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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3901-4000

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順
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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3901-4000

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六弦アリス - 緋のローレライ code;Я ★★ (2008-08-23 01:23:00)

2008年に「緋のローレライ code ; Я」と同時発売されたアルバム。
製品番号からしてこっちが5thで、「Я」が6thだと思います。
六弦アリスの音楽の特徴といえば、単にメタリックなリフやリズムを取り入れるだけでなく、
一流のメタルと同じくらい、フレーズの一つ一つに妥協がない…というものがあると思うん
ですが、今作では音質のヘヴィさもメタル並になり、そうした美点が更に際立つようになった
と思います。今までの六弦アリスの作品の中でも最もメタリックな作品ではないでしょうか。
もちろん、他のどのジャンルを探しても、こんなにキャッチーで、美しくて、クサくて
かっこいいものはないんじゃないかと思わせるような歌メロも健在。
ヴォーカルも枚数を重ねる毎にパワーアップしてますが、今作では美しいソプラノまで
使って歌唱力の高さを見せ付けてくれます。…そういう声楽的な歌い方にしろ、ポップス寄りの
歌い方にしろ、上手くなってるだけじゃなくて自信と確信に満ちてきているという印象も。
ただ今作はシアトリカルな雰囲気や狂気の表現のためか、鼻にかかった歌い方を
多用してますが、個人的には2nd辺りの歌い方のほうがストレートで好きだったかも。
…「ルナティック・ラヴ」「Alice in the Nercosis」など、六弦アリスの描く世界観って、
いわゆる「普通の人」とは違う感性を持った人が周囲との軋轢に苦しむ、というのが根底に
あるものが多いと思うんですが、今作もそうした路線ですね。ただ、前述の作品と結末が
似通っている(主人公が最終的に人を殺す)ので、そろそろテーマは維持しつつ、違った結末の
物語も演って欲しい所。ショッキングなテーマでも繰り返すと刺激が薄れてくると思うし。
同時発売の「code ; Я」もほぼ同じ路線ですが、どっちか一枚だけ買うならばボリュームが
あり、「月影カーニバル」という分かりやすいキラーのあるこっちでしょうか。
でも「Я」のトリッキーな曲も捨てがたいし、二枚同時購入がベストでしょう。漫画も付くし。
ちなみに今回は店で二枚買うと3000円で、二枚合わせても長さは60分に満たないので、
同人としては高い…というか、普通にメジャー価格(笑)。しかし、衝撃的な安さこそ
なくなったものの、値段以上の物を提供してくれていると思わせる質の高さは変わらず。
このジャンルが嫌いでない限り、買って損という事は絶対にないかと思います。


ATROX - Binocular - Retroglazed ★★★ (2008-08-23 00:49:23)

イントロを聴いた時はMANESがATROXに改名して新作出したんじゃないかと思いました。しかもキーボードはちょっとARTCURUSの3rdっぽいフレーズを弾いたりしてる。音楽性は変わっても、根底に流れるノルウェー人独特の捻くれた感性は変わっていないのかもしれません。


ATROX - Binocular - Castle for Clowns ★★★ (2008-08-23 00:46:22)

以前、ある日本の有名ミュージシャンが「技巧的な曲はユーモアがなければ面白くならない」と言ってましたが、この曲は表面上はそうしたユーモアが感じられる気がします。でも近寄って見てみるとしっかり病んでてグロくて不条理という(笑)。やっぱりこのバンド、属性は「闇」ですよ。


ATROX - Binocular - Transportal ★★★ (2008-08-23 00:42:20)

この妖しい雰囲気、「ゴスっぽい」と言ってもいいんじゃないでしょうか。ヴォーカルも吸血鬼的なナルシスティックな感じがありますし。でもこれ、ファッションでゴスな音楽聴いてる人が聴いたら普通に引きそうですね(笑)。やっぱりATROXはATROXなのかも。


ATROX - Binocular - Headrush Helmet ★★★ (2008-08-23 00:39:41)

触りからして妖気が立ち上るような雰囲気で、前作までのファンも納得するんじゃないでしょうか。そんな雰囲気なのに、ヴォーカルラインには妙にフックがありますね。アルバム聴き終わってから「♪The bomb bomb dropper」とか口ずさんじゃったし。…まさかATROXの曲で口ずさめるようなものが聴けるとはねえ…。


ATROX - Binocular - Filtmonger ★★ (2008-08-23 00:36:09)

アートワークに歪んだレンズで覗いた家が描かれている通り、相変わらず間性のほうも歪んでいる感じなんですが、心なしかそのアウトプットが華々しくなってきているようにも感じますね…「Gotta get away」の連呼なんて普通にキャッチーだし。


DRAGON GUARDIAN - 遥かなる契り - 神話 ★★ (2008-08-22 18:53:06)

解説ではポップとか言ってますけど、あれはジョークでしょう(笑)
イントロからガチで疾走です。ただ、メロディもこの作品の中では分かりやすいし、語りもマイルドに抑えられてるしで、今まで興味なかった人でも取り込めそうな間口の広さがあると思います。
でもシルフィーユの過去話…よくあんな事して暴動とか起こらなかったなぁ…。っていうか、よく隠蔽できたと思う。


DRAGON GUARDIAN - 遥かなる契り - アルネシアの戦い ★★★ (2008-08-22 18:49:13)

「何!?聖剣が光って眩しい!!」
ヴァイキングハーモニーのトレモロリフや笛による民族がかったメロなど、本当に北欧のヴァイキングメタルっぽい…いや、それを煮詰めて更にクサくしたかのようなパートが実に素晴らしい。このバンド、メロスピに歌謡曲的なメロディが乗る所に衝撃があると思うのに、この曲や「圧政の指揮者」などは演奏だけ聴いていても充分悶絶出来る。これで一度聴いたら頭から離れなくなるようなクドくて甘ったるい歌メロがあれば完璧だと思う。
ただ、上の台詞は思わず笑ってしまいましたが…聖剣の癖に「追加効果:暗闇」みたいな搦め手を使ってくるとは…(笑)


ORDO ROSARIUS EQUILIBRIO(ORDO EQUILIBRIO) - Reaping the Fallen...the First Harvest ★★ (2008-08-22 00:58:00)

おそらく95年発表の1st。
基本的には、CDをセットしてかけるだけで家のコンポやプレイヤーが暗黒の波動を
発生させる装置に早変わりしてしまうようなダークアンビエント/インダストリアルで、
ダークアンビエント寄りのブラックメタルやレーベルメイトのRAISON D'ETRE辺りが好きなら
ツボにはまりそうな、ひたすらに病んだ世界を演出してます。
こういう曲調で女性ヴォーカルの語りとかが入ると、異次元からの呼び声のようにも
聞こえますね…。特に恐いのはラストの曲、ただでさえ呪文っぽい声がサンプリングされて
根源的な恐怖を煽るのに、終わった後「アンコール」と称して同じ曲をもう一度繰り返す辺り、
意図が読めなくて更に恐い。
しかし最も恐いのは、フォークの弾き語りと呪術ドローンを足したような数曲かもしれません。
タナトフォビアといって、仕事や恋愛などの生活上は明るく振る舞っていても、心の奥底では
常にいつか訪れる死の事を考え、恐れるという病気がありますが、そうした病気の患者の心の
呟きや問いかけを音楽に具現化したらこんな感じなんじゃないでしょうか。
…フォーク要素をここまでダークに聞かせられるというのもある意味凄いと思います。
触りを聴いただけで、「ああ、病んでるなあ…」と思うくらい分かりやすく病んでいながら、
表層だけでなく底の底まで病みきっている感じの作品。表面的に「病んだ」作品にはうんざり
だという人でも納得できる事間違いなしの暗黒音楽です。
ちなみに、クレジットでは最後に家族への感謝が述べられてますが…もし自分に子供がいて、
こんなアルバムを作って、ああいうメッセージを書いたら遺言に聞こえると思う(笑)。
幸いな事に、この人たちはこれ以後も世の中に作品を送り出し続けているようですが。


DRAGON GUARDIAN - 遥かなる契り - 天空城マナ ★★ (2008-08-21 21:19:52)

冒頭のメタルサウンドが一瞬止んで視界が開けるような展開、竜に乗った主人公が帝国空軍の攻撃をかいくぐり、目の前に天空城が現れたようなシーンがありありと浮かぶなあ…。勇者アーサーさんってシーンに合わせて音を作るのが上手いと思う。台詞の演じ分けも上手く、マナの台詞パートは小人の老人の精霊が語ってそうな雰囲気がありますね。
でも歌メロは正直微妙かな…「歌謡曲/アニソンと比べても際立って」ではなく、「メロスピにしては」クサい歌メロになっちゃってる気がする。これだったらツボに嵌まったときの陰陽座の歌メロ(妖花忍法帖とか)の方がよっぽどクサい。クサさに特化してくれるバンドだと思ってただけにちょっと肩透かし感は否めないですね…。


DRAGON GUARDIAN - 遥かなる契り - 紅き契約 ★★★ (2008-08-21 21:11:39)

これ、前作を聴き込んだ人ほど成長振りに驚くんじゃないでしょうか…台詞とか抜いたら、音質、演奏、メロディどこを切ってもB級要素とか無いですもん。ヴォーカルのメロディもアルバムで一番良いと思いますし、これは「悶絶という言葉すら生温い!!」(陰陽座の某アルバムのコピーのパクり)。
でもシルフィーユさん「儂を誰だと思っている。まあよい、さあ我に乗れ」って…一人称くらい統一してください(笑)。


DRAGON GUARDIAN - 遥かなる契り - 圧政の指揮者 ★★★ (2008-08-21 21:05:23)

本人も自信を持ってるみたいですが、確かにこれは今まで出た二枚では最高の曲かもしれない…10分を超える大作ながら、大作にありがちな反復の多用やプログレ要素の導入などに頼らず、超ドラマティックなシンフォニックメロスピで通しているのが凄い。特に語りの後、CDコンポをイコンに見立てて崇めたくなるような(笑)パートから超クサいキーボードメロで疾走、ダークなリフで落とし込む展開は「ああ、才能って美しいなぁ…」とか思ってしまいました。
でも、折角帝国の内情についての曲なんだし、君主は王じゃなくて皇帝が良かったなあ…EMPERORファンとしては。ってどうでもいいですね(笑)。


