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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 4301-4400

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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 4301-4400

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DRAGON GUARDIAN - 聖邪のドラゴン - ダリア城 ★★ (2008-01-07 15:52:31)

ライナーでブラック宣言してるので、「これはクサ歌謡シンフォとARKHA SVA並のメロウなトレモロが融合してしまうのか!?」と期待するも、ブラック要素はブラストくらいでギターはブラックっぽくないのでちょっとガッカリ…。
とは言え、やりすぎなクサメロ、クサ展開は充分すぎる程味わえます。


DRAGON GUARDIAN - 聖邪のドラゴン ★★ (2008-01-07 15:47:00)

2007年発表の1st。
良く参考にしているメタルレビューサイト「悶絶メタルのページ」で大々的に紹介されてて
私もそれで知りました。ちなみに、ライナーも同サイトの管理人さんによるものですが、
かなり共感できるので必読。やっぱり音楽を含む全ての芸術が人の目を気にするようになって、
自己満足性を失ったとしたら、音楽ファンとしてこれほどつまらないことは無いですよ…。
このバンドの音楽性を一言で表すなら、RHAPSODYのシンフォRPGメタルにSOUND HORIZONの
女性ヴォーカルによる歌謡的メロディと語りをぶち込んで更にクサく仕上げた感じでしょうか。
語りは正直言ってファンタジー系RPG大好きな私でも恥ずかしくなるくらいですが、
この世界観を表現するためには必要なのかもしれませんね。
私はメロスピも幾つか聴いてきたんですが、どのバンドも「メロと付く割に歌メロが歌謡曲と
比べてつまらない」「ハイトーンが暑苦しくて苦手」のどっちかに引っかかってしまいイマイチ
はまれなかったんですが、遂にその二つのハードルをクリアしてくれるバンドが現れました。
しかも、メロディは今まで聴いたどのメロスピよりもクサイと言っても過言ではない程かも。
音質は宅録なのか、平べったくてメタルとしては今ひとつですが、私的には耳を疲れさせずに
純粋にクサメロを堪能出来るので逆に好きですね。刻みやギターソロに頼りすぎず、リフにも
クサメロを捻じ込んでくるアレンジセンスも素晴らしいと思います。
歌詞は…船越英一郎が崖で犯人を追い詰める二時間ドラマ並にベッタベタ(笑)…と見せかけて、
中盤では古本屋で伝説の書物を見つけるという前代未聞の展開が。私はFF、DQ、アトリエ、
サモンナイトなどファンタジー系のRPGは大好きですが、こんな展開聞いた事ないです(笑)
ただ、女性ヴォーカルのずっと聴いていると音程感覚が狂いそうになる歌唱力だけは流石に
頂けないですね…子供が歌う設定で、わざと下手に歌う所がありますが、そこと普通に歌う所の
歌唱力に大して差が無くて、ちょっと聞いていて辛いものが…。語りの方はキャラクターの
演じ分けをノリノリでこなしてるんですけどね…。もっと頑張って欲しいです。
SOUND HORIZONを遥かに超える恥ずかしさの語りやヴォーカルの歌唱力から、正直言って
お勧めはし辛いですが、スタイル自体は非常に共感できるものなので密かに応援してます。
「RPGに使われそう」を通り越して、「RPGに使われているファンタジックなメロディを
凝縮したような」濃密なクサさを誇るメロディラインなんかは、実に素晴らしいですしね。


MOONBLOOD ★★ (2007-12-29 22:39:00)

ドイツのカルトブラック。
コマーシャル性を嫌い、公式なCDのリリースは全く無いそうです(ブートはある)。
でもあのDSOともスプリット出してたりするし、意外と知名度はあるのかも。


MOONBLOOD - Supreme Black Force of German Steel - Burning in Hell ★★ (2007-12-29 22:38:50)

ドライブ感のあるリフといい、何故か早弾きギターソロを設けた展開といい、他の曲よりもメタリックな感触の強い曲…ですが、ヴォーカルの独特な音割れのせいでアングラ感丸出しですね(笑)


MOONBLOOD - Supreme Black Force of German Steel - Apocalyptic Vision ★★★ (2007-12-29 22:37:58)

一瞬ブラックを聴いていることを失念しそうな、摩訶不思議なメロディのイントロからプリミティブな本編へ。バンド名通りの、月に憑かれたような妖しくメロウなメロディに魅了されます。


MOONBLOOD - Supreme Black Force of German Steel - Sarg Und Tod (pt Ⅱ) ★★★ (2007-12-29 22:36:57)

中間部のキーボードの超メロウな、民族がかった泣きのメロディが印象深い曲。エピックブラックという事で、当然にメロウなメロディを期待してたんですが…ここまでやってくれるとは。もちろんトレモロリフのメロディの方も良いです。


MOONBLOOD - Supreme Black Force of German Steel - Embraced by Lycanthropy's Curse ★★★ (2007-12-29 22:35:08)

曲自体はほぼいかにもプリミティブブラックらしい疾走に占められていて、展開はミニマルなんですが…メロディの流れから見たらドラマティックと言っていいかもしれません。タイトルからしても、ULVERの3rd辺りに込められている感情が近いのかもしれませんね。


MOONBLOOD - Supreme Black Force of German Steel ★★ (2007-12-29 22:33:00)

2000年発表「Taste our German Steel」と99年発表「We are at War!」のカップリング盤。
当然オフィシャルなリリースではありません…(笑)

このバンドはブックレットの表記を見ると、93年にDARKTHRONEやBATHORYの影響下に結成された…みたいな事が書いてありますが、正に初期DARKTHRONE直系の音。篭もった音質にトレモロリフ、邪悪ながなり声に2ビート疾走を軸に据えたミニマルな展開に、プリミティブ・ブラックのど真ん中を地で行くような作風。

特筆なのはやはりエピック・ブラックと呼ばれるだけの事はあるメロウなメロディでしょうか。どの曲にも、主にトレモロリフによるメロウ極まりないメロディが練りこまれている上に、ギターノイズも歪みまくりながら耳に痛くないようなそれ程癖の無い歪ませ方なので、初期DARKTHRONEが受け入れられる方なら間違い無く楽しめるかと思います。
また、ドラムが幕を一枚通したような篭もった音なのも呪術的ムードがあって良い感じです。

FULLMOONとかもそうですが、こういう音って意図的にやってるんでしょうか…。
ちなみにラスト3曲、「We are at War!」の音源は音が更に劣悪(笑)。メロディが引っ込み気味だったりするのは良いとして、面白いのはヴォーカル。割れまくりでヴォーカルが入るたびに歯医者で歯を削られるような妙なノイズが入ってます。初めは何じゃこりゃって感じでしたが、暫く聴くうちにノイズ表現としてアリかも…と思うように。

プリミティブ系が好きで、ブラックにメロディを強く求めてる方にお勧めの作品。SATANIC WARMASTER、KATHARSIS、NACHTMYSTIUMは1stが好きという人ならツボかと。


LUNAR AURORA - Ars Moriendi - Dämonentreiber ★★★ (2007-12-29 00:47:49)

SE明け1曲目からシンフォ好き悶絶確定な劇的名曲。
黒い影がよぎるような不吉極まりないキーボード、真っ暗闇の中に響くような金属音、謎の風を切る音と打撃音のSEからの荘厳爆走などを絡めた、構成力の高さを見せ付けるかのようなドラマティックさを誇る曲。特にシンフォ爆走パート、SEがきっかけとなって精神の箍が外れて宇宙空間に飛び出していくような錯覚を覚えます。


LUNAR AURORA - Ars Moriendi - Black Aureole ★★★ (2007-12-29 00:43:01)

質量感すら感じるような、邪悪に纏わりつくキーボードの音色が素晴らしい曲。この曲、宇宙を感じさせる事は感じさせるんですが、それ以上に宇宙に存在する霊的存在と交信してしまったかのような妖しげなムードが強いです。


LUNAR AURORA - Seelenfeuer - Kerker aus Zeit ★★ (2007-12-29 00:40:12)

15分越えの大作ですが…ミディアムに行きそうで行かない、疾走しつづける展開が凄いです。途中キーによる荘厳パートもありますが、すぐに爆走。
このキーの煌びやかな音色と爆発力のあるバンドサウンドの絡みは良いですね。邪悪な精霊が妖しげな魔術を駆使して大地を蹂躙してるみたいな。バンドの音質が良すぎないおかげで、土埃が舞うような迫力があります。


NACHTMYSTIUM - Reign of the Malicious ★★ (2007-12-26 16:09:00)

2002年発表の1st。
BURZUMのカヴァーとライブテイク一曲を含む作品。

最新作「Instinct : Decay」ではプリミティブブラックを独自に解釈したような、サイケで独特のブラックメタルを展開していましたが、この時点ではオーソドックスなプリブラ。
クレジットを見ると、セッションドラマーやライブメンバーがいるものの、実質的にはAzentriusによる独りブラックのような感じなので、音楽性が異なるのかもしれませんね。

