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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3801-3900

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3801-3900

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EQUILIBRIUM - Turis Fratyr - Met ★★★ (2008-09-27 05:16:14)

ごく短い曲ですけど、何気に好きです、これ。
み゛み゛み゛み゛み゛み゛が凄いインパクト(笑)。


EQUILIBRIUM - Turis Fratyr ★★ (2008-09-27 05:11:00)

2005年発表の1st。
既にクサメタラー間でも相当高い評価を得てるみたいですが、噂に違わぬ素晴らしさですね…。
とにかく壮大な世界観が凄いです。例えばハーディガーディやフィドルなど民族的な音色の
楽器を入れたりとか、キーボードを洪水の様に入れたりとか等、このバンドよりも壮大な音を
出しているバンドって他にも結構いると思うんですが…このバンドが凄いのは、音像ではなく
「メロディそのもの」に、他のバンドを大きく圧倒するような壮大さが篭められている事。
しかも壮大なだけでなく、最強クラスのクサさや親しみやすさも兼ね備えているのだから
始末に終えません。クサメロを奏でていないパート(少ないけど)が少しつまらなく感じる事も
ありましたが、瞬間最大風速ではこのバンドに勝てるバンドって少ないとすら思います。
ヴォーカルの迫力、プロダクション等基本的な質も高いですし、クサメタラーなら一家に一枚必携の名盤!


TURISAS - The Varangian Way ★★ (2008-09-27 04:57:00)

2007年発表の2nd。
上の方も仰っている通り、「壮大なシンフォニック・ヴァイキングメタル」という感じの
作風なんですが、ヴァイキングと言っても略奪行為を行ったり呪術に傾倒したりといった
危険さみたいなものは殆ど感じられず、むしろちびっ子が聴いたとしても憧れてしまいそうな
冒険小説/映画等に出てくるようなヴァイキング像が浮かんでくる、エンターテイメント性に
溢れたアルバム。民族掛かった壮大なメロディの豊穣さといい、世界観演出のブレのなさといい
エンターテイメントに欠かすことの出来ない「創造性」に満ち溢れた傑作だと思います。
海賊船長のような威厳のある濁声とクルーのコーラスの掛け合いとかめっちゃ燃えます。
…最近ネットを見てると、ケレン味のある作品に対して、世界観にどっぷりハマって聴き
素直に称賛する事がまるでダサい事であるかのように、「作り物である事は分かって適度に
楽しんでますよ」的な変に格好付けた醒めた態度で語る輩が多くて辟易させられるんですが、
そういう自分の好きな物を満足に語ることすら出来なくなった人には是非聴いて欲しいですね。
そして小さい頃に冒険物の作品を見たり読んだりして覚えた滾りを、再び揺り戻して欲しい。
間違い無くそれだけのパワーを秘めた作品だと思います。


CHTHONIC - 賽德克巴萊 (Seediq Bale) ★★ (2008-09-25 18:17:00)

2005年発表の4th。

シンフォ要素を大々的に導入したメジャー志向な音ながら、正統派に過剰におもねりすぎることなく、あくまでメロブラ的なリフを中心に攻め立てるタイプのシンフォニックブラックで、タイプとしてはDIMMU BORGIR辺りが最も近そう。低~中音咆哮と喚きを使い分け、よく語尾部分を高音絶叫するヴォーカルは(COFの)Dani Filthに近いタイプといえそうですが。でもヴォーカルは聞き苦しさはないけど、咆哮も絶叫もDaniと比べるともう一歩な感は否めないかも…。

…エクストリームメタルの魅力として、「音に押し流される快感」というのがあると思うんですが、このバンドは二胡やアジア風女性Vo、オリエンタルなメロディなどが音にしなやかさを与えていて、大河の流れに身を浸すような感覚がありますね。こういうアジア的なメロディって、アジア圏の人には親しみやすく響くと同時に、欧米の人からしたら神秘的に聞こえるんじゃないでしょうか。うちらがペイガン聴くような感じで。…個人的にはメロディを、もっとあからさまにオリエンタルにしても良かったと思いますが。

ちょっと残念なのはプロダクションですね。
バスドラが妙に軽い上に音がでかく、うるさい。第一印象はメロディの美しさとか質の高さよりも「なんだこのドラムは…ビキビキビキビキうっさいなぁ(怒)」でした(苦笑)。聞き苦しさが過激さに繋がってない辺り、かなりマイナス。折角メジャー志向なんだから、もっと聴きやすくしてくれても…。

…このアルバムのテーマの「霧社事件」って、抗日事件ですよね。そんなアルバムで日本盤が出てしまう日本人のこだわらなさって…(笑)。以前DARKTHRONEが人種的な事を匂わせるステイトメントを出して、あわやレーベルのボイコットに遭うかという憂き目に遭ってましたが、彼らも日本に生まれてればそんな目には遭わなかっただろうに(笑)。


SPEKTR ★★ (2008-09-25 18:13:00)

フランス産ノイズ/インダストリアル・ブラック。
このバンドもCandlelightに行ったみたいですね。


SPEKTR - Mescalyne - Maze of Torment ★★★ (2008-09-25 18:12:32)

ダークアンビエント寄りの音作りで聴かせる曲。
これも雰囲気たっぷりでいいですね。死に瀕した病人が、夢の中で「向こう側」に向かって歩いていく夢を見ているような…そんな感じの情景が思い浮かびます。


SPEKTR - Mescalyne - Mescalyne ★★ (2008-09-25 18:11:38)

ブチブチいうノイズを掻き分けて走るパートが好きです。
この世あらざる場所に向かって疾走してるみたいな。


SPEKTR - Mescalyne ★★ (2008-09-25 18:09:00)

2007年発表の4曲入りEP。

一口にノイズ要素を取り入れたブラックメタルと言っても、ILDJARNやSORTSINDのようにバンドサウンドそのものが非常にノイジーなタイプ、DARKSPACEやVELVET CACOONのようにある情景を描くための音像を獲得するためにノイズを使うタイプなど様々なバンドがいますが、このSPEKTRは基本ブラックメタルな展開にノイズを絡めていくタイプで、タイプ的には(ENSLAVEDのメンバーが演ってる)TRINACRIA辺りに近い作風だと思います。

曲の展開によってノイズ質のパターンを巧みに変えたり、捕らえどころのないリズム(ジャズ調?)を導入していたり、雰囲気を出すのにかなり気を使った音作りがなされてますね。TRINACRIAのような分かりやすさ、DARKSPACEなら宇宙、VELVET CACOONなら深海の闇に呑まれるような感覚などのインパクトに欠けるきらいはあり、多少難解な感じはしますが、臨死体験に望むかのような霊的なムードの濃さはこのバンドの専売特許と言えるのではないでしょうか。

これの前に出たフルレンスのタイトルからして「Near Death Experience」ですし(笑)。ブラックメタル特有の、雰囲気のある音を求める人にお勧めです。


ENDSTILLE - Endstilles Reich - Scars ★★★ (2008-09-24 21:16:14)

「the hate against God / stirred up」からの、スローテンポからロールを経て疾走に雪崩れ込む展開がめっちゃかっこいいです。余りのかっこよさに息が詰まりそうになります(笑)。


ENDSTILLE - Endstilles Reich - Endstilles Reich ★★★ (2008-09-24 21:15:05)

日本のギターがトレモロリフを絡めあいながらメロウさを演出するスタイルはDARK FUNERAL的とも言えそうですが、叙情性はそれ以上かもしれません。メロウさに拘った時のNARGAROTHくらい魅力的なメロディ。こういう曲がもっと欲しかった…。


ENDSTILLE - Endstilles Reich ★★ (2008-09-24 21:13:00)

2007年発表の5th。

アートワークに戦争のモチーフを多用している事などからも分かるように、Legion在籍時(4th~8th)辺りのMARDUKを思わせる、キーボードレスの爆走ウォー/ブルータルブラックを演ってます。ヴォーカルも(3rdまでの)MARDUKのJoakimを思わせるような高音絶叫タイプですが、こっちの方がキレっぷりでは上かもしれません。

MARDUKやDARK FUNERALと比べると、敢えて起伏を抑えた展開を多用していたり、アンキャッチーな平坦気味のリフも多かったり、音も曲もクオリティがかなり高いにも関わらず、語弊を恐れずに言えばプリミティブ勢に通じる陶酔感も感じられるのが特徴になっていると思います。前述のバンドと比べて、ギターやドラムがラウドすぎない、繊細なミックスもその陶酔感を強めてますね。

ただ、前述のバンドにない魅力はあるし、ブラストの蹂躙っぷりも爽快極まりないんですが、スローパートは正直MARDUKとかと比べると今一つな印象も。メロウな2曲目なんかはブルータルブラック好きなら間違い無くキラーチューンになりそうですが…。この手の曲がもっと多いと個人的にはより良かったです。


VED BUENS ENDE - Those Who Caress the Pale ★★★ (2008-09-23 19:47:00)

94年発表のデモにボーナストラックとして「Insect(Part 1)」と、VictonikがVBE以前に演っていたバンドMANESの93年発表の作品「Pro-Gnosis-Diabolis」を加えた編集盤。勿論、MANESはシンフォブラックからエレクトロニカに変化したあのMANESとは別バンドです。

このアルバム、VBEの1stを聴いた人ならアタマの出音にかなり驚くんじゃないでしょうか。いきなりマトモにスラッシーなブラックメタルを展開してます。尤も、それは1曲目の冒頭だけで、すぐにベースとドラムが互いに濃厚に舐り合いながら、リスナーを深い酩酊へと誘っていくかのような、いつものVBEサウンドになりますが。…このバンドでのCarl-Michaelのヴォーカルスタイルは、ARCTURUSにも影響を与えたんじゃないのかなあ…。ARCTURUSの2ndのGarmの歌い方とかVBEを意識してそうだと思う。

音質は…デモですが、リマスターされているのか意外に良いですね。
確かに1stの方がアンサンブルのバランスは良いし、靄が掛かったようなギターの歪ませ方は味があるんですが、こっちの方が音圧や迫力では勝っているように思います。ちゃんとアンサンブルを楽しめる音なので、デモだからといって躊躇する必要はないかと。

でもボーナスの「Insect」は…97年の音源だから、成長しより濃厚な暗黒アンサンブルを聴かせるVBEを期待してたら、虫の羽音や悲鳴を組み合わせて作った寸劇的サンプリング音楽だったので、正直がっかりかも…。面白いことは面白いんだけど…。

MANESの音源は…トレモロリフのバックで妙に圧迫感のある、遠雷のような音のベースが鳴り響く曲、よく分からないギターインスト(+少しだけVoあり)、曲自体はまともながらデモ音質が耳に痛いブラックメタル…と、かなりマニアックな内容。…VBEが好きな人が楽しめるかは謎ですが、Victonikという今も昔も我が道を行くブラックメタラーの出自を理解できるという意味で、興味深い音源になっていると思います。


MALIGN - Divine Facing + Fireborn - Ashes and Bloodstench ★★ (2008-09-23 09:41:25)

DSOの「Carnal Malefactor」に通じる、聖歌パートを挟んだ展開を持つ曲。
DSOと比べるとメロウさは少なく、より不気味な印象…なのはいいんですが、少しインパクトも薄いかも…どうせなら聖歌をブラックパートにも絡めてくれれば良いのに。


