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HÖSTKÄNSLOR ★★ (2013-09-10 21:42:44)

ペルー産ディプレッシブ/シューゲイザーブラック。
バンド名は「秋の感情」という意味だとか。


SNAKESKIN ANGELS - Witchchapel (2013-09-10 21:37:59)

2012年発表の5曲入りEP。

発売元が多数の真正ブラックを輩出した、あの悪名高きレーベルDaemon Worshipだったのと、中古で安価だったので購入して、帰ってから関連バンドを見るとSTYGGELSE、LIKBLEK、DOMGARDなど錚々たる名が挙がっており、これは…と期待してCDをかけてみると…。

……これ、ブラックじゃないんですね……。サザンテイストの入った、陽気なヘヴィメタルで邪悪さの欠片もない音で驚きました。…なんか、ヴォーカルの軽いノリといい、グルーヴィな演奏といい、演ってる本人達はすっごく楽しそう。ロックを鳴らす喜びを発散している感じで、ブラックメタルのような陰湿さは全くありません。オカルトっぽくもないです。正直、私のメタルで苦手な部分を凝縮した感じなんですよね…(苦笑)。

そういう訳で、日ごろ黒い音を出している人たちの別な側面を垣間見れたという意味では、かなり興味深い作品でしたけど…ぶっちゃけ私にとってはそれ以上ではないかも。普段からこの手のメタルを聴いている人がどう評価するのかは、聞いてみたいところではありますが。


SNAKESKIN ANGELS ★★ (2013-09-10 21:37:11)

STYGGELSEやLIKBLEKのメンバーが関わるヘヴィメタルバンド。
人脈的にはブラックですが、音楽性はブラックからかけ離れてます。


NACHTGEBLÜT - Strange Ways to Ancient Times (2013-09-10 02:57:30)

2005年発表の2nd。

CAMPO DE MAYOの中心人物による独りブラックとの事ですが、カルト性はCDMの頃より更にアップしている気が…。まずブラックメタルパートが始まった時、余りの轟音に耳が潰れるかと思いましたもん(笑)。音量を下げて普通に聴ける様に調節すると、そこにはULVER3rdを思わせる極悪金属質ノイズ含有型プリミティブブラックの姿が。音質こそ人を選びますが、悪魔の霊柩車に乗せられ疾走するような、青褪めたメロディ使いがなかなか悪くないです。

但し、ブラックメタルを演っているのは頭の4曲だけで、残りの18曲はクラシック趣味の強いインスト曲。ハープシコードを始め、オルガン、ピアノ、ストリングスなどの音色を使用した作品で、多少退屈な部分もあるにしろ、動きの多いメロディが聴けるパートでは結構クサめなメロディも聴けて悪くないかと。…さっきの極悪ブラックは一体どこへ…という感じですが(笑)。

前半だけでもかなりカルト志向な作品ですが、その極悪さとギャップのある後半部分が更にカルト性を引き立ててますね…。どっちにしてもやりきっているというか。個人的にはここまで振り切ってると少々辛いものがありますが、このやり切った作風に共感を覚える人は覚える…かも。


NACHTGEBLÜT ★★ (2013-09-10 02:56:40)

アルゼンチン産独りブラック。
CAMPO DE MAYOのEviigne氏が全てのパートを担当。


FROM THE VASTLAND - Kamarikan ★★★ (2013-09-09 19:10:29)

2013年発表の2nd。

豪華サポートメンバーを引き連れたライブの逸話といい、イラン産のブラックメタルというプロフィールといい、KOKやENSLAVEDの諸作品でも知られるIndie Recordingからの発売といい、興味を引く情報ばかりでもう買うしかない…と思ってたんですけど、やっぱりこれ、買って大正解でしたね。

タイプ的には、聴き手を薄暗い迷宮にいざなうかのような、ダークなメロディをフィーチャーしたトレモロリフをたっぷりと仕込んだ、メロディアスなブラックメタル。トレモロフェチの私が大満足なくらいトレモロの存在感がある一方で、エクストリームメタルとしてのブルータリティ、ドラマ性、ダイナミズム、そしてそれらが演出するカタルシスもしっかり備えているのが本当に素晴らしい。

独りブラックとは思えないバンド感のある音作り、楽曲のダイナミズムを引き立てるクリアなプロダクションと、ある意味メジャー志向で取っ付きやすい音と言えなくもないですが…Maniac氏を思わせる獰猛で潰れまくった非人間的な絶叫、DMDS期やWLA期のMAYHEMを分かりやすくしたような邪悪トレモロなど、ブラックメタルとしてのアンダーグラウンドなムードも上手く演出されている感じ。

2010年より活動しているバンドですが、作品からは新進気鋭というのが失礼なほど、貫禄が漂ってきてます。メタルとしてのメジャーなクオリティの高さと、ブラックの邪悪さ、アングラさを高いセンスで両立させた、素晴らしいアルバム。これはライブメンバーがやたら豪華なのも頷ける話です。ブラック好きなら青田買い必須…と言いたい所ですが、もう既に実ってる感じですね、このレベルの高さは(笑)。


FROM THE VASTLAND ★★ (2013-09-09 19:06:15)

2010年より活動する、イランの独りブラック。
2013年にノルウェーで行われたメタルフェスへ出場した際、KEEP OF KALESSINのVyl氏を始め、MYRKSKOG、元ZYKLONのDestructhor氏、DEN SAAKALDTEやPANTHEON ⅠのTjalve氏と、サポートメンバーが恐ろしく豪華だったことでも有名。


FREITOD - Regenjahre ★★ (2013-09-09 19:03:33)

2012年発表の2nd。
アルバムタイトルはおそらく「雨の年(Rain Years)」の意。

バンド名通り、音楽性のカテゴリとしては鬱ブラック・ディプレッシブブラックに入りそうな感じですが、その中でもかなり穏やかで聴きやすい音を出しているバンドだと思います。しっかり低音も効いたクリアなプロダクションで、ロック色も強いミッドテンポ中心のリズムに乗せ、絶望や鬱というよりは「哀愁」を感じさせる、メロウ極まりないギターワークでドラマ性たっぷりに聴かせる作風。

ヴィンテージなプログレ色は希薄なものの、感情的なデス声とマイルドなクリーンを聴かせるヴォーカルと、哀愁のある曲想からはOPETHを想起する人も多いかもしれません。鬱ブラックでいうと、ロック色の強いリズムなんかはLIFELOVERと共通してますね。もっとも、こちらの方が良くも悪くも「まとも」な感じですが…。OPETH要素で浄化されて、綺麗になったLIFELOVER、という印象も。

鬱ブラックとしては、あからさまな狂気や絶望感の発露がないのでその辺りを期待する人には物足りなく感じるかも。ただし曲全体を覆う哀愁は根深いものがあり、それに浸りたい人にとってはかなりハマれる作品になるのではないでしょうか。


FREITOD ★★ (2013-09-09 19:00:40)

ドイツ産ブラックメタルバンド。
バンド名はドイツ語で婉曲的に「自殺」を意味する単語だとか。


SITUS MAGUS - Le Grand Oeuvre ★★★ (2013-09-08 23:33:56)

2013年発表の1st。

現実世界とは位相がずれたような、不吉極まりなくかつ深遠さも感じさせるトレモロや、聴き手の神経を直接冒すような、気色の悪い音色のギターフレーズなどを、スラッジにも通じるどす黒い邪悪さが滾るようなノイジーなリフに乗せ、厳かにかつ知的に進行していく、宗教色の強いブラックメタル。DEATHSPELL OMEGAの「Kenose」以降、一義的な邪悪さだけでない、神秘性を感じるほどに深遠なムードを醸し出そうと試みるバンドが増えてきているように思いますが、この作品はその中でもかなり成功しているように思います。

特にリフを前面に押し出し、ドラムをやや控え気味にしたプロダクションや、トレモロの奇妙に震えるような音、聴いているだけで不幸になりそうなフレーズなど、「音使い」によって邪悪さを感じさせることにかなり拘っているような作風がかなり素晴らしい。ただ、ラストの「Oeuvre de Rouge」は最早音楽の形を留められなくなる寸前のような、破綻しかかったぶっ壊れたパートも含んでるので、人によってはトラウマものかも。私も最初聴いてて正直恐怖を感じましたもん…。

個人的にDEATHSPELL OMEGAって、プリミティブ色の強い「Si Monumentum~」以前や、ブルータル/カオティック/テクニカルな側面が強く出た「Fas~」以降よりも、その間の音源(V.A.収録の「Diabolus Absconditus」や「Mass Grave Aesthetics」など)に最も神秘性を感じたりするんですが、この作品の強烈な不吉さはその頃のDEATHSPELL OMEGAに肉薄するものがあるように思うんですよね。DSOのフォロワーと言えるバンドでも、ここまで濃いムードを出せてるバンドはなかなか見当たらないと思う。

正直言うと5曲目はやりすぎててキツいんですけど(笑)、それ以外のパートは瘴気すら漂うどす黒いムードが聴いていて凄く心地良いです。特に暗黒度が凡百のバンドとは段違いなトレモロが素敵過ぎる。最近出たブラックメタル作品の中でも、お勧めのアルバムです。


SITUS MAGUS ★★ (2013-09-08 23:31:33)

先日Avantgardeより1stを発表した、フランス産ブラックメタルバンド。
バンド名はラテン語で「魔術の場所」の意味でしょうか。


LULLABY - Enchantress ★★ (2013-09-07 19:28:57)

2000年発表の1st。
自主制作でこの作品を発表した後、活動状態が不明のままになっていたようですが、何故か2012年になってHammer of Damnationから再発されたようです。

路線としては、多くのサイトでブラックだけでなくドゥームのタグが付いていることからも分かるとおり、基本ミディアムテンポ中心で、哀愁を込めつつも神秘性のあるメロディを聴かせつつ、ドゥーミーかつドリーミーに進行する、オカルト的なムード漂うブラックメタル。音質こそ(チープとはいえ)クリアですが、個人的にはBEHERITの「Drawing down the Moon」アルバムを連想する作品なんですよね。

表現形態が違うとはいえ、どこかカルトかつオカルティックな凄みの漂うヴォーカル、そして瞑想的な雰囲気すら感じさせる、澱んだ神秘性に満ちたメロディの使い方なんかは、あのアルバムと共通するポイントではないでしょうか。ある程度メタリックさの強いドゥームが混じってる所はBARATHRUMっぽくもあるし、ブラジル産のバンドながらフィンランドのカルトな部分と共通する感性のある音を出してると思う。

そしてジャケなどでも大フィーチャーされている金髪美女ヴォーカルのLullaby氏のパフォーマンスですが…月並みだけど、見た目から想像できない声で第一声を聴いた時は吹きそうになりました(笑)。関取なみに野太いダミ声グロウル…。ブラック的な喚き、呪詛を呟く魔女のようなしわがれて潰れた呪文デスなども使い、表現力や存在感はかなりのもの。気が滅入るような音色のキーボードとも相俟って暗黒なムードを演出してます。

結構アクの強い音なので、ブラック好きの中でも好みが分かれそうな音源だと思います。ドゥーミーでも鬱系や葬式ドゥーム系とはまた異なる聴き心地、ハマる人はハマるかも。


LULLABY ★★ (2013-09-07 19:27:49)

ブラジル産ブラック/ドゥームメタルバンド。
女性ヴォーカリストのLullaby氏が在籍していたことでも有名。


SALE FREUX - L'Exil ★★★ (2013-09-07 10:04:25)

2012年発表の3rd。
クレジット見て分かったんですけど、何気にPESTE NOIREのFamine氏が一部の楽曲でゲストヴォーカルとして参加してるんですね。

そして音楽性の方も、PSETE NOIREの影響を受けたような、不条理要素も強い、耽美系の鬱志向強めなブラックメタル。フレンチ勢独特の耽美さと、枯れ落ちるような仄暗い哀愁の篭もった良質のメロディを、アコースティックギターやトレモロリフに乗せ、ミディアム中心で「聴かせる」展開をする作風で、PESTE NOIREをもう少し一般的な鬱ブラックに近付けた感じ…というと近いでしょうか。

何気に音作りは良質で、前述のトレモロリフの儚さが際立つような、オーバープロダクションにならないアナログ感のある音、そして心地良く抜けるドラムの音色など、プロダクションはかなり楽曲に合っていると思う。時折聴ける、マンドリンやバンジョー等の細かく音程変化する楽器を思わせる、ちょっと変わったギターの音色が使われているのも面白く印象深いです。この音色が、メロディの良さを更に引き立ててます。