DRAGON GUARDIAN - 遥かなる契り ★★ (2008-08-19 21:38:00)

2008年発表の個人的に大期待してた2nd。
どの位期待してたかというと…入荷の3日くらい前からDISK UNIONや同人音楽を
取り扱ってる店を毎日覗いて、入荷されてるかチェックしてたくらい(笑)。
シンフォなメロスピを軸に歌謡曲/アニメソング的な歌メロ、SOUND HORIZON的な語り、
RPG的な世界観のコンセプトを取り入れたスタイルは前作同様ですが、今作では音質や演奏、
ヴォーカルの歌唱力など、メタルとしての根本的な部分を大幅に強化した感じですね。
今作でヴォーカルを取るMyrthaさんの声は、メタリックに歌ってるときの(陰陽座の)
黒猫さんに近いものがあるかもしれません。
こうした要素によって、メロのクサさにかまけてリフやオブリを疎かにしないという美点が
前作よりも更に際立ったように思います。特に「圧政の指揮者」のキーボード等は素晴らしく、
このアルバムを最初に聴いた時は外でウォークマンで聴いてたんですが、それにも関わらず
「おおー…」と喝采の声が出てしまいそうになったほど。
音自体は間違い無くA級にレベルアップしてると思いますが、余りにも大袈裟な語りが
あったり、説教してたキャラがあっという間に説得されたり、ちょっとB級っぽい部分が
残ってるのもまた魅力ですね。物語は複雑になってるようで、主人公が帝国の反勢力に
与してたり、いかにもRPGなアイテムが出てきたりやっぱり根幹は王道っぽい。竜も出るし(笑)
王道RPGなら「帝国」と来たら理不尽な略奪者で敵役、これは基本ですよね~(笑)
ただ、肝心の歌メロは、妙に壮大(≒ゆったり)になってしまった感じがして物足りない。
例えば勇者アーサーさんも褒めてた「(天空の城ラピュタの)君をのせて」は、例え歌メロだけ
単旋律のピアノで鳴らしてもクサメタラーに電撃を走らせる程のクサさだと思いますが、
歌メロのみを見た場合、今作にそれほどのパワーのあるものがあるとは正直思えない…です。
はっきり言って、歌メロはSOUND HORIZON辺りと比べると今作は今一つだと思う。
バックがかなり強化されてるので、それとの兼ね合いなのかもしれませんが、ここまで
思い切った音楽性を打ち出してるんだから、メタルとしての完成度よりも「サンホラも
ジブリ主題歌もまとめてぶっ潰してやるぜ」くらい、特に歌メロのクサさには拘って欲しい所。
個人的に、このバンドの最大の美点は妥協の無いメタルに他のメロスピではありえないくらいの
どキャッチーな歌メロが乗るところだと思うので…。
前作がメロスピと歌謡曲/アニメソングのクサさを掛け合わせた新奇さで話題性を獲得した
作品だとしたら、今作はメタルとしての完成度を高め、地盤を固める為の作品なのかもしれません。
いろいろキツく書きましたが、それだけ期待してもいるんですよね。この音楽性で
SOUND HORIZONやジブリ主題歌レベルの歌メロがあればマジで最強だと思いますもん(笑)


ATARAXIA ★★ (2008-08-18 15:47:00)

イタリア産ゴシック/フォーク/ダークウェイブ。
暗黒メタラー間でも評価の高いレーベル、Cold Meat Industryに所属してます。


ATARAXIA - Paris Spleen ★★ (2008-08-18 15:45:00)

詳細は分かりませんが、2006年発表の17thアルバムらしいです。
「フランス・パリのキャバレーを題材にしたコンセプトアルバム」「所属しているレーベルが
Cold Meat Industry」という2つのキーワードから、「これは頽廃的な雰囲気に浸りきらせて
くれる作品を期待できるのでは…」と思い買ってみたんですが、見事に期待に応えてくれるアルバムでした。
作風的には、アンサンブルにアコーディオンやピアノ、ストリングスやブラスなどを用いた
舞台音楽…という感じですが、ヴォーカリストのMadame Bistouriの妖しい表現力がかなり
光ってますね。元々曲自体の不条理性や頽廃性も強いですが、美しいソプラノから
おどろおどろしい語りまでをこなす彼女のヴォーカルがそれを何倍にも引き立てている感じ。
所属レーベルから期待されるようなダークさや妖しさはありつつも、意外にもメロディ自体は
華美で聴きやすい。この頽廃性と華やかさが同居する雰囲気、「享楽的」というと近いでしょうか。
アングラで前衛的な演劇を見ているかのような不条理な感覚を分かりやすく伝える音楽性は、
メタルで言うとUNEXPECTに通じる物があるかもしれません。
ともかく現実を忘れ、一時の享楽に浸るには最適のアルバム。
…それにしてもこのアルバム、かなり作りこまれてると思うんですが、もう17枚も作ってるんですね…。
世界観の演出は凄みを感じるほどに全くブレることがありませんが、こういう演出力もその賜物なのかもしれません。


EXHUMED - Garbage Daze Re-Regurgitated ★★ (2008-08-17 20:43:00)

2008年発表の、オリジナルとしては二枚目となるフルレンス。
C-CLAYSやソロでのインストメタルの作品と、彼がヴォーカルを取る「Karm:d」を両方
聴いた時、前者の路線に彼のヴォーカルを乗せたらきっと良いものが出来るんじゃないかと
思ってましたが、これは予想以上に凄い作品ですね…。
路線としては「闇深祭」「真遠の夜」の作風を踏襲しつつ、明確なサビのある分かりやすい
展開を設けヴォーカルを入れた…という感じなんですが、その結果シンフォ/様式美メタルの
煌びやかさやリフを始めとしたバンドアンサンブルへの妥協の無さ、V系のゴシックを噛み
砕いて分かりやすい耽美性を演出した世界観や取っ付きやすい歌メロなど、両者の長所を
上手く合わせ、更に高い次元に達したかのような素晴らしいメタル音楽が実現してます。
所々に見え隠れするプログレっぽい展開も、作風に更に深みを与えてると思います。
殊に素晴らしいと思うのはヴォーカルとメロディセンスの良さ。
ヴォーカルはラルク辺りに通じるV系寄りの歌い方なんですが、声質的に低音で歌い上げてる
時の(陰陽座の)瞬火さんにも通じる色気がある声でほんと素晴らしいです。本人は「好みが
分かれる」と言ってるようですが、確実に作品の売りになっているように思います。
メロディ、特に歌メロはV系ならMOI DIX MOISやRAPHAEL、同人シーンなら六弦アリスや
上海アリス幻樂団辺りの一流のクサメロ使いと互角に渡り合えそうなクサさ。特に7曲目が
素晴らしく、日本でも多くのメタルにはこんな良いメロディは少ないんじゃないでしょうか。
私は歌謡メタルが好きで、それだけに陰陽座の「魔王戴天」には少しがっかりしてたんですが、
そうした人もこの作品を聴いたら溜飲を下げるんじゃないかと思います。
敢えて言うならコンセプトの下敷きのストーリーがちょっと大味なのは気になりますが、
それもSOUND HORIZONやCRADLE OF FILTH辺りと比べての事で、色々と妄想を膨らましながら
聴くのには全く問題はないかと。帯にある「これを聴かずして様式美メタルは語れない」が
全く嘘に聞こえない作品。様式美メタルファン以外にもV系や歌謡メタル好きなら大推薦。
歌メロがいいので、意外とポップスファンでもいける間口の広さもある…かも。
最近ではASRIELやDRAGON GUARDIANなど、アマチュア出身でもDISK UNIONなどメタル関連の
店に置かれるバンドが多いようですが、この作品も是非置いて欲しいですね。
同人系の店よりも客層は確実にマッチすると思う。願わくば自主盤倶楽部などV系の店にも。
しかし、これで委託店舗のマージンも合わせて1260円は安いと思う。
これだけリキ入ったアルバムなら、普通のV系ならDVD付けて4000は取りますぜ(笑)。
まだ昨日買ったばかりなので聴き込み中ですが、個人的にはTRINACRIA、IHSAHN、KOKと並んで
今年のベストアルバム候補。アマチュア・同人のメタルシーンにもメジャーを脅かすほどの
質を持ったアーティストがいる事を知らしめる好例といえる作品だと思います。


鼓太蝋 - Live in the Nightmare - Ten ★★★ (2008-08-17 20:12:53)

乱舞するチャーチオルガン+ツーバス連打で疾走+弾幕的リフや、ダークなリフで焦らした後の視界が開けるようなソロなど、インスト部分だけを聴いていても物足りない感じは全くないですが、それでいて歌メロやヴォーカルも素晴らしいというのだから始末に終えません。歌謡メタルとして隙の無い、おっそろしい程の完成度を誇る曲。
でもギターソロ、後半ちょっとXっぽい気もしますが…何気に影響受けてるんでしょうか。


SONIC REIGN - Raw Dark Pure - The Martyr Urge ★★★ (2008-08-16 20:34:36)

この曲のメインリフはどこかフランスのプリミティブブラックのような毒々しさがありますね。こういうタイトな作風&クリアな音質でこういうメロディをやられると、フランス勢とはまた違った魅力があります。


SONIC REIGN - Raw Dark Pure - Deceit Doctrine ★★★ (2008-08-16 20:32:05)

このメカニカルな刻みを交えたりフ捌き、どうしてもTHORNS辺りを思い出さずにはいられないんですが、やっぱりかっこいいですね。低空飛行するヘリコプターが機銃掃射するようなイメージのリフ。


鼓太蝋 - Live in the Nightmare - Eternal Destiny ★★ (2008-08-16 20:28:24)

リズムが少し入ってる以外は殆どピアノソロのようなインストですが、この一瞬息が止まりそうになる程の切迫した、シリアスな雰囲気は…。ほんとマルチな才能がある人ですよね。


鼓太蝋 - Live in the Nightmare - Demon's Tear ★★★ (2008-08-16 20:25:05)