MALIGN - Divine Facing + Fireborn - Divine Facing ★★ (2008-09-23 09:40:34)

WATAINがGORGOROTHをカヴァーしたかのような混じりっ気なしのブラックメタル。


MALIGN - Divine Facing + Fireborn - Sinful Fleshspear ★★★ (2008-09-23 09:39:41)

これはラストの「Amen」のヴォーカルとコーラスの掛け合い、悪いんだけど笑っちゃいますね…。コーラスが余りにも音に溶け込んでなさすぎて、妙に滑稽に聞こえてしまう…。とはいえ曲自体のレベルはめっちゃ高いです。2分台後半の疾走パートとかありえないくらいかっこいい。


MALIGN - Divine Facing + Fireborn ★★ (2008-09-23 09:37:00)

2002年発表のデモ「Divine Facing」と98年のデモ「Fireborn」のカップリング盤。二枚分合わせても6曲入り30分とフルとしては少し短め。

所属レーベルが所属レーベルだけあって(Norma Evangelium Diaboli)、このバンドも宗教がかった厳かさを邪悪さに転化して聴かせるようなブラックメタルをやっていますが、音質がややダーティであったり、グルーヴィだったりスラッシーだったりする展開を織り込んだりしていて、オールドスクールな雰囲気もあるのが特徴ですね。
音の質感、曲調、ヴォーカルなど、メンバーも共通しているWATAINにかなり近い音楽性だと思います。オールドスクールなWATAINという感じ。

向こうよりも地味ですが、何気にDEATHSPELL OMEGAの「Carnal Malefactor」に先んじてブラックメタルパートの間に聖歌を挟むような事もやってる辺り、かなりセンスは良いと思います…が、(そういう演出とは思うけど)ヴォーカルがTRIUMPHATOR的な禍々しさを表現しようと頑張りすぎてて、むせる寸前みたいに聞こえたり、1曲目のコーラスとデスヴォイスの掛け合いが妙に間が抜けて聞こえたり、ちょっとB級っぽい印象を受ける所も。

WATAIN、ONDSKAPT辺りのトゥルーブラック好きにお勧めの作品。
路線は間違ってないし曲自体もいいので、もう少し垢抜けたらもっと凄いバンドになりそう。


VENEFICIUM - De Occulta Philosophia - A Missae Tenebrae ★★ (2008-09-22 22:30:00)

私も周りの評価が高いので買いました。基本ミーハーなので(笑)
…ミーハーで良かったです。これはシンフォブラックの新たな名盤ではないでしょうか。
路線としては宗教的なキーボードをバンドサウンドを食う勢いで敷き詰めたシンフォニック
ブラックという感じなんですが、聴いていてまず思ったのは、かなり音響に気を使っていて、
しかもそれが功を奏している…ということですね。
ギターの音圧もそれほど高いわけでもないし、ドラムは軽めで一聴してチープな印象を
受けるかもしれませんが、この音がそれらを飲み込んでしまうような大仰なキーボードと
合わさると、何かドス黒いものからオーラが立ち上っている様な雰囲気があるように思います。
時折キーが少し引いた時など、ここぞという所でトレモロリフが切り込んできますが、これが
オーラに包まれた「邪」が垣間見えるかのような感じでゾッとするんですよね。
1stにして、邪悪さの表現が確信に満ちている感じ。感性で(=天然で)やってるのかも
しれませんが、この雰囲気の演出の上手さは尋常じゃないです。取り憑かれたように絶叫する
ヴォーカルや、超がつくほど荘厳かつ大仰ながら、甘くなりすぎる事のないメロディなど、
シンフォニックブラックとしての基本部分のレベルも当然の様に高い。
シンフォ要素をメジャー感や聴きやすさではなく、その神秘的な音色を主に邪悪さを醸し出す
方向で用いてるという意味では、EMPERORの1stやLUNAR AURORAの一連の作品とも共通している
と思いますが、それらに負けないだけの質の高さがあると思います。また、それらのバンドと
比べると、「頽廃性」が高いのも特徴ですね。キリスト教文化による世界が脆く崩れる中、
悪魔がパイプオルガンを弾きながら自らの時代の到来を祝福しているかのような感じの音。
…これは音質もギターの刺をキーが包み込んでいて聴きやすいし、キーにしろトレモロリフに
しろアルバムを通してメロディアスでない部分がないくらいメロディアスなので、ブラックを
聴きはじめの方にも充分お勧め出来ると思います。むしろ妖星乱舞(FFⅥのラスボス曲)って
かっこいい…と思ってる人に聞かせたら、ブラックメタラー一名様ご案内…ってことに
なってしまいそう(笑)。冗談じゃなく、それくらい力のある名盤だと思います。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - にょろにょろ (2008-09-17 22:14:53)

「鎮魂の歌」で亡くなった戦士達が心に描いた、「光射すこの阜を/また幼子は駈けるだろう」という情景が浮かぶような歌詞で、前曲と続けて聴くと感動できる…と言いたい所なんですが、ヴォーカルの第一声でずっこけました(苦笑)。「舞いあがる」とかもそうですが、黒猫さんって作為的な可愛らしさに頼らないでポップに歌いまわすことが、実は苦手なんじゃないのかなあ…。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 鎮魂の歌 ★★★ (2008-09-17 22:08:51)

陰陽座のバラードって良いものが多いですが、これはその中でも屈指の名曲と言っていいと思います。歌詞は大切なものを守るために、妖怪(?)に挑んで散っていった人たちへのレクイエムでしょうか。歌詞を読みながら聴いてると涙腺に来ますね…。
…日本人って、作り手のリアルライフと直結したような歌詞を高く評価する傾向があると思うんですが、こういうファンタジー的な創作で人の心を揺り動かす事って、それ以上に才能が必要になってくると思う。陰陽座ってやっぱ凄いバンドですよ…。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 青坊主 (2008-09-17 22:02:25)

シングルやバラードなどのタイプの曲では垢抜けた雰囲気を維持しつつ、こういう曲で今の演奏のかっこよさをキープしたまま初期のおどろおどろしさを表現できれば、もっと凄いものが出来そうな気がします。この手の曲までメジャー感を出さなくてもいいと思う。
サビはちょっと惜しい感じ。瞬火さんは声質的(歌唱法の問題?)に、N音で韻を踏むと鼻が詰まってる感じがしてイマイチかも。


TARTAROS ★★ (2008-09-16 18:23:00)

EMPERORのライブメンバー、Charmand Grimlochによる独りブラック。
やはりEMPEROR関連は才人が多い…。
彼、今何してるんでしょうね。
EP聴く限りかなり良いミュージシャンだと思うんですが…。


TARTAROS - The Grand Psychotic Castle - The Grand Psychotic Castle ★★★ (2008-09-16 18:22:36)

イントロから人体に有害な波長の音が含まれてそうなキーに乗せて、キモかっこいい笑い声でインパクトは充分。悪の魔術師か何かになりきってるような感じ(笑)。なりきったまま普通声で歌い上げてますが、この普通声がIhsahnにも通じる朗唱で絶品。その後のデスヴォイスも悪魔的な雰囲気でかなりかっこいい。…こういう歌い方が出来るなら、他の曲でももっとやって欲しかったな。


TARTAROS - The Grand Psychotic Castle ★★★ (2008-09-16 18:20:00)

97年発表の5曲入りミニアルバム。
ボーナストラック2曲を収録した再発盤も出ている模様。

Charmand GrimlochはEMPERORでも(ライブ)キーボードを担当してた事からも分かるように、スタイルはシンフォニック・ブラックなんですが、シンフォ要素の作りこみが半端ではないですね。ゴシック・ホラー風味の耽美で妖しく、恐怖感を煽りつつ、どこかロマンティックな音色を多用したキーボードはそれだけを抜き出してもホラー映画のサントラに使えてしまいそう。
…尤も、実際使おうとしたら、メロディが派出すぎてBGMにならないという理由で却下されてしまいそうですが(笑)。

バンドサウンドもギターの歪みのきつめなRAWで勢いのある音で、ところどころトレモロリフを入れたり上手く援護してますが、やはり主眼はキーボードの方に置かれているという印象。このキーがバンドを飲み込んでるような音像は初期LIMBONIC ARTやSIRIUS辺りのバンドを彷彿とさせますが、メロディの方向性がかなり異なるので、全く聴き心地が違うのが面白いですね。
ヴォーカルはちょっとEMPEROR1stを意識してる?ような高音絶叫で、たまに力みすぎでひっくり返ったりしてるのが微妙ですが、普通声の妖しい表現力などもあってなかなか。

某メタル専門店でもらったパンフレットには、彼の音楽を「LIMBONIC ARTやEMPERORにも肉薄する」と評しているものがありましたが、噂に違わぬ世界観の確立された作風に満足。こういうサイコ/ゴシックホラー的な世界観を打ち出した華美なシンフォブラックは珍しいのでは。それだけに、フルレンスは一枚しか出さずに活動を停止してしまったのが悔やまれます…。


こくまろみるく - 少女娼婦 - 純愛ノススメ ★★ (2008-09-16 18:12:13)

ジャズ調でお洒落な演奏、キャッチーな歌メロ、こ可愛らしいヴォーカルと他の部分は結構まともなのに、歌詞だけが突出して病んでるのが恐ろしい…主人公にとっては自分の行為を病んだものとして認識できてないんだろうな…みたいな、リアルな恐さが表現されてると思います。


こくまろみるく - 少女娼婦 - 指輪 ★★★ (2008-09-16 18:10:25)

日本の昔のフォークにゴシック的な暗さを加えたようなメロディが特徴の曲ですが…この曲の歌い方が恐すぎる。「灰被り姫」のようにおおっぴらに狂気を発現させる訳でなく、ひたすらに冗長不安定な感じでネタをやってる最中の鳥居みゆきに通じる近寄り難さがある…。恐くて鳥肌が立ってしまった…。


こくまろみるく - 少女娼婦 - 灰被り姫 ★★★ (2008-09-16 18:08:54)

「愚劣なパパを殺してやりたい/意地悪継母殺してやりたい/下衆な連れ子も殺してやりたい」…こんな歌詞をキャッチーな疾走に乗せて、こめかみに青筋立ててそうなマジギレヴォーカルで歌われて悶絶しないわけがありません。
ただ、虐待されてる少女の演技がちょっと…上手いし必要なのは分かるけど、黄色い悲鳴が鬱陶しくてスリッパで頭ひっぱたいてやりたくなります(笑)。…こんな事ばっか書いてると、そのうち「うぜえ聴き手も殺してやりたい」とか歌われたりして(笑)


こくまろみるく - 少女娼婦 - 少女娼婦 ★★★ (2008-09-16 18:07:31)

イントロのメタリックな音に儚いストリングス(キーボード)が絡む部分を聴いただけで、物凄いポテンシャルのある曲を予想してたんですが…期待を裏切らない見事な曲。童歌風のメロディとメタル寄りの演奏という組み合わせが意外にも絶品。
何気に「♪ご祈祷!ご祈祷!~」の男性ヴォーカルが良い味を出してて大好きです。マジでレコーディングでは狐の面を被って大幣振り回して踊り狂いながら歌ってたんじゃないかと思わせる歌い方。「♪ラッセーラ」の囃し声も彼がメインでやって欲しかったです。