北欧のバンドのようなトレモロリフ、トレモロのメロディやベースのフレーズは聴き取り易いにも関わらずデモテープ並に篭もった音質、衝動丸出しの絶叫…と、プリミティブ系の名作の要件はしっかり兼ね備えてますね。個人的にはオリジナリティのある最新作の方が好きですが、プリミティブが好きならばこっちの方がより気に入るかもしれません。
ヴォーカルは最新作よりもこっちの方が好きですね。前に出てて生々しさがあってかっこいい。

しかし、裏ジャケではわざわざノン・ポリティクスを謳ってますが…やっぱり「NACHT~」なんてバンド名をつけるとナチス絡みだと思われやすいんでしょうか。


NACHTMYSTIUM - Reign of the Malicious - Lost Wisdom ★★ (2007-12-26 16:00:12)

BURZUMカヴァー。
原曲よりも音質を下げ、アンダーグラウンド性を強く押し出したアレンジ。ただ、雰囲気は良いんですが、ヴォーカルは真似じゃないほうが良かったなぁ。NARGAROTHもそうだけど、自曲での歌い方のほうが無理に真似するより魅力的だと思う。


NACHTMYSTIUM - Reign of the Malicious - Ritual Sacrifice ★★ (2007-12-26 15:58:13)

この曲も「Call~」同様かなり篭もってます。
篭もり方が違うのが芸が細かいですね(笑)。こっちは深海から聴こえてくるような音で、ブラック系アンビエントを聴く感覚でも楽しめるかも。


NACHTMYSTIUM - Reign of the Malicious - Call of the Ancient ★★ (2007-12-26 15:56:23)

この曲、他の曲にもまして音が篭もっているような…でもその篭もり具合が、深淵から喚びかけてくるような雰囲気を醸し出してますね。


NACHTMYSTIUM - Reign of the Malicious - Reign of the Malicious ★★★ (2007-12-26 15:54:32)

いきなり頭のカウントからして音が割れてるし、バンドサウンドが入ると同時に「ギェェエエ!!」と絶叫するし、トレモロリフによる哀愁メロは北欧勢に勝るとも劣らないし…インスト明けの2曲目から、プリブラ好きの心を掴むような曲で攻めてきます。


ジギタリス - SYZYGIA - ムーサの神託 ★★ (2007-12-26 01:19:48)

志方あきこの「廃墟と楽園」が水底の祭壇なら、こっちは深い森の奥に眠る祭壇という感じでしょうか。そこに至るまでの道を粛々と歩いているかのような雰囲気。こんな情景を味わいたかったら、音楽を通じてでなければファンタジー系のRPGにでも手を出すしかないですよ。それにしてもヴォーカルの声、綺麗だなぁ…。


ジギタリス - SYZYGIA - 一角獣と少女-pieta- ★★★ (2007-12-26 01:18:43)

こういう具体的なストーリーが展開しながらも、そこに更なる寓意が込められてるみたいな歌詞って凄く好き。悪意のある妖精のようなヴォーカリゼーションや、プログレッシブな演奏が紡ぎ上げる寓話。後半の鬼気迫る、狂気のハイトーンも聴き所。


ジギタリス - SYZYGIA - myrninerest ★★★ (2007-12-26 01:17:50)

演劇的な、妖しい情念を込めたヴォーカルといいプログレッシブで聴き応えのあるアンサンブルを聴かせてくれる演奏陣といい、どこかMYPOLLUX辺りとも共通する怖さを感じさせてくれる曲。ゴス的な世界観が好きな人にもお勧め出来ると思います。


ジギタリス - SYZYGIA - ヘキサグラム ★★ (2007-12-26 01:17:03)

小学生の頃からよく瞼の裏に明滅する光をダシに妄想してた私としては(笑)、この歌詞にはかなり惹かれるものがあります。そういう経験は誰にでもあると思いますが、それをここまで神秘的に言葉で表現できるのは凄い。冒頭からして視覚と聴覚がリンクしてるし。


ASMODEUS - Imperium Damnatum - Thorns ★★ (2007-12-26 01:14:49)

珍しくミディアムで進行していく曲。
でも、こういう曲はヴォーカルはもっと感情豊かに歌って欲しいかも。冷徹な雰囲気は確かに魅力ですが、この手の曲では少し単調に聞こえてしまうかも。


ASMODEUS - Imperium Damnatum - Inciting the Rebellion ★★ (2007-12-26 01:11:59)

中間部のパートが幽玄で、陰鬱な雰囲気があっていいなぁ…超豪速のドラミングという必殺の武器を持ちながら、こういうセンスも高いのが凄い。…もっと知名度があって然るべきバンドだと思います。


ASMODEUS - Imperium Damnatum - Withering Vengeance ★★★ (2007-12-26 01:09:54)

イントロのインスト部分が廃墟となった街に、黒い雨が注いでいるような情景を思い起こさせますが、それでも容赦なくブルータリティ炸裂!!いや、もう街の人間みんな死んでるから!!もう勘弁してあげて!!って感じです(笑)


ASMODEUS - Imperium Damnatum - Servitus in Aeternitatem ★★★ (2007-12-26 01:07:27)

イントロこそアルペジオを使用し、雰囲気たっぷりに始まりますが、やっぱり本編は案の定ブラスト炸裂。この曲は特にメロディの即効性が高くて良いですね。


ASMODEUS - Imperium Damnatum - Enthronement of the Sovereign ★★★ (2007-12-26 01:03:35)

重々しい邪気を放出するイントロに続いて、音が連なって聴こえる寸前の超豪速ブラストが来た時点でブルータルブラック好きはガッツポーズでしょう(笑)。そして暫くしてのトレモロのメロディセンスに名盤決定。つかみはばっちりです。


ジギタリス - SYZYGIA ★★ (2007-12-25 01:37:00)

2007年発表の2nd。
このバンドはバンド名や曲名、アートワークなどの凝り具合から気になっていて、調べてみたら
ZABADAK辺りのバンドが引き合いに出されていたので、これは聴くしかないと購入に至った
訳ですが、期待通りの音楽性で満足。前述の通り初期ZABADAKやKIRCHE、志方あきこ等と
同様、女性ヴォーカルをフロントに据えて神秘的な情景を描いていくタイプの音楽性ですが、
これらのアーティストと違い、4ピースのバンド形式によるプログレッシブな演奏で世界観を
表現しておりロック色が強い音で、よりメタラーには受ける路線と言って良いと思います。
曲を聴いて浮かぶイメージは、上記のアーティストよりも数段ダークな感じですし。
ヴォーカルもクラシックの素養があるらしく、志方あきこ辺りを思わせるキレのある高音で
聴かせてくれますが、この手の音楽性のバンドのVoの中では狂気表現が最もあからさま。
嬌声(狂声)のような高音を発したり、歌声をねっとりと絡ませたりと綺麗に歌うだけではない
歌声と幻想的で深遠な歌詞世界が合わさり、聴き手を彼等の世界の中に誘っていきます。
もしかするとZABADAKよりも、HEAD PHONES PRESIDENT辺りのファンにも
受けるような音かもしれません。神話的で独特な世界観を好む方は是非。


VINTERRIKET ★★ (2007-12-25 01:36:00)

ドイツのブラックメタル/ダークアンビエント。
メンバーはギリシャのNOCTERNITYにも在籍しています。
バンド名はスウェーデン語で「冬の王国」らしいですが、ドイツの人なのにわざわざ
スウェーデン語のバンド名を付ける辺り、寒々しい世界観を志向してる表れなのかも。
そういう物を求める人には確実に答えてくれる音を出してると思います。
しかし、リリース数多いですね…しかもほとんど限定だし。
全部集めると、特典として死んだ後にコキュートス(氷結地獄)に行けるかも(笑)。


VINTERRIKET - Wege in Die Vergangenheit ★★★ (2007-12-25 01:34:00)

2007年発表の音源集。
2002年から2004年にかけてのスプリットなどの音源を集めたアルバム。1000枚限定。録音年が古いので今年のベストアルバム投票には入れませんが、2007年もあと残り僅かというところで、本当に素晴らしいアルバムと出会うことが出来ました…。

このバンド(独りだけど)もPAYSAGE D'HIVER等と同じく、ダークアンビエントとブラックを両方演るタイプのようですが、ここで聴けるのはバンドサウンドが入ったスタイルで、実質的にシンフォニック・ブラックとカテゴライズしても良いんじゃないかと思います。

EMPERORの「In the Nightside Eclipse」や、LUNAR AURORAの「Ars Moriendi」辺りの邪悪なシンフォブラックの雰囲気を押し進めていった結果、キーボードパートの重要性が増し、バンドサウンドが減退した事で、結果としてダークアンビエントの中にブラックが飲み込まれる形で融合したかのような音になった感じ…でしょうか。

キーボードの真っ暗な夜の中、雪が降り積もるかのような視覚的な効果を伴う音色も当然素晴らしいですが、ギターのディストーションの音色もその情景を彩るかのような、繊細な歪ませ方でアンビエント的な曲の世界観を上手く演出しているように思います。途中LUNAR AURORAばりのシンフォニックな豪速ブラストパートがあったり、何故か4つ打ちのリズムが出てきたり、結構展開もあって面白いです。また、寒々しいだけではなく、フォーク的な叙情メロもあり、ある程度聴き易いのも良いですね。

ヴォーカルは遠くから絶叫が聞こえてくるようなミックスですが、メタル的な魅力よりもダークアンビエント的な情景描写を重視したような作風にはあっていると思います。一般的なメタルからの逸脱具合ではLUNAR AURORA、NOCTERNITY以上、DARKSPACE以下…ぐらいでしょうか。この手が好きならば必聴。

しかし、こんな素晴らしいアルバムなのに1000枚限定ですか…そんな殺生な。こういう音、好きな人結構いるんじゃないかと思うんですけどね…。もっと聴かれて欲しい。2000円強で彼の「冬の王国」に73分も滞在できるんだから、これは買いですよ。


ASMODEUS ★★ (2007-12-23 17:22:00)

オーストリア産ブラック。
よく凄まじいドラムが聴けるバンドとして名が挙がるバンドです。
噂に恥じない、凄まじいドラミングは必聴!