イントロから鼓太蝋さんのプログレッシブな感性が発揮された、エニグマティックなメロディで期待が高まりますが…特にサビメロは期待を遥かに超える素晴らしい仕上がり。まるでメロディセンスがトップギアに入ったときのJANNE DA ARCのようだわ…。
有り体に言えば、様式美メタル+V系/歌謡ロックのメロディとヴォーカルにちょいプログレ要素入れた感じですが、お互いがお互いを高めあい、単純な算術和とは比べ物にならないほどの出来になってると思います。元々様式美な音と耽美でキャッチーな歌メロって相性が良いものだとは思いますが、ここまでのものを聴かされるとぐうの音も出ません。久し振りに衝撃を受けた1曲。


鼓太蝋 - Karm:d ★★ (2008-08-14 11:05:00)

2006年発表の5曲入りマキシシングル。
インスト作品も多い彼ですが、このマキシは全曲ヴォーカル入り。
1~3はオリジナル曲で、V系よりのポップス/ロックにC-CLAYSや他のソロ作品でも
やっていたキーボードをフィーチャーした路線。1曲目や3曲目はなんかの主題歌とかの
タイアップが取れそうなキャッチーさがありますね。4、5は上海アリス幻樂団カヴァーで、
以前C-CLAYSで演ったものにヴォーカルを加えて新たにレコーディングしたものらしいです。
彼のヴォーカルはこの作品で初めて聴いたんですが、予想以上に素晴らしいですね。
中音域で割と子音を強調気味に歌う唱法で、V系…というかラルクっぽい雰囲気の歌い方。
「heavenly」の頃のhydeさんの音域を少し低めにして、中性的な感じを無くしたような
歌い方というと近いかもしれません。ともかく、作品やアーティストのウリとなれるだけの
魅力がこのヴォーカルにはあると思います。声の質自体が凄く良い。
まあ、ファルセットがウィスパーと聞き紛うような声量の無さだったり、歌詞が恋愛を
歌いながらライト過ぎていまいち機微が伝わらなかったり、多少気になる所もありますが
ヴォーカルの魅力で帳消しかと。特にHR/HM寄りの上海~カヴァーって、インストか女性
ヴォーカルが圧倒的に多いので、もっとヴォーカル曲を増やして欲しいです。
もうすぐフルヴォーカルのオリジナルも出るみたいですが、かなり期待できそうですね。


THY WORSHIPER - Signum - Crucem ★★★ (2008-08-13 23:27:02)

疾走パートのギターワークも華麗で素晴らしいですが、3分辺りからのいかにもな妖しい雰囲気がたまりません。異教の儀式の最中、焚かれたスモークの中に日常では決して出会うことのない、何か神秘的な存在が垣間見えそうになっているかのような感覚。


THY WORSHIPER ★★ (2008-08-13 23:27:00)

ポーランドのペイガンメタルバンド。
GRAVELANDとも繋がりがあるみたいです。


THY WORSHIPER - Signum - Ritus ★★ (2008-08-13 23:26:05)

LORD WINDの世界観を生楽器も使って表現したかのような壮大な曲。
神話の世界の、戦の舞台となった渓谷が目に浮かぶよう。このバンドのメンバーも、Rob Darkenと近い感性を持っているのかもしれません。


THY WORSHIPER - Signum - Diabolus ★★★ (2008-08-13 23:25:12)

後半の多重ヴォーカルパートが個人的に凄くお気に入り。
まるで村人全員に呪い殺されるかのような感じだわ…。ペイガンのこういう雰囲気って聴いてると何故か妙に落ち着くんですよね…日本人なのに(笑)。


THY WORSHIPER - Signum - Ignis ★★★ (2008-08-13 23:24:10)

1曲目からの切り返しが実にかっこよく、掴みとして申し分無し。
1曲目と繋がってるので、実質的に11分あるようなもんですが、結構ダレずに聴けますね。民族音楽もメタルも、両方とも高揚をもたらすものだから意外と相性がいいのかも。


THY WORSHIPER - Signum ★★ (2008-08-13 23:22:00)

おそらく2005年発表のデモのCD化再発盤。
デモと言っても、ちゃんとフルレンスと同じ長さがあるのでご安心を。

メロブラ風のトレモロリフやブラストビート、メロデス風のザクザク刻むリフやメロウなリードなどのメタル要素をベースに、祈祷師風(志方あきこ似?)のしゃくりあげる女性ヴォーカルやヴァイオリン、笛などによるエスニックなメロディを織り込んだペイガン・メタル。
最近ではTURISAS、ELUVIETIE、EQUILIBRIUMなどのメタルにペイガン・トラッド的なメロディを取り込んだバンドが人気を博してますが、この作品もそうしたバンドが好きな人にアピールしそうな叙情トラッドメロがかなりフィーチャーされてますね。

ただ、上記のバンドはエンターテイメント性やメタルとしての革新性など、聴き手をかなり意識して民族メロとメタルを融合させているように思えるのに対し、このバンドは呪術とか、エスノセントリズムなどの危険なものにリアルに傾倒していそうな、シリアスなヤバさが漂ってるのが決定的な違いかもしれません。取りあえず笛で楽しく踊ったり、RPGや映画などの創作的世界観を楽しむような感じで聴くのはまあ無理ですね(笑)。PERUNWITをメロデス化した感じというと近いと思います。

GRAVELANDを始めとして、PERUNWITやVELESなどポーランドのマジなペイガンメタルバンドって、一般的なメタルとしての価値観を半ば無視してまでペイガニズムを体現する傾向にあるような気がしますが、このバンドはこれを聴く限り根幹にしっかりとメタルとしての価値観が根付いてる感じですね。曲によっては激メロウなツインリードまで完備してたりしますし(笑)。

クサメロの流れでペイガンにはまった人に、今度は歴史や思想など文化的な部分にも興味を持ってもらうにも最適なアルバムなんじゃないかと思います。


ATROX - Binocular ★★ (2008-08-03 07:11:00)

2008年発表の5th。
Monikaが脱退してどうなるかと思いましたが、新作出してくれてちょっと安心。
でもこの作品の第一印象は、「え…これがATROX…?」でした(笑)。
サンプリングやスポークンワード、SEなどを多用しながらフューチャリスティックで
捻くれてて、頽廃的な風景を演出する作風はバンドサウンドで聴かせるスタイルながら
MANESの3rd辺りと共通する世界観を持っているように思います。
…っていうか、「ATROXの新作」というより、「MANESが2nd以降の感性をキープしつつ、
再びバンドサウンドに戻ってリリースした作品」と言った方が信じられやすそうな音ですね。
今までの軟体生物が触手を蠢かせるみたいなアンサンブルが続くようなスタイルに比べると、
今作はアヴァンギャルドで頽廃的な要素は残しておきつつ、展開がかなり明確になり、
取っ付きやすくなった感じ。意外にもヴォーカルラインが結構キャッチーだったりします。
1曲目から「ペプシコーラ」に聞こえるフレーズを連呼してて嫌でも印象に残る(笑)。
その歌メロを歌うヴォーカルはRune Folgeroという男性が担当してますが、ゴシックに
良くありそうな中音域の歌唱で、前任者のようなバンドの音自体を唯一無二のものにしてしまう
ような個性こそないものの、曲の奇妙なテイストを壊すことなくキャッチーに仕立てていて
悪くはないと思います。
メインのソングライター自体は変わってない筈なのに、こんなに変わるとは思いませんでした。
ほぼ別物なので今までの音楽性を期待する方には勧められないかもしれませんが、近年の
MANESやTHE 3RD AND THE MORTALが好きで、ああいう世界観をバンドサウンドで味わって
みたい方にはかなりお勧めです。


V : 28 - SoulSaviour ★★★ (2008-08-02 22:52:00)

2005年発表の2nd。
裏ジャケを見る限り、どうやら三部作の真ん中という位置付けの作品みたいですね。

このバンド、あまりブラックメタル好きの間で大きな話題を集めたという話は聞かないんですが、参加・関連メンバーがこの手を聴くリスナーから見たらかなり豪華。ENSLAVEDのGrutle(前作の一部ヴォーカル)やRED HARVESTのLRZ(プロデュース、ミックスなど)を初めとして、RAISON D'ETREのPeter Andersseon(一部作曲)やWHENのLars Pedersen(一部パーカッション)まで参加してます。次のアルバムではMZ.412までプログラミングで参加してるとか…後半の方は、もう北欧の恐い音楽アーティスト大集合って感じじゃないですか(笑)

肝心の音楽の方も、参加・関与メンバーの豪華さに負けないだけのものがあると思います。ブラック特有のトレモロリフだけでなく、メタリックなリフも効果的に使い、ミディアム中心でどっしりと聴かせる手法や音の質感などは近年のENSLAVEDにも通じる物がありますが、アトモスフェリックなキー、打ち込みのリズムやサンプリング、ダークアンビエント的なパートなども取り入れていて、音を通じて見えてくる風景はむしろRED HARVESTやVOID、MANES、初期ZYKLONのようなサイバーな感じ。ありそうでない個性的な音楽性だと思います。

もちろん、個性的なだけでなく、トレモロと刻みを上手く使ったリフ捌き、インダストリアル要素の導入のしかた、ヴォーカルのエグさなど根幹の曲自体の質も高いと思います。特にヴォーカル、ENSLAVEDのGrutleを少し低めにしたようながなりデス声ですが、真に迫った迫力はGrutle以上と言っても過言ではないかもしれません。

新品が安かったから買ってみたんですが、想像以上に良かったです。しかしRAISON D'ETREやWHENの名前をここで見る事になろうとは…。やばい連中は皆繋がってるんですね(笑)


ONDSKAPT - Dödens evangelium ★★ (2008-07-31 21:23:00)

2005年発表の2nd。
…もう裏ジャケなどで使われてるフォントからして期待してしまいますね(笑)

スウェーデンのブラックメタルシーンって、まずDISSECTIONやDARK FUNERALなどの寒々しく疾走するタイプのブラックが多くて、次いでSHININGやSILENCER、LIFELOVERなどの鬱系のブラック、WATAINやFUNERAL MISTのような邪悪方向特化型のブラックが台頭してきているという印象があるんですが、このバンドの音楽性はその後者二つを上手く纏めたようなブラックを演ってますね。

