THE LEGIONなど多くのバンドに在籍した人物による、エクストリームメタルとして普通にかっこいいドラミングに、真っ黒い軌跡を引き摺るような平坦リフや、ドロドロした溶解感に満ちたトレモロなど、メタルとしてのアンサンブルを補完する事よりも疫病的な情景を重視したようなギターフレーズが乗る、少しアヴァンギャルドな匂いのするブラックメタル。このバンドはOsmose所属ですが、NED系のバンド辺りのファンが好みそうな作風ですね。
この作品の音楽性は一言で言えば「ノイズ系ブラック」にカテゴライズされるものですが…心霊スポットでラップ現象や怨霊の囁きをレコーディングし、そのまま加工したかのような曲、DARKSPACEからノイズ要素を抽出・純化した轟音で責める曲、「邪悪な波動」という言葉をそのまま音楽に具現化したような曲など、曲のタイプは色々ありますが、バンドのアンサンブルが全く入ってないのが特徴ですね。ノイズ音楽の手法でブラックメタルの情景を描いたような作風で、同じくノイズの手法でエクストリームメタルを体現したJAZZKAMMERの「Metal Music Machine」に近いアルバムだと思います。