ヴォーカルの異常さも、どこかFamine氏に共通するものがありますね。喉にめっちゃ力を入れて、エッジだけで発声したような超絶喉に負担が掛かりそうな非人間的ノイズ絶叫から、裏返り気味で何かを懇願するような、発狂気味の地声交じりの叫び声など、精神に異常を来たしているかのようなヤバさがあって、ずっと聴いているとこっちにまで狂気が伝染してしまいそう。

PESTE NOIREほどあからさまではないものの、やはり所々で不条理な展開はあって、妙なSEを盛り込んだ「Sante nom de Freux!」でそれは顕著。「カア、カア(カラスの鳴き声)……ポン!…ぽこぽこぽこぽこ……」とか、ラストの雄叫びと悲鳴とか、何をどう突っ込めば…。しかも楽曲自体は恐ろしくかっこいいですからね…これは歌詞の内容が知りたいです(笑)。

変態成分も確かに高めではありますが、フレンチ勢らしい枯れた美しさのあるメロディが、主にトレモロリフによって全編横行するという分かりやすさもある作品で、メロディックなものが好きなブラック愛好家には大推薦。というか、単純に私がこういうメロディ大好きなんですよね。陰湿で美しいメロディが好きであれば是非。


SALE FREUX ★★ (2013-09-07 10:03:32)

フランス産ブラックメタルバンド。
DEAKONHAILのDunkel氏らによるバンド。
SAATKRAHEというバンドが前身になっているらしいです。


INFANDOUS - Blood, the Sun, and the Cosmos ★★★ (2013-09-05 19:13:39)

2013年発表の1st。

スローテンポを基調とした重々しい曲調に、ブラックメタルらしいネガティビティを撒き散らすトレモロを始めとしたどす黒いギターワークが絡みつき、漆黒の空間を演出する禍々しいブラックメタル。威厳を感じさせつつもガルガルと獰猛に喉を鳴らすようながなりを基本にしつつ、詠唱系クリーンや×チガった裏返り絶叫もこなすヴォーカルといい、フレーズ自体が印象的ゆえに長尺で、かつミニマルな部分があってもドラマ性を感じさせる作風といい、かなり高水準のクオリティな音。

スロー~ミドル中心に暗黒趣味なトレモロという組み合わせは、鬱ブラックとの共通点も垣間見せますが、例えばNORTTやLICHT ERLISCHT辺りの葬式ドゥームに近いバンドと比べると、大分方向性が異なる感じですね。葬式に喩えられるバンドのような悲哀や憂鬱といったエモーショナルさは殆ど感じず、代わりにひたすらに不穏で、不気味で、不条理な感じ。それらバンドが葬式なら、このバンドの鬱性は「墓場」にでも喩えられそう。

また、前衛的な雰囲気を醸し出すようなSEや、アンビエント的な音響操作術を感じられるパートを導入していたり、一部で近年のENSLAVEDに通じるような、夢幻・幽玄なムードを醸し出す箇所もあったり、大分ブラックとしては定型から外れた音を出している印象。外れつつも、ブラックマニアを力ずくで納得させられるほど「黒さ」が濃いのがまた素晴らしい。しばしばDEATHSPELL OMEGAが引き合いに出されますが、不穏さやアヴァンギャルドさが生み出す深遠で得体の知れない雰囲気は確かに共通するかもしれませんね。

ブラック愛好家であれば身を委ねざるを得ない、神秘性の強い暗黒を描き出している作品で、予想以上に素晴らしかったです。これは音源自体は自信を持って推薦。ただ、パッケージはちょっと…。紙ジャケにCDが剥き出しだし、ジャケの塗料がCDの無音部に貼り付いてるし…。こだわりがあるのは分かるけど、普通のケースに入れてくれると嬉しいです…。


INFANDOUS ★★ (2013-09-05 19:10:12)

先日Those Opposedより1stフルを発表したブラックメタルバンド。
正体不明の触れ込み通り、調べても余り情報は出てきませんね…。


SATYRICON - Satyricon ★★★ (2013-09-05 19:08:02)

なんと日本先行発売だとか。これは嬉しいですね。

前々作の「Now, Diabolical」以降、ブラックメタルの滲み出る邪悪さをロックのダイナミズムを通じて実体化させたようなブラックを演っている彼らですが、ロックのキャッチネスという点では「Now, Diabolical」で一度ピークを迎え、前作の「The Age of Nero」では鬱々とした雰囲気や冷徹な感触など、よりムードの濃さが強まった印象だったんですが、今作もその方向で進化している感じですね。

ブラックメタルの威風とネガティビティを感じさせつつも、分かりやすいメロディをフィーチャーしたリフに、ロック由来のダイナミックさ、力強さを感じさせるドラムが合わさると、まるでどす黒い空をバックに聳える万魔殿を目の前にしたような迫力。よくある箔を押したようなヘヴィさのオーバープロダクションではなく、楽器の音色をしっかり重視した音作りですが、「The Infinity of Time and Space」辺りの楽曲が持つ纏わり付くような…というか、有機的な暗黒性はこの音作りでこそ出しえるもの、という感じがします。

また、今回は自らの代表曲と言っても差し支えないくらいの自信作らしい「The Infinity of Time and Space」を始め、土着的なメロディを前面に出した「Natt」、彼等にしては渋いメロディ使いの「Our World, It Rumbles Tonight」などを始め、今までにも増して楽曲の個性が強い感じ。ただ、ゲストヴォーカルのクリーンを前面に出した「Phoenix」はちょっと…声質が合ってる分、WATAINの「They Rode on」やBEHEMOTHの「Inner Sanctum」よりは大分マシですけど…これだけは正直好みじゃないかも。

前作、前々作を気に入った方なら待った甲斐がある一品と言えるでしょう。当然お勧めですが、なんか前作同様2枚組の豪華使用盤とかが後から発売されそうな気がしてしまうんですよね…。まあすぐ聴きたいんで、入荷日には早速CDショップに行ってゲットしましたけど。前作の後発2枚組に収録の「Repined Bastard Nation」「Mother North」の超名曲ライブテイクとか卑怯過ぎですもん。ああいうのは勘弁して欲しいです(笑)。


SIMULACRO - Fall of the Last Idol ★★ (2013-09-02 23:01:09)

2013年発表の1st。

ショップでの紹介にDEATHSPELL OMEGAが引き合いに出されていて、何となく良さそうだったので衝動的に購入したんですが、これは良質なブラックメタルですね。適度な生々しさも残しつつも、クリアかつ低音も効いた、どす黒さを感じさせるバンドサウンドと、獅子の咆哮のような勇ましさすら感じるドスの効いたガナリ、ゲロゲロと非人間的な唸り声グロウルを聴かせるヴォーカルが、凄みのある禍々しさを演出する、真正な雰囲気満点のブラック。

フレーズの端々にストレートに暗黒趣味なだけではない、不穏さを感じさせる楽曲作りが特徴で、それがバンドサウンドの黒さによって実体感をもって迫ってくる感じなんですよね。WATAINやDEAMON WORSHIP所属バンド勢を思わせる、メロ過ぎない邪悪さ重視のブラックに、「Kenose」期のDEATHSPELL OMEGAやDODECAHEDRON辺りの前衛暗黒ブラックの持つ深遠な不穏さを果汁10%くらいで混ぜた感じ、というと近いでしょうか。これらのバンドよりはブラックとして定型的で聴きやすさが保たれている印象。

決してシンフォになる事のない、あくまでオカルト性を醸し出すようなキーボードの導入も悪くないですし、上質ではありますが…まだ改善点もあるかな…という感じも。特にプロダクション、個人的にはバスドラムのビキビキ言う感じが喧しくて、雰囲気を損なってる気がしてしまうんですよね。あと、欲を言えば印象に残るような不穏フレーズの頻度が、もう少しあからさまに高くてもいいかな…と思ったり。私は渋いよりもあざとい方が好きですので(笑)。

現時点ではWATAINやDEATHSPELL OMEGAは一般教養として聴いているような、ブラックを聴く事が生活の一部になってる方にお勧め。それ以外の方は、取り合えず基本バンド押さえてからでも遅くないかも。


SIMULACRO ★★ (2013-09-02 22:53:57)

2009年に結成された、新進気鋭のイタリア産ブラックメタルバンド。
日本人なら「シュミラクロ」って読みたくなるバンド名ですよね(笑)。


HATE MEDITATION - Scars ★★★ (2013-08-31 16:29:29)

2013年発表の1st。

プリミティブブラック的な音から始まり、次第にサイケ色を増していったNACHTMYSTIUMですが、こちらは少々毛色の異なる音を出していますね。アメリカの初期ブラックやウォーブラックの延長、もしくはカスカディアン/アトモスフェリックブラックの延長とも取れるような、意図的に篭もり感を演出し、オブスキュアなノイズに包み込まれるようなバンドサウンドに、時折神秘的で瞑想的なキーボードを絡めてくる、新旧ブラックの良い所取り…といった感じの作風。

…なんですけど、個人的にはちょっとEMPERORの1stにも共通する、邪悪な寒々しさを感じるんですよね。キーボードの神秘性のみならず、要所で登場するサタニックなトレモロ、適度に篭もったバンドの音、ブラストだけに頼らず、その煙る音の中で心地良く炸裂するスラッシーなリズム、そして「グアアアア!」系の生々しい絶叫と、かの名盤を思わせる要素がそこかしこに鏤められている感じ。6曲目「Wrath and Revenge」のトレモロのメロディなんてモロだと思う。

ただ、やはり近年のNACHTMYSTIUM譲りの音像重視の音作り、サイケデリックな作風も少なからず混じっていて、私としてはNACHTMYSTIUMの「Instinct : Decay」とEMPEROR「The Nightside Eclipse」を足したような作品、という印象があるんですよね。サイケでドゥーミーな大作のタイトル曲なんかは、特にEMPERORとの共通性を感じる部分はない作風ですし。

カスカディアン勢を始め、最近のアメリカ大陸産のブラックって、既存のブラックに捕らわれない、進んだ感性を持つバンドが多い印象ですが、そうした感性を感じさせつつもブラック本来の邪悪さ、ミステリアスさを感じさせてくれる良盤。NACHTMYSTIUMで言うなら、「Instinct : Decay」「Silencing Machine」の路線に共感を覚える方にお勧め。


HATE MEDITATION ★★ (2013-08-31 16:27:37)

アメリカ産ブラック。
NACTHMYSTIUMのAzentriusことBlake Judd氏による新バンド。


ASH BORER - Cold of Ages ★★★ (2013-08-28 19:11:20)

2012年発表の2nd。

ファンジンでも大々的に取り上げられていた、ブラックの新興勢力であるカスカディアン・ブラック。その代表的なバンドの新譜という事で、各レビューサイトやブログでも評価され、ショップでも結構推されてるみたいですね。そこまでお膳立てが整ったら、ミーハーメタラーとしては買わざるを得ません(笑)。しかもレーベルは信頼と実績のProfound Loreですし。

大作主義な曲展開かつ、一つ一つの展開のスパンを長めに取り、奥深さや壮大さを演出する作風や、アンビエンス重視の静パート、ブラック特有のノイジーリフがオブスキュアな音像を作り出しつつ疾走する動パートを分けた構成など、この系統のバンドが持つ特徴は備えてますが…SKAGOSやPANOPTICON辺りと比べると、自然崇拝・フォーク的なムードがかなり薄めなのが違いですね。

静パートに於ける、スラッジにも通じる質量感のある引き摺りリフや、暗黒サイケな雰囲気を醸し出すアンビエントといい、動パートに於ける真性寄りのメロディック・ブラック的(若干鬱系テイストも)な邪悪神秘主義的トレモロリフといい、この手のバンドの中では際立って暗黒趣味の強い音という印象。言葉にならない絶叫を繰り返すようなヴォーカルも、生々しく凶悪な感情が篭もっている感じ。

その暗黒性・神秘性の高い曲作りが、カスカディアン勢特有の音像と出会った事で、プリミティブ勢や真性ブラック勢などとはまた異なる質感の邪悪さを手に入れたような音。ダイレクトな嗜虐性を強める方向ではなく、闇で包み込むようなスケールの大きさを演出する方向に進化した感じですね。ポストブラック/アトモスフェリックブラック的な音楽的ラジカルさはありつつ、ブラック本来の邪悪さもしっかり深化させている印象の作品。