疾走するだけではない、聴かせる展開やリードギターを多く入れ、メタリックな音ながらメロディが救いようのない、乾いた鬱系のものであるところはSHININGにも通じる物がありますが、こっちの方が後半かなりノイジーに疾走するパートがあったりなどカルトな展開があり、SHININGと比べるとメタルとしての完成度より邪悪な雰囲気作りに重きを置いている感じ。WATAINが邪悪さを更に重視し、より一般のメタラーの価値観から離れた音になった感じと言っても近いかもしれません。
また、ヴォーカルも表現力があり、SHININGやSILENCERを思わせる悲痛系絶叫から

中~高音域でのマジな殺意の篭もったがなり、サタニズムの教義を説くような演説調などバリエーション豊かな歌い方を見せていてかなり上手い。頻度こそ多くないものの、SEの使い方も効果的で、特にラストの何かが産まれたような声には戦慄が走る…。

このアルバムのリリースにはあのNorma Evangelium Diaboliが絡んでいるようですが、確かにNED系バンドにも通じるシリアスな邪悪さがあるように思います。SHINING、WATAIN、FUNERAL MIST辺りが好きな方にお勧め。ただ、上記のバンドと比べるとちょっとカルトな雰囲気が強いので、ブラックメタルをある程度聴き込んでから手を出した方がいいかもしれません。


HATE ETERNAL - Fury & Flames - Whom Gods May Destroy ★★★ (2008-07-30 18:40:01)

この不気味なリフのメロディはかなり印象に残るなあ…微妙に明るさが混じってる気もしますが、それも悪魔の大群が人間狩りをしながら行進をしているような、本人達は楽しいけど人間から見たら畏怖や恐怖の対象でしかないような雰囲気になっているように思います。


HATE ETERNAL - Fury & Flames - Hell Envenom ★★★ (2008-07-30 18:38:54)

こういう全編が怒りの感情で統一されたようなアルバムだと、どうしても1曲目の印象が強くなってしまいますね…特にトレモロリフのメロディ、音の圧に潰されて出た亡者のうめきがメロディになってるみたいで恐い。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely - Make No Mistake ★★★ (2008-07-30 18:37:13)

これは凄まじいですね…ただでさえど迫力のメタルサウンドを、ノイズが一歩も二歩も押し上げている感じ。圧力を感じる刻みリフと破壊的ノイズの相性は抜群で、聴いていると息が出来なくなりそうです。毒電波を受信して狂いだしたENSLAVEDという雰囲気の曲。かっこよすぎでしょう。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely - The Silence ★★★ (2008-07-30 18:36:17)

ノイズとメタルの最大限に劇的な混交、といった感じの曲。
メタリックに疾走しつつも何度もノイズの落とし穴に落ちるようなちょっと滑稽な前半、ノイズに浸食されたカオスの中から不意に見えるメロディが美しい中盤、魔女の大釜で煮込まれるような気味の悪いメロディの聴ける後半と、どこを切り取っても印象に残る完成度の高い曲。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely - Travel Now Journey Infinitely ★★★ (2008-07-30 18:35:21)

トレモロリフと女性Voの見せる情景が美しい曲。
なんですが、この音からは地球最後の日、逃げ惑う群集を見ながら自分も地球と運命を共にする…みたいな光景が浮かんできてしまいます。人類自体のエンディングテーマ…みたいな雰囲気がある(笑)。女性ヴォーカルもラストは狂いまくりだし。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely - Turn Away ★★★ (2008-07-30 18:34:23)

3曲目のようなガツンと来る曲でなく、こういうジワジワくる曲を頭に持ってくる辺り少しカルトかも。音圧が大きくなり、悲鳴のような音が混じってくる辺りからもう恐怖感でこの場から逃げたしたくなるような音になってきますが…逆にそれが快感(笑)。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely - Breach ★★ (2008-07-30 18:33:41)

ギターの奇妙なメロディに脳がやられそう…スピリチュアルな世界に傾倒している人が聴いたら、本当に何か超常的なものと交信出来てしまいそうな曲。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely - Endless Roads ★★★ (2008-07-30 18:32:35)

日常に現れた小さな軋みが段々大きくなり、遂にはそこから何か圧倒的な存在が降臨し、完全に日常が崩壊していく様を描き出したかのような曲。スピーカーの周りに魔界に通じるゲートとか開きそう。Grutleのヴォーカルも、威厳があって曲の雰囲気を更に濃いものにしてます。


TRINACRIA - Travel Now Journey Infinitely ★★★ (2008-07-30 18:30:00)

2008年発表の1st。

TRINACRIAはブラック/ヴァイキングメタルバンドのENSLAVEDと、ノイズデュオのFE-MAILのメンバーが立ち上げたプロジェクトみたいですが、音楽性も正にメタルとノイズを融合させたという感じですね。メタル:ノイズの割合は6:4くらいで、どっちかと言うと核はメタルの方にある感じ。

…DEAD RAVEN CHOIRやSTALAGGH、ILDJARNなどブラックメタルから派生したバンドにもノイズに足を突っ込んだような音楽性のバンドがいますが、そうしたバンドは割と加減を知らない所があるのに対し、FE-MAILは本職のノイズデュオだからか、ノイズが普通の音量で聴いていたら耳を痛くするような大きさになったり、不快に感じるような音色になったりといったことがなく、スマートに音楽性をかっこよく、聴いていて心地の良い物にしているという印象。

ノイズ系って難解で聴きづらいものをありがたがって聴いている(私は全くそうは思わないんですが)…みたいに揶揄されてるのを良く見ますが、このバンドの音楽性にそうしたスノッブさは全くなく、曲の情景を更に鮮明なものにしたり、迫力を増したり、陶酔感を強めたり、展開に妙味を設けたりなどに効果的にノイズが用いられているという感じで、むしろ初聴きの時から引き込まれるような当たりの良さがあるように思います。ノイズとメタルの陶酔感を掛け合わせたような曲やノイズがメタルの攻撃性を更に触発する曲など、一曲毎の個性もあり結構取っ付きやすい感じがします。

しかし、骨太なヴァイキングメタルを聴かせるENSLAVEDが、こういうアヴァンギャルド/プログレッシブな方向に興味を持っていたというのは意外ですね…。ENSLAVEDってブラック/ヴァイキング以外に、プログレメタルの文脈で語られる事も多いようですが、骨太な裏に潜む幽玄さに、このTRINACRIAに通じるプログレ性を感じ取ったリスナーが多いということなんでしょうか…。


MAPLE LEAF - 音のコンパス - Run for Your Life (2008-07-29 07:48:53)

「Eternal Story」と同路線の、いかにもガストっぽいポップでアップテンポな曲。…なんですが、「Eternal Story」と違っていまいちヴォーカルの旨みを引き出すようなメロディになってない気が…サビが高音に寄り過ぎてて、少し苦しそうに聞こえる感じ。メロディそれ自体の扇情度はそれなりに高いんですけどね…。


MAPLE LEAF - 音のコンパス - True World (2008-07-29 07:44:13)

これは歌詞やタイアップ作品のタイトルを見る限り、神曲「Silent Flame」と深い関わりがあるみたいで期待してたんですが…正直いまひとつですね…。爆竹が破裂するようなリズムがうるさかったり、色々凝り過ぎてる感じ。霜月さんのVoも、タイトルの二重子音の発音とか微妙だし…悪くはないけど、個人的には佳曲止まりかな…。


MAPLE LEAF - 音のコンパス - Leap into High ★★ (2008-07-29 07:40:16)

ストリングスといい歌メロといい爽やかな印象の曲。
メロディには爽やかさの裏に哀愁も感じられますが、憂いというよりは甘酸っぱさといった方が正しい雰囲気。ゲームの曲らしいですが、ゲームよりも現在進行形で恋愛中の純朴高校生が青空の下自転車を漕いで登校してる時のBGMなんかに最適…だと思います(笑)。


MAPLE LEAF - 音のコンパス - 泡沫 ★★★ (2008-07-29 07:36:33)

幻想的で、シリアスな雰囲気が漂う曲。
…霜月さんの儚さと意志の強さを感じさせるヴォーカルは、こうした世界観をただの虚構に終わらせず、リアリティを持って聴き手を引き込んでいくような魅力があるように思います。曲の完成度、メロディの扇情度も非常に高く、聴いている間は完全に現実を忘れ、世界観の中に耽溺させられてしまう感じ。


MAPLE LEAF - 音のコンパス - とある忘れられた丘にある灯台守の手紙 ★★★ (2008-07-29 07:32:46)

ヴォーカルハーモニーを多用した、スケールの大きな曲。
曲はガストの土屋さんが作ってますが、霜月さんがファンタジー系音楽を演っているのと同じくらい、彼がファンタジー系ゲームの音楽を担当しているのは正しい選択だと思う。メロディだけでも世界観が出来てしまってる感じ。この曲をラストに置いた事で、「あしあとリズム」と違った雰囲気のアルバムになったんじゃないかと思います。


MAPLE LEAF - 音のコンパス - ひまわり ★★★ (2008-07-29 07:25:30)

こういうノスタルジックなポップスで、アニメ/ゲーム関連の曲ってパステルカラーのクレヨンで情景が描かれているような、独特のフィーリングがあって好きなんですよね。この感じが味わいたくて、知りもしない作品の音楽を聴くのかもしれません。
好きな人と言葉を交わしたときに、心がほっこりと温かくなって、生きている事が実感できるような感情、そうした心の機微が感じられる曲。軽薄な恋愛の歌は大嫌いですけど、こういうのは本当に心に染みる…。


MAPLE LEAF - Unendliche Melodie - 蝶 ★★★ (2008-07-29 07:15:33)

熱が引いていくような、冷たさのようなものが感じられる曲。この曲は珍しく霜月さんのヴォーカルがどこか官能的な響きを帯びているような感じがしますね。それが曲の印象を更に深くしてるように思います。ブレスが多いからそう聞こえるのかも。


CARPATHIAN FOREST - Defending the Throne of Evil ★★ (2008-07-27 19:29:00)