こくまろみるく - 少女娼婦 ★★ (2008-09-16 18:05:00)

2008年発表の2nd。
唱歌などを高品質な歌謡メタルにカヴァーした「みんなのめたる」などで知られるメタルバンド
「快楽音楽堂」のいわま氏のプロジェクトということで興味を持ったんですが、聴いてみて驚きました。
ジャズやフォーク、プログレなどを取り入れつつも、HR/HM寄りの演奏に和風の歌謡的メロディや語りなどを
乗せた、犬神サーカス団(特に初期~中期)にも通じるアングラ感溢れる演劇的ロックを展開してます。
エンターテイメント性こそ劣るかもしれないものの、徹底して病んだ世界観は、少なくとも
メジャーデビュー後の犬神よりはアングライズムに溢れているように思います。
ストリングス風のキーボードを多用しているのも特徴で、その儚くも耽美的な音色によって、
虐待されて継母や父親を殺す妄想をする少女や、指輪を薬指と一緒に切り離してしまう女など、
サイコ気味な歌詞世界を恐いだけでなく、そうした人物が持つ深い哀しみのようなものまで
伝えるものにしている辺り、センスは抜群だと思います。
また、ヴォーカルの表現力もかなりのもの。
犬神同様、歌唱だけでなく演技や語りもこなすタイプで、声質自体は甘めなものの狂気や
情緒不安定さの表現では犬神に勝るとも劣りません。特に2曲目のハードコアとか歌って
欲しくなるようなヤケクソ気味の歌唱や、3曲目の目の焦点が合っていないような歌い方が
素晴らしい。時折出てくる、いわま氏の男性ヴォーカルも、「鬼哭転生」の頃の(陰陽座の)
瞬火さんのような味があって好き。…っていうかいわま氏はもっと歌って欲しいです。
最近の犬神サーカス団や陰陽座は初期のアングライズムを失っていてけしからん!!という人に
特にお勧めのアルバム。歌メロ自体は結構愛想が良いですし、値段も高くないし聴いておいて損は無いですよ。


こくまろみるく ★★ (2008-09-16 18:02:00)

一体何が「こくまろみるく」なのか…
このユニット名、顔射グラインドの「CRAEMFACE」とかと同じセンスだと思う(笑)
快楽音楽堂のいわまひろゆき氏と女性Voのうず氏によるユニット。
初期犬神サーカス団にも通じる病みきったアングラ演劇ロック路線。
一見可愛らしい(?)ユニット名は罠だと思ってください(笑)。
このユニットや快楽音楽堂を聴く限り、いわま氏は相当のジャパメタフリークだと思う。


ASCEND - Ample Fire Within - V.o.g. ★★★ (2008-09-16 17:56:24)

バグパイプやリズム→「何か」を呼び出すための儀式、重低音ドローンリフ→その儀式によって現世に喚び出された「何か」のように聴こえてしまいます(笑)。ドローンリフが喚び出されたことによって、儀式の方も更に盛り上がっていく感じ。ヴォーカルもほぼ詠唱に近くて雰囲気出てます。


TRELLDOM - Til minne... - Steg ★★ (2008-09-15 18:03:19)

10分以上に及ぶ長い演奏時間の殆どが2ビート疾走にあてられていて、アルバム中でも最も陶酔感の強い楽曲。こういう雰囲気で、Gaahlの確信に満ちたような口調の語りが入ると、普通に聴き手の思想とかに影響を与えられそうな気さえします…。


TRELLDOM - Til minne... - Vinternatt ★★ (2008-09-15 18:02:10)

ラストの絶叫がいいですね。近寄り難い度満点で(笑)。
レコーディングブースを覗いて生きて帰った者はいない…みたいな(笑)。


TRELLDOM - Til minne... - Til minne... ★★★ (2008-09-15 18:01:19)

このバンド、Gaahlが参加して魅力的なヴォーカルを聴かせてくれるだけでなく、曲自体のレベルもかなり高いと思う。高音の、神経を掻き毟るような音色のリフがシリアスな邪悪さを伝えてくれます。


TRELLDOM - Til minne... ★★★ (2008-09-15 17:59:00)

GORGOROTHのGaahlらによるバンドの2007年発表の3rd。
このバンドはGaahlがGORGOROTHに加入する前からあるみたいです。

Gaahlが中心となったバンドだけあって、やっぱり最近のGORGOROTHと似た音ですね。GORGOROTHって、舵を取るのがInfernusであるにしろKingであるにしろ、底の底からブラックメタルであるにも関わらず、同時にヘヴィメタルとしても優れているという特性のあるバンドだと思うんですが、このTRELLDOMはオールドスクールな2ビート疾走が催眠的な陶酔感を醸し出すパートの多い、より「ブラックメタル」の魅力に焦点を当てたような作風になってますね。2007年リリースの作品にして、黎明期ブラックの危なさを今に伝える作品といえるかもしれません。

このバンドはやっぱりGaahlのヴォーカルが魅力的ですね。
いかにもブラックな高音絶叫スタイルですが、新人には出せないような貫禄があるにも関わらず、新人にも負けない衝動性も感じられてほんと良いヴォーカルです。元々声からして邪悪なのに、2曲目等を聴くと声を更に邪悪に聴かせる術も心得ているようで始末に終えません。途中に挿入される語りも効果的に恐怖を煽ってくれますね。

因みに、ブックレットではGaahlの素顔が拝めますが、かなり恐いです(笑)。精悍で整ってる顔立ちなのに、何か危険なムードが漂ってるというか…。この人の場合、コープスペイントしない方が恐い気がする。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 紅葉 (2008-09-15 17:54:17)

これはちょっと…なんか最初からシングル路線の中庸を目指して作られたみたいな印象がある…。そういう考えで作られたならがっかりだし、逆にシングルらしい鮮烈な曲を出そうとしてこんな中庸感のある曲が出来たなら、それはそれでがっかり…。
どっちに転んでもいまいちポジティブな印象を持てない曲。クオリティ的には星2,5個くらいなんですが、がっかり感があったので1個。コンセプトに拘りすぎたのでは…。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - がしゃ髑髏 ★★★ (2008-09-15 17:48:42)

バンドが一丸となって「がしゃ髑髏」を表現する面白い曲。
歌詞もアンサンブルもメロディもがしゃ髑髏感がありますね。特に瞬火さんのヴォーカル、聴いてて「♪屍と屍が~」の辺りはほんとにこの人の頭の中ではそういうシーンが映し出されてるんだろうな…とか思います(笑)。個人的には、「♪去らねば喰らう迄」の歌メロから少しダサい印象を受けてしまったんですが、リフがかっこいいので問題無し。他の部分の歌メロは好きです。


ASCEND - Ample Fire Within ★★ (2008-09-15 17:41:00)

Greg Anderson(SUNN O))))とGentry Densleyによるユニットの1st。
何気にタイトル曲ではAttilaが参加してたりします。
ヘヴィな音響的ドゥームリフを軸に聴かせるスタイルはSUNN O)))と似てますが、こっちの方が
多くの曲にヴォーカルやドラムを入れている分、ロック色が強くなっている感じがしますね。
曲によってキーボードやブラス、リードギターなども用いて描写される情景は、抽象的な
イメージの強いSUNN O)))の音楽と比べると、より具体性がある印象。
前評判も「ロック色の強いSUNN O)))」みたいな感じだったので、「この音楽性でロック然と
した歌い上げヴォーカルだったら興を殺ぐなぁ…」とか思って買うのを躊躇ってたんですが、
ちゃんと曲にあった恐い歌い方なので良かったです(笑)。
ある雑誌のレビューに、この作品について「神聖さと邪悪さが同時に感じられる」という趣旨のものが
ありましたが、「神聖さ」と「邪悪さ」に共通する特性って、「近寄り難さ」だと思うんですよね。
その通り、コンポやスピーカーの周りに障壁を張るような音響で聴かせてくれる作品です。
SUNN O)))の作品で言うとborisとのコラボ作品の「Altar」辺りがツボな方にお勧め。
ロック色が強めなので、SUNN O)))よりも取っ付きやすいかもしれません。
…このジャンルを聴かない人からすれば五十歩百歩な気もしますが(笑)。


MGLA - Groza ★★ (2008-09-15 03:18:00)

2008年発表の1st。
タイトルは「恐怖」という意味らしいです。

Northern Heritageのアーティストによるオムニバス「Crushing the Holy Trinity」やEP「Presence」を聴いて、彼らにはプリミティブブラックとして物凄いポテンシャルを感じていて、それだけにフルレンスの発売は心待ちにしていたのですが…。

まず音質はノイジーさが大幅に減退、リフの硬質な歪ませ方とドラムのアナログ感のある味のある音が印象的な、プリブラっぽくないクリアなものになっているし、展開もトレモロを中心に据えず(10分超えの大作の1曲目は全く出てこない)、ミディアムを基調にアコギを入れたりしてミニマルながら緩急を付けたものになっているし、総じて渋い作風になったという印象で、最早オムニバスの時とは別のバンドのような音になってしまいました。
初めて聴いた時は、余りの失望感に苦悶の声が漏れてしまったほど。

でも、頭をクリアにしてもう一度聴いてみると、これはこれで良いと思えるように。
後半多用されるトレモロは相変わらずメロウだし、音が太く(ふてぶてしく?)なった事で邪悪さはむしろアップしていると思うし、CRAFTにも通じるリフの歪め方に拘った音作りやWATAIN、SECRETS OF THE MOON辺りに通じる低音質に頼らないどす黒い禍々しさなど、今までに無かった魅力も備わってきているように思います。

第一印象は正直良くなかったんですが、ちゃんと聴いてみるとNorthern Heritage産らしく高いレベルで邪悪さを表現出来ているブラックで満足。1stにしてCRAFTやWATAINにも通じる風格のようなものが出てきたように思います。
ただ、オムニバス作品や「Presence」のような鬼メロウな路線で一枚フル出して欲しかったなぁ…と思うのもまた事実ですね…。


ALI PROJECT - 禁書 ★★ (2008-09-13 20:56:00)