個人的には、この手の中ではトップクラスに好みの音かもしれません。一般的なブラックとは異なる方向の感性を持って進化するバンドも嫌いじゃないですけど、やっぱり邪悪で得体の知れないムードが好きで、ブラックメタルに惹かれているので。


ATRA MUSTUM - Хаос ★★ (2013-08-27 00:08:20)

2012年発表の2nd。

これはまた、クサメタル方向からシンフォブラックに入った人が悶絶出来そうなバンドが出てきましたね…。路線としては、メロいトレモロだけでなく、メタリックな刻みやメロウなリードギターによるハーモニーなどのメロデス要素も含むバンドサウンドに、音色の多い派手なキーボードを乗せて進行するスタイルで、流石にCOFやDIMMU BORGIRクラスのメジャー感は無いものの、プロダクションもクリアでジャンルのマニアならずとも聴けるであろう高品質な音。

幻想的なアンビエンスを感じさせる音色のキーが、派手なフレーズを弾き惹き込む2曲目、電子ピアノを伴う畳み掛けや華麗なワルツパートがいっそあざとい4曲目、初っ端から悶絶級のクサさを醸し出す6曲目などを始め、この手としては楽曲の差別化が上手く出来ている感じで、金太郎飴に決してならない曲作りがアルバムの構成をドラマティックにしているように思います。ただ、メロウなギターソロで終わると見せかけて、B級っぽいSEを交えて締めるエンディングはちょっと謎ですけど。

…シンフォニック系のバンドって、音色の多さやオーケストレーションの派手さで誤魔化していて、結局メロディそれ自体はいまひとつクサさが足りない…という事も少なくはないですが、このバンドはしっかりメロディがクサいのが良いですね。質は高いものの、メロディの構成といいバンドサウンドの勢いといい、メジャーなバンドには余り無いガムシャラ感がある気がするのも良いです。


ATRA MUSTUM ★★ (2013-08-27 00:06:44)

EMERALD NIGHTのメンバーが参加する、ロシアのシンフォブラック。
バンド名はラテン語で「黒い秋」という意味だとか。


SKAGOS - Anarchic ★★ (2013-08-25 10:21:37)

2013年発表の2nd。
ジャケ裏に曲名が7つほど載ってますが、実際は2トラック66分という大作主義な構成。CD以外ではトラック分けが異なるそうですね。ちなみにジャケは紙+紙スリーブ…せめてスリーブはビニールにして欲しい…CDに傷が付いてしまう…。

このバンドも、WOLVES IN THE THRONEROOMやPANOPITICONと並んで、最近話題のカスカディアン・ブラック(カナダやアメリカの特定地域の自然主義アトモスフェリックブラックやその一派)として注目を浴びているようで、某ファンジンでもかなり大きく取り上られていましたが…前述したバンドよりも、より音響をフレーズより重視したような、メロブラから離れアンビエンスに重きを置いた作風で、更にコアな路線と言えるかもしれません。

ブラックメタル的なトレモロ及び音壁を作るようなリフが聴けるのは演奏時間の半分くらいで、後はスラッジーに引き摺るリフや浮遊感のあるキーボードを使った、アンビエント的感性で構築されるパート。何気にこうしたパートも、2曲目の幻覚を見そうなキーの音色といい、2曲目のアンビエンス重視の音とトライバルなリズムの組み合わせといい、聴き手をトランスさせるのに十分な霊性を備えているように思います。

そしてブラックメタルパートも脳が蕩けそうになるくらい魅力的。1曲目のキーボードとトレモロを交えた轟音リフが組み合わさる音は繊細なモザイク模様のような美しさ。2曲目の山場で聴ける甘やかなトレモロは、このジャンルを聴く醍醐味を味あわせてくれますね。ただ、1曲目ラストの情けなく裏返ったクリーンはもう少しマシに出来なかったのかと…志村けんのバカ殿様じゃないんだから。しかも長いしほんとイラッと来る。他のパートのクリーンはまろやかで良い感じなのに…。

正直、最初聴いた時はポストブラック方向に傾き過ぎてて、好みじゃないかも…と思ったりはしたんですが、蕩けたい気分の時に聴いたら凄まじい破壊力でした。…これで変なクリーンで現実に引き戻されなければなぁ…。それさえ無ければ、★3つ付けていたかもしれません。


WATAIN - The Wild Hunt ★★★ (2013-08-22 23:25:46)

2013年発表の5th。
今度はCentury Mediaに移籍してのリリース。

邪悪な属性を帯びつつも、狂熱に浮かされたような高揚を感じさせるリードギターや、ブラックメタルならではの邪悪の美学を音で叩き込むようなトレモロ、ブラストだけでなく、オールドスクールな畳み掛けも多用し、重厚かつテンション高い曲作り…など、WATAINならではの魅力は前作同様で、彼等の音に魅せられている方なら当然の如く陶酔に導かれるような作品…ではありますが、前作とは大分変わったポイントもありますね。

まず音作りも曲作りも、より「工夫が凝らされた」音になっていると思います。プロダクションは前作以上にクリアで、メジャーな音という感じですが…そこに効果音やヴォーカルエフェクトなどがバンドサウンドの迫力を後押しするように使用された展開が多く、より雰囲気を感じる音像になったように思います。ただ、「RAWな音」からはまた一歩遠ざかった感じなので、この点は好みが分かれるかも。

曲の方も前作までと比べると、ミディアムテンポでムードを重視した展開や、リードやトレモロリフによるメロディを聴かせる展開が増え、より複雑化した印象。キーボードを使用した頽廃的な雰囲気の演出、アトモスフェリックブラックのような包み込むようなノイジーなリフを使ったパートまであるのはちょっと意外。私はこのバンドの持つ、邪悪美が込められたメロディセンスが好きなので、これくらいのバランスであればそれを強調するこれらの展開はむしろ歓迎。

ただ、どうしても許せないのが、聴いてていたたまれなくなるようなErik氏のクリーン。いつもの鬼気迫るがなり声が嘘のように凡庸で、彼に感じていたカリスマが減退してしまった気すらするんですが…。しかも大作曲「They Rode on」、タイトル曲「The Wild Hunt」と、アルバムのキイとなる楽曲で使われているのが辛すぎる。もしこの路線がこれからのWATAINを暗示しているのだとすれば、正直泣きたいです。ぶっちゃけこの2曲だけウォークマンに入れてないです。

ただ、前述したように楽曲の魅力自体は今までのWATAIN同様、凡百のバンドを寄せ付けないものがありますし、カオティックな「Outlaw」のような新機軸なかっこよさを打ち出した楽曲もありますし、良いアルバムである事は間違いないです。特に「Rabid Death’s Curse」「Casus Luciferi」よりも「Sworn to the Dark」「Lawless Darkness」の路線が好みの方はとにかく買うべき。


μ's - μ’s Best Album Best Live! Collection II - Pure girls project ★★ (2013-08-22 23:23:42)

これ、最初聴いた時はこの路線の楽曲にしては、メロディがクサくないことにがっかりしかけてたんですが…3回くらい聴いたら溌溂とした感じが何だか魅力的に思えてきました。特にサビ後半の溌溂感はももクロからギミックを抜いたような感じのキャッチーさでなかなかに好み。ただ、ユニット曲だから仕方ないかもしれないけど、「僕らのLIFE~」や「夏色えがお~」と比べるとどうも小粒な感じも。


μ's - μ’s Best Album Best Live! Collection II - UNBALANCED LOVE ★★ (2013-08-22 23:23:08)

メロディの即効性だったらA面曲よりも上かもしれません。曲としてはダンサブルなポップスという感じなんですが、サビのメロディにRPGのラスボス曲の果汁が10%くらい混じってる感じ(笑)。この微妙に悲壮感ある(けどポップな)メロディって良いですよね。ただ、このプロジェクト(ラブライブ!及びμ’s)が発表してきた楽曲のクオリティを考えると、更に良く出来たんじゃないかという気も。間違いなく良い曲だけどなんかぬるいというか。


MALNATT - Carmina Pagana ★★★ (2013-08-20 00:29:11)

2005年発表の2nd。

このバンド、一般的にはフォーク・ブラックとして知られているようですが…基本的にはメロディックブラックをベースに、フォーキッシュな楽器及びメロディ、アトモスフェリックブラック的なムード重視の音像、ゴシック・ホラー的な恐怖を煽る音使い、ドゥーミーに引き摺るリフなどを楽曲ごとに使い分け、極めてシアトリカルな作風を聴かせるユニークなバンド…という感じですね。

アルバムを通じて多芸振りを見せ付けるような作風ですが、彼等の本領が発揮されるのは何と言ってもクサメロで押す楽曲に於いてでしょう。TURISASやNOKTURNAL MORTUMもビックリな壮大なメロディに始まり、理性が飛んでるとしか思えないキャッチーなスキャットを聴かせる1曲目からなんか箍が外れてる感じですし、続く2曲目も妖精ポルカメロディと一番メロかった頃のTAAKEが邪悪さを忘れてクサメタルに走ったようなメロ過ぎなリフが同居し、凄まじいまでのクサさを放ってます。

6曲目の、妖艶な女性ヴォーカルの歌うスキャットのメロディなんかもキャッチーすぎてなんかムカついてくるレベルですし(笑)、英訳すると「We are Celts」のタイトルを持つ8曲目は民族メロディが余りにも濃すぎて、お花畑をスキップしたくなりそう。これら以外のクサメロ特化型でない楽曲も、やっぱりどこかメロディが印象に残るんですよね。流石クサメタルの国、イタリアのバンドだけあります。

フォーキッシュなメロディとシアトリカルなセンスが融合し、凄まじいまでのクサさを手に入れてしまった作品。最早「ブラックにしては、メタルにしてはクサい」とかそういうレベルではなく、クサさの瞬間最大風速はサンホラやアリプロに匹敵するかもしれません。当然クサメロ好きは大推薦。聴き終わったら1曲目や6曲目のメロディを口ずさんでいること請け合いです(笑)。


SACRILEGIUM - Embrace the Darkness (2013-08-20 00:24:05)

2006年発表の音源集。
99年のプロモ音源(1~3曲目)、96年のスプリット音源(4曲目)、94年のデモ音源(5~10曲目)を収録した編集盤。バンド自体は2000年に解散してますが、それから6年の時を経てのリリース。

…なんんですが、バンド自体は高いセンスを持っているのが明らかながら、コンピレーションという体裁の弊害が現れてしまった音源という感じが。まずインスト明けの2曲目は、キーボードによる神秘性の演出、ギターメロの灼け付くような哀愁、刻みリフを多用し厚みを持たせつつ神秘性を損なわない、適度にRAWなプロダクション…と、ペイガンブラックとしてかなりセンスの高い作品で、続く音源にも期待したんですが…。

正直、トラックの半分を占めるデモ音源は微妙な出来なんですよね。キーボードやメロディアスなギターフレーズの使用頻度がかなり減退し、地味なプリミティブブラックのような感じに…。良く言えば硬派と言えなくもないですし、時折出てくるキーやメロいフレーズはやはり良かったりするんですが…冒頭の99年の音源を聴いて期待したほどではなかったかも。まあ仕方ないですけど。

ただ、99年のプロモの音源はかなり素晴らしいんですよね…。既に解散してしまっているようですが、このクオリティの楽曲で1枚フルを作って欲しかったです。


UNLIGHT - Sulphurblooded ★★★ (2013-08-18 18:03:27)

2010年発表の5th。

個人的にはこのバンド、NAGLFARやOLD MAN’S CHILD辺りの日本盤が出てるメロブラと比較しても何ら見劣りしないほど、かっこよくクオリティも非常に高いメロディック・ブラックを演っていると思います。ブラストビートを用いて暴虐に攻めつつも、スラッシーな刻みリフや叙情的なメロディを挿入し、ドラマティックかつインテンスに仕上げた、エクストリームメタルとして第一級の質を持つブラックメタル。

ブラックメタルって一般的にギターソロは少なめですが、このバンドはスラッシュのような緊張感のあるものであったり、流麗でクラシカルなものであったり、要所要所で印象に残るギターのリードフレーズを入れてくるのも特徴ですね。メロブラらしい寒々しいトレモロとも相俟って、楽曲を暴虐なだけではない、メロディアスでダークな叙情味のあるものにしています。

特に妙な個性があるとかではないんですが、安定して高いクオリティを持ったブラックを演っていて、単純に聴いててかっこいいんですよね。WARとかプリミティブとかカルト系好きな方以外であれば、エクストリームメタルが好きな人全般にお勧めできる作品かと。NAGLFARやDISSECTION、THULCANDRA辺りが気に入った人は是非。