ASMODEUS - Imperium Damnatum ★★★ (2007-12-23 17:20:00)

2006年発表の2nd。

このバンドは以前から凄まじいドラミングで話題になっていて、私もそれにつられて聴いてみたんですが…確かに、風評通りのおっそろしく速いドラムが堪能出来る作品ですね。

ブラストやツーバスがグラインドのレベルに達して速いのは勿論の事、テンポの変化やスラッシュビートを上手く交えて、単なる音の羅列的な速さにならず、体感速度においてもしっかり速さが感じられるのが凄い。ほんとバルカン砲の一斉射撃を喰らっているかのような音の壁で、一曲毎に街を一つ壊滅させてそうな勢いです(笑)。音質もクリアながらドラムがやや大きく、かと言って曲のバランスを崩すほどでもなくブルータルブラックとして理想的かも。

また、ドラミングの凄さだけでなく曲もしっかりレベル高いです。邪悪さやメロウさをトレモロに乗せて発散していくブラック特有のリフ捌きといい、TRIUMPAHTORを思わせる呪いの込められた低音がなりといい、ドラム以外のパートも魅力的で、DARK FUNERALや1349と同等の評価を得てもおかしくない質の高さがあります。

エンディングを除けばほぼ鬼ドラム+呪詛系Vo+ブラックリフで聞かせる作風で、1349辺りと比べると曲のバリエーションに欠けるきらいはあり、流石にこれで一時間越えるアルバムだったらダレる気もしますが、この作品は40分強で最後まで飽きずに気持ち良く聴けます。グラインドなどを聴いているとドラムの音が耳を揺らす感触が気持ち良く思えてくるあの感覚、それがブラック的な邪悪さやメロウさと同時に味わえる名盤だと思います。

ファストブラック好きなら必聴。
イヤフォンで聞くと余りにも激しいリズムが振動療法的な効果になり、体調も良くなるかも(笑)


KUKUI - 箱庭ノート - Starry Waltz ★★ (2007-12-23 06:50:25)

正直言うと、この曲、シングルで聴いた時にはあまりピンと来なかったんですが…アルバムの流れで聴くと見違えて聞こえます。「コンコルディア」の陶酔感の後に聴くと、凄く開放感があって心地良い。一回魅力に気付くと単品で聴いても魅力的に聞こえるんですよね。


FORGOTTEN WOODS - Baklengs Mot Stupet ★★ (2007-12-23 00:30:00)

2003年発表の3枚組み音源集。

ディスク一枚目が94年発表の1st「As the Wolves Gather」、二枚目が95年発表のEP「Sjel av Natten」、三枚目が96年発表の2nd「The Curse of Mankind」という内容。二枚目にはEPの音源の他にも、メンバーの別バンドのJOYLESSの音源が3曲と、2ndのLP盤にのみ収録されていた曲がボーナスとして収録されています。

このバンドは、DISK UNIONの小冊子や国内外のレビューでも、BURZUMと並んで鬱系のブラックの始祖的存在として後続へも強い影響を与えているという事ですが…。確かに、BURZUMと似ている音楽性ですね。それもアンビエント志向になってからのBURZUMではなく、「Key to the Gate」や「Lost Wisdom」辺りのロック/メタル寄りの路線を継承している感じだと思います。パートによっては、近年のENSLAVEDをチープにしたような雰囲気も感じられるかも。

BURZUMのあの路線の曲と比較すると、こっちの方が10分越えの曲も少なくなく大作主義だったり、音質は更にチープで軽く、リフの音圧の無さの割にドラムが響きすぎだったりよりマニアックな印象。ただ、BURZUMと比較されるだけあって、メランコリックなメロディのセンスは抜群に良いです。上で例に挙げたBURZUMの曲が好きならツボにはまる事間違いなしの心地良い鬱を誘発するメロディのお陰で、長い作風も意外と聴けてしまうと思います。

でもヴォーカル…これもBURZUMが比較対象に挙げられそうな高音絶叫で、その事自体はいいんですが…ヴォーカルが叫ぶと必ず「ヒャァアアーー!!(ヒャァアアーー!!)」とか「カモン!!(カモン!!)」「ウッ(ウッ)」みたいに山彦が響くような音響処理が施されているのがかなり不満…なんか、どうしても滑稽に聴こえてしまうんですよね…。このヴォーカル処理と音の小ささは何とかして欲しかったですね。

ちなみに、ボーナスで聴けるJOYLESSは、まだ女性ヴォーカル加入前でほぼ他のFxWxの音源と同じ路線。ハードコアっぽいノリがあったりサイケデリックなパートがあったりしますが、他の曲が気に入ればこっちも気に入ると思います。前述のVoのエコーが無いのも良いです。ちょっと値段は張りますが、3枚組み3時間以上収録で盛り沢山な音源集です。BURZUM好きなら押さえておいて損はないかと思います。


HYDE - 666 - SHINING OVER YOU ★★★ (2007-12-21 01:17:55)

もう歌声が何があったのか訝りたくなるくらい大袈裟の極みみたいなんですが(笑)、この曲の世界観はこの大仰なヴォーカル無しには成立しないでしょう。最愛の人がいたとして、その人を遺して自分が死ぬ時の心情を曲にしたらこんな感じかもしれません。悲劇的な名曲。


HYDE - ROENTGEN - THE CAPE OF STORMS ★★★ (2007-12-21 01:14:16)

hydeさんの作る曲の素晴らしい所って、聴いていると映像が浮かぶような雰囲気のある音だと思うんですが、この曲にはそういった部分が理想的な形で現れているのではないでしょうか。オケもメロも歌唱も一つの情景を描いている感じ。


CROW'SCLAW - Broken Phantasm - Broken Phantasm (2007-12-21 01:03:18)

タイトルトラックなのに、何故かこの曲だけトランス…
別に悪くはないんですが、メタル系のアーティストがトランスをやる意義が感じられるようなアレンジが聴きたかったです。


CROW'SCLAW - Broken Phantasm - Days ★★ (2007-12-21 01:01:55)

アルバムラストの曲にして、唯一の歌モノ。
メタリックなヘヴィさと歌謡的な気怠い哀愁を同居させた曲で、特にサビはリフも歌メロも共に叙情的でラストに相応しいです。ヴォーカルは…普通に歌う分には凛としててまあまあ良い声なんですが、ファルセットが微妙な上に、サビはずっとその微妙なファルセットのハモりがはいってるのがちょっと…これがなければ★3つだけどなぁ…。


CROW'SCLAW - Broken Phantasm - Thousand Chain ★★ (2007-12-21 01:00:40)

どこかで聴いた事あると思ったら…Jill's Projectも同じ曲をカヴァーしてますね。
でも、正直言うとJill'sの方が好きかも。こっちはキーボードがリフと渾然一体となって襲ってくるんじゃなく、リフの上に乗ってしまってる感じなのでアンサンブル的に少し物足りない…とはいえクラシカルなメロが堪能できるかっこいい曲ですが。


CROW'SCLAW - Broken Phantasm - Countdown Zero ★★ (2007-12-21 00:59:08)

ドゥーミーなヘヴィさで攻め立てる曲。
メロディ自体はなんか微妙に明るい気もしますが…低音の効いたプロダクションが気持ち良いです。


CROW'SCLAW - Broken Phantasm - Nrvnqsr: The Number Of The Beast (2007-12-21 00:58:17)

タイトルからは、メイデンの「審判の日」みたいなリフを期待してしまいますが…そういう曲ではなく(笑)、インダストリアル寄りのアレンジが施された曲。ただ、メタルへのインダストリアルの導入の仕方は正直凡庸かも…やるならもっと徹底して欲しかったです。


CROW'SCLAW - Broken Phantasm - Possession ★★★ (2007-12-21 00:56:48)