「Psychedelic Insanity」に続くフルアルバム。
…彼らがこんなに間を置かずにフルレンスを出すのは珍しいのでは。
アートワーク的には前作よりも大人しめになった感じがしますが、中身の方は「Psychedelic
Insanity」アルバムのサイケな感覚に「Classics」アルバムの実験精神を掛け合わせて
更にサイケ色を強めたような作風になってますね。個人的な印象としては、前作が原色を
組み合わせた感じなら、今作は赤とか金とか元々ドギツイ色を組み合わせたような感じ。
アレンジもHM/HR的なリフやリズム、エスニックなパーカッションを大胆に取り入れたり、
優美な曲調の中に奇妙な音色のギターを滑り込ませるなど、今までになかった実験的な部分が
多いですし、歌メロも高音を美しさや綺麗さよりも、邪悪さやサイケ感覚を引き出すような
意図で用いたようなものが多く、総じて異形性が高まっているという印象。
最も王道っぽい「神風」でさえ意味不明・意図不明の掛け声がラストに入ってたりするし。
1曲目が前作、前々作同様の愛国心を鼓舞するキャッチーな曲だからといって、今までと
同じと見ると痛い目に遭うかもしれません。このアルバムのボートラに「月夜のピエレット」を
入れたのは大正解だと思います。本編に足りない、キャッチネスやノスタルジー、可愛らしさや
ロマンティックな雰囲気を補う役割を果たしているのではないでしょうか。
…やっぱり彼らってどんなに取り繕っても、根っこはプログレだと思います。
「聖少女領域」の優雅で揺るぎない世界観とキャッチー極まりないメロディに魅了され、
「Erotic & Heretic」の耽美さの虜となった事で彼らのファンになった私としては、
キャッチーさ(クサさ)や耽美さ、ゴスで退廃的な雰囲気をインフレさせる方向に向かって
くれなかったのは多少残念ではありますが、こういう彼らも魅力的だと思います。
もう十数年も活動してるのに、マンネリを嫌う姿勢は素晴らしいですね。
ああ、この開拓精神が陰陽座の「魑魅魍魎」にもあれば良かったのに…。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 魃 ★★★ (2008-09-11 18:37:15)

個人的には今作一番の悶絶チューンです。
リフだけを聴いていても、歌メロだけを聴いていても充分かっこいいと思えるような、作曲能力の充実振りの光る曲。しかもメロもリフも気分を高揚させるようなもので、方向性に全くブレが無いのがいいですね。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 道成寺蛇ノ獄 ★★ (2008-09-11 18:32:56)

妖怪についての11分を超える大作なんですが…妖怪化のプロセスが結構通俗的というか、共感できるものなので感情移入しやすいと思います。尤も、この引き込まれる感じも歌の表現力や編曲の上手さがあってだと思いますが。特に後半の、黒猫さんの近付きたくなくなるようなマジギレヴォーカルが素晴らしい。1曲こんな声で歌謡メロスピ演って欲しいんですが、流石に無理かなぁ…。
ただ、「奇子」や「鵺」と比べると上手く纏まりすぎてしまってる気がするのは少し残念。もう少し衝撃的な部分があってもいいと思う。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 酒呑童子 ★★★ (2008-09-11 18:24:13)

1曲目に力強い曲で攻めるのは「靂」を思わせますが、メタルにしては余りにもへちょい音質で成功したとはいいにくい「靂」と違い、こっちは存在感を示す事に成功していると思います。どこか幽玄さもあって、靄の中に圧倒的な存在が佇んでいるかのような、ミステリアスなムードも感じられますね。
ただ、瞬火さんのヴォーカルが…最初はいいんですが、がなる箇所が声が細くて曲の存在感に負けてる感があるのが惜しい…。もっと威風を感じさせるがなり声が出せるようになって欲しい。


陰陽座 - 魑魅魍魎 - 鬼一口 ★★★ (2008-09-11 18:19:00)

この曲はAメロ部分が特に素晴らしいです。「このリフにこの歌メロが乗るか!」みたいな驚きがあるし、歌い方もおどろおどろしくてかっこいい。続く掛け声とデスヴォイスの掛け合いで更にテンション上がる。
でも、後半は死の間際の周りがスローモーションに見える現象を表現したかのようなパートが中心で、その痺れるパートが繰り返されないのがちょっと残念かも。


陰陽座 - 魑魅魍魎 ★★ (2008-09-10 22:03:00)

個人的な印象としては「凄く順当なアルバム」。
前作では「メタルであること」に固執するあまり、妖怪っぽさや歌メロの豊穣さが
いつもより減退していた感がありましたが、今回は前作のメタリックでヘヴィな音質や
演奏などの良い所は残しておきつつも、そうした要素をクリアしたような作風になってますね。
「魃」なんかは歌謡メタルとして他に追随できるものがいないくらいかっこいいですし、
「道正寺蛇ノ獄」のような大作もあるし、完成度でいったら過去最高かもしれません。
…ただ、どうしても苦言を呈したくなるんですが…
この作品全体を通じて、良い意味だけではない「安定感」があるんですよね。
このアルバムを聴いて、「この歌メロ良いな」「このリフは痺れる」「この展開は絶妙」とかは
思っても、「おおおお!!!何じゃこりゃ!!」みたいな、心底から驚愕・感動させてくれる部分が
無くて、殆どが予定調和のまま進んでいって、最終的に「うん、良い作品だね」みたいな感じ。
今までの、「妖花忍法帖」「星の宿り」の余りにも儚いメロディや、「邪魅の抱擁」「睡」の
ストレートなかっこよさ、「輪入道」のような演歌とメタルの融合というサプライズなどは
聴き込むまでもなく、感動して一人で聴いているのが勿体無くなり、こういう素晴らしい音楽が
あることを誰かに伝えたくて、いてもたってもいられなくなるような興奮を覚えたものですが、
今作にそこまで感動できるものがあるかといえば、正直首を傾げざるを得ないと思う。
アルバム全体としても、妖怪をテーマに据えてるのにも関わらず、歌詞以外からは
初期の二枚より妖怪らしさが感じられなかったり、どうも突き抜けた所がないという印象。
瞬火さん、ツアーでファンと触れ合って、作品作って売って…っていうサイクルに満足して、
ハングリー精神を失ってしまったのでなければいいけど…。
ただ、陰陽座って、前々作で音質の貧弱さを指摘された時も、前作でメロディの弱さを
指摘された時も次の作品ではそれをしっかり克服してきているし、着実に良くなってる
バンドだと思うんですよね。それだけに、次の作品ではこのマンネリ感を払拭し、
リスナーを心底震え上がらせてくれるような、突き抜けたアルバムを期待したい所。
いっそメンバーには陰陽座以外にも何かアウトプットを持って欲しい気もします。


少女病 - 葬月エクレシア - 葬奏 ★★ (2008-09-10 13:22:50)

「負の魂を月へと葬り、命の失われた精霊体へと注ぎ込むことで再生を…(後略)」物語的には一番盛り上がる所なんですけど、なんか今一つハマれないんですよね…SOUND HORIZONと比べるとリリシストの妄想力が足りなくて、人が死んでるのにライトな感じがして軽薄な印象を受けるというか、悲劇のための悲劇になってる感じがするというか…。
曲的には上質です。特に「愛するが故~」からの押し殺したようなヴォーカルの表現力が素晴らしい。でも歌詞やストーリーは、個人的には今一歩かなぁ…。


少女病 - 葬月エクレシア - 十四行詩の輪環 ★★★ (2008-09-10 13:14:32)

1曲目のクワイアからの疾走といい、この曲のバラード風歌い上げからの疾走といい、展開が実にあざとい(笑)。でも物語のあざとさは別として、こういうあざとさは大歓迎。クサ疾走好きには抗えないような魅力があります。


少女病 - 葬月エクレシア - Sanctity ★★★ (2008-09-10 13:11:31)

疾走チューン5連発目。
なのに飽きない、飽きさせないクオリティの高さ。この曲はサビの歌い方が特に好きです。ノンビブラートで勢いのある歌唱法で、クサメロを歌うに相応しい味があると思う。なんか一生懸命な感じで好感が持てます(笑)。


少女病 - 葬月エクレシア - 黒雪に散る天人花 ★★★ (2008-09-10 13:07:52)

1曲目から当然の如くキラーチューン…
っていうか、こんなキラーチューンがこの後も間断なく繰り出されるわけですが(笑)。ファルセットを多用していながら、勢いもあるヴォーカルが儚さと力強さの両方を演出していて、メロディの持つ力を更に引き出してますね。


ETHER (CANADA) ★★ (2008-09-07 22:35:00)

フランス語の歌詞があったので確かめてみたら、案の定ケベック出身みたいですね。
カナダのブラックってケベックに集中してる気がする。
しかし、こういうのが好きな人のために、関連キーワードに「叙情・哀愁」とは別に
「鬱・絶望」があればいいのになぁ…(笑)。流石にマニアック過ぎでしょうか。


ETHER (CANADA) - Depraved, Repressed, Feelings - Disgust ★★★ (2008-09-07 22:33:23)

途中のトレモロの音色、素晴らしすぎるんですが…。
「どれだけギターで気味の悪い音を出せるか選手権」みたいな大会があったとしたら、BLUT AUS NORDの「MoRT」と並んでグランプリを狙える音だと思う。最初聴いた時ビビりましたもん。良すぎて(笑)。


ETHER (CANADA) - Depraved, Repressed, Feelings ★★★ (2008-09-07 22:30:00)

2007年発表の1st。
日本の同名のユニット(ブラックとは何の関連も無い、シンフォ/ゴス系のアーティスト)が好きで、なんとなく親近感を覚えて好奇心で買ってみたんですが、これはいいですね。バンド名には英古語で天空という意味があったり、「Love」「Hope」というタイトルの曲があったりしますが、そうしたイメージとは全く無縁なディプレッシブ・ブラックを演ってます。

まず、音像からして結構独特な感じですね。
RAWに歪ませたギターの音色はカルト臭たっぷりですが、歪みが金属的なだけでなく、どこか有機的な感触で、聴いてると日の差さない岩戸に閉じ込められたような感覚が。こういう音像で疾走してても、どこまで走っても光が見えない感じで逆に閉塞感が強まっているような気がします。ヴォーカルも井戸に落ちた男が血塗れで助けを呼んでるような悲痛系高音絶叫で、爽快感とは無縁の、ほんと鬱ブラックの鑑のような音出してます。

また、陰鬱なメロディで責めるのみならず、トレモロリフに奇妙な音響処理を施して不気味な音色を出したり、アコギに半泣きの語りを入れたり、ベースラインでメロウさやうねりを表現したり、曲間にアンビエントパートを挿入したりetc…陰鬱な雰囲気を出すための手法がバリエーションに富んでるのが特徴で、しかもその使い方がいちいち上手いため全体的にかなり病的な雰囲気が醸し出されてますね。

哲学的な思索に耽る余り世間と折り合いが付けられなくなって、逆恨みして100円ショップの刃物コーナーを物色してる人の心象風景を音にしたらこんな感じかも(笑)。いや、本当はもっとちゃんとしたコンセプトがあるんだと思いますが…とにかく鬱であると同時に病んだ雰囲気の漂うアルバム。

同郷のGRISと同様、鬱なだけではない、哲学的な病的さが感じられる作品。特に音質面などで少しカルト過ぎる感もあるんですが、SHININGやSILENCERでは飽き足りない、STRIBORGやNORTTも余裕で受け入れられるというリスナーにはかなりお勧めのアルバムです。


V : 28 - VioLution - Shut It Down ★★ (2008-09-07 22:24:30)

SE明けの疾走が実にかっこいいですね…このアルバムがスローテンポの雰囲気重視のパートを中心に構成されている事をちょっと残念に思うくらいに(笑)。最初に持ってくるくらいだから、疾走パートにも相当な自信を持ってるんだと思うけど…こういうパートを中心にしてくれたら凄い名盤が出来そうな気がする。


V : 28 - VioLution - The Absolute ★★★ (2008-09-07 22:23:16)