PARAGON IMPURE - To Gaius! (For the Delivery of Agrippina) ★★ (2013-08-18 17:59:43)

2005年発表の1st。
2009年にDaemon Worshipより2曲のボーナスを付けて再発。

…もうこれは聴いた瞬間、カルトっぷりに圧倒されてしまいますね。蟲の羽音と金属質なノイズを組み合わせたような、音圧の高い、かつノイジーなプロダクションに、深みに落ちていくような、邪悪なメロディを込めたリフが乗ると、もうそれだけで底の見えない、悪意の塊のような暗闇を感じさせる音像の出来上がり。最早どす黒い瘴気が目視できてしまいそうなほどの邪悪さです。

…他のバンドを例に挙げるなら、DEATHSPELL OMEGAの2ndや3rd辺りを、芸術性をカッ剥いでノイジーさと音圧で更に凶暴にした感じでしょうか。ヴォーカルもMikko Aspa並みにドスの効いたガナリかつ、Attila Csihar系の唸り絶叫を繰り出したりカリスマ性がありますし。ただ、本編の終わりに「騎士たちの踊り」(ソフトバンクのCMのアレ)に効果音を被せたエンディングがあるのは、何だか気が抜けてしまいますが…(笑)。

2005年以降リリースがないにも関らずDaemon Worshipが目を付けるだけのことはあって、あのレーベルのバンドが共通して持ってるような邪悪さは、このバンドも色濃く持っている感じですね。ノイジーでやや聴き手を選ぶとは言え、邪悪度だけでいったらこのレーベルの所属バンドでもかなり上位に食い込めるかもしれません。カルト志向な方は是非。


PARAGON IMPURE ★★ (2013-08-18 17:57:57)

LUGUBRUMのメンバーも在籍する、ベルギー産ブラック。
前衛的なLUGUBRUMとは違い、こちらは邪悪さに特化した感じの音。


SPELLCRAFT - Yersinia Pestis ★★★ (2013-08-18 11:27:28)

2012年発表の2nd。

関連バンドのOUIJAの最新EPが素晴らしかったので、このバンドの最新作であるこのアルバムも聴いてみたんですが…これもOUIJAに負けず劣らず素晴らしいですね。変にアングラな作風ではなく、エクストリームメタルとして確かな品質を持つブラックという点ではOUIJAと同様ですが、MARDUK辺りのブルータルブラックに近かったOUIJAと比べると、こちらは刻みリフやメロディックなフレーズ等の多用、一部にヴァイキング風朗唱を導入するなど、よりドラマティックさに重きを置いたような音。

…と言っても、整いながらもブラック特有の刺々しさを感じるプロダクション、タメの効いたヴォーカルの凶悪さなどもあり、全く「ぬるいブラック」にはなっていないのでご安心を。メロディのセンスも時折黎明期の北欧産ブラックを思わせるような、土着性を感じる部分もあり十二分にダークで呪術的。特にタイトル曲で聴けるリフなんて、まるで「Storm of the Light’s Bane」期のDISSECTIONを思わせる邪悪な寒々しさがあって、メロディック・ブラックとして非常にかっこいい。

これはエクストリームメタルとしてのクオリティの高さと、ブラックメタルとしての呪術的なムード、そして程よいメロディアスさがバランス良く共存している、かなり素晴らしい作品だと思います。CRYING BLOODやGOTHMOGといい、デス中心のレーベルながら良質なブラック多いですよね、このレーベル。


SPELLCRAFT ★★ (2013-08-18 11:25:40)

スペイン産ブラックメタルバンド。
メンバーの殆どがOUIJA関連。


OUIJA - Adversary ★★★ (2013-08-18 11:21:50)

2010年発表の4曲入りEP。
長い活動停止期間を経て、約13年振りとなる作品。

このバンドが所属しているレーベル、Xtreemはデスを中心に扱うレーベルのせいか、RAWさよりもダイレクトな攻撃性や質の高さに富んだスパニッシュブラックが多いという印象なんですが、この作品は正にその印象どおりの音ですね。エクストリームメタルならではのヘヴィさと、ブラックの凶悪さをしっかり表現する良質な音作りで、ブラストを多用する暴虐な作風の魅力が直接的に伝わってくるような音。

リフやリードフレーズ等に叙情味があり、暴虐でありながらもドラマ性にも富んだ音を出している作風ですが…この叙情性が逆に大地を焦土に変えていくような迫力を感じさせる音で、個人的にはLegion在籍時、特に「La Grand~」期のMARDUKに近い印象があるんですよね。MARDUKの「La Grand~」アルバムは、攻撃的な曲と頽廃的な曲を敢えて分けているような感じでしたが、この作品は一曲の中で猛悪な暴虐性と爛れた頽廃性を同居させている感じ。

何気にヴォーカルもブラックメタルとしての凄みを感じさせるドスの効いた、ややハイピッチのがなりで非常にかっこいですし、4曲入りというのが惜しく感じるくらい素晴らしい作品だと思います。コンスタントに活動していればスパニッシュブラックといえば彼ら…くらいの評価は得られていたのでは。まだ再結成してからフルアルバムは出してないようですし、気になる方はまずはこのEPを手にとってみてはどうでしょう。


OUIJA ★★ (2013-08-18 11:20:12)

スペイン産ブラックメタルバンド。
97年に1stをリリースした後活動を停止したものの、2009年に再び結成した模様。


NONEXISTENCE - Antarctica ★★ (2013-08-04 19:14:11)

2013年発表の2nd。

しっかりとしたヘヴィさを醸し出す、引き摺るような音色のギターリフが音の壁を作り出しつつ、そこにキーボードやリードギター等が悲哀に満ちたメロディを丁寧に紡ぎ上げる作風で、どちらかというと純正のブラックよりはSWALLOW THE SUN辺りのデス要素強いゴシック・ドゥームに近い音でしょうか。そこにアトモスフェリック/シンフォニック/メロディックの各種ブラックメタルのテイストを加味したような感じですね。

ブラストパートも一応ありますが、基本はミディアムテンポ中心で、メロディの流れに沿って楽曲が構築されているような展開を見せる作品。このメロディが何気にかなり良いんですよね。ゴシック的な悲哀に満ちた耽美さと、気品に満ちている感じで単にメロウなだけじゃないのが素晴らしい。この手の音ではヴォーカルのクリーンの頻度が低く、低音咆哮中心なのも楽曲のいかめしいような雰囲気を引き立てていて良いですね。

良くも悪くも、独りブラックにありがちなマニアックさはなく、上質というかどこか上品さを感じさせる音。アトモスフェリックブラックでも情景をひたすら描く抽象的な音ではなく、硬質で芯のある音を求める人にお勧め。


NONEXISTENCE ★★ (2013-08-04 19:13:28)

オーストリア産独りブラック/ドゥーム/デス。
今年Candlelightより2作目のアルバムを発表。


VOICES - From the Human Forest Create a Fugue of Imaginary Rain ★★★ (2013-08-01 21:01:04)

2013年発表の1st。

メンバーの多くがAKERCOCKE絡みのバンドという事ですが、確かにAKERCOCKEを思わせるような、不条理なアヴァンギャルド性とデスメタル由来の暴虐性を兼ね備えたブラックという感じですね。AKERCOCKEはサイケな前衛パートと暴虐パートを割と分けて展開させている印象でしたが、こちらは暴虐パートそのものにサイケなフレーズが練り込まれている展開が多いのが、大きな違いでしょうか。

女性ヴォーカルやAKERCOCKEでも使用していたようなクリーン、キーボード等を導入し、叙情的・神秘的な側面からプログレッシブなアプローチを見せるパートもありますが、基本的には暴虐パートがメインな音。ギターワークやリズムに込められた不可思議な感触は、知的というよりは聴き手の神経を直接攻撃するかのような禍々しさに満ち溢れている感じがします。

基本的には暴虐性と前衛性の強い音ではあるんですが、その中で時折見せるブラックメタルとしてのストレートなフレーズがやたらかっこよかったりするんですよね。例えば「This Too Shall Pass」で聴けるトレモロリフなんかは、メロブラ期のSATYRICONを思わせるような邪悪メロウなメロディが込められていて、メロディック派も軽く悶絶させられるレベルだと思う。

アヴァンギャルドながらフィジカルな暴虐性も強い、エクストリームメタルとして非常に高品質なアルバム。AKERCOCKE人脈やCandlelightからのリリースと、既にハクが付きまくってますが、期待を裏切る事のない良盤です。


VOICES ★★ (2013-08-01 21:00:03)

去年結成されたばかりの、イギリス産デス/ブラックメタルバンド。
元AKERCOCKEのメンバーが絡んでます。
…それにしても、検索に引っかかりづらいバンド名ですね…。


MARTRIDEN - The Unsettling Dark ★★★ (2013-08-01 20:54:03)

2008年発表の1st。

流石Candlelight産だけあって、かなり高品質なエクストリームメタルを展開してますね。スラッシーな刻みを多用してヘヴィネスを演出しつつ、ギラついた邪悪さや泣きの篭もったメロウさを演出するようなギターワークは、メロデスを更にヘヴィかつ邪悪にしたような緊張感があってかっこいい。整合性のあるプロダクション、ブラック的な喚き声ながら威厳も感じさせるヴォーカルも相俟って、どこか威風の漂うような音に仕上がってますね。

一聴するとヘヴィネスとメロディアスを兼ね備えたギターワーク、それを軸にした展開のドラマ性に耳を奪われるんですが、何気にキーボードも良い仕事してますね。時にギターメロに同期してメロウさを助長してみせたり、時に妖気が漂うような妖艶さ・邪悪さを演出してみせたり…。一部ラフマニノフからの引用がある事が象徴的ですが、この作品のメロディってどこかクラシカルな甘美さがあるんですよね。それをブラックとしての邪悪さ・エクストリームメタルとしての重さと上手くマッチさせてる辺り、センスの高さが感じられますね。

これだけ高品質な作品を作れるとなると、バンドが非常に自信を持っているらしい2ndも気になるところですが…なぜか2ndは自主制作盤のせいか手に入りづらいのが惜しい。1st同様、Candlelight辺りが再発してくれればいいのに。


GRIMFAUG - Defloration of Life's Essence ★★★ (2013-07-29 12:57:58)

2007年発表の2nd。

ある程度緩急は付けつつ、基本はブラストビートで疾走をかますリズム構成、サタニックで寒々しいメロディを練り込んだトレモロリフ、擦り込むようなギターノイズが支配する音像…どれも典型的なプリミティブブラックの特徴で、確かに巷で言われている通り、大きい特徴の無い音といえばそうなんですけど(強いて言えば、メロウなベースやギターソロが入りプリブラとしては展開豊富な方である事くらい)、「プリミティブブラックとして」という観点では、かなりクオリティの高いアルバムだと思います。

まずは何気にメロディのセンスが素晴らしいんですよね。ブラックメタルとしての邪悪さやネガティビティはしっかりと演出しつつも、どこか壮大な情景が浮かんでくるようなメロディ。これがトレモロリフに練り込まれ、ギターノイズの奥から幽かに聴こえてくると、今正に悪魔の軍勢が攻めて来ようとしているかのような臨場感を覚えるんですよね。ドスの効いた低音がなりにエフェクトを掛け、地獄の底から響くようにも聴こえるヴォーカルもその情景に凄みを与えているように思います。

プリミティブブラックとしては過不足無く良い出来のアルバムではないでしょうか。普段からプリブラを聴いている人であれば確実に何か感じるものがあると思います。プリブラも様式が出来上がってる感じなので、意外に黎明期の基本アルバムより聴きやすかったりする…のかも。その辺り、ずっとこういう音を聴いてると麻痺するので良く分かりませんが(笑)。


BOOK OF SAND - Destruction, not Reformation ★★ (2013-07-29 12:54:03)

2010年発表の2nd。

2009年結成のかなり新しいバンドらしいですが、新進気鋭のバンドらしい実験性に満ちたブラックを演っていますね。ザラついたギターリフがメタルのヘヴィネスではなく、アンビエントなアトモスフェリックさを演出し、そこに胡弓らしきストリングスの大陸的で雄大な音色が乗る、瞑想的な雰囲気を醸し出すポストブラック。宗教性よりも思惟性を強く感じさせるような知的な音。

サタニックな邪悪さはほぼ皆無に等しい音なんですが、何故か聴いていて恐怖を覚える音なんですよね。特にギターノイズに溶け込むようにして、リズムを刻む音が精神を少しずつ冒していくような感触があってかなり怖い。メロディアスなストリングスとの対比のせいもあり、いびつで壊れた世界観が表現されているような印象がありますね。