シンフォニックなオープニングから曲間無しで高揚感のあるリフをフィーチャーしたメタルサウンドに流れ込む展開が実にかっこいい。そう、こういうリフが聴きたかった…。アマチュアらしいですけど、出音のかっこよさはプロ顔負けどころか海外のアーティストにも劣らないと思います。間違い無くアルバムのハイライトでしょう。


CROW'SCLAW - Broken Phantasm - Opening –die Lorelei– ★★ (2007-12-21 00:55:48)

FFやドラクエで最初の城から旅立つ時にかかってそうな(笑)、シンフォニックなオープニング曲。一分に満たない、本当に序曲って感じなのが勿体無い。どうせやるならこの曲をメタルにして欲しかったです。


ALI PROJECT - Sympathy for the Belonephobia - ベロネフォビアに捧げるバラッド ★★ (2007-12-20 09:52:26)

ベロネフォビア=先端恐怖症。
そんな神経症っぽいタイトルが付けられているのに、曲調は優雅で上品。セレブの家に生まれて、芝生の生えた中庭で紅茶を嗜みながら戯れる愛犬を眺めているみたいな感じ。


ALI PROJECT - Sympathy for the Belonephobia - サトゥルヌスの惨劇 ★★ (2007-12-20 09:49:17)

クラシックの名曲オムニバスに入っていても違和感無さそうな、そして見劣りしなさそうな、ストリングスによるインスト。しかし、この曲は特にそうですがメロディの主張が強すぎてBGMには不向きな感じがするんですが…実際の所はどうだったんだろう。


ALI PROJECT - Sympathy for the Belonephobia - サスパンデュー乙女 ★★ (2007-12-20 09:46:37)

妖しげなスキャットにエフェクトが掛かった歌声が印象的な小品。
「Previous Notice」と同様、30秒くらいしかないですが鮮烈なイメージを与えてくれます。


ARMAGEDDA - OND SPIRITISM ★★ (2007-12-20 00:22:00)

2004年発表の3rd。
Necromorbusのスタジオで録音されたらしいです。

なんとなく、バンド名の印象から勝手に激烈系だと思ってたんですが(笑)、どっちかと言うと雰囲気を追い求める様な作風のプリミティブ・ブラックですね。時にロック寄りにも感じられるミディアム中心で進行するリズム、ブラック特有の摩擦リフ、妖しさを演出するメロディ、ブラック好きにとっては耳に心地良い音質が醸し出す催眠的な空気感や陶酔感を、ここぞという所で入る疾走やトレモロが更に強いものにしてます。

どうやらDARKTHRONE辺りと比較される事が多いようですが…確かに、こっちはミディアム中心ながらアングラな陶酔感では共通するかもしれませんね。イントロ部分を始め、時折挿入されるアルペジオや鐘の音も、アートワークなどから想起されるような頽廃性を更に強めていて、本当に雰囲気のある作品です。ヴォーカルはダミ声で悪意を持って恫喝するような感じで、咳き込んだり病んだりする曲もありますが…正直、N. Culto等と比べると物足りないかも。母国語の巻き舌は好きですが。

とは言っても、ブラックに求められるような魔な雰囲気はこれでもかという程ありますし、プリミティブ特有の陶酔感も強いので、ブラック好きなら買って損は無いでしょう。


LUNAR AURORA - Ars Moriendi ★★★ (2007-12-16 21:34:00)

2001年発表の4th。
アルバムタイトルは「The Art of Dying」の意。

1stではクオリティの高い、割とオーソドックスなシンフォニックブラックを聴かせてくれた彼等ですが、キーの使い方といいバンドサウンドといい特に音響面でレベルアップしてますね。
使われているキーボードの音色も単にスペイシーでメロディアスなものだけではなく、宇宙線を照射されるようなノイズっぽい音や、暗闇の中に金属音が響くような音なども使われており、どこか一般的なシンフォ系のバンドとは一線を画しているように思います。

スペイシーな音色の方も、パートによっては質量感を感じられるような音使いも見られ、空間的な演出の上手さが光ってます。また、ギターの音がちょっとフレーズは聴き取り辛いですが、ディストーションの音が実に雰囲気があって心地良く、それが前述のキーボードと合わさって邪悪な音世界を構築してます。
こうした音響面での巧みさ以外にも、豪速ブラストなどに見られる確かな演奏力も素晴らしい。曲構成もドラマティックだし、本当に良いバンドですよ…。

ちなみに、今年リマスター&ギターを一部追加録音したバージョンがSupernal Musicから再発されました。私は旧盤(Ars Metalli盤)を持ってるのに買ってしまったんですが…全体的に音に厚みが出ているのに加えて、ギターのちょっとしたトレモロなどが聴き取りやすくなってますね。それでいてギターの歪みの心地良さは失われていません。

買って良かったと思います。
シンフォニック・ブラック好きなら必聴のアルバムです。


ALI PROJECT - Grand Finale - 月蝕グランギニョル ★★ (2007-12-12 22:18:59)

アルバムのつかみの曲だけあって、オーケストレーションは壮麗極まりないし、その中にある魔性も確かに感じられるのですが…ちょっとプロダクションが煮え切らないのが不満。こういう曲調ならば、繊細さや上品さよりも、ダイナミズムを重視したミックスでリスナーを引きずり込んで欲しかったです…。


ALI PROJECT - Grand Finale ★★ (2007-12-12 14:29:00)

2007年末発表のストリングスアルバム。アップテンポの曲を中心に選曲。
「超絶シンフォニック・アリプロ」と銘打たれてリリースされたこの作品、シングルベスト
収録のストリングスアレンジ版「亡國~」が凄まじかった事からも、期待が高まりますが…。
まず1曲目の「月蝕グランギニョル」の、魔王の棲む城に招待されたかのような濃厚な雰囲気の
イントロに胸が高鳴りますが…歌が入ると、案外ヴォリュームが小さくて迫力に欠けます。
しかも、バラードでも歌がよく聞こえる位の音量で聴くとストリングスがうるさく感じて
しまい、ミックスはいまいち。クラシックを参考にしたミックスなのかもしれませんが…
これだけ歌謡的な作風には合わないと思います。迫力の無さが魔性を殺いでしまっている印象。
しかも、歌唱自体も原曲と比べてちょっと疲れ気味な感じが…オリジナルアルバムの制作や
それに伴うツアーで疲れてるのではないでしょうか…失礼ながら、コンディションの悪さを
歌唱力の高さや表現力でカヴァーしているような、苦しさを感じてしまいました。
アレンジは…アップテンポの曲が中心ながら、「亡國~」のストリングスアレンジと比べると、
どの曲も大人しめな感じ。正直「亡國~」ほど揺さぶられるアレンジは無かったかも…。
もちろんALI PROJECTのシングル曲が中心なだけあって、メロディは絶品ですし、「愛と誠」
辺りの曲は原曲よりも好きだし、決して楽しめないアルバムではなかったんですが…。
アップテンポ中心の選曲や「超絶シンフォ」というコピーから「亡國~」並の劇的さが
堪能出来る曲が幾つも含まれている作品を当然に期待してたので、かなり物足りない。
8月下旬にアルバムが出て、それから3ヶ月ちょっとでツアーとストリングスアルバムの
制作とかスケジュールに無理があったのではないでしょうか。ツアーでは今作収録の
アレンジでの演奏があったと聞きますし、ツアーの熱気を封じ込めるといった意図や、
今年の活動の締めとして今作を発売する意図もあったと思われますが、発売が遅れても
いいのでもっと濃厚なものが聴きたかったです。
…なんか、否定的なことばかり書いてしまいましたが…。
正直「このCDを絶対に買え!」と強くは言えないかも。テンション的には「このCDを買えば?」
くらい(苦笑)。こんなレビューを書いて信者失格でしょうか。この後に続くのが
このレビューの否定的な部分を完全否定するくらいの絶賛レビューである事を祈ります。


ALI PROJECT - Grand Finale - 人生美味礼讃 (2007-12-12 08:34:13)

この原曲からしてどぎつい曲調が、ストリングスアレンジで更にどぎつくなるのを期待してたんですが…ヴォーカルが引っ込んでるし、男声クワイアも無いしでどぎつさはむしろ減退してます。かといって美に徹している訳でもないし…正直、余り狙いが見えてこないアレンジで微妙です。


ALI PROJECT - Grand Finale - 愛と誠 ★★★ (2007-12-12 08:30:26)

今回のアレンジではこれが一番好きですね。
原曲はアップテンポですが、こっちはサビ部分で敢えてリズミックさを押さえたアレンジをする事によって、勇壮さの裏側にある、一抹の悲壮感までを表現している感じ。ネットで匿名で安全圏から隣国を嘲笑したくらいで愛国心気取ってる似非ナショナリストよ、この曲を聴いて大和魂を学べ!!