Garmがヴォーカルでゲスト参加した曲。
HEAD CONTROL SYSTEMでやっていたような妖艶なクリーンヴォーカルですが、HCSよりも大分分かりやすくて愛想のあるメロディを歌ってます。後半はハモりも入ってそれだけで悶絶出来る…。個人的にはこれだけでも買った甲斐があったと思う。


V : 28 - VioLution ★★ (2008-09-07 22:21:00)

2007年発表の3rd。三部作の完結編となる作品みたいです。
前回もかなりゲストが豪華ですが、今回もMZ.412やGarm等そのスジの有名人が参加。
それにしても、こんなジャケのアルバムを輸入しても良いんでしょうか…。

ミディアムなインダストリアルビートを軸に据えたブラックメタルをアトモスフェリックなキーボードが包むと言う作風に変化はありませんが、今回はクリーンヴォイスの導入やBLUT AUS NORDを思わせる奇妙な音響のリフ、執拗なストップ・アンド・ゴーの繰り返しなど、部分部分に実験精神が垣間見られますね。

特にブラック界どころかメタル界の中でも指折りだと思うヴォーカリスト、Garmの歌う妖艶なクリーンパートは素晴らしいの一言。ただ、それらの要素は一部で、全体的に構成が平坦な印象を受けてしまうのも確か。レベル自体は高く、特にヴォーカルは最近のIhsahnを更にえげつなくしたような歌い方も見せてかっこいいんですけど、もう少しアルバムの構成にメリハリが欲しかった所。

このバンドは、自らの音楽性を「Dodsindustiriel Metal」と称しているようですね。無理矢理訳すなら、「死せる魂のインダストリアル・メタル」という感じになるのでしょうか。確かに、他のインダストリアル要素のあるメタルと比べると、スピリチュアルかつオーガニックな雰囲気が強いように思います。まあ、靄の中に機械が隠れているような妙な雰囲気もなきにしもあらずですが。

他に無いタイプの音楽性を持ったバンドですし、Garmのヴォーカルのファンならば3曲目の為に買っても損はないと思うアルバムです。っていうかGarm様、この路線で一枚作ってくれないかな…。


少女病 - 葬月エクレシア ★★ (2008-09-07 22:17:00)

2008年発表のフルレンス。
「偽典セクサリス」「覚醒ノエシス」に続くコンセプトアルバム。
このアーティストの作風を語るのに、必ずと言っていいほど多く引き合いに出されるのが
SOUND HORZIONですが、様々な音楽的要素を消化してスケールの大きい世界観を打ち出すSHに対し、
少女病はメタリック/シンフォニックに疾走する曲を中心にアルバムを構成していくのが大きな
特徴になっていますね。なにせアルバムの1曲目から5曲目まで全て疾走曲で固めてるほどですし(笑)。
SHがケルトやロシア民謡など、エスニックなメロディを多用する傾向があるのに対し、こっちは
日本の歌謡曲/アニメソングっぽいメロディが多いのも大きな違いだと思います。その中で
しっかりバリエーションが付けられてる上に扇情度もかなり高いので、疾走曲が続いても
ダレないし、スローな曲でもしっかり聴かせられるクオリティの高さがありますね。
また、生の弦楽カルテットを使ったアレンジも大きな聴き所の一つでしょう。
ストリングスの音が身を切るような切なさ、寒々しさを演出していて、雰囲気の濃い音に
なっているように思います。
ただ、不満な点も二つほど…。プロを雇ったりして台詞に力を入れるのは良いんですが、
ヴォリュームが大きすぎて音響的に聴きづらい感じがするのはちょっと…。
歯擦音の耳に刺さる感じが少し鬱陶しい。あとコンセプト、リスナーの解釈に委ねられる部分の
多いSHと違い、明確な結末があるのは良いんですけど、余りにも退廃的・悲劇的な部分が多く、
個人的にはちょっとあざとさを感じてしまいます。「こういう病んでて悲しい話が好きなんだろ?」
って言われてる感じ。確かにそうなんだけど、ここまであからさまだと少し鼻に付くかも。
とはいっても、クサメロを纏った疾走にはその欠点を帳消しにして熨斗付けて返すくらいの
魅力があると思うし、質も高いと思うし、こういうゴス寄りファンタジー好きならお勧めです。


少女病 ★★ (2008-09-07 22:15:00)

日本のシンフォ/ポップス/ゴシック系のアーティスト。
DRAGON GUARDIANやSOUND HORIZON同様、ナレーションや台詞を交えた、
シアトリカルなコンセプトを展開していく作風が特徴。
なんかアーティスト名からは乙女チックな印象を受けますが、シンフォニック/
メタリックに疾走する曲を得意としていて、メタル系のサイトやブログでも
意外なほど取り上げている所が多く、メタラーからの支持も厚い模様。
ぶっちゃけ、私は完全に後追いですけど…(苦笑)。私は未聴ですが、シンフォな
コンセプト作以外にもポップスやカヴァーのアルバムもリリースしてるみたいです。


SAMAEL - Solar Soul - Suspended Time ★★★ (2008-09-06 23:07:29)

ただでさえ韻律的にキャッチーに仕立て上げられているヴォーカルラインに、ハーモニクスを合いの手的に挿入したり女性ヴォーカルを重ねたりして、更にキャッチーなものにしている…。デスヴォイスなのに、こんな取っ付きやすいブラック/ゴシックなんてなかなか無いですよ。ほんと、一人でも多くの人に聴かれて欲しいバンドです。


SAMAEL - Solar Soul - Architect ★★★ (2008-09-06 23:03:52)

US盤ボーナストラックらしいですが…
なんでこれをボーナストラックに回さなきゃいけないのか、理解に苦しむくらい良い曲だと思う。レベルの高い曲の揃ったこのアルバムの中でも、平均点は軽くクリアしてるかと…特にサビの悪の魅力溢れる、深みのある低音での普通声の歌唱が素晴らしい。


SOUND HORIZON - Moira - 遥か地平線の彼方へ - Οριζοντας - ★★★ (2008-09-06 21:51:42)

RPGでいう山のフィールドを歩いているような、どこか素朴な情景が思い浮かぶ曲なんですが…よく聴くと楽器のフレーズ一つ一つはかなり鮮麗。なのに主張しすぎて情景を壊してしまうということもない…このアレンジ能力がRevoさんの凄さだと思う。「冥王」やラス近くのキラー連発と比べると目立たないかもしれませんが、何気にファインプレーだと思います。


TYMAH (TUMAN) - Transylvanian Dreams ★★★ (2008-09-05 23:28:00)

2005年発表の1st。

基本的にはオーソドックスなプリミティブブラックという感じなんですが、スローパートにちょっとFreezing Moonを髣髴とさせる部分があったり、Funeral FogやBuried by Time and Dustを意識しているのでは…と思わせるリフが出てきたり、全体を通してEuronymousの時代のMAYHEMの息吹が感じられるのが大きな特徴ですね。時折見せるオールドスクールな部分も、Dead在籍時のMAYHEMに近い雰囲気がありますし。

ヴォーカルのメイクがDeadそっくりだったり、Deadに捧ぐと書いてあったり、実際にもMAYHEMには並々ならぬ思い入れがあるようですね。「フリージング・ムーンに追従する全ての本物の戦士達に敬意を」とまで書かれてますし(笑)。MAYHEMっぽいだけでなく、プリブラとしての根幹の部分も素晴らしく、特にこのジャンル特有の、得体の知れない不気味さとメロウさを両立させるトレモロリフのメロディはレベル高いと思います。ただ、ギターの歪みは結構キツめなので、このジャンルを聴き込んでない人だと少し慣れが必要になってくるかもしれません。

あと、ヴォーカル、ギター、作詞、作曲を担当する中心人物のDimは女性のようですね。確かに、この鬼婆が包丁を持って襲い掛かって来るような独特のエグみのあるデスヴォイスは女性ならではのものだと思います。個人的にはプリミティブのヴォーカルにしては声質が少しやかましい感じがしてあまり好きではないんですが、迫力や表現力は認めざるを得ません。

このバンドはハンガリーのトレンドに染まったブラックメタルのシーンが大嫌いらしく、わざわざ嫌いなバンド名まで挙げてるんですが…逆に挙げられてるバンド聴きたくなります(笑)。フランスのANOREXIA NERVOSAやアメリカのAVERSE SEFIRA、ポーランドのBEHEMOTHなんかも自国のシーンを良く思ってないような発言してたし、隣の芝生が青く見えるのは万国共通なのかも。


SOUND HORIZON - Moira - 死せる者達の物語 - Ιστορια - ★★★ (2008-09-05 21:52:22)

タイトルからは何かおどろおどろしいものを予想してたんですが、いきなり明るいメロディで結構ビックリ…。ジュブナイル・ファンタジーの世界の中を冒険しているような気分になってきます。
個人的には、絶好調の時の久石譲さんにも匹敵するレベルの途中の歌メロが最大の聴き所。「魔女の宅急便」の「海の見える街」みたいだわ…。Revoさんって、天才メロディメイカーとして世間に名が知れ渡ってもおかしくないくらい才能のある人だと思う…。


SOUND HORIZON - Moira - 奴隷市場 - Δουλοι - ★★★ (2008-09-05 21:45:25)

アタマから暴れ馬の引く馬車が駆けていくような、華やかで異国情緒も湛えた疾走感のある展開でクサメタラー魂を刺激されまくり。そして間隙を置かずに出てくる霜月さんのヴォーカルにハッとなる…。色々なアーティストとコラボしてる霜月さんですが、「魔法使いサラバント」といいRevoさんは最も彼女の声質を活かせるメロディを書ける一人だと思う。
…っていうか彼女のファンなので、こうまで声質を活かしたメロディを書かれたら、もうそれだけで星三つを付けざるを得ないんですが…(笑)。


SOUND HORIZON - Moira - 死と嘆きと風の都 - Ιλιον - ★★★ (2008-09-04 18:42:16)

今作は物語の場面に合わせて、一曲の間でも曲調がガラっと変わってしまうことが特徴だと思いますが、中でもこの曲はその最たるものかと。パート毎に別の曲を繋ぎ合わせて作ったみたい。でも不思議とチグハグではないんですよね。
しかし、この曲の寸劇は…奴隷使いがハッスルしすぎ(笑)。ずっとそのテンションだったら、奴隷たちより先に過労死しそうなくらい頑張ってるんですけど(笑)。


SOUND HORIZON - Moira - 運命の双子 - Διδυμοι - ★★★ (2008-09-04 18:36:44)

SOUND HORIZONの曲の映像的な面が良く出てると思う曲。
前半、子供が遊んでいる声を入れているから、子供達の姿が浮かんでくるのは当然としても、何故か彼らが遊んでいる草原までもが思い浮かぶ…。
寸劇は、歌メロを喰わなくなっただけでそれ自体はパワーアップしている気が…。「ほほう…捕らえろ!」が妙に耳に残って離れません(笑)。


SOUND HORIZON - Moira - 雷神域の英雄 - Λεωντιυς - ★★ (2008-09-04 18:29:27)

曲調とかメロディはかっこいいんですけど、宇都宮さんのヴォーカルが妙に爽やかでなんか違和感が…。でも彼の扮するレオンティウスはアルカディア第一王子らしいので、育ちの良さを出そうという試みで彼にヴォーカル振ったんだったら、それは成功していると言えるかも…。


