この曲を聴け!
Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 4001-4100

MyPage

Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77
モバイル向きページ 
Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 4001-4100

0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77


黒夜葬 - ∞UroboroS∞ - Alucard ★★★ (2008-07-15 19:07:44)

タイトルはドラキュラの逆さ読みですね。でも(悪魔城ドラキュラの)アルカードみたいな美青年よりも、(ヴァンパイアシリーズの)デミトリのような、マッチョな吸血鬼像を思い浮かべてしまうようなヘヴィな音。
サビはキーを高くしているらしいですが、このメロディの違和感に人に非ざるものっぽさが出ていてかっこいいんですよね。Bメロの狂いっぷりも爽快なほど。


HATRED ANGEL - I DON'T WANNA DIE... - I DON'T WANNA DIE...(PIANO VERSION) ★★ (2008-07-14 21:43:29)

ラストだしインストで来るだろうな…と思ってたら、意外にもヴォーカル入りのアレンジ。ちょっと英語の発音が微妙ですが、本チャンのバージョン以上に感情を込めて叫んでます。…こういうアレンジにすると、如何にこのバンドのメロディセンスが優れているか良く分かるなぁ…。


HATRED ANGEL - I DON'T WANNA DIE... - IMMORTALITY OF THE SOUL ★★★ (2008-07-14 21:40:29)

リフにしてもギターソロにしても、「モダン化ってなんですか?」と言わんばかりに派出に慟哭メロディ撒き散らしまくりで、実に素晴らしい。最近のメロデスに物足りなくなった人が聴いても悶絶出来るかも。


HATRED ANGEL - I DON'T WANNA DIE... - HADES ★★★ (2008-07-14 21:38:03)

メロブラとメロデスが混交するアルバムですが、この曲はかなりメロデス色が強いですね。それもグルーヴとメロディの兼ね合いでは、かなりメロディ方向に寄ってるタイプ。個人的にこういうタイプのメロデスは大好き。


HATRED ANGEL - I DON'T WANNA DIE... - ETHER ★★★ (2008-07-14 21:35:30)

ヴォーカル、迫力的にはやっぱり少し物足りないものがあるんですが、聴き手の喉元に喰い付かんとする獰猛さはかなり伝わってきますね。キーボードが入るパートは、タイトル通り「天空」に導かれるような雰囲気。


HATRED ANGEL - I DON'T WANNA DIE... - I DON'T WANNA DIE... ★★★ (2008-07-14 21:33:21)

これ、歌詞は裏読みせずに読むと、殺された子供とその母親の心情を歌ってるっぽいですが…途中挿入されるキーボードは、そうした命を扱った重いテーマに相応しい厳かな雰囲気を醸し出してますね。メロディ、音色の選び方ともに素晴らしいセンスです。


HATRED ANGEL - I DON'T WANNA DIE... - HEMISPHERICAL SCHIZOID SIDE OF MALIGNITY ★★★ (2008-07-14 21:30:15)

バンドの押し出しているイメージからはもっと愛嬌のある音を想像してたんですが、イントロから続くこの曲でいい意味で裏切られました。氷の礫が打ちつけるようなトレモロリフにとブラストを軸に聞かせる、ガチなブラックメタル。特にメロディにおいては、北欧勢を上回ってるとすら思います。


HATRED ANGEL - I DON'T WANNA DIE... ★★ (2008-07-13 21:20:00)

2007年発表の2ndデモ。

HR/HM、殊にブラックメタルというジャンルにおいては「イメージ」って結構重要で、真に危険な思想や経歴を持っているバンドが高い評価を得たり、逆に思想や発言がただのポーズである事が露見したバンドが低く評価されたりという事も珍しくないですが、このバンドが打ち出したイメージはなんと、「保育士がデスメタルバンドを結成!?」というコミカルなもの。宣伝ビラに「デスメタルで愛を歌う」とキャッチコピーを打っておきながら、バンド名が「憎しみの天使」なツッコミ所の多さも面白いです(笑)。
…こういうイメージをこのジャンルで打ち出すのはかなり度胸が要ったと思うんですけど…私もそこに惹かれてCD買ってしまいましたし。

肝心の音楽性のほうは、キー入りのメロデス要素もあるメロブラという感じでしょうか。缶を叩くような音色が小気味良いファストなリズムに、ブラックらしいトレモロリフやツインギターを絡ませるリフなどを入れたスタイルですが、そのメロディはフィンランド辺りのメロウなプリブラをやってるバンドにも勝るとも劣らないくらい、哀感に満ちていて扇情的。時折音像に花を添えるキーも、曲の儚さを更に際立ててますね。

売り出してるイメージこそコミカルですが、音源にはポーザー呼ばわりをさせないだけのシリアスさ、クオリティの高さがあると思います。ただ、ヴォーカルの低音デスヴォイスはex-ARCH ENEMYのJohan的な慟哭ヴォイスを目指してるのかもしれないけど、迫力も感情表現も現時点ではちょっと物足りないですね…たまに英語のアクセントが変なときがあるし。5曲目なんかは勢いがあって好きですが。
それと曲短すぎです。一曲の平均演奏時間が約2分半…こんだけ扇情度が高いリフ入れときながら、この短さだとちょっと生殺しかも。

しかし、2ndデモでこの完成度は凄いんじゃないでしょうか。音質を一般受けするようにしてヴォーカルの弱さを克服したら普通に「来る」と思います。


黒夜葬 - ∞UroboroS∞ - Jormungandr ★★★ (2008-07-13 20:43:50)

間違い無くこれがハイライトだと思います。
前作と比べるとこのアルバム、混沌のスケールが段違いにアップしてるんですけど、中でもこの曲が最もカオティック。特にキーボードとリフのアンサンブルに次元が分断されたような気味悪さがある箇所があって、いやがおうにも凄みを感じさせられてしまいます。


SATYRICON - Dark Medieval Times ★★★ (2008-07-12 22:51:00)

93年発表の1stで、Satyrが18歳の時の作品らしいです。

作風的には、アコギやトラッドメロを導入した、プリミティブよりのブラックメタルと言えそうですが…展開が唐突で捻くれていて、アヴァンギャルドに聞こえるのも大きな特徴。後の4thや5thで見せる変な展開は計算してやってるのが分かるんですが、この時点では天然なのか計算なのか判断できない音ですね…。

ノイジーな音質で暗黒世界を演出しつつ、邪悪な影が横切るようにキーボードが入る部分なんてLUNAR AURORAの4th辺りにも似てると思う(特に1曲目後半、ドラムがSE的に鳴るパートなど)んですが、この年齢で、ジャンルが未発達なこの段階で、こんな音を出してるなんて天然でやってるとしたら恐ろしいセンスの持ち主だし、計算でやってるなら天才だと思います。

凄みでいうなら、ある意味EMPERORの1st以上と言えるかもしれません。EMPEROR、MAYHEM、BURZUMがノルウェーの3大ブラックとされているようですが、SATYRICONもその3バンドに比肩するか、それ以上に才能に恵まれたバンドだと思います。


SEAR BLISS - The Arcane Odyssey ★★★ (2008-07-12 19:17:00)

2007年発表の6th。

硬質かつクリア、タイトに纏めながらも宇宙的な情景描写を更に強めるノイジーなギターをフィーチャーした音質、美メロ・哀メロを織り込んだトレモロリフやそれに絡むスペイシーでアトモスフェリックなキーボード、狂気だけでなく威厳や色気も感じさせる低音デスヴォイス等、どこを切っても実に質の高い宇宙的なシンフォニック・ブラック。出音には正統派にも通じる真っ当なメタルとしてのかっこよさがあるので、シンフォブラックのファンだけでなく、メロデス好きにもアピール出来る音だと思います。

しかし、一番の特徴は大胆に管楽器(トランペット・トロンボーン等)を導入してる事でしょう。全編を通じて出ずっぱりという訳ではありませんが、サビに当たるような「ここぞ」と言うところで登場し、鮮烈な印象を残していくような使われ方がされており、存在感はばっちり。管が入るパートでは「スペイシー」から「スペースオペラ的」に音像がレベルアップしてる感じです。しかもこのバンド、93年の結成時から管楽器とシンフォブラックの融合を志向してるからなのか、管楽器を取り入れた展開に全然無理がなく、ドラマティックに仕上がってるのも凄いんですよね。

これはユニークだしクオリティも高いし、一発で気に入ってしまいました。
シンフォニックブラック好きなら必聴です。


CROW'SCLAW - Frozen Frog ★★ (2008-07-11 21:15:00)

2008年発表の上海アリス幻樂団カヴァーアルバム。全曲インストです。
タイトルや氷の結晶をあしらったジャケ絵からは何か冷涼なものをイメージしますが、
実際に音を聴いてみると泥臭く、暑(苦し)いブルージーなハードロック。
この後に出た「Crossfire Barrage」が余りにも素晴らしかったので、殆ど間を置かずに
これも買ってしまったんですが、ほぼ別のアーティストみたいな出音にびっくり。
帯に「サザン・メタル」とは書いてありましたが、まさかこんなにも違うとは…。
今作ではリフだけでなく、ベースやドラムが一丸となって演出するグルーヴが心地良いです。
クレジットを見る限り一人バンドのようですが、スタジオでジャムりながら作ったような
雰囲気があると思います。CROW'SCLAWはジャンルの中でも音のヘヴィさやリードギターの
聞かせ方の上手さが優れていると思いますが、その個性が実に作風とマッチしてますね。
メロディも哀メロ・美メロには定評のある上海~のものを使ってるので当然の如く高品質。
ただ、十分楽しめましたが正直言ってこの路線自体は好みではないかも…。
全体を通じて明るいというか、「このグルーヴで体を動かそうぜ!」みたいな「健全さ」が
あってちょっと鬱陶しい部分も。これで暑苦しいハイトーンとか入ってたら聴けないと思う…。
でもこれは私がメタルは暗黒系や鬱系ばっか聴いてるリスナーだからで、他の音楽ファンは
そうは思わないと思います(笑)。レビューした人の嗜好に問題ありと思ってください(笑)。
9曲目のリフなんかはメロくて鮮烈でグルーヴィだし、作品の質自体は高いですよ。


SATYRICON - Volcano ★★★ (2008-07-10 22:46:00)