ALI PROJECT - Grand Finale - 恋せよ乙女 ★★★ (2007-12-12 08:25:32)

こっちのバージョンは「ジパング」のサブタイトルが取れてるんですね…そこから示唆される通り、見えてくる景色も洋風になってます。このアレンジだとメロディがバッハの小フーガを思わせて聴こえる。特にイントロはそれを狙ってやってるんじゃないでしょうか。


PAYSAGE D'HIVER ★★ (2007-12-11 22:40:00)

バンド名は「冬の景色」の意。
DARKSPACEのメンバーによるアンビエント/ブラックメタル。


PAYSAGE D'HIVER - Die Festung ★★ (2007-12-11 22:39:00)

1999年に発表された、2ndデモのCD化。A5サイズデジパック仕様。

このバンドはブラックメタルとアンビエントを両方演るタイプみたいですが、この作品はブラックメタル色は無く、ほとんどシンセのみ(1曲目は僅かにVo入り)によるアンビエント。DARKSPACEのメンバーが演っているという以外に予備知識無しに購入したため、最初は「ブラックメタルが入ってない!!」とがっかりしてましたが(笑)、気を取り直して1曲目を聴く内にこれはこれで良い作品と思うようになってました。

タイプ的には、「Filosofem」以降の、アンビエント化したBURZUMに近いでしょうか。
「Hlidskjalf」の冷たい風景の描写に、「Filosefem」の「Rundgang~(20分越えのあれ)」のミニマリズムを加えた感じの作風だと思います。BURZUMと比較すると、向こうがメロディで情景を描写するのに対し、こちらは音の質感や空気感で風景を描いていく感じです。

DARKSPACEのメンバーがやっているだけあって、寒々しさ以外にも神秘的なダークさも感じられ、聴いていて吹雪の中の山小屋に白骨死体があったりだとか、雪山で力尽き倒れて体に雪が降り積もる中で見る幻覚だとか、どうしてもそういう光景をイメージしてしまいます(笑)かけているとスピーカーの周りの温度下がりますね。

シンセ・アンビエント化してからのBURZUMが好きな人に、特にお勧めの作品です。


WATERCLIME - The Astral Factor - Timewind ★★★ (2007-12-09 22:44:13)

なんかタイトルからしてプログレっぽい(笑)
キーボードがふんだんに使用されたアルバムですが、この曲は特にその使い方が良いですね。異国情緒を感じさせるけど、どこの国か分からないというか…Vintersorgの心象世界といった感じでしょうか。イントロからその世界に引き込みます。


WATERCLIME - The Astral Factor - Mountains ★★★ (2007-12-09 22:43:24)

1曲目だけに、歌メロからして即効性抜群な曲。
もう歌詞の一行目の「♪lonely coast」の部分から、微妙なしゃくりあげを使ったVintersorg様の美声に酔い痴れちゃって下さい。ゲストのヴォーカルもヴォーカルスタイルが近いですが、やっぱりVintersorgの方が色気があって好きですね。


WATERCLIME - The Astral Factor - The Astral Factor ★★★ (2007-12-09 22:42:20)

アルバム中、個人的に最も鮮烈なイメージを感じた曲。
かなり作りこまれてる感じがしますが、歌も演奏も意外とメロディがキャッチー。こういうキャッチーさとプログレ的な深さを両立させる人って凄い。かなりの名曲です。


WATERCLIME - The Astral Factor ★★ (2007-12-09 22:40:00)

VINTERSORG、BORKNAGARなどヴァイキング/プログレブラックで名を馳せる、
Mr. VことVintersorg氏の別プロジェクトの、2006年発表の1st。
Vintersorgは幼少の頃に70年代のシンフォニックロックやジャズロックなどの洗礼を
受けたらしく、こっちではそういった影響を強く感じさせるハードロックをやってます。
邪悪さや暴虐性などは望むべくもないですが、メロトロンやムーグなどのキーボードを
敷き詰めた、アトモスフェリックでどこか温かな、幻想的なサウンドが楽しめます。
結構フルートなんかも入ってるのがVintersorgらしいですね。
ただ、こういう温かな雰囲気はもしかするとブラック好きには受けないかもしれません。
私も正直苦手な部分があったりします…が、1、3、8辺りは名曲だと思います。
また、VINTERSORG名義の作品と違いこっちは全て普通声で歌ってますが、やっぱり
彼のヴォーカルは素晴らしいです。まず上手いし、色気ありすぎだし(笑)
ライナーを読むと、このプロジェクトは実験や、抑圧や深い目的のない、リラグゼーションと
しての場所が欲しくて始めたと言う事ですが…謙遜としか思えないプロフェッショナルな完成度。
2007年はVINTERSORG名義でもWATERCLIMEでもフルアルバム出してますね…。
他にも色々なバンドに参加してるし、この人、本当に音楽を作るのが好きなんだろうなぁ…。


WORSHIP - Dooom ★★ (2007-12-08 17:31:00)

2007年発表の…前作は音源集的性格の作品みたいだから、1stかな?
今作も「Last CD before Doomsday」同様、哀愁や泣きを遥かに通り越し、絶望や慟哭の域に
達した鬱メロディを引き摺るように遅いリズムに乗せた、「ドゥーム」という言葉通りの音。
Mad Max氏が亡くなってしまい、Doommonger氏がヴォーカルも担当するようになってますが、
前任者同様の悲痛な低音グロウルで引けを取ってません。今作では偶に普通声でメロディを
歌ったりしてますが、読経めいた低音でこっちも鬱を誘発する声で素晴らしいです。
基本的に路線自体は変わってないんですが、重さの表現はより繊細になったように思います。
リフのノイズを引き伸ばしていくような音色は最早ドローンの様に思えるくらいですし、
随所で鳴る鐘の音も、時折残響音が持続音的な魅力を感じさせたりして視覚的イメージだけで
なく、音響的にも絶望感に満ちた雰囲気を更に彩ってますね。相変わらず本当に質が高い…。
ただ、不満を挙げるとすれば前作と比べるとデカいスクラッチ音が耳を削ったりといった
ダイナミズムに欠ける事と、曲が似通ったものになっている事。まあ前者はより音響が
繊細になっているとも言えるし、後者は曲調が統一され、更に浸れるものになったと言う
事も出来ますが…取りあえず音量はもう2つまみほど上げて欲しかったのが本音。
不満が無くはないとはいえ、かなりいいアルバムだと思います。
前作の2倍くらいの値段だったんですが(笑)、この出来ならば満足。


EMILIE AUTUMN - Liar / Dead is the New Alive - Liar (manic Depressive Mix) ★★ (2007-12-08 00:59:51)

原曲にはない男ヴォーカルをフィーチャーしたリミックス。
このヴォーカル、まろやかな低音で色気があって、ほんとゴスって感じで好きです。吸血鬼が二人でデュエットしてる、みたいな(笑)


EMILIE AUTUMN - Liar / Dead is the New Alive - Liar (murder Mix) ★★★ (2007-12-08 00:58:51)

インダストリアル・メタル的なアレンジが施されたリミックス。
インダストリアルらしく、ドラムは打ち込みですが、ツーバス連打にメタリックなリフを乗せていたりしてかっこいい。人によっては、原曲よりも気に入ってしまうかも。


EMILIE AUTUMN - Liar / Dead is the New Alive - Liar ★★★ (2007-12-08 00:57:53)

シングル表題曲らしく、メロディはキャッチーで、「So you can never leave」の部分とかなんて頭から離れなくなりそう。割と取っ付きやすい曲ですが、雰囲気がかなりサディスティック。デスヴォイスによる歌唱部分も迫力があり恐い。


EMILIE AUTUMN - Liar / Dead is the New Alive ★★ (2007-12-08 00:54:00)

フルアルバム「Opheliac」からの2曲をフィーチャーしたEP。
一応シングル扱いらしいですが、14曲も入っていて豪華。値段もフル並だったけど(笑)
1~4はオリジナル曲。3と4はこのEPのみの曲らしいです。
インダストリアルにヴァイオリンやチェンバロなどクラシカルな楽器を取り入れたスタイルで、
彼女はこの音を「Victoriandustrial」と称しているらしいです。ある程度のキャッチーさは
残しつつも、かなり嗜虐的な印象の強い音で見た目の様に可愛らしくはないです(笑)。
ヴォーカルも女性にしては低音で、妖艶さがあってドスの効いた雰囲気で、小悪魔よりも男の
生気を吸い取るサキュバス的な印象。ちなみにデスヴォイスも披露してます。
5、6はライブテイク。
4曲目までとは雰囲気が変わって、アコースティックギターを基調としたメロウな曲ですが
ヴォーカルはやはり情念が込められていて恐い。でもMCの声は可愛らしくてびっくり(笑)。
7~12は1、2のリミックス。ダブ的な、いかにもリミックス然とした曲だけでなく、
メタリックなアレンジが施されたものや、エレクトロゴシック路線のものもあってバラエティ豊か。
13はおそらく他アーティストによるカヴァーで、14は次回作に収録されるインスト。
このインスト、クラシカルなメロディが炸裂してて特にメタラー受けしそうな感じです。
EPですが、彼女の色々な面が楽しめる満足度の高い一枚だと思います。