SOUND HORIZON - Moira - 死せる英雄達の戦い - Ηρωμαχια - ★★★ (2008-09-04 18:24:04)

物語的にもレオンティウスとアメティストス、二人の主人公格が激突する場面で、曲の方も前曲に続いてかなりの盛り上がりを見せます。物語の中のキャラクターだけでなく、Revoさんのナルシスティックなヴォーカルと宇都宮隆さんの妙に爽やかなヴォーカルもバトルってます(笑)。
しかし、戦争の場面なのに、一部に「ガラスの十代」みたいな歌メロがあって、場面とのギャップが何だか楽しいです(笑)。


SOUND HORIZON - Moira - 奴隷達の英雄 - Ελευσευς - ★★★ (2008-09-04 18:15:18)

クワイアありツーバスドコドコ疾走あり…これは間違い無くメタラーにとってのキラーチューンとなるであろう曲だと思います。リードヴォーカルはRevoさんですが…メタリックな疾走+女性Voの曲が欲しかったという気もしなくもないですが、彼の声があってこそ魅力のあるものになっているのもまた事実かと。
…しかしRevoさんって…自分が作った物語の中で「死」のような絶対的なものの象徴のタナトスとか、色々背負いまくった主人公格のアメティストスとかを自ら演じるとか、かなりのナルですよね(笑)。だからこそ魅力のある作品が作れるんでしょう。


SOUND HORIZON - Moira - 神話 - Μυθος - ★★★ (2008-09-03 16:01:27)

初めて聴いた時は、気の利いたオープニングSE&世界設定の説明的な曲…みたいな印象だったんですが、聴き返して「なんじゃこりゃ!?」ってなりました。特に詩女神の名前が読み上げられると同時に入ってくるスキャットのメロディがどれも漏れなくクサい!!…クサメロが溢れて溢れて止まらないって感じだわ…Revoさんの頭の中って一体どうなってるんだか。


SOUND HORIZON - Moira - 人生は入れ子人形 - Матрёшка - ★★★ (2008-09-03 15:57:02)

まさかストーリーアルバムの中にこんな弾けた曲を持ってくるとは…でもふざけてるだけじゃなくて、しっかりメロディで聴かせてくれるのは流石。このロシア民謡風メロだけでも星三つ…でも、なんで初めて聴いたのに一緒に歌えるんだろう(笑)。
こういうインパクトがある曲で惹き付けておいてから、物語の本編に入っていく構成は大正解だと思います。


SOUND HORIZON - Moira - 冥王 - Θανατος - ★★★ (2008-09-03 15:51:10)

1曲目から出血多量死大サービスです(笑)。
メタルを初めとして、フュージョンやプログレを取り込みつつも、サビでは初聴きなのに曲が終わる頃には一緒になって歌えるレベルのくそキャッチーな歌メロが!!曲アレンジのバランスの取り方って足したり引いたり色々あると思うんですが、この曲は全部「過剰」方向に向けることで均衡が成立してしまっている感じ。
「朝と夜の物語」では正直萎えるだけだったRevoさんのヴォーカルも、この曲では声を作りに作って歌っていてなかなかに魅力的。ある意味、今作一番のサプライズかも…Revoさんってすっごい努力家なのでは…。


SOUND HORIZON - Moira ★★★ (2008-09-03 15:41:00)

2008年発表の、メジャー4枚目となるフルアルバム。
…なんか、名作RPG「空の軌跡」のお金の単位みたいなアルバムタイトルですね(笑)。

描こうとする場面によって歌い手、語り手をスイッチさせていくスタイルは「Roman」や「聖戦のイベリア」で見せた路線と同じですが、明確なサビを持つ、ポップス寄りの構成の曲が多かった「Roman」とは対称的に、今作は「Chronicle 2nd」のミュージカル路線を更に押し進めた感じの作風になってますね。ただ、こちらの方が語りや寸劇の要素が曲のバックで流れるような感じになり、歌メロを食ってしまうと言うことがなかったり、全体的にクオリティがアップしていたり、より煮詰められているような印象です。

展開も転調を多用し、サビではなく曲全体で聞かせるようになった事や、歌メロも単に主旋律とハモりで聴かせるだけではなく、音域や声色の違うヴォーカルを絡ませて一つの旋律を織り上げていくようなものが増え、今までよりもスケールの大きな世界観を描く事に成功していると思います。ただ、そうしたアレンジにより、以前よりも少し分かりやすさは減退してしまいがちかもしれません。事実私も最初聴いた時は、何か凄いものに触れた実感はあっても、曲毎の印象は少し薄かったような気がします。

とは言っても、そんな問題は聴き込めばどうにでもなるものですし、1曲目に雑多なジャンルを詰め込みつつも分かりやすいダークさとキャッチーさで聴かせる曲、2曲目にハジけた語りを入れつつもロシア風の取っ付きやすいメロディで聴かせる曲と、愛想の良い曲をアタマに持ってきてから本編に入るという、聴き手を上手く引き込む構成や、ポップスどころかアニメソングでもなかなか無いレベルのクサい歌メロ、生楽器を多用した華美かつ絢爛、それでいて丁寧なアレンジなどによって、初聴であっても80分もの長丁場の間、リスナーをスピーカーの前から離れさせないパワーがある作品になっているのは流石というほかありません。

それでも敢えてアラを探すなら、相変わらず男性Voの人選は今一つ。前作でイマイチだったRevoさんのヴォーカルは、今回は作り声で歌ったりして結構頑張ってる感じなんですが、宇都宮隆さんのヴォーカルは浮いてる気が…。これだったら同人つながりで鼓太蝋さん辺りにオファー出したほうが良かったのでは。演じてるキャラと声もかなり合うと思いますし。

もう一つ、折角一つの芯が通った物語があるのに、人物名が明記されていなかったり、ギリシャ語で記されたり、変な所にこだわりがあるのは…凝っているというより、「ライトなリスナーに俺の物語を楽しんで欲しくない」「蒙昧なリスナーに俺が教養を付けてやるぜ」みたいな、思い上がった態度が透けて見えてしまう(妄想ともいう)のは残念。物語を無視してクサメロ詰め合わせ盤として聴いても恐ろしい破壊力がある辺り、名盤であるとは思うんですが、何かスノビズムを感じさせない工夫があるともっと良いと思います。

後は流通ですね。なんか値段の高い初回盤のみ仕入れてる店が多いんですけど…。店を幾つか回ってやっと安い方を買えましたが、これならちゃんと安い方も多く出回るようにするか、初回盤も通常盤と同じく、3000円前後で収まる値段にして欲しいです。店でCDを見つけたのにおあずけ喰らうのは、結構がっかりするので…。

そのコンセプチュアルでファンタジックな世界観や、シアトリカルな音楽性から時々批判の矢面に立たされる事もあるSOUND HORIZONですが、このアルバムを聴いて彼のメロディやアレンジのセンスまで否定する事が、果たして出来るでしょうか。最近、シンフォ系のアーティストでコンセプチュアルな世界観を打ち出すアーティストが増えてきているように思いますが、未だスケールの大きさ、メロディやアレンジのセンスではこのSOUND HORIZONが頂点にいる…聴いていて、そんな事を思い知らされた作品でした。


鼓太蝋 - ~la'tem~ ★★ (2008-09-01 21:09:00)

2006年発表の、オリジナルアルバムとしては一枚目となる作品。
本人も「ヴィジュアルメタルというと一番近い」と言っている通り、ほとんどの曲で
V系/歌謡ロック的な歌メロと、メタリックなギターリフが聴けるロックという感じの作風。
C-CLAYSで演っていたような華やかなキーも多くの曲で聴けます。また、大きな特徴として、
ヴォーカルが他の作品よりもかなりV系寄りなのも挙げられますね。初期ラルク的な中性的な
妖しさを醸し出す歌唱や、初期Dir的なあからさまにおどろおどろしさを演出する歌唱なども
飛び出し、メタラー的には結構好みが別れそうな感じ。私は好きですけど(笑)。
ライナーを読む限り思い入れの強い作品らしく、丁寧に作られているとは思うんですが、
中盤以降少しダレを覚えるのも確か。ギターはメタリックですが、正直それだけに集中して
聴いて楽しめるほどでもないし、2ndと比べて歌メロが印象に残りにくい曲が多い気がして、
質は高いけど中途半端な部分もあるという印象。個人的に「Live in the Nightmare」は
感動すら覚えたんですが、こっちは良い作品だけどそこまでのめり込めないという感じ。
丁寧さは残したまま、もう少しインパクトのある曲が多ければ良かったと思います。
とは言え、「D.I.S」「GATE Ⅲ」「ペルソナ」辺りはV系とメタルを両方聴く人には
間違いなくキラーとなる名曲だし、本当につまらないと思う曲は一曲として入ってないし
2ndが気に入ったら、こっちも持っておいて損はないんじゃないかと思います。


EXORDIUM (FINLAND) - In Wrath Principle - Language of the Dying ★★★ (2008-09-01 20:47:53)

トレモロ+疾走のパートが魅力的なのは当然として、ミディアムパートがそれ以上に魅力的なものになっているところに凄みを感じられますね…。ふてぶてしいくらい堂々とした雰囲気を感じられます。


EXORDIUM (FINLAND) - In Wrath Principle - Nocturnal King ★★★ (2008-09-01 20:45:19)

1曲目から緩急を巧みに織り交ぜた曲で聴かせてくれます。
特にスローパートは、威風すら感じるくらい濃厚な雰囲気。まだ一枚目だと言うのに、アルバム10枚出してるバンドのような貫禄があるように思います。


EXORDIUM (FINLAND) - In Wrath Principle - Wrathprayer ★★★ (2008-09-01 20:42:05)

ブラストビートを用いたパートにはメロウさや酩酊感を演出するリフ、高速スラッシュビートのパートにはテンションの上がる禍々しさ重視のリフを合わせてたりする辺り、リフとリズムの組み立て方が上手いですよね。この巧みさで、更に音に没頭させられてしまう感じ。


MAPLE LEAF - ウィルド・ラッドの調べ~SACRED DOORS another tale~ ★★ (2008-09-01 17:57:00)