2002年発表の5th。

…私はこのアルバム、以前までは「Rebel Extravaganza」と「Now, Diabolical」の橋渡しをする、言わば過渡期の作品だと思ってたんですが、聞き込むうちに考えが変わってきました。

確かに全体を通じて感じられる厭人・厭世的で色の薄いメロディは4thと通じるし、ロックのリズムのダイナミズムをブラックに取り入れている所は6thっぽいんですが、キャッチーと見せかけて間奏を延々と引っ張ったり脈絡なく女性ヴォーカルが登場したり、ラスト唐突にブラスト入れて曲を終わらせたりといった破天荒な展開がアヴァンギャルドに聞こえる作風はどこか1stにも通じているように思います。1stでは天然でやってるのか、計算してやってるのか分からない感じでしたが、この作品では作曲力が上がった分確信に満ちている感じ。

また、「Repined Bastard Nation」「Mental Mercury」で見せる美しいメロディや、「Black Lava」のエピック性などは、1st~3rdの彼等の個性が形を変えて表れたものにも思えます。SATYRICONって劇的に変化してるように見えて、実は全作品繋がってる気がします。このアルバムからロック的な部分や陰鬱なメロの部分に重きを置いて派生させた進化系が「Now, Diabolical」だと思うんですが、どうでしょうか。

私はこのアルバム、SATYRICONの今まで辿って来た音楽性が騙し絵の様に織り込まれた、集大成的な作品だと思います。もしかしたら彼等の真の名盤と言える作品かもしれません。


SATYRICON - My Skin is Cold - Mother North ★★★ (2008-07-10 17:41:26)

このEP、レコードと抱き合わせなのでちょっと高かったんですが、この曲が聴けただけでも買って良かったと思えました…。
オーケストラとの共演ライブテイクで、イントロにオーケストラと客の大合唱をフィーチャーしたアレンジ。オーケストラが入った事でミッドテンポ部分に地獄の劫火が燃え盛っているかのような視覚効果が付与され、ブリザードリフを伴う疾走パートとの対比によって圧倒的なスケールの大きさが実現されてます。原曲よりもドラミングが聴き取りやすくなってるのも○。シンフォ系のバンドでもここまでスケール大きい曲が作れてるバンドっていないと思う…ブラック史上に燦然と輝く超名曲である事を、改めて見せつけられてしまいました…。


SATYRICON - My Skin is Cold - Repined Bastard Nation ★★★ (2008-07-10 17:33:56)

「Mother North」は妥当な選曲だと思いますが、ライブテイクのもう一曲にこれを選んでくれた事自体が凄く嬉しい。この曲大好きなんですよ…。Satyrのヴォーカルはいつもより潰れ気味だし、何故か位置が右寄り(「Mother Northのライブ版では直ってる)ですが、生々しさが伝わるのでオッケー(笑)。ブラスを入れた事で、毒々しさがより強く出た仕上がりになったと思います。


SATYRICON - My Skin is Cold - Live Through Me ★★ (2008-07-10 17:30:38)

これも「VOLCANO」LP盤のボーナス曲。
「VOLCANO」の制作時、メンバーは日本や中国の文化にでもはまっていたんでしょうか…「Repined Bastard Nation」以上に、和を感じる妖怪メロディが前面に押し出された作風の曲。ただ、途中1分半辺りからのサイケなパートのリフが結構ダルイのがちょっと…その後の展開はめっちゃかっこいいんですが。


SATYRICON - My Skin is Cold - Existential Fear-questions ★★ (2008-07-10 17:26:21)

元はLP盤「VOLCANO」のボーナス曲らしいです。
あのアルバム自体奇怪なメロディが結構多かった印象がありますが、この曲はどこか大陸的なイメージが浮かぶメロディまで…雲よりも高い、仙人が住む山とかが浮かんでくるような妙なメロ。サビ前のキーボードの音色など、随所にセンスの良さが溢れてます…が、あの情けない感じのコーラスは一体…あれはSatyrの声なんでしょうか(笑)


SATYRICON - My Skin is Cold - My Skin is Cold ★★ (2008-07-10 17:21:47)

2007年の10月、東京を訪れた際に見た夢からインスピレーションを得て作った曲らしいですね。翳りのあるメロディにロック的リズムを組み合わせた作風は「Now, Diabolical」の路線を踏襲してますが、溶岩が流れるような粘性・流動性の高いトレモロをフィーチャーしており、印象としては「Now, Diabolical」と「Volcano」の相田の作風という感じ。
曲自体は良いんですが、このEP「Now, Diabolical」よりも1~2メモリくらい音が小さいんですよね…。ちょっと迫力に欠けるので★は二つ。


GO!GO!7188 - 虎の穴2 - ギンギラギンにさりげなく ★★★ (2008-07-09 23:27:31)

この曲、妙にツボなんですが…(笑)
ターキーさんのヴォーカルがほんと良い味出してる。投げ遣りなんだか熱いんだか良く分からない声色で、巻き舌で勢いよく歌う歌い方が絶妙にツボに嵌まる。これは彼にヴォーカル振って大正解でしょう。


CROW'SCLAW - Crossfire Barrage ★★ (2008-07-09 23:03:00)

2008年発表のフルレンス。
地下で一大トレンドとなりつつある上海アリス幻樂団(ゲーム音楽)のカヴァーアルバム。
以前、このサイトの掲示板にて、「ゲーム音楽のクサメロとメタルの音が融合したら、
凄い事になりそうだけど現時点ではリフが微妙なのが多いし、もう手を引こうかな…」
的な事を書き込んだことがあったんですが、ごめんなさい、このジャンル舐めてました。
ぴずやの新譜これといい最高なんですが。あそこで手を引いてなくて本当に良かった…。
トレモロリフ単音リフ大好きブラックメタラーの私としては、このアルバムのリフは
全体的にグルーヴ偏重に感じてしまいますが、そんな私でさえ認めざるを得ないくらい
重くて、かっこいいです。似たようなフレーズで延々と引っ張ることなく、主旋律の展開に
連動してドラマティックに聞かせてくれるので物足りなさは全くないですね。
このジャンルでは主旋律にシンセを用いる傾向が強いですが、この作品ではシンセはあくまで
要所要所で使われているくらいで、リードギターで弾いているのも大きな特徴だと思います。
主旋律自体も(カヴァーだけど)そこらのメロスピやメロデスなど「メロディック」が付く
バンドに対し「これ以上煽情力のあるメロディ書けるもんなら書いてみろや」と挑発するくらい
扇情的だし、それを弾くギターもただ弾くだけじゃなく、情感が篭もってるのも良いですね。
…特に主旋律に関しては、マジで一流のメロスピ・メロデスバンドにもこのレベルのメロディが
書けてるバンドって、滅多にいないと言えるくらいのレベルに達してると思うんですが…。
曲調もミッドテンポでヘヴィなものや9分弱の大作、シャッフルでグルーヴィなものを交えた
バラエティに富んでますが、ファストチューンに至ってはメロデスのデスヴォイスの代わりに
リードギターをより多く入れたような、ただでさえメロディックなメロデスを更にメロく
した感じの作風まで聴けます。しかも、前述したように主旋律の扇情度はメタルの中でも
頭三つくらい抜けたトップクラスですからね…そのメロでその曲調、殺す気か、って感じです(笑)。
原作はシューティングゲームらしいですが、確かにファストチューンでは戦闘機が高速で
飛び回りながら爆撃してるような視覚効果があると思います。6曲目はミディアムですが、
ボスを撃墜して優雅に飛び回る戦闘機の勇姿という感じの映像が浮かんできます。
多分、原作に戦闘機とか出てこないと思いますが(笑)
この間買ったぴずやの新譜も素晴らしかったし、今年はこのジャンルの当たり年かも…。
両者とも明らかに成長しまくってるんですが。よりエクストリームで、シンセに重きを
置いたものが聴きたければぴずやを、主旋律やリードギターの扇情度を求めるならこちらがお勧め。
ちなみに、値段は約1000円。この値段に慣れると、国内盤とか買えなくなりそう…(笑)
音質も含む作品の質は一流と言えると思いますし、費用対効果が他と比べて高すぎなんですが。


SAWDUST IN ME - Mortification Made Me - Heaven ★★ (2008-07-06 20:08:08)

最後のこの曲で漸く期待した以上の恐さを感じられました…何かが軋むような音を用いたリズムトラックの使い方が実に効果的。時間の流れが歪んでしまった世界に取り込まれてしまったような感覚を味わえます。ただ、演奏時間が短いのは物足りない。これで10分以上とかあったら間違い無く★3つ超名曲の評価なんですが…。


SAWDUST IN ME - Mortification Made Me ★★ (2008-07-06 20:06:00)

2007年発表の6曲入り1st。
私はゴス系はフェミニンな方が惹かれるので、ピンクを基調としたバックにお菓子や
ケーキ、愛らしい動物達を載せた可愛らしいジャケに、帯の「ゴシック/ダークエレクトロ」の
フレーズの組み合わせにはかなり目を引かれましたね…(笑)
曲的には、「ゴシック/ダークエレクトロ」というフレーズから想像する通りの
インダストリアル寄りの音を、普通声をはじめ高圧的・演劇的な高音スクリームや
おどろおどろしい低音デスヴォイス、リズミカルなラップ風など様々なヴォーカルで
派出に味付けした感じですね。過激なサウンドながら、意外にも低音はかっこよく、
高音は可憐かつ甘美に響く普通声がかなり魅力的。低音デスヴォイスもTYMAHのDimを
思わせるような真に迫った響きがあって良い感じ。
ただ、過激ヴォーカル入れすぎの攻め攻めの姿勢はどこか元気さを感じさせてしまい、
世界観に取り込まれそうな恐さと相殺してしまってるように感じがするのは残念。
また、低音デスや普通声は良いんですが、スクリームの狂気の表現力やラップのキレ、
英語の発音など少し弱いと箇所も。正直、巷で叩かれがちなASHDAUTAS VRASUBATLATの方が
演技力は全然上だと思う…。ただ、高音スクリームの方は完全な狂気声じゃなく、
少し甘さを残しているからこそフェティッシュな雰囲気を保っているのかもしれませんが。
と、結構辛く書きましたが世界観自体はかなり良いものを持っていると思います。
6曲目なんかは凄く雰囲気があると思うし、将来凄い事になるかも…と思わせるに十分の作品。


SIRIUS - Aeons of Magick ★★★ (2008-07-05 21:48:00)