2003年発表の4th。
ブラックメタルのサタニックな雰囲気を表現するのには、例えばオールドスクールなリフ捌きで
ダーティさを演出したり、キーボードを上手く使って妖しさやおぞましさを感じさせたり等の
手法がありますが、このアルバムはその二つを同時に演っている結構珍しい路線の作風。
キーボードはメロディ面よりも、冷たさや邪悪さを感じさせる音で雰囲気面に貢献している
感じで、オールドスクールなリフが軸にあるブラックメタルという感じですね。
サックスも導入したりしてますが、当然それによって聴きやすくなったりすることはなく、
異形の何かを召喚しているような妖しさがあり、全体を通じてマジな邪悪さが感じられます。
Nattefrostのヴォーカルもやはり大きな魅力の一つでしょう。
次作のような箍が外れたようなイキっぷりではなく、典型的なブラック特有の高音がなりで
割とちゃんと(?)叫んでいる感じですが、キレの良さや迫力はジャンルでもピカ一ですね。
また、高音の後ろに低音デスヴォイスを重ねるアレンジを多用してますが、それによって
悪魔に憑かれた男が叫んでいるようないような異様な雰囲気が出てます。
キーボードの悪霊の声のような禍々しい音色でのアトモスフェリックさの演出、Nattefrostの
ヴォーカルの凄まじさ、バンドサウンド自体のかっこよさなどベテランらしい凄みのある作品。
シンフォとオールドスクールの合わせ技の醸し出す邪悪さ、ブラック好きなら是非味わいましょう。


MIRRORTHRONE - Carriers of Dust ★★★ (2008-07-26 11:34:00)

2006年発表の2nd。

クレジットによると、作曲や演奏だけでなく、プロデュースやミックス、マスタリングに至るまでVladimirという人物が家で行ったと書いてありますが…信じられない。天才と呼ばれるアーティストが多いこの界隈、彼は天才の中の天才と言えるのでは…。

路線的には、チャーチオルガンやチェンバロ、フルートやストリングスなどが舞い踊る、LIMBONIC ART(の2nd)やANOREXIA NERVOSA辺りにも匹敵する、もしくはそれ以上のシンフォニック・ブラック。20分越えの曲を含む、大作主義でドラマティックな作風も大きな特徴と言えるでしょう。

また、これだけシンフォにしながらも、バンドサウンドの方もブラックらしいトレモロを随所に織り込んだフレーズ面、音の壁が立ちはだかるような音響面でもシンフォ要素に負けてないのが素晴らしい。
ただシンフォな音をメタルサウンドに乗せるだけでなく、その二つが絡み合い更なる高みに上り詰めていく様は圧巻。

展開も平均10を超える大作をスムースに聴かせるだけの巧みさがあるし、メロディもこれだけクサメロを乱舞させておきながら、変にダサくならず、常に厳かでどこか背徳的な香りを漂わせている辺り本当にセンスが良い。

ヴォーカルも低音デスヴォイスには下手な専任Voよりずっと迫力があるし、OPETH似の普通声もアカペラでセルフハモり入れるパートでも全くアラみたいなものを見せない歌唱力の高さがありますね。
音質もシンフォ要素とバンドの音の両方をクリアに聴かせる鮮明さで、音量も適正な大きさで全くもって問題無し。

…しかもブックレットの写真を見ると、Vladimir氏はなかなかのイケメン。
ほんと、憎たらしいくらい欠点が見つからないですね(笑)。敢えてアラを探すとすれば、ドラムの音はもう少し改善の余地アリかも。このクオリティならば、シンフォ系苦手な人でも何か凄いものに触れた事は分かるでしょう。こんな凄いものを独りで作り上げた人がいる事がまず驚きだし、この質で日本盤出ないのはもっと驚き。シンフォ・クサメロ好きなら必聴です。


SONIC REIGN - Raw Dark Pure ★★★ (2008-07-25 22:39:00)

2006年発表の1st。

バンド名のSONICはモダンな要素の、REIGNはオールドスクールな要素の象徴で、その二つを上手く統合したブラックメタルを志向しているバンドらしいですが…ギターリフはシャープに、ツーバスは心地良く聴かせるクリアな音質、厭人的な感性を無機質さに転化したようなメロディを練りこんだリフ捌き、時折挿入されるロック的なリズム、切れ味の鋭く威厳のあるヴォーカルのがなり声など、「Rebel Extravaganza」~「Volcano」期のSATYRICONにかなり影響を受けている事がモロに分かるサウンド。

特にヴォーカル、がなり声だけでなく、預言者の呟きのような語りまでそっくりだったので最初聴いた時はちょっと笑っちゃいました(笑)。刻みとトレモロをメカニカルに組み合わせたリフや、2曲目のマーチっぽいリズムの入れ方などを聴くと、復活後のTHORNSにも相当影響を受けてるんじゃないかと思えます。

ただ、曲の展開はリフのかっこよさやバンドサウンドの勢いで押す、あくまでオールドスクールな感じで、SATYRICONやTHORNSのようなアヴァンギャルドな展開、インダストリアルな音作りは希薄なので、それらのバンドと比べてかなり聴きやすい印象。

SATYRICON「Rebel Extravaganza」「Volcano」やTHORNS「Thorns」を擦り切れるくらい聴きまくった人が作ったんじゃないかと思えるようなブラックですが、ヴォーカルの迫力、リフのかっこよさや展開の上手さなど基本的な質は1stにしてメジャーバンドを喰いかねないくらい高く、単なるフォロワーではないセンスのあるバンドだと思います。

特に前述のバンドの雰囲気は好きだけど、もう少し分かりやすい方が良いというリスナーは抜け出せなくなるくらいハマるかもしれません。個人的には大当たりのアルバムです。でも、やっぱり聴いていて「恐い」よりも「微笑ましい」と思ってしまいますが…(笑)


堕武者 ULTRAVIOLENCE - 東方悔恨譜~regret Will Prevail. ★★ (2008-07-25 22:34:00)

2008年発表の2nd(多分)。
最近、ゲーム音楽のクサメロはメタルサウンドと意外にも相性が良い事が分かってきた
せいなのか、そうしたカヴァー作品が(地下で)流行してますが、まさかグラインドでそれを
やるバンドが出てくるとは…しかも本作は、メロの質には定評があり、私自身そのメロディ
センスは素晴らしいと思う上海アリス幻樂団のカヴァー。
グラインドの激烈なリズムの心地良さと、ゲーム音楽のクサメロの高揚感を同時に求める
なんて、二兎を追うものは…になってしまいそうですが、凄いですね、ちゃんと二兎とも
捕まえられてる感じです。1曲目などで聴けるテープノイズが掛かったような音のシンセ
(この音はもっと使って欲しかった)など、メロディを担当する音の選び方も上手いし、昭和の
CMソング風の歌と子供の泣き声や、AVの喘ぎ声などゲームとなんの関連性も無さそうなSEの
使い方も面白い。特に前者は不条理な感じがして結構恐いです。
17秒で終わるショートカットチューンまで完備で、本格的にグラインドしてます。
ただ、ヴォーカルがデスヴォイスでも下水道でも禍々しい非人間的絶叫でもなく、マキシマム
ザホルモンのダイスケはん似のキャーキャーうるさい声(しかも線細すぎ)なのはかなり不満。
ホルモンみたいな曲調ならともかく、こういう曲調だとジョークっぽさが感じられてしまい、
せっかく面白い試みをしているのに、出オチっぽい雰囲気が漂ってしまってるのが残念。
これで初期BEHERIT並のマジな殺意が感じられるヴォーカルだったら、ネタや新奇性では
到底済まされない、恐ろしい名盤が誕生したと思うのに…。個人的にはもう一歩って感じです。
あと、ラストにメンバーのトーク(+オリジナル曲)が入ってますが、ボイスチェンジャーで
声が変えられていてなんか可愛いです(笑)。ちなみに、トーク(とオリジナル曲)を除くと
演奏時間は10分程度なので、購入する時は注意。


堕武者 ULTRAVIOLENCE ★★ (2008-07-25 22:30:00)

このサイトではアーティスト名に+の記号が出ないみたいですね。
正しくは「堕武者+ultraviolence+」です。


DARKSPACE - Dark Space Ⅲ ★★★ (2008-07-24 18:24:00)

2008年発表の3rd。
青黒い盤面が実にお洒落で、見ていてなんか癒されます(笑)

質量感・奥行きのある音響的ギターノイズに神秘的なキーボードを絡め疾走する事で独自の宇宙観を演出し、ブラック好きの間でも高い評価を得たDARKSPACEですが、今作もその路線自体に大きな変更はなく、前作よりもいい意味で聴きやすく、洗練された作風になっていると思います。

まず耳につく変化はギターリフに、存在感のある刻みを取り入れていること。前作は聴いていて宇宙に吸い込まれるような感覚を覚えたんですが、今作はこうした変化のお陰で宇宙自体が意志を持ってこちらを食い殺しに来ているかのような恐さも同時に感じられますね。普通刻み入れたらグルーヴィになりそうですが、こうした要素をあくまで音響面に貢献させているセンスは流石。

また、一曲一曲が短くなった(と言っても平均10分以上ですが)こと、キーボードによるメロディの存在感がより大きくなった事で、前作よりも取っ付きやすくなったんじゃないかと思います。まあ、トータルの演奏時間は約80分とCDの記録面ギリギリまで入ってるし、やっぱりカルトはカルトである事に変わりはないんですが。

ぶっちゃけ、作風に大きな変化はないだろうし、2nd持ってるから今作は買わなくても良いかな…とも思ったんですが、この内容なら買って良かったです。前作は気分じゃない時に聴くと少し辛い部分もあったんですが、今作はそういう時に聴いてさえ取り込まれてしまうくらいのレベルの高さ。

DARKSPACEを聴くなら、まずはこの作品がお勧めです。


SETHERIAL - Death Triumphant - For Dem Mitt Blod ★★★ (2008-07-24 18:20:55)

再録だからか、他の曲とカラーが違う感じがありますね。
メタリックさが他の曲よりも薄い代わりに、ブラック的な情景描写はより繊細な感じ。特に広がりのあるリフ捌きが素晴らしいです。これも名曲レベルだし、デジパック盤が手に入って本当に良かったと思います。


SETHERIAL - Death Triumphant - Devilry, Wickedness and Scorn ★★★ (2008-07-24 18:19:49)