このバンドは聴く人によって評価が極端に分かれがちらしいですが、それも納得の独特さ。逸脱系ブラック好きにはお勧め。ただ、この紙ケースはもう少しなんとかならなかったんでしょうか…。傷つきそうで怖いんですが。


MOLOCH LETALIS - Apoteoza Śmierci ★★★ (2013-07-25 22:24:39)

2009年発表の1st。

レビューサイトや情報サイトなどを見る限り、このバンドはデス/ブラック両方の要素を持つバンドとして認識されているようですが…邪悪なトレモロをメインとした、薄気味悪いメロディの応酬、ハイピッチの絶叫ヴォーカル、重さよりは抜けの良さを感じるドラムの音作りなど、どちらかというとブラックの要素が強めで儀式的な暗黒性も強い音ですね。音圧のあるプロダクションや暴虐性の高いブラストパートなど、デス要素も無理なく融合させている感じ。

何気にこのバンド、特にブラック寄りのトレモロを使用してるパートなどにおけるメロディのセンスがかなり良いんですよね。ダイレクトに悪魔主義を叩き込むようなメロディの使い方は、MAYHEMの1stに通じるものがあると思う。ヴォーカルもIhsahnとManiacを足して割ったような邪悪さに満ちた喚きだし、ブラックとして優れた音だと思う。…それだけに、デス的なヘヴィさで攻めるパートに多少物足りなさを感じたりもするんですが…両方の要素が上手く絡まってる部分は素晴らしいし、正直この辺りは聴き手の嗜好性だとも思いますけど。

それを考慮に入れても、星は3つ付けたいですね。こういう初聴時から圧倒してくれる暗黒性に満ちた音って、単純にツボなんですよね。かっこいいです。


SCREAMING SAVIOR (惊叫基督) - Infinity (宙海) ★★★ (2013-07-24 20:41:06)

2012年発表の2nd。

どうも中国って鬱ブラックには強いけど、シンフォブラックではCHTHONICやANTHELIONのいる台湾、SAD LEGENDのいる韓国と比べると少し弱いような印象があったんですが、その勝手な思い込みを覆すような、ハイクオリティなシンフォニック・ブラックですね。刻みやメロディックなリフ、叙情的なギターソロも多用する、メロデス的な取っ付きやすさも備えるギターワークに、ストリングス・ブラス系の派手なキーボードだけでなく、二胡やピアノ、フルート(らしき音色)なども取り入れた、絢爛ながらメリハリの付いた作風。

二胡がまるでゲーム音楽の如きキャッチネスに満ちたメロディを振りまき、ギターソロも叙情的な「Ode to Expedition」の名曲振りを考えると、もっと二胡はメインでフィーチャーして欲しかったと思わなくもないですが…そういったあからさまにオリエンタルな要素を取り入れていないパートにおいても、どこか大陸的な大河に揺蕩うような優雅さがあるのが良いですね。「Sanguinary Salvation」のギターソロとピアノの絡みなんかはその好例でしょう。

メジャーバンドしか聴かないような人が聴いたとしても、きっと満足して頂けるに違いない、ハイクオリティで派手なシンフォニック・ブラックで、しっかりアジア産らしい叙情を感じさせてくれる良作なんですが…ちゃんと(?)灰汁の強さもありますね(笑)。通常のデス声の他に、笑って唸ってがなって歌う、演技派ヴォーカルがフィーチャーされてるのが正にそれ。前半での存在感が半端ないです。正直大袈裟過ぎて笑ってしまいます(笑)。

ブックレットを読むと、「俺たちの音楽を中国の外の人に聴いてもらう事が夢だった」と、ブラックメタラーとは思えない(笑)殊勝な言葉でレーベルへの感謝を述べていますが…このクオリティなら遅かれ早かれ世界中の好事家連中が目を付けたのは間違いないんじゃないでしょうか。CHTHONICやANTHELION、SAD LEGEND辺りのメロディックでオリエンタルなシンフォニックブラックが好みであればまず買って損はないでしょう。


GRAM - May I Never Hear Your Voices Again... ★★ (2013-07-24 20:36:48)

2009年発表の1st。
全く知らないバンドでしたが、妙に凝ったジャケに惹かれ購入。

音的には、粗いリフのディストーションが抽象的な雰囲気を演出する音像の中、ブラックらしいトレモロを中心としたメロウなメロディを響かせつつ疾走するスタイルで、WOLVES IN THE THRONEROOMやASH BORERなどのカスカディアン勢を思わせるようなブラックメタル。情景描写に特化する余り変に気取った音にならず、ブラックらしいサベージな暴虐性もあってバランスのいい仕上がりだと思う。意外にオールドスクールな展開を垣間見せるパートも。

取り分け気に入ったのが、やたらいがらっぽいガラガラ感あるヴォーカルの絶叫。魔獣が喉を鳴らしながら獲物を習ってるような感じがあるというか、かなり味のある声で好きですね。また、ドイツ産らしい薄暗い叙情性の篭もったメロディもなかなかにグッド。この手にありがちな浮遊感を演出したりなどは余りせずに、もっとダイレクトに暗い叙情を叩き込んでくるようなメロディ。…個人的には、ダークファンタジーな世界観が見えてくるような、エピック性を感じたりも。

何気に良作だとは思うんですが、厚紙などを使い、一見凝ったジャケ、実はこれがちょっと厄介。厚紙に留め具が糊付けされてて、そこにCDの穴を嵌める使用は盤面に傷が付きそうでかなり不安…。まあ、ジャケが凝ってなければ手に取ってなかった可能性もあるし、一概にマイナスとは言えませんけど…。


μ's - μ’s Best Album Best Live! Collection II - Cutie Panther ★★★ (2013-07-24 20:34:12)

この曲、試聴段階ではなんか淡白に聴こえたんですけど、実際腰を据えて聴いてみると凄く良い曲ですね。特にサビの「♪君の君の~」辺りは、まるで祭りのお囃子の如き絶妙なクサさで大悶絶…っていうか吹きました(笑)。リズム的にはクール系の楽曲っぽいのに…。あとシンセサイザーの音色やフレーズが何気にかなり良いんですよね。メロディを担当させるだけじゃなくて、極端な音程変化を掛けて効果音っぽくしてたり、アイデアに満ちてて聴いててワクワク出来る音。試聴段階では買おうか若干迷ったけど、結局買って良かったと思う。


μ's - μ’s Best Album Best Live! Collection II - 夏、終わらないで。 ★★ (2013-07-24 20:33:31)

打ち込みのリズムに、ピアノのループを乗せて展開する切ないアンビエンスたっぷりのトラックは、それだけ聴いていても歌詞の通りの世界観が浮かんでしまい、つい溜息を付いてしまいそう。何気に逆再生っぽい音もさりげなく使われていたり、音選びのセンスは本当に良いと思う。トラックが凝ってても歌が乗るとしっかりポップなのも良いですね。ただ、アニソンという観点から見ると個人的にはもっと派手な曲を聴きたかったと思わなくもないですけど…。


MYSTICAL FULLMOON - Scoring a Liminal Phase - Ten Strategies for Postmodern Mysticism ★★★ (2013-07-22 20:52:15)

2009年発表の1st。

活動期間は長いものの、フルとしては初の作品みたいですね。
自主制作盤らしいですが、メジャーレーベルからリリースされてるような作品と比較しても全く劣らない、素晴らしいアルバムだと思います。アウトレット品で安価だったのと、アルバムタイトルがなんかお洒落でかっこよかったのでなんとなくレジに持って行ったんですが、本当に大正解でした。

路線は簡単に言うなら、サイバー/インダストリアル要素を含む、知的なアヴァンギャルド・ブラックで、オーケストラルなパートやノイズ/アンビエント、ジャズなどの要素も一部垣間見せる、練り込まれた音…という所ですが、出している雰囲気というか風格が半端ないです。まるで「Antithesis」以降のSECRETS OF THE MOONの威風ある邪悪さと、「Generator」期のABORYMの不穏で頽廃的なムードを足し、後期EMPERORに通じる知性を加えた感じ…というと近いでしょうか。

前述したように楽曲に様々な要素をぶち込んで来るタイプの作風なんですが、根幹のブラックメタルとしての部分がまず素晴らしい。頽廃的なネガティブさがどす黒く、美しく練り込まれたトレモロリフはそれだけで凄みを感じさせるし、音質もしっかり質量感が感じられる、整ったものになっていることもあって、ただ邪悪なだけではない、精神を蝕むかのような存在感のある音になってるんですよね。

展開も打ち込みのリズムを邪悪なリフと合わせたり、サックスも用いたジャジーなパートやエキゾチックなキーボードを挿入したり、唐突に思える部分もありますが、全体を通じて頽廃的な空気感が支配していて、雰囲気が破綻する事はまずありません。むしろブラック特有のどす黒いムードに打ち込みリズムを合わせている所なんかは、まるで破滅し終焉を迎えつつある機械文明を思わせ、雰囲気や頽廃性としてはむしろ濃厚になっていると思う。…この完成度と凝り具合、相当時間を掛けてアルバムを制作したんじゃないでしょうか…。

という訳で、一刻も早くジャンル内で有力なレーベルと契約して、ブラック好きの間にその名を轟かせて欲しいと切に思ってしまう、そんな素晴らしい作品でした。SECRETS OF THE MOONやPORTA NIGRA辺りの知的で頽廃的なブラックが好きであればまず買い。そうでなくても、まずは試してみてほしいところですね。ほんと良いアルバムなので。


MYSTICAL FULLMOON ★★ (2013-07-22 20:49:40)

90年代半ばより活動しているらしい、イタリア産のアヴァンブラック。
まだ知られた存在ではないらしく、検索しても日本語のレビューがあまり出てこなかったりするんですが、やってる音楽はかなり素晴らしいのでブラック好きは要注目ですよ。


BLUTMOND - The Revolution is Dead! ★★ (2013-07-22 20:46:36)

2013年発表の3rd。

音的には、サックスを用いたジャジーな雰囲気や、インダストリアル要素を含むパートを取り入れた、アヴァンギャルドなブラックメタルで、一部シューゲイザー的な清らかさを感じさせるトレモロがあったり、ワインを傾けながら歌っているかのようなお洒落クリーンがあったり、様々な要素を取り入れて変化に富んだ展開を聴かせる作風。ヘヴィなリフやツーバスにサックスを絡めてくる辺りは、如何にもジャンルを跨いでいるバンドの音という感じで個人的にツボだったり。

その出音からはブラック的な薄暗さや邪悪さは殆ど感じられず、代わりに都会的なアンニュイさ、お洒落さがあって、どこか人を食ったような雰囲気があるのが特徴ですね。ミッドテンポ中心かつヘヴィなリフを用いた音作りは、ブラックというよりヘヴィロックやゴシックを聴いているような感触があり、アーバニズムをテーマにしたブラックの中でもはっきりした輪郭を持った音になっている印象。トリッキーだけど実体的。

ギターワークはメロディアスだし、変に賢しらぶった自己満足な音になっている訳ではなく、ある意味キャッチネスに富んだ仕上がりなので、聴きやすいといえば聴きやすいんですが…何か主義主張を喚き散らすかのような、やたら熱の入ったエモーショナルな絶叫や、ゲスト女性ヴォーカリストのやたらめったら力強いダミ声叫びヴォーカル等もあって、音の灰汁はかなり強い感じがします。

感性の面でブラックを離れているので、割と聴き手を選ぶ音かもしれません。SIGHやTHE MEADS OF ASPHODEL、ANSUR辺りの逸脱系ブラックが好きな方にお勧め。


BLUTMOND ★★ (2013-07-22 20:45:47)

スイス産アヴァンブラック。
ブラック的邪悪さからはかけ離れた、都会的な音を出してるバンド。


MUSTAN KUUN LAPSET - Prologi ★★★ (2013-07-19 22:08:30)

98年発表の5曲入りEP。
再発盤はボーナストラックを一曲収録。

このバンドはこの後メロディック・デス色を強めていったらしいですが、今作は超が付くほど良質なメロブラ。確かに、タイトル通りデビューして間もない作品らしく、今ひとつ薄いリフの音色や、全体的な音圧の物足りなさ、妙にRAWなドラムの音など、音作り方面を中心に荒削りさが残る作品ではありますが、それを補って余りある魅力がありますね。