2000年発表の1st。

EMPERORのSamothのレーベルから発売され、プロデュースにも彼が関わり、レビューでもEMPERORやLIMBONIC ARTが引き合いに出されて褒められるなど、話題性でも事欠かない作品ですが、確かにこのアルバムはそれだけの事があるスケールを持ってると思います。

LIMBONIC ARTの初期作やNOKTURNAL MORTUMの1stがシンフォニック・ブラックの名盤として評価されているのって、甘美で荘厳なメロディによるある意味での聴きやすさと、キーボードがバンドサウンドを呑み込んだ音像のエクストリームさの按配が絶妙だったからだと思ってるんですが、このアルバムではその路線を正統に引き継いだシンフォニック・ブラックを演ってますね。

蛇口全開レベルの洪水キーボードや超リアルなプラネタリウムを見せるかのような宇宙的なメロディなどは、上記した中でもLIMBONIC ARTの2ndと最も近いと思います。シンフォニックブラックに興味がない人が聴いてでさえ認めざるを得ないであろう煌びやかさ・スケールの大きさなど、クオリティでも肉薄するものがあると思います。演奏時間といいアルバムの構成といい、こっちの方が少しコンパクトな印象がありますね。ただ、タイトルトラックで低音デスも使ってるんですが、折角こういう声出せるなら他の曲でも使った方がメリハリが付いたんじゃないかと、ちょっと残念に思う所も。

シンフォニック・ブラック、特にキーボードを軸にした作風の物が好きならば必聴。超えたとまで言えるかは分かりませんが、LIMBONIC ARTにも聴き劣りしない作品ですよ。


WHEN - You Are Silent - False Alarm ★★★ (2008-07-03 22:39:47)

こんな曲をマジで作ってる人がいること自体恐いよ…。
幾つかのパートに分かれた、20分超えの曲なんですが、第二部に当たるであろう、ドローンの上に打擲音と銃撃音、悲鳴が入るパートがキモ恐すぎるんですが…血腥い雰囲気をストレートに表現しているならまだ受け入れられる恐さなんですが、この曲の場合悲鳴がカトゥーンちっくでコミカルに聞こえなくもなく、理性で判断できない生理的違和感があるんですよね…それも生理的嫌悪感まで達すれば逆に安心できそうなもんですが、感覚の下ろし所がない音が延々と続くのはかなりキツイ。なのにドローン・アンビエントとしてはかなり聴けるという(笑)チャレンジャーな人や恐い思いがしたい人は是非。


WHEN - You Are Silent ★★ (2008-07-03 22:27:00)

2008年発表の多分12th。
久し振りに恐いWHENが戻って来た感じですね。
WHENってダークで不条理なサンプリング音楽を志向しながらも、その中にどこか捻じ曲がった
ポップ性のある音楽を展開してきて(こう書くと散々に貶してるみたいだけど・笑)、
「Psychedelic Wunderbaum」辺りからダークさとポップさが反転し、明るめの作風になって
きたと思いますが、今作ではその比率が再反転し、元に戻った感じです。
…例えば、恐い音楽として知られるアーティストでも、STALAGGHならシリアスで精神異常的な
恐さ、CRADLE OF FILTHなら巧みなコンセプト性によるエンターテイメント的な恐さとか
狙いが分かるんですが、WHENの恐さはそのどちらなのか判別が不可能、そもそも恐い音楽を
志向して作られているのかどうかも分からない所が恐いんですよね…。
そこかしこに違和感というか致命的な歪みが常にある音をずっと出している感じ。
「恐い音楽」を求めて恐い思いをするのはある意味当り前なんですが、WHENの音楽には
その期待すらも裏切り、更に嫌な目に遭う可能性が常に潜んでいるという意味で、もう一段
上の恐さがあるように思います。STALAGGHとかで物足りなくなった人は必聴かも。


MARDUK - Opus Nocturne ★★ (2008-07-02 19:27:00)

94年発表の3rd。
4th以降の作風とは随分違いますね…。

以降のブルデス並にブルータルな曲調・プロダクションを追及した作風とは違い、この作品はどこかロマンティックなメロディで疾走するファストブラックという感じ。音質も以降とは違い、ブラックらしい軽さの残るややノイジーなものになってますね。

…MARDUKは上手くやっている方だと思いますが、ブルータルな音像にメロディを乗せた場合、どうしてもメロウさや雰囲気が相殺される部分が出てきてしまう(逆に、ブルータリティとメロディの対比という魅力も新しく出て来る訳ですが)と思いますが、この作品は作風も音質もブルータリティに主眼を置いていない分、相殺されている部分が少ないと思うんですよね。

MARDUKは3rd以前に限る、という意見をしばしば見かけますが、メロディや雰囲気などを重視する人から見たらこういう作風の方が好ましいと思うのかもしれません。この作品はMARDUKの中でもメロウさは随一だと思いますし。

ちなみに、買うならボーナストラック入りのリマスター盤がお勧め。
ボーナストラックのスタジオライブ音源、音質は一般的なメタルから見たらポンコツもいいとこですが、更にブルータリティから離れ、トレモロのメロディが浮き上がった音像になっているので、プリブラも行けるメロディ派ならかなり楽しめるかと思います。

私もスタジオライブバージョンの方が好きかもしれない…(笑)。


LUGUBRUM - Live in Amsterdam (trampled Brass / Midget Robes) ★★★ (2008-07-02 19:08:00)

2006年発表のライブ盤。
SUNN O)))のサポートアクトとして行ったライブの様子を収めた作品。

…こういうアンサンブル重視のアヴァンギャルドな作風のバンドって、絶対ライブとか凄い事になってるんだろうな…と期待して買ったんですが、予想通りこれは凄いです。
「De Ware Hond」を聴く限りでは、このバンドの音楽には奇天烈さだけでなく、どこかファニーな雰囲気もあったように感じたんですが、ライブ盤ではファニーさが消え、壮絶さに取って代わられている感じがします。

最早このアンサンブルから生じる音は人間を洗脳状態に陥れるための音波という雰囲気。ヴォーカルのイカレっぷりも凄まじく、デスヴォイスで歌っているというよりは…自分をアウストラロピテクスだと思い込む催眠術を掛けられた男をライブ会場にしばらく放置したような感じ(笑)。近寄りたくない度はスタジオ盤の比じゃないです。

ファニーさが薄い分、スタジオ盤よりも不気味さ・奇妙さ・幻惑的な雰囲気などがよりストレートに伝わってくるので、ブラック好きはここから入ってもいいかも。音質もそれほどスタジオ盤に劣ってるとも思わないし、お勧めです。


VREID - I krig - Under isen ★★★ (2008-06-30 21:57:12)

民族掛かったメロディを惜しげも無くリフに練り込み、華麗に疾走するキラーチューン。この非常にメロディックでいて甘くならない曲想は、名盤「Under the Sign of Hell」でのGORGOROTHに近しいものがあるかもしれません。


VREID - I krig - Folkefiendar ★★ (2008-06-30 21:56:26)

ヴォーカルのラストの叫びに惚れた…


VREID - I krig - I krig ★★★ (2008-06-30 21:55:44)

ストリングスパートを挟んだ、ドラマティックな情景描写が堪能出来るタイトルトラック。ストリングスのパートは、映画でヴァイキングの船が港に入っていくシーンを見ているかのように鮮やかに場面が浮かびます。メンバーは軍服着てたりして強面調ですが、メロディセンスは実に繊細ですね。


VREID - I krig ★★★ (2008-06-30 21:54:00)

2007年発表の3rd。

このバンドはヴァイキングメタルとして評価の高いバンドであるWINDIRのメンバーの多くが関わっているようですが…私はWINDIRは未聴なんですが、このアルバムは良いですね。

このバンドもヴァイキングメタルを演ってるんですが、漢コーラスや海賊チックな朗唱、民族的なメロディの導入やピアノ・ストリングス等の楽器による情景描写などいかにもヴァイキングメタルという感じのものだけでなく、ロック乗りのリズムにメタルの強靭なリフを組み合わせたダイナミズムでヴァイキングらしさを演出する近年のENSLAVED的な手法、ブラックの平坦なリフをリズム楽器のように使って民族の士気を高めるノリを演出する手法なども見られ、かなり多角的な面からヴァイキングらしさを追求しているというのが伝わってきます。

もちろん、民族メロも多分に含むトレモロの煽情度、ヴォーカルのエグイ歪みの掛かったデスヴォイスやヴァイキング的朗唱、タイトかつクリアで音量も適切な音質など、メタル音楽として基本的な部分での質も高いです。メロデスもびっくりなメロディアスさの2曲目や、ヴァイオリンやチェロを使用したドラマティックな情景描写の光るタイトル曲なんかはかなりメジャーな雰囲気。ヴァイキングメタルファンのみならず、ブラックやメロデス好きならば聴いておいて損はないと思います。


黒夜葬 - ∵Ga[Я]deN∵ - Rosen∵Kreuz∵Orden ★★ (2008-06-30 21:48:13)

これは複雑な気分…。この曲は原曲の入ったCDも持ってるんですが、サビ部分なんか原曲よりも耽美さが落ちてる気がするんですけど…ゴシックなのに…。でもリフはメロディアスさ、グルーヴ共に申し分なしで一流といってもいいくらいかも。…う~ん…。


黒夜葬 - ∵Ga[Я]deN∵ - アッシェンプッテルの檻 ★★★ (2008-06-30 21:44:54)

メタル曲を差し置いてアルバム中一番好きです。
他のメタリックな曲って、リードギターでメロを描く志向が強いせいか「熱さ」を感じてしまうんですが、この曲は逆に「無機質さ」「冷たさ」が感じられ、ゴシック的な耽美さを更に増幅させてると思います。…メタル曲でこのレベルの耽美さを表現できれば無敵なんだろうけどなぁ…。


黒夜葬 - ∵Ga[Я]deN∵ - 翼型術式魔装-鴉- ★★ (2008-06-30 21:41:40)

タイトルがFF7の防具みたいですが…これは面白い。
基本ゴシックを貴重としたメタルなんですが、途中のメロディが和風というか…江戸時代の京都の雨に打たれる茶屋が浮かんでくる感じのメロなんですよね。フランス人が日本の風景画を描いた感じ…でも演っているのは日本人という(笑)


LUCIFUGUM - SECTANE SATANI ★★★ (2008-06-29 19:57:00)