ARKHON INFAUSTUS - Orthodoxyn - Narcofili Sancti ★★★ (2007-12-06 14:23:32)

前曲で溜めた毒素を、ブラストに乗せて一気に放出するかのような曲。
ブラスト全開ですが、猟奇性や混沌が強すぎて爽快感が殆どないのが凄い…ブラストで聴き手の耳をこじ開けて疫病を流し込むような感じ。それにしても、ファストパート凄すぎですね…某訴訟大国だったら、「この曲を聴いたら暴れたくなって目覚ましを壊してしまいました。弁償してください」とかいうふざけた訴えが成立してしまいそう(笑)


ARKHON INFAUSTUS - Orthodoxyn - La Particule De Dieu ★★★ (2007-12-06 14:22:39)

まるで人間の力ではどうにも出来ないような、大きな不幸が迫ってくるような不吉さが空気を支配している、スロー~ミドルで展開していく曲。雰囲気的には、DSOの「Fas~」の静のパートに近いかもしれません。


ARKHON INFAUSTUS - Orthodoxyn - Behind the Husk of Faith ★★★ (2007-12-06 14:21:26)

ブルータルブラックの定義通りの圧倒的ブルータリティ、ドゥーム並のヘヴィさに加えて展開のダイナミックさ、雰囲気の猟奇性、神秘性まで完備しているというのだから始末に終えません。後半の荒廃しきったメロディセンスも実に素晴らしいです。


ARKHON INFAUSTUS - Orthodoxyn - Magnificat Satanas ★★★ (2007-12-06 14:20:36)

ここまで本気な雰囲気が濃いと、「Satan」の叫びが全くギミックに聴こえないというか、リアリティを持って迫ってきますよね…。むしろこの人たち、悪魔そのものです(笑)。不吉なメロディの中断続的にブルータリティが炸裂する展開がアヴァンギャルドで実にかっこいいです。


ARKHON INFAUSTUS - Orthodoxyn - Trigrammaton ★★★ (2007-12-06 14:19:42)

1曲目から全エクストリーム・メタル好き必聴といっても過言でない程の完成度ですね…重さといいブルータリティといい完璧です。一瞬息が出来なくなる程の迫力ある音。下水道並の低音デスヴォイスも、ドロドロした音の雰囲気に良くマッチしてます。


ARKHON INFAUSTUS - Orthodoxyn ★★★ (2007-12-06 14:18:00)

2007年発表の4th。
雑誌やネットにて、「KENOSE以降のDEATHSPELL OMEGAにも通じる作風」だとか「Norma Evangelium Diaboli系のバンドに近づいた音楽性」などの風評を目にしていて気になっていた作品。…そんな事言われたら、買わないわけにはいかないじゃないですか(笑)

確かに、寒々しさよりも混沌を重視した雰囲気作り、疾走パートにおける「ブラストにリフが乗る」というよりも「リフの作り出す混沌をブラストで切り裂く」もしくは「混沌にブラストで突っ込んでいく」ような他バンドとは一線を画するカオスの表現、低音もしっかり効いている迫力あるプロダクション、低音がなりのヴォーカルなどかなり共通点は多いと思います。ヴォーカルはこっちは下水道並の低音も使っていてめっちゃエグいです。

個人的に特筆したいのは前述した低音の効いた、凄みのある音質。
このドスの効いたプロダクションが、カオティックな曲の雰囲気を更に濃い物にしていて、特にスローパートにおいて血と膿が呪詛の力でスライム化し、その中で融かされるようなグロテスクな禍々しさを発散しているように感じました。このバンドはSM的な事も題材にしてたようですが、今回はそういう卑猥さよりも混沌と、その中にある宗教的な神秘性が強いように思います。っていうか、この勢いでSM行為なんかしたら死人が出ます(笑)

ブラックの宗教性、神秘性以外にもデスにも通じる猟奇性やブルータリティも感じられるサウンドなので、エクストリームメタル好き全般にお勧め。特にBEHEMOTH辺りが好きな方はハマるかと思います。クオリティでも向こうに全く引けを取りませんよ。

ちなみに、私は限定盤の縦長デジパックの方を買ったんですが、想像力を刺激するような宗教的なアートワークが鏤められ、なかなかに豪華。こういうアートワークへの拘りもNED的なのかもしれませんね。ただ、紙質的にかなり汚れやすそうなのがネックですが…。


HATE FOREST - Nietzscheism - Annihilation ★★★ (2007-12-03 16:53:23)

前半は人面樹が生い茂る夜の森を霊柩車でぶっ飛ばしてるような冷厳、冷徹な雰囲気ですが、後半はかなりメロディアスに。でもラストは針が飛んだような唐突さ。森が続いていると思ったら、いきなり断崖だった…みたいな(笑)


HATE FOREST - Nietzscheism - The Wood Brothers ★★★ (2007-12-03 16:52:39)

叙情的なメロディがくっきりと聴こえるギターリフをフィーチャーした曲で、プリミティブ系が好きならば気に入る事間違いなしの名曲。しかし、ヴォーカルも凄いですね…重ねてある所なんて鬼のようです。


HATE FOREST - Nietzscheism ★★ (2007-12-03 16:50:00)

2005年発表の音源集。
2000年から2004年までのEPなどを纏め、カール・オルフの曲をイントロに付けた内容。

音の方は、ギターの荒いディストーションが暗い森の中を疾走するかのような情景を想起させる、雰囲気たっぷりなブラックメタルで、時折出てくるペイガン系にも通じる叙情メロといい、悪魔のような中~低音域でのデスヴォイスといい、ブラックでしか表現し得ないであろう邪悪さ、アングラな魅力のたっぷりと詰まった作品。ほんと、「これぞブラック」と言いたくなるような、魔性ムード濃すぎな音楽です。

興味深いのは、後の作品になるに従って、何故か音質が悪くなっていく事。時期的に最も初期の「Darkness EP」はまだギターの歪みに厚みが感じられるし、リズムも打ち込みっぽさがそれほど感じられないのに、続く「Blood and Fire EP」ではギターの音が薄めになり、更に「Ritual EP」の曲ではドラムがあからさまに打ち込みっぽい音になってます。これはこのバンドが、一般的な音質の良さという価値観を曲げても、自分達の表現したい世界観を追及している証拠ではないでしょうか。

ちなみに、2004年の「Resistance EP」はアンビエントっぽい作風になってますが、2曲目にはギターが入っており、それ以前の曲と比べると明らかに耳に優しくない音になってます(笑)。ブラックの、自分達の世界観を重視するような作風に共感する方にはかなりお勧めの作品です。


SETH - A Tribute to Mayhem – Originator of the Northern Darkness - Into Thy Labyrinth ★★ (2007-12-01 23:14:51)

何故かタイトルの違う「I am thy Labyrinth」のカヴァー。
WLAの曲を敢えて選ぶ辺り、演奏力の高さが窺えますね…。
展開はオリジナルとそれほど変わっていませんが、中盤に不気味なキーを僅かにフィーチャーしていたり、篭り気味の音質の中でベースがよく聞こえたり、雰囲気つくりはかなり上手いです。ただ、ヴォーカルはManiacと比べると物足りない…というか、折角自分の歌い方の魅力があるんだから、オリジナル曲と同様に歌って欲しかったです。


SETH - Era-Decay - The Blade Upon Mankind ★★★ (2007-12-01 23:13:16)

人類に突きつけられた刃…なんかかっこいい曲タイトル(笑)。
トライバルなリズムに民族っぽいアルペジオを絡ませたり、ヘヴィに攻めるパートを設けたり、インダストリアル要素をかなり取り入れていたり、最後の曲だからかかなり盛り沢山。インダストリアルなリズムと冷徹なヘヴィ・リフはやっぱり相性が良いですね。


SETH - Era-Decay - Co-Existent Species ★★★ (2007-12-01 23:12:24)

イントロからツーバスの重爆撃とトレモロを連動させていて、ブラックファン的には待ってましたな展開の曲。メロディも実に寒々しい美しさがあるし、歌詞の掛け言葉も面白いです。


SETH - Era-Decay - Xtasian Ostix ★★ (2007-12-01 23:11:35)

Take, eat, this is my body!
…やっぱりこういう掛け声(?)から怒涛のブラストに雪崩れ込んでいく展開には痺れますね。本編もツインギターを絡ませたり、凝ったリフ作りで聴き応えあり。


SETH - Era-Decay - H-Eradicate ★★★ (2007-12-01 23:10:49)

この刻みリフとトレモロのヒステリックな絡ませ方、どこかDISSECTIONの2nd辺りを思わせます。DISSECTIONにデス的なヘヴィさを加えたら近いかも。ちょっと短いですが、良い曲だと思います。


SETH - Era-Decay ★★ (2007-12-01 23:09:00)