2008年発表の6曲入りミニアルバム。
ファンタジックな世界観をトラッド的なメロディや楽器で表現する歌もの、という路線は
いつも通りですが、今回は生楽器を使う事に拘ったらしく、例えばパーカッションの音色
一つを取ってもかなり気を使ってる感じで、音が今まで以上にリアルになってますね。
…ファンタジーって体験出来ないからこそファンタジーだと思うんですが、彼女の音楽って
その世界観をリスナーに疑似体験させてしまうほどに作りこまれてると思います。
その美点が、こうしたアレンジによって更に浮き彫りになったのではないでしょうか。
もうこうなると、「トラッドとポップスを融合させた」という次元ではなくて、「架空の
世界に伝わる民族音楽」を実際に演奏している…と言った方が近いかもしれません。
ただ、少し苦言を呈させてもらうならば…初期作の「ユラグソラ」って、「優しい歌声」と
「メロディの良さ」においてズバ抜けた作品だったと思うんですが、今作では出来る事が多く、
表現できるスケールが大きくなった分、音全体で世界観を表現する傾向が強まり、あの頃より
歌メロの美しさが少し減退しているという印象も。去年の「ティンダーリアの種」は
その辺のバランスが良かったので、聴き比べると少し物足りなさがあるのは否めない…かも。
とは言っても、聴き手を大きな包容力で受け入れ、心を癒してくれるような、優しい歌声は
私の知る女性ヴォーカリストの中でも右に出る者はいないと思うくらい魅力的だし、
歌のメロディも彼女の今までの作品に比べると少し弱い気がするというだけで、良くない
という訳では決してありません。何より、こんなに確立した自分の世界観を持っていて、
尚且つそれを音で表現できるアーティストってメジャーどころか、海外を探してもそれほど
いるものではないと思います。ちょっと値段が高い気もしますが、充分お勧め出来る作品。


上野洋子 (YOKO) ★★ (2008-08-31 22:19:00)

「闘りゃんせ」のYOKOとは別人なんですね。
間違えて登録しそうになりました…。


EXORDIUM (FINLAND) ★★ (2008-08-31 21:49:00)

調べてみたら、スイスにも同名のバンドがいるみたいですね…。
しかもSatanic Propaganda所属だとか…。
こっちはフィンランドの方なので、書き込む時など間違えないようにご注意下さい。


AURA NOIR - Live Nightmare on Elm Street ★★★ (2008-08-31 21:45:00)

96年のライブの模様を収めた、2006年発表のライブ盤。
歌詞カードは当然(笑)ついてませんが、ライブフォトやバイオグラフィーが付いてます。ライブ盤でも相変わらず、ダーティ極まりないブラック/スラッシュを演っていますが…MAYHEMにDODHEIMSGARD、VED BUENS ENDEなどメンバーが所属してるバンドって、作曲面で結構知的な部分も多いですが、AURA NOIRは彼らのハジける場になっているのかもしれません。

メンバーフォトではAggressorがノリノリでアホっぽくて楽しそうだし、ライブフォトではBlasphemerが幸せそうな、満面の笑みを浮かべたものが…(笑)。とてもCADAVER INC.で鬼ドラムしばいてたり、MAYHEMで邪悪な曲作ったりしてる人たちとは思えません(笑)。音源の方も、プレイボタン押していきなり「カモン!!」とか言い出してるし、生き生きと演奏する様が伝わってきますね。

ただヴォーカルは、Apollyon独特の狂犬じみた絶叫でなく、スラッシュ寄りのデス未満な濁声なのが残念…と思ったら、半ばを過ぎた辺りからはいつもの狂犬ヴォーカルが!!…クレジットではApollyonがベースとヴォーカル、Aggressorがドラムと書いてありますが、途中でスイッチしてるのかもしれません。7、8曲目の間の繋ぎが不自然だし、ドラミングの感じも前後半でかなり変わってる気がする。個人的には後半の方が聴いてて燃えます。

音質は…96年の音源だし、ダーティな作風だしで余り期待してなかったんですが、意外と良いですね。確かに所々音飛びはありますが、曲を台無しにする程でもないし、音が悪くて何を演っているか分からないと言う事もないです。スタジオ盤と比べるとフェチ向けなのは否めないですが、むしろこれくらい汚い音質の方が、バンドの音楽性のダーティさが際だっていて良いと思います。

ちなみに所属レーベル(Tyrant Syndicate)と違うレーベルから出てるみたいですが、バンドの許可は取ってありブートではないそうです。なので安心してお買い求め下さい(笑)。


EXORDIUM (FINLAND) - In Wrath Principle ★★★ (2008-08-31 10:21:00)

2008年発表の1st。
DSOやMGLA等とのオムニバスを聴いた時から気に掛かってたんですが、ようやくフルとなるアルバムを出してくれましたね。この前にもEPやライブ盤(テープ)等も出してるみたいです。

フィンランドと言うとSATANIC WARMASTERを初めとして、CLANDESTINE BLAZEやHORNA、SARGEIST等良質なプリミティブブラックメタルバンドが多数存在し、今や北欧の中でもプリブラのメッカになりつつあるという印象があるんですが、このバンドもやはりプリミティブに属するようなブラックメタルを演ってますね。

プリブラ特有のRAWな雰囲気や衝動性、酩酊感だけでなく、SETHERIALの近作に通じるようなブルータリティや構築性も備えている所がこのバンドの特徴でしょうか。音質のほうも、各楽器が漏れなく聴き取れる鮮明さで、特にドラムの音には迫力があり、作品のブルータリティを良く伝えてくれます。

ただし、ギターはプリミティブ系特有のノイジーさで、最初聴いた時は「うわ、耳痛っ!」とか思ってしまったほど(笑)。まあ、DARKTHRONEが聴ける人なら3秒くらいで慣れますが(笑)。このギターの歪みのキツさが、曲のブルータリティを精神的なものにも転化させている感じ。

ヴォーカルのねちっこい潰れた絶叫にダウナーな気味悪さを加味したようなパフォーマンスも実に素晴らしく、曲の禍々しい雰囲気を更に濃い物にしてると思います。メロディの質も違うし、こっちの方がギターの歪みが強く音像もかなり異なるんですが、個人的にはCATAPLEXYと似た雰囲気があると感じました。10年選手で、1stアルバムのリリース時期が遅くて、ライブも重視しているなど、共通点が多いからかもしれません。

良質なものが多いフィンランドのプリブラの中でも、SxWxやCxBxと比べても劣らない魅力があると思う作品。プリブラファンならばマストと言ってもいいアルバムだと思います。


EXORDIUM (FINLAND) - Crushing the Holy Trinity - Unevangel ★★ (2008-08-30 21:38:07)

最初は、この音質で10分近くあってスローテンポはキツいかな…と思ってましたが…この曲、半覚醒くらいの意識の時に聴いて、脳波とギターノイズがシンクロすると、幻視体験でもしたかのような感覚に陥られる力があると思う。でもダラダラと聴く分には少し退屈かも。なので星は二個で。


EXORDIUM (FINLAND) - Crushing the Holy Trinity - Craving Vehemence ★★★ (2008-08-30 21:33:49)

この曲はギターソロの前の辺りが個人的に聴き所。
ミステリアスなメロディの醸し出す雰囲気が、荒々しいギターノイズによって更に濃い物になっている感じ。


EXORDIUM (FINLAND) - Crushing the Holy Trinity - Ei Toivottu Vieras (intro) / Tyrannia Martyreum ★★★ (2008-08-30 21:31:32)

まずキーボードと女性ヴォーカルによる呪術的なイントロの時点で、センスのあるバンドである事を確信するのに充分なほど雰囲気出てますね。本編もドラム・ギター共にRAWな音で気持ちいい。このコンピ盤、本当に優秀なバンドを集めたなあ…。


GORGOROTH - True Norwegian Black Metal - Live In Grieghallen ★★★ (2008-08-30 19:36:00)

2008年発表のライブ盤。

まず初めに聴いて驚いたのは音質の綺麗さ。
各楽器の音は勿論、リフの絡みまでしっかり聞き取れ、スタジオ盤と比べてもほとんど遜色が無いといえるほど。歓声も聞こえないし、ベースは再録しているらしいのでスタジオでかなり音を弄った上、一つの作品として完結させているという感じなのかもしれません。適度な生々しさ(特にヴォーカル)と聞きやすさを備えた、なかなかの好プロダクション。

選曲は…「Pentagram」「Ad Majorem~」からは選ばれてませんが、名盤「Under the Sign of Hell」から3曲も選ばれている上、海賊ヴォーカルが聴ける「Profetens Apenbaring」が入ってるのが個人的にはツボ。Gaahlの威厳と悪意のある声でこんな威風堂々とした歌唱を聴かされて、惚れるなっていう方が間違ってます(笑)。ただ、収録時間は31分と短め。まあGORGOROTHの作品は大体これ位のランタイムが基本っぽいですが。

…このライブ盤聴いてて思ったんですが、GORGOROTHって「メタルとしてのかっこよさ」と「アングラ音楽としての衝動性」「ブラックとしての邪悪さ」のバランス感覚に関しては右に出るものがいないと言っても良いくらい優れてますよね。初期から最近のアルバムの曲まで入ってますが、どの曲を聴いてもそうした長所が感じられます。…このバランスの良さが、本国のチャートで高順位を記録するほどの人気の秘訣なんじゃないでしょうか。

バンドのファンが聴いて楽しめる作品であるのは勿論のこと、ブラックを然程聴いていないメタラーがブラックメタルのアブなさを心地良く味わうのにも適していると思う作品。「True Norwegian Black Metal」…看板に偽りのないアルバムです。


AVERSE SEFIRA - Homecoming's March ★★ (2008-08-25 22:14:00)

99年発表の1st。

この時点では「Advent Parallax」で見せたようなリフとリズムの絡み合いの複雑さはそれほど感じられないものの、メロウさ、甘美さ、寒々しさよりもカオティックでダーティな雰囲気の、「甘くない」メロディをトレモロリフで弾きつつ疾走するというスタイルは既に仕上がっている感じですね。12分超えの曲をSE以外ほぼ疾走で押し通したり、近作よりも衝動性の高い音楽だと思います。特にヴォーカル、最新作ではMikkoに少し近くなり威風も出てきた感じですが、こっちの方がストレートにエグくて個人的には好きです。

また、もう一つの大きな特徴としてはSEの多用が挙げられると思います。LADY OF THE EVENING FACEというアーティストが作っているようですが、ドローンやサンプリング等を駆使した音は、それだけ抜き出して拡大しても面白いものが出来そう。バンドの音と比べて音量が大きく、うるさく感じる所があるのは少し不満ですが、単なるサウンド・エフェクトに留まらないこだわりが感じられます。わざわざ「本編とインタールードにはキーボードは使われていない」と注意書きしているほどですし。

あと、私が買ったのはリマスター再発盤ですが、何気にこのアルバムって音が良いんですよね。ギターもしっかり重いし、はっきり聞こえるベースのトレモロのドライブ感が耳に心地良い。ブラックメタルとしてはともかく、ヘヴィメタルとしては最新作「Advent Parallax」よりも録音状態は良好と言えるかもしれません。

デビューアルバムながらかなりの完成度で聴かせてくれるアルバム。ある程度ブラックを漁っている人にお勧め。


SAMAEL - Reign of Light ★★★ (2008-08-25 17:49:00)

2004年発表の6th。

SAMAELって96年に4thアルバム「Passage」を出して以降、一貫してブラック/ゴシックメタルにインダストリアルやエレクトロニカ要素を融合させた、他に無いタイプのメタルを演って来たと思いますが、ギターやリズムなどが最もメタリックな「Passage」、ダークでアトモスフェリックな「Eternal」と、どの作品もその中で特徴があるように思います。

この作品の特徴は、ダンサブルなリズムとキャッチーなヴォーカルラインでしょうか。特に後者、ブラックメタルの…というか、デスヴォイスで歌う音楽の中ではトップクラスのキャッチーさだと思う。デスヴォイスで歌ってるのに口ずさみたくなる音楽なんて他になかなか見当たらないです。こうした要素によって、単にポップになるのではなく、ノリの良さの中にどこか陶酔的なムードを感じられる音に仕上げてる辺りセンスは抜群ですね。