2007年発表の10th。

このバンドはNOKTURNAL MORTUM等のメンバーも絡んでいる事もあり、初期の音源はシンフォニックブラック好きの間で高い評価を得ているようですが、途中で音楽性が変化したらしく、今作はキーボード無しのプリミティブスタイルになってますね。

…しかし、こんな「呪術的な」プリミティブブラック聴いた事ないです。
とにかくメロディのインパクトが強烈で、自民族の文化への愛が溢れる男が死後ゾンビになって、腐乱した喉で歌うグズグズの民謡を無理矢理採譜してギターで弾いたらこんなメロディになるんじゃないかな…という感じ。

しかもそのメロディーを歪みの弱めなリードギターが延々と奏でてるので、かなりぶっ壊れた雰囲気。ベースもメロウなので聴きやすいと言えなくもないですが、個人的には現音とかの無調の「いかにも」というメロディよりもこっちの方が何倍も恐さを感じますね…。

しかも音質も後ろにうっすらとテレビの砂嵐のような高音の歪みが掛かった音なので、聴いてるとスクリーンの砂嵐の中にうっすらと浮かぶ怨霊の顔が浮かんできてしまいます。ヴォーカルもブラックメタラーが絶叫してるというより、白塗りで五寸釘と藁人形持った婆さんがマジ切れしているような感じのブラック声だし…。

この手の音源って、音楽の質自体とは別に、「この人たちは本当に呪術や危険思想に傾倒しているんじゃないか」と思わせる事が出来るかどうか、という価値観がありますが、そうした価値観を評価基準とするなら満点あげても良いくらいの作品だと思います。

所々で聴ける今にも止まってしまいそうな、枯れ切った音色のトレモロも本当に良い味出してます。


PANTHEON Ⅰ - The Wanderer and His Shadow - Coming to an End ★★★ (2008-06-27 19:30:54)

SOLEFALDのLazareがゲストヴォーカルで参加。
彼のヴォーカルの存在感は凄いですね…他のパートはどう聴いてもPANTHEION Ⅰ流儀のメロディック/シンフォニックブラックなのに、彼のクリーンヴォーカルが入るパートはSOLEFALDのような妖しさが漂ってしまっている…(笑)。


PANTHEON Ⅰ - The Wanderer and His Shadow - Origin of Sin ★★ (2008-06-27 19:28:07)

ラストの悪魔笑いが嫌でも印象に残る1曲目。
聴いているとちょっと笑いそうになってしまうんですよね…スタジオで無理矢理テンション上げて大笑いする彼の姿が浮かんできてしまう…(笑)。


PANTHEON Ⅰ - The Wanderer and His Shadow ★★ (2008-06-27 19:24:00)

2007年発表の2nd。

上品な美メロをたっぷりとフィーチャーしたシンフォ/メロディックブラックを演ってるのは相変わらずですが、ヴァイオリンが脱退したからなのかバンドが成熟してきているからなのか、1stと比べると作風に変化が窺えますね。悲哀の感情が鮮麗なメロディの奔流となって表れたかのような劇的なメロが多かった1stと比べると、こっちはゴシック的な妖気漂う雰囲気を丁寧に描写していくような、良くも悪くも落ち着いた作風になったという印象。

作風の変化に従って、ヴォーカルもがなり散らすだけではなく、微妙なニュアンスをデス声で表現しようとしてますね。…ただ、その試みは成功しているとは思うんですが、個人的に生理的に苦手なタイプの声になりつつあるのが少し残念。あと、何気に音質が良い…というか味のある音だと思います。ノートリガーである事を高らかに謳い上げるドラムスは激烈でも雰囲気を壊すようなうるささはなく、ギターも歪みが弱すぎず強すぎず、金属的過ぎずでどこかアナログっぽい(?)耳触りの良さのある音でかなり良いと思います。

メロブラに鮮烈な泣きメロ、クサメロの類を求めるならば1st、妖気の漂う雰囲気を求めるならこの作品がお勧め。因みに、CDトレイが真っ黒なので外してみたら、そこにはニーチェの言葉が…その中の「if you gaze for long into an abyss, the abyss gazes also into you」というフレーズはMAYHEMのイタリアのライブ盤で、Maniacが言ってたMCとほぼ同じですね。
ブラックメタルを聴いて、教養を付けるなんていうのも面白いかも(笑)。


SCARS OF CHAOS - Humanitarian War Machine ★★★ (2008-06-26 19:22:00)

2007年発表の2nd。
ANOREXIA NERVOSAのMr.Xortがプロデュースを担当していたり、使ってるスタジオが一緒だったりする事からも分かる通り、ANOREXIA NERVOSAに酷似したシンフォニックブラック。

ANOREXIA NERVOSAの作品(特に2ndや3rd)がシンフォニック・ブラックの名盤として高い評価を受けているのって、単にオーケストレーションがド派出でメロがいいからだけでなく、ギターがオーケストラのサポートに堕することなくしっかりと主張している事、正統派等の聞きやすい方向におもねることなくブラックメタルとしてのブルータリティを貫いている事などから来る、シンフォブラックとしてのバランス感覚が優れている事が理由だと思うんですが、このSCARS OF CHAOSもそうした特質を備えた、優れたシンフォブラックを演ってますね。

ただ、特にドラムの圧迫感に顕著ですが、激しさではANOREXIA NERVOSAの方が上。
…なんですが、シンフォニックな世界観を味合うには、気分によってはANOREXIA NERVOSAのサウンドは激しすぎると感じる事も多々あるので、これ位が適切かもしれません。と言ってもシンフォブラ基準で十分激しい音ですが。咆哮デスヴォイスとブラック的絶叫を使って巧みに曲の感情を描写するヴォーカルや嵐に巻き込まれるような壮絶なオーケストレーション、それに負けないバンドサウンドなどの、シンフォブラック根幹の魅力では負けてないと思います。

シンフォニック・ブラック好きなら四の五の言わずに聴くべき名盤。
ANOREXIA~が激しすぎて駄目、でもシンフォな音の渦に飲まれる快感は味わいたいという人にもお勧めのアルバム。


AUDIOPAIN - The Switch to Turn Off Mankind - Termination Fields ★★ (2008-06-25 19:46:25)

メタルの熱さやかっこよさは残しておきながら、ミディアムテンポでオカルティックなメロディで独特のムードを醸し出す作風は、「Now, Diabolical」期のSATYRICONとそれ程遠くない音なのかもしれません。表面的なかっこよさに騙されてるといつの間にか毒が回ってそうな感じ。


AUDIOPAIN - The Switch to Turn Off Mankind - Cobra Dance ★★★ (2008-06-25 19:45:42)

リフに織り込まれたメロディが良いなぁ…。
タイトル通りのコブラが巻きつくような粘着性があるメロだと思います。


AUDIOPAIN - The Switch to Turn Off Mankind - Hellbound ★★★ (2008-06-25 19:44:37)

1曲目の頭から実に熱い!!
このテンポで、このリフで、このヴォーカルで熱くならなかったら嘘でしょう!


AUDIOPAIN - The Switch to Turn Off Mankind ★★ (2008-06-25 19:42:00)

2007年発表の2nd。

メンバーが明らかにノルウェジアン・ブラック人脈だったり、あのカルトバンドMYSTICUMとスプリットを出したりしてますが、音楽的にはアジり系のヴォーカルといい、刻み中心のギターリフといい、BPMや体感速度よりもダーティに聴こえる事を重視したテンポの選択といい、ブラックメタルというよりもサタニックなスラッシュメタルという感触ですね。ヴォーカルの声はCARPATHIAN FORESTのNattefrostがたまにやる高音で煽るような歌い方に似てるかも。

…今でこそブラックメタルのシーンも成熟してきて、例えばトレモロリフのメロウさや、ギターノイズを利用した音質・音響操作、ブラストを多用した圧倒的ブルータリティ、壮絶・壮麗なオーケストレーションなどサタニック・アンダーグラウンドな雰囲気を出すのに様々な手法が開発されてますが、黎明期のブラックってバンドサウンドのダーティさをそのままイーヴルな雰囲気に転換するバンドが多かったように思うんですよね。そうした意味で、この作品は2007年発表ながら黎明期ブラックに近い雰囲気があるかもしれません。タイプ的にAURA NOIRにも近い感じがしますが、こっちの方が音が整っててストレートにかっこよさ、禍々しさを伝えてると思います。逆にダーティさでは向こうに軍配が上がりそうですが。

殆どスラッシュメタルですが、刻みの中に織り込まれるメロディにはブラック的なサタニックな雰囲気があるので、ブラックメタラーにもお勧め出来るアルバムだと思います。26分間、かっこよく禍々しくダーティなスラッシュリフがダレることなく詰め込まれた好盤です。


EWIGKEIT - Radio Ixtlan - Journey to IXTLAN ★★★ (2008-06-23 22:16:10)

解説に「ある意味ではアルバム全体のマクロコスモス的な楽曲」と言っているだけあり、かなり詰め込んだ印象のある曲。エスニックというよりもアボリジナルなコーラスがデジタルなサウンドに乗るパート、キーボードがFinal Fantasy風のフレーズを弾くパート、LIFELOVER的な妙な温かみのあるブラックリフをフィーチャーしたパートなど、どのパートもキャラが立ってて、聞き流そうとしても情景が浮かんできてしまう感じ。これは名曲と言ってもいいと思います。


EWIGKEIT - Radio Ixtlan - Strange Volk ★★★ (2008-06-23 22:15:16)

音の質感自体はデジタルな色が強いですが、何故かメロディはヴァイキング風で、既聴感すら覚える程のクサメロを聴かせてくれます。まさかこんな曲を演るとは思ってなかったので、驚くと同時に得した気分かも。アルバム中では「Journey~」に次いで好きです。


EWIGKEIT - Radio Ixtlan - Esc. ★★ (2008-06-23 22:14:14)

シンフォなキーボードやリフを聴いていると、SFで主人公が非日常に巻き込まれるオープニング部分を見ているようなワクワク感がありますね。でも、微妙な普通声で「エスケイプ、エスケイプ、エスケイプ!」はちょっと萎えるかも…。


EWIGKEIT - Radio Ixtlan ★★ (2008-06-23 22:12:00)