2004年発表の4th。

ブラックメタルは大別するとMARDUKやDARK FUNERALなどのバンドサウンドそのものの圧力で押して行くタイプと、XASTHURやプリブラ勢などのバンドサウンドを媒介に独特の雰囲気を追求するタイプに分かれると思うんですが、このバンドは前者ですね。ブラック好きのみならず、エクストリームメタル好き全般にアピール出来る作風だと思います。

トレモロや刻みを絡ませたリフ捌きといい、豪速ブラスト&ツーバスといいいかにもなブラックで、叙情的なアルペジオや僅かにインダストリアル要素を取り入れた劇的な展開、クリアでデス並にヘヴィで音量も大きいソリッドな音質、フランス勢らしい耽美で寒々しいメロディセンスなど、MARDUKなどにも引けを取らない、日本盤が出ても不思議でない質の高さがあるように思います。

ヴォーカルもデスっぽいドスの効いた咆哮や怨みを込めた呻き気味の声などを使っていてなかなかに魅力的。ちなみに以前はシンフォニックブラックを演っていたらしいですが、今作ではキーは僅かに味付けに用いられている程度。

個人的にはもう少し個性が欲しい気もしますが、クオリティの高いアルバムだと思います。デス・ブラック好きならば買って損は無いのではないでしょうか。


DEAD RAVEN CHOIR - Cask Strength Black Metal ★★ (2007-12-01 00:15:00)

2005年発表の2枚組音源集。999枚限定。
…よく参考にしているブログで紹介されてて、「フォーク系なのにノイズ・プリミティブって一体どんなのだろう」と興味を持ったんですが、これは面白いですね。本当にフォークとノイズの要素を両立させているブラックメタルです。

基本的にはILDJARNやSORTSIND、AKITSA等同様、「音質の悪いバンドサウンド」を超越して、ノイズミュージックの域に達したようなブラックですが、ILDJARNなんかはまだバンドサウンドである事がちゃんと分かるような音楽性ですが、こっちは多くの曲がドラムが入ってるのかも不明、リフも判別が難しいほどに歪んだ真性のノイズに近いサウンド。ドラムが聴こえにくい分、ILDJARNよりも少し取っ付きづらいかもしれません。ほとんど音飛びのような曲間のつなぎといい、かなり徹底してます。

クレジットを見ると、フィドルやチェロ、バンジョーやマンドリンなんかが使われているようですが、それらの楽器がノイズ地獄の中から微かにフォーク的メロディを奏でてます。曲によってはマンドリンが琴に聴こえるし、メロディもどこか和っぽく聴こえるしで日本人にも案外受けるかもしれません。日本のノイズって海外での評価も高いようですし。そう思い始めると、ジャケもどこか和風ホラー的な雰囲気がある気も…?

ですが、ノイズ的手法とフォークを両立させている事よりも、本当に凄いのはチェロの使い方かもしれません。チェロのうねりのある、有機的な音色がノイズのザラついた無機質なサウンドと絡むとなんとも言えない、独特のフィーリングがあるんですよね…。この感覚、狙って出してるんでしょうか。だとしたら凄いと思います。

そういう訳で、JAZZKAMMERやMERZBOWが大丈夫なブラックメタラーにはかなりお勧め。余談ですが、このアルバムは2枚組で、ディスクの番号の表記が無いです。しかも開封したら、なぜかDISK2の方が上に入ってました…。そんな所まで過激にならなくてもいいのに(笑)


BARATHRUM - Legions of Perkele - Revenge by Magick ★★ (2007-12-01 00:11:00)

タイトルこそ「魔術による復讐」ですが…
呪詛や魔術よりもむしろ肉体で黙らせるようなノリだと思います(笑)


BARATHRUM - Legions of Perkele (2007-12-01 00:09:00)

98年発表の4th。

このバンドの音楽性はドゥーム・ブラックということらしいですが…ブラックと相性の良さそうなドゥームって、何となく葬式系かドローン系という感じがしますが、このバンドが選んだのはハードロック寄りのドゥーム。ドゥームを取り入れているにも関わらず、XASTHURやSTRIBORGよりも全然早いです(笑)。それどころか、どこかノリノリで、躍動感もある感じ。初めのうちはこのノリが野暮ったくて苦手だと思ったんですが、慣れてくるとストレートにメタル的なかっこよさを伝えるような音になってて良い感じ。あまり邪悪さやアングラさは感じないんですが、山賊的な野蛮な魅力があると思います。

オールドスクールでサタニック、そしてワイルドなリフはなかなかにかっこいいですが、悪魔的な思想にはまり込み教会を焼きそうな雰囲気や、人間を心の底から憎んでいそうな情感よりも、バンドで演奏する事を楽しんでいそうに感じられるサウンドなので、ブラックが好きな人の間では好みが別れるかもしれません。…ブラックをメタル寄りにするとENSLAVEDになって、ハードロック寄りにするとBARATHRUMになるのかも…?

ちなみに、SpinefarmからSaatanaと2枚組で一枚の値段で出てるので、そちらがお勧めです。


ILDJARN - Nocturnal Visions - Strength and Anger Ⅶ (hammer Torture Version) ★★★ (2007-11-26 21:56:09)

原曲は未聴の状態で聞いたんですが、凄いですね、これ…。
例えるなら、ひねると水ではなく血や膿、脳漿などが出てくる蛇口があったとして、それをプールに水を張る勢いで全開にしたかのようなノイズ地獄。この耳に全く優しくない音像が快感…。


NUIT NOIRE - Fantomatic Plenitude - I Am a Fairy ★★ (2007-11-22 15:33:35)

このタイトルからも分かるように、このバンドは妖精的な物をテーマにする事が多いみたいですが…妖精を見るのに、なにか信仰や神通力以外の別のブツの力を借りてるんじゃないでしょうか(笑)そんなラリラリな歌いっぷりです。


NOCTERNITY - Onyx ★★ (2007-11-22 15:29:00)

2003年発表の2nd。
デビューEPで恐ろしいまでの完成度を見せた彼等ですが、順当に進化してると思います。

まず耳につくのはギターのノイジーさがアップしている事。ただノイジーなだけではなく、ノイズの波がそのままリフに同調しているように聴こえるところもあり、改めてこのバンドの音響へのこだわりが窺えます。バンドサウンドのキレもアップしているようで、2曲目のブラストや5曲目のツーバス連打なんかは本当にかっこいい。
もちろん神秘的なメロディのトレモロリフやアトモスフェリックなキーボードなどによって作り出される、異常に魔素濃度の濃い空間は良い意味で変わっておらず、ブラック好きなら買って損のする事は無い、優秀な作品といって言いと思います。

…ただ、個人的には「Crucify Him」の方が好きですね。
音響にこだわりがあるのは分かるんですが、向こうの方が聴いていて心地良かったので…。
しかし、メンバーの格好も本格的ですね。ペイガン系みたいな鎧は普通にかっこいいですが、あの刺付き鉄球は一体何なんだろう(笑)


VELVET CACOON - Genevieve - Bete Noir ★★ (2007-11-22 15:26:51)

アルバムのラストを飾る長大なアンビエント。
長くて変化に乏しい曲なんですが、このバンドが表現しようとしている闇に手が届きそうになる程に、空間演出が巧み。そのせいでついボーっと聴いてしまったりします。


VELVET CACOON - Genevieve - Fauna & Flora ★★★ (2007-11-22 15:24:35)

途中に少しだけアコギのパートがありますが、その部分を除いてはメロディも展開も本当に最低限。ですが疲れているときなんかは逆にこういう音が最高だったりします。


VELVET CACOON - Genevieve - Laudanum ★★★ (2007-11-22 15:22:47)

なにか不幸の到来を告げるようなメロディが鳴り響く曲。
ギターノイズの裏で、別の小さなノイズが鳴っている辺りこのバンドは音作りが本当に上手い。


VELVET CACOON - Genevieve - Avalon Polo ★★★ (2007-11-22 15:20:44)

このノイズが前に出て、その後からメロディがユルユルと聴こえてくる作風はSTRIBORGにも通じる物があると思います。こっちの方がノイズの心地良さや音響処理の巧みさが上で、陶酔感が強くて好きですね。


NOCTERNITY - Crucify Him ★★★ (2007-11-21 22:57:00)

2001年発表の4曲入りEP。
デビュー作らしいですが、一枚目でこれだけのものを作り上げてしまうとは…。悪魔じみているというか、奇跡といっても過言ではないくらいの作品だと思うんですが…。

個人的な印象では、LUNAR AURORAの近作に似てる…と思ったんですが、それはメロディの神秘性以上にブラストに乗せるリフやキーに依る所が大きいのかもしれません。結構ブラストパート多めなんですが、それに乗るのが疾走感やブルータリティといったメタル的魅力を増幅させるようなリフ捌きよりも、ブラックメタル特有の神秘的だったり魔的だったりといった雰囲気を重視するようなリフやキーが多いのが特徴だと思います。