この作品のウリは、なんといってもメロディでしょう。時にメロデスや正統派に通じるエピックでメタリックなフレーズも挟むものの、主にブラックらしいトレモロリフによって奏でられるメロディには、中世的なムードと哀愁がたっぷり詰まっていて絶品。最近のバンドで言うとフランスのAORLHACのロマンティックなメロっぷりに殺られた人なんかはツボでしょう。所々アトモス系のキーを入れてるのも良いですね。雰囲気ある音色でセンスいいです。

これ、音作りがもう少し良かったら、メロブラ入門向けにも勧められるくらいいい作品だと思います。もちろん、既にメロブラ好きな人は必聴。調べたら既に解散しているようですが、ほんとそれが惜しまれるバンドですよ…。


UGULISHI - Dark Illuminations ★★ (2013-07-19 22:03:56)

2009年発表の4曲入りEP。

これはかなりカルトな雰囲気を持った作品ですね。
聴き手の精神を削るような、ジリジリとしたリフの音色と、初期BURZUMに近い裏返り気味の鬱感情をぶちまけるような絶叫が病んだ雰囲気を醸し出す、カルトでサタニックなムード満点のブラックメタル。剃刀の海に叩き込まれるような、非常に殺伐とした感触を持った音。

上記したように、決して聴きやすいとは言えない音作りなんですが、それがスローパートでは禍々しい渦に引き込まれるような暗黒さを、ファストパートでは圧倒されるような暴虐さを醸し出してるんですよね。そもそもメロディックとは言い難い作品ですが、僅かに感じられるメロディも全く甘さの無い、鬱と邪悪だけで構成されているようなギラついたものを弾いていて、やはり人を寄せ付けない刺々しさが強い印象。

正直マニア向けながら、なかなかの凄みを持った作品だと思います。今作はEPなので演奏時間短めですが、フルがリリースされたらかなり精神を消耗させるようなものになりそう。


ANTIM GRAHAN - i Wish Your Death ★★★ (2013-07-18 13:58:51)

2012年発表の5th。CD-Rでのリリース。

ネパールってメタルとしては辺境というイメージなんですけど、だからといって舐めたら痛い目に遭いますよ、これは…。女性ヴォーカルも導入した、妖しげなキーボードによる装飾の効いたシンフォニック・ブラックなんですが、これが非常に派手でかっこいい。

妖気を漂わせたキーボードをメインに据えたパートでもツーバス連打していたり、キーを引っ込めてもオールドスクールな疾走が無茶苦茶かっこよかったり、ゴシックメタル風の妖艶な女性ヴォーカルを起用したり…「引き」のパートでバランスを取る事なんか知るか!といった風情で、派手なパートを矢継ぎ早に繰り出してくるような派手な作風。演奏時間は短めですがその分濃密…というか特濃です(笑)。

…もしかすると、辺境だからこそこういう音になったのかもしれませんね。変に纏まったものを作ろうとしていないというか、小細工の無い音というか。ジャンルの音の中心の土地のバンドでないからこそ、変に差別化を意識しない純化した音が作れるというか。何気にバンドサウンドが前に出ているお陰で、破壊的な聴き心地が感じられるのも良いですね。

メディアがCD-Rだったりブックレットがケースに収まりきらず、ちょっとへにょってたりパッケージ面でもチープさは否めませんが、それを補ってシンフォニックブラックとして余りある魅力のある作品。やっぱりシンフォは派手でないと…って方にもお勧めです。もちろん私も含む(笑)。


ANTIM GRAHAN ★★ (2013-07-18 13:55:41)

ネパール産シンフォニック・ブラック。
バンド名はネパール語で「究極の蝕(the Ultimate Eclipse)」の意味だとか。


ANGANTYR - Kampen Fortsætter ★★★ (2013-07-18 13:50:11)

2001年発表の1st。

このバンドはシンセ・アンビエントとして発足し、すぐにブラックメタルへと音楽性を変えた…という経緯があるみたいですが、イントロ部分やアルバム中盤の9分超えのアンビエントなインストにその名残が残ってますが、基本的には北欧産のプリミティブ・ブラックを踏襲した音ですね。

ミディアムテンポを中心に、メロウさやオールドスクールさを醸し出しながら進行する展開は、目新しさこそないもののなかなか魅力的。特にメロウさのギアを上げる感じの展開がグッと来るし、肺腑から血を吹くような絶叫ヴォーカルの凶悪さもかなりのもの。ヤスリを思わせる、ギラついた金属質なリフの音色も良い感じですね。ULVERの3rdやBURZUMの4th、NARGAROTHのRaslukaシリーズ辺りに近いけど、より平坦で耳に痛くない音。個人的には聴きやすくて好き。

ブラック好きからの評価も高いバンドらしいですが、確かにメロウさのセンスといい音作りの気持ちよさといい、納得できる仕上がりです。ただ、アンビエントパートが個人的にはちょっと長く感じたりも。


ANGANTYR ★★ (2013-07-18 13:49:26)

MAKE A CHANGE…KILL YOURSELFのメンバーによるブラック。
何気にTHRやNorthern Silenceなど有名レーベルからのリリースの多いバンド。


ZORN - Menschenfeind II - A.N. ★★ (2013-07-18 13:45:27)

2009年発表のおそらく4thか5th。

前半が2003年に制作した音源で、後半が2007年制作の音源という、多少変わった構成になっているようですが…作風の方は殆ど変わりませんね。氷の礫が吹き付けるようなディストーションに、時折ギラついたメロディが絡む攻撃的な作風で、如何にもジャーマンブラックな冷たさに満ちた音。薄っぺらい音ではなく、しっかり音圧もあるのが暴虐な作風を引き立ててますね。

何気に注目したいのはヴォーカルの表現力。人間性を失くした様な、完全にノイズと化した声ではなく、地声成分も混じった人間的な感情の混じった絶叫なんですが、これがなかなかに壮絶。氷の礫の吹き荒れる音像の中で声を枯らさんばかりに叫び続ける、おそろしく必死さが伝わってくるような叫び声。白目剥いて歌ってそうっていうか、絶対直立不動では出せない声だと思う(笑)。

ジャーマンブラックでも作風を重ねてキャリアのあるバンドなので、目新しさはない変わりに安定して暴虐な音を提供してくれている感じですね。ドイツ産のブラックをある程度聴きこんでて、他の国のブラックよりも波長が合うと感じた人なら確実に楽しめる作品だと思います。


ZORN ★★ (2013-07-18 13:44:50)

Terror Black Metalを自称する、ドイツのブラックメタルバンド。
元ISEGRIMのメンバーが絡んでます。


MUSSORGSKI (BLACK METAL) - Chaos and Paranormal Divinity ★★ (2013-07-13 19:52:21)

2011年発表の2nd。

陰鬱極まりないメロディや、アトモスフェリックなキーボードを取り入れつつ、緩やかに進行していく音像自体は、ディプレッシブ・ブラックのそれなんですが…多くの鬱系のバンドと違い、鬱や絶望といった人間的な感情は余り伝わってこず、代わりに暗黒や魔術であるとか、そういった邪悪で儀式的なものへの憧憬がひしひしと伝わってくるような音になってますね。

地の底から響くようなエフェクトの掛かったヴォーカル、霊的世界へ誘うように纏わりつくキーボードの音色選びのセンス、悪しきものを祝福するかのようなメロディ…それらによって醸造される世界観は、非日常的な邪悪さで満たされているかのよう。闇の儀式によって開いた異形の世界への扉、そこから漏れ聞こえて来る音…そんな感じの作風。今にも腐蝕した風が頬を撫でていきそう。

このどす黒く纏わり付いてくるような、粘着質な暗黒の表現、個人的にはなかなかにツボだったりします。アトモスフェリックでダークな音楽が好きであればチェックしてみてもいいのでは。


MUSSORGSKI (BLACK METAL) ★★ (2013-07-13 19:51:33)

ARKONA絡みのメンバーによる、ポーランド産鬱ブラック。
95年に一度活動停止し、2009年に活動を再開したという経緯があるらしいです。


AENAON - Cendres et sang ★★ (2013-07-13 19:27:35)

2010年発表の1st。
アルバムタイトルは「灰と血」の意。

幻惑的なアンサンブルや妖しげなメロディで聴き手を煙に巻きつつ、サックスなども導入して前衛的なムードも醸し出す、お洒落かつ不条理な雰囲気のあるブラックメタル。但し前衛的なだけでなく、ブラストでの暴虐疾走や厚みのあるリフなど、エクストリームメタルとしての攻撃性や音作りの強烈さもしっかり残しているのが特徴ですね。知性的だけど頭でっかちではない印象。

個人的には、VED BUENS ENDEやVIRUS、或いはLUGUBRUM辺りを真っ当なエクストリームメタルに近付けたような印象なんですが、それらバンドのような「悪意」は割りと薄めで、その代わりに「知性」で楽曲が構築されているような印象を受けるんですよね。不条理で悪夢的な世界観を描きつつ、暴虐性もある音だけど、邪悪な雰囲気は良くも悪くも薄いと言うか…その辺りが肌に合うかどうかで、評価が変わってくる作品だと思います。

個人的には、不条理系のアンサンブルが時折物凄くかっこいい方向に作用している箇所があって、結構好きな路線だったりします。欲を言えば、もっとサックスとかバンバン使って妖しい方向に突き進んで頂きたい所ですけど。


AENAON ★★ (2013-07-13 19:26:34)

ギリシャ産アヴァンギャルド/プログレッシブ・ブラック。
VARATHRONのメンバーが絡んでいる模様。


ALGAION - ΕΧΘΡΟΣ ★★ (2013-07-13 19:24:44)

2010年発表の3rd。

何気に90年代前半から存在するバンドで、実はスウェディッシュブラックでも古株らしいですね。CDを再生すると打ち込みやパーカッションの入ったインストでちょっと驚きますが、すぐにストレートでかっこいいメロディック・ブラックに変貌。少しペイガン風味の入った叙情トレモロと、疾走しつつ緩急を付けた展開で聴かせる、年季に相応しいクオリティを持った音で、特に左右チャンネルからのトレモロ攻勢や、泣きの入ったリードなどが良い感じですね。

ただ、多くのメロブラバンドがそうであるように、このバンドも「引き」のパートの魅力がちょっと弱いかな…と。音の分離自体はクリアで聴きやすいものの、ドラムの音が大きめかつ、ギターのノイズ質に尖ったものを少々残したプロダクションが、メロディアスでないパートにおいて多少魅力を奪ってしまっている…という印象も。メロディ自体はかなり上質な分、この辺り引き締めてくれたらもっと話題になってもおかしくはない気がします。

スウェディッシュメロブラが好きであれば聴いておいて損は無いバンドだと思います…が、正直DISSECTIONやWATAIN、SORHIN辺りのバンドが未聴であればそちらを優先してもいいかも。


FROSTSEELE - PrækΩsmium ★★★ (2013-07-13 10:10:22)

2012年発表の1st。

レーベルも有名なところ(Self Mutilation Services)だし、何よりバンド名のかっこよさに強く惹かれたので購入しましたが、これは釣られて正解。FROSTSEELE(霜の霊魂)のバンド名通りの、凍死系アトモスフェリックブラック。粗い氷の礫が吹き付けてくるようなディストーションと、ドイツ産らしい凍てついた哀愁の篭もったメロディにより、聴き手を雪原に放り出すかのような音世界を作り出しています。

通常、アトモスフェリックブラックって展開やフレーズよりも音像を重視した、「情景的」な音である事が多いんですが、このバンドはトレモロリフやストリングスによる、泣きの入ったメロディの主張がかなり強く、テンポの変化によるドラマ性の演出にも重きを置いているので、アトモス系の中でもメロディックさ・ドラマティックさは随一の音に仕上がってますね。根っからのアトモス系好きはもう少しオブスキュアな音を好みそうですが、この手の中ではかなり聴きやすい仕上がりになっていて個人的には好きですね。

メロディも良く、分かりやすい音の世界観を持ってるバンドなのでアトモス系の中でも入りやすい作品だと思います。凍てつくトレモロで凍らされたい人は是非。


FROSTSEELE ★★ (2013-07-13 10:09:46)

ドイツ産アトモスフェリック・ブラック。
「フロストゼーレ」って名前がまずかっこいいですよね(笑)


μ's - 天使たちの福音 - 革命ですね?神様! ★★★ (2013-07-13 00:20:46)