メタリックな高揚感を伴う刻みリフと、ブラック特有のトレモロ疾走を上手く組み合わせて劇的にする曲調は、WATAINや昔のDISSECTIONにも通じるセンスの良さがあるように思います。やっぱりこのバンド、曲の質は一流ですね…。


SETHERIAL - Death Triumphant - Relinquishment From The Unlighted Chambers ★★ (2008-07-24 18:19:03)

ギターとベースのトレモロでのハモリが印象的な曲。
メランコリックなだけでなく、どこか魔界の風が吹き付けるような禍々しさもありますね。


SETHERIAL - Death Triumphant - Aeons of Bloodlust ★★★ (2008-07-24 18:18:16)

悲愴の渦に叩き込まれるような激メロウなリフ捌きが素晴らしい曲。
メロウなパートの多い今作ですが、中でもこの曲のリフが最もメロウだと思います。ギターが引く箇所ではベースがトレモロを弾いたり、全体を通じて緊張感の途切れないクオリティの高い曲。


SETHERIAL - Death Triumphant - The Limbo of Insanity ★★★ (2008-07-24 18:17:35)

いきなりのメロウ極まりないトレモロリフ、ヴォーカルの掬い上げるような歌い方にベース、ギターが同調するパート、後半のブレイクを多用した禍々しい疾走など印象に残る展開の多い曲。アルバムの掴みとしても優れた曲だと思います。


SETHERIAL - Death Triumphant ★★ (2008-07-24 18:14:00)

2006年発表の5th。
この作品はファスト/ブルータルブラックに分類されるんでしょうか。
ファスト一辺倒ではなくて、ミディアムパートも上手く使って展開を聴かせるタイプで、
浮き上がって鮮明に聞こえるトレモロリフのメロウさはこの手の中でもかなり上の方と言えそう。
DARK FUNERALなどのブルータリティで攻め立てるタイプよりも、WATAIN辺りの禍々しい
雰囲気と展開の上手さで聴かせるタイプのブラックの方が比較対象としては近そうな音だと思います。
この手にしては曲がバラエティに富んでいるし、雰囲気もジャケ通り濃いし、総じて
ブラックとしての質も高いと思います。
ただ、曲の質自体は高いんですが、音質はちょっと煮え切らない感じですね…。
ベースもはっきり聞こえ、トレモロリフをフィーチャーしたパートではそれを前に出した
クリアな音質は曲のメロウさや邪悪さを良く伝えてるんですが、ドラムの音は軽い上に音量が
大きく、バタバタした印象が。正直、このせいで特にミディアムパートの説得力が薄れて
しまってるのように思えてならないのが、何とも残念。
この曲のクオリティの高さで、例えばWATAINの「Sworn to the Dark」のようなブラックの
どす黒さとメタルとしての整合性を同時に満たすような音質だったら、ブラック史に燦然と
輝く名盤になったかもしれないと思うのに…。聴く度に複雑な気持ちになってしまう、
なんとも惜しいアルバム。しかし、このバンドのメンバーは強面ですね…(笑)。


NINE INCH NAILS - Ghosts I–IV ★★ (2008-07-24 18:09:00)

2008年発表の6th。インスト二枚組の作品。
今作は「The Hand That Feeds」「Starfucker Inc.」のようなキャッチーな曲はなく、
実験的な作風の曲が中心で、「The Fragile」アルバムからヴォーカル等のキャッチーな
部分を取り去り、実験的な部分をクローズアップしたような感じのアルバム。
…なんですが、個人的な印象では今までのNINの作品の中では最も「病んでる感じ」が薄い
作品だと思います。音と音を組み合わせて、新しい音の響きを生み出す事をTrent自身が
楽しんでいるんじゃないかと思えるような音で、聴いていて中てられてしまうような
「The Fragile」に対し、こちらはTrentの実験に興味深く付き合っていける感じですね。
変わった構成の作品ですが、独特のノイズ質や儚いピアノなどにはやっぱりNINらしさが出てると思います。
私は輸入盤を買ってしまったんですが、国内盤はTrentによる肉声の解説DISKが付くらしいですね…
国内盤の特典でもかなり豪華なのでは…早まってしまいました(苦笑)。


EARTH - HEX; or Printing in the Infernal Method ★★ (2008-07-23 18:24:00)

2006年発表の多分5th。
サブタイトルは恐らくイギリス・ロマン派の詩人ウィリアム・ブレイクが詞を銅版に腐食を
使って書き付けた印刷法の事で、ブレイク曰くこの印刷法には目に見える表面を融かし去り、
隠された無限を露わにする効果があるとか。
…何気にブレイクって暗黒メタルの連中に人気があるような(笑)。
さて、今までは耳で聴くというよりも体で感じるようなドローン/ドゥームを演ってきた
EARTHですが、今回は随分と方向性の違う音ですね…。ブルージーで寂寥感のあるインスト
作品で、アメリカの西部開拓によって住む場所を追われた先住民のドキュメタリー映画の
サウンドトラックに使われそうな、イマジネーションを刺激する音になってしまいました。
残響音の響かせ方など、音響へのこだわり方にはやはりドローンっぽさがあるかもしれません。
…でも、それだけじゃなく、スタイルは変わってもやはり体調悪いときに聴いたら更に
悪くなりそうな、ダークな雰囲気も漂ってる感じもするんですよね。「病んでる」とも、
「禍々しい」とも違う独自の暗黒性を追求している感じ。
「Earth2」辺りが体で感じられる音だったのに対し、こちらは聴き手の脳裡に映像を
描き出すような音で、どちらも聴覚器官を刺激する以上のものがあるという点では
共通しているように思います。正直、こういう作風って音と意識のシンクロ度が低い状態で
聴くとちょっとつまらなく感じてしまう事もあるんですが、ツボに嵌まったときの効果は
どんなエクストリームメタルよりも高いかもしれません。


ENDLESS DISMAL MOAN - Ruin - Cage of Chaos ★★★ (2008-07-23 18:21:57)

これだけファストに疾走しているし、ドラムには炸裂感もありますが全く爽快感などとは無縁の音ですね…。音によって生み出されたどす黒い何かが絡み付いてくる感じ。ほとんどヴォーカルとしての役目を果たしてないような、殺気の篭もった絶叫Voも凄まじいです。


ENDLESS DISMAL MOAN - Ruin - Calamitous Day ★★★ (2008-07-23 18:21:15)

闇の中に響く「Calamitous Days」の連呼が印象的な曲。
キーの使い方も実に効果的に恐怖を煽ってくれます。遭難した夜の山の中、遂に明かりを発見するもそれは邪教の儀式で、逃げようとするも突然の生贄に色めき立つ信者の手に落ちてしまい、結局は食人神に捧げられてしまった…みたいな体験を部屋にいながらにして味わえます(笑)。


ENDLESS DISMAL MOAN - Ruin - JYUSO ★★★ (2008-07-23 18:20:05)

贔屓目かもしれませんが、この血飛沫が上がるようなリフのノイジーさ、本職のノイズに匹敵するくらい心地良いです。リフ自体も妖気…というか、人魂の飛ぶ軌跡を思わせるような霊気の感じられるメロディで本当に素晴らしい。でもタイトルは普通に感じの方が、外人にとってはより恐かったのでは…?


ENDLESS DISMAL MOAN - Ruin - Ruin ★★★ (2008-07-23 18:19:24)

打ち込みドラムでファストに疾走してますが、威風をも感じさせるリフ捌きもあって大きく構えているような印象もありますね。ミニマルな曲調なのに、スケールの大きい暗黒の渦に飲み込まれていくような感覚を味わえる名曲。


ENDLESS DISMAL MOAN - Ruin ★★★ (2008-07-23 18:17:00)

2007年発表の3rd。

打ち込みのファストなリズムに暗黒トレモロを主体としたリフを乗せたプリミティブスタイルのブラックを軸に、キーボードインストやダークアンビエント寄りの音も絡めた作風の音ですが、これ、プリミティブ・ブラックとして滅茶苦茶質が高いんじゃないでしょうか…。

3部作期のDARKTHRONE並か、それ以上のリフセンス、GORGOROTH並の堂々とした邪悪さに日本特有の霊気漂うメロディセンスを加えた感じでしょうか。とにかく音のどす黒さに掛けては右に出る者がいないといっても過言ではないほどで、黎明期から活動してる北欧のカルトバンドの新作、といっても普通に信じられそうなくらい確信に満ちた邪悪さ。っていうか、個人的には北欧勢よりも邪悪さでは勝っているような気すらします。

また、プリブラスタイルの曲以外のダークさも特筆もの。
「Atomosfear」なんかは主旋律はメロウなものの、伴奏のキーが不気味すぎでホラー映画に使おうとしても、気味が悪すぎてエンターテイメント性を消してしまうので断られそうな程の邪悪さだし、ラストのダークアンビエント「I」はNORTTにも匹敵する程の絶望感。

最近質の高さで注目を受けている日本のブラックシーンでも、邪悪さや暗黒を表現するセンスではトップに位置するのは間違いないでしょう。でも、これ程の作品を作る才能を持っていながら、このバンドを独りで演っていたChoas9氏は亡くなってしまったようですね…

このまま行けば、間違いなく日本が世界のアンダーグラウンドシーンに誇れるバンドになったと思うし、本当に惜しいです…。ご冥福をお祈りします。


HATE ETERNAL - Fury & Flames ★★ (2008-07-23 01:19:00)

2008年発表の4th。
HATE ETERNALは初めて聴きましたが、「凄まじい」としか言えないですね(笑)。
例えるなら、MORBID ANGELの暴虐な部分、禍々しい部分のみを取り出して純粋培養した
感じというと近いでしょうか。MORBID ANGELと比べると神秘性は薄めですが、デスとしての
アグレッションでは明らかに上で、40分間ノンストップの蹂躙サウンドが楽しめます。
…ただ、ラストのインストを除いてずーっと暴虐暴虐暴虐、蹂躙蹂躙蹂躙みたいな音なので
一聴する分には曲の区別が今一つ付けづらいかもしれません。尤も、この手の音は聴いてて
その暴虐さや禍々しさに気持ち良く飲み込まれる事が出来るかどうかが重要なので、
そんな事は全くマイナスにならないと思います。よく聴くと曲毎に結構印象に残るリフが
あったりしますし。でもラストのインスト、いかにも「これから地獄巡りが始まる」的な
雰囲気なので、私的にはアタマに持ってきて欲しかった…かも。
あと、このアルバムはジャケやアートワークもいかしてますね。
右の般若、何故か体が貧弱っぽいし左の人物と比べて縮尺が大きいし、何をするでもなく
佇んでるしで実にいい味出してます(笑)。歌詞カードのイラストも締めは般若だし(笑)。