2004年発表の4th。

このバンド、1stが「暗黒の戦士」という邦題付きで、「ブラックメタルの新境地を切り開く」という触れ込みで発売されたりもしてますが、ここで聴けるのはインダストリアル/エレクトロゴシック色のかなり強いサウンド。変化の仕方としてはレーベルメイトのMORTIISを思わせますが、MORTIISが完全に向こうのサウンドになってしまったのに対し、こっちはサウンドの核としてメタルがしっかり残っている感じ。

打ち込みのリズムやサウンドエフェクトを多用し、サイバーな雰囲気を醸し出しつつも、全体的にはリフで押す傾向が強いし、シンセのアレンジはシンフォニック・ブラックを思わせるところもあったりします。加えて、ヴァースでデスヴォイス、コーラスでクリーンという最近のメロデス/メタルコアに近いアレンジまでやったりもしてます。ただ、普通声は平凡で、風格が足りない感じがするのはB級っぽさを感じてしまいますが…。また、リフはリズムに合わせたグルーヴ重視のものが多く、ブラックっぽさは薄めなので注意が必要かも。

このアルバム、何気にEARACHEから出てるんですよね…。デス系のイメージが強いレーベルですが、MORTIISなど意外にインダストリアルにも食指があるっぽいですね。


MORTIIS - The Grudge ★★ (2008-06-22 22:08:00)

2004年発表の7thアルバム。
以前に4thは聴いてたんですが、また凄い変わりようですね…。

ULVERやTHE 3RD AND THE MORTAL、MANESなど、ノルウェーにはインダストリアル/エレクトロニカ方面に活路を見出すバンドが少なくないですが、前述のバンド達がそうした要素を情景描写に使う傾向が強いのに対し、MORTIISはラップやNINE INCH NAILSそっくりの歌メロを導入した、歌モノ要素の強いある意味売れ線と言えなくもない路線。

とてもじゃないけどEMPERORのメンバーだったり、COLD MEAT INDUSTRYに所属していた経験のある人の作品とは思えません。アメリカのインダストリアルバンド…とか紹介されたら普通に信じてしまいそうな音に仕上がってます。
この音楽性、何気にZILCH辺りのファンにもお勧め出来そうな気がするんですが…

音楽性が似ているのみならず、シャウトしても攻撃的になりきれない、線の細く味のあるヴォーカルや、ヴィジュアル面で自分をプロデュースする手法(特殊メイクが凄い…)など、かなり類似点は多いと思います。ただ、ZILCHと比べるとマニアックというか、自己満足っぽさを感じるというか、キャッチネスに徹しきれていない印象があるのも確かですが。

V系からZILCH(hide)辺りを経由して、インダストリアルからメタルに入った人って案外多いんじゃないでしょうか。そういう経路でメタルに入った人なら聴く価値ありかも。


NACHTMYSTIUM - Assassins : Black Meddle Part Ⅰ - Seasick(part3 : Silent Sunrise) ★★ (2008-06-21 17:29:05)

第3部にして漸くヴォーカルが登場。普通声だけでなく、ガビガビに歪んだ絶叫を同期させている辺り、ちょっとメタルを回復している感じですね。普通声のほうは、ちょっとNINのTrent Reznorに似てる気も。


NACHTMYSTIUM - Assassins : Black Meddle Part Ⅰ - Seasick(part2 : Oceanborne) ★★ (2008-06-21 17:26:00)

サックスをフィーチャーしたサウンドなら他のバンド(SOLEFALD、EPHEL DUATH、CARPATHIAN FOREST等)もやってますが、ここまであからさまにプログレになってしまってるのは他に無いのでは。何の情報もなしに1stの曲と聴き比べて同じバンドって分かったら凄いと思う。


NACHTMYSTIUM - Assassins : Black Meddle Part Ⅰ - Seasick(part1 : Drowned at Dusk) ★★ (2008-06-21 17:23:02)

この組曲って、明らかにブラックメタルやヘヴィメタルの音じゃないですよね…。でも、MANESやULVER辺りの音楽性の変遷を思えば、ブラックメタルバンドがこういう情景描写に特化したサウンドを演るのは珍しくないのかも。ただ、バンドサウンドでやってるのは結構レアかもしれません。


NACHTMYSTIUM - Assassins : Black Meddle Part Ⅰ - Code Negative ★★★ (2008-06-21 13:04:53)

KRIEGのN.Imperialが歌詞を提供。歌詞載ってないけど…。
ギターソロやキーボード、ドローン的サウンドエフェクトを用いて丁寧に荒涼感を描写していく曲で、一音一音がツボに嵌まる感じ。特にドラムの音、五寸釘の雨が降ってくるような雰囲気の音で好みです。


NACHTMYSTIUM - Assassins : Black Meddle Part Ⅰ - Your True Enemy ★★★ (2008-06-21 13:01:29)

本作中最もブルータルな曲。
一気に音圧が上がって突進するので、心臓麻痺でも起こしそうな感じです(笑)。前作の曲と比べると攻撃性が外に向かっている感があるのが大きな違いでしょうか。ギターソロも妙にかっこいいし、余りミサンスロピックな雰囲気がしない感じ。


NACHTMYSTIUM - Assassins : Black Meddle Part Ⅰ - Away from the Light (2008-06-21 12:58:12)

ピアノとサウンドエフェクトによるインスト。
こういう曲を聴くと、本作においていかにSEが重要な役割を果たしているか分かりますね…。


NACHTMYSTIUM - Assassins : Black Meddle Part Ⅰ - One of These Nights ★★ (2008-06-21 12:56:47)

これもタイトルはPINK FLOYDの「One of These Days」から取ってるんでしょうね。いきなりの前作の面影すら無いサウンドに面食らいました。リスナーにショックを与える目的なら、こういうオープニングを入れたのは大正解だと思います。最初からして賛否の火種になりそうな曲だし(笑)。


PROFUNDI - The Omega Rising ★★★ (2008-06-20 21:41:00)

2006年発表の1st。

恥ずかしながらこれを書いている時点ではNAGLFARは未聴なんですが、クラシック風のフレーズをSE的に用いて背徳感を演出しつつ、嵐の様に蹂躙するアグレッションで迫るメロディックブラックという感じの音ですね。…っていうか、このプロジェクトを独りでやっているというJens Ryden氏って、これを聴く限り天才だと思うんですけど…。北欧のメタルシーンって何でこんなに優れた才能の持ち主が多いんでしょうか…。

クラシック音楽にも通ずる荘厳な泣きメロやブラックらしい邪悪さを演出するトレモロリフや華やかなリードプレイ、地声の全く分からないエグ過ぎる絶叫と演奏面でも素晴らしいですが、この人、作詞作曲編曲のみならず、ミックスやアートワーク、バンドロゴに至るまで自ら手掛けてるらしいです。それでいて独りブラックにありがちなマニアックさはあまり無く、広くメタラーに受け入れられそうなかっこいい音になっているのは凄いですね。尤も、天使が悪魔に殺されるパラパラ漫画風歌詞カードはちょっと面白いですが(笑)。

但し、他の日本盤が出てるようなメジャーブラックと比べると、音質はやや辛口かも。EMPERORの2ndって分離が悪い代わりに音がダマになって襲い掛かるような迫力があったと思うんですが、この作品はある程度分離の良さは保った上でそういう迫力が感じられます。感触としてはTAAKEの1st辺りに近いかも。トレモロやリードギターはやや前に出た音になっているため、メロディ派にも聴きやすい音になっているのは良いですね。

ある意味DIYの究極の形かもしれません。
でも、格闘ゲームファンとしてはライデンと聴くと毒霧吐きそうなイメージしかないんですが…(笑)


NACHTMYSTIUM - Assassins : Black Meddle Part Ⅰ - Ghosts of Grace ★★★ (2008-06-20 19:00:33)

昨今のメタルコアにも通じるグルーヴ感のある曲。
「Understood, left nothing~」のパートなんてライブでも滅茶苦茶盛り上がりそう…。THE MEADS OF ASPHODELにもこの手のノリの良い曲がありましたが、サイケとキャッチーさって相性が良いんでしょうか。


NACHTMYSTIUM - Assassins : Black Meddle Part Ⅰ - Omnivore ★★★ (2008-06-20 18:57:13)

前作「Instinct : Decay」の段階でこのバンドには一目置いてましたが、この曲を作った事で私の中では一段と株が上がりました。サイケ趣味を「リフで」表現する疾走パートの何と素晴らしいことか…。ブラックの様式とBlakeのサイケデリックロック趣味が見事に合わさり、実を結んだ超名曲と言えるでしょう。


NACHTMYSTIUM - Assassins : Black Meddle Part Ⅰ - Assassins ★★★ (2008-06-20 18:52:55)

アングラから脱却した感のある音ながらもトレモロリフの悲壮感や絶叫ヴォーカルなど、ブラックの魅力をしっかり伝えるセンスの良さは流石USプリブラで慣らしただけありますね。後半のサイケ趣味もバンドの音中心に繰り広げられるので聴きやすく、ラストは2分に渡る音響パートで締め。
このアルバムでの彼らの音楽性を象徴するような曲で、意外性のあるオープニングの1曲目に続く、優れた導入部と言えると思います。


B'Z - SURVIVE - Liar! Liar! ★★★ (2008-06-19 23:23:07)

この曲が生温いというのは、どこをどう聴いているのか分からないですね。サビのバッキングのシンセとギターのクールすぎる掛け合いに「Baby, do you~」のバンドが一体となったグルーヴ、サビメロのキャッチーさに巻き舌Liarのインパクトと一曲通して隙が無いです。Marty Friedmanも言ってたけど、やっぱり日本の音楽はレベル高いと思う。
あと、この頃の曲は手癖で曲を作ってる感じがしないのも良いですね。正直、最新作「ACTION」はそれを感じてしまう箇所がかなりあったので…


B'Z - ACTION - 黒い青春 ★★★ (2008-06-19 23:14:29)

個人的にACTIONでのベストチューン。
アレンジも歌詞もメロディも全て印象深く、インパクトのある曲。この歌詞、共感するとかそれ以前に「凄い」と思いました。稲葉さんって結構いい年なのに、なんでこうポジティブにもネガティブにも過剰に傾く事のない、リアルな、現代の青春像が描けるんだろう…シンガーとしてのスキルだけでなく、イマジネーションの豊かさでもレベル高すぎです。


B'Z - IN THE LIFE - 『快楽の部屋』 ★★ (2008-06-19 23:10:10)

これ、明らかにセックスソング(とライブを掛けたもの)なんですけど、その中での「チョコレートケーキ/艶かしいフレグランス」が何を表してるのかよく分からないんですが…以前ファンサイトでの議論をROMってたら、「糞尿愛好のメタファー」という解釈が出て(ちなみに、速攻で消去されてました・爆笑)妙に納得してたんですが、B'zがそんなWACO JESUSみたいな歌詞書くとは流石に思えないし…皆さんはどう解釈してます?


