊な、音域の広いギターの使い手として有名で、Mickも高い技巧を持つギタリストとして高く評価されてるらしいですが、この二人だからこそなしえた音なのかもしれません。とにかくトレモロリフが上手く使えば、人の心にどれだけ響く音色なのかを心底から理解している人たちが作ったようなブラックメタルを展開してます。

ちなみにヴォーカルは鬱ブラっぽい絶叫で真に迫ってはいるんですが…この音楽性ならNeige(ALCEST)やKanwulf(NARGAROTH)くらいの壮絶な歌い方が出来るヴォーカルが欲しかった所。流石にそれは贅沢な望みという気はしますが。

この作品、BURZUMや初期GORGOROTHを引き合いに語られているようですが、私的にはこの作品は新世代のブラックだと思います。少なくとも、ここまでトレモロリフのメロウさに焦点を当てたアルバムを他に知らないです。
NARGAROTHの3rdは少し近いですが、向こうはこっちと違いノイジーな音質も使って情景を描写してますし。ブラックのトレモロリフに惹かれてる人はマジで買ったほうが良いですよ。

ALCEST同様、ブラック筋以外からも評価されてもいい神盤だと思います。


TRIST (CZECH) - Zrcadlení melancholie ★★★ (2008-09-28 01:27:00)

2007年発表の4th。2曲入り約37分と大作主義の構成。
アームカットで血だらけの腕ジャケ、メンバーが精神病院のお世話になった事があるらしいという情報、裏ジャケに燦然と輝く「チェコからの自己破壊のエリート」とのキャッチコピーからも期待される通りの鬱ブラック。

まず驚いたのは出音の良さ。「デモ音質」という物があったとして、それを洗練したその先に辿り着きそうな音。コシのあるギター、抜けの良いドラム、耳に痛くない蠢くようなディストーションノイズと、全ての音のピースがあるべき場所に嵌まっているという感じ。それでいて響きはあくまでRAWかつ陰湿。良質なブラックを聴いた時って、バンドサウンドを聴いていることを忘れ、アーティストの表現する世界に没頭してしまう事があると思うんですが、この作品の音って凄く自然で、そういう感覚に陥りやすいんですよね。

当然曲そのものも素晴らしいです。
BURZUMの3rdからキーと疾走とアンビエントとマジで教会を燃やしたり人殺したりする気概を抜いて、引き篭もり的陰湿さに特化したような作風。特に陰鬱なメロディが前面に出ている訳ではない箇所でも、音の作りが上手いのでジメジメした陰湿さが漂ってるんですよね。時折出てくる少し明るめのメロディも、アパシー状態の鬱病患者が自殺が出来る程度に元気になったとか、葛藤の末に死に希望を見出したとか、ネガティブな解釈しか出来ません(笑)。

鬱ブラックにつきものの発狂ヴォーカルも当然完備。SILENCERが狂って涎流しながら叫んでいる感じなら、こっちは少し低めで、真っ暗な部屋で頭抱えながら叫んでる感じ。明け方には部屋も体もボロボロで、手首に幾つもの躊躇い傷作って虚脱状態で寝転んでそう(笑)。歌詞は一応書いてありますが…殆ど「ウアァァアア!」とか叫んでるだけです。多分歌詞書いてきたは良いけど、いざスタジオ入ったら鬱でどうでもよくなってしまったんじゃないでしょうか(笑)。

…数ある鬱ブラックの中でも指折りの名盤だと思います。個人的にはXASTHURやSTRIBORGよりも好きです。いいバンドなのに、解散しちゃったのかな…


SETHERIAL ★★ (2008-09-27 20:21:00)

なんか謀ったようなタイミングで出ますね…買っちゃいました(笑)
最近SPINEFIRMの一連のリリースとか、GORGOROTHの4thと5thとか、
二枚組みのリリースって流行ってるんでしょうか…。
ともかく二枚を一枚の値段で出してくれるのはありがたいです(笑)。


SETHERIAL - Hell Eternal ★★★ (2008-09-27 20:15:00)

99年発表の3rd。

基本的に超豪速のブラストビートに、ブラック特有のトレモロリフを絡めて展開していくファスト/ブルータル・ブラックで、同郷のDARK FUNERAKに近いタイプの音ですね。メロウさのみならず、寒々しさやサタニックなムードを発するメロディのセンスやヴォーカルの迫力、疾走感なども、DARK FUNERALに肉薄するものがあると思います。

決定的に違うのは音質ですね。
ギターがかなりノイジーでしかも音圧があって、ドラムもトレモロも纏めて地獄の釜で煮込んだようなサウンド。私はこの作品、ブルータルブラックでありながら肉体的な暴虐性はそんなに感じないんですが、代わりに精神的に、禍々しさに冒されていくような雰囲気を強く感じるんですよね。それはこの音質によるものが大きいと思います。
この雰囲気、他のエクストリームメタルにはない、ブラック特有の魅力ではないでしょうか。そういう意味でも、ファスト・ブラックの名盤と言っても良いと思います。

正直EMPERORの2nd並に聴き疲れする音ですが、ファスト系が好きで、ノイジーなものはむしろ大好物という人は是非聴きましょう。5thではかなりクリアな音になってたんですが…意外とSETHERIALもエクストリームメタルファン全般にアピールしたい色気が出てきたのかな(笑)?

ちなみに、最近になって1stとカップリングで再発されましたが…1stの音が少し小さめなので、そのまま続けて聴いてしまうと結構きついものがあります(笑)