CROW'SCLAW - Frozen Frog - Crow Called Windgirl ★★ (2008-07-22 19:18:01)

荒野をジープで走っているような土臭い雰囲気のある曲。
こういうアレンジなら、弾幕系STGよりもワイルドアームズのフィールドとかで流れてた方がしっくり来そうかも。


CROW'SCLAW - Frozen Frog - Mystery Metropolis ★★★ (2008-07-22 19:17:12)

原曲は「天空の花の都」という曲らしいですが…そういう二つ名が当てはまりそうな、風光明媚な観光地にトリップしたかのような感覚が味わえる曲。情景の描き方はどこかプログレにも通じる物があるかも。聴いていると夢心地になれます。


CROW'SCLAW - Frozen Frog - R'N'R 1969 ★★★ (2008-07-22 19:16:22)

荒くれっぽいワイルドな雰囲気を感じさせつつも、広がりのあるギターリフはどこか繊細さも感じられて、綺麗。今作の中では速いし、リフのインパクトもあるし、個人的にはこのアルバムの中で最も好きな曲。


CROW'SCLAW - Frozen Frog - Cirno Blues (2008-07-22 19:15:30)

まさかこのメロディで典型的なブルースを演るとは…
初めて聴いた時は結構衝撃でした。


CROW'SCLAW - Crossfire Barrage - Necro Phantasia ★★★ (2008-07-22 19:13:31)

ネクロ(「死」を意味する接頭辞)なんて物騒な単語が使われてますが、実際はとてもヒロイックなメロディで疾走していく爽快極まりない曲。死をイメージさせるというよりは、ヒーローが怪人を薙ぎ倒す場面だとか、RPGでの敵役との決戦とかで流れてそうなイメージ。主旋律のちょっとした隙にオカズ的なメロディや刻みを捻じ込んでいくギターワークも実に熱い!!


CROW'SCLAW - Crossfire Barrage - Mountain Of Faith ★★★ (2008-07-22 19:12:43)

ドラムと一緒に音の弾幕を張ったり、主旋律を際立てたり掛け合いっぽくしたりするリフ捌きが素晴らしい曲。メタルってアンサンブルが重要だと思うんですけど、単にメタルにゲーム音楽のメロディを乗せたに留まらないアンサンブルを聞かせてくれるこの曲は、ランキング付けたらジャンルの中でもかなり上位に行くんじゃないでしょうか。終始インテンス&ハイテンションな名曲。


CROW'SCLAW - Crossfire Barrage - Scarlet Devil ★★★ (2008-07-22 19:11:57)

1曲目のイントロからこのメロディアスさ…。
インストで、がっつりしたメタルを聞かせてくれるのに、曲の8割くらいが一緒に歌えそうなメロディで締められているというどキャッチーな曲。「メロディック~」とつくジャンルのメタルにも、なかなかここまで上手くメロディを聞かせられる曲はないでしょう。


CROW'SCLAW - Crossfire Barrage - Still Winter ★★★ (2008-07-22 19:10:49)

シャッフルのリズムのグルーヴが心地良い曲。前作の作風にも通じるワイルドな雰囲気を醸し出しながら、どこか洗練されているという印象もあります。こういう曲の質も高いからこそ、アルバムの流れも締まるんですよね。


IRON ATTACK! - EVIL MOUNTAIN ★★ (2008-07-22 00:21:00)

上海アリス幻樂団のインストメタルカヴァー第二段。2007年末発表。
このアーティスト、CAVEのアレンジも演ってるんですね…弾幕系好きなんでしょうか。
私はSTGはジョジョの格ゲーのミニゲーム以来やってないなあ…(笑)。
PS2で出来るもので面白いSTGがあれば教えて頂きたいです…ってどうでもいいですね(笑)。
この作品は主に主旋律をシンセに担当させてますが、その音色の選び方がかなり良いです。
浮遊感のある音色で幻想的・幽玄な雰囲気を醸し出したり、エレピでメロディの清浄感を
引き出したり、笛っぽい音でクサいメロディを更にクサく聴かせたり…。
あまり似たような音色で引っ張りすぎる事もなくて好感触。
また、IRON ATTACK!や関連バンドのLIGHTNINGは海外からも注目されているほど有名な
メタルバンドらしいですが、それだけにリフの組み立て方やリード—ギターなど、
HR/HMとしての根っこがしっかりしてる印象があります。特に6、7曲目で聴ける速弾き&
ツインリードは、そこだけ聴いてもカタルシスが得られるくらいに素晴らしい。出来ることなら
4曲目のアコギや7曲目のツインリードは、フェイドアウトせずもっと聴いていたかったなぁ…。
ただ、何故か音質はちょっと篭もり気味で今一つ。なんか昔のメタルを聴いてるような感じで
微妙ですね…。あと、リフそれ自体は確かに高い評価を受けてるメタルバンドの矜持を
伝えるかのようなかっこよさなんですが、主旋律との絡みは正直いまいちかも。
特にメロディの最も盛り上がる部分で、主旋律とリフが濃厚に「絡み合う」というより、
リフに主旋律が「乗って」しまっているような箇所が多いように感じてしまいました。
せっかく海外のメタル雑誌からも注目されるような高いアレンジ能力があるんだし、
単にゲーム音楽のメロディをメタルサウンドに乗せてかっこよく聴かせるだけでなく、
その上で主旋律の持っている情感や、そこから浮かぶ情景を更に濃密にするような
リフ捌きをもっと聴きたいところ。
…しかし、本職で高い評価を受けてるのに、わざわざアマチュアでカヴァーを演るとは…。
このジャンルって使うメロディが同じなだけに、アレンジ力の差が如実に表れてしまうと
思うんですが…そういうシーンの中でこそ、自分のアレンジ力を試してみたいという
ハングリー精神も、創作動機の一つなのかもしれませんね。


屈辱 - 善意の壊滅 ★★ (2008-07-18 18:48:00)

2008年発表の5曲入りCD-R。
ブラストで攻めるのみならず、ドゥーミーなスローパートも交えて展開するグラインドコア。
流石に音質は良くはないですが、ブラックにも通じるヂリヂリ系ノイジーな
ギターの音色なんかは生々しくて好きですね。
しかし、素晴らしいのは何といってもこの極悪極まりないヴォーカルでしょう…
下水道に近い低音デスヴォイスは怒れる山の神の声が洞穴から響いてくるような威厳があるし、
高音の絶叫は明確な殺意が感じられるくらい迫力がある。歌詞は日本語ですが、2曲目の
「~絶望」の所とか、日本語ならではの響きのよさが感じられて良いです。
「苦しめ!!苦しめ!!」と歌詞がはっきりと聞こえてくる5曲目は、ヴォーカルが
しょぼかったら絶対滑稽に聞こえてしまうと思うんですが、持ち前の表現力のお陰で
リアルな憎しみが伝わってくるほど。
ちなみに、値段は100円でした。
…お買い得通り越して赤が出てるんじゃないか心配になってくるんですが…(笑)。
皆さんも缶コーヒーを飲むのを一回我慢して、これを買ってみては如何でしょうか。


ANAAL NATHRAKH - Total Fucking Necro ★★★ (2008-07-18 18:43:00)

1st発表以前のデモなどを収録した音源集。2002年発表。

今では削岩機並の強烈な打ち込みドラムに空間を埋め尽くすほどの発狂ヴォーカルを合わせたブルータル極まりない音像で好評を得ている彼等ですが、この時点では随分路線が違いますね。

意外にもMAYHEMフォロワーといえそうな作風、それもMAYHEMの中でも最もブルータルなWolf's Lair Abyssの音楽性をトレースした感じに仕上がってます。こっちの方が曲数も多く、メロウな曲もありバラエティに富んでいるし、狂ったような速弾きリードギターやくっきりと聴こえるトレモロリフをフィーチャーしているといった違いはあるんですが、ノイジーなだけでなく厚みもある黒い音質、ねちっこい絶叫ヴォーカル、リフやリズムの質感などかなり似ている箇所が多いです。特に1曲目や5曲目の一部は、MAYHEMの「I am thy Labyrinth」のオマージュっぽく感じる所も。

また実際にMAYHEMのカヴァーも入れてますが、「Carnage」はDead在籍時のものよりもManiac在籍時のライブ盤のテイクに似てますね。「De Mysteriis Dom Sathanas」はちょっと演技過剰っぽいですが、あの不気味なリフがくっきり聞こえるようになっているので満足。

…IrrumatorってかなりのMAYHEMフリークなんじゃないでしょうか。現在の彼等よりも、この頃の彼等にこそ魅力を感じるという人も多いようですが、それも頷ける出来。特にWLAの頃のMAYHEMが好きならば必聴かと。曲のレベルといい凄みといい、単なるフォロワーからはほど遠いレベルの高さがあると思います。


SEAR BLISS - The Arcane Odyssey - Somewhere ★★ (2008-07-18 18:39:57)

曲の演奏時間が長かったので、どんな壮大な展開なのかと期待したら…最後長い無音部が入ってました…。まあ、曲自体は良くて、左右の両チャンネルを使用したリフやラストのツインギターのソロなど、HR/HMとしての根幹のセンスの良さを感じさせてくれますが…無音部入れるくらいなら、フェイドアウトせずギターソロで盛り上げてくれれば良かったのに。


SEAR BLISS - The Arcane Odyssey - Omen of Doom ★★ (2008-07-18 18:39:07)

最初はこのアーティストにしてはちょっと地味めな立ち上がりかな…とも思いましたが、ブラスのメロディの扇情度はアルバム1かもしれません。このパートがあるせいで曲全体も凄く締まって聴こえます。