NACHTMYSTIUM - Assassins : Black Meddle Part Ⅰ ★★★ (2008-06-19 18:58:00)

2008年発表の4th。遂にNACHTMYSTIUMまで日本盤が出るとは…
とりあえずこのサイトでの最初のレビュアーの座は頂いておきます(笑)。

前作でもサイケデリックな音色のギターや曲間に音響的なパートを設けたりしていましたが、今作ではアルバムのサブタイトルがPINK FLOYDの「Meddle」をもじっていたり、ライナーでBlake(Azentrius)がNACHTMYSTIUMの音楽性を(冗談めかして)「サイケデリックブラック」と呼んでいるエピソードが紹介されている事からも分かる通り、前作のそうした要素を更に強めた作風になってますね。
メンバーにムーグ/サウンドエフェクト担当がいたり、ゲストにサックス奏者を起用するなど、前作以上に思い切った方向に舵を切ってます。

また、サイケデリック・ロックの要素が強まっただけでなく、大幅にメジャー化もしてますね。まず音質がブラックらしいギターの歪みの強さは残しつつも分離の良い整理されたものになってるし、ドラムはNILEやANGELCORPSEにも参加したTonyを起用したせいか、今までには無かったテクニカル/ブルータルな部分も見られますね。
やはり音作りは上手く、ドラムが相当ブルータルな箇所でもサイケデリックな陶酔感を邪魔しない心地良さがあるのは凄い。

ヴォーカルも以前の人を寄せ付けないような禍々しさや、得体の知れない恐怖感は薄くなってる感じですね。相変わらずガビガビに割れた声ではあるんですが、鬨を上げるようなコーラスパートを歌ったり、剰え濁声でメロディを歌うパートまであります。
とはいえ、ちゃんとエクストリームメタルのヴォーカルとしてはかっこいいので問題無し。私はPINK FLOYDって「Meddle」を聴く限りでは、サイケな感覚は好みなんですけどどうもあのナヨナヨしたVoが癇に障って苦手なんですよね…影響がヴォーカル面にまで及ばなくて良かったかも(笑)

個人的には、「One of these Nights」や「Seasick」辺りはサイケデリックロック要素の取り入れ方があからさま過ぎる(だから駄目という訳ではないけど)ように思うんですが、禍々しいサイケデリアをブラックメタルらしくリフによって演出する「Omnivore」辺りは彼らの個性が現れた、掛け値無しの名曲だと思います。

ただ、音質面で見ると前作の方がミステリアスな雰囲気があって、サイケなギターの音が良く映える音だったと思うんですよね…一方、ムーグやサックスを入れたり、効果音の多用といった手法は今作の音質だからこそ効果的に機能しているという印象。なので前作と今作ではそれぞれ一長一短な感じですね…もっと聞き込むと印象も変わるかもしれませんが。

しかし、NACHTMYSTIUMの作風はここが終着駅ではないような気がします。これからももっと進化していきそう…そんなポテンシャルを感じられる作品。


DIMENSION F3H - Does the Pain Excite You? ★★ (2008-06-19 01:08:00)

2007年発表の2nd。
LIMBONIC ARTのMorfeusが中心人物のようですが…この作品にはかなり意表を突かれました。

ストリングスやインダストリアルな音色のキーボードをフィーチャーしたサウンドはスペースメタルとカテゴライズ出来そうな音ですが、トレモロリフやブラストビートなど、ブラックの代名詞とも言えるものはあまり使われておらず、リフはグルーヴ重視のものが多くリズムも暴虐さよりノリのよさを感じさせるパートが多めで、ブラックメタルというよりはメロデスに近い音という印象。ヴォーカルも低音のデスヴォイスに近い歪みを掛けながらメロディも付けて歌う色気のあるもので、やはりブラックから離れてる感じがします。

LIMBONIC ARTの初期作(1st、2nd、デモ再録)って、バンドサウンドよりもキーボードを中心に据えたサウンドが、神秘性や禍々しさなどのブラックメタル独特の価値観を一般的なメタルの価値観の外側に成立させた事で画期的だったと思うんですよ。そのサウンドを作った立役者であるMorfeusがこういうメタリックな音のバンドを演るなんてかなり意外…。尤も、LIMBONIC ARTの復活作(Legacy of Evil)もリフのメロディの強い、メロブラに近いサウンドだったので、最近のMorfeusはメタルモードにあるのかもしれませんね。

初期LIMBONIC ARTが好きなら逆に評価しづらいかもしれないアルバム。でもブラック的感性のサイバーな宇宙の描写とメロデス的なメタリックさの融合した音は、なかなかにかっこいいですよ。


DIMENSION F3H - Does the Pain Excite You? - Nine Tails of the Cat ★★★ (2008-06-19 00:54:09)

やっぱりブラック好きとしては、こういうブラストの多い曲に惹かれてしまいますね…アトモスフェリックなキー、リフの不穏さなどアルバム中最もブラックっぽい曲ではないでしょうか。


DIMENSION F3H - Does the Pain Excite You? - Pin Point Dead Man Practice ★★ (2008-06-19 00:52:23)

イントロのテクノっぽい雰囲気といい、ブラックがベースなのにダンサブルなリズムといい、中盤の哀愁漂う雰囲気といい、妙なスケールの大きさがありますね…このバンドってやっぱり個性的。


DIMENSION F3H - Does the Pain Excite You? - Babylon ★★ (2008-06-19 00:49:46)

初期LIMBONIC ARTを聴いた事ある人は、このリフの意外さ、そしてかっこよさに驚くのではないでしょうか。しかしキーボードのフレーズの大仰さはやはりLIMBONIC ART譲りという感じ。


DIMENSION F3H - Does the Pain Excite You? - Does the Pain Excite You? ★★★ (2008-06-19 00:47:05)

ARCTURUSの4thにも通じるスペースオペラ的な雰囲気がある曲ですが、何故か歌詞はあからさまにSM的。プレイ中の恍惚感で宇宙が見えてきた感じでしょうか(笑)。でも、このギャップも意図してやってる気がします。


IHSAHN - angL - Threnody ★★★ (2008-06-17 22:03:22)

激しめのパートもありますが、普通声で歌うパートも多く今作の中ではバラード的な位置付けの曲と言えるかも(タイトルも「挽歌」だし)。リードギターが前面に出たパートでも、ギターを重ねて重層的なメロディを聴かせてくれるアレンジセンスがいいですね。速く弾く事しか知らないギタリストは、こういうセンスをこそ見習って欲しいと思う。


IHSAHN - angL - Elevator ★★★ (2008-06-17 21:50:20)

この熱に浮かされて悪魔の手招きに引き寄せられていくかのような感覚を覚えるメロディ、本当に素晴らしいなぁ…聴いてて平衡感覚おかしくなりそうですもん。しかし悪魔的でありながら、一方でラファエロやミケランジェロの作品みたいな、ルネッサンス期の絵画のような上品さもあるんですよね…ほんと、天才としか言えません。


IHSAHN - angL - Malediction ★★★ (2008-06-17 21:44:00)

ブラストパートも多く、アルバム中最も激しい曲と言えるにも関わらず、何故か「野蛮さ」みたいなものを殆ど感じないんですよね…むしろ高貴さを感じるというか。メタルを聴いているというよりも、硬質で高揚感の非常に強いクラシック曲を聴いているような感覚。


IHSAHN - angL - Emancipation ★★★ (2008-06-17 21:41:14)

この曲、ギターパート充実しすぎでしょう…ギターパートを聴いてるだけも飽きない、全編サビ聴いてるみたいな充実感。聞き流しを許さず、全力で聴く事を強制してくるような雰囲気があって聴いていてちょっと疲れますが、その分満足感も大きいです。


IHSAHN - angL - Misanthrope ★★★ (2008-06-17 21:36:37)

グルーヴだけでなく、禍々しさまで感じさせる刻みリフでつかみはばっちり。歌詞の「long ago / I grew deaf~」の部分、初期EMPERORの邪悪で寒々しい作風や、その部分のみを評価するファンへの訣別とも取れるんですがどうでしょう。
でも個人的にIhsahnって余り「Misanthrope(厭人)」っていうイメージが無いんですけど…奥さんいるし、ギターを教えてたこともあるらしいし。


GORGOROTH - Ad Majorem Sathanas Gloriam - Prosperity and Beauty ★★★ (2008-06-17 17:48:52)

この曲、メロデスと比較しても劣らないくらいメロウかつメロディアスなんですが、どう聴いてもブラックにしか聞こえないのはリフやヴォーカルのタイプなど形式的なことよりも、曲自体に漂っている「悪」のオーラが強いからのように思います。エクストリームメタルとしては比較的聴きやすいといえる音なのに、ブラックの危なさを余す所なく伝えるところにベテランの貫禄や威厳が感じられますね…。


ANTAEUS - De Principii Evangelikum ★★ (2008-06-14 17:44:00)

2002年発表の2nd。
FUNERAL MISTのAriochが作詞でゲスト参加。

3rdでは聴覚を通じて痛覚まで届くような、サディスティックな感触のノイジーなファストブラックをやっていて、1stも似た路線だったので当然2ndもそういう作風なのかと思いきや、意外と3rdや1stとは違った雰囲気のある作品に仕上がってますね…。

特に音質、3rdで聴けたような刃物系の高音のノイジーさを強調したものではなく、低音もしっかり効いたドロドロした感じでかなり意外。ヴォーカルも3rdのそれが狂気の塊を吐き出すような感じだとすれば、今作のは狂気を「表現している」という感じ。いつものがなり声以外にも、エフェクト掛けてるっぽい低音グロウルも駆使して邪悪さを演出してます。

これらによっていつもよりも聴きやすい音になってますが、混沌としたリフ捌きやしばき倒すような疾走感など、やってる事はいつものANTAEUSなので、安心して聴けることと思います。しかし、なんで3作中、2ndだけ際立って違う音なんでしょうね…。これはこれで好きですが。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - Ascendant ★★★ (2008-06-13 22:01:17)