この美点は次々作「Solar Soul」で更に強まってますが、このアルバムを以ってSAMAELの音楽性は一つの完成形を見たと言っても過言ではないのではないでしょうか。また、再発盤にはPVやライブを収録したDVD(国内機=PS2で再生出来ました)が付いて来ますがこちらも必見。特に「On Earth」での観客に腕を大きく振らせるパフォーマンス…なんか普通のロックバンドのライブの大団円シーンを見ているような、ピースフルなノリでつくづくブラックメタルっぽくないです(笑)。ほんと変わったバンドだわ…。

ブラックメタルが好きなら初期作、シンフォニックブラックが好きなら「Eternal」がお勧めですが、それ以外の方にはこのアルバムか「Solar Soul」がお勧め。…っていうか、SAMAELはもっと聴かれて然るべきバンドだと思う。現時点では、私の知る限り日本では最も過小評価されているバンドの一つだとすら思うんですが…。完成度も高いし、フックもあるし、取りあえず騙されたと思って買ってみて欲しいです。


SAMAEL - Reign of Light - As the Sun ★★★ (2008-08-25 17:29:53)

この曲、触りだけだとメタルに聞こえませんね(笑)。長年メタルに相当深く関わっていないと作りえないダンスミュージックという印象。サビのフレーズに合いの手的に挿入されるカンフーヴォイスでノリノリになれます。


SAMAEL - Reign of Light - Telepath ★★★ (2008-08-25 17:27:10)

フューチャリスティックでスピリチュアルな感じのキーボードメロ、近未来の意思伝達手段を音にするとこんな雰囲気なのでは…という感じがしますね。ヴォーカルラインもキレ良くかっこいい。カンフーシャウトと共に歌われる「Nothing is impossible / Nothing is unreachable」というフレーズ、受験とか就職試験とか壁を前にしたときに聞いたら、パワーが沸いてきそうかも。


SAMAEL - Reign of Light - On Earth ★★★ (2008-08-25 17:23:04)

ギターのメロもキャッチーですが、歌詞にはそれ以上のインパクトがありますね(笑)。世界の都市をリズミカルに羅列していく歌詞は、他のメタルではありえないでしょう。ちなみにシングルのカップリング「Auf Der Erde」は、この曲のドイツ語バージョン。そっちでもちゃんと都市名羅列部分は残ってます。


SAMAEL - Reign of Light - Moongate ★★★ (2008-08-25 17:19:47)

SAMAELの軍勢が世界を統治した暁に、彼らを支持する人々が真っ黒い太陽をバックに一糸乱れぬ統制で踊っている、そんなイメージが浮かぶ曲。邪悪さはそれほど感じないんですが、自信と確信に満ちていて、含んでいる熱量の大きな楽曲だと思います。…なんとなく、須藤元気選手の入場パフォーマンスに使ったら合いそう(笑)。


SAMAEL - Solar Soul - Western Ground ★★★ (2008-08-25 17:15:30)

トレモロとキーボードを上手く混じり合わせた広がりのある音色が、精神世界に無限に広がるフロンティアを想起させるような曲。…冗談じゃなく、SAMAELの曲って自己啓発に使えそうなものが少なくないと思う。


SAMAEL - Solar Soul - Promised Land ★★★ (2008-08-25 17:12:37)

「The quest is never-ending / But you keep on growing / Paradise is at hand」「You're born in, you're born with / But still searching for it / In your head is the Promised Land」
…なんてポジティブで、確信に満ちてて、エネルギーに満ちた歌詞なんでしょうか。しかもこのフレーズがいっしょに歌いたくなるほどキャッチーに発せられるという。基本ブラックメタルなのに、聴くと体の奥からパワーが湧き上がってくるような曲。


六弦アリス - 緋のローレライ code;Я - 『ЯOMANCE』 ★★★ (2008-08-23 16:11:55)

この曲のヴォーカル、幼な声に近い歌唱ではあるんですが、浮かんでくるのは麻薬の酩酊状態や、カルト宗教の洗脳を受けた人と同じ、イってしまった目をした少女。少女=無垢な狂気、というのは手垢のついたモチーフですが、これは更にもう一段上を行ってると思います。


六弦アリス - 緋のローレライ code;Я - 月影カーニバル ★★★ (2008-08-23 16:06:37)

ありえないわ、これ…。
打ち込みとは思えない…というより、生音使ってるバンドと比べてもヘヴィな音と、ソプラノヴォーカルを伴って疾走するサビはNIGHTWISHやWITHIN TEMPTATIONを思わせるんですが、歌メロはそうしたバンドでは勝負にならない程琴線に触れる。サビ以外のアレンジもキーボードが謎めいたメロディを奏でていたりして、鮮やかでスケールが大きくかつコクもある。この人たち、音源を買うたびに感動と驚きを与えてくれるなぁ…。


鼓太蝋 - Live in the Nightmare ★★ (2008-08-23 15:52:00)

2008年発表の、オリジナルとしては二枚目となるフルレンス。
C-CLAYSやソロでのインストメタルの作品と、彼がヴォーカルを取る「Karm:d」を両方
聴いた時、前者の路線に彼のヴォーカルを乗せたらきっと良いものが出来るんじゃないかと
思ってましたが、これは予想以上に凄い作品ですね…。
路線としては「闇深祭」「真遠の夜」の作風を踏襲しつつ、明確なサビのある分かりやすい
展開を設けヴォーカルを入れた…という感じなんですが、その結果シンフォ/様式美メタルの
煌びやかさやリフを始めとしたバンドアンサンブルへの妥協の無さ、V系のゴシックを噛み
砕いて分かりやすい耽美性を演出した世界観や取っ付きやすい歌メロなど、両者の長所を
上手く合わせ、更に高い次元に達したかのような素晴らしいメタル音楽が実現してます。
所々に見え隠れするプログレっぽい展開も、作風に更に深みを与えてると思います。
殊に素晴らしいと思うのはヴォーカルとメロディセンスの良さ。
ヴォーカルはラルク辺りに通じるV系寄りの歌い方なんですが、声質的に低音で歌い上げてる
時の(陰陽座の)瞬火さんにも通じる色気がある声でほんと素晴らしいです。本人は「好みが
分かれる」と言ってるようですが、確実に作品の売りになっているように思います。
メロディ、特に歌メロはV系ならMOI DIX MOISやRAPHAEL、同人シーンなら六弦アリスや
上海アリス幻樂団辺りの一流のクサメロ使いと互角に渡り合えそうなクサさ。特に7曲目が
素晴らしく、日本でも多くのメタルにはこんな良いメロディは少ないんじゃないでしょうか。
私は歌謡メタルが好きで、それだけに陰陽座の「魔王戴天」には少しがっかりしてたんですが、
そうした人もこの作品を聴いたら溜飲を下げるんじゃないかと思います。
敢えて言うならコンセプトの下敷きのストーリーがちょっと大味なのは気になりますが、
それもSOUND HORIZONやCRADLE OF FILTH辺りと比べての事で、色々と妄想を膨らましながら
聴くのには全く問題はないかと。帯にある「これを聴かずして様式美メタルは語れない」が
全く嘘に聞こえない作品。様式美メタルファン以外にもV系や歌謡メタル好きなら大推薦。
歌メロがいいので、意外とポップスファンでもいける間口の広さもある…かも。
最近ではASRIELやDRAGON GUARDIANなど、アマチュア出身でもDISK UNIONなどメタル関連の
店に置かれるバンドが多いようですが、この作品も是非置いて欲しいですね。
同人系の店よりも客層は確実にマッチすると思う。願わくば自主盤倶楽部などV系の店にも。
しかし、これで委託店舗のマージンも合わせて1260円は安いと思う。
これだけリキ入ったアルバムなら、普通のV系ならDVD付けて4000は取りますぜ(笑)。
まだ昨日買ったばかりなので聴き込み中ですが、個人的にはTRINACRIA、IHSAHN、KOKと並んで
今年のベストアルバム候補。アマチュア・同人のメタルシーンにもメジャーを脅かすほどの
質を持ったアーティストがいる事を知らしめる好例といえる作品だと思います。


鼓太蝋 - 風の音塊 -道中編- ★★ (2008-08-23 15:50:00)

上海アリス幻樂団のHM/HRカヴァーでは三枚目となるアルバム。2008年発表。
大まかな路線は前の二枚とそう変わりませんが、ライナーによると今作から使用機材を
替えたらしく、ギターリフとキーボードの分離は更に良くなった感じがします。
お互いの音が明確になった分、両者がより引き立てあうようになり、逆にアンサンブルの
距離は近くなったという印象。アトモスフェリックで妖しいキーボードの音色や、トレモロ
リフなども導入され、音が増えた事もあり、前作までよりも音像が鮮やかになった気がします。
でも、同時に発売された「Live in the Nightmare」が余りにも素晴らしかったので、
個人的にこっちは少し霞んでしまったという感じも。とはいってもしっかりレベルは高いし、
前作よりも良くなっていると思いますが。…このアルバムはインストですが、オリジナルで
あんなにも素晴らしいヴォーカルを聴かせてくれるなら、カヴァーでも歌って欲しいなぁ…。


鼓太蝋 - 風の音塊 -道中編- - White Rain ★★★ (2008-08-23 15:38:38)

いきなり陰陽座の「羅刹」を思わせるメロディのトレモロリフが!!C-CLAYSの時から、この音楽性でトレモロリフ使ったら最高だろうな…と思ってたんですが、遂に念願が叶いました。感想は…やっぱり最高(笑)。ほんと、滝の側の空気みたいな清浄さだわ…。
この曲のサビに当たる部分のメロ、ちょっとオリジナル曲のメロとも似てますね。上海アリスにはメロディ面でも結構影響受けてるのかもしれませんね。


鼓太蝋 - 風の音塊 -道中編- - Night Festival ★★★ (2008-08-23 15:34:54)

ヘヴィなメタルリフにクラシック並みの華麗なキーボードが乗る音像は、例え寝る時に聴いていてでさえハッとさせられますね…目が醒めてしまう(笑)。3分前後のプログレッシブなパートも聴き応えがあって、実に充実したアレンジだと思います。
最近、ゲーム音楽のHR/HMカヴァーも数が増え、レベルも底上げされてますけど、これはその中でも相当レベル高いんじゃないかと思います。


鼓太蝋 - 風の音塊 -道中編- - Road to Memorys ★★★ (2008-08-23 15:31:14)

この曲は今までにない妖しさを放っているキーボードの音色が良いですね。妖しいは妖しいでも、その「妖しさ」をより立体的にするような音だと思います。タイトルが「Memories」でないのは、英古語を意識してるからでしょうか。


鼓太蝋 - 風の音塊 -道中編- - God of Misery ★★ (2008-08-23 15:28:27)

途中に挿入される、トレモロを交えたプログレッシブでインテンスなパートがお気に入り。行儀良く様式美メタルするだけじゃない、「ちょいワル」みたいな要素があるのがツボです(笑)。こういうパートがあると全体の雰囲気も締まりますね。