確かに昔の寒々しく疾走する彼等を求めるとがっかりするのかもしれませんが、こういう物だと分かって聴けばかなり素晴らしい作品。もっと早く買っとけば良かった…。しかし、IN FLAMESやCRADLE OF FILTHがカラオケに入ってるんだから、DISSECTIONも入れて欲しいなぁ…個人的にはMaha Kaliがめっちゃ歌いたいです(笑)
それだけなら良かったんですが、デスとして微妙な出来なのがちょっと…。最初の印象はBLOOD RED THRONEのヴォーカルの切れ味、リフのフック、音質の良さなどの各要素を弱めた感じ…でした。「このCDを買え」で言うのも何ですが、正直言ってこれならBLOOD RED THRONE辺りのバンドの作品を買った方がいいかもしれません。
BLACK SABBATHカヴァー。 原曲は未聴ですが、ベースがメロウで、落ち着いたアダルトな雰囲気がある曲。歌詞もいつものULVERの抽象的なものとは違い、苦悩を具体的に描いているようで、聴いていると睡眠薬を大量に飲んだ後にウイスキーを飲みながら、意識の消失を待っているかのような絶望的な気分になってきます。
アルバム毎に音楽性をガラっと変えるのがULVERの特徴でもありますが、今作の音楽性は浮遊感のある雰囲気に統一されており、前作の「Blinded by Blood」で見せた羊水に包まれるかのようなムードを更に押し進めた感じといえると思います。多くの曲ではドラムすら使われておらず、メタルどころかロック色も希薄な作風。
ただ、デスヴォイスは出来れば抜いて欲しかったなぁ…こういうリズムの気持ち良さを楽しむ作風にはちょっと合ってない気がします。新録のヴォーカルは妖しい低音の普通声でなかなか。もはやメタルからは離れまくってますが、「Pain Necessary to Know」が気に入った人でその楽曲が他ジャンルにリミックスされるのに興味があれば買って損はないかと思います。
こんな豪快なI love youが他にあるでしょうか(笑) ほとんど恫喝に近いような感情の入れ込み様ですが、それだけに真摯さが伝わってきて聴いていて心地良いんですよね。メタラーなら同じように感じる方も多いはず。 ただ、曲自体は文句無く★3つレベルなんですが、彼女のヴォーカルの力強さをブーストするのに、安易にサックス使いすぎているアレンジはちょっと…確かに曲に合ってるんだけど、これだけ続くと流石に飽きるかも。