神秘的なキーや広がりのあるリフはラストに相応しい劇的さを演出してますが、ブラストにしろ高速スラッシュビートにしろ終始飛ばしっぱなしのドラムが凄すぎる。このバンド、基本的にはObsidian C氏が曲を作ってるようですが、こんな息する暇も無さそうな曲を作るなんて鬼でしょう…ドラマーを殺す気ですか(笑)。それを「もっとキチィのくれや」とばかりに叩きこなすVylはもっと鬼。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - Warmonger ★★★ (2008-06-13 21:56:22)

前作の「Many Are We」の流れを汲むブラックンドスラッシュ。
ヴォーカルとバンドが一体となってグルーヴを演出したり、缶を叩くような超豪速ブラストに挑発的なGメロを乗せたり、展開も劇的でテンションが天井知らずで上がっていくような曲。…このバンド、基本メロディアスなのに刻みリフの使い方が犯罪的に上手いんですが…。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - Kolossus ★★★ (2008-06-13 21:52:40)

Obsidian Cってバンド名にゲド戦記に由来するものをつけていたり、BAL-SAGOTHを誉めていた事からも分かるように、ドラマ性のある音楽が好きなんでしょうね。キーボードとパーカッションの絡む語りパートの映像的な感覚は、彼のそんな趣味が強く出ているのではないでしょうか。他のパートも開いた口が塞がらなくなる凄まじさで、聴いていると時間を忘れてしまいます…。


SECRETS OF THE MOON - Antithesis ★★★ (2008-06-13 18:35:00)

2006年発表の3rd。

ブラックメタルの独特の禍々しい雰囲気を演出する手法としては、スピード/ブルータリティを重視したり、音質を故意に落として衝動性を前面に出したり、アンビエントの要素を取り入れ音響方面から攻めたりといったものが好まれてますが、この作品はそのどれでもなく、展開やフレーズを丁寧に組み合わせることでそういった感覚を味あわせてくれるアルバムに仕上がってますね。

ヘヴィ・メタルとして質が高い音なのはKOKやDIMMU BORGIR同様なんですが、曲調がメタルとしてのかっこよさよりもブラック的な禍々しい魅力を放っている事がこのバンドの特徴でしょうか。所々に挿入される鐘の音や妖艶さを感じるアルペジオ、妖気漂う響きのトレモロ、中音域の威厳のあるがなりヴォーカルなど各要素自体もなかなかに魅力的。

また、曲の質の高さ同様、音質もかなりハイクオリティ。わざわざ「ハイファイなサウンドシステムで聴いて欲しい」的な事をライナーに書いてるだけあって、メタルの中でも売れてるメロデスバンド辺りと比べても何ら遜色無いくらいに綺麗で迫力のある音。特にギターの刻みの威風すら感じる重さは特筆もので、それが魔的なトレモロと合わさるとサタンが降臨して、ふんぞり返っているような堂々とした雰囲気に。

これは個性もあると思うし、隠れた名盤といえるんじゃないでしょうか。
WATAINやCODE辺りが好きな方に特にお勧めできそうなアルバムだと思います。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - The Mark of Power ★★ (2008-06-13 18:29:43)

1stのアトモスフェリック・ブラックとしてのものとはまた別な、ゴシックっぽい退廃的な妖気が漂う曲。進行は基本ミディアムですが、サビでツーバス連打、ラストブラスト全開になるあたりやっぱりブラックっぽい。この曲でもThebonの表現力が光ってますね。前作では聴けなかった、どこか色気のある歌声。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - Escape the Union ★★★ (2008-06-13 18:24:44)

こういうギターリフとドラミングが戦争状態のような凄まじさの曲(そういう曲ばっかりだけど…)には、Thebonの海軍を率いる果敢な戦士のようなヴォーカルが実に映えますね。「We shine」の歌い方なんて突撃命令を出しているみたい。彼のヴォーカルも今のKOKサウンドになくてはならないものになってると思います。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - The Rising Sign ★★★ (2008-06-13 18:21:32)

アコギとキーの絡む、長いインストパートを挟んだ構成の光る曲。月並みな感想ですが、ノルウェーの自然の神秘性が伝わってくるようです。Obsidian氏はプレイヤーとしてもコンポーザーとしても超一流だわ…。
また、インストパート以外も壮絶。発狂ヴォーカルでもノイジーな音質でも、ましてや危険思想でもなく、アンサンブルのテクニカルさ、壮絶さが狂気を伝えるというのはなかなか無いのでは。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - Against the Gods ★★★ (2008-06-13 18:16:29)

この膾に切り刻まれるような「グルーヴ」と、泣きの入った「メロディ」を両立させるリフのセンス、一流のメロデスバンドでも敵うのかどうか…。しかも、この人たちはそれを超高速のブラストビートに連動させてますからね…。エンディングはちょっと冗長な感がありますが、それでも余裕で★三つです。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus - A New Empire's Birth ★★★ (2008-06-13 18:13:28)

今回は立ち上がりからして攻撃的なだけでない、雄大なリフを交えた曲調で、もはや王者の風格すら漂ってます。しかしギタープレイ、実に華麗ですね…。ギターソロは、後ろのリフが妖艶な時はその妖艶さを、雄大な時はその雄大さを際立たせるものを弾いていてほんと素晴らしいです。


CATAPLEXY - ...LUNAR ECLIPSE,CHAOS TO THE RUIN... ★★★ (2008-06-12 19:46:00)

2008年発表の1st。このバンド、91年結成らしいですが…満を持してのフルって感じですね…。

日本のブラックって、オーソドックスな北欧のブラックのスタイルを基調としつつも、例えばSSORCならドス黒いギターの音色、ARKHA SVAなら芸達者なヴォーカルとフランス的耽美メロディ、MANIERISMEなら日本特有の陰湿でホラーな雰囲気など、どこかに秀でたセールスポイントがあるものが多い傾向にあると思いますが、このCATAPLEXYにもそれは当てはまりますね。

…このバンドは雰囲気のある音作りが特に素晴らしいです。ブラックらしい真っ黒な音像の中でもベースのトレモロが割とはっきり聞こえるようなプロダクションなんですが、この音質が瘴気が漏れ出してくるような禍々しさと共にどこか厳かな雰囲気を醸し出しているように思います。ここぞというところで印象深いメロディを織り込んでくるリフ、キレがありながらタメも利いたヴォーカル、炸裂感のあるドラミングと各要素もアンダーグラウンドなブラックメタルとして隙が無いです。

まあ、隙が無さ過ぎて丁寧すぎるように感じる向きも確かにありますが…。もう少し不健全な部分があってもいいのでは…みたいな。タイプとしてはSSOCRが一番近そうですね。邪悪でドス黒い音像ながら、ライブ映えしそうなかっこよさもある所が似てると思います。個人的な好みではSSORCなんですが、リフの煽情度はこちらの方が上かもしれません。

しかし、最近日本は北欧、フランス、アメリカ辺りに続くブラックメタルの爆心地と言っても過言ではないくらい、優秀なブラックメタルバンドの作品のリリースが相次いでますが…そこに投下されたこの作品、日本のブラックメタルシーンの更なる発展への起爆剤となるかもしれませんね。


KEEP OF KALESSIN - Kolossus ★★★ (2008-06-11 18:54:00)

2008年発表の4th。

このバンド、AttilaとFrostを起用した復活ミニを出してからは、ブラック的なカルトなアトモスフェアよりもメタリックなかっこよさ、質の高さを重視したブラックメタルをやってますが、今回もその流れを汲む作風。

前作もバラエティに富んだブラックを聞かせてくれましたが、ブラック由来のエクストリームな曲、キーボードとアコギの絡むドラマティックなエピックチューン、ミッドテンポ中心の重厚なゴシックまで曲のバリエーションは更に増えているという印象。ブラックの禍々しく不健全な雰囲気は希薄で、ブラック好きからの賛否があるのも頷けますが、このストレートにかっこよさの伝わるスタイルはメロデス好きを始め、ブラックのファン以外のメタラーにも広く支持を受けられるのではないでしょうか。

しかし、相も変わらずObsidian氏はぶっ飛ばしてますね…(笑)。ブラックらしい繊細なトレモロリフ、メロデスにも通ずるグルーヴとメロディを同時に練り込んだリフ、ヘドバンを誘発するリフに泣きのギターソロ、叙情味溢れるアコギフレーズに至るまで、何をやっても際立ってしまってる感じ。この人って本当に何でも出来るんだなぁ…。

それでいて自慰的なテクのひけらかしが感じられないのもまた凄い。インタビューで「一つの良いリフを書くのは簡単だが、一つの良い曲を作るのは難しい(大意)」的な事を言っていたし、プレイヤーとしてだけではなく、曲全体を見渡せるコンポーザーとしても素晴らしいギタリストと言えるでしょう。

前作のレビューでは「Euronymousを超える逸材かも」的な事を言ったんですが、この人の資質ってそうしたカルトな支持を集めるタイプの物ではなく、むしろCOBのAlexiやARCH ENEMYのAmott兄弟などのいわゆる「ギターヒーロー」と呼ばれている人たちと同様に、メタルとしてのかっこよさを体現するものであるのかもしれないと思いました。

そのうちYOUNG GUITARとかに載ってもおかしくないくらいメジャー志向で、しかもセンスある人だと思います…それだけに、日本盤の発売すらされていない、国内でのマイナーな立ち位置が惜しすぎる…。まあ、このサイトでも現時点で前作のレビューが15件あるし、注目度は上がってるのかもしれませんが。

また、HellhammerやFrostと並んで語り草になりそうなVylのドラムや、ヴァイキング的な野蛮さ、勇壮さを湛えたThebonのヴォーカルなど、ギター以外のパートも素晴らしいですね。
特にヴォーカル、普通声で歌ってもリフの邪魔にならず、むしろリフの叙情性を際立てている辺りにセンスの良さを感じます。こないだ聴いたIN FLAMESは、一流のメタルながらそれが今一つ出来てなかったと思うので…。
このバンド、Obsidian.CとVylという二人の人外がいるせいで影が薄くなりがちですが、彼も実はかなり良いヴォーカリストなのでは。