しかもその雰囲気は、適度にノイジーなギターやヴォーカルをやや遠めにしたプロダクション、バンドサウンドを包み込むキーボードなどの音質操作によって更に濃密になってます。しかしそれだけでなく、煽情度の非常に高い神秘的なメロディを大フィーチャーしたドラマティックな作風は、メタル視点で見ても十二分に魅力的だと思います。

メタル的魅力とブラック的魅力の匙加減がもの凄く絶妙で、とても一枚目とは思えません。アンチSatyrのロゴがあったりサンクストゥ:ノーワンとか書かれていたり、かなり過激な感じですが、それとは裏腹にメロディが素晴らしいのでブラックに理解があれば虜でしょう。

…べた褒めしてますが、このCDは正直買う必要はないと思います。「En Oria / Crucify Him」に全曲収録されてるので…。普通に知らなかったし。ただ銀ラメ入りのアートワークは綺麗なので、ファンなら持っておいても良いかも…?神秘的なトレモロリフやブラック的魔性の雰囲気といったキーワードに惹かれる方は必聴。

っていうか、実際にLUNAR AURORAとは繋がりあるんですね。買ってから知りました。


THE MEADS OF ASPHODEL - The Mill Hill Sessions - My Beautiful Genocide ★★ (2007-11-20 00:15:29)

20分を超える大作。
パンキッシュで熱いメロディあり、ジャジーなアンサンブルありで展開が非常に多い。こんな曲を即興を交えて演奏したのはかなり気力が要ったのではないでしょうか…。少しダレる部分が無きにしも非ずですが、一発録りならではの緊張感があるのはいいですね。


THE MEADS OF ASPHODEL - The Mill Hill Sessions - God is Rome ★★ (2007-11-20 00:14:39)

このヴォーカルのヤケクソ具合が好き(笑)
マイクに齧り付きそうな勢い。


THE MEADS OF ASPHODEL - The Mill Hill Sessions ★★ (2007-11-20 00:13:00)

2004年発表の…リハーサル的な性格を持ったアルバム…かな?

正直言って、最初聴いた時は色々な要素を取り入れているけど、あまり上手く消化できていないという印象だったんですが、スタジオ盤を聴いてバンドの魅力に気付いてから聴いてみたらかなり楽しめました。音質はクリアながらスタジオ盤よりもバランスが良くないし、ヴォーカルが無理矢理声を出して叫んでたり上手くマイクが声を拾ってなかったりする所とか、おそらくそういう部分が散漫に聴こえる原因だったんでしょうけど、バンドの音楽性に予め共感した上で聴くと…そういった要素でさえ生々しくて魅力的に聴こえてくるから不思議。よりRAWなTHE MEADS OF ASHODELサウンドが楽しめます。

特に当日スタジオに現れたギタリストの即興的な演奏を取り入れたという、20分を超える大作である「My Beautiful Genocide」は、ポエトリーリーディングやジャズ的なアンサンブルまで取り入れた曲で、ぶっちゃけ通して聴くとややダレを覚えるもののいつもより更に変態性が増していて面白いです。最初に聴くのはスタジオ盤が良いと思いますが、彼等の音楽性に共感している人にはお勧め。


THE MEADS OF ASPHODEL - In the Name of God, Welcome to the Planet Genocide - A Baptism in the Warm Piss of Slaughtered Children ★★★ (2007-11-20 00:11:32)

「屠られた子供たちの温かな尿の中での洗礼」…。
ゴアみたいなグロテスクなタイトルですが、唐突なシンフォアレンジが耳を惹く、アヴァンギャルドな展開を持った曲。しかしヴォーカルの掛け合いがあったり、普通にかっこいい部分を設けてくる辺りユニークです。


THE MEADS OF ASPHODEL - In the Name of God, Welcome to the Planet Genocide - My Beautiful Genocide ★★★ (2007-11-20 00:10:35)

こっちは「Murder is my God」のパートのみの短縮版。
ヴォーカルの掛け合いといい、聴き手のテンションを高めるメロディといい、ストレートなかっこよさが伝わってくる曲。兵士の士気を高揚させるような作風は中世的と言える…のかも。


THE MEADS OF ASPHODEL - In the Name of God, Welcome to the Planet Genocide ★★★ (2007-11-20 00:08:00)

2006年発表の7曲入りEP。

これはかなり面白い!!
7曲しか入っていないにも関わらず、パンキッシュなテンションの高いメロディを配した曲、アヴァンギャルドな展開にシンフォニックな味付けがされた曲、可憐な女性ヴォーカルをフィーチャーしたゴシック、SIGHの川嶋さん作曲のシンフォニックなインストナンバー、ハードコアバンドのカヴァー、極めつけはドラムンベースを取り入れた曲まであったりして様々な音楽的要素をぶち込んで、一聴ではどんなバンドか判断できないような作品になってます。
しかもメンバーはペイガンっぽい格好というのも謎。

リハーサル音源的な「The Mill Hill Sessions」を聴いた時は、正直言って的が絞れていないような印象を受けたんですが、こうしてスタジオアルバムで聴いてみると散漫さを感じさせない完成度があって、かなり気に入ってしまいました。ただ、中世的な世界観を打ち出している割に中世っぽいメロディは希薄(それどころかハードコアテイストすらある気が…)だし、トレモロリフもほぼないのでブラックメタルが好きな人には逆に取っ付きにくく感じるかもしれません。

私的には、また一つ面白いバンドが発見できて嬉しいという感じです。流石にMAYHEMとスプリット出してたり、SIGHの川嶋さんと繋がりがあったりするだけの事はあります。


NUIT NOIRE - Fantomatic Plenitude - Les fées volent dans la nuit ★★★ (2007-11-20 00:04:54)

れっふぃーぼらどーんらにゅい♪
れっふぃーぼらどーんらにゅい♪
れっふぃーぼらどーんらにゅい♪
…えもねぺーえぶりあーーーーん!!!!
…最高(笑)とても電車の中では聴けません。
ツインヴォーカルが意味を成してないのも凄い。
にゅいーーーー!!!


STRIBORG ★★ (2007-11-18 19:13:00)

…しかし、Encyclopaedia Metallumで調べたんですが、このバンドは
2004年に1stをリリースしてから、もう八枚もフルを出してるんですね…。
今年だけでももう二枚出してるし。
XASTHURもかなり多作でほぼ同時期に二枚のフルを発売してたりしますし、
この手の鬱系は鬱なのか躁なのか分かりませんね(笑)


STRIBORG - Solitude - The Failure of Human Nature ★★ (2007-11-18 19:07:25)

後半のキーボードが強いパート、鬱なだけじゃなくて神秘的な印象も受けて良い感じ。歌詞も厭世・厭人的な感じですが、この人そもそも歌詞を歌ってるんでしょうか(笑)


STRIBORG - Solitude - Pernicious Paths of Perception ★★★ (2007-11-18 19:06:36)

鬱ブラックなので基本的に地味な展開なんですが、前半に何気に扇情的なメロディがあるのがポイント。扇情的と言っても鬱や絶望の感情を煽る感じですが。ゆるい疾走に気持ち良くなってきたところを、「おきろー!!」とばかりにうるさく鳴る金物がキツイ。


STRIBORG - Solitude - Solitude ★★ (2007-11-18 19:05:23)

まず音質に驚き…というか「うわぁ…」と思いました(笑)
昔、イヤフォンが使いすぎで壊れてしまい、酷いノイズが混じるようになってしまった事があるんですが、その時のノイズとギターの歪ませ方がそっくりです。


STRIBORG - Solitude ★★ (2007-11-18 19:03:00)

2007年発表新作。
調べた所、2004年に1st出してから、もう8枚目になるらしいです。

鬱ブラック曲をダークアンビエントで挟み込むという構成の作風。
鬱ブラックと言うとBURZUMを初めとして、XASTHURやBLUT AUS NORDなどが挙げられますが、このバンドも上記のバンド同様、陰鬱さを突き詰めるようなブラック。上記のバンドと比べると物理的に(笑)一番聴きづらい音楽性かと思います。

基本的にXASTHURを思わせる、ミディアム~スローなテンポと陰鬱なメロディで攻めるタイプなんですが、ギターの歪みが蟲の羽音や火花を思わせる独特の耳に優しくない音色で、その奥から微かに、ユルユルとメロディが聴こえてくる感じ。しかもドラムの金物の音が大きめで、正直うるさく感じる事もしばしば。ギターの歪ませ方はMUTIILATIONの4thに似てますが、向こうよりもメロディアスに聴こえないような音色。

ダークアンビエント路線の曲での真っ黒な空間の演出の上手さから考えても、この聴きづらさは多分に作為的だと思われますが…作為的にわざわざこんな音質にする辺りカルトですね(笑)。しかし、ノイジーなギターに絡むキーボードなど、時折はっとするような陰鬱さの表現もあり評判になるのも頷けます。3曲目とか、聴いてて取り込まれそうになる…。

陰鬱さは素晴らしいですが、音質的にブラックやノイズ好き以外には敷居が高めかも。XASTHUR辺りを聴いて、もっとカルトなものを聴きたくなった方にお勧め。