SEAR BLISS - The Arcane Odyssey - Thorns of Deception ★★★ (2008-07-18 18:38:22)

頭などで使われているリフ、流星が尾を引いているみたいでかっこいいです。曲が始まるとそれが亡霊の様に見えたり…みたいな恐ろしさがありますが。このバンド、宇宙のスケールが大きく、計り知れないが故の恐さみたいなものも表現出来ているのではないでしょうか。


SEAR BLISS - The Arcane Odyssey - A Deathly Illusion ★★★ (2008-07-18 18:37:37)

この曲のオープニング、うっすらと見えていた景色が徐々に鮮明になっていくようで印象に残りますね。ブラスのメロディは、哀しさと同時にどこかへの旅立ちを感じさせますが…タイトル的には死出の旅という感じでしょうか。夜空に向かって幾つもの魂が旅立っていく的な。


SEAR BLISS - The Arcane Odyssey - Blood on the Milky Way ★★★ (2008-07-18 18:36:33)

私はこの曲で初めてSEAR BLISSを聴きましたが…LIMBONIC ARTやARCTURUSに勝るとも劣らないスケールの大きい宇宙の描写に軽く感動。壮大に疾走→テンポ落としてブラスで聴かせる→疾走再開、の流れは劇的なのに実にスムース。アルバムの掴みとして最適なインパクトのある曲。


UI-70 - Riddles covered in flowers - 千年幻想郷~history of the moon ★★★ (2008-07-18 18:34:48)

このメロディをメタルサウンドに乗せる、それだけでもうドラポンと同じ位の破壊力があると思うんですが…動きのある、メロディの織り込まれたリフとピアノをフィーチャーしたドラマティックな展開で更に二本折れ、って感じでしょうか。ここからの3曲は、クサメタラーには堪らない流れだと思います。


UI-70 - Riddles covered in flowers - 神々が恋した幻想郷 ★★★ (2008-07-18 18:31:40)

これはノイジーなギターが入ってなかったら普通に喫茶店とかで流れてそう…でもこの曲が1・2を争うくらい個人的にはツボだったりします。メロディは、(B'zの)松本さんのWanna Go Home辺りのソロアルバムに入っていそうな感じ。


UI-70 - Riddles covered in flowers - 恋色マスタースパーク ★★ (2008-07-18 18:30:55)

上海~はタイトルに凄いかっこいいのと微妙なのがあるなあ…(笑)
曲的には、凄く聴きやすいエクストリームメタルという感じ。トレモロリフや高速スラッシュビートを取り入れた音は激烈といえそうですが、纏まった音質で耳に痛くなく、メロディがキャッチーなので非常に聴きやすい。
私的には、トレモロリフをこの手のゲーム音楽のアレンジに取り入れたというだけでも十二分に価値のある曲だと思います。ただ、このメロディはキャッチーではあるけど個人的なツボにはイマイチ入らなかったので、星は二個で。


UI-70 - 妖蝶乱舞 ~Deadly Dancing Butterfly~ - 幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble ★★ (2008-07-18 18:28:40)

ヘヴィなメタルサウンドに、全然幽霊っぽくない陽性のメロディという取り合わせがまず意外で、印象に残りますね。即効性も高いし、個人的にはRiddle~のアレンジよりもこっちの方が好き。


UI-70 - 妖蝶乱舞 ~Deadly Dancing Butterfly~ - 幽雅に咲かせ 墨染の桜 ~ Border of Life ★★★ (2008-07-18 18:27:19)

まずタイトルがかっこいいですね。満開の桜を見上げるとその間から覗く夜空がまるで墨を流したように見える…みたいな情景が浮かびます。メロディにもそうした儚い叙情が込められてますが、それが激しいメタルサウンドと互いの魅力を相殺することなく融合してます。このアレンジに関しては、「神懸かってる」といってもいいレベルかと…。


UI-70 - Riddles covered in flowers ★★ (2008-07-18 18:24:00)

2008年発表の…カヴァーとしては10枚目となるアルバムらしいです。
今回は上海アリス幻樂団のインストメタルでのカヴァー。最近この手のカヴァーメタルを
良く聴いてるせいか、アレンジを聴き比べると結構楽しかったりします。
まず良いと思うのは、このジャンルでも評価の高いアーティストであるDemetoriによる
ミックスの施された音質。リフの音色が歪みすぎず、大きすぎず、かといって物足りなく
なるほどでもなくバランスがかなり良いです。帯のコピーには「ダークでメロウなHR/HM
アレンジ」とありましたが、実際にはドライブ感あるリフにゲーム音楽のキャッチーな
クサメロを乗せたものが多く、この音質とも相まって、HR/HMファンでなくとも受け入れ
やすいような聴きやすさがありますね。
基本的に主旋律を際立たせてるアレンジですが、リフが単なるバッキングにならず
メロディアスな部分も多く、聴き応えも充分。特にラストのクサメロ3曲連打には参りました。
喫茶店で流れてそうなお洒落な曲調にメタリックなギターが入った曲やトレモロリフ・
スラッシュビートを取り入れたエクストリームメタルに近い音像の曲など、作風がバラエティに
富んでいることも大きな魅力の一つだと思います。欲を言えば、3曲目はああいう方向の
アレンジならもっとダイナミズムを感じられる展開が欲しかったかも。
メタル者のみならず、普段メタルを聴かないし、別にゲーム音楽にも興味なしっていう人が
聴いてもかっこよさを伝えられる質の高さがある作品だと思います。また、本人が真面目に
書くの飽きたと言い切ってる脱力系ライナーノーツも必見…かも(笑)。曲の解説とは
関係無しに、何の脈絡もなく二次元キャラ(多分)に求婚してたりして超うける(笑)。


UI-70 ★★ (2008-07-18 18:21:00)

日本の主にインストメタルを演っているアーティスト。
ゲーム音楽のカヴァーやアマチュアでの活動が中心ながら、プログレ系の
レビューサイトで取り扱われたり、海外の大手メタルレビューサイトである
Encycopaedia Metallumに登録されたり、着実に知名度を上げている模様。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Lucifer Speaks ★★ (2008-07-16 21:22:25)

途中の禍々しいアルペジオと刻みリフのパートが印象に残りますね…普通刻みいれたらグルーヴィになりそうですが、こういう使い方されると精神的な圧迫を受けてる感じ。でも正直、一曲をこんなに長くする必要性があまり感じられないようにも思うんですよね…少しダレを覚えるかも。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Seraphim Is Dead ★★★ (2008-07-16 21:19:04)

これは強烈!
たっぷりと気を持たせるイントロから、一気にブラストで突進!間違い無くアルバムのハイライトと言える曲だと思います。隠し味的にブラスを入れて雰囲気出してるのも良いですね。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Ghost ★★ (2008-07-16 21:16:24)

全体的に邪悪で深遠な雰囲気はキープされてるし、曲の7~8割くらいは良いんですが、残りの2~3割がどうもちょっと間延びしてるように感じるんですよね…このバンド、出音が素晴らしいだけに、もう少し垢抜けたら凄い事になりそうなんだけどなぁ…。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Metamorphoses (2008-07-16 21:13:25)

こういう曲調は、音と聴き手の精神状態がシンクロしないと結構辛いものがあるかも。しかし、最初の「あーーー…」が何か面白いんですが(笑)なんとなく、DSOのFas~のジャケの映像が思い浮かぶようなイントロ。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Confessions ★★★ (2008-07-16 21:10:38)

ヘヴィでどす黒い音とトレモロの組み合わせが邪悪でいいなぁ…このバンドの強味は、音楽性は然程マニアックでないのにカルトな音楽性のバンドにも劣らないくらい雰囲気が濃い事かも。威厳のあるヴォーカルがパーカッシブな役割を果たしている所は、ちょっとSATYRICONっぽくも感じたり。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Ordinance ★★★ (2008-07-16 21:07:20)

ヘヴィなリフをブラストで切り裂いていくファストパートと、拳を突き上げたくなる宗教的熱狂の感じられるロック乗りのパートを組み合わせた展開がダイナミックでかっこいいですね。「You cruel king~」辺りのふてぶてしい威厳は、最近のSATYRICONにも通じる物もあると思います。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis - Versus ★★ (2008-07-16 21:04:25)

ブラックメタルとしては意外にも、出している音にはメタリックなタフさがあると思うんですが、このバンドの曲調だと黒さが更に増しているだけにしか聴こえないです(笑)。鐘の音まで入れて雰囲気たっぷり。ただ、ラストは引っ張り過ぎのきらいも。


黒夜葬 - ∞UroboroS∞ - Heart Under Blade ★★ (2008-07-15 19:23:05)

最初は期待してたよりもクサメロが引っ込んだアレンジに肩透かしを喰らった感があったんですが、気を取り直して暗黒メタルとして聴いてみるとこれがなかなか良い出来。特に開始20秒くらいや1分くらいに出てくる、酸化した血のような赤黒いリフにうっすらと浮かぶ影の様に不気味なシンセが掛かるパートが不吉な情景を想起させ、実に素晴らしい。…途中でギターソロ入れたり普通にかっこいいパートもありますが、個人的にはこの不吉さがずっとキープされてたら良かったな。


黒夜葬 - ∞UroboroS∞ - Alternative Faith ★★★ (2008-07-15 19:17:20)

開始二十秒からこれ以上ないほどクサく、かつ親しみやすいリードギターのフレーズが登場するため、すごく取っ付きやすく感じる曲。でもリードギターの狂的フレーズを散りばめる事によって、甘さやつまらない健全さは全く感じられないのが良いですね。このバランス感覚の良さは脅威…(むこうぶちの)上島さん風に言うと、「どうしちゃったの?手が付けられないわ…!」って感じです(笑)


黒夜葬 - ∞UroboroS∞ - 冥土ブラッドワークス ★★★ (2008-07-15 19:12:23)

女性的で儚いメロディのシンセをメロディックなリフでサポートし、聴き手のノスタルジックな感傷を刺激した後、シームレスにヘヴィなリフとリードギターで潰しに掛かるパートが襲い掛かる波状攻撃サウンドが凄まじい曲。血の花を咲かせながら疾走している感じ。この一曲だけで前作全部と同じ位の出血量があると思います。