ただ、プロダクションは作風の割に少し薄味かも。
繊細でギターのフレーズを味わいやすいとは思うんですが、この作風ならIN FLAMES辺りのバンド並にモダンな音質にしちゃっても良かったんじゃないかと。

でもこのアルバム、なかなか気軽に聞けないんですよね…余りにもかっこいいので、聴いていると自分のテンションがトップギアに入ってしまうので、必然的に結構疲れてしまいます(笑)。まだ買ったばかりですが、疲れてるときは他のアーティストのもう少し緩めの作品を選んで聴いてしまいたくなる感じ。

…と、ここまでほぼべた褒めですが、点数をつけるなら88点くらいですね…。いや、アルバム単品なら90点代後半付けたいくらいですが、付属のDVDが国内機やPS2で見れないのは10点くらいマイナス。値段が多少高くなってるのは仕方ないですが、ジャケにPAL方式とかの表記がないのがむかつく。ドキュメンタリーとかインタビューとか、動いてる彼らが見れると思って、物凄く期待してたのに…。

悪態を付いてますが、DVDが国内機でも見れる日本盤が発売されたら多分買ってしまうと思う…それくらい好きなアルバムです。


ABSOLUTE OF MALIGNITY - ABSOLUTE OF MALIGNITY ★★★ (2008-06-11 18:46:00)

2008年発表の1st。
バンド名もアルバム名も表記がありませんが、セルフタイトルらしいです。

このバンドもARKHA SVAやASHDAUTAS~などと同様、「正体不明の国産ブラック」として話題になってますが、最近の日本のブラックは正体を隠すのがトレンドなんでしょうか。ブラックって結構イメージ重視な所もあるし、こうした方が箔が付くのかな…?

路線的には、ストレートにブラックメタル特有の寒々しさを体現するリフが素晴らしい、プリミティブスタイル…と表現できそうなんですが、音やヴォーカルから伝わってくる「悪意」はそこらのバンドの比ではありません。その悪意からくる凄みが伝わってくる感覚は、最近のGORGOROTHに近いものがあるように思います。特に憎しみの塊を吐き出すようなヴォーカルはGaahlの凶悪さに通じる物がありますね。1stにしてベテランと同様の貫禄が感じられ、しかも衝動性もしっかりと感じられるのだから凄い。これは支持を受けるのもよく分かります。

寒々しいリフ捌きといい、ザラザラした音質といい、禍々しい風格すら漂うヴォーカルといい、アルバムを構成する要素の全てがブラック好きの耳に心地良く響く作品。ある意味私的にはかけていると癒される音です(笑)。こうしたバランスの取れていながら凄みもしっかり伝える音作りは、硬派を気取る余りブラック好きにすら聴きづらい音にしてしまうよりもずっと素晴らしいと思う。ブラックの禍々しい雰囲気が好きならば買って損なしの作品。

最近の国産ブラックの質の高さを象徴してますね。


分島花音 - Still Doll - Still Doll ★★ (2008-06-11 18:43:16)

歌のバックで空間演出をしたり間奏を担ったりするチェロの音色が実に美しい。でもデビュー曲でタイアップまで取っているのに、歌メロやヴォーカリゼーションはダウナーな感じなので、Manaさんのネームヴァリューからクサクサなものを期待すると肩透かしかも。ファッション通りの退廃的で幼気な雰囲気のある曲。


分島花音 - Still Doll - 黒い鳥籠 ★★ (2008-06-11 18:42:21)

この黒さと華麗さを兼ね備えた曲調、Manaさんの面目躍如という感じですね。帯ライナーではヴォーカルがヴァイオリンに例えられていましたが、確かに強弱を自由につける歌い方は通じる物があるかも。ただ、インダストリアルの取り入れ方がちょっと小粒な感じがするのが気にかかりますが…


分島花音 ★★ (2008-06-11 18:40:00)

ex-MALICE MIZER、現MOI DIX MOISのMana氏プロデュースのチェリスト/ヴォーカリスト。
クラシックをベースにインダストリアルを交えた音楽性や、ゴシック系の
ファッションは日本版EMILIE AUTUMNという雰囲気。むこうはヴァイオリニストですが。
雑誌のインタビューでManaさんに様付けしているのが印象的でした(笑)。


IN FLAMES - Come Clarity ★★ (2008-06-09 21:44:00)

このサイトでの2006年の人気投票、これが一位なんですね。皆さん分かってらっしゃる(笑)
私は別のバンドに入れたんですが、個人の好みを別にすれば順当だと思いますし。
メタルの魅力って、異形性とか暴虐性とか色々ありますが、その中でも「ギターのかっこよさ」
っていうのは最も重要なファクターの一つだと思うんですよね。その点では、このアルバムは
今まで聴いたメタルの中でもトップクラスに位置する作品だと思います。
確かに指摘されているようにモダンな作風で、リフもグルーヴィなんですけど、このバンドは
煽情性やメロディも全く損なわずにグルーヴを出してるのが凄い。こんな扇情的な泣きメロと
グルーヴが一体になったリフなかなか無いですよ…しかも、それが一部のキラーチューンだけ
ではなく、全編通じて出てくるのが素晴らしい。Jesperって天才かもしれないわ…。
また、ヴォーカルもデスヴォイスは鋭く、クリーンヴォイスはエモーショナルでレベルが
高いのも良いですね。ただ、クリーンヴォイスはライブとかで盛り上がるにはいいと思うん
ですけど、インドアで聴くタイプのリスナーの私にとっては余り歓迎しづらいかも。
どうしてもヴォーカルがメロディ取ると、少なからずそっちに意識が行ってしまうんですよね…
リフがそれすら勿体無い、全力で聴きたいと思えるくらいかっこいいので…。
個人的にはARCH ENEMYの3rdやDISSECTIONの2nd、DARK TRANQUILTYの2nd辺りと合わせて、
ギターキッズに聴かせてみたいアルバム。一生メタルの虜になってしまうかもしれませんよ(笑)
全くギターを弾けない私ですら余りのギターのかっこよさに悶絶してしまいましたもん。
私はブラック好きなんですが、これ聴いてやっぱりメロデスって今のメタルの中核を成す
サブジャンルの一つなのかもしれないな…とか思いました。


ぴずや - Symmetry Burzum - To Night Illusion by Fire ★★★ (2008-06-07 18:45:13)

シンセが前に出たサウンドはかなり聴きやすいんですが、メロデスリフやツーバス連打による飛ばし具合はエクストリームメタルそのもの。っていうか裏ジャケの人、あんな靴でツインペダル踏めるんでしょうか(笑)。


ぴずや - Symmetry Burzum - Desire ★★★ (2008-06-07 18:40:52)

曲開始から半端ないテンションの高さ。前作の「Bloody Flower Connection」「Sadistic Dealings」がシンセメインのパートに向けてテンションを上げていく感じだとしたら、こっちは全編通じてテンションが天井知らずで上がっていく感じ。この高揚感、最近のIN FLAMESを聴いた時と同じ位のレベルに達してるかも…。


ぴずや - Eternal Circle Nine - A Needle Returns... (2008-06-07 18:37:39)

アルバムの中ではメタル要素が無く異色のアレンジ。
このアルバムのシンセの音、あんまり好きじゃないんですが、こういう曲には良く合ってますね。ファミコン時代のゲーム音楽にも通じる趣があってチープさが逆に想像力を刺激するというか。


ぴずや - Eternal Circle Nine - Sadistic Dealings ★★ (2008-06-07 18:34:50)

シンセメインのパートに向けてメロデスリフでテンションを高めていくアレンジは前曲と似てるんですが、3分半とコンパクトな演奏時間にピアノソロも絡めたドラマティックな展開で更に劇的。個人的な好みは別としても、1stも改めて聴くとかなり質の高い部分が多いですね…。


TRANSILVANIAN BEAT CLUB - Willkommen Im Club - Wodkavampir ★★★ (2008-06-07 07:53:53)

覚醒度でいったらこの曲が一番かな?
トランペットが、不思議の森の麻薬キノコが胞子を放出する音に聞こえる。


TRANSILVANIAN BEAT CLUB - Willkommen Im Club - Transilvanian Hunger (Darkthrone Cover) ★★ (2008-06-07 07:52:58)

始めこそ忠実にカヴァーしてますが…
ヴォーカルが相変わらずおっさん声だったり勝手にテンポを変えてグルーヴィなモッシュパートを設けている辺り、許せないブラックメタラーも多そうなアレンジ。まあ、私は面白いから良いけど…。


TRANSILVANIAN BEAT CLUB - Willkommen Im Club - 66 Sexy Mama ★★ (2008-06-07 07:52:04)

セクセクセクシー・ママ
…なんかおちょくられてるような気分(笑)獣の数字も形無しって感じ。
この曲のアートワークはある意味最悪。


TRANSILVANIAN BEAT CLUB - Willkommen Im Club (2008-06-07 07:49:00)

2006年発表の1st。
バンド名的になんか地雷っぽさが漂ってたんですが(笑)、安かったので購入。

バンド名やDARKTHRONEをカヴァーしている事から、ブラックのリフやヴォーカルにクラブ的なリズムを取り入れたスタイルを想像してたんですが、全然違いますね。リフの音の厚さ、黒さは確かにデス/ブラックっぽいのかもしれませんが、どちらかと言うとロックンロール的なノリのいいリズムとヴァイキングっぽいフィーリングのある、おっさん声のヴォーカルをフィーチャーしたゴシック・ロックという感じのサウンドで、別にクラブ的な要素はないです。

そこにトランペットやピアノが大々的にフィーチャーされて、ゴシック的な頽廃性と共にどこかファニーさも感じられるような音作りになってますね。66Sexy Mamaのアートワークに見られるような、ある意味アヴァンギャルドな悪趣味さはブラックメタルに近い…のかもしれません。でも流石に普通のブラック好きがDARKTHRONEのカヴァーに惹かれて買ったらがっかりしそう。

クオリティは低くないので、変な美意識のあるメタルが好きならば楽しめると思います。


AMESOEURS ★★ (2008-06-06 22:57:00)

彼女が嫉妬するから解散って本当なんでしょうか…
本当なら、余りにもがっかりな解散理由なんですけど…。
(追記)
と思ってEncyclopaedia Metallumを見たら、上の表記がなくなって活動中に
なってました。デマだったか、解散は取りやめるかしたのかな…。
なんにせよそんな下らない理由で解散じゃなくて良かったです。