アップテンポな曲調に、清涼感のあるサビメロ、高揚感のあるキャッチー極まりないコーラス、そして分かりやすく盛り上がりを誘発する合いの手…如何にもアイドルソング流の盛り上げ方を受け継いだアニソンという感じの曲。タイアップの付いたゲームに合わせてなのか、ちょっと宗教系の荘厳な音色も使われていて、それが強烈なフックになっていますね。やっぱりポップスはこういう分かりやすいのが好きです(笑)。


μ's - 天使たちの福音 - 羽は知ってしまったの? ★★ (2013-07-13 00:19:21)

「DADADA☆はっく」や「まほうつかいはじめました!」とか、徳井さんは賑やかし系のキャラクターソングを担当する事が多い印象でしたが、ここにきてまさかのバラード。でもちゃんとバラードを歌うシリアスさ、キャラとしての可愛さを両立させてるのが凄いと思う。何気にこの人、自分の声をプロデュースするのが凄く巧い気がします。個人的にはもっとクッサいメロの方が好きだけど、歌声的に聴いててほっこりするのでちょっと高評価な曲だったり(笑)。


μ's - 天使たちの福音 - 閃光Resolution ★★ (2013-07-13 00:18:12)

哀愁と高揚感のあるメロディで疾走するサビがかなりのインパクトを放つ楽曲で、なんとなくロボット系アニメの主題歌にありそうな感じ。アッパーな中にキーボードで哀感を足したアレンジ、間奏のギターソロといい凄く王道っぽい作り。ただ、かっこいいしキャッチーなんだけど、私的にはもう一つ引っ掛かりが欲しかった所ですね…。


μ's - 天使たちの福音 - 斯くも憂美な日となりて ★★★ (2013-07-13 00:16:58)

タイトルからは優雅で穏やかな曲を想像していたら、まさかのシンフォメロスピでびっくりしました(笑)。しかもヴォーカルを取るのはFripSideに所属し、歌唱力にも定評のある南條さん。アルバムでメタラー殺しの要素があるとしたらここでしょう。ハープシコードやストリングスをふんだんに使いつつ、何気にリフの音量も遠慮してないオケはストレートにかっこいい。何気にバスドラのフレーズが心地良かったり、やはり音はしっかり作りこまれている印象。…っていうか、after school NAVIGATORSといい、このプロジェクトは攻めてますよね…。


μ's - 天使たちの福音 - 秘密と花園 ★★★ (2013-07-13 00:13:58)

Pileさんの歌声が大好き(「True Diva」も結局買ってしまった)ので最初から期待値が高かったんですけど、これはそれを裏切らない良い曲ですね。ピアノがちょっと耽美さを醸し出しつつも軽快なテンポで進行するアレンジと、Pileさんの色気と存在感のある歌声が見事にマッチ。「True Diva」の正統派アイドル曲でのコケティッシュな可愛らしさとはまた違った魅力。やっぱりこの人、ただ上手いだけじゃない魅力に満ちたシンガーだと思う。


μ's - 天使たちの福音 - ここで待ってるよ ★★★ (2013-07-13 00:12:45)

派手な曲大好きな私としては、正直言って最初はあまり好きな楽曲ではなかったんですけど…ふとしたときに聴いたら、凄くほっとした気分になってしまったんですよね。それから実は名曲じゃないのかと思うように。夕焼けとか帰り道とか、そういう優しい情景が浮かんでくるような曲だと思います。


MUNRUTHEL - CREEDamage ★★★ (2013-07-07 21:46:08)

2012年発表の4th。

ちょっと調べてみたら、プロジェクトの中心人物であるMunruthel氏は元NOKTURNAL MORTUMのドラマーで、90年代にはウクライナで最も優れたドラマーの1人と謳われた事もあった人物で、トランス系プロジェクトにも所属しているという、多芸極まりない経歴が出てきましたが…このプロジェクトでも、彼の多彩振りは如何なく発揮されてますね…。

ペイガン/シンフォ系のブラックでもかなりオーケストレーションに比重を置いたスケールの大きい、神話的な情景が浮かぶサウンドで、まるでLORD WIND(GRAVELANDのRob氏のアンビエント)をバンドサウンド化したかのような深遠さ。クラシカルなだけでなく、ケルトやヴァイキングっぽいメロディ使いもあり、アルバムの雰囲気の一貫性と展開のバリエーションの豊かさを両立させている辺りが素晴らしい。

元はインストだと思えないくらいにヴォーカルラインには力を入れており、自前の絶叫とグロウルを使い分けるデス声だけでなく、ヴァイキング的な朗々としたテノールや、非日常的な光景を醸し出す妖しい女性ヴォーカル等、ゲストやセッションミュージシャンも数多く起用していますね。ただ、普通のロックっぽい男性ヴォーカルは、個人的には非日常的な雰囲気を壊してるように思えて、正直歓迎したくないですけど…。BATHORYカヴァーのテノールの人は聴き惚れるくらい良い声なんですけどね…。

また、オーケストラやヴォーカルワークによる壮大さだけでなく、バンドサウンドの部分もある程度しっかりしているのが良いですね。何気にギターソロなんかもあったりしますし、プロダクションはしっかり重さもあり、かつクリア。CandlelightとかSeason of Mist辺りのメジャー所から出ていてもおかしくないクオリティだと思う。敢えて言えば、意外にドラムの音色がイマイチに感じる箇所があったくらいでしょうか。

ぶっちゃけNOKTURNAL MORTUMよりも万人に受けそうな音だと思います。作りこまれた壮大さで古代の神話世界にトリップしたい方にお勧め。


MUNRUTHEL ★★ (2013-07-07 21:45:28)

ウクライナ産シンフォニック/ペイガンブラック。
NOKTURNAL MORTUMの創設メンバー(現在は脱退)であるMunruthel氏によるプロジェクト。初期はインスト作品だったとか。


KHORS - Мудрiсть Столiть (Wisdom of Centuries) ★★★ (2013-07-07 10:23:41)

2012年発表の5th。

これ、店頭でやたら熱いコメントで勧められてたので、乗せられる形で買ってしまったのですが、想像以上に良い作品でした。作風的にはミディアムテンポを中心に、身を切るようなペイガン風味のメロディをリフに練り込み、アトモスフェリックかつ叙情的に展開していくブラックなんですが…凄く巧みな形で、ダイナミックさとドラマティックさ、アトモスフェリックさを両立させている作品だと思います。

低音の効いた、ずっしりとしたプロダクションは民族がかった哀愁メロディや厳然としたミッドテンポとの相性が非常に良く、冷厳なムードを醸し出してますね。普通のアトモス系バンドが吹雪や雪山だとするなら、このバンドは視界を埋め尽くすほど巨大な氷塊が、眼前に聳え立っているかのようで、威厳に満ちた音だと思う。トレモロリフを纏った寒々しい疾走も取り入れた構成とも相俟ってかなりダイナミックな仕上がり。民族的パーカッションの導入も良い味付けになってると思います。

酔いどれ系フォークメタルのような華やかさはほぼ皆無に等しいですが、深遠な哀愁がひしひしと伝わってくるかのような良質な作品。流石にCandlelightが目を付けるだけあって、一流の音だと思います。


TEMPLE OF BAAL - Lightslaying Rituals ★★★ (2013-07-06 23:12:41)

2009年発表の3rd。

これは凄まじいですね。簡単に言えば、デスメタル的なヘヴィで実体的な暴虐性・好戦性とフレンチブラックの妖しい邪悪メロウなムードを融合した…という感じなんですが、これが単純な加算より遥かに高い効果を生んでいる感じですね。全編通じて邪悪が脈動するような力強さを感じられる作風ですが、特にフレンチ産らしい悪の美学の詰まったメロディを伴いつつ疾走するパートが鬼かっこいい。

ベースのゴリゴリいう音色が心地良い、ヘヴィで低音の効いたブルータルな音像といい、デスメタル的な低音咆哮を中心にした威厳と迫力を感じるヴォーカルワークといい、音自体は非常に野蛮極まりない、ダイレクトな攻撃性のある音なんですが、ブラックメタル特有の宗教的な邪悪さもまた強く、デス要素を取り入れていてもムード面でしっかり「ブラックしている」のが素晴らしいです。押し潰されるようなインテンスさを感じる作品。

雰囲気的にブルデスなどとは一線を画した感触もあるので、BEHEMOTHやHATE辺りよりもWATAINやSVART CROWN辺りを好む方が共感できそうな音だと思います。


BLACK HATE - Los Tres Mundes ★★★ (2013-07-06 00:07:42)

2012年発表の2nd。
おそらくバンド編成になってから初のアルバム。
…スリーブが小さくてキツくて開封しづらい…。

中心人物であるB.G.Ikannuna氏の経歴を見てみると、NOSTALGIEにDEEP-PRESSION、LUPUS NOCTURNUSなど錚々たる鬱ブラックが名を連ねていますが、こっちのバンドではごく真っ当なかっこよさのあるエクストリームメタルを展開していて驚きました。基本は鬱要素もあるブラックですが、熱く刻み込むリフ捌きがあったり、ノリのいいグルーヴ感のあるリズムを取り入れていたり、バンドサウンドを謳歌しているような作風。

ハイクオリティなエクストリームメタルと鬱要素を同居させている辺りはMANETHRENだったりIMPERIAL DEKADENZだったりといったバンドを思わせますが、こっちはプロダクションがクリアなだけでなく、ちょっと軽めなので、特に疾走パートにおいてどこか軽快さを感じるような作りになっているんですよね。

但し、鬱ブラック由来の引き攣った絶叫を交えたヴォーカルパフォーマンス、悲壮感のあるメロディを交えたトレモロや繊細なアルペジオ、どことなく妖しげな雰囲気を醸し出すスペイン語詞の響き、時折挿入される呪文を唱えるようなクリーンなど、この手に期待されるようなネガティビティの表現にもしっかり力が入っている感じもします。パートによっては鬱ブラックの音そのものだったり。

鬱ブラックのテイストを残しつつ、エクストリームメタルとしても非常にかっこいい音。不気味さや鬱さは好物だけど、アルバム通してミニマルな作りなのはどうも…という方にもお勧め。固すぎるスリーブで☆一個減らそうと思ったけど、内容が良かったので☆3つ(笑)。しかし、日本人の耳で聴くと「Ika-nu-na」と唱えている箇所は「いかんなぁ…」と嘆いているみたいでちょっと面白いです(笑)。


BLACK HATE ★★ (2013-07-06 00:01:30)

メキシコ産ブラックメタルバンド。
ANDRAMELECHなどに在籍するB.G.Ikannuna氏による独りブラックとしてスタートし、一旦活動を停止した後、バンド編成で再スタートしたという経緯があるみたいです。


DUX - Vintras ★★ (2013-07-05 23:53:09)

2012年発表の1st。

鬱ブラックって、音作りや音像の演出に関しては一家言持っているようなバンドが多いという印象なんですが、このバンドもまたユニークな音作りをするバンドですね…。MUTIILATIONの3rdや4th辺りを整えたような、蟲の羽音を金属質にしたようなノイズが噴出する、精神を削るような音。特に刻みリフ時の紙が破れるような独特の音色は必聴。

そこにキリキリと締め付けるような鬱トレモロや、意外にメロディアスでメロウなベースラインを絡めてくるスタイルで、どこか他の鬱ブラックとは違う聴き心地をもった音。楽曲の方は鬱メロディを重視しつつも、疾走パートを中心とした展開で、鬱系特有の絶叫とブラストでの雪崩れ込みが合わさると圧倒されそうになる…。狂奔するようなフレーズを盛り込んだ3曲目を始め、鬱・プリブラ要素の強いバンドとしては展開も豊富。

特に音質の面で初心者向けとは到底言えないアルバムですが、かなり壮絶な印象も受ける音なので、鬱系やプリミティブ、RAW系のバンドにある程度理解があるならばお勧めです。


μ's - Notes of School idol days - Private Wars ★★★ (2013-06-28 21:29:28)

…これ、何気に凄く良い曲だと思うんですけど…。
洋楽ダンスポップを思わせるキーボードやサンプリングの使い方、時折入る嬌声シャウト、リズムに対してカッチリと言葉を嵌めていく歌メロなどからはクールな印象を受けるんですが、何故かラスサビ前のCメロではどこぞの同人シンフォがやりそうなクッサいメロディが出てきて軽く衝撃。そこからのキメ多用したサビへの流れも見事。初聴で1コーラスだけ聴いた時は曲としてちょっと弱いと思いましたが、フルで聴くとかなりの名曲。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - ありふれた悲しみの果て ★★★ (2013-06-28 21:28:37)

