イントロから鼓太蝋さんのプログレッシブな感性が発揮された、エニグマティックなメロディで期待が高まりますが…特にサビメロは期待を遥かに超える素晴らしい仕上がり。まるでメロディセンスがトップギアに入ったときのJANNE DA ARCのようだわ…。 有り体に言えば、様式美メタル+V系/歌謡ロックのメロディとヴォーカルにちょいプログレ要素入れた感じですが、お互いがお互いを高めあい、単純な算術和とは比べ物にならないほどの出来になってると思います。元々様式美な音と耽美でキャッチーな歌メロって相性が良いものだとは思いますが、ここまでのものを聴かされるとぐうの音も出ません。久し振りに衝撃を受けた1曲。
意外にもMAYHEMフォロワーといえそうな作風、それもMAYHEMの中でも最もブルータルなWolf's Lair Abyssの音楽性をトレースした感じに仕上がってます。こっちの方が曲数も多く、メロウな曲もありバラエティに富んでいるし、狂ったような速弾きリードギターやくっきりと聴こえるトレモロリフをフィーチャーしているといった違いはあるんですが、ノイジーなだけでなく厚みもある黒い音質、ねちっこい絶叫ヴォーカル、リフやリズムの質感などかなり似ている箇所が多いです。特に1曲目や5曲目の一部は、MAYHEMの「I am thy Labyrinth」のオマージュっぽく感じる所も。
また実際にMAYHEMのカヴァーも入れてますが、「Carnage」はDead在籍時のものよりもManiac在籍時のライブ盤のテイクに似てますね。「De Mysteriis Dom Sathanas」はちょっと演技過剰っぽいですが、あの不気味なリフがくっきり聞こえるようになっているので満足。