張りのある歌唱と、沈痛なピアノの音色がどこか沈痛さすら醸し出すバラード。タイトル的に全盛期のムックを思わせるんですけど(笑)、メロディは当時のムック並に泣いてて絶品。控えめなリズムトラックとピアノの作り出すたおやかな音像の中で揺らめくようなAメロ、音の盛り上がりと共に感情を込めて歌い上げるサビ、美しさと力強さを同居させるCメロとメロディの流れが凄まじくドラマティックで、バラードなのに聴いていてテンションが上がってしまう…。間違いなくクサメタラー殺しのメロディだと思います。


DROHTNUNG - Drohtnung ★★ (2013-06-28 21:13:35)

2012年発表の1st。

作風的には、ノイズと鬱ブラックを掛け合わせた…という感じですが、聴き手のイマジネーションを刺激するノイズと、聴き手を絶望のどん底に叩き込む鬱ブラックの相性は悪いはずもなく、正に負の連鎖という感じのネガティブ極まりない音になってますね…。最早悲壮感とか通り越してて、霊的な何かを感じる音。一言で言うなら「霊界ラジオ」。

ノイズが聴き手の耳を聾しながら空気を揺らし、そこに鬱ブラック特有の気が滅入るメロディを垂れ流して出来る音像は、まるで霊界に向けて発信される電波のよう。ガシャガシャいうドラムも、ヴォーカルの気が触れたような絶叫も、霊障の一部としか思えなくなってきますもん。ゆるゆるとノイズを垂れ流しながら展開する4曲目のアンビエントも、素晴らしいまでの墓場っぷり。

ちなみにラストの曲ではDROWING THE LIGHTのAzgorh氏がヴォーカルでゲスト参加してます。DTLのこのシーンを牛耳ってる感は半端ないですね(笑)。


DROHTNUNG ★★ (2013-06-28 21:12:39)

オーストラリア産鬱ブラック。
DROWING THE LIGHTやWOODS OF DESOLATIONへのゲスト参加の経験も持つOld氏による独りバンド。去年Misanthropic Artから1枚目のアルバムを出しています。


ALLFADER - Black Blood Flux ★★ (2013-06-28 20:41:07)

2011年発表の2nd。

やたら安い値段での中古が発見できたのと、ノルウェー産ブラック、リリースレーベルふがOSMOSEとの記述に惹かれ、何となく買ってしまったんですが、これ、凄まじくかっこいいですね。タイプとしてはブラックメタルの邪悪さにデス由来のカッチリしたヘヴィネスを融合させた感じで、ZYKLONやTHE WRETCHED END辺りに近い感じでしょうか。

但しZYKLONでいうサイバー要素のような、捻ったところがない分、無骨とも言える作風に仕上がっている印象。無骨ではあるんですけど、哀愁の篭もったトレモロリフや泣きメロを奏でるギターソロ等、フレーズのそこかしこにノルウェジアン・ブラックらしい土着的な感触が感じられて、ヘヴィで攻撃的なだけではない音に仕上がっているのが良いんですよね。

OSMOSEらしいハイクオリティなエクストリームメタルを聴かせつつ、ノルウェー産ブラックらしさも垣間見せてくれるなかなかの良盤です。楽曲を少しシェイプアップして、フックを強くしたらかなり人気出そうな感じがします。


ALLFADER ★★ (2013-06-28 20:38:54)

ノルウェー産デス/ブラックメタルバンド。
VREDEHAMMERのメンバーが関与しています。


THRALLDOM - A Shaman Steering the Vessel of Vastness (2013-06-27 19:05:42)

2006年発表の3rd。

店の紹介ではスラッジ要素の強いブラックメタル…みたいにあったんですけど、むしろこのバンドはスラッジの方がメインという感じですね。スラッジが7割、ブラックが3割くらいな感じ。ブラックに特有のトレモロリフ+疾走などはほぼ無く、ノイジーに引き摺るリフを中心にどす黒い音世界を演出していくような作風。

実験的な側面もかなり強い音で、テープノイズをコラージュしたり、アンビエント要素やサウンドエフェクトなどを取り入れ、独自の暗黒性の追求に余念がないような音作り。腐蝕部分がじわりと広がっていく様子だとか、廃墟が炎の中で崩れ落ちていく様子だとか、どこか破滅的な景色が浮かんでくるような音像になってますね。反面、一般的なブラックが持っているような悪魔っぽさは希薄。

大分音的にも感性的にも普通のブラックからは離れている感じはしますが、滲み出るような暗黒趣味な雰囲気は確実にブラックと共通するものがあるかと。音像・音響重視の暗黒音楽が好きな方は是非。


THRALLDOM ★★ (2013-06-27 19:04:49)

アメリカ産スラッジ/ブラックメタル。
元UNEARTHLY TRANCE、現THE HOWLING WINDのKillusion氏らが在籍。


FUNEREAL MOON - Beneath the Cursed Light of a Spectral Moon (2013-06-27 18:58:06)

94年発表の1st。
2006年にボーナストラックを3曲付けて再発。

メキシコ産のアンビエントブラック、しかもブラック黎明期の作品…そう聞いただけでとてもマニアックなものを想像される方も多いと思われますが、それで正解です(笑)。基本はSEやアンビエンス志向のキーボード等を用い、霊界と交信しているかの如き妖しい音像に、バンドサウンドやその一部、妖しく潰れたヴォーカルなどを絡めてくるスタイル。決してメロディアスな音像ではなく、病気なヴォーカルも前に出てくるので人を寄せ付けない雰囲気。

正直言って、アンビエント色の強いパートは気分でないときに聴くのは苦しく感じるくらいマニアックで、余りにも人を選ぶ作風だと思うんですが…時折入ってくるプリブラ期のDARKTHRONE辺りに近い、プリミティブ疾走がかなりかっこいいんですよね。RAWでアングラな雰囲気を醸し出しつつ、それをマニアックな作風ゆえの霊的なムードが後押ししている感じ。

今でこそアンビエントとブラックの融合なんて珍しくないですけど、この当時から、しかもメキシコでこんなブラックを演っていたバンドがいたというのは興味深いですよね。とにかく不気味で病的な音楽が聴きたい方向けです。


FUNEREAL MOON ★★ (2013-06-27 18:57:35)

90年代前半より活動する、メキシコのアンビエントブラック。
FUNERALではなくFUNEREALなので注意。


μ's - μ’s Best Album Best Live! Collection II - 微熱からMystery ★★★ (2013-06-25 23:49:14)

ユニットlily whiteのシングル表題曲。
…なんか、「知らないLOVE~」よりもあからさまな昭和感が…(笑)。こんな感じの曲、よく昔のアイドル特集とか昔のドラマ主題歌特集とかで流れてますよね。そんな懐メロ一歩手前、いや寧ろ一歩踏み込んでるようなメロディが非常に愛らしい一曲です。この懐かしい哀愁感が凄くいい。キメの使い方とかも意図的に古臭さを強調している感じ。


μ's - μ’s Best Album Best Live! Collection II - キミのくせに! ★★ (2013-06-25 23:48:29)

「微熱からMystery」のカップリング曲。
これ、最初聴いた時はμ’s絡みの曲としては地味だと思ったんですけど、何回か聴くと何気に良曲ですよね。クサメロまでいかない、「胸キュン」な感じのサビメロがジワリと沁みてくる一曲。たまにはこういうほっこり出来る曲もいいですね。


ADVERSAM - Proclama ★★★ (2013-06-24 18:55:14)

2008年発表の2nd。

JUNO BLOODLUSTのドラマーが在籍するシンフォニック・ブラックという予備知識しかなかったんですが、聴いてみて驚きました。何なんでしょう、この「止まったら死ぬ」的な爆走具合は…。まるでKULT OV AZAZEL辺りがシンフォ化したような凄まじさで、むしろブルータルブラックのカテゴリに入れてもいいと思うような暴虐さ。ヴォーカルがデス的な低音咆哮中心なのも、更に暴力的なムードに拍車を掛けてますね。

そしてブルータルブラックとしても、このドラムは本当にかっこいいと思う。ただブラスト爆走パートが多いというだけじゃなくて、2バスやオカズの入れ方、ちょっとしたタメ具合など、フレーズにグルーヴィさも感じる躍動的なプレイで、聴いててテンションが上がる。ロック魂を持ってエクストリームメタルを演ってる…みたいな感じでしょうか。ドラム聴いてるだけで耳が幸せ。

シンフォニック・ブラックとしてはそこまでキーボードに依存しない音作り、重さよりは爽快さを感じるプロダクション等も、ドラムの心地良い飛ばしっぷりと上手く噛み合ってる感じですね。例えばDIMMU BORGIRやCRADLE OF FILTHほど大胆な場面変化のある作風という訳ではないですが、要所で印象的なフレーズを挟み、神秘性を演出するキーボード、禍々しさを演出するリフ捌きなどもあり、楽曲自体もかなり良質だと思います。

個人的には、ド派手でクラシカルなシンフォニックブラックを好む方よりも、爽快に飛ばすブルータルブラックが好みの方に推薦したい作品。特にこの心地良い爆走感、KULT OV AZAZELとかなり近いものがあると思うんですよね。


ADVERSAM ★★ (2013-06-24 18:54:27)

イタリア産シンフォニック・ブラック。
国産ブラックJUNO BLOODLUSTのSummum Algor氏も在籍。


RÊX MÜNDI - Ihvh ★★★ (2013-06-24 18:51:18)

2011年発表の1st。
ジャケにバンド名もアルバムタイトルも書いてなくてちょっと不親切…
と思ったら、アルバムタイトルはうす~い字で書いてありました(笑)。

魔方陣のようなジャケットに惹かれて購入してしまったんですが、予想(期待)を裏切らない神秘主義的な真性ブラックという感じで、これは良いですね。多くのレビュアーがDEATHSPELL OMEGAやBLUT AUS NORDとの共通点を挙げる通り、アメリカ産ながらフレンチブラックの毒々しく美しい宗教的なトレモロを取り入れた路線で、前述のバンドの作品と比較するならDSOの「Si Monumentum~」アルバムに近い音でしょうか。

但し、腐食部分が広がるような不気味なメロディ使い、全体を覆う宗教的なムード、根幹はストレートなブラックメタルであることなどは(当時の)DSOとも似てるんですが、この作品の方がごく分かりやすく作られているという印象。乾いた音作りは耳に痛くない感じで、ある程度聴きやすくしてくれてますし、宗教的トレモロリフで責めるパートではしっかりそれを強調した音像で聴かせてくれます。ヴォーカルはMikko Aspaよりはピッチ高めのがなりですが、威厳と凄みを感じさせる声でなかなかにかっこいい。

DSOの「Si~」アルバムを始めとした、フランス産のどこか毒々しさや不穏さの中に耽美さがある作風のブラックが好きであれば買いの一手。何気に乾いた音でのブラスト疾走が凄く気持ちよかったりします。CD側面やジャケにはバンド名の記載がなく、「R」とだけ書かれているので、探す際の参考にどうぞ。


RÊX MÜNDI ★★ (2013-06-24 18:50:31)

天使の名前を冠したメンバーによる、アメリカ産ブラック。
Debemur Mortiより一枚のアルバムをリリースしています。
ちなみにバンド名はラテン語で「世界の王」の意。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - 知らないLove*教えてLove ★★★ (2013-06-24 18:49:00)

まあ簡単に言えば、アイドルソング/アニメソング的なキャッチネスと、昭和歌謡っぽい懐かしいテイストの哀愁メロディの融合…という感じなんですけど、正直そんな言葉ではとても言い表せません。A~Bメロの、正に切ない恋物語の1ページを切り取ったかのような深い哀愁、そしてサビの哀愁を湛えたままのキャッチネスの爆発ぶりが凄まじい。頭サビにも使われているキーフレーズも非常に派手で印象深い。素晴らしいとしか言い様がないです(笑)。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - 夏色えがおで1,2,Jump! ★★★ (2013-06-24 18:48:17)

μ’sの楽曲の中でも代表曲的な風格を持った楽曲だと思うんですけど、「僕らのLIVE~」「僕らは今のなかで」がアニソン的なアッパーさ、「Snow halation」が哀愁クサメロに寄った楽曲だとするなら、この曲はド直球ストレートなアイドルポップスと言えるでしょう。特にギターソロからキメを多用して溜めを作り、一気に開放的な情景が広がるラスサビへの入りは、音作りが完璧過ぎて耳を澄ませて聴いてたら鳥肌立った。なんだあのストリングスや効果音の絡め方は…。音が凝ってるだけじゃなくて、その「凝り」がポップ性を生んでいるのが真に